JPH105183A - 血圧計排気装置 - Google Patents

血圧計排気装置

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JPH105183A
JPH105183A JP8165532A JP16553296A JPH105183A JP H105183 A JPH105183 A JP H105183A JP 8165532 A JP8165532 A JP 8165532A JP 16553296 A JP16553296 A JP 16553296A JP H105183 A JPH105183 A JP H105183A
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JP
Japan
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exhaust
piezoelectric element
valve body
exhaust valve
case
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JP8165532A
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English (en)
Inventor
Takahiro Kurihara
崇浩 栗原
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Publication of JPH105183A publication Critical patent/JPH105183A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適切な排気量を確保することができ、圧力降
下の速度を一定にして測定精度を安定化することができ
る血圧計排気装置を提供する。 【解決手段】 血圧計のカフに連通接続される密閉状の
ケース2と、このケース2内に収容される排気弁体3と
を具備し、この排気弁体3は中空弾性体でなりその周壁
にスリット4が形成されると共にケース2外へ開口した
排気口5を有するものであり、カフ内空気がケース2内
に送気されスリット4から排気弁体3内に導入されて排
気口5から同ケース2外へ排出される血圧計排気装置で
あって、カフ1内空気の圧力降下に伴ってスリット4が
拡開されるように排気弁体3を変形させる圧電素子6を
設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血圧計の血圧測定
時になされる定速排気のための血圧計排気装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】オシロメトリック法で血圧測定を行う血
圧計においては、上腕或いは手首等に巻いたカフをエア
ポンプで所定圧力まで加圧して動脈を圧迫することによ
り血流を一旦停止させた後、カフ内空気の圧力を血圧計
排気装置によって徐々に降下させ、この間に動脈拍動に
伴うカフ内空気の圧力及び振動振幅のパターンをマイク
ロコンピュータで処理することによって、最高血圧値及
び最低血圧値を測定している。そして、このような血圧
計に用いられる血圧計排気装置としては、カフ内空気の
圧力を3〜4mmHg/秒程度の一定速度で時間と共に直線
的に降下させることができるものが望まれている。
【0003】そこで、従来の血圧計排気装置Aを図31に
示す。図31(a)は同血圧計排気装置Aの要部断面図、
図31(b)は同血圧計排気装置Aの要部底面図である。
同血圧計排気装置Aは、本出願人によって出願され、特
開平5-269090号として既に公開されたものである。
【0004】該血圧計排気装置Aは、ケース2と、排気
弁押圧体25と、調節ネジ26と、バネ27と、Oリング28と
を有している。ケース2は血圧計排気装置Aの機構部分
を収納するもので有底円筒状であり、その開口側である
上部29の周壁内面には後述する調節ネジ26を螺合するた
めの雌ネジ30が刻設され、その底面部には略十字状の貫
通孔31が穿設されている。又、該ケース2の下部側面に
は、図32に示すカフ1に連通接続されて、該カフ1内空
気を同血圧計排気装置Aのケース2内へ導入するための
導入口12が設けられている。同ケース2は合成樹脂等に
よって一体に形成されたもので、その内部に、排気弁体
3、排気弁押圧体25、調節ネジ26、バネ27、Oリング28
等が収納されている。
【0005】排気弁体3は弾性体でなり、両端が開口し
た円筒状に形成され、その周壁に筒方向に長いスリット
4を有しており、導入口12から導入される空気量を調節
して定速排気するためのものである。同スリット4の長
さ及び個数は、長さが長くて個数が多い程、排気速度を
速く設定できるもので、接続されるカフ1の容量との関
係において所定の排気速度が得られるように適宜設定さ
れる。同排気弁体3はケース2の底面部と排気弁押圧体
25との間に介設されて、調節ネジ26からバネ27を介して
受ける圧力によって、同ケース2の底面部と排気弁押圧
体25との間で挟持されている。
【0006】排気弁押圧体25は合成樹脂等で一体に形成
され、排気弁体3をその弾性に抗して筒方向に押圧する
ものである。該排気弁押圧体25は、その一面側に調節ネ
ジ26との間に介設されるバネ27を受けるバネ受け段面32
と、その外周面にケース2の内周面に接するOリング28
が装着される環状の溝部33と、その他面側に円柱状で且
つ根元部分が円筒状の排気弁体3の内径と略同一の直径
を有する軸部34とが形成されている。該軸部34は、その
先端側の直径が排気弁体3の内径より小さくなっている
と共に、上記貫通孔31に挿通されるその先端側面には、
略十字状の同貫通孔31と係合して排気弁押圧体25の回り
止めをなす一対の突部35が形成されている。なお、貫通
孔31における突部35が係合しない部分は、排気口5とし
て機能するものである。
【0007】上述の血圧計排気装置Aにおいて、調節ネ
ジ26からバネ27を介し排気弁押圧体25にて押圧されるこ
とにより筒方向に圧縮力が加えられた排気弁体3は、そ
の筒方向中央部分が膨らんで、図31(a)に示す如く、
樽形状に変形すると共に、該変形に伴ってスリット4が
拡開する。この拡開量は加えられる圧縮力に応じたもの
となるため、所定の排気速度を得るための同拡開量の調
節を行うことが可能となる。又、該調節にあたって、調
節ネジ26が直接に排気弁体3を押圧するのではなく、バ
ネ27を介して押圧されているため、該バネ27のバネ定数
を選定することによって、調節ネジ26一回転についての
排気弁押圧体25の押し込み量を、ネジピッチで規定され
ない値に設定することができるものである。更には、バ
ネ27と排気弁体3との間に介在する排気弁押圧体25は、
ケース2の貫通孔31との係合によって筒方向の圧縮力の
みを受けるようになっているため、調節ネジ26を回転さ
せることによって調節を行うものでありながら、排気弁
体3が捻じれてしまうことがない。
【0008】そして、該血圧計排気装置Aはその導入口
12が、図32に示す如く、エアポンプ16によって加圧され
るカフ1に接続されるものであり、その際、排気弁体3
の外周面には高圧空気による圧力が加えられるのに対し
て、同排気弁体3の内周面には上記排気口5を通じて大
気に連通しているため大気圧が加わるだけで、両者の圧
力差によって、排気弁体3はスリット4が縮閉する方向
にその弾性に抗して変形し、同スリット4を通じて排気
口5から排出される空気量が減少される。そして、排気
弁体3の外周面に加わる圧力が低下すれば、排気弁体3
はスリット4が拡開する方向にその弾性復元力によって
変形し、同スリット4を通過する空気量が増大される。
その結果、図33に示す如き、P(圧力)−Q(排気量)
特性が得られることとなる。なお、排気弁体3の外周面
とケース2の内周面との間の空間の上方は排気弁押圧体
25の外周に設けたOリング28で密閉さており、又、同空
間の下方は排気弁体3の下端開口端面がケース2の底面
部に接することで密閉されている。
【0009】この場合、P−Q特性、すなわち、所望す
るカフ1の圧力降下速度を得るのに必要な血圧計排気装
置Aとしての圧力P(mmHg)に対する排気量Q(cc/
分)の特性は、理論的には、図34の曲線イで示すよう
に、圧力Pが低くなるにつれて排気量Qの増加の割合が
大きくなる所謂指数関数的な曲線を描くものであること
が要求される。上記従来の技術のような弾性体でなる排
気弁体3によるものは、圧力Pが高い時において、同弾
性体でなる排気弁体3が外周面から強い圧縮力を受けて
スリット4の拡開量が小さくなるため、該スリット4か
ら排出される空気量は少ないものとなる。そして、圧力
Pが低くなることで排気弁体3が受ける圧力Pによる圧
縮力が小さくなると、スリット4は排気弁体3の弾性復
元力で大きく拡開して排気量Qが増大していくので、図
34の曲線イに近似するP−Q特性を持つことになる。な
お、このものにおいては、圧力Pがある値より小さい場
合、圧力Pの低下によってもスリット4の拡開量が変化
しなくなるため、一定拡開量の元での圧力Pと排気量Q
との関係に同じとなって、図34の曲線ロで示す如くとな
る。しかしながら、血圧測定においては、この理論値か
ら大きく離れてしまう圧力Pが低い領域では使用される
ことがないため、上記従来の技術で示した血圧計排気装
置Aは、その構造の簡便さもあって、カフ1内空気の圧
力を所定の一定速度で時間と共に直線的に降下させるこ
とができるものとして好ましいものとされている。そし
て、図32に示す如く、カフ1を加圧するエアーポンプ16
と、血圧値の測定終了後にカフ1内空気を抜くための電
磁弁17とを、チューブ15によって連通接続し、エアーポ
ンプ16及び電磁弁17を制御する制御手段7としての回路
によって、カフ1内空気の圧力を同血圧計排気装置Aに
より徐々に降下させて血圧値の測定に供される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術においては、圧力降下速度を適宜調節できるも
のの、調節ネジ26によって圧力降下速度を調節するとき
は、カフ1を平均的な上腕或いは手首等の周長によって
所定の巻き方を行うことを想定し調節することとなる。
したがって、上腕或いは手首等が著しく太いか或いは細
い場合、又、カフ1の巻き方によって同カフ1の内容量
が大きく変化した場合には、圧力降下速度が大きく変化
してしまうことになる。
【0011】すなわち、図35に示す如く、カフ1を平均
的な周長によって所定の巻き方を行ったイの場合に比
べ、カフ1を巻いた周長が長くカフ1の内容量が大きい
ロの場合は、圧力降下速度が遅くなることによって血圧
値を測定する所定の圧力値になるまでの時間Bは長くな
る。又、カフ1を巻いた周長が短くカフ1の内容量が小
さいハの場合は、圧力降下速度が速くなることによって
血圧値を測定する所定の圧力値になるまでの時間Cは短
くなる。そして、血圧値を測定するまでの時間が長い場
合、被検者の上腕や手首等は長い時間締めつけられるこ
とになり血流が鬱血状態となることがあって、正確な血
圧値の測定ができないこととなる。又、反対に血圧値を
測定するまでの時間が短い場合、所定の振動振幅のパタ
ーンのサンプリングがマイクロコンピュータで処理でき
なくなり、測定の精度が低下したり測定のやり直しが必
要になったりする。
【0012】又、上記の如く、調節ネジ26のねじ込み量
を変化させたり、或いは、異なるバネ定数のバネ27を選
定したりして、排気弁押圧体25による排気弁体3に対す
る圧縮力を変化させて圧力降下速度を調節することには
根本的な問題がある。すなわち、調節ネジ26のねじ込み
量を変化させるのには手動で該調節ネジ26を回動させる
作業を要し、又、バネ定数を異ならせるためにはバネ27
を取り替えることが必要で、いずれにしても、圧力降下
速度を調節するに際して、面倒な作業を要すると共に微
妙な調節が困難となる。しかも、カフ1内空気の圧力が
降下して排気弁体3が受ける圧力が小さくなった際に、
該排気弁体3はそれ自体の弾性復元力とバネ27による圧
縮力とによって膨大変形されて、同排気弁体3に形成さ
れるスリット4が拡開して排気量Qは増大するものの、
この場合、弾性復元力とバネ27とによる一定の圧縮力だ
けでは排気弁体3が十分には変形されず、スリット4の
拡開度合いが少なくて適切な排気量Qを確保し難いもの
である。
【0013】更に、上記従来の技術においては、図32に
示す如く、血圧値の測定終了後にカフ1内空気を抜くた
めの電磁弁17を必要としている。そして、該電磁弁17
は、血圧値の測定中は励磁電流を流し閉状態としなけれ
ばならないため、その分電流を多く消費することにな
る。その結果、電源に電池を用いる血圧計の場合、電池
の消耗が著しく早いものとなるという不都合を生じる。
【0014】本発明は、上記従来の技術における問題を
解決するために発明されたもので、すなわち、その課題
は、カフ内空気の圧力が降下しても適切な排気量を確保
することができ、しかも、カフの内容量が変化した際に
同圧力降下の速度を一定にして測定精度を安定化するこ
とができ、その際の調節作業が簡単で、微妙な調節を行
うこともでき、又、電磁弁を省略することもできる血圧
計排気装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
血圧計排気装置は、血圧計のカフに連通接続される密閉
状のケースと、該ケース内に収容される排気弁体とを具
備し、該排気弁体は中空弾性体でなりその周壁にスリッ
トが形成されると共にケース外へ開口した排気口を有す
るものであり、カフ内空気がケース内に送気されスリッ
トから排気弁体内に導入されて排気口から同ケース外へ
排出される血圧計排気装置であって、カフ内空気の圧力
降下に伴ってスリットが拡開されるように排気弁体を変
形させる圧電素子を設けてなる。
【0016】したがって、この場合、カフ内空気の圧力
が降下した際に、該カフに連通接続される密閉状のケー
ス内の圧力も低下するが、それに伴って、弾性中空体で
なる排気弁体はその周壁に形成されるスリットが拡開さ
れるように圧電素子によって強制的に変形されるので、
該十分に拡開されたスリットから同排気弁体内に空気が
導入されて適切な排気量が確保される。しかも、圧電素
子はこれにかかる電圧を変化させることによって変形さ
れるので、カフの内容量が変化した場合にも、同電圧を
変化調節することによって簡単且つ微妙に、同カフ内空
気の圧力降下速度を一定にして測定精度を安定化するこ
とができる。
【0017】本発明の請求項2記載の血圧計排気装置
は、上記請求項1記載の血圧計排気装置において、カフ
内空気の圧力及びその変動に応じ、圧電素子にかかる電
圧を変化させることによって、同カフ内空気の圧力降下
速度を調節する制御手段を具備することを特徴とする。
【0018】したがって、この場合は特に、カフ内空気
の圧力及びその変動に応じて圧電素子にかかる電圧が制
御手段によって自動的に変化され、カフ内空気の圧力降
下速度が調節されるので、カフ内空気の圧力降下速度を
一定にする調節が自動的になされてより簡単となる。
又、同制御手段の回路やプログラムを変更することによ
って、各圧力下での圧力降下速度を調節することもでき
るので、同圧力降下速度を可変させる必要がある場合に
も使用することができる。
【0019】本発明の請求項3記載の血圧計排気装置
は、上記請求項1又は2記載の血圧計排気装置におい
て、圧電素子に電圧がかかっていない際に、排気弁体の
スリットが開状態にあることを特徴とする。したがっ
て、この場合は特に、簡単な構造でノーマリーオープン
型の弁が実現される。
【0020】本発明の請求項4記載の血圧計排気装置
は、上記請求項1又は2記載の血圧計排気装置におい
て、圧電素子に電圧がかかっていない際に、排気弁体の
スリットが閉状態にあることを特徴とする。したがっ
て、この場合は特に、簡単な構造でノーマリークローズ
型の弁が実現され、これによって、加圧時に圧電素子に
電圧をかけて変形させる必要がなくなるので、電流の消
費が少なくて済む。
【0021】本発明の請求項5記載の血圧計排気装置
は、上記請求項1又は2記載の血圧計排気装置におい
て、圧電素子としてバイモルフ型のものを採用して該圧
電素子の一端をケースに固定し、同圧電素子の反り変形
によりその他端で排気弁体が変形されるようになしたこ
とを特徴とする。したがって、この場合は特に、バイモ
ルフ型の圧電素子の一端が固定され、該圧電素子の反り
変形によりその他端で排気弁体が変形されるので、該片
持支持されたバイモルフ型の圧電素子によって同排気弁
体の変形ストローク量を大きく確保することができ、微
少な排気量から多大な排気量まで広い範囲で同排気量を
調節することが可能となる。
【0022】本発明の請求項6記載の血圧計排気装置
は、上記請求項1又は2記載の血圧計排気装置におい
て、圧電素子としてバイモルフ型のものを採用して該圧
電素子の両端をケースに固定し、同圧電素子の反り変形
によりその中央で排気弁体が変形されるようになしたこ
とを特徴とする。したがって、この場合は特に、バイモ
ルフ型の圧電素子の両端が固定され、該圧電素子の反り
変形によりその中央で排気弁体が変形されるので、該両
端支持されたバイモルフ型の圧電素子によって排気弁体
にその筒方向に沿った方向で確実に変形力を与えること
ができ、該排気弁体は屈曲したり異形に変形することが
なくて、より正確な圧力降下速度の調節が可能となる。
【0023】本発明の請求項7記載の血圧計排気装置
は、上記請求項1又は2記載の血圧計排気装置におい
て、圧電素子として積層型のものを採用して該圧電素子
の一端をケースに固定し、同圧電素子の他端をケース内
に突設される動作片の基端側に接合させ、同圧電素子の
伸縮変形により同動作片が揺動動作されてその先端側で
排気弁体が変形されるようになしたことを特徴とする。
したがって、この場合は特に、積層型の圧電素子により
動作片を介して排気弁体が変形されるので、積層型の圧
電素子によって排気弁体に対する大きな変形力を得るこ
とができ、該積層型の圧電素子は変位量が少ないもの
の、片持支持される動作片を介することで、てこの原理
により排気弁体の変形ストローク量を大きく確保するこ
とができる。
【0024】本発明の請求項8記載の血圧計排気装置
は、上記請求項1又は2記載の血圧計排気装置におい
て、排気弁体のスリットよりも十分に広い開口面積を有
する急速排気口をケースに設け、該急速排気口が圧電素
子によって開閉されるようになしたことを特徴とする。
したがって、この場合は特に、ケースに急速排気口が設
けられるので、電磁弁を使用する必要がなくなって、部
品点数の削減、省スペース化、消費電流の低減等が図ら
れる。
【0025】本発明の請求項9記載の血圧計排気装置
は、上記請求項8記載の血圧計排気装置において、排気
弁体と急速排気口とをケース内の対向位置に配設し、同
排気弁体の変形と急速排気口の開閉とが同じ圧電素子に
よってなされるようになしたことを特徴とする。したが
って、この場合は特に、排気弁体と急速排気口とがケー
ス内の対向位置に配設されて、同排気弁体の変形と急速
排気口の開閉とが同じ圧電素子によってなされるので、
より一層の部品点数の削減、省スペース化、消費電流の
低減及び構造の簡略化等が図られる。
【0026】本発明の請求項10記載の血圧計排気装置
は、上記請求項8記載の血圧計排気装置において、排気
弁体と急速排気口とをケース内の同じ側に並設し、同排
気弁体の変形と急速排気口の開閉とが同じ圧電素子によ
ってなされるようになしたことを特徴とする。したがっ
て、この場合は特に、排気弁体の変形と急速排気口の開
閉とが同じ圧電素子によってなされるので、より一層の
部品点数の削減、省スペース化、消費電流の低減及び構
造の簡略化等が図られる。しかも、排気弁体と急速排気
口とがケース内の同じ側に並設されるので、排気弁体の
導入口や排気口等と急速排気口とが同じ側に揃えられ、
これ等でなる排気部分の小型化を図ることができる。
【0027】本発明の請求項11記載の血圧計排気装置
は、上記請求項8記載の血圧計排気装置において、圧電
素子によって急速排気口を開閉自在に押圧密閉する弾性
パッキン材を備えたことを特徴とする。したがって、こ
の場合は特に、急速排気口が開閉自在に弾性パッキン材
によって確実に押圧密閉される。
【0028】本発明の請求項12記載の血圧計排気装置
は、上記請求項11記載の血圧計排気装置において、弾性
パッキン材の背方に該弾性パッキン材よりも変形量の大
きい弾性材を介設したことを特徴とする。したがって、
この場合は特に、弾性材の伸縮吸収作用によって弾性パ
ッキン材が急速排気口に対し垂直方向に押圧されるよう
になるので、弾性パッキン材の開閉移動方向が急速排気
口に対して傾斜する場合でも、同弾性パッキン材によっ
て急速排気口は確実に押圧密閉される。
【0029】本発明の請求項13記載の血圧計排気装置
は、上記請求項11記載の血圧計排気装置において、急速
排気口の周縁に弾性パッキン材に着脱自在に圧接される
円錐状部を突設したことを特徴とする。したがって、こ
の場合は特に、弾性パッキン材が急速排気口の周縁に突
設される円錐状部に圧接されるので、弾性パッキン材を
急速排気口に対して押圧する力が少なくても該急速排気
口は同弾性パッキン材によって確実に押圧密閉され、圧
電素子への供給電流も少なくて済む。
【0030】
【発明の実施の形態】図1、図2、図3、図4、図5
は、本発明の請求項1、2、3、5に対応する第一の実
施形態を示し、該第一の実施形態の血圧計排気装置は、
血圧計のカフ1に連通接続される密閉状のケース2と、
該ケース2内に収容される排気弁体3とを具備し、該排
気弁体3は中空弾性体でなりその周壁にスリット4が形
成されると共にケース2外へ開口した排気口5を有する
ものであり、カフ1内空気がケース2内に送気されスリ
ット4から排気弁体3内に導入されて排気口5から同ケ
ース2外へ排出される血圧計排気装置であって、カフ1
内空気の圧力降下に伴ってスリット4が拡開されるよう
に排気弁体3を変形させる圧電素子6を設けてなるもの
である。
【0031】該第一の実施形態の血圧計排気装置におい
ては、カフ1内空気の圧力及びその変動に応じ、圧電素
子6にかかる電圧を変化させることによって、同カフ1
内空気の圧力降下速度を調節する制御手段7を具備して
いる。又、圧電素子6に電圧がかかっていない際に、排
気弁体3のスリット4は開状態にあり、又、圧電素子6
としてバイモルフ型のものを採用して該圧電素子6の一
端8をケース2に固定し、同圧電素子6の反り変形によ
りその他端9で排気弁体3が変形されるようになってい
る。
【0032】ケース2は合成樹脂にて一体に形成された
もので、その内部には排気弁体3及び圧電素子6が収納
される。この場合、ケース2には排気弁体3、圧電素子
6等を収納するための開口部10が形成されており、収納
後に該開口部10は蓋体11によって密閉される。又、ケー
ス2には、カフ1内空気をその内部に送入する導入口12
と、排気弁体3に連通する排気口5と、圧電素子6の一
端8を取着固定するための取付孔13とが形成されてい
る。
【0033】排気弁体3はゴム、軟質合成樹脂等の弾性
体でなり、一端側が閉口した円筒状に形成され、その周
壁に筒方向に長いスリット4を有しており、導入口12か
らケース2内に導入される空気量を調節して定速排気す
るためのものである。同スリット4の長さ及び個数は、
長さが長くて個数が多い程、排気速度を速く設定できる
もので、接続されるカフ1の容量との関係において所定
の排気速度が得られるように適宜設定される。
【0034】又、排気弁体3は、その開口した他端側が
上記ケース2の内面に接着固定され排気口5として該ケ
ース2外へ開口され、その閉口した一端側が圧電素子6
の他端9に接着結合されて、該圧電素子6の他端9と同
ケース2の内面との間で挟持される。その際、同排気弁
体3はその弾性に抗して筒方向に若干縮められた状態に
して、圧電素子6の他端9と同ケース2の内面との間に
取り付けられ挟持される。又、圧電素子6の他端9と排
気弁体3の一端側とは相互に結合固着されていなくて
も、排気弁体3の弾性復元力によって相互に当接されて
いるだけでも良いもので、この場合は、圧電素子6によ
って排気弁体3が押圧変形されるだけで引っ張り変形さ
れることはなく、同排気弁体3の弾性復元力によって変
形するものとなる。
【0035】圧電素子6は板状のバイモルフ型圧電素子
でなり、その一端8がケース2の上記取付孔13に挿通さ
れて接着固定されている。バイモルフ型圧電素子は薄板
状の圧電セラミックを二枚貼り合わせてなり、両圧電セ
ラミックに電圧を印加することによって、一方の圧電セ
ラミックが伸び、他方の圧電セラミックが縮んで、全体
として反り変形をなすものである。圧電素子6の取付孔
13に挿通された一端8はケース2外へ突出し、該突出部
分において制御手段7に接続されている。該制御手段は
圧電素子6に電圧をかけこれを反り変形させるもので、
これにより、排気弁体3が押圧或いは引っ張り変形さ
れ、該排気弁体3に形成されるスリット4が拡開され
て、カフ1内空気の圧力降下速度が調節される。
【0036】制御手段7はマイクロプロセッサ、IC等
を有する回路で構成され、該制御手段7は、図3に示す
如く、カフ1内空気の圧力を検出する圧力センサ14から
の検出信号に基づいて、同カフ1内空気の排気速度が一
定の速さとなるように、圧電素子6に電圧を調整印加す
ることにより、該圧電素子6で排気弁体3を変形させて
その周壁に形成されるスリット4の開口量を変化調整す
るものである。又、ケース2の導入口12はチューブ15に
よってカフ1及びエアポンプ16、電磁弁17と接続され、
同カフ1内空気の圧力及びその変動が圧力センサ14で検
出されて、前述の如く、制御手段7により排気弁体3の
スリット4の開口量が変化調整され、同カフ1内空気の
圧力降下速度が調節制御される。
【0037】次に、該実施形態の血圧計排気装置が採用
された血圧計によって、血圧測定を行う動作について説
明する。同血圧計排気装置の起動前には、図1に示す状
態にあり、排気弁体3のスリット4は開状態となってい
る。エアポンプ16の加圧により導入口12からケース2内
に空気圧力が加わると、制御手段7によって圧電素子6
に電圧がかけられて該圧電素子6が反り変形をなし、こ
れによって、排気弁体3は筒方向に引っ張り変形され
て、その周壁に形成されるスリット4が縮閉されて閉状
態となる(図4に示す状態)。その後、加圧が終了し、
測定のための減圧に転じると、カフ1内空気の圧力が一
定の速度で徐々に降下するように、制御手段7により圧
電素子6にかかる電圧が調整制御され、排気弁体3が筒
方向に圧縮変形されて、その周壁に形成されるスリット
4が徐々に拡開される(図5に示す状態)。この場合、
カフ1内空気の圧力は3〜4mmHg/秒程度の一定速度で
時間と共に直線的に降下するもので、この間に、動脈拍
動に伴うカフ1内空気の圧力及び振動振幅のパターンを
マイクロコンピュータで処理することによって、最高血
圧値及び最低血圧値が測定される。測定が終了すると、
図1に示す定常状態に戻り、電磁弁17をオープンにして
カフ1内に残存する空気が一気に排出除去される。
【0038】したがって、該第一の実施形態の血圧計排
気装置においては、カフ1内空気の圧力が降下した際
に、該カフ1に連通接続される密閉状のケース2内の圧
力も低下するが、それに伴って、図5に示す如く、弾性
中空体でなる排気弁体3はその周壁に形成されるスリッ
ト4が拡開されるように圧電素子6によって強制的に圧
縮変形されるので、該十分に拡開されたスリット4から
同排気弁体3内に空気が導入されて適切な排気量が確保
される。しかも、圧電素子6はこれにかかる電圧を変化
させることによりこれに対応して所定量だけ反り変形さ
れるので、カフ1の内容量が変化した場合にも、同電圧
を変化調節することによって簡単且つ微妙に、同カフ1
内空気の圧力降下速度を一定に調整して測定精度を安定
化することができる。
【0039】又、該第一の実施形態の血圧計排気装置に
おいては、カフ1内空気の圧力及びその変動に応じて圧
電素子6にかかる電圧が制御手段7によって自動的に変
化され、カフ1内空気の圧力降下速度が調節されるの
で、カフ1内空気の圧力降下速度を一定にする調節が自
動的になされてより簡単となる。又、同制御手段7の回
路やプログラムを変更することによって、各圧力下での
圧力降下速度を調節することもできるので、同圧力降下
速度を可変させる必要がある場合にも使用することがで
きる。
【0040】又、該第一の実施形態の血圧計排気装置に
おいては、図1に示す如く、圧電素子6に電圧がかかっ
ていない際に、排気弁体3のスリット4が開状態にある
もので、簡単な構造でノーマリーオープン型の弁が実現
されたものである。又、圧電素子6がバイモルフ型のも
ので該圧電素子6の一端8が固定され、同圧電素子6の
反り変形によりその他端9で排気弁体3が圧縮変形され
るので、該片持支持されたバイモルフ型の圧電素子6に
よって同排気弁体3の変形ストローク量を大きく確保す
ることができ、微少な排気量から多大な排気量まで広い
範囲で同排気量を調節することが可能となっている。
【0041】なお、該第一の実施形態の血圧計排気装置
の説明において、上記従来の技術において説明した動作
或いはそれによる作用効果と同様の部分については、そ
の説明を省略している。
【0042】図6、図7は、本発明の請求項1、2、
4、5に対応する第二の実施形態を示し、該第二の実施
形態の血圧計排気装置においては、圧電素子6に電圧が
かかっていない際に、図6に示す如く、排気弁体3のス
リット4が閉状態にあり、したがって、この場合は、簡
単な構造でノーマリークローズ型の弁が実現されたもの
で、これによって、加圧時に圧電素子6に電圧をかけて
変形させる必要がなくなり、電流の消費が少なくて済
む。
【0043】又、該第一の実施形態の血圧計排気装置に
おいては、排気弁体3の周壁に周方向に長いスリット4
が形成されている。したがって、同血圧計排気装置はそ
の起動前には、図6に示す状態にあり、排気弁体3のス
リット4は閉状態となっている。次に、エアポンプ16の
加圧により導入口12からケース2内に空気圧力が加わっ
ても、同図6に示す状態は維持される。その後、加圧が
終了し、測定のための減圧に転じると、カフ1内空気の
圧力が一定の速度で徐々に降下するように、制御手段7
により圧電素子6にかかる電圧が調整制御され、排気弁
体3が筒方向に引っ張り変形されて、その周壁に形成さ
れるスリット4が徐々に拡開される(図7に示す状
態)。それ以外は上記第一の実施形態と同様に構成され
ており、上記第一の実施形態におけると同様の作用効果
が奏される。
【0044】図8、図9は、本発明の請求項1、2、
4、6に対応する第三の実施形態を示し、該第三の実施
形態の血圧計排気装置においては、圧電素子6としてバ
イモルフ型のものが採用されて該圧電素子6の両端18が
ケース2に固定され、同圧電素子6の反り変形によりそ
の中央19で排気弁体3が引っ張り変形されるようになっ
ている。したがって、この場合は、両端18で支持された
バイモルフ型の圧電素子6によって排気弁体3にその筒
方向に沿った方向で確実に変形力を与えることができ、
該排気弁体3は屈曲したり異形に変形することがなく
て、より正確な圧力降下速度の調節が可能となってい
る。それ以外は上記第二の実施形態と同様に構成されて
おり、上記第二の実施形態におけると同様の作用効果が
奏される。
【0045】図10、図11、図12は、本発明の請求項1、
2、3、7に対応する第四の実施形態を示し、該第四の
実施形態の血圧計排気装置においては、圧電素子6とし
て積層型のものが採用されて該圧電素子6の一端8がケ
ース2に固定され、同圧電素子6の他端9がケース2内
に突設される動作片20の基端側に接合され、同圧電素子
6の伸縮変形により同動作片20が揺動動作されてその先
端側で排気弁体3が変形されるようになっている。積層
型圧電素子は薄板状の分極された圧電セラミックを多数
枚積層してなり、各圧電セラミックに対しその分極軸と
同じ方向に電圧を印加することによって各圧電セラミッ
クは各々厚み方向に伸び、全体としては同厚み方向の各
伸びの総和分だけ積層方向に伸び変形をなすものであ
る。
【0046】したがって、この場合は、積層型の圧電素
子6により動作片20を介して排気弁体3が変形されるの
で、積層型の圧電素子6によって排気弁体3に対する大
きな変形力を得ることができ、該積層型の圧電素子6は
変位量が少ないものの、片持支持される動作片20を介す
ることで、てこの原理により排気弁体3の変形ストロー
ク量を大きく確保することができる。
【0047】又、該第四の実施形態の血圧計排気装置に
おいては、動作片20のケース2への固定及び排気弁体3
との接合が、上記第一の実施形態における圧電素子6と
同様になされており、すなわち、該動作片20は、ケース
2の取付孔13に挿通されて接着固定され、排気弁体3に
接着結合されている。この場合、上記第一の実施形態に
おける圧電素子6と同様に、同動作片20によって、排気
弁体3は圧縮或いは引っ張り変形されるものである。そ
れ以外は上記第一の実施形態と同様に構成されており、
上記第一の実施形態におけると同様の作用効果が奏され
る。
【0048】図13、図14、図15、図16、図17、図18は、
本発明の請求項1、2、3、5、8、11に対応する第五
の実施形態を示し、該第五の実施形態の血圧計排気装置
においては、排気弁体3のスリット4よりも十分に広い
開口面積を有する急速排気口21がケース2に設けられ、
該急速排気口21が圧電素子6bによって開閉されるように
なっている。したがって、この場合は、ケース2に急速
排気口21が設けられるので、上記各実施形態におけるよ
うに、電磁弁17を使用する必要がなく、部品点数の削
減、省スペース化、消費電流の低減等が図られている。
【0049】すなわち、該第五の実施形態の血圧計排気
装置においては、測定終了後に、図18に示す如く、制御
手段7によって圧電素子6bに電圧がかけられ、該圧電素
子6bが反り変形して急速排気口21が開けられて、該急速
排気口21からカフ1内に残存する空気が一気に排出除去
される。その際、スリット4が拡開していて、該スリッ
ト4から空気が排気弁体3内に導入され、該排気弁体3
の排気口5からも空気は排出除去される。その他の過程
においては、図13、図16、図17に示す如く、圧電素子6b
によって急速排気口21は閉じられている。この場合、圧
電素子6bによって急速排気口21を開閉自在に押圧密閉す
る弾性パッキン材22が同圧電素子6bに付設されているの
で、急速排気口21は開閉自在に同弾性パッキン材22によ
って確実に押圧密閉される。
【0050】又、該第五の実施形態の血圧計排気装置に
おいては、ケース2に二つの取付孔13a、13bが形成さ
れており、一方の取付孔13aに排気弁体3を変形させる
圧電素子6aが挿通され、他方の取付孔13bに上記急速排
気口21を開閉する圧電素子6bの一端8が挿通されて、各
々接着固定されており、同圧電素子6bの他端9に前記弾
性パッキン材22が接着固定されており、又、ケース2の
蓋体11に急速排気口21が形成されている。なお、両圧電
素子6a、6bは同じ制御手段7によって相互に反対側へ反
り変形されるものであり、又、弾性パッキン材22はゴ
ム、軟質合成樹脂等の弾性体にて形成されたものであ
る。それ以外は上記第一の実施形態と同様に構成されて
おり、上記第一の実施形態におけると同様の作用効果が
奏される。
【0051】図19、図20、図21、図22、図23は、本発明
の請求項1、2、3、5、8、9、11に対応する第六の
実施形態を示し、該第六の実施形態の血圧計排気装置
は、上記第五の実施形態の血圧計排気装置において、排
気弁体3と急速排気口21とをケース2内の対向位置に配
設し、同排気弁体3の変形と急速排気口21の開閉とが同
じ圧電素子6によってなされるようになしたものであ
る。したがって、この場合は、同じ圧電素子6が兼用さ
れるので、より一層の部品点数の削減、省スペース化、
消費電流の低減及び構造の簡略化等が図られる。
【0052】又、該第六の実施形態の血圧計排気装置に
おいては、測定終了後に、図23に示す如く、圧電素子6
が片側へ反り変形して急速排気口21が開けられて、該急
速排気口21からカフ1内に残存する空気が一気に排出除
去されると共に、スリット4もより以上に拡開されて、
該スリット4から空気が排気弁体3内に導入され、該排
気弁体3の排気口5からも比較的多量の空気が排出除去
される。その他の過程においては、図19、図21、図22に
示す如く、圧電素子6が中立状態或いは反対側へ反り変
形された状態にあり、同圧電素子6が反対側へ反り変形
される際、弾性パッキン材22が圧縮変形されて支障なく
変形される。それ以外は上記第五の実施形態と同様に構
成されており、上記第五の実施形態におけると同様の作
用効果が奏される。図24、図25、図26は、本発明の請求
項1、2、3、5、8、10、11に対応する第七の実施形
態を示し、該第七の実施形態の血圧計排気装置は、上記
第五の実施形態の血圧計排気装置において、排気弁体3
と急速排気口21とをケース2内の同じ側に並設し、同排
気弁体3の変形と急速排気口21の開閉とが同じ圧電素子
6によってなされるようになしたものである。したがっ
て、この場合も、同じ圧電素子6が兼用されるので、よ
り一層の部品点数の削減、省スペース化、消費電流の低
減及び構造の簡略化等が図られる。しかも、この場合に
は、排気弁体3と急速排気口21とがケース2内の同じ側
に並設されるので、排気弁体3の導入口12や排気口5等
と急速排気口21とが同じ側に揃えられ、これ等でなる排
気部分の小型化を図ることができる。
【0053】又、該第七の実施形態の血圧計排気装置に
おいては、測定終了後に、図26に示す如く、圧電素子6
が反り変形して急速排気口21が開けられると共に該圧電
素子6は排気弁体3から離脱するものであり、同急速排
気口21はケース2の蓋体11ではなく本体側に形成されて
いる。又、圧電素子6の一端8が固定され、同他端9に
付設された弾性パッキン材22によって急速排気口21が開
閉され、同中央19によって排気弁体3が圧縮変形され
る。それ以外は上記第五の実施形態と同様に構成されて
おり、上記第五の実施形態におけると同様の作用効果が
奏される。
【0054】図27、図28は、本発明の請求項1、2、
3、5、8、9、11、12に対応する第八の実施形態を示
し、該第八の実施形態の血圧計排気装置は、上記第六の
実施形態の血圧計排気装置において、弾性パッキン材22
の背方に該弾性パッキン材22よりも変形量の大きい弾性
材23を介設したものである。該弾性材23は、合成樹脂或
いはゴムの発泡体、バネ材等の弾性に富んだ素材で形成
される。
【0055】したがって、この場合は、弾性材23の伸縮
吸収作用によって弾性パッキン材22が急速排気口21に対
し垂直方向に押圧されるようになるので、弾性パッキン
材22の開閉移動方向が急速排気口21に対して傾斜する場
合でも、図28(b)に示す如く、同弾性パッキン材22に
よって急速排気口21は確実に押圧密閉される。又、図28
(b)に示す如く、圧電素子6が急速排気口21側へ反り
変形されて該急速排気口21が閉じられる際に、弾性パッ
キン材22だけでなく弾性材23が大きく圧縮変形されて同
圧電素子6は支障なく変形されるので、この場合に特に
有効なものとなっている。それ以外は上記第六の実施形
態と同様に構成されており、上記第六の実施形態におけ
ると同様の作用効果が奏される。
【0056】図29、図30は、本発明の請求項1、2、
3、5、8、9、11、13に対応する第九の実施形態を示
し、該第九の実施形態の血圧計排気装置は、上記第六の
実施形態の血圧計排気装置において、急速排気口21の周
縁に弾性パッキン材22に着脱自在に圧接される円錐状部
24を突設したものである。該円錐状部24の内部は中空状
で急速排気口21に連通し、その先端部分が開口していて
弾性パッキン材22に圧接される。
【0057】したがって、この場合は、図30(b)に示
す如く、弾性パッキン材22が急速排気口21の周縁に突設
される円錐状部24に食い込まれるように圧接されるの
で、弾性パッキン材22を急速排気口21に対して押圧する
力が少なくても該急速排気口21は同弾性パッキン材22に
よって確実に押圧密閉され、圧電素子6への供給電流も
少なくて済む。それ以外は上記第六の実施形態と同様に
構成されており、上記第六の実施形態におけると同様の
作用効果が奏される。
【0058】
【発明の効果】上述の如く、本発明の請求項1記載の血
圧計排気装置においては、カフ内空気の圧力が降下した
際に、十分に拡開されたスリットから排気弁体内に空気
が導入されて適切な排気量が確保され、しかも、カフの
内容量が変化した場合にも、圧電素子にかかる電圧を変
化調節することによって簡単且つ微妙に、同カフ内空気
の圧力降下速度を一定にして測定精度を安定化すること
ができる。
【0059】又、本発明の請求項2記載の血圧計排気装
置においては、特に、カフ内空気の圧力降下速度を一定
にする調節が制御手段によって自動的になされてより簡
単となり、又、同制御手段の回路やプログラムを変更す
ることによって、各圧力下での圧力降下速度を調節する
こともできるので、同圧力降下速度を可変させる必要が
ある場合にも使用することができる。
【0060】又、本発明の請求項3記載の血圧計排気装
置においては、特に、圧電素子に電圧がかかっていない
際に、排気弁体のスリットが開状態にあるもので、簡単
な構造でノーマリーオープン型の弁が実現される。
【0061】又、本発明の請求項4記載の血圧計排気装
置においては、特に、圧電素子に電圧がかかっていない
際に、排気弁体のスリットが閉状態にあるもので、簡単
な構造でノーマリークローズ型の弁が実現され、これに
よって、加圧時に圧電素子に電圧をかけて変形させる必
要がなくなるので、電流の消費が少なくて済む。
【0062】又、本発明の請求項5記載の血圧計排気装
置においては、特に、片持支持されたバイモルフ型の圧
電素子によって排気弁体の変形ストローク量を大きく確
保することができ、広い範囲で排気量を調節することが
可能となる。
【0063】又、本発明の請求項6記載の血圧計排気装
置においては、特に、両端支持されたバイモルフ型の圧
電素子によって排気弁体にその筒方向に沿った方向で確
実に変形力を与えることができ、該排気弁体は屈曲した
り異形に変形することがなくて、より正確な圧力降下速
度の調節が可能となる。
【0064】又、本発明の請求項7記載の血圧計排気装
置においては、特に、積層型の圧電素子によって排気弁
体に対する大きな変形力を得ることができ、該積層型の
圧電素子は変位量が少ないものの、動作片を介するてこ
の原理により排気弁体の変形ストローク量を大きく確保
することができる。
【0065】又、本発明の請求項8記載の血圧計排気装
置においては、特に、ケースに急速排気口が設けられ、
電磁弁を使用する必要がなくなるので、部品点数の削
減、省スペース化、消費電流の低減等が図られる。
【0066】又、本発明の請求項9記載の血圧計排気装
置においては、特に、排気弁体と急速排気口とがケース
内の対向位置に配設されて、同排気弁体の変形と急速排
気口の開閉とが同じ圧電素子によってなされるので、よ
り一層の部品点数の削減、省スペース化、消費電流の低
減及び構造の簡略化等が図られる。
【0067】又、本発明の請求項10記載の血圧計排気装
置においては、特に、排気弁体の変形と急速排気口の開
閉とが同じ圧電素子によってなされるので、より一層の
部品点数の削減、省スペース化、消費電流の低減及び構
造の簡略化等が図られ、しかも、排気弁体と急速排気口
とがケース内の同じ側に並設されて、これ等でなる排気
部分の小型化を図ることができる。
【0068】又、本発明の請求項11記載の血圧計排気装
置においては、特に、急速排気口が開閉自在に弾性パッ
キン材によって確実に押圧密閉される。
【0069】又、本発明の請求項12記載の血圧計排気装
置においては、特に、弾性パッキン材の開閉移動方向が
急速排気口に対して傾斜する場合であっても、該弾性パ
ッキン材の背方の弾性材の伸縮吸収作用によって、同弾
性パッキン材が急速排気口に対し垂直方向に押圧され
て、該急速排気口は確実に押圧密閉される。
【0070】又、本発明の請求項13記載の血圧計排気装
置においては、特に、弾性パッキン材が急速排気口の周
縁に突設される円錐状部に圧接されるので、弾性パッキ
ン材を急速排気口に対して押圧する力が少なくても該急
速排気口は同弾性パッキン材によって確実に押圧密閉さ
れ、圧電素子への供給電流も少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態である血圧計排気装置
を示し、(a)はその要部断面図、(b)は該血圧計排
気装置における排気弁体を示す斜視図。
【図2】同血圧計排気装置の要部分解斜視図。
【図3】同血圧計排気装置を使用した血圧計全体を示す
概略説明図。
【図4】同血圧計排気装置の一使用過程における(a)
は要部断面図、(b)は同過程での排気弁体を示す斜視
図。
【図5】同血圧計排気装置の別の使用過程における
(a)は要部断面図、(b)は同過程での排気弁体を示
す斜視図。
【図6】本発明の第二の実施形態である血圧計排気装置
を示し、(a)はその一使用過程における要部断面図、
(b)は同過程での排気弁体を示す斜視図。
【図7】同血圧計排気装置の別の使用過程における
(a)は要部断面図、(b)は同過程での排気弁体を示
す斜視図。
【図8】本発明の第三の実施形態である血圧計排気装置
を示し、(a)はその一使用過程における要部断面図、
(b)は同過程での排気弁体を示す斜視図。
【図9】同血圧計排気装置の別の使用過程における
(a)は要部断面図、(b)は同過程での排気弁体を示
す斜視図。
【図10】本発明の第四の実施形態である血圧計排気装置
を示し、(a)はその要部断面図、(b)は該血圧計排
気装置における排気弁体を示す斜視図。
【図11】同血圧計排気装置の一使用過程における(a)
は要部断面図、(b)は同過程での排気弁体を示す斜視
図。
【図12】同血圧計排気装置の別の使用過程における
(a)は要部断面図、(b)は同過程での排気弁体を示
す斜視図。
【図13】本発明の第五の実施形態である血圧計排気装置
を示し、(a)はその要部断面図、(b)は該血圧計排
気装置における排気弁体を示す斜視図。
【図14】同血圧計排気装置の要部分解斜視図。
【図15】同血圧計排気装置を使用した血圧計全体を示す
概略説明図。
【図16】同血圧計排気装置の一使用過程における(a)
は要部断面図、(b)は同過程での排気弁体を示す斜視
図。
【図17】同血圧計排気装置の別の使用過程における
(a)は要部断面図、(b)は同過程での排気弁体を示
す斜視図。
【図18】同血圧計排気装置の更に別の使用過程における
(a)は要部断面図、(b)は同過程での排気弁体を示
す斜視図。
【図19】本発明の第六の実施形態である血圧計排気装置
を示し、(a)はその要部断面図、(b)は該血圧計排
気装置における排気弁体を示す斜視図。
【図20】同血圧計排気装置の要部分解斜視図。
【図21】同血圧計排気装置の一使用過程における(a)
は要部断面図、(b)は同過程での排気弁体を示す斜視
図。
【図22】同血圧計排気装置の別の使用過程における
(a)は要部断面図、(b)は同過程での排気弁体を示
す斜視図。
【図23】同血圧計排気装置の更に別の使用過程における
(a)は要部断面図、(b)は同過程での排気弁体を示
す斜視図。
【図24】本発明の第七の実施形態である血圧計排気装置
を示し、(a)はその要部断面図、(b)は該血圧計排
気装置における排気弁体を示す斜視図。
【図25】同血圧計排気装置の一使用過程における(a)
は要部断面図、(b)は同過程での排気弁体を示す斜視
図。
【図26】同血圧計排気装置の別の使用過程における
(a)は要部断面図、(b)は同過程での排気弁体を示
す斜視図。
【図27】本発明の第八の実施形態である血圧計排気装置
を示し、(a)はその要部断面図、(b)は該血圧計排
気装置における排気弁体を示す斜視図。
【図28】同血圧計排気装置における(a)(b)各々異
なる使用過程での要部拡大断面図。
【図29】本発明の第九の実施形態である血圧計排気装置
を示し、(a)はその要部断面図、(b)は該血圧計排
気装置における排気弁体を示す斜視図。
【図30】同血圧計排気装置における(a)(b)各々異
なる使用過程での要部拡大断面図。
【図31】従来例である血圧計排気装置を示し、(a)は
その要部断面図、(b)はその要部底面図。
【図32】同血圧計排気装置を使用した血圧計全体を示す
概略説明図。
【図33】同血圧計排気装置におけるP(圧力)−Q(排
気量)特性を示すグラフ。
【図34】同P−Q特性を説示するグラフ。
【図35】同P−Q特性におけるPとT(時間)との関係
を説示するグラフ。
【符号の説明】
1 カフ 2 ケース 3 排気弁体 4 スリット 5 排気口 6 圧電素子 7 制御手段 8 一端 9 他端 18 両端 19 中央 20 動作片 21 急速排気口 22 弾性パッキン材 23 弾性材 24 円錐状部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血圧計のカフに連通接続される密閉状の
    ケースと、該ケース内に収容される排気弁体とを具備
    し、該排気弁体は中空弾性体でなりその周壁にスリット
    が形成されると共にケース外へ開口した排気口を有する
    ものであり、カフ内空気がケース内に送気されスリット
    から排気弁体内に導入されて排気口から同ケース外へ排
    出される血圧計排気装置であって、カフ内空気の圧力降
    下に伴ってスリットが拡開されるように排気弁体を変形
    させる圧電素子を設けてなる血圧計排気装置。
  2. 【請求項2】 カフ内空気の圧力及びその変動に応じ、
    圧電素子にかかる電圧を変化させることによって、同カ
    フ内空気の圧力降下速度を調節する制御手段を具備する
    ことを特徴とする請求項1記載の血圧計排気装置。
  3. 【請求項3】 圧電素子に電圧がかかっていない際に、
    排気弁体のスリットが開状態にあることを特徴とする請
    求項1又は2記載の血圧計排気装置。
  4. 【請求項4】 圧電素子に電圧がかかっていない際に、
    排気弁体のスリットが閉状態にあることを特徴とする請
    求項1又は2記載の血圧計排気装置。
  5. 【請求項5】 圧電素子としてバイモルフ型のものを採
    用して該圧電素子の一端をケースに固定し、同圧電素子
    の反り変形によりその他端で排気弁体が変形されるよう
    になしたことを特徴とする請求項1又は2記載の血圧計
    排気装置。
  6. 【請求項6】 圧電素子としてバイモルフ型のものを採
    用して該圧電素子の両端をケースに固定し、同圧電素子
    の反り変形によりその中央で排気弁体が変形されるよう
    になしたことを特徴とする請求項1又は2記載の血圧計
    排気装置。
  7. 【請求項7】 圧電素子として積層型のものを採用して
    該圧電素子の一端をケースに固定し、同圧電素子の他端
    をケース内に突設される動作片の基端側に接合させ、同
    圧電素子の伸縮変形により同動作片が揺動動作されてそ
    の先端側で排気弁体が変形されるようになしたことを特
    徴とする請求項1又は2記載の血圧計排気装置。
  8. 【請求項8】 排気弁体のスリットよりも十分に広い開
    口面積を有する急速排気口をケースに設け、該急速排気
    口が圧電素子によって開閉されるようになしたことを特
    徴とする請求項1又は2記載の血圧計排気装置。
  9. 【請求項9】 排気弁体と急速排気口とをケース内の対
    向位置に配設し、同排気弁体の変形と急速排気口の開閉
    とが同じ圧電素子によってなされるようになしたことを
    特徴とする請求項8記載の血圧計排気装置。
  10. 【請求項10】 排気弁体と急速排気口とをケース内の同
    じ側に並設し、同排気弁体の変形と急速排気口の開閉と
    が同じ圧電素子によってなされるようになしたことを特
    徴とする請求項8記載の血圧計排気装置。
  11. 【請求項11】 圧電素子によって急速排気口を開閉自在
    に押圧密閉する弾性パッキン材を備えたことを特徴とす
    る請求項8記載の血圧計排気装置。
  12. 【請求項12】 弾性パッキン材の背方に該弾性パッキン
    材よりも変形量の大きい弾性材を介設したことを特徴と
    する請求項11記載の血圧計排気装置。
  13. 【請求項13】 急速排気口の周縁に弾性パッキン材に着
    脱自在に圧接される円錐状部を突設したことを特徴とす
    る請求項11記載の血圧計排気装置。
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