JPH10507146A - 特に車両のための暖房器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、特に車両のための暖房器具であって、とりわけポット状の二重ジャケット熱交換器（１）が設けられており、該二重ジャケット熱交換器（１）は中央の開口部を備えていて、該開口部には前記熱交換器軸線に対して同心的に、燃焼しようとする燃料のための燃焼器（２）が嵌め込まれている。この暖房器具にはさらに、燃焼空気を燃焼器（２）に供給するためのファン（４）が設けられており、燃料点火のための、燃焼空気の僅かな部分流によって周囲を流過されるグロープラグ（５）が設けられており、場合によっては燃焼器（２）の燃焼室（１７）の内側に火炎センサ（６）が設けられている。この暖房器具は、簡単で経済的に製造でき、小さな構造を有するように構成されるのが望ましい。このためにこの暖房器具は、前記熱交換器（１）の軸線と前記ファン（４）の軸線とがほぼ直角に交差し、ファン（４）の部分領域を形成するアングル状フランジ（３）がケーシング部分を成し、内部に燃焼器（２）を有する熱交換器（１）の中央開口を閉鎖する。アングル状フランジ（３）内に成形された通路（１５）は、ファンを燃焼器（２）に接続し、確実に燃焼空気をスワール状態で燃焼器（２）の燃焼室に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】 特に車両のための暖房器具 本発明は請求項１の上位概念に記載の形式の、特に車両のための暖房器具に関 する。 実際に公知のこのような器具は、構成体積に関して縮小され、そして経済的に 製造可能であるのが望ましい。公知の器具においては、スワールを有する燃焼空 気を熱交換器の燃焼器の燃焼室に導入するために、燃焼器の燃焼室の軸方向手前 に、羽根を備えた案内装置が設けられている。このことは構造的に手間がかかる ことであり、さらに、構成体積が比較的大きくなってしまう。これまでの燃焼器 では、熱交換器の燃焼器に案内される燃料を点火するためのグロープラグが通常 、半径方向で嵌め込まれていることにより、器具の複雑な構成がさらに付加的に 拡大される。 このような問題を解決する手段のための重要な出発点は、請求項１の上位概念 に記載したように、熱交換器の軸線とファンの軸線とが互いにほぼ直角に交差す るような器具の構成にある。これにより、経済的なひいては安価な、小さなスペ ースで構成可能な上位概念の形式の暖房器具の形成のための前提条件が提供され る。これにより、暖房器具の構成のために必要な個別部品の総数を著しく減少さ せることができ、僅かに残 った部品は極めてコンパクトなユニットにまとめることができる。 この目的を達成するために本発明では、熱交換器の中央の開口部が、ファンの 部分領域を形成する第１の脚と、この第１の脚に対してほぼ垂直に延びる第２の 脚とを有した一体の部分から成るアングル状フランジによって閉鎖されている。 この一体の部分から成るアングル状フランジは実際にケーシング部分の機能も果 たす。このケーシング内には特にファンを組み込むことができる。このアングル 状フランジの第１の脚は、熱交換器の軸線に対してほぼ平行に延びる平面上で延 びていて、第２の脚は、第１の脚に対して垂直に配向された平面上で延びている 。この場合、第２の脚が、熱交換器の、内部に燃焼器を備えた開口部を遮蔽する 。 ファンが、軸方向で２つの半部に分割される側方通路を備えた側方通路ファン として形成されている場合は、空気入口及び空気出口を備えたその半部は、アン グル状フランジの、熱交換器軸線に対して平行に配向された第１の脚に一体成形 されている。 アングル状フランジの第２の脚によって熱交換器開口部を閉鎖し、この第２の 脚に対して垂直に延びる第１の脚に側方通路ファンが組み込まれていることによ り、燃焼空気は構造的に極めて簡単にスワール状になって、管状に形成された燃 焼室の開かれた端面に流入 することができる。このためには単に、燃焼室の端面に接線方向で通じている半 径方向の空気供給通路が、熱交換器開口部を遮蔽する、アングル状フランジの第 ２の脚の端面に開かれて一体成形されていればよい。この空気供給通路は、同じ アングル状フランジに取り付けられたファンの側方通路の出口と直接に接続され ている。この空気供給通路は、アングル状フランジが熱交換器の開口部に装着さ れた状態では、アングル状フランジの第２の脚の内側で周方向で閉鎖されている 。つまりこの場合、空気供給通路は熱交換器及び又は燃焼室によって遮蔽されて いる。 本発明による構成では、グロープラグは、有利には構造的に簡単にアングル状 フランジの第２の脚に支承することができ、熱交換器に軸線に対して平行にひい ては燃焼器の軸線に対しても平行に燃焼器に嵌め込まれている。この構成により 得られるさらなる利点は、アングル状フランジの第２の脚の端面に、この第２の 脚の端面に開かれる簡単な接続通路をグロープラグと燃焼空気のための供給通路 との間に一体成形することができることにある。この接続通路の周方向の閉鎖の ためにも、熱交換器の開口部にアングル状のフランジが装着されて、これにより 熱交換器若しくは燃焼器の部分が、接続通路のための所要の閉鎖を行う。接続通 路は、燃焼空気流の副流においてグロープラグのための公知の通気を生ぜしめる ために働く。 グロープラグはグロープラグ室内に位置している。このグロープラグ室は半径 方向外方に向かって燃焼室に開かれて隣接している。グロープラグ室は、燃焼室 の内側から、燃焼室の、燃料吸収性のライニングを介してのみ分離されている。 グロープラグが、燃料吸収性の燃焼室のライニングに直接に接していることによ り、グロープラグ室は固有の燃料供給装置を必要としない。グロープラグ室が燃 焼室ライニングを介してのみ燃焼室の内側から分離されている領域では、ライニ ングに、グロープラグ室と燃焼室とを接続する点火孔が設けられている。この点 火孔を通って、グロープラグの周りを流過する空気がグロープラグ室から燃焼室 に流入する。 熱交換器から排出される排ガスは、同様にアングル状フランジの第２の脚に一 体成形された出口を通って暖房器具を離れる。請求項１の上位概念で述べた形式 の暖房器具において通常の火炎センサは、熱交換器に対して同心的に延びていて 、アングル状フランジの第２の脚に構造的に極めて簡単に支承することができる 。 熱交換器の燃焼器は、本発明による暖房器具の構成では、熱交換器の内側にだ け配置されていて、必要とあらばその接続領域が僅かに、アングル状フランジの 第２の脚内に突入している。この場合、燃焼器の端面は、アングル状フランジの 第２の脚の総じてほぼ扁平 な端面に直接に接触させられる。 熱交換器の固定は、熱交換器の開口縁部とアングル状フランジとの間のクラン プによって得られる。これにより燃焼器のために特別な保持装置は必要ではない 。 このような本発明により総合的に得られる利点に続き、さらに詳しく図面につ き本発明の実施例を説明する。 第１図は、熱交換器の軸線に対して垂直に配置された側方通路ファンを備えた 暖房器具を下方から見た図を、 第２図は、第１図の暖房器具を前方から見た図を、 第３図は、第２図のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿った断面図を、 第４図は、第２図のＩＶ−ＩＶ線に沿った断面図を、 第５図は、第１図のＶ−Ｖ線に沿ってファンだけを断面した図を、 第６図は、第４図のＶＩ−ＶＩ線に沿った燃焼器の断面図を示している。 この暖房器具は主として２つの主要部分、即ち１つには、内部に燃焼器２を備 えた、ポット状の二重ジャケット熱交換器１、もう１つにはアングル状フランジ ３から成っている。このアングル状フランジ３は側方通路ファン４と、グロープ ラグ５と、火炎センサ６と 、空気供給通路７と、排ガス管片８とを有している。この排ガス管片８から排出 された燃焼空気は図面では矢印Ａによって示されている。 １つの部分から成るのアングル状フランジ３は、熱交換器１の軸線に対して平 行に１つの平面で延びる第１の脚９と、この脚９に対して垂直に配向された第２ の脚１０とから成っている。第２の脚１０の端面は、アングル状フランジ３が熱 交換器１に組み付けられた状態で、熱交換器１を、即ち開口部を密に遮蔽する。 この第２の脚１０には上述のグロープラグ５と火炎センサとが位置している。 第１の脚９は、側方通路ファン４のための収容部分である。この場合、この収 容部分が既にファン４自体の一部を成している。従って、ファン４の空気供給通 路７を有するファン４の側方通路の下半分は、この第１の脚９に直接に一体成形 されている。図面ではこの側方通路の領域は符号１１で示されている。この領域 １１には、燃焼器のために吸い込まれる空気が空気供給通路７を通って至る。供 給しようとする燃焼空気は第２図では矢印Ｚで示されている。側方通路ファン４ の、さらにケーシングカバーによってカバーされるファンホイール１２は、第１ の脚９で支承されていて、側方通路ファン４の圧送羽根を有している。ファンホ イール１２のための駆動モータ１３は、熱交換器１の軸線に対して垂直に延びる 軸線を有していて、第１の 脚９に配置されており、即ちこの第１の脚の、第２の脚１０に面した内面に配置 されている。 ファン４で圧送される燃焼空気は、側方通路領域１１から第２の脚１０の端面 にまで続く開口１４を通って燃焼器２に供給される。開口１４からの圧送された 燃焼空気は第２の脚１０の端面に一体成形された開放された供給通路１５を通っ て中央の螺旋状のスワール室１６に流れ込む。このスワール室１６は軸線方向で 開かれて、燃焼器２の燃焼室１７の孔付き管１８に移行する。この場合、第２の 脚１０の端壁に設けられた供給通路１５は半径方向に延びていて、この供給通路 １５はほぼ接線方向でスワール室１６に開口している。このような構成により燃 焼空気は、構造的に簡単にスワール状態でスワール室１６内に案内される。供給 通路１５は周方向では、燃焼器２の端壁領域によって閉鎖されている。 グロープラグ５は、熱交換器１の軸線に対して平行に第２の脚１０に支承され ていて、ポケットの形式で形成されたグロープラグ室２２内に突入している。こ のグロープラグ室２２は半径方向に開かれた領域で、燃焼室１７の円筒状の外壁 に隣接している。燃焼室１７の円筒状の外壁の内側には燃料吸収性のライニング ２３が位置している。このライニング２３はグロープラグ室２２を燃焼室１７か ら離隔させている。ライニング２３の、前記両室１７，２２の間に位置する領域 の内側には半径方向に延びる点火孔２４が位置している。点火時にグロープラグ ５は、燃焼室ライニング２３における燃料に直接的に作用する。これによりグロ ープラグ室２２は独自の燃料供給を行う必要がない。 ファン４によって圧送される燃焼空気から流される副流によってグロープラグ ５に通気するために、第２の脚１０の端面に開放されて一体成形された接続通路 １９が働いている。この接続通路１９をプラグ通気通路としてもよい。接続通路 １９は、アングル状フランジ３が熱交換器１に組付けられた状態で、供給通路１ ５と同様に周方向で閉鎖されている。 火炎センサ６も第２の脚１０に支承されていて、熱交換器１の軸線に対して平 行に突出している。ひいてはこの火炎センサ６は、燃焼器２と熱交換器１との間 の空間においてグロープラグ５に対して平行である。 熱交換器１から導出された排ガスは、第２の脚１０に一体成形された排ガス管 片８を介して熱交換器１から外部に到る。 燃焼器２の、第２の脚１０に面した端部に、半径方向で外方に張り出すフラン ジ２０が設けられている。このフランジ２０を介して燃焼器２は、アングル状フ ランジ３と熱交換器１との間のクランプにより支承される。 燃料導管２１を通って燃料が、燃焼器２の燃焼室１７に案内される。燃料導管 ２１を収容するために第２ の脚１０には、一体成形されて開放された溝が設けられている。 燃料は燃焼室ライニング２３によって吸収され、気化される。形成される燃料 ・空気混合気は点火孔２４のところでグロープラグ５によって点火される。 既に例として記述した本発明による暖房器具の構成の特別な利点を再びまとめ て次に述べる。 イ）ファンの軸線と熱交換器の軸線とがほぼ直角に交わっていることにより、 コンパクトで経済的に製造可能である構成ユニット。 ロ）構造的に簡単に、最善の短い流れ経路で生ぜしめられるスワール状の燃焼 空気流、及びこれにより減じられた流れ損失。 ハ）流れ損失の低減によるファンの電気的な入力の節減。 ニ）暖房器具の短い構造長さ。 ホ）部品減小による、個別構成部品間に必要なシール部材の削減とこれに伴う 組付け作業の簡略化。 ヘ）総じて安価である、暖房器具の製造可能性。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ディルク ブレナー ドイツ連邦共和国 Ｄ−70597 シュツッ トガルト シュトライフシュトラーセ 22 (72)発明者 ペーター シュタイナー ドイツ連邦共和国 Ｄ−73773 アイヒヴ ァルト リーアスヴェーク ３ 【要約の続き】 （２）に接続し、確実に燃焼空気をスワール状態で燃焼 器（２）の燃焼室に供給する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．特に車両のための暖房器具であって、とりわけポット状の二重ジャケット熱 交換器（１）が設けられており、該二重ジャケット熱交換器（１）は中央の開口 部を備えていて、該開口部には前記熱交換器軸線に対して同心的に、燃焼しよう とする燃料のための燃焼器（２）が嵌め込まれており、燃焼空気を燃焼器（２） の燃焼室（１７）に供給するためのファン（４）が設けられており、該ファン（ ４）は特に側方通路ファンであって、燃料点火のための、燃焼空気の僅かな部分 流によって周囲を流過されるグロープラグ（５）が設けられており、場合によっ ては燃焼器（２）の燃焼室（１７）の内側に火炎センサ（６）が設けられており 、前記熱交換器（１）の軸線と前記ファン（４）の軸線とがほぼ直角に交差する 形式のものにおいて、 熱交換器（１）の中央開口が、ファン（４）の部分領域を形成する、第１の 脚と、該第１の脚に対してほぼ直角をなして延びる第２の脚とを有する一体のア ングル状フランジ（３）によって閉鎖されており、前記第１の脚（９）が、熱交 換器（１）の軸線に対してほぼ平行に延びる平面に位置しており、前記第２の脚 （１０）が前記平面に対して垂直に配向された平面に位置していて、熱交換器（ １）の開口 部を直接的に遮蔽していることを特徴とする、特に車両のための暖房器具。 ２．ファン（４）が、軸方向で２つの半部に分割される側方通路を有した側方通 路ファンであって、前記側方通路が、空気入口及び空気出口（７；１４）を有し た、アングル状フランジ（３）の第１の脚（９）に一体成形された１つの半部を 有している、請求項１記載の暖房器具。 ３．ファン（４）の出口（１４）が、アングル状フランジ（３）の第２の脚（１ ０）に、熱交換器（１）に向かって開口するように一体成形された供給通路（１ ５）に開口していて、該供給通路（１５）が第２の脚（１０）の内側で半径方向 に延びていて、中央に配置された、熱交換器（１）に向かって開かれたスワール 室（１６）に接線方向に通じており、前記供給通路（１５）は、アングル状フラ ンジ（３）が熱交換器（１）に組み付けられた状態では、熱交換器（１）の領域 及び又は前記熱交換器（１）に嵌め込まれた燃焼器（２）の領域に接触すること により周方向で閉鎖されていて、中央に配置されたスワール室（１６）は開放さ れていて燃焼器（２）の燃焼室（１７）に移行している、請求項１又は２記載の 暖房器具。 ４．燃焼器（２）の点火のために働くグロープラグ（５）が、燃焼室軸線に対し て同心的に延びていて、 アングル状フランジ（３）の第２の脚（１０）に支承されている、請求項１から ３までのいずれか１項記載の暖房器具。 ５．第２の脚（１０）において開かれていて、熱交換器（１）及び又は燃焼器（ ２）の対応領域によって周方向で閉鎖可能な接続通路（１９）が、第２の脚（１ ０）に位置する供給通路（１５）からグロープラグ（５）にまで通じている、請 求項１から４までのいずれか１項記載の暖房器具。 ６．グロープラグ（５）が、燃焼室（１７）の、燃料吸収性のライニング（２３ ）に開放されて半径方向で隣接するグロープラグ室（２２）に突入していて、前 記グロープラグ（５）が前記ライニング（２３）に対して僅かな間隔しか有して いない、請求項１から５までのいずれか１項記載の暖房器具。 ７．グロープラグ室（２２）が半径方向で開放されて燃焼室ライニング（２３） に隣接する領域で、これらの２つの隣接する室を接続する半径方向の点火孔（２ ４）が設けられている、請求項６記載の暖房器具。 ８．アングル状フランジ（３）の第２の脚（１０）に、熱交換器（１）から排出 される排ガスのための出口開口が設けられている、請求項１から７までのいずれ か１項記載の暖房器具。 ９．前記出口開口が、第２の脚（１０）の内側で排ガ ス管片（８）に開口していて、該排ガス管片（８）において排ガスがほぼ９０° だけ変向される、請求項８記載の暖房器具。 10．熱交換器（１）に突入する火炎センサ（６）が、熱交換器軸線に対して同心 的に延びていて、アングル状フランジ（３）の第２の脚（１０）において支承さ れている、請求項１から９までのいずれか１項記載の暖房器具。 11．燃焼器（２）が熱交換器（１）の内側にのみ配置されていて、アングル状フ ランジ（３）の第２の脚（１０）に接触している、請求項１から１０までのいず れか１項記載の暖房器具。 12．燃焼器（２）が、該燃焼器（２）から半径方向外方に張り出すフランジ（２ ０）を介して、アングル状フランジ（３）の第２の脚（１０）と熱交換器（１） との間に位置固定されて支承されている、請求項１から１１までのいずれか１項 記載の暖房器具。