JPH10508223A - 外科手術用顔保護マスク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 着用者の口の一部を見ることができるようになっている透視部分と多孔性部分を有する外科手術用顔保護マスクを提供する。顔保護用マスクは、これに回転的に固定されている眼用シールドを含んでいればよい。透視部分は、防曇性軟質なフィルムから形成されていればよい。多孔性部分がスパンボンド／メルトブロー不織積層から形成されていればよい。

Description

【発明の詳細な説明】 外科手術用顔保護マスク 発明の技術分野 本発明は、顔保護用マスクに関する。より詳細には、本発明は、外科用顔保護 マスクに関する。発明の背景 顔保護用マスク、特に外科用の顔保護用マスクは、一般的に着用者によって吸 い込まれたり吐き出されたガスからの風媒汚染物質を濾過するように設計されて いる。外科処置において、このような風媒汚染物質は、バクテリア、ビールス、 細菌性胞子、糸くず、鉱物質粒子、ごみ、皮膚鱗片、および呼吸小滴のような生 物学的汚染物質を含むがこれらに限定されない。この手段において、外科手術要 員、特に外科手術要員の呼吸器系は、このような汚染物質、特に患者または別の 外科手術要員から発生する汚染物質によって汚染されない。また同様に、患者お よび特に患者の手術部位もこのような汚染物質によって汚染されない。 このような風媒汚染物質を適切に濾過したり分離するために、従来の外科用顔 保護用マスクがいくつかの基準に満足するように一般的に構成されている。これ らの基準のいくつかに適応させようとする努力において、顔保護用マスクのメー カは、適当な風媒汚染物質のフィルタ媒体となるものを用いてきており、着用者 の鼻と口のまわりにほぼ気密状態で密着する構造を形成してきた。さらに、顔保 護用マスクのメーカは、マスク内の湿分の凝結を最小にし、心地良くかつ容易に 提供可能な製品を形成することに携わってきた。これらの目的のために、従来の 外科用顔保護用マスクは、風媒汚染物質のフィルタ媒体が着用者の鼻と口とに重 なるように構成されてきた。このように、フィルタ媒体によって、患者は、外科 用顔保護マスクによって覆われた部分の着用者の顔を見ることができない。従っ て、着用者と患者、あるいは別の外科手術要員との間の顔の表情による視覚的な 伝達が、このような外科用顔保護マスクのためにできない。これは、着用者の唇 の動き、または口とこれに近接する領域によって得られる顔の表現が、このよう な外科用顔保護用マスクを着用すると妨げられるためである。着用者が聴覚障害 者の前では、これらの欠点がさらに一層顕著になる。 従って、風媒汚染物質を効果的に分離するだけではなく、外科要員と患者との 間の伝達を改良するように形成される外科用顔保護マスクが必要とされる。この ような改良された外科用顔保護マスクが本発明によって形成され、以下の明細書 と請求の範囲を見直すことでより明白になるであろう。本発明の概要 本分野の当業者が直面する上述の問題に答えて、本発明は、多孔性部分と該多 孔性部分に固定された透視部分とから形成される顔保護用マスクを提供する。透 視部分は、着用者の唇の少なくとも１方、好ましくは双方の１部分と重なるよう になっている。この透視部分は、例えば、可撓性で防曇性のある、非グレアフィ ルムあるいはプラスチックシート、プレキシグラス等のような別の透明な材料か ら形成されていればよい。多孔性部分は不織のポリオレフィンがベースの布地か ら形成されていればよい。１実施例において、顔保護用マスクは眼用シールドを 含んでいてもよい。眼用シールドは顔保護用マスクに回転可能に固定されていれ ばよい。 別の実施例において、顔保護用マスクは、透視部分によって分離され、該透視 部分に固定されている少なくとも２つの多孔性部分を含んでいればよい。透視部 分は、さらに１対の間隔のあいた透視フィルムから形成されていればよい。図面の簡単な説明 図１は、本発明の顔保護用マスクの平面図である。 図１Ａは、着用されたときの図１の顔保護用マスクの別の実施例の断面図であ る。 図２は、着用されたときの図１に図示した顔保護用マスクの側面図である。 図３は、着用されたときの本発明の顔保護用マスクの別の実施例の側面図であ る。 図４は、眼のシールドを含む図１に図示した顔保護用マスクの平面図である。発明の詳細な記載 本明細書において、いくつかの用語が、本発明の顔保護用マスクの１つか２つ 以上の構造を本発明の顔保護用マスクの別の構造に加えることを意味するのに用 いられている。これらの用語は、“結合”、“固定”、“取り付け”とこれらの 派生語と同義語を含む。本発明のこのような構造を別の構造に加えることは従来 の方法によって達成されればよい。例をあげればこれらの方法は、縫合、接着接 合、熱シーリング、ジッパ取り付け、スナップ取り付け、超音波および本分野の 当業者に知られている別の方法を含むがこれらに限定されない。 “透視”あるいは“透視部分”とは、約３９００から約７７００オームストロ ングの範囲内の波長を有する十分な量の可視光が通ることができ、このような材 料の一方側で見る側が、この材料の他方側でこれらの材料に近接した物体、また は物体の特徴を認識できるような材料から形成される構造を意味する。このよう な材料は透明であるのが望ましい。しかしながら、いくつかの実施例において“ 透視”材料は、半透明で、薄い色合いがついており、つや消しされたり、あるい はこれらの組み合わせであればよいと考えられる。 図面に戻って、まず図１を参照すると、本発明の外科顔保護用マスク１０の１ 実施例が図示されている。顔保護用マスク１０は、風媒汚染物質を濾過するよう に、プリーツ１３を有する多孔性部分１２を含む。 多孔性部分１２は、硬質な予め成形された濾過材料、あるいは軟質な濾過材料 から形成されていればよい。１実施例において、多孔性部分１２は不織材料の軟 質な布積層から形成されていればよい。軟質な布地積層は、十分に多孔性であり 、着用者が容易にこれを通して呼吸できながら、適当な汚染物質バリヤーとして 機能するようになっている。ポリオレフィンベースの繊維から形成された不織ウ ェブが、本発明の濾過材料として用いるのに特に適しているのがわかった。この ような不織ウェブの例が、譲り受け人キンバリークラーク社によって製造された ポリプロピレン不織布である。このような複数層状不織ウェブ、スパンボンド、 メルトブロー、スパンボンド（ＳＭＳ）不織ウェブの１つがキンバリークラーク 社から製造されている。 このスパンボンド、メルトブロー、スパンボンドウェブは、相互に積層されて いる３つの分離層から形成されていればよい。この積層ウェブを製造する方法が ブロック他に付与され本件出願人に譲り受けられた米国特許第４、０４１、２０ ３号に記載されており、本発明は、この先行技術を引用し、この特許明細書の記 述を本明細書の記述の一部とする。あるいは、スパンボンド、メルトブロー、ス パンボンドウェブが、第１にスパンボンド―メルトブロー積層を形成することに よって製造されてもよい。スパンボンド―メルトブロー積層は、メルトブローの １つの層をスパンボンドの１層に付与することによって形成される。次いで、ス パンボンドの第２の層が、先に形成されたスパンボンド―メルトブロー積層のメ ルトブロー側に付与される。一般的に、２つの外側層は、不織ウェブに強度を与 え、内側層はバリヤ特性を与える。 透視部分１４が多孔性部分１２に固定されている。透視部分１４を形成するの に適した材料は、非曇性すなわち防曇性材料または、非グレアすなわちグレアを 減少させる材料を含むがこれらに限定されない。このような材料の例が、ポリエ チレン、ポリビニール アルコール、ポリプロピレン、ポリカーボネート、プラ スチックシート、プレキシグラスおよびグラスを含むがこれらに限定されない。 このような材料は、硬質であったり、軟質であったり、あるいは予め成形されて いればよい。さらに、非曇性すなわち防曇性のコーティングがこのような材料に 付与される。このような非曇性すなわち防曇性コーティングは、シリコンコーテ ィングとフッ素化学コーティングを含むがこれらに限定されない。 一般的に、顔保護用マスク１０の両端部には成形可能なシール構造１６ａ−ｄ が形成されており、マスク１０の端部が心地良く着用者の顔の特徴にフィットし て、マスクと着用者の顔との間に実質的に気密なシールが形成されるようになっ ている。形成可能なシール構造１６ａ−ｄが、多孔性部分１２の各端部と透視部 分１４とに固定されている。構造１６ａ−ｄが、着用者の顔の表面の輪郭と一致 するように物理的に変形できるような様々な材料、およびこれらの材料の組み合 わせから形成される。これらの材料は、（ｉ）マスクと着用者の顔との間に実質 的に気密なシールを形成するのに適した材料によって重ねられる弾性材料、（ｉ ｉ）マスクと着用者の顔との間に実質的に気密なシールを形成するのに適した材 料によって重ねられたアルミニウムまたは薄い寸法のスチールのような折り曲げ 可能、すなわち変形可能な材料の薄いストリップ、（ｉｉｉ）これらの組合せ、 を含むがこれらに限定されない。マスクと着用者の顔との間に実質的に気密なシ ールを形成するのに適した材料が、弾性あるいは多孔性材料からなる折り曲げら れたストリップ、発泡プラスチック、接着剤、および接着フィルムまたはこれら の組合せを含む。さらに、成形可能構造１８が、多孔性部分１２と透視部分１４ との中間に、あるいはこれに近接して組み込まれていればよい。成形可能な構造 １８は、成形可能シール構造１６ａ−ｄを形成するのに用いられる材料に類似し ているか、これから形成されていればよい。 ひも２０ａ−ｄのようなファスナーが、顔保護用マスク１０を着用者の頭に固 定するように設けられている。適当なファスナーが、ひも２０ａ−ｄを含んでお り、あるいは、着用者の頭や耳を囲むように１片の弾性ストリップを含んでいれ ばよい。 別の適当な濾過材料、成形可能なシール構造、およびマスクを着用者の頭に固 定するための構造が米国特許第５、１５０、７０３号、同第４、９４４、２９４ 号、同第４、７９６、６２１号、同第５、１０７、５４７号、同第４、９６６、 １４０号、同第４、６２２、００５号、同第４、６４１、６４５号、および再審 査番号第２８、１０２号に開示されており、本発明は、この先行技術を引用し、 この特許明細書の記述を本明細書の記述の一部とする。 図１Ａを参照すると、断面図で図示されている顔保護用マスク１０ａの透視部 分１４ａが、複数の間隔のあいた材料、詳細には一対の間隔のあいたフィルム、 より詳細には外側フィルム１５ａ、内側フィルム１５ｂのような一対の間隔のあ いたプラスチックシートあるいはプレキシグラスから形成されていればよい。フ ィルム１５ａと１５ｂは、これらの端部の全部分、または一部にわたってともに 結合され、これらの間に空気の動きが少なくなる領域を作り出すようになってい ればよい。 フィルム１５ａと１５ｂとの間の空間は、１つか２つ以上のスペーサ１７を、 他方のスペーサ１７から十分に離して位置決めするか、あるいは、成形可能な構 造１６ａ、ｂ、ｄおよび１８に近接するように位置決めすることによって維持す ればよい。スペーサ１７は、透視材料から形成されていてもよい。フィルム１５ ａと１５ｂを十分な距離だけ離し、これらの間で空気の動きが減少した領域を作 り出すことによって、マスク１０ａ内の凝結の生成、詳細には、フィルム１５ｂ 上の曇りが減少されればよい。 透視部分１４ａは、十分な大きさであり、少なくとも１方か、好ましくは双方 の着用者の唇の少なくとも１部を見ることができるように多孔性部分１２に固定 される。この多孔性部分１２が、着用者の唇の下側に配置され、一般的に着用者 の頬を捕らえるようになっている。 図２と図３を参照すると、外科用顔保護マスク１０の透視部分１４が十分な大 きさであり、着用者の唇の少なくとも１方、好ましくは双方の少なくとも１部を 見ることができるように多孔性部分１２に固定されている。いくつかの実施例に おいて、多孔性材料が、着用者の頬の下側に配置されているか、あるいは耳の下 側に配置されている状態で、透視部分１４ａは顔用マスクのほぼ全ての領域を覆 っていればよい。図２において多孔性部分１２が、着用者の口の下側に配置され ており、一般的に着用者の頬を捕らえるようになっている。透視部分１４は、着 用者の口と鼻とこれに近接する着用者の顔の領域と重なるのに十分な大きさであ る。この方法において、吐き出された空気が、下向きで、かつ着用者の向きに面 する物体または人に対してほぼ垂直に向いている。同様に、着用者が息を吸い込 む際にマスクに入る空気が、下向きで、かつ着用者の向きに面する物体または人 に対して垂直な軸から、一般的に引き出される。 図３を参照すると、外科用顔保護用マスク１０ｂが、透視部分１４の上側端部 に固定された第２の多孔性部分１２ａを含むことを除いては、図２に示した外科 用顔保護用マスク１０に類似する。多孔性部分１２ａは、着用者の鼻に重なるの に十分な大きさである。さらに、成形可能なシール構造１８ａが、多孔性部分１ ２ａと透視部分１４の間に交差部分に固定されていればよい。 図４を参照すると、外科用顔保護用マスク１０には眼用シールド２２が設けら れている。眼用シールド２２は、軟質か、あるいは硬質な透視フィルムから形成 されているか、あるいは透視部分１４を形成するのに適当なフィルムから形成さ れていればよい。眼用シールド２２が顔用マスク１０に着脱可能に固定されてい たり、顔用マスク１０に永久的に固定されていたり、あるいは、顔用マスク１０ に回転可能に固定されていたり、あるいはこれらが組合されて固定されてもよい 。 本発明は、特定の実施例に関して詳細に記載してきたが、前述の記載を理解す る際に本発明の当業者であれば、これらの実施例の変更例、変形例および均等例 を容易に考え出すことができるであろう。例えば、マスク１０は、多孔性部分が 着用者の頭、または首の後ろ側に配置された状態で、多孔性部分が着用者の頭の まわりにほぼ延びるように形成されていてもよい。従って、本発明の範囲は、請 求の範囲およびこれらに均等するものとして考えられる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)， ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，Ｃ Ｈ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ， ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，Ｍ Ｗ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＺ， ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．多孔性部分と、 該多孔性部分に固定されており、着用者の唇の少なくとも１方の１部に重な るようになっている透視部分と、 を備える顔保護用マスク。 ２．前記透視部分がフィルムから形成されていることを特徴とする請求項１に記 載の顔保護用マスク。 ３．前記顔保護用マスクを着用者の頭に固定するためのファスナーを含むことを 特徴とする請求項１に記載の顔保護用マスク。 ４．前記多孔性部分が、軟質な布地から形成されていることを特徴とする請求項 １に記載の顔保護用マスク。 ５．前記透視部分に固定されている眼用シールドを含むことを特徴とする請求項 １に記載の顔保護用マスク。 ６．前記眼用シールドは、前記顔保護用マスクに回転可能に固定されていること を特徴とする請求項５に記載の顔保護用マスク。 ７．透視部分により分割され、該透視部分に固定されている少なくとも２つの多 孔性部分を備え、前記透視部分は、着用者の唇の少なくとも１つの１部に重なる ようになっている顔保護用マスク。 ８．前記透視部分が一対の離れたフィルムから形成されていることを特徴とする 請求項７に記載の顔保護用マスク。 ９．前記顔保護用マスクを着用者の頭に固定するためのファスナーを含むことを 特徴とする請求項７に記載の顔保護用マスク。 10．前記多孔性部分が軟質な布地から形成されていることを特徴とする請求項７ に記載の顔保護用マスク。 11．前記多孔性部分の１つに固定されている眼用シールドを含むことを特徴とす る請求項７に記載の顔保護用マスク。 12．前記眼用シールドが前記顔保護用マスクに回転可能に固定されていることを 特徴とする請求項７に記載の顔保護用マスク。 13．プリーツ状の不織積層多孔性部分と、 該不織積層多孔性部分に固定されており、着用者の口と鼻に重なるようにな っている透視部分と、 を備える顔保護用マスク。 14．前記不織積層が、少なくとも２つのポリオレフィン繊維層から形成されてお り、該層の１方がスパンボンド法によって形成されており、他方の層がメルトブ ロー法によって形成されていることを特徴とする請求項１３に記載の顔保護用マ スク。 15．前記顔保護用マスクを着用者の頭に固定するためのファスナーを含むことを 特徴とする請求項１３に記載の顔保護用マスク。 16．前記顔保護用マスクの前記多孔性部分から排出されるガスが、着用者の向き に面する物体または人にほぼ垂直に向けられることを特徴とする請求項１３に記 載の顔保護用マスク。