JPH10513265A - X線検査システム - Google Patents

X線検査システム

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JPH10513265A JP8524057A JP52405796A JPH10513265A JP H10513265 A JPH10513265 A JP H10513265A JP 8524057 A JP8524057 A JP 8524057A JP 52405796 A JP52405796 A JP 52405796A JP H10513265 A JPH10513265 A JP H10513265A
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Abstract

(57)【要約】 X線検査システムは、検査されるべき物体(4)にその物体(4)を通して扇状の投射X線ビームを照射するように配置されX線源(1)と;異なる角度で物体(4)を通してコヒレントに散乱されたX線の強度間を弁別して、それらの角度の各々を経て散乱されたX線の強度に基づく出力信号を発生することのできる検出手段(6)と;前記検出手段(6)に作動的に接続されて、前記出力信号を処理し、1つ以上の所定の角度にわたりコヒレントに散乱されたX線の存在を決定するための分析手段とを備えている。コリメート手段(23)が前記検出手段(6)と物体(4)との間に配置され、そして点Pを中心とする限定されたボクセル(体積素子)深さから異なる角度でコヒレントに散乱されたX線のみを通過させる。例えば、コンベア(5)により方向(22)に物体を並進移動させると共にビームの方向に沿ってコリメータ(23)を移動すると、手荷物のような物体の全体積を走査することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 X線検査システム発明の分野 本発明は、X線検査システムの分野に関するものであり、より詳細には、コヒ レントに散乱されたX線を用いて、容器内の爆発物、発燃物質、禁止されたドラ ッグ又は他の不法に運搬される物質(以下、総称して、「ターゲット物質」と言 う。)の存在を検出し、材料又は物体における欠陥又は不純物の存在を検出し、 或いは物体を非破壊的空間分析的に化学分析する検査システムに関するものであ る。先行技術の説明 既知の検査システムに関して以下に述べる問題は、容器、物体及び材料の全て の検査システムに言えることであるので、容器検査システムについてのみ説明す る。「容器」という用語は、以下、容器及びその内容物の両方を意味するものと する。 手荷物や小包のような容器を検査するために、X線を利用した多数のシステム が開発されている。これらは、二重エネルギー透過型イメージ装置、後方散乱型 イメージ装置及びコンピュータ断層撮影(CAT)スキャナを含み、これらは、 全て、二次元又は三次元の有効な原子番号及び密度情報を本質的に形成するもの である。しかしながら、これらのシステムは、本来、化学的に特定するものでは なく、容器の内容物の空間分布を目視検査する間のオペレータの警戒心及び判断 と、爆発性のターゲット物質の場合には起爆装置の存在のような他の指示物とに 強く依存している。ここで問題となるのは、多くの種類のターゲット物質は、そ れらの存在を隠すために容器内の他の物品内に容易に忍び込ませ又は包み込むこ とができるので、それらの形状によって容易に識別できないことである。更に、 起爆装置は、しばしば、容器内の隣接する散乱物により隠される。それ故、これ らの物質及び特に爆発装置は、これらのシステムを用いて容易に検出することが できない。 この問題を克服する1つの既知のシステムが、米国特許第4,751,722 号(EP0,153,786)に開示されている。該特許は、容器を通過すると きに異なる小さな角度でコヒレントに散乱されたX線の強度を分析するシステム を開示している。この情報を使用して、散乱を引き起こす物質の秩序のある分子 構造の特性である角度分散性X線スペクトルが形成される。次いで、このX線ス ペクトルをデータ処理システムへ送り、当該ターゲット物質の記憶されたスペク トル特性との自動的な比較を行い、これらターゲット物質が容器内に存在するか 否かの決定がなされる。 しかしながら、このシステムに伴う問題は、容器の奥行きを通る非散乱X線ビ ームの方向の第3次元を無視して、非散乱X線の進行方向に垂直な平面内の二次 元の散乱ボクセル(体積素子)でしか容器の内容物を分析できないことである。 容器又はターゲット物質の第3次元が数センチメートルより大きい場合には、タ ーゲット物質の存在を満足に識別するために奥行きの分析も必要とされる。この ため、容器内の異なる深さにある非ターゲット物質からのある範囲の散乱角度に わたるコヒレントな散乱を、局所的なターゲット物質により所与の当該角度で生 じる散乱と区別することができず、これにより、発生したX線スペクトルが混同 した状態となり、ターゲット物質の識別が困難なものとなる。 この初期のシステムに伴う別の問題は、現在入手できる単一波長の線源により 発生される低X線フラックスでは、検査時間が非常に長くなり、空港の荷物のよ うな大きなサイズの多数の物体を迅速に検査する必要がある状況において実用的 に使用できないことである。しかしながら、高い強度の多波長線源を使用したと きには、システムの物質弁別能力が悪化する。 英国特許第1,463,054号は、身体例えば人間の頭部を検査する手段で あって、身体内の散乱の中心位置を決定する目的で垂直次元を含む2つの次元に おいて身体をマップする手段を提供する。この装置は、検査中の身体の深さを通 して走査することができるが、円錐状コリメータ又は環状検出器の使用により、 物質を検出するという目的に対して著しい欠点となるようにシステムの融通性を 限定する。というのは、単一のX線源を用いて2つ以上の至近離間されたボクセ ルを同時に検査するように構成できないからである。この方法は、本発明に係る 形式の検出システムに必要とされる化学的特定情報を本来的に発生することがで きない。 別の既知のX線検出システムが、米国特許第4,956,856号の図1ない し4に示されている。これは、検査される本体より長くなければならない細長い X線検出器を使用して、物体内の小さな体積からの散乱スペクトルを三次元にお いて測定する。この特許は、手荷物を検査する場合、このような長い検出器は、 散乱スペクトルを正確に測定するに充分なスペクトル分解能を有していないこと を認めている。これは、物質の弁別不良を招く。中程度の直径の物体を検査する 場合には、典型的な手荷物よりも非常に小さい直径の物体であっても、これらの 検出器を用いると、同様の結果となる。更に、このような装置は、X線管のよう な多波長X線源を用いて良好に物質弁別するように動作できない。というのは、 使用されるシンチレータベースのX線検出器のエネルギー分解能が充分でないか らである。上記米国特許第4,751,722号で注目されたように、検査時間 について同様の状態で良好な弁別を得るには、単一波長の線源が必要とされる。 米国特許第4,956,856号の図5ないし7に示された実施形態は、ガン マ線(又はアンガー)カメラをベースとするX線検出器を使用しているが、この 検出器もシンチレータをベースとするものであるから、良好な物質弁別に充分な 光子エネルギー分解能をもつように実施することはできない。この発明において は、物体の全三次元検査を行うために、検査中の物体(或いは線源、コリメータ システム及び検出器)を2つの垂直軸に沿って変位するか、或いは物体を1つの 軸に沿ってそして線源、コリメータシステム及び検出器を別の垂直の軸に沿って 変位することも必要である。これは、機械的に複雑であり、時間もかかる。更に 問題となるのは、独立して検査できる物体を通る非散乱X線ビームの経路の領域 の数が、ガンマ線カメラの直径及び空間分解能により制限されることである。 米国特許第5,007,072号(EP0,354,045)は、別のX線検 査システムを開示しているが、これも、物体を二次元のみで検査し、米国特許第 4,751,722号について上記した欠点を有し、そして更に、設定された角 度のみで検出を行い、その角度で散乱する放射線の波長スペクトルを測定する。 これを行うには、低温度で動作する高価で且つ複雑なソリッドステート型ゲルマ ニウム又はシリコン検出器アレイの使用を必要とする。同様に、米国特許第5, 265,144号に開示された検出器は、固定の散乱角度の散乱放射線のエ ネルギーの測定に基づくものである。更に、この検出器の場合には、検査される 物体内の小さな領域に放射線が収束され、検出器及びコリメータシステムと物体 との相対的位置の並進移動により物体を通して一次元に配列されたボクセルしか 検査できない。このシステムで全三次元検査を行うには、物体又は線源、検出器 及びコリメータシステムを全部で2つの更に別の垂直次元において並進移動しな ければならない。これは、手荷物検査システムという観点で実用的な装置を提供 するものではない。 更に、米国特許第4,754,469号は、長い検査時間を伴う単一波長X線 源を使用する検出装置、又は良好な物質弁別のための高価で且つ複雑なソリッド ステート型低温冷却ゲルマニウム又はシリコン検出器半導体アレイを開示してい る。二次元分析のためには、検査中の物体又はX線源、コリメータシステム及び 検出器アレイを全部で2つの相互に垂直な軸において並進移動することが必要と される。三次元の検査は、物体又は截頭検出コリメータの相対的位置を更に変位 することによってのみ達成できる。発明の要旨 本発明の目的は、上記問題の少なくとも幾つかを軽減するX線検査システムを 提供することである。 結晶材料においては、入射するX線を結晶格子からコヒレントに散乱できるこ とが良く知られている。X線がコヒレントに散乱されるところの線源及び散乱の 中心を通る軸に対して測定した角度2θは、入射X線の波長λと、結晶格子の間 隔dとに基づくものであり、次の式を満足する。 nλ=2dsinθ (1) ここに、nは正の整数である。したがって、上記式(1)を満足するように既知 の角度2θを経てコヒレントに散乱された既知の波長λ(又はその倍数)の入射 X線の存在を検出することにより、その散乱を引き起こした結晶ターゲット物質 を識別することができる。 しかしながら、ハーディング及びコサネツキー著の文献(J Opt Soc Am A、第4巻、第5号、第933−944ページ、1987年5月)のよう な出版物から、この技術は、純粋な結晶材料の弁別及び分析に限定されるもので はなく、ポリマーや有機物質のような非結晶材料又は秩序不良の材料にも適用で きることも知られている。同様に、結晶性成分、通常はエネルギー性の爆発成分 と、非結晶性材料、通常は非爆発性材料との混合物である広範囲の爆発物を識別 することができる。 本発明によれば、検査されるべき物体にその物体を通して投射X線ビームを照 射するように配置されたコリメートされたX線源を備え、上記X線ビームは、X 線の散乱平面に垂直な平面において扇の形態にあり;更に、異なる角度で物体を 通してコヒレントに散乱されたX線の強度間を弁別して、それら角度の各々を経 て散乱されたX線の強度に基づく出力信号を発生することのできる検出手段と; 上記検出手段と物体との間に配置され、そして限定されたボクセル深さ及び扇状 ビームの限定された弧から異なる角度でコヒレントに散乱されたX線のみを通過 させるコリメート手段と;上記検出手段に作動的に接続されて、出力信号を処理 し、1つ以上の所定の角度を経てコヒレントに散乱されたX線の存在を決定する ための分析手段とを備え;上記コリメート手段及び検出手段は、扇状ビームの巾 即ち広がりにわたってX線を検出するよう構成されたX線検査システムが提供さ れる。 ここで使用する「扇状ビーム」という用語は、連続的な扇状または不連続な扇 状の形態、即ち後者の場合には1つ以上の小さな弧が完全に減衰された以外は連 続する扇状の形態であるビームを含むものとして理解されたい。このような不連 続なビームは、ここでは「断続的な扇状ビーム」と称する。 コリメート手段は、X線ビームの方向の深さ分解能を与え、これは、いつでも 物体の限定された深さしか検査されないので、ターゲット物質からの散乱と他の 物質からの散乱との間の弁別性が改善されると共に、ターゲット物質の異なる深 さから異なる角度での散乱の間の弁別性も改善されるという効果を有する。 コリメート手段及び物体のいずれか又は両方を(非散乱)X線ビームの方向に 互いに移動し、物体の深さにわたりボクセルの位置を変更できるようにするのが 有用である。このように、実質的に物体の全深さを検査することができる。構造 の容易さのためには、コリメート手段のみをこのように移動するのが好ましい。 しかしながら、コリメート手段が可動である場合には、コリメート手段と一緒に 移動できる検出手段を設けて、両者の間の相対的な分離を維持するのが更に効果 的である。これは、物体の深さにわたるボクセルの位置に関わりなく、所与の角 度にわたる散乱が検出手段上の実質的に同じ位置において検出されるという効果 を有する。 コリメート手段は、所与の二次元ボクセルの中心に一致する中心をもつ円の異 なる半径に沿って各々延びる複数のX線減衰材料シートを備え、各円及びそれに 対応するボクセルは、両方とも、散乱が検出される扇状ビームの平面に対して垂 直な平面内にある。各シートは、上記円の中心に対する小さな角度、通常は0. 5°の角度だけ隣接シートから離間されるのが便利である。扇状ビームの限定さ れた弧にわたる多数の平行な至近離間された二次元散乱ボクセルの中心は、扇状 ビームの平面に垂直な平面に対して垂直な線に沿って同一線上にあるのが好まし い。この小さな角度分離が一定に保たれる場合には、コリメート手段は、非散乱 X線ビームの方向に小さな散乱ボクセル深さを与え、この深さは、散乱角度に依 存するものである。 上記のようにシート間隔を一定にするのではなく、散乱角度2θに関わりなく 一定のボクセル深さに対して構成することが所望されるコリメータの第2の実施 形態においては、シートの半径方向の分離Sを次の式に基づいて計算しなければ ならない。 s=(C×tan(2θ))+W (2) ここに、Cは、所要のボクセル深さ及び装置寸法の両方に基づく定数であり、そ してwは、装置寸法及びシートの巾に基づく。 一定又は可変のシート間隔をもつ前記のコリメータ実施形態では、固定のコリ メータを用いて散乱パターンが収集される場合には、角度に伴う散乱X線ビーム の周期的な全減衰が経験される。これら実施形態では、扇状ビームに垂直な平面 内の対応する二次元散乱ボクセルの中心の周りを、その二次元散乱ボクセルと同 一線上で、小さな角度(通常はシートの角度間隔に等しい)だけ、散乱プロファ イルの収集中にコリメート手段を回転することにより、個別の散乱角度での全減 衰を回避することができる。回転移動の周期は、散乱プロファイル収集の周期に 比して小さくてもよいし、本質的に同じ巾であってもよい。 しかしながら、コリメータの好ましい第3の実施形態は、コリメータの回転運 動を必要とせずに、いかなる散乱角度における散乱X線ビームの全減衰も回避す る。この第3の実施形態は、最初の2つの実施形態と概念的に同一であり、上記 のように、必要に応じて、コリメータシートを一定の角度間隔で配置するか又は ある範囲の角度間隔で配置するようにして使用される。しかしながら、この実施 形態では、ビームの中央を中心とする扇状ビームの小さな弧にわたって、シート は、上記のように中央の同一線上の平行な二次元散乱ボクセルの中心からの半径 の平面に沿って配置されるのではなく、この位置から、一定間隔のシートの場合 は通常5ないし25°の範囲、特に約15°の角度だけ、二次元散乱ボクセルの 中心から上記小さな弧の中点へと延びる軸の周りで回転される。従って、散乱X 線ビームの減衰は、好ましくは、各個々のシートの回転角度を適当に選択して、 当該扇状ビームにわたる小さな弧内の中央の同一線上の平行な二次元の成分散乱 ボクセル全部からコリメータを通過する加算信号が累積されるときに全ての散乱 角度において小さく且つ厳密に等しくすることができる。 当該扇状ビームにわたる小さな弧の中心半径に対して同一平面である二次元散 乱ボクセルの中心からその同じ小さな弧の中点までの軸の周りでの各シートの回 転の角度は、この軸に沿って散乱ボクセル中心からの距離と共に変更できるのが 好都合である。最も好ましくは、回転の角度が散乱ボクセルの中心からの距離に 直線的に比例するようにされる。 好ましい実施形態においては、X線源は、多波長のX線発生器と、これと協働 し得る平衡型フィルタシステムとを備えている。これは、X線源が単一波長のX 線発生器より成るときに必要とされる検査時間に比して物体の検査時間を短縮で きるという効果を有する。多波長の発生器は、物体を迅速に検査することのでき る比較的高いビーム束を発生する一方、クーパ氏等の方法(J.Phys.E. 1985年、第18巻、第354ページ)に基づいて使用される平衡型フィルタ システムは、有効なバンドパスX線光子エネルギーフィルタを構成し、そして実 質的に単一波長のX線源を使用して発生されたものと実質的に同等の明確な角度 分散性X線スペクトルを発生することができる。更に、各フィルタをビーム経路 に自動的に配置するように構成することにより、オペレータを介在させる必要性 が排除される。 実質的に平衡型フィルタシステムのバンドパス領域に接近したX線エネルギー のみを感知する適度なX線光子エネルギー弁別性をもつ検出器、例えば、X線シ ンチレータ材料に結合された位置感知光電子増倍管より成る検出器は、多波長の X線発生器及び平衡型フィルタシステムと一緒に有効に使用して、当該X線光子 領域外に発生される制動放射の大部分を減少することができる。このようにする ことにより、発生されるスペクトルの信号対雑音比が高くなり、検査時間を更に 短縮することができる。 検出手段は、例えば、像形成検出システムを使用するか、或いは異なる個別の 角度又は狭い範囲の角度において検出を行うように各々配置された多数の個別の 検出素子を使用して、角度分散性X線スペクトルを発生することにより、所定の 当該角度を含む角度範囲にわたり散乱されるX線を同時に検出できるのが好都合 である。これは、当該散乱角度の全範囲のデータを並列に収集できるので、各物 体の検査時間ガセット短縮されるという効果を有する。 検出手段及びコリメート手段は、典型的に1°未満の扇状ビームの小さな弧か ら扇状ビームにわたりX線を独立して検出するように構成されるのが好ましい。 これは、各物体の検査時間を更に短縮し、そして扇状ビームの最も長い軸に沿っ た材料の分解能を与えるように作用する。 又、検査されるべき物体を扇状ビームを通して搬送するためのコンベアベルト のような手段が設けられるのが最も有用である。 このコンベアは、上記したコリメータの移動と、扇状ビーム、コリメータ及び 検出手段の高さとにより物体の全長にわたって与えられる二次元検査切片を並進 移動できるように作用する。又、信号収集中のコンベア上の物体の移動を好都合 に利用して、散乱ボクセルの外部であって、しかも、散乱ボクセルの内容物から 得られる散乱パターンを歪めることのある散乱放射線の弧内において物質の減衰 作用を広い角度散乱範囲にわたって分散させることもできる。これは、物体が扇 状ビームを通してコンベア上で相当の距離移動する時間中に散乱パターンを収集 することにより実施される。しかしながら、この時間中の物体の変位は、コンベ アの移動方向における検査されるべきターゲット物質の体積の巾以下でなければ ならず、さもなくば、ターゲット物質以外の物質を含む領域からの散乱作用が、 合成散乱パターンに影響し、パターン整合を混同させ、その結果、物質の弁別が 失われることになる。 X線検査システムは、分析手段に作動的に接続されたアラーム手段を更に備え ていて、1つ以上の所定の角度においてある相対的な強度で散乱されたX線の存 在が決定されたときに、可聴、可視、又は可聴−可視の警報を発生するのが最も 好都合である。これは、物体内にターゲット物質等が検出されたという警報をオ ペレータに与える。 信号対雑音比、ひいては、システムの信頼性を高めるために、分析手段は、更 に、多数のボクセルから形成された信号であって被検査物体の局部領域からの全 信号を表す信号を処理して、1つ以上の所定の角度においてある相対的な強度で 散乱されたX線がその領域内に存在することを決定するように構成されるのが好 ましい。 手荷物のような大きな物体をコヒレントなX線散乱で検査するのに予想される 制限された検査速度、このような装置の考えられる経費、並びに二重エネルギー X線透過及びCRT型X線検査装置のような既存の装置の能力が与えられると、 上記した公知の方法のような弁別性は劣るが迅速である予備的な技術による検査 が指示されるのに続いて、物体の全体積の一部分に検査が制限され、航空機の手 荷物の場合にはおそらく危険な物質を含むと考えられる局部的な体積を検査する か、或いはより一般的には更に相応の分析を行うように本発明の適用が示唆され る。航空機の手荷物の場合には、このような第2レベルのコヒレントな散乱装置 が、従来の第1レベル装置から得た密度、平均原子番号及び空間情報を、ターゲ ット物質の結晶学的又は化学的構造を示す第4の独立した情報断片を供給するこ とにより補足する。しかしながら、これは、バッグの所与の体積内の物質からの 危険性が、第1レベルの情報を用いて分析した後に解決されないままであるとき だけ使用される。 このように指示されるコヒレントなX線散乱装置は、ここに述べる本発明を使 用して実施することができ、全手荷物検査に必要な装置の一部分だけを必要とす る。例えば、10cmの高さをカバーするX線の制限された扇状ビームは、高さ 60cmx長さ90cmの典型的な全サイズスーツケースを検査するのに必要な コリメート及び検出システムの1/6と共に使用され、全ケースに対する検査周 期の1/9で10x10cmのエリアにわたりケースの全深さを通して質問する ことができる。 本発明のX線システムは、手荷物に対して好ましいものであるが、単一ボクセ ルからの散乱光子の全環状検出が使用されるX線検査システムに対して他の多数 の容器検査手法が考えられる。この後者の装置構成では、三次元において手荷物 及び/又はコリメートシステムの完全な操作を許さないように検出器アレイを配 列することは実用的でない。更に、単一ボクセルからの信号カウント率は、環状 検出をベースとする三次元システムにおいては、ここに述べる二次元操作及び扇 状ビーム構成と同等に保持されるので、三次元操作の機械的な複雑さを受け入れ ることは効果的でない。このため、一般に、スペクトル分解能を維持するために は、一次光子ビーム巾をスペクトル測定軸に沿って通常1mm程度に小さく保持 しなければならない。本発明においては、これが達成されるだけでなく、単一ボ クセルから散乱が記録されるところの一次ビーム高さと、単一ボクセルから散乱 が記録されるところの検出エリアの高さを、スペクトル分解能を著しく低下せず に、この距離以上に、通常は約10mmに増加し、より大きな信号を得ることが できる。 環状検出をベースとするX線検査システムにおいては、単一ボクセルから散乱 が記録されるところの一次ビームの高さは、その巾に等しく保持しなければなら ず(即ち、円形の一次ビーム断面を原理的に使用しなければならず)、さもなく ば、高さ軸に沿った空間分解能が低下し、これは全散乱パターンの分解能を低下 するよう作用する。空間分解能を低下せずに使用できるX線管の焦点の最大寸法 についても同じ考えが適用される。環状検出をベースとするX線システムの場合 には、ビーム巾と同様に、焦点は、いかなる信号測定軸に沿った空間分解能も著 しく低下することのない直径をもつ円でなければならない。本発明においては、 測定軸に沿って同じ制約が適用されるが、スポットが非常に大きくなる垂直軸に 沿っては適用されず、従って、空間分解能の損失が無視できる程度で大きな信号 カウント率が与えられる。本発明においては、X線管の焦点は、典型的に、 1x3mmである。 当該X線光子エネルギーにおける物体の減衰の全三次元マップ、即ち断層撮影 情報を使用して、非散乱一次ビーム及び散乱光子の弧の両方における物質の減衰 作用を補正できるのが最も効果的である。平衡型フィルタを使用する単一波長X 線回折の場合には、小さな当該X線エネルギーバンドパス範囲、即ち57.49 ないし59.38keVにおいて減衰情報を得なければならない。このような情 報は、米国特許第4,730,350号に開示されたような既知の断層撮影方法 を用いて得ることができる。図面の簡単な説明 以下、添付図面を参照し、本発明のX線検査システムの実施形態を詳細に説明 する。 図1は、X線検査システムを頭上から見た部分断面図である。 図2Aは、扇状ビームを示す同じシステムの側面図である。 図2Bは、X線ビームが不連続な扇状ビームである場合の同じシステムの側面 図である。 図3は、分析手段の第1の実施形態の概略図である。 図4は、分析手段の第2の実施形態の概略図である。 図5(A)は、典型的な散乱像を示し、そして(B)は、この像から発生され た減少された情報の散乱プロファイルを示す図である。 図6は、異なる爆発物を使用して得た代表的な散乱プロファイルを示す図であ る。 図7は、コリメータの異なる実施形態を線源の方向から見た図で、扇状ビーム の平面に垂直に存在するように配列されたところを示す図である。 図8は、低分解能断層撮影減衰補正を実行する方法を示す図である。好ましい実施形態の詳細な説明 本発明の同じ実施形態の相互に垂直な図である図1及び2Aを参照すれば、多 波長X線源1からのX線は、スリットコリメータ2により細い連続的な又は断続 的な扇状ビームへとコリメートされる。この扇状ビーム(図2Aに明瞭に示され ている)は、平衡型フィルタシステム3のフィルタを通過し、22の方向に一定 の速度で移動するコンベアベルト5上にある容器4に入射する。平衡型フィルタ システム3は、2つのフィルタを有し、これらは、順次使用されたときに単一の 狭い光子エネルギー範囲のバンドパスフィルタとして作用する。第1のフィルタ はツリウムから構成され、そして第2のフィルタはエルビウムから構成され、こ れらは、好都合にも、タングステンアノードのX線源のタングステンKα1及び Kα2蛍光線を一括するK吸収縁を有している。 この容器4を通過し、そして、容器4内のターゲット物質により角度2θの範 囲にわたって弾性散乱されるX線は、図1の平面において、メタルホイルシート 23(典型的に0.3mmのスチールシート)のアレイによりコリメートされ、 このシートは、図1の平面に直角に且つ容器4内の点Pを中心とする円の半径に 沿って配列され、当該角度範囲(典型的に1ないし10°)に対し、Pを中心と する限定されたボクセル深さ(典型的に2ないし3cm)のみからの散乱を検出 することができる。 隣接シートの半径方向分離は、上記式(2)を用いて計算され、但し、2cm の一定ボクセル深さに対してC=2.08の値が得られ、点Pとシートの最至近 縁との間の距離は25cmであり、シートの長さは25cmであり、そしてこれ ら寸法において0.3mmのシート巾に対してwの値は0.12である。 容器4の全深さを検査するために、シート23は、非散乱X線ビームの方向に 沿って(図1に破線で示された)一緒に移動することができ(矢印27で示すよ うに)、シート23を移動するのと同じ量だけ検査の中心点Pを移動することが できる。 図2Aを参照すれば、コリメートされたX線は、扇状ビームの巾に配置された 検出器6a・・・nのアレイの1つにより全ての角度範囲2θにわたって同時に 検出される。検出器6a・・・nの各々は、大型の光子計数カメラ、例えばX線 イメージ増強管及び低ノイズカメラの組合体、又はシンチレータ及び増強CCD カメラを備え、これは、空間分解能が数百ミクロン程度であり、そして入射X線 を検出できる感知面積が数平方cm以上である。個々の検出器6a・・・nは、 その検出器に入射する散乱X線の強度及び位置を表す出力を発生するように構成 される。又、各検出器は、図2Aに示すように扇状ビームに垂直な平面において コリメートされ、扇状ビームの制限された弧のみからの散乱を記録する。 図2Bは、図1及び2Aと同じ基本構成であるが、前者の構成体の2つの一次 ビームコリメータ2の第2のコリメータがコリメータプレート24に置き換えら れており、連続的な扇状ビームを発生するために前記で使用された単一の連続的 なスロットが一連の短いスロットに分割されている。したがって、不連続な(す なわち、断続的な)一次扇状ビームが発生される。このようなビームは、その扇 状ビームに垂直な平面内で達成されるコリメート作用に加えて又はそれとは独立 して使用されるコリメート作用を有し、各検出器は、前記のように、扇状ビーム の制限された弧のみからの散乱を記録する。 図3を参照すれば、検出器6a・・・nの各々からの出力信号は、破線で示さ れた分析手段8へ通され、この分析手段は、各検出器6a・・・nに対して1つ づつ設けられた差動イメージ計算器9a・・・nのアレイと、各計算器9a・・ ・nに対して1つづつ設けられた散乱プロファイル発生器10a・・・nのアレ イと、スペクトル特性発生器11と、スペクトル特性比較器12とを含む。 各検出器6a・・・nからの出力信号は、それに関連する差動イメージ計算器 9a・・・nへと収集され、散乱像を形成する。次いで、各像は、関連する散乱 プロファイル発生器10a・・・nにより処理され、式(1)によりX線が当該 ターゲット物質によりコヒレントに散乱されると予想されない散乱位置に対応す る検出器の領域に関連した像の部分における情報を破棄することにより、スペク トル特性発生器11へ送られるデータの量を減少する。特定の散乱角度を表す残 りの領域における情報は、次いで、平均化されて、スペクトル特性発生器11へ 送られるべきデータが更に減少される。この減少された情報の散乱プロファイル は、次いで、スペクトル特性発生器11へ送られ、そこで、プロファイル内の当 該散乱特徴の角度位置及び強度が決定される。各プロファイルにおいて測定され た特性は、次いで、スペクトル特性比較器12へ送られ、そこで、それらの特性 を比較器12に記憶された特性と比較することにより容器4内にターゲット物質 が存在するかどうかの判断がなされる。ターゲット物質が存在すると判断された 場合には、比較器12からアラーム13へ作動信号が送られ、このアラームは、 オペレータにその存在を警告するように働く。 図4に示す本発明の更に別の実施形態では、分析手段8は、上記したものと同 様であるが、プロファイル発生器10a・・・nとスペクトル特性発生器11と の間にプロファイル加算器20が組み込まれている。上記のように、定常的に、 又はターゲット物質の存在が単一のプロファイルから決定されたときに、比較器 12からの第1の作動信号が加算器20に中継され、この加算器は、少数のプロ ファイル発生器10a・・・nからのプロファイルを加算するように動作して、 容器の局部領域から弾性散乱されるX線を表す単一のプロファイルを発生する。 この単一プロファイルは、次いで、スペクトル特性発生器11へ送られ、そして 上記のように処理される。比較器12がこの加算されたプロファイルからターゲ ット材料の存在を決定する場合には、比較器12からの第2の作動信号がアラー ム13へ中継される。これは、1つのプロファイルにおけるターゲット物質の存 在の誤った決定に対してある程度の保護を与える。というのは、このプロファイ ルの方が、個々の成分プロファイルよりも、信号対雑音比が大きいからである。 或いは又、1つ以上の隣接体積が所与のターゲット物質で充填されたと決定され たときにのみアラームがトリガーされるような一致解決策を採用してもよい。 分析手段の上記全ての成分の機能は、適当にプログラムされた1つのコンピュ ータにより実行できることが当業者に容易に明らかであろう。 特定のボクセルからの散乱ビームの収集中に、全てのシート23は、一般的に シート23の最小間隔である小さな角度だけ、Pに関する扇状ビームの平面から ずれるように回転することができる。これは、時間と共にシートの半径方向位置 を変位させ、そしてシートが静止時に向けられる個別の散乱角度において散乱X 線が完全に減衰することによる情報の損失を回避する。シートは、それらの元の 位置に復帰され、そして検査される各ボクセルごとに同じ変位が繰り返されても よいし、或いはシートは、交互のボクセルに対して逆方向に同じ量だけ変位され てもよい。 一方、図7(扇状ビームの1つの小さな弧をさえぎりそしてその平面に垂直に 存在するコリメート手段の1つの素子を示す)に示されたように、第3の好まし い実施形態のコリメータ23は、コリメータを回転運動させる必要なく、いかな る散乱角度における散乱X線ビームの全減衰も回避する。この実施形態では、コ リメータ23は、式(2)で与えられたように、図1の平面においてコリメータ シートを一定角度間隔又はある範囲の角度間隔で配置するように使用される。し かしながら、図1の平面を中心とする扇状ビームの小さな弧にわたり(典型的に 被検査物体における最大寸法が約1cm)、シートは、図1の平面に垂直な位置 から、通常5ないし25°の範囲であるが特に約15°の角度だけ、図1の平面 内にあってPを中心とする円の半径に一致する軸の周りで回転される。これは、 当該扇状ビームの小さな弧により照射される全てのターゲット体積からコリメー タを通過する加算信号が累積されるときに、全ての散乱角度において散乱X線ビ ームの減衰度が小さく且つ厳密に等しくされることを意味する。 好ましくは、各シートの角度位置は、コリメータの前面又は後面から見たとき に、図7に示すように、コリメータの前面又は後面の平面において隣接シートの 最も近い面が当該扇状ビームの小さな弧の限界に当たる点と点の間に各シートの 最も近い面が延びるような位置である。コリメータシートを配向しそして位置決 めするのに使用される指示構造体が28で一般的に示されている。 コリメータシート23は、線源から離れて検出器に向かう方向に発散するため に、図1の平面を中心とする扇状ビームの小さな弧において図1の平面内でPか ら軸の周りを各シートが回転する上記の角度は、好都合にも、この軸に沿ったP からの距離と共に変化し、換言すれば、シートは、実際にはそれらの長さに沿っ てねじれている。最も好ましくは、各シートの所与の点における回転の角度は、 散乱するボクセルの中心からその点までの距離に直線的に比例する。 差動イメージ計算器9a・・・nにより形成された散乱像が図5Aに示されて おり、散乱バンド14は、ターゲットボクセルによりコヒレントに散乱されたX 線光子の同心リングの一部分に対応する。非散乱X線が照射される検出器6a・ ・・nの領域は、16で示されており、図5Bの減少された情報の散乱プロファ イルを発生するのに使用される領域は、破線17で示されている。図5Bから明 らかなように、散乱X線の強度のピークは、散乱バンド14に対応する。 図8は、上記した装置に、2つ以上の直線アレイのX線検出器25と、それと 同数のコリメートスリット26が付加された更に別の実施形態を示している。直 線検出器アレイ25の各々は、被検査物体に対して実質的に異なる角度で実質的 に異なる経路に沿って物体を通る狭い扇状ビームの透過度を測定するのに使用さ れる。好ましい実施形態では、各直線検出器アレイは、コヒレントなX線散乱ス ペクトルを測定するのに使用される扇状ビームの最も長い弧の両端間の弦に平行 であり、それ故、図8の平面に垂直に延びる。各直線検出器アレイは、テスト中 の完全な物体がコンベア上において関連扇状ビームを通過するときにその物体の 全線走査二次元透過投影像を記録する。次いで、複数のこれら直線検出器アレイ からの線走査像を使用し、米国特許第4,730,350号に開示されたような 既知の断層撮影方法を用いてテスト中の物体の三次元減衰度のモデルを再構成す ることができる。この情報は、好ましくは、上記ツリウム及びエルビウムの平衡 型フィルタ技術を使用して得られ、ひいては、その同じ物体のコヒレントなX線 散乱スペクトルを決定するのに使用されたものと実質的に同一の狭い範囲のX線 光子エネルギーにわたって得られる。次いで、物体の三次元減衰度モデルを使用 して、角度分散性散乱スペクトルを補正すると共に、非散乱一次ビーム及び散乱 光子ビームの弧における散乱ボクセル以外の物質からの減衰作用を排除すること ができる。 実際には、コヒレントなX線散乱スペクトルの減衰度を補正するためには低い 空間分解能の断層撮影像が必要とされるだけであり、従って、種々の角度でバッ グを通る少数の軌道にわたり比較的僅かなX線透過測定のみを行う装置が使用さ れる。これは、特に、信号収集中のコンベア上のスーツケースの移動が、その移 動軸に沿ってテスト中の物体内の散乱ボクセル及び他の物品の有効次元を増加す るような好ましい実施形態の場合である。 図6は、厚み13mmの次のサンプルから図1及び2の実施形態を用いて得た 散乱プロファイルを示す。 (a)HMX爆発物 (b)RDX系のプラスチック爆発物 (c)PETN系のシート爆発物 (d)火薬 (e)硝酸アンモニウム/燃料混合物

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.検査されるべき物体にその物体を通して投射X線ビームを照射するように配 置されたコリメートされたX線源と;異なる角度で物体を通してコヒレントに散 乱されたX線の強度間を弁別して、それら角度の各々を経て散乱されたX線の強 度に基づく出力信号を発生することのできる検出手段と;前記検出手段と物体と の間に配置され、そして限定されたボクセル深さ及び扇状ビームの限定された弧 から異なる角度でコヒレントに散乱されたX線のみを通過させるためのコリメー ト手段と;前記検出手段に作動的に接続されて、前記出力信号を処理し、1つ以 上の所定の角度を経てコヒレントに散乱されたX線の存在を決定するための分析 手段とを備え;前記X線ビームは、X線の散乱平面に対して垂直な平面において 扇状の形態であり、そして前記コリメート手段及び検出手段は、扇状ビームの巾 にわたってX線を検出するように構成されたことを特徴とするX線検査システム 。 2.前記コリメート手段が、散乱が検出されるボクセルの中心に一致する中心を 有する円の異なる半径に沿って、各々延びる複数のX線減衰材料のシートを備え 、各円及びそれに対応するボクセルの双方が、扇状ビームの平面に対して垂直な 平面内にあることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のX線検査システム。 3.前記複数のシートが、同じ小さな角度で互いに離間されたことを特徴とする 請求の範囲第2項に記載のX線検査システム。 4.前記複数のシートが、X線がコヒレントに散乱される異なる角度に対して一 定であるボクセル深さを画定するように、異なる量だけ離間されたことを特徴と する請求の範囲第2項に記載のX線検査システム。 5.前記シートの各々が、扇状ビームの平面に対して垂直な平面内に実質的に完 全に存在することを特徴とする請求の範囲第2項ないし第4項のいずれか一項に 記載のX線検査システム。 6.ビームの中央を中心とする扇状ビームの小さな弧にわたって、前記シートの 各々が、X線ビームが散乱される平面に実質的に完全に垂直に存在するのでは なく、前記平面から、実質的に25°以下の角度にわたり、二次元散乱ボクセル の中心から前記小さな弧の中点へと延びる軸の周りに回転されることを特徴とす る請求の範囲第2項ないし第5項のいずれか一項に記載のX線検査システム。 7.前記回転角度が、5°ないし25°の範囲であることを特徴とする請求の範 囲第6項に記載のX線検査システム。 8.前記回転角度が、約15°であることを特徴とする請求の範囲第7項に記載 のX線検査システム。 9.各シートの回転角度が、散乱ボクセルの中心からの距離とともに、前記軸に 沿って変化することを特徴とする請求の範囲第6項ないし第8項のいずれか一項 に記載のX線検査システム。 10.各シート上の任意の位置における回転角度が、散乱ボクセルの中心からその 位置までの距離に直線的に比例することを特徴とする請求の範囲第9項に記載の X線検査システム。 11.さらに、散乱プロファイルの収集中に、コリメート手段のシートを、扇状ビ ームに垂直であるが二次元散乱ボクセルと同一平面である平面において、対応す る二次元散乱ボクセルの中心の周りで、シートの角度間隔程度の角度にわたって 回転する手段を備えたことを特徴とする請求の範囲第1項ないし第5項のいずれ か一項に記載のX線検査システム。 12.前記回転手段が、散乱プロファイル収集の周期以下である回転移動周期を与 えることを特徴とする請求の範囲第11項に記載のX線検査システム。 13.前記コリメート手段が、検査されるべき物体に対して、非散乱X線ビームの 方向に移動可能で、物体の深さにわたって、ボクセルの位置を変えることができ るように構成されたことを特徴とする請求の範囲第1項ないし第12項のいずれ か一項に記載のX線検査システム。 14.前記検出手段が、コリメート手段と一緒に移動されることを特徴とする請求 の範囲第13項に記載のX線検査システム。 15.前記検出手段が、ある範囲の角度にわたって散乱されたX線を同時に検出し て、角度分散性X線スペクトルを発生させることを特徴とする請求の範囲第1 項ないし第14項のいずれか一項に記載のX線検査システム。 16.前記X線源が、多波長のX線発生器およびそれと協働し得る平衡型フィルタ システムを備えたことを特徴とする請求の範囲第1項ないし第15項のいずれか 一項に記載のX線検査システム。 17.前記検出手段が、前記平衡型フィルタシステムのバンドパス領域内のX線エ ネルギーのみを実質的に感知する検出器を備えたことを特徴とする請求の範囲第 16項に記載のX線検査システム。
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