JP5054518B2 - 物質の平均原子番号及び質量を求めるための方法及びシステム - Google Patents

物質の平均原子番号及び質量を求めるための方法及びシステム Download PDF

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Description

関連出願への引用
本願は、2004年7月8日付けでRobert J. Ledoux及びWilliam Bertozziにより提出された、「高エネルギー光子拡散を用いた物質の平均原子番号及び質量の特定(Determination
of the Average Atomic Number and Mass of Material Using High Energy Photon
Scattering)」と題した米国特許仮出願第60/586,351号の利益を主張し、その内容を引用して本明細書に援用する。
本発明は非侵入性走査の分野に関わり、より詳細には、標的又は標的の1つまたは複数部分の平均原子番号及び質量を特定するためのシステム及び方法、並びに標的又は標的の1つまたは複数部分に存在にするある種の元素の質量の限界を求めるシステム及び方法に関する。
背景情報
標的を検査するための非侵入性検査技術に望まれる特徴は、原子番号(Z)及び標的物質の密度に加え、原子番号及び密度の空間的分布を迅速に特定する能力である。具体的には、平均原子番号及び/又は質量の三次元における分布を、好ましくは低放射線量を用いて迅速に特定できれば、それは、標的容器の内容物を特定する強力且つ有用な手段となる。この情報を用いれば、手荷物、輸送コンテナ、貯蔵容器、又は陸上、海上、若しくは航空輸送用の容器などの標的容器に、例えば原子番号Zが高い物質及び/又は高密度物質のようなある種の物質が収容されていることを特定できる。標的容器がこうした物質を収容しているという情報を用いて脅威を識別することも可能である。例えば、容器中に鉛が入っていれば、「汚い爆弾」又は他の放射性物質の遮蔽材が存在することを示している可能性がある。ウランなどの原子番号Zが高い物質の存在は、容器中に核兵器が存在することを示している可能性がある。更に、質量分布、平均原子番号、又はその両方は一連の検査技法の一部とすることができる。例えば、所定のZ及び密度範疇に一致することが確かめられた標的の領域を他の検査技法の入力として用いて、これら領域を更に精査することができる。こうしたシステムは、都合のよい時間の尺度で脅威を判定するという利点を提供できる。
貨物を非侵入的に検査する技法には、透過放射線(X線結像のように)を検出して標的貨物専用コンテナ内の密度分布の二次元図を得ることが含まれる。コンプトン散乱放射線などの散乱放射線を用いた二次元画像化の効果も実証されている。二次元結像には限界があるので、密度分布を三次元で得ることが望ましいことが多い。核共鳴蛍光技法を用いて標的の二次元及び三次元像を得るための非侵入性走査が、例えば、「制動放射線の共鳴蛍光を用いた爆発物検出」と題した米国特許第5,115,459号及び「制動放射線による共鳴蛍光、共鳴吸収、及び他の電磁処理を用いた爆発物及び他の物質の検出」と題した米国特許第5,420,905号に記載されており、両者の内容は参照して本明細書で援用する。
発明の概要
光子ビームの散乱に起因する散乱光子エネルギースペクトルの測定を介して、貨物、輸送コンテナ、手荷物、及び他の標的の非侵入性走査を実行するための方法及びシステムを開示する。本明細書に開示した方法及びシステムは、511keV消滅ピークに寄与する過程と、コンプトン散乱やラザフォード散乱のような過程よりも強いZ依存を示すより高次の過程とを利用するものであり、これらより高次の過程の幾つかはより高いエネルギーで生じる。開示した方法及びシステムは、ほとんどの物質に関してK端を上回るエネルギーで生じる放射の強い透過の利点も利用するので、標的の深部からの信号に寄与する光子の標的内部損失が少なくなる。これによって、より低い光子エネルギーで動作するシステムでは実行が難しいことがある大型で且つ/又は高密度の標的の検査が可能となる。更に、本明細書で開示した方法を用いて、Zが高い物質の存在の質量限度データや、2次元及び3次元の平均原子番号及び/又は密度データを、NRF画像化に比べてより迅速により低い照射線量で求めることができる。
一様態では、標的のボクセル内の物質を分析するための方法は、前記ボクセルを光子ビームで照光する段階と、第1エネルギー範囲にあり且つ第1測定方向で前記ボクセルから散乱した光子の第1の数を測定する段階と、第2エネルギー範囲にあり且つ第2測定方向で前記ボクセルから散乱した光子の第2の数を測定する段階と、光子の前記第1の数と光子の、前記第2の数に対する比を求める段階と、前記比を用いて前記ボクセル内の前記物質の平均原子番号を求める段階とを含む。更なる実施形態では、前記第1エネルギー範囲は511keVを含む。更なる実施形態では、前記第2エネルギー範囲は511keVを除外する。他の実施形態では、前記第1方向は前記第2方向と同一である。
一様態では、標的のボクセル内の物質を分析するための方法は、前記ボクセルを光子ビームで照光する段階と、ある測定方向で前記ボクセルから散乱した光子のエネルギースペクトルを測定する段階と、第1エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルに寄与する光子の第1の数を求める段階と、第2エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルに寄与する光子の第2の数を求める段階と、光子の前記第1の数の、光子の前記第2の数に対する比を計算する段階と、前記比を用いて前記ボクセル内の前記物質の平均原子番号を求める段階とを含む。更なる実施形態では、前記第1エネルギー範囲は511keVを含む。更なる実施形態では、前記第2エネルギー範囲は511keVを除外する。
一様態では、標的のボクセル内の物質を分析するためのシステムは、光子ビームを発生するための装置と、第1測定方向で前記ボクセルから散乱した光子の第1エネルギースペクトルを検出するよう構成された第1検出器と、プロセッサとを含み、前記プロセッサが、第1エネルギー範囲にあるエネルギーを備えた散乱光子の第1の数の、第2エネルギー範囲にあるエネルギーを備えた散乱光子の第2の数に対する比を求めるよう構成されており、更に、前記プロセッサが、前記ボクセル内の平均原子番号を求めるよう構成されている。他の実施形態では、標的のボクセル内の物質を分析するためのシステムは、第2測定方向で前記ボクセルから散乱した光子の第2エネルギースペクトルを検出するよう構成された第2検出器を更に含む。更に別の実施形態では、前記第1角度は前記第2角度と同一である。更なる実施形態では、前記第1エネルギー範囲は511keVを含む。更なる別の実施形態では、前記第2エネルギー範囲は511keVを除外する。
別の様態では、標的のボクセル内の物質を分析するための方法は、光子ビームで前記ボクセルを照光する段階と、前記ボクセルへの入射束を求める段階と、前記ボクセルから散乱した光子の少なくとも1つのエネルギースペクトルを測定する段階と、前記測定エネルギースペクトルを用いて前記ボクセル内の平均原子番号を求める段階と、前記入射束と、前記ボクセル内の前記物質の前記平均原子番号と、前記測定エネルギースペクトルと、前記ボクセルに対応する散乱核の所定値とを用いて前記ボクセル内の質量を求める段階とを含む。更なる実施形態では、前記ボクセル内の平均原子番号を求める前記段階は、第1エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルの少なくとも1つに寄与する光子の第1の数を求める段階と、第2エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルの少なくとも1つに寄与する光子の第2の数を求める段階と、光子の前記第1の数の、光子の前記第2の数に対する比を計算する段階と、前記比を用いて前記ボクセル内の前記物質の平均原子番号を求める段階とを含む。更なる実施形態では、前記第1エネルギー範囲は511keVを含む。更なる別の実施形態では、前記第2エネルギー範囲は511keVを除外する。
別の様態では、標的の複数ボクセル内の物質を分析するための方法は、(a)光子ビームで前記ボクセルを照光する段階と、(b)前記ボクセルそれぞれについて、前記ボクセルから散乱した光子の少なくとも1つのエネルギースペクトルを測定する段階と、(c)前記ボクセルそれぞれについて、前記測定エネルギースペクトルを用いて前記ボクセル内の前記物質の平均原子番号を求める段階と、(d)前記ボクセルそれぞれについて、(i)前記ボクセルへの入射束を求める段階と、(ii)前記入射束と、前記ボクセル内の前記物質の前記平均原子番号と、前記測定エネルギースペクトルと、前記ボクセルに対応する散乱核の所定値とを用いて前記ボクセル内の質量を求める段階とを含む。更なる実施形態では、前記ボクセルそれぞれ内の平均原子番号を求める前記段階は、第1エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルの少なくとも1つに寄与する光子の第1の数を求める段階と、第2エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルの少なくとも1つに寄与する光子の第2の数を求める段階と、光子の前記第1の数の、光子の前記第2の数に対する比を計算する段階と、前記比を用いて前記ボクセル内の前記物質の平均原子番号を求める段階とを含む。更なる実施形態では、前記第1エネルギー範囲は511keVを含む。更に別の実施形態では、前記第2エネルギー範囲は511keVを除外する。
別の様態では、標的の複数ボクセル内の物質を分析するための方法は、(a)光子ビームで前記ボクセルを照光する段階と、(b)前記ボクセルそれぞれから散乱した光子の少なくとも1つのエネルギースペクトルを測定する段階と、(c)前記測定エネルギースペクトルを用いて前記ボクセルそれぞれ内の平均原子番号を求める段階と、(d)前記ボクセルそれぞれについて、(i)前記ボクセルに入射する光子束を求める段階と、(ii)前記平均原子番号と、前記測定エネルギースペクトルと、散乱核の所定値とを用いて前記ボクセル内の平均質量を求める段階と、(e)各ボクセル内の前記推定平均質量と前記平均原子番号とを用いて、前記標的を出る推定出口束を計算する段階と、前記標的を出る測定出口束を測定する段階と、前記推定出口束と前記測定出口束との差を計算する段階と、前記推定出口束と前記出口束との前記計算差に基づいて、各ボクセル内の前記推定平均質量の補正を計算する段階とを含む。別の実施形態では、各ボクセル内の前記推定平均質量の補正を計算する前記段階が、各ボクセルについて、当該ボクセル内の前記推定平均質量に比例して、前記推定出口束と前記出口束との前記計算差への寄与を割り当てる段階を含む。別の実施形態では、各ボクセル内の前記推定平均質量の補正を計算する前記段階が、前記推定出口束と前記出口束との前記計算差が最小となるように、最小化手順を用いて各ボクセル内の前記推定平均質量を調整する段階を含む。更に別の実施形態では、各ボクセル内の前記推定平均質量の補正を計算する前記段階が、前記推定出口束と前記出口束との前記計算差が最小となるように、各ボクセル内の前記計算平均原子番号を調整する段階を含む。
別の様態では、標的のボクセル内の物質を分析するための方法は、(a)光子ビームで前記ボクセルを照光する段階と、(b)前記ボクセルに入射する入射束を求める段階と、(c)前記ボクセルから散乱した光子の少なくとも1つのエネルギースペクトルを測定する段階と、(d)(i)前記入射束と前記測定エネルギースペクトルとを用いて前記ボクセル内の平均原子番号求める段階、及び(ii)前記平均原子番号と、前記測定エネルギースペクトルと、散乱核の所定値とを用いて前記ボクセル内の質量を求める段階によって、前記ボクセル内の質量を求める段階と、(e)前記測定エネルギースペクトルと前記ボクセル内の前記質量とを用いて、前記ボクセル内に存在する選択核種(原語:species)の質量の上限を求める段階とを含む。更なる実施形態では、前記ボクセル内に存在する選択核種の質量の上限を求める前記段階は、前記選択核種に対応する第1の散乱核を評価する段階と、第2の核種に対応する第2の散乱核を評価する段階とを含む。更なる実施形態では、各ボクセル内の平均原子番号を求める前記段階は、第1エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルの少なくとも1つに寄与する光子の第1の数を求める段階と、第2エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルの少なくとも1つに寄与する光子の第2の数を求める段階と、光子の前記第1の数の、光子の前記第2の数に対する比を計算する段階と、前記比を用いて前記ボクセル内の前記物質の平均原子番号を求める段階とを含む。更なる実施形態では、前記第1エネルギー範囲は511keVを含む。更なる別の実施形態では、前記第2エネルギー範囲は511keVを除外する。
別の様態では、標的のボクセル内の平均原子番号を求めるためのシステムは、光子ビームと、前記ボクセルに入射する入射束を求めるための手段と、前記標的を視界に置くよう構成されていると共に、前記ボクセルから散乱した光子のエネルギースペクトルを検出するための装備が施された検出器と、プロセッサとを含み、前記プロセッサが、前記エネルギースペクトルを用いて前記ボクセル内の前記平均原子番号を求めるように構成されており、更に、前記プロセッサが、前記入射束と、前記平均原子番号と、前記エネルギースペクトルと、散乱核の所定値とを用いて、前記標的ボクセル内の平均原子質量を求めるよう構成されている。
別の様態では、標的のボクセル内の物質を分析するための方法は、前記ボクセルを光子ビームで照光する段階と、前記ボクセルへの入射束を求める段階と、前記ボクセルから散乱した光子の少なくとも1つのエネルギースペクトルを測定する段階と、第1エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルの少なくとも1つに寄与する光子の第1の数を求める段階であって、前記第1エネルギー範囲が511keVを含む段階と、第2エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルの少なくとも1つに寄与する光子の第2の数を求める段階と、光子の前記第1の数の、光子の前記第2の数に対する比を計算する段階と、前記比と光子の前記第1の数との相関関係を用いて、前記ボクセル内の予想平均原子番号及び質量を求める段階とを含む。更なる実施形態では、前記第2エネルギー範囲は511keVを除外する。
更に、本開示は、潜在的脅威を探して標的を走査するための方法及びシステムを記載する。一様態では、潜在的脅威を探して標的を走査するための方法は、(a)前記標的内の複数ボクセルそれぞれについて、(i)当該ボクセルを光子ビームで照光する段階と、(ii)ある測定方向で前記ボクセルから散乱した光子のエネルギースペクトルを測定する段階と、(iii)第1エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルに寄与する光子の第1の数を求める段階と、(iv)第2エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルに寄与する光子の第2の数を求める段階と、(v)光子の前記第1の数の、光子の前記第2の数に対する比を計算する段階と、(vi)前記比を用いて前記ボクセル内の物質の平均原子番号を求める段階と、(b)前記複数ボクセルそれぞれの前記平均原子番号を用いて、更なる動作を開始するか否かを決定する段階とを含む。更なる実施形態では、前記第1エネルギー範囲は511keVを含む。更なる別の実施形態では、前記第2エネルギー範囲は511keVを除外する。更に他の実施形態では、前記方法は、前記平均原子番号の空間分布を出力装置に表示する段階を更に含む。更に他の実施形態では、前記更なる動作が、核共鳴蛍光によって前記標的の一部を走査する段階か、疑わしい物質が存在するかもしれないことをオペレータに通知する段階かを含む。
別の様態では、潜在的脅威を探して標的を走査するための方法は、(a)前記標的内の複数ボクセルそれぞれについて、(i)当該ボクセルを光子ビームで照光する段階と、(ii)第1エネルギー範囲にあり且つ第1測定方向で前記ボクセルから散乱した光子の第1の数を測定する段階と、(iii)第2エネルギー範囲にあり且つ第2測定方向で前記ボクセルから散乱した光子の第2の数を測定する段階と、(iv)光子の前記第1の数の、光子の前記第2の数に対する比を計算する段階と、(v)前記比を用いて前記ボクセル内の物質の平均原子番号を求める段階と、(b)前記複数ボクセルそれぞれ内の前記物質の前記平均原子番号を用いて、更なる動作を開始するか否かを決定する段階とを含む。更なる実施形態では、前記第1エネルギー範囲は511keVを含む。更なる別の実施形態では、前記第2エネルギー範囲は511keVを除外する。更に他の実施形態では、前記方法は、前記平均原子番号の空間分布を出力装置に表示する段階を更に含む。更に他の実施形態では、前記更なる動作が、核共鳴蛍光によって前記標的の一部を走査する段階か、疑わしい物質が存在するかもしれないことをオペレータに通知する段階かを含む。
別の様態では、潜在的脅威を探して標的を走査するための方法は、(a)前記標的中の複数ボクセルそれぞれについて、(i)光子ビームで前記ボクセルを照光する段階と、(ii)前記ボクセルへの入射束を求める段階と、(iii)前記ボクセルから散乱した光子の少なくとも1つのエネルギースペクトルを測定する段階と、(iv)前記測定エネルギースペクトルを用いて前記ボクセル内の平均原子番号を求める段階と、(v)前記入射束と、前記ボクセル内の物質の前記平均原子番号と、前記測定エネルギースペクトルと、前記ボクセルに対応する散乱核の所定値とを用いて前記ボクセル内の質量を求める段階と、前記複数ボクセルそれぞれ内の前記質量及び前記平均原子番号を用いて、更なる動作を開始するか否かを決定する段階とを含む。
別の様態では、脅威となる物質を探して標的を走査するためのシステムは、光子ビームを発生するための手段と、前記光子ビームに対して前記標的を並進させるための手段と、ある測定方向で前記標的の少なくとも1つのボクセルから散乱した光子の少なくとも1つのエネルギースペクトルを検出するよう構成された少なくとも1つの検出器と、プロセッサとを含み、前記プロセッサが、第1エネルギー範囲にあるエネルギーを備えた散乱光子の第1の数の、第2エネルギー範囲にあるエネルギーを備えた散乱光子の第2の数に対する比を求めるよう構成されており、更に、前記プロセッサが、前記ボクセル内の平均原子番号を求めるよう構成されており、更に、前記プロセッサが、前記ボクセル内の前記平均原子番号を用いて、更なる動作を開始するか否かを決定するよう構成されている。
全体的な理解を可能とするため、幾つかの例示的な実施形態を次に説明するが、通常の技能を備えた当業者であれば、本明細書に記載された装置及び方法を変更及び修正して、他の適切な応用例となる装置及び方法を提供できることや、それ以外の追加及び修正が、本明細書に記載された装置及び方法の範囲から逸脱することなく可能であることは理解するはずである。
特記しない限り、ある実施形態の詳細を変える典型的な特徴の実現としてこれらの例示的な実施形態を理解できるはずである。従って、特記しない限り、実例の特徴、構成要素、モジュール、及び/又は様態を、開示した装置又は方法から逸脱することなく、他の方法で、組み合わせたり、指定したり、交換したり、且つ/或いは再編成したりすることができる。加えて、構成要素の形状及びサイズはまた、代表的なものであり、特記しない限り、開示した装置又は方法に影響を与えることなく変更できる。
非侵入性走査用途で共鳴散乱測定(核共鳴蛍光又はNRFとも呼ばれる)において制動放射線源のような連続スペクトル光子を使用する代表的なシステムが、米国特許第5,115,459号及び5,420,905号に説明されている。本明細書で説明する方法及びシステムは、非共鳴散乱作用を用いた測定用にこれと類似の装置を利用してもよい。
スキャナ構成の代表的な一実施形態の概略図を図1に示した。
このシステムは、一定のエネルギー範囲にわたるエネルギースペクトルを備えた光子を発生する光子源12を含む。適切な光子源には、制動放射線源、放射性源からの原子核崩壊を用いたコンプトン広がり(原語:Compton-broadened)光子源、コヒーレント制動放射線、自由電子レーザ、高エネルギー電子からのレーザ後方散乱、中性子捕獲光子、又は当業者に公知の他の光子源が含まれうる。
図1に示した実施形態では、光子源12は制動放射線源でよく、制動放射線標的16に入射する電子ビーム32を発生する電子源14を含むことができる。この電子ビーム32は、標的16に入射して制動放射線光子ビーム34を発生させる。制動放射線標的16の後方には電子32を止めるビームストッパー(図示しない)を設けてもよい。所望ならフィルタ52をビームストッパーの後に設けて、制動放射線ビーム34から低エネルギー光子を除去してもよい。コリメータ18を用いて制動放射線ビーム34をコリメートすることができる。遮蔽材(図示しない)で光子源12を囲んでもよい。適切で代表的な制動放射線光子源は、米国特許第5,115,459号に記載されている。
貨物専用コンテナ、輸送コンテナ、手荷物、小包、又は他のコンテナ若しくは物体などの走査対象となる標的20は、光子ビーム34の通路に配置すればよい。一実施形態では、この標的は、例えばコンベアベルトなどによりビーム通路を通過させてもよい。別の実施形態では、光子源12を移動したり電子ビーム32を操作したりして、標的20にビーム34を走査してもよい。当業者であれば、標的コンテナ20上に光子ビーム34を走査する他の方法が分かるはずである。標的20は標的内容物22を含むことがある。入射する光子ビーム34は標的の内容物20に衝突し、光子48が内容物22及び標的20を透過すると共に、内容物22及び標的20から散乱する。
検出装置38及び40は検出器アレー42を含むことができ、所与の1つ又は複数方向に散乱した光子のエネルギーを、捕獲、測定、カウント、且つ/又は記録できる。幾つかの適切で代表的な検出装置は米国特許第5,115,459号に記載されている。検出装置38又は40は、低エネルギー光子を吸収するための各検出器の表面を覆うフィルタと、遮蔽材(図示しない)とを更に含むこともできる。コリメーティングアパーチャ18からの散乱は、検出装置38又は40に向かうかなりの量の光子となりうるので、コリメータと検出装置38又は40との間にシャドウシールド(図示しない)を設けてもよい。ビーム34が標的20を通過する際に吸収されないビーム34のエネルギーを吸収するため、ビームダンプ30を設けてもよい。遮蔽材(図示しない)は、標的を出し入れするための適切な手段の設置を可能としながら、装置全体を取り囲んでもよい。
検出装置38又は40からのデータは、そのデータを分析できるプロセッサ46に送られて、後述するように平均原子番号、質量、選択した元素の質量の上限を特定するために用いられる。このデータは前処理電子装置44で前処理できる。こうした前処理電子装置には、前置増幅器、フィルタ、タイミング電子装置、及び/又は他の適切な前処理電子装置が含まれる。(前処理電子装置44は直列的に接続して図示されているが、プロセッサ46に並列接続してもよい。)プロセッサ46を更に適合してデータを評価させ、標的体積の内容物が1つ又は複数の所定の検出閾値を満足或いは超過するかを判断できる。例えば、プロセッサ46は、照射した各標的体積のデータを「標準」標的体積のプロフィルと比較して、照射した標的体積を「疑わしい」と考えるべきかを判断できる。更に、プロセッサ46は、後述するように他の脅威検出ヒューリスティックスでプログラムしてもよい。更に、後に詳述するように、プロセッサ46は、本システムの光子ビーム、走査、検出、及び/又は他の側面に関する様々なパラメータを制御できる。
検出装置38及び/又は40を、光子ビームに対する測定角度θとして光子ビーム34の方向に関して90度を上回る角度で標的20を視界に置くように構成できる。代表的な一実施形態では、検出装置40は概ね130度の測定角度で標的を視界においている。
ビーム34は標的内容物22を通過する。このビームは、残りのエネルギーの概ね全てを吸収するように設計されたビームダンプ30で吸収できる。例えば、10メガ電子ボルト用の適切なビームダンプは、ボロン又はリチウムを含む含水素物質からなる層、カーボン層、及び鉄層を含むことができ、これらの層は、逆流低エネルギー光子から側面及び検出器を遮蔽する鉛及び/又は鉄のシールドの空洞内に形成されている。ボロン又はリチウムを含む含水素物質の層が、このシールドの外部を囲むようにしてもよい。この空洞の深さ、ビームの寸法、検出器の方向性コリメーション、及び検出器の正確な位置は関連したパラメータであって、ビームダンプから検出器に入る逆流光子の数を最小化するために互いに適合させることができる。この目標を満足できるように、付加的なシャドウシールドを設置できる。
本明細書に記載した技術を用いて様々な方法の走査を実行できる。光子源12全体、標的20、又は単にアパーチャ18を移動させることにより、手荷物をビームで走査できる。又、磁石で電子ビームを偏向させることによっても、光子ビームの方向を掃引できる。光子ビームの好適な幾何学的形状は、スポット(円錐)及びストライプを含む。当業者であれば、他の好適な走査構成、幾何学的形状、及びパターンが存在することを理解し、利用できるはずである。
例えば、一実施形態では、小型の円形アパーチャ18を使ってビーム34を概ね1/20ラジアン(約3度)の平均角度までコリメートすれば、このアパーチャから1メートル離れたスポットは直径が約10cmとなり、手荷物の中身を画像化するには適切な大きさとなる。より高い解像度が所望なら、より厳密にコリメートしたビームを用いてもよい。或いは、高速走査を行い且つ/又はより大型の標的を対象とするにはより大型スポットサイズが好ましい場合もある。
仮に垂直スリットアパーチャを用いて光子ビーム34をコリメートし、手荷物への入射地点で10cm幅の狭いストライプを発生させると、例えば長さ60cmのスーツケースであれば、それがコンベアベルトに乗って移動する際に数秒間で走査できるはずである。或いは、可調節コリメータによって、或いは光子ビーム34を生成するのに用いる電子ビーム32の磁界偏向によって、光子ビーム34を垂直に掃引されるスポットにコリメートしたりできる。仮にコリメーションが垂直ストライプ形状であっても、自然のコリメーションを反映して中心強度は最大のままとなり、電子ビーム32の磁界偏向は画像化に有用となりうる。他の実施形態では、垂直以外の構成を備えたストライプを用いてもよい。
更に、実施形態によっては、パルス光子ビームを用いて空間分解能を実現できる。光子源が電子加速器により適切なパルス構造を備えて発生される場合、電子パルスと検出時刻との間の相対時間を用いて可能な相互作用点の空間的位置を推定できる。
標的20は複数部分すなわち「ボクセル」に分割されるものとして考えることができる。各ボクセルは、光子ビーム34と平行検出器42の視界との3次元交差であると考えればよい。こうした1つのボクセル50を図1に示した。
プロセッサ46は、検出装置38及び/又は40を任意に組み合わせた装置から得られたデータを分析するように適合できる。例えば、プロセッサ46を、「標準」プロフィル内に入る質量又は原子番号分布に関する統計情報でプログラムしてもよい。これらのプロフィルから有意に逸脱する単一の標的体積すなわちボクセル50或いは複数体積すなわちボクセル50の組合せを、「疑わしいもの」として識別してよい。又、プロセッサ46は、データを、特定タイプの脅威が存在する可能性が高いことを示す記憶済みプロフィルと比較するように適合してもよい。例えば、標的の一領域が爆発物或いは典型的には放射能遮蔽材として使用される高密度物質の元素プロフィルを明らかに示す場合、プロセッサ46は脅威検出肯定イベントを通知してもよい。このシステムは、様々な方法の何れかで脅威検出肯定イベントに応答でき、それら方法には、より高い分解能で当該領域を再走査すること、特定の物質に関して異なるタイプの走査(例えばNRF走査)を実行すること、標的内容物の像を表示すること、及び/又は人間のオペレータに通知することが含まれる。
上述の検出方法は、標的20及び標的内容物22からの散乱を検出装置アレイ38及び/又は40の検出器42により検出させる段階を含み、標的内容物22の三次元像を得るために使用できる。例えば、各ボクセル50における平均原子番号を本明細書に記載した方法に従って測定した場合、こうしたデータは所望なら、平均原子番号の空間的分布を表示する標的内容物22の三次元像として再構成してもよい。同様に、各ボクセルの質量測定値を用いて、標的内にある質量の三次元分布を画像として構成してもよい。
図1に示した実施形態では、本システムには、標的20を透過する光子の強度及び/又はエネルギーを、光子ビーム34が標的20に当たる位置の関数として(或いは、制動放射線源に関しては、電子ビームが制動放射線標的に当たる位置の関数として)測定可能な、X線撮像装置のような正透過検出器24を含めることもできる。例えばこうした測定値を用いて、光子ビーム34の軸に沿って投影した、標的20の平均密度の写像を得ることも可能である。こうすることで、標的の透過濃度を示す非常に正確な像を構築できる。こうした画像は標的内の物質密度が高い部分を識別でき、これは爆発物又は原子数が高い物質の検出に更に役立つはずである。(又、特に低エネルギーでの標的20からの後方散乱を検出することで類似の密度画像化が可能となる。)又、透過検出器24を使えば、標的20を透過する全光子束を、空間分解能を用いて或いは用いないでエネルギーの関数として測定できる。
標的容器の非侵入性検査を実現するための代表的システムを図2に更に概略的に示した。光子の平行ビーム34が標的20に当たる。この平行光子ビーム34は上述したように、対象とするエネルギー領域において連続スペクトルを備えることができ、制動放射線、放射線崩壊、又は本発明の分野で公知の手段などの様々な機構により発生できる。標的に当たる前の光子ビームの強度及びエネルギー(「入射束」F)は、設計及び制御パラメータから又は直接的な測定から、或いはその両方から知ることができる。
一実施形態では、標的20における入射束Fを測定且つ/又は監視するには、束測定装置を光子ビーム内の位置72に挿入すればよい。この束測定装置は例えば電位計及び/又は電離真空計でよく、こうした装置では、光子ビーム34が、当該ビームのエネルギーにおいて光子と既知の相互作用する断面を備えた物質を透過する。次に、束測定装置は、光子ビームが上記物質と相互作用する際に発生される電流を、好適には光子エネルギーの関数として測定し、入射束Fを出力する。(後述するように出口束を測定するため、類似の束測定装置74を標的20の下流に配置してもよい。)
標的及び/又はその内容物から散乱した光子は、光子検出器42又は光子検出器アレイ38で検出でき、こうした検出器は標的の特定部分を視界に置くためにコリメートできる。この例における光子検出器の視界に入る空間容積は、ビームの断面積とその検出器のコリメーション軸に沿った検出器視界により決定される。(上述のように、標的容積の光子検出器の視界に入る部分、すなわち光子ビーム34の通路と検出器42の視野との空間的共通部分を「ボクセル」と呼び、ボクセルは標的内容物の三次元空間の体積要素である。各ボクセルの正確な形状(不規則であることもある)はビームの形状及び寸法と各検出器のコリメートした視界の形状とにより決定される。)図2に概略的に示した実施形態では、検出器42のアレイ38は、例えばビーム34に沿ったボクセル62、64、及び66等の複数のボクセルから散乱する光子を同時に視界に納めることができる。コリメート光子検出器のアレイ38は、本明細書で記載した方法の一般原理を損なうことなく視界容積を変更できる単一の(或いは任意数の)光子検出器と取り替えてもよい。光子検出器42は、入射ビーム方向に対する測定方向θに散乱する光子の数及びエネルギー分布を測定する。各検出器内に散乱する光子のエネルギースペクトルの率(固定した時間カウントにおける光子の積分又は数)及び形状は、(i)検出器の視界に入るボクセルに到達する入射光子束の強度及びエネルギー分布と、(ii)視界に入るボクセルの密度及び組成と、(iii)入射光子ビームに対する、検出器が向けられた方向の作る角度θと、(iv)光子検出器の効率及びエネルギー解像度と、(v)ボクセルと検出器との間にある物質の密度及び/又は組成とに依存する。
図3は、散乱した光子エネルギースペクトルが、精査対象である標的部分の組成に依存することを示している。図3では、鉛、銅、及び複数枚の紙の層(雑誌)で囲んだBの粉体からなる標的から(光子ビーム34の方向に対して)130°の角度で散乱した光子のエネルギースペクトルを類似の入射光子ビームについて示す。図3で注目すべき重要な特徴は、511keVでの陽電子消滅ピーク以外におけるエネルギーに関する光子エネルギースペクトルの振幅における大きな差である。図示したように、消滅ピークを除いて光子強度はZの増大と共に増大する。例えば、図示したように、511keVを上回るエネルギーに関する鉛(Z=82)の光子エネルギースペクトルの光子強度は、類似の或いはより大きな照射質量を備えたZが低い他の散乱材料の光子強度に比べて概ね一桁大きくなる。511keVピーク未満のエネルギーに関する光子エネルギースペクトルは、Zの増加に伴って光子強度が同様に増加することを示しており、後述するZ測定技術に利用できる。しかし、概ね150keV未満のエネルギー値においては、光子エネルギースペクトルは標的材料及び/又は存在する任意遮蔽材中のK端の効果によって大きな影響を受ける。従って、こうした低エネルギーは平均Z測定には理想的とはいえない。
図3に示した特徴は一般的なものであり、例えば1MeVを上回るエンドポイントエネルギーを備えた光子制動放射線ビームでサンプルを照射することにより得られた散乱光子エネルギースペクトルにおいて観察できる。当業者なら理解するはずだが、類似の光子エネルギースペクトルが様々な検出器の幾何学的配置を用いても観察可能なはずである。こうした幾何学的配置には、入射光子ビームに対して概ね90°を上回る視角で配置された任意の検出器を含むがそれに限定されない。
図3に示したような散乱光子エネルギースペクトルは、原子番号が高い物質を識別するための高速検出方式の基礎となる一般的且つ重要な特徴を備えている。すなわち、制動放射線ビームに対して概ね90°を上回る角度で散乱し且つ制動放射線ビームのエンドポイントを大きく下回るエネルギーにおいて散乱した光子エネルギースペクトルの部分は、物質の原子番号に大きく依存する。例えば、鉛の試料は類似質量の銅に比べて概ね一桁高い強度を示している。この光子エネルギースペクトルの特徴が原子番号に依存していることを用いて、後述のように、標的容器の内容物の平均原子番号を特定し且つ/又はマッピングできる。
更に、後に詳述するように、検査対象となる標的物質のボクセルにおける測定平均原子番号は後述する方法で得られたものであり、この平均原子番号を、測定した絶対散乱光子強度と共に用いてボクセルの総質量を測定できる。
代表的な方法
次の方法を用いて標的容器を非侵入的に検査し、内容物の平均原子番号を特定できる。図1及び2に概略的に示したように、光子ビーム34は標的20に当たるよう構成されている。標的容器の面に光子ビームを垂直に走査してもよい。標的容器は、ビーム方向に対して且つ走査方向に対して垂直にシステム内を移動させ、容器の全ての領域が検査できるようにしてもよい。図2に概略的に示したように、ビームの全ての位置に関し、平行検出器は、ビームと検出器の平行視界が交差するボクセルを検査する(検出器が検査するボクセルは隣接配置してもよい。すなわち、図2に図示したボクセル62、64、及び66は分かり易く図示するため空間的に離間した)。この検査システムはプロセッサ46を含むことができ、このプロセッサは検出器アレイからのデータを動的に分析して、ビームで照射された各ボクセルにおける特定物質の平均原子番号Z、物質の質量、及び/又は質量の範囲を後述の方法を用いて迅速に測定する。
代表的な一検査システムは、光子検出器から光子カウント及び/又はエネルギー分布を収集するためのデータ収集素子を含むことができる。更に、プロセッサは、収集したデータの分析結果次第では更なる動作をとるか否かを決定する脅威検出ヒューリスティックスでプログラムしてもよい。こうした追加動作には、潜在的な脅威を人間のオペレータに通知することや、自動システム又は人間のオペレータにより開始且つ/又は実行される更なる測定を引き起こすことを含むことができる。例えば、このシステムをプログラムして、所定範囲又は閾値を上回る平均原子番号を備えた物質の存在が検出されるとオペレータに警告したり、追加測定を実行したりさせてもよい。こうした追加測定には、標的の選択領域を高解像度で走査することを含めてもよい。又、追加測定には、標的の同位体内容物又は標的の一部を更に分析するため、NRF画像化などの他の走査方法で標的を走査することを含めることができる。標的の平均原子番号及び/又は質量分布を測定するための代表的な一システムは、標的の平均原子番号及び/又は質量測定と、標的の付加的なNRF画像化とを実行するために同一の検出器を使用してよい。或いは、付加的な組の検出器を更なる画像化のために使用してもよい。図1に示したように、このシステムは、米国特許第5,115,459号及び5,420,905号に記載されているようなNRF画像化に使用可能な検出器アレイ38及び/又は40を含むことができる。更に図1に示したように、このシステムは、これも米国特許第5,115,459号及び5,420,905号に記載されているような基準散乱体28及び検出器アレイ36を用いて透過NRF検出を行うように構成してもよい。
実施形態によっては、プロセッサ46を構成することによって、容器の内容物の二次元又は三次元画像を形成するように各ボクセルの平均原子番号値及び/又は平均密度を、色や陰影を使うなどして視覚表示できる。更に、プロセッサを構成して、一定の閾値を上回る平均原子番号を備えた容器の領域を表示させてもよい。
平均原子番号の測定
ボクセル中の物質の平均原子番号、Savは、散乱光子のエネルギースペクトルの2つのエネルギー領域における測定光子カウントの比によって第1の近似で求められる。(「光子スペクトル」、「エネルギースペクトル」、及び「光子エネルギースペクトル」という用語は本開示全体で交換可能に使用されており、各エネルギーチャンネルで検出された光子エネルギーのスペクトル分布又はカウント数を表す。)例えば、領域1は、標的ボクセルにおける陽電子生成及び消滅から発生した511keVの線を含むことがあろうし、領域2は、データ処理システムにプログラム又は入力される、600keVで発生し且つより高いエネルギー限界に向かうエネルギーバンドを含むこともあろう。このより高いエネルギー領域は非常に広いことがある。すなわち、代表的な一実施形態では、600keVで始まり約2MeVまでの範囲となる。代替的な一実施形態では、計数統計が適切であれば、一方又は両方の領域が単一の検出チャンネルと同程度の狭さとなることもある。正確なエネルギー範囲は、当該用途に固有の要件により決定され、当該用途におけるより高いエネルギーチャンネルで得られた計数統計、検出器解像度、又は信号対雑音比に依存することがある。600keVは任意限界であること、及び上述のように150keVを上回るエネルギーが好適だが、511keVピークを除いたいかなるエネルギー範囲を用いてもよいことは理解されるはずである。実際には、より高いエネルギー領域の選択には、中心エネルギーを選び、次に雑音がその領域の統計変動に大きく影響しないように幅を選べばよい。
R(Z)は、領域1における散乱光子強度の、領域2における散乱光子強度に対する比を表すものとする。図4は、R(Z)を、概ね同一の有効質量のZ=92,82,29,及び〜7(それぞれ紙で包んだウラン、鉛、銅、及びB)である物質に関してプロットしたものである。図4では、Eは、R(Z)の分子が511keVピークでの積分値となるように選択した。Eは概ね600keV±5keVであった。
図4から分かるように、R(Z)の原子番号Zへの依存が明確に現れている。一般に、標的中の平均原子番号が高いほど、R(Z)の値が低くなる。この比は、ボクセルに含まれる物質の質量全体にはほとんど影響を受けない。従って、ボクセル中の平均原子番号を測定するには、適切に選択したエネルギー領域1及び2それぞれで拡散した光子をカウントし、比R(Z)を計算し、その結果を図4に示したようなR(Z)曲線と比較すればよい。この比較に用いる既知のR(Z)曲線を実験的に求めるには、Zが既知の試験標的をビームの通路に配置し、一定範囲のZを備えた幾つかのこうした標的からのRを測定すればよい。別法としては、標的中で発生する相互作用の解析又は統計モデリングによってもR(Z)曲線を求めることができる。
消滅ピークを含む区間Eの大きさによっては、比R(Z)を計算する前に、このエネルギー区間における光子エネルギースペクトルの連続部分を減算することが望ましいこともあろう。例えば、検出器が(511keVピークの幅に対して)広いエネルギー解像度を備えていれば、区間Eは光子エネルギースペクトルの連続部分からの寄与を含むことがある。消滅ピークにおける正規化カウントを正確に測定するため、これら寄与を推定し、減算できる。例示的な一実施形態では、連続部分の寄与を推定するために、エネルギー区間Eの両側にある光子エネルギースペクトルの連続部分を平均化する。
実施形態によっては、領域1における光子強度を、領域2における光子強度とは異なる散乱方向で測定しもよい。そうした一実施形態では、これら2つの領域のうち一方における光子強度を、比を計算する前に測定角度の差に関して補正できる。この補正を求めるには、散乱光子の角分布及び/又は検出器間の検出効率の差を実験的又は解析的に算出するか、統計的モデリングにより算出すればよい。
別の代表的な実施形態では、次のように、ボクセルからの散乱光子エネルギースペクトルを、標的の隣接領域から散乱した光子と組み合わせて利用して、次のように原子番号が高い物質の存在を指し示すことができる。1つのボクセルにおいて原子番号の高い物質が有意量で存在すると、ビームを強く吸収する結果となることがあり、それによってビーム通路の下流側のボクセルに入射する束が減少することになる。従って、下流側ボクセルから散乱する光子のエネルギースペクトルが、信号強度の低下を示すことがある。同様に、原子番号が高い物質が、検査対象のボクセルと検出器との間に存在する(光子ビームの通路外)場合、検査対象のボクセルから散乱する光子は検出器に向かう途中で吸収により減衰することがあり、検査ボクセルからの信号が低下する。代表的な一実施形態において、脅威検出システムは、信号の減衰にそうした空間的相関関係を探し、そうした相関関係を用いてビーム通路及び/又は検査対象のボクセルから検出器までの通路沿いの原子番号が高い物質の存在を特定又は確認できる。例えば、こうした相関関係が検出されると、システムはオペレータに警告し且つ/又は、例えばNRF画像化などを用いた標的又は標的の領域への更なる調査を開始させることができる。
質量の算出
各ボクセルに含まれる物質の質量を推定するには、例えば600keVなどの所与のエネルギーを上回る光子エネルギースペクトルの連続部分で測定される光子の数を入力として用いる反復法を実行すればよい(図3参照)。エネルギー領域の選択は任意であり、適切な計数統計値を与えるならどんな領域でもよい。特定の用途での最適なエネルギー領域は、散乱システムの設計仕様に左右される。ある用途で使用されるエネルギー領域は、質量を算出するための最高感度が達成されるまでパラメータを調節することによって実験的に選択してもよい。別法として、統計モデリングを用いて推定最適値を計算することによりエネルギー領域を選択してもよい。
この方法の代表的な一実施形態では、光子ビームにより検査される第1ボクセル内の質量は入射束Fを用いて測定し、次にこの質量を用いてビーム通路上の次のボクセルに入射する束を推定し、ビームに沿ってこれを繰り返す。図2はビーム通路に沿った幾つかのボクセルからの散乱光子の検出を概略的に示したものだが、この図を参照すると、領域Eγに入るエネルギーを備えた方向θへの、i番目のボクセルからの光子カウントSは次の式で与えられる。
Figure 0005054518
数式1を用いると、R(Z)は次の式で与えられる。
Figure 0005054518
上記式でG(Eγ,θ,Z)は平均Z値(Z)と、測定した光子のエネルギーと、i番目のボクセルから散乱する角度θとに依存した既知の因数で、Fはi番目のボクセルに入る光子束の合計で、Mはi番目のボクセルに含まれる質量である。(もし検査中のボクセルが、入射ビームが当たる最初の標的ボクセルであれば、Fは上述の入射束Fである。)上述のように、Eは511keVにおける消滅ピークを含むことが好ましく、Eはより高いエネルギー範囲であることが好ましい。上述のように、消滅ピークを含む区間Eの大きさによるが、このエネルギー区間における光子エネルギースペクトルの連続部分の減算が好ましいことがある。
因数G(Eγ,θ,Z)は実験的或いは、解析又は統計モデリングにより求めることができる。G(Eγ,θ,Z)を本明細書では散乱核と呼ぶ。これは測定方向θに散乱する光子の束すなわち個数であって、原子番号Zを備えると共に、1cm当たりの単位合計入射束について、1グラムに正規化された質量を備えた物質から散乱するものを表す。この核は、i番目のボクセルに入射する束の形状を画定するパラメータに左右される。例えば、制動放射線源では、核は、制動放射線光子を発生するのに用いられる電子ビームのエンドポイントエネルギーに左右される。従って、核は、任意の実施形態で使用される光子源に関して特定しなければならない。
核G(Eγ,θ,Z)のデータテーブル又は解析式を、式1を用いてi番目のボクセル中の質量Mを求めるデータ処理ソフトウェアとしてプロセッサに与えることもできる。例えば、核G(Eγ,θ,Z)を前もって実験的に求めるには、ボクセルiにおける既知のZ及び既知のMの試験標的を配置し、一定範囲の平均Zを備えた幾つかのこうした試験標的に関して、既知の入射光子束Fを用いてSを測定してもよい。こうした試験質量を使用する場合、G測定の較正には検査ボクセルの大きさを考慮する必要がある。これを行うには、例えば入射光子ビームより断面が小さな試験標的を用いればよい。試験標的の面密度と試験標的の断面積との積によって較正対象となる検査ボクセルの全質量が与えられる。又、直接測定以外の方法で核Gを求めるには、標的内での相互作用をモンテカルロ・モデリングし、検出器及びビームの幾何学形状を組み込んでもよい。或いは、核Gを予め又は実時間で解析モデリングにより求めることもできる。従って、代表的な値をデータテーブル又は解析式の形でシステムに記憶できる。因数Gをどのように求め記憶するかにかかわらず、その値は「所定値」と呼ぶ。一般に、因数G(Eγ,θ,Z)は、検出器の幾何学形状に加え、散乱断面のZ依存及び空間依存、i番目のボクセルに入射する光子のエネルギー分布(制動放射線源を使用する際は、その制動放射線源を形成するのに用いる電子ビームのスペクトルに依存する)を反映したものである。
ビームに沿った各ボクセルZにおける平均Zは、例えば上述した比の方法により求めればよい。第1ボクセルの平均原子番号Zを用いてGを評価し、且つ第1ボクセルからの測定散乱光子カウントSと既知の初期光子束Fを用いて、第1ボクセルにおける平均質量Mを式1から求めることができる。
入射光子ビームと第1ボクセルの内容物との相互作用に起因する減衰はM及びZの抽出値から推定できるため、第2ボクセル(ビームに沿った次のボクセル)に入射する束Fも推定できる。第2ボクセルの平均原子番号Z(例えば上述した比の方法により求められる)を用いてGを評価し、且つ第1ボクセルからの測定散乱光子カウントSと第2ボクセルに入射する推定初期光子束Fとを用いて、第2ボクセルにおける平均質量Mを式1から求めることができる。ビームに沿った全てのボクセルについてこの計算を繰り返すようにプロセッサをプログラムして、各ボクセルに入射する束Fを推定し、平均Z値Zを用いて各ボクセルの質量Mを計算できる。
一実施形態では、Z値若しくはM値、又はそれら両方が、例えば表示装置にプロットした色、陰影、又は点により表され、ビームに沿った質量又はZ分布の画像を形成する。標的にビームを走査し且つこの処理を繰り返すことによって、標的の内容物の3次元画像を構築できる。
別の代表的な一実施形態では、質量測定に付加的な制約条件を付けるため容器からの出口束を測定してもよい。図2の参照番号74で概略的に示したように、束測定装置をビーム通路上で標的の下流に配置することで、出口束とそのエネルギースペクトルF(E)を、上述した初期束Fの測定と似た方法で測定できる。或いは、出口束は、図1に概略的に示したようにビーム通路における他の種類の透過検出によって求めることもできる。例えば、透過検出器24は、全透過束の測定に加え透過束に関する空間的情報を提供可能なX線撮像検出器とすることができる。別の例としては、出口束は、基準散乱体28及び検出器アレイ36を用いた透過NRF測定値から推定してもよい。出口束の測定は、次のように質量測定に付加的な制約条件を与えることができる。
連続したそれぞれのボクセルにおける質量のこうした段階的導出は、容器の端部において予測出口束P(E)を出して終了する。ここで、束全体に加え束の明示的なエネルギー分布が、入射束及び測定散乱光子のエネルギー分布に基づいて予測できる。この束を測定出口束F(E)に比較することで予測質量測定を補正できる。予測質量分布を補正する代表的な処理を開始するに当たり、エネルギー平均束差D(E)=F(E)−P(E)を用いて、元々のM及びZの全光子束への影響に従って通路に沿った各ボクセルの質量を変更する。すなわち、差Dを、M及びZの導出過程において、透過束への各ボクセルの減衰に比例して当該ボクセルに配分する。次に、入射束エネルギー分布と出口束エネルギー分布ができるだけ一致するように、この一次質量分布を最小化手順で修正する。更に、出口束のエネルギースペクトルを予測出口束P(E)のエネルギースペクトルに比較でき、又、各標的ボクセルの測定平均Zも同様に上述の最小化手順で調節でき、特に光子吸収のエネルギー依存にはZによって大きな変動があることを利用する。
別の実施形態では、直径又は配向などボクセル幾何学形状の諸側面を変化させることで、予想出口束エネルギースペクトルと測定出口束エネルギースペクトルとの比較を向上させ且つ/又は各ボクセルにおける質量測定を改良できる。例えば、元となるボクセルの面積が2倍で、厚さが半分の再定義したボクセルでは、質量が同一であっても光子減衰が大きく異なることもあり得る。(数学的に、これは散乱核Gの幾何学依存に表されている。)こうしたボクセル再定義は、例えば光子ビーム及び/又は検出器のコリメーションを変更することで達成できる。
代替的な実施形態では、上述のR(Z)と511keVにおける消滅ピークの正規化強度との相関関係を計算することで、平均原子番号及び質量推定の解像度を向上させてもよい。この相関関係を得るには、例えばR(Z)を511keVピークでの積分カウントに対してプロットすればよい。これら変数はどちらもZに強く依存し、ピーク強度は検査ボクセルの質量に依存するので、この相関関係は、異なる原子番号の核種の分離及び/又は異なる質量の分離を向上させる。例えば、軽い核種は比較的大きなR(Z)を備えるが(図4を参照)、消滅ピークにおけるカウントは比較的小さい。他方、重い核種はR(Z)が小さく、消滅ピークにおけるカウントは大きくなる。この相関関係は図5のプロットに示した。
図5の各点は、記号で示した核種とその異なる質量を表している。図5の測定に用いた標的質量は、下記の表1に記載した。この表に挙げた各質量は図5のデータ点に対応している。正規化消滅ピーク強度(x軸の値)が、所与の核種に関して質量増大と共に単調増加することを用いれば、標的質量をその対応するデータ点に一致させることができる。従って、例えば、0.54kgのSn標的は図5の最も左にあるSn点(最も低い正規化ピーク強度)に対応し、1.61kgSn標的は最も右にあるSn点(最も高い正規化ピーク強度)に対応する。図5のy軸のR(Z)は、消滅ピークにおけるカウント数を分子とし、1000keV前後の±5keVのエネルギー間隔におけるカウント数を分母として測定且つ計算したものである。ここで、光子源は2.8MeV電子ビームを用いて発生した制動放射線ビームとした。
Figure 0005054518
図5のデータから、R(Z)の所与の測定値が、1つ以上の平均原子番号に対応する場合があることが分かる。この理由は、R(Z)の測定値の実験的不確定性によるもので、環境散乱などのバックグラウンド効果がR(Z)測定に大きく影響する可能性がある低い原子番号に関しては特に問題かもしれない。一例としては、炭素、B、又はアルミの試料を用いた場合は、概ね1600の測定R(Z)が観察できることが図5から分かる。
R(Z)を正規化消滅ピーク強度に対してプロットすると上手く分離可能となり、似た測定R(Z)値を示す可能性がある異なる核種の区別に役立つ。この理由は、所与のボクセル幾何学形状及び所与の平均原子番号に関して、ボクセル中に存在可能な質量には限界があるからである。従って、複数の平均原子番号に対応しうる所与のR(Z)値に関して、ピーク強度が高ければより密度の高い物質の存在を示唆し、そのボクセルが高い平均原子番号を備えている可能性が増すことになる。一例としては、炭素、B、又はアルミの幾つかの試料は概ね1600の測定R(Z)を示すが、これらの比を正規化消滅ピーク強度に対してプロットすると、これら核種をある程度分離できることが図5から分かる。
脅威検出システムは、測定R(Z)と測定消滅ピーク強度とのこうした相関関係を分析して、複数の可能な平均Z値を区別してもよい。或いは、このシステムは、測定R(Z)及び消滅ピーク強度が与えられているので、当該ボクセルが一定の質量と平均原子番号との組合せを含んでいる可能性(当該ボクセルが、平均原子番号Zを備えた質量Mの物質を含む確率p、及び/又は平均原子番号Zを備えた質量Mの物質を含む確率p)を計算し、出力してもよい。例えば、炭素及びアルミの試料に関する図5に示したデータを考慮する。これら核種の幾つかの試料は概ね1600の測定R(Z)を示すので、R(Z)測定だけでは両者を区別できない。しかし、正規化消滅ピーク強度が比較的高い(例えば約450)場合、軽元素である炭素がこうした測定ピーク強度を生ずるほど検査中のボクセルに存在する可能性は非常に低いと考えることができる。対照的に、より重い元素であるアルミがこうした測定ピーク強度を生ずるほど検査中のボクセルに存在する可能性はかなり高いと考えることができる。このシステムは、幾つかの実施形態では、こうした確率を用いてオペレータに通知したり、警報を鳴らしたり、且つ/又はNRF画像化又は他の撮像法などの付加的な走査を開始したりするか否かを決定する脅威検出ヒューリスティックスを利用してもよい。
図5に示したような相関関係を構築するに当たって、測定消滅ピーク強度を、1つ又は複数の因子に関して正規化する必要があるかもしれないことに注目すべきである。先ず、入射束に関する全体的な正規化が必要となることがある。幾つかの実施形態では、この全体的正規化は、入射ビームの輝度に基づくものとしてもよい。例えば、図5のグラフでは、消滅ピークにおけるカウント数は、ビーム発生に用いられた制動放射線標的上の全電荷(ライブタイム×電子ビーム電流)に正規化されている。別法として、各ボクセルへの入射束が上述のように推定される場合、消滅ピーク強度をこの推定入射束に正規化してもよい。更に、上述の相関関係を洗練するために必要或いは望ましければ、第2のより高度な正規化因子を適用してもよい。この付加的な正規化は、散乱核Gの決定に関して上述したように、ボクセルの幾何学形状の影響を考慮するものである。
原子番号が高い物質の質量限界
任意のボクセルは複数物質の混合物を含むことがあり、この混合物は、複数の元素散乱光子分布からのZ及びMの測定値を備えることになる。(説明を容易にするため、所与のボクセル中のZ及びMの測定値をそれぞれZ及びMとする。)例えば、2つの物質に関しては、一方はZ>Z及びMを備え、他方はZ<Z及びMを備えるものである。この場合、次の関係が所与のボクセルに関して成り立つ。
Figure 0005054518
散乱光子エネルギースペクトルの各エネルギー領域について次の関係が成り立つ。
Figure 0005054518
ボクセルに入射する束Fが割り切れる場合。ZをG(Eγ,θ,Z)が測定されている最小値に設定すれば、数式4を用いて質量Mに上限を設けることができる。
数式3及び数式4を次のように用いる。
Figure 0005054518
図3の代表的データから分かるように、ZがZに比べて小さい場合、G(Eγ,θ,Z)はG(Eγ,θ,Z)よりもかなり小さくなる。又、G(Eγ,θ,Z)はG(Eγ,θ,Z)よりもかなり小さくなる。これらの近似から数式5は次のように変形される。
Figure 0005054518
=29,Z=82,M〜1/10Mとした図3のデータを用いた例である。
次の例は、質量Mの限界を計算するための代替的方法を示す。
(0.51MeV,θ、Z)=G(Z)(消滅ピークのG)、且つG(0.6MeV,θ、Z)=G(Z)(測定のため選択した連続エネルギーのGで、0.6MeVは選択した任意のエネルギーと置換可能)と定義し、混合物が2つの質量構成部分M及びMからなると仮定すれば、測定R値は次の式から与えられる。
Figure 0005054518
上記式は次のように書き換えられる。
Figure 0005054518
この式は次のように変形できる。
Figure 0005054518
数式9を用いて、Zが低い基材に埋め込まれた、Zが高い物質の寄与の上限を推定できる。一例として、質量=Mのボクセルに関してZ=29であると仮定する(Z及びMは上述の方法で測定できる)。Zが高いこの物質がウランと仮定すれば、ウラン(Z=92)の寄与の上限を求めるにはZ=1を外挿すればよい。この例では、G(Z)/G(Z)の項は図3のデータが示すように1と考え、G(Z)/G(Z)は1/100程度であり、M(Z=92)<1/7Mが得られる。この結果の簡潔さは、Zに伴う連続束の急激な変動と、質量が概ね等しい標的に関して消滅収量(訳注:annihilation
yield)が比較的一定であることに依存している。
後述の発明は添付図面を参照する。
スキャナ構成の代表的な一実施形態の概略図である。 標的容器の幾つかのボクセル内の平均原子番号及び質量を求めるための代表的装置の一部を示した概略図である。 紙で包んだ標的試料である鉛、銅、三酸化二ホウ素(B)からの散乱高エネルギー光子のエネルギー分布のプロットである。 標的試料の原子番号を、511keV対600keVにおける散乱光子強度の比の関数で示す。 様々な質量及び平均原子番号の試料について、比R(Z)を511keVの消滅ピークにおけるカウント数に対してプロットしたものである。

Claims (59)

  1. 標的のボクセル内の物質を分析するための方法であって、
    前記ボクセルを光子ビームで照光する段階と、
    第1エネルギー範囲にあり且つ第1測定方向で前記ボクセルから散乱した光子の第1の数を測定する段階と、
    第2エネルギー範囲にあり且つ第2測定方向で前記ボクセルから散乱した光子の第2の数を測定する段階と、
    光子の前記第1の数と光子の前記第2の数との比を求める段階と、
    前記比を用いて前記ボクセル内の前記物質の平均原子番号を求める段階とを含む、方法。
  2. 前記第1エネルギー範囲が511keVを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2エネルギー範囲が511keVを除外する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1方向が前記第2方向と同一である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1エネルギー範囲が511keVを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記第2エネルギー範囲が511keVを除外する、請求項5に記載の方法。
  7. 標的のボクセル内の物質を分析するための方法であって、
    前記ボクセルを光子ビームで照光する段階と、
    ある測定方向で前記ボクセルから散乱した光子のエネルギースペクトルを測定する段階と、
    第1エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルに寄与する光子の第1の数を求める段階と、
    第2エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルに寄与する光子の第2の数を求める段階と、
    光子の前記第1の数と光子の前記第2の数との比を計算する段階と、
    前記比を用いて前記ボクセル内の前記物質の平均原子番号を求める段階とを含む、方法。
  8. 前記第1エネルギー範囲が511keVを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記第2エネルギー範囲が511keVを除外する、請求項8に記載の方法。
  10. 標的のボクセル内の物質を分析するためのシステムであって、
    光子ビームを発生するための装置と、
    第1測定方向で前記ボクセルから散乱した光子の第1エネルギースペクトルを検出するよう構成された第1検出器と、
    プロセッサとを含み、
    前記プロセッサが、第1エネルギー範囲にあるエネルギーを備えた散乱光子の第1の数と、第2エネルギー範囲にあるエネルギーを備えた散乱光子の第2の数との比を求めるよう構成されており、更に、
    前記プロセッサが、前記ボクセル内の平均原子番号を求めるよう構成されている、システム。
  11. 第2測定方向で前記ボクセルから散乱した光子の第2エネルギースペクトルを検出するよう構成された第2検出器を更に含む、請求項10に記載のシステム。
  12. 前記第1角度が前記第2角度と同一である、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記第1エネルギー範囲が511keVを含む、請求項10に記載のシステム。
  14. 前記第2エネルギー範囲が511keVを除外する、請求項10に記載のシステム。
  15. 標的のボクセル内の物質を分析するための方法であって、
    光子ビームで前記ボクセルを照光する段階と、
    少なくとも1つのエネルギー範囲において前記ボクセルに入射する光子の数を求める段階と、
    前記ボクセルから散乱した光子の少なくとも1つのエネルギースペクトルを測定する段階と、
    前記少なくとも1つのエネルギースペクトルを用いて前記ボクセル内の物質の平均原子番号を求める段階と、
    前記ボクセルに入射する光子の数と、前記ボクセル内の前記物質の前記平均原子番号と、前記少なくとも1つのエネルギースペクトルと、前記ボクセルに対応する所定の散乱核とを用いて前記ボクセル内の物質の質量を求める段階とを含む、方法。
  16. 前記ボクセル内の物質の平均原子番号を求める前記段階が、
    第1エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルの少なくとも1つに寄与する光子の第1の数を求める段階と、
    第2エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルの少なくとも1つに寄与する光子の第2の数を求める段階と、
    光子の前記第1の数と光子の前記第2の数との比を計算する段階と、
    前記比を用いて前記ボクセル内の前記物質の平均原子番号を求める段階とを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記第1エネルギー範囲が511keVを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記第2エネルギー範囲が511keVを除外する、請求項17に記載の方法。
  19. 標的の複数ボクセル内の物質を分析するための方法であって、
    (a)光子ビームで前記ボクセルを照光する段階と、
    (b)前記ボクセルそれぞれについて、前記ボクセルから散乱した光子の少なくとも1つのエネルギースペクトルを測定する段階と、
    (c)前記ボクセルそれぞれについて、前記少なくとも1つのエネルギースペクトルを用いて前記ボクセル内の前記物質の平均原子番号を求める段階と、
    (d)前記ボクセルそれぞれについて、
    (i)少なくとも1つのエネルギー範囲において前記ボクセルに入射する光子の数を求める段階と、
    (ii)前記ボクセルに入射する光子の数と、前記ボクセル内の前記物質の前記平均原子番号と、前記少なくとも1つのエネルギースペクトルと、前記ボクセルに対応する所定の散乱核とを用いて前記ボクセル内の物質の質量を求める段階とを含む、方法。
  20. 前記ボクセルそれぞれ内の物質の平均原子番号を求める前記段階が、
    第1エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルの少なくとも1つに寄与する光子の第1の数を求める段階と、
    第2エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルの少なくとも1つに寄与する光子の第2の数を求める段階と、
    光子の前記第1の数と光子の前記第2の数との比を計算する段階と、
    前記比を用いて前記ボクセル内の前記物質の平均原子番号を求める段階とを含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記第1エネルギー範囲が511keVを含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記第2エネルギー範囲が511keVを除外する、請求項21に記載の方法。
  23. 標的の複数ボクセル内の物質を分析するための方法であって、
    (a)光子ビームで前記ボクセルを照光する段階と、
    (b)前記ボクセルそれぞれから散乱した光子の少なくとも1つのエネルギースペクトルを測定する段階と、
    (c)前記少なくとも1つのエネルギースペクトルを用いて前記ボクセルそれぞれ内の物質の平均原子番号を求める段階と、
    (d)前記ボクセルそれぞれについて、
    (i)少なくとも1つのエネルギー範囲において前記ボクセルに入射する光子の数を求める段階と、
    (ii)前記平均原子番号と、前記少なくとも1つのエネルギースペクトルと、所定の散乱核とを用いて前記ボクセル内の物質の推定平均質量を求める段階と、
    (e)各ボクセル内の前記推定平均質量と前記平均原子番号とを用いて、少なくとも1つのエネルギー範囲において前記標的を出る光子の数を計算する段階と、
    (f)前記標的を出る光子の数を測定する段階と、
    (g)前記推定した光子の数と前記測定した光子の数との差を計算する段階と、
    (h)前記計算差に基づいて、各ボクセル内の物質の前記推定平均質量の補正を計算する段階とを含む、方法。
  24. 各ボクセル内の前記推定平均質量の補正を計算する段階が、各ボクセルについて、当該ボクセル内の前記推定平均質量に比例して、前記計算差への寄与を割り当てる段階を含む、請求項23に記載の方法。
  25. 各ボクセル内の前記推定平均質量の補正を計算する段階が、前記計算差が最小となるように、最小化手順を用いて各ボクセル内の前記推定平均質量を調整する段階を含む、請求項23に記載の方法。
  26. 各ボクセル内の前記推定平均質量の補正を計算する段階が、前記計算差が最小となるように、各ボクセル内の物質の前記平均原子番号を調整する段階を含む、請求項23に記載の方法。
  27. 標的のボクセル内の物質を分析するための方法であって、
    (a)光子ビームで前記ボクセルを照光する段階と、
    (b)少なくとも1つのエネルギー範囲において前記ボクセルに入射する光子の数を求める段階と、
    (c)前記ボクセルから散乱した光子の少なくとも1つのエネルギースペクトルを測定する段階と、
    (d)前記ボクセルに入射する光子の数と前記少なくとも1つのエネルギースペクトルとを用いて前記ボクセル内の物質の平均原子番号求め、前記平均原子番号と前記少なくとも1つのエネルギースペクトルと所定の散乱核とを用いて、前記ボクセル内の物質の質量を求める段階と
    (e)前記少なくとも1つのエネルギースペクトルと前記ボクセル内の物質の前記質量とを用いて、前記ボクセル内に存在する選択核種の質量の上限を求める段階とを含む、方法。
  28. 前記ボクセル内に存在する選択核種の質量の上限を求める前記段階が、前記選択核種に対応する第1の散乱核を評価する段階と、第2の核種に対応する第2の散乱核を評価する段階とを含む、請求項27に記載の方法。
  29. 各ボクセル内の平均原子番号を求める前記段階が、
    第1エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルの少なくとも1つに寄与する光子の第1の数を求める段階と、
    第2エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルの少なくとも1つに寄与する光子の第2の数を求める段階と、
    光子の前記第1の数と光子の前記第2の数との比を計算する段階と、
    前記比を用いて前記ボクセル内の前記物質の平均原子番号を求める段階とを含む、請求項27に記載の方法。
  30. 前記第1エネルギー範囲が511keVを含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記第2エネルギー範囲が511keVを除外する、請求項30に記載の方法。
  32. 標的のボクセル内の物質の平均原子番号を求めるためのシステムであって、
    光子ビームと、
    少なくとも1つのエネルギー範囲において前記ボクセルに入射する光子の数を求めるための手段と、
    前記標的を視界に置くよう構成されていると共に、前記ボクセルから散乱した光子のエネルギースペクトルを検出するための装備が施された検出器と、
    プロセッサとを含み、
    前記プロセッサが、前記エネルギースペクトルを用いて前記ボクセル内の物質の前記平均原子番号を求めるように構成されており、更に、
    前記プロセッサが、前記ボクセルに入射する光子の数と、前記平均原子番号と、前記エネルギースペクトルと、所定の散乱核とを用いて、前記標的ボクセル内の物質の平均原子質量を求めるよう構成されている、システム。
  33. 標的のボクセル内の物質を分析するための方法であって、
    前記ボクセルを光子ビームで照光する段階と、
    少なくとも1つのエネルギー範囲において前記ボクセルに入射する光子の数を求める段階と、
    前記ボクセルから散乱した光子の少なくとも1つのエネルギースペクトルを測定する段階と、
    第1エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルの少なくとも1つに寄与する光子の第1の数を求める段階であって、前記第1エネルギー範囲が511keVを含む段階と、
    第2エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルの少なくとも1つに寄与する光子の第2の数を求める段階と、
    光子の前記第1の数と光子の前記第2の数との比を計算する段階と、
    前記比と光子の前記第1の数との相関関係を用いて、前記ボクセル内の物質の予想平均原子番号及び質量を求める段階とを含む、方法。
  34. 前記第2エネルギー範囲が511keVを除外する、請求項33に記載の方法。
  35. 潜在的脅威を探して標的を走査するための方法であって、
    (a)前記標的内の複数ボクセルそれぞれについて、
    (i)当該ボクセルを光子ビームで照光する段階と、
    (ii)ある測定方向で前記ボクセルから散乱した光子のエネルギースペクトルを測定する段階と、
    (iii)第1エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルに寄与する光子の第1の数を求める段階と、
    (iv)第2エネルギー範囲において前記エネルギースペクトルに寄与する光子の第2の数を求める段階と、
    (v)光子の前記第1の数と光子の前記第2の数との比を計算する段階と、
    (vi)前記比を用いて前記ボクセル内の物質の平均原子番号を求める段階と、
    (b)前記複数ボクセルそれぞれの物質の前記平均原子番号を用いて、(1)核共鳴蛍光によって前記標的の一部を走査する動作、(2)疑わしい物質が存在するかもしれないことをオペレータに通知する動作、からなるグループより選択される少なくとも1つの動作を開始するか否かを決定する段階とを含む、方法。
  36. 前記第1エネルギー範囲が511keVを含む、請求項35に記載の方法。
  37. 前記第2エネルギー範囲が511keVを除外する、請求項36に記載の方法。
  38. 前記平均原子番号の空間分布を出力装置に表示する段階を更に含む、請求項37に記載の方法。
  39. 前記(b)の段階において、前記(1)の動作を開始するか否かを決定する、請求項37に記載の方法。
  40. 前記(b)の段階において、前記(2)の動作を開始するか否かを決定する、請求項37に記載の方法。
  41. 潜在的脅威を探して標的を走査するための方法であって、
    (a)前記標的内の複数ボクセルそれぞれについて、
    (i)当該ボクセルを光子ビームで照光する段階と、
    (ii)第1エネルギー範囲にあり且つ第1測定方向で前記ボクセルから散乱した光子の第1の数を測定する段階と、
    (iii)第2エネルギー範囲にあり且つ第2測定方向で前記ボクセルから散乱した光子の第2の数を測定する段階と、
    (iv)光子の前記第1の数と光子の前記第2の数との比を計算する段階と、
    (v)前記比を用いて前記ボクセル内の物質の平均原子番号を求める段階と、
    (b)前記複数ボクセルそれぞれ内の前記物質の前記平均原子番号を用いて、(1)核共鳴蛍光によって前記標的の一部を走査する動作、(2)疑わしい物質が存在するかもしれないことをオペレータに通知する動作、からなるグループより選択される少なくとも1つの動作を開始するか否かを決定する段階とを含む、方法。
  42. 前記第1エネルギー範囲が511keVを含む、請求項41に記載の方法。
  43. 前記第2エネルギー範囲が511keVを除外する、請求項42に記載の方法。
  44. 前記平均原子番号の空間分布を出力装置に表示する段階を更に含む、請求項43に記載の方法。
  45. 前記(b)の段階において、前記(1)の動作を開始するか否かを決定する、請求項43に記載の方法。
  46. 前記(b)の段階において、前記(2)の動作を開始するか否かを決定する、請求項43に記載の方法。
  47. 前記第1測定方向が前記第2測定方向と同一である、請求項43に記載の方法。
  48. 前記平均原子番号の空間分布を出力装置に表示する段階を更に含む、請求項47に記載の方法。
  49. 前記(b)の段階において、前記(1)の動作を開始するか否かを決定する、請求項47に記載の方法。
  50. 前記(b)の段階において、前記(2)の動作を開始するか否かを決定する、請求項47に記載の方法。
  51. 潜在的脅威を探して標的を走査するための方法であって、
    (a)前記標的中の複数ボクセルそれぞれについて、
    (i)光子ビームで前記ボクセルを照光する段階と、
    (ii)少なくとも1つのエネルギー範囲において前記ボクセルに入射する光子の数を求める段階と、
    (iii)前記ボクセルから散乱した光子の少なくとも1つのエネルギースペクトルを測定する段階と、
    (iv)前記少なくとも1つのエネルギースペクトルを用いて前記ボクセル内の物質の平均原子番号を求める段階と、
    (v)前記ボクセルに入射する光子の数と、前記ボクセル内の物質の前記平均原子番号と、前記少なくとも1つのエネルギースペクトルと、前記ボクセルに対応する所定の散乱核とを用いて前記ボクセル内の物質の質量を求める段階と、
    (b)前記複数ボクセルそれぞれ内の物質の前記平均原子番号を用いて、(1)核共鳴蛍光によって前記標的の一部を走査する動作、(2)疑わしい物質が存在するかもしれないことをオペレータに通知する動作、からなるグループより選択される少なくとも1つの動作を開始するか否かを決定する段階とを含む、方法。
  52. 前記質量の空間分布を出力装置に表示する段階を更に含む、請求項51に記載の方法。
  53. 前記(b)の段階において、前記(1)の動作を開始するか否かを決定する、請求項51に記載の方法。
  54. 前記(b)の段階において、前記(2)の動作を開始するか否かを決定する、請求項51に記載の方法。
  55. 脅威となる物質を探して標的を走査するためのシステムであって、
    光子ビームを発生するための手段と、
    前記光子ビームに対して前記標的を並進させるための手段と、
    ある測定方向で前記標的の少なくとも1つのボクセルから散乱した光子の少なくとも1つのエネルギースペクトルを検出するよう構成された少なくとも1つ検出器と、
    プロセッサとを含み、
    前記プロセッサが、第1エネルギー範囲にあるエネルギーを備えた散乱光子の第1の数と、第2エネルギー範囲にあるエネルギーを備えた散乱光子の第2の数との比を求めるよう構成されており、更に、
    前記プロセッサが、前記少なくとも1つのボクセル内の物質の平均原子番号を求めるよう構成されており、更に、
    前記プロセッサが、前記少なくとも1つのボクセル内の物質の前記平均原子番号を用いて、(1)核共鳴蛍光によって前記標的の一部を走査する動作、(2)疑わしい物質が存在するかもしれないことをオペレータに通知する動作、からなるグループより選択される少なくとも1つの動作を開始するか否かを決定するよう構成されている、システム。
  56. 前記第1エネルギー範囲が511keVを含む、請求項55に記載のシステム。
  57. 前記第2エネルギー範囲が511keVを除外する、請求項56に記載のシステム。
  58. 前記プロセッサが、前記平均原子番号の空間分布を出力装置に表示させる、請求項57に記載のシステム。
  59. 前記プロセッサが、前記(1)の動作を開始するか否かを決定する、請求項57に記載のシステム。
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