【発明の詳細な説明】
化合物および方法発明の分野
本発明は、インダンアミド誘導体、それらの製造方法、およびNK3により媒
介される疾病状態の治療におけるそれらの使用に関する。発明の背景
哺乳動物ペプチドであるニューロキニンB(NKB)は、サブスタンスP(S
P)およびニューロキニンA(NKA)を包含しているタキキニン(TK)ペプ
チドファミリーに属する。薬理学的および分子生物学的確証によってTK受容体
の3つのサブタイプ(NK1、NK2およびNK3)の存在が示されており、NK
BはNK3受容体に優先的に結合するが、他の2つの受容体については低い親和
性で認識する(Maggi et al.,1993,J.Auton.Pharmacol.,13,13-93)。
選択的ペプチド性NK3受容体アンタゴニストが知られており(Drapeau,1990,
Regul.Pept.,31,125-135)、ペプチド性NK3受容体アゴニストに関する知見に
より、NK3受容体を活性化することによりNKBは気道、皮膚、脊髄および黒
色線状体経路における神経インプットの転調において重要な役割を有しているこ
とが示されている(Myers and Undem,1993,J.Phisiol.,470,665-679;Counture e
t al.,1993,Regul.Peptides,46,426-429;Mccarson and Krause;1994,J.Neurosci
.,14(2),712-720;Arenas et al.,1991,J.Neurosci.,11,2332-2338)。
しかしながら、既知アンタゴニストのペプチド様性質は、代謝の観点から見て
実際の治療薬として役立てるにはあまりにも不安定すぎる。
我々は、今回、代謝の観点から見て、既知ペプチド性NK3受容体アンタゴニ
ストよりもずっと安定である選択的かつ非ペプチド性NK3アンタゴニストの1
のクラスを見いだし、それらは肺疾患(ゼンソク、慢性狭窄性肺疾患、COPD
、気道過剰反応、せき)、皮膚疾患およびかゆみ(例えば、アトピー性皮膚炎な
らびに皮膚の膨疹および発赤)、神経原性炎症ならびにCNS疾患(パーキンソ
ン
病、運動障害、不安症)の治療において潜在的治療有用性がある。発明の概要
1の態様において、本発明は式(I):
[式中、(R1)aは独立して水素、低級アルキル、ハロ−置換アルキル、アルケ
ニル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、所望により置換されていてもよいア
リール、シクロアルキル、シクロアルケニル、O−CH2−COOR、−COO
R、−C(O)N(R'R'')またはSO2N(R'R'')、−S(O)n−アルキ
ルまたは−S(O)n−アリールであり、ここにnは0、1または2であり、a
は1ないし3であり、R、R'およびR''は独立して水素または低級アルキルで
あり;
R2およびR3は独立して水素、低級アルキル、ハロ−置換アルキル、アルケニ
ル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、所望により置換されていてもよいアリ
ール、シクロアルキル、シクロアルケニル、−O−CH2−COOR、−C(O
)N(R'R'')またはSO2N(R'R'')、−S(O)n−アルキルまたは−S
(O)n−アリールであり、ここにnは0、1または2であり、R、R'、R''は
独立して水素または低級アルキルであるか、あるいはR2およびR3は−O−(C
H2)r−O−部分を形成するか(rは1ないし3)、あるいはそれら
が結合している炭素と一緒になって5−、6−または7−員環を形成し;
R4およびR5は独立して水素、低級アルキル、ハロ−置換アルキル、アルケニ
ル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、所望により置換されていてもよいアリ
ール、シクロアルキル、シクロアルケニル、−O−CH2−COOR、COOR
、−C(O)N(R'R'')またはSO2N(R'R'')、−S(O)n−アルキル
または−S(O)n−アリールであり、ここにnは0、1または2であり、R、
R'、R''は独立して水素または低級アルキルであるか、あるいはR4およびR5
は−O−(CH2)r−O−部分(rは1ないし3)を形成するか、あるいはR4
およびR5はそれらが結合している炭素と一緒になって5−、6−または7−員
環を形成し;
R6およびR7は独立して水素、所望により−C(O)−により置換されていて
もよいアリール、所望により−SO2−により置換されていてもよいアリール、
所望により置換されていてもよい低級アルキル、所望により置換されていてもよ
いアリール、所望により置換されていてもよいヘテロアリール、所望により置換
されていてもよいアリールアルキル、所望により置換されていてもよいヘテロア
リールアルキル、所望により置換されていてもよいアルケニル、またはNR8R9
であり、ここにR8およびR9は独立して水素、所望により−C(O)−により置
換されていてもよいアリール、所望により−SO2−により置換されていてもよ
いアリール、所望により置換されていてもよい低級アルキル、所望により置換さ
れていてもよいアリール、所望により置換されていてもよいヘテロアリール、所
望により置換されていてもよいアリールアルキル、所望により置換されていても
よいヘテロアリールアルキル、所望により置換されていてもよいアルケニルであ
るか、あるいはR8およびR9はそれらが結合している窒素と一緒になって5−、
6−または7−員環を形成するものであり;あるいはR6およびR7はそれらが結
合している窒素と一緒になって5−、6−または7−員環を形成し;
mは0ないし3;ただし、mが0である場合、R6およびR7のいずれもが水素
であるということはない]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩に関する。
もう1つの態様において、本発明は、式(I)の化合物および医薬上許容され
る担体を含んでなる医薬組成物に関する。
さらにもう1つの態様において、本発明は、有効治療物質として使用される式
(I)の化合物またはその医薬上許容される塩も提供する。
標準的試験におけるNK3アンタゴニストとしての式(I)の化合物の活性は
、それらが肺疾患(ゼンソク、慢性狭窄性肺疾患、COPD、気道過剰反応、せ
き)、皮膚疾患およびかゆみ(例えば、アトピー性皮膚炎ならびに皮膚の膨疹お
よび発赤)、神経原性炎症ならびにCNS疾患(パーキンソン病、運動障害、不
安症)(以後、「症状」という)の治療において潜在的に治療上有用であること
を示す。それゆえ、さらにもう1つの態様において、本発明は、治療を必要とす
る哺乳動物に有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を投与す
ることを特徴とする、哺乳動物、好ましくはヒトにおけるNK3により媒介され
る疾病状態の治療方法に関する。発明の詳細な説明
本明細書の用語「低級アルキル」または「アルキル」は、鎖長を限定しないか
ぎりすべての場合において、1個ないし6個の炭素原子の直鎖状または分枝状の
基を意味し、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、se
c−ブチル、イソブチル、tert−ブチル等を包含するが、これらに限らない
。
本明細書の用語「アルケニル」は、鎖長を限定しないかぎりすべての場合にお
いて、2個ないし6個の炭素原子の直鎖状または分枝状の基を意味し、エテニル
、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニ
ル、2−ブテニル等を包含するが、これらに限らない。
本明細書の用語「アルコキシ」は、鎖長を限定しないかぎりすべての場合にお
いて、酸素原子に結合した1個ないし6個の炭素原子の直鎖状または分枝状の基
を意味し、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ等を包含する
が、これらに限らない。
本明細書の用語「ハロ−置換アルキル」は、すべての場合において、アルキル
鎖上において1個またはそれ以上のハロゲンで置換されている上記アルキル部分
を意味し、トリフルオロメチル(CF3)を包含するが、これに限らない。
本明細書の用語「アリール」または「ヘテロアリール」は、すべての場合にお
いて、所望により置換されていてもよい5ないし14員の芳香族環あるいは二環
式システムまたは三環式システムを包含してもよい環システムを意味し、ここに
1個またはそれ以上の異種原子は酸素、窒素または硫黄から選択される。典型例
はフェニル、ナフチル、ピリジル、キノリニル、チアジニル、イソキノリン、イ
ミダゾール、ピリミジン、オキサゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ベン
ズイミダゾール、フラニル等を包含するが、これらに限らない。
本明細書の用語「異種原子」は、すべての場合において、酸素原子、硫黄原子
または窒素原子を意味する。異種原子が窒素の場合には、R1およびR2は所望に
より当該窒素原子に結合していてもよく、R1およびR2は独立して水素、低級ア
ルキルであるか、あるいはそれらが結合している窒素と一緒になって飽和または
不飽和5−、6−または7−員環を形成する。
本明細書の用語「5−、6−または7−員環」は、すべての場合において、置
換基がそれらの結合窒素または炭素と一緒になって飽和または不飽和環構造を形
成することを意味し、該環構造は所望により酸素、窒素または硫黄から選択され
る少なくとも1個の異種原子を含んでいてもよく、モルホリン、ピペリジン、ピ
ロリジン、ピリジン、シクロヘキシル、シクロペンチル等を包含するが、これら
に限らない。
本明細書の用語「アリールアルキル」および「ヘテロアリールアルキル」は、
すべての場合において、上記定義のC1-6アルキルによってコア分子構造に結合
しているアリールまたはヘテロアリール部分をそれぞれ意味し、例えば、ベンジ
ルまたはフェネチル基である。
本明細書の用語「ハロゲン」は、すべての場合において、クロロ、フルオロ、
ヨードおよびブロモを意味する。
本明細書の用語「所望により置換されていてもよい」は、すべての場合におい
て、部分が1個ないし3個の種々の官能基で置換されていてもよく、あるいは置
換されていなくてもよいことを意味する。所望により存在してもよい置換基はア
ルキル;ハロ−置換アルキル;アルケニル;アルキニル;アリール;ヘテロアリ
ール;アリールアルキル;ヘテロアリールアルキル;ハロゲン;NO2;−ORb
;−SRb;−N(Rb)2;−NHC(O)Rb;−CO2Rbまたは−CON(Rb
)2を包含し、ここにRbは水素、(C1−C4)アルキル、フェニルを包含する
アリール、ベンジルを包含するアリールアルキル、またはヘテロアリールである
が、これらに限らない。本明細書において所望により存在していてもよい好まし
い置換基はアルキル、好ましくはC1ないしC4アルキル、アルコキシ、好ましく
はメトキシおよびエトキシ、NO2、ハロゲン、アリール、好ましくはフェニル
、ならびにアリールアルキル、好ましくはベンジルを包含する。
用語「所望により置換されていてもよい低級アルキル」、「所望により置換さ
れていてもよいアルケニル」、「所望により置換されていてもよいアリールアル
キル」および「所望により置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」は、
R6およびR7の定義において、脂肪族(アルキル)またはオレフィン(アルケニ
ル)部分上の所望により存在してもよい適当な置換基を意味し、1個またはそれ
以上の下記部分を包含するが、これらに限らない:アルコキシ;ヒドロキシ;所
望により置換されていてもよいアリール、好ましくは所望により置換されていて
もよいフェニル;Rが水素または低級アルキルであるCOOR;R6およびR7が
上記定義のものである−NR6R7または−SO2NR6R7;アシルスルホンアミ
ド(例えば、−C(O)NH−SO2−アルキル);およびアロイルスルホンア
ミド(例えば、−C(O)NH−SO2−アリール)。
アリールまたはヘテロアリール部分上に所望により存在してもよい適当な置換
基は1個またはそれ以上の下記部分である:水素;低級アルキル;ハロ−置換ア
ルキル;アルケニル;アルコキシ;rが1ないし3である−O−(CH2)r−O
;ヒドロキシ;所望により置換されていてもよいアリール;シクロアルキル;シ
クロアルケニル;−COOR;−C(O)N(R'R'');−SO2N(R'R''
);−S(O)n−アルキルまたは−S(O)n−アリール(ここに、nは0、1
ま
たは2であり、R、R'、R''は独立して水素または低級アルキル);NO2;ア
ロイルアミド(例えば、−NH−C(O)−アリール);およびアシルアミド(
例えば、−NH−C(O)−アルキル)。
本明細書の用語「シクロアルキル」は、すべての場合において、好ましくは3
個ないし7個の炭素の環状基を意味し、シクロプロピル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル等を包含するが、これらに限らない。
本明細書の用語「シクロアルケニル」は、すべての場合において、オレフィン
的特性、すなわち1個またはそれ以上の二重結合を有する、好ましくは3個ない
し7個の炭素の環状基を意味し、シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロ
ヘキセニル等を包含するが、これらに限らない。
当業者に理解されることであるが、医薬上許容される塩は、塩酸、硫酸、リン
酸、ジホスホン酸、臭化水素および硝酸のごとき無機酸との塩、あるいはリンゴ
酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、酢酸、乳酸、メタン
スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、パルミチン酸、サリチル酸およびステア
リン酸のごとき有機酸との塩を包含するが、これらに限らない。
式(I)の化合物に関して種々の具体例を以下に示す。
適当には、(R1)aは独立して水素、低級アルキル、ハロ−置換アルキル、ア
ルケニル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、所望により置換されていてもよ
いアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、O−CH2−COOR、−C
OOR、−C(O)N(R'R'')またはSO2、(R'R'')、−S(O)n−ア
ルキルまたは−S(O)n−アリールである(ここに、nは0、1または2であ
り、aは1ないし3であり、R、R'、R''は独立して水素または低級アルキル
)。R1は、コアインダン芳香族環上にあってもよい1個ないし3個の独立して
選択される置換基であることが認識されよう。好ましくは、R1は水素またはヒ
ドロキシ、より好ましくは水素である。
適当には、R2およびR3は独立して水素、低級アルキル、ハロ−置換アルキル
、アルケニル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、所望により置換されていて
もよいアリール、シクロアルキル、−O−CH2−COOR、−COOR、
−C(O)N(R'R'')またはSO2N(R'R'')、−S(O)n−アルキルま
たは−S(O)n−アリールであり、ここにnは0、1または2であり、R、R'
、R''は独立して水素または低級アルキルであるか、あるいはR2およびR3は一
緒になって−O−(CH2)r−O−部分(rは1ないし3)を形成するか、ある
いはそれらが結合している炭素と一緒になって5−、6−または7−員環を形成
する。好ましくは、R2およびR3はアルコキシであるか、あるいはそれらは一緒
になって−O−(CH2)r−O−部分(rは1ないし3)を形成する。より好ま
しくは、R2およびR3はメトキシ、エトキシであるか、あるいはそれらは一緒に
なって−O−(CH2)r−O−部分(rは1)を形成する。最も好ましくは、R2
およびR3は一緒になってメチレンジオキシ部分、すなわち−O−(CH2)r−
O−部分(rは1)を形成する。
適当には、R4およびR5は独立して水素、低級アルキル、ハロ−置換アルキル
、アルケニル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、所望により置換されていて
もよいアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、−O−CH2−COOR
、−COOR、−C(O)N(R'R'')またはSO2N(R'R'')、−S(O
)n−アルキルまたは−S(O)n−アリールであり、ここにnは0、1または2
であり、R、R'、R''は独立して水素または低級アルキルであるか、あるいは
R4およびR5は一緒になって−O−(CH2)r−O−部分(rは1ないし3)を
形成するか、あるいはR4およびR5はそれらが結合している炭素と一緒になって
5−、6−または7−員環を形成する。好ましくは、R4およびR5はアルコキシ
であるか、あるいはそれらは一緒になって−O−(CH2)r−O−部分(rは1
ないし3)を形成する。より好ましくは、R4およびR5はメトキシ、エトキシで
あるか、あるいはそれらは一緒になって−O−(CH2)r−O−部分(rは1)
を形成する。最も好ましくは、R4およびR5は一緒になってメチレンジオキシ部
分、すなわち−O−(CH2)r−O−部分(rは1)を形成する。
適当には、R6およびR7は独立して水素、所望により−C(O)−によりによ
り置換されていてもよいアリール、所望により−SO2−により置換されていて
もよいアリール、所望により置換されていてもよい低級アルキル、所望により置
換されていてもよいアリール、所望により置換されていてもよいヘテロアリール
、所望により置換されていてもよいアリールアルキル、所望により置換されてい
てもよいヘテロアリールアルキル、所望により置換されていてもよいアルケニル
またはNR8R9であり、ここにR8よおびR9は独立して水素、所望により−C(
O)−により結合していてもよいアリール、所望により−SO2−により置換さ
れていてもよいアリール、所望により置換されていてもよい低級アルキル、所望
により置換されていてもよいアリール、所望により置換されていてもよいヘテロ
アリール、所望により置換されていてもよいアリールアルキル、所望により置換
されていてもよいヘテロアリールアルキル、所望により置換されていてもよいア
ルケニルであるか、あるいはR8およびR9はそれらが結合している窒素と一緒に
なって5−、6−または7−員環を形成するものであり;あるいはR6およびR7
はそれらが結合している窒素と一緒になって5−、6−または7−員環を形成し
する。好ましくは、R6およびR7は独立して水素;所望により置換されていても
よいアルキル(アルキル部分上に所望により存在してもよい置換基はアルコキシ
、ヒドロキシ、所望により置換されていてもよいアリール、COOR(Rは水素
または低級アルキル)、−NR6R7または−SO2NR6R7(R6およびR7は上
記定義に同じ)、アシルスルホンアミド、およびアロイルスルホンアミド[好ま
しくは、アルキル部分上の所望により存在してもよい置換基は所望により置換さ
れていてもよいフェニルおよびCOORであり、ここにRは水素、メチルまたは
エチル、好ましくは、Rは水素またはメチル]);所望により置換されていても
よいアリールアルキル(アリール部分上に所望により存在してもよい置換基は水
素、低級アルキル、アルケニル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、所望によ
り置換されていてもよいアリール、所望により置換されていてもよいヘテロアリ
ール、シクロアルキル、シクロアルケニル、−COOR、−C(O)N(R'R'
')またはSO2N(R'R'')(R、R'、R''は独立して水素または低級アルキ
ル)、−S(O)n−アルキルまたは−S(O)n−アリール(nは0、1または
2)、NO2、アロイルアミドおよびアシルアミド[好ましくは、アリール部分
上に所望により存在してもよい置換基はNO2、メチレンジオキシまたはアルコ
キシで
あるか、あるいはR6およびR7はそれらが結合している窒素と一緒になって5−
、6−または7−員環、好ましくはピロリジノまたはピペラジノ環を形成する]
)である。
mが0である場合には、R6およびR7が両方とも水素であることはありえない
ことが理解されるであろう。
好ましい式(I)の化合物は以下のとおり:
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N,N−ジメチルカルボキシア
ミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−メチル−N−(2−フェ
ニルエチル)カルボキシアミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[2−(N,N−ジエチル
アミノエチル)]カルボキシアミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[2−(4−ニトロフェ
ニルエチル)]カルボキシアミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−(2−フェニルエチル)
カルボキシアミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[(2−メトキシフェニ
ル)メチル]カルボキシアミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[2−(2−メトキシフ
ェニル)エチル]カルボキシアミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−
(3,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[2−(3,4−メチ
レンジオキシフェニル)エチル]カルボキシアミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[2−(3,4−ジメトキ
シフェニル)エチル]カルボキシアミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[3−(N,N−ジエチル
アミノ)プロピル]カルボキシアミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[(メトキシカルボニル
)フェニルメチル]カルボキシアミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[(ヒドロキシカルボニ
ル)フェニルメチル]カルボキシアミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−エチルカルボキシアミド
;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−2−メチルプロピルカル
ボキシアミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−フェニルメチルカルボキ
シアミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−フェニルカルボキシアミ
ド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−(2−ピリジル)カ
ルボキシアミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−ピペラジニルカルボキシ
アミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[(メトキシカルボニル
)フェニルエチル]カルボキシアミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N,N−ジメチルカルボキシア
ミド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−カルボン酸,2,2−ジメチル
ヒドラジン;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(
3,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−メチルカルボキシアミ
ド;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1,3−ビス(3,4−メチレンジオキシフ
ェニル)インダン−2−N−メチルカルボキシアミド;および
(1α,2β,3α)−(+/−)−5,6−メチレンジオキシ−1,3−ビス(
3,4−メチレンジオキシフェニル)−インダン−2−N−メチルカルボキシア
ミド。
標準的試験におけるNK3アンタゴニストとしての式(I)の化合物の活性は
、それらが肺疾患(ゼンソク、慢性狭窄性肺疾患、COPD、気道過剰反応、せ
き)、皮膚疾患およびかゆみ(例えば、アトピー性皮膚炎ならびに皮膚の膨疹お
よび発赤)、神経原性炎症ならびにCNS疾患(パーキンソン病、運動障害、不
安症)(以後、「症状」という)の治療において潜在的に治療上有用であること
を示す。それゆえ、本発明は、治療を必要とする哺乳動物に有効量の式(I)の
化合物を投与することを特徴とする、NK3により媒介される疾病状態の治療方
法に関す
る。
さらに、本発明は、NK3受容体に対する拮抗を必要とする哺乳動物に有効量
の式(I)のNK3受容体アンタゴニスト化合物を投与することを特徴とする、
NK3受容体に対する拮抗方法を提供する。好ましくは、哺乳動物はヒトである
。
したがって、本発明は、有効治療物質として使用される式(I)の化合物また
はその医薬上許容される塩も提供する。
さらに本発明は、式(I)の化合物、またはその医薬上許容される塩、および
医薬上許容される担体を含んでなる医薬組成物を提供する。
また本発明は、症状の治療のための医薬の製造における、式(I)の化合物ま
たはその医薬上許容される塩の使用を提供する。
本発明のかかる医薬および組成物を、本発明化合物を適当な担体と混合するこ
とにより製造することができる。それは希釈剤、結合剤、充填剤、崩壊剤、香料
、着色料、滑沢剤または保存料を慣用的方法で含んでいてもよい。
これらの慣用的賦形剤を、例えば、症状の治療のための既知薬剤の組成物の製
造におけるのと同様に使用することができる。
好ましくは、本発明医薬組成物は1回分の剤型であり、医療または獣医学の分
野での使用に適したものである。例えば、かかる調合品は、症状の治療のための
、手書きまたは印刷された説明書を添付された袋入りの形態であってもよい。
本発明化合物の適当な用量範囲は使用化合物および患者の状態による。とりわ
け、吸収能ならびに投与頻度および経路に関係する。
本発明化合物または組成物を、いずれの経路による投与のためにも処方するこ
とができ、好ましくは、1回分の剤型またはヒト患者が1回で服用できる形態で
ある。有利には、組成物は経口、直腸、局所、非経口、静脈内または筋肉内投与
に適する。有効成分をゆっくりと放出するように調合品を設計してもよい。
使用医薬担体は、例えば、固体または液体いずれであってもよい。固体担体の
典型例はラクトース、白陶土、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン
、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸等である。液体担体
の典型例は糖蜜、ピーナッツ油、オリーブ油、水等である。同様に、担体または
希
釈剤は、グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートのみ、あ
るいはそれとロウとの混合物のごとき、当業者によく知られた時間遅延材料を含
んでいてもよい。
詳細には、固体担体を用いる場合には、調合品を錠剤とすることができ、硬ゼ
ラチンカプセルに入れることができ、また、粉末もしくは顆粒形態、またはトロ
ーチもしくは甘味入り錠剤の形態とすることができる。固体担体量は広範囲に変
化させられるが、好ましくは、約25mgないし約1000mgであろう。液体
担体を用いる場合には、調合品はシロップ、エマルジョン、軟ゼラチンカプセル
、アンプル入りのごとき滅菌注射可能液体または非水性液体懸濁液であろう。
式(I)の化合物を、NK3により媒介される疾病状態の治療を必要とする哺
乳動物に局所的に投与してもよい。よって、上記症状(これらに限らない)を包
含するNK3により媒介される疾病状態の治療または予防において、式(I)の
化合物を局所的に投与してもよい。
局所投与により治療効果を得るに必要な式(I)の化合物(以後有効成分とい
う)の量は、もちろん、選択した化合物、治療すべき疾病状態の性質および重さ
、および治療を受ける哺乳動物により変化するが、最終的には医師の決定による
。有効成分の適当な用量は、局所投与には1.5mgないし500mg、最も好
ましくは1mgないし100mg、例えば、5ないし25mgを1日2回または
3回投与する。
局所投与とは全身的でない投与を意味し、これには式(I)の化合物の皮膚外
部からの投与またはほほ粘膜からの適用、ならびにかかる化合物の耳、目および
鼻からの滴下が包含されるが、結果的に、化合物は有意には血流に入らないもの
である。対照的に、全身投与とは経口、静脈内、腹腔内および筋肉内投与をいう
。
投与すべき有効成分をそのまま単独で投与することは可能であるが、医薬処方
として提供することが好ましい。有効成分は、局所投与には、処方の0.001
重量%ないし10重量%、例えば、1重量%ないし2重量%とし、処方の10重
量%程度であってもよいが、好ましくは5重量%未満であり、より好ましくは0
.1重量%ないし1重量%である。
獣医およびヒトの医薬の両方のための本発明の局所処方は、1種またはそれ以
上の許容される担体と混合された有効成分および所望により他の治療的成分を含
んでなる。担体は、処方の他の成分に適合し、受容者に悪影響を及ぼさないとい
う意味において「許容される」ものでなくてはならない。
局所投与に適する処方は、皮膚を通る炎症部位への浸透に適した液体または半
固体調合品、例えば、リニメント、ローション、クリーム、軟膏またはパスタ剤
、および目、耳または鼻への投与に適した滴剤を包含する。
本発明滴剤は、滅菌水性もしくは油性溶液もしくは懸濁液からなっていてもよ
く、殺細菌剤および/または殺真菌剤および/または他の適当な保存料の適当な
水溶液、好ましくは界面活性剤含有水溶液に有効成分を溶解することにより製造
することができる。次いで、得られた溶液を濾過により清澄化し、後で密封され
る適当な容器に移し、オートクレーブまたは98−100℃に半時間維持するこ
とにより滅菌することができる。別法として、溶液を濾過により滅菌し、無菌的
方法により容器に移してもよい。滴剤に含ませるのに適した殺細菌剤および殺真
菌剤の例は硝酸フェニル水銀または酢酸フェニル水銀(0.002%)、塩化ベ
ンザルコニウム(0.01%)および酢酸クロルヘキシジン(0.01%)である
。油性溶液の調製に適する溶媒は、グリセロール、希釈されたアルコールおよび
プロピレングリコールを包含する。
本発明ローション剤は、皮膚または目への適用に適したものを包含する。アイ
ローションは、所望により殺細菌剤を含んでいてもよい滅菌水溶液からなってい
てもよく、滴剤の製造と同様の方法により製造することができる。皮膚に適用さ
れるローション剤またはリニメント剤は、アルコールまたはアセトンのごとき乾
燥を促進し皮膚を冷却する剤、および/またはグリセロールのごとき保湿剤、あ
るいはヒマシ油もしくは落花生油のごとき油を含有していてもよい。
本発明クリーム剤、軟膏またはパスタ剤は外部からの適用のための半固体処方
である。細かく粉砕された形態または粉末形態の有効成分をそのまま、あるいは
水性または非水性液体中の溶液または懸濁液中に入れて、適当な機械によってグ
リース状または非グリース状基材と混合することによりそれらを製造することが
できる。基材は、硬、軟または液体パラフィンのごとき炭化水素、グリセロール
、蜜ロウ、金属石鹸;ゴムのり;アーモンド油、トウモロコシ油、落花生油、ヒ
マシ油またはオリーブ油のごとき天然油脂;羊毛脂もしくはその誘導体、または
プロピレングリコールもしくはマクロゲルと混合されたステアリン酸もしくはオ
レイン酸のごとき脂肪酸からなる。処方は、アニオン性、カチオン性またはソル
ビタンエステルもしくはそのポリオキシエチレン誘導体のごとき非イオン性界面
活性剤のごとき適当な界面活性剤を含有していてもよい。天然ゴム、セルロース
誘導体または珪酸含有シリカのごとき無機材料のごとき懸濁剤、ならびにラノリ
ンのごとき他の成分を含有していてもよい。
式(I)の化合物を吸入によって投与してもよい。「吸入」は、鼻腔内および
経口吸入投与を意味する。エアロゾル処方または計量器付き吸入器のごときかか
る投与に適する剤型を慣用的方法により製造することができる。吸入により投与
される式(I)の化合物の1日の投与量は約0.1mgないし約100mg、好
ましくは、1日約1mgないし約10mgである。
1の態様において、本発明は、肺疾患(ゼンソク、慢性狭窄性肺疾患、COP
D、気道過剰反応、せき)、皮膚疾患およびかゆみ(例えば、アトピー性皮膚炎
ならびに皮膚の膨疹および発赤)、神経原性炎症ならびにCNS疾患(パーキン
ソン病、運動障害、不安症)のごとき、NK3により媒介される疾病状態の治療
方法に関する。
「治療」とは、予防的または治療的いずれの処置も意味する。既知方法により
式(I)の化合物を慣用的な医薬上許容される担体または希釈剤と混合すること
により製造される慣用的な剤型としてかかる式(I)の化合物をかかる哺乳動物
に投与することができる。医薬上許容される担体または希釈剤の形態および特徴
は、混合される有効成分量、投与経路および他のよく知られた要因により決定さ
れる。肺疾患(ゼンソク、慢性狭窄性肺疾患、COPD、気道過剰反応、せき)
、皮膚疾患およびかゆみ(例えば、アトピー性皮膚炎ならびに皮膚の膨疹および
発赤)、神経原性炎症ならびにCNS疾患(パーキンソン病、運動障害、不安症
)の治療を必要とする哺乳動物に、これらの疾病状態に関連した徴候を軽減させ
る
に十分な量の式(I)の化合物を投与する。投与経路は経口または非経口であっ
てもよい。
本明細書の用語「非経口」は、静脈内、筋肉内、皮下、直腸内、膣内または腹
腔内投与を包含する。一般的には、皮下および筋肉内形態の非経口投与が好まし
い。好ましくは、1日の非経口投与規則は約30mgないし約300mgの有効
成分[すなわち、式(I)の化合物]であろう。好ましくは、1日の経口投与規
則は約100mgないし約2000mgの有効成分である。
治療すべき症状の性質および程度、投与形態、経路および部位、ならびに治療
される個々の哺乳動物により式(I)の化合物の個々の投与についての最適量お
よび間隔が決定され、慣用的方法によりかる最適値が決定されうることが当業者
により理解されるであろう。最適治療コース、すなわち、一定日数の期間におけ
る式(I)の化合物の1日の投与回数が、慣用的治療コース決定試験を用いて当
業者により確認されうる。調製方法
:
一般的には、当該分野において知られた慣用的方法を用いて、カルボン酸1(
適当なカルボン酸の調製については、1993年5月13日にWO93/087
99として公開されたPCT/US92/093427参照)を、例えば塩化チ
オニルで処理して酸塩化物2を得ることにより、本発明化合物を調製する。これ
を、過剰の市販または慣用的に製造されるアミンまたはアミン混合物および3級
アミンのごとき別の塩基で処理して式(I)の最終生成物を得る。種々のインダ
ンカルボン酸および種々のアミンを用いて多くの異なる式(I)のインダンアミ
ドを調製してもよいことが理解されよう。さらに、混合無水物合成およびジシク
ロヘキシルカルボジイミドにより媒介されるプロセスを包含するアミン製造のた
めの慣用的方法、ならびにLarock,Comprehensive Organic Transformations(VCH
Publishers,Inc.,NY)(1989)に開示されたような他の方法により、本明細書開示
のインダンアミドを調製できることも理解されよう。実施例1:(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)− 3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−メチルカルボキ シアミドの調製
a)(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−( 3,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−カルボニルクロライド
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−カルボン酸(0.073g,0.
188mmol)および塩化チオニル(1ml)を25℃に18時間保った。塩
化チオニルを蒸発させ、残渣をトルエンで処理し、蒸発を行った(2回)。油状
物質として得られた生成物をさらに精製しなかった。
b)(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−( 3,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−メチルカルボキシアミ ド
実施例1(a)の化合物をEt2O(5ml)に溶解し、すばやく室温(以後
RTという)で撹拌した。水(3ml)中40%メチルアミン溶液を滴下した。
添加完了後、混合物を2時間撹拌した。沈殿生成物を濾過により集め、水(5m
l)で洗浄し、次いで、Et2O(5ml)で洗浄した。乾燥後、化合物(0.0
54g,72%)を白色固体として得た。融点(以後mpという)189−19
0℃。
実施例2:(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)− 3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−[N−[(メトキシ カルボニル)フェニルエチル]]カルボキシアミドの調製
a)(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−( 3,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−[N−[(メトキシカル ボニル)フェニルエチル]]カルボキシアミド
塩化メチレン(4ml)中の実施例1(a)およびDL−フェニルアラニンメ
チルエステル塩酸塩(Chemservice Inc.,Westchester,PA、0.061g,0.28
3mmol)にトリエチルアミン(1ml)を添加した。室温で18時間後、酢
酸エチル(20ml)を添加した。混合物を振盪し、層分離させた。酢酸エチル
抽出物を水(1x20ml)、10%塩酸(1x20ml)、水(1x20ml
)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィーに供
して標記化合物を白色無定形固体として得た(0.087g,61%)。MS(E
S+イオン)m/e 550[MH+]。実施例3
メチルアミンまたはDL−フェニルアラニンメチルエステルのかわりに適当な
アミンを用いること以外は実施例1および実施例2の手順に類似の手順を用いて
下記の式(I)の化合物を調製した:
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N,N−ジメチルカルボキシア
ミド;mp:146−147℃;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−メチル−N−(2−フェ
ニルエチル)カルボキシアミド;ESMS(;イオン)M/e 506[M+H
];
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[2−(N,N−ジエチル
アミノエチル)]カルボキシアミド;ESMS(;イオン)M/e 487[M
+H];
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[2−(4−ニトロフェ
ニルエチル)]カルボキシアミド;ESMS(;イオン)M/e 536[M
+H];
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−(2−フェニルエチル)
カルボキシアミド;mp:159−160℃;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[(2−メトキシフェニ
ル)メチル]カルボキシアミド;mp:171−173℃;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[2−(2−メトキシフ
ェニル)エチル]カルボキシアミド;mp:160−162℃;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[2−(3,4−メチレン
ジオキシフェニル)エチル]カルボキシアミド;mp:143−145℃;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[2−(3,4−ジメトキ
シフェニル)エチル]カルボキシアミド;mp:138−140℃;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[3−(N,N−ジエチル
アミノ)プロピル]カルボキシアミド;ESMS(+イオン)M/e501[M
+H];
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[(メトキシカルボニル
)フェニルメチル]カルボキシアミド;mp:144−146℃;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[(ヒドロキシカルボニ
ル)フェニルメチル]カルボキシアミド;mp:207−208℃;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−エチルカルボキシア
ミド;mp:148−150℃;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−2−メチルプロピルカル
ボキシアミド;mp:178−179℃;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−フェニルメチルカルボキ
シアミド;mp:170−171℃;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−フェニルカルボキシアミ
ド;mp:179−181℃;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−(2−ピリジル)カルボ
キシアミド;ESMS(+イオン)M/e 465[M+H];
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−ピペラジニルカルボキシ
アミド;mp:162−164℃;および
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−[(メトキシカルボニル
)フェニルエチル]カルボキシアミド;mp:170−172℃。実施例4
実施例3で用いるもののかわりに適当なインダンカルボン酸および適当なアミ
ンを用いること以外は実施例1および実施例2の手順に従って下記のものを調製
した:
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3
,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N,N−ジメチルカルボキシア
ミド;mp:222−223℃;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−メトキシフェニル)−3−
(3,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−カルボン酸,2,2−ジメ
チルヒドラジン;mp:137−139℃;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(
3,4−メチレンジオキシフェニル)インダン−2−N−メチルカルボキシアミ
ド;mp:187−188℃;
(1α,2β,3α)−(+/−)−1,3−ビス(3,4−メチレンジオキシフ
ェニル)インダン−2−N−メチルカルボキシアミド;mp:225−225.
5℃;および
(1α,2β,3α)−(+/−)−5,6−メチレンジオキシ−1,3−ビス(
3,4−メチレンジオキシフェニル)−インダン−2−N−メチルカルボキシア
ミド;mp:218−219℃。生物学的アッセイ
:
本発明は、有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を治療お
よび/または予防を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物
、特に、ヒトにおける症状の治療および/または予防方法も提供する。
放射性標識NK3リガンドである[125I]−[Me−Phe7]−NKBまた
は[3H]−センクチドのモルモットおよびヒトNK3受容体への結合に対する阻
害能により、NK3リガンドとしての本発明化合物の活性を調べる(Renzetti et
al.,1991,Neuropeptide,18,104-114;Buell et al.,1992,FEBS,299(1),90-95;Ch
ung et al.,1994,Biochem.Biophys.Res.Commun.,198(3),967-972)。
使用結合アッセイは、平衡状態においてNK3受容体への[125I]−[Me−
Phe7]−NKBまたは[3H]−センクチドの結合を50%減少させるのに必
要な個々の化合物濃度の決定を可能にする。
結合アッセイにより、3系または4系に行われる2ないし5回の別個の実験の
各試験化合物のIC50平均値が得られる。最も有効な本発明化合物は、10マイ
クロモラーまでの範囲のIC50値を示す。
センクチドにより誘導されるモルモット回腸の収縮(Maggi et al.,1990,Br.J
.
Pharmacol.,101,996-1000)およびヒトNK3受容体により伝達されるCa++可動
化(Mochizuki et al.,1994,J.Biol.Chem.,269,9651-9658)に対する阻害能によ
り、本発明化合物のNK3アンタゴニスト活性を調べる。モルモット機能のアッ
セイにより、3ないし8回の別個の実験の各試験化合物の平均KBが示される。
ここにKBは、センクチドの用量応答曲線における2倍の右方向シフトを生じる
のに必要な個々の化合物濃度である。ヒト・受容体機能アッセイは、アゴニスト
NKBにより誘導されるCa++可動化を50%減少させるのに必要な個々の化合
物の濃度(IC50値)の決定を可能にする。このアッセイにおいて、本発明化合
物はアンタゴニストとして挙動する。
齧歯類疾病モデルを用いて、症状の治療における本発明化合物の治療能を評価
することができる。
上記説明は、好ましい具体例を含めて本発明を十分に開示する。本明細書に詳
細に開示した具体例の修飾および改良は回請求の範囲の範囲内である。さらに努
力せずに、当業者は、上記説明により本発明を最大限に利用できると確信する。
それゆえ、実施例は単なる説明であり、本発明の範囲を何ら限定するものではな
い。排他的権利または特権が請求されている本発明の具体例は以下のごとく定義
される。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/36 ADA A61K 31/36 ADA
AED AED
31/44 ABE 31/44 ABE
C07D 405/10 213 C07D 405/10 213