JPH10513049A - Eph様受容体リガンド - Google Patents

Eph様受容体リガンド

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JPH10513049A
JPH10513049A JP8523019A JP52301996A JPH10513049A JP H10513049 A JPH10513049 A JP H10513049A JP 8523019 A JP8523019 A JP 8523019A JP 52301996 A JP52301996 A JP 52301996A JP H10513049 A JPH10513049 A JP H10513049A
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nucleic acid
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JP8523019A
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バートリイ,テイモシー・デイー
フオツクス,ゲイリー・エム
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アムジエン・インコーポレーテツド
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Abstract

(57)【要約】 1種以上のEPH様受容体、特にHEK4受容体と結合するポリペプチドを開示する。このポリペプチドをHEK4結合タンパク質と呼称する。HEK4結合タンパク質をコードする核酸、並びにこのポリペプチドの作製に用いられる発現ベクター、宿主細胞及び方法も開示する。本発明のポリペプチドは肝臓、腎臓、肺、皮膚、消化管及び神経系を含めた様々な組織の成長及び/または分化の調節に有用であり、傷害されたかまたは消耗した組織の再生、及び癌または神経系障害の治療にも用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 EPH様受容体リガンド 本発明は、1種以上のEPH様受容体と結合するポリペプチドに係わる。本発 明は特に、HEK4受容体と結合するポリペプチド、該ポリペプチドをコードす る核酸、並びに該ポリペプチドの作製に用いられる発現ベクター及び宿主細胞に 係わる。発明の背景 細胞がその環境に対して示す応答はしばしば、可溶性タンパク質である成長及 び分化因子によって媒介される。前記因子はその作用を、トランスメンブラン受 容体と結合して該受容体を活性化することにより発揮する。この相互作用は、最 終的に細胞の生物応答に至るカスケードの最初の事象である。重要なトランスメ ンブラン受容体群の一つに、受容体プロテインチロシンキナーゼ類(van d er Geer等, Ann. Rev. Cell. Bjol. 10, pp.251−337, 1994で検討された受容体PTK)が有る。PTK は、この受容体の同族(cognate)リガンドと特異的に相互作用する細胞 外ドメインと、膜貫通ドメインと、チロシンキナーゼ活 性を有する細胞内ドメインとから成る。受容体PTKは、リガンドが媒介するダ イマー化と、続く細胞質ドメインのチロシン残基の自己リン酸化とによって活性 化される。活性化された受容体PTKは、シグナル伝達(signal tra nsduction)経路内の基質分子をリン酸化して細胞応答を実現し得る。 受容体PTKファミリーは、細胞外ドメインの一般的な構造及び触媒ドメイン 内のアミノ酸配列関係に基づいて幾つかのサブファミリーに分割できる。受容体 プロテインチロシンキナーゼの現在既知のサブファミリーのなかで最大のものは 、少なくとも13の受容体メンバーが属するEPH様受容体類である。このサブ ファミリーに属する受容体には、EPH(Hirai等, Science 2 38, pp.1717−1725, 1987)、ECK(Lindberg 等, Mol. Cell. Bjol. 10, pp.6316−6324 , 1990)、Cek4、Cek5、Cek6、Cek7、Cek8、Cek 9、Cek10(Pasquale, Cell Regulatjon 2, pp.523−534, 1991; Sajjadi等, The New Biolo gist 3, pp.769−778, 1991;Sajjadi及びPa squale, Oncogene 8, pp.1807−1813, 19 93)、Eek、Erk(Chan及びWatt, Oncogene 6, pp.1057−1061, 1991)、Ehk1、Ehk2(Maison pierre等, Oncogene 8, pp.3277−3288, 1 993)、HEK(国際特許出願公開第93/00425号; Wicks等, PNAS 89, pp.1611−1615, 1992)、HEK2(B ohme等,Oncogene 8, pp.2857−2862, 1993 )、HEK5、HEK7、HEK8、HEK11(米国特許出願第08/229 ,509号)、及びHTK(Bennett等, J. Biol. Chem . 269, pp.14211−14218, 1994)が含まれる。 最近まで、EPHサブファミリーに属するいずれの受容体のリガンドも同定さ れていなかった。ECK受容体のリガンドは国際特許出願公開第94/1102 0号及びBartley等, Nature 368, pp.558 −560, 1994に開示され、かつそれ以前に、機能が未知であるcDNA によってコードされるポリペプチドのB61として同定された(Holzman 等, Mol. Cell. Biol. 10, pp.5830−5838 , 1990)。Elk及びEhk1受容体のリガンドも報告されている(国際 特許出願公開第94/11384号; Davis等, Science 26 6, pp.816−819, 1994)。ごく最近、マウス胚中脳及び後脳 cDNAライブラリーから同定されたポリペプチド(ELF−1)がMek4及 びSekのリガンドであることが報告された(Cheng及びFlanagan , Cell 79, pp.157−168, 1994)。 複雑な生物流体から可溶性因子を精製する試みのほとんどは、刺激に対する当 該因子の応答を細胞ベースでバイオアッセイすることに依拠していた。上記応答 には、細胞の増殖率または生存率の上昇、DNA合成の亢進、走化性応答、また は他の幾つかの、下流に現われる受容体活性化の結果が含まれる。受容体の自己 リン酸化も、細胞の刺激を検出するアッセイとして用いられている。本発明者は 最近、受容体/リガンド結合の直接検出と、受容体親和性クロマ トグラフィーを用いる精製とに基づくリガンド単離方法について述べた(Bar tley等,上掲誌)。ここに本発明者は、受容体チロシンキナーゼのEPHサ ブファミリーに対応する一群のリガンドのうちの一つを精製し、配列決定し、か つその分子をクローン化することへの上記方法の適用を報告する。 EPHサブファミリーは受容体PTKの既知のサブファミリーのなかで最大で はあるが、EPHサブファミリーの受容体と結合してこれを活性化するリガンド は僅かしか同定されていない。従って本発明は、EPHサブファミリーに属する 受容体PTKのリガンドでこれまで同定されていないものを同定することを目的 とする。そのようなリガンドは、EPHサブファミリーの受容体を有する細胞の 応答を調節するのに有用である。発明の概要 本発明は、1種以上のEPH様受容体PTKと結合し得るポリペプチドに係わ る。本発明は特に、HEK4受容体と結合するが、EPH様受容体PTKサブフ ァミリーに属する他の受容体とも結合し得るポリペプチドを提供する。このよう なポリペプチドをHEK4結合タンパク質(HE K4 BP)と呼称する。一具体例において、本発明のポリペプチドはHEK4 及びECK受容体と結合してこれらを活性化する。本発明は、HEK4 BPを コードする核酸、及びHEK4 BP核酸とハイブリダイズする、HEK4 B Pの少なくとも一つの生物学的特性を具えたポリペプチドをコードする核酸も包 含する。生物学的に活性なHEK4 BPフラグメント及び類似体とこれらをコ ードする核酸、並びにHEK4 BPを含む融合タンパク質も本発明に包含され る。 生物学的に活性なHEK4 BPの作製に用いられる発現ベクター及び宿主細 胞、並びに前記発現ベクター及び宿主細胞を用いてHEK4 BPを作製する方 法も本発明の範囲内である。本発明は、HEK4 BPと特異的に結合する抗体 も提供する。 本発明のポリペプチドは、EPHサブファミリーの受容体を有する細胞、特に HEK4またはECK受容体を発現させる細胞の成長及び/または分化を調節す る(即ち促進または抑制する)のに有用である。様々な組織のHEK4、ECK 及びHEK4 BP発現レベルから、HEK4 BPは例えば肝臓、腎臓、肺、 皮膚または神経組織の成長及 び/または分化の調節に有用であると考えられる。哺乳動物へのHEK4 BP の投与は、神経系障害の治療、及び傷害されたかまたは消耗した組織の再生に有 用である。HEK4 BP拮抗物質は癌の治療にも有用である。図面の説明 図1はHEK4−X面上の馴らし培地のBIAcoreスクリーニングの結果 を示す。濃縮した細胞−馴らし培地試料を、実施例2に述べたHEK4−X面上 でスクリーニングした。各共鳴単位(RU)範囲内のシグナルを与える馴らし培 地試料の数をヒストグラムに示す。200RUより多く結合した試料を表1に纏 める。 図2はA498馴らし培地からのHEK4結合タンパク質の精製を示す。a) はHEK4 BPのC4逆相HPLCカラムプロフィールであり、b)はC4カ ラム上で観察された、指示したピークのプールのSDS−PAGE分析である。 図3はHEK4結合タンパク質cDNAの配列である。全コーディング配列を 含むヒトHEK4結合タンパク質cDNAクローンの核酸配列を、予想されるア ミノ酸配列と共に示す。上記cDNAクローンからは、三つの潜在的開 始コドンのうちのいずれが用いられるかに依存して213〜228アミノ酸から 成るタンパク質が予想される。図示した配列には、予想される成熟N末端アミノ 酸を残基1として番号が付してあり、推定シグナルペプチド(下線部)は残基− 19から−1までである。 図4は組み換え体HEK4結合タンパク質の精製を示す。a)は組み換え体H EK4 BPのC4逆相HPLCカラムプロフィールであり、b)はA214ピー ク近傍のC4画分のSDS−PAGE分析である。画分はC4カラムからの溶出 時間で同定する。 図5はヒト組織におけるHEK4結合タンパク質の発現を示す。ヒト組織にお けるHEK4結合タンパク質mRNAの発現を、実施例6に述べたノザンブロッ ト分析によって調べた。数種の組織それぞれから単離された2μgのポリA+ mRNAを含有するブロットをClontech(Palo Alto, CA )から購入し、32Pで標識したHEK4結合タンパク質cDNAプローブとハイ ブリダイズさせた。 図6は膜結合HEK4 BPによるEPH様受容体のチロシンリン酸化の刺激 を示す。組み換え体HEK4受容体 及び内在ECKを発現させるCHO細胞を、HEK4 BP cDNAを含む発 現ベクターまたはcDNAを含まないベクターでトランスフェクトした細胞で処 理した。溶解後、HEK4受容体(a)またはECK受容体(b)を免疫沈降さ せた。免疫沈降物をPAGEで分画し、これにエレクトロブロッティングを施し 、抗ホスホチロシン抗体プローブでスクリーニングした。 図7は可溶性HEK4 BPによるチロシンリン酸化の刺激を示す。細胞を、 抗体クラスター化(antibody clustering)した(+)かま たはしない(−)馴らし培地(CM)または組み換え体HEK4 BPで処理し 、HEK4受容体活性についてアッセイした。a)では12倍濃縮培地が2μg /mlのHEK4 BPに匹敵した。b)は、クラスター化HEK4 BPと非 クラスター化HEK4 BPとで比較した用量応答である。 図8はHEK4 BPのHEK4、ECK及びHEK8受容体に対する相対親 和性を示す。可溶性HEK4、ECK及びHEK8受容体存在下での、不動化し たHEK4受容体へのHEK4 BPの結合を、前記3種の受容体の濃度を漸次 高めながら測定するコンペティティブ(競合) アッセイを実施例8に述べたように実施した。「IC50」と記した線は、対照 (競合体不在)のRU値の50%であるHEK4 BP濃度に対応するRU値の 高さに引いてある。発明の詳細な説明 本発明は、1種以上のEPH様受容体PTKと結合し得、特にEPH様受容体 PTKのヒト相同体と結合し得るポリペプチドに係わる。EPH様受容体のヒト 相同体はこれまでに、EPH、ECK、HTK、HEK2、HEK4、HEK5 、HEK7、HEK8及びHEK11の8種が同定されている。本明細書に参考 として含まれる、本出願と同じ出願人による同時係属米国特許出願第08/22 9,509号には、幾つかのHEK受容体の特徴が開示されている。本発明のポ リペプチドはHEK4受容体と優先的に結合し、このポリペプチドを本明細書中 ではHEK4結合タンパク質(NEK4 BP)と呼称する。HEK4受容体は 、先にWilks等,上掲誌によってHEK受容体として同定されたグリコシル 化135kDaプロテインチロシンキナーゼであり、ニワトリ及びマウスにおい てそれぞれ同定されたCek4及びMek4受容体のヒト相同体であ る。HEK4受容体と結合し得るポリペプチドは、細胞表面から核へのシグナル 伝達を開始する事象である受容体の自己リン酸化を誘導することにより、受容体 の活性化も行ない得る。HEK4受容体が活性化されると、HEK4受容体を有 する細胞の成長及び/または分化が調節される。HEK4 BPは、後述する他 のEPH様受容体とも結合し、かつ当該受容体を活性化する。 HEK4結合タンパク質はA498細胞系馴らし培地から、米国特許出願第0 8/145,616号にその概要が開示されている操作によって同定及び単離し た。前記特許出願の当該箇所は本明細書に参考として含まれ、かつ実施例2に詳 述してある。手短に言えば、HEK4の細胞外ドメインをコードする遺伝子を構 築し、実施例1に述べるようにして発現させた。精製したHEK4細胞外ドメイ ンをBIAcoreセンサーチップ上に固定化し、102の異なる細胞系に由来 する濃縮馴らし培地をHEK4受容体細胞外ドメインとの結合に関して表面プラ スモン共鳴によりスクリーニングした。この操作によって表1に示した、HEK 4と相互作用する因子を1種以上有する、幾つかの細胞系に由来する馴らし培地 を同定した。HEK4リガンド のソースとしてA498細胞系を選択し、HEK4と結合するタンパク質を実施 例2に述べたようにして精製した。A498細胞−馴らし培地から精製単離した HEK4結合タンパク質は、非還元SDS−ポリアクリルアミドゲル上で21、 25及び27kDaという三つの主要な分子量形態を有する。これらの形態はグ リコシル化変異体及びC末端プロセシング変異体を表わしている。HEK4 B Pは、臭化シアン分解またはトリプシン分解によって生じるペプチドに関して表 2に示したようなアミノ酸配列を有する。 HEK4結合タンパク質のcDNAクローンをヒト胎盤cDNAライブラリー から、実施例3に述べたようにして得た。ヒトHEK4結合タンパク質cDNA の配列を図3に示す。A498細胞由来タンパク質のcDNA配列決定及びカル ボキシ末端ペプチドマッピングによれば、HEK4結合タンパク質の主要な分泌 形態の一つは図3に示したようにアミノ末端セリン残基を有し、かつ179位に カルボキシ末端プロリン残基を有した。177位にカルボキシ末端アラニン残基 を有する別の分泌形態も検出した。膜結合形態を含めた他の形態のHEK4 B Pを合成することも可能である。 図3に示した、HEK4 BPをコードするcDNAでトランスフェクトした CHO細胞において組み換え体HEK4結合タンパク質を発現させた。可溶性H EK4 BPを実施例4に述べたようにして精製し、BIAcore分析によっ てHEK4受容体と結合することを確認した。精製した可溶性HEK4 BPは HEK4受容体を活性化し、この活性化はリガンドの抗体クラスター化によって 促進された(図7)。HEK4受容体の活性化は、HEK4 BPを発現させる CHO細胞とHEK4受容体を発現させるCHO細胞との接触時にも観察された (図6)。従って、組み換え体HEK4結合タンパク質はEPH様受容体PTK 類と結合し、かつ当該受容体を活性化する。 本発明は、少なくとも1種のEPH様受容体と結合し得る、HEK4結合タン パク質と呼称される精製単離ポリペプチドを提供する。一具体例において、本発 明のポリペプチドはHEK4受容体と結合し得る。本発明のHEK4結合タンパ ク質は哺乳動物、好ましくはヒトに由来する。本発明の精製HEK4結合タンパ ク質は他のヒトタンパク質を実質的に伴わず、非還元SDS−PAGEでは約2 1〜27kDaの分子量を示す。HEK4 BPは図3(配列 番号1)に示したアミノ酸配列に対して少なくとも約70%の相同性を有し、少 なくとも1種のEPH様受容体と結合し得る。好ましくは、HEK4 BPは図 3(配列番号1)に示したアミノ酸配列を有する。HEK4 BPがEPH様受 容体と結合することによって前記受容体が活性化される場合とされない場合とが 有る。EPH様受容体との結合とその活性化は、HEK4 BPの可溶形態もし くは膜結合形態、またはこれら両方の形態によって実現し得る。更に、HEK4 BPによる受容体との結合とその活性化はHEK4受容体に限定されず、HE K4 BPはEPH様受容体ファミリーに属する他の受容体とも結合して当該受 容体を活性化し得ると理解される。実施例7に述べるように、HEK4結合タン パク質はHEK4受容体とECK受容体との両方を活性化することが判明してい る。 本発明のHEK4結合タンパク質は好ましくは、外来DNA配列の原核生物ま たは真核生物発現産物である、即ち組み換え体タンパク質であることを特徴とす る。外来DNAはHEK4結合タンパク質をコードするDNAであり、cDNA 、ゲノムDNA及び合成(人工)DNAを包含する。HEK4結合タンパク質は 、培養した細菌、酵母、植 物細胞、昆虫細胞、または培養したか、もしくはトランスジェニック動物の細胞 である哺乳動物細胞において、当該宿主細胞に適したDNA発現ベクターを用い て発現させ得る。CHO細胞における組み換え体HEK4結合タンパク質の発現 を、本明細書の実施例3に説明する。 本発明は、ダイマー以上のオリゴマーの状態のHEK4BPも提供し、このマ ルチマーHEK4 BPはEPH様受容体と結合し得、及び/または前記受容体 を活性化し得る。可溶性HEK4 BPマルチマーは、HEK4 BP/免疫グ ロブリンキメラ、抗HEK4 BP抗体での処理によりクラスター化したHEK 4 BP、並びに共有結合した、及び共有結合以外で結合したHEK4 BPモ ノマーの中から選択する。クラスター化HEK4 BPは実施例7Bに説明して あり、HEK4 BPキメラは標準的な組み換えDNA技術を用いて構築する。 共有結合した、及び共有結合以外で結合したHEK4 BPモノマーは、当業者 には容易に使用可能なタンパク質架橋試薬及び操作を用いて製造する。 本発明のポリペプチドには、HEK4 BPの生物学的に活性なフラグメント 及び類似体が含まれる。HEK4 BPフラグメントは、図3もしくは配列番号1に示した配列から1個以上のアミ ノ酸が切除(truncate)されたアミノ酸配列を包含し、その際切除はア ミノ末端、カルボキシ末端、またはタンパク質内部において生起し得る。本発明 の類似体には、図3もしくは配列番号1に示した配列に1個以上のアミノ酸を挿 入するか、または前記配列の1個以上のアミノ酸を置換して得られる配列が含ま れる。本発明のフラグメント及び類似体はHEK4結合タンパク質の生物学的特 性を少なくとも一つ具え、典型的には少なくとも1種のEPH様受容体と結合す る能力を有する。 本発明は、異種アミノ酸配列と融合したHEK4 BPアミノ酸配列を含むキ メラポリペプチドも包含する。前記異種配列には、HEK4 BPとのキメラと した時HEK4 BPの一つ以上の生物学的または免疫学的特性を保つ配列が含 まれる。一具体例ではHEK4 BP/免疫グロブリンキメラタンパク質が包含 され、このキメラの分子は凝集して、受容体との結合とその活性化を行なうHE K4BPのマルチマー形態をもたらし得る。一例として、HEK4 BPとIg GのFcフラグメントとのキメラが挙げられる。 本発明は、HEK4結合タンパク質をコードする、単離された核酸も提供する 。この核酸は、 a)図3(配列番号1)に示した核酸、 b)図3(配列番号1)に示したコーディング領域と6×SSC及び65℃の条 件下にハイブリダイズする核酸、 c)(a)及び(b)の核酸に対して縮重性(degenerate)である核 酸 の中から選択される。本発明の核酸はcDNA、ゲノムDNAまたは合成(人工 )DNAであり得る。上記のように特定したハイブリダイゼーション条件は、当 業者が所与の核酸と図3(配列番号1)に示したコーディング領域を含む核酸と の不適正度を推定することを可能にすると理解され、また前記条件は塩、インキ ュベーションの温度及び/または時間を変更し、または洗浄もしくはハイブリダ イゼーションステップにおいて有機溶媒を添加すると変化し得るが、それでもな おハイブリダイゼーションの間同じ不適正レベルが得られることを可能にすると 理解される。従って、本発明の核酸は6×SSC及び65℃という条件と同等の 条件下に図3のコーディング領域とハイブリダイズする核酸を包含すると想定さ れる。HEK4結合タンパ ク質をコードする核酸配列は、アミノ末端リーダー配列及びカルボキシ末端膜固 定(anchor)配列を有し得、あるいはまたこれらの配列の一方もしくは両 方を除去されていてもよい。コードされたポリペプチドは、HEK4BPの生物 学的特性を少なくとも一つ具える。 本発明の核酸は、HEK4結合タンパク質を発現させるための核酸配列と作動 可能に連結する。発現に必要な配列は当業者には知られており、その中には転写 開始のためのプロモーター及びエンハンサー配列、転写終結部位、リボソーム結 合部位、並びにポリペプチドの分泌を導く配列が含まれる。外来遺伝子の発現を 導くべく機能する核酸配列については、D. V. Goeddel, Met hods in Inzymology 185, Academic Pre ss, Inc.編, New York, 1990に概説されている。HE K4結合タンパク質の発現を導く配列は同種であっても異種であってもよい。培 養原核細胞または真核細胞におけるHEK4結合タンパク質の発現には様々な発 現ベクターを用い得る。そのようなベクターの一つに国際特許出願公開第90/ 14363号に開示されたpDSRαが有り、このベクターを用いて HEK4 BPをCHO細胞において発現させた(実施例3参照)。加えて、ト ランスジェニック動物におけるHEK4結合タンパク質の組織特異的発現のため のベクター、及びin vivoでのヒト細胞におけるHEK4結合タンパク質 発現のためのウイルス起源(viral−based)遺伝子移送ベクターも使 用可能である。HEK4結合タンパク質の領域をコードする核酸は、当業者に使 用可能な操作を用いて、適当な宿主細胞における最適の発現のために好ましいコ ドンの置換により修飾し得る。 図3に示したHEK4 BPをコードする核酸配列を挿入したプラスミドpD SRαは1995年1月20日付でAmerican Type Cultur e Collection, Rockville, MDに、ATCC受託番 号第97028号の下に寄託した。 本発明は、HEK4結合タンパク質をコードする核酸で形質転換またはトラン スフェクトした宿主細胞も包含する。宿主細胞としては、HEK4 BPの生物 学的特性を少なくとも一つ具えたポリペプチドを産生する任意の細胞を用い得る 。特定例には細菌、酵母、植物細胞、昆虫細胞または哺乳動物細胞が含まれる。 加えて、HEK4結合タンパ ク質はトランスジェニック動物においても産生され得る。形質転換またはトラン スフェクトした宿主細胞及びトランスジェニック動物は、当業者にとって通常使 用可能な物質及び方法を用いて取得する。宿主細胞は、(図3に示した)リーダ ー配列及びC末端膜固定配列を具えた完全長のHEK4結合タンパク質遺伝子を 含む核酸配列を有し得、あるいはまたリーダー配列及びC末端膜固定配列の一方 または両方を欠く核酸配列を有し得る。加えて、HEK4受容体と結合し得るポ リペプチドをコードする核酸断片、変異体及び類似体も宿主発現系内に存在し得 る。本発明のポリペプチドは、形質転換またはトランスフューズ(transf use)した宿主細胞を適当な栄養条件下に増殖させてHEK4 BPを発現さ せ、得られたポリペプチドを単離することによって作製する。 本発明は、本発明のHEK4結合タンパク質と特異的に結合する抗体も包含す る。本発明の抗体は、完全長の(プロセシングを受けていない)HEK4結合タ ンパク質もしくはその成熟形態またはこれらのフラグメントでの免疫感作によっ て産生させ得る。この抗体はポリクローナルであってもモノクローナルであって もよく、またヒト由来で あってもマウス由来であってもよい。本発明の抗体はまた、マウスのL鎖及びH 鎖上の不変部がヒトの不変部配列で置換されたキメラ抗体、または相補的抗原決 定領域(CDR)のみがマウス由来で、抗体鎖の残りの部分はヒト配列で置換さ れているCDR移植抗体といった組み換え体であってもよい。 本発明は、治療有効量のHEK4結合タンパク質と、医薬に許容可能な佐剤( アジュバント)とを含有する医薬組成物も提供する。医薬に許容可能な佐剤の例 に、稀釈剤(トリス、酢酸またはリン酸緩衝液)、キャリヤー(ヒト血清アルブ ミン)、可溶化剤(Tween、ポリソルベート)、防腐剤(チメロゾル、ベン ジルアルコール)及び酸化防止剤(アスコルビン酸)が含まれる。医薬組成物の 典型的な成分については、A. R. Gennaro編, “Remingt on’s Pharmaceutical Sciences,” 18th ed., Mack, Easton, PA, 1990に比較的広範な概説 が有る。本明細書中に用いた「治療有効量」という語はHEK4結合タンパク質 の、所与の条件及び投与方式の下で治療効果をもたらす量を意味する。このよう な治療有 効量は体重1kgにつき0.01μgから10mgまで変化し得るが、当業者に は決定可能である。 HEK4結合タンパク質は皮下注射、静脈内注射もしくは筋肉内注射によって 投与し得、または経口もしくは鼻腔内投与可能である。選択するべき投与経路は 、治療する状態の性質及び重篤度、並びにHEK4結合タンパク質製剤の薬理動 態を含めた幾つかのパラメーターに依存する。HEK4結合タンパク質は特定様 式での送達用に製剤化し得、例えば該タンパク質をポリエチレングリコールなど の水溶性ポリマーで改質して鼻腔内送達のための特性や注射後の血清中半減期を 改善すること、または該タンパク質をポリマー化合物の粒状調製物(例えばリポ ソーム)に収容し、それによって送達を長期にわたるように制御することが可能 である。 様々な組織におけるHEK4受容体及びHEK4 BPの発現を実施例6A及 び6Bにそれぞれ報告する。HEK4受容体mRNAはヒト胎盤にきわめて多量 に存在し、心臓、脳、肺、肝臓、筋肉、腎臓組織でも検出された。HEK4 B P mRNAは成人の脳、腎臓及び胎盤にきわめて多量に存在し、より低いレベ ルでは心臓、肺、肝臓、脾 臓、前立腺、精巣、卵巣、小腸、筋肉、膵臓及び結腸でも検出された。このよう な発現パターンは、HEK4 BPによるHEK4受容体の活性化によって様々 な標的細胞、特に受容体とリガンドとの両方の発現が検出される脳、心臓、肺、 肝臓、筋肉及び膵臓の細胞の成長及び/または分化が調節されることを示唆して いる。加えて、Wicks等,上掲誌は前B細胞系及びT細胞系に存在するHE K4受容体mRNAについて報告し、造血におけるHEK4BPの役割を示唆し ている。 実施例7に述べるように、HEK4 BPは細胞−細胞自己リン酸化アッセイ においてECK受容体も活性化する。ECK受容体mRNAはラット成体の肺、 小腸、腎臓、卵巣及び皮膚にきわめて多量に存在し、より低いレベルでは脳、脾 臓及び顎下腺でも検出される(Lindberg及びHunter,上掲誌)。 最近、ECKがマウス早期胚の神経系で発現されることが判明した(Becke r等,Mech. Dev. 47, pp.3−17, 1994; Gan ju等, Oncogene 9, pp.1613−1624, 1994) 。これらの観察は、HEK4 BPによるECK受容体の活性化によって肺、腸 、 腎臓、皮膚及び神経系細胞などのECK発現細胞の成長及び/または分化が調節 され得ることを示唆している。 従って、HEK4 BPは様々な組織の標的細胞の成長及び/または分化の程 度を調節する(即ち促進または抑制する)のに有用である。標的細胞はHEK4 BPが活性化する受容体を少なくとも1種有し、その際前記受容体は好ましく は受容体PTKのEPHサブファミリーに属する。次に、HEK4 BPの潜在 的治療用途について述べる。 本発明の一態様によれば、HEK4 BPは神経系細胞の成長及び分化の調節 に用いられる。HEK4 BPは、疾患もしくは創傷によって低下したかもしく は排除された、またはその恐れの有る哺乳動物の神経系の細胞機能を維持または 回復するのに用い得る。標的細胞にはニューロン及び神経膠細胞が含まれる。H EK4 BPで治療できる状態には、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発 性硬化症、卒中及びハンチントン病などの中枢神経系障害、並びに筋萎縮性側索 硬化症(ALS)及び末梢性ニューロパシーなどの末梢神経系障害が含まれる。 脊髄及び末梢性ニューロンの物理的創傷もHEK4 BPで治療し得る。 本発明の別の態様では、HEK4 BPによって消化管 (大腸及び小腸を含む)、肝臓、肺、膵臓及び筋肉の組織並びに造血組織の成長 及び分化を調節する。HEK4 BPのこの活性は特に、疾患または創傷によっ て傷害されたかもしくは消耗した、上記その他の起源を有する組織を再生させる のに有用であり得る。 EPH様受容体のサブファミリーとこれに対応するリガンドは或る種の癌細胞 系において多量に発現されることが観察されている(例えば、ヒト癌細胞系にお けるECK受容体及びECK結合タンパク質の発現に関して国際特許出願公開第 94/11020号参照)。即ち本発明の別の態様では、HEK4 BP拮抗物 質を用いて細胞増殖を阻止することにより癌を治療する。このようにして治療す る癌は、HEK4受容体及び/またはECK受容体を発現させる臓器に関連する 癌と考えられる。HEK4 BP拮抗物質はHEK4 BPの生物活性を抑制す る任意の化合物であり得、HEK4 BPと、またはHEK4 BPによって活 性化されるEPHサブファミリー受容体と結合して受容体とリガンドとの相互作 用を妨げる抗体; EPH様受容体と結合するが該受容体を活性化しないHEK 4 BP; 及びHEK4 BPと結合する可溶性EPH様受容 体を非限定的に含み得る。上述の拮抗物質の小分子模擬体(mimetics) も本発明に包含されると考えられる。 in vivo用途に加え、HEK4 BPをex vivoで用いて細胞集 団を移植前に増幅(amplify)することも可能である。HEK4 BPは 消化管、肝臓、肺、骨髄、腎臓、または中枢及び末梢神経系ニューロン(並びに 神経膠細胞)由来の細胞の培養増殖を、増幅した細胞集団を再導入する療法を必 要とする患者に再導入できる増幅細胞集団が得られるように促進し得ると考えら れる。上記のようないわゆる「細胞療法」は、傷害されたかまたは消耗した細胞 の復元に有用であり、またHEK4BPの全身投与が好ましくない条件下で適当 であり得る。 HEK4 BPは、癌、神経障害、消化管、肝臓または肺の障害の治療、及び 細胞集団のex vivo増殖に単独で、または他の治療薬と組み合わせて用い 得る。HEK4 BPは、他の化学療法薬; 癌治療のための放射線療法; 神 経障害治療のための脳由来神経栄養因子(BDNF)、毛様体神経栄養因子(C NTF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、神経成長因子(NGF)もし くは神経膠由来神経栄養因子(GDNF)といった他の神経 栄養因子; または傷害されたかもしくは消耗した組織の修復のための血小板由 来成長因子(PDGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、上皮成長因子(EG F)、肝細胞成長因子(HGF)もしくは表皮ケラチン細胞成長因子(KGF) といった組織成長因子と併用し得る。 本発明の単離核酸は、HEK4 BPをコードするDNA及び/またはRNA をSambrook等, “Molecular Cloning: A La boratory Manual,” 2nd ed., Cold Spri ng Harbor Laboratory Press, Cold Spr ing Harbor, NY, 1989に記載されているような標準的なハ イブリダイゼーション操作で検出及び定量するのに有用な試薬である。この試薬 によって様々な種類の細胞の、HEK4BP及び関連ポリペプチドを発現させる 潜在能力を確認することが可能となり、またこの試薬は、HEK4 BPをコー ドする遺伝子やHEK4 BPの発現を制御する配列の異常を検出するのにも有 用である。本発明の核酸は、HEK4 BPの発現レベルを制御するのにも有用 である。いわゆる「アンチセンス」核酸はHEK4 BPをコード するDNA及び/またはRNA鎖と、HEK4 BP核酸配列の転写または翻訳 を阻止するようにハイブリダイズする。HEK4 BPの過剰発現によって過剰 な細胞増殖などの望ましくない生理作用が起こる場合は、HEK4 BPを過剰 発現させる細胞にHEK4 BPアンチセンス核酸を導入することが適当である 。 HEK4 BPと特異的に結合する抗体は、当業者に普及しているイムノアッ セイ(ウェスタンブロッティング、RIA、ELISA)を用いて生物試料中の HEK4 BPを検出及び定量するのに有用な試薬である。HEK4BPの存在 は細胞増殖、または細胞増殖の潜在的可能性を指示し得、また高レベルでの存在 は、典型的には癌に関連する異常な細胞成長を知らせ得る。加えて、本発明の抗 体はHEK4 BP活性の作動物質または拮抗物質として機能する有用な治療用 試薬でもあり得る。この抗体はHEK4 BPと、HEK4 BPがEPH受容 体(HEK4またはECK)と結合するのを直接または間接に阻止するように結 合し得る。あるいは他の場合には、本発明の抗体はHEK4 BPと、受容体と の結合とその活性化を促進するように結合し得、その際前記促進は、例えばHE K4 BPを「クラスター化」してダイマー以上のマルチマー形態とし、それによって より効率的な受容体との結合とその活性化を可能にすることで実現される。本発 明の抗体はモノクローナル、ポリクローナル、または組み換え体であり得る。 本発明を、本発明の範囲を限定するとは解釈されない以下の実施例によって更 に詳述する。実施例1 HEK4受容体細胞外ドメイン(HEK4−X)の作製 HEK4受容体プロテインチロシンキナーゼをコードするcDNAクローンを ヒト胎児脳cDNAライブラリー(Stratagene, La Jolla , CA)から、本出願と同じ出願人による同時係属米国特許出願第08/22 9,509号に開示されているようにして単離した。このクローンの配列はWi cks等,上掲誌の図1の配列と、次の点以外は同等であった。Wicksはヌ クレオチド1618〜1620に配列TTAが位置することを報告しているが、 上述のように単離したHEK4受容体クローンは前記位置に配列TTCを有した 。しかし、Wicks等が椎定したタンパク質配列では上記位置にはフェ ニルアラニン残基が特定されており、このことはヌクレオチド1620に「A」 が位置することと矛盾する(TTAはロイシンをコードし、一方TTはフェニ ルアラニンをコードする)。また、ここで得られた配列にはWicks等の配列 のヌクレオチド1529〜1531が存在しない。この変化は、翻訳の読み取り 枠には影響しないものの、Wicks配列の478位の推定グルタミン残基を排 除する。これらの相違点が受容体の生物活性やリガンドとの結合能力に及ぼす影 響は未知である。 上記HEK4受容体cDNAクローンを、HEK4受容体のリガンド結合ドメ インをコードするDNA断片を増幅するべく設計したポリメラーゼ連鎖反応(P CR)において鋳型として用いた。用いたプライマーは、 であった。 これらのプライマーは、540アミノ酸から成るタンパク質をコードする、長 さ1656ヌクレオチドの断片を生 成させる。推定されるタンパク質は、HEK4受容体のアミノ末端からトランス メンブラン領域まで伸長するが前記領域は含まない全細胞外ドメインから成る。 上記1656ヌクレオチド断片を制限エンドヌクレアーゼXbaIで消化し、同 じ酵素で消化した発現ベクターpDSRα中に連結した。得られた発現プラスミ ドを、リン酸カルシウム媒介トランスフェクション(Cellphect; P harmacia, Piscataway, NJ)によってCHO細胞に導 入した。個々のコロニーを、発現プラスミド中に存在するジヒドロ葉酸レダクタ ーゼ(DHFR)遺伝子の発現に基づき選択した。HEK4遺伝子の発現はRN A溶液ハイブリダイゼーション(Hunt等, Exp. Hematol. 19, pp.779−784, 1991)によって、及び/またはHEK4 細胞外ドメインのアミノ酸22〜148に対する抗体を用いるウェスタンブロッ ティングによって監視した。 HEK4発現は、選択したクローンの100nMメトトレキセート中での増殖 によって促進された。大量作製用に1個のpDSRα/HEK4−Xクローンを 選択した。24個の回転瓶に、非必須アミノ酸(1×NEAA; Gi bco)、100nMメトトレキセート、1×ペニシリン/ストレプトマイシン /グルタミン(1×PSG; Gibco)及び10%ウシ胎児血清を添加した ダルベッコの最少必須培地(DMEM)を200mlずつ入れ、これに1瓶当た り約2×107細胞の密度で播種した。細胞は3〜4日で集密状態に達し、この 時点で培地を、血清を添加しないDMEM/NEAA/PSGに変えた。7日後 に細胞−馴らし培地を回収して濃縮し、これにpH8.5の10mMトリス−H Clに対するダイアフィルトレーションを施した。濃縮培地をQ−セファロース FF(Pharmacia)イオン交換カラムに添加し、結合物質をpH8.5 の10mMトリス−HCl中の線形濃度勾配0→0.5MのNaClで溶離した 。画分をSDS−PAGE、及びHEK4細胞外ドメインの残基22〜148に 対するウサキポリクローナル抗体を用いるウェスタンブロッティングで分析した 。HEK4−Xタンパク質を含有する画分をプールし、濃縮し、S−200(S ephacryl S−200; Pharmacia)カラムに添加した。前 記カラムから得られた画分を上記と同様に分析し、HEK4−X含有画分をプー ルした。実施例2 A.HEK4−X結合活性の精製 本発明者は以前、濃縮細胞−馴らし培地において受容体結合活性を検出するの にBIAcoreTM装置(Pharmacia Biosensor, Pis cataway, NJ)を用いることを述べた(Bartley等,上掲誌) 。本発明者は同様の方法を用いて、HEK4受容体結合活性を後述のようにスク リーニングした。 0.2Mの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド −HCl及び0.05MのN−ヒドロキシスタシンイミドを流量5μl/分で注 入することによってBIAcoreセンサーチップの表面を活性化した。活性化 した表面に濃度250μg/mlの精製HEK4−Xを、50μlの注入を上記 と同じ流量で2回行なうことにより適用した。反応しない結合部位をpH8.5 の1Mエタノールアミンの注入によってブロックした。センサーチップ表面を1 0mM HEPES、150mM NaCl、3.4mM EDTA、0.00 5% Tween 20、pH7.4で、基線量が安定するまで一晩洗浄した。 典型的には、固定化の結果6,000〜8,000共鳴単 位(RU)のHEK4−Xがセンサーチップと結合した。 ウシ胎児血清(FBS)を用いずに、または0.5% FBSの存在下に増殖 させた108の細胞系から馴らし培地試料を回収した。無血清条件下に作製した 馴らし培地は、更に処理する前にFBS濃度0.5%に調節した。培地を濾過し 、25倍に濃縮し、アリコートとして−80℃で保存した。各培地の30μl試 料をHEK4−X表面に流量5μl/分で注入し、各注入終了後に20秒間結合 応答を測定した。各試料毎に、上記表面をpH10.4の25mM 3−(シク ロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸で再生させた。200共鳴単位以 上の結合を示した濃縮馴らし培地試料を表1に掲げる。 多くの結合を示した方から五つの馴らし培地を選択し、更に調べた。非特異的 結合を低減するべく注入前の試料に可溶性デキストランを添加したところ、HC T116及びLS174T馴らし培地からのシグナルは大幅に減少した。A17 2細胞は増殖させにくいことが判明し、馴らし培地の大量作製には不適当であっ た。これらの実験、及びパイロット規模の受容体アフィニティークロマトグラフ ィーに基づき、HEK4結合タンパク質精製用馴らし培地の最良ソースとしてA 498細胞系(ATCC受託番号第HTB44号)を選択した。 HEK4−XをCNBr活性化セファロース4B(Pharmacia)に固 定化して、HEK4受容体アフィニティーカラムを調製した。精製HEK4−X を0.1M NaHCO3、0.5M NaCl、pH8.3に対して透析して 、最終濃度2mg/mlとした。HEK4−Xの固定化は、Kenny等の方法 (New Protein Techniques,” J. M. Walk er編, The Humana Press, Clifton, NJ, 1988)に従いリガンド密度1mg/mlで行なった。0.5%血清含有培地 を用いて作製した401のA498馴らし培地を40倍に濃縮し、これにPBS 及び0.02% NaN3に対するダイアフィルトレーションを施し、HEK4 −CNBrセファロースカラムに添加した。カラムをPBSで洗浄し、結合物質 を50mM酢酸ナトリウム、0.5M塩化ナトリウム、pH4.0で溶離した。 画分を1mM CHAPS中に集め、これをポリアクリルアミドゲルに直接添加 した。ゲルを分析のために銀で染色し、またはN末端アミノ酸配列決定(Fau sset及びLu, 1991)に備えてPVDF膜(Problot; Ap plied Biosyste ms, Foster City, CA)上へブロットした。 HEK4−CNBrセファロースカラムから得られたpH4.0の溶離画分は 21、25及び27kDaの分子量を有する三つの主要なタンパク質種を含有し たが、前記分子量は供給試料や洗浄画分では判然としなかった。上記3種のタン パク質を含有する画分をプールし、CHAPSの存在下に濃縮し、Vydac C4逆相HPLCカラム(4.6×150mm)に適用した。カラムを0.1% トリフルオロ酢酸中のアセトニトリル(濃度勾配26→35%)で溶離した。画 分を集め、真空下に体積を減少させ、HEK4結合タンパク質について分析した 。214nmでの吸光により検出した三つの主要なピークをプールし、SDS− PAGEによって分析した(図2参照)。HEK4BPの三つのアイソフォーム を、同じC4カラムへの再適用によって更に精製した。 B.ペプチドの配列決定 A498細胞−馴らし培地の最初の精製から得られた試料に対してタンパク質 配列決定を行なった。試料をSDS−PAGEで分析し、かつPVDF膜上へブ ロットした。 HEK4結合タンパク質と同定されたゲルバンドを切り取り、Applied Biosystems 477Aタンパク質配列決定装置で5サイクル分析した 。この分析では配列が得られず、即ち上記タンパク質のN末端がブロックされて いることが判明した。そこで、試料を臭化シアンで処理してから再度配列決定装 置に適用した。分解試料から、各サイクルにおいて最も高率で得られた配列が同 じペプチドのものであると仮定して仮の配列を得た。前記のように仮定してさえ 回復度は小さかったので、10サイクル経過後も配列は信頼できなかった。この ようにして得られた配列を表2に、ペプチド#1として示す。 次に、臭化シアンで分解し、その後SDS−PAGEで分離した試料を分析し たところ、ペプチド#1の9位はシステイン残基であり、ペプチド#2の6位は アスパラギン酸であることが判明した。ペプチド#3の25位は、後にDNA配 列決定によってアスパラギン酸であることが判明した。表2に示したペプチド# 2及び#3の配列データは、タンパク質のトリプシン消化物を分析し、その後得 られたペプチドを微小孔C4カラムで分離することによって得た。この実験はよ り大量の出発物質を用いて行ない、従ってより確かな配列が得られ、配列決定作 業は20〜30サイクル行なうことが可能であった。表2のペプチド配列をB6 1と比較すれば、これらのペプチドが関連タンパク質のフラグメントであること が判る。このことから、HEK4結合タンパク質もヒトEPH様キナーゼサブフ ァミリーのリガンドの一つであると結論される。実施例3 A.HEK4結合タンパク質をコードするcDNAのクローニング及び配列決定 表2に示した、HEK4 BPペプチドから得られたアミノ酸配列を用いてオ リゴヌクレオチドプライマーを設計 した。プライマー702−3及び633−11を、ランダムプライミングを受け るA498 cDNAを鋳型として用いるPCR反応に用いた。 これらのプライマーによって増幅した175塩基対断片を配列決定したところ 、B61に対して近い関連性を有することが判明した。次に、上記断片をランダ ムプライミングにより32Pで放射性標識し、これをプローブとして用いてcDN Aライブラリーを、完全長HEK4 BP cDNAを有するクローンに関して スクリーニングした。Stratagene(La Jolla, CA)から 購入した、オリゴ−dTプライミングを施されたヒト胎盤CDNAライブラリー を150mmプレート1個当たり30,000プラークの密度で平板培養した。 プレート上に並んだプラークのレプリカを、GeneScreenTMハイブリダ イゼーション転移膜(New England Nuclear, Bosto n, MA)上に製造元の指示に従い製造した。各プレート毎に2個のレプリカ フィルターを製造した。フィルターを6×SSC、1×Denh ardts緩衝液、50μg/mlのサケ精巣DNA、1% SDS中で65℃ で4時間プレハイブリダイズし、その後同じ条件下に12時間、32P標識プロー ブでハイブリダイズした。ハイブリダイゼーション後、フィルターを65℃にお いて0.2×SSC、0.5% SDSで2回、各1時間ずつ洗浄し、このフィ ルターを、増感スタリーンを具備したKodak XARフィルムに対し一晩露 光した。各プレートから製造した2個のフィルターを比較することにより、五つ のプラークが両方のレプリカで陽性であることが判明した。各陽性プラークの周 囲のファージを取り出し、緩衝液中に再懸濁させ、かつより小さい密度で再度平 板培養して、十分に分離されたプラークを二次スクリーニング用に得た。(一次 スクリーニングと同じ方法を用いた)再スクリーニングで陽性であった個々のプ ラークを採取した。これらのファージから得た挿入部分をpBluescrip tプラスミドに、製造元(Stratagene)の指示どおりのin viv o切断によって移入した。五つの挿入部分のうち三つは同等であり、HEK4 BPコーディング領域の全体を含んでいたが、他の二つは重複クローンであった 。コーディング領域の全体 を含む三つの挿入部分から得たデータを用いてコンセンサス配列を組み立てた。 この配列を図3に示す。 HEK4 BP cDNA配列からは、三つの可能な開始コドンのうちのいず れが用いられるかに依存して213〜228アミノ酸から成るタンパク質が推定 される。脊椎動物のmRNAの翻訳に関する規則(Kozak, Cell 4 4, pp.283−292, 1986)からすると、第三の枠内ATGは開 始コドンとは考えにくく、一方最上流に位置する第一のATGは主要な開始コド ンである可能性が最も大きい。B61の場合同様、HEK4BPはアミノ末端と カルボキシ末端との両方に疎水性アミノ酸を有する。これらの疎水性アミノ酸は おそらく、分泌シグナル配列及び膜固定配列としてそれぞれ機能する。B61と 同じく、HEK4 BPも明らかに可溶形態と膜結合形態との両方を有する。N 末端タンパク質配列データは得られなかったが、シグナルペプチドの切断によっ て1位にセリンを有する成熟タンパク質が得られると推測される(図3)。ペプ チドマッピング及び質量分析法に基づき、179位のプロリン(図3)はA49 8細胞−馴らし培地中に見出される主要な可溶形態のC末端アミノ酸であると 考えられる。C末端に177位のアラニン(図3)を有する別の形態も検出した 。 B.組み換え体HEK4 BPの発現 図3に示したHEK4 BP cDNAクローンを、哺乳動物細胞発現用のプ ラスミドベクターpDSRαに挿入した。リン酸カルシウム沈澱法により組み換 え体プラスミドでチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞をトランスフェク トし、前記プラスミドを保有する細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)は含有 するがHT補足成分(即ち10mMナトリウムヒポキサンチン、1.6mMチミ ジン)は含有しないDMEM(高グルコース含量; Gibco, Bethe sda, MD)、1×ペニシリン/ストレプトマイシン/グルタミン(PSG )、1×非必須アミノ酸(NEAA)中での増殖によって選択した。幾つかのク ローンでのHEK4 BP発現を、BIAcore(Pharmacia Bi osensor, Piscataway, NJ)で測定した各クローンの細 胞−馴らし培地のHEK4受容体結合活性のレベルによって評価した。結果は、 ノザンブロットハイブリダイゼーションにより測定したクローンのHEK4 B P mRNAレベル と十分に相関した。或るクローン即ちCHO/HL6は、他のクローンより有意 に優れた組み換え体HEK4 BP産生体であった。このクローンを選択して更 に実験を続けた。CHO/HL6におけるHEK4 BP発現は、数週間にわた って100nMまで逐次増量したメトトレキセートでの処理により2〜4倍に促 進できた。増幅後、HEK4 BP発現細胞を増殖させ、組み換え体タンパク質 精製用ソースとして用いる馴らし培地作製のために回転瓶に移した。全部で10 0個の回転瓶にCHO/HL6細胞を、1瓶当たり107細胞の密度で播種した 。細胞をDMEM(高グルコース含量; Gibco, Bethesda, MD)、1×PSG、1×NEAA及び10% FBS中で、集密状態となるま で(約4日間)増殖させた。増殖期後、培地を、10% FBSではなく0.5 % FBSを含有する以外は同じである培地と交換した。3日後、培地を集め、 濾過して細胞破片を除去し、−80℃で凍結保存した。実施例4 組み換え体HEK4 BPの精製 CHO/HL6細胞を用いて得られた馴らし培地約20 〜251を室温で解凍し、濾過した。培地を濃縮し、分子量10,000をカッ トオフ値とする膜を用いてpH8.5の10mMトリス−HCl(4℃)に対す るダイアフィルトレーションを行なった。ダイアフィルトレーション濾液を高性 能Q−セファロースカラムに添加し、その後pH8.5の10mMトリス−HC l中のNaCl(線形濃度勾配0→0.3M)で溶離した。画分を、大腸菌で産 生された折り畳まれていない(unfolded)HEK4 BPに対する抗体 を用いるイムノブロッティングによって、またはBIAcoreセンサーチップ に固定化したHEK4受容体との結合によってHEK4 BPの存在に関し分析 した。HEK4 BPを含有する画分をプールし、濃縮し、ゲル濾過カラム(S uperdex 75; 5×85cm; PBS 3ml/分)に添加した。 HEK4 BP含有画分を、0.1%トリフルオロ酢酸中のアセトニトリル(濃 度勾配22→44%)を用いるC4逆相HPLC(Vydac 214TP; 4.6×250mm;2.9ml/分)によって更に精製した。ピーク画分のカ ラムプロフィール及びSDS−PAGE分析を図4に示す。画分は真空下に蒸発 させ、0.25Mトリス−HCl、2 mM CHAPS、pH7.5に添加した。実施例5 A.HEK4受容体に対する抗体の作製 HEK4受容体細胞外ドメインに対する抗体を、標準的な方法(Harlow 及びLane, “Antibodies: A Laboratory Ma nual,” Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1988 )を用いて作製した。HEK4受容体のアミノ酸22〜148をコードするcD NAをpATHベクター(Yansura, 1990)の、TrpE遺伝子と 同じ翻訳読み取り枠内に挿入した。得られたプラスミドを大腸菌宿主株に導入し 、それによってHEK4/TrpE融合タンパク質を発現させた。細菌細胞溶解 物を分取SDS−PAGEによって分画し、HEK4/TrpE融合タンパク質 を含有するバンドを切り取った。潰したゲル切片を用いてウサギを、標準的なプ ロトコル(Harlow及びLane,上掲書)に従い免疫感作した。この方法 で得られた抗血清はHEK4/TrpE抗原と、CHO細胞で産生された組み換 え体HEK4−Xとの 両方を認識した。 アオガイヘモシアニン(KLH)に化学的に連結した合成ペプチドを抗原とし て用いて、HEK4受容体のC末端の12個のアミノ酸(配列はCys−Leu −Glu−Thr−Gln−Ser−Lys−Asn−Gly−Pro−Val −Pro−Val)に対する抗体を同じ方法(Harlow及びLane,上掲 書)で作製した。得られた抗血清は、SulfoLinkキット(Pierce , Rockford, IL)を用いてペプチド抗原を固定化したカラムに通 すことにより精製した。これらの抗体は、ウェスタンブロットによってHEK4 受容体を特異的に認識し得た。 B.HEK4 BPに対する抗体の作製 図3に示したHEK4 BP cDNAを、プライマー819−31及び81 9−28を用いるPCRのための鋳型として用いて、HEK4 BPのアミノ酸 1〜179(図3)をコードするポリペプチド断片を作製した。 PCR断片を、プライマーに含まれるNdeI及びBamHI部位を用いて発現 ベクターpCFM1656中へクローン化した。得られた組み換え体プラスミド で大腸菌FM5(ATCC番号第53911号)を形質転換し、切除型(tru ncated)HEK4 BPを不溶性の封入体として発現させた。封入体を可 溶化し、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって精製したHEK4 BPフラグメントを抗原としてウサギに用いた。抗血清が産生され、この抗血清 は開示されているような特徴を有し(Harlow及びLane,上掲書)、ま たウェスタンブロット分析により、CHO細胞で発現されたHEK4 BPを認 識した。実施例6 A.HEK4受容体の発現パターン ラット及びヒト組織におけるHEK4受容体mRNAの発現は以前に、本出願 と同じ出願人による同時係属米国特許出願第08/229,509号に報告され ており、この文献の当該箇所は本明細書に参考として含まれる。この試 験の結果を表3にまとめる。 HEK4受容体mRNAは、試験したヒト組織のうちでは胎盤で最も多量に発 現し、より低いレベルでは心臓、脳、肺及び肝臓でも発現した。細胞系のHEK 4受容体mRNAに関して以前に行なわれた研究では、一つの前B細胞系 及び二つのT細胞系での発現が判明した(Wicks等,1992)。 B.HEK4 BPの発現パターン ヒト組織におけるHEK4 BP mRNAの発現をノザンブロット分析によ って調べた。先に示した各組織に由来する2μgのポリA+を含有するノザンブ ロットをClontech(Palo Alto, CA)から購入し、これを32 P標識HEK4 BPプローブとハイブリダイズした。図5に示したように、 HEK4 BP mRNAは成人の脳、腎臓及び胎盤で高レベルに発現する。心 臓、肺、肝臓、脾臓、前立腺、精巣、卵巣、小腸及び結腸においても、容易に検 出可能なレベルを見出すことができる。多くの異なる組織中にHEK4 BP mRNAが存在することは、この因子が様々な種類の細胞の分化、発生及び/ま たは維持にとって重要であるという考えに合致する。実施例7 A.細胞−細胞自己リン酸化によるEPHサブファミリー受容体のHEK4 B P活性化 あらゆる既知の受容体プロテインチロシンキナーゼに関して、受容体活性化を 特徴付けるものは自己リン酸化であ る(van der Geer等,上掲誌)。HEK4 BPがHEK4受容体 を活性化し得るかどうかを確認するべく、細胞−細胞自己リン酸化アッセイを行 なった。受容細胞は、0.5%血清含有培地中で16時間インキュベートするこ とにより血清欠乏状態とした、HEK4受容体CDNAでトランスフェクトした CHO細胞とした。供与細胞は、HEK4 BP cDNAでトランスフェクト したCHO細胞(実施例3のB参照)か、またはベクターのみでトランスフェク トしたCHO細胞とした。供与細胞をその増殖容器の表面から掻き取ってリン酸 緩衝食塩液に入れ、これを受容細胞に37℃で30分間添加した。洗浄後、受容 細胞を改質RIPA緩衝液(pH7.4の10mMリン酸ナトリウム、150m M塩化ナトリウム、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、1% NP−40、1% デオキシコーレート、10mg/mlアプロチニン、5mM EDTA、200 mMオルトバナジン酸ナトリウム)中で溶解させた。細胞溶解物から受容体を免 疫沈降させ、これを以前に述べたようにして(Bartley等,上掲誌)SD S−ポリアクリルアミドケル電気泳動用に調製した。電気泳動及び膜へのエレク トロブロッティング後、免疫沈降物 を抗ホスホチロシン抗体(4G10; UBI, Lake Placid, NY)でプローブした。製造元が指示するように化学ルミネセンスを用いるセイ ヨウワサビペルオキシダーゼ結合二次試薬(ECL; Amersham)によ って、免疫複合体を検出した。図6に示したように、HEK4結合タンパク質発 現細胞はHEK受容体とECK受容体との両方のチロシンリン酸化を刺激し得た 。対照細胞はいずれの受容体のリン酸化も刺激しなかった。このような結果は、 HEK4 BPがHEK4受容体とECK受容体との両方を活性化し得ることを 示している。 B.可溶性HEK4 BPによるHEK4受容体の活性化 可溶性組み換え体HEK4 BPがHEK4受容体を活性化し得るかどうか確 認するべく、HEK4受容体cDNAでトランスフェクトしたCHO細胞を、H EK4 BP発現CHO細胞(実施例3のB参照)を用いて得られた馴らし培地 、または精製した組み換え体HEK4 BP(実施例4参照)で処理した。処理 前に細胞を、0.5%血清含有培地中で16時間インキュベートすることにより 血清欠乏状態とした。処理は37℃で30分間行ない、その後細胞を改質NP4 0緩衝液(pH8.0の50mMトリス、 150mM塩化ナトリウム、1% NP40、10mg/mlアプロチニン、5 mM EDTA、200mMオルトバナジン酸ナトリウム)中で溶解させ、HE K4受容体を免疫沈降させ、これを以前に述べたようにして(Bartley等 ,上掲誌)SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動用に調製した。電気泳動及 び膜へのエレクトロブロッティング後、免疫沈降物を抗ホスホチロシン抗体(4 G10; UBI, Lake Placid, NY)でプローブした。製造 元が指示するように化学ルミネセンスを用いるセイヨウワサビペルオキシダーゼ 結合二次試薬(ECL; Amersham)によって、免疫複合体を検出した 。図7に示したように、馴らし培地中に存在する、及び精製した可溶性組み換え 体HEK4 BPはHEK4受容体を活性化した。この活性化は、HEK4 B Pカラムでアフィニティー精製した実施例5のBの抗体で馴らし培地または精製 HEK4 BPを前処理することによって促進できた。HEK4受容体発現CH O細胞を処理する前の馴らし培地または精製HEK4 BPを抗体(〜50μg /ml)と共に4℃で1時間インキュベートした。実施例8 EPH様受容体に対するHEK4 BPの親和性 コンペティティブアッセイを用いて、HEK4 BPと異なるEPH様受容体 との結合の差を測定した。精製したHEK4 BPを様々な濃度のHEK4、H EK8またはECK可溶性受容体と共にインキュベートし、混合物と、固定化し たHEK4受容体との結合をBTAcoreで分析した。可溶性受容体の、HE K4 BP結合を50%抑制した濃度をIC50と呼称する。IC50値によっ て、関連する受容体に対するHEK4 BPの相対親和性を比較することが可能 となる。 IC50値は次のように測定した。HEK4 BPと固定化したHEK4受容 体との結合の分析から、60〜500ng/mlの線形応答が判明した。様々な 量の精製したHEK4、ECKまたはHEK8細胞外ドメインを実施例4に述べ たように調製した0.250μg/mlのHEK4 BPと共に、100μg/ ml BSA、10mM HEPES、0.15M NaCl、3.4mM E DTA及び1mg/ml可溶性デキストランを含有するpH7.4の溶液中でイ ンキュベートした。これらの溶液は注入前に3℃で少なくとも30分間インキュ ベートした。受容体 ストック溶液のタンパク質濃度をBCAタンパク質アッセイで確認した。各試料 を二重にし、これらを2日の異なる日に標準曲線の下に並行処理した。総ての表 面を25mM CAPS及び1M NaCl、pH10.4で、基線量の10R U以内に再生させた。平均結合応答を可溶性受容体濃度に対してプロットし(図 8)、HEK4に関しては0.55μg/ml、ECKに関しては5.0μg/ ml、HEK8に関しては10.5μg/mlのIC50値を得た。即ち、HE K4 BPはHEK4受容体と、EPHファミリーに属する他の2種の受容体E CK及びHEK8に比較して優先的に結合する。 本発明を、その好ましいと看做される具体例において説明したが、本発明はこ こに開示した具体例に限定されるべきでなく、逆に請求の範囲各項の思想及び範 囲を逸脱しない様々な変形及び均等物を包含するものとされ、その際前記範囲は あらゆる変形及び均等物が含まれるように最も広く解釈されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 14/47 C12P 21/08 16/18 C12Q 1/68 A C12N 1/21 G01N 33/566 5/10 C12N 5/00 B C12P 21/02 A61K 37/02 ADS 21/08 AAA C12Q 1/68 ACD G01N 33/566 ACS //(C12N 1/21 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),UA(AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM ),AL,AM,AT,AU,AZ,BB,BG,BR ,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE, ES,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ ,VN (72)発明者 フオツクス,ゲイリー・エム アメリカ合衆国、カリフオルニア・91320、 ニユーベリー・パーク、ウエスト・ケリ ー・ロード・35

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 少なくとも1種のEPH様受容体と結合し得る、精製及び単離されたポリ ペプチドであって、前記受容体がHEK4受容体であるポリペプチド。 2. 前記結合によってEPH様受容体を活性化することを特徴とする請求項1 に記載のポリペプチド。 3. ヒト由来であることを特徴とする請求項1に記載のポリペプチド。 4. 他のヒトタンパク質を実質的に含まないことを特徴とする請求項1に記載 のポリペプチド。 5. グリコシル化形態において非還元SDS−PAGEでの見掛けの分子量が 約21〜27kDaであることを特徴とする請求項1に記載のポリペプチド。 6. 外来DNA配列の原核生物または真核生物発現産物であることを特徴とす る請求項1に記載のポリペプチド。 7. 外来DNAがcDNA、ゲノムDNAまたは合成DNAであることを特徴 とする請求項6に記載のポリペプチド。 8. 図3(配列番号1)に示したアミノ酸配列に対して少なくとも約70%の 相同性を有することを特徴とする請 求項1に記載のポリペプチド。 9. 図3(配列番号1)のアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に 記載のポリペプチド。 10. 更に−1位にメチオニン残基を有することを特徴とする請求項9に記載 のポリペプチド。 11. 可溶性であるか、または細胞表面と結合することを特徴とする請求項1 に記載のポリペプチド。 12. ECK受容体とも結合し得ることを特徴とする請求項1に記載のポリペ プチド。 13. マルチマー型であることを特徴とする請求項1に記載のポリペプチド。 14. 免疫グロブリンキメラ、抗体クラスター化タンパク質、並びに共有結合 した、及び共有結合以外で結合したタンパク質モノマーの中から選択されること を特徴とする請求項13に記載のポリペプチド。 15. 少なくとも1種のEPH様受容体と結合し得るポリペプチドをコードす る、単離された核酸であって、 a)図3(配列番号1)に示した核酸、 b)図3(配列番号1)のコーディング領域と6×SSC及び65℃の条件下に ハイブリダイズする核酸、 c)(a)及び(b)の核酸に対して縮重性である核酸 の中から選択される核酸。 16. cDNA、ゲノムDNAまたは合成DNAであることを特徴とする請求 項15に記載の核酸。 17. 請求項15に記載の核酸によってコードされるポリペプチド。 18. 大腸菌での発現にとって好ましい1個以上のコドンを含むことを特徴と する請求項15に記載の核酸。 19. 請求項15に記載の核酸を含む生物機能性プラスミドまたはウイルスベ クター。 20. 請求項19に記載のDNAベクターで安定に形質転換またはトランスフ ェクトされた原核または真核宿主細胞。 21. CHO細胞であることを特徴とする請求項20に記載の宿主細胞。 22. 大腸菌であることを特徴とする請求項20に記載の宿主細胞。 23. 少なくとも1種のEPH様受容体と結合し得るポリペプチドを作製する 方法であって、請求項15に記載の核酸で形質転換またはトランスフェクトした 原核または真 核宿主細胞を適当な栄養条件下に増殖させること、及びベクター中の核酸の発現 産物であるポリペプチドを単離することを含む方法。 24. 治療有効量の請求項1に記載のポリペプチド、及び医薬に許容可能なア ジュバントを含有する医薬組成物。 25. ポリペプチドがヒト由来であることを特徴とする請求項24に記載の組 成物。 26. 請求項1に記載のポリペプチドと特異的に結合する抗体またはそのフラ グメント。 27. モノクローナル抗体であることを特徴とする請求項26に記載の抗体。 28. 少なくとも1種のEPH様受容体を活性化する方法であって、当該受容 体を請求項1に記載のポリペプチドと接触させることを含む方法。 29. 細胞の成長または分化を調節する方法であって、前記細胞を請求項1に 記載のポリペプチドと接触させることを含む方法。 30. 細胞が腎細胞、肺細胞、肝細胞、皮膚細胞、消化管細胞、神経膠細胞、 神経細胞または造血細胞であることを特徴とする請求項29に記載の方法。 31. 哺乳動物の神経系の細胞機能を維持または回復する方法であって、請求 項1に記載のポリペプチドを治療有効量で投与することを含む方法。 32. 哺乳動物の傷害されたかまたは消耗した組織を再生させる方法であって 、請求項1に記載のポリペプチドを治療有効量で投与することを含む方法。 33. 組織が肝臓、肺、消化管または神経系の組織であることを特徴とする請 求項32に記載の方法。 34. 生物試料において少なくとも1種のEPH様受容体と結合し得るポリペ プチドの存在を検出する方法であって、請求項26に記載の抗体が前記ポリペプ チドと結合することを可能にする条件下に試料を前記抗体と接触させること、及 び前記抗体の結合を検出することを含む方法。 35. 生物試料において少なくとも1種のEPH様受容体と結合し得るポリペ プチドをコードする核酸の存在を検出する方法であって、ハイブリダイゼーショ ンを可能にする条件下に試料を請求項15に記載の核酸と接触させること、及び 請求項15に記載の核酸のハイブリダイゼーションを検出することを含む方法。 36. 請求項15に記載の核酸の転写または翻訳を阻止 するようにして前記核酸とハイブリダイズするアンチセンスヌクレオチド配列。
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