JPH10508476A - 抗生物質ge2270因子d▲下2▼を得るための微生物変換法 - Google Patents
抗生物質ge2270因子d▲下2▼を得るための微生物変換法Info
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- JPH10508476A JPH10508476A JP8514980A JP51498096A JPH10508476A JP H10508476 A JPH10508476 A JP H10508476A JP 8514980 A JP8514980 A JP 8514980A JP 51498096 A JP51498096 A JP 51498096A JP H10508476 A JPH10508476 A JP H10508476A
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Abstract
(57)【要約】
本発明は抗生物質GE2270因子D2を得るための微生物変換法に関し、その方法は抗生物質GE2270因子Aをストレプトスポランギウム・ブルガレ(Streptosporangium vulgare)株の培養物と接触させることを含む。
Description
【発明の詳細な説明】
抗生物質GE2270因子D2を得るための微生物変換法
本発明は式I
の化合物を得るための微生物変換に関する。
上記の式Iにより示される化合物は既知の化合物であり、さらに正確にはそれ
は抗生物質複合体GE2270の単一因子(single factor)の1
つ、すなわち因子D2である。
そのような抗生物質複合体は米国特許第5202241号において最初に開示
された。
上記で引用した特許に記載されている通り、抗生物質GE2270複合体は、
同化可能な炭素、窒素及び無機塩の供給源を含有する水性培地において株プラノ
ビスポラ・ロゼア(Planobispora rosea)ATCC 537
73(又はその適した突然変異株又は変異株)を培養することにより得られる。
発酵生成物の精製により複合体の主因子が単離され、それがGE2270因子A
と命名され;この化合物の化学構造は−CH2−OH基ではなく−CH2−O−C
H3基がチアゾール環Eに結合しているという唯一の相違をもって上記の式Iに
より示すことができる。
因子A及び抗生物質複合体の全体的収率の両方を選択的に向上させるための方
法が国際特許出願PCT/EP93/1907(USも指定),公開番号WO
94/05798に開示されている。そのような結果はビタミンB12(シアノコ
バラミン)、又はシアノ基が他のリガンドにより置換されているビタミンB12−
様活性を有するその類似体をGE2270抗生物質複合体の生産に用いられる発
酵培地に加えることにより達成され;ビタミンB12又はその類似体はそのまま、
又はもっと複雑な材料(例えば魚粉)の成分として加えることができ、発酵ブロ
スに加えられる量は0.005〜5ppmの範囲である。
GE2270複合体の少量因子(minor factor)(すなわちB1
、B2、C1、C2、D1、D2、E及びT)の単離及び精製、ならびにそれらの殺
微生物活性はEP特許451486(米国出願番号08/460177に対応)
に記載されている。
これらの少量因子及び主因子Aはグラム陽性バクテリア、ならびにグラム陽性
及びグラム陰性嫌気性生物に対して主に活性な殺微生物剤である。それらはスタ
フィロコックス・エンドカルジチスにおいても非常に活性で、メチシリン、アミ
ノグリコシド又はグリコペプチド抗生物質との交差耐性もないと思われる。
上記で引用した特許は最初に因子D2の(及び他の少量因子の)化学構造を開
示し、その構造は該特許出願で報告された物理化学的データに基づいて指定され
た。しかしGE2270因子の分解生成物についてさらに研究すると、文字D及
びEで記されている2つのアミノ酸がEP451486で報告された式と比較し
て実際は反対の順序にあるので、推測されたアミノ酸の順序は正しくないことが
示唆され;従って本式Iが抗生物質GE2270の、特にD2因子の構造を正し
く示すために提案された。
現在、有意な量の抗生物質GE2270因子D2を生成するための簡単な方法
は得られていない。
従って、本発明の目的は実質的量のGE2270因子D2を得ることを可能に
する新規な方法を提供することである。
この目的は本発明に従い、抗生物質化合物GE2270の主成分、すなわちA
因子を単一成分として又は複合体として微生物的に変換することにより達成され
;結果は因子Aのチアゾール環Eに結合している−CH2−O−CH3部分をO−
脱メチル化し、かくして該部分が−CH2−OHである式Iの所望の化合物、す
なわち因子D2を得ることである。
適した変換性微生物を用いることにより酵素反応を用いて既知の分子を生物変
換することは、古くから既知の方法であるが(Sariasl
ani F.S.and Rosazza J.P.N.,Enzyme Mi
crob.Technol.,1984,vol 6,242−253を参照さ
れたい)、一般に変換する微生物が特定の化合物について特異的反応を行うとい
う制限を与える。微生物が特定の種類の1種より多い基質について同じ変換を行
うことができるのは時々であり、異なる種類の化合物への場合はもっと希であり
、同じ微生物が異なる基質に異なる生物変換を行うのは非常に希である。
かくしてある種の微生物が特定の基質に特定の変換を行うことが既知の場合、
同じ微生物が異なる基質に同じ又は異なる反応を行うであろうという確実性はな
い。
特別な場合として、多様な基質にO−脱メチル化を行うために有用な複数の微
生物が既知である。
これらの中で、ストレプトミセス・グリセウス種(Streptomyces
griseus)は数種のアルカロイド類、テルペン類及び他の基質に関する
有意なO−脱アルキル化活性を示し(上記で引用したSariaslani a
nd Rosazzaを参照されたい)、バシルス・メガテリウム種(Baci
llus megaterium)は、Izawa M.et al.によりJ
.of Antibiot.,34,(1981b),p.1587及び米国特
許第4361650号に記載されている通り、アンサマイトシン(ansato
micin)基質をO−脱メチル化できることが見いだされている。菌類も特異
的基質のO−脱メチル化に簡便に用いることができ;例えば、Boothroy
d B.et al.,Biochem.J.,80(1960),p.34に
従うと、ミクロスポルム・カニス(Microsporum
canis)はグリセオフルビンのO−脱メチル化に用いることができる。
しかし上記の種のいずれも及びそれらのO−脱メチル化性に関して既知の複数
の他の微生物のいずれも抗生物質GE2270因子AにO−脱メチル化反応を行
うことはできない。
本発明の方法に従うと、GE2270因子Aの因子D2への生物変換はストレ
プトスポランギウム・ブルガレ種(Streptosporangium vu
lgare)を用いて達成され;現在この種のいずれの株も、ある基質へのO−
脱メチル化活性を有することは知られていない。
本発明の方法に簡便に用いることができるストレプトスポランギウム・ブルガ
レ種の例は、因子Aの因子D2への生物変換を行うことができるいずれかのスト
レプトスポランギウム・ブルガレ株、例えばストレプトスポランギウム・ブルガ
レATCC 33329又はストレプトスポランギウム・ブルガレATCC 2
1906である。
株ストレプトスポランギウム・ブルガレATCC 33329、あるいはGE
2270因子Aを因子D2に変換することができるその変異株又は突然変異株を
本発明の生物変換法に用いるのが好ましい。頭字語“ATCC”は“Ameri
can Type Culture Collection”,Rockvil
le,Maryland,U.S.A.を言い、そこに株が上記の寄託番号をも
って寄託されており;この株は“Centraalbureau voor S
chimmercultures”,Baarn,Netherlands(寄
託番号:CBS 433.61)、“Northern Utilizatio
n Research and Development Division”
,U.S.Dept.of Agriculture,Peoria,Illi
nois,U.S.A.(寄託番号:NRRL B−2633)及び“USSR
Research Institute for Antibiotics”
,Moscow,USSR(寄託番号:RIA 765)などの他の培養物寄託
機関にも寄託された。
上記の株はJournal of Fermentation Techno
logy 38,405,1960においてNonomura H.及びOha
ra Y.により最初に報告された。この株の培養特性を以下の表1に報告する
。
†=培地の番号はShirling and Gottlieb,Methods for characterization of S
treptomyces species,Int.J.Syst.Bact.,16:313-338,1966により与えられ
ている番号を引用している
米国特許第3827941号に開示されている通り、ストレプトスポランギウ
ム・ブルガレATCC 33329株はエリスロマイシンBの11−脱アセチル
化に用いられた。
好ましい株のGE2270因子D2生産性変異株又は突然変異株は通常の技術
的知識に従って得ることができる。
例えばストレプトスポランギウム・ブルガレATCC 33329株の適した
変異株を、殺微生物的有効量(最高50μg/ml)の抗生物質GE2270因
子Aを含有する培地(例えば下記に挙げる培地の1つ)に最初の株を播種するこ
とにより得ることができ;抗生物質の存在下で他より高い増殖を示すコロニーが
観察されたら、これらを選択し、新しい培地に移し、発酵させ、生物変換法に用
いる。この方法は当該技術分野において既知の通り1段階又は連続的繰り返し段
階を含むことができ、多くの段階が行われるほど、株の高い均質性が得られる。
ストレプトスポランギウム・ブルガレATCC 33329株のGE2270
因子D2生産性突然変異株は、通常の突然変異誘発法に従って、例えば高周波数
波、紫外線、放射線又はX−線を用いた突然変異誘発照射により、あるいは亜硝
酸、ニトロソグアニジン、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン
、エレチンイミンなどの化学的突然変異株を用いて、それから誘導することもで
きる。
上記の通り本発明の生物変換法は、精製された形態の、又は他の少量因子との
混合物としてのある量の抗生物質GE2270因子Aをストレプトスポランギウ
ム・ブルガレ株、好ましくはストレプトスポランギウム・ブルガレATCC 3
3329株、あるいはGE2270因子Aを因子D2に変換することができるそ
の変異株又は突然変異株の培養物と
接触させることを含む。
本発明の好ましい実施態様に従うと(方法A)、純粋なGE2270因子Aが
適したストレプトスポランギウム・ブルガレ株の培養物に加えられる。
別の場合、抗生物質GE2270複合体(主成分としてA因子を含有する)を
生物変換性ストレプトスポランギウム・ブルガレ株の培養物に加えることができ
る。
他の好ましい実施態様に従うと(方法B)、プラノビスポラ・ロゼア(Pla
nobispora rosea)抗生物質生産性株の発酵から生ずる粗GE2
270因子Aを含有する菌糸体を濾過し、洗浄し、その後それをストレプトスポ
ランギウム・ブルガレの培養物に直接加える。この第2の実施態様に従うと、プ
ラノビスポラ・ロゼア抗生物質GE2270生産性株の発酵から得られるいずれ
の菌糸体も用いることができ;プラノビスポラ・ロゼアATCC 53773の
発酵から得られる菌糸体を用いるのが好ましく;上記で引用したPCT/EP9
3/01907に従う発酵から得られるものが特に好ましい。
プラノビスポラ・ロゼア及びストレプトスポランギウム・ブルガレ株の両方の
菌糸体増殖に適した微生物の培養のために、ならびに本発明の生物変換法のため
に用いられる培地は、特定の微生物が用いることができる栄養素を含有するいず
れの液体又は固体培地であることもできるが、商業的規模の操作には液体培地が
好ましい。
培地は微生物により同化される炭素源、ならびに微生物により消化される窒素
源、無機材料、微量栄養素などを用いて調製される。かくしてそのような炭素源
としてグルコース、ラクトース、スクロース、マルト
ース、デキストリン、澱粉、グリセリン、マンニトール、ソルビトール、脂肪及
び油(例えば大豆油、ラード油、鶏油など)などを用いることができ、窒素源は
肉抽出物、酵母抽出物、乾燥酵母、大豆粉、コーン浸し液、ペプトン、トリプト
ン、綿実粉、廃糖蜜(spent molasses)、尿素、アンモニウム塩
(例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモ
ニウムなど)などであることができる。培地はさらに適した量の無機又は有機塩
、例えばリン酸、硼酸、塩酸、硝酸、硫酸、炭酸、酢酸及びプロピオン酸のナト
リウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、亜鉛、コバルト
、ニッケルなどとの塩を含有することができる。培地は、アミノ酸(例えばグル
タミン酸、アスパラギン酸、アラニン、グリシン、リシン、メチオニン、プロリ
ンなど)、ペプチド(例えばジペプチド、トリペプチドなど)、ビタミン(例え
ばB1、B2、ニコチン酸、B12、C、Eなど)、核酸(例えばプリン、ピリミジ
ン及びそれらの誘導体など)などの他の成分も含有することができる。もちろん
無機又は有機酸、アルカリ、緩衝剤などを培地のpHを調節する目的で加えるこ
とができ、あるいは脱泡の目的で適した量の油、界面活性剤などを加えることが
できる。
本発明の方法の菌糸体増殖及び生物変換の両方に適した発酵培地の例を以下の
表IIに示す:
一般に微生物株をフラスコ中で予備−培養し、かくしていわゆる「種培地(s
eed medium)」を得、今度はそれを用いて発酵フラスコ又は槽に播種
する。
ストレプトスポランギウム・ブルガレの予備−培養に上記で挙げた培地のいず
れも用いることができるが、M4培地が好ましい培地である。
予備−培養は20℃〜40℃、好ましくは24℃〜32℃の温度で、2〜4日
の期間で行われる。
発酵は固定、震盪又は有気的撹拌培養などのいずれの方法によっても行うこと
ができ;震盪又は表面培養を用いるのが好ましく、特に好ましいのは回転震盪機
上における発酵である。
上記で概略した方法Aに従うと、「種培地」は次いで予備−培養に用いられた
培地と同じか、又は異なる培地であることができる培地を含有するフラスコ又は
槽中に接種される。この場合も上記で挙げた発酵培地のいずれも簡便に用いるこ
とができ;これらの中でM2及びM3が好ましく、特に好ましいのはM2である
。
フラスコ又は槽発酵器において、発酵及び生物変換反応の両方を深部有気的培
養条件下で、20℃〜40℃、好ましくは24℃〜32℃の温度において行うの
が望ましい。
培養混合物の撹拌及び通気は多様な方法で行うことができる。撹拌はプロペラ
又は類似の機械的撹拌装置により、発酵器を回転又は震盪させることにより、種
々のポンプ装置により、又は培地を通る無菌の空気の通過により与えることがで
きる。通気は、発酵混合物を通る無菌の空気の通過により行うことができる。
フラスコ又は槽中への予備−培養物の接種から3〜8日後、好ましくは5又は
6日後、GE2270(単一因子A又は複合体)を培養物に加える。
培養混合物中の単一因子Aの濃度は10μg/ml〜400mg/ml、好ま
しくは50μg/ml〜200μg/mlの範囲であることができる。
抗生物質化合物は水−混和性有機溶媒を用いた溶液として加えるのが
好ましい。
本出願において用いられる「水−混和性有機溶媒」という用語は、この用語に
当該技術分野において現在与えられている意味を有することが意図されており、
使用条件において合理的な広い濃度範囲で水と混合され得る溶媒を言う。適した
水−混和性有機溶媒は低級アルカノール類、例えばメタノール、エタノール又は
プロパノールなどの(C1−C3)アルカノール類;ベンジルアルコールなどのフ
ェニル(C1−C3)アルカノール類;低級ケトン類、例えばアセトン又はエチル
メチルケトンなどの(C3−C4)ケトン類;ジオキサン又はテトラヒドロフラン
などの環状エーテル類;エレチングリコール、プロピレングリコール又はエチレ
ングリコールモノメチルエーテルなどのグルコール類及びそれらの部分的エーテ
ル化の生成物;ジメチルホルムアミド又はジエチルホルムアミドなどの低級アミ
ド類;ジメチルスルホキシドなどのジアルキルスルホキシド類、ならびにそれら
の混合物である。アセトンを用いるのが好ましい。
当該技術分野において既知の通り、少量の上記で挙げた水−混和性溶媒を培養
混合物に加えて微生物法の収率を向上させることができる。これらの溶媒の中で
好ましいのはアセトン、DMSO、アセトニトリル、DMF、エタノール及びn
−ブタノールであり、特に好ましいのはアセトン、アセトニトリル及びエタノー
ルである。
1%〜10%(v/v)の量の溶媒を発酵混合物に加えるのが好ましい。
抗生物質生産性微生物培養物への脱泡剤の添加も微生物法の収率を挙げること
が既知であり、従ってそのような化合物も本発明の方法で用いることができ;非
−イオン性界面活性剤を用いるのが好ましく、特に好ましいのはポリオキシエチ
レン誘導体又はポリオキシエチレンとポリオキシエチレン誘導体の混合物、例え
ばTween 80R(ソルビタンモノ−オレートポリオキシエチレン)、Tr
iton X−100R(ポリエチレングリコールp−イソオクチルフェニルエ
ーテル)又はHodag AFM−5R(非エステル化ポリエチレングリコール
とポリエチ
レングリコールのモノ−及びジ−ステアレートの混合物)である。
0.1%〜5%の量の脱泡剤を発酵混合物に加えるのが好ましい。
発酵の間、例えばTLC/HPLC法によりブロス又は菌糸体抽出試料を抗生
物質活性について調べることにより、抗生物質の生物変換を監視することができ
る。
監視データは、GE2270因子Aの添加から1〜3日後に反応が完了すると
考えられることを示唆しており;一般に生成物収量の無視し得る増加が48時間
後に検出される。
本発明の方法Bに従うと、上記に通りにして調製されるストレプトスポランギ
ウム株(好ましくはストレプトスポランギウム・ブルガレATCC 33329
)を含有する種培地をフラスコ又は槽中に接種する。
フラスコ又は槽中への予備−培養物の接種から3〜8日後、好ましくは5又は
6日後に、プラノビスポラ・ロゼアの増殖培養から生ずる抗生物質GE2270
因子Aを含有する、濾過され、洗浄された菌糸体をフラスコ又は槽中に直接加え
る。
方法Aの場合と同様に、上記で挙げたものと同様の溶媒及び/又は界面活性剤
を培養混合物に簡便に加えることができる。
反応は上記で挙げた分析法に従って監視することができ;GE2270因子A
の添加から1〜3日後に反応が完了すると考えることができ;一般に生成物収量
における無視し得る増加が48時間後に検出される。
方法A又はBに従って生物変換反応が完了したら、溶媒を用いる抽出、非−溶
剤の添加又は溶液のpHの変化による沈澱、分別クロマトグラフィー、吸着クロ
マトグラフィー、逆相分別クロマトグラフィー、分子排除クロマトグラフィーな
どのそれ自体既知の方法に従ってGE2270因子D2を(非変換因子A及び、
存在する場合は他の少量因子と共に)、生産性微生物の菌糸体又は発酵ブロスか
ら回収することができる。
菌糸体から、又は発酵ブロスからの適した回収法は、上記で引用したEP特許
451486(引用することによりその記載事項が本明細書の内容となる米国特
許出願番号08/460177に対応)に開示されている。
菌糸体から本発明の抗生物質を回収するための好ましい方法は、濾過され、遠
心分離された菌糸体を水−混和性有機溶媒を用いて抽出し、抽出物を濃縮し、場
合により沈澱剤の添加を用いた沈澱により、水−非混和性有機溶媒を用いた水性
残留物の抽出により、又は吸着クロマトグラフィーに続いて吸着マトリックスか
ら所望の生成物を溶離することにより粗抗生物質を回収することを含む。
発酵ブロスからの本発明の抗生物質の回収のための好ましい方法は、水−非混
和性有機溶媒を用いた抽出を含み、場合により沈澱剤を添加することによる濃縮
抽出物からの沈澱が続き、あるいは水−非混和性溶媒を用いたその水性残留物の
さらなる抽出が続く。別の場合、発酵ブロスを吸着マトリックスと接触させ、続
いて極性溶離混合物を用いて溶離することができる。このクロマトグラフィー法
はブロス自身について行う代わりに発酵ブロスから得られる濃縮抽出物に適用す
ることもできる。
菌糸体からの本発明の抗生物質の抽出において用いることができる水−混和性
有機溶媒の意味及び例は、本明細書に沿って前に開示されたものと同じであり;
この場合ジメチルスルホキシド(DMSO)を用いるのが好ましい。
本出願において用いられる「水−非混和性溶媒」という用語は、当該技術分野
において現在この用語に与えられている意味を有することが意図され、使用条件
において水とわずかに混和性であるか又は、意図される用途に適した合理的な広
い濃度範囲で実質的に非混和性である溶媒を言う。
発酵ブロスから、又は菌糸体抽出物の水性残留物から本発明の抗生物質を抽出
するのに用いることができる水−非混和性有機溶媒の例は:直鎖状、分枝鎖状も
しくは環状であることができる通常の炭化水素溶媒、例えばヘキサン又はシクロ
ヘキサン;ハロゲン化炭化水素、例えばクロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエ
タン、フルオロブロモエタン、ジブロモエタン、トリクロロプロパン、クロロト
リフルオロオクタンなど;芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ンなど;少なくとも炭素数が4のエステル類、例えば酢酸エチル、酢酸プロピル
、酪酸エ
チルなど;直鎖状、分枝鎖状もしくは環状であることができる炭素数が少なくと
も4のアルカノール類、例えばブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノー
ル、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノー
ル、3,3−ジメチル−1−ブタノール、4−メチル−1−ペンタノール;3−
メチル−1−ペンタノール、2,2−ジメチル−3−ペンタノール、2,4−ジ
メチル−3−ペンタノール、4,4−ジメチル−2−ペンタノール、5−メチル
−2−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、5−メチル−1−
ヘキサノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノール
、1−オクタノール、2−オクタノール、シクロペンタノール、2−シクロペン
チルエタノール、3−シクロペンチル−1−プロパノール、シクロヘキサノール
、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、2,3−ジメチルシクロヘキサノ
ール、4−エチルシクロヘキサノール、シクロオクチルメタノール、6−メチル
−5−ヘプテン−2−オール、1−ノナノール、2−ノナノール、1−デカノー
ル、2−デカノール及び3−デカノール;直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルエー
テル類及びそれらの混合物、例えばエチルエーテル、プロピルエーテル、ブチル
エーテルなど;ならびにそれらの混合物又は官能基誘導体である。n−ブタノー
ルを用いるのが好ましい。
沈澱剤の例は石油エーテル、低級アルキルエーテル類、例えばエチルエーテル
、プロピルエーテル及びブチルエーテル、ならびに低級アルキルケトン類、例え
ばアセトンである。石油エーテルを用いるのが好ましい。
当該技術分野において既知の通り、塩析により、又は抽出溶媒に可溶性の抗生
物質とイオン対を形成する適した有機塩を添加することにより生成物抽出を向上
させることができる。
抽出された菌糸体の水溶液から、該溶液が実質的量の有機溶媒を含む場合に、
本発明の抗生物質を回収するための別の方法は、それから共沸蒸留により水を蒸
留することである。
一般にこれは、水と最低共沸混合物(minimum azeotr
opic mixtures)を形成することができる溶媒を加え、続いて必要
なら沈澱剤を加えて所望の生成物を沈澱させることを必要とする。水と最低共沸
混合物を形成することができる有機溶媒の代表的例は、n−ブタノール、ベンゼ
ン、トルエン、ブチルエーテル、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、
2,5−ジメチルフラン、ヘキサン及びm−キシレンであり;好ましい溶媒はn
−ブタノールである。
本発明の抗生物質の回収は、濾過され、洗浄され、アセトンなどの水−混和性
有機溶媒を用いて抽出された菌糸体から行われるのが好ましい。濃縮の後、混合
物をn−ブタノールなどの水非混和性溶媒を用いて抽出し、濃縮し、粗生成物を
石油エーテルなどの沈澱剤の添加により沈澱させる。
上記の通りの粗混合物の回収の後、本発明の単一の抗生物質を分離する前にそ
れにさらなる精製/濃縮段階を受けさせることが必要であり得る。この場合クロ
マトグラフィー法が第1の選択である。
得られる粗混合物は所望の因子D2を非変換因子A及び、出発材料が粗GE2
270の場合は少量の他の少量因子と共に含有する。
他の抗生物質因子からの因子D2の分離は一般にそれ自体既知のクロマトグラ
フィー法を用いて行われ、それは分別クロマトグラフィー、逆相分別クロマトグ
ラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー
、HPLC法などを含む。
適用されるべき特定のクロマトグラフィー法に基づいて選ばれ、上記の段階で
簡便に用いることができる固定相の例はシリカゲル(例えばICN Biome
dicals silica 32−62,60Å)、シラン化シリカゲル(例
えばHibar Lichrosorb RB 18;Beckman Ult
rasphere ODS)、アルミナ、ケイ藻土、炭素、ポリスチレン樹脂(
例えばAmberlite XAD2又はXAD4,Rohm and Haa
s:Dowex M112,Dow Chemical Co.;及びDiai
on HP 20,Mitsubishi)、アクリル樹脂(例えばXAD7又
はXAD8,Rohm and Haas)、ポリアミド樹脂、例えばポ
リカプロラクタム、ナイロン及び架橋ポリビニルピロリドン(例えばPolya
mide−CC 6,Polyamide−SC 6,Polyamide−C
C 6.6,Polyamide−CC 6AC及びPolyamide−SC
6AC,Macherey−Nagel & Co.,West Germa
ny;PA 400,M.Woelm AG,West Germany;なら
びにポリビニルピロリドン樹脂PVP−CL,Aldrich Chemie
GmbH & Co.,KG,West Germany)、ならびに孔制御架
橋デキストラン(controlled pore cross−linked
dextrans)(例えばSephadex LH−20,Pharmac
ia Fine Chemicals,Ab)である。
好ましい溶離相は特定の固定相に依存する。
例えばシリカゲル又はアルミナが用いられる場合、好ましい溶媒はハロゲン化
炭化水素、低級アルカノール類、エーテル類、高級ケトン類及びそれらの混合物
であり;アセトンなどの低級ケトン又はメタノールなどの低級アルコールを固定
相としての炭素と共に用いることができ;ポリスチレン又はアクリル樹脂の場合
には水−混和性溶媒の極性溶媒混合物が好ましい溶離剤であり、ポリアミド樹脂
の場合には水−混和性溶媒の水性混合物が好ましい。
本発明の好ましい実施態様に従うと、他の因子からのGE2270因子D2の
クロマトグラフィー分離は、可動相としてメタノール÷ジクロロエタンを用いた
シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより行われる。
別の場合、固定相としてシラン化シリカゲルを、可動相として蟻酸アンモニウ
ム及びアセトニトリルの混合物を用いるHPLC分離系を用いることができる。
さらに本発明をより詳細に例示するために以下の実施例を示す。
以下の実験条件が適用される:
発酵培地
M2:25g/lのグルコース、1g/lの酵母抽出物、10g/lの
大豆粉、4g/lのペプトン、4g/lの肉抽出物、5g/lのCaCO3;p
H6.6。
M3:20g/lのグルコース、2g/lの酵母抽出物、8g/lの大豆粉、1
g/lのNaCl、4g/lのCaCO3;pH6.8。
M4:10g/lのグルコース、4g/lのペプトン、4g/lの酵母抽出物、
0.5g/lのMgSO4・7H2O、2g/lのKH2PO4、4g/lのK2H
PO4;pH7。
M7:35g/lの可溶性澱粉;5g/lの加水分解カゼイン;8g/lの酵母
抽出物;3.5g/lの肉抽出物;3.5g/lの大豆粉;10g/lのグルコ
ース;2g/lのCaCO3;0.1gのビタミンB12;0.05%のHoda
gR AFM−5;pH7.2。
M8:20g/lの可溶性澱粉;5g/lのポリペプトン;3g/lの酵母抽出
物;2g/lの肉抽出物;2g/lの大豆粉;1g/lのCaCO3;0.05
%のHodagR AFM−5;pH7.0。
クロマトグラフィー条件 HPLC
−装置:254nmに設定された9092 UV検出機及び9095オートサン
プラーを装着した9091 Varian;
−可動相:A)0.2%NH4 +COO-水溶液/CH3CN(9:1);
B)0.2%NH4 +COO-水溶液/CH3CN(3:7);分析的HPLC
−カラム:Beckman Ultrasphere ODS(逆相、C18−ア
ルキルシラン化シリカゲル)、25cm、内径4.6mm、5μm粒子;
−1.5ml/分の流量で25分内における40%から75%のBへの直線勾配
。半−調製的HPLC
−カラム:Hibar Lichrosorb RP 18(逆相、C18−アル
キルシラン化シリカゲル)、25cm、内径10mm、7μm粒子;
−段階勾配(分/%A):0/60;35/40;10/50;流量:5ml/
分。フラッシュクロマトグラフィー
:
シリカゲル:ICN Biomedicals silica 32−62、
60Å
可動相:8%CH3OH、92%CH2Cl2
空気圧:2気圧
カラム:cm 15x4.5内径
分光分析法 FAB−MS
8kVにおけるXeサドルフィールド原子銃を装着したFAB陽
イオンモードで運転されるFinnigan TSQ 700 3重二次極質量
分析計(triple quadrupole mass spectrome
ter)において記録。試料は分析の直前にDMSO及びm−NBAの1:1の
混合物に溶解する。 1 H−NMR
Aspect 3000コンピューターを装着したBruker
AM−500分光計を用い、DMSO−d6溶液中でTMSを内部標準(0.
00ppm)として、500MHzにおいてスペクトルを記録。
プラノビスポラ・ロゼアATCC 53773の発酵
実施例1
液体凍結保存培養物からのプラノビスポラ・ロゼアATCC 53773を用
いてM8培地含有フラスコに3%で播種する。
回転震盪機上で28℃及び200rpmにおいて48時間インキュベートした
後、100mlの培地M7を含有する500mlのフラスコに3mlの増殖培養
物を播種する。
フラスコを回転震盪機上で28℃及び200rpmにおいて7日間インキュベ
ートする。次いで菌糸体を遠心分離し、食塩水で洗浄し、上澄み液を捨てる。次
いで少量の食塩水(菌糸体の固まりに関して約20%)を加えて菌糸体を再懸濁
させる。
HPLC分析は菌糸体懸濁液の1ml当たり約120μgのGE22
70因子Aの含有率を示す。
抗生物質GE2270因子Aの生物変換
実施例2
液体凍結保存培養物からのストレプトスポランギウム・ブルガレATCC 3
3329を用いてM4培地含有フラスコに3%で播種する。
回転浸透機上で28℃及び200rpmにおいて72時間インキュベートした
後、5リットルの槽に含有される4リットルのM2培地に200ml(5%)の
増殖培養物を播種する。2l/分で空気を泡立たせることにより槽に通気し、撹
拌し、28℃に保持する。
接種から120時間後、40mlのDMSOに溶解された800mgのGE2
270因子Aを発酵ブロスに加え(200μg/ml)、さらに48時間発酵を
続ける。
HPLC分析は、発酵ブロス中の76μg/mlのGE2270因子A及びD2
の合計量を示し、その19%が因子D2である。
実施例3
400mlのDMSO中の250mgのGE2270因子Aを発酵ブロスに加
える(62.5μg/ml)以外は実施例2と同じ方法に従う。
HPLC分析は、発酵ブロス中の51μg/mlのGE2270因子A及びD2
の合計量を示し、その55%が因子D2である。
実施例4
M2の代わりにM3を発酵培地として用いる以外は実施例2に従い、ストレプ
トスポランギウム・ブルガレATCC 33329をインキュベートし、発酵さ
せる。
接種から120時間後、45mlのDMSOに溶解された450mgのGE2
270因子Aを発酵ブロスに加え(112.5μg/ml)、さらに48時間発
酵を続ける。
HPLC分析は、発酵ブロス中の100μg/mlのGE2270因子A及び
D2の合計量を示し、その28%が因子D2である。
実施例5
5リットルの槽の代わりに100mlのM2培地を含有する500m
lのフラスコに5mlのS.ブルガレ増殖培養物を播種する以外は実施例2を繰
り返す。接種から120時間後、1mlのDMSO中の10mgのGE2270
因子Aを発酵ブロスに加える(100μg/ml)。
48時間後のHPLC分析は、46μg/mlのGE2270因子A及びD2
の合計量を示し、その26%が因子D2である。
実施例6
各フラスコ(1〜4)にそれぞれ20μg/ml、40μg/ml、80μg
/ml及び150μg/mlのGE2270因子Aを加えて4種類のフラスコで
実施例5を繰り返す;HPLC分析により決定される発酵ブロス中のGE227
0因子A及びD2の合計量に対する因子D2の量は大体以下である:1)50%;
2)36%;3)26%;及び4)20%。
実施例7
発酵培地としてM3を用いる以外は実施例6の方法に従うことにより、4つの
フラスコにおける発酵ブロス中のGE2270因子A及びD2の合計量に対する
因子D2の以下の量がHPLCにより決定される:1)37%;2)43%;3
)37%;及び4)18%。
実施例8
各フラスコ(1〜5)にそれぞれ:1)0.2mlのHodagR AFM−
5;2)0.4mlのHodagR AFM−5;3)0.2mlのTween
80R;4)4mlのアセトン;5)2mlのDMFを加えて5種類のフラス
コにおいて実施例5を繰り返す。
HPLC分析により決定される5つのフラスコの発酵培地中のGE2270因
子A及びD2の合計量に対する因子D2の量は大体以下の通りである:1)33%
;2)30%;3)38%;4)33%;及び5)21%。
実施例9
S.ブルガレATCC 33329を実施例5に記載の通りに発酵させ;接種
から7日後に実施例1に従って得られる4.5の洗浄されたP.ロゼアの菌糸体
を10mlのS.ブルガレ培養物に加え、混合物を50
mlの発酵フラスコに移す。この参照フラスコをNo.1と記す。
さらに4つの50mlのフラスコ(2〜5)を上記の通りに準備し、各フラス
コはさらに:2)0.3mlのHodag AFM−5R;3)0.6mlのア
セトン;4)0.6mlのアセト−ニトリル;5)0.6mlのエタノールを含
有する。
48時間の発酵の後、HPLC分析により決定される5つのフラスコの発酵ブ
ロス中のGE2270因子A及びD2の合計量に対する因子D2の量は大体以下の
通りである:1)19%;2)31%;3)54%;4)24%;5)53%。
発酵ブロスからの粗抗生物質GE2270因子D2の回収
実施例10
実施例2に従う発酵が完了した後、Buchner濾過器を用いて菌糸体を集
め、1体積の水で洗浄し、2体積のアセトンを用いて抽出する。
アセトン/水溶液を回転蒸発器上で濃縮し、得られる溶液を3体積のn−ブタ
ノールで抽出し、小体積に濃縮し、10体積の石油エーテルを用いて沈澱させ、
濾過する。
残留物を石油エーテルで洗浄し、乾燥し、DMSOに溶解し、凍結乾燥し、G
E2270因子A及び因子D2の両方を他の少量因子と共に含有する500mg
の粗粉末を得る。
実施例11
実施例4に従う発酵が完了した後、実施例6の場合と同じ方法に従い、GE2
270因子A及び因子D2の両方を他の少量因子と共に含有する300mgの粗
粉末を得る。
GE2270因子D2の分離
実施例12
実施例10に従って得られる500mgの粉末をフラッシュクロマトグラフィ
ーカラムの上端に負荷する。
溶離の後、画分36〜70を集め、プールし、回転蒸発器上で蒸発させる。
固体が得られ、それを次いでDMSOに溶解し、凍結乾燥し、51m
gの実質的に純粋な標題化合物を白色の粉末として得る。
実施例13
実施例11に従って得られる10mgの粗粉末を半−調製的HPLCにより精
製する;因子D2を含有する画分を集め、プールし、蒸発させ、1mgの実質的
に純粋な標題化合物を白色の粉末として得る。
得られたGE2270因子D2の物理−化学的性質は以下の通りである:
分子量(FAB−MSスペクトル):1275amu
1H−NMRスペクトル:9.00,d,(NH);8.69,br s(2
NH’s);8.59,s,8.53,s,8.29,s及び7.35,s,(
チアゾールCH’s);8.38,m,(グリシンNH);8.40及び8.2
6(m),(Py.CH’s);7.37−7.18,m,(芳香族CH’s,
第1アミドNH);6.97,s,(第1アミドNH);6.03,d及びt,
(2OH’s);5.28−5.16,m(αCH’s);5.03,m,(β
CH);4.97,m,[CH2(OH)];4.79及び4.55,m(オキ
サゾリンのCH2);3.97−3.76,m,(グリシンのCH2及びプロリン
アミドのCH’s);2.71,m及び1.28,m,(N−メチルアスパラギ
ンのCH2);2.18−1.89,m,(イソプロピルCH及びプロリンアミ
ドCH2’s);0.88,d及び0.84 d(バリンCH3’s)。
上記のHPLC分析系に従う因子Aに関する保持時間:0,82。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年2月11日
【補正内容】
請求の範囲
1.抗生物質GE2270因子Aを、O−脱メチル化能力を有し且つ抗生物質
GE2270因子Aを因子D2に変換することができるストレプトスポランギウ
ム・ブルガレ(Streptosporangium vulgare)株の培
養物と接触させることを含む式I
の化合物の製造法。
2.ストレプトスポランギウム・ブルガレ株がストレプトスポランギウム・ブ
ルガレATCC 33329株、あるいはGE2270因子Aを因子D2に変換
することができるその変異株又は突然変異株である請
求の範囲第1項に記載の方法。
2−エチル−1−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノール、1−オクタノ
ール、2−オクタノール、シクロペンタノール、2−シクロペンチルエタノール
、3−シクロペンチル−1−プロパノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタ
ノール、シクロオクタノール、2,3−ジメチルシクロヘキサノール、4−エチ
ルシクロヘキサノール、シクロオクチルメタノール、6−メチル−5−ヘプテン
−2−オール、1−ノナノール、2−ノナノール、1−デカノール、2−デカノ
ール、3−デカノール、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル及
びそれらの混合物から選ばれ;
c)沈澱剤が石油エーテル、ブチルエーテル及びアセトンから選ばれる請求の範
囲第15項に記載の方法。
18.水−混和性有機溶媒がアセトンであり、水非混和性有機溶媒がn−ブタ
ノールであり、沈澱剤が石油エーテルである請求の範囲第15項に記載の方法。
19.粗GE2270因子D2を分別クロマトグラフィー、逆相分別クロマト
グラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ
ー及びHPLCから選ばれるクロマトグラフィー法により精製する請求の範囲第
14〜18項のいずれか1つに記載の方法。
20.粗GE2270因子D2を、可動相としてメタノールとジクロロエタン
の混合物を用いるシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精
製する請求の範囲第19項に記載の方法。
21.粗GE2270因子D2を、固定相としてシリカゲルを用い、可動相と
して蟻酸アンモニウムとアセトニトリルの混合物を用いるHPLCにより精製す
る請求の範囲第19項に記載の方法。
22.O−脱メチル化能力を有し且つ抗生物質GE2270因子Aを因子D2
に変換することができるストレプトスポランギウム・ブルガレ属の微生物株の、
有機基質のO−脱メチル化生物変換のためのの利用。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
(C12N 1/20
C12R 1:62)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.抗生物質GE2270因子Aをストレプトスポランギウム・ブルガレ(S treptosporangium vulgare)株の培養物と接触させる ことを含む式I の化合物の製造法。 2.ストレプトスポランギウム・ブルガレ株がストレプトスポランギウム・ブ ルガレATCC 33329株、あるいはGE2270因子Aを因子D2に変換 することができるその変異株又は突然変異株である請求の範囲第1項に記載の方 法。 3.実質的に純粋な抗生物質GE2270因子Aを水−混和性有機溶媒を用い た溶液としてストレプトスポランギウム・ブルガレ株の培養物に加える請求の範 囲第1又は2項に記載の方法。 4.抗生物質GE2270複合体を水−混和性有機溶媒を用いた溶液としてス トレプトスポランギウム・ブルガレ株の培養物に加える請求の範囲第1又は2項 に記載の方法。 5.水−混和性有機溶媒が(C1−C3)−アルカノール類、フェニル(C1− C3)アルカノール類、低級ケトン類、環状エーテル類、グリコール類及びそれ らの部分的エーテル化の生成物、低級アミド類、ジメチルスルホキシド、ならび にそれらの混合物から選ばれる請求の範囲第3又は4項に記載の方法。 6.プラノビスポラ・ロゼア(Planobispora rosea)抗生 物質GE2270生産性株の発酵により生ずる抗生物質GE2270因子Aを含 有する、濾過され且つ洗浄された菌糸体をストレプトスポランギウム・ブルガレ 株の培養物に加える請求の範囲第1又は2項に記載の方法。 7.水−混和性有機溶媒を培養混合物に加える請求の範囲第1〜6項に記載の 方法。 8.水−混和性有機溶媒がアセトン、DMSO、アセトニトリル、DMF、エ タノール及びn−ブタノールから選ばれる請求の範囲第7項に記載の方法。 9.水−混和性有機溶媒を発酵混合物に1%〜10%(v/v)の量で加える 請求の範囲第7又は8項に記載の方法。 10.脱泡剤を培養混合物に加える請求の範囲第1〜9項に記載の方 法。 11.脱泡剤が非−イオン性界面活性剤である請求の範囲第10項に記載の方 法。 12.非−イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン誘導体又はポリオキシエ チレンとポリオキシエチレン誘導体の混合物である請求の範囲第11項に記載の 方法。 13.脱泡剤を発酵混合物に0.1%〜5%(v/v)の量で加える請求の範 囲第10〜12項に記載の方法。 14.粗GE2270因子D2を生産性微生物の菌糸体又は発酵ブロスから、 溶媒を用いた抽出、非−溶剤の添加又は溶液のpHの変化による沈澱、分別クロ マトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、逆相分別クロマトグラフィー、ある いは分子排除クロマトグラフィーを用いて回収する請求の範囲第1〜13項のい ずれか1つに記載の方法。 15.濾過され且つ洗浄された菌糸体を水−混和性有機溶媒を用いて抽出し、 抽出物を濃縮し、得られる混合物を水非混和性有機溶媒を用いて抽出し、沈澱剤 の添加により粗GE2270因子D2を沈澱させることを含む、粗GE2270 因子D2が菌糸体から回収する請求の範囲第14項に記載の方法。 16.a)水−混和性有機溶媒が(C1−C3)−アルカノール類、フェニル( C1−C3)アルカノール類、低級ケトン類、環状エーテル類、グリコール類及び それらの部分的エーテル化の生成物、低級アミド類、ジアルキルスルホキシド、 ならびにそれらの混合物から選ばれ; b)水非混和性有機溶媒が直鎖状、分枝鎖状もしくは環状炭化水素溶媒;ハロゲ ン化炭化水素;芳香族炭化水素;炭素数が少なくとも4のエス テル類;炭素数が少なくとも4の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状アルカノール類 ;直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルエーテル類、ならびにそれらの混合物又は官 能基誘導体から選ばれ; c)沈澱剤が石油エーテル、低級アルキルエーテル類及び低級アルキルケトン類 から選ばれる 請求の範囲第15項に記載の方法。 17.a)水−混和性有機溶媒がメタノール、エタノール、プロパノール、ベ ンジルアルコール、アセトン、エチルメチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロ フラン、エレチングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノ メチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスル ホキシド及びそれらの混合物から選ばれ; b)水非混和性有機溶媒がヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、四塩化炭 素、ジクロロエタン、フルオロブロモエタン、ジブロモエタン、トリクロロプロ パン、クロロトリフルオロオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチ ル、酢酸プロピル、酪酸エチル、ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノ ール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノ ール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、4−メチル−1−ペンタノール;3 −メチル−1−ペンタノール、2,2−ジメチル−3−ペンタノール、2,4− ジメチル−3−ペンタノール、4,4−ジメチル−2−ペンタノール、5−メチ ル−2−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、5−メチル−1 −ヘキサノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノー ル、1−オクタノール、2−オクタノール、シクロペン タノール、2−シクロペンチルエタノール、3−シクロペンチル−1−プロパノ ール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、2,3 −ジメチルシクロヘキサノール、4−エチルシクロヘキサノール、シクロオクチ ルメタノール、6−メチル−5−ヘプテン−2−オール、1−ノナノール、2− ノナノール、1−デカノール、2−デカノール、3−デカノール、エチルエーテ ル、プロピルエーテル、ブチルエーテル及びそれらの混合物から選ばれ; c)沈澱剤が石油エーテル、ブチルエーテル及びアセトンから選ばれる請求の範 囲第15項に記載の方法。 18.水−混和性有機溶媒がアセトンであり、水非混和性有機溶媒がn−ブタ ノールであり、沈澱剤が石油エーテルである請求の範囲第15項に記載の方法。 19.粗GE2270因子D2を分別クロマトグラフィー、逆相分別クロマト グラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ ー及びHPLCから選ばれるクロマトグラフィー法により精製する請求の範囲第 14〜18項のいずれか1つに記載の方法。 20.粗GE2270因子D2を、可動相としてメタノールとジクロロエタン の混合物を用いるシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精 製する請求の範囲第19項に記載の方法。 21.粗GE2270因子D2を、固定相としてシリカゲルを用い、可動相と して蟻酸アンモニウムとアセトニトリルの混合物を用いるHPLCにより精製す る請求の範囲第19項に記載の方法。 22.有機基質のO−脱メチル化生物変換のためのストレプトスポランギウム ・ブルガレ属の微生物株の利用。 23.該微生物株がストレプトスポランギウム・ブルガレATCC33329 である請求の範囲第22項に記載の微生物株の利用。 24.O−脱メチル化されるべき有機基質が抗生物質GE2270因子Aであ る請求の範囲第22又は23項に記載の微生物株の利用。
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- 1995-10-11 JP JP8514980A patent/JPH10508476A/ja active Pending
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WO1996014427A1 (en) | 1996-05-17 |
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