JPH1050566A - 固形状活性炭及びその製造方法及びこれを用いた電気二重層コンデンサ - Google Patents

固形状活性炭及びその製造方法及びこれを用いた電気二重層コンデンサ

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JPH1050566A
JPH1050566A JP8203886A JP20388696A JPH1050566A JP H1050566 A JPH1050566 A JP H1050566A JP 8203886 A JP8203886 A JP 8203886A JP 20388696 A JP20388696 A JP 20388696A JP H1050566 A JPH1050566 A JP H1050566A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】活性炭比率の高い固形状活性炭を得て、電気二
重層コンデンサーの電極1に用いた場合に、静電容量を
高くして内部抵抗を小さくする。 【解決手段】活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、メソ
フェーズの熱処理による炭化物とから固形状活性炭を構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的な活性炭と
して広く利用できる固形状活性炭及びその製造方法に関
し、さらにこれを用いた電気二重層コンデンサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】電気二重層コンデンサは、図1に示すよ
うに二つの固形状活性炭からなる電極1、1間に電解質
2を配置し、両者の界面に生じる電気二重層を利用した
コンデンサであり、上記電極1として固形状活性炭が用
いられている。また、この他にも電池の電極部材や各種
用途に固形状活性炭が用いられているが、これらの固形
状活性炭の製造方法は以下の通りである。
【0003】活性炭、カーボンブラック、微粉状炭素
または導電性カーボンと、PTFE、四フッ化エチレン
樹脂、または含フッ素重合体樹脂との混練物をロール成
形、圧縮、押し出し、圧延、延伸あるいはこれらを組み
合わせた手段でシート状に成形して固形状活性炭を得て
いる(特開昭62−200715号、63−17311
号、63−107011号、特開平5−121269
号、5−283287号公報参照)。
【0004】アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂等を被覆した活性炭及び導電性カーボン
と、バインダーとして四フッ化エチレン樹脂及び溶剤を
混合して3本ロールで混練した後、シート状に成形して
固形状活性炭を得ている(特開平2−82507号公報
参照)。
【0005】活性炭微粒子のみ、あるいはカーボン微
粒子とカーボン繊維又は活性炭粉末とメソカーボンを混
合して加圧焼結して固体カーボンを得ている(特開平3
−132009号、3−201516号公報参照)。
【0006】活性炭粉末と粉末状フェノール樹脂の混
合物を射出成形して熱処理することにより固形状活性炭
−カーボン複合体を得ている(特開平6−45189号
公報参照。
【0007】活性炭繊維とパルプ繊維、または炭素繊
維、繊維状活性炭及び微粉末活性炭のうち2種にパル
プ、分散剤、芳香族ポリイミド樹脂繊維又はポリフロン
を加えて抄紙している(特開昭64−9611号、特開
平6−61093号、5−129157号公報参照)。
【0008】活性炭粉末とセルロース繊維とフェノー
ル樹脂とを主成分とするプリプレグシートを作製し、圧
着、硬化、焼成している(特開平5−121271号公
報参照)。
【0009】活性炭粉末と粒状または粉末状フェノー
ル樹脂を有機溶剤に溶解させた混合物を基板上に成膜
し、熱硬化後、非酸化性雰囲気中で熱処理を行うことに
より固形状活性炭を得ている(特開平4−288361
号公報参照)。
【0010】硬化型球状フェノール樹脂を炭化して得
た球状炭化物と熱反応型球状フェノール樹脂とを混合
し、金型に充填し、加圧下で加熱硬化させ、不活性雰囲
気で熱処理したのち、賦活する方法がある(特開平6−
69075号、6−69076号、6−69077号公
報参照)。
【0011】以上のように、従来の固形状活性炭として
は、4フッ化エチレン等の樹脂と混練して成形したもの
()、粉体を加圧焼結したもの()、樹脂と混練
して射出成形した後熱処理したもの()、抄紙等を使
用したプリプレグ法、圧着、熱硬化によるもの(
)、基板への成膜後熱処理するもの()、熱間プレ
スするもの()があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の固形
状活性炭は、活性炭の比率を高くして製造することが困
難であるため活性炭比率が低かった。そのため、この固
形状活性炭を電極に用いて電気二重層コンデンサを形成
した場合、静電容量が小さく、しかも内部抵抗の大きい
ものであった。
【0013】即ち、活性炭は多数の細孔を有しており比
表面積が大きいため電気二重層コンデンサの電極に用い
た場合、電解質との界面に生じる電気二重層の電荷を多
くすることができ、静電容量を高めることができる。と
ころが、上記のように従来の固形状活性炭では活性炭成
分の比率が小さいため、静電容量を高くできないのであ
る。
【0014】また、従来の製造方法では熱間プレス、イ
ンジェクション、プリプレグ法等の成形を行っており、
大量生産が困難で製造コストが高いという問題点があっ
た。
【0015】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、活性炭
粉末及び/又は活性炭繊維と、メソフェーズの熱処理に
よる炭化物から固形状活性炭を構成したことを特徴とす
る。
【0016】また、本発明は、活性炭粉末及び/又は活
性炭繊維と、メソフェーズ及び熱可塑性樹脂等のバイン
ダー成分とを混合し、得られた混合物を成形し、非酸化
性雰囲気下で熱処理する工程から固形状活性炭を製造す
ることを特徴とする。
【0017】また、本発明において、上記活性炭粉末及
び/又は活性炭繊維は50〜95重量%、メソフェーズ
は5〜50重量%の範囲で混合することが好ましい。
【0018】これは、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維
が50重量%未満でメソフェーズが50重量%を超える
と固形状活性炭の特性が悪くなり、一方活性炭粉末及び
/又は活性炭繊維が95重量%を超えてメソフェーズが
5重量%未満であると成形が極めて困難となるためであ
る。
【0019】また、上記メソフェーズ成分は熱処理によ
って炭化されることから、最終的な固形状活性炭は、5
0重量%以上の活性炭粒子と、これらを結合する50重
量%以下のメソフェーズの炭化物(カーボン)との複合
体から構成されることになる。このとき、活性炭の比率
を50重量%以上と高くできるため、例えば電気二重層
コンデンサの電極として用いた場合、静電容量を大きく
し、内部抵抗を小さくできる。
【0020】さらに、本発明におけるメソフェーズと
は、有機化合物から炭素を得る過程で生成される中間体
であり液晶相を有するものである。
【0021】一般に、有機化合物である炭素原料を加熱
すると、含有する低分子化合物が100℃付近から蒸発
しはじめ、400℃を超えると熱分解反応によりC−C
結合が解裂し、分解低分子化合物が生成する。一方、炭
化系内では、有機化合物の結合の解裂により生成したラ
ジカルの再結合、重縮合、環化、脱水素、脱アルキル、
芳香族化等の反応が進行して極めて重質の芳香族炭化水
素が生成する。この液相の粘度は、炭化系構成成分の芳
香族化、分子量の増加とともに増大し、最終的には固体
炭素体となる(液相炭化)。この過程で、芳香族分子の
規則的な集積が進めば、一種の液晶が形成され、このよ
うな状態の中間体をメソフェーズと言う。
【0022】このメソフェーズは、分子群が、光学的異
方性を示す程度の規則的な配向をしているが、微視的巨
視的流動性を有する一種の液晶状態、理想的には分子配
向の溶融解による消失、冷却による再析出などをもたら
す温度の変化により、異方性と等方性間の可逆的相変化
が可能であるものとして定義される。
【0023】そして、本発明では、特にメソフェーズを
活性炭成分と混合することによって、メソフェーズは活
性炭成分の細孔を塞ぎにくいため、電気二重層コンデン
サの電極として用いた場合の静電容量を高くすることが
できる。
【0024】さらに、本発明は、上記成分に加えて熱可
塑性樹脂を添加混合することを特徴とする。即ち、熱可
塑性樹脂を加えることによって、活性炭の比率を50重
量%以上と高くしても成形時の保形性を高くし、良好に
成形を行うようにしたのである。
【0025】上記熱可塑性樹脂としてはポリオレフィン
系ポリマー、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリアセ
タール樹脂、ポリエチレンフタレート(PBO)、ポリ
ルロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリ
エチレン(PE)、ポリスチレン等を用いる。これらの
熱可塑性樹脂は活性炭とメソフェーズの合計量100重
量部に対して、0〜60重量部、好ましくは5〜40重
量部の範囲で添加する。
【0026】また、本発明の固形状活性炭は、シート状
に成形して活性炭基板としたり、プレス成形等でブロッ
ク状に成形したり、押出成形により棒状や筒状とした
り、さまざまな形状とすることができる。
【0027】シート状に成形する方法としては、ドクタ
ーブレード法、カレンダーロール法等を用いることがで
き、これらの方法でシート成形することによって、容易
に大量生産を行うことができる。次に、得られたシート
状成形体を所定形状に打ち抜いた後、200〜500℃
にて脱バインダーした後、非酸化性雰囲気下で600〜
1100℃、好適には700〜900℃にて熱処理を行
うことにより、メソフェーズ及び樹脂成分を炭化させ、
活性炭基板を得ることができる。
【0028】さらに、本発明は、上記シート状成形体を
複数積層した後、非酸化性雰囲気下で熱処理することも
できる。即ち、ドクターブレード法やカレンダーロール
法によるシート成形法では、好適に成形できる厚みが1
mm程度までであるが、得られたシート状成形体を積層
し、熱圧着、または密着液や接着剤等で接合することに
より、1mmを超える厚みの製品でも容易に製造でき
る。また、複数のシート状成形体を積層することによ
り、互いの反り方向を相殺させて、熱処理時の反りの発
生量を小さくすることもできる。
【0029】また、本発明は、上記固形状活性炭を電極
に用いて、図1に示すような電気二重層コンデンサー用
を構成したことを特徴とする。このとき、上記固形状活
性炭は活性炭の比率が高いため、静電容量を高くし内部
抵抗を低くすることができる。
【0030】さらに、本発明は、活性炭粉末及び/又は
活性炭繊維と、熱硬化性樹脂等のバインダー成分と、熱
可塑性樹脂を添加した後、造粒を行い、得られた顆粒を
カレンダーロール法又は乾式プレス法にて成形し、非酸
化性雰囲気下で熱処理する工程から固形状活性炭を製造
することを特徴とする。
【0031】即ち、上記原料を高速混合し、熱可塑性樹
脂を加熱溶融することによって、乾式成形に必要な造粒
を行うことができる。そして、造粒された顆粒をカレン
ダーロール法又は乾式プレス法にて乾式成形することに
よって、容易に大量生産することが可能となるのであ
る。
【0032】次に、得られたシート状成形体を300〜
500℃にて脱バインダーするとともに、熱硬化性樹脂
を硬化させ、その後非酸化性雰囲気中で600〜100
0℃、好適には700〜800℃で熱処理を行うことに
より、樹脂成分を炭化させ、固形状活性炭を得ることが
できる。
【0033】なお、上記原料の量は、活性炭粉末及び/
又は活性炭繊維を70.5〜95重量%と、熱硬化製樹
脂を5〜29.5重量%とすることが好ましい。また、
熱硬化性樹脂としては、レゾール型フェノール樹脂、フ
ェノール、ホルムアルデヒド系樹脂、ポリイミド樹脂、
不飽和ポリエステル、ビスマレイド系ポリイミド樹脂、
シアネート樹脂、熱硬化型ポリフェニレンエーテル(P
PE)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)等を用い
る。
【0034】また、バインダー成分とは、活性炭成分を
保持し、熱処理によって炭化されるものであって、熱硬
化性樹脂の他にコールタールやメソフェーズ等を用いる
こともできる。さらに、熱可塑性樹脂としては、前述し
たものを用いる。
【0035】さらに、以上の本発明において、活性炭粉
末は比表面積が1200〜2500m2 /gの範囲内の
ものが好適であり、活性炭繊維を用いる場合は、繊維径
が6〜18μmで比表面積が700〜2500m2 /g
の範囲内のものが好適である。
【0036】
【実施例】まず、メソフェーズを用いた実施例について
説明する。
【0037】実施例1 やしがら系活性炭粉末(BET法による比表面積170
0m2 /g)とメソフェーズを表1の比率で調合し、こ
れら100重量部に対して熱可塑性樹脂としてブチラー
ル樹脂を30重量%、可塑剤を30重量%、さらに溶剤
を添加した。
【0038】これらの原料をミルで5時間混合した後、
粘度を50〜60ポイズに調整し、スラリーを排出、脱
泡した後、ドクターブレード法にてテープ成形を行っ
た。乾燥温度は50〜90℃で、厚み1mmのシート状
成形体を得た。なお、この場合のシート厚みは0.1〜
1.5mmの範囲が好ましいことがわかった。
【0039】得られたシート状成形体を70×50mm
の金型で打ち抜き、300℃×2時間で脱バインダーを
行った後、真空中で800℃の熱処理を行い、メソフェ
ーズを炭化させて、活性炭とカーボンの複合体である活
性炭基板を作製した。
【0040】得られた50×70×1mmの活性炭基板
を図1に示す簡易二重層コンデンサーの電極1として用
いた時の静電容量と内部抵抗を測定した。結果は表1に
示す通りである。
【0041】この結果より、活性炭粉末を95重量%以
下としたものでは成形可能であった。また、活性炭粉末
が50〜95重量%のものでは、単位重量または単位体
積当たりの静電容量が高く、かつ内部抵抗も低い活性炭
基板が得られた。
【0042】
【表1】
【0043】実施例2 やしがら系活性炭粉末(BET法による比表面積170
0m2 /g)とメソフェーズを表2の比率で調合し、こ
れら100重量部に対して熱可塑性樹脂としてブチラー
ル樹脂を50重量%、可塑剤を10重量%、さらに溶剤
を添加した。
【0044】これらの原料を高速攪拌機で回転数150
0rpmで混合して坏土を得た後、カレンダーロール成
形機にて厚み1mmのシート状成形体を得た。なお、こ
の場合のシート厚みは0.2〜2.0mmの範囲が好ま
しいことがわかった。
【0045】得られたシート状成形体を70×50mm
の金型で打ち抜き、300℃×2時間で脱バインダーを
行った後、真空中で800℃の熱処理を行い、メソフェ
ーズを炭化させて、活性炭とカーボンの複合体である活
性炭基板を作製した。
【0046】得られた50×70×1mmの活性炭基板
を図1に示す簡易二重層コンデンサーの電極1として用
いた時の静電容量と内部抵抗を測定した。結果は表2に
示す通りである。
【0047】この結果より、活性炭粉末を95重量%以
下としたものでは成形可能であった。また、活性炭粉末
が50〜95重量%のものでは、単位重量または単位体
積当たりの静電容量が高く、かつ内部抵抗も低い活性炭
基板が得られた。
【0048】
【表2】
【0049】実施例3 実施例1又は実施例2から得られた厚み0.5mmのシ
ート状成形体を150×150mmに切断し、2〜3枚
を積層して、80℃、200kgf/cm2 の圧力で1
0秒間熱圧着して積層板を作製した。この後50×70
mmに切断し、300℃×2時間で熱効果し、脱バイン
ダを行った後、真空中で800℃の熱処理を行い、活性
炭とカーボンの複合体である活性炭基板を作製した。
【0050】得られた50×70×1mmの活性炭基板
を図1に示す簡易二重層コンデンサーの電極1として用
いた時の静電容量と内部抵抗、及び反り量を測定した。
結果は表3、4に示す通りである。
【0051】熱間プレス法、射出成形法、押出成形法等
により製造した活性炭基板の反り量は0.5〜0.7m
mであるが、表3、4に示すように積層により作製した
活性炭基板では0.07〜0.12mmと反り量を小さ
くできることがわかる。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】次に、原料を造粒し、乾式成形するように
した実施例について説明する。
【0055】実施例4 フェノール系活性炭粉末(比表面積1700m2 /g)
と熱硬化性樹脂としてフェノールホルムアルデヒド樹脂
(鐘紡製ベルパールS890)を表5に示す割合で調合
し、これら100重量部に対し、熱可塑性樹脂として3
0重量部の粉末状ブチラール樹脂と、20重量部の可塑
剤、例えばDBPを添加し、さらに溶剤を添加した。こ
れらの原料を万能混合攪拌機を用いて回転数100rp
mで混合し、メッシュパス後乾燥し、顆粒を得た。
【0056】得られた顆粒をカレンダーロール成形機に
て厚み1mmのシート状成形体とし、これを50×70
mmのサイズに切断した。
【0057】また、上記と同様にして得られた顆粒を4
0tonプレス機を使用して成形圧力1.0ton/c
2 にて乾式プレス成形を行い、50×70×1mmの
成形体を得た。
【0058】これらの成形体を、400℃×2時間でフ
ェノール樹脂の熱硬化と脱バインダーを行った後、真空
炉800℃の熱処理を行い、フェノール樹脂を炭化させ
て活性炭とカーボンの複合体である活性炭基板を得た。
【0059】得られた50×70×1mmの活性炭基板
の反り量を測定し、図1に示す電気二重層コンデンサの
電極1として用いた時の静電容量と内部抵抗を測定し
た。結果は表5のNo.1〜12に示す通りである。
【0060】体を得た。
【0061】一方、比較例として、熱間プレス成形を行
った。フェノール系活性炭粉末(比表面積1700m2
/g)と熱硬化性樹脂としてフェノールホルムアルデヒ
ド樹脂(鐘紡製ベルパールS890)を混合し、50×
70mmの金型を用いて150℃、圧力200kg/c
2 にて15分間の熱間プレスを行い、50×70×1
mmの成形体を得た。
【0062】さらに比較例として、インジェクション成
形を行った。フェノール系活性炭粉末(比表面積170
0m2 /g)と熱硬化性樹脂としてフェノールホルムア
ルデヒド樹脂(鐘紡製ベルパールS890)を混合し、
これを型締め力30ton、金型温度185℃、シリン
ダー温度90℃、射出圧力1000kg/cm2 の条件
で射出成形を行い、50×70×1mmの成形体を得
た。
【0063】それぞれの成形体を真空炉800℃で熱処
理を行い、フェノール樹脂を炭化させて、活性炭とカー
ボンの複合体である活性炭基板を作製した。得られた基
板の反り量、及び電気二重層コンデンサの電極として用
いた時の静電容量と内部抵抗を測定した。結果を表5の
No.13〜20に示す。
【0064】この結果より、比較例である熱間プレスや
インジェクションにより成形したもの(No.13〜2
0)では、基板の反り量が0.5〜0.8mmと大き
く、しかも活性炭の比率を高くした範囲では成形できな
かった。
【0065】これらに対し、原料を造粒し、カレンダー
ロール法又は乾式プレス法で成形した本発明実施例(N
o.1〜12)では、反り量を0.1〜0.2mmと小
さくし、また活性炭の比率を70.5〜95重量%と高
くしたものでも充分に成形でき、静電容量が高く内部抵
抗を小さくできることがわかる。
【0066】
【表5】
【0067】実施例5 次に、実施例4における活性炭と熱硬化性樹脂の合計量
100重量部に対し、熱可塑性樹脂としてブチラール樹
脂の添加量を表6に示すように変化させ、同様の試験を
行った。それぞれ、造粒性、成形体の生強度を○、×で
評価し、前記と同様の測定を行った。
【0068】結果は表6に示すように、熱可塑性樹脂の
添加量が25重量部未満では造粒はできるが、成形体の
保形性が弱かった。したがって、造粒性、成形体の強度
の点から、熱可塑性樹脂の添加量は30重量部以上必要
であり、好ましくは30〜35重量部である。
【0069】
【表6】
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、活性炭粉
末及び/又は活性炭繊維と、メソフェーズの熱処理によ
る炭化物とから固形状活性炭を構成したことによって、
活性炭成分の比率を高くしても好適に製造することがで
き、電気二重層コンデンサとして用いた場合に静電容量
を高くして内部抵抗を小さくすることができる。
【0071】また、本発明によれば、活性炭粉末及び/
又は活性炭繊維と、メソフェーズ及び熱可塑性樹脂とを
混合し、得られた混合物を成形し、非酸化性雰囲気下で
熱処理する工程から固形状活性炭を製造することによっ
て、成形時の保形性を高めて活性炭の比率を高くしても
好適に製造することができる。
【0072】さらに本発明によれば、活性炭粉末及び/
又は活性炭繊維と、熱硬化性樹脂等のバインダー成分
と、熱可塑性樹脂を添加した後、造粒を行い、得られた
顆粒をカレンダーロール法又は乾式プレス法にて成形
し、非酸化性雰囲気下で熱処理する工程から固形状活性
炭を製造することによって、活性炭比率の高い固形状活
性炭を容易に大量生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な電気二重層コンデンサーを示す概略図
である。
【符号の説明】
1:電極 2:電解質

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、メソ
    フェーズの熱処理による炭化物とを含有してなる固形状
    活性炭。
  2. 【請求項2】活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、メソ
    フェーズ及び熱可塑性樹脂等とを混合し、得られた混合
    物を成形し、非酸化性雰囲気下で熱処理する工程からな
    る固形状活性炭の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の固形状活性炭を電極とした
    ことを特徴とする電気二重層コンデンサ。
  4. 【請求項4】活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、熱硬
    化性樹脂等のバインダー成分と、熱可塑性樹脂を添加し
    た後、造粒を行い、得られた顆粒をカレンダーロール法
    又は乾式プレス法にて成形し、非酸化性雰囲気下で熱処
    理する工程からなる固形状活性炭の製造方法。
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