JPH10507232A - 硫化物精鉱からの亜鉛の回収 - Google Patents

硫化物精鉱からの亜鉛の回収

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JPH10507232A JP8514925A JP51492596A JPH10507232A JP H10507232 A JPH10507232 A JP H10507232A JP 8514925 A JP8514925 A JP 8514925A JP 51492596 A JP51492596 A JP 51492596A JP H10507232 A JPH10507232 A JP H10507232A
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ジェー.マイケル コリンス
ケー.ドナルド コフラック
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Abstract

(57)【要約】 硫黄の融点より高い温度で実行される、1つ以上の圧力下浸出段階を含む亜鉛抽出プロセスで有用な、新規な添加剤、とくに石炭を提供する。そのようなプロセスは、亜鉛含有硫化物で、鉛および銀も含んでいるものから、亜鉛、鉛および銀を回収する、単一段階圧力下浸出、あるいは対向流または同方向流の2段階あるいは多段階圧力下浸出を含む。

Description

【発明の詳細な説明】 硫化物精鉱からの亜鉛の回収発明の分野 本発明は、硫黄の融点より高い温度で行われる1以上の圧力下浸出工程を含む 亜鉛抽出法に有用な新規添加剤に関する。発明の背景 亜鉛は、亜鉛含有硫化物精鉱を、酸素の存在下、高温高圧で硫酸と反応させる ことによって回収し得ることは、良く知られている。硫黄の融点より高い温度で は、浸出反応で形成される元素状の硫黄は、微粉砕液体硫黄小球として存在する 。反応が進行すると、これら小球の量が増大し、これが未反応硫化物粒子を被覆 若しくは遮断し、これを更なる酸化に対して不活性にする。融解硫黄が未浸出硫 化物粒子を被覆するのを防止若しくは少なくとも実質的に禁止するため、この工 程に添加物を添加することができる。このようにすることによって、例えば米国 特許第3867268号及び4004991号に教示されているように、亜鉛の 高抽出率、典型的には95%以上、好ましくは98%以上までの反応の進行が達 成される。更にこの添加剤は、良好な物理的取り扱い特性を有する微粉砕浸出残 留物の形成を助ける。添加剤のない場合は、亜鉛抽出率は、典型的にはわずか約 50〜70%であり、液体元素状硫黄は、凝集し、管路及び容器をふさぐ取り扱 い困難な粒子である粗粒(coarse)の生成をもたらし得る。 この工程で使用する添加剤は、硫化亜鉛の酸化と両立しなければならず、そし て不純物を亜鉛含有工程流に導入してはならない。この目的のため、リグニン誘 導体特にカルシウム及びナトリウムリグノスルホネート;タンニン化合物特にケ ブラコ、ヘムロック及びレッドウッド抽出物のような樹皮及び心材抽出物;オル トフェニレンジアミン;及びアルキアリールスルホネート特にソジウムアルキル ベンゼンスルホネートのような有機化合物を含む多くの界面活性剤が使用されて いる。カルシウムリグノスルホネートとケブラコは、商用プラクテスで適用され ている。亜鉛圧力下浸出における可溶性界面活性剤の使用に関する現在の状態は 、ジー・オウス (G.0wusu)他の湿式冶金法(Hydrometallurgy)38(1995) 315〜324頁に、”せん亜鉛鉱の酸化浸出中亜鉛及び鉄溶解における界面活 性剤の効果”の表題で最近の論文に要約されている。 これら従来の添加剤の多くは、酸性硫酸亜鉛溶液に可溶であり、亜鉛圧力下浸 出工程の高温高酸化条件下で急速に分解する。その結果、時々、融解硫黄による 未浸出硫化物粒子の遮断を防止するため圧力容器中に常に十分な界面活性剤が利 用できるのを確保するのが困難となり得る。更に添加剤は、通常オートクレーブ に導入する前の組成の水に、アワ立ちオーバーフローする傾向を示す溶液として 添加するので、添加剤の損失をもたらす可能性がある。極端な場合、仮に添加剤 含有溶液が、硫化亜鉛/硫酸スラリーと接触するのに失敗した場合は、界面活性 剤の不在が、大量の融解イオウが凝集し、分離した重質の液相を生成させ、これ が管路及び容器をふさぐ。更に従来の界面活性剤は比較的高価であり、樹皮及び 心材抽出物の場合は、供給が制限されている。それ故、元素状硫黄によって硫化 物粒子が遮断されるのを防止する機能を有する安価で容易に入手でき、亜鉛圧力 下浸出工程の条件下で急速に分解しない添加物の必要性があることが理解できる だろう。発明の概要 本発明の目的は、硫黄の融点以上の温度でおこなわれる1以上の圧力下浸出段 階を含む亜鉛抽出工程で機能する添加剤を提供することであり、該添加剤は、工 程中安定であり、比較的安価で、工程に影響を与えないし、溶液精製及び電解に 続いて生成する陰極亜鉛の最終の品質に影響を与えず、そして浸出残留物から容 易に物理的に分離し得る。 最初に、亜鉛含有硫化物精鉱から亜鉛を回収する単一段階圧力下浸出を有する 方法を提供する。この方法は、所定量の微粉砕亜鉛及び鉄含有亜鉛硫化物材料を 硫酸水溶液に分散させてスラリーを形成することを含む。添加する硫酸の濃度は 、最終浸出溶液中で所定の亜鉛及び鉄濃度を提供するのに効果的な濃度である。 酸性硫酸塩浸出溶液と混和する微粉砕石炭微粒子の効果量は、該石炭微粒子が次 工程の酸化反応工程(即ち圧力下浸出)の反応条件下で機能して融解硫黄が未浸 出硫化物粒子を遮断することを禁止するように供給される。それから、オートク レーブ中で硫黄の融点以上の温度で前記スラリー及び石炭を、攪拌しつつ、遊離 酸素含有ガスと反応させ、それによって前記硫化物から亜鉛分を溶解可能な硫酸 亜鉛としてほぼ完全に抽出し、それと同時に前記亜鉛分と結合されていた硫化物 硫黄を元素形態に転換する。それから、溶解亜鉛分を含む産物浸出溶液を固体残 留物から分離する。 本発明は、更に亜鉛含有硫化物から亜鉛を回収する二段階対向流圧力下浸出法 に広げる。この方法は、微粉砕の鉄含有亜鉛硫化物を硫酸水溶液に分散させてス ラリーを形成し;酸性硫酸塩浸出溶液と混合する、効果量の微粉砕石炭微粒子を 供給し、該石炭微粒子が第1浸出段階の反応条件下で機能して融解硫黄が未浸出 硫化物粒子を遮断することを禁止することを含む。前記亜鉛含有硫化物材料を前 記2段階浸出の第1段階に供給し次電解工程からの使用済電解液を第1段階と第 2段階に分けて供給しつつ、前記2段階浸出において反応物を酸素の分圧下でか つ硫黄の融点より高い温度で浸出する。前記第1段階浸出に供給される亜鉛含有 硫化物材料の量は、両浸出段階にはいる酸の各モル数に対し、少なくとも約1モ ルの硫化物形の亜鉛がはいるように、前記使用済電解液と共に両浸出段階に供給 される酸の量に対して調節し、関連づけ、同時に両浸出段階にはいる使用済電解 液の量は、前記電解操作における前記溶液の処理にとって適した所定水準に亜鉛 濃度を増加させるため、前記電解液に溶解させなければならない亜鉛の各モル数 に対して、約1モルの酸がはいるようにコントロールされる。第1段階浸出は、 亜鉛含有硫化物材料から亜鉛分を抽出し、、同時に硫化物硫黄を元素状硫黄に変 換して、未反応硫化物、元素状硫黄及び水和鉄酸化物及び鉄ミョウバン石として 沈殿した鉄を含む第1段階浸出残留物と、pH1以上で約160g/リットル以 上の溶解した亜鉛、約10g/リットル以下の遊離の硫酸及び約2g/リットル 以下の溶解した鉄を含有する第1段階浸出液を生成させるように操作する。第1 段階浸出液は、鉄の除去と溶液の精製工程及びそれから前記電解工程に送られる 。第1段階浸出残留物は、前記第2段階浸出に送り、該第2段階浸出は、前記第 1段階浸出残留物から実質的に全ての亜鉛を抽出し、未反応硫化物、元素状硫黄 及び沈殿した鉄を含有する第2段階浸出残留物と、前記抽出した亜鉛、未反応硫 酸及び溶解した鉄を含有する第2段階浸出液を生成する。それから、第2段階浸 出液を前記第2段階浸出残留物から分離し、該第2段階浸出液を前記第1段階浸 出に送る。第2段階浸出残留物は、未反応金属分と副生物の元素状硫黄を回収す るため、残留物処理工程に送られる。 最後に、経済的に魅力のある量の鉛と銀をも含有する亜鉛含有硫化物材料から 亜鉛、鉛及び銀を回収する共流圧力下浸出工程が提供される。この工程は、鉛及 び/または銀含有量の高い微粉砕亜鉛含有硫化物材料と鉛及び/または銀含有量 の低い微粉砕亜鉛含有硫化物材料を、硫酸水溶液に分散させて、別々のスラリー を形成させ、これらスラリーをそれぞれ強酸および弱酸圧力下浸出段階で処理す ることを含む。反応物を、酸素の正の分圧下、硫黄の融点以上の温度で浸出する 。強酸浸出段階から分離した浸出液を、弱酸浸出工程の反応条件下で機能する微 粉砕石炭の効果量と共に、未浸出硫化物粒子を融解硫黄が遮断するのを禁止する ため、前記弱酸浸出スラリーに添加する。前記弱酸浸出段階に供給する亜鉛含有 硫化物材料の量は、前記弱酸浸出段階に供給される強酸浸出液中の残留酸及び硫 酸鉄としての酸当量の量に対して、前記弱酸浸出段階にはいる酸及び硫酸鉄とし ての酸当量の各モルに対して硫化物形の亜鉛の少なくとも約1.3モルが前記弱 酸浸出段階にはいるように調整され、関連づけられる。弱酸浸出は、前記亜鉛含 有硫化物材料から、亜鉛分を抽出し、同時に硫化物硫黄を元素状硫黄に変換して 、未反応硫化物、元素状硫黄及び沈殿した鉄を含む弱酸浸出残留物と、pH1以 上で約160g/リットル以上の溶解した亜鉛、約10g/リットル以下の遊離 の硫酸及び約2g/リットル以下の溶解した鉄を含有する弱酸浸出液を生成させ るように操作する。前記弱酸浸出液は、鉄の除去、溶液の精製、及び電解工程に 送られる。前記弱酸浸出残留物は、沈殿した鉄及び脈石鉱物を含有する浮選尾鉱 から未浸出硫化物、元素状硫黄及び残留石炭を含有する浮選精鉱を分離するため 、泡末浮選にかける。前記弱酸浸出浮選精鉱は、鉛及び/または銀を含む亜鉛含 有硫化物材料と共に、前記電解工程からの使用済電解液と接触させる前記強酸浸 出段階に送り、該強酸浸出は、前記弱酸浸出浮選精鉱及び鉛及び/または銀を含 む前記亜鉛含有硫化物材料から実質的に全ての亜鉛を抽出し、前記強酸浸出段階 に供給した材料を合せた亜鉛含有量に対して理論量より約50〜100%過剰の 硫酸を存在させ、鉛及び銀の大部分を含む未溶解残留物と、亜鉛及び鉄の大部分 を含む浸出液を生成させるように行う。前記強酸浸出残留物から泡末浮選によっ て高品質の鉛/銀産物を分離し、前記高品質鉛/銀産物は浮選尾鉱として回収す る。 圧力下浸出段階(単一若しくは複数)の条件下で、融解硫黄が未浸出硫化物粒 子を遮断することを禁止する作用をする添加剤としては、適当な石炭が挙げられ る。このような石炭としては、燭炭、ピートコール (peat coal)、泥炭、亜炭、 亜歴青炭、歴青炭、半歴青炭、半無煙炭及び無煙炭が挙げられる。好ましい石炭 は、高い格付けの石炭とは反対に、低い格付けの石炭である。好ましい石炭の粒 度は、約60ミクロンまでの範囲である。好ましい石炭の存在量は、亜鉛含有硫 化物材料の1トン当り5kg〜25kgである。石炭の合計炭素含有量は、好ま しくは40〜85%の範囲である。有利には、石炭は工程残留物から回収し、そ の後再使用のためリサイクルされる。好ましくは、石炭は、オートクレーブ中で 亜鉛精鉱/硫酸スラリーに直接添加するか、または洗浄、粉砕または浸出前を含 む供給材料調製工程のいかなる時点で添加することもできる。 図面の簡単な説明 以下の詳細な説明と次の図面を参照して、本発明はより理解されるだろう。 図1は、単一圧力下浸出段階を有する本発明の亜鉛回収法のフローシートであ る。 図2は、2段階対向流圧力下浸出工程を有することで特徴づけられる本発明の 亜鉛回収法のフローシートである。 図3は、2段階共流圧力浸出法を有する本発明の亜鉛回収法を説明するフロー シートである。好ましい実施態様の記載 添付図面を参照して、本発明の方法を説明する。本発明は、単一段階圧力下浸 出、2段階共流及び対向流浸出を組み込んだフローシートに特に適用し得、そし て多くのフローシートは、鉛及び銀をも含有し得る硫化亜鉛精鉱の処理のために 開発された。一般に本発明は、硫黄の融点以上の温度で実施される亜鉛抽出法に 適用し得る。 本発明の方法は、亜鉛及び鉄硫化物を含む高若しくは低(即ち塊状)グレード の精鉱に適用し得る。しかしながら、出発材料は、通常亜鉛含有硫化物鉱石の選 択的泡末浮選によって得られる亜鉛含有硫化物精鉱であろう。このような精鉱は 、亜鉛に加えて、しばしば他の非鉄金属を含有するであろう。典型的な塊状硫化 物精鉱は、かなりの量の銅及び鉛、少量のニッケル、コバルト及びカドミウム並 びに多くの場合少量ではあるが、経済的に重要な量の銀及び貴金属を含有し得る 。本明細書中で使用している亜鉛含有硫化物材料若しくは精鉱の語は、このよう な材料を含むことを意図し、そしてまた天然に産出するか或いは添加成分として 鉄及び経済的に回収し得る量の硫化物形の亜鉛を含有するいかなる他の高若しく は低グレードの材料をも含むことを意図する。最適の結果を得るため、硫化物出 発材料は、好ましくは微粉砕粒子形であるべきである。粒度は、反応速度と圧力 下浸出工程(単一及び複数)で得られる亜鉛抽出量において著しい効量を有する 。本発明の十分な利点を実現するため、出発材料は、マイナス44ミクロン(4 4ミクロン以下)(325メッシュのタイラーフルイ)が約90%であるのが好 ましい。浮選精鉱のような材料は、多くの場合、既に好ましい大きさの範囲内に あり得る。好ましい大きさにない材料は、好ましくは、最初に水研ぎによって微 粉砕する。 場合によっては、微粉砕した精鉱は、マグネシウム、マンガン、塩化物及びフ ッ化物のような容易に溶解し得る不純物を除去するため、低温大気圧の条件下、 希硫酸中で浸出され得る。硫化物が鉄を含有しないか、鉄が不足している場合は 、この時点でスラリーに酸化し得る鉄を添加することによって、鉄の含有量を好 都合に調節することができる。 本発明方法は全て酸性硫酸塩水溶液と混合し、圧力下浸出段階(単一及び複数 )の反応条件下で、融解硫黄が未浸出硫化物粒子を遮断することを禁止するよう に作用する添加剤の用意を含んでいる。好ましくは、添加剤は低い炭素含有量の 石炭であり、これは、浸出液中に残ってその後に電解操作を妨害する望ましくな い不純物を導入しないことが伴明した。このような石炭としては、燭炭、泥炭、 ピート(peat) 、亜鉛、亜歴青炭、歴青炭、半歴青炭、半無煙炭及び無煙炭が挙 げられる。好ましい石炭は、高い格付け若しくは高い炭素量の石炭よりむしろ、 低い格付け若しくは中間の炭素量の石炭である。石炭の炭素含有量は、好ましく は40〜85%の範囲である。一般に、高い炭素含有量の石炭、典型的には無煙 炭は、低い炭素含有量の石炭よりは効果が少ないことが判明した。石炭は、約6 0ミクロンまでの範囲の粒度に微粉砕すべきである。一般的に、いかなる場合に おいても、亜鉛抽出量を最大にするのに効果的な最小量の石炭を添加するのが望 ましい。大抵の場合、亜鉛含有材料の1トン当たり石炭約5〜25kg、典型的 には約10kg/トンの添加で十分であろう。必要とする石炭量は、石炭の性質 、即ち格付け及び粒度、並びに亜鉛含有材料中に含まれる炭素を考慮することに 関係があることは、当業者には明らかである。 従来の添加剤と対比して石炭を利用する固有の利点は、石炭の安定性及び化学 分解が生じることなしに、工程中効果的に作用する能力にある。更に、未反応石 炭は、残留物処理工程中、硫黄、未反応硫化物及び鉄残留物から物理的に分離す ることができ、そしてその結果、所望によっては回収し、再使用することができ る。第1段階からの固体残留物を、次に他の段階で浸出させる2つの圧力下浸出 段階を含む方法においては、石炭必要量は第1段階にのみ添加されるが、このこ とは、両浸出工程に添加しなければならなかった界面活性剤を利用する従来法よ り実質的に節約されていることを示している。 背景をたどると、ASTM規格は、固定した炭素と、鉱物物質を含まない基準 に基づいて計算した発熱量を、亜鉛から無煙炭の天然系列における変成または進 行変化の度合にしたがう等級による分類基準、格付けとして使用している。ヨー ロッパの分類は、(a)種類による石炭の国際分類(The International classi fication of Hard Coals by Type)及び(b)”ファン ノストランズサイアン ティフィック エンサイクロペディア(Van Nostrand's Scientific Encyclopedi a)”、第7版、コンシジン(Considine)1巻、662〜663頁に教示されてい る亜炭の国際分類(The International Classification of Brown Coals)を含む 。一般に石炭は、部分的に分解した植物物質の圧縮によって形成された可燃性、 炭素質の沈積性岩石と定義される。炭素がより高度に炭化した形、典型的には、 グラファイト、活性炭またはコークスは、ここに記載した方法に不適であると判 明した。それ故、無効であるより高度に炭化した形の炭素の混合物と実験的に判 断するのは当業者の義務である。 単一及び第1及び第2(2つの浸出工程を含む方法における)浸出段階の浸出 反応は、オートクレーブのような攪拌機を装着した圧力容器中、硫黄の融点以上 の温度、即ち約120℃以上で約175℃以下、好ましくは約135〜155℃ で実施される。約135℃以下の温度では、反応速度は比較的ゆっくりであるの で、この方法の経済性に悪影響を与える。 酸化反応中、いくらかの元素状硫黄は、硫酸に変換され、この反応の度合は、 約160℃以上で増大する。いくらかの酸の発生は、機械的な酸の損失を補い、 鉛のような希釈金属及びカルシウム及びマグネシウムのような脈石物質による不 可逆的副反応で消費された酸の代わりとなるため、大抵の場合望ましい。約17 5℃以上の温度では、元素状硫黄は、比較的急速に硫酸に変換されるので、酸の バランスを維持するのに望ましい以上の硫酸が生成され得る。それ故、好ましく は、操作温度は約135℃〜約155℃であるべきである。浸出反応は発熱的で あるので、連続浸出系で一度反応が開始すると、外の熱源から熱を加えることな しに、スラリーを好ましい温度範囲内に維持するのに十分な熱が生成する。 浸出反応が行われる全圧は、酸化反応の温度で自己発生的に発生する蒸気圧+ 酸化ガスの過圧である。酸化ガスは好ましくは酸素であるが、空気若しくは酸素 を高めた空気を使用することもできる。反応は、約150kPa以上の酸素過圧 で満足に進行する。しかしながら、酸素過圧を増加させると、反応速度は改善す る。約400〜700kPaの酸素過圧を適用するのが好ましい。酸素圧の上限 は、使用するオートクレーブによるであろう。一般には、経済的理由で高圧オー トクレーブの使用を避けるのが望ましく、一般には上限は、約1000kPaの 酸素過圧若しくは空気過圧であろう。 第1若しくは単一段階浸出に供給される浸出スラリーのパルプ密度、即ちいか なる与えられた場合における浸出工程に供される硫化物と溶液の相対量は、一般 に硫化物の亜鉛含有量と最終浸出液の望ましい亜鉛及び鉄濃度に関連して決定さ れる。 圧力下浸出残留物は、未浸出硫化物、元素状硫黄、水和酸化鉄及び鉄ミョウバ ンのような鉄沈殿物、硫酸塩鉱のような鉛及び銀含有酸化鉱物、脈石鉱物及び未 反応石炭を含有する。未反応硫化物及び元素状硫黄は、典型的に微細なミクロペ レットに凝集し、これは、沈澱物、酸化鉱物及び脈石から泡末浮選によって、浮 選精鉱に存在する未浸出硫化物及び元素状硫黄と共に分離される。未反応石炭も 浮選精鉱に存在するが、未浸出硫化物/硫黄ミクロペレットから微細な粒子とし て分離し、サイクロサイズイング (cyclosizing)によって未浸出硫化物/硫黄ミ クロペレットから分離し得る。回収した未反応石炭フラクションは、新しい石炭 の添加の要求を減少させるため、浸出段階にリサイクルさせてもよい。圧力下浸 出残留物中の鉛及び銀分は、浮選尾鉱中に濃縮され、この物質の品質は、前記圧 力下浸出液中に保持される鉄の量に依存する。 図1に示すように、単一段階圧力下浸出のみを含む亜鉛の抽出法に転向すると 、スラリー形成工程に供される酸の量は、最終浸出液に望まれる亜鉛及び鉄の目 標濃度によって決定される。溶解している亜鉛の望ましい目標濃度を生成させる ため、硫化物中に含まれる亜鉛分と硫酸亜鉛に結合させるのに十分な酸を利用で きねばならない。一般的には、リットル当たり約140〜180gの亜鉛(g/ リットル)を含む浸出液を生成させるのが望ましい。なぜなら、大抵の場合、亜 鉛は電解によって溶液から回収され、そして上記範囲内の亜鉛濃度が電解工程に とって好ましいからである。典型的には、前記した理由で、亜鉛含有材料の1ト ン当たり、合計炭素40〜85%含有する石炭10kgが必要とされる。一度望 ましい亜鉛及び鉄目標濃度が決定されると、この濃度を生成させるのに必要な酸 の量は、硫酸亜鉛として抽出されるべき亜鉛の理論量と関連付けて、容易に計算 することができる。大抵の場合、スラリー形成液は、亜鉛電解工程から得た使用 済電解液であろう。液体は、通常残留亜鉛分に加えて、元素形で回収した溶解亜 鉛金属の量と当量の再生硫酸を含有する。従って、最初形成した酸を除いて、電 解亜鉛回収と共に行った場合の浸出工程に必要な合計の酸は、機械的損失及び不 溶な硫酸塩を形成する鉛及びカルシウムのような硫化物中の酸反応希釈材料によ って消費されるのを補うのに必要とされる量に制限される。 浸出スラリーの酸/亜鉛モル比は亜鉛の各モル当たり少なくとも酸1モルが存 在するように調節されねばならない。好ましくは、硫酸亜鉛を生成させるため、 スラリー中の全ての亜鉛分と理論量的に結合させるのに必要な量以上の過剰な酸 を浸出スラリー中に存在させるべきである。しかしながら、非常に多量の酸の必 要性はない。なぜなら、このような過剰によって反応速度は大きく増加しないし 、浸出液中の溶解した鉄及び遊離酸の量は、望ましくない高さとなるであろうか らである。一般には、H2SO4/Znのモル比は、約1.0:1〜約1.2:1、好 ましくは1.1:1の範囲内にあるように制御すべきである。 それ故要約すると、米国特許第3867268号(参照文献としてその開示を この明細書に挿入する)に例示されている単一段階浸出を有する亜鉛抽出法は、 亜鉛精鉱を硫酸で浸出させ、前記した条件下での石炭添加を含む。商用プラクテ ィスにおいては、この単一段階圧力下浸出法は、亜鉛精鉱供給材料の大部分が焼 成酸化亜鉛を形成させるため焙焼され、大気圧浸出循環路の戻し電解液て浸出さ れる従来の焙焼−浸出−電解抽出法と共に、通常操作される。焼成酸化亜鉛の一 部は、圧力下浸出液の硫酸含有量を中和するのに有利に利用される。圧力下浸出 工程に続いて、抽出した亜鉛分を可溶性硫酸亜鉛として含有する浸出液を、中和 し、鉄を沈殿させるため、焼成酸化亜鉛若しくは石灰と処理する鉄除去循環路に 送る。それから溶液を、通常の溶液精製工程を経由して、亜鉛回収の電解工程に 送る。直接圧力下浸出操作で処理した供給材料に付随した硫黄は、浸出中元素形 に変換され、鉄酸化物及び鉄ミョウバン石残留物から浮選によって分離され得る 。 選択的に、単一段階圧力下浸出系は、浸出段階が強酸浸出、即ち、鉄が溶液中 にとどまることによって、その後の浸出残留物からの含まれている可能性のある 鉛及び銀分の回収を許容するのを確保するように作用する理論量より過剰の硫酸 の条件によって操作され得る。再び石炭がここで教示されたように、添加剤とし て利用される。 図2及び対向流2段階浸出工程を含む亜鉛抽出法が記載されている米国特許第 4004991号を参考として、その開示を、参照文献としてこの明細書に挿入 する。この方法は、全ての亜鉛硫化物精鉱を、酸化亜鉛への従来の焙焼によるよ り、圧力浸出によって処理されるべきである場合に、好ましい選択である。2段 階対向流浸出の構成は、単一段階法によって得られ得るよりも酸及び鉄を低濃度 で含む硫酸亜鉛に富む溶液を生成し、これによって中和材のコストが低減する。 本発明の実施に際しては、硫化物は、微粉砕及び場合によっては、酸可溶の不 純物を除去する酸前浸出の後、第2段階浸出からリサイクルさせた浸出液と少量 の使用済電解液とでスラリーとし、第1段階浸出に送る。供給スラリーは、粒状 亜鉛精鉱、石炭添加物(亜鉛含有材料1トン当たり5〜25kgの量、好ましく は低い格付けの石炭)及び必要に応じて前記鉄添加剤を使用して調製される。一 般的には、第2段階浸出に石炭を添加する必要は見出されない。 第1段階浸出に供給する硫化物の量と第1及び第2段階浸出に供給する浮遊酸 の量の調整及び相関関係は、第1段階浸出においては、硫化物中の亜鉛及び他の 酸反応成分の全てと結合するのに必要な酸は不足して、そして第2浸出において は、第1段階浸出からの残留物中の全ての酸反応性成分と結合するのに必要とす る以上過剰に酸を存在させることを確保する。結果は、第1段階浸出においては 、反応の進行に伴いpHはた例えば2〜3若しくは更に高くに上昇し、これが、 第1段階浸出から排出された浸出液から溶解している鉄の急速な加水分解及び沈 殿を促進させる。第1段階浸出においては、一部例えば約75%の亜鉛のみが、 硫化物から抽出されるが、第2段階浸出からリサイクルさせた液は、高度に亜鉛 を溶解しているであろうから、第1段階液は、少なくとも約160g/リットル の亜鉛を含有する。第2段階浸出においては、ここに供給される第1段階浸出残 留物中の酸反応性成分と結合するのに必要とする以上の過剰の酸が存在している ので、残留物からの亜鉛分の急速で実質的に完全な抽出を可能とする強酸条件が 支配している。98%若しくはそれ以上の亜鉛抽出率を得るための必要とする保 持時間は、典型的には第1段階で40〜60分、第2段階浸出で40〜120分 である。 第2段階浸出が完了すると、最終浸出スラリーを浸出容器から流出タンクに排 出し、それから更に常圧で容器中に流出させる。未溶解残留物から通常の液−固 分離工程で浸出液を分離し、これをそっくりそのまま第1段階浸出に送る。第2 段階浸出段階からの残留物は、両浸出段階で生成した元素状硫黄の全てと、少量 の未浸出硫化物、水和鉄酸化物、鉄ミョウバン石及び不溶の脈石物質並びに出発 材料中に存在する貴金属を含有する。この残留物は、廃棄しても、将来の処理の ために貯蔵しても、或いは元素状硫黄及び鉛及び/または銀分のような他の経済 的に回収する価値のあるものを回収するため直ちに処理することもできる。 第1段階浸出からの浸出液は、液−固分離工程で未溶解残留物から分離した後 、鉄除去操作に送られる。鉄除去に続いて、溶液を通常の精製工程に送り、液− 固分離工程で沈殿した不純物を除去した後、通常の亜鉛電解工程に送る。 石炭を従来の界面活性剤に置き換えて使用する2段階対向流圧力下浸出の構成 を利用する、より進歩した亜鉛回収フローシートは、米国特許第5380354 号に、塊状亜鉛−鉛−銀精鉱から鉛、銀及び鉄の改善された回収が提供されるこ とが記載されている。この特許の開示も、参照文献として、ここに挿入する。 添加剤として石炭を従来の界面活性剤に変えて使用する本発明は、米国特許第 4505744号に開示されているように、低い鉛及び銀含有量の亜鉛精鉱の処 理と共に高い鉛及び銀含有量の塊状精鉱からの亜鉛を抽出する共流圧力下浸出法 に適用し得る。この開示を参照文献として、ここに挿入する。次の記載と関連づ けるため図3を参照する。 鉄、鉛及び銀をも含有する亜鉛含有硫化物材料は、本質的には前記したように 、強酸圧力下浸出中の酸化条件下で浸出させる。弱酸浸出工程において、低い鉛 及び銀含有量の亜鉛含有硫化物材料が処理される。添加物は、前記したように微 粉砕石炭であり、好ましくは、低い格付けの石炭を亜鉛含有材料に対して5〜2 5kg/トン、最も好ましくは約10kg/トンの量添加する。典型的には、弱 酸浸出にのみ石炭を添加するのが必要であるかもしれない。なぜなら、この浸出 工程からの浸出残留物は、典型的には浮選によって処理して、鉄酸化物及び鉄ミ ョウバン石から残留石炭を含む元素状硫黄及び未浸出硫化物を分離し、強酸浸出 工程にリサイクルさせるからである。 強酸圧力浸出のための圧力浸出条件は、材料の亜鉛含有量に対して最初の実質 的に理論量より約5〜100過剰の硫酸を含む硫酸水溶液(使用済電解液を有す る)中、約120〜175℃の範囲の温度での酸化条件を含む。酸素の分圧は、 好ましくは400〜1000kPaであり、浸出温度は、好ましくは135〜1 55℃である。結果として生成した浸出残留物は、比較的鉄を含有していない。 更に、浸出工程で生成し、その結果として残留物中にも存在する元素状硫黄は、 残留する鉛及び銀含有残留物から容易に物理的に分離される。 強酸浸出工程は、亜鉛の97%以上及び鉄の50%以上が、未反応黄鉄鉱とし て存在する鉄の約45%を残して溶解するまでの時間続けられる。それから少量 の鉄酸化物若しくは鉄ミョウバン石を含み、そして元の亜鉛含有硫化物材料中の 多量の鉛と銀を含む未溶解残留物を強酸浸出段階に添加する。 弱酸浸出工程において、低い鉛/銀含有亜鉛精鉱を、亜鉛含有量の65〜75 %の抽出を行うような過剰の硫酸濃度で浸出させる。圧力浸出は、弱酸浸出工程 に供給する強酸浸出液から鉄の沈殿及び酸の中和と同時に、低い鉛/銀含有亜鉛 精鉱中の亜鉛を抽出するため、約400〜1000kPaの酸化分圧下、約13 5〜155℃の温度で実施される。 約140〜160g/リットルの亜鉛、約0.5〜約2g/リットルの鉄及び 約1〜10g/リットルの硫酸を含有する弱酸浸出からの浸出液は、鉄除去精製 工程及び他の必要な精製工程及びそれから亜鉛電解工程を受けさせる。 このようにして、亜鉛が両亜鉛精鉱から効果的に回収され、そして比較的高い 鉛/銀含有量の最初の亜鉛精鉱からの鉛及び銀の回収が容易となる。 亜鉛及び鉄含有硫化物精鉱から亜鉛を抽出する本発明の具体例を挙げるが、本 発明は次の実施例に限定されない。 実施例I 下表Iに、亜鉛抽出実験で使用した種々の石炭のタイプの比較を挙ける。 石炭の大きさの分布は、63ミクロンを通過するものが100%であり、使用 した亜鉛精鉱は、タイプA(その分析を後記表IIIに記載した)であった。 表中C%は、石炭中に存在する有機炭素のパーセントを表し、添加量は、亜鉛 精鉱の量に対して添加した石炭の量を表す。C分布は、NMR分光分析法によっ て測定した石炭中の脂肪族炭素と芳香族炭素との相対量を表す。 実施例II この実施例は、使用した石炭量と達せられる亜鉛抽出率との比較を説明する。 使用した精鉱は、タイプA(後記表III参照)であり、石炭はタイプTCである 。石炭の大きさの分布は、44ミクロンを通過するのが100%であった。 実施例III 石炭添加剤TCを使用する亜鉛抽出率における亜鉛精鉱の種類の影響を次表II Iに記載した。典型的には、亜鉛抽出率は、96%以上で98%のオーダーのも のが多かった。これは、0.1〜1.8%Cu、2.2〜11.8%Fe、0. 1〜13.6%Pb、0.4〜3.3%Si、26.2〜33.6%S及び45 .5〜56.2%Znを含有する精鉱で得られたものである。 実施例IV この実施例は、石炭の粒度を減少させた単一段階バッチ浸出で得た改善された 亜鉛抽出率を表す。次表IVに示すように、60分での高い亜鉛抽出率のための石 炭粒度の上限は、約63ミクロンである。 実施例V この実施例は、融解硫黄が分散する鍵となる相互作用は、融解硫黄と石炭の有 機抽出物との相互作用よりむしろ、固体石炭粒子間の融解硫黄との接触にあるこ とを表している。 試験No.1においては、石炭はそれだけで浸出させ、それから石炭浸出物を 亜鉛精鉱と接触させた。結果は、添加剤を使用しない場合と同一であり、61% の亜鉛抽出率を与えた。試験No.2及び4においては、比較的粗い石炭を、オ ートクレーブ内の金網の後に保持した。その結果、溶液は通過し、有機物種を抽 出し得るが、石炭のスラリーとの接触はない。これは、硫黄分散が短い効力の有 機抽出物のせいになる可能性を試験する。亜鉛抽出率は、約63%に制限された 。試験No.3及び5は、比較的粗い石炭と亜鉛精鉱スラリーとの直接接触が試 験されたが、それぞれ78%及び85%への亜鉛抽出率の増加を示している。試 験No.6においては、微細な石炭の小量の試料を利用し、溶液中の有機物種の 量は他の試験と大体同一であったが、亜鉛抽出率が99%に増大したことが注目 される。 実施例VI 表IIIに示したタイプJの亜鉛精鉱を、150℃の2段階対向流圧力下浸出で 、63ミクロンを100%通過する粒度のタイプTCの石炭を25kg/トン添 加して、小形プラントの連続オートクレーブ中で処理した。石炭は、第1段階に のみ添加した。全亜鉛抽出率は、添加剤としてリグノスルホン酸カルシウムを使 用する97.3%と比べて、97.7%であった。 タイプKの精鉱を、2段階対向流圧力下浸出で、63ミクロンを100%通過 する粒度のタイプTCの石炭を25kg/トン添加して、小形プラントの連続オ ートクレーブ中で処理した。石炭は、第1段階にのみ添加した。全亜鉛抽出率は 、添加剤としてリグノスルホン酸カルシウムを使用する96.0%と比べて、9 6.3%であった。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1996年11月21日 【補正内容】 と、鉱物物質を含まない基準に基づいて計算した発熱量を、亜鉛から無煙炭の天 然系列における変成または進行変化の度合にしたがう等級による分類基準、格付 けとして使用している。ヨーロッパの分類は、(a)種類による石炭の国際分類 (The International classification of Hard Coals by Type)及び(b)”フ ァン ノストランズ サイアンティフィック エンサイクロペディア(Van Nostr and's Scientific Encyclopedia)”、第7版、コンシジン(Considine)1巻、6 62〜663頁に教示されている亜炭の国際分類(The International Classific ation of Brown Coals)を含む。一般に石炭は、部分的に分解した植物物質の圧 縮によって形成された可燃性、炭素質の沈積性岩石と定義される。炭素がより高 度に炭化した形、典型的には、グラファイト、活性炭またはコークスは、ここに 記載した方法に不適であると判明した。それ故、無効であるより高度に炭化した 形の炭素の混合物と実験的に判断するのは当業者の義務である。好ましくは脂肪 族炭素含有量20〜80%、より好ましくは25〜55%の石炭が適している。 単一及び第1及び第2(2つの浸出工程を含む方法における)浸出段階の浸出 反応は、オートクレーブのような攪拌機を装着した圧力容器中、硫黄の融点以上 の温度、即ち約120℃以上で約175℃以下、好ましくは約135〜155℃ で実施される。約135℃以下の温度では、反応速度は比較的ゆっくりであるの で、この方法の経済性に悪影響を与える。 酸化反応中、いくらかの元素状硫黄は、硫酸に変換され、この反応の度合は、 約160℃以上で増大する。いくらかの酸の発生は、 将来の処理のために貯蔵しても、或いは元素状硫黄及び鉛及び/または銀分のよ うな他の経済的に回収する価値のあるものを回収するため直ちに処理することも できる。 第1段階浸出からの浸出液は、液−固分離工程で未溶解残留物から分離した後 、鉄除去操作に送られる。鉄除去に続いて、溶液を通常の精製工程に送り、液− 固分離工程で沈殿した不純物を除去した後、通常の亜鉛電解工程に送る。 石炭を従来の界面活性剤に置き換えて使用する2段階対向流圧力下浸出の構成 を利用する、より進歩した亜鉛回収フローシートは、米国特許第5380354 号に、塊状亜鉛−鉛−銀精鉱から鉛、銀及び鉄の改善された回収が提供されるこ とが記載されている。この特許の開示も、参照文献として、ここに挿入する。こ の特許は、第6欄第10〜12行及び第40〜42行と共に図5に、電解12か らの使用済電解液の一部を、第1段階浸出10に供給し、使用済電解液の一部を 、第2段階浸出14に供給する、電解液の分離供給を開示している。 添加剤として石炭を従来の界面活性剤に変えて使用する本発明は、米国特許第 4505744号に開示されているように、低い鉛及び銀含有量の亜鉛精鉱の処 理と共に高い鉛及び銀含有量の塊状精鉱からの亜鉛を抽出する共流圧力下浸出法 に適用し得る。この開示を参照文献として、ここに挿入する。次の記載と関連づ けるため図3を参照する。 15.前記石炭量が、亜鉛含有硫化物材料の1トン当たり5〜25kgの範囲で ある請求項14記載の方法。 16.前記石炭の全炭素含有量が、40〜85%の範囲である請求項15記載の 方法。 17.前記石炭は、約80%以下で約20%以上の脂肪族炭素含有量を有する請 求項13または16記載の方法。 18.前記石炭は、約25〜55%以上の脂肪族炭素含有量を有する請求項13 または16記載の方法。 19.残留物を泡末浮選にかけて、水和酸化鉄、鉄ミョウバン石及び脈石鉱物の 沈澱物から未浸出硫化物及び元素状硫黄からなるミクロペレットを分離し、該ミ クロペレットを微粉砕未反応石炭粒子と共に浮選精鉱として回収し、そして前記 未浸出硫化物と元素状硫黄ミクロペレットから、サイクロサイズイング(cyclosi zing)によって前記未反応石炭粒子を分離する、 請求項1、7または13の方法で生成した圧力下浸出残留物から未反応石炭を回 収する方法。 20.溶解した亜鉛分を含む産物浸出液を、溶解した亜鉛を回収するため電解に かけ、電解からの使用済電解液を酸化反応工程にリサイクルさせる請求項1記載 の方法。 【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年7月24日 【補正内容】 明細書 硫化物精鉱からの亜鉛の回収発明の分野 本発明は、硫黄の融点より高い温度で行われる1以上の圧力下浸出工程を含む 亜鉛抽出法に有用な新規添加剤に関する。発明の背景 亜鉛は、亜鉛含有硫化物精鉱を、酸素の存在下、高温高圧で硫酸と反応させる ことによって回収し得ることは、良く知られている。硫黄の融点より高い温度で は、浸出反応で形成される元素状の硫黄は、微粉砕液体硫黄小球として存在する 。反応が進行すると、これら小球の量が増大し、これが未反応硫化物粒子を被覆 若しくは遮断し、これを更なる酸化に対して不活性にする。融解硫黄が未浸出硫 化物粒子を被覆するのを防止若しくは少なくとも実質的に禁止するため、この工 程に添加物を添加することができる。このようにすることによって、例えば米国 特許第3867268号及び4004991号に教示されているように、亜鉛の 高抽出率、典型的には95%以上、好ましくは98%以上までの反応の進行が達 成される。更にこの添加剤は、良好な物理的取り扱い特性を有する微粉砕浸出残 留物の形成を助ける。添加剤のない場合は、亜鉛抽出率は、典型的にはわずか約 50〜70%であり、液体元素状硫黄は、凝集し、管路及び容器をふさぐ取り扱 い困難な粒子である粗粒(coarse)の生成をもたらし得る。 この工程で使用する添加剤は、硫化亜鉛の酸化と両立しなければならず、そし て不純物を亜鉛含有工程流に導入してはならない。この目的のため、リグニン誘 導体特にカルシウム及びナトリウムリグノスルホネート;タンニン化合物特にケ ブラコ、ヘムロック及びレッドウッド抽出物のような樹皮及び心材抽出物;オル トフェニレンジアミン;及びアルキアリールスルホネート特にソジウムアルキル ベンゼンスルホネートのような有機化合物を含む多くの界面活性剤が使用されて いる。カルシウムリグノスルホネートとケブラコは、商用プラクテスで適用され ている。亜鉛圧力下浸出における可溶性界面活性剤の使用に関する現在の状態は 、ジー・オウス(G.Owusu)他の湿式冶金法(Hydrometallurgy)38(1995) 315〜324頁に、”せん亜鉛鉱の酸化浸出中亜鉛及び鉄溶解における界面活 性剤の効果”の表題で最近の論文に要約されている。 これら従来の添加剤の多くは、酸性硫酸亜鉛溶液に可溶であり、亜鉛圧力下浸 出工程の高温高酸化条件下で急速に分解する。その結果、時々、融解硫黄による 未浸出硫化物粒子の遮断を防止するため圧力容器中に常に十分な界面活性剤が利 用できるのを確保するのが困難となり得る。更に添加剤は、通常オートクレーブ に導入する前の組成の水に、アワ立ちオーバーフローする傾向を示す溶液として 添加するので、添加剤の損失をもたらす可能性がある。極端な場合、仮に添加剤 含有溶液が、硫化亜鉛/硫酸スラリーと接触するのに失敗した場合は、界面活性 剤の不在が、大量の融解イオウが凝集し、分離した重質の液相を生成させ、これ が管路及び容器をふさぐ。更に従来の界面活性剤は比較的高価であり、樹皮及び 心材抽出物の場合は、供給が制限されている。それ故、元素状硫黄によって硫化 物粒子が遮断されるのを防止する機能を有する安価で容易に入手でき、亜鉛圧力 下浸出工程の条件下で急速に分解しない添加物の必要性があることが理解できる だろう。発明の概要 本発明の目的は、硫黄の融点以上の温度でおこなわれる1以上の圧力下浸出段 階を含む亜鉛抽出工程で機能する添加剤を提供することであり、該添加剤は、工 程中安定であり、比較的安価で、工程に影響を与えないし、溶液精製及び電解に 続いて生成する陰極亜鉛の最終の品質に影響を与えず、そして浸出残留物から容 易に物理的に分離し得る。 最初に、亜鉛含有硫化物精鉱から亜鉛を回収する単一段階圧力下浸出を有する 方法を提供する。この方法は、所定量の微粉砕亜鉛及び鉄含有亜鉛硫化物材料を 硫酸水溶液に分散させてスラリーを形成することを含む。添加する硫酸の濃度は 、最終浸出溶液中で所定の亜鉛及び鉄濃度を提供するのに効果的な濃度である。 酸性硫酸塩浸出溶液と混和する微粉砕石炭微粒子の効果量は、該石炭微粒子が次 工程の酸化反応工程(即ち圧力下浸出)の反応条件下で機能して融解硫黄が未浸 出硫化物粒子を遮断することを禁止するように供給される。それから、オートク レーブ中で硫黄の融点以上の温度で前記スラリー及び石炭を、攪拌しつつ、遊離 酸素含有ガスと反応させ、それによって前記硫化物から亜鉛分を溶解可能な硫酸 亜鉛としてほぼ完全に抽出し、それと同時に前記亜鉛分と結合されていた硫化物 硫黄を元素形態に転換する。それから、溶解亜鉛分を含む産物浸出溶液を固体残 留物から分離する。 本発明は、更に亜鉛含有硫化物から亜鉛を回収する二段階対向流圧力下浸出法 に広げる。この方法は、微粉砕の鉄含有亜鉛硫化物を硫酸水溶液に分散させてス ラリーを形成し;酸性硫酸塩浸出溶液と混合する、効果量の微粉砕石炭微粒子を 供給し、該石炭微粒子が第1浸出段階の反応条件下で機能して融解硫黄が未浸出 硫化物粒子を遮断することを禁止することを含む。前記亜鉛含有硫化物材料を前 記2段階浸出の第1段階に供給し次電解工程からの使用済電解液を第1段階と第 2段階に分けて供給しつつ、前記2段階浸出において反応物を酸素の分圧下でか つ硫黄の融点より高い温度で浸出する。前記第1段階浸出に供給される亜鉛含有 硫化物材料の量は、両浸出段階にはいる酸の各モル数に対し、少なくとも約1モ ルの硫化物形の亜鉛がはいるように、前記使用済電解液と共に両浸出段階に供給 される酸の量に対して調節し、関連づけ、同時に両浸出段階にはいる使用済電解 液の量は、前記電解操作における前記溶液の処理にとって適した所定水準に亜鉛 濃度を増加させるため、前記電解液に溶解させなければならない亜鉛の各モル数 に対して、約1モルの酸がはいるようにコントロールされる。第1段階浸出は、 亜鉛含有硫化物材料から亜鉛分を抽出し、同時に硫化物硫黄を元素状硫黄に変換 して、未反応硫化物、元素状硫黄及び水和鉄酸化物及び鉄ミョウバン石として沈 殿した鉄を含む第1段階浸出残留物と、pH1以上で約160g/リットル以上 の溶解した亜鉛、約10g/リットル以下の遊離の硫酸及び約2g/リットル以 下の溶解した鉄を含有する第1段階浸出液を生成させるように操作する。第1段 階浸出液は、鉄の除去と溶液の精製工程及びそれから前記電解工程に送られる。 第1段階浸出残留物は、前記第2段階浸出に送り、該第2段階浸出は、前記第1 段階浸出残留物から実質的に全ての亜鉛を抽出し、未反応硫化物、元素状硫黄及 び沈殿した鉄を含有する第2段階浸出残留物と、前記抽出した亜鉛、未反応硫酸 及び溶解した鉄を含有する第2段階浸出液を生成する。それから、第2段階浸出 液を前記第2段階浸出残留物から分離し、該第2段階浸出液を前記第1段階浸出 に送る。第2段階浸出残留物は、未反応金属分と副生物の元素状硫黄を回収する ため、残留物処理工程に送られる。 最後に、経済的に魅力のある量の鉛と銀をも含有する亜鉛含有硫化物材料から 亜鉛、鉛及び銀を回収する共流圧力下浸出工程が提供される。この工程は、鉛及 び/または銀含有量の高い微粉砕亜鉛含有硫化物材料と鉛及び/または銀含有量 の低い微粉砕亜鉛含有硫化物材料を、硫酸水溶液に分散させて、別々のスラリー を形成させ、これらスラリーをそれぞれ強酸および弱酸圧力下浸出段階で処理す ることを含む。反応物を、酸素の正の分圧下、硫黄の融点以上の温度で浸出する 。強酸浸出段階から分離した浸出液を、弱酸浸出工程の反応条件下で機能する微 粉砕石炭の効果量と共に、未浸出硫化物粒子を融解硫黄が遮断するのを禁止する ため、前記弱酸浸出スラリーに添加する。前記弱酸浸出段階に供給する亜鉛含有 硫化物材料の量は、前記弱酸浸出段階に供給される強酸浸出液中の残留酸及び硫 酸鉄としての酸当量の量に対して、前記弱酸浸出段階にはいる酸及び硫酸鉄とし ての酸当量の各モルに対して硫化物形の亜鉛の少なくとも約1.3モルが前記弱 酸浸出段階にはいるように調整され、関連づけられる。弱酸浸出は、前記亜鉛含 有硫化物材料から、亜鉛分を抽出し、同時に硫化物硫黄を元素状硫黄に変換して 、未反応硫化物、元素状硫黄及び沈殿した鉄を含む弱酸浸出残留物と、pH1以 上で約160g/リットル以上の溶解した亜鉛、約10g/リットル以下の遊離 の硫酸及び約2g/リットル以下の溶解した鉄を含有する弱酸浸出液を生成させ るように操作する。前記弱酸浸出液は、鉄の除去、溶液の精製、及び電解工程に 送られる。前記弱酸浸出残留物は、沈殿した鉄及び脈石鉱物を含有する浮選尾鉱 から未浸出硫化物、元素状硫黄及び残留石炭を含有する浮選精鉱を分離するため 、泡末浮選にかける。前記弱酸浸出浮選精鉱は、鉛及び/または銀を含む亜鉛含 有硫化物材料と共に、前記電解工程からの使用済電解液と接触させる前記強酸浸 出段階に送り、該強酸浸出は、前記弱酸浸出浮選精鉱及び鉛及び/または銀を含 む前記亜鉛含有硫化物材料から実質的に全ての亜鉛を抽出し、前記強酸浸出段階 に供給した材料を合せた亜鉛含有量に対して理論量より約50〜100%過剰の 硫酸を存在させ、鉛及び銀の大部分を含む未溶解残留物と、亜鉛及び鉄の大部分 を含む浸出液を生成させるように行う。前記強酸浸出残留物から泡末浮選によっ て高品質の鉛/銀産物を分離し、前記高品質鉛/銀産物は浮選尾鉱として回収す る。 圧力下浸出段階(単一若しくは複数)の条件下で、融解硫黄が未浸出硫化物粒 子を遮断することを禁止する作用をする添加剤としては、適当な石炭が挙げられ る。このような石炭としては、燭炭、ピートコール(peat coal)、泥炭、亜炭、 亜歴青炭、歴青炭、半歴青炭、半無煙炭及び無煙炭が挙げられる。好ましい石炭 は、高い格付けの石炭とは反対に、低い格付けの石炭である。好ましい石炭の粒 度は、約60ミクロンまでの範囲である。好ましい石炭の存在量は、亜鉛含有硫 化物材料の1トン当り5kg〜25kgである。石炭の合計炭素含有量は、好ま しくは40〜85%の範囲である。有利には、石炭は工程残留物から回収し、そ の後再使用のためリサイクルされる。好ましくは、石炭は、オートクレーブ中で 亜鉛精鉱/硫酸スラリーに直接添加するか、または洗浄、粉砕または浸出前を含 む供給材料調製工程のいかなる時点で添加することもできる。 図面の簡単な説明 以下の詳細な説明と次の図面を参照して、本発明はより理解されるだろう。 図1は、単一圧力下浸出段階を有する本発明の亜鉛回収法のフローシートであ る。 図2は、2段階対向流圧力下浸出工程を有することで特徴づけられる本発明の 亜鉛回収法のフローシートである。 図3は、2段階共流圧力浸出法を有する本発明の亜鉛回収法を説明するフロー シートである。好ましい実施態様の記載 添付図面を参照して、本発明の方法を説明する。本発明は、単一段階圧力下浸 出、2段階共流及び対向流浸出を組み込んだフローシートに特に適用し得、そし て多くのフローシートは、鉛及び銀をも含有し得る硫化亜鉛精鉱の処理のために 開発された。一般に本発明は、硫黄の融点以上の温度で実施される亜鉛抽出法に 適用し得る。 本発明の方法は、亜鉛及び鉄硫化物を含む高若しくは低(即ち塊状)グレード の精鉱に適用し得る。しかしなから、出発材料は、通常亜鉛含有硫化物鉱石の選 択的泡末浮選によって得られる亜鉛含有硫化物精鉱であろう。このような精鉱は 、亜鉛に加えて、しばしば他の非鉄金属を含有するであろう。典型的な塊状硫化 物精鉱は、かなりの量の銅及び鉛、少量のニッケル、コバルト及びカドミウム並 びに多くの場合少量ではあるが、経済的に重要な量の銀及び貴金属を含有し得る 。本明細書中で使用している亜鉛含有硫化物材料若しくは精鉱の語は、このよう な材料を含むことを意図し、そしてまた天然に産出するか或いは添加成分として 鉄及び経済的に回収し得る量の硫化物形の亜鉛を含有するいかなる他の高若しく は低グレードの材料をも含むことを意図する。最適の結果を得るため、硫化物出 発材料は、好ましくは微粉砕粒子形であるべきである。粒度は、反応速度と圧力 下浸出工程(単一及び複数)で得られる亜鉛抽出量において著しい効を有する 。本発明の十分な利点を実現するため、出発材料は、マイナス44ミクロン(4 4ミクロン以下)(325メッシュのタイラーフルイ)が約90%であるのが好 ましい。浮選精鉱のような材料は、多くの場合、既に好ましい大きさの範囲内に あり得る。好ましい大きさにない材料は、好ましくは、最初に水研ぎによって微 粉砕する。 場合によっては、微粉砕した精鉱は、マグネシウム、マンガン、塩化物及びフ ッ化物のような容易に溶解し得る不純物を除去するため、低温大気圧の条件下、 希硫酸中で浸出され得る。硫化物が鉄を含有しないか、鉄が不足している場合は 、この時点でスラリーに酸化し得る鉄を添加することによって、鉄の含有量を好 都合に調節することができる。 本発明方法は全て酸性硫酸塩水溶液と混合し、圧力下浸出段階(単一及び複数 )の反応条件下で、融解硫黄が未浸出硫化物粒子を遮断することを禁止するよう に作用する添加剤の用意を含んでいる。好ましくは、添加剤は低い炭素含有量の 石炭であり、これは、浸出液中に残ってその後に電解操作を妨害する望ましくな い不純物を導入しないことが判明した。このような石炭としては、燭炭、泥炭、 ピート(peat)、亜鉛、亜歴青炭、歴青炭、半歴青炭、半無煙炭及び無煙炭が挙 げられる。好ましい石炭は、高い格付け若しくは高い炭素量の石炭よりむしろ、 低い格付け若しくは中間の炭素量の石炭である。石炭の炭素含有量は、好ましく は40〜85%の範囲である。一般に、高い炭素含有量の石炭、典型的には無煙 炭は、低い炭素含有量の石炭よりは効果が少ないことが判明した。石炭は、約6 0ミクロンまでの範囲の粒度に微粉砕すべきである。一般的に、いかなる場合に おいても、亜鉛抽出量を最大にするのに効果的な最小量の石炭を添加するのが望 ましい。大抵の場合、亜鉛含有材料の1トン当たり石炭約5〜25kg、典型的 には約10kg/トンの添加で十分であろう。必要とする石炭量は、石炭の性質 、即ち格付け及び粒度、並びに亜鉛含有材料中に含まれる炭素を考慮することに 関係があることは、当業者には明らかである。 従来の添加剤と対比して石炭を利用する固有の利点は、石炭の安定性及び化学 分解が生じることなしに、工程中効果的に作用する能力にある。更に、未反応石 炭は、残留物処理工程中、硫黄、未反応硫化物及び鉄残留物から物理的に分離す ることができ、そしてその結果、所望によっては回収し、再使用することができ る。第1段階からの固体残留物を、次に他の段階で浸出させる2つの圧力下浸出 段階を含む方法においては、石炭必要量は第1段階にのみ添加されるが、このこ とは、両浸出工程に添加しなければならなかった界面活性剤を利用する従来法よ り実質的に節約されていることを示している。 背景をたどると、ASTM規格は、固定した炭素と、鉱物物質を含まない基準 に基づいて計算した発熱量を、亜鉛から無煙炭の天然系列における変成または進 行変化の度合にしたがう等級による分類基準、格付けとして使用している。ヨー ロッパの分類は、(a)種類による石炭の国際分類(The International classi fication of Hard Coals by Type)及び(b)”ファン ノストランズ サイア ンティフィック エンサイクロペディア(Van Nostrand's Scientific Encyclope dia)”、第7版、コンシジン(Considine)1巻、662〜663頁に教示されて いる亜炭の国際分類(The International Classification of Brown Coals)を含 む。一般に石炭は、部分的に分解した植物物質の圧縮によって形成された可燃性 、炭素質の沈積性岩石と定義される。炭素がより高度に炭化した形、典型的には 、グラファイト、活性炭またはコークスは、ここに記載した方法に不適であると 判明した。それ故、無効であるより高度に炭化した形の炭素の混合物と実験的に 判断するのは当業者の義務である。 単一及び第1及び第2(2つの浸出工程を含む方法における)浸出段階の浸出 反応は、オートクレーブのような攪拌機を装着した圧力容器中、硫黄の融点以上 の温度、即ち約120℃以上で約175℃以下、好ましくは約135〜155℃ で実施される。約135℃以下の温度では、反応速度は比較的ゆっくりであるの で、この方法の経済性に悪影響を与える。 酸化反応中、いくらかの元素状硫黄は、硫酸に変換され、この反応の度合は、 約160℃以上で増大する。いくらかの酸の発生は、機械的な酸の損失を補い、 鉛のような希釈金属及びカルシウム及びマグネシウムのような脈石物質による不 可逆的副反応で消費された酸の代わりとなるため、大抵の場合望ましい。約17 5℃以上の温度では、元素状硫黄は、比較的急速に硫酸に変換されるので、酸の バランスを維持するのに望ましい以上の硫酸が生成され得る。それ故、好ましく は、操作温度は約135℃〜約155℃であるべきである。浸出反応は発熱的で あるので、連続浸出系で一度反応が開始すると、外の熱源から熱を加えることな しに、スラリーを好ましい温度範囲内に維持するのに十分な熱が生成する。 浸出反応が行われる全圧は、酸化反応の温度で自己発生的に発生する蒸気圧+ 酸化ガスの過圧である。酸化ガスは好ましくは酸素であるが、空気若しくは酸素 を高めた空気を使用することもできる。反応は、約150kPa以上の酸素過圧 で満足に進行する。しかしながら、酸素過圧を増加させると、反応速度は改善す る。約400〜700kPaの酸素過圧を適用するのが好ましい。酸素圧の上限 は、使用するオートクレーブによるであろう。一般には、経済的理由で高圧オー トクレーブの使用を避けるのが望ましく、一般には上限は、約1000kPaの 酸素過圧若しくは空気過圧であろう。 第1若しくは単一段階浸出に供給される浸出スラリーのパルプ密度、即ちいか なる与えられた場合における浸出工程に供される硫化物と溶液の相対量は、一般 に硫化物の亜鉛含有量と最終浸出液の望ましい亜鉛及び鉄濃度に関連して決定さ れる。 圧力下浸出残留物は、未浸出硫化物、元素状硫黄、水和酸化鉄及び鉄ミョウバ ンのような鉄沈殿物、硫酸塩鉱のような鉛及び銀含有酸化鉱物、脈石鉱物及び未 反応石炭を含有する。未反応硫化物及び元素状硫黄は、典型的に微細なミクロペ レットに凝集し、これは、沈澱物、酸化鉱物及び脈石から泡末浮選によって、浮 選精鉱に存在する未浸出硫化物及び元素状硫黄と共に分離される。未反応石炭も 浮選精鉱に存在するが、未浸出硫化物/硫黄ミクロペレットから微細な粒子とし て分離し、サイクロサイズイング(cyclosizing)によって未浸出硫化物/硫黄ミ クロペレットから分離し得る。回収した未反応石炭フラクションは、新しい石炭 の添加の要求を減少させるため、浸出段階にリサイクルさせてもよい。圧力下浸 出残留物中の鉛及び銀分は、浮選尾鉱中に濃縮され、この物質の品質は、前記圧 力下浸出液中に保持される鉄の量に依存する。 図1に示すように、単一段階圧力下浸出のみを含む亜鉛の抽出法に転向すると 、スラリー形成工程に供される酸の量は、最終浸出液に望まれる亜鉛及び鉄の目 標濃度によって決定される。溶解している亜鉛の望ましし泪標濃度を生成させる ため、硫化物中に含まれる亜鉛分と硫酸亜鉛に結合させるのに十分な酸を利用で きねばならない。一般的には、リットル当たり約140〜180gの亜鉛(g/ リットル)を含む浸出液を生成させるのが望ましい。なぜなら、大抵の場合、亜 鉛は電解によって溶液から回収され、そして上記範囲内の亜鉛濃度が電解工程に とって好ましいからである。典型的には、前記した理由で、亜鉛含有材料の1ト ン当たり、合計炭素40〜85%含有する石炭10kgが必要とされる。一度望 ましい亜鉛及び鉄目標濃度が決定されると、この濃度を生成させるのに必要な酸 の量は、硫酸亜鉛として抽出されるべき亜鉛の理論量と関連付けて、容易に計算 することができる。大抵の場合、スラリー形成液は、亜鉛電解工程から得た使用 済電解液であろう。液体は、通常残留亜鉛分に加えて、元素形で回収した溶解亜 鉛金属の量と当量の再生硫酸を含有する。従って、最初形成した酸を除いて、電 解亜鉛回収と共に行った場合の浸出工程に必要な合計の酸は、機械的損失及び不 溶な硫酸塩を形成する鉛及びカルシウムのような硫化物中の酸反応希釈材料によ って消費されるのを補うのに必要とされる量に制限される。 浸出スラリーの酸/亜鉛モル比は亜鉛の各モル当たり少なくとも酸1モルが存 在するように調節されねばならない。好ましくは、硫酸亜鉛を生成させるため、 スラリー中の全ての亜鉛分と理論量的に結合させるのに必要な量以上の過剰な酸 を浸出スラリー中に存在させるべきである。しかしながら、非常に多量の酸の必 要性はない。なぜなら、このような過剰によって反応速度は大きく増加しないし 、浸出液中の溶解した鉄及び遊離酸の量は、望ましくない高さとなるであろうか らである。一般には、H2SO4/Znのモル比は、約1.0:1〜約1.2:1、好 ましくは1.1:1の範囲内にあるように制御すべきである。 それ故要約すると、米国特許第3867268号(参照文献としてその開示を この明細書に挿入する)に例示されている単一段階浸出を有する亜鉛抽出法は、 亜鉛精鉱を硫酸で浸出させ、前記した条件下での石炭添加を含む。商用プラクテ ィスにおいては、この単一段階圧力下浸出法は、亜鉛精鉱供給材料の大部分が焼 成酸化亜鉛を形成させるため焙焼され、大気圧浸出循環路の戻し電解液で浸出さ れる従来の焙焼−浸出−電解抽出法と共に、通常操作される。焼成酸化亜鉛の一 部は、圧力下浸出液の硫酸含有量を中和するのに有利に利用される。圧力下浸出 工程に続いて、抽出した亜鉛分を可溶性硫酸亜鉛として含有する浸出液を、中和 し、鉄を沈殿させるため、焼成酸化亜鉛若しくは石灰と処理する鉄除去循環路に 送る。それから溶液を、通常の溶液精製工程を経由して、亜鉛回収の電解工程に 送る。直接圧力下浸出操作で処理した供給材料に付随した硫黄は、浸出中元素形 に変換され、鉄酸化物及び鉄ミョウバン石残留物から浮選によって分離され得る 。 選択的に、単一段階圧力下浸出系は、浸出段階が強酸浸出、即ち、鉄が溶液中 にとどまることによって、その後の浸出残留物からの含まれている可能性のある 鉛及び銀分の回収を許容するのを確保するように作用する理論量より過剰の硫酸 の条件によって操作され得る。再び石炭がここで教示されたように、添加剤とし て利用される。 図2及び対向流2段階浸出工程を含む亜鉛抽出法が記載されている米国特許第 4004991号を参考として、その開示を、参照文献としてこの明細書に挿入 する。この方法は、全ての亜鉛硫化物精鉱を、酸化亜鉛への従来の焙焼によるよ り、圧力浸出によって処理されるべきである場合に、好ましい選択である。2段 階対向流浸出の構成は、単一段階法によって得られ得るよりも酸及び鉄を低濃度 で含む硫酸亜鉛に富む溶液を生成し、これによって中和材のコストが低減する。 本発明の実施に際しては、硫化物は、微粉砕及び場合によっては、酸可溶の不 純物を除去する酸前浸出の後、第2段階浸出からリサイクルさせた浸出液と少量 の使用済電解液とでスラリーとし、第1段階浸出に送る。供給スラリーは、粒状 亜鉛精鉱、石炭添加物(亜鉛含有材料1トン当たり5〜25kgの量、好ましく は低い格付けの石炭)及び必要に応じて前記鉄添加剤を使用して調製される。一 般的には、第2段階浸出に石炭を添加する必要は見出されない。 第1段階浸出に供給する硫化物の量と第1及び第2段階浸出に供給する浮遊酸 の量の調整及び相関関係は、第1段階浸出においては、硫化物中の亜鉛及び他の 酸反応成分の全てと結合するのに必要な酸は不足して、そして第2浸出において は、第1段階浸出からの残留物中の全ての酸反応性成分と結合するのに必要とす る以上過剰に酸を存在させることを確保する。結果は、第1段階浸出においては 、反応の進行に伴いpHは例えば2〜3若しくは更に高くに上昇し、これが、第 1段階浸出から排出された浸出液から溶解している鉄の急速な加水分解及び沈殿 を促進させる。第1段階浸出においては、一部例えば約75%の亜鉛のみが、硫 化物から抽出されるが、第2段階浸出からリサイクルさせた液は、高度に亜鉛を 溶解しているであろうから、第1段階液は、少なくとも約160g/リットルの 亜鉛を含有する。第2段階浸出においては、ここに供給される第1段階浸出残留 物中の酸反応性成分と結合するのに必要とする以上の過剰の酸が存在しているの で、残留物からの亜鉛分の急速で実質的に完全な抽出を可能とする強酸条件が支 配している。98%若しくはそれ以上の亜鉛抽出率を得るための必要とする保持 時間は、典型的には第1段階で40〜60分、第2段階浸出で40〜120分で ある。 第2段階浸出が完了すると、最終浸出スラリーを浸出容器から流出タンクに排 出し、それから更に常圧で容器中に流出させる。未溶解残留物から通常の液−固 分離工程で浸出液を分離し、これをそっくりそのまま第1段階浸出に送る。第2 段階浸出段階からの残留物は、両浸出段階で生成した元素状硫黄の全てと、少量 の未浸出硫化物、水和鉄酸化物、鉄ミョウバン石及び不溶の脈石物質並びに出発 材料中に存在する貴金属を含有する。この残留物は、廃棄しても、将来の処理の ために貯蔵しても、或いは元素状硫黄及び鉛及び/または銀分のような他の経済 的に回収する価値のあるものを回収するため直ちに処理することもできる。 第1段階浸出からの浸出液は、液−固分離工程で未溶解残留物から分離した後 、鉄除去操作に送られる。鉄除去に続いて、溶液を通常の精製工程に送り、液− 固分離工程で沈殿した不純物を除去した後、通常の亜鉛電解工程に送る。 石炭を従来の界面活性剤に置き換えて使用する2段階対向流圧力下浸出の構成 を利用する、より進歩した亜鉛回収フローシートは、米国特許第5380354 号に、塊状亜鉛−鉛−銀精鉱から鉛、銀及び鉄の改善された回収か提供されるこ とが記載されている。この特許の開示も、参照文献として、ここに挿入する。 添加剤として石炭を従来の界面活性剤に変えて使用する本発明は、米国特許第 4505744号に開示されているように、低い鉛及び銀含有量の亜鉛精鉱の処 理と共に高い鉛及び銀含有量の塊状精鉱からの亜鉛を抽出する共流圧力下浸出法 に適用し得る。この開示を参照文献として、ここに挿入する。次の記載と関連づ けるため図3を参照する。 鉄、鉛及び銀をも含有する亜鉛含有硫化物材料は、本質的には前記したように 、強酸圧力下浸出中の酸化条件下で浸出させる。弱酸浸出工程において、低い鉛 及び銀含有量の亜鉛含有硫化物材料が処理される。添加物は、前記したように微 粉砕石炭であり、好ましくは、低い格付けの石炭を亜鉛含有材料に対して5〜2 5kg/トン、最も好ましくは約10kg/トンの量添加する。典型的には、弱 酸浸出にのみ石炭を添加するのが必要であるかもしれない。なぜなら、この浸出 工程からの浸出残留物は、典型的には浮選によって処理して、鉄酸化物及び鉄ミ ョウバン石から残留石炭を含む元素状硫黄及び未浸出硫化物を分離し、強酸浸出 工程にリサイクルさせるからである。 強酸圧力浸出のための圧力浸出条件は、材料の亜鉛含有量に対して最初の実質 的に理論量より約5〜100過剰の硫酸を含む硫酸水溶液(使用済電解液を 有する)中、約120〜175℃の範囲の温度での酸化条件を含む。酸素の分圧 は、好ましくは400〜1000kPaであり、浸出温度は、好ましくは135 〜155℃である。結果として生成した浸出残留物は、比較的鉄を含有していな い。更に、浸出工程で生成し、その結果として残留物中にも存在する元素状硫黄 は、残留する鉛及び銀含有残留物から容易に物理的に分離される。 強酸浸出工程は、亜鉛の97%以上及び鉄の50%以上が、未反応黄鉄鉱とし て存在する鉄の約45%を残して溶解するまでの時間続けられる。それから少量 の鉄酸化物若しくは鉄ミョウバン石を含み、そして元の亜鉛含有硫化物材料中の 多量の鉛と銀を含む未溶解残留物を強酸浸出段階に添加する。 弱酸浸出工程において、低い鉛/銀含有亜鉛精鉱を、亜鉛含有量の65〜75 %の抽出を行うような過剰の硫酸濃度で浸出させる。圧力浸出は、弱酸浸出工程 に供給する強酸浸出液から鉄の沈殿及び酸の中和と同時に、低い鉛/銀含有亜鉛 精鉱中の亜鉛を抽出するため、約400〜1000kPaの酸分圧下、約13 5〜155℃の温度で実施される。 約140〜160g/リットルの亜鉛、約0.5〜約2g/リットルの鉄及び 約1〜10g/リットルの硫酸を含有する弱酸浸出からの浸出液は、鉄除去精製 工程及び他の必要な精製工程及びそれから亜鉛電解工程を受けさせる。 このようにして、亜鉛が両亜鉛精鉱から効果的に回収され、そして比較的高い 鉛/銀含有量の最初の亜鉛精鉱からの鉛及び銀の回収が容易となる。 亜鉛及び鉄含有硫化物精鉱から亜鉛を抽出する本発明の具体例を挙げるが、本 発明は次の実施例に限定されない。 実施例I 下表Iに、亜鉛抽出実験で使用した種々の石炭のタイプの比較を挙げる。 石炭の大きさの分布は、63ミクロンを通過するものが100%であり、使用 した亜鉛精鉱は、タイプA(その分析を後記表IIIに記載した)であった。 実施例II この実施例は、使用した石炭量と達せられる亜鉛抽出率との比較を説明する。 使用した精鉱は、タイプA(後記表III参照)であり、石炭はタイプTCである 。石炭の大きさの分布は、44ミクロンを通過するのが100%であった。 実施例III 石炭添加剤TCを使用する亜鉛抽出率における亜鉛精鉱の種類の影響を次表II Iに記載した。典型的には、亜鉛抽出率は、96%以上で98%のオーダーのも のが多かった。これは、0.1〜1.8%Cu、2.2〜11.8%Fe、0. 1〜13.6%Pb、0.4〜3.3%Si、26.2〜33.6%S及び45 .5〜56.2%Znを含有する精鉱で得られたものである。 実施例IV この実施例は、石炭の粒度を減少させた単一段階バッチ浸出で得た改善された 亜鉛抽出率を表す。次表IVに示すように、60分での高い亜鉛抽出率のための石 炭粒度の上限は、約63ミクロンである。 実施例V この実施例は、融解硫黄が分散する鍵となる相互作用は、融解硫黄と石炭の有 機抽出物との相互作用よりむしろ、固体石炭粒子間の融解硫黄との接触にあるこ とを表している。 試験No.1においては、石炭はそれだけで浸出させ、それから石炭浸出物を 亜鉛精鉱と接触させた。結果は、添加剤を使用しない場合と同一であり、61% の亜鉛抽出率を与えた。試験No.2及び4においては、比較的粗い石炭を、オ ートクレーブ内の金網の後に保持した。その結果、溶液は通過し、有機物種を抽 出し得るが、石炭のスラリーとの接触はない。これは、硫黄分散が短い効力の有 機抽出物のせいになる可能性を試験する。亜鉛抽出率は、約63%に制限された 。試験No.3及び5は、比較的粗い石炭と亜鉛精鉱スラリーとの直接接触が試 験されたが、それぞれ78%及び85%への亜鉛抽出率の増加を示している。試 験No.6においては、微細な石炭の小量の試料を利用し、溶液中の有機物種の 量は他の試験と大体同一であったか、亜鉛抽出率が99%に増大したことが注目 される。 実施例VI 表IIIに示したタイプJの亜鉛精鉱を、150℃の2段階対向流圧力下浸出で 、63ミクロンを100%通過する粒度のタイプTCの石炭を25kg/トン添 加して、小形プラントの連続オートクレーブ中で処理した。石炭は、第1段階に のみ添加した。全亜鉛抽出率は、添加剤としてリグノスルホン酸カルシウムを使 用する97.3%と比べて、97.7%であった。 タイプKの精鉱を、2段階対向流圧力下浸出で、63ミクロンを100%通過 する粒度のタイプTCの石炭を25kg/トン添加して、小形プラントの連続オ ートクレーブ中で処理した。石炭は、第1段階にのみ添加した。全亜鉛抽出率は 、添加剤としてリグノスルホン酸カルシウムを使用する96.0%と比べて、9 6.3%であった。 請求の範囲 1. 微粉砕の鉄含有亜鉛硫化物を硫酸水溶液に分散させてスラリーを形成し、 該硫酸の濃度は酸性浸出硫酸塩溶液中における所定の亜鉛濃度を提供するのに効 果的であり; 酸性硫酸塩浸出溶液と混合する効果量の微粉砕石炭微粒子を供給し、該石炭微 粒子が次工程の酸化反応工程の反応条件下で機能して融解硫黄が未浸出硫化物粒 子を遮断することを禁止し、 オートクレーブ中で硫黄の融点以上の温度で前記スラリーおよび石炭を、攪拌 しつつ、遊離酸素含有ガスと反応させ、それによって前記硫化物から亜鉛分を溶 解可能な硫酸亜鉛としてほぼ完全に抽出し、それと同時に前記亜鉛分と会合され ていた硫化物硫黄を元素形態に転換し;そして、 溶解亜鉛分を含む産物浸出溶液を固体残留物から分離する、 ことからなる亜鉛含有硫化物材料から亜鉛を回収する方法。 2. 前記石炭の粒度分布が上限約60ミクロンの範囲である請求項1記載の方 法。 3. 前記石炭の量が亜鉛含有硫化物材料1トン当たり5〜25kgの領域にあ る請求項2記載の方法。 4. 石炭が40〜85%の全炭素含有量を有している請求項3記載の方法。 5. 石炭が約80%以下で約20%以上の脂肪族炭素含有量を有している請求 項1または4記載の方法。 6. 前記石炭の脂肪族炭素含有量が25%と55%の間にある請求項1または 4記載の方法。 7. 微粉砕の鉄含有亜鉛硫化物を硫酸水溶液に分散させてスラリーを形成し; 酸性硫酸塩浸出溶液と混合する、効果量の微粉砕石炭微粒子を供給し、該石炭 微粒子が2段階対向流圧力下浸出の第1圧力下浸出段階の反応条件下で機能して 溶解硫黄が未浸出硫化物粒子を遮断することを禁止し; 前記亜鉛含有硫化物材料を前記2段階浸出の第1段階に供給し次電解工程から の使用済電解液を第1段階と第2段階に分けて供給しつつ、前記2段階対向流浸 出において反応物を酸素の分圧下でかつ硫黄の融点より高い温度で浸出し、そこ では、前記第1段階浸出に供給される亜鉛含有硫化物材料の量を、両浸出段階に はいる酸の各モル数に対し、少なくとも約1モルの硫化物形の亜鉛がはいるよう に、前記使用済電解液と共に両浸出段階に供給される酸の量に対して調節し、関 連づけ、同時に両浸出段階にはいる使用済電解液の量は、前記電解操作における 前記溶液の処理にとって適した所定水準に亜鉛濃度を増加させるため、前記電解 液に溶解させなければならない亜鉛の各モル数に対して、約1モルの酸がはいる ようにコントロールされ、前記第1浸出は、前記亜鉛含有硫化物材料から亜鉛分 を抽出し、同時に硫化物硫黄を元素状硫黄に変換して、未反応硫化物、元素状硫 黄及び沈殿した鉄を含む第1段階浸出残留物と、pH1以上で約160g/リッ トル以上の溶解した亜鉛、約10g/リットル以下の遊離の硫酸及び約2g/リ ットル以下の溶解した鉄を含有する第1段階浸出液を生成させるように操作し、 前記第1段階浸出液は、鉄の除去と溶液の精製工程及びそれから前記電解工程に 送られ、前記第1段階浸出残留物は、前記第2段階浸出に送り、該第2段階浸出 は、前記第1段階浸出残留物から実質的に全ての亜鉛を抽出し、未反応硫化物、 元素状硫黄及び沈殿した鉄を含有する第2段階浸出残留物と、抽出した亜鉛、未 反応硫酸及び溶解した鉄を含有する前記第2段階浸出液を生成させ、前記第2段 階浸出液を前記第2段階浸出残留物から分離し、該第2段階浸出液を前記第1段 階浸出に送り、前記第2段階浸出残留物を、未反応金属分と副生物の元素状硫黄 を回収するための残留物処理工程に送る、 ことからなる亜鉛含有硫化物材料から亜鉛を回収する2段階対向流圧力下浸出法 。 8. 前記石炭の粒度が、約60ミクロンまでの範囲である請求項7記載の方法 。 9. 前記石炭の量が、亜鉛含有材料1トン当たり5〜25kgの範囲である請 求項8記載の方法。 10.前記石炭の全炭素含有量は、40〜85%の範囲にある請求項9記載の方 法。 11.前記石炭の脂肪族炭素含有量は、約80%以下で約20%以上である請求 項7または10記載の方法。 12.前記石炭の脂肪族炭素含有量は、約25〜55%である請求項7または1 0記載の方法。 13.鉛及び/または銀含有量が高い微粉砕亜鉛含有硫化物材料と鉛及び/また は銀含有量の低い微粉砕亜鉛含有硫化物材料とを、硫酸水溶液に分散させて、そ れぞれ強酸圧力下浸出段階及び弱酸圧力下浸出段階に供給する別々のスラリーを 形成させ、前記強酸圧力下浸出における硫酸水溶液は、電解工程からの使用済電 解液であり、前記弱酸圧力下浸出における硫酸水溶液は、前記強酸浸出から分離 した浸出液であり;この反応条件下で融解硫黄が未浸出硫化物粒子を遮断するの を禁止するように機能する効果量の微粉砕石炭を、前記弱酸圧力下浸出段階に供 給し;前記別の浸出段階における前記反応体を、酸素の正の分圧下、硫黄の融点 以上の温度で浸出させ、前記弱酸圧力下浸出段階に供給する亜鉛含有硫化物材料 の量は、前記弱酸浸出段階に供給される前記強酸浸出液中の残留酸の量の及び硫 酸鉄としての酸当量に対して、前記弱酸浸出段階にはいる酸及び硫酸鉄としての 酸当量の各モルに対して硫化物形の亜鉛の少なくとも約1.3モルが前記弱酸浸 出段階にはいるように調整され、関連づけられ、前記弱酸浸出段階は、亜鉛分の 抽出と同時に、硫化物硫黄を元素状硫黄に変換して、未反応硫化物、元素状硫黄 及び沈殿した鉄を含む弱酸浸出残留物と、pH1以上で約160g/リットルの 溶解した亜鉛、約10g/リットル以下の遊離の硫酸及び約2g/リットル以下 の溶解した鉄を含有する弱酸浸出液を生成させるように操作し;前記弱酸浸出液 は、鉄の除去、溶液の精製及び電解工程に送り、前記弱酸浸出残留物は、沈殿し た鉄及び脈石鉱物を含有する浮選尾鉱から未浸出硫化物、元素状硫黄及び未反応 石炭を含有する浮選精鉱を分離するため、泡末浮選にかけ;前記弱酸浸出浮選精 鉱及び前記電解工程からの使用済電解液は、鉛及び銀を含む前記亜鉛含有硫化物 材料と共に前記強酸浸出段階に送り;該強酸浸出段階は、前記弱酸浸出浮選精鉱 及び鉛及び/銀を含む前記亜鉛含有硫化物材料から実質的に全ての亜鉛を抽出し 、前記強酸浸出段階に供給した材料を合わせた亜鉛含有量に対して理論量より約 50〜10%過剰の硫酸を有する強酸浸出液は、それによって鉛及び銀の大部 分を含む残留物と、亜鉛及び鉄の大部分を含む浸出液を生成し;そして前記強酸 浸出残留物を泡末浮選にかけて鉛及び/または銀を浮選尾鉱として回収する、 亜鉛含有硫化物材料から亜鉛、鉛及び銀を回収する2段階共流圧力下浸出法。 14.前記石炭の粒度が約60ミクロンまでの範囲である請求項13記載の方法 。 15.前記石炭量が、亜鉛含有硫化物材料の1トン当たり5〜25kgの範囲で ある請求項14記載の方法。 16.前記石炭の全炭素含有量が、40〜85%の範囲である請求項15記載の 方法。 17.前記石炭は、約80%以下で約20%以上の脂肪族炭素含有量を有する請 求項13または16記載の方法。 18.前記石炭は、約25〜55%以上の脂肪族炭素含有量を有する請求項13 または16記載の方法。 19.残留物を泡末浮選にかけて、水和酸化鉄、鉄ミョウバン石及び脈石鉱物の 沈澱物から未浸出硫化物及び元素状硫黄からなるミクロペレットを分離し、該ミ クロペレットを微粉砕未反応石炭粒子と共に浮選精鉱として回収し、そして前記 未浸出硫化物と元素状硫黄ミクロペレットから、サイクロサイズイング(cyclosi zing)によって前記未反応石炭粒子を分離する、 圧力下浸出残留物から未反応石炭を回収する方法。 20.溶解した亜鉛分を含む産物浸出液を、溶解した亜鉛を回収するため電解に かけ、電解からの使用済電解液を酸化反応工程にリサイクルさせる請求項1記載 の方法。 21.産物浸出液が硫酸亜鉛として亜鉛約140〜180g/リットル含有し、 該溶液から鉄を沈殿させ、そして該溶液を精製し、精製した溶液から電解によっ て亜鉛を回収し、そして電解からの使用済電解液を酸化中和工程にリサイクルさ せる請求項1記載の方法。 22.酸化反応工程中の硫酸:亜鉛のモル比が、約1.0:1〜1.2:1の範 囲内に制御する請求項20または21記載の方法。 23.前記酸化反応工程においては、その後固体残留物からの鉛及び銀分の回収 を許容するため、鉄を溶液中に維持させるのに効果的な亜鉛に対する理論量より 過剰な硫酸を供給する請求項20または21記載の方法。 【図1】 【図2】 【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AM,AT,AU,BG,B R,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE ,ES,FI,GB,GE,HU,JP,KG,KP, KR,KZ,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SE ,SI,SK,TJ,UA,UZ,VN (72)発明者 コフラック ケー.ドナルド カナダ国 T8L 4A5 アルバータ, フォート サスカッチェワン,ティーダブ リューピー ロード 561,21441

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 微粉砕の鉄含有亜鉛硫化物を硫酸水溶液に分散させてスラリーを形成し、 該硫酸の濃度は酸性浸出硫酸塩溶液中における所定の亜鉛濃度を提供するのに効 果的であり; 酸性硫酸塩浸出溶液と混合する効果量の微粉砕石炭微粒子を供給し、該石炭微 粒子が次工程の酸化反応工程の反応条件下で機能して融解硫黄が未浸出硫化物粒 子を遮断することを禁止し、 オートクレーブ中で硫黄の融点以上の温度で前記スラリーおよび石炭を、攪拌 しつつ、遊離酸素含有ガスと反応させ、それによって前記硫化物から亜鉛分を溶 解可能な硫酸亜鉛としてほぼ完全に抽出し、それと同時に前記亜鉛分と会合され ていた硫化物硫黄を元素形態に転換し;そして、 溶解亜鉛分を含む産物浸出溶液を固体残留物から分離する、 ことからなる亜鉛含有硫化物材料から亜鉛を回収する方法。 2. 前記石炭の粒度分布が上限約60ミクロンの範囲である請求項1記載の方 法。 3. 前記石炭の量が亜鉛含有硫化物材料1トン当たり5〜25kgの領域にあ る請求項2記載の方法。 4. 石炭が40〜85%の全炭素含有量を有している請求項3記載の方法。 5. 石炭が約80%以下で約20%以上の脂肪族炭素含有量を有している請求 項1または4記載の方法。 6. 前記石炭の脂肪族炭素含有量が25%と55%の間にある請求項1または 4記載の方法。 7. 微粉砕の鉄含有亜鉛硫化物を硫酸水溶液に分散させてスラリーを形成し; 酸性硫酸塩浸出溶液と混合する、効果量の微粉砕石炭微粒子を供給し、該石炭 微粒子が2段階対向流圧力下浸出の第1圧力下浸出段階の反応条件下で機能して 溶解硫黄が未浸出硫化物粒子を遮断することを禁止し; 前記亜鉛含有硫化物材料を前記2段階浸出の第1段階に供給し次電解工程から の使用済電解液を第1段階と第2段階に分けて供給しつつ、前記2段階対向流浸 出において反応物を酸素の分圧下でかつ硫黄の融点より高い温度で浸出し、そこ では、前記第1段階浸出に供給される亜鉛含有硫化物材料の量を、両浸出段階に はいる酸の各モル数に対し、少なくとも約1モルの硫化物形の亜鉛がはいるよう に、前記使用済電解液と共に両浸出段階に供給される酸の量に対して調節し、関 連づけ、同時に両浸出段階にはいる使用済電解液の量は、前記電解操作における 前記溶液の処理にとって適した所定水準に亜鉛濃度を増加させるため、前記電解 液に溶解させなければならない亜鉛の各モル数に対して、約1モルの酸がはいる ようにコントロールされ、前記第1浸出は、前記亜鉛含有硫化物材料から亜鉛分 を抽出し、同時に硫化物硫黄を元素状硫黄に変換して、未反応硫化物、元素状硫 黄及び沈殿した鉄を含む第1段階浸出残留物と、pH1以上で約160g/リッ トル以上の溶解した亜鉛、約10g/リットル以下の遊離の硫酸及び約2g/リ ットル以下の溶解した鉄を含有する第1段階浸出液を生成させるように操作し、 前記第1段階浸出液は、鉄の除去と溶液の精製工程及びそれから前記電解工程に 送られ、前記第1段階浸出残留物は、前記第2段階浸出に送り、該第2段階浸出 は、前記第1段階浸出残留物から実質的に全ての亜鉛を抽出し、未反応硫化物、 元素状硫黄及び沈殿した鉄を含有する第2段階浸出残留物と、抽出した亜鉛、未 反応硫酸及び溶解した鉄を含有する前記第2段階浸出液を生成させ、前記第2段 階浸出液を前記第2段階浸出残留物から分離し、該第2段階浸出液を前記第1段 階浸出に送り、前記第2段階浸出残留物を、未反応金属分と副生物の元素状硫黄 を回収するための残留物処理工程に送る、 ことからなる亜鉛含有硫化物材料から亜鉛を回収する2段階対向流圧力下浸出法 。 8. 前記石炭の粒度が、約60ミクロンまでの範囲である請求項7記載の方法 。 9. 前記石炭の量が、亜鉛含有材料1トン当たり5〜25kgの範囲である請 求項8記載の方法。 10.前記石炭の全炭素含有量は、40〜85%の範囲にある請求項9記載の方 法。 11.前記石炭の脂肪族炭素含有量は、約80%以下で約20%以上である請求 項7または10記載の方法。 12.前記石炭の脂肪族炭素含有量は、約25〜55%である請求項7または1 0記載の方法。 13.鉛及び/または銀含有量が高い微粉砕亜鉛含有硫化物材料と鉛及び/また は銀含有量の低い微粉砕亜鉛含有硫化物材料とを、硫酸水溶液に分散させて、そ れぞれ強酸圧力下浸出段階及び弱酸圧力下浸出段階に供給する別々のスラリーを 形成させ、前記強酸圧力下浸出における硫酸水溶液は、電解工程からの使用済電 解液であり、前記弱酸圧力下浸出における硫酸水溶液は、前記強酸浸出から分離 した浸出液であり;この反応条件下で融解硫黄が未浸出硫化物粒子を遮断するの を禁止するように機能する効果量の微粉砕石炭を、前記弱酸圧力下浸出段階に供 給し;前記別の浸出段階における前記反応体を、酸素の正の分圧下、硫黄の融点 以上の温度で浸出させ、前記弱酸圧力下浸出段階に供給する亜鉛含有硫化物材料 の量は、前記弱酸浸出段階に供給される前記強酸浸出液中の残留酸の量の及び硫 酸鉄としての酸当量に対して、前記弱酸浸出段階にはいる酸及び硫酸鉄としての 酸当量の各モルに対して硫化物形の亜鉛の少なくとも約1.3モルが前記弱酸浸 出段階にはいるように調整され、関連づけられ、前記弱酸浸出段階は、亜鉛分の 抽出と同時に、硫化物硫黄を元素状硫黄に変換して、未反応硫化物、元素状硫黄 及び沈殿した鉄を含む弱酸浸出残留物と、pH1以上で約160g/リットルの 溶解した亜鉛、約10g/リットル以下の遊離の硫酸及び約2g/リットル以下 の溶解した鉄を含有する弱酸浸出液を生成させるように操作し;前記弱酸浸出液 は、鉄の除去、溶液の精製及び電解工程に送り、前記弱酸浸出残留物は、沈殿し た鉄及び脈石鉱物を含有する浮選尾鉱から未浸出硫化物、元素状硫黄及び未反応 石炭を含有する浮選精鉱を分離するため、泡末浮選にかけ;前記弱酸浸出浮選精 鉱及び前記電解工程からの使用済電解液は、鉛及び銀を含む前記亜鉛含有硫化物 材料と共に前記強酸浸出段階に送り;該強酸浸出段階は、前記弱酸浸出浮選精鉱 及び鉛及び/銀を含む前記亜鉛含有硫化物材料から実質的に全ての亜鉛を抽出し 、前記強酸浸出段階に供給した材料を合わせた亜鉛含有量に対して理論量より約 50〜10%過剰の硫酸を有する強酸浸出液は、それによって鉛及び銀の大部分 を含む未溶解残留物と、亜鉛及び鉄の大部分を含む浸出液を生成し;そして前記 強酸浸出残留物を泡末浮選にかけて鉛及び/または銀を浮選尾鉱として回収する 、 亜鉛含有硫化物材料から亜鉛、鉛及び銀を回収する2段階共流圧力下浸出法。 14.前記石炭の粒度が約60ミクロンまでの範囲である請求項13記載の方法 。 15.前記石炭量が、亜鉛含有硫化物材料の1トン当たり5〜25kgの範囲で ある請求項14記載の方法。 16.前記石炭の全炭素含有量が、40〜85%の範囲である請求項15記載の 方法。 17.前記石炭は、約80%以下で約20%以上の脂肪族炭素含有量を有する請 求項13または16記載の方法。 18.前記石炭は、約25〜55%以上の脂肪族炭素含有量を有する請求項13 または16記載の方法。 19.残留物を泡末浮選にかけて、水和酸化鉄、鉄ミョウバン石及び脈石鉱物の 沈澱物から未浸出硫化物及び元素状硫黄からなるミクロペレットを分離し、該ミ クロペレットを微粉砕未反応石炭粒子と共に浮選精鉱として回収し、そして前記 未浸出硫化物と元素状硫黄ミクロペレットから、サイクロサイズイング(cyclosi zing)によって前記未反応石炭粒子を分離する、 圧力下浸出残留物から未反応石炭を回収する方法。 20.溶解した亜鉛分を含む産物浸出液を、溶解した亜鉛を回収するため電解に かけ、電解からの使用済電解液を酸化反応工程にリサイクルさせる請求項1記載 の方法。 21.産物浸出液が硫酸亜鉛として亜鉛約140〜180g/リットル含有し、 該溶液から鉄を沈殿させ、そして該溶液を精製し、精製した溶液から電解によっ て亜鉛を回収し、そして電解からの使用済電解液を酸化中和工程にリサイクルさ せる請求項1記載の方法。 22.酸化反応工程中の硫酸:亜鉛のモル比が、約1.0:1〜1.2:1の範 囲内に制御する請求項20または21記載の方法。 23.前記酸化反応工程においては、その後固体残留物からの鉛及び銀分の回収 を許容するため、鉄を溶液中に維持させるのに効果的な亜鉛に対する理論量より 過剰な硫酸を供給する請求項20または21記載の方法。
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