JPH10506411A - (22RS)−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル)−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボキサミド - Google Patents

(22RS)−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル)−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボキサミド

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JPH10506411A JP9506217A JP50621797A JPH10506411A JP H10506411 A JPH10506411 A JP H10506411A JP 9506217 A JP9506217 A JP 9506217A JP 50621797 A JP50621797 A JP 50621797A JP H10506411 A JPH10506411 A JP H10506411A
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ネシ,マルチエラ
デイ・サツレ,エンリコ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、テストステロン5α−レダクターゼ酵素の阻害薬として有用な(22R)−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル)−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボキサミドおよび(22S)−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル)−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボキサミドのエピマー、それらの製造方法ならびにそれらを含有する医薬組成物に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】(22RS)−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イ ル)−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボ キサミド 本発明は、下記式(I)および(II)の2つのエピマー、すなわち、(22 R)−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル)−3 −オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボキサミド [式(I)の化合物]および(22S)−N−(1,1,1−トリフルオロ−2 −フェニルプロプ−2−イル)−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト− 1−エン−17β−カルボキサミド[式(II)の化合物]に関する。 すなわち環の面より上の置換基を示す。 式(I)および(II)の化合物の代謝物および代謝前駆体も本発明に包含さ れる。 式(I)および(II)のエピマーの比率1:1の混合物、すなわち(22R S)−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル)−3 −オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボキサミド (実験室コード番号FCE28260)は、本発明者らによる先願の国際出願W O94/03475(第15頁の化合物41および第45頁の実施例5参照)に 既に記載されているが、個々のエピマー(22R)または(22S)については 、その出願明細書 では具体的に言及されていない。 そのエピマー混合物は、in vitroおよびin vivo の両方でテストステロン5α −レダクターゼ酵素の強力な阻害薬であることから(WO94/03475の第 33頁の表(I)に報告のデータ参照)、例えば良性前立腺肥大、乳癌および前 立腺癌の治療においてアンドロゲン活性の低減が望まれる場合、ならびに例えば アクネ、脂漏症、女性型多毛症および男性型禿頭症の治療においてある種の皮膚 −毛髪の変化が望ましい場合に有用であることが明らかになっている。 本発明者らはここに、そのエピマー混合物から2つのエピマーを分離し、テス トステロン5α−レダクターゼ酵素阻害薬としてのそれらの活性を評価した。 これら2つのエピマーは例えば、WO94/03475に記載の方法で得られ たエピマー混合物を分離することによって得ることができる。そのような分離は 例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって行うことができる。 別法として、3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β −カルボン酸と予め分割しておいた1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプ ロプ−2−イルアミンの各 単一エナンチオマーと反応させることによって、単一のエピマーを互いに独立に 得ることができる。 さらに、3−オキソ−アンドロスト−4−エン−17β−カルボン酸と(±) −1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イルアミンとを反応さ せて得られる対応するエピマーのアミドの方が、対応する3−オキソ−4−アザ −5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボキサミドエピマーより容易に 分離できることから、次のようにして単一の純粋なエピマーを有利に得ることが できる。 a)3−オキソ−アンドロスト−4−エン−17β−カルボン酸もしくはその 誘導体と(±)−1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イルア ミンとを反応させる。 b)そうして得られる(22RS)−N−(1,1,1−トリフルオロ−2− フェニルプロプ−2−イル)−3−オキソ−アンドロスト−4−エン−17β− カルボキサミドの2つのエピマーを分離する(例えば、シリカゲルでのフラッシ ュクロマトグラフィーによって)。 c)そうして得られるエピマーを、公知の反応に従って別個に変換して式(I )および(II)の最終エピマーとする。 この合成経路を、以下の反応図式Iに示してある(C(22)の絶対配置は仮 のものである)。 以下に記載のように、ヒト前立腺テストステロン5α−レダクターゼ酵素の阻 害についてのin vitroの生物試験から、予想外に、別個に調べたこれら2つのエ ピマーのうちの一方が他方より約2倍強力であるが、そのエピマー混合物は予想 通り中間の活性を有することが明らかになった。 従って、本発明の主題は、上記の式(I)および(II)の2個のエピマーと 、5α−レダクターゼ阻害薬としてのそれらの使用に関するものである。 これらのエピマーは、例えば良性前立腺肥大および前立腺癌の治療および/ま たは化学的予防においてアンドロゲン活性の低減が望まれる場合に有用である。 さらに、これらエピマーは乳癌の治療ならびに例えばアクネ、脂漏症、女性型多 毛症および男性型禿頭症の治療におけるある種の皮膚−毛髪の変化(skin-hair alterations)に使用することができる。 さらに本発明は、1以上の医薬的に許容される担体および/または希釈剤と組 み合わせて、式(I)もしくは(II)のエピマーの一方、あるいは一方のエピ マーが他方のエピマーと比較して多量存在するそれらエピマーの混合物を含有す る医薬組成物に関するものである。 本発明の化合物を含有する医薬組成物は通常、従来の方法に従って製造され、 例えばWO94/03475に記載のもののいずれかなどの好適な医薬製剤で投 与される。 以下の実施例によって、本発明をさらに詳細に説明する。実施例1 (22RS)−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イ ル)−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボ キサミド 3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスタン−17β−カルボン酸(7g) のクロロホルム(100mL)懸濁液に、窒素雰囲気下、氷水浴中で約+3℃に 反応混合物を維持しながら、30分間かけて塩化チオニル(SOCl2)(35 mL)のクロロホルム(15mL)溶液を滴下した。懸濁液を室温で1時間攪拌 してから、揮発性化合物を減圧下に留去して、白色固体を得た。 得られた固体をクロロホルム(330mL)に懸濁し、その懸濁液を冷却して +3℃とした。ピリジン(1.78mL)と次に(±)−1,1,1−トリフル オロ−2−フェニルプロプ−2−イルアミン(7.1g)を加え、反応混合物を 60℃で 4時間加熱し、次に室温で終夜攪拌した。反応混合物を、飽和塩化アンモニウム 水溶液(500mL)に投入し、有機層を分液し、水層を塩化メチレンで抽出し た(100mLで2回)。併せた有機抽出液を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱 水し、溶媒を減圧下に除去した。得られた粗生成物をシリカゲルでのフラッシュ クロマトグラフィーによって精製して(溶離液:塩化メチレン/アセトン70: 30)、(22RS)−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ −2−イル)−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β −カルボキサミド7.036gを得た[(HPLC(カラム:パーティスフィア (Partisphere)C8、4.6×250mm;溶離液:アセトニトリル/水50 :50;流量:1mL/min;検出器:210nmのUV)によるエピマー比 50:50]。実施例2 分取HPLCによる混合物の単一エピマーへの分離 装置:PrepLC/System 500(Water Associates) カラム:2本のPrepPAK-500/SILICA 溶離液:トルエン/酢酸/メタノール100:3:3 流量:150mL/min 検出器:屈折率 単一のエピマーの絶対配置はX線結晶分析によって決定されなかったことから 、最初に溶出するエピマー(高Rf)に対してFCE29330、次に溶出する 化合物(低Rf)に対してFCE29331という実験室コード番号を付して識 別した。FCE29330 NMR(CDCl3)δ:7.50〜7.33(m、5H、Ph)、6.78 (d,1H、H(1))、5.87(bs、1H、NH(21))、5.82( dd、1H、H(2))、5.48(bs、1H、NH(4))、3.33(d d、1H、H(5a))、2.07(s、3H、C(CF3)CH3Ph)、0. 98(s、3H、Me(19))、0.72(s、3H、Me(18))。 [α]D+46.7°(c0.89、純粋EtOH)FCE29331 NMR(CDCl3)δ:7.50〜7.33(m、5H、Ph)、6.78 (d,1H、H(1))、5.90(bs、1H、NH(21))、5.82( dd、1H、H(2))、 5.48(bs、1H、NH(4))、3.33(dd、1H、H(5a))、 2.04(s、3H、C(CF3)CH3Ph)、0.98(s、3H、Me(1 9))、0.68(s、3H、Me(18))。 [α]D+58.3°(c0.061、純粋EtOH)実施例3 ラセミ体(±)−1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イルア ミンの単一エナンチオマーへの分割 ラセミ体(±)−1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル アミンを(+)−O,O’−ジベンゾイル−D−酒石酸で処理し、得られたジア ステレオマー塩をイソプロパノールから結晶化させた。5回の結晶化後、部分的 に分割されたアミンを得た。それは(+)−エナンチオマーの方を多く含んでい た[エナンチオマー比:(+)/(−)=88/12]。 同様にして、ラセミ体アミンと(−)−O,O’−ジベンゾイル−L−酒石酸 とのジアステレオマー塩をイソプロパノールから5回結晶化した後、(−)−エ ナンチオマーを多く含むアミンが得られた[エナンチオマー比:(+)/(−) =12/ 88]。実施例4 3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスタン−17β−カルボン酸と、(+ )−エナンチオマーを多く含むアミン[エナンチオマー比(+)/(−)=88 /12]とを反応させて、FCE29331とFCE29330の混合物を得た 。その混合物におけるエピマー比は、FCE29331/FCE29330=8 8/12であった(HPLCによって測定)。 3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスタン−17β−カルボン酸と、(− )−エナンチオマーを多く含むアミン[エナンチオマー比(+)/(−)=12 /88]とを反応させて、FCE29331とFCE29330の混合物を得た 。その混合物におけるエピマー比は、FCE29331/FCE29330=1 2/88であった(HPLCによって測定)。実施例5 (22RS)−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イ ル)−3−オキソ−アンドロスト−4−エン−17β−カルボキサミド(化合物 (VI)) 3−オキソ−アンドロスト−4−エン−17β−カルボン酸 (化合物(IV))(2.00g)をトルエン(28mL)およびピリジン(0 .640mL)に懸濁させて10℃まで冷却させた懸濁液に、オキサリルクロラ イド(0.68mL)のトルエン(4mL)溶液を10分間かけて加えた。冷却 浴を外し、混合物を室温で1.5時間攪拌した。揮発性化合物を40℃以下の温 度で減圧除去した。そうして得られたアシルクロライド(化合物(V))をクロ ロホルム(100mL)に溶かし、氷水浴で冷却し、トリエチルアミン(0.8 76mL)と次に(±)−1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2 −イルアミン(2.375g)のクロロホルム(4mL)溶液を加えた。反応混 合物を4時間加熱還流した。反応混合物を冷却した飽和塩化ナトリウム水溶液( 200mL)に投入し、塩化メチレンで抽出した(100mLで3回)。有機抽 出液を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を減圧下に除去して、標題化 合物2.150gを得た。 2つのエピマーをシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:n −ヘキサン/酢酸エチル70:30)によって分離して、保持の弱い(高Rf) エピマー770mgと保持の強い(低Rf)エピマー700mgとを得た。 同様の手順に従って、(+)−エナンチオマー量の多いアミン[エナンチオマ ー比(+)/(−)=88/12]を用いて、低Rfエピマーと高Rfエピマー との間のエピマー比が同じ最終化合物を得た。そのことは、(+)−アミンが低 Rfのエピマーを生成することを示している。 同様に、(−)を多く含むアミンを用いて、高Rfエピマーを多く含む最終化 合物を得た。化合物(VIb)(高Rf) NMR(CDCl3)δ:7.50〜7.30(m、5H、Ph)、5.86 (bs、1H、NH(21))、5.75(m、1H、H(4))、2.08( s、3H、C(CF3)CH3Ph)、1.20(s、3H、Me(19))、0 .76(s、3H、Me(18))。 [α]D+187°(c1、純粋EtOH)化合物(VIa)(低Rf) NMR(CDCl3)δ:7.50〜7.30(m、5H、Ph)、5.90 (bs、1H、NH(21))、5.75(m、1H、H(4))、2.04( s、3H、C(CF3)CH3Ph)、1.20(s、3H、Me(19))、0 .7 2(s、3H、Me(18))。 [α]D+126°(c1、純粋EtOH)17β−[N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル) カルバモイル]−5−オキソ−4−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3−オ ン酸(低Rf)(化合物(VIIa)) N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル)−3−オ キソ−アンドロスト−4−エン−17β−カルボキサミド(低Rf)(化合物( VIa))(1.70g;3.486mmol)のtert−ブタノール(40 mL)および2M炭酸ナトリウム水溶液(2.09mL)に、2%過マンガン酸 カリウム水溶液(1.8mL)および0.75Mメタ過ヨウ素酸ナトリウム水溶 液(30mL)を、約40℃で、反応混合物の色が常にピンクに維持されるよう な速度で約5分間かけて同時に滴下した。40℃で1時間15分攪拌した後、反 応混合物を室温まで冷却し、濾過し、tert−ブタノールを減圧留去によって 濾液から除去した(溶媒40mLを回収した)。次に、溶液を冷却して約0℃と し、水で希釈し、1N塩酸で酸性とし、酢酸エチル(30mLで4回)および塩 化メチ レン(30mLで2回)で抽出した。合わせた有機抽出液を水(30mLで2回 )、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒留去によ り固体泡状物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィーによって精製して( 溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル50:50)、白色固体化合物1.656g を得た。 NMR(CDCl3)δ:7.30〜7.50(m、5H、Ph)、5.90 (bs、1H、NH)、2.04(s、3H、C(CF3)CH3Ph)、1.1 2(s、3H、Me(19))、0.71(s、3H、Me(18))。 MS(FAB+)(m/z):508[M+H]+、490[M−H2O+H]+ 、336[M−C(CF3)CH3Ph+2H]+、173PhCH3(CF3)C+ [α]D+108.2°(c1、純粋エタノール) N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル)−3−オ キソ−アンドロスト−4−エン−17β−カルボキサミド(高Rf)(化合物( VIb))を出発原料とし、同様の手順に従って、エピマー化合物を得た(化合 物VIIb)。 NMR(CDCl3)δ:7.30〜7.50(m、5H、Ph)、5.88 (bs、1H、NH)、2.08(s、3H、C(CF3)CH3Ph)、1.1 4(s、3H、Me(19))、0.78(s、3H、Me(18))。 [α]D+80°(c1、純粋エタノール)N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル)−3−オキ ソ−4−アザ−アンドロスト−5−エン−17β−カルボキサミド(低Rf)( 化合物(VIIa)) 17β−[N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル )カルバモイル]−5−オキソ−4−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3− オン酸(低Rf)(化合物(VIIa))(1.540g)の無水エチレングリ コール(35mL)懸濁液を0℃で無水アンモニアガスで飽和させて、そのセコ 酸を完全に溶かした。そうして得られた溶液をゆっくり加熱して1時間10分間 かけて180℃とし、その温度で20分間維持した。次に、温度を0.5時間か けて室温に戻した。得られた黄色溶液を、良く攪拌しながら冷却して約0℃とし た。水(30mL)で希釈後、攪拌を0℃で0.5時間続け、沈殿物を濾過し、 水で洗浄した。淡い帯褐色固体1.36gを 得て、それをシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液n−ヘキサ ン/酢酸エチル50:50)によって精製して、標題化合物1.090gを得た 。 NMR(CDCl3)δ:7.50〜7.30(m、5H、Ph)、5.88 (bs、1H、NH)、4.81(m、1H、H(6))、2.06(s、3H 、C(CF3)CH3Ph)、1.12(s、3H、Me(19))、0.71( s、3H、Me(18))。 [α]D+48.5°(c1、純粋エタノール) 17β−[N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル )カルバモイル]−5−オキソ−4−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3− オン酸(高Rf)(化合物(VIIb))を出発原料とし、同様の手順に従って 、エピマー化合物を得た(化合物VIIIb)。 NMR(CDCl3)δ:7.50〜7.30(m、5H、Ph)、5.88 (bs、1H、NH)、4.78(m、1H、H(6))、2.09(s、3H 、C(CF3)CH3Ph)、1.12(s、3H、Me(19))、0.74( s、3H、Me(18))。 [α]D−2°(c1、純粋エタノール)N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル)−3−オキ ソ−4−アザ−5α−アンドロスタン−17β−カルボキサミド(低Rf)(化 合物(IXa)) N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル)−3−オ キソ−4−アザ−アンドロスト−5−エン−17β−カルボキサミド(低Rf) (化合物(VIIIa))(700mg)の氷酢酸(45mL)溶液を、PtO2 (アダムズ(Adams)触媒)(140mg)の存在下に、水素圧45psiで、 45℃で1時間水素化した。反応混合物を冷却して室温とし、触媒を濾去し、溶 媒を減圧下に除去した。残留物を塩化メチレンに取り、1N硫酸、ブライン、炭 酸ナトリウム水溶液、ブライン、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を 減圧下に除去した。そうして得られた粗固体を、シリカゲルでのフラッシュクロ マトグラフィー(溶離液:トルエン/酢酸エチル/メタノール75:20:5) で精製して、標題化合物420mgを得た。 NMR(CDCl3)δ:7.50〜7.30(m、5H、Ph)、5.88 (bs、1H、NH(21))、5.55 (bs、1H、NH(4))、3.06(dd、1H、H(5a))、2.05 (s、3H、C(CF3)CH3Ph)、0.92(s、3H、Me(19))、 0.68(s、3H、Me(18))。 [α]D+12°(c1、純粋エタノール) N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニル−2−プロピル)−3−オキ ソ−4−アザ−5α−アンドロスト−5−エン−17β−カルボキサミド(高R f)(化合物(VIIIb))を出発原料とし、同様の手順に従って、エピマー 化合物を得た(化合物IXb)。 NMR(CDCl3)δ:7.50〜7.30(m、5H、Ph)、5.88 (bs、1H、NH(21))、5.55(bs、1H、NH(4))、3.0 6(dd、1H、H(5a))、2.05(s、3H、C(CF3)CH3Ph) 、0.92(s、3H、Me(19))、0.71(s、3H、Me(18)) 。 [α]D+62°(c1、純粋エタノール)N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル)−3−オキ ソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボキサミド(低R f)(FCE29331) N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル)−3−オ キソ−4−アザ−5α−アンドロスタン−17β−カルボキサミド(低Rf)( 化合物(IXa))(106mg)のクロロベンゼン(5mL)溶液に、無水フ ェニルセレニン酸(108.3mg)を加えた。溶液を5時間還流し、その間、 マルクッソン(Marcusson)装置によって水を除去した。溶液の溶媒留去を行い 、残留物を塩化メチレンに溶かし、炭酸ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム 水溶液、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒留去後、粗生成物をフラ ッシュクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/酢酸エチル/メタノール75: 20:5)によって精製して、標題化合物70mgを得た。 NMR(CDCl3)δ:7.50〜7.33(m、5H、Ph)、6.78 (d,1H、H(1))、5.90(bs、1H、NH(21))、5.82( dd、1H、H(2))、5.48(bs、1H、NH(4))、3.33(d d、1H、 H(5a))、2.04(s、3H、C(CF3)CH3Ph)、0.98(s、 3H、Me(19))、0.68(s、3H、Me(18))。 [α]D+46°(c1、CHCl3) N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル)−3−オ キソ−4−アザ−5α−アンドロスタン−17β−カルボキサミド(高Rf)( 化合物(IXb))を出発原料とし、同様の手順に従って、エピマー化合物FC E29330を得た。 NMR(CDCl3)δ:7.50〜7.33(m、5H、Ph)、6.78 (d,1H、H(1))、5.87(bs、1H、NH(21))、5.82( dd、1H、H(2))、5.48(bs、1H、NH(4))、3.33(d d、1H、H(5a))、2.07(s、3H、C(CF3)CH3Ph)、0. 98(s、3H、Me(19))、0.72(s、3H、Me(18))。 [α]D+21°(c1、CHCl3) 本実施例で示したように、FCE29331が(+)−アミンから得られ、F CE29330が(−)−アミンから得られ た。5α−レダクターゼ阻害のin vitroアッセイ 酵素源として過形成ヒト前立腺のホモジネートからの粒子フラクションを用い て、5α−レダクターゼ阻害の評価を行った。粒子フラクションは、前立腺ホモ ジネートを140,000×gで遠心して調製した。得られたペレットを数回洗 浄し、緩衝液中に再懸濁し、約10mg/mLを含有するアリコートにて−80 ℃で保存した。1mMのジチオトレイトール、5mMのNADPH、1μMの[14 C]テストステロン、酵素調製液アリコートおよび各種濃度の阻害薬を含む4 0mMトリス−HCl緩衝液(pH5.5)で、最終容量0.5mLにて、5α −レダクターゼについてのアッセイを行った。37℃で30分間インキュベーシ ョンした後、冷ジエチルエーテル2mLを加えテ反応を停止させ、有機層を分液 し、N2雰囲気下に溶媒留去し、酢酸エチルに再懸濁させた。この抽出物中のテ ストステロン代謝物を、展開溶媒系としてクロロホルム、アセトンおよびn−ヘ キサン(2:1:2)を用い、シリカゲルF254プレート(メルク)でのTL Cで分離した。 プレートの放射能を走査し、TLC分析装置(Berthold)に よってプリントされた定量的プロットから分析を行った。テストステロンおよび 5α−還元代謝物(5α−ジヒドロテストステロン、3α−および3β−アンド ロスタンジオール)領域における総放射能に対して5α−還元代謝物領域での14 C−放射能を関連付けることで、テストステロンの部分的5α−還元を計算した 。阻害薬濃度の対数に対して阻害%をプロットすることにより、対照の5α−レ ダクターゼ活性を50%だけ低下させるのに必要な各化合物の濃度(IC50)を 求めた。 単一のエピマーFCE29330およびFCE29331ならびにラセミ混合 物FCE28260について得られた結果を、以下の表1に示してある。 表1に示した結果から、エピマーFCE29331が他方のエピマーFCE2 9330より約2倍強力であることが明らかである。予想通り、混合物FCE2 8260は、中間の活性を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),UA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AM,AU ,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,EE, FI,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,MD,MG ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,RO,RU, SD,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,UA,U G,US,UZ,VN (72)発明者 デイ・サツレ,エンリコ イタリー国、イ−20124・ミラン、ビアー レ・アンドレア・ドリア、5

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 下記式(I)および(II): すなわち、(22R)−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロ プ−2−イル)−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17 β−カルボキサミド[式(I)の化合物]および(22S)−N−(1,1,1 −トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イル)−3−オキソ−4 −アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボキサミド[式(II) の化合物]のエピマー。 2. 対応するエピマー混合物から単一のエピマーを分離する段階を有する請求 項1に記載の式(I)または(II)のエピマーの製造方法。 3. 3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボ ン酸と予め分割しておいた1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2 −イルアミンの各単一エナンチオマーと反応させる段階を含む請求項1に記載の 式(I)または(II)のエピマーの製造方法。 4. a)3−オキソ−アンドロスト−4−エン−17β−カルボン酸もしくはその 誘導体と(±)−1,1,1−トリフルオロ−2−フェニルプロプ−2−イルア ミンとを反応させる段階; b)そうして得られる(22RS)−N−(1,1,1−トリフルオロ−2− フェニルプロプ−2−イル)−3−オキソ−アンドロスト−4−エン−17β− カルボキサミドの2つのエピマーを分離する段階; c)そうして得られるエピマーを、公知の反応に従って別個 に変換して式(I)および(II)の最終エピマーとする段階を含む請求項1に 記載の式(I)または(II)のエピマーの製造方法。 5. 請求項1に記載の式(I)もしくは(II)のエピマーの一方または一方 のエピマーが他方のエピマーより多くの量で存在する該2個のエピマーの混合物 と、1以上の医薬的に許容される担体および/または希釈剤とを組み合わせて含 有する医薬組成物。 6. テストステロン5α−レダクターゼ酵素の阻害薬として使用する請求項1 に記載の式(I)または(II)の化合物。 7. 抗アンドロゲン剤として使用する請求項1に記載の式(I)または(II )の化合物。 8. 良性前立腺肥大もしくは前立腺癌の治療および/または化学的予防に使用 する請求項1に記載の式(I)または(II)の化合物。 9. 乳癌、アクネ、脂漏症、女性型多毛症および/または男性型禿頭症の治療 に使用する請求項1に記載の式(I)または(II)の化合物。
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