【発明の詳細な説明】
金属タンパク質分解酵素阻害剤
本発明は、治療的に活性なヒドロキサム酸及びカルボン酸誘導体、それらの製
造方法、それらを含有する医薬組成物及びそのような化合物の医薬への用途に関
する。詳しくは、該化合物は組織崩壊に関与する金属タンパク質分解酵素阻害剤
であり、さらに細胞由来の腫瘍壊死因子の放出阻害剤である。発明の背景
コラゲナーゼ、ストロメリシン及びゼラチナーゼのような結合組織損傷に関与
する金属タンパク質分解酵素(“マトリックス金属タンパク質分解酵素”として
知られ、ここではMMPsと略記される)の作用を阻害する特性を有する化合物は
、例えば慢性関節リューマチ、変形性関節症、骨粗髭症のようなオステオペニア
ス(osteopenias)、歯周炎、歯肉炎、角膜、表皮又は胃潰瘍及び腫瘍の転移、浸
潤及び生長のような組織損傷に関与する症状の治療又は予防に有望であると考え
られている。MMP阻害剤はまた、例えば多発性硬化症のような髄鞘崩壊に関与
する疾病を含む神経炎症疾病の治療にも、乾癬、増殖性網膜症、血管新生性緑内
障、眼性腫瘍、線維性血管腫及び血管腫のみならず関節炎症状及び充実性腫瘍生
長を含む脈管形成依存性疾患の管理にも有望である。しかしながら、上記の疾患
の状態のいずれにおいても個々のMMPsの関連ある寄与は、未だ十分に理解さ
れていない。
金属タンパク質分解酵素は、亜鉛(II)イオン部位を構造中に存
在させることで特徴づけられる。現在、繊維芽細胞コラゲナーゼ(タイプI)、P
MN-コラゲナーゼ、72kDa-ゼラチナーゼ、92kDa-ゼラチナーゼ、ストロメリ
シン、ストロメリシン-2及びPUMP-1を含む金属タンパク質分解酵素群の存在する
ことが知られている(J.F.Woessner,FASEBJ,1991,5,2145-2154)。多くの公知のM
MP阻害剤は天然に存在するアミノ酸に基くペプチド誘導体であり、コラーゲン
分子中の開裂部位の類似体である。チャップマンらによる最近の論文(J.Med.
Chem.1993,36,4293-4301)は、一連のN-カルボキシアルキルペプチドにおいて
幾つかの一般的な構造/活性の知見を報告している。他の公知のMMP阻害剤は
、構造においてペプチドであるというよりむしろ疑似ペプチド又はペプチド様と
みなすほうがより適切であるかもしれない。このような化合物は、通常MMP中
の亜鉛(II)部位に結合し得る官能基を有し、公知の群には亜鉛結合基がヒドロキ
サム酸、カルボン酸、スルフィドリル及び酸素化リン(例えばホスフィン酸及び
アミノホスホン酸を含むホスホンアミデート)基であるものが含まれる。
疑似ペプチド又はペプチド様MMP阻害剤の2つの公知の群は、その亜鉛結合
基として、おのおのヒドロキサム酸基及びカルボキシル基を有している。少数の
例外を除いて、そのような公知のMMPsは構造式(I)で示され得る
[Xは亜鉛結合のヒドロキサム酸(-CONHOH)又はカルボン酸(-COOH)基
であり、基R1からR5はそのような化合物の特定の先行技術の開示に伴って変化
し得る]。そのような構造を開示する特許公報の例を以下に示す。
このような化合物において、亜鉛結合基と置換基R1、R2及びR3の変化は、
金属タンパク質分解酵素の関連する阻害に非常に影響し得ることが一般に理解さ
れている。基Xは、活性部位中の亜鉛(II)イオンに結合することによって、金属
タンパク質分解酵素と相互作用すると考えられている。一般に、ヒドロキサム酸
基は、様々な金属タンパク質分解酵素に対する阻害活性に関し、カルボン酸基よ
り好ましい。しかしながら、他の置換基との組み合わせにおけるカルボン酸基は
、ゼラチナーゼを選択的に阻害することができる(EP-489,577-A)。R1、R2
及びR3基は、天然の酵素基質に対するP1、P1'及びP2'アミノ酸側鎖結合部位
をおのおの占有すると信じられている。より大きなR1置換基は、ストロメリシ
ンに対する活性を促進でき、R2の(C1-C6)アルキル基(イソ-ブチルのような)
はコラゲナーゼに対する活性に好ましく、R2におけるフェニルアルキル基(フェ
ニルプロピルのような)は他の金属タンパク質分解酵素よりもゼラチナーゼに対
し選択性を有し得ることが立証されている。
腫瘍壊死因子(ここで“TNF”と略記される)は、細胞会合性の28kDの前駆
体として最初に産生されるサイトカインである。それは活性の、17kDの形態で
放出され、生体内で心身に有害な作用を非
常に多く媒介できる。動物又はヒトに投与すると、それは急性感染及びショック
症の間に炎症、発熱、心臓血管作用、出血、凝固及び急性相反応、それらに類似
した作用を引き起こす。慢性投与では、悪液質及び食欲不振も引き起こす。過剰
なTNFの蓄積は、致死になり得る。
特別な抗体によるTNFの作用の阻害は、急性感染、ショック症、移植対宿主
反応及び自己免疫疾患に有益であり得ることが動物のモデル研究から多く立証さ
れている。TNFは、幾つかの骨髄腫及びリンパ腫に対する自己分泌(autocrine
)生長因子でもあり、これら腫瘍の患者の通常の造血を阻害できる。
したがって、TNFの産生又は作用を阻害する化合物は、多くの炎症性、感染
性、免疫学的又は悪性腫瘍疾患の治療又は予防に有用であると考えられる。これ
らは敗血性ショック症、血行動態ショック症及び敗血症シンドローム、虚血後再
潅流損傷、マラリア、クローン病、ミコバクテリア感染、髄膜炎、乾癬、鬱血性
心不全、線維症疾患、悪液質、移植拒否、癌、自己免疫疾患、慢性関節リューマ
チ、多発性硬化症、放射線損傷、OKT3又はCAMPATH-1のような免疫抑
制モノクローナル抗体の投与後の毒性及び酸素過剰歯槽傷を含むが、これらに限
定されない。
過剰なTNFの産生はMMP-媒介性組織損傷によっても特徴づけられる幾つ
かの疾患又は症状で認められるので、MMPsとTNF両方の産生を阻害する化
合物は、両方のメカニズムが関与する疾患又は症状の治療あるいは予防に特に有
用であり得る。
WO94/10990は、MMP阻害剤に基くヒドロキサム酸が一般にTNFの産生阻
害に活性であり得ることを開示している。WO93/20047、WO94/02446及びWO
94/02447に開示されるMMP阻害剤に基くヒドロキサム酸もまた、TNFの産生
阻害に活性であると述べられている。
上述のように、MMP阻害剤はヒドロキサム酸又はカルボン酸の亜鉛結合基を
持つことが提唱されている。以下の特許公報はヒドロキサム酸及び/又はカルボ
ン酸に基くMMP阻害剤を開示している:
US4599361 (サール)
EP-A-2321081 (ICI)
EP-A-0236872 (ロッシュ)
EP-A-0274453 (ベロン)
WO90/05716 (ブリティッシュ バイオ-テクノロジー)
WO90/05719 (ブリティッシュ バイオ-テクノロジー)
WO91102716 (ブリティッシュ バイオ-テクノロジー)
WO92/09563 (グリコメッド)
US5183900 (グリコメッド)
US5270326 (グリコメッド)
WO92/17460 (スミスクライン ビーチャム)
EP-A-0489577 (セルテック)
EP-A-0489579 (セルテック)
EP-A-0497192 (ロッシュ)
US5256657 (スターリング ウィンスロップ)
WO92/13831 (ブリティッシュ バイオ-テクノロジー)
WO92/22523 (リサーチ コーポレーション テクノロジーズ)
WO93/09090 (山之内)
WO93/09097 (三共)
WO93/20047 (ブリティッシュ バイオ-テクノロジー)
WO93/24449 (セルテック)
WO93/24475 (セルテック)
EP-A-0574758 (ロッシュ)
EP-A-0575844 (ロッシュ)
WO94/02446 (ブリティッシュ バイオ-テクノロジー)
WO94/02447 (ブリティッシュ バイオ-テクノロジー)発明の概要
この発明は、Xがヒドロキサム酸又はカルボン酸基である上記の式(I)の化合
物において、C3-C8シクロアルキルのR4置換基は、非環式の低級アルキルのR4
置換基を持つ以外は類似の構造の化合物に比して、一般に予期し得なかった、
かつストロメリシンに対する活性を増加させる所望の作用を有しているという知
見に基くものである。この知見により、公知の金属タンパク質分解酵素の広範囲
な阻害剤である化合物が導かれる。この群は、経口の生体利用可能な化合物をも
含むものである。
一般に、ストロメリシンに対し良好な活性を有することが知ら
れた当該分野の金属タンパク質分解酵素阻害剤は、R1に比較的大きな置換基を
有するBB-94(WO90/05719実施例2)のような化合物である。しかしながら、B
B-94とR1に大きな置換基を有する化合物は、経口服用の際、より小さい置換基
を持つか又はR1置換基を持たない化合物よりも生体利用しにくい傾向がある。
本発明の化合物の特別な利点は、シクロアルキルのR4置換基とR1置換基のない
又は小さいR1置換基との組み合わせが、ストロメリシンに対する良好な有効性
を含めて、金属タンパク質分解酵素に対し広範囲な活性と共に経口活性を提供で
きることである。
天然のペプチド類似体の分野で、上記チャップマンらによる刊行物は、この発
明の化合物のR4位に相当する位置におけるアリール(aryl)基はストロメリシン
活性に好ましい可能性のあることを開示している。同じ論文(補足資料)は、こ
の発明の化合物のR4位に相当する位置にシクロヘキシル基を有する天然のペプ
チド類似体のデータを提供しているが、そのストロメリシンに対する活性はアリ
ール類似体よりも低かった。WO93/14112(メルク)は、等価な位置にアリール
基を持つ化合物を開示している。しかしながら、R4がC3-C8シクロアルキルで
ある上記の式(I)の化合物は新規であると信じられ、特に該技術は、ストロメリ
シンに対する疑似ペプチド又はペプチド様MMP阻害剤に基くヒドロキサム酸及
びカルボン酸の活性の増加におけるC3-C8シクロアルキルのR4置換基の役割を
認識しているようには考えられない。発明の詳細な説明
本発明は一般式(I)の化合物
[式中、Xは-CO2H又は-CONHOH基であり;
R1は水素;(C1-C6)アルキル;(C2-C6)アルケニル;フェニル;置換フェニル;
フェニル(C1-C6)アルキル);置換フェニル(C1-C6)アルキル;ヘテロサイクリ
ル;置換ヘテロサイクリル;ヘテロサイクリル(C1-C6)アルキル;置換ヘテロサイ
クリル(C1-C6)アルキル;基BSOnA-(nは0、1又は2であり、Bは水素又は(C1
-C6)アルキル、フェニル、置換フェニル、ヘテロサイクリル、(C1-C6)アシ
ル、フェナシル、又は置換フェナシル基であり、かつAは(C1-C6)アルキルを
示す);アミノ;保護アミノ;アシルアミノ;OH;SH;(C1-C6)アルコキシ;(C1-
C6)アルキルアミノ;ジ-(C1-C6)アルキルアミノ;(C1-C6)アルキルチオ;アリ
ール(C1-C6)アルキル;アミノ(C1-C6)アルキル;ヒドロキシ(C1-C6)アルキ
ル、メルカプト(C1-C6)アルキル又はカルボキシ(C1-C6)アルキル(アミノ、
ヒドロキシ、メルカプトもしくはカルボキシル基は任意に保護され、又はカルボ
キシル基が任意にアミド化される);カルバモイル、モノ(低級アルキル)カルバモ
イル、ジ(低級アルキル)カルバモイル、ジ(低級アルキル)アミノ又はカルボキシ
-低級アルカノイルアミノにより置換される低級アルキルであり;
R2は(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、フェ
ニル(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、シク
ロアルキル(C1-C6)アルキル又はシクロアルケニル(C1-C6)アルキル基であり
、そのいずれか1つは(C1-C6)アルキル、-O(C1-C6)アルキル、-S(C1-C6)
アルキル、-O-フェニル、-O(C1-C6)アルキルフェニル、ハロ及びシアノ(-C
N)から選択される1以上の置換基で任意に置換されてもよい;
R3は、いずれかの官能基が保護されていてもよい天然又は非天然のαアミノ
酸の特徴的な基であり;
R4は、任意に置換されるC3-C8シクロアルキル基又は任意に置換されるC4-
C8シクロアルケニル基であり;
R5は、水素又は(C1-C6)アルキル基である;]
又はその塩、水和物又は溶媒化物を供する。
ここで用いられる用語“(C1-C6)アルキル”又は“低級アルキル”は、1-6個
の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル分子を意味し、例えばメチル、エチ
ル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル
、ペンチル及びヘキシルを含む。
用語“(C2-C6)アルケニル”は、2-6個の炭素原子を有し、さらにE又はZど
ちらかの立体化学が適用可能な二重結合を1つ有する直鎖又は分枝鎖アルケニル
分子を意味する。この用語は、例えばビニル、1-プロペニル、1-かつ2-ブテニル
及び2-メチル-2-プロペニルを含む。
用語“シクロアルキル”は3-8個の炭素原子を有する飽和脂環式分子を意味し
、例えばシクロヘキシル、シクロオクチル、シクロヘ
プチル、シクロペンチル、シクロブチル及びシクロプロピルを含む。
用語“シクロアルケニル”は3-8個の炭素原子を有する不飽和脂環式分子を意
味し、例えばシクロヘキセニル、シクロオクテニル、シクロヘプテニル、シクロ
ペンテニル、シクロブテニル及びシクロプロペニルを含む。5-8個の炭素原子の
シクロアルケニル環の場合に、環は1以上の二重結合を含んでいてもよい。
限定されない用語“ヘテロサイクリル”又は“ヘテロサイクリック”は、(i)
S、N及びOから選択される1以上のヘテロ原子を含み、かつベンゼン環に任意
に縮合される5-7員の複素環式環を意味し、例えばピロリル、フリル、チエニル
、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、ピ
リジニル、ピロリジニル、ピリミジニル、モルホリニル、ピペラジニル、インド
リル、ベンズイミダゾリル、マレイミド、サクシンイミド、フタルイミド、1,2-
ジメチル-3,5-ジオキソ-1,2,4-トリアゾリジン-4-イル、3-メチル-2,5-ジオキソ
-1-イミダゾリジニル及び3,4,4-トリメチル-2,5-ジオキソ-1-イミダゾリジニル
又は(ii)ナフタタルイミド(すなわち、1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-ベンズ[f
]イソインドール-2-イル)、1,3-ジヒドロ-1-オキソ-2H-ベンズ[f]イソインドー
ル-2-イル、1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-ピロロ[3,4-b]キノリン-2-イルもし
くは2,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-1Hベンズ[d,e]イソキノリン-2-イル基を含む。
用語“5-又は6-員の複素環式環”は、環中に5又は6個の原子を有
するような環を意味し、ヘテロ原子は1以上の窒素、酸素又は硫黄原子であって
もよく、窒素、酸素もしくは硫黄のみを含む複素環又は2つの窒素原子、1つの窒
素と酸素原子、1つの窒素と硫黄原子、2つの窒素原子と1つの酸素原子、2つの窒
素原子と1つの硫黄を含有する複素環を含む。
“ヘテロアリール”は、1以上のヘテロ原子を含む5-7員の置換又は非置換の芳
香族複素環を意味する。そのような環の例示として、チエニル、フリル、ピロリ
ル、イミダゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル
、トリゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル
、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルがある。
本明細書中で特に限定しなければ、ここでいずれの分子にも適用される用語“
置換”は、フェニル基又はそのそれぞれが個々に(C1-C6)アルコキシ、ヒドロ
キシ、メルカプト、(C1-C6)アルキルチオ、アミノ、ハロ(フルオロ、クロロ、
ブロモ及びヨードを含む)、トリフルオロメチル、ニトロ、-COOH、-CON
H2、-CONHRAあるいは-CONRARA[式中、RAは(C1-C6)アルキル基又
は天然のα-アミノ酸の残基]であってもよい4つまでの置換基での置換を意味す
る。
用語“天然又は非天然のαアミノ酸の側鎖”は、式NH2-CH(R)-COOH
の天然又は非天然のアミノ酸の基Rを意味する。
天然のαアミノ酸の側鎖の例は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イ
ソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、スレオニ
ン、システイン、シスチン、メチオ
ニン、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒスチジン、アルギニン、グルタミ
ン酸、5-ヒドロキシリジン、4-ヒドロキシプロリン、プロリン、α-アミノアジ
ピン酸、α-アミノ-n-酪酸、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、ホモセリン、
α-メチルセリン、オルニチン、ピペコリン酸、チロキシン及びアスパラギン酸
のそれらを含む。
その特徴的な側鎖に官能置換基、例えばアミノ、カルボキシル、ヒドロキシ、
メルカプト、グアニジル、イミダゾリル又はインドリル基を含む天然のαアミノ
酸は、アルギニン、リジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、トリプトファン、
ヒスチジン、セリン、スレオニン、チロシン及びシステインを含む。本発明の化
合物でR3がそれら側鎖の一つである時、官能置換基は任意に保護されてもよい
。
天然のαアミノ酸の側鎖における官能置換基に関して用いられる用語“保護”
は、実質的に官能的でないそのような置換基の誘導体を意味する。この明細書に
おいて、保護アミノ基はアミド及びアシルアミノを含み、保護ヒドロキシ又はメ
ルカプト基はエーテル及びチオエーテルを含み、保護カルボキシル基はエステル
及びイミダゾリルを含み、インドリル又はグアニジル基はt-ブトキシカルボニル
誘導体として保護されてもよい。これらは、当該分野で公知である多くの保護誘
導体の例にすぎず、他は当業者に知られるだろう。
非天然のαアミノ酸の側鎖の例は、本発明の化合物の使用に好
適なR3基について論じられる以下で言及されるそれらを含む。
本発明の化合物の塩は、生理学的に受容な酸付加塩、例えば塩酸塩、臭酸塩、
硫酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、リン酸塩、酢酸塩、ク
エン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩及びマレイン酸塩を含む
。塩は、また塩基例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウム塩
と形成されてもよい。
本発明による化合物には、不斉炭素原子が存在するために幾つかのキラル中心
がある。幾つかの不斉炭素原子の存在により、各キラル中心にR又はS立体化学
を有する多くのジアステレオマーが生じる。この明細書で、一般式(I)及び(特に
特定しない限り)全ての他の式は、全てこのような立体異性体及びその混合物(例
えばラセミ混合物)を含むものと解されるべきである。
本発明の化合物において、好ましい立体化学は一般に以下のとおりである:
R1及びX基を有するC原子 -S、
R2を有するC原子 -R、
R3を有するC原子 -S、
但し、上記配置が優勢の混合物もまた考えられる。
前述したように、本発明の化合物は、基R4の同一性により上記した先行技術
の特許公報に開示される化合物と主に区別される。よって、基R1、R2、R3及
びR5は、上記したそれら先行技術の特許公報のいずれかに開示される化合物の
相当する位置において開示
されるどのような基でもよい。一般に前述に限定されず、置換基R3の以下の群
は、先行技術の化合物の相当する位置において開示されており、本発明の化合物
の使用に好適なR3基である
(C1-C6)アルキル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、ベンジルオキシベンジ
ル、(C1-C6)アルコキシベンジル又はベンジルオキシ(C1-C6)アルキル基;及
び
存在するいずれかの官能基が保護されてもよく、いずれかのアミノ基がアシル
化されてもよく、いずれかのカルボキシル基がアミド化されていてもよい天然の
αアミノ酸の特徴的な基;及び
基[Alk]nR6[Alkは(C1-C6)アルキル、又は1以上の-O-、もしくは-S-原
子もしくは-N(R7)-基{R7は水素原子又は(C1-C6)アルキル基}で任意に介在
される(C2-C6)アルケニル基であり、nは0又は1であり、R6は任意に置換され
るシクロアルキル又はシクロアルケニル基];
及び
式OCH2COR8[R8は水酸基、アミノ、(C1-C6)アルコキシ、フェニル(C1
-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ((C1-C6)アルキル)アミノ、
フェニル(C1-C6)アルキルアミノ、アミノ酸又は酸ハライドの残基、そのエス
テル又はアミド誘導体、アミド結合を介して結合される該残基、グリシン、α又
はβアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン
、トリプトファン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギ
ン、グルタミン、リジン、ヒスチジン、アルギニン、グルタミン酸及びアスパラ
ギン酸から選択される該アミノ酸である]
の基でフェニル環中に置換されるベンジル基;及び
置換されない又はハロ、ニトロ、カルボキシ、(C1-C6)アルコキシ、シアノ
、(C1-C6)アルカノイル、トルフルオロメチル(C1-C6)アルキル、ヒドロキシ
、ホルミル、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ-(C1-C6)アルキルアミノ
、メルカプト、(C1-C6)アルキルチオ、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル、メルカ
プト(C1-C6)アルキル又は(C1-C6)アルキルフェニルメチルで複素環式環にモ
ノ-もしくはジ-置換されるヘテロサイクリック((C1-C6)アルキル基。
R3は、基-CRaRbRc:
[Ra、Rb及びRcのそれぞれが、個々に水素、(C1-C6)アルキル、(C2-C6
)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、フェニル(C1-C6)アルキル、(C3-C8)
シクロアルキル、但しRa、Rb及びRcは全て水素でない;又は
Rcが水素、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル
、フェニル(C1-C6)アルキルもしくは(C3-C8)シクロアルキルであり、それら
結合する炭素と共にRa及びRbが3-8員のシクロアルキルもしくは5-、6員の複素
環式環を形成するか;又は
それらが結合する炭素原子と共にRa、Rb及びRcが3員環(例えばアダマンチ
ル)を形成するか;又は
Ra及びRbが、それぞれ個々に(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(
C2-C6)アルキニル、フェニル(C1-C6)アルキル又はRcが水素以外の以下で定
義される基又はそれらが結合する炭素原子と共にRaとRbが、3-8員のシクロア
ルキルもしくは3-8員の複素環式環を形成し、かつRcが水素、-OH、-SH、ハ
ロゲン、-CN、-CO2H、(C1-
C4)パーフルオロアルキル、-CH2OH、-CO2(C1-C6)アルキル、-O(C1-
C6)アルキル、-O(C2-C6)アルケニル、-S(C1-C6)アルキル、-SO(C1-C6
)アルキル、-SO2(C1-C6)アルキル、-S(C2-C6)アルケニル、-SO(C2-
C6)アルケニル、-SO2(C2-C6)アルケニル又は基-Q-W{式中、Qは1つの結
合又は-O-、-S-、-SO-又は-SO2-を示し、Wはフェニル、フェニルアルキ
ル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキルアルキル、(C4-C8)
シクロアルケニル、(C4-C8)シクロアルケニルアルキル、ヘテロアリール又は
ヘテロアリールアルキル基であり、基Wは水酸基、ハロゲン、-CN、-CO2H
、-CO2(C1-C6)アルキル、-CONH2、-CONH(C1-C6)アルキル、-CO
NH(C1-C6アルキル)2、-CHO、-CH2OH、(C1-C4)パーフルオロアルキ
ル、-O(C1-C6)アルキル、-S(C1-C6)アルキル、-SO(C1-C6)アルキル、
-SO2(C1-C6)アルキル、-NO2、-NH2、-NH(C1-C6)アルキル、-N((C1
-C6)アルキル)2、-NHCO(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキル、(C2-C6
)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C4-C8)シ
クロアルケニル、フェニルもしくはベンジルから個々に選択される1以上の置換
基によって任意に置換されてもよい}]でもよい。
本発明の化合物の基R1、R2、R3、R4及びR5に関して、さらに詳しくは
R1基の例は詳しくは、水素、メチル、エチル、ヒドロキシル、メトキシ、ア
リル(allyl)、チエニルスルファニルメチル、チエニルスルフィニルメチル、チ
エニルスルホニルメチル及びフタルイミドメチルを含む。ここで、R1が水素、
ヒドロキシル、アリル又
はフタルイミドメチルである化合物が好ましい。
R2基の例は詳しくは、イソ-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、
n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、シクロヘキシルプロピル、フェニルプロピル
、3-フェニル-プロプ-2-エニル、4-クロロフェニルプロピル、4-メチルフェニル
プロピル、4-メトキシフェニルプロピル、ピリド-4-イルプロピル、フェニルブ
チル、ベンジルオキシブチル、フェノキシブチル、プロピルオキシメチル及びプ
ロピルスルファニルを含む。ここで、R2がイソブチル、n-ヘプチル又はフェニ
ルプロピルである化合物が好ましい。
R3基の例は詳しくは、ベンジル、イソ-ブチル又はt-ブチル、1-フルオロ-1-
メチルエチル、1-ヒドロキシ-1-メチルエチル、1-メトキシ-1-メチルエチル、1-
ベンジルチオ-1-メチルエチル及び1-メルカプト-1-メチルエチルを含む。ここで
、R3がt-ブチル又は1-メルカプト-1-メチルエチルである化合物が好ましい。
R4基の例は詳しくは、シクロプロピル、2-フェニルシクロプロピル、シクロ
ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル
である。
R5は水素が好ましい。
本発明の化合物は、詳しくは
N4-(1S-シクロブチルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S,N1-ジヒ
ドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド、
N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S,N1-ジ
ヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド、
N4-(1S-シクロペンチルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S,N1-ジ
ヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド、
N4-(1S-シクロヘキシルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S,N1-ジ
ヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド、
N4-(1S-シクロヘプチルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S,N1-ジ
ヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド、
N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2-メルカプト-2-メチル-プロピル)-2
S,N1-ジヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド、
N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S,N1-ジ
ヒドロキシ-3R-(3-フェニル-プロペニル)-サクシンアミド、
N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S,N1-ジ
ヒドロキシ-3R-(3-フェニル-プロピル)-サクシンアミド、
N4-[2,2-ジメチル-1S-(2-フェニル-シクロプロピルカルバモイル)-プロピ
ル]-2S,N1-ジヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド、
2S-アリル-N4-(1-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-N1
-ヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド、
2S-アリル-N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2-メルカプト-2-メチル-
プロピル)-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド、
N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-N1-ヒドロ
キシ-3R-イソブチル-2S-(チオフェン-2-イルスルファニルメチル)-サクシンア
ミド、
N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-N1-ヒドロ
キシ-2S-(4-ヒドロキシ-フェニルスルファニルメチル)-3R-イソブチル-サクシ
ンアミド、
N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S-(1,3-ジ
オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イルメチル)-N1-ヒドロキシ-3R-イソ
ブチル-サクシンアミド、
及びその塩、溶媒化物又は水和物を含む。
Xがヒドロキサム酸基-CONHOHである本発明による化合物は、Xがカル
ボン酸基-COOHである本発明の相当する化合物又は相当する保護ヒドロキサ
ム酸誘導体から製造され得る。本発明の別の態様をなすその方法は;
(a)一般式(II)
[R1、R2、R3、R4及びR5は、ヒドロキシルアミン、O-保護ヒドロキシルア
ミン、N,O-二保護ヒドロキシルアミン又はその塩と潜在的に反応性であるR1
、R2、R3、R4及びR5におけるいずれかの置換基が、それ自体そのような反応
から保護され得る以外は一般式(I)と同意義である]の酸又はその活性誘導体をヒ
ドロキシルアミン、O-保護ヒドロキシルアミン、又はN,O-二保護ヒドロキシ
ルアミン又はその塩と反応させ、次いで得られたヒドロキサム酸分子及びR1、
R2、R3、R4及びR5におけるいずれかの保護置換基からいずれ
かの保護基を除去するか;又は
(b)式(IIb)
[式中、R1、R2、R3、R4及びR5は一般式(I)と同意義であり、R14はアミノ
保護基かつR15は水酸基保護基である]の二保護ヒドロキサム酸誘導体を脱保護
することからなる。
方法(a)のためのペンタフルオロフェニル、ヒドロキシサクシニル又はヒドロ
キシベンゾトリアゾリルエステルのような活性誘導体への(II)の変換は、脱水剤
、例えばジシクロヘキシルジカルボジイミド(DCC)、N,N-ジメチルアミノプ
ロピル-N'-エチルカルボジイミド(EDC)又は2-エトキシ-1-エトキシカルボニ
ル-1,2-ジヒドロキノリン(EEDQ)の存在下で適当なアルコールとの反応によ
ってなし得る。
上述した保護基は、例えばペプチド化学の技術からそれ自体よく知られている
。アミノ基は、ベンジルオキシカルボニル、t-ブトキシカルボニルもしくはアセ
チル基により、又はフタルイミド基の形態でしばしば保護され得る。ヒドロキシ
基は、t-ブチルもしくはベンジルエーテルのような容易に開裂可能なエーテルと
して、又はアセテートのような容易に開裂可能なエステルとしてしばしば保護さ
れ得る。カルボキシ基は、t-ブチル又はベンジルエステルのような容易に開裂可
能なエステルとしてしばしば保護さ
れ得る。
上記の方法(a)で用いるO-保護ヒドロキシルアミンの例は、O-ベンジルヒド
ロキシルアミン、O-4-メトキシベンジルヒドロキシルアミン、O-トリメチルシ
リルヒドロキシルアミン及びO-tert-ブトキシカルボニルヒドロキシルアミンを
含む。
上記の方法(a)で用いるO,N-二保護ヒドロキシルアミンの例は、N,O-ビス(
ベンジル)ヒドロキシルアミン、N,O-ビス(4-メトキシベンジル)ヒドロキシル
アミン、N-tert-ブトキシカルボニル-O-tert-ブチルジメチルシリルヒドロキ
シルアミン、N-tert-ブトキシカルボニル-O-テトラヒドロピラニルヒドロキシ
ルアミン及びN,O-ビス(tert-ブトキシカルボニル)ヒドロキシルアミンを含む
。
方法(b)に適当な保護基R14及びR15は、ベンジル及び置換ベンジル(例えば4
-メトキシベンジル)である。このような保護基は水素化分解により除去される
が、4-メトキシベンジル基は酸加水分解により除去されてもよい。
化合物(I)におけるR1がヒドロキシである特別な場合の方法(a)において、そ
れは化合物(III)及び(IV)の結合の間にも保護され得る。その場合特に有用な技
術は、ヒドロキシ基R1と式(IIa):
[式中、基R12及びR13はジオキサロン形成試薬から誘導され、例えば水素、ア
ルキル、フェニル又は置換フェニルであってもよい]
のジオキサロンとしてのその隣接したカルボキシル基の同時の保護であるかもし
れない。ジオキサロン環は、ヒドロキシルアミンとの反応で開環し、式(I)の所
望のヒドロキサム酸誘導体を生じる。
Xがカルボン酸基-COOHである本発明による化合物は、式(III)の酸又はそ
の活性誘導体を式(IV)のアミン
[式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、結合反応と潜在的に反応性であるR1、
R2、R3、R4及びR5におけるいずれかの置換基が、それ自体そのような反応か
ら保護され得る以外は一般式(I)と同意義であり、R11はヒドロキシ保護基を示
す]と結合させ、次いで、保護基R11とR1、R2、R3、R4及びR5からいずれか
の保護基を除去することからなる方法により製造され得る。
酸の活性誘導体(III)は、ペンタフルオロフェニルエステル、例えば塩化物の
酸無水物及び酸ハライドのような活性エステルを含む。好適なヒドロキシ保護基
は、当該分野で知られているそれらから選択されてもよい。
化合物(III)のR1がヒドロキシである特別な場合に、それは化合物(III)と(IV
)の結合の間保護されていてもよい。その場合、特に有用な技術は、式(V):
[式中、基R12及びR13はジオキサロン形成試薬から誘導され、例えば水素、ア
ルキル、フェニル又は置換フェニルであってもよい]のジオキサロンとしての2つ
の水酸基の同時の保護であってもよい。
上記記載のように、式(I)の化合物はMMPs阻害剤として活性であるためヒト
又は家畜用医薬に有用であり、さらに細胞由来の腫瘍壊死因子(TNF)の放出阻
害能力に有利である。
したがって、別の態様によればこの発明は:
(i)哺乳動物、特にヒトにおいてMMPs及び/又はTNFにより媒介される疾患
又は症状の管理法(治療又は予防を意味)であって、上記の式(I)に関して定義さ
れる化合物又は医薬的に受容なその塩の有効量の哺乳動物への投与を含む方法;
及び
(ii)ヒト又は家畜用医薬、特にMMPs及び/又はTNFにより媒介される疾患又
は症状の管理(治療又は予防を意味)において用いられる式(I)に関して定義され
る化合物;及び
(iii)MMPs及び/又はTNFにより媒介される疾患又は症状の管理(治療又は予
防を意味)用薬剤の製造における式(I)に関して定義される化合物の使用に関する
。
MMPsにより媒介される疾患又は症状は、骨吸収、炎症性疾患、皮膚科学的
症状及び二次転移による腫瘍浸潤のような組織損傷の
関与するもの、特に慢性関節リューマチ、変形性関節症、歯周炎、歯肉炎、角膜
潰瘍及び二次転移による腫瘍浸潤を含む。TNFにより媒介される疾患又は症状
は、炎症、発熱、心臓疾患作用、出血、凝固及び急性相反応、悪液質及び食欲不
振、急性感染、ショック症、移植片対宿主反応及び自己免疫疾患を含む。
本発明は、さらに式(I)の化合物と医薬学的又は獣医学的に受容な賦形剤もし
くは担体を含む医薬又は獣医用組成物を提供するものである。本発明の化合物の
水溶性及び経口の生体利用性の観点において、本発明のさらに別の態様は、経口
投与に適応されることで特徴づけられ、医薬学的又は獣医学的に受容な賦形剤又
は担体と式(I)の化合物からなる医薬又は獣医用組成物である組成物を含む。
一般式(I)の1以上の化合物は、組成物中に1以上の賦形剤又は担体と存在して
もよい。
本発明に関る化合物は、それらの薬物動態的特性と矛盾しないいずれかの経路
による投与用に製造してもよい。経口投与し得る組成物は、経口用、局所用ある
いは無菌非経口用溶液又は懸濁液のような錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、
ロゼンジ、液体又はゲル製剤の形態であってもよい。経口投与用の錠剤及びカプ
セル剤は単位服用提供形態であってもよく、結合剤のような従来の賦形剤、例え
ばシロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガント又はポリビニ
ルピロリドン;充填剤、例えば乳糖、砂糖、トウモロコシ澱粉、リン酸カルシウ
ム、ソルビトール又は
グリシン;錠剤用滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレ
ングリコール又はシリカ;崩壊剤、例えばバレイショ澱粉又はラウリル硫酸ナト
リウムのような受容な湿潤剤を含んでもよい。錠剤は、通常の製薬の実際で周知
の方法で被覆してもよい。経口液体製剤は、例えば水性又は油性の懸濁液、溶液
、乳濁剤、シロップ又はエリキシルの形態をとっていてもよく、使用前に水又は
他の適切な賦形剤と再形成するよう乾燥製品として提供してもよい。こうした液
体製剤は、懸濁剤のような従来の添加剤、例えばソルビトール、シロップ、メチ
ルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン水添加食用脂;乳化剤、例えばレ
シチン、ソルビタンモノオレエート又はアラビアゴム;非水性賦形剤(食用脂を
含んでもよい)、例えばアーモンド油、分画ココヤシ油、グリセリンのような油
性エステル、プロピレングリコール又はエチルアルコール;保存剤、例えばメチ
ル又はプロピルp-ヒドロキシ安息香酸塩又はソルビン酸、及び所望により従来の
着香剤又は着色剤を含んでもよい。
経口投与に関する服用単位は、本発明の化合物を約1-250mg、好ましくは約25-
250mg含有し得る。哺乳動物に対する好適な一日分の服用量は、服用対象の症状
により大きく異なるかもしれない。しかしながら、一般式Iの化合物の服用は約0
.1-300mg/kg体重、特に約1-100mg/kg体重が好適であろう。
皮膚に局所的に適用する場合は、医薬はクリーム、ローション又は軟膏の形態
をとってもよい。医薬に用いられ得るクリーム又
は軟膏製剤は当該分野において周知の通常製剤であり、例えば英国薬局方のよう
な製薬学の標準的な教則本に記載されている。
眼に局所的に適用する場合は、医薬は好適な無菌水性又は非水性賦形剤の溶液
又は懸濁剤の形態をとってもよい。添加剤、例えばメタ重亜硫酸ナトリウム又は
エデア酸ジナトリウムのような緩衝剤;酢酸又は硝酸フェニル第2水銀、ベンザル
コニウムクロライド又はクロロヘキシジンのような殺菌剤及び防菌剤ならびにハ
イプロメロースのような粘稠剤を含む保存剤を包含してもよい。
局所投与の場合の服用量は、もちろん治療面積の大きさにより異なるだろう。
眼の場合、各1回につき10-100mgの医薬が代表的であるかもしれない。
活性成分はまた無菌媒体において非経口的に投与してもよい。用いる賦形剤及
び濃度により、医薬を賦形剤に懸濁させるか、又は溶解させてもよい。局部麻酔
剤、保存剤及び緩衝剤のようなアジュバントは賦形剤に溶解させ得ることが有用
である。
慢性関節リューマチの治療に用いる場合は、経口投与又は疾患のある関節への
関節内注射により医薬を投与できる。70kgの哺乳動物の一日分の服用量は10mg-1
gであってもよい。
以下の実施例は本発明の具体性を例示する
実施例で用いたアミノ酸は、市場で入手するか又は文献の方法で製造した。
以下の略語を使用している
EDC N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド塩酸塩
DIPE ジイソプロピル エーテル
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
LDA リチウムN,N-ジイソプロピルアミド
NMM N-メチルモルフォリン
THF テトラヒドロフラン
TFA トリフルオロ酢酸
TLC 薄層クロマトグラフィー
1H及び13C NMRスペクトルは、ブルカーAC250E分光計を用い、250.1及
び62.9MHzでおのおの記録した。元素微量分析は英国、LE8 2PJ、レイセス
ター、サウスウィグストン、カウンテストーペロード、アルファハウス、CHN
分析社、又は英国、UB8 3PH、ミドルセックス、アクスブリッジ、ブルネル
大学、化学部、MEDAC社で行なった。実施例1
N4-(1S-シクロブチルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S,N1-ジヒド
ロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド
工程A:
2S-ヒドロキシ-3R-(2-メチル-アリル)-コハク酸ジイソプロピルエステル
温度を-70℃に維持しながら、2S-ヒドロキシ-コハク酸ジイソプロピルエステ
ル(50g、230mmol)を乾燥THF(500ml)中のLDA溶液[N,N-ジイソプロピルアミ
ン(80ml、570mmol)及び10M n-ブチルリチウム(48.1ml、481mmol)に由来]に加え
た。添加を終了時に、反応を-15℃に温め、8時間撹拌した。反応混合物を-70℃
に冷却し、ヨウ化メタリル(46g、252mmol)をゆっくり加え、温度が-65℃を超え
ないようにした。混合物を-40℃に温め、18時間撹拌後、クエン酸で-15℃でクエ
ンチした。有機相を分離し、10%NaHCO3溶液(500ml)とブライン(300ml)で洗
浄し、次いで乾燥(MgSO4)させた。溶液をろ過し、真空濃縮して得た褐色油状
物(64g)をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、1kg、ヘキサン中20-35%ジエ
チルエーテルで勾配溶出)で精製した。所望の生成物を無色油状物(30.9g、49%)
として単離し、NMRでジアステレオマーの17:1の混合物であることを見い出し
た。1H-NMR;δ(CDCl3,メジャージアステレ
オマー),5.06(1H,セプテット,J=6.3Hz),4.97(1H,セプテット,J=6.3Hz),4.78
(2H,d,J=7.1Hz),4.16(1H,m),3.20(1H,d,J=6.2Hz),3.00(1H,m),2.50,2.35(2
H,ABX,J=7.0,8.7,14.4Hz),1.72(3H,s)及び1.24-1.16(12H,2m)工程B
:
2S-ヒドロキシ-3R-イソブチル-コハク酸ジイソプロピルエステル
2S-ヒドロキシ-3R-(2-メチル-アリル)-コハク酸ジイソプロピルエステル(7.
14g、26.2mol)をエタノール(80ml)に溶解させ、水素気下で10%パラジウム炭触
媒(1.0g)と一晩撹拌した。触媒をろ過で除去し、ろ液を蒸発乾固させて透明な油
状物(7.03g、98%)として生成物を得た。1H-NMR:δ(CDCl3),5.06(1H,セ
プテット,J=6.3Hz),4.97(1H,セプテット,J=6.3Hz),4.17(1H,brs,),3.24(1H
,brs),2.83(1H,m),1.68(2H,m),1.44(1H,m),1.24(6H,d,J=6.2Hz),1.18(6H,
d,J=6.2Hz)及び0.89(6H,m)工程C
:
2S-ヒドロキシ-3R-イソブチル-コハク酸
2S-ヒドロキシ-3R-イソブチル-コハク酸ジイソプロピルエステル(7.0g、25.
6mmol)をジオキサン(15ml)と水(15ml)に溶解させ、水(22ml)中のKOH(4.29g)
溶液を加え、混合物を一晩90℃で加熱した。溶液を冷却し、次いでイオン交換樹
脂(Dowex 50X4-400、200ml)に通し、蒸発させて表題化合物(4.82g、99%)を得
た。1H-NMR:δ(CDCl)3,8.70(2H,br s),4.32(1H,br s),3.10(1H,m),1.
85-1.55(3H,m)及び0.96(6H,m)
工程D
:
2R-(2,2-ジメチル-5-オキソ-[1,3]ジオキサラン-4S-イル)-4-メチル-ペンタン
酸
2S-ヒドロキシ-3R-イソブチル-コハク酸(5.19g、27.3mmol)を2,2-ジメトキ
シプロパン(150ml)とDMF(40ml)に溶解させ、p-トルエンスルホン酸の触媒量
の存在下で30℃で一晩撹拌した。溶媒を除去して、溶媒の混入した表題化合物(6
.87g、粗製)を得た。1H-NMR;δ(CDCl3),4.41(1H,d,J=4.8Hz),2.91(1H
,m),1.69(3H,m),1.54(3H,s),1.48(3H,s)及び0.88(6H,m)工程E
:
2R-(2,2-ジメチル-5-オキソ-[1,3]ジオキサラン-4S-イル)-4-メチル-ペンタン
酸ペンタフルオロフェニルエステル
2R-(2,2-ジメチル-5-オキソ-[1,3]ジオキサラン-4S-イル)-4-メチル-ペンタ
ン酸(558mg、2.4mmol)をジクロロメタン(10ml)中で採取し、0℃に冷却後ペンタ
フルオロフェノール(670mg、3.6mmol)とEDC(560mg、2.9mmol)を加えた。反応
を2時間0℃で撹拌し、次いで溶液を1M炭酸ナトリウム(50ml)とブライン(20ml)
で洗浄した。有機相を乾燥(硫酸マグネシウム)させ、ろ過し、蒸発乾固させ、
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン)で精製し、活性エス
テル(552mg、58%)を得た。1H-NMR;δ(CDCl3),4.57(1H,d,J=6.5Hz),3.
32(1H,m),1.86(3H,m),1.67(3H,s),1.58(3H,s)及び1.03(6H,m)工程F
:
Nα-ベンジルオキシカルボニル-L-tert-ロイシン-N-シクロブチルアミド
Nα-ベンジルオキシカルボニル-L-tert-ロイシン(4.90g、18.42mmol)をDM
F(30ml)に溶解させ、溶液を0℃に冷却し、HOBt(2.98g、22.10mmol)とEDC
(4.23g、22.10mmol)を加えながら撹拌した。混合物を室温に温め、さらに1時間
撹拌し、次いで0℃に冷却し直した。シクロブチルアミン(2.35ml、27.63mmol)を
次いで滴加し、混合物を室温に温め、次いで48時間撹拌した。溶媒を蒸発させて
残留物をエチルアセテートに溶解させ、1N HClと1N Na2CO3で洗浄し、無
水MgSO4で乾燥させた。溶液をろ過し、蒸発させ、白色固体(4.65g、79%)と
して表題化合物を得た。1H-NMR;δ(CDCl3),7.38-7.30(5H,m),6.04(1H,
d),5.59(1H,d),2.33(2H,m),1.92-1.78(2H,m),1.70(2H,m)及び0.98(9H,s)工程G
:
L-tert-ロイシン-N-シクロブチルアミド
Nα-ベンジルオキシカルボニル-L-tert-ロイシン-N-シクロブチルアミド(4
.65g、17.28mmol)をエタノール(100ml)に溶解させ、10%パラジウム炭(460mg)を
加えた。次いで、水素ガスを2時間混合物にバブルした。触媒をろ過で除去し、
溶媒を蒸発させて得た表題化合物(2.69g、残留エタノールを含む)をさらなる精
製をせずに用いた。1H-NMR;δ(CDCl3),6.86(1H,br s),4.35(1H,m),2.9
9(1H,s),2.29(2H,m),1.86-1.586,m及び0.94(9H,s)工程H
:
2R-(2,2-ジメチル-5-オキソー[1,3]ジオキサラン-4S-イル)-4-メチル-ペンタ
ン酸(1S-シクロブチルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-アミド
2R-(2,2-ジメチル-5-オキソ-[1,3]ジオキサラン-4S-イル)-4-メチル-ペンタ
ン酸ペンタフルオロフェニルエステル(5.79g、14.62mmol)とL-tert-ロイシン-
N-シクロブチルアミド(2.69g、14.62mmol)をDMF(30ml)中に溶解させ、混合
物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去し、得た油状物をエチルアセテートに溶解
させ、溶液を1M Na2CO3、次いでブラインで2回洗浄した。有機相を乾燥(Mg
SO4)、ろ過し、蒸発させて得た油状物をカラムクロマトグラフィー(フラッシ
ュシリカ、エチルアセテートヘキサン、1:2)で精製し、白色泡状物(3.72g、65%
)として表題化合物を得た。1H-NMR;δ(CDCl3),6.62(1H,d,J=8.9Hz),6.
05(1H,d,J=77Hz),4.48(1H,d,J=6.0Hz),4.35(1H,m),2.32(2H,m),1.88-1.59
(10H,m),1.53(3H,s),0.99(9H,s)及び0.89(6H,m)工程I
:
N4-(1S-シクロブチルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S,N1-ジヒド
ロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド
メタノール(50ml)中のヒドロキシルアミンヒドロクロライド(3.27g、47.08mmo
l)溶液に、メトキシドナトリウム(2.54g、47.08mmol)を加え、混合物を2時間室
温で撹拌し、その後沈殿した固体をろ過で除去した。ろ液を氷浴中で冷却し、D
MF(15ml)中に溶解する2R-(2,2-ジメチル-5-オキソ-[1,3]ジオキサラン-4S-
イル)-4-メ
チル-ペンタン酸(1S-シクロブチルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-アミ
ド(3.72g、9.41mol)とメタノール(50ml)を加えた。混合物を10分間0℃で撹拌し
、次いで室温に温め、一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をジエチル
エーテル(50ml)と水(50ml)とに分画した。混合物を一晩室温に放置し、その間に
白色固体を沈殿させた。これをろ過で回収し、ジエチルエーテルと水で洗浄し、
減圧下で乾燥させた。収率:1.79g(44%) 1H NMR;δ(CD3OD),8.25(1H,
d,J=7.3Hz),4.21(2H,m),3.99(1H,d,J=6.3Hz),2.82(1H,m),2.21(2H,m),1.9
1(2H,m),1.60(4H,m),1.21(1H,m),0.95(9H,s),0.88(3H,d,J=6.5Hz)及び0.8
5(3H,d,J=6.4Hz) 13C-NMR;δ(CD3OD),175.5,171.5,73.1,61.8,45.9,
39.6,35.5,31.3,31.1,27.2,27.0,23.7,22.4,16.2,13.7及び13.5νmax(KBr);29
57,1651,1520,1368,1148,1064cm-1
実施例2-9の化合物は、実施例1の方法により適当な開始物質から製造した。
実施例2
N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S.N1-ジヒ
ドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド
白色固体 m.p.102-103℃. 1H NMR;δ(CD3OD),4.14(1H,s),4.00(1H,
d,J=6.0Hz),2.85-2.77(1H,m),2.64-2.55(1H,m),1.64-143(2H,
m),1.27-1.17(1H,m),0.94(9H,s),0.90-0.84(6H,dd,J=6.0,9.0Hz),0.72-0.62
(2H,m)及び0.54-0.41(2H,m) 13C-NMR;δ(CD3OD),175.5,174.2,171.6
,169.2,73.0,61.7,39.6,35.5,27.2,27.0,23.6,23.2,22.4,6.5及び6.4
実施例3
N4-(1S-シクロペンチルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S.N1-ジヒ
ドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド
白色固体 m.p.103-104℃ 1H NMR;δ(CD3OD),7.98(1H,d,J=7.1Hz),4.
21(1H,s),4.05(1H,s),3.99(1H,d,J=63Hz),2.82(1H,m),1.85(2H,m),1.48(8
H,m),1.21(1H,m),0.95(9H,s),0.89(3H,d,J=6.4Hz)及び0.85(3H,d,J=6.5H
z) 13C-NMR;δ(CD3OD),175.4,172.0,171.5,73.1,61.7,52.4,49.5,39.6
,35.5,33.5,33.3,27.2,27.0,24.77,23.7及び22.4
実施例4
N4-(1S-シクロヘキシルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S,N1-ジヒ
ドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド
白色固体 m.p.108℃(分解) 1H NMR;δ(CD3OD),4.19(1H,s),3.99
(1H,d,J=6.3Hz),3.60(1H,m),2.81(1H,m),1.87-1.07(13H,br m),0.96(9H,s
),0.89(3H,d,J=6.5Hz)及び0.85(3H,t,J=6.5Hz) 13C-NMR;δ(CD3OD
),175.4,171.5,171.4,73.1,61.9,49.8,49.5,39.6,35.5,33.8,33.6,27.2,27.0,26
.6,26.1,23.7及び22.4
実験値:C,59.19%,H,9.23% N10.01%;C20H37N3O5.0.4H2O
理論値C,59.06%,H,9.37% N,10.33%
実施例5
N4-(1S-シクロヘプチルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S,N1-ジヒ
ドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド
白色固体 1H-NMR;δ(CD3OD),7.86(1H,d,J=7.6Hz),4.12(1H,s),3.91
(1H,d,J=6.3Hz),3.73(1H,br s),2.74(1H,m),1.76(2H,m),1.51(13H,m),1.5
3(1H,m),0.89(9H,s)及び0.80(6H,dd,J=9.1,6.5Hz) 13C-NMR;δ(CD3
OD),175.4,171.5,171.0,73.1,61.9,51.9,39.6,35.9,35.6,35.5,29.3,29.2,27.
2,27.0,25.3,23.7及び22.4
実施例6
N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2-メルカプト-2-メチル-プロピル)-2S,
N1-ジヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド
白色泡状物(ジアステレイソマーの6:1混合物) 1H-NMR;δ(CD3OD),4.36
(0.15H,s),4.34(0.85H,s),3.92(0.85H,d,J=6.5Hz),3.89(0.15H,d,J=6.4Hz
),2.76(1H,m),2.55(1H,m),1.58-1.11(9H,2s及びbr m),0.82(3H,d,J=6.4Hz)
,0.79(3H,d,J=6.5Hz),0.61(2H,m)及び0.41(2H,m) 13C-NMR;δ(CD3O
D),175.5,173.1,171.5,73.1,62.2,49.5,46.8,39.5,31.2,29.2,27.0,23.7,23.3,
22.2及び6.4 IR;νmax(KBr);3292,2959,2871,1644,1530,1464,1388,1300,1
259及び1204cm-1実験値:C50.68,H7.80,N10.85%;C16H29N3O5S.0.2H2O
理論値C50.69,H7.82,N11.08%
実施例7
N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S,N1-ジヒ
ドロキシ-3R-(3-フェニル-プロペニル)-サクシンアミド
淡黄色泡状物 m.p.109.5-111.5℃ 1H-NMR;δ(CD3OD),7.12(5H,m),6.
32(1H,d,J=15.8Hz),6.04(1H,m),4.07(2H,m),2.85(1H,m),2.36(3H,m),2.36
(3H,m),0.86(9H,s),0.48(2H,m)及び0.26(2H,m) 13C-NMR;δ(CD3OD
),174.7,173.9,171.7,138.7,133.6,129.5,128.2,127.2,72.5,61.6,51.1,35.6,33
.9,27.1,23.1,6.5及び6.2 IR;νmax(KBr);3296,2964,1642,1534,1369,1259
,1073,1025及び967cm- 1
実験値:C61.79,H7.44,N9.54%;C22H31N3O5.0.6H2O理論値C61.69,H7
.58,N9.81%
実施例8
N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S,N1-ジヒ
ドロキシ-3R-(3-フェニル-プロピル)-サクシンアミド
白色固体 m.p.101-103℃ 1H-NMR;δ(CD3OD),8.10(1H,s),7.77(1H,d
,J=8.5Hz),7.08(5H,m),4.08(1H,m),3.95(1H,m),2.67(IH,m),2.50(3H,m),1
.65-1.30(4H,m),0.86(9H,s),0.57(2H,m)及び0.34(2H,m) 13C-NMR;δ(
CD3OD),175.3,174.1,171.5,143.3,129.4,126.8,72.9,61.7,51.1,36.7,35.5,
30.4,30.2,27.2,23.2及び6.4 IR;νmax(KBr);3288,3026,2956,2868,2484,1
651,1538,1454,1399,1369,1236,1190,1077,1029,926,825,749及び700cm-1
実験値:C61.58,H7.91,N9.80%;C22H33N3O5.0.5H2O理論値C61.66,H8.
00,N9.81%
実施例9
N4-[2,2-ジメチル-1S-(2-フェニル-シクロプロピルカルバモイル)-プロピル]-
2S,N1-ジヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド
白色泡状物 m.p.119-121℃ 1H-NMR;δ(CD3OD),7.12(5H,m),4.07(2H
,m),3.92(1H,d,J=6.3Hz),2.63(2H,m),1.48(2H,m),1.14(1H,m)及び1.05-0.6
8(17H,m) 13C-NMR;δ(CD3OD),175.3,171.5,163.4,109.5,73.1,62.0,4
9.0,48.2,48.0,43.4,39.6,35.2,27.1,23.6及び22.4 IR;νmax(KBr);3300,3
029,2958,2871,2362,1638,1535,1454,1398,1369,1250,1214,1145,1091,1073,103
2,1008及び974cm-1
実施例10
2S-アリル-N4-(1-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-N1-
ヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド
工程A:
2R,S-アリル-3R-イソブチル-コハク酸-4-tert-ブチルエステル(1:9、RS:R
R)
-78℃のアルゴン気下で乾燥THF(100ml)中の3R-イソブチル-コハク酸-4-te
rt-ブチルエステル(WO92/13831に記載の方法で製造)
(5g、21.7mmol)の撹拌溶液に、1.5M LDA(31.8ml、47.7mmol)をカニューレで
滴加した。-78℃で1時間溶液を撹拌後、アリルブロミド(2.44ml、28.2mmol)をシ
リンジで滴加した。得た溶液を2時間で室温に温めた。メタノール(10ml)を加え
、溶液を室温で撹拌した。30分後に、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を
ジクロロメタン(100ml)中で採取し、1M HCl(100ml)とブライン(100ml)で洗浄
した。ジクロロメタン層はMgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で溶媒を除去し
て金色油状物(5.6g、97%)(1:9、RS:RR)として表題化合物を得た。1H-NM
R;δ(CDCl3、メジャージアステレオイソマー),5.78-5.63(1H,m),5.01-5.11
(2H,m),2.57-2.72(2H,m),2.37(2H,m),1.52-1.67(2H,m),1.42(9H,s),1.37(1
H,m)及び0.90(6H,d,J=6.3Hz) 13C-NMR;δ(CDCl3、メジャージアステ
レオイソマー),181.1,172.9,134.6,117.3,81.2,47.8,44.3,38.4,27.9,25.9,23.5
及び21.5工程B
:
2S-アリル-3R-イソブチル-コハク酸-4-tert-ブチルエステルジシクロヘキシル
アミン塩
(i) -78℃のアルゴン下で乾燥THF(100ml)中の2R,S-アリル-3R-イソブチ
ル-コハク酸-4-tert-ブチルエステル(1:9、RS:RR)(5.11g、18.9mmol)の撹拌
溶液に、1.5M LDA(27.7ml、41.6mmol)をカニューレで加えた。反応混合物を
2時間室温に温め、次いで-78℃に冷却し直し、シリンジでメタノール(8ml)を加
えた。次いで、反応をさらに2時間室温に温めた。溶媒を減圧下で除去した。残
留物をジ
クロロメタン(150ml)中で採取し、1M HCl(150ml)とブライン(150ml)で洗浄し
た。ジクロロメタン層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で溶媒を除去し、表題化合
物(3:2、RS:RR)を褐色油状物(4.7g、92%)として得た。
(ii) 上述したエピマー化の方法を利用して、反応混合物を室温に温める代わり
に、LDAの添加後-78℃の反応温度で表題化合物を褐色油状物のメジャージア
ステレオマー(4.6g、98%)(3:1、RS:RR)として得た。1H-NMR;δ(CDC
l3、メジャージアステレオイソマー),11.60(1H,br s),5.75-5.61(1H,br m),5.
06-4.96(2H,br m),2.70-2.52(2H,br m),2.36-2.19(2H,br m),1.65-1.44(2H,
br m),1.40(9H,s),1.13(1H,m)及び0.86(6H,dd,J=4.4,2.1Hz) l3C-NMR;
δ(CDCl3、メジャージアステレオイソマー),180.7,172.2,134.6,117.1,81.0,
48.6,45,7,38.9,34.8,33.4,27.9,26.2及び21.2
(iii) 上記反応を繰り返し、化合した生成物(36.85g、136mmol)をヘキサンに溶
解させ、溶液を一晩放置した後グラスマイクロファイバーフィルターろ紙(Wha
tman GFF)でろ過し、少量の着色固体を除去した。ジシクロヘキシルアミン(2
7ml、136mmol)をろ液に加えた:約30分後に結晶化が開始された。混合物を一晩冷
凍庫で冷却し、生成物をろ過で回収し、冷ヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥させ
た。収率14.19%(23%) 1H-NMR;δ(CDCl3),6.89-6.58(2H,m),5.76(1H,
m),5.08-4.91(2H,m),2.99-2.82(2H,m),2.53-2.26(4H,m),2.09-1.93(4H,m),1
.86-1.56(8H,m),1.54-0.99(11H,m),1.42(9H,s),0.92(3H,d,J=6.5Hz),0.87(
3H,d,J=6.5Hz) 13C-NMR;δ
(CDCl3、シングルジアステレオイソマー),179.0,173.9,135.9,115.7,79.7,52
.1,50.8,49.7,41.2,35.9,29.2,29.1,27.9,26.5,25.1,246,24.0及び21.5工程C
;
Nα-ベンジルオキシカルボニル-L-tert-ロイシン-N-シクロプロピルアミド
Nα-ベンジルオキシカルボニル-L-tert-ロイシン(5g、18.79mmol)をDMF(
30ml)に溶解し、溶液を0℃に冷却し、HOBt(3.04g、22.55mmol)とEDC(4.32
g、22.55mmol)を加えながら撹拌した。混合物を室温に温め、さらに1時間撹拌し
、次いで0℃に冷却し直した。次いで、シクロプロピルアミン(2.35ml、27.63mmo
l)を滴加し、混合物を室温に温め次いで48時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、残
留物をエチルアセテートに溶解し、1N HClと1N Na2CO3で連続的に洗浄し
、無水MgSO4で乾燥させた。溶液をろ過し、溶媒を蒸発させて白色固体(4.95g
、87%)を得た。1H-NMR;δ(CDCl3),7.32(5H,m),6.50(1H,s),5.72(1H,
d,J=9.1Hz),5.05(2H,m),3.90(1H,d,J=9.4Hz),2.69(1H,m),0.98(9H,s),0.7
3(2H,m)及び0.49(2H,m)工程D
:
L-tert-ロイシン-N-シクロプロピルアミド
Nα-ベンジルオキシカルボニル-L-tert-ロイシン-N-シクロプロピルアミド
(4.59g、15.09mmol)をエタノール(90ml)とシクロヘキセン(10ml)に溶解し、10%
パラジウム炭(460mg)を加えた。混合物を1時間還流で加熱後は、開始物質が検出
されなかった(TLC)。触媒
はろ過で除去し、溶媒を蒸発させて表題化合物を無色油状物として得た。収率1.
57g(61%) 1H-NMR;δ(CDCl3),6.84(1H,br s),3.02(1H,s),2.68(1H,m
),0.95(9H,s),0.74(2H,m)及び0.47(2H,m)工程E
:
2-[1-(1-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピルカルバモイル)-3-
メチル-ブチル]-ペント-4-エノイック酸-tert-ブチルエステル
2S-アリル-3R-イソブチル-コハク酸-4-tert-ブチルエステルジシクロヘキシ
ルアミン塩(3.50g、7.72mmol)とL-tert-ロイシン-N-シクロプロピルアミド(1.
57g、9.27mmol)をともにエチルアセテート(100ml)に溶解し、次いでHOBt(1.0
4g、7.72mmol)とEDC(1.48g、7.72mmol)を加えた。混合物を2時間還流下で加
熱し、次いで室温に冷却し、ろ過で沈殿した物質を除去した。溶液を水で3回、
飽和Na2CO3で1回、1N HClで1回洗浄し、乾燥(MgSO4)、ろ過、蒸発乾固
し、表題化合物を白色固体(2.05g、63%)として得た。1H-NMR;δ(CDCl3)
,6.34(1H,m),5.76(1H,m),5.04(2H,m),4.21(1H,d,J=9.2Hz),2.55(2H,m),2.
23(1H,t,J=6.9Hz,7.5Hz),1.66(1H,m),1.45(9H,s),1.09(11H,m),0.88(3H,
d,J=6.4,Hz),0.84(3H,d,J=6.6Hz),0.78(2H,m)及び0.49(2H,m)工程F
:
2-[1-(1-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピルカルバモイル)-3-
メチル-ブチル]-ペント-4-エノイック酸
2-[1-(1-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピルカ
ルバモイル)-3-メチル-ブチル]-ペント-4-エノイック酸-tert-ブチルエステル(2
.05g、4.83mmol)をジクロロメタン(7ml)とTFA(7ml)に溶解した。混合物を一
晩0-5℃で放置し、次いで溶媒を減圧下で蒸発させ、3倍のトルエンと共沸混合し
、エチルアセテートから再結晶化される白色固体として表題化合物を得た。収率
:1.81g(74%) 1H-NMR;δ(CD3OD),8.19(1H,br s),7.95(1H,d,J=9.2H
z),5.72(1H,m),4.98(2H,m),4.19(1H,d,J=9.3Hz),2.76(1H,m),2.56(2H,m),
2.23(1H,m),1.59(1H,m),1.37(1H,m),0.96(9H,s),0.87(3H,d,J=6.5Hz),0.8
1(3H,d,J=6.6Hz),0.68(2H,m)及び0.43(2H,m)工程G
:
2S-アリル-N4-(1-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-N1-
ヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド
2-[1-(1-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピルカルバモイル)-
3-メチル-ブチル]-ペント-4-エノイック酸(1.37g、3.74mmol)をDMF(200ml)に
溶解し、HOBt(0.61g、4.49mmol)とEDC(0.86g、4.49mmol)を加えながら溶
液を0℃に冷却した。混合物を1時間0℃で、次いで2時間室温で撹拌し、活性エス
テルの形成を確実にした。溶液を0℃に冷却し直し、ヒドロキシルアミンハイド
ロクロライド(0.46g、6.73mmol)、その後NMM(0.74ml、6.73mmol)を加え、反
応混合物を室温に温め、次いで一晩撹拌した。溶媒を真空除去し、残留物をジエ
チルエーテル(25ml)と水(25ml)の混合物でトリチュレートし、混合物を2時間放
置した。生じた固体をろ過で回収し、エチルアセテート-ヘキサンから幾度か再
結晶さ
せ、24時間60℃で高真空下で乾燥し、表題化合物(0.44g、31%;シングルジアス
テレオイソマー)を得た。m.p.225-226℃ 1H NMR;δ(CD3OD),8.17(1H,
d,J=3.2Hz),8.05(1H,d,J=9.1Hz),5.60(1H,m),4.96(2H,m),4.19(1H,d,J=92
Hz),2.61(2H,m),2.16(2H,m),1.47(1H,m),1.33(1H,m),1.01(1H,m),0.97(9
H,s),0.86(3H,d,J=6.4Hz),0.79(3H,d,J=6.6Hz),0.67(2H,m)及び0.41(2H,
m) 13C-NMR;δ(CD3OD),176.5,173.9,172.4,136.0,117.5,62.1,41.8,36
.4,35.1,27.3,27.1,24.4,23.2,23.1,22.0,6.5,及び6.4 IR;νmax(KBr);328
9,2858,1633,1530,1368,1260cm-1
実験値:C,62.56%,H,9.21% N,10.96%;C20H35N3O4.0.1H2O
理論値 C,62.67%,H,9.26% N,10.96%
以下のさらなる化合物は、適当な開始物質を用いて実施例10の方法で製造した
:
実施例11
2S-アリル-N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2-メルカプト-2-メチル-プ
ロピル)-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド
オフホワイト色泡状物 m.p.190.5-192.5℃ 1H NMR;δ(CD3OD),5.57(1
H,m),4.86(2H,m),4.33(1H,s),2.54(2H,m),2.20(3H,br m),1.49-1.25(8H,2
s及びbr m),1.07(1H,m),0.78(3H,d,J=6.6Hz),0.73
(3H,d,J=6.6Hz),0.59(2H,m)及び0.38(2H,m) 13C-NMR;δ(CD3OD),1
76.5,172.9,172.7,136.1,117.5,62.6,48.1,46.7,41.8,36.4,30.7,29.9,27.1,24.
4,23.3,22.3,6.6及び6.4 IR;νmax(KBr);3293,3078,2958,2871,1641,1527,
1463,1386及び1259cm-1
実験値:C56.13,H8.12,N10.16%;C19H33N3O4S.0.4H2O
理論値 C56.10,H8.38,N,10.33%
実施例12
N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-N1-ヒドロキ
シ-3R-イソブチル-2S-(チオフェン-2-イルスルファニルメチル)-サクシンア
ミド
工程A:
2-[1-(1-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピルカルバモイル)-3-
メチル-ブチル]-マロン酸ジベンジルエステル
2-ベンジルオキシカルボニル-3R-イソブチルサクシニック(EP0446267に記
載の方法で製造)(10.79g、27.1mmol)とL-tert-ロイシン-N-シクロプロピルア
ミド(5.54g、32.5mmol)をエチルアセテート(200ml)に溶解し、HOBt(4.39g、3
2.5mmol)とEDC(6.23g、32.5mmol)で処理した。反応混合物を一晩還流で加熱
し、次いで室温に冷却した。溶液を5%NaHCO3(2x200ml)、5%クエン酸(2x20
0ml)
とブラインで連続的に洗浄し、乾燥(無水MgSO4)、ろ過し、蒸発させて表題化
合物(15.21g、99%)を黄色油状物として得た。1H NMR;δ(CDCl3),7.89(2
H,m),7.07(10H,m),4.88(2H,m),3.96(1H,d,J=9.4Hz),3.53(1H,d,J=10.1Hz
),3.031H,m),2.41(1H,m),1.23(2H,m),0.89(1H,m),0.72(9H,s),0.62(3H,d,
J=6.3Hz),0.56(3H,d,J=6.3Hz),0.45(2H,m)及び0.15(2H,m)工程B
;
2-[1-(1-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピルカルバモイル)-3-
メチル-ブチル]-アクリル酸
2-[1-(1-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピルカルバモイル)-
3-メチル-ブチル]-マロン酸ジベンジルエステル(14.53g、25.7mmol)をエタノー
ル(200ml)に溶解し、溶液をアルゴンブランケット下に置いた。10%パラジウム
炭(3.2g)を加え、水素の純粋な気流を撹拌しながら3時間懸濁液に通した。TL
Cにより、全ての開始物質が消費されたことが示された。システムをアルゴンで
パージし、触媒をろ過で除去した。ろ液を冷却し、氷浴中で撹拌し、ピペリジン
(2.39g、28.1mmol)を滴加し、その後37%ホルムアルデヒド溶液(22.6ml、約257m
mol)で処理した。反応混合物を室温にゆっくり温め、次いで一晩撹拌した。溶媒
を減圧下で除去し、残留油状物をエチルアセテート(300ml)と1M塩酸(300ml)に
分画した。有機相を分離し、1M HClとブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥、
ろ過し、蒸発乾固した。残った淡褐色泡状物(4.40g、粗製)は幾らかの副次的な
不純物を含んでいたが、精製を
せずに工程Cに用いた。1H-NMR;δ(CDCl3),8.34(1H,d,J=10.0Hz),7.37
(1H,m),6.47(1H,s),5.99(1H,s),4.50(1H,d,J=9.9Hz),4.07(1H,m),2.73(1
H,m),1.79(1H,m),1.52(2H,m),1.00-0.82(15H,br m),0.78(2H,m)及び0.55(2
H,m)工程C
:
3-(1-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピルカルバモイル)-5-メ
チル-2-(チオフェン-2-イルスルファニルメチル)-ヘキサン酸
2-[1-(1-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピルカルバモイル)-
3-メチル-ブチル]-アクリル酸(4.40g、12.4mmol)をメタノール(10ml)に溶解し、
アルゴンブランケット下に置き、2-メルカプトチオフェン(4.5ml)を加えた。遮
光したアルゴン下で混合物を60℃で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、得た
油状物に冷ジエチルエーテル(200ml)を加えた。生成物を氷浴中に放置して沈殿
させ、ろ過で除去し、冷ジエチルエーテルで完全に洗浄した。生成物をさらに熱
エチルアセテートでのトリチュレーションとカラムクロマトグラフィー(シリカ
ゲル、勾配溶出、ジクロロメタン中0-20%メタノール)で精製した。画分を合わ
せ、蒸発させ、淡黄色固体(6.95g、副次的不純物を含む)として表題化合物を得
た。1H-NMR;(CDCl3、部分デユトリウム交換),δ8.10(1H,m),7.85(1H,d
,J=9.2Hz),7.35(1H,m),7.03(1H,m),6.88(1H,m),4.06(1H,d,J=9.2Hz),2.85
(1H,m),2.67(2H,m),2.51(1H,m),1.53(1H,m),1.25(1H,m),1.02(1H,m),0.87
(9H,s),0.76(3H,d,J=64Hz),0.71(3H,
d,J=6.5Hz),0.61(2H,m)及び0.32(2H,m)工程D
:
N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-N1-ヒドロキ
シ-3R-イソブチル-2S-(チオフェン-2-イルスルファニルメチル)-サクシンア
ミド
工程Cからの生成物(5.11g)を実施例10(工程G)に記載と類似の方法で表題化
合物(2.39g、45%)に変えた。白色固体 m.p.225.5-226℃ 1H NMR;δ((CD3
)2SO),10.52(1H,s),8.80(1H,s),7.77(2H,m),7.42(1H,m),6.94(1H,m),6.
85(1H,m),3.95(1H,d,J=9.8Hz),3.02(1H,m),2.54(2H,m),2.42(1H,m),2.24(
1H,m),1.29(1H,m),1.10(1H,m),0.82(1H,m),0.71(9H,s),0.64(3H,d,J=6.5
Hz),0.59(3H,d,J=6.4Hz),0.44(2H,m)及び0.15(2H,m) 13C-NMR;δ(C
D3OD),175.6,173.8,171.1,134.9,130.7,128.6,62.1,41.6,40.5,35.1,27.3,27
.0,24.3,23.0,21.9,6.5及び6.4 IR;νmax(KBr);3318,3088,2959,2872,1632
,1520,1422,1367,1257,1218,1005,849及び706cm-1実験値:C 56.11,H7.35,N 8
.91%;C22H35N3O4S2
理論値C 56.26,H 7.51,N8.95%
以下のさらなる化合物は、工程Cでチオフェン-2-チオールの代わりに4-ヒド
ロキシチオフェノールを用いて実施例12の方法で製造した:
実施例13
N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-N1-ヒドロキ
シ-2S-(4-ヒドロキシ-フェニルスルファニルメチル)-3R-
イソブチル-サクシンアミド
淡黄色固体 1H NMR;δ(CD3OD),7.06(2H,m),6.57(2H,d,J=8.6Hz),4.
08(1H,s),3.24(1H,s),3.03(1H,m),1.43(1H,m),1.24(1H,m),0.87(9H,s),0.7
6(3H,d,J=6.4Hz),0.70(3H,d,J=6.5Hz),0.60(2H,m)及び0.34(2H,m) 13C-
NMR;δ(CD3OD),175.9,173.8,170.8,159.0,134.5,125.2,117.3,66.8,62.0
,45.5,41.6,37.9,35.2,27.4,24.3,23.1,22.0,15.5及び6.6 IR;νmax(KBr);
3416,2958,2352,1644,1538,1495,1368,1266及び833cm-1
実施例14
N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S-(1,3-ジオ
キソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イルメチル)-N1-ヒドロキシ-3R-イソブ
チル-サクシンアミド
工程A:
2-ベンジルオキシカルボニル-2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2
-イルメチル)-3R-イソブチル-コハク酸-4-ベンジルエステル-1-tert-ブチルエ
ステル
乾燥DMF(400ml)中の2-ベンジルオキシカルボニル-3R-イソブチルコハク酸
-4-ベンジルエステル-1-tert-ブチルエステル(EP 0 446267に記載の方法で製
造)(39.4g、86.78mmol)の氷冷溶液に、撹拌しながらナトリウム水素化物(ミネラ
ルオイル中60%分散、3.83g、95.46mmol)を加えた。反応混合物を20分間0℃で維
持し、次いで室温に温め、さらに2.5時間撹拌した。0℃に冷却後、N-(ブロモメ
チル)フタルイミド(25g、104.1mmol)を加え、0℃で0.5時間、次いで一晩室温で
撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、生じた油状物をジエチルエーテル(400ml)で
抽出し、固体の残留物をろ過で除去した。ろ液を水(300ml)、1M HCl(300ml)
とブライン(300ml)で連続的に洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、ろ過した。溶
液を真空濃縮し、生じた黄色油状物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、
ヘキサン中50%ジエチルエーテル)で精製し、表題化合物を無色油状物(26.24g、
49%)として得た。1H-NMR;δ(CDCl3),7.78(2H,m),7.67(2H,m),5.28-5.
05(4H,br m),4.54-4.35(2H,br m),3.03(1H,m),1.86(1H,m),1.68(1H,m),1.5
0(9H,s),1.49(1H,m),0.82(3H,d,J=6.6Hz)及び0.78(3H,d,J=6.5Hz)工程B
:
2RS-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イルメチル)-
3R-イソブチル-コハク酸-1-tert-ブチルエステル
実施例10(工程D)に記載の方法で、2-ベンジルオキシカルボニル-2-(1,3-ジオ
キソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イルメチル)-3R-イソブチル-コハク酸-4
-ベンジルエステル-1-tert-ブチルエステル(26.24g、42.8mmol)を触媒水素化分
解で脱保護した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をトルエン(250ml)に溶解し、
NMM(4.33g、42.8mmol)を加えた。混合物を2時間還流下で加熱した。溶媒を蒸
発させ、残留油状物をエチルアセテートに溶解し、その溶液を5%クエン酸(2x20
0ml)とブライン(200ml)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥、ろ過した。溶媒を除去
し、所望の生成物を黄色泡状物(16.58g、残留溶媒を含む)として得、それを直接
工程Cに用いた。1H-NMR;δ(CDCl3),7.83(2H,m),7.72(10H,m),4.12(2
H,m),7.72(10H,m),4.12(1H,m),3.83(1H,m),3.21(1H,m),2.72(1H,m),1.81-
1.55(2H,br m),1.48(9H,s),1.31(1H,m)及び0.92(6H,m)工程C
:
2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イルメチル)-3R-イソブチル
-コハク酸-4-ベンジルエステル-1-tert-ブチルエステル
2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イルメチル)-3R-イソブチ
ル-コハク酸-1-tert-ブチルエステル(16.58g、42.56mmol)を乾燥DMFに溶解し
、アルゴンブランケット下に置いた。溶液を氷浴中で冷却し、ベンジルブロミド
(5.56ml、46.82mmol)と無水炭酸ナトリウム(4.96g、46.82mmol)を加え、混合物
を室温で一晩撹拌させた。溶媒を減圧下で除去し、残留油状物をジエチル
エーテル(300ml)に溶解し、水(2x200ml)、1M HCl(2x200ml)とブライン(200ml
)で連続的に洗浄した。有機相を乾燥(無水MgSO4)、ろ過し、蒸発させて得た
粗製の黄色油状物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶出、ヘキサ
ン中30-50%ジエチルエーテル)で精製した。所望の生成物を淡黄色油状物(18.2g
、89%;ジアステレオイソマーの3:2混合物)として単離した。1H-NMR;δ(C
DCl3),7.78(2H,m),7.67(2H,m),7.24(5H,m),5.05(2H,m),4.18-4.04(1H,br
m),3.81(1H,br m),3.15(1H,m),2.73(1H,m),1.72-1.53(2H,br m),1.50(5.4
H,s),1.41(3.6H,s),1.11(1H,m)及び0.90(6H,m)工程D
:
2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イルメチル)-3R-イソブチル
-コハク酸-4-ベンジルエステル
実施例10(工程F)に記載の方法で、2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソイン
ドール-2-イルメチル)-3R-イソブチル-コハク酸-4-ベンジルエステル-1-tert-
ブチルエステルをTFAでの酸加水分解で脱保護した。生成物を淡黄色油状物(1
6.54g、残留溶媒を含む)として単離し、さらなる精製をせずに用いた。1H-NM
R;δ(CDCl3、ジアステレオイソマーの3:2混合物),8.28(1H,br s),7.78(2H
,m),7.68(2H,m),7.25(5H,m),5.08(2H,m),4.15(1H,m),3.89(1H,m),3.25(1H
,m),2.88(1H,m),1.82-1.52(2H,br m),1.25(1H,m)及び0.89(6H,m)工程E
:
3-(1-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピルカルバモイル)-2-(1,
3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イルメチ
ル)-5-メチル-ヘキサン酸-1-ベンジルエステル
2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イルメチル)-3R-イソブチ
ル-コハク酸-4-ベンジルエステル(2.71g、6.46mmol)をエチルアセテート(100ml)
に溶解し、HOBt(1.03g、7.04mmol)とEDC(1.47g、7.68mmol)を加え、反応
混合物を3.5時間撹拌して活性エステルの形成を確実にした。L-tert-ロイシン-
N-シクロプロピルアミド(1.20g、7.04mmol)を加え、反応混合物を一晩還流で加
熱した。溶液を冷却し、5%NaHCO3(2x200ml)と水(2x200ml)で連続的に洗浄
した。有機相を乾燥(無水MgSO4)、ろ過、減圧下で蒸発させて所望の生成物を
ジアステレオイソマー(3.46g、94%)の不可分の3:2混合物として得た。1H-NM
R(CD3OD);δ9.76(0.6H,s),9.58(0.4H,s),8.45(1H,m),8.23(1H,m),7.85
-7.60(5H,m),7.23(4H,m),7.08(2H,m),5.05(2H,m),4.77(0.6H,d),4.58(0.4
H,d),4.02(2H,m),3.28(1H,m),2.77(1H,m),1.79(1H,m),1.55(2H,m),1.07(9
H,m)及び0.80(6H,m)工程F
:
3-(1-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピルカルバモイル)-2-(1,
3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イルメチル)-5-メチル-ヘキサン酸
3-(1-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピルカルバモイル)-2-(
1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イルメチル)-5-メチル-ヘキサン
酸-1-ベンジルエステル(3.46g、6.02mmol)をエチルアセテート(90ml)とシクロヘ
キセン(10ml)に溶解し、
溶液をアルゴンブランケット下に置いた。10%パラジウム炭触媒(0.75g)を加え
、混合物を4時間還流で加熱した。混合物を冷却し、触媒をろ過で除去し、ろ液
を蒸発させて淡黄色泡状物を得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、勾
配溶出、ヘキサン中30-60%エチルアセテート)により、所望の生成物を白色固体
(1.2g、41%)として得た。1H-NMR(CD3OD);δ8.30(1H,m),8.08(1H,m),
7.81(5H,m),7.11(1H,m),4.11(0.75H,m),3.92(0.25H,m),3.76(1H,m),3.13-2
.85(2H,br m),1.72(1H,m),1.53(2H,m),1.14(6.7H,s),1.08(2.3H,s)及び0.8
6(6H,m)工程G
:
N4-(1S-シクロプロピルカルバモイル-2,2-ジメチル-プロピル)-2S-(1,3-ジオ
キソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イルメチル)-N1-ヒドロキシ-3R-イソブ
チル-サクシンアミド
前述の方法(実施例10、工程G)により、3-(1-シクロプロピルカルバモイル-2,
2-ジメチル-プロピルカルバモイル)-2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド
ール-2-イルメチル)-5-メチル-ヘキサン酸(1.20g、2.40mmol)を相当するヒドロ
キサム酸に変えた。カラムクロマトグラフィーでの精製により、所望の生成物を
白色固体として得た。m.p.213-214℃(分解) 1H NMR;δ(CD3OD),7.67(4
H,m),4.19(1H,s),3.94(1H,m),3.44(1H,m),2.74(2H,m),2.52(1H,m),1.35(3
H,m),0.94(9H,s),0.80(3H,d,J=6.4Hz),0.73(3H,d,J=6.6Hz),0.62(2H,m)
及び0.37(2H,m) 13C-NMR;δ(CD3OD),175.7,174.2,171.8,169.1,161.9
,135.3,133.3,124.2,62.2,41.5,39.4,35.1,
27.4,27.0,24.4,23.1,21.9,9.5及び9.4 IR;νmax(KBr);3426,2958,1773,17
18,1642,1527,1468,1432,1397,1368及び1102cm-1
生物学的実施例
以下の表は、本発明の化合物の生体内の有効性をR4=Meである当該分野で公
知である類似化合物(比較化合物1-3)のそれと比較している。
比較化合物1:N4-(2,2-ジメチル-1S-メチルカルバモイル-プロピル)-N1-ヒ
ドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド
比較化合物2:N4-(2,2-ジメチル-1S-メチルカルバモイル-プロピル)-2S,N1
-ジヒドロキシ-3R-イソブチル-サクシンアミド
比較化合物3:N4-(2,2-ジメチル-1S-メチルカルバモイル-プロピル)-2S,N1
-ジヒドロキシ-3R-(3-フェニル-プロピル)-サクシンアミド
コラゲナーゼ阻害剤としての本発明の化合物の有効性は、ここで参考として援
用したコーストン及びバレットの方法(Anal.Biochem.,99,340-345,1979)によ
って決定した。それにより、試験される化合物の1mM溶液又はその希釈液をコラ
ーゲン及びコラゲナーゼ(5mM CaCl2を含む25mM Hepes pH7.5、0.05%Brij
35及び0.02%でNaN3で緩衝)で37℃で16時間インキュベートした。コラーゲン
は、ここで参考として援用したコーストン及びマーフィーの方法(Method in E nzymology
,80,711,1981)により製造したアセチル化14Cコラーゲンであった。未
消化コラーゲンを沈殿させるためサンプルを遠心分離し、放射活性上清の分割量
を加水分解の
尺度としてシンチレーションカウンターでアッセイするために除去した。試験化
合物の1mM又はその希釈液存在下でのコラゲナーゼ活性を、阻害剤のないコン
トロールでの活性に比較し、その結果をコラゲナーゼ活性の50%を阻害する阻害
剤濃度(IC50)の結果として以下に示した。
ストロメリシン阻害剤としての本発明の化合物の有効性は、ここで参考として
援用したコーストンらの方法(Biochem.J.,195,159-165,1981)で決定した。これ
により、試験される化合物の1mM溶液又はその希釈液をストロメリシン及び14C
アセチル化カゼイン(5mM CaCl2を含む25mM Hepes pH7.5、0.05%Brij35及
び0.02%でNaN3で緩衝)で37℃で16時間インキュベートした。カゼインは、コ
ーストンらの方法(同書)により製造したアセチル化14Cカゼインであった。試
験化合物の1mM又はその希釈液存在下でのストロメリシン活性を、阻害剤のない
コントロールでの活性に比較し、その結果をストロメリシン活性の50%を阻害す
る阻害剤濃度(IC50)の結果として以下に示した。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年5月15日
【補正内容】
ロアルキル(C1-C6)アルキル又はシクロアルケニル(C1-C6)アルキル基であり
、そのいずれか1つは(C1-C6)アルキル、-O(C1-C6)アルキル、-S(C1-C6)
アルキル、-O-フェニル、-O(C1-C6)アルキルフェニル、ハロ及びシアノ(-C
N)から選択される1以上の置換基で任意に置換されてもよい;
R3は、いずれかの官能基が保護されていてもよい天然又は非天然のαアミノ
酸の特徴的な基、但し、R3は縮合、又は共役の非置換もしくは置換ビシクロア リールメチレンアルキル基でなく
;
R4は、任意に置換されるC3-C8シクロアルキル基又は任意に置換されるC4-
C8シクロアルケニル基であり;
R5は、水素又は(C1-C6)アルキル基である;]
又はその塩、水和物又は溶媒化物を供する。
ここで用いられる用語“(C1-C6)アルキル”又は“低級アルキル”は、1-6個
の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル分子を意味し、例えばメチル、エチ
ル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル
、ペンチル及びヘキシルを含む。
用語“(C2-C6)アルケニル”は、2-6個の炭素原子を有し、さらにE又はZど
ちらかの立体化学が適用可能な二重結合を1つ有する直鎖又は分枝鎖アルケニル
分子を意味する。この用語は、例えばビニル、1-プロペニル、1-かつ2-ブテニル
及び2-メチル-2-プロペニルを含む。
用語“シクロアルキル”は3-8個の炭素原子を有する飽和脂環式分
子を意味し、例えばシクロヘキシル、シクロオクチル、シクロヘ
フェニル(C1-C6)アルキル、ヘテロアリール(C1-C6)アルキル、シクロアルキ
ル(C1-C6)アルキル又はシクロアルケニル(C1-C6)アルキル基であり、そのい
ずれか1つは(C1-C6)アルキル、-O(C1-C6)アルキル、-S(C1-C6)アルキル
、-O-フェニル、-O(C1-C6)アルキルフェニル、ハロ及びシアノ(-CN)から
選択される1以上の置換基で任意に置換されてもよい;
R3は、いずれかの官能基が保護されていてもよい天然又は非天然のαアミノ
酸の特徴的な基、但し、R3は縮合、又は共役の非置換もしくは置換ビシクロア リールメチレンアルキル基でなく
;
R4は、任意に置換されるC3-C8シクロアルキル基又は任意に置換されるC4-
C8シクロアルケニル基であり;
R5は、水素又は(C1-C6)アルキル基である;]
又はその塩、水和物又は溶媒化物。
2.立体化学が、以下:
R1及びX基を有するC原子 -S、
R2を有するC原子 -R、
R3を有するC原子 -S である請求項1記載の化合物。
3.R1が水素、メチル、エチル、ヒドロキシル、アリル、チエニルスルファニ
ルメチル、チエニルスルフィニルメチル、チエニルスルホニルメチル又はフタル
イミドメチルである請求項1又は2記載の化合物。
4.R2基がイソ-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、
n-ノニル、n-デシル、シクロヘキシルプロピル、フ
ェニルプロピル、3-フェニル-プロプ-2-エニル、4-クロロフェニ
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/40 ABN A61K 31/40 ABN
ACK ACK
GAG GAG
C07C 231/02 C07C 231/02
259/06 259/06
323/60 323/60
C07D 209/48 C07D 333/34
333/34 521/00
521/00 C07D 209/48 Z
// C07M 7:00
(72)発明者 ミラー アンドリュー
イギリス国、オーエックス4 5エルワ
イ、オックスフォード カウリー、ウォト
リントン ロード(番地なし)ブリティッ
シュ バイオテック ファーマシューティ
カルズ リミテッド
(72)発明者 ウィッタカー マーク
イギリス国、オーエックス4 5エルワ
イ、オックスフォード カウリー、ウォト
リントン ロード(番地なし)ブリティッ
シュ バイオテック ファーマシューティ
カルズ リミテッド