JP5819726B2 - 宇宙線生成荷電粒子に基づくイメージング - Google Patents

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Description

優先権の主張
本出願は、2008年8月27日に出願された米国仮出願番号第61/092,372号、発明の名称「IMAGING BASED ON COSMIC-RAY PRODUCED CHARGED PARTICLES」及び2009年1月15日に出願された米国仮出願番号第61/145,091号、発明の名称「TOMOGRAPHIC IMAGING USING ENERGY LOSS OF COSMIC-RAY PRODUCED CHARGED PARTICLES」の優先権を主張する。これらの文献は、何れも、参照によって本願の一部として援用される。
本発明は、宇宙放射線の検出及び宇宙線生成荷電粒子(cosmic-ray produced charged particles)に基づくイメージングに関する。
宇宙線トモグラフィは、宇宙線生成荷電粒子(例えば、ミューオン)の多重クーロン散乱を利用して、人工放射線を使用することなく物質の非破壊検査を実行する技術である。深宇宙からやって来る、エネルギ安定粒子(energetic stable particle)、主にプロトンが、絶えず地球に降り注いでいる。これらの粒子は、上層大気圏の原子と相互作用して多数の短寿命のπオンを含む粒子シャワーを作り出し、それらπオンは崩壊し長寿命のミューオンを生み出す。ミューオンは、主にクーロン力を介して物質と相互作用し、核相互作用がなく、電子に比べて遙かに放射が少ない。このような宇宙線生成粒子は、電磁波相互作用によって、緩やかにエネルギを失う。したがって、宇宙線生成ミューオンの多くは、透過度が高い荷電粒子放射として、地表に到達する。海面レベルでのミューオン・フラックスは、約1ミューオン/cm・minである。海面レベルにおいても、デルタ線生成(電子ノックアウト)、制動放射、又は宇宙線が誘発したシャワー内の粒子の崩壊に由来する宇宙線フラックスが生成した電子が存在する。海面レベルの電子フラックスは、約1電子/cm・3minである。
荷電粒子、例えば、ミューオンが物質を通過する際、亜原子粒子の電荷のクーロン散乱がその軌道を曲げる。総合的な偏向は、幾つかの物質特性に依存するが、支配的な要因は、原子核の原子番号Zである。荷電粒子(例えば、ミューオン)の軌道は、より日常的な物体を構成する物質、例えば、水、プラスチック、アルミニウム、鋼等に比べて、ガンマ線を良好に遮蔽にする物質、例えば、鉛及びタングステン、及び特定核物質(special nuclear material:SNM)、例えばウラン及びプルトニウムによってより強く影響を受ける。各荷電粒子(例えば、ミューオン)は、その粒子が透過した物体に関する情報を運ぶ。多重複数の荷電粒子(例えば、ミューオン)の散乱を測定及び処理することによって、これらの物体のプロパティを探査することができる。大きな原子番号Zを有する高密度の物質は、その物質が、低Z又は中Z物質内にある場合、検出及び特定することができる。
荷電粒子が物質を通過する際、原子核からのクーロン散乱の結果、非常に多くの荷電粒子の小さな角度の偏向が生じる。物質の密度及び原子電荷に依存する軌道の移動及び角度変化は、相関分布関数を用いて近似的に特徴付けることができる。例えば、この分布関数は、ガウス分布として近似できる。分布関数の幅は、粒子の運動量の逆数及び放射線長において測定される物質の実際の密度の平方根に比例する。宇宙線生成荷電粒子(例えば、ミューオン)の相関分布関数は、地球のバックグラウンドを超える放射線量なしで荷電粒子の行程内の物質に関する情報を提供でき、このような宇宙線生成荷電粒子(例えば、ミューオン)の適切な検出は、良好な放射線遮蔽物質等、検出すべき選択された物質に特に敏感な手法によって行うことができる。
荷電粒子トモグラフィ検出システム、例えば、ミューオントモグラフィ検出システムは、標的物体による荷電粒子照射に基づく検査の下で標的物体のトモグラフィを実行するように構成でき、国境検問所、港、道路の検問所及び他のセキュリティチェックポイント等の様々な場所で、目的の物体、例えば、密輸される核物質、核兵器及び通常兵器、又は他の密輸品を検出するためのポータルモニタとして使用できる。荷電粒子トモグラフィ検出システムは、ガンマ線検出器又はX線検出器等の他の核物質検出器と組み合わせて、又はこれらの代替として使用することができる。ガンマ線検出器及びX線検出器は、ガンマ線及びX線放射を標的に向け、透過したガンマ線及びX線放射を測定することによって動作する。核物質の遮蔽によって、ガンマ線検出器及びX線検出器における計数率が低下し、ガンマ線検出器及びX線検出器の検出性能が低下することがある。荷電粒子トモグラフィ検出システムは、遮蔽された核物質及び物体を検出するように構成できる。
ここでは、荷電粒子トモグラフィ検出システムを用いて、対象となる容積体(volume of interest)のトモグラフィ画像を取得する技術、装置及びシステムを開示する。
一側面においては、荷電粒子に曝露された容積体を感知するための方法は、容積体に入り、透過した、又は容積体を透過しないで容積体内で阻止された荷電粒子のエネルギ損失を測定するステップと、測定されたエネルギ損失に基づいて、容積体に入り、透過した、又は容積体を透過しないで容積体内で阻止された荷電粒子の空間分布を判定するステップと、荷電粒子のエネルギ損失の空間分布を用いて、検査される容積体内の物質の3次元分布を再構成するステップとを有する。
他の側面においては、トモグラフィ検査システムは、物体収容領域の第1の側に配設され、物体収容領域に入る入射荷電粒子の位置及び方向を測定する位置感知検出器の第1の組と、第1の側とは反対側の物体収容領域の第2の側に配設され、物体収容領域を出る出射荷電粒子の位置及び方向、又は容積体内で阻止された荷電粒子の不在を測定する位置感知検出器の第2の組と、位置感知検出器の第1の組から、入射荷電粒子の測定信号のデータを受信し、位置感知検出器の第2の組から、出射荷電粒子の測定信号のデータを受信する信号検出ユニットとを含む。信号検出ユニットは、測定された入射荷電粒子及び出射荷電粒子の位置及び方向に基づいて、物体収容領域内の物質との相互作用によって引き起こされた荷電粒子の振舞いを解析し、トモグラフィックプロファイル又は物体収容領域内の物質の空間分布を得るように構成されている。信号処理ユニットは、容積体に入り、容積体を透過した荷電粒子及び容積体を透過せず、容積体内で阻止された荷電粒子のエネルギ損失を測定し、容積体に入り、容積体を透過した荷電粒子及び容積体を透過せず、容積体内で阻止された荷電粒子の空間分布を判定し、測定されたエネルギ損失に基づいて、空間分布を用いて、検査される容積体内の物質の空間分布を再構成する。
他の側面では、荷電粒子に曝露された容積体を感知するための方法は、容積体の第1の側に配置された位置感知検出器の第1の組を用いて、位置感知検出器の第1の組を透過して容積体に入る入射荷電粒子の位置及び方向を測定するステップと、第1の側とは反対側の容積体の第2の側に配設された位置感知検出器の第2の組を用いて、容積体を出る出射荷電粒子の位置及び方向又はその不在を測定するステップと、位置感知検出器の第2の組によって生成された測定値を用いて、容積体に入り、容積体を透過した入射荷電粒子及び容積体を透過せず、位置感知検出器の第2の組に到達した荷電粒子を判定するステップと、容積体に入り、容積体を透過した荷電粒子及び容積体を透過せず、容積体内で阻止された荷電粒子のエネルギ損失を判定するステップと、測定されたエネルギ損失に基づいて、容積体に入り、容積体を透過しないで容積体内で阻止された荷電粒子の空間分布を判定するステップと、容積体に入り、容積体内で阻止された荷電粒子の空間分布を用いて、検査される容積体内の物質の空間分布を再構成するステップとを含む。
他の側面では、荷電粒子に曝露された容積体を感知するための方法は、容積体に入り、容積体を透過しないで容積体内で阻止された荷電粒子のエネルギ損失を測定するステップと、測定されたエネルギ損失に基づいて、容積体に入り、容積体を透過しないで容積体内で阻止された荷電粒子の空間分布を判定するステップと、空間分布を用いて、容積体内の物質の3次元空間分布を、それぞれの密度及び原子番号に基づいて再構成するステップとを含む。この空間分布から、物体は、それらの原子番号及び密度に基づいて検出できる。
他の側面においては、荷電粒子に曝露された容積体を感知するための方法は、容積体に入り、容積体を透過しないで容積体内で阻止された荷電粒子のエネルギ損失を測定するステップと、測定されたエネルギ損失に基づいて、容積体に入り、容積体を透過しないで容積体内で阻止された荷電粒子の空間分布を判定するステップと、空間分布を用いて、低い原子番号を有する1つ以上の低密度物質の存在を検出するステップとを含む。
他の側面においては、トモグラフィ検査システムは、物体収容領域の第1の側に配設され、物体収容領域に入る入射荷電粒子の位置及び方向を測定する位置感知検出器の第1の組と、第1の側とは反対側の物体収容領域の第2の側に配設され、物体収容領域を出る出射荷電粒子の位置及び方向を測定する位置感知検出器の第2の組と、位置感知検出器の第1の組から、入射荷電粒子の測定信号のデータを受信し、位置感知検出器の第2の組から、出射荷電粒子の測定信号のデータを受信する信号処理ユニットとを含む。信号処理ユニットは、荷電粒子の測定された入射及び出射の位置及び方向に基づいて、物体収容領域内の物質における荷電粒子の散乱によって引き起こされた荷電粒子の散乱挙動を解析し、物体収容領域内の散乱中心のトモグラフィックプロファイル又は空間分布を得るように構成されている。信号処理ユニットは、容積体に入り、容積体を透過しないで容積体内で阻止された荷電粒子の荷電粒子のエネルギ損失を測定し、測定されたエネルギ損失に基づいて、容積体に入り、容積体を透過しないで容積体内で阻止された荷電粒子の空間分布を判定し、空間分布を用いて、容積体内の物質の3次元空間分布を、それぞれの密度及び原子番号に基づいて再構成する。この空間分布から、物体は、それらの原子番号及び密度に基づいて検出できる。一具体例では、これを用いて、低い原子番号を有する1つ以上の低密度物質の存在を検出することができる。
他の側面においては、荷電粒子に曝露された容積体を感知するための方法は、容積体の第1の側に配置された位置感知検出器の第1の組を用いて、位置感知検出器の第1の組を透過して容積体に入る入射荷電粒子の位置及び方向を測定するステップと、第1の側とは反対側の容積体の第2の側に配設された位置感知検出器の第2の組を用いて、容積体を出る出射荷電粒子の位置及び方向を測定するステップと、位置感知検出器の第2の組によって生成された測定値を用いて、容積体に入り、容積体を透過せず、位置感知検出器の第2の組に到達した荷電粒子を判定するステップと、容積体に入り、容積体を透過せず、容積体内で阻止された荷電粒子のエネルギ損失を判定するステップと、測定されたエネルギ損失に基づいて、容積体に入り、容積体を透過しないで容積体内で阻止された荷電粒子の空間分布を判定するステップと、空間分布を用いて、容積体内の物質の3次元空間分布を、それぞれの密度及び原子番号に基づいて再構成するステップとを含む。この空間分布から、物体は、それらの原子番号及び密度に基づいて検出できる。一具体例では、これを用いて、容積体内の低い原子番号を有する1つ以上の低密度物質の存在を検出することができる。
他の側面においては、トモグラフィ検査システムは、物体収容領域の第1の側に配設され、物体収容領域に入る入射荷電粒子の位置及び方向を測定する位置感知荷電粒子検出器の第1の組と、第1の側とは反対側の物体収容領域の第2の側に配設され、物体収容領域を出る出射荷電粒子の位置及び方向を測定する位置感知荷電粒子検出器の第2の組と、位置感知荷電粒子検出器の第1の組及び第2の組と通信し、位置感知荷電粒子検出器の第1の組から入射荷電粒子の測定信号及び位置感知荷電粒子検出器の第2の組からの出射荷電粒子の測定信号のデータを受信し、受信したデータに基づいて、各入射荷電粒子の入射運動量及び各出射荷電粒子の出射運動量を検出し、検出した入射運動量及び出射運動量に基づいて、エネルギ損失を算出する信号処理ユニットとを含む。
他の側面において、検査下の物体のトモグラフィ画像を得る方法は、各入射荷電粒子の入射運動量を検出するステップと、各出射荷電粒子の出射運動量を検出するステップと、検出した入射運動量及び出射運動量に基づいて、エネルギ損失を算出するステップと、算出されたエネルギ損失を用いて、容積体内の物質の3次元空間分布を、それぞれの密度及び原子番号に基づいて再構成するステップとを含む。この空間分布から、物体は、それらの原子番号及び密度に基づいて検出できる。
更に他の側面においては、対象となる容積体の透過した荷電粒子及び捕捉された荷電粒子の両方で測定された情報は、容積体のトモグラフィ画像を構成するために使用することができる。透過した及び阻止された荷電粒子の測定に基づいて、処理ユニットは、2つ又は3つのタイプの測定されたデータ、例えば透過した荷電粒子(例えば、透過したミューオン)の軌道変化、対象となる容積体内で捕捉された阻止された荷電粒子(例えば、捕捉されたミューオン)に関する情報、及び透過した荷電粒子(例えば、透過したミューオン)のエネルギ損失に関する情報を組み合わせて、対象となる容積体のトモグラフィ画像を構成する。この処理は、対象となる容積体内の異なるプロセスの情報を用いて、対象となる容積体の最終的なイメージの忠実度及び解像度を向上させ、誤検出を低減させる。
これら及びこの他の側面は、図面、詳細な説明及び特許請求の範囲により詳細に記述されている。
荷電粒子を検出するための例示的なドリフトチューブガスチャンバの動作を示す図である。 本明細書に開示するガスチャンバに基づくミューオントモグラフィシステムの具体例を示す図である。 電子及びミューオン成分に分離される海面レベルの宇宙線フラックスの推定値を示す図である。 本願で説明する宇宙光線を用いる2つのモードを例示しており、左側の(a)は、透過した宇宙線を示す図であり、右側の(b)は、阻止された宇宙線を示す図である。 電子シャワーを無視し、エネルギ2MeV/g・cmの損失を仮定して、有効な平均自由行程をエネルギの関数として示す図である。 一組の通常物質及び爆発物について、1分の曝露において、これらの物質の22×22×22cmのサンプルについて予想される阻止能及び放射線長のプロットを測定誤差バーと共に、示す図である。 周期表に亘って、エネルギ損失(dE/dx)の最小値と放射線長の積をプロットした図である。 20kgのタングステンのブロック内で阻止された宇宙線粒子の2次元分布のプロットであり、赤色のピークは、タングステンブロック内で阻止された更なる粒子を表しており、検出器内のタングステンのX−Y位置に位置する。 荷電粒子の阻止能対荷電粒子入射エネルギの具体例を示す図である。 物質内のエネルギ損失測定の具体例及び測定された損失が、対象となる容積体の物質の特性をどのようにプローブするかを示す図である。 透過した荷電粒子及び捕捉された荷電粒子の両方において測定された情報に基づく図2のシステムの動作を示す図である。
本明細書に開示する荷電粒子トモグラフィ検出方法、装置及びシステムは、以下に限定されるものではないが、セキュリティチェックポイント、国境検問所及び他の場所において、完全に組み立てられた核兵器から、高度に遮蔽された少量の核物質までの範囲に亘る核脅威物体について、荷物、コンテナ、貨物車を検査する様々なアプリケーションにおいて、核物質等のある物体又は物質の存在を検出し、このような物体のトモグラフィ情報を得るために実施できる。この手法は、小型の構成の単一の検出器システムを用いて遮蔽された及び遮蔽されていない核物質の検出を可能にし、核及び他の標的デバイス及び物質を検出するためのコスト効率が高い手法を提供する。
バックグラウンドの宇宙放射線は、更なる放射を必要とすることなく物体の内部構造を調べるために用いることができる放射線源を提供する。ミューオントモグラフィ(muon tomography:MT)は、密度が物質の放射線長によって重み付けされた「散乱密度」の3次元イメージを生成する。MTは、1分未満の曝露時間で、5cmのボクセル内の物質の一般的なクラス(高Z、中Z、低Z)を区別できる。調べられる物体内で止まる宇宙線フラックスの成分を使用するレンジラジオグラフィ(range radiography)は、追加的な情報を提供し、物体の物質組成に関する情報を提供することによって、ミューオントモグラフィ信号を補足することができる。入射粒子を測定する宇宙線トラッカ(cosmic ray tracker)は、範囲情報にかなりの検出力を追加する。
荷電粒子トモグラフィは、宇宙放射線と地球の大気との相互作用によって生成される海面レベルの一定の荷電粒子のフラックスを利用する。例えば、ハドロンセクタ(hadronic sector)の外では、ミューオンは、クーロン力及び弱い力のみによって相互作用する。このため、ミューオンは、物質の透過度が高い。これらの荷電粒子は、約3GeVの平均エネルギを有する。例えば、大気中のミューオンの殆どは、1メートル以上の鉛を透過する。ミューオンは、コサインの2乗の天頂角分布で表面に達する。フラックスは、天頂から90°に近い角度では、低いが、天頂からの平均ミューオン角度は、37.5°である。
本明細書に開示する特徴を用いて、様々な荷電粒子トモグラフィ検出システムを構築することができる。例えば、荷電粒子トモグラフィシステムは、検査される物体を配置する物体収容領域又は容積体と、物体収容領域の第1の側に配設され、物体収容領域に向かう入射荷電粒子の位置及び方向を測定する位置感知荷電粒子検出器(position sensitive charged particle detector)の第1の組と、第1の側とは反対側の物体収容領域の第2の側に配設され、物体収容領域を出る出射荷電粒子の位置及び方向を測定する位置感知荷電粒子検出器の第2の組と、位置感知荷電粒子検出器の第1の組から入射荷電粒子の測定信号及び位置感知荷電粒子検出器の第2の組からの出射荷電粒子の測定信号のデータを受信する、例えば、マイクロプロセッサである信号処理ユニットとを含むことができる。
具体例として、荷電粒子検出器の第1の組及び第2の組のそれぞれは、第1の方向における荷電粒子位置測定及び第1の方向とは異なる第2の方向における荷電粒子位置測定が可能になるように構成されたドリフトチューブを含むように実現できる。信号処理ユニットは、荷電粒子の測定された入射及び出射の位置及び方向に基づいて、物体収容領域内の物質内の荷電粒子の散乱によって引き起こされた荷電粒子の散乱挙動を解析し、トモグラフィックプロファイル又は物体収容領域内の散乱中心の空間分布を得るように構成されている。得られたトモグラフィックプロファイル又は散乱中心の空間分布を用いて、核物質又は核兵器を含む原子番号が高い物質、又は特定の密度及び原子番号シグネチャを有する物体、例えば、低Zの爆発物、他の中Z又は低Zの密輸品等、物体収容領域内の1つ以上の物体の存否を明らかにすることができる。
更に、荷電粒子検出器の第2の組において、荷電粒子、例えば、対象となる容積体内で物体と相互作用する高エネルギ電子が生成する電磁シャワーを特徴付けることができる。生成された電磁シャワーからの電子及び陽電子は、容積体を横断し、荷電粒子検出器の第2の組を出る。
各位置感知荷電粒子(例えば、ミューオン)検出器は、ドリフトセル、例えば、ミューオンによって電離できる気体が充填されたドリフトチューブを含む様々な構成で実現できる。このようなシステムを使って、自然界の宇宙線生成荷電粒子を、物体収容領域内の1つ以上の物体を検出するための荷電粒子のソースとして利用することができる。例示的な荷電粒子トモグラフィ検出システムの様々な特徴については、2007年10月25日に出願された国際出願番号PCT/US2007/082573号、発明の名称「Particle Detection Systems and Methods」(国際公開番号_)に開示されており、この文献は、参照によって、本明細書の一部として援用される。
幾つかのアプリケーションでは、粒子検出システムは、ドリフトチューブを利用して、容積体を通過するミューオン等の荷電粒子の追跡を可能にする。但し、このような荷電粒子検出器は、宇宙線生成荷電粒子(宇宙線によって生成された荷電粒子)の追跡以外のアプリケーションにおいて、宇宙線生成荷電粒子ではない荷電粒子を検出するためにも使用できることは、当業者にとって明らかである。これらの荷電粒子検出器は、適切なあらゆるソースからのあらゆる荷電粒子にも適用可能である。例えば、ミューオンは、宇宙線によって生成してもよく、加速器からのミューオンの低強度ビームによって生成してもよい。
宇宙線生成荷電粒子は、地球のバックグラウンドを超える放射線量なしで情報を提供でき、このような宇宙線生成ミューオンの適切な検出は、遮蔽性が高い物質に特に敏感な手法で実施できる。荷電粒子検出システムは、標的物体による荷電粒子の散乱に基づいて、検査中の標的物体のトモグラフィ(断層撮影)を実行するように構成できる。システムは、トモグラフィを実行して、散乱をローカライズするように構成できる(RC及びLS)。トモグラフィ位置分解能は、近似的に以下のように表すことができる。
Figure 0005819726
ここで、θRMS=散乱角の二乗平均平方根(rms)であり、L=検出装置による検出の対象となる容積体のサイズである。
例えば、例示的な散乱角のrmsを0.02ラジアンとし、装置サイズを200cmとすると、トモグラフィ位置分解能は、0.02×200cm=4cmとなる。
一手法においては、角度分解能は、ポアソン統計に基づいて、以下の式によって定まる。
Figure 0005819726
ここで、θ=散乱角のrmsであり、N=関心領域を通過する宇宙線生成ミューオンの数である。
例えば、N=100(1分間の計数後の10×10cmの分解能要素に対応する。)の場合の角度分解能は、Δθ=0.07θである。
表1は、様々な物質の理論上のエネルギ損失速度(dE/dx)及び放射線長(χ)を示している。1分間の計数によって、それらのχの異なる値に基づいて、6標準偏差(6σ)で、10cm立方の鉄と10cm立方の鉛とが区別される。
Figure 0005819726
異なる方向から撮影された複数の射影から物体の画像又はモデルを構築するように設計されたトモグラフィ法を実施することによって、宇宙線システムにおいて、荷電粒子によって提供されたデータに基づいて、対象となる容積体の離散的なトモグラフィ再構成(discrete tomographic reconstruction)を行うことができる。幾つかの具体例では、モンテカルロシミュレーション法を用いて、アプリケーションを研究し、走査時間を短くすることができる。また、本明細書に開示する荷電粒子トモグラフィイメージングを実施する際に他の確率的な処理法を用いてもよい。
実施の形態の粒子検出システムのラジオグラフィ機能は、荷電粒子を検出するように適応化された検出システムの具体例を参照することによって、より容易に理解される。
ドリフトチューブは、移動する荷電粒子を検出のために設計されたガスチャンバである。各ドリフトチューブは、チャンバ内に封入された気体媒質を含み、気体媒質は、移動する荷電粒子が気体媒質を通過することによって電離できる。ドリフトチューブの中心の近傍には、アノードワイヤ導体が配置され、ドリフトチューブの壁は、接地され、アノードワイヤ導体から壁に向かって電界が確立される。入射荷電粒子は、気体媒体の気体分子を電離し、自由電子を生成し、自由電子は、電界によって、アノードワイヤ導体に向かって加速される。このような電子がアノードワイヤ導体に到達するドリフト時間は、測定できる。ドリフトチューブ内の入射荷電粒子の行程に沿って、荷電粒子の行程の異なる箇所で生成された複数の電子のドリフト時間が測定され、これらに基づいて、ドリフトチューブ内の荷電粒子の飛跡を判定する。ドリフトチューブの1つの用途は、ドリフトチューブの1つ以上のアレイを用いて、荷電粒子(例えば、ミューオン)を検出することである。
図1は、荷電粒子の検出のための例示的なドリフトチューブガスチャンバの動作を示している。この具体例のドリフトチューブは、円筒状の外壁110によって形成さた円筒管であり、ミューオン等の宇宙線生成荷電粒子の検出を可能にするように、例えば、アルゴン−イソブタン230等の検出器気体112が充填されている。円筒管の中心には、軸方向に延びるアノードワイヤ120が配設され、これを外壁110より高い電位に電気的にバイアスし、正電圧(例えば、2〜3kV又はこれ以上)を発生させ、円筒管内で、外壁110内の電離領域112内で、半径方向に沿って、アノードワイヤ120から壁110に向かって高電圧の静電場を生成する。荷電粒子130が管に入り、領域112内の気体原子と相互作用すると、これらの気体原子から複数の電子132が解放される。静電場は、電子の「ストリング(string)」を、正に荷電されたアノードワイヤ120に向かって、ドリフトさせる。アノードワイヤ120は、例えば、直径0.001インチ等、非常に薄く形成でき、この結果、ワイヤ120の近傍に非常に高い電界を生成し、第1の電子が到着したとき、電子なだれを発生させる。例えば、幾つかのドリフトチューブでは、電荷のなだれは、入ってくる電子1個あたり、約105個の電子となり、これは、敏感な電子回路によって容易に検出される。アノードワイヤ120は、読出回路に接続されており、データ取得電子回路の時間−デジタル変換器(time-to-digital converters:TDCS)によって、電子的に読み出される。このようにして、荷電粒子が検出器ドリフトチューブを通過すると、衝突信号が生成される。
本明細書に開示している具体例では、様々な物質を用いて、電離領域112を画定する管壁110を形成することができる。例えば、他のアルミニウム及び他の金属又は導電性材料を用いて、壁110を形成することができる。他の具体例では、内部導電性コーティングを有するカーボン複合材料等、他の非導電性物質、例えば、絶縁体を用いて、外壁110を形成し、外壁110の内表面に導電性の層又はコーティングを形成してもよい。ドリフトチューブは、断面が円形の円筒状であってもよく、他の幾何学的形状を有していてもよい。例えば、複数の非円形断面を有するアルミニウム押出材からドリフトチューブを形成してもよい。
図1のドリフトチューブからの衝突信号に関連するデータを受信及び処理する信号処理ユニットを接続することができる。この信号処理ユニットは、検出器のデータ取得回路に統合してもよく、検出器から遠隔に設けてもよい。衝突信号は、ドリフトセルから収集されたデータを含み、(1)一貫性があるが任意の原点に対して、電子回路によって衝突が検出された時間及び(2)ドリフトチューブのアレイを用いる検出器のためのドリフトセルチャネル番号(又は他の識別子)を表す。信号処理モジュールは、検出器を通過した荷電粒子の飛跡を再構成する飛跡再構成モジュールと、結果を較正する較正データベースとを含んでいてもよい。較正データベースには、所定のドリフトセル位置情報が保存される。モジュールは、ソフトウェアであっても、ハードウェアであってもよい。
図1に示すように、所与のドリフトチューブ検出器を通過する宇宙線生成ミューオン又は他の荷電粒子を追跡するために、データ処理において、最接近(closest approach)を用いてもよい。図1に示す「ドリフト半径」は、荷電粒子の行程と、チューブの軸を走る検出器アノードワイヤ120との間の最も近い距離が判定されることを表している。幾つかの実現例では、ドリフトチューブの電界によって引き起こされる荷電粒子(例えば、ミューオン)の動きの偏向は、無視してもよいため、荷電粒子(例えば、ミューオン)がドリフトチューブを通過する行程は、直線に近似できる。ドリフトチューブを通過する荷電粒子(例えば、ミューオン)が荷電粒子飛跡上のある箇所で電離を引き起こす瞬間が時刻ゼロ(T)であり、荷電粒子飛跡上の別の箇所における電離は、時刻ゼロ(T0)について異なる値を有する。荷電粒子(例えば、ミューオン)は、略々光速で移動し、ドリフトする電子より遙かに速いので、あらゆる所与の荷電粒子が全体の装置を瞬間的に通過し、荷電粒子がドリフトチューブに入った時刻と同時に、ドリフトチューブ内の荷電粒子飛跡に沿った別の箇所で、電離作用を引き起こすとみなすことは、妥当な近似である。上述の近似の下では、時刻ゼロT0は、所与の荷電粒子飛跡における全ての衝突に共通である。時刻ゼロT0は、各荷電粒子飛跡について判定できる。ドリフト距離は、自由電子のアノードへの移動時間に基づいて判定できる。この処理及びこの他の処理は、信号処理ユニットによって実行できる。
図2は、ガスチャンバに基づくミューオントモグラフィシステムの具体例を示している。この具体例のシステムは、荷電粒子飛跡230、231の位置及び角度(すなわち、3次元空間における方向)を提供するためにイメージングされる物体保持又は検査容積体201の上に配置された位置感知荷電粒子検出器212の2つ以上の平面210の組を含む。荷電粒子検出器212は、2つの異なる方向、例えば、x軸及びy軸に沿った2つの直交座標において、荷電粒子飛跡230、231の位置及び角度を測定するように構成されている。物体203を配置できる容積体201を通過する荷電粒子(例えば、ミューオン)は、散乱し、エネルギを失い、エネルギが失われる度合いは、荷電粒子が通過する容積体を占める物質に依存する。位置感知荷電粒子検出器222の2つ以上の平面220の他の組は、出射荷電粒子の位置及び方向230又はその欠落231を記録するように構成されている。幾つかの実現例では、2つの組210、220における検出器212、222内のドリフトチューブは、第1の方向において、少なくとも3個の荷電粒子位置測定が可能となり、第1の方向とは異なる第2の方向においても、少なくとも3個の荷電粒子位置測定が可能となるように構成され、第1の方向及び第2の方向は、直交していてもよい。側方の検出器(図示せず)を用いて、より水平に近い荷電粒子飛跡を検出してもよい。幾つかの実現例では、容積体201の側面に更なる側面ドリフトチューブ検出器を設けて、システムによる走査のために、荷物、乗物又は貨物コンテナを入れることができるボックス又は4面構造を形成することができる。各荷電粒子(例えば、ミューオン)の散乱角は、入射測定値及び出射測定値から算出される。特定の具体例として、位置感知検出器の各組210又は220は、X方向に配列されたドリフトチューブの第1の二重層と、Y方向に配列されたドリフトチューブの第2の二重層とを含んでいてもよい。それぞれの層において、ドリフトチューブは、お互いに管径の半分の寸法によってオフセットされた2つの列に配置することができる。
図2の具体例のシステムは、検出器211による入射荷電粒子230、231及び検出器222による出射荷電粒子(例えば、ミューオン)230の測定信号のデータを受信する信号処理ユニット、例えば、コンピュータを含む。この信号処理ユニットは、荷電粒子230、231の測定位置及び方向に基づいて、容積体201内の荷電粒子の散乱及びエネルギ損失を解析し、トモグラフィックプロファイル、又は散乱密度の空間分布及び容積体201内で物質の空間分布を反映するエネルギ損失を得るように構成されている。このようにして得られたトモグラフィックプロファイル又は容積体201内の散乱密度の空間分布は、容積体201内の物体203の存否を明らかにすることができる。
図2のシステムの処理ユニットによる検査中の容積体(例えば、荷物、コンテナ又は乗物)における宇宙線生成荷電粒子(例えば、ミューオン)の測定の処理は、容積体201を介する荷電粒子の軌道を再構築し、検出器212からの信号に基づいて、入射荷電粒子の運動量を測定し、検出器222からの信号に基づいて、出射荷電粒子の運動量を測定し、容積体201内の物質の空間分布を判定することを含むことができる。これらの及びこの他の処理結果を用いて、トモグラフィプロファイルを構築し、容積体201の様々なプロパティを測定することができる。
例えば、図2に示すドリフトチューブ一式を有する検出器212又は222を通過する荷電粒子の軌道の再構成には、(a)荷電粒子が衝突したドリフトセルの識別子と対応する衝突時刻を表す衝突信号を取得することと、(b)検出器を通過する特定の荷電粒子の飛跡に対応していると同定された時間内のドリフトセル衝突をグループ化することと、(c)特定の荷電粒子がドリフトセルに衝突する瞬間の時刻ゼロ値を最初に推定することと、(d)時刻ゼロ値の推定値、ドリフト時間変換データ及び衝突時刻に基づいてドリフト半径を判定することと、(e)特定の時刻ゼロ値に対応するドリフト半径に直線の飛跡を当て嵌めることと、(f)特定の荷電粒子に対して行われた最良の飛跡当て嵌めに関連する時刻ゼロ値を検索して選択し、時刻ゼロと追跡パラメータにおける誤差を算出することとを含めてよい。時刻ゼロ値当て嵌め(time zero fit)によるこのような飛跡の再構成法によって、高速な検出器(シンチレータパドル付光電子増倍管等)又は装置内の荷電粒子の通過を数ナノ秒の単位で検出して時刻ゼロ値を提供する他の何らかの高速検出器を使用することなく、荷電粒子検出器を通過する荷電粒子の再構成された直線軌道が得られる。荷電粒子の軌道の再構成のための実現例については、2007年10月26日に出願された国際出願番号PCT/US2007/082731号、発明の名称「Determination of Trajectory of A Charged Particle」(国際公開番号_)に開示されており、この文献は、参照によって、本明細書の一部として援用される。
他の具体例として、図2の検出器212又は222からの信号に基づいて、入射荷電粒子又は出射荷電粒子の運動量を測定するための処理は、(a)複数の位置感知検出器を配置し、通過する荷電粒子を散乱させることと、(b)位置感知検出器において、散乱荷電粒子の少なくとも3個の位置測定値を取得することを含む荷電粒子の散乱を測定することと、(c)位置測定値から荷電粒子の少なくとも1つの軌道を判定することと、(d)少なくとも1つの軌道から荷電粒子の少なくとも1つの運動量測定値を判定することとを含む。この技術を用いて、検出器内で追加の金属板を使用することなく、位置感知検出器自体内での荷電粒子の散乱から判定される荷電粒子の軌道に基づいて、荷電粒子の運動量を判定することができる。荷電粒子の運動量を判定するための技術の実現例については、2007年10月26日に出願された国際出願番号PCT/US2007/082752号、発明の名称「Measuring Momentum for Charged Particle Tomography」(国際公開番号_)に開示されており、この文献は、参照によって、本明細書の一部として援用される。
更に他の具体例では、図2の容積体201の散乱密度の空間分布は、(a)散乱角及び物体体積を通過した荷電粒子又は容積体内で止まった荷電粒子の推定エネルギ損失に対応する所定の荷電粒子トモグラフィデータを取得することと、(b)期待値最大化(ML/EM)アルゴリズムを用いて、統計的多重散乱及びエネルギ損失モデルに基づく、荷電粒子散乱及びエネルギ損失の確率分布を準備することと、(c)期待値最大化(ML/EM)アルゴリズムを用いて、物体体積密度の実質的な最尤推定値を判定することと、(d)再構成された物体体積の空間的な物質分布を出力することとによって、荷電粒子トモグラフィデータから判定できる。再構成された物体容積体散乱密度を用いて、再構成された空間的な物質分布から、対象となる容積体に収容されている物体の存在及び/又はタイプを特定することができる。様々なアプリケーションには、荷電粒子追跡器によって乗物又は貨物を走査する、様々な国土安全保障検査用途のための宇宙線生成荷電粒子トモグラフィが含まれる。容積体の散乱密度の空間分布を判定する技術の実現例については、2007年10月26日に出願された、国際出願番号PCT/US2007/082753号、発明の名称「Statistical Tomographic Reconstruction based on Measurements of Charged Particles」(国際公開番号_)に開示されており、この文献は、参照によって、本明細書の一部として援用される。
信号処理ユニットのトモグラフィ処理部は、検出器212、222と同じ場所にあるコンピュータ内に設けてもよい。これに代えて、信号処理ユニットのトモグラフィ処理部は、プライベートネットワーク又は公衆ネットワーク、例えばインターネット等のコンピュータネットワークに接続されたリモートコンピュータ内で実現してもよい。
このようにして、宇宙線生成荷電粒子の多重散乱を使用して、通常の貨物のバックグラウンド内の高Z物質を選択的に検出することができる。利点として、この技法は、受動的であり、バックグラウンドを超える如何なる放射線量も加えず、高Z高密度物質について選択的である。荷電粒子は、物質を横断する際、通過する各核子からクーロン力を受け、このクーロン力によって偏向される。各荷電粒子を測定して、行程に沿った積算された核密度の測定値としての荷電粒子軌道の散乱角と、対象となる容積体に入射し及びここから出射される際の荷電粒子の軌道の直線外挿の間の最接近の距離に基づく荷電粒子が通過した物質の厚さと、対象となる容積体に入射し及び及びここから出射される際の荷電粒子の軌道の直線外挿の間の最接近の点として、散乱が発生する荷電粒子行程に沿った箇所とを提供することができる。荷電粒子散乱データから、対象となる容積体内の核密度の3次元表現が生成される。この再構成の分解能は、各分解能要素(ボクセル)を通過した荷電粒子の数によって決定される。研究によれば、低Z物質(コンクリート、水)で満たされたボクセル、中Z物質(鉄、銅)で満たされたボクセル、及び高Z物質(タングステン、ウラン)で満たされたボクセルを区別するには、殆どの状況において、約7〜10個の荷電粒子がボクセルを横断すれば十分であることが示されている。具体例として、5cmのボクセルでは、約20秒間に7〜10個の荷電粒子が横断する。
対象となる又は検査中の容積体を透過するミューオン等の荷電粒子の検出に基づく上述のイメージングに加えて、より低いエネルギを有し、容積体を透過せずに容積体内で阻止される比較的「軟らかい」荷電粒子を検出して、容積体の情報を得ることができる。この「軟らかい」荷電粒子の使用を、容積体を透過する「硬い」荷電粒子の検出と組み合わせることによって、システム(例えば、図2のシステム)の総合的なイメージング感度及び検出能力を向上させることができ、このような向上は、「硬い」荷電粒子及び「軟らかい」荷電粒子の一方の種類のみを検出し、他方の種類を検出しない場合には達成することが困難であることがある。
一次宇宙線(陽子、α粒子、及び重い原子核)が地球の大気に衝突すると、これらは、様々な種類の亜原子粒子のカスケードを生成する。地表における宇宙線フラックスは、主にミューオンと電子の組合せである。ミューオンは、πオンの崩壊に由来し、電子及び陽電子は、ミューオン崩壊、電子ノックアウト及び制動放射の生成物である。海面レベルにおけるミューオンのフラックスは、約1cm−2であり、電子フラックスは、ミューオンの約35−40%である。個々の宇宙線は、通常、スペクトルの軟成分又は硬成分の一部として分類される。軟成分は、15cmの鉛によって阻止されるスペクトルの一部として定義される。軟成分の構成では、電子及び陽電子が支配的である。
物体を通過するエネルギが十分高い宇宙線フラックスの成分は、ミューオントモグラフィ(MT)に使用することができる。未知の物体に関する情報を提供する可能性がある他のバックグラウンド放射線誘起プロセスについても研究が行われている。宇宙線フラックスの軟成分は、透過性があまり高くなく、追加的な情報を提供できる。物質内では、物質内の電子とのクーロン相互作用のために、荷電粒子が減速し、最終的に止まる。このプロセスは、荷電粒子が通過する物質の電子密度に敏感である。入射軌道を測定した際の宇宙線の阻止から得られる情報の統計精度の解析は、厚い物体についてのMTからの情報に比べて、より有意であるという驚くべき発見があった。
エネルギの関数としての相対的な電子フラックス及びミューオンフラックスの推定値を図3に示す。エネルギ積分ミューオン成分は、1/cm・minに正規化し、電子成分は、この45%に正規化した。
図4に示すように、MTスキャナを用いて、透過イベントを阻止イベントから分離することができる。a)では、宇宙線は、上部検出器を介して入射され、脅威物体を通過した後に、底部検出器を介して出射される。b)では、宇宙線は、脅威物体内で阻止されている。底部検出器からの信号の不在によって、これら阻止イベントを透過イベントから分離することができる。入射側の検出器からの追跡情報によって、入口軌道に沿った阻止能の積分が与えられれば、物体のモデルについて予期された阻止比率に基づくトモグラフィが可能にる。入射側の検出器内の多重散乱を使用して、入射宇宙線の運動量推定を得ることができ、これを用いて、阻止比率の推定値を向上させることができる。
計数時間推定
1.8gm/cmの密度及び22cmの長さ寸法を有する20kgの立方体の高性能爆発物について検討した。この量の爆発物が、ハドソン川の下のトンネルで、旅客列車内で起爆されれば、大災害が引き起こされる。この物体は、トモグラフィ技術又は光学イメージング等の他の手段によって、適切な精度で幾何学形状を画定できれば、宇宙線信号を用いて識別可能である。
従来のラジオグラフィは、透過性放射線の吸収を利用する。エックス線ラジオグラフィでは、入射ビームの吸収又は散乱によって物体の面密度が判定される。
Figure 0005819726
ここでLは、物体を通る行程長(面密度)であり、Lは、散乱又は吸収の平均自由行程であり、N及びNは、それぞれ透過粒子及び入射粒子の数を表す。ここでは、単エネルギのエックス線の場合と同様に、全ての入射粒子が同じ平均自由行程で記述されると仮定する。物体の厚さは、以下のように表される。
Figure 0005819726
透過の不確実性は、測定される唯一の独立した変数である透過フラックスΔN=√Nのポアソン統計に関連する。r=N/Tであれば、Δr=√N/Nである。Lのラジオグラフィ測定の精度は、以下の通りである。
Figure 0005819726
荷電粒子によって、透過フラックスN及び阻止フラックスN=N−Nを個別に測定できる。これにより、以下の式が得られる。
Figure 0005819726
したがって、以下の通りとなる。
Figure 0005819726
透過が単位(N<N)に近付くと、入射フラックスの測定によって、統計的な利益が得られることがわかる。ここで、減衰は、指数として局所的にモデル化でき、Lは、検査される物体の行程長の後に残っているフラックスの対数微分の逆数によって与えられる有効な平均自由行程である。
Figure 0005819726
ここで、N(E)は、エネルギの関数としての宇宙線フラックスであり、E(x)は、距離xで失われたエネルギである。図5では、宇宙線フラックスの硬成分及び軟成分の合計について、これをプロットしている。
多重散乱ラジオグラフィによって補足的な情報が提供される。陽子又はミューオン等の荷電粒子は、多重クーロン散乱によって物質と相互作用する。多くの小さな相互作用が足し合わされて、ガウス分布によって良好に近似される角偏位が生じる。
Figure 0005819726
分布の幅は、散乱物質に関係する。
Figure 0005819726
ここで、pは、粒子運動量であり、βは、光速によって除算された速度であり、Χは、放射線長である。物体のミューオン散乱角を測定でき、その運動量が既知である場合、行程長Δl/lは、以下の精度で判定することができる。
Figure 0005819726
入射宇宙線フラックス(電子及びミューオンの合計)は、1.4/cm・minと仮定している。
図6は、宇宙線測定によって、幾つかの爆発性物質を他の通常物質から区別できる可能性を示している。固体物質の特性は、それらの幾何学的形状に基づいて、抽出することができ、表面に残る土等の物質(overburden materials)は、無視できると仮定する。4分間の曝露によって、これらの誤差を2分の1に低減し、異なる種類の爆発物を区別することができるようになる。
図7では、周期表に亘って、エネルギ損失(dE/dx)の最小値と放射線長の積をプロットしている。
阻止の他の潜在用途は、同じ密度を有するように構成できる異なる物質を区別することである。ミューオントモグラフィを欺くために、ウランを希釈し、鉄等の他の無害な物質と同じ密度を有しているように見せ掛ける手口が指摘されている。ここに提示する単純なモデルは、これらの区別が自明であることを示唆しているが、物質を物質で包むことによって、何らかの物質の密度、放射線長及び阻止能を模倣する3つの物質の混合物を構成することができる。しかしながら、阻止能を測定することによって、宇宙線スキャナを欺くことがより難しくなり、合成物体は、更なる遮蔽を必要とし、これらを核爆発装置として使用できる状態にするためには、再組立(refabrication)が必要である。
以上では、電子シャワー(electron showering)の取り扱いを無視してきた。物体が幾つかの放射線長以上に厚い場合、電子の輸送は、電磁シャワー(electromagnetic showering)によって支配される。この場合、入射エネルギは、直ちに、粒子のシャワーに変換される。これによって、上述した阻止率が変化する。適切に設計された検査物体を用いて経験的に判定された阻止率は、実際のデータの解析において必要であり、これによって、上述した結論の幾つかが変更される場合がある。
図8は、20kgのタングステンのブロック内で阻止された宇宙線粒子の2次元分布のプロットである。赤色のピークは、タングステンブロック内で阻止された更なる粒子を表しており、検出器内のタングステンのX−Y位置に位置する。
物体再構成
上述した推定は、幾何学的に大幅に単純化されている。実際には、粒子軌道は、立方体の面に垂直ではなく、ランダムな方向から飛来し、様々な行程長をサンプリングする。
単光子放出断層撮影法(single photon emission computed tomography:SPECT)再構成のために使用されてきたような正則化最尤法を使用することによって、ランダムに分布するフラックスから照射された3次元物体についての情報を抽出することできる。ある状況は、ボクセル化された密度ρi,j,kとして記述できる。ここで、密度は、所与のボクセル内の物質についての阻止能dE/dxによって重み付けされる。各宇宙線lを行程長Llikjとして記述した場合、所与の宇宙線Tについてのエネルギ損失は、T=Llijkρijkによって得られる。所与の宇宙線が阻止される確率は、以下のように概算できる。
Figure 0005819726
一組の宇宙線について、n個が阻止され、m個が阻止されない尤度関数は、以下の通りである。
Figure 0005819726
3次元画像は、尤度を最大にするρi,j,kを発見することによって再構成することができる。計数統計の正確度に制約があり、又はこの問題に劣決定解(underdetermined solution)をもたらす状況における変動を弱めるために正則化法を用いることができる。阻止及び多重散乱尤度の積は、同時に解くことができる。この場合、阻止情報は、物体の低密度の低Z部分に関して重要な情報を提供すると期待される。また、中Z物体及び高Z物体に関する角偏向信号から得られる追加的情報が提供されると期待される。この場合、各ボクセルに、阻止及び放射線長の相対値を与える追加のパラメータを加えることができる。この問題は、非線形であるように見えるが、対数尤度関数への線形近似が見出すこともできる。
したがって、面積質量が低い状況では、「軟らかい」荷電粒子から得られる宇宙線阻止信号に含まれる情報は、「硬い」荷電粒子から得られる多重散乱信号に含まれる情報より多い。これらの2つの情報源は、原子電荷に別様に依存し、したがって、これらを組み合わせることによって、密度及び材料識別の両方が可能になる。宇宙線阻止からのトモグラフィ情報の抽出には、非線形問題を解決する必要がある。
対象となる容積体を横断する荷電粒子の、多重クーロン散乱によって誘起された軌道変化及び対象となる容積体内部での荷電粒子の阻止に加えて、透過した荷電粒子(例えば、ミューオン)のエネルギ損失を特徴付け、トモグラフィ再構成においてこれを使用することができる。荷電粒子追跡システムからエネルギ損失情報を取得するための技術を以下に説明し、この情報は、対象となる容積体内の物質及び物質分布のトモグラフィ再構成において使用される。
荷電粒子トモグラフィは、荷電粒子が物質を通過する際に引き起こる多重クーロン散乱に含まれている情報を用いて3次元ピクチャを生成する。荷電粒子が物質を横断すると、荷電粒子は、通過する各核子からクーロン力を受ける。荷電粒子が遭遇する原子核の原子番号がより高い程、積分散乱が強くなる。軌道の検出に加えて、荷電粒子は、入射エネルギ及び荷電粒子が通過する物質に応じて、エネルギの一部を失う。エネルギ損失相互作用は、主に、粒子が、陽子との相互作用よって支配される散乱信号ではなく、物質内の電子と相互作用する効果である。
図2のシステムに示すように、対象となる容積体201への及びここからの荷電粒子の運動を検出することに加えて、ここを横断する荷電粒子のエネルギ損失を検出及び解析できる。荷電粒子は、対象となる容積体201に入り、荷電粒子の軌道内に存在する物体と相互作用する。荷電粒子が散乱すると、荷電粒子は、物体との相互作用に応じて、物体の特性に基づいてエネルギを失う。
図9は、荷電粒子の阻止能対荷電粒子入射エネルギの具体例を示している。ここでは、銅内の正ミューオンについての例示的な阻止能(=(dE/dx)を、運動エネルギTの関数として示している(12桁の範囲)。
エネルギ損失は、ミューオンの静止質量以下の運動エネルギを有するミューオン(非相対論的ミューオン)において高い。4GeVの平均宇宙線ミューオン運動エネルギの近傍では、エネルギ損失は、幾つかの補正とともに主に電離損失及び励磁損失を記述するBetheの理論によって記述される。平均エネルギ損失は、約2Mev・cm/gである。エネルギ損失は、多重クーロン散乱とは別様に、原子のサイズ及び電荷に依存している。したがって、エネルギ損失の測定を多重クーロン散乱測定に組み合わせることによって、対象となる容積体の物質に関する追加的情報が提供される。
図10は、物質内のエネルギ損失測定の具体例及び測定された損失が、対象となる容積体の物質の特性をどのようにプローブするかを示している。荷電粒子の軌道に関する知識は、エネルギ損失を引き起こす物質の位置及び分布に関する情報を提供する。
荷電粒子追跡検出器におけるエネルギ損失の測定
追跡検出器では、検出器を含む物質内の荷電粒子の多重散乱に基づいて、荷電粒子の運動量を測定できる。荷電粒子が生成したデータと、直線当て嵌めとの間の一致の度合いを評価することによって、粒子の運動量の推定値を導出することができる。運動量測定は、入射軌道及び出射軌道について個別に行うことができ、対象となる容積体を横断している間のエネルギ損失の測定を提供することができる。
エネルギ損失のトモグラフィ再構成への組込み
再構成プログラムは、ボクセルを用いて、対象となる容積体を定義するように実現される。整数nx、ny及びnzを用いて例示的な矩形容積体(rectangular volume)の辺x、y及びzを定義する。各ボクセルは、辺dx、dy及びdzを含み、各辺は、数nによって除算された辺の比によって表される(すなわち、dx=x/nx等)。再構成で用いることできる他のパラメータは、ボクセルに割り当てられる重み付け因子であり、重み付け因子対空間内のボクセルの位置の2次元又は3次元のプロットが生成されて、イメージが得られる。
重み付け因子は、各ボクセル内の物質の平均密度であるとみなすことができる。これは、各ボクセル内の物質の平均放射線長の測定値を表す重み付け因子に基づいている。放射線長は、物質の密度及び基本電荷に依存し、各元素について一定に測定でき、これは、既知の元素組成の化合物のシミュレーションから得ることができる。再構成アルゴリズムは、使用されている対象となる容積体のプローブに基づいて、ボクセルに重み付け因子を割り当てるように実現できる。
荷電ミューオン及び電子について、重み付け因子は、特異的なプロセスとして、検査容積体のイメージングのために用いることができる散乱、エネルギ損失、阻止及びシャワーを含んでいてもよい。重み付け因子は、荷電粒子が通過するボクセルに加えられ、重み付け因子の合計は、密度又は放射線長に関連する。対象となる容積体の2つの側に配設された検出器(例えば、検出器120、130)によって測定される荷電粒子の入射軌道及び何らかの出射軌道を用いて、単純なルーチンを実現できる。荷電粒子の小さなサンプルの通過の後に密度に基づくボクセルのサイズの動的調整を用い、隣接するボクセルの密度に基づいて平滑化及びクラスタ化を行うことによって、より複雑なルーチンを実現できる。
荷電粒子トモグラフィ(MT)では、対象となる容積体の物質の散乱密度の3次元表現、密度及び原子番号(陽子密度)の測定値は、荷電粒子散乱データから生成される。この再構成の忠実度は、各分解能要素(ボクセル)を通過する荷電粒子の数及び各荷電粒子から得られる情報量によって決まる。散乱角、その位置及び最接近の距離荷電粒子軌道の入射射影と出射射影との間の距離は、尤度関数に含まれる。散乱データ集合に基づいてこの関数を最大化することによって、対象となる容積体内の物質の特性及び分布を再構成することができる。尤度関数に荷電粒子のエネルギ損失を加えることによって、対象となる容積体の物質について、関連しているが部分的に独立した電子密度及び分布の測定値が得られる。
対象となる容積体を所定の時間で通過する荷電粒子の各組について更新関数を定義する。これは1つの繰返しであるとみなされる。そして、各繰返しを加算し、走査の最後に総数を得る。更新関数は、ボクセルの数に依存し、測定値は、1つ以上の重み付け因子を決定する。各ボクセルは、ボクセルを通過する荷電粒子(例えば、ミューオン及び/又は電子)、散乱角及び移動から算出された何らかの値によって更新される。各繰返しにおいて、この更新関数にシャワーからの情報を加えることができる。この手法では、それぞれ(散乱及びシャワー)を個別に算出することに代えて全てのデータは、同じ尤度で計算される。他の情報が阻止及びエネルギ損失からの情報を含むと考えられることもある。
ある具体例では、図2のシステムを用いて、透過した荷電粒子(例えば、透過したミューオン)及び対象となる容積体内で捕らえられた阻止された荷電粒子に関する情報を含む測定データを得る。このような情報に基づいて、処理ユニットは、異なる測定値に基づく容積体のトモグラフィ画像を生成し、そして、少なくとも2つのトモグラフィ画像の1つ又は組合せを用いて、最終的な画像を生成する。
図11は、透過した荷電粒子及び捕捉された荷電粒子の両方において測定された情報に基づく図2のシステムの動作を示している。透過した荷電粒子及び阻止された荷電粒子の測定に基づいて、処理ユニットは、2つ又は3つのタイプの測定されたデータ、例えば透過した荷電粒子(例えば、透過したミューオン)の軌道変化、対象となる容積体内で捕捉された阻止された荷電粒子(例えば、捕捉されたミューオン)に関する情報、及び透過した荷電粒子(例えば、透過したミューオン)のエネルギ損失に関する情報を組み合わせて、対象となる容積体のトモグラフィ画像を構成する。この処理は、対象となる容積体内の異なるプロセスの情報を用いて、対象となる容積体の最終的なイメージの忠実度及び解像度を向上させ、誤検出を低減させる。一具体例では、3つのタイプの測定値を処理アルゴリズムに入力して、容積体の単一の最大尤度物質トモグラフィマップを構成してもよい。このように、図2のシステムから利用可能な3つのタイプの測定値によって、何れかの測定値のみからのイメージに比べて、対象となる容積体のトモグラフィ画像をより精密且つ正確に生成できる。
本明細書は、多くの詳細事項を含んでいるが、これらの詳細事項は、任意の発明の範囲又は特許請求可能な範囲を限定するものとは解釈されず、特定の実施の形態の特定の特徴の記述として解釈される。本明細書おいて、別個の実施の形態の文脈で開示した幾つかの特徴を組み合わせて、単一の実施の形態として実現してもよい。逆に、単一の実施の形態の文脈で開示した様々な特徴は、複数の実施の形態に別個に具現化してもよく、適切な如何なる部分的組合せとして具現化してもよい。更に、以上では、幾つかの特徴を、ある組合せで機能するものと説明しているが、初期的には、そのように特許請求している場合であっても、特許請求された組合せからの1つ以上の特徴は、幾つかの場合、組合せから除外でき、特許請求された組合せは、部分的組合せ又は部分的な組合せの変形に変更してもよい。
幾つかの実施の形態及び具体例について説明した。本明細書の記述及び説明に基づき、他の実施の形態、拡張例、変形例を想到することができる。

Claims (9)

  1. 荷電粒子に曝露された容積体を感知するための方法において、前記荷電粒子は、宇宙線生成ミューオンであるか、又は、宇宙線生成ミューオンによって生成された荷電粒子であり、
    人工的な放射源を用いることなく、容積体へ入射する荷電粒子を生成する放射源として地球表面上に自然に存在する宇宙線生成ミューオンを、ある容積体に曝すステップであって、前記容積体へ入射する前記荷電粒子は、宇宙線生成ミューオン、又は、前記宇宙線生成ミューオンによって生成された荷電粒子を含む、ステップと、
    前記容積体に入り、透過した、又は前記容積体を透過しないで前記容積体内で阻止された荷電粒子のエネルギ損失を測定するステップと、
    前記測定されたエネルギ損失に基づいて、上記容積体に入り、透過した、又は前記容積体を透過しないで前記容積体内で阻止された荷電粒子の空間分布を判定するステップと、
    前記荷電粒子のエネルギ損失の空間分布を用いて、検査される前記容積体内の物質の3次元分布を再構成するステップとを有する方法。
  2. 前記容積体に入り、透過した荷電粒子及び前記容積体内で阻止された荷電粒子を測定するステップと、
    前記荷電粒子のエネルギ損失の測定を、荷電粒子の角偏向に組み合わせて、容積体内の1つ以上の物質の空間分布を再構成するステップとを有する請求項1記載の方法。
  3. 物体収容領域の第1の側に配設され、前記物体収容領域に入る入射荷電粒子の位置及び方向を測定する位置感知検出器の第1の組であって、前記入射荷電粒子は、地球表面上に自然に存在する宇宙線生成ミューオン、又は、該宇宙線生成ミューオンによって生成された荷電粒子を含む、位置感知検出器の第1の組と、
    前記第1の側とは反対側の前記物体収容領域の第2の側に配設され、前記物体収容領域を出る出射荷電粒子の位置及び方向、又は前記物体収容領域内で阻止された荷電粒子の不在を測定する位置感知検出器の第2の組と、
    前記位置感知検出器の第1の組から、前記入射荷電粒子の測定信号のデータを受信し、前記位置感知検出器の第2の組から、出射荷電粒子の測定信号のデータを受信し、前記測定された入射荷電粒子及び出射荷電粒子の位置及び方向に基づいて、前記物体収容領域内の物質との相互作用によって引き起こされた荷電粒子の振舞いを解析し、トモグラフィックプロファイル又は前記物体収容領域内の物質の空間分布を得るように構成された信号処理ユニットとを備え、
    前記信号処理ユニットは、前記物体収容領域に入り、前記物体収容領域を透過した荷電粒子及び前記物体収容領域を透過せず、前記物体収容領域内で阻止された荷電粒子のエネルギ損失を測定し、前記物体収容領域に入り、前記物体収容領域を透過した荷電粒子及び前記物体収容領域を透過せず、前記物体収容領域内で阻止された荷電粒子の空間分布を判定し、
    前記測定されたエネルギ損失に基づいて、空間分布を用いて、検査される前記物体収容領域内の物質の空間分布を再構成するトモグラフィ検査システム。
  4. 荷電粒子に曝露された容積体を感知するための方法において、
    前記容積体の第1の側に配置された位置感知検出器の第1の組を用いて、前記位置感知検出器の第1の組を透過して容積体に入る入射荷電粒子の位置及び方向を測定するステップであって、前記入射荷電粒子は、地球表面上に自然に存在する宇宙線生成ミューオン、又は、前記宇宙線生成ミューオンによって生成された荷電粒子を含む、ステップと、
    前記第1の側とは反対側の前記容積体の第2の側に配設された位置感知検出器の第2の組を用いて、前記容積体を出る出射荷電粒子の位置及び方向又はその不在を測定するステップと、
    前記位置感知検出器の第2の組によって生成された測定値を用いて、前記容積体に入り、前記容積体を透過して前記位置感知検出器の第2の組に到達した荷電粒子、及び、前記容積体を透過しない荷電粒子を判定するステップと、
    前記容積体に入り、前記容積体を透過した荷電粒子及び前記容積体を透過せず、前記容積体内で阻止された荷電粒子のエネルギ損失を判定するステップと、
    前記測定されたエネルギ損失に基づいて、前記容積体に入り、前記容積体を透過しないで前記容積体内で阻止された荷電粒子の空間分布を判定するステップと、
    前記容積体に入り、前記容積体内で阻止された荷電粒子の空間分布を用いて、検査される前記容積体内の物質の空間分布を再構成するステップとを有する方法。
  5. 荷電粒子に曝露された容積体を感知するための方法であって、前記荷電粒子は、地球表面上に自然に存在する宇宙線生成ミューオン、又は、前記宇宙線生成ミューオンによって生成された荷電粒子を含み、
    前記容積体に入り、前記容積体を透過しないで前記容積体内で阻止された荷電粒子のエネルギ損失を測定するステップと、
    前記測定されたエネルギ損失に基づいて、前記容積体に入り、前記容積体を透過しないで前記容積体内で阻止された荷電粒子の空間分布を判定するステップと、
    前記空間分布を用いて、1つ以上の第1の対象物質の存在を検出するステップとを有する方法。
  6. 前記容積体に入り、透過した荷電粒子を測定し、前記1つ以上の第1の対象物質の原子番号より高い原子番号を有する1つ以上の第2の対象物質の存在を判定するステップと、
    前記1つ以上の第2の対象物質及び前記1つ以上の第1の対象物質の両方の測定を組み合わせて、容積体内の内容物を検査する請求項5記載の方法。
  7. 物体収容領域の第1の側に配設され、前記物体収容領域に入る入射荷電粒子の位置及び方向を測定する位置感知検出器の第1の組であって、前記入射荷電粒子は、地球表面上に自然に存在する宇宙線生成ミューオン、又は、前記宇宙線生成ミューオンによって生成された荷電粒子を含む、位置感知検出器の第1の組と、
    前記第1の側とは反対側の前記物体収容領域の第2の側に配設され、前記物体収容領域を出る出射荷電粒子の位置及び方向を測定する位置感知検出器の第2の組と、
    前記位置感知検出器の第1の組から、前記入射荷電粒子の測定信号のデータを受信し、前記位置感知検出器の第2の組から、出射荷電粒子の測定信号のデータを受信し、
    前記荷電粒子の測定された入射及び出射の位置及び方向に基づいて、前記物体収容領域内の物質における前記荷電粒子の散乱によって引き起こされた前記荷電粒子の散乱挙動を解析し、前記物体収容領域内の散乱中心のトモグラフィックプロファイル又は空間分布を得るように構成された信号処理ユニットとを備え、
    前記信号処理ユニットは、
    前記物体収容領域に入り、前記物体収容領域を透過しないで前記物体収容領域内で阻止された荷電粒子のエネルギ損失を測定し、
    前記測定されたエネルギ損失に基づいて、前記物体収容領域に入り、前記物体収容領域を透過しないで前記物体収容領域内で阻止された荷電粒子の空間分布を判定し、前記空間分布を用いて、1つ以上の対象物質の存在を検出するように構成されているトモグラフィ検査システム。
  8. 荷電粒子に曝露された容積体を感知するための方法において、
    前記容積体の第1の側に配置された位置感知検出器の第1の組を用いて、前記位置感知検出器の第1の組を透過して容積体に入る入射荷電粒子の位置及び方向を測定するステップであって、前記入射荷電粒子は、地球表面上に自然に存在する宇宙線生成ミューオン、又は、前記宇宙線生成ミューオンによって生成された荷電粒子を含む、ステップと、
    前記第1の側とは反対側の前記容積体の第2の側に配設された位置感知検出器の第2の組を用いて、前記容積体を出る出射荷電粒子の位置及び方向を測定するステップと、
    前記位置感知検出器の第2の組によって生成された測定値を用いて、前記容積体に入り、前記容積体を透過しない荷電粒子を判定するステップと、
    前記容積体に入り、前記容積体を透過せず、前記容積体内で阻止された荷電粒子のエネルギ損失を判定するステップと、
    前記測定されたエネルギ損失に基づいて、前記容積体に入り、前記容積体を透過しないで前記容積体内で阻止された荷電粒子の空間分布を判定するステップと、
    前記空間分布を用いて、1つ以上の第1の対象物質の存在を検出するステップとを有する方法。
  9. 前記容積体に入り、透過した荷電粒子を測定し、前記1つ以上の第1の対象物質の原子番号より高い原子番号を有する1つ以上の第2の対象物質の存在を判定するステップと、
    前記1つ以上の第2の対象物質及び前記1つ以上の第1の対象物質の両方の測定を組み合わせて、容積体内の内容物を検査する請求項8記載の方法。

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