JPH10513058A - 核酸分子の等温増幅方法 - Google Patents

核酸分子の等温増幅方法

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Abstract

(57)【要約】 単一のプライマを用いて増幅を等温条件下で行う、核酸分子の増幅方法である。本発明はまた、本方法を実施するための反応物を収容するキットを含む。

Description

【発明の詳細な説明】 核酸分子の等温増幅方法 発明の分野 本発明は、組換えDNA 技術をその分野とする。本発明は、核酸分子の増幅プロ セス、さらには該プロセスを通じて使用され生産される分子に関する。 関連出願へのクロス・リファレンス 本出願は、1992年8月4日出願の米国特許出願第07/924643号( 現在は出願放棄)の一部継続出願である、1992年8月24日出願の米国特許 出願第07/933945号(該出願は、米国特許第5354668号として1 994年10月11日発行された1993年10月15日出願の継続出願米国特 許出願第08/136405号の下で放棄された)の一部継続出願であるPCT 出願第PCT/US93/07309号(1993年8月4日出願)の一部継続 出願である、米国特許出願第08/383327号(1995年2月3日出願) の一部継続出願である米国特許出願第08/533852号(1995年9月2 6日出願)の一部継続出願である。 発明の背景 サンプル中に特定の核酸分子が存在することを検出することが可能な分析法は 、法医学、医学、疫学および公衆衛生ならびに疾病の予測および診断に極めて重 要である。このような分析法は例えば、伝染病の因果作因の特定、個人が遺伝病 を患い易い確立の予測、飲料水やミルクの純度の測定、組織サンプルの特定など に使用可能である。このような分析法の利用性や適用性を拡大しようとする要求 は、分析の感度が障害となってしばしば妨げられてきた。したがって、より感度 の高い検出分析法を開発することが大いに望まれる。 検出分析法の有用さは、特定の標的となる核酸分子がサンプル中に存在する濃 度によってしばしば制限される。したがって、核酸分子の濃度を増幅することが 可能な方法が検出分析法に対する付加物として開発されてきた。 核酸濃度の感度制限を克服するための一つの方法は、分析の実行に先だって検 出が望まれる核酸分子を選択的に増幅することである。精製された核酸の生体内 断片を増幅可能な組換えDNA法が認められている。一般的には、このような方 法には、DNAベクタまたはRNAベクタ中への核酸断片の導入や、ベクタのク ローン増幅や、増幅された核酸断片の採集が必要とされる。このような方法の例 は、コーエン他(米国特許第4237224号)、T.マニアティス他(「分子 クローン化(研究便覧)」、コールドスプリングハーバー研究所、1982年) 等により提供されている。 しかしながら、臨床医学や診断では多くの場合、評価されるサンプル中の標的 試料の濃度は、容易にはクローン化できないほど低い。このような状況に取り組 むために、鋳型依存性伸長を用いる生体内核酸増幅法が開発されてきた。このよ うな方法では、核酸分子は、ポリメラーゼで触媒された反応中の核酸プライマ伸 長のための鋳型として用いられる。 このような鋳型伸長の一つが、ポリメラーゼ・チェイン・リアクション(PC R)であり、最も広く用いられているDNAn増幅法の一つである(K.マリス 他、「コールドスプリングハーバー・シンポジウム量子生物学」第51巻、26 3−273頁、1986年;H.アーリック他、欧州特許第50424号、欧州 特許第84796号、欧州特許第258017号、欧州特許第237362号; K.マリス、欧州特許第201184号;K.マリス他、米国特許第46832 02号;H.アーリック、米国特許第4582788号;R.サイキ他、米国特 許第4683194号;及びR.ヒグチ、「PCR技術」H.アーリック編、ス トックトン出版、ニューヨーク州、61−68頁。1989年、全て出典を明記 することによりその開示内容を本願明細書の一部とした)。 ポリメラーゼ鎖状反応は、核酸分子の濃度を増加させる際に、その分子が前も って精製されておらず特定のサンプル中に単一のコピーとして存在する場合でさ えも用いることが可能である。この方法は、一本鎖DNAと二本鎖DNAのいず れを増幅するのにも使用可能である。この方法の本質は、所望の核酸分子を鋳型 依存でポリメラーゼ仲介で複製するためのプライマとして作用させるために二つ のオリゴヌクレチドを使用することである。 ポリメラーゼ・チェイン・リアクション法の二つのオリゴヌクレチド・プライ マの正確な性質は本方法の成功にとっては決定的である。周知のように、DNA またはRNAの分子は方向性を持っており、これは分子の糖リン酸塩バックボー ンの5′→3′連鎖を介して付与される。二つのDNA分子またはRNA分子は 、一つの分子の5′末端′のリン酸基と第二の分子の3′末端のヒドロキシル基 との間でのホスホジエステル結合の形成を介して互いに連結してもよい。核酸分 子のポリメラーゼ依存性増幅は、核酸分子の3′ヒドロキシル末端に対して5′ リン酸塩を有するヌクレオチドを付加することによって進行する。したがって、 ポリメラーゼの作用が核酸分子の3′末端を伸長させる。これらの固有の特性は 、ポリメラーゼ・チェイン・リアクションの二つのオリゴヌクレオチド・プライ マの選択の際に利用される。ポリメラーゼ・チェイン・リアクション法の二つの プライマのオリゴヌクレオチド配列は、増幅が希望される特定の核酸分子の配列 に隣接する配列と同等なまたは相補的な配列を有するように、選択される。より 具体的には、増幅プライマのヌクレオチド配列は、増幅すべき所望の核酸分子の 配列の3′に位置するオリゴヌクレオチド配列に交雑することが可能なように選 択され、一方標的プライマのヌクレオチド配列は増幅すべき所望の核酸分子の配 列の5′に位置する配列に同等なヌクレオチド配列を含むように選択される。こ れらプライマは双方とも、酵素仲介核酸合成に必要な3′ヒドロキシル基を有す る。 ポリメラーゼ鎖状反応においては、反応条件は交雑および核酸重合に係る条件 と二重分子の変性の原因となる条件との間を循環しなければならない。この反応 の第一のステップでは、サンプルの核酸分子を一時的に加熱した後冷却し、存在 する二本鎖分子を変性させる。増幅および対象プライマは次に、所望の核酸分子 の濃度を大幅に超える濃度でサンプルに付加される。サンプルが次に、交雑およ び重合に係る条件下で定温放置されると、増幅プライマは、増幅すべき所望の分 子の配列の3′の位置でサンプルの核酸分子と交雑する。サンプルの核酸分子が 最初から二本鎖である場合は、対象プライマは、増幅すべき配列の相補的な所望 の分子の配列の位置3′で核酸分子の相補的鎖に交雑する。ポリメラーゼが付加 されると、増幅の3′末端および(核酸分子が二本鎖であれば)対象プライマも 伸長される。増幅プライマが伸長されると、所望の核酸の補体の正確な配列を持 つDNA分子が合成されることになる。対象プライマが伸長されると、所望の核 酸の正確な配列を持つDNA分子が合成されることになる。 ポリメラーゼ・チェイン・リアクション反応は、所望の核酸配列を指数関数的 に増幅し、個々のサイクル中で所望の配列を持つ分子の数をほとんど倍にするこ とが可能である。このように指数関数的に増加するのは、増幅プライマの伸長製 品が、対象プライマの配列に相補的な配列を含み、したがって対象プライマの伸 長製品の生産のための鋳型となり得るからである。同様に、不可欠である対象プ ライマの伸長生成物は、増幅プライマの配列に相補的である配列を含み、したが って増幅プライマの伸長生成物の生産のための鋳型となり得る。したがって、交 雑、重合、変性というサイクルを実行することによって、所望の核酸分子の濃度 を指数関数的に増加させることが可能となる。ポリメラーゼ鎖状反応の検討は、 K.B.マリス(「コールドスプリングハーバー・シンポジウム量子生物学」第 51巻、263−273頁、1986年);R.K.サイキ他(「生物工学」第 3巻、1008−1012頁、1985年);及びK.B.マリス他、「Met .酵素学」第155巻、335−350頁、1987年)により行われており、 これらは全て出典を明記することによりその開示内容を本願明細書の一部とした 。 ポリメラーゼ・チェイン・リアクション技術は、ポリヌクレオチド分子を急速 に広範囲に増幅させることが可能であるという点において有用である。しかしな がら、この方法はいくつかの顕著な欠陥がある。第一に、この方法は、増幅され る領域を迂回する対象配列の二つのオリゴヌクレオチド配列に交雑する二つの異 なったプライマを準備しなければならないことである。この二つの異なったプラ イマの濃度は反応にたいして速度制限的となる。この二つのプライマの濃度が同 一である必要はないとはいえ、濃度の不均衡は全体の反応歩留まりを大幅に減少 させかねない。 ポリメラーゼ・チェイン・リアクション反応のさらなる欠点は、異なった二つ のプライマを使用すると、選択された反応条件は、双方のプライマが類似の効率 で「プライムする」ようなものでなければならない。この二つのプライマは異な った配列を持つ必要があるので、この条件によってプライマの選択が制限され、 かなりの実験を必要とすることになりかねない。さらに、ポリメラーゼ・チェイ ン・リアクションを用いて(すなわち、二つのプライマを2セット使用して)異 なった二つの配列を同時に増幅しようとすれば、反応条件は異なった四つのプラ イマに対して最適化しなければならない。 ポリメラーゼ・チェイン・リアクションのさらなる欠点は、増幅中の分子の加 熱サイクリングを必要とすることである。この加熱サイクリングを必要とするた めに従来のポリメラーゼは変性されてしまうので、サイクルの開始毎に新たなポ リメラーゼを付加しなければならない。ポリメラーゼを付加しなければならない ので、反応のコストが増し、タックポリメラーゼのような熱安定性のポリメラー ゼを使用するしか解決法がない。そのうえ、熱サイクリングをしなければならな いと、サンプルが加熱されて二本鎖核酸分子が変性されるとプライマのそれ以上 の伸長が止まるので全体の増幅速度が減衰する。したがって、サイクルの次の加 熱ステップに先だってどのプライマ分子の伸長も完了していない時点までは、増 幅速度は減少する。 その他の公知の核酸増幅手順には、転写式の増幅システム(D.クオー他、「 米国科学アカデミー会報」第86巻、1173頁、1989年;T.R.ジンジ ェラス他、PCT出願第WO88/10315号(優先権:米国特許出願第64 141号及び202978号);テイヴェイC.他、欧州特許出願公開第329 822号公報;H.I.ミラー他、PCT出願第WO89/06700号(優先 権:米国特許出願第146462号、1988年1月21日出願);及び「品種 」(M.A.フローマン、「PCRプロトコル:方法及び応用の手引き」アカデ ミック出版、及び「片側PCR」(O.オハラ他、「米国科学アカデミー会報」 第86巻、5673−5677頁、1989年)がある。 結果として得られる「ジオリゴヌクレオチド」の配列を持つ核酸の存在下で二 つ(以上)のオリゴヌクレオチドを連結反応させ、それによってこのジオリゴヌ クレオチドを増幅することに基づいた方法もまた知られている(D.Y.ウー他 、「遺伝学」第4巻、560頁、1989年)。 制限部位の一本鎖中にヌクレオチド5′−[チオ]三リン酸塩を含有する対象 分子を増幅するために制限エンドヌクレアーゼを用いた等温増幅法が説明されて いる(G.T.ウォーカー他、「米国科学アカデミー会報」第89巻、392− 396頁、1992年)。 上記の増幅手順は、すべて、サイクルの最終生成物が最初の材料と機能的には 同一であるという原理に基づいている。したがって、サイクルを繰り返すことに よって、核酸は指数関数的に増幅される。 熱サイクリングを用いる方法(例えば、ポリメラーゼ・チェイン・リアクショ ン又はD.Y.ウー他「遺伝学」第4巻560頁、1989年)の理論的な最大 生成物増加率はサイクル当たり二倍であるが、これはサイクル毎に単一の生成物 が個々の鋳型から造られるからである。実際には、増加率はつねに二倍を下回る 。さらに増幅を減速させるのは、温度の変更に費やされる時間である。さらに遅 延に拍車をかけるのが、すべての分子が個々のステップを完了するに充分な時間 をサイクル中で見込んでおかなければならないことである。ステップを急速に完 了する分子は他の遅い分子を「待って」から、サイクルの次のステップに進行し なければならず、サイクル時間を短縮するためには「遅い」分子によるサイクル を1 つスキップすることになり、増幅の指数値が下がることになる。 発明の概要 本発明は、等温条件下で、単一のプライマを用いて核酸分子の増幅を達成する 方法に関する。 詳細に言うと、本発明は、サンプル中に存在する二本鎖核酸分子の対象ポリヌ クレオチド領域を増幅するための方法であり: (A) ポリメラーゼ、ヌクレオチド、クレリコンビナーゼ、プライマおよび制限エ ンドヌクレアーゼの存在下で直鎖状二本鎖核酸分子を定温放置し、ここで、 (i) 直鎖状二本鎖核酸分子は個々が二つの末端を持ち、さらに: (a) 該直鎖状分子の第一の末端に位置する第一のロックス部位と; (b) 該直鎖状分子の第二の末端に位置する第二のロックス部位であり、該第一の ロックス部位および第二のロックス部位が、クレが該直鎖状二本鎖分子の環状化 を仲介し、それによって二本鎖環状分子を形成できるように互いに配向されてい るロックス部位と; (c) 該第一のロックス部位および該第二のロックス部位の内部に位置する該対象 ポリヌクレオチドと; (d) 該対象ポリヌクレオチド領域と該ロックス部位の一方との間に位置するヘミ 修飾した制限部位であり、該直鎖状分子の個々の該ヘミ修飾制限部位の一つの鎖 が、少なくとも一つの修飾されたヌクレオチド残基(特に、メタノール変性ヌク レオチドまたは(チオ)フォスフォロチオエイトヌクレオチドのそれ)を有し、 該対象ポリヌクレオチドが修飾されたヌクレオチド残基を欠く該鎖中に存在する ような制限部位と; を有し; (ii) 制限エンドヌクレアーゼが、該修飾されたヌクレオチド残基を含む核酸分 子の鎖を切断することが実質的に不可能であり; (iii) 該プライマが3′末端から5′末端に: (a) 該対象ポリヌクレオチド領域の3′末端分に対して相補的な第一のポリヌク レオチド領域と; (b) 該修飾されたポリヌクレオチド残基(特に、メタノール変性ヌクレオチドま たは(チオ)フォスフォロチオエイトヌクレオチドのそれ)の内の少なくとも1 つを有する第二のポリヌクレオチド領域であり、該第二のポリヌクレオチド領域 が相補的なポリヌクレオチドに交雑された場合、それによって二本鎖ポリヌクレ オチドが、該制限エンドヌクレアーゼによって認識される1 つ以上の制限エンド ヌクレアーゼ切断部位を含むように形成される領域と; (c) 第3 のポリヌクレオチド領域であり、該第3 のポリヌクレオチド領域が相補 的なポリヌクレオチドに交雑された場合、それによって二本鎖ポリヌクレオチド が、ロックス部位を含むように形成される領域と; を有し; (iv) 定温放置が: (a) クレにとって、直鎖状二本鎖核酸分子を環状化され、それによって二本鎖環 状分子を形成することが可能であり; (b) 該制限エンドヌクレアーゼにとって、該二本鎖環状分子の該ヘミ修飾制限エ ンドヌクレアーゼ認識部位の一つの鎖を切断することが可能であり; (c) 該ポリメラーゼおよび該ヌクレオチドにとって、伸長可能な3′末端の鋳型 依存伸長を仲介し、それによって、該対象ポリヌクレオチド領域を含む一本鎖ポ リヌクレオチドを置換することが可能であり、該伸長によってさらに、新たなヘ ミ修飾制限認識部位が生成される結果となり; (d) 該制限エンドヌクレアーゼにとって、該新たに生成されたヘミ修飾制限エン ドヌクレアーゼ認識部位の一つの鎖を切断し、それによって、伸長可能な新たな 3′末端を形成し、該対象ポリヌクレオチド領域を含む該一本鎖ポリヌクレオチ ドの放出が可能であり; (e) 該プライマにとって、該放出された一本鎖ポリヌクレオチドと交雑し、鋳型 依存伸長中の該ポリメラーゼおよび該ヌクレオチドによって伸長され、それによ って、該直鎖状二本鎖核酸分子の別のコピーを一つ形成することが可能である; ために適切な条件下で実行される定温放置ステップと; (B) 該直鎖状分子のクレ媒介性環状化(A)(iv)(a)と、該伸長可能3′末端の精製 (A)(iv)(b)と、鋳型依存の伸長(A)(iv)(c)と、制限エンドヌクレアーゼの切断(A )(iv)(d)と、プライマの交雑(A)(iv)(e)とを生じさせ、それによって該二本鎖核 酸分子の該対象ポリヌクレオチド領域を増幅することを可能とするステップと; (C) 該二本鎖核酸分子の該対象ポリヌクレオチド領域が所望のレベルにまで増幅 されるまで該定温放置条件を維持するステップと; を有することを特徴とする方法を提供する。 本発明はさらに、ステップ(A)で列挙された該直鎖状二本鎖核酸分子が増幅プ ライマ分子のプライマによる伸長によって得られ、該増幅プライマ分子が3′末 端から5′末端に: (1) 該対象ポリヌクレオチド領域の3′末端部分に相補的な第一のポリヌクレオ チド領域と; (2) 少なくとも一つの修飾されたヌクレオチド残基を含む第二のポリヌクレオチ ド領域であり、該第二のポリヌクレオチド領域が相補的なポリヌクレオチドと交 雑した場合、二本鎖ポリヌクレオチドがそれによって、該修飾ヌクレオチドを含 む核酸分子の一つの鎖を切断することが実質的に不可能な制限エンドヌクレアー ゼによって認識される1 つ以上の制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含むように 形成される領域と; (3) 第3のポリヌクレオチド領域であり、該第3 のポリヌクレオチド領域が相補 的なポリヌクレオチドと交雑された場合、それによって、二本鎖ポリヌクレオチ ドが、ロックス部位を含むように形成される領域と; を有することを特徴とする上記の方法の実施態様に関する。 本発明はさらに、ステップ(A)に列挙された該直鎖状二本鎖核酸分子が対象プ ライマ分子のプライマによる伸長操作を含むプロセスによって得られ、該対象プ ライマ分子が3′末端から5′末端に: (1) 該対象ポリヌクレオチドの5′末端部分の配列を持つ第一のポリヌクレオチ ド領域と; (2) 第二のポリヌクレオチド領域であり、該第二のポリヌクレオチド領域が相補 的なポリヌクレオチドと交雑すると、それによって、ロックス部位を含む二本鎖 ポリヌクレオチドが形成される領域と; を有することを特徴とする上記の方法の実施態様に関する。 本発明はさらに、ステップ(A)に列挙される該直鎖状二本鎖核酸分子が:各々 の末端にロックス部位を含む直鎖状核酸分子の制限エンドヌクレアーゼ認識部位 と;該制限エンドヌクレアーゼ認識部位と;該ヘミ修飾制限エンドヌクレアーゼ 認識部位と;の中に該対象ポリヌクレアーゼ領域を連結反応させる操作を有する プロセスによって得られことを特徴とする上記の方法の実施態様に関する。 本発明はさらに、ステップ(A)に列挙される該直鎖状二本鎖核酸分子が、ロッ クス部位を含む環状核酸分子の制限エンドヌクレアーゼ認識部位と;該制限エン ドヌクレアーゼ認識部位と;該ヘミ修飾制限エンドヌクレアーゼ認識部位と;の 中に該対象ポリヌクレアーゼ領域を連結反応させる操作を有するプロセスによっ て得られることを特徴とする上記の方法の実施態様に関する。 本発明はさらに、サンプル中に存在する二本鎖核酸分子の対象ポリヌクレオチ ド領域を増幅させるための方法であり、該方法が: (A) 該二本鎖分子を変性しそれによって一本鎖核酸分子を形成するに充分な条件 下で該サンプルを定温放置するステップと; (B) 増幅プライマ分子または対象プライマ分子のいずれかの存在下で形成された 該一本鎖核酸分子を定温放置するステップであり、該増幅プライマ分子が一本鎖 核酸分子であり、3′末端から5′末端に: (1) 該対象ポリヌクレオチド領域の3′末端分の相補的な第一のポリヌクレオチ ドと; (2) 少なくとも一つの修飾されたヌクレオチド残基(特に、メタノール変性ヌク レオチドまたは(チオ)フォフォロチオエイトヌクレオチドのそれ)を含む第二 のポリヌクレオチド領域であり、該第二のポリヌクレオチド領域が相補的なポリ ヌクレオチドと交雑されると、それによって、該修飾ヌクレオチド残基を含む核 酸分子の鎖を切断することが実質的に不可能な制限エンドヌクレアーゼによって 認識される1 つ以上の制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含む二本鎖ポリヌクレ オチドが形成される領域と; (3) 第3のポリヌクレオチド領域であり、該第3のポリヌクレオチド領域が相補 的なポリヌクレオチドと交雑されると、それによって、ロックス部位を含む二本 鎖ポリヌクレオチドが形成される領域と; を有し、 該対象プライマ分子が一本鎖核酸分子であり、さらに、3′末端から5′末端に : (1) 該ポリヌクレオチドの5′末端分の配列を持つ第一のポリヌクレオチド領域 と; (2) 第二のポリヌクレオチド領域であり、該第二のポリヌクレオチド領域が相補 的なポリヌクレオチドと交雑すると、それによって、ロックス部位を含む二本鎖 ポリヌクレオチドが形成される領域と; を有し、 前記定温放置が、前記増幅プライマの該修飾されたヌクレオチド残基の修飾を欠 くポリメラーゼおよびヌクレオチドの存在下で実行され、前記定温放置が: (i) 該増幅プライマ分子の該第一のポリメラーゼ領域にたいして、該対象ポリヌ クレオチドの第3′末端と交雑することを可能とし、それによってさらに、該増 幅プライマ分子の鋳型依存性の伸長にたいして、増幅プライマ・伸長生成物を形 成することを可能とするかまたは; (ii) 該対象プライマ分子の該第一のポリヌクレオチド領域にたいして、前記対 象ポリヌクレオチドの補体の該3′末端と交雑することを可能とし、それによっ てさらに、該対象プライマ分子の鋳型依存性の伸長にたいして、対象プライマ伸 長生成物を形成することを可能とする; に充分な条件下にあるステップと; (C) (i) の該増幅プライマ・伸長生成物を定温放置するか、または(ii)の二本鎖 核酸分子を変性させ、それによって交雑していないプライマ伸長生成物を生産す るに充分な条件下で定温放置するステップと; (D) ステップ(B)で増幅プライマが使用された場合に、対象プライマ分子の存在 下で該交雑していない増幅プライマ伸長生成物を定温放置し; ステップ(B)で対象プライマが使用された場合に、増幅プライマ分子の存在下で 該交雑していない対象プライマ伸長生成物を定温放置する; ステップであり、前記定温放置が、該増幅プライマ中に存在する該修飾されたヌ クレオチドの修飾を欠くポリメラーゼおよびヌクレオチドの存在下で実行され、 該定温放置が、(i)の該交雑していないプライマ伸長生成物にたいして、該プラ イマ分子の該3′末端と交雑することを可能とし、それによってさらに、(ii)の 前記プライマ伸長生成物および該プライマ分子の、鋳型依存性伸長にたいして、 各々の末端にロックス部位を持ち、増幅される該対象ポリヌクレオチドおよびヘ ミ修飾制限部位を含む直鎖状二本鎖核酸分子を形成することを可能とするステッ プと; (E) 該増幅プライマの該修飾されたヌクレオチドの修飾を欠くクレリコンビナー ゼ、該制限エンドヌクレアーゼ、該ポリメラーゼおよび該ヌクレオチドの存在下 でステップ(D)の該直鎖状二本鎖核酸分子を定温放置するステップであり、該定 温放置によって: (1) 該クレが、各々の末端にロックス部位を持つ該直鎖状二本鎖核酸分子を環状 化させ、それによって二本鎖環状分子を形成する反応と; (2) 該制限エンドヌクレアーゼが、該二本鎖環状分子の該ヘミ修飾制限エンドヌ クレアーゼ領域の非修飾ヌクレオチド含有鎖を切断し、それによって伸長可能な 3′末端を形成する反応と; (3) 該ポリメラーゼおよび非修飾ヌクレオチドが、該伸長可能3′末端の鋳型依 存性のプライマの伸長を仲介し、それによって、該対象ポリヌクレオチド領域を 含む一本鎖ポリヌクレオチドを置換させる反応であり、該プライマの伸長がさら に、新たなヘミ修飾制限認識部位を生成することになる反応と; (4) 該制限エンドヌクレアーゼが、該新たに生成されたヘミ修飾制限エンドヌク レアーゼ認識部位の非修飾ヌクレオチド含有鎖を切断し、それによって新たな伸 長可能な3′末端を形成し、該対象ポリヌクレオチド領域を含む第一本鎖ポリヌ クレオチドを解放する反応であり、該置換および該解放によって該対象ポリヌク レオチドが所望の通りに増幅される反応と; が発生するステップと; (F) 該対象ポリヌクレオチドの所望のレベルの増幅が達成されるまで、ステップ (E)の該定温放置条件を維持するステップと; を有する方法を提供する。 本発明はさらに、 (1) 該増幅プライマ分子がさらに第4 のポリヌクレオチド領域を含み、該増幅プ ライマ分子の該第4 のポリヌクレオチド領域が、該増幅プライマ分子の該第3の ポリヌクレオチド領域にたいして5′に位置されており、その少なくとも一つの 部分にたいして相補的なヌクレオチド配列を持ち、それによって、該増幅プライ マ分子の該第3および該第4 のポリヌクレオチド領域が互いに交雑するおよび/ または; (2) 該対象プライマ分子がさらに第3のポリヌクレオチド領域を含み、該対象プ ライマ分子の該第3のポリヌクレオチド領域が、該対象プライマ分子の該第二の ポリヌクレオチド領域にたいして5′に位置しており、その少なくとも一つの部 分にたいして相補的なヌクレオチド配列を持ち、それによって、該対象プライマ 分子の該第2 および該第3のポリヌクレオチド領域が互いに交雑する; ことを特徴とする上記の方法の実施態様に関する。 本発明はさらに、該ステップ(E)がさらに、 (5) 該増幅プライマ分子が、置換され解放された一本鎖ポリヌクレオチドの該3 ′末端と交雑する反応と; (6) 該ポリメラーゼおよび該非修飾ヌクレオチドが、該交雑した増幅プライマ分 子および該交雑した置換され解放された一本鎖ポリヌクレオチドの鋳型依存性の 伸長を仲介し、それによって、各々の末端にロックス部位を持ち、該対象ポリヌ クレオチド領域およびヘミ修飾制限部位を含む直鎖状二本鎖核酸分子を形成する 反応であり、 該形成された直鎖状二本鎖分子が該反応(E)(1)のための基質であり; 該直鎖状二本鎖核酸分子が該反応(E)(1)の基質に成り得る; 反応とを発生させる上記の方法の実施態様を含む。 本方法は特に、該増幅プライマが限られた分量だけ与えられ、それによって、 該方法が、該二本鎖核酸対象分子の一つの鎖が他の鎖より広い範囲にまで増幅す る実施態様を予測する。 本発明はまた、物質、特に、哺乳類の遺伝子のロックス部位、ヘミ修飾制限部 位およびポリヌクレオチドの断片を有する二本鎖環状化DNA分子のある組成を 提供する。さらに、本発明は、各々の末端に、直接反復配向で、哺乳類の遺伝子 のヘミ修飾制限部位およびポリヌクレオチドの断片を有する二本鎖直鎖状DNA 分子を提供する。本発明はまた、3′末端から5′末端に: (1) 対象ポリヌクレオチド領域、とくに哺乳類の遺伝子の3′末端部分に相補的 な第一のポリヌクレオチド領域と; (2) 少なくとも一つの修飾されたヌクレオチド残基を含む第二のポリヌクレオチ ド領域であり、該第二のポリヌクレオチド領域が相補的なポリヌクレオチドと交 雑すると、それによって、該修飾されたヌクレオチド残基を含む核酸分子の一つ の鎖を切断することが実質的に不可能な制限エンドヌクレアーゼによって認識さ れる1 つ以上の制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含む二本鎖ポリヌクレオチド が形成される領域と; (3) 第3のポリヌクレオチド領域であり、該第3のポリヌクレオチド領域が相補 的なポリヌクレオチドと交雑すると、それによって、ロックス部位を含む二本鎖 ポリヌクレオチドが形成される領域と; を有するオリゴヌクレオチドを提供する。 図面の簡単な説明 図1は、適当な5′アダプタ分子の例を示す。 図2A及び2B(図面A、B、C及びDを含む)は、適当な3′アダプタ分子 の例を示す。 図3A及び3Bは、プライマ伸長生成物の3′末端の適合を示す。図3Aの線 A、B、Cは別のプライマ伸長を介したプライマ伸長生成物の3′末端を修飾す るための異なるアダプタ分子の使用を示す。図3Bの線Dは、3′末端を修飾す るための連結の使用を示す。 図4A、4B、4C及び4Dは、組換え部位を含むアダプタ分子を用いて適合 させた直鎖状分子からの二本鎖環状分子の形成を示す。 図5は、逆方向反復塩基配列を有する3′アダプタ分子とのプライマ伸長生成 物の適合から形成したヘヤピンループ分子を示す。 図6は、一対の並置逆方向反復塩基配列を有する3′アダプタ分子とのプライ マ伸長生成物の適合から形成した「ボータイ」分子を示す。 図7は、直接反復組換え部位を有するヘヤピンループ及び「ボータイ」分子の 一本鎖環状分子への変換を示す。 図8A及び8Bは、本発明の増幅レプリコンを示す。図8Aは、一本鎖環状分 子の増幅時に二つのプライマの伸長から生じる双起点「ローリングサークル」を 示す。図8Bは、二本鎖環状分子の増幅から生じる「シータ」及び「ローリング サークル」レプリコンを示す。 図9は、例1に記載した例示的等温増幅反応の概略図である。 図10、例1に記載した別の例示的等温増幅反応の概略図である。図は、プロ ト−ロックス部位の部分に相補的なプライマIの5′第四領域の使用を示す。 図11は、例2に示したような二本鎖環状分子を形成するための連結の使用の 概略図である。図11において、プロト−ロックス部位の部分に相補的なプライ マIの5′第四領域は、必要に応じて省略される。 図12は、例2に示したように、二本鎖環状分子を形成するための連結の別の 使用の概略図である。図12において、プロト−ロックス部位の部分に相補的な プライマ1の5′第四領域は、必要に応じて省略される。 図13は、非修飾プライマを使用してDNAリガーゼを採用した、例4に記載 の別の例示的等温増幅反応の概略図である。 発明の詳細な説明 I.発明の用語法 本発明は、サンプル中に存在する核酸分子の「対象」ポリヌクレオチド領域を 増幅する方法を提供する。かかるサンプルには、細菌やウイルスの標本から採取 たものも含む人や動物由来の生物学的サンプル(例えば、血液、唾液、粘液、血 清、尿、涙、生検サンプル、組織学的標本、PAP塗抹、母斑、いぼ、農生成物 、排水、飲料水、ミルク、その他の加工食品、空気など)やその他のサンプル( 例えば、農生成物、排水、飲料水、ミルク又は他の加工食品、空気など)が含ま れる。 「所望の」核酸分子という用語は、ここでは、本願方法により増幅されるべき 核酸分子を意味する。「所望の」分子は、精製もしくは部分的に精製されている こともありうるし、サンプル中に未精製の状態で存在することもある。「所望の 」分子を含有する核酸分子は、「対象」分子と呼ばれる。本発明の核酸分子は、 それらが3個以上のヌクレオチド残基を含有することを表すために、「ポリヌク レオチド」と記載されている。本発明の核酸分子は、更に、分子の構成要素をよ り完全に説明するために、「領域」から構成されるものとして説明されている。 本発明の直鎖状核酸分子は、末端「部分」を含む。かかる部分は、ここでは、分 子の末端に位置する領域を意味する。 「増幅」という用語は、ここでは、核酸分子の濃度をその初期濃度に対して上 昇させる結果となる「鋳型依存プロセス」を意味する。「鋳型依存プロセス」と いう用語は、ここでは、プライマ分子の鋳型依存性伸長を含むプロセスを指す。 このように、増幅という用語は、ここでは、コーエン他(米国特許第42372 24号)、T.マニアチス他(「分子クローン化実験便覧」、コールドスプリン グハーバー研究所、 1982年)などにより記載された型の生体内ベクタ媒介 性増殖を除外している。「鋳型依存性プロセス」という用語は、核酸の新しい合 成鎖のアミノ酸配列順序を相補的塩基対合(例えば、J.D.ワトソン他、「遺 伝子の分子生物学」、第4版、W.A.ベンジャミン社、カリフォルニア州、メンロ パーク、1987年、参照)の公知のルールにより決定した、RNA 又はDNAの核酸合成を意味する。ここでは、一方の核酸分子のアミノ酸配列順 序は、他方の分子がA、T(又はU)、G又はCを有する部分にそれぞれT(又 はU)、A、C又はGを有する場合、他方の分子の「補体」と呼ばれる。 本発明は、所望の核酸分子の増幅を達成するために、種々の酵素を採用してい る。「ポリメラーゼ」は、「プライマ分子」の3′ヒドロキシル末端を伸長する ためにヌクレオチドを組み込むことができる酵素である。核酸分子の中に組み込 まれたヌクレオチドは、ヌクレオチド「残基」と呼ばれる。「プライマ」もしく は「プライマ分子」とは、ここでは、核酸分子に交雑されたときポリメラーゼに より伸長し得る3′ヒドロキシル末端を有する核酸分子である。ポリメラーゼ酵 素については、出典を明記することによりその開示内容を本願明細書の一部と成 す、J.D.ワトソン他、「遺伝子の分子生物学」、第4版、W.A.ベンジャ ミン社、カリフォルニア州、メンロパーク、1987年)で検討されている。こ こに記載された方法に従って使用可能なDNAポリメラーゼの例としては、大腸 菌 DNAポリメラーゼI、「クレノウ」ポリメラーゼとして一般に知られた大 腸菌 DNAポリメラーゼIの大タンパク質フラグメント、「タック」ポリメラ ーゼ、T7ポリメラーゼ、T4ポリメラーゼ、T5ポリメラーゼ、逆転写酵素な どが挙げられる。 プロセシビティ(相当長の伸長生成物を産成すべく特定のプライマを引き伸ば し続け得る機能)を呈するポリメラーゼが好ましい。 本発明のいくつかの実施形態では、増幅は、自身に塩基対合された一本鎖DN A鋳型上で交雑プライマを伸長することにより成される。従って、かかるプライ マ伸長と鎖置換を媒介し得るポリメラーゼが、特に好ましい。好適なポリメラー ゼの例としては、T5DNAポリメラーゼ(D.K.シャッテリエ他、「遺伝子 97」: 13−19頁、1991年)、T4ポリメラーゼ及びT7ポリメラー ゼ等が挙げられる。DNAポリメラーゼがDNA分子の塩基対合鎖を置換せず、 また充分な効率で先に塩基対合した領域内にプライマを伸長することもできない 場合、補助タンパク質を付加してかかる機能を促進するようにしてもよい。例え ば、T7ポリメラーゼが塩基対合分子の鎖を置き換える機能は、T7遺伝子4タ ンパク質の存在により増大する(R.コロドナ他、「生化学ジャーナル」第 253巻、574−584頁、1978年)。同様に、T4遺伝子32タンパク 質を反応に加えると、T4DNAポリメラーゼは、伸長プライマの伸長を触媒す る(F.D.ギリン等、「生化学ジャーナル」第 251巻、5219−522 4頁、1976年)。しかしながら、T7プロモータと遺伝子4タンパク質の使 用は、プライマの伸長反応の間、遺伝子4タンパク質が化学量論的よりむしろ触 媒作用的に使用されるという利点を有する。 本発明のいくつかの実施形態では、二本の分離可能な鎖で構成される二本鎖D NA分子のDNA鋳型上で交雑プライマを伸長することにより、増幅を行ってい る。かくして、かかる実施形態においては、かかるプライマの伸長を媒介し得る ポリメラーゼが好ましい。好適なポリメラーゼの例としては、上に記載したもの が挙げられる。かかる二本鎖DNA鋳型を用いてプライマ分子を伸長する機能は 、トポイソメラーゼ及び/ 又はギラーゼを添加することにより、促進し得る(T .エキ他、「生化学ジャーナル」第266巻、3087−3100頁、1991 年)、C.A.パラダ他「生化学ジャーナル」第264巻、15120−151 29頁、1989年)。 重合反応等の酵素反応が行われつつあるときは、かかる反応に必要な成分を反 応容器中に「過度」に供給することが望ましい。増幅反応の成分についての「過 度」とは、所望の増幅を達成する機能が当該成分の濃度により実質的に制限され ないような各成分の量を意味する。 「リガーゼ」は、ヌクレオチドの3′' 水酸基を第二のヌクレオチドの5′リ ン酸基に共有結合させ得る酵素である。「平滑」末端又は「付着」末端の二本鎖 核酸を結合し得るリガーゼを使用してもよい。適当なリガーゼの例としては、大 腸菌.DNAリガーゼ、T4DNAリガーゼ等を挙げることができる。 本発明では、「リコンビナーゼ」最も好ましくは「部位特異的リコンビナーゼ 」を使用する。リコンビナーゼとは、ここでは、二つの核酸分子に作用して該二 つの分子間の組換えを行い得る酵素である。組換えは、十分に研究された自然の プロセスであり、同一又は略同一の(即ち「相同的な」)配列を有する二つの核 酸分子を分離させるとともに、最初に存在した各分子の一領域が最初に存在した 他方の分子の一領域に連結されるように二つの分子を再形成する(J.Mセデ ィヴィ、「生物工学」第6巻、1192−1196頁、1988年、出典を明記 することによりその開示内容を本願明細書の一部とした)。リコンビナーゼは、 原核細胞及び真核細胞のいずれにおいても自然に存在する(G.Rスミス、「ラ ムダII」(R.ヘンドリクス他編、コールドスプリングハーバー出版、ニューヨ ーク州、コールドスプリングハーバー、175−209頁、1983年、出典を 明記することによりその開示内容を本願明細書の一部とした)。 組換え反応としては、二つの型が識別されている。第一の型の反応即ち「普遍 的」又は「相同的」組換えでは、二つの相同的配列は、リコンビナーゼ(即ち「 普遍的リコンビナーゼ」)により認識され得るので、反応基質として機能するこ とができる。一方、「部位特異的」組換えと呼ばれる第二の型の組換えでは、リ コンビナーゼは、特定の「組換え部位」の間でのみ組換えを触媒することができ る。従って、「部位特異的組換え」では、特定の配列を有する相同的分子のみが 反応基質として機能し得る。 かくして、部位特異的組換えは、二つの「組換え部位」上で作用する部位特異 的リコンビナーゼにより媒介される。かかる部位特異的組換え法は、幾つか提示 されてきた。最も好ましい部位特異的組換え法は、大腸菌 バクテリオファージ P1の部位特異的組換え法である。P1バクテリオファージは、不活発な溶原相 と活発な溶菌相の間で循環する。バクテリオファージの部位特異的組み換え法は 、宿主細胞への侵入時にP1DNAの環状化を触媒する。該方法は、また、複製 や相同的組換えの結果形成され得る二量体P1DNA分子の分解にも関係する。 P1部位特異的組換え法は、「ロックス」部位(例えば「ロックスP」、「ロ ックスB」等)として知られた特定の「組換え部位」の間で組換えを触媒する。 本発明の好適なロックス部位であるロックスP部位は、二本鎖34bp配列を構 成する。この配列は、8bpスペーサ領域により互いに離間された二つの逆方向 反復塩基配列を含む(R.ホエス他、米国科学アカデミー会報第79巻、339 8−3402頁、1982年;B.L.サウアー、米国特許第4959317号 公報、出典を明記することによりその開示内容を本願明細書の一部とした)。 ロックス部位の組換えは、「クレ」として知られるP1符号化タンパク質によ り触媒される(D.L.ハミルトン他、「分子生物学ジャーナル」第178巻、 481−486頁、1984年、出典を明記することによりその開示内容を本願 明細書の一部とした)。クレタンパク質は、二つのロックスP配列間の組換えを 媒介する(スターンベルグ他、コールドスプリングハーバー・シンポジウム「量 子生物学」第45巻、297−309頁、1981年)。これらの配列は、同じ DNA分子上にも或いは異なる分子上にも存在し得る。クレタンパク質は、35 000の分子量を有する。該タンパク質は均質に精製されており、ロックスP部 位とのその反応は広く特徴を成してきた(K.アブレムスキー他、「分子生物学 ジャーナル」第259巻、1509−1514頁、1984年、出典を明記する ことによりその開示内容を本願明細書の一部とした)。クレ遺伝子(クレタンパ ク質を符号化する)は、クローン化されている(K.アブレムスキー他、「細胞 」第32巻、1301−1311頁、1983年)。クレを産生するプラスミド は、ライフ・テクノロジー社(MD、ゲセルスブルグ)から購入することができ る。クレタンパク質は、ノボゲン社(WI、マディソン)から入手可能である。 二つのロックス部位間の組換えを媒介し得るタンパク質は、クレタンパク質の 機能的等価物である。クレによりロックス配列を組換え得るヌクレオチド配列は 、ロックス部位の機能的等価物である。 二つのロックス部位上でクレタンパク質の作用により触媒される部位特異的組 換えは、上述したロックス部位とクレの存在のみに依存する。この反応にはエネ ルギーが必要とされないので、ATPその他同様のエネルギ分子は不要である。 更に、クレタンパク質以外の因子やタンパク質は、ロックス部位で部位特異的組 換えを媒介するために必要ではない(K.アブレムスキー他、「分子生物化学ジ ャーナル」第259巻、1509−1514頁、1984年)。生体内では、そ の反応は極めて効率がよく、クレは、DNA基質の70%を生成物に変換するこ とができ、化学量論的に作用するように思われる(K.アブレムスキー他、「分 子生物化学ジャーナル」第259巻、1509−1514頁、1984年)。 クレ媒介性の組換えは、二つの異なる分子上に存在するロックス部位間で起こ る。ロックスPの内部スペーサ配列が非対称的なため、2つのロックスP部位は 互いに対して方向性を示す(R.H.ホエス他、「米国科学アカデミー会報」第 81巻、1026−1029頁、1984年)。ロックスP部位が同じ相対配位 にある場合、クレは各部位間でDNAを切断し環状化する。部位が反対の相対配 位にある場合は、クレは各部位間でDNAをはじくように作用する。組換え事象 は、直鎖状又は環状分子上で効果的に働く(K.アブレムスキー他、「細胞」第 32巻、1301−1311頁、1983年;アブレムスキー他、「分子生物化 学ジャーナル」第261巻、391−396頁、1986年)。 クレとロックス部位との間の相互作用の性質は、広範に研究されている。(R .P.ホエス他、コールドスプリングハーバー・シンポジウム「量子生物学」第 49巻、761−768頁、1984年、出典を明記することによりその開示内 容を本願明細書の一部とした)。特に、突然変異は、クレとロックス部位のいず れにおいても生じた。 これまでに確認されたクレ突然変異体は、野生型クレタンパク質よりずっと遅 い速度で組換えを触媒することが分かっている。また、野生型部位よりも低効率 で組換えを行うロックス突然変異体が、確認されている(K.アブレムスキー他 、「分子生物化学ジャーナル」第261巻、391−396頁、1986年;K .アブレムスキー他、「分子生物化学ジャーナル」第202巻、59−66頁、 1988年、出典を明記することによりその開示内容を本願明細書の一部とした )。 左右いずれかの逆方向反復を除去した突然変異体ロックス部位の実験により、 クレは一部のロックスP部位に結合し得るが、かかる部位間の組換えを効率よく 媒介し得ないことが分かった。スペーサ領域内への挿入は、クレが組換えを触媒 する機能を損なう。本発明で特に重要なことは、ロックスP511突然変異対部 位の使用である。 クレタンパク質は、サッカロミセス・セレビシエ等の真核生物宿主内で(B. サウアー、「分子生物化学」第7巻、2087−2096頁、1987年;B. L.サウアー、米国特許第4959317号公報、出典を明記することによりそ の開示内容を本願明細書の一部とした)或いは哺乳類の細胞内で(B.サウアー 他「米国科学アカデミー会報」第85巻、5166−5170頁、1988年; B.サウアー他、「核酸研究」第17巻、147−161頁、1989年;いず れも出典を明記することによりその開示内容を本願明細書の一部とした)、ロッ クス特異的組換えを媒介することができる。 特に、ロックス−クレ法は、極めて多数のヌクレオチドにより分離されたロッ クス部位間の部位特異的組換えを媒介することができる(B.サウアー他、「遺 伝子」第70巻、331−341頁、1988年;N.シュターンベルグ、「米 国科学アカデミー会報」第87巻、103−107頁、1990年;B.サウア ー他、「米国科学アカデミー会報」第84巻、9108−9112頁、1987 年;M.J.パラゾロ他「遺伝子」第88巻、25−36頁、1990年、いず れも出典を明記することによりその開示内容を本願明細書の一部とした)。 一定の大腸菌酵素は二つのロックス部位を有する直鎖状分子の効率的な環状化 を阻害する、ことが分かっている。従って、生体内環状化効率は、エクソヌクレ アーゼV活性を欠く大腸菌の突然変異体を用いることにより、上昇させることが できる(B.サウアー他、「遺伝子」第70巻、331−341頁、1988年 )。 クレーロックス部位特異的組換え法が望ましいが、替わりの部位特異的組換え 法も確認されており、本発明の方法に従って使用することができる。 例えば、大腸菌のバクテリオファージλの位置特異的組換え法(R.ワイスベ ルグ他「ラムダII」(R.ヘンドリックス他編)、コールドスプリングハーバー 出版、211−250頁、1983年、出典を明記することによりその開示内容 を本願明細書の一部とした)を採用してもよい。バクテリオファージλは、その ゲノムを宿主である大腸菌に組み込むために組換え法を用いる。該方法は、また 、ウイルスの溶菌増殖のための標本内で宿主ゲノムからバクテリオファージを切 断するためにも利用される。 λ組換え法は、バクテリオファージにより符号化されるIntとXisの四個 のタンパク質と、大腸菌により符号化される二つの宿主組み込み因子とから構成 されている。これらのタンパク質は、「アト」部位の間の部位特異的組換えを触 媒する。 λIntタンパク質は(大腸菌宿主組み込み因子と共に)、「アトP」と「ア トB」部位の間の組換えを触媒する。アトP配列が環状分子上に在り且つアトB 部位が直鎖状分子上に在る場合は、組換えの結果として、二つのアト部位が分裂 し、アトP包含分子全体が第二の分子のアトB部位に挿入される。新たに形成さ れた直鎖状分子は、挿入分子の末端にアトL部位とアトR部位を包含する。 λInt酵素は、挿入分子の切断を触媒することができない。従って反応は、 一方向的である。λXisタンパク質の存在下では逆反応が進行し、アトRとア トL部位の間で部位特異的組換え事象が生じて当初の分子が再生される。 IntとXisのタンパク質のヌクレオチド配列はいずれも既知であり、両方 のタンパク質(並びに宿主組み込み因子)は、均質に精製されている。組み込み と切断反応は、いずれも生体外で行うことができる(M.ベター他、「細胞」第 32巻、161−168頁、1983年)。四つのアト部位のヌクレオチド配列 もまた決定されている(R.ワイスベルグ他、「ラムダII」(R.ヘンドリック ス他編)、コールドスプリングハーバー出版、211−250頁、1983年、 出典を明記することによりその開示内容を本願明細書の一部とした)。 採用し得る別の位置特異的組換え法としては、TpnI及びβ酪酸トランスポ ゾン(R.C.レベスク、「細菌学ジャーナル」第172巻、3745−375 7頁、1990年)、J.Bacteriol.172:3745ー3757(1990)),Tn3リゾル ベース(P.M.フラナガン他、「分子生物学ジャーナル」第206巻、295 −304頁、1989年;W.M.スターク他、「細胞」第58巻、779−7 90頁、1989年)、酵母リコンビナーゼ(H.マツザキ他、「細菌学ジャー ナル」第172巻、610−618頁、1990年)、B.subtilis SpoIVCリコンビナーゼ(T.サトー他、「細菌学ジャーナル」第172巻、 1092−1098頁、1990年)、Flpリコンビナーゼ(C.J.シュワ ルツ他、「分子生物学ジャーナル」第205巻、647−658頁、1989年 ;R.L.パーソンズ他、「生物化学ジャーナル」第265巻、4527−45 33頁、1990年;K.G.ゴリク他、「細胞」第 59巻、499−509頁、1989年;A.A.アミン他、「分子生物学ジャ ーナル」第214巻、55−72頁、1990年)、Hinリコンビナーゼ(A .C.グラスゴー他、「生物化学ジャーナル」第264巻、10072−100 82頁、1989年)、免疫グロブリンリコンビナーゼ(B.A.マリン他、「 細胞」第54巻、453−460頁、1988年)、Cinリコンビナーゼ(P .ハフター他、「EMBOジャーナル」第7巻、3991−3996頁、198 8年;P.ハブナー他、「分子生物学ジャーナル」第205巻、493−500 頁、1989年)などが挙げられるが、これらの文献は全て出典を明記すること によりその開示内容を本願明細書の一部とする。かかる別の方法は、H.エコー ル(「生物化学ジャーナル」第265巻、14679−14700、1990年 )、J.P.ド・ビラーテイ(「ネイチャー」第335巻、170−174頁、 1988年;N.L.クレイグ(「遺伝学年刊レビュー」第22巻、77−10 5頁、1988年)、C.ポヤート・サルメロン他、(「EMBOジャーナル」 第8巻、2425−2433頁、1989年)、K.ハンガー・ベートリング他 (「分子・細胞・生化学」第92巻、107−116頁、1990年)、及びJ .M.クレッグ(分子・遺伝子・遺伝学」第219巻、320−323頁、19 89年)等により論究されているが、これらの文献は全て出典を明記することに よりその開示内容を本願明細書の一部とした。 プライミングの速度又は程度、プライマの伸長、引き伸ばし、或いは鎖置換を 増加させる条件即ち作用物質は、本発明の方法により得られる増幅の程度を増加 させるために使用してもよい。例えば、上述したように、トポイソメラーゼ、ヘ リカーゼ、ジャイレース又は一本鎖核酸結合タンパク質(T4の遺伝子32タン パク質又はT7の遺伝子4タンパク質等)を添加してDNAポリメラーゼの鎖置 換速度を上昇させることもでき、本来は実質的な増幅を行わないDNAポリメラ ーゼを使用してもよい。 一定量のMg++等の必要な補因子及び所望の増幅の程度を維持するに十分な 量のdATP,dCTP,dGTP,TTP,ATP,CTP,GTP,UTP その他のヌクレオチドを、分析混合物に添加することが望ましい。増幅が所望の レベルまで進行しない程度に塩基対合、ポリメラーゼ、及び鎖置換機能が影響を 受けるものでない限り、ヌクレオチド類似物等(J.A.ピッシリリ他、「ネイ チャー」第343巻、33−37頁、1990年)を上述したものに代用又は添 加してもよい。 II.増幅方法に用いられる分子 A.対象分子の性質 本発明の方法は、所望の対象核酸分子を増幅するために用いてもよい。かかる 分子は、DNA又はRNAのいずれでもよい。分子は、サンプル中に存する他の 核酸分子と相同的であってよい(例えば、分子は、ヒトの細胞生検から分離した ヒトクロモソームの断片であってもよい)。また、分子は、サンプル中に存する 他の核酸分子とは異種のものであってもよい(例えば、分子は、ヒトの血液、便 等のサンプルから分離したウイルス性、細菌性、又は菌性の核酸分子であっても よい)。本発明の方法は、異種及び相同分子を同時に増幅することができる。例 えば、ウイルスに冒されたヒト組織サンプルを増幅すると、ウイルスとヒトの配 列がいずれも増幅される。 本方法では、所望の対象細胞が特定の配列や長さを有する必要はない。特に、 増幅し得る分子としては、自然発生の原核生物(例えば、病原性又は非病原性の 細菌である Escherichia,Salmonella,Clostridium,Agrobacter,Staphylococ cus 及びStreptomyces,Streptococcus,Rickettsiae,Chlamydia,Mycoplasma 等)、真核生物(例えば、原生動物及び寄生虫、真菌、酵母、高等植物、哺乳類 と人を含む下等又は高等動物)、又はウイルス(例えば、ヘルペスウイルス、H IV、インフルエンザウイルス、エプスタイン・バールウイルス、肝炎ウイルス 、ポリオウイルス等)又はウイルス由来の核酸を挙げることができる。核酸分子 は、化学的に合成された又はされ得る核酸分子でよい。従って、所望の対象核酸 の配列は、自然界に存在する必要はない。 増幅すべき対象核酸分子は、二本鎖又は一本鎖のいずれの形態でもよい。増幅 反応の開始時に核酸が二本鎖である場合、最初に二本鎖を一本鎖に或いは部分的 に一本鎖にするように該核酸を処理する。二本鎖核酸を一本鎖に又は部分的に一 本鎖にする方法としては、加熱、アルカリ処理、酵素法(ヘリカーゼ作用による もの等)又は結合タンパク質によるもの等が、知られている。この処理を行うた めの一般的方法は、T.マニアチス他(「分子クローン化実験便覧」コールドス プリングハーバー研究所、ニューヨーク州、コールドスプリングハーバー、1982 )、及びB.D.ハイメス他(「核酸ハイブリッド形成:実用的研究法」、IR L出版、ワシントンDC、1985年)により提供されており、出典を明記する ことによりその開示内容を本願明細書の一部としている。かかる処理により、後 述する組換え部位包含プライマ分子を用いて一本鎖分子を増幅することができる 。また、二本鎖対象分子を、組換え部位を含む環状又は直鎖状二本鎖分子に連結 してもよい。 一本鎖RNA、二本鎖RNA又はmRNAも、本発明の方法で増幅することが できる。例えば、ある種のウイルスのRNAゲノムは、逆転写酵素等の酵素に係 る反応によりDNAに変換することができる(T.マニアチス他、「分子クロー ン化(研究便覧)、コールドスプリングハーバー研究所、1982年;K.F. ヌーマン他、「核酸研究」第16巻、10366頁、1988年)。逆転写酵素 反応の生成物を、本発明に従って増幅してもよい。 本発明の方法を採用するために、所望の分子の完全なヌクレオチド配列が既知 である必要はない。本発明では、増幅すべき配列に隣接する配列の知識のみが必 要である。従って、増幅すべき対象ポリヌクレオチドは、三つの領域から成ると 考えてもよい。増幅すべき所望の分子の3′末端に相当する第一の領域は、本発 明の単一プライマが交雑する領域、或いは、二本鎖連結アダプタを付加する領域 である。従って、所望の分子に交雑し得る相補的プライマを構成するためには、 この第一の領域の配列を確認する必要がある。 ここでは、二つの核酸分子は、それらの配列が相補的で安定した逆平行二本鎖 核酸構造を形成し得る場合に、互いに交雑可能であると言われる。かかる二本鎖 構造を形成するのに適した核酸交雑の条件は、T.マニアチス他(「分子クロー ン化研究所マニュアル、コールドスプリングハーバー研究所、ニューヨーク州、 コールドスプリングハーバー、1982年)、及びB.D.ハイメス他(「核酸 ハイブリッド形成:実用的研究方法」IRL出版、ワシントンDC、1985年 )等により論究されている。 本発明の目的のためには、各配列は正確な相補性を呈する必要はなく、安定な 二本鎖構造を形成し得るに十分な程度の配列の相補性のみが必要である。従って 、完全な相補性からの乖離は、二本鎖構造を形成するための交雑を完全に阻害し ない限り、許容される。 対象分子の第一の領域の大きさは、プライマ分子を安定的に交雑させ得るよう にする。従って、好ましくは、所望の分子の第一の領域は、10ヌクレオチドの 長さであり、最も好ましくは15乃至50ヌクレオチドの長さである。しかしな がら、それより長い或いは短いプライマも、使用可能である。短いプライマを使 用した場合は、所望の配列の増幅に加えて核酸配列も増幅もする。長いプライマ を使用した場合は、交雑率が低下する。プライマの伸長は、所望の分子がRNA として存在するとき、逆転写酵素により行われる。また、所望の分子がDNAと して存在するときは、かかる伸長は、他のDNAポリメラーゼにより行われる。 第一の領域をプライマのための鋳型として用いない場合は、安定したプライミン グを行うに十分な長さは必要でない。 所望の分子の第二の領域は、第一の領域の5′末端に位置し、所望の分子の中 央部から成る。所望の分子の第二の領域は、配列、長さとも任意である。上述し たように、本発明の方法を実施する上で、この領域の配列が既知である必要はな い。一般的には、第二の領域は、数ヌクレオチド乃至数キロベースの長さを有す る。 所望の分子の第三の領域は、所望の分子の5′末端に位置する。この領域の配 列は、本発明の方法を実施するために既知でなければならない。一般的には、こ の第三の領域は、僅か3ヌクレオチド乃至10−20キロベースの長さを有する 。第三の領域をプライマのための鋳型として用いない場合は、安定したプライミ ングを行うに充分な長さは必要でない。しかしながら、好ましい実施形態では、 第三の領域は、安定した交雑を生じさせるに十分な長さを有しなければならない 。この実施形態では、第三の領域は、15乃至50ヌクレオチドの長さであるこ とが望ましい。しかしながら、それより長い又は短いプライマも使用し得る。 従って、本発明の実施に必要な所望の分子の配列情報量は、一般的には、PC R法の実施に必要な情報量より少ない。 B.単一プライマの性質 最も好ましい実施形態では、本発明は、所望の分子の増幅を達成するために単 一プライマを使用している。この単一プライマも、任意に採用し得る他のプライ マと区別するために、ここでは「増幅プライマ」と呼ぶ。単一プライマ分子は、 所望の分子の第一の領域に安定的に交雑するに適当な長さを有する。従って、1 0乃至50ヌクレオチドのプライマ分子が適当である。最も好ましい実施形態で は、プライマ分子は、3′末端から5′末端にかけて、 (1) 対象ポリヌクレオチドの3′末端に相補的な第一のポリヌクレオチド領 域; (2) 修飾ヌクレオチド(特にメチル化ヌクレオチド又は(α−チオ)フォス フォロチオエイトヌクレオチド)を含む第二のポリヌクレオチド領域であって、 第二のポリヌクレオチド領域が相補的ポリヌクレオチドに交雑すると、修飾ヌク レオチドを含む核酸分子の鎖を実質的に切断ことができない制限エンドヌクレア ーゼにより認識される一つ以上の制限エンドヌクレアーゼを含む二本鎖ポリヌク レオチドが形成される、第二のポリヌクレオチド領域;、 (3) 相補的ポリヌクレオチドに交雑すると、組換え部位(特にロックス部位 ) を含む二本鎖ポリヌクレオチドが形成される、第三のポリヌクレオチド領域 ; を含む。 極めて好適な副実施形態では、単一プライマは、更に、第四のポリヌクレオチ ド領域を含む。増幅プライマ分子の第四のポリヌクレオチド領域は、増幅プライ マ分子の第三のポリヌクレオチド領域の5′末端に位置し、相補的なヌクレオチ ド配列を有する。これにより、増幅プライマ分子の第三及び第四のポリヌクレオ チド領域は、互いに交雑して、完全な或いは(より好ましくは)部分的な組換え 部位を形成する。 プライマ分子を生成するために、種々の方法のうちいずれを用いてもよい。例 えば、制限酵素等の適当な酵素を用いて、当該分子を含むベクタから分子を切断 してもよい。しかしながら、プライマは、最も好ましくは、良く知られた化学的 方法を用いて合成される。 ロックス部位は、本発明の最も好ましい組換え部位であるので、以下、ロック ス組換え部位につき本発明を説明する。しかしながら、上述した組換え部位のう ちいずれを代わりに使用してもよいことは、理解されよう。 C.本発明のアダプタ分子 上述した単一プライマは、好ましくは、環状二本鎖DNA分子の一部として構 成された対象ポリヌクレオチドと共に用いられる。前記環状二本鎖DNA分子は 、 (a)ロックス部位; (b)対象ポリヌクレオチド領域; (c)対象ポリヌクレオチド領域とロックス部位との間に位置するヘミ修飾制限 部位 であって、該ヘミ修飾制限部位の一方の鎖が修飾ヌクレオチド(特にメチル化ヌ クレオチド及び(α−チオ)フォスフォロチオエイトヌクレオチド)を含み、そ れにより、かかる制限部位を認識する制限エンドヌクレアーゼは、修飾ヌクレオ チドを含む鎖を切断することはできないが、修飾塩基を欠く鎖は切断することが できる(或いはその逆)ヘミ修飾制限部位; を含む。 かかる二本鎖環状分子は、種々の方法のいずれでも得ることができる(図11 及び図12参照)。一実施形態では、(a)ロックス部位、(b)対象制限エンド ヌクレアーゼ切断部位、(c)対象制限エンドヌクレアーゼ切断部位とロックス 部位の間に位置するヘミ修飾制限部位、を含む環状二本鎖DNA前駆体分子が、 採用される。対象ポリヌクレオチドは、所望の二本鎖環状分子を形成するために 、(例えば、対象制限部位の切断と連結を介して)環状前駆体分子中に導入され る。かかる環状前駆体分子を使用した場合、分子のロックス部位は、単一プライ マの配向とは逆に(3'→5')配向しなければならない(これにより、修飾された ヌクレオチドを欠く所望の環状分子の鎖がヘミ修飾制限部位における切断により 直鎖状化されて単一プライマに交雑されると、直鎖状化された分子のプライマ伸 長により、各末端に互いに対して直接配向されたロックス部位を有する直鎖状二 本鎖分子が生成される(図11参照)。 別の実施形態では、かかる二本鎖環状分子は、直鎖状二本鎖DNA分子のクレ 媒介性の組換えを介して得ることができる。該直鎖状二本鎖DNA分子は、(a )直鎖状分子の第一の末端に位置する第一のロックス部位、(b)直鎖状分子の 第二の末端に位置する第二のロックス部位であって、クレが直鎖状二本鎖分子の 環状化を媒介して二本鎖環状分子を形成し得るように第一及び第二のロックス部 位を互いに対して直接配向させた、第二のロックス部位、(c)第一及び第二の ロックス部位の内側に位置する対象ポリヌクレオチド領域、及び(d)対象ポリ ヌクレオチド部位とロックス部位の一方との間に位置するヘミ修飾制限部位であ って、直鎖状分子のそれぞれのヘミ修飾制限部位の一方の鎖が修飾ヌクレオチド (特に、メチル化ヌクレオチド及び(α−チオ)フォスフォロチオエイトヌクレ オチド)を含み、かかる制限部位を認識する制限エンドヌクレアーゼが修飾ヌク レオチドを含む当該鎖を切断することができないヘミ修飾制限部位、を備えてい る(図12参照)。 副実施形態において、かかる直鎖状分子は、対象ポリヌクレオチドを前駆体二 本鎖直鎖状核酸分子の対象制限エンドヌクレアーゼ部位内に挿入することにより 得てもよい。該前駆体二本鎖直鎖状核酸分子は、(a)直鎖状分子の第一の末端 に位置する第一のロックス部位、(b)直鎖状分子の第二の末端に位置する第二 のロックス部位であって、クレが直鎖状二本鎖分子の環状化を媒介して二本鎖環 状分子を形成し得るように第一及び第二のロックス部位を互いに対して直接配向 させた、第二のロックス部位、(c)対象制限エンドヌクレアーゼ切断部位、及 び(d)対象制限部位とロックス部位の一方との間に位置するヘミ修飾制限部位 、とを備えている。 別の実施形態では、かかる直鎖状分子は、1 つ以上の特別な「アダプタ分子」 を用いることにより得てもよい。かかるアダプタ分子は、ロックス部位及びヘミ 修飾制限部位を対象分子上に取り付けるために、対象分子の3′及び5′末端を 変化させる。 かかるアダプタ分子は、一部一本鎖で一部二本鎖の核酸分子でも、或いは、完 全に一本鎖叉は完全に二本鎖の分子でもよい。従って、一実施形態において、5 ′末端の適合は、所望の適合を含むように構成された5′末端を有するプライマ 分子を採用することにより達成される。第二の実施形態では、プライマ伸長生成 物の5′末端は、5′アダプタ分子を用いて(例えば連結を介して)変更される 。プライマ伸長生成物の3′末端の変更については、かかる変更は、単一のアダ プタ分子を用いて、或いは別の実施形態では、同様の構造を有する一対のアダプ タ分子を用いて(その結果、3′アダプタ分子の一方により修飾されたものと他 方の3′アダプタ分子により修飾されたものから成るプライマ伸長生成物の混合 物が生じる)、行うことができる。かくして、例えば、所望の配列を含む直鎖状 二本鎖核酸分子は、直鎖状分子の両末端の適合を生じさせるように、リガーゼ及 び二本鎖核酸アダプタ分子の存在下で定温放置してもよい。また、かかる適合は 、プライマ及びポリメラーゼ媒介性のプライマ伸長反応を用いて、行ってもよい 。第三の代替例では、連結(所望の配列を含む直鎖状核酸分子の一方の末端に適 合させる)及びプライマ伸長(直鎖状分子の他方の末端に適合させる)の組み合 わせを採用してもよい。 アダプタ分子により、直鎖状分子は、等温条件下で容易に増幅し得る一本鎖又 は二本鎖環状核酸分子を形成することができる。 1) 5′末端の例示的アダプタ分子 組換え部位最も好ましくはロックス部位を含むようにプライマ分子の5′末端 又はプライマ伸長生成物を修飾するために、種々のアダプタ分子のいずれを用い てもよい。 5′末端のアダプタ分子は、プライマ分子に、その鋳型依存性伸長の前後に、 加えることができる。最も好適な実施形態では、5′アダプタ分子を含むように 修飾されたプライマ分子が採用される。かくして、本実施形態では、5′末端に (組換え部位を含む)別の領域を含むようにプライマを合成してもよい。ロック スのように方向性を示す組換え部位を用いる場合、必要に応じて、プライマを一 部は一方の配向のロックス部位と合成し、一部は逆の配向のロックス部位と合成 してもよい。また、全て単一の配向の組換え部位を有する5′アダプタプライマ 分子を、適当な配向の組換え部位を含む3′アダプタ分子と共に、使用してもよ い。 しかしながら、また、組換え部位を含む一本鎖又はより好ましくは二本鎖 DNAを使用し、リガーゼの作用を通じて、5′末端を修飾することもできる。 一実施形態において、かかる連結基質は、一つ以上のかかる連結基質分子のプラ イマ伸長分子への連結を妨げる5′末端(5′水酸基等)を有する。また、アダ プタ分子は、鎖内交雑(即ち「ヘヤピン」ループ)を呈する一本鎖分子でもよい 。上述した適合プライマ分子の場合のように、方向性を有する組換え部位を使用 すると、一般に、組換え部位に対して逆の配向を有する二つのヘヤピンループ種 を用いる必要がある。また、一本鎖5′アダプタの上述した特性を有する二本鎖 分子を、サンプルの直鎖状二本鎖分子の一方の末端に連結してもよい。必要に応 じて、組換え部位の3′又は5′末端に、別の配列を加えてもよい。適当な5′ アダプタ分子の例を図1に示す。 2) 3′末端の例示的アダプタ分子 プライマ伸長分子の3′末端を変更するために、様々なアダプタ分子のいずれ かを用いることができる。使用すべきアダプタ分子の型は、一本鎖又は二本鎖の 分子のいずれの形成が好ましいかによって選択される。適当な3′アダプタ分子 の例を図2A及び図2Bに示す。 a)一本鎖環状分子の形成のためのアダプタ分子:一部一本鎖で一部二本鎖の3 ′アダプタ分子の使用 一実施形態において、一本鎖環状分子形成の準備行為としてプライマ伸長生成 物の3′末端を変更するために、一部一本鎖で一部二本鎖の核酸アダプタ分子が 採用されている。かかる分子の特徴は、所定の配列を有する3′突出領域を備え ていることである。この突出配列の配列は、該領域の3′の大部分が所望の分子 の第三の領域の配列と同じ配列を有するように、選択される。第一の好適な副実 施形態において、この突出末端は、ジデオキシヌクレオチド等を使用して或いは 介在させて、鋳型依存性プロセスにおいてポリメラーゼにより伸長され得ないよ うに、遮断される。 3′の突出配列を含むアダプタ分子の鎖は、反応へのRNAseの添加により 或いはアルカリ処理により容易に分解され得るように、RNAから構成してもよ い。RNAオリゴヌクレオチドの形成方法は、L.シャーミーン他(「核酸研究 」第15巻、6705−6711頁、1987年)、及びJ.F.ミリガン他 (「核酸研究」第15巻、8783−8798頁、1987年)により、開示さ れている。他の実施形態では、この突出配列を含むアダプタ分子の鎖は、抗ビオ チン抗体、アビジン、ストレプトアビジン等の薬剤の添加により鎖を反応から容 易に除去できるようにビオチニル化された核酸から構成される。 アダプタ分子の第二の特徴は、上述した突出3′末端に対して5′に位置する 二本鎖領域の存在である。 一実施形態において、本発明は、好ましくはスペーサ配列により分離された一 対の逆方向反復塩基配列から成る二本鎖を有する単一のかかる3′末端アダプタ 分子を採用している。本発明のこの態様は、図2A(図面A)に示されており、 符号X及びX′は、逆方向反復塩基配列を構成する相補的配列を示すために使用 されている。スペーサ配列は、好ましくは、3乃至100ヌクレオチドの長さで ある。スペーサの長さは、逆方向反復塩基配列が互いに立体的に交雑し得るよう に、選定される。従って、逆方向反復塩基配列が十分な長さを有するときは、ス ペーサ配列が無い場合でも各配列は互いに交雑し得る。しかしながら、好適な実 施形態において、スペーサ配列は、10乃至50ヌクレオチドの長さを有し、好 ましくは逆方向反復塩基配列ではない。本実施形態において、スペーサ配列は、 所望の配列を増幅するためのプライマ結合部位(各図において「PBS」として 示されている)として機能するように構成されている。 別の好適な実施形態において、本発明は、二つの異なる3′端末アダプタ分子 を採用している。これらのアダプタ分子のそれぞれにおいて、スペーサ配列は、 一対の内部逆方向反復塩基配列を隣接並置する一対の外部逆方向反復塩基配列を アダプタ分子の構造が提供するように、第二の対の逆方向反復塩基配列から構成 されている。好適な実施形態において、前記一対の内部逆方向反復塩基配列の配 列は、好ましくは10乃至50塩基の長さであり好ましくは逆方向反復塩基配列 でないプライマ結合部位により、遮断される。本発明の態様は、図2A(図面B )及び図2B(図面D)に示されている。符号「PBS」は、任意のプライマ結 合部位の相対位置を示すために使用され、符号Y及びY′又はQ及びQ′は任意 の内部逆方向反復塩基配列を構成する相補的配列を示すために使用され、符号X 及びX′は、外部逆方向反復塩基配列を構成する相補的配列を示すために使用 される。本発明の最も好適な副実施形態において、外部と内部の反復塩基配列の 配列は異なる。二つのアダプタ分子の配列は、二つのアダプタ分子のうちの第一 のものの外部逆方向反復塩基配列のヌクレオチド配列が二つのアダプタ分子の第 二のものの外部逆方向反復塩基配列とは異なるように、選定される。第一及び第 二のアダプタ分子の外部逆方向反復塩基配列は、実質的に互いに交雑し得ない( 即ち、第一のアダプタ分子の外部反復塩基配列は第二のアダプタ分子の外部逆方 向反復塩基配列に交雑することができない)ように、選定される。二つのアダプ タ分子の内部逆方向反復塩基配列のヌクレオチド配列は、好ましくは同じであり 、少なくともアダプタ分子のそれぞれの内部反復配列を互いに交雑させ得る程度 に類似している。内部反復塩基配列がプライマ結合部位により遮断される場合は 、かかる配列は異なるが、同じであることが望ましい。 ここでは、二つの配列は、互いに相補的であるとき、互いの「逆方向反復」で あると言われる。同様に、「逆方向反復塩基配列」は、互いに相補的な二つのオ リゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド配列(「アームス」)から成る。かくし て、アダプタ分子の特徴は、アダプタ分子の二本鎖領域の二本の鎖の逆方向反復 塩基配列はアダプタ分子内では互いに交雑されるが、アダプタ分子を一本鎖形状 に変性又は変換した場合は、鎖内交雑(即ち、「スナッピングバック」してヘヤ ピンループ構造を形成する)を行うことができる、ことである。逆方向反復塩基 配列の長さは、アダプタ分子を一本鎖形状に変性又は変換した場合に、鎖内交雑 が可能になるように、選定される。従って、逆方向反復塩基配列は、好ましくは 、10ヌクレオチドより長く、最も好ましくは、15乃至50ヌクレオチド以上 の長さである。しかしながら、より長い或いは短い逆方向反復塩基配列を使用し てもよい。より短い逆方向反復塩基配列を使用すると、ヘヤピン形成速度が遅く なる。より長い配列を使用すると、鎖内交雑の不安定化につながり、かかる交雑 が望まれる場合には、好ましくない。 本発明の特定の実施形態で使用すべき条件を決定する際には、自身に作用し得 ないプライマを選定することが望ましい。干渉反応が生じる可能性を最小限にす るために、増幅プロセスでの使用に先立ち、この課題に取り組んだ反応系内で、 候補のプライマを試験すべきである。一例として、対象分子が無いときにポリメ ラーゼにより候補プライマの3′末端へ付加されるヌクレオチドを測定すること が挙げられる。 上述したアダプタ分子は、種々の方法のいずれかを用いて、合成することがで きる。例えば、アダプタ分子の「逆方向反復塩基配列−逆方向反復塩基配列」、 「逆方向反復塩基配列−スペーサ配列−逆方向反復塩基配列」、又は「外部逆方 向反復塩基配列−内部逆方向反復塩基配列−内部逆方向反復塩基配列−外部逆方 向反復塩基配列」セグメントは、かかる配列をクローン化し、ベクタを増殖させ 、制限エンドヌクレアーゼを用いて配列を切断することにより、得られる。突出 3′末端は、デオキシヌクレオチド末端基転移酵素及び適当なヌクレオチド三リ ン酸塩を用いて、形成することができる。かかる方法を実施する場合、アダプタ 分子の第二の鎖の3′末端を遮断することが望ましい。また、突出3′末端は、 一本鎖又は二本鎖分子をアダプタ分子の「逆方向反復−逆方向反復」(或いは上 述した変形のいずれかの)セグメントに連結した後、「突出3′配列」に相補的 な配列を除去して当該配列を実際に突出せしめることにより、付加することがで きる。 好適な実施形態において、アダプタ分子の鎖は、(好ましくは、適当なプライ マと鋳型を用いたプライマ伸長法により、或いはクローン増殖により、或いは転 写により、或いは合成手段により、或いはこれらの方法の任意の組み合わせによ り)別個に準備され、各分子を互いに交雑させるに十分な条件下で混合する。こ の方法は、突出3′末端を含む鎖がRNAであるか又はビオチニル化されている 実施形態に、特に適合する。当業者は、アダプタ分子を形成するための代替法を 容易に理解しよう。 b)一本鎖環状分子の形成のためのアダプタ分子:一本鎖3′アダプタ分子の使 用 第二の及び好適な副実施形態において、一本鎖環状分子の形成におけるアダプ タ分子は、(好ましくはビオチニル化された)一本鎖DNA又はRNA分子であ る。かかる分子は、論究した突出3′末端を含む前記一部一本鎖で一部二本鎖の アダプタ分子の当該鎖の構造と同一の配列及び構造を有する。最も好適な実施形 態において、分子の3′末端は、ポリメラーゼにより伸長され得ないように、遮 断される。 3) 二本鎖環状分子の形成のためのアダプタ分子 上述した3′アダプタ分子は、一本鎖環状分子を形成し得るように構成される 。二本鎖環状分子を形成するために、好ましくは、異なる型の3′アダプタ分子 を採用する。 発明のこの実施形態において、プライマ伸長生成物の3′末端は、組換え部位 を含むように修飾される。ロックス等の部位を採用した場合、該部位の配向は、 適合時に二つのロックス部位が直接反復配向に在るようにしなければならない。 かかる目的のために、一部一本鎖で一部二本鎖のアダプタ分子又は一本鎖分子が 採用される。一部一本鎖で一部二本鎖のアダプタ分子は、上述した態様でプライ マ伸長生成物に交雑可能で且つ鋳型依存的に伸長可能な突出3′末端を有する。 突出3′末端に対して5′に位置する分子の二本鎖領域は、組換え部位を構成す る。最も好ましくは、該二本鎖領域は、鎖内交雑に関与可能な配列により隣接さ れて実質的に鎖内交雑に関与不能な領域を含む。最も好ましくは、かかる不能は 、同一で且つ上述したプライマ結合配列の特性を有する配列の使用により、得ら れる。かかる分子は、図2B(図面C)に示されている。一本鎖3′末端アダプ タ分子を採用した場合、分子は、好ましくは、突出3′末端を有する前記一部一 本鎖で一部二本鎖のアダプタ分子の鎖と同じ構造と配列を含む。また、一本鎖3 ′アダプタの上述した特性を有する二本鎖分子を、サンプルの直鎖状二本鎖分子 の一方の末端に連結してもよい。 D. 増幅基質 本発明は、所望の分子の増幅を達成するために、増幅基質分子を採用している 。 種々の増幅基質のうちいずれを採用してもよい。一実施形態において、かかる 基質は、プライマ伸長生成物(即ち、5′組換え部位を含むか又は欠く5′アダ プタプライマ分子)或いは3′末端アダプタ分子の任意のプライマ結合部位の配 列に相補的な配列を形成するために使用されるプライマ分子である。最も好まし くは、基質は、(組換え部位を有する)5′アダプタ分子を含むプライマである 。上述した単一プライマは、最も好適な増幅基質である。 III.本発明の例示的増幅方法 A.プライマ伸長法 1.方法の第一のステップ 本発明の増幅方法の一実施形態の第一のステップにおいて、サンプルの核酸分 子を、DNAポリメラーゼ、及び必要なヌクレオチド三リン酸塩及び補因子の存 在下で、上述した単一プライマ分子と共に定温放置する。分子は、プライマがそ の対象配列に交雑し且つ伸長されてプライマ伸長生成物を形成し得るに十分な条 件下で、定温放置される。かくして、所望の配列が二本鎖DNA又はRNA分子 である場合、各鎖は熱変性その他の手段で分離される。所望の配列が一本鎖DN A又はRNA分子である場合、変性ステップは省略してもよい。 本発明の一副実施形態において、例えば、所望の分子の濃度が低いと予想され るとき等、プライマ伸長法の反復循環を可能とするように、周期的に分子を変性 したり復元したりすることができる。この実施形態では、新たにポリメラーゼを 追加する出費を回避できるように、タックポリメラーゼ等の熱安定ポリメラーゼ が好ましい。 最も好ましくは、伸長された単一プライマの平均長さが所望の分子の第一の領 域の始点を第三の領域の終点から分離する長さであるように、プライマ伸長条件 を制御する。かかる条件の制御は、DNAポリメラーゼの濃度、重合反応時間を 変えることにより、或いは、プライマ伸長生成物が所望の平均長さに達するとプ ライマ伸長生成物の「スタッタリング」が生じるようにヌクレオチド三リン酸塩 の濃度を規制することにより、行うことができる。 単一プライマ伸長が終了した後、二本鎖核酸分子を変性させてかかる分子を一 本鎖にするように、好ましくは熱又は(対象分子がRNAである場合は)RNA seにより、反応を処理する。必要に応じて、余分なプライマを(濾過、吸着等 により)サンプルから除去し得るが、かかる行為は本発明に必須ではない。 2.方法の第二のステップ:プライマ伸長生成物の3′末端の適合 本方法のこの実施形態の第二のステップは、プライマ伸長生成物が環状分子に 変換され得るようにプライマ伸長生成物の適合を含む。3′末端の適合は、選定 されたアダプタ分子に応じて、5′末端の適合に先行するか或いは後に続く。各 末端の適合は、また、同時に行われてもよい。上述したように、5′末端の適合 は、修飾プライマを用いて行ってもよく、従って、プライマ伸長ステップに先だ ち行ってもよい。 a) 別のプライマ伸長法 一部一本鎖で一部二本鎖の3′アダプタ分子か又は一本鎖3′アダプタ分子を 採用した第一の及び好適な副実施形態において、プライマ伸長生成物の3′末端 の適合は、プライマ伸長生成物の別の鋳型依存性伸長法を介して行われる(図3 A、線A,B,C)。最も好ましくは、本実施形態で用いるアダプタ分子は、遮 断された3′末端を含む。 本実施形態において、一本鎖にされたプライマ伸長生成物は、アダプタ分子に 交雑することができる。上述したように、各分子は、プライマ伸長生成物をアダ プタ分子に交雑させるに十分な相同性領域を有する。 採用したアダプタ分子の型に拘わらず、プライマ伸長生成物を更に伸長すると 、一部二本鎖で一部一本鎖の分子が形成される。該分子の特徴は、プライマ伸長 生成物の配列から成る配列を有する突出5′末端を備えることに在る。アダプタ 分子が一部二本鎖である場合には、プライマ伸長生成物を更に伸長すると、当初 は鋳型に相補的であった鎖の置換又は破壊が生じる。 b) 連結 例えば本発明の一部一本鎖で一部二本鎖の3′アダプタ分子を採用した場合に 用いられる第二の副実施形態において、プライマ伸長生成物の3′末端の適合は 、プライマ伸長分子を3′アダプタ分子に連結することにより行われる(図3B 、線D)。アダプタ分子の突出3′末端の配列とプライマ伸長分子の5′末端と の相補性の故に、二つの分子は、互いに交雑することができる。プライマ伸長反 応は所望の分子の第三の領域の末端に対応する長さで平均伸長生成物が終端する ように制御されているので、平均プライマ伸長生成物は、アダプタ分子に交雑可 能な5′末端を有する。 本発明の別の実施形態において、例えば所望の分子の濃度が高いと予期される 場合等は、サンプルの分子を変性する必要はなく、直接二本鎖分子に切断した 後、所望の3′及び5′適合を含む二本鎖分子を生成するように、組換え部位及 びここに記載した他のアダプタ特性を含む二本鎖又は「ヘヤピン」形アダプタと 共に定温放置する。 アダプタ分子がDNAである場合、各鎖の連結を行うために、任意のDNAリ ガーゼを用いることができる。なお、アダプタ分子の凹んだ5′末端をプライマ 伸長部の3′末端に当接させるに必要な正確な長さより長い或いは短いプライマ 伸長生成物は、本発明の方法では増幅されない、ことに留意されたい。該生成物 は、反応から除去する必要はなく、その後の所望の増幅と干渉することもない。 アダプタ分子がDNA/RNAハイブリッド(突出3′末端を有する鎖はRNA )であるときは、DNA鎖を連結するためにT4リガーゼを採用する(I.R. レーマン、「サイエンス」第186巻、790−797頁、1974年;B.M .オリバーズ他、「分子生物学ジャーナル」第26巻、261頁、1968年; K.クレッペ他、「米国科学アカデミー会報」第67巻、68頁、1970年; G.C.ファリード他、「生物化学ジャーナル」第246巻、925頁、197 1年;V.スガラメラ他、「米国科学アカデミー会報」第67巻、1468頁、 1970年)。 プライマ分子は、また、上述した如く、それらの5′末端に組換え部位を含む ように修飾されている。かかる修飾は、本方法の第一又は第二のステップのプラ イマ伸長に先立ち或いはその後で行ってもよい。一本鎖分子を用いた連結により 修飾を行う場合、プロセスの第三のステップに先立ち修飾を行う。二本鎖分子を 用いた連結により修飾を行う場合は、プライマ伸長生成物の5′末端を二本鎖に した後、修飾を行う。 3.実施形態の第三のステップ:プライマ伸長生成物の5′末端の適合 二本鎖形態にあるときは組換え部位を含むDNA配列を有するように上述した プライマの5′末端が最初に修飾されていない場合、かかる配列又は部位は、上 述した3′アダプタ分子による修飾後に生成された分子に付加される。 a) 3′アダプタ分子が組換え部位を含む方法 3′アダプタ分子が組換え部位を含む副実施形態においては、当該部位の配向 がプライマ又はプライマ伸長生成物の5′末端に適合すべき又は適合された組換 え部位の配向と同じである、ことが重要である。 図4A、4B,4C、及び4Dに示した本発明の方法の本実施形態では、一本 鎖アダプタ分子(3′末端アダプタ分子を用いた場合)或いは突出3′末端を有 する上述した一部一本鎖で一部二本鎖のアダプタ分子の鎖(3′末端アダプタ分 子を用いた場合)は、除去されず、DNAポリメラーゼにより伸長されて組換え 部位を含む二本鎖直鎖状DNA分子を形成する(ロックス部位の場合は、直接配 向)。好ましくは、アダプタ分子内のプライマ結合部位を用いて、組換え部位間 に位置する一本鎖領域の「バブル」を形成する。 組換え部位に対するリコンビナーゼの作用により、二本鎖環状分子が生成され る。分子が上述したプライマ結合部位を含む場合は、かかる部位により、環状分 子の複製を開始するために使用し得る一本鎖領域が形成される。 一実施形態において、かかる複製は、シータ・レプリコンとなる。好適な実施 形態において、二本鎖環は、一方の鎖内で「ニック」されて「ローリングサーク ル」を形成する。 b) 3′アダプタ分子が逆方向反復塩基配列を含む方法 3′アダプタ分子が逆方向反復塩基配列を含む副実施形態において(図5)、 「突出3′末端」を含んだアダプタ分子の鎖は、プライマ伸長鎖から分離される 。かかる分離を行うために、従来技術で公知の任意の手段を用いることができる 。任意に且つ好ましくは、「突出3′末端」を含んだアダプタ分子の鎖は、サン プルから除去される。より好適でない実施形態において、「突出3′末端」を含 んだアダプタ分子の鎖は、ビオチンで標識される。本実施形態では、二本鎖分子 を変性するためにサンプルを加熱し、ビオチン結合剤(例えば、ストレプトアビ ジン)で処理することにより、プライマ伸長生成物からビオチニル化分子を分離 又は除去する。 最も好適な副実施形態において、「突出3′末端」を含んだアダプタ分子の鎖 は、RNAであり、RNA/DNAハイブリッドのRNA鎖を選択的に分解する RNAseの酵素作用によりプライマ伸長生成物から分離又は除去される。 次に、必要に応じて、DNA重合を生じさせるように、反応条件を調節する。 適合分子の3′末端の鋳型依存性伸長を生じさせるように、必要に応じて、ヌク レオチド三リン酸塩と共にDNAポリメラーゼを反応に添加する。 アダプタ分子は逆方向反復塩基配列を含むので、かかる重合の結果、ヘヤピン ループ構造が形成される。本発明の好適な態様において、伸長生成物の5′末端 の適合は、二本鎖組換え部位を反応に加えてかかる部位をヘヤピンループに連結 せしめることによりかかるヘヤピンループ構造を形成した後に、行われる。この 適合の態様は、平均してかかる分子の半数が一方の配向の組換え部位を含み分子 の半数が逆の配向の組換え部位を含んでかかる分子の連結が任意の配向で生じる ので、好ましい。逆の配向(即ち直接反復)を有する二つの適合ヘヤピンループ 分子の組換え部位に対するリコンビナーゼの作用により、一本鎖環状分子が形成 される。分子が上述したプライマ結合部位を含む場合、かかる部位は、環の複製 を後述する双起点「ローリングサークル」型レプリコンで開始するために使用さ れる領域を構成する。 c) 3′アダプタ分子が一対の並置逆方向反復塩基配列を含む方法 3′アダプタ分子が一対の並置逆方向反復塩基配列(図6)を含む副実施形態 において、「突出3′末端」を含んだアダプタ分子の鎖は、上述した態様でプラ イマ伸長鎖から分離されている。 次に、必要に応じてDNA交雑を生じさせるように、反応条件を調整する。プ ライマ伸長生成物の無作為交雑により、異なる外部逆方向反復塩基配列を有する 二本鎖分子(即ち、X/X′及びQ/Q′として図示された異なる外部逆方向反 復塩基配列を有する異なる3′アダプタ分子から形成される)が、形成される。 これらの分子の鎖は、それぞれの内部逆方向反復塩基配列間の交雑により、互い に再結合する。二本の鎖の外部逆方向反復塩基配列は互いに相補的ではないので 、互いに交雑することはない。従って、各鎖の外部反復塩基配列は、鎖内交雑に 関与することができる。 かかる交雑を可能とした後、必要に応じて、適合された分子の3′末端の鋳型 依存性伸長を生じさせるように、ヌクレオチド三リン酸塩等と共にDNAポリメ ラーゼを反応に添加する。これらの分子に対してDNAポリメラーゼが作用する 結果、各分子の内部逆方向反復塩基配列間の交雑により互いに再結合される二つ のヘヤピンループを有することを特徴とする「ボータイ」分子が、形成される。 次に、好ましくは、二本鎖組換え部位を反応に供してかかる部位を上述した態 様でヘヤピンの末端に連結させることにより、これらの分子の末端を結合する。 全ボータイ分子の略半数が、直接反復の組換え部位を含む。逆の配向(即ち、直 接反復)を有する二つの適合されたヘヤピンループの組換え部位に対するリコン ビナーゼの作用により、一本鎖環状分子が形成される。分子が上述したプライマ 結合部位を含む場合、かかる部位は、環の複製を後述する双起点「ローリングサ ークル」型レプリコンで開始するために使用される領域を構成する。 4.実施形態の第四のステップ:増幅 上述したステップは組換え部位(例えばロックスP)を含む分子を生成するの で、リコンビナーゼ(好ましくはクレ)を添加することにより、分子の組換え部 位での二本鎖交換を触媒する。 同じ配向の組換え部位を有する「ボータイ」分子の場合、リコンビナーゼの組 換え作用が、直鎖状分子を一本鎖環状分子に変換する(図7)。同様に、同じ配 向の組換え部位を有する二つのヘヤピンループを再結合して一本鎖環状分子を形 成することができる(図7)。これらの環状分子は、所望の配列の各鎖の二つの コピーと、(任意に上述した内部逆方向反復塩基配列を含む)スペーサ領域の四 つのコピーと、前記二つの外部逆方向反復塩基配列のそれぞれの二つのコピーと 、単一の組換え部位とを有することを特徴とする(図7)。 最初に採用されたプライマ配列が除去又は破壊されない場合には、これらの配 列は、環状分子の交雑鎖を置換する。かかる置換は、必要に応じて分子を熱変性 することにより容易になる。所望の配列を増幅するために、かかる配列を使用し てもよい。 また、任意のプライマ結合部位に相補的なプライマを供給することにより、増 幅を行ってもよい。環状分子はプライマ結合部位に相補的な配列を含まないので 、かかるプライマ分子は容易に該部位に接近することができ、熱変性を行うこと なく増幅を開始することができる。 一本鎖環状分子の場合、プライマは分子上の二つの部位で再結合することがで きるので、プライマ伸長により、双起点「ローリングサークル」レプリコン(即 ち、図8Aに示すような二つの伸長鎖を有するローリングサークルレプリコン) が形成される。 上述した方法のステップにより生成された二本鎖環状分子の場合、好ましくは 二つの方法のいずれかで増幅を行うことができる。トポイソメラーゼ又はジャイ レースの添加が望ましい一実施形態では、二本鎖分子が複製されてシータレプリ コンを形成する(図8B)。より好ましくは、二本鎖分子の一方の鎖をニックし 、プライマ伸長により、ニックされた鎖の置換とローリングサークルレプリコン の形成を行う。かかるニックは、放射線により、化学的付加物(臭化エチジウム 等)により、エンドヌクレアーゼにより、或いはその他の手段により、形成する ことができる。かかるニックを形成するための好適な方法は、少なくとも一つの 修飾ヌクレオチド(例えば、5′−[チオ]三リン酸塩(ファーマシア)又はメ チル化ヌクレオチド)を制限部位(好ましくは3′アダプタ分子内に存在する) の一方の鎖内に取り込むことである。関連した制限エンドヌクレアーゼにより当 該部位で切断することにより、一本鎖ニックが形成される(G.T.ウォーカー 他、「米国科学アカデミー会報」第89巻、392−396頁、1992年)。 上述したレプリコンのうちいずれかの各鎖が伸長されると、別のプライマ伸長の ための別の鋳型結合部位が構成される。従って、増幅の反応速度は、ウイルスの バースト反応速度と類似しているが、それより速い。 逆方向反復塩基配列及び組換え部位の存在により、別のヘヤピンループ構造を 形成することができる。反応はクレを含むので、かかる別のヘヤピンループ構造 間の組換えを媒介して別の環状構造を形成し、反応内の増幅フォーカス数を増加 させる。 この増幅反応で使用される酵素は全て、同じ反応条件下で活性のものでよい。 実際は、全ての酵素が略最適反応条件にある緩衝液が存在する。従って、本発明 の増幅プロセスは、反応体の交換等の条件変更を要することなく、単一の反応容 量内で行うことができる。かくして、このプロセスは分子レベルで幾つかのステ ップを含むが、機能的には単一のステップから構成してもよい。ひとたび反応体 を混合すれば、増幅反応が一つ以上の成分を使い切るまで、何かを添加したり、 例えば温度等の条件を変更したりする必要はない。この間に、増幅される核酸配 列は、何倍も増加する。 B.連結伸長法 別の実施形態において、サンプルの核酸は、(酵素作用を介して、或いは剪断 、音波処理等の物理的手段により)直鎖状二本鎖ポリヌクレオチドに切断される 。ポリヌクレオチドの末端は、(必要に応じて)前駆体直鎖状二本鎖分子又は前 駆体環状分子の対象制限エンドヌクレアーゼ切断部位内に、ポリヌクレオチドを (最も好ましくは連結を介して)挿入し得るように、適合させる。かかる方法の 好適な実施形態において、リガーゼは、熱的に安定ではなく不安定であるので、 最初の連結反応後にリガーゼは、実質的に不活性化され得る。 1.所望の環状分子の形成 a) 前駆体直鎖状分子方法 本発明のこの副実施形態において、対象ポリヌクレオチドは、(好ましくは制 限部位での連結を介して)上述した直鎖状前駆体分子内に挿入される。かかる挿 入により、二本鎖DNA分子が形成される。該二本鎖DNA分子は、(a)直鎖 状分子の第一の末端に位置する第一のロックス部位、(b)直鎖状分子の第二の 末端に位置する第二のロックス部位であって、前記第一及び第二のロックス部位 は、クレが直鎖状二本鎖分子の環状化を媒介して二本鎖環状分子を形成し得るよ うに互いに対して直接配向された第二のロックス部位、(c)第一及び第二のロ ックス部位の内側に位置する対象ポリヌクレオチド領域、及び(d)対象ポリヌ クレオチド領域とロックス部位の一方との間に位置するヘミ修飾制限部位であっ て、直鎖状分子のそれぞれのヘミ修飾制限部位の一方の鎖が修飾ヌクレオチド( 特に、メチル化ヌクレオチド及び(α−チオ)フォスフォロチオエイトヌクレオ チド)を含むことにより、かかる制限部位を認識する制限エンドヌクレアーゼが 修飾ヌクレオチドを含む当該鎖を切断し得ないようにしたヘミ修飾制限部位、を 備えている。本発明によれば、かかる分子は、次に、分子の環状化を可能とする に十分な条件下でクレと共に定温放置される。 b.前駆体環状分子方法 この副実施形態は、分子が最初に環状化しているので初期環状化のステップを 不要にした点を除き、上述した前駆体直鎖状分子方法と同様である。 かくして、この副実施形態では、上述した環状前駆体分子の対象制限部位内 に、対象ポリヌクレオチドを(連結を介して)導入する。その結果生じる環状分 子は、(a)ロックス部位、(b)対象ポリヌクレオチド、及び(c)対象制限 エンドヌクレアーゼ切断部位とロックス部位との間に位置するヘミ修飾制限部位 、とを備える。 2.環状分子の増幅 次に、ヘミ修飾部位を認識して3′ヒドロキシル末端を有する一本鎖ニック即 ちギャップを生じさせる制限エンドヌクレアーゼと共に、この環状分子を定温放 置する。 反応に対し、(予め存在していない場合は)ポリメラーゼ及びヌクレオチドを 加える。ポリメラーゼは、かかる条件下で、生成された3′末端の伸長とその結 果生じる切断鎖5′末端鎖置換とを媒介する。かかるプライマ伸長はヘミ修飾制 限部位を再生するが、該部位は次に切断されて新しい伸長可能な3′末端を生成 する。かかるプライマ伸長、鎖置換及びニッキング反応の最終的な効果は、その 5′末端(又はその近傍)に位置するロックス部位と、単一プライマに相補的な 領域をその3′末端に有する直鎖状一本鎖分子の置換である。 (予め反応内に存在していない場合)単一プライマを添加する。単一プライマ (及びポリメラーゼ及びヌクレオチド)の存在により、直鎖状分子及び単一プラ イマは互いに対して鋳型として機能し、最初に形成された二本鎖DNA分子を再 生する。 なお、望ましくないポリヌクレオチドの複合混合物内に当該分子が最初に存在 していたとしても、特定の対象ポリヌクレオチドの増幅を媒介するために前記反 応が単一プライマを使用している、ことに留意されたい。 C.増幅分子の分離又は精製 本発明は、特定の目的を達成するために、分子生物学の従来技術における他の プロセスと組み合わせてもよい。特に重要なのは、対象配列を核酸サンプル内の 他の配列から精製することである。これは、最も好ましくは、対象に相補的で固 形支持体上に固定されたオリゴヌクレオチドに核酸サンプルをアニーリングする ことにより、達成することができる。好適な支持体としては、ミクロビード、特 に磁気ミクロビードが挙げられる。結合後、非対象配列を洗い流して完全な又は 部分的な精製を行うことができる。 増幅を行った後、生じた増幅生成物を検出するようにしてもよい。従来技術で 公知の多数の技術を、無理な実験を要することなく、この目的に適合させること ができる。一定の状況で特に有利なのは、対象配列により決定されるRNA配列 に相補的で磁気ミクロビード等の固形支持体に結合されるDNAオリゴヌクレオ チドによるRNAn増幅生成物の捕獲である。このオリゴヌクレオチドの配列は 、増幅前の対象を精製するために使用したオリゴヌクレオチドの配列と重複しな いことが好ましい。次に、このように形成されたRNA:DNAハイブリッドを 、RNA:DNAヘテロ二本鎖を結合する抗体により検出してもよい。かかる抗 体の結合の検出は、従来技術で公知の多くの方法により行うことができる。 また、増幅された核酸は、従来技術で良く理解されているように、ゲル電気泳 動法、ハイブリッド形成、又は両者の組み合わせにより、検出することができる 。増幅されつつある分子は所望の配列の二本の鎖を含んでいるので、制限エンド ヌクレアーゼを用いることにより、反応生成物を分離して画定された断片に切断 することができる。当業者には、多くの検出方式を取り入れるように本発明を構 成し得ることは理解されよう。 本発明の方法により増幅された配列は、(例えば、ゲル電気泳動法により、カ ラムクロマトグラフィーにより、アフィニティークロマトグラフィーにより、ハ イブリッド形成により)精製してもよく、精製された生成物を含むフラクション を本発明の方法に従って更に増幅してもよい。 本発明は、「キット」等の製造品を含む。一実施形態において、かかるキット は、一般的には、閉鎖隔室内に、その5′末端に組換え部位をその3′末端に所 望のポリヌクレオチドに相補的な領域を有する核酸分子を含む第一の容器と、そ の5′末端に組換え部位をその3′末端に所望のポリヌクレオチドの5′末端に 相補的な配列を持つ領域を有する核酸分子を含む第二の容器と、第一の容器の配 列の組換えを触媒するのに適したリコンビナーゼを含む任意の第三の容器と、を 含むように特に構成される。キットは、また、所望の核酸分子の増幅を可能とす るに十分な量で任意にDNA及び/ 又はRNA、ポリメラーゼ、リガーゼ、緩衝 液等のうち一つ以上を含んでもよい。キットは、更に、使用説明書等を含んでも よい。 本発明については一般的に説明したが、図示目的で提供され、特に記述のない かぎり本発明を制限する意図のない以下の例を参照にすれば同じことがより容易 に理解されるであろう。 例1 等温増幅方法I 図9に、ゲノムDNAの希望の領域の増幅を達成するための第一の好ましい方 法の線図を示す。 図9を参照すると、二本鎖ゲノムDNAのサンプルが、加熱などで変性され、 次に、増幅が所望される対象ポリヌクレオチド領域にたいして相補的な3′末端 持つ増幅プライマと、対象ポリヌクレオチド領域(すなわち、等価的に、増幅が 所望される対象ポリヌクレオチドの補体にたいして相補的な領域)を包含する3 ′末端を持つ対象プライマのいずれかの存在下で定温放置される。 さらに、対象プライマが初期プライマとして(すなわち、増幅プライマの付加に 先だって)付加されるのが最も好ましい。このプライマの目的は、増幅プライマ によって媒介されるさらなる増幅のための初期鋳型を作成することである。した がって、対象プライマは、かなり多量に存在することが望ましい増幅プライマよ り低い濃度で提供してもよい。増幅プライマを付加する前に対象プライマを与え ることによって、プライマ同士の交雑による好ましくない影響を避けることがで きる。 図9に示す好ましい実施態様中では対象プライマは、第二のポリヌクレオチド 領域:すなわち(1)増幅される予定のポリヌクレオチドの5′末端に存在する 「対象」ポリヌクレオチド領域と;(2)”proto−ロックス”ポリヌクレ オチド領域と;を有する。”proto−ロックス”領域はプライマの「対象」 領域に5′で位置されている。 図9に示す好ましい実施態様中では、増幅プライマは3つのポリヌクレオチド 領域:すなわち(1)「対象補体」ポリヌクレオチド領域(すなわち、増幅され る予定の対象ポリヌクレオチドの3′末端に存在するポリヌクレオチドに相補的 なポリヌクレオチド)と;(2)修飾されたヌクレオチドを含有するポリヌクレ オチド領域と;(3)”proto−ロックス”ポリヌクレオチド領域(すなわ ち、相補的なポリヌクレオチドと交雑すると、ロックス部位を有する二本鎖分子 を形成するようなポリヌクレオチド)と;を有する。修飾されたヌクレオチドを 包含するポリヌクレオチド領域は、”proto−ロックス”領域にたいして3 ′に位置されている。修飾されたヌクレオチドを包含するポリヌクレオチド領域 の配列は、相補的なポリヌクレオチドと交雑すると、その結果生じる二本鎖ポリ ヌクレオチドが1つ以上の制限エンドヌクレアーゼ認識部位を有することになる ように選択される。プライマの修飾済みヌクレオチドを包含するポリヌクレオチ ド領域の配列はさらに、この制限エンドヌクレアーゼ認識部位が、このような修 飾済みヌクレオチドを欠くDNAを切断することが可能であるがこのような修飾 済みヌクレオチドを包含するポリヌクレオチドを切断することが実質的にまたは 完全に不可能である制限エンドヌクレアーゼによって認識されるように選択され ることが望ましい。修飾済みヌクレオチドの例には、リボヌクレオチド(ポリヌ クレオチドがDNAとなっている)、ホスホロチオエート・ヌクレオチド、メチ ル化ヌクレオチド、ブロモデオキシウリジン、デオキシウリジンなどがある。適 切な制限エンドヌクレアーゼおよびその認識配列の例は、サムブルック他(19 89年、NY,コールドスプリングハーバー、コールドスプリングハーバー研究 所、研究所マニュアル、第2版、「分子クローン化」)、ウオーカー他(199 2年、「米国科学アカデミー会報」第89巻、392−396頁)、Gibro BRL/Life技術(1993−1994)カタログと参照指針に述べられて いるが、これらはすべて、出典を明記することによりその開示内容を本願明細書 の一部となす。 プライマ(増幅プライマであろうと対象プライマであろうと)は、交雑と鋳型 依存プライマ伸長の双方が発生し得る条件下でサンプルの変性DNAといっしょ に定温放置される。したがって、ポリメラーゼおよび(非修飾の)ヌクレオチド がその反応のために与えられる。このプライマの伸長反応は、伸長されたプライ マがその鋳型分子から変性するように反応条件を調整することによって終了する 。 対象分子が初期サンプル中に存在する場合、増幅プライマ分子の伸長作成物 は、対象分子にたいして相補的な、したがって対象プライマの3′末端にたいし て相補的な(図9参照)領域を包含することが理解されよう。したがって、それ は対象プライマと交雑できる。対象プライマを初期プライマ伸長反応で用いると 、結果生じる伸長作成物は、増幅プライマの3′末端にたいして相補的であり( 図9参照)、したがって増幅プライマと交雑可能である。第二のプライマ伸長反 応は、増幅プライマと対象プライマのいずれか、初期プライマ伸長反応で使用さ れなかった方のプライマを用いて実行される。 このようにして、反応条件は、交雑とプライマの伸長が発生するように調整さ れる。ポリメラーゼおよびヌクレオチドが存在する結果、再結合された増幅プラ イマおよび対象プライマは、所望の「対象」領域がロックス部位によって隣接さ れる平滑末端の直鎖状分子を生じる。かなりの程度、増幅プライマおよび対象プ ライマの”proto−ロックス”ポリヌクレオチドは、隣接するロックス部位 が直列反復配向するように、(対象補体領域および対象ポリヌクレオチド領域に 対して)配向される。 クレリコンビナーゼがその反応には付加される。クレは、所望とあればプロセ スのより初期の段階で付加してもよいことが理解されよう。クレが存在すること によって、上記のように生じた平滑末端直鎖状分子のロックス部位の環状化が触 媒される。その結果、二本鎖環状分子が形成される。この二本鎖分子は、一つの 鎖(すなわち、増幅プライマから派生した鎖)が修飾されたヌクレオチドを包含 し、他方の鎖(すなわち、DNAポリメラーゼを介して対象プライマの伸長から 派生した鎖)が修飾ヌクレオチドを包含しない対象ポリヌクレオチド、単独のロ ックス部位および制限エンドヌクレアーゼ部位を包含する。 二本鎖環状分子の制限エンドヌクレアーゼ認識部位を認識する制限エンドヌク レアーゼが反応に付加される。上述したように、制限エンドヌクレアーゼおよび 認識部位は、修飾ヌクレアーゼを包含するDNAをエンドヌクレアーゼが切断し ないように選択される。したがって、エンドヌクレアーゼの導入によって、環状 分子の非修飾鎖を「ニックする」(部位がただ1つしか存在しない場合)または 「ギャップする」(2つ以上の部位が存在する場合)。 このような「ニックする」または「ギャップする」動作によって、直前に付加 されたポリメラーゼによって伸長され得る3′末端が作成される。ポリメラーゼ は、制限部位を包含する領域を介してこの3′末端を置換するので、新しいヘミ 修飾部位が作成される。この新しい部位は直前に付加された制限ヌクレアーゼに よって「ニックされる」または「ギャップされる」、さらに、このようにして、 ポリメラーゼによって伸長され得るいまだ別の3′末端を生成する(図9を参照 )。この次の3′末端を作成する切断は、最初に作成された3′末端の後で発生 するので、最初に作成された3′末端を伸長するポリメラーゼの機能に影響しな い。どうように、この反応はさらなる介在もなしに継続する、すなわち、新しい 3′末端を生成し、その末端を伸長し、新しいヘミ修飾制限部位を作成し、まだ 別の3′末端を作成するためにその部位を「ニックする」または「ギャップする 」。 プライマ伸長の生成物は各々が伸長されるので、自身の鋳型と交雑した先行の 鎖が置換される。この鎖置換は同一の直鎖状分子を生成するが、そのすべてが” proto−ロックス”部位および対象ポリヌクレオチド領域を包含する。 プロトコル中のこの時点において、対象ポリヌクレオチドの直鎖状等温増幅が 完了する。増幅プライマ(既述した)は反応から取り除かれなかったので、それ は直鎖状増幅生成物と交雑し、これによって新たなプライマ伸長反応のための基 質を提供する。この反応の結果、二本鎖対象領域がロックス部位(図9参照)に よって隣接される新たな二本鎖平滑末端直鎖状分子が生成される。この新たな平 滑末端分子は上記のそれと同一である。 この反応はまだクレ・リコンビナーゼを包含しているので、この直鎖状分子は 上記の二本鎖環状分子中に変換される。かなりの程度まで、この新たに形成され た環状分子は同一のヘミ修飾制限エンドヌクレアーゼ認識部位を初期形成環状分 子として包含する。したがって、この分子を切断すると、「ニック」または「ギ ャップ」動作が起こってしまい、別の増幅核が作成される。 結局、指数関数的な等温反応が起こる。この反応によって、所望の対象分子の 配列を持つ二本鎖ポリヌクレオチドが発生する。 かなりの程度まで、反応が始まった後で増幅プライマを制限して与え、RNA によって作られ、さらに(RNase A等によって)分解されると、または他 のヌクレアーゼ知覚塩基を含んでいると、さらにまたは少なくとも部分的にビオ チン化されると、反応が開始された後で反応から増幅プライマを排出、または分 解、または排除が可能となる。このような排出、分解または排除が起こると、反 応は対象の双方の鎖を増幅する指数関数的な増幅反応から、対象ポリヌクレオチ ド鎖だけを増幅する直鎖状反応へと移行する。このような修飾は、ただ一つの鎖 の精製と回復が望まれるような例では望ましいものである(例えば、DNA配列 化やプローブの生成)。 図10に、上述の方法の代替実施態様を示す。この代替実施態様中では、増幅 プライマと対象プライマの双方またはいずれかが、このプライマの5′末端がこ のプライマと部分的に自己交雑させる配列を包含するように修飾され、したがっ て、このプライマの3′末端が一本鎖となる。このような自己交雑は、増幅プラ イマと対象プライマとの間におけるいかなる交雑も最小化するまたは防止するよ うに作用する。 例2 等温増幅方法II 図11および図12に、ゲノムの所望のDNA領域を増幅させるための代替の 好ましい方法の線図を示す。 図11を参照にすると、増幅「カセット」が採用されている。このカセットは 、自身の第二の末端に直接配向されたロックス部位を持つ直鎖状二本鎖ポリヌク レオチドを有する。このロックス部位は、ヘミ修飾制限部位を有する二本鎖領域 と、対象DNA断片を受容するのに適している1つ以上の制限部位を包含する対 象制限部位領域によって互いに分離される。この対象制限部位領域が複数の制限 切断部位を持ち、したがって、このカセットを複数の制限エンドヌクレアーゼで 処理して、一方がロックス部位と第一の部分的制限部位を包含し他方が第二の部 位と、好ましくは別の部分的制限部位、ヘミ修飾制限部位およびロックス部位を 包含する第二の断片が生成されるのが最も好ましい。異なった配列を持ち、切断 が起こると不和合末端を生じる第二の制限部位を包含する対象制限部位を持つカ セットを用いることが好ましいが、この理由は、こうするとカセットの再連結が 防止されるからである。不和合末端とは、互いに連結され得ない末端のことで ある。和合末端とは、連結可能な末端のことである。 ゲノムDNAまたは他の対象DNAは、カセットの制限切断によって生成され た末端と和合可能な末端を生成する制限断片を用いて切断される。この対象断片 およびカセット断片は、(源制限部位同士間に存在するいかなるDNAも置換す る)対象制限部位領域の中に対象断片が挿入された連結生成物を形成するに充分 な条件下でリガーゼの存在下で一緒に定温放置される。 結果生じる分子は、自身の末端にロックス部位を持つ二本鎖直鎖状分子である 。この分子は、上記のように使用されたリガーゼおよび制限酵素から精製される のが好ましい。別法としてはこのような酵素は熱、抗体または他の手段で失活さ せることができる。 図11に示すように、すでに存在するまたは反応に付加されたばかりのクレに よって、対象断片保持カセットの環状化が触媒される。この環状分子はヘミ修飾 の制限部位を保持しているので、それは、この部位を認識する制限酵素のための 基質を有する。例1におけるように、このような制限エンドヌクレアーゼは非修 飾鎖だけを切断し、二本鎖環状分子の一つの鎖の中にニックを生成する。このよ うな切断で生成された3′末端は、4つのすべてのヌクレオチド種の存在下で、 ポリメラーゼで伸長される。このような伸長によって制限部位が生成され、一つ の環状鎖の全長を包含する直鎖状一本鎖分子が生成されることになる。 増幅プライマがこの反応に付加される(所望しだいで初期に付加してもよい) 。この増幅プライマは例1で説明したものと同一である。したがって、この増幅 プライマには、上記のように生成された直鎖状一本鎖分子の3′末端にたいして 相補的である領域が包含される。この増幅分子は直鎖状一本鎖分子と交雑し、ポ リメラーゼおよびヌクレオチドが存在するため、対象断片保持カセットの構造と 実質的に同一な(一つの末端に部分的制限部位を持つ点だけが異なる)構造を持 つ二本鎖分子の形成を媒介する。この分子は、第二の直接配向されたロックス部 位を持ち、したがって、クレによって環状化されて、上記の二本鎖環状分子と同 一の分子を生じる。この分子は上記のように処理され、指数関数的な増幅が発生 する。 例3 等温増幅方法IとIIの属性 例1および例2で説明された実施態様のいくつかの側面は注目に値する。図9 から図12に、単一「全長」直鎖状分子の「単位長」環中への環状化を示す。し かしながら、核酸分子の環状化の原因となる同一のロックス配向は、全長直鎖状 分子のヘッド・ツー・テイル式のマルチ接合を媒介して、「マルチ単位長」環を 形成しかねない。かなりの程度までだが、ロックス部位は非対称的であるので、 このようなヘッド・ツー・テイル式接合は、ロックス部位の配向と鎖の配向の双 方を維持する。したがって、全長直鎖状二本鎖分子が複数個いっしょに接合され ると、個別の全長直鎖状分子の対象鎖配列のすべてが「マルチ単位長」環の同一 の鎖の上に存在することになり、同様に、個別の全長直鎖状分子の対象補体鎖配 列のすべてが「マルチ単位長」環の他方の鎖の上に存在することになる。これに より、各々のヘミ修飾制限部位の修飾済みヌクレオチドはすべて、結果生じる二 本鎖「マルチ単位長」環の同一の鎖の上に存在する。その結果、マルチ単位環の ただ一つの鎖が制限酵素によって切断され、他は不変のままである。したがって 、このような環は単位長環と同様に処理されるが、環全体が複製される毎に対象 (または対象補体)が複数個生成される結果になる。同一の単位長増幅生成物が 、環を形成するために再組換えした全長直鎖状分子の数と無関係に生成されるこ とになる。 本発明のこの属性は特に重要だが、それは、小さすぎて(すなわち、熱力学的 にあまりに堅固すぎて)単位長環に容易には環状化できない対象分子を増幅でき るからである。したがって、本発明による処理は、いかなる余分の媒介も手間も 必要なしで、環中への環状化を可能とするに充分な熱力学的柔軟性を保持したマ ルチマが形成されるまで、対象分子のヘッド・ツー・テイル式接合を媒介する。 対象分子が大規模な場合、結果生じる環は単位長のものであり得るが、対象分子 が小規模の場合、マルチ単位長環が形成されることがある。 なんら対象プライマが用いられない例2で説明したような実施態様中では、増 幅は単一プライマ媒介性である。その結果、この方法が増幅プライマが存在しな い状態で用いられると(または、増幅プライマの供給が尽きると)、本方法は、 サンプル中のすべてのDNAの一つの鎖の総体的な直鎖状増幅を媒介する。対象 材料の供給が制限されて有限であるような法医学分析で遭遇されるこのような反 応条件は、出願には有用である。本方法は存在するすべての分子を増幅し、した がって対象材料の供給量を増大させるための手段を提供するものである。 このような単一プライマの実施態様では、増幅プライマは、反応の配列特異性 と指数関数的増幅の範囲の双方を対照する。したがって、この例2の反応はサン プル中に存在するすべての対象DNAの直鎖状増幅を媒介するが、増幅プライマ の存在下で実行される反応は、増幅プライマの対象領域の配列にたいして相補的 である配列を包含するサンプルの分子の指数関数的な増幅を媒介する。 例1または例2のどの方法でも、記述された単一増幅プライマの替わりに複数 の増幅プライマを用いてもよい。複数の増幅プライマを用いると、所望の特性を 持つ分子のサブ集団を選択的に増幅することが可能になる。しかしながら、この 用法は、この例2の単一プライマ増幅方法と共に用いた場合に特に価値がある。 例えば、このような方法を、プロモータ配列にたいして相補的な配列を包含する 増幅プライマを用いて実行すると、このようなプロモータ配列を持つすべての分 子が指数関数的に増幅されることになる。リプレッサ(抑制物質)会合部位にた いして相補的な配列を包含する第二の増幅プライマを使用すると、リプレッサ会 合部位とプロモータの双方を持つすべての分子が指数関数的に増幅されることに なる。 同様に、第二のプライマが使用される例1のような実施態様の内のいずれにお いても、プライマは、所望の属性を持つポリヌクレオチドをその配列を予め知ら なくても増幅するのに用いてもよい。したがって、例えば、プロモータ配列また は動原体配列にたいして相補的な増幅プライマならびに末端小粒配列にたいして 相補的な対象プライマを使用することによって、本発明による方法によって、プ ロモータ(または動原体)配列および末端小粒配列の双方を保持する核酸分子の 増幅が可能となる。 例4 等温増幅方法III 図13に、ゲノムDNAの所望の領域を増幅するための第二の好ましい方法の 先図を示す。 図13を参照すると、二本鎖ゲノムDNAのサンプルが熱などによって変性さ れ、増幅が所望される対象ポリヌクレオチド領域にたいして相補的な3′末端を 持つ増幅プライマ分子の存在下で定温放置される。 図13に示す好ましい実施態様中では、増幅プライマはいかなる点でも修飾す る必要はない。安定した交雑を実行するに充分な長さのものであればよい。 このプライマは、交雑および鋳型依存プライマ伸長の双方を発生可能とする条 件下でサンプルの変性DNAと共に定温放置される。したがって、ポリメラーゼ および(非修飾の)ヌクレオチドが反応に与えられる。このプライマ伸長反応は 、反応条件を変化させて、伸長されたプライマをその鋳型分子から変性させるこ とによって終了する。 対象プライマがこの反応に付加される。好ましい実施態様中では、この対象プ ライマはプライマ伸長反応が終了した後で導入されるとはいえ、このような対象 プライマは、上記の修飾済み増幅プライマの導入の前、最中、後のどの時点で導 入してもよい。この対象プライマは、部分的に一本鎖であり部分的に二本鎖であ る「ループ」構造を有する。それは、増幅される予定のポリヌクレオチドの5′ 末端に存在する配列と同一の配列を持つ付着3′末端を包含するので、この付着 3′末端は増幅プライマの伸長生成物の3′末端にたいして相補的である。 反応条件は、対象プライマのリセス5′末端に対する増幅プライマのプライマ 伸長生成物の連結と対象プライマの付着3′末端の鋳型依存伸長の双方を可能と するように調整される。このようにして、リガーゼ、ポリメラーゼおよびヌクレ オチドが与えられる。結果として生じる生成物には、一方の鎖の5′末端が対象 プライマの「ループ」構造を介して他方の3′末端に接続されている対象二本鎖 分子、平滑末端分子および対象分子が包含される(図13参照)。 連鎖分子が反応中に導入される。この連鎖分子は、1対以上の制限エンドヌク レアーゼ認識部位によって隣接されるロックス部位を有する平滑末端の二本鎖直 鎖状分子である。図13に示すように、この制限部位は修飾ヌクレオチドから成 るのが好ましい。この制限部位の双方の鎖は修飾される。 直前に付加されたリガーゼが、この連鎖分子の、直前に形成された生成物(図 13)の自由3′/5′末端に対する連結を触媒し、「ループ化対象分子」を形 成する。このような連結は第二の可能な配向のいずれでも(ロックス部位の方向 性のおかげで)発生し得る。連結の配向はこの反応にとっては重要ではない。 分子の非塩基対の「ループ」部分のポリヌクレオチド領域にたいして相補的で あることが好ましい第三のプライマが導入される。直前に付加されたポリメラー ゼによって、この第三のプライマの3′末端が「ループ」の周りと対象のポリヌ クレオチド領域の中に伸長し、交雑された非鋳型鎖を置換する。この第三のプラ イマはオプションであり、増幅反応の介しを容易にするために付加される。それ は増幅の最中は必要とされない。 修飾された制限部位の後でプライマを伸長させると、ヘミ修飾制限部位が作成 される。この部位を認識する制限エンドヌクレアーゼを反応中に導入すると、非 修飾鎖中で「ニック」または「ギャップ」現象が発生する。例1のように、ひと たび始まると、これらの反応はさらなる介在なしで継続される。したがって、プ ライマの伸長によってヘミ修飾部位が作成されるが、この部位が制限エンドヌク レアーゼによって切断され、新しい3′末端が作成され、この末端が伸長して新 しいヘミ修飾部位を形成し、これによってサイクルを再開する。 再度図1を参照すると、新しい3′末端を作成する切断現象は直前に作成され た3′末端の後で発生し、したがって、最初に作成された3′末端を伸長するポ リメラーゼの能力に影響しない。図10に示すように、このようなプライマの伸 長と切断による生成物は、上記の「ループ化対象分子」と同一である。 この反応はまだリガーゼおよび連鎖分子を包含しているので、このような分子 がいっしょに連結され、このような連結反応の生成物はつぎに、直前に付加され たクレ・リコンビナーゼの作用を介して環状化し得る。このような環状化によっ て新しい増幅フォーカスが生成される。 総じて、この方法によって、修飾プライマを用いることなく、対象ポリヌクレ オチドの双方の鎖の指数関数的な増幅が達成される。 上記の増幅プロセスの等温性によって、個々の反応の個々の生成物が、反応全 体を通して自身のペースで進行することができる。これらの反応の等温性を反映 するこの能力は、全ての反応体が次の反応ステップと調和して進行することが要 求されるポリメラーゼ鎖状反応のような環状化反応と際だった対照をなしてい る。このような要件を避けて、本発明の等温増幅方法は、より迅速な反応速度を 実現する。 例5 4kbのDNA分子の等温増幅 DNA増幅を媒介する発明による方法の能力をpBR322の4kb断片に関 連させて図示する。この断片は、ロックス部位およびヘミメチル化された制限部 位を有するカセット中に導入され、生体内で増幅される。 pBR322ーロックス誘導体の構築:方法I pBR322は、4、362ヌクレオチド長の二本鎖DNAプラスミドであり 、1982年、NYのコールド・スプリング、コールド・スプリング・ハーバー 出版社のマニアティス他の「分子クローン化の研究所マニュアル」に掲載されて いる。それは、ヌクレオチド4360に位置された単一のEcoRI部位および ヌクレオチド375に位置されたBamHIを持つ。その結果、EcoRIおよ びBamHIで制限されるpBR322 DNAは、377ヌクレオチドと3、 985ヌクレオチドの長さを持つ第二の断片を生じる(この3、985ヌクレオ チドの断片は4kb断片と呼ばれる)。EcoRL部位で切断すると付着5′A ATT末端を残し、BamHI部位で切断すると付着5′GATC末端を残すの で、EcoRIおよびBamHIの双方で制限されたpBR322断片はいっし ょには連結できない。ロックス−pBR322誘導体は次のように作成される。 1. pBR322 EcoR−BamHI断片の分離 所望のpBR322EcoRI−BamHI断片を分離するために、pBR3 22が獲得され(生命技術、医学博士ガイテスブルグ)、製造者の支持に従って EcoRIとBamHI(生命技術、医学博士ガイテスブルグ)の双方によって 切断される。約4、000ヌクレオチドの長さを持つ直鎖状分子は、アガローズ ・ゲル電気泳動によって精製される(1989年、NY,コールド・スプリング ・ハーバー、コールド・スプリング・ハーバー出版社、サムブルック他「分子ク ローン化研究所マニュアル」)。 2. EcoRI−NotI−ロックス−BamHI断片の構築 SEQ ID NO:1配列を持つ二本鎖EcoRI−NotI−ロックス−B amHI DNA連鎖分子は以下にように生成される: 5′ aattcgcggc cgcataactt cgtataatgt atgctatacg aagttag 3′ さらにSEQ ID NO:2: 5′ gatccataac ttcgtatagc atacattata cgaagttatg ggccg 3′ これらのオリゴヌクレオチドは、以下に示すように互いに交雑する: SEQ ID NO:1 SEQ ID NO:2 SEQ ID NO:2中のアンダーラインされているヌクレオチドは5メチル シトシンである(しかしながら、ホスホロチオエートd 残基を使用してもよい) 。二本鎖DNA連鎖分子はさまざまな方法で得られる。ある実施態様では、配列 SEQ ID NO:1とSEQ ID NO:2を持つ合成オリゴヌクレオチ ドを等モル量だけ混合して形成され得る。 別法として、そしてより好ましくは、二本鎖EcoRI−NotI−ロックス −BamHI DNA連鎖分子は、次に示すSEQ ID NO:3という配列 を持つオリゴヌクレオチド・プライマを定温放置して作られる: 5′ aattcgcggc cgc 3′ これは、DNAポリメラーゼ、dATP,TTP,dCTP,dGTPなどの 存在下でSEQ ID NO:2という配列を持つ合成オリゴヌクレオチドを有 する。すでに指摘したように、ヌクレオチド下のアンダーラインは、残基が5− メチルシトシン残基であることを示す。適切な末端は、EcoRIおよびBam HIで処理して、その結果生じる平滑末端二本鎖DNA分子から得られる。 3. pBR322−ロックス誘導体の構築 所望のpBR322−ロックス誘導体は、EcoRI−NotI−ロックス− BamHI DNA連鎖分子およびDNAリガーゼの存在下で、直前に分離され た4 kb EcoRI−BamHI pBR322断片を定温放置して構築さ れる。連結反応を発生させると、連結された材料はゲル電気泳動によって精製さ れ、さらに、緩和二本鎖環状DNAの位置での材料移動が回復される。この材料 は所望されたpBR322−ロックス誘導体である。 pBR322−ロックス誘導体の構築:方法II 別法として、所望のpBR322−ロックス誘導体は次のように造ってもよい :pBR322が得られ(生命技術、医学博士ガイテスブルグ)、つぎに製造者 の指示にしたがってEcoRIおよびBamHIの双方で切断される(生命技術 、医学博士ガイテスブルグ)。長さ約4、000ヌクレオチドの直鎖状分子はこ のようにして得られる(1989年、NY,コールド・スプリング・ハーバー、 コールド・スプリング・ハーバー出版社、サムブルック、「分子のクローン化、 研究所マニュアル」)。 制限DNAはつぎに、次に示すSEQ ID NO:4とSEQ ID NO :5という配列を有する第二のPCRプライマを使用してPCR増幅処理を受け る。 SEQ ID NO:4 第一のPCRプライマ(SEQ ID NO:4)が、BamHI認識配列(1 4ー19)に接続されている13塩基長のスパンを持つヌクレオチド(ヌクレオ チド1ー13)を有することが認識されよう。ヌクレオチド20ー53は、ロッ クス部位である。ヌクレオチドの初期スパンは、ロックス部位の初期13ヌクレ オチドにたいして相補的であるので、「ループ」はプライマのこれらの領域同士 間で形成され得る。ヌクレオチド54ー61はNotI部位である。ヌクレオチ ド62ー72は、プラスミドpBR322のEcoRI部位とpBR322のヌ クレオチド4359ー4347の配列を有する。NotI部位中のC残基に 下線が付いているのは、少なくとも一つの残基がメチル化またはホスホロチオエ ート化されていることを示す。 SEQ ID NO:5 第二のPCRプライマ(SEQ ID NO:5)のヌクレオチド1−13は 、ヌクレオチド20−53に存在するロックス部位の最初の13個のヌクレオチ ドにたいして相補的であることが認識されよう。ヌクレオチド14−19は、E coRI部位である。ヌクレオチド54−70はpBR322のBamHI部位 であり、この部位に続くpBR322の11ヌクレオチドである。 PCR増幅はこのようにして、各々の末端上にロックス部位を持つ直鎖状二本 鎖分子を生じさせる。 増幅プライマ 増幅プライマは、ヌクレオチド合成で得るのが最も好ましい。このプライマは 一本鎖であり、SEQ IS NO:4という次に示す配列を有する80ヌクレ オチドである: 対照として、70ヌクレオチドを持ち、SEQ ID NO:5という次に示 す配列を有する対象プライマを合成してもよい。 この増幅プライマおよび対象プライマは、4 kb pBR322 EcoR I BamHI誘導体を増幅するためのPCR中で使用され得るプライマを有す るように互いに対して配向されている。 クレ、NotIとポリメラーゼ クレはノボゲン社(ウイスコンシン州、マディソン)から入手できる。別法と しては、アブレムスキ他(1981年、「分子生物学ジャーナル」第150巻、 467−486頁、出典を明記することによりその開示内容を本願明細書の一部 となす)の方法に従って精製してもよい。クレを過剰生成するNotIエンドヌ クレアーゼ、Klenow DNAポリメラーゼ、タック・ポリメラーゼおよび プラスミドは、生命技術社(医学博士ガイテスブルグ)から入手される。 増幅反応 増幅反応は、方法Iで生成された環状pBR322−ロックス誘導体または方 法IIで生成されたpBR322−ロックス誘導体のどちらかを、10単位/m lのDNAポリメラーゼ(Klenow)、1単位/ml NotIエンドヌク レアーゼ、増幅プライマおよびクレの存在下で定温放置することによって得られ る。典型的な反応アリコット(50μl)は、50mMのTris−HCL(p H7.5),33mMのNaCL,1μg/mlのpBR322−ロックス誘導 体、2μg/mlの増幅プライマ、50μg/mlのdATP,TTP,dCT PおよびdGTPならびに2μg/mlのクレを有する。2mMのMgCl2が 、タック・ポリメラーゼを用いて実行される反応に付加される。反応生成物はは 1−2時間以上にわたって37ー45°Cで定温放置される。 増幅反応の分析 増幅反応を分析するために、1連の対照実験が行われる。このような実験は各 々が、反応体積50μl中で行われる。この実験での緩衝液は50mMのTri s−HCl(pH7.5)、33mMのNaClならびに50μg/mlのdA TP,TTP,dCTPおよびdGTPである。すべての反応生成物は、0分、 30分、60分および120分の時点で10μlのアリコットが除去されて、等 温的またはヒートサイクル的条件下で2時間にわたって定温放置される。このよ うな実験のための実験プロトコルを以下に示す。 この実験の結果は、DNAの増幅を検出するために、ゲル電気泳動によって分 析される。実験1は、クレ促進性増幅反応である。実験2ー6は、増幅反応から の、それぞれクレ、ポリメラーゼ、増幅プライマ、NotIおよび基質の欠失の 効果を探知する。実験7ー8は、ほぼ同一の条件下での、クレ送信式増幅とPC Rとの比較をするようにもくろまれている。実験7は、Klenowの代わりに タック・ポリメラーゼを用いて、37ー45°Cの等温条件下で行われる増幅反 応である。実験8は、サムブルック等(1989年、NY,コールド・スプリン グ・ハーバー、コールド・スプリング・ハーバー出版社、「分子クローン 化、研究所マニュアル」)に従って行われるPCRプロトコルである。実験9は 、再組換えを媒介するクレの能力を実証するためのクレ対照の実験である。実験 10ー12は、DNA基質の本質および移動を特定するための対照の実験である 。 実験13および実験14は、ロックス部位を欠くDNAを増幅するためのクレ 媒介性増幅の能力を実証する。実験13および14は以下のように行われる: 1.3.9kbのEcoRI−BamHI直鎖状pBR322断片(緩衝液中の )が熱変性され次に37ー45°Cにまで冷却される。 2.対象プライマおよびタック・ポリメラーゼが付加され、次に、重合反応が2 0分にわたって行われる。 3.反応生成物は次に、存在するすべての二本鎖DNAを熱変性するように加熱 される。 4.反応生成物は37ー45°Cまで冷却され、増幅プライマおよびNotI制 限エンドヌクレアーゼが付加される。クレが実験14に付加される。反応13お よび14が起こる。反応は次に、2時間にわたって等温条件下で継続される。 増幅反応の評価 DNAを増幅するためのクレ促進性の増幅方法の絶対能力は、実験1、14、 および10ー12の結果を比較することによって実証される。PCRと関連して のクレ促進性増幅は、実験1、14および8の結果を比較して実証される。 例6 人の遺伝子の等温増幅 DNA増幅を媒介する本発明による方法の能力は、人のp53遺伝子に関連し て更に図示される。 p53遺伝子は、約20キロベースを有する人腫瘍サプレッサ遺伝子であり、 11エキソン(393コドン)を包含する。この遺伝子は、染色体領域17p1 3.105ーp12に位置する。その配列は、アクセションX54156にある GSDBデータベースから得ることができる。p53遺伝子中での突然修飾は、 人の癌中での唯一の最も普通の遺伝子変化である。じっさい、毎年診断される結 腸癌、肺癌、胸部癌の追加の100、000件以上の内、 半分以上が、p53突然修飾を包含すると報告されている(1992年、レビン 、「癌調査書」第12巻、第59−79頁、出典を明記することによりその開示 内容を本願明細書の一部と成す)。現在認識されているp53突然修飾の大多数 は、結腸の118と119、すなわちタンパク質のDNA会合領域同士間に緊密 に束ねられているミスセンス突然修飾である(1993年、ルノー他、「癌研究 」第53巻、第2614−2617頁;1993年、ジーグラ他、「米国科学ア カデミー会報」第90巻、4216−4220頁)。これらの突然修飾は一般的 に、p53タンパク質の機能を消失させる結果となる。p53中の突然修飾と癌 の発生との間の相関のゆえに、p53遺伝子は多くの腫瘍の発生のために必要な カスケードの一部であると考えられ、p53遺伝子は細胞の成長とアポプトシス の調整の役を果たすと信じられている。 p53遺伝子中の突然修飾の多様性と分散はしたがって、かなり臨床に適合す る。残念なことに、p53遺伝子の寸法が大きくそれが包含する介在配列の数が 多いので、結腸や、肺や胸部の癌と他のタイプの癌の予告となりかねない腫瘍と 関連性があるさらなる突然修飾を特定する努力が妨げられてきた。本発明による 方法は人の遺伝子全体を増幅できるので、ただ一つの反応で患者のp53遺伝子 全体を増幅できる。 個人のp53遺伝子は、その個人のp53遺伝子の一方の鎖の5′末端に交雑 することが可能な対象プライマの存在下で、次に、その個人のp53遺伝子の他 方の鎖の5′末端に交雑可能な増幅プライマの存在下でこの遺伝子を定温放置す ることによって増幅できる。対象プライマと増幅プライマは双方とも、相補的な ポリヌクレオチドと交雑すると、ロックス部位を包含する二本鎖ポリヌクレオチ ドを形成する5′末端を持つ。この増幅プライマはさらに、一つの修飾済みヌク レオチド残基を包含するポリヌクレオチド領域を含むので、これによって、この ポリヌクレオチド領域が相補的なポリヌクレオチドと交雑すると、制限エンドヌ クレアーゼによって認識されるが切断は(その修飾済みヌクレオチド残基が存在 するため)不可能な1つ以上の制限エンドヌクレアーゼ切断部位を包含する二本 鎖ポリヌクレオチドが形成される。むしろ、修飾済みヌクレオチド残基を欠いた 制限部位のその鎖だけが切断される可能性が高い。 適切な対象プライマの配列は(SEQ ID NO:6)で以下のとおり: 対象プライマ(SEQ ID NO:6)のヌクレオチド1ー13は、ヌクレ オチド20ー53に存在するロックス部位の最初の13個のヌクレオチドに相補 的である。ヌクレオチド14ー19は、EcoRI部位であることが認識されよ う。ヌクレオチド54ー76は、p53遺伝子のヌクレオチド1ー23の配列を 有する。 適切な増幅プライマの配列は(SEQ ID NO:7)で以下のとおり: 増幅プライマ(SEQ ID NO:7)は、BamHI認識配列(14ー1 9)に接続されている13ベース長のスパンを持つヌクレオチド(ヌクレオチド 1ー13)を包含することが認識されよう。ヌクレオチド20ー53はロックス 部位である。ヌクレオチドの初期スパンはこのロックス部位の最初の13個のヌ クレオチドにたいして相補的であるので、「ループ」が、プライマのこれらの領 域同士間に形成可能である。ヌクレオチド54ー61はNotI部位である。ヌ クレオチド62ー88は、人のp53遺伝子のヌクレオチド20303ー202 77にたいして相補的である。このNotI部位中のC残基に下線が引いてある のは、残基の少なくとも1つがメチル化またはホスホロチオエート化されている ことを示している。 対象プライマ、Klenow(またはタック)およびヌクレオチドの存在下で 、個人のp53遺伝子を包含するサンプルを定温放置することによって増幅が達 成される。対象プライマをp53鋳型と交雑させるに充分な条件下で定温放置が 行われる。典型的な反応アリコット(50μl)は、50mMのTrisーHC l(pH7.5)、33mMのNaCl、50単位/mlのDNAポリメラーゼ (Klenow)、1μg/mlのサンプルDNA,4μg/mlの対象 プライマならびに100μg/mlのそれぞれdATP,TTP,dCTPおよ びdGTPを包含する。重合反応は監視され、20kbの全長対象プライマ伸長 生成物分子が得られるまで進行する。 この反応は次に、対象プライマ伸長生成物をそのp53鋳型から変性するよう に扱われる。次に、熱核酸交雑およびプライマ伸長に適切な条件に復帰する。ク レ(2μg/ml)、増幅プライマ(4μg/ml)および1単位/mlのNo tIエンドヌクレアーゼが次に反応に付加される。熱を変性剤として用いると、 このような作用によって、存在するいかなる非熱安定性の試薬も失活される。し たがって、Klenowポリメラーゼの追加の50単位/mlもまた、反応に付 加される。 増幅プライマの3′末端は、全長対象プライマ伸長生成物の3′末端にたいし て相補的であることを認識されよう。その末端は、したがって、その生成物と交 雑し、ポリメラーゼは、増幅プライマ伸長生成物の形成と対象プライマ伸長生成 物のさらなる伸長の双方を、ロックス部位各々の末端に持ちさらにヘミ修飾No tI認識部位も持つ二本鎖直鎖状分子が形成されるまで、媒介する。 付加されたクレは、この直鎖状分子を二本鎖環状分子に変換する。NotIエ ンドヌクレアーゼは、NotI制限部位において対象鎖を切断し、それによって 、対象鎖合成を開始する自由3′末端を生成する。この合成によって、NotI 部位が治療され、それが繰り返し切断され、それによって、全長対象鎖分子を「 開口」する。増幅プライマはまだ反応物中に存在するので、これらの全長対象鎖 分子と交雑し、さらにポリメラーゼによって伸長されて、その各々の末端にロッ クス部位を持ちさらにヘミ修飾NotI認識部位を持つ新しい二本鎖直鎖状分子 を形成する。増幅プロセスは次に、上記のように継続される。 増幅は、上記のように、ゲル電気泳動によって実証される。 本発明はその特定の実施態様に関連して述べたが、さらなる変更が可能であり 、その出願は、一般に本発明の原理に従い、本発明が関連する技術の範囲内で周 知のまたは習慣となっている範囲内の、そしてすでに述べたまたは以下の添付ク レームの範囲内の、本開示からのこのような逸脱を含む、本発明のいかなる修正 、用途、適用も可能であることが理解されよう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,JP

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. サンプル中に存在する二本鎖核酸分子の対象ポリヌクレオチド領域を増 幅する方法において: (A)ポリメラーゼ、ヌクレオチド、クレリコンビナーゼ、プライマおよび制限 エンドヌクレアーゼの存在下で直鎖状二本鎖核酸分子を定温放置するステップで あって、 (i) 前記直鎖状二本鎖核酸分子の各々が二つの末端を持ち、さらに: (a) 前記直鎖状分子の第一の末端に位置する第一のロックス部位と; (b) 前記直鎖状分子の第二の末端に位置する第二のロックス部位であって、 前記第一のロックス部位と前記第二のロックス部位とが、クレが前記直 鎖状二本鎖分子の環状化を媒介し、それにより二本鎖環状分子を形成できるよう に互いに配向している部位と; (c) 前記第一および第二のロックス部位にたいして内部に位置している前記 対象ポリヌクレオチド領域と; (d) 前記対象ポリヌクレオチド領域と前記ロックス部位の内の一つとの間に 位置するヘミ修飾制限部位であって、前記直鎖状分子の各々の前記ヘミ修飾制限 部位が少なくとも一つの修飾したヌクレオチド残基を含み、さらに、前記対象ポ リヌクレオチドが前記修飾したヌクレオチド残基を欠く該鎖中に存在する部位と ; を有し; (ii) 前記制限エンドヌクレアーゼが、前記修飾されたヌクレオチド残基を含 む核酸分子の一つの鎖を切断することが実質的に不可能であり; (iii) 前記プライマが3′末端から5′末端に: (a) 前記対象ポリヌクレオチド領域の3′末端にたいして相補的な第一のポ リヌクレオチド領域と; (b) 前記修飾されたヌクレオチド残基の内少なくとも1 つを含む第二のポリ ヌクレオチド領域であって、もし前記第二のポリヌクレオチド領域が相補的なポ リヌクレオチドと交雑すると、それにより、前記制限エンドヌ クレアーゼにより認識される一つ以上の制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含む 二本鎖ポリヌクレオチドが形成される領域と; (c) 第三のポリヌクレオチド領域であって、もし前記第三のポリヌクレオチ ド領域が相補的なポリヌクレオチドと交雑すると、それにより、ロックス部位を 含む二本鎖ポリヌクレオチドが形成される領域と; を有し; (iv) 前記定温放置が: (a) 前記クレが、前記直鎖状二本鎖核酸分子を環状化させ、それにより、前 記二本鎖環状分子を形成する反応と; (b) 前記制限エンドヌクレアーゼが、前記二本鎖環状分子の前記ヘミ修飾制 限エンドヌクレアーゼ認識部位の一つの鎖を切断し、それにより、伸長可能な3 ′末端を生成する反応と; (c) 前記ポリメラーゼおよび前記ヌクレオチドが、前記3′末端の、鋳型依 存性の伸長を媒介し、それにより、前記対象ポリヌクレオチド領域を含む一本鎖 ポリヌクレオチドの置換を引き起こす反応であって、前記伸長が新たなヘミ修飾 制限認識部位を生成させることになる反応と; (d) 前記制限エンドヌクレアーゼが、前記新たに生成されたヘミ修飾制限エ ンドヌクレアーゼ認識部位の一つの鎖を切断し、それにより、新たな伸長可能な 3′末端を形成し、さらに、前記対象ポリヌクレオチド領域を含む前記一本鎖ポ リヌクレオチドを解放させる反応と; (e) 前記プライマが、前記解放された一本鎖ポリヌクレオチドと交雑し、さ らに、鋳型をベースとした伸長において前記ポリメラーゼおよび前記ヌクレオチ ドにより伸長され、それにより前記直鎖状二本鎖核酸分子の追加のコピーを形成 する反応と; を実行させるに適した条件下で実行される; ステップと; (B)前記直鎖状分子の前記クレ依存性の環状化(A)(iv)(a)と;前記伸長可 能3′末端(A)(iv)(b)の前記生成と;前記鋳型依存性伸長(A)(iv)(c)と;前 記制限エンドヌクレアーゼ切断(A)(iv)(d)と;前記プライマ交雑(A)(iv)(e) と;を発生させ、それにより前記二本鎖核酸分子の前記対象ポリヌクレオチド領 域を増幅するステップと; (C)前記二本鎖核酸分子の前記対象ポリヌクレオチド領域が所望のレベルに増 幅されるまで前記定温放置条件を維持するステップと; を有することを特徴とする方法。 2. 請求の範囲第1項記載の方法において、ステップ(A)に列挙される該直 鎖状二本鎖核酸分子が増幅プライマ分子のプライマ伸長部を有し、前記増幅プラ イマ分子が一本鎖核酸分子であって、さらに、3′末端から5′末端に: (1) 前記対象ポリヌクレオチド領域の3′末端に相補的な第一のポリヌクレオ チド領域と; (2) 少なくとも一つの修飾されたヌクレオチド残基を含む第二のポリヌクレオ チド領域であって、もし前記第二のポリヌクレオチド領域が相補的なポリヌクレ オチドと交雑すると、それにより、前記修飾されたヌクレオチド残基を含む核酸 分子の一つの鎖を切断することが実質的に不可能である制限エンドヌクレアーゼ により認識される二本鎖ポリヌクレオチドが形成される領域と; (3) 第三のポリヌクレオチド領域であって、もし前記第三ののポリヌクレオチ ド領域が相補的なポリヌクレオチドと交雑すると、それにより、ロックス部位を 含む二本鎖ポリヌクレオチドが形成される領域と; を有することを特徴とする方法。 3. 請求の範囲第1項記載の方法において、ステップ(A)に列挙される該直 鎖状二本鎖核酸分子が対象プライマ分子のプライマ伸長を有し、前記対象プライ マ分子が一本鎖のそれであって、3′末端から5′末端に: (1) 前記対象ポリヌクレオチド領域の5′末端の配列を持つ第一のポリヌクレ オチド領域と; (2) 第二のポリヌクレオチド領域であって、もし前記第二のポリヌクレオチド 領域が相補的なポリヌクレオチドと交雑すると、それにより、ロックス部位を含 む二本鎖ポリヌクレオチドが形成される領域と; を有することを特徴とする方法。 4. 請求の範囲第2項記載の方法において、前記増幅プライマ分子がさらに 第四のポリヌクレオチド領域を含み、前記増幅プライマ分子の前記第四のポリヌ クレオチド領域が前記増幅プライマ分子の前記第三ののポリヌクレオチド領域に たいして5′に位置されており、さらに、その少なくとも一部分にたいして相補 的なヌクレオチド配列を持ち、したがって、前記増幅プライマ分子の前記第三お よび第四の領域が互いに交雑することを特徴とする方法。 5. 請求の範囲第3項記載の方法において、前記対象プライマ分子がさらに 第三のポリヌクレオチド領域を含み、前記対象プライマ分子の前記第三のポリヌ クレオチド領域が前記対象プライマ分子の前記第二のポリヌクレオチド領域にた いして5′に位置されており、さらに、その少なくとも一つの部分にたいして相 補的なヌクレオチド配列を持ち、したがって、前記対象プライマ分子の前記第二 および第三のポリヌクレオチド領域が互いに交雑することを特徴とする方法。 6. 請求の範囲第2項記載の方法において、ステップ(A)に列挙される該直 鎖状二本鎖核酸分子がさらに対象プライマ分子のプライマ伸長を有し、前記対象 プライマ分子が一本鎖のそれであって、さらに、3′末端から5′末端に: (1) 前記対象ポリヌクレオチドの5′末端の配列を持つ第一のポリヌクレオチ ド領域と; (2) 第二のポリヌクレオチド領域であって、もし前記第二のポリヌクレオチド 領域が相補的なポリヌクレオチドと交雑すると、それにより、ロックス部位を含 む二本鎖ポリヌクレオチドが形成されることを特徴とする方法。 7. 請求の範囲第6項記載の方法において、前記増幅プライマ分子がさらに 第四のポリヌクレオチド領域を含み、前記第四のポリヌクレオチド領域が前記増 幅プライマ分子の前記第三のポリヌクレオチド領域にたいして5′に位置されて おり、さらに、その少なくとも一つの部分にたいして相補的なヌクレオチド配列 を持ち、したがって、前記増幅分子の前記第三および第四のポリヌクレオチド領 域が互いに交雑することを特徴とする方法。 8. 請求の範囲第6項記載の方法において、前記対象プライマ分子がさらに 第三のポリヌクレオチド領域を含み、前記対象プライマ分子の前記第三のポリヌ クレオチド領域が前記対象プライマ分子の前記第二のポリヌクレオチド領域にた いして5′に位置されており、さらに、その少なくとも一つの部分にたいして相 補的なヌクレオチド配列を持ち、したがって前記対象プライマ分子の前記第二お よび第三のポリヌクレオチド領域が互いに交雑することを特徴とする方法。 9. サンプル中に存在する二本鎖核酸分子の対象ポリヌクレオチド領域を増 幅させる方法において、前記方法が: (A)前記二本鎖分子を変性させそれにより一本鎖核酸分子を形成するに充分な 条件下で前記サンプルを定温放置するステップと; (B)増幅プライマ分子または対象プライマ分子のいずれか一方の存在下で前記 形成された一本鎖核酸分子を定温放置するステップであって、前記増幅プライマ 分子が一本鎖核酸分子であって、さらに、3′末端から5′末端に: (1) 前記対象ポリヌクレオチド領域の3′末端にたいして相補的な第一のポリ ヌクレオチド領域と; (2) 少なくとも一つの修飾されたヌクレオチド残基を含む第二のポリヌクレオ チド領域であって、もし前記第二のポリヌクレオチド領域が相補的なポリヌクレ オチドと交雑すると、それにより、前記修飾されたヌクレオチド残基を含む核酸 分子の一つの鎖を切断することが実質的に不可能な制限エンドヌクレアーゼによ り認識される二本鎖ポリヌクレオチドが形成される領域と; (3) 第三のポリヌクレオチド領域であって、もし前記第三のポリヌクレオチド 領域が相補的なポリヌクレオチドと交雑すると、それにより、ロックス部位を含 む二本鎖ポリヌクレオチドが形成される領域と; を有し、前記対象プライマ分子が一本鎖核酸分子であって、さらに、3′末端か ら5′末端に: (1) 前記対象ポリヌクレオチドの5′末端の配列を持つ第一のポリヌクレオチ ド領域と; (2) 第二のポリヌクレオチド領域であって、もし前記第二のポリヌクレオチド 領域が相補的なポリヌクレオチドと交雑すると、それにより、ロックス部位を含 む二本鎖ポリヌクレオチドが形成される領域と; を有し、前記定温放置が前記増幅プライマの該修飾されたヌクレオチド残基の修 飾を欠くポリメラーゼおよびヌクレオチドの存在下で実行され、前記定温放置 が: (i) 前記増幅プライマ分子の前記第一のポリヌクレオチド領域が、前記対象ポ リヌクレオチドの3′末端および前記増幅プライマ分子の鋳型依存性伸長部と交 雑し、それにより、増幅プライマ伸長生成物を形成する反応と; (ii) 前記対象プライマ分子の前記第一のポリヌクレオチド領域が、前記対象 ポリヌクレオチドの相補的な3′末端および前記対象プライマ分子の鋳型依存性 伸長部分と交雑し、それにより、対象プライマ伸長生成物を形成する反応と; を実行させるに充分な条件下で実行されるステップと; (C)二本鎖核酸分子を変性しそれにより非交雑プライマ伸長生成物を製造する に充分な条件下で前記プライマ伸長生成物(i)または(ii)を定温放置するステッ プと; (D)ステップ(B)で増幅プライマを用いた場合、対象プライマ分子の存在下 で前記非交雑増幅プライマ伸長を定温放置し; ステップ(B)で対象プライマを用いた場合、増幅プライマ分子の存在下で前記 非交雑対象プライマ伸長部を定温放置し; 前記定温放置が、前記増幅プライマ中に存在する該修飾されたヌクレオチドの修 飾を欠くポリメラーゼおよびヌクレオチドの存在下で実行され、前記定温放置が :(i)前記非交雑プライマ伸長生成物が、前記プライマ分子の該3′末端と交雑 し;(ii) 前記プライマ伸長生成物および前記プライマ分子の、鋳型依存性の伸 長を実行し、それにより各々の末端にロックス部位を持つ直鎖状二本鎖核酸分子 を形成し、さらに、増幅される前記対象ポリヌクレオチドおよびヘミ修飾制限部 位を含む;ことを可能とするに充分な条件下にあるステップと; (E)記増幅プライマの該修飾されたヌクレオチド残基の修飾を欠くクレリコン ビナーゼ、前記制限エンドヌクレアーゼ、前記ポリメラーゼ、前記制限エンドヌ クレーゼ、前記ポリメラーゼおよび前記ヌクレオチドの存在下でステップ(D)の 該直鎖状二本鎖核酸分子を定温放置するステップであって、前定温放置が: (1) 前記クレが、各々の末端にロックス部位を持つ前記直鎖状二本鎖核酸分子 を環状化させ、それにより二本鎖環状分子を形成する反応と; (2) 前記制限エンドヌクレアーゼが、前記二本鎖環状分子の前記ヘミ修飾制限 エンドヌクレアーゼ認識部位の非修飾ヌクレオチド包含鎖を切断し、それにより 伸長可能な3′末端を形成する反応と; (3) 前記ポリメラーゼおよび前記非修飾ヌクレオチドが、前記エクステンショ ン可能3′末端の、鋳型依存性プライマ伸長を媒介し、それにより前記対象ポリ ヌクレオチド領域を含む一本鎖ポリヌクレオチドの置換を引き起こす反応であっ て、前記プライマ伸長がさらに、新たなヘミ修飾制限認識部位を生成する結果と なる反応と; (4) 前記制限エンドヌクレアーゼが、前記新たに生成されたヘミ修飾制限エン ドヌクレアーゼ認識部位の非修飾ヌクレオチド含有鎖を切断し、それにより新た な伸長可能な3′末端を形成し、さらに、前記対象ポリヌクレオチド領域を含む 前記一本鎖ポリヌクレオチドの解放を実行させる反応であって、前記置換および 前記解放により、前記対象ポリヌクレオチドの前記所望の増幅を完了させる反応 と; を可能とするステップと; (F)前記対象ポリヌクレオチドの所望のレベルの増幅が達成されるまで、ステ ップ(E)の前記定温放置条件を維持するステップと; を有することを特徴とする方法。 10. 請求の範囲第9項記載の方法において、前記ステップ(E)がさらに: (5) 前記増幅プライマ分子が、前記置換され解放された一本鎖ポリヌクレオチ ドの3′末端部分と交雑する反応と; (6) 前記ポリヌクレオチドおよび前記非修飾ヌクレオチドが、前記交雑された 増幅プライマ分子および前記交雑され、置換され、解放された一本鎖ポリヌクレ オチドの、鋳型依存性の伸長を媒介し、それにより各々の末端にロックス部位を 持つ直鎖状二本鎖核酸分子を形成し、さらに、前記対象ポリヌクレオチド領域お よびヘミ修飾制限部位を含む反応であって、 前記形成された直鎖状二本鎖分子が前記反応'(E)(1)のための基質であり; 前記直鎖状二本鎖核酸分子が前記反応(E)(1)の基質と成る; 反応と; を可能とすることを特徴とする方法。 11. 請求の範囲第9項記載の方法において、前記ステップ(E)がさらに: (5) 前記増幅プライマ分子が、前記置換され解放された一本鎖ポリヌクレオチ ドの3′末端と交雑する反応と; (6) 前記ポリメラーゼおよび前記非修飾ヌクレオチドが、前記交雑された増幅 プライマ分子および前記交雑され、置換され、解放された一本鎖ポリヌクレオチ ドの、鋳型依存性の伸長を媒介し、それにより、各々の末端にロックス部位を持 つ直鎖状二本鎖核酸分子を形成し、さらに、前記対象ポリヌクレオチド領域およ びヘミ修飾制限部位を含む反応であって、前記形成された直鎖状二本鎖核酸分子 が前記反応(E)(1)のための基質である反応と; (7) 反応(E)(1)の前記クレが、前記形成された直鎖状二本鎖分子を環状化させ 、さらに、前記反応の該環状化された生成物が反応(E)(2)、(E)(3)および(E)(4) の基質となる反応と; を可能とすることを特徴とする方法。 12. 請求の範囲第11項記載の方法において、該定温放置条件が、ステッ プ(E)の該反応の全般にわたって、反応体の進行を複数回繰り返すことができる ように維持されることを特徴とする方法。 13. 請求の範囲第項9記載の方法において、前記増幅プライマ分子がさら に第四のポリヌクレオチド領域を含み、前記増幅プライマ分子の前記第四のポリ ヌクレオチド領域が、前記増幅プライマ分子の前記第三のポリヌクレオチド領域 にたいして5′に位置し、さらに、その少なくとも一つの部分にたいして相補的 なヌクレオチド配列を持ち、したがって、前記増幅プライマ分子の前記第三およ び第四のポリヌクレオチド領域が互いに交雑することを特徴とする方法。 14. 請求の範囲第9項記載の方法において、前記対象プライマ分子がさら に第三のポリヌクレオチド領域を含み、前記対象プライマ分子の前記第三のポリ ヌクレオチド領域が前記対象プライマ分子の前記第二のポリヌクレオチド領域に たいして5′に位置しており、さらに、その少なくとも一つの部分にたいして相 補的なヌクレオチド配列を持ち、したがって、前記対象プライマ分子の前記第二 および第三のポリヌクレオチド領域が互いに交雑することを特徴とする方法。 15. 請求の範囲第14項記載の方法において、前記対象プライマ分子がさ らに第三のポリヌクレオチド領域を含み、前記対象プライマ分子の前記第三のポ リヌクレオチド領域が前記対象プライマ分子の前記第二のポリヌクレオチド領域 にたいして5′に位置しており、さらに、その少なくとも一つの部分にたいして 相補的なヌクレオチド配列を持ち、したがって、前記対象プライマ分子の前記第 二および第三のポリヌクレオチド領域が互いに交雑することを特徴とする方法。 16. 請求の範囲第15項記載の方法において、前記ステップ(E)がさらに : (5) 前記増幅プライマ分子が、前記置換され解放された一本鎖ポリヌクレオチ ドの3′末端と交雑する反応と; (6) 前記ポリヌクレアーゼおよび前記非修飾ヌクレオチドが、前記交雑された 増幅プライマ分子および前記交雑され、置換され、解放された一本鎖ポリヌクレ オチドの、鋳型依存性の伸長を媒介し、それにより、各々の末端にロックス部位 を持つ直鎖状二本鎖核酸分子を形成し、さらに、前記対象ポリヌクレオチド領域 およびヘミ修飾制限部位を含む反応であって、 前記形成された直鎖状二本鎖分子が前記ステップ(E)(1)のための基質であり; 前記直鎖状二本鎖核酸分子が前記反応(E)(1)の基質と成る; 反応と; を可能とすることを特徴とする方法。 17. 請求の範囲第15項記載の方法において、前記ステップ(E)がさらに : (5) 前記増幅プライマ分子が、前記置換され解放された一本鎖ポリヌクレオチ ドの3′末端と交雑する反応と; (6) 前記ポリメラーゼおよび前記非修飾ヌクレオチドが、前記交雑された増幅 プライマ分子および前記交雑され、置換され、解放された一本鎖ポリヌクレオチ ドの鋳型依存性伸長を媒介し、それにより、各々の末端にロックス部位を持つ直 鎖状二本鎖核酸分子を形成し、さらに、前記対象ポリヌクレオチド領域およびヘ ミ修飾制限部位を含む反応であって、前記形成された直鎖状二本鎖が前記反応(E )(1)のための基質である反応と; (7) 反応(E)(1)の前記クレが、前記形成された直鎖状二本鎖分子を環状化さ せ、さらに、前記反応の該環状化された生成物が反応(E)(2)、(E)(3)および(E)( 4)の基質となる反応と; を可能とすることを特徴とする方法。 18. 請求の範囲第1項記載の方法において、前記修飾されたヌクレオチド がメタノール変性ヌクレオチドであることを特徴とする方法。 19. 請求の範囲第1項記載の方法において、前記修飾されたヌクレオチド が(チオ)フォスフォロチオエイトヌクレオチドであることを特徴とする方法。 20. 請求の範囲項1 記載の方法において、前記増幅プライマが制限された 分量だけ与えられ、したがって、前記方法が、前記二本鎖核酸対象分子の一方の 鎖を、他方の鎖より以上に増幅することを特徴とする方法。 21. 請求の範囲第9項記載の方法において、 ステップ(B)においては増幅プライマが用いられ; ステップ(D)においては対象プライマが用いられる; ことを特徴とする方法。 22. 請求の範囲第9項記載の方法において、 ステップ(B)においては対象プライマが用いられ; ステップ(D)においては増幅プライマが用いられる; ことを特徴とする方法。 23. 哺乳類の遺伝子の、 ロックス部位と; ヘミ修飾制限部位と; ポリヌクレオチド断片と; を有することを特徴とする二本鎖環状化DNA 分子。 24. 直接反復配向で、哺乳類の遺伝子の、 各々の末端において、ロックス部位と; ヘミ修飾制限部位と; ポリヌクレオチド断片と; を有することを特徴とする二本鎖直鎖状DNA 分子。 25. 3′末端から5′末端に: (1) 対象ポリヌクレオチド領域の3′末端にたいして相補的な第一のポリヌク レオチド領域と; (2) 少なくとも一つの修飾されたヌクレオチド残基を含む第二のポリヌクレオ チド領域であって、もし前記第二のポリヌクレオチド領域が相補的なポリヌクレ オチド領域と交雑すると、それにより、前記修飾されたヌクレオチド残基を含む 核酸分子の一つの鎖を切断することが実質的に不可能である制限エンドヌクレア ーゼにより認識される1 つ以上の制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含む二本鎖 ポリヌクレオチドが形成される領域と; (3) 第三のポリヌクレオチド領域であって、もし前記第三のポリヌクレオチド 領域が相補的なポリヌクレオチド領域と交雑すると、それにより、ロックス部位 を含む二本鎖ポリヌクレオチドが形成される領域と; を有することを特徴とするオリゴヌクレオチド。 26. 請求の範囲第25項記載の方法において、前記対象ポリヌクレオチド が哺乳類の遺伝子であることを特徴とする方法。
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