JPH10511142A - キューポラ炉中で生成した残留物の利用及び廃棄方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 キューポラ炉中で生成し金属が含まれる湿潤残留物を回収及び廃棄し、ダストをフィルター装置により捕集する方法を開示する。本発明の方法は、湿潤残留物諸成分をシステムからの高温排気ガスを用いて乾燥し、炉中に再導入することにより回収するか又はスラグに転化することを特徴とする。この方法により、高い廃棄物投棄費用を回避し、利用可能な有用物質及び排気ガスエネルギーを最も効率的に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 キューポラ炉中で生成した残留物の利用及び廃棄方法 本発明は、キューポラ炉中で生成した湿潤残留物の利用方法に関する。 大気汚染の抑制に関する規制が一層厳格になるので、環境保護用装置は鋳造設 備の必須の構成要素である。このような情況においては、鋳造原料の利用及び廃 棄は、将来の最重要課題として現われる。 溶鉱炉、特にキューポラ炉は、鉄の溶融用に既に長期間にわたり知られている 。これらの炉では、金属装入物に燃料、銑鉄、リサイクル原料及び屑鉄を加えて 、燃料を可変の割合で用いて溶融させる。 溶鉱炉又はキューポラ炉中で金属溶融工程中に生成するガスは、多量のダスト を含む。これらのダストは、一般的に金属で汚染されている。これは、通常はキ ューポラ炉に凝固銑鉄及び屑鉄を装入し、屑鉄の組成はその発生源と市場価格を 考慮して用いられる量とに高度に左右されるためである。従って、キューポラ炉 フィルターシステム中で発生するダストの組成は可変であり、必ずしも常にリサ イクル工程に用いるのに適切ではない。このことは例えばドイツ国特許出願第Ｄ Ｅ ３９ ４２ ９０２号明細書に開示されている。この明細書には、キューポ ラ炉中で発生する炉中ダスト及び金属及び／又は酸化物の質を高める方法が記載 されており、ここではダストをシステム中のフィルター設備により捕集し、所定 濃度の金属又はその酸化物が得られる迄キューポラ炉中に金属含有ダストを繰り 返し導入する。 キューポラ炉中で捕集されるダストは、前述の汚染物があるので精製しなけれ ばならない。このことは、乾式フィルターシステム又は湿式スクラバーのいずれ かにより、一般的には粉砕機を用いて行う。 湿式圧気式鉱石洗浄法においては、フィルタープレス中で脱水されたフィルタ ーケーク又はスラッジのいずれかが生成する。次にフィルターケークを廃棄物と して投棄場に廃棄する。しかし、これらのフィルターケークは、溶融工程により フィルターケーク中に残留物を生成するＺｎ、Ｐｂ、Ｃｄ等の金属により高度に 汚染されているので、これらのフィルターケークは有害廃棄物投棄場に廃棄しな ければならない。これには高い費用がかかる。 乾式圧気式鉱石洗浄法からのダストは、特にキューポラ炉の場合には、安価な コークス代用品として、溶融圏域中に、吸引又は吹き込みにより再導入すること ができる。好首尾に試験したコーク代用品工程に加えて、この方法はダストの繰 り返しリサイクルにより、金属含量を経済的回収に適するような範囲まで増加す ることを可能にする。 このことは、環境を大いに保護し、投棄にかかる費用を顕著に節約することを 意味する。 湿式ガス洗浄からダストを豆炭の形態で回収する試行は、溶鉱炉内の過剰な磨 耗のために、あまり好首尾ではないことが明らかになった。 前述した従来技術から出発して、本発明の目的は、湿潤ダストを溶鉱炉又はキ ューポラ炉中で経済的かつ再現可能に利用できる方法を提供することにある。 この目的は、請求の範囲１の教示により達成される。 他の好都合な特色は、従属する請求の範囲に従う。 添付した図面に基づいて、本発明の好ましい操作例を一層詳細に説明する。 図面はキューポラ炉１から溶融工程中に生成したダストを排出させ、粉砕機２ に供給することを図式的に示す。粉砕機２はダストを洗浄するスクラバーユニッ トとして作用する。図示しない下流タンクにおいて、回収したスラッジを沈降さ せることができ、このスラッジを次にプレス３に導入する。このようにして生成 したなおも湿潤しているフィルターケークを、フィルターケーク乾燥装置４に通 す。これは、例えばコンベックス(Convex)乾燥機とすることができる。スラッジ 又はフィルターケークを装置４中で、燃焼室９の下流のシステムから枝分かれし た高温排気ガスを用いて乾燥し、ファンにより必要な圧力で乾燥ユニットに輸送 する。次にガスと乾燥ダストとの生成混合物をサイクロン５中で分離する。ダス トを空気コンベヤーによりダスト再供給システムのサイロ７に輸送し、キューポ ラ炉中にノズルにより吸引するか又は吹き込む。ガスを炉ガスシステムに再循環 する。 記載した本発明の方法の特別の利点は、以下の通りである。 −有害廃棄物の高い投棄費用を回避する。 −排気ガスの利用可能なエネルギーを最適に利用する。 −ダスト成分（Ｚｎ、Ｐｂ等、最終成分）を回収する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．キューポラ炉中で又は他の工程中に生成し、湿式洗浄システムを用いて捕集 された、金属が存在する残留物を利用し、廃棄するにあたり、 湿潤残留物部分をシステムからの高温排気ガスにより乾燥し、キューポラ炉 中に再導入し及び／又はスラグに転化することにより利用することを特徴とする 残留物の利用及び廃棄方法。 ２．湿潤残留物をスラッジ又はフィルターケークの形態で用いる請求の範囲１記 載の方法。 ３．生成したダストをキューポラ炉中に導入する請求の範囲１又は２記載の方法 。 ４．ダストをキューポラ炉中で生成するか又はキューポラ炉から発生する請求の 範囲１、２又は３記載の方法。 ５．ダストが外部からのダストであり、これを利用するためにキューポラ炉中に 導入する請求の範囲１〜４のいずれか１つの項記載の方法。 ６．サイクロン（５）からの排気を湿式圧気式鉱石洗浄法の上流の溶鉱炉ガス流 中に導入する請求の範囲１〜５のいずれか１つの項記載の方法。 ７．サイクロン（５）からの排気をキューポラ炉の高温吹き込み空気中に導入す る請求の範囲１〜６のいずれか１つの項記載の方法。