【発明の詳細な説明】
光学的に純粋な4−アルケニル又は4−アルカニル−
2−ヒドロキシテトロン酸の合成
発明の背景
本発明は、一般的には、光学的に純粋な4−アルケニル又は4−アルカニル−
2−ヒドロキシテトロン酸aci−レダクトン化合物の合成法に関する。
aci−レダクトン、4−(4−クロロフェニル)−2−ヒドロキシテトロン
酸化合物(CHTA)は、抗高脂血性及び抗凝集性を有し、Witiakら,J .Med. Chem.,
1988,31:1437-1445及びKamannaら,Lipids,1989,24:25-32に開示され
ている古典的なフェノキシ酢酸とは異なっている。無置換、2−アルカニル及び
2−アシルテトロン酸は天然によく見出されるが、2−ヒドロキシ置換酸化還元
系はビタミンC及びその密接に関係した類縁体(イソアスコルビン酸、エリトロ
アスコルビン酸)及び誘導体並びにマクロライド抗生物質クロロトリシンにのみ
見られる。
CHTAのような2−ヒドロキシテトロン酸aci−レダクトン化合物の抗凝
集活性は、血小板がアテローム性動脈硬化症の発生に関与するので興味深いもの
である。2−ヒドロキシテトロン酸aci−レダクトン化合物は、Witiakら,J .Med.Chem
.,1982,25:90-93に報告されているように、シクロオキシゲナーゼ
(CO)誘導ヒト血小板凝集及び[14C]−セロトニンの分泌を等価量の濃度依
存方式で阻止する。CHTA化合物は、最後にはトロンボキサンA2合成の遮断
をもたらす酵素阻害及びROS捕捉の双方の機序によって血小板の機能を抑制す
る。2−ヒドロキシテトロン酸のような酸化還元類縁体は、膜における酸化防止
剤として作用し、環状プロスタグランジンエンドペルオキシド(PGG2及びPG
H2)の生合成及びその後のアラキドン酸からのトロンボキサンA2の生合成に関
与するフリーラジカルプロセスも妨害する。
CHTAのようなaci−レダクトン化合物は、多くの生物学的性質を有し、
潜在的に多くの治療用途がある。抗高脂血活性及び抗血栓活性を示し、ヒト末梢
血単核細胞(PBMC)においてIL−2促進リンホカイン活性化キラー(LA
K)細胞活性の有効性を高める。
aci−レダクトン化合物は、CO依存性AA誘導血小板凝集を阻止する。Wi
tiakら,J .Med.Chem.,1982,25:90-93;Witiakら,1988,J .Med.Chem.,31:14
37-1445及びWitiakら,J .Med.Chem.,1986,29:2170-2174参照。正の自由エネ
ルギーの直線的関係は、酵素阻害と算出した疎水性(π)パラメーター間に見ら
れる。即ち、4−ビフェニル及び4−(4′−クロロビフェニル)−2−ヒドロ
キシテトロン酸は、‘π’推定値1.96及び2.67を有し、AA誘導血小板凝
集を各々IC50135μM及び44μMで阻止する。
4−アリール−2−ヒドロキシテトロン酸は、IL−2誘導LAK活性を増強
する。この活性は、CO阻害に部分的に関係がある。IL−2によって誘導され
た強い殺腫瘍性のリンパ球は、従来の抗腫瘍療法が有効でないがんの治療に治療
可能性がある。IL−2活性化の副産物、PGE2及びスーパーオキシドアニオ
ンラジカルのような反応性酸素化学種(ROS)はLAK活性を阻害する。4−
アリール、4−アルカニル及び4,4−スピロアルカニル-2−ヒドロキシテトロ
ン酸のようなaci−レダクトン化合物は、CO及びPGE2の生産を阻害しR
OSを捕捉してIL−2誘導LAK活性を改善する。4時間51Cr標準分析にお
いて認められたLAK活性の改善は、CO阻害剤のインドメタシン並びにROS
捕捉酵素のスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)及びカタラーゼを用いて得
られた両方の相乗作用に匹敵する。Triozziら,Int .J.Immunopharmac.,1993,15
:47-54及びWitiakら,Am .Canc.Res.Mtg.,1993,フロリダ参照。即ち、ac
i−レダクトン化合物は、IL−2がん治療を増強するのに有効なものである。
aci−レダクトン化合物は、また、抗高脂血性であり、コレステロール/コ
ール酸食餌ラットにおいて全血清コレステロール、トリグリセリド、VLDL及
びLDLを低下させる。これらの化合物は、生体内でVLDL中のアポBを減少
させかつ試験管内で銅触媒LDL酸化を阻害することがわかった。Witiakら,J. Med .Chem
.,1982,25:90-93(1982);Witiakら,Actual Chem .Ther.,1988,15:4
1-62(1988)及びWitiakら,J .Med.Chem.,1988,31:1437-1445参照。
フリーラジカルは、UV、薬剤及び生体異物誘導毒性に重要な役割を果たし、
過酸化水素及びヒドロキシル基を含むスーパーオキシド及び他のROSに対して
分子酸素を活性化する。SOD及びカタラーゼのような酵素及びグルタチオン、
レチノイン酸及びアスコルビン酸のようなラジカル捕捉剤を含む防御機構は、R
OSを抑制することによりタンパク質及び核酸をフリーラジカル毒性から保護す
る。ROSからの保護が不十分であると、心筋乏血、光感受性、放射線感作、赤
血球溶血及びアテローム性動脈硬化をきたす。4−アリール−2−ヒドロキシテ
トロン酸は、プロブコール及びα−トコフェロールと同様の酸化防止効率を有す
ることがわかった。Witiakら,“薬化学の傾向”,pp.243-256,Blackwell Scie
ntific Publications:オックスフォード,1990参照。
アスコルビン酸以外の2−ヒドロキシテトロン酸の合成が、Haynes & Plimmer
,“テトロン酸”,Ouart .Rev.,1960,292-315及びShank,“レダクトン”,Sy nthesis,
1972,176-90で再検討された。2−ヒドロキシテトロン酸は、一般的
には次の3種類の経路を用いて調製された:(1)対応するテトロン酸核の2位に
ヒドロキシル基の挿入;(2)置換グリオキシレートエステルの分子間クライゼン
環化; 及び(3)2,4−ジヒドロキシ−3−ケトブタノエートの塩基促進環化
。
Witiak & Tehim,J .Org.Chem.,1987,52:2324-2327は、プロパルギルアルコ
ールをナトリウムメトキシドで処理することによりスピロテトロン酸メチルへ変
換して5及び6員スピロ2−ヒドロキシテトロン酸を合成した。α−リチウム化
による2位のヒドロキシル化及びジベンゾイルペルオキシドとの反応を試みると
、対応する2−ベンゾイルオキシテトロン酸の収率はわずか6%であった。しか
しながら、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、ボロン酸エステル生成[
B(MeO)3]及び酸化加水分解(AcOH、H2O2)を用いるリチウム化によっ
て、2−ヒドロキシル基が良好な収率で導入された。2−ヒドロキシテトロン酸
メチルは、48%HBr中45℃で12時間攪拌することにより対応するaci
−レダクトンに変換された。Ireland & Thompson,J .Org.Chem.,1979,44: 30
41-3052は、2−ヒドロキシテトロン酸の構築にクライゼン縮合を使用した。
Witiak & Tehim,J .Org.Chem.,1987,52:2324-2327は、上記Ireland &
Thompsonによって開発された方法を用いて5及び6員スピロ−2−ヒドロキシテ
トロン酸を調製した。この方法は、必要な工程が少なくかつ全収率が高いのでヒ
ドロキシル基挿入法の使用より優れていた。例えば、容易に調製されたメトキシ
又はベンジルオキシチオカルボキシレート中間体をLDA又はリチウムヘキサメ
チルジシラジド(LiHMDA)を−78℃でクライゼン環化すると高収率が生
じた。得られた2−メトキシテトロン酸は、アセチル化し引き続きBBr3と反
応させることにより脱保護され、2−ベンジルオキシテトロン酸は転移水素添加
により標的2−ヒドロキシテトロン酸に変換した。
Witiak & Tehim,J .Org.Chem.,1990,55:1112-1114は、速度論的に制御され
た条件下にクライゼン環化を用いる光学的に純粋な(S)−(+)−4−フェニ
ル−2−ヒドロキシテトロン酸の第1合成を開発した。対応するマンデル酸メチ
ルの2−ベンジルオキシメトキシアセテート誘導体は、立体障害非求核塩基、リ
チウムジシクロヘキシルアミド(LiDCyA)を用いて−100℃でその環化
を行った。引き続き、そのテトロン酸のベンジル基を脱保護すると所望の化合物
が低い全収率で生成した;両方の工程に対して12%。
米国特許第5,095,126号及び米国特許出願第07/847,295号は、光学的に純粋な
立体形成的に不安定な4−置換−2−ヒドロキシテトロン酸化合物の調製に関す
るものである。
発明の要約
本発明は、光学的に純粋な4−アルケニル又は4−アルカニル−2−ヒドロキ
シテトロン酸及びその製造方法に関する。本発明のキラル方法は、光学的に純粋
なメチル2−アルカニル又は2−アルケニル−置換−2−[(2−アリルオキシ)
アセチルオキシ]アセテートのクライゼン縮合を使用して4−アルカニル又は4
−アルケニル置換2−アリルオキシテトロン酸を生成するものである。脱保護し
て標的aci−レダクトン化合物を得る。
本発明は、また、かかる光学的に純粋な化合物を血小板凝集の強力な阻害剤と
して使用する方法及び医薬組成物に関する。
本発明は、また、冠状動脈疾患、血小板凝集及び血栓症の治療及び/又は予防
及び/又はアテローム性動脈硬化症の予防のために使用されるかかる組成物の医
薬使用に関する。
発明の詳細な説明
第1実施態様においては、本発明は、下記一般式Ia又はIbを有する光学的
に純粋な4−アルケニル又は4−アルカニル−2−ヒドロキシテトロン酸化合物
に関する。
(式中、Rは炭素原子2〜20個を有するアルケニル基又は炭素原子9〜20個
を有するアルカニル基であり、アルケニル基の場合、1以上の不飽和度を有する
。)
組成物態様においては、本発明は、一般式Ia又はIbの光学的に純粋な化合
物を生理的に許容しうる担体又は賦形剤と共に動物又は患者において抗高脂血活
性又は抗凝集活性を有するのに十分な量で含む新規な医薬組成物を包含する。即
ち、本発明の化合物及びその組成物は、アテローム性動脈硬化症の治療又は予防
に有効である。
本明細書で用いられる“1以上の不飽和度を有する炭素原子2〜20個を有す
るアルケニル基”という語は、1個以上の二重結合を含み、1個以上のハロゲン
、低級アルカニル、アルコキシ、芳香族又は複素環基で任意に置換することがで
きる有機アルカニル基を意味する。無置換アルケニル基の例としては、3−オク
タデセニル、3,6,9,12−オクタデカテトラエニル等が挙げられる。炭素原子9〜
20個を有するアルカニル基の例としては、ヘキサデカニル、ヘプタデカニル、
オクタデカニル、ノナデカニル及びエイコサニル並びにその対応する分枝鎖類縁
体が挙げられる。
置換低級アルケニル基の例としては、ハロゲン置換アルケニル、例えば、フル
オロ、クロロ、ブロモ及びヨード置換アルケニル;アルカニル置換アルケニル、
例えば、メタニル、エタニル及び類似のアルケニル;及びアルコキシ置換アルケ
ニル、例えば、メトキシ、エトキシ及び類似のアルケニルが挙げられる。
本明細書で用いられる“低級アルカニル”という語は、炭素原子を好ましくは
1〜6個有する直鎖又は分枝鎖飽和脂肪族炭化水素基を意味する。その代表的な
基は、メチル、エタニル、イソプロパニル、イソブタニル、ブタニル、ペンタニ
ル、ヘキサニル等である。
“アルコキシ”という語は、酸素によって分子の残りに結合した低級アルカニ
ル基を意味する。アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
イソプロポキシ等である。“アリール”という語は、1個以上のハロゲン原子、
例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨード又は低級アルカニル基によって任
意に置換されていてもよいフェニル又はベンジルを意味する。
本発明の第2実施態様は、下記式Iを有する光学的に純粋な4−置換−2−ヒ
ドロキシテトロン酸化合物の製造方法に関する。
(式中、R′は炭素原子2〜20個を有するアルケニル基又はアルカニル基であ
り、アルケニル基の場合、1以上の不飽和度を有するか又はアリール基である。
)
本方法は、下記の工程を含む。
(a)α−アリルオキシ酢酸と下記式IIを有する光学的に純粋なアルカニル
エステル又はその対応する異性体
(式中、R′は下で定義され、alkは炭素原子1〜6個を有する低級アルカニ
ル基である。)をDCC(N,N1−ジシクロヘキシルカルボジイミド)及び4
−ピロリジノピリジン又はジメチルアミノピリジンのような酸受容体の存在下に
カップリングして下記式IIIを有するα−アリルオキシアセチルエステル又は
その対応する異性体を得る工程、
(式中、alk及びR′は下で定義される。);
(b)式IIIのアリルエステルをLiHMDAで環化して下記式IVを有す
るアリルオキシaci−レダクトン又はその対応する異性体を得る工程、
(式中、R′は下で定義される。);
(c)式IVのアリルオキシaci−レダクトンを水素及びイリジウム触媒で
異性化して下記式Vを有する対応する1−プロペニルエーテル又はその対応する
異性体を得る工程、
(式中、R′は下で定義される。);及び
(d)式Vのエノールエーテル又はその対応する異性体を酸水溶液で加水分解
して所望の式Iの化合物を得る工程。
工程(a)のカップリングは、典型的には、不活性雰囲気下に塩化メチレンの
ような無水溶媒中で行われる。反応は、約5℃から室温までの温度で6〜24時
間行われることが好ましい。カップリング試薬は、DCC又はヒドロキシベンゾ
トリアジン(HOBT)等が4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMA
P)、4−ピロリジノピリジン又はこの目的に典型的に用いられるもののような
触媒求核基を併用して用いられる。
工程(b)の環化は、典型的には不活性雰囲気下にテトラヒドロフランのよう
な無水溶媒中で行われる。この反応は、約−78℃の温度で1〜4時間行われる
ことが好ましい。LiHMDAは、典型的には、立体障害非求核塩基として用い
られるが、他の類似の立体障害塩基に置き換えることもできる。
工程(c)の異性化は、不活性雰囲気下にテトラヒドロフランのような無水溶
媒中で行われることが好ましい。典型的には、反応は室温で行われ、反応時間は
約1〜4時間である。
工程(d)の加水分解は、還流温度で酸水溶液、好ましくは50%酢酸を用い
て行われる。
本発明は、また、上記一般式Iの光学的に純粋な化合物又はその生理的に許容
しうる塩(例えば、Na+、K+、NH4 +)を含む医薬組成物を提供する。
本発明の化合物は、抗高脂血活性及び抗凝集活性を有し、アテローム性動脈硬
化症の治療又は予防に有効である。従って、本発明は、更に、アテローム性動脈
硬化症の治療又は予防に使用するための一般式Iの光学的に純粋な化合物又はそ
の生理的に許容しうる塩を提供する。
当該技術において記載された方法に従って試験した場合、下記式を有する式I
bの(S)−異性体は、対応する(R)−異性体に比べて顕著に優れた性質を有
することが判明した。
(Rは上で定義した通りである。)
R及びS−エナンチオマーを、ヒト血小板を多く含んだ血漿においてアラキド
ン酸誘導血小板凝集阻止剤として試験した。個々の実験(2人の別のドナー)の
データをpIC50として示す(アラキドン酸に対する凝集を50%だけ阻止する
各薬剤の対数モル阻止濃度)。アラキドン酸の添加(200〜400μM)前に、
阻止剤を1分間プレインキュベートした。光透過の変化を凝集指数として測定し
、4分後に定量した。
これらの性質を下記表1及び2に纏める。
更に、広範囲スペクトルのヒト単球活性を試験する標準化スクリーンでの試験
は、本発明の化合物が急性及び慢性炎症を伴う病変の治療に有効にする活性のス
ペクトルを有することを示している。これらのアッセイは下記の通りであり、下
記表3は各々これらのアッセイでの化合物の試験結果を示すものである。
アッセイ: 腫瘍壊死因子−α(TNFα)
本アッセイは、精製ヒト単球からのTNFαの生産に関する試験化合物の影響
を求めるものである。化合物について活性化単球におけるTNFα生産のダウン
レギュレーション能又は無刺激単球におけるTNFα分泌のアップレギュレーシ
ョン能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範囲にわたる
4種の希釈度で16時間インキュベートする。適切な場合には、リポポリサッカ
リド(LPS)が単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のTNFαのレベルを、96ウェル方式で行われる固相酵素結
合イムノアッセイ(EIA)で定量する。試料中に存在するTNFαは、ウェル
上に固定化された特異的モノクローナル抗体によって捕捉され、セイヨウワサビ
ペルオキシダーゼに結合した抗TNFαポリクローナル抗体、次に適切な基質を
用いて検出する。TNFαのレベルは、標準曲線から得られた基質における色の
変化を内挿することにより求める。上清は全て対照及び標準と共に2回の実験で
試験する。
アッセイ: インターロイキン−1β(IL−1β)
本アッセイは、精製ヒト単球からのIL−1β分泌に関する試験化合物の影響
を求めるものである。化合物について活性化単球におけるIL−1β生産のダウ
ンレギュレーション能又は無刺激単球におけるIL−1β分泌のアップレギュレ
ーション能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範囲にわ
たる4種の希釈度で16時間インキュベートする。適切な場合には、リポポリサ
ッカリド(LPS)が単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のIL−1βのレベルを、96ウェル方式で行われる固相酵素
結合イムノアッセイ(EIA)で定量する。試料中に存在するIL−1βは、ウ
ェル上に固定化された特異的モノクローナル抗体によって捕捉され、セイヨウワ
サビペルオキシダーゼに結合した抗IL−1βポリクローナル抗体、次に適切な
基質を用いてプローブする。IL−1βのレベルは、標準曲線から得られた基質
における色の変化を内挿することにより求める。上清は全て対照と標準と共に2
回の実験で試験する。
アッセイ: インターロイキン−6(IL−6)
本アッセイは、精製ヒト単球からのIL−6分泌に関する試験化合物の影響を
求めるものである。化合物について活性化単球におけるIL−6生産のダウンレ
ギュレーション能又は無刺激単球におけるIL−6分泌のアップレギュレーショ
ン能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範囲にわたる4
種の希釈度で16時間インキュベートする。適切な場合には、リポポリサッカリ
ド(LPS)が単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のIL−6のレベルを、96ウェル方式で行われる固相酵素結
合イムノアッセイ(EIA)で定量する。試料中に存在するIL−6は、ウェル
上に固定化された特異的モノクローナル抗体によって捕捉され、セイヨウワサビ
ペルオキシダーゼに結合した抗IL−6ポリクローナル抗体、次に適切な基質を
用いてプローブする。IL−6のレベルは、標準曲線から得られた基質における
色の変化を内挿することにより求める。上清は全て対照及び標準と共に2回の実
験で試験する。
アッセイ: インターロイキン−8(IL−8)
本アッセイは、精製ヒト単球からのIL−8分泌に関する試験化合物の影響を
求めるものである。化合物について活性化単球におけるIL−8生産のダウンレ
ギュレーション能又は無刺激単球におけるIL−8分泌のアップレギュレーショ
ン能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範囲にわたる4
種の希釈度で16時間インキュベートする。適切な場合には、リポポリサッカリ
ド(LPS)が単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のIL−8のレベルを、96ウェル方式で行われる固相酵素結
合イムノアッセイ(EIA)で定量する。試料中に存在するIL−8は、ウェル
上に固定化された特異的モノクローナル抗体によって捕捉され、セイヨウワサビ
ペルオキシダーゼに結合した抗IL−8ポリクローナル抗体、次に適切な基質を
用いてプローブする。IL−8のレベルは、標準曲線から得られた基質における
色の変化を内挿することにより求める。上清は全て対照及び標準と共に2回の実
験で試験する。
アッセイ: 顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)
本アッセイは、精製ヒト単球からのGM−CSF発現に関する試験化合物の影
響を求めるものである。化合物について活性化単球におけるGM−CSF生産の
ダウンレギュレーション能又は無刺激単球におけるGM−CSF分泌のアップレ
ギュレーション能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範
囲にわたる4種の希釈度で16時間インキュベートする。適切な場合には、リポ
ポリサッカリド(LPS)が単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のGM−CSFのレベルを、96ウェル方式で行われる固相酵
素結合イムノアッセイ(EIA)で定量する。試料中に存在するGM−CSFは
、ウェル上に固定化された特異的モノクローナル抗体によって捕捉され、セイヨ
ウワサビペルオキシダーゼに結合した抗GM−CSFポリクローナル抗体、次に
適切な基質を用いてプローブする。GM−CSFのレベルは、標準曲線から得ら
れた基質における色の変化を内挿することにより求める。上清は全て対照及び標
準と共に2回の実験で試験する。
アッセイ: インターロイキン−1レセプター拮抗体(IL−1ra)
本アッセイは、精製ヒト単球からのIL−1ra分泌に関する試験化合物の影
響を求めるものである。化合物について無刺激単球及び活性化単球におけるIL
−1ra生産のダウンレギュレーション又はアップレギュレーション能を試験す
る。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範囲にわたる4種の希釈度で
16時間インキュベートする。適切な場合には、リポポリサッカリド(LPS)
が単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のIL−1raのレベルを、96ウェル方式で行われる固相酵
素結合イムノアッセイ(EIA)で定量する。試料中に存在するIL−1raは
、ウェル上に固定化された特異的モノクローナル抗体によって捕捉され、抗IL
−1raポリクローナル抗体でプローブする。次いで、セイヨウワサビペルオキ
シダーゼに結合した第2抗体、次に適切な基質を添加する。IL−1raのレベ
ルは、標準曲線から得られた基質における色の変化を内挿することにより求める
。
上清は全て対照及び標準と共に2回の実験で試験する。
アッセイ: 組織因子(TF)
本アッセイは、精製ヒト単球からの膜結合組織因子(TF)の生産に関する試
験化合物の影響を求めるものである。化合物について活性化単球におけるTF生
産のダウンレギュレーション能又は無刺激単球におけるTF生産のアップレギュ
レーション能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範囲に
わたる4種の希釈度で16時間インキュベートする。適切な場合には、リポポリ
サッカリド(LPS)が単球を刺激するために用いられる。
上記インキュベーション時間後、培養液を単球から吸引し、細胞をトリトン-X
100に可溶化する。可溶性画分中のTFのレベルを、96ウェル方式で行われる
固相酵素結合イムノアッセイ(EIA)で定量する。試料中に存在するTFは、
ウェル上に固定化された特異的モノクローナル抗体によって捕捉され、結合した
TFに特異的なビオチニル化抗体断片、次にセイヨウワサビペルオキシダーゼに
結合したストレプタビジン及び適切な基質を用いて検出する。TFのレベルは、
標準曲線から得られた基質における色の変化を内挿することにより求める。上清
は全て対照及び標準と共に2回の実験で試験する。
アッセイ: ロイコトリエンB4(LTB4)
本アッセイは、精製ヒト単球によって産生された5−リポオキシゲナーゼによ
るアラキドン酸の酸素化によって産生されたLTB4量をモジュレートする試験
化合物の効力を測定するものである。化合物について活性化単球からのLTB4
分泌のダウンレギュレーション能又は無刺激単球からのLTB4分泌のアップレ
ギュレーション能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範
囲にわたる4種の希釈度で90分間インキュベートする。適切な場合には、ザイ
モサンが単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のLTB4のレベルを、96ウェル方式で行われるイムノアッ
セイで定量する。未知化合物によってモジュレートされたLTB4レベルは、標
準曲線から内挿することにより求める。化合物は全て対照及び標準と共に2回の
実験で試験する。
アッセイ: 血小板活性化因子(PAF)
本アッセイは、精製ヒト単球によって産生されたPAF量をモジュレートする
試験化合物の効力を測定するものである。化合物について活性化単球からのPA
F分泌のダウンレギュレーション能又は無刺激単球からのPAF分泌のアップレ
ギュレーション能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範
囲にわたる4種の希釈度で90分間インキュベートする。適切な場合には、ザイ
モサンが単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のPAFのレベルを、96ウェル方式で行われるイムノアッセ
イで定量する。未知化合物によってモジュレートされたPAFレベルは、標準曲
線から内挿することにより求める。化合物は全て対照及び標準と共に2回の実験
で試験する。
アッセイ: プロスタグランジンE2(PGE2)
本法は、精製ヒト単球によって産生されたPGE2量をモジュレートする試験
化合物の効力を測定するものである。化合物について活性化単球からのPGE2
分泌のダウンレギュレーション能又は無刺激単球からのPGE2分泌のアップレ
ギュレーション能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範
囲にわたる4種の希釈度で90分間インキュベートする。適切な場合には、ザイ
モサンが単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のPGE2のレベルを、96ウェル方式で行われるイムノアッ
セイで定量する。未知化合物によってモジュレートされたPGE2レベルは、標
準曲線から内挿することにより求める。化合物は全て対照及び標準と共に2回の
実験で試験する。
アッセイ: トロンボキサンA2(TxA2)
本法は、精製ヒト単球によって産生されたTxA2(主要シクロオキシゲナーゼ
産物)量をモジュレートする試験化合物の効力を測定するものである。化合物に
ついて活性化単球からのTxA2分泌のダウンレギュレーション能又は無刺激単
球からのTxA2分泌のアップレギュレーション能を試験する。試験化合物を精
製ヒト単球とlog10濃度3の範囲にわたる4種の希釈度で90分間インキュベ
ートする。適切な場合には、ザイモサンが単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のTxA2のレベルを、96ウェル方式で行われるイムノアッ
セイで定量する。未知化合物によってモジュレートされたTxA2レベルは、標
準曲線から内挿することにより求める。化合物は全て対照及び標準と共に2回の
実験で試験する。
アッセイ: ペプチドロイコトリエン
本法は、精製ヒト単球によって産生されたペプチドロイコトリエン量をモジュ
レートする試験化合物の効力を測定するものである。化合物について活性化単球
からのペプチドロイコトリエン分泌のダウンレギュレーション能又は無刺激単球
からのペプチドロイコトリエン分泌のアップレギュレーション能を試験する。試
験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範囲にわたる4種の希釈度で90分
間インキュベートする。適切な場合には、ザイモサンが単球を刺激するために用
いられる。
得られた上清中のペプチドロイコトリエンのレベルを、96ウェル方式で行わ
れるイムノアッセイで定量する。未知化合物によってモジュレートされたペプチ
ドロイコトリエンレベルは、標準曲線から内挿することにより求める。化合物は
全て対照及び標準と共に2回の実験で試験する。
アッセイ: ホスホリパーゼA2(PLA2)
本アッセイは、ヒト単球における細胞ホスホリパーゼA2の活性をモジュレー
トする試験化合物の効力を測定するものである。化合物についてホスホリパーゼ
A2活性の刺激阻害能又は無刺激単球における基礎活性の活性化阻害能を試験す
る。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範囲にわたる4種の希釈度で
90分間インキュベートする。適切な場合には、ザイモサンが単球を刺激するた
めに用いられる。
放射能標識したリン脂質のアラキドニル部分を有する単球を、96ウェル方式
で用いる。放射能標識した脂肪酸の細胞外培養液への放出%を液体シンチレーシ
ョン計数により定量する。化合物は全て対照及び標準と共に2回の実験で試験す
る。
アッセイ: 走化性
本アッセイは、化学誘因物質に応答して精製ヒト単球の走化性応答をモジュレ
ートする試験化合物の効力を測定するものである。化合物をlog10濃度3の範
囲にわたる4種の希釈度で試験する。試験化合物を蛍光指示薬で標識した単球と
混合し、走化性チャンバの上部ウェルに入れ、最適化濃度よりも大きい単球化学
誘因物質をウェルの下に入れ、微多孔性フィルターで分ける。60分後、フィル
ターを通る細胞の遊走を蛍光測定で定量し、自然対照及び最大対照に関して示す
。試験は全て3回の実験で行われる。
アッセイ: 細胞接着
本アッセイは、精製ヒト単球のヒト臍静脈の内皮細胞(HUVEC)培養物へ
の接着をモジュレートする試験化合物の効力を測定するものである。HUVEC
は、96ウェルプレートで集密まで培養する。精製ヒト単球は、蛍光色素で標識
する。HUVEC及び単球の3回の実験の培養物を、log10濃度3の範囲にわ
たる4種の希釈度の試験化合物、更に刺激及び無刺激対照で処理する。処理の1
時間後、TNFαをHUVEC培養物に加えて接着分子の生産を刺激する。12
時間インキュベートした後、処理した単球を対応するHUVEC培養物に加え、
10分間インキュベートする。刺激指数(S.I.)は、96ウェル方式で蛍光測定
の読み出しを用いて処理培養物の蛍光を未処理対照と比べることにより求める。
アッセイ: スーパーオキシドアニオン遊離
本アッセイは、ザイモサンに応答してスーパーオキシドアニオンを遊離する精
製ヒト単球の能力をモジュレートする試験化合物の効力を測定する。化合物は、
log10濃度3の範囲にわたる4種の希釈度で試験する。単球−化合物培養物を
ザイモンで処理してアニオン産生を刺激する。産生したスーパーオキシドアニオ
ン量は、比色分析法で測定される培養物のシトクロムC還元能によって求められ
る。アッセイは96ウェル方式で3回の実験で行い、結果はベースラインの無刺
激対照及び最大対照に関して示される。適切な比較対照は各アッセイについて行
われる。
アッセイ: マイトジェン刺激細胞増殖及び混合リンパ球反応
本法の目的は、正常ヒト単核細胞の混合リンパ球反応及びマイトジェン誘導増
殖に関する試験化合物の影響を求めることである。
細胞増殖の手順: 末梢血単核細胞(PBMNC)を96ウェル細胞培養プレ
ートに加える。化合物は、4回の実験でlog10濃度3の範囲にわたる4種の希
釈度で負の阻止対照と共に試験する。試験化合物を細胞と1時間インキュベート
し、次にフィトヘマグルチニン(PHA)を全ての反応性試験ウェルに加え、培
養物を3日間インキュベートする。次に、培養物を瞬間標識し、3H取込みをWal
lac Betaplateカウンターを用いて求める。
2方法混合リンパ球反応の手順: 2人の別のドナーからのPBMNCを96
ウェル細胞培養プレートに加える。次に、4回の実験でlog103の範囲にわた
る試験化合物の4種の希釈度を負の阻止対照と共にプレートに加え、6日間イン
キュベートする。次に、培養物を瞬間標識し、収集し、上記のように計数する。
上記標準化アッセイで試験すると、式Iの代表的な化合物、即ち、(S)−
3,4−ジヒドロキシ−5−[(Z)−3−オクタデセニル]−2(5H)−フラノ
ンが下記表3に示される次の結果を示すことがわかった。
種々の炎症性サイトカインの作用を阻害する式Iの化合物の効力は、化合物を
種々の治療方法において有効にする。詳細には、TNF−αの作用を仲介又は阻
害する効力は、これらの化合物を種々の侵食性疾患、感染症及び炎症状態の治療
に有効にする。ショック及び組織損傷状態(敗血症性ショック症候群)の引き金
になることがある深刻な細菌性感染症で産生される大量のTNFの阻害が特に重
要である。
更に、式Iの化合物の重要な使用は、慢性の病態で産生される悪液質を仲介す
ることが既知であるTNFを阻害することである。即ち、これらの化合物は、こ
れらの慢性の病態で生じる悪液質の結果を減退及び/又は改善するエイズ及びが
ん患者の補助的治療に特に有効である。
更に、本発明の化合物が特に有効である個々の治療方法は、炎症性サイトカイ
ン、TNF−α及びIL−1の増加量が存在するリウマチ様関節炎の治療である
。これらのサイトカインの作用を仲介及び/又は阻害する効力によって、炎症及
び
重篤な病態を減退又は排除することができる。
本発明の化合物は、また、これらの病態の基礎となる炎症性サイトカインの活
性を阻害することによる多発性硬化症(MS)、クローン病及び潰瘍性大腸炎の
治療に用いられる。
アッセイ: 腫瘍壊死因子−α(TNFα)
本アッセイは、精製ヒト単球からのTNFαの生産に関する試験化合物の影響
を求めるものである。化合物について活性化単球におけるTNFα生産のダウン
レギュレーション能又は無刺激単球におけるTNFα分泌のアップレギュレーシ
ョン能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範囲にわたる
4種の希釈度で16時間インキュベートする。適切な場合には、リポポリサッカ
リド(LPS)が単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のTNFαのレベルを、96ウェル方式で行われる固相酵素結
合イムノアッセイ(EIA)で定量する。試料中に存在するTNFαは、ウェル
上に固定化された特異的モノクローナル抗体によって捕捉され、セイヨウワサビ
ペルオキシダーゼに結合した抗TNFαポリクローナル抗体、次に適切な基質を
用いて検出する。TNFαのレベルは、標準曲線から得られた基質における色の
変化を内挿することにより求める。上清は全て対照及び標準と共に2回の実験で
試験する。
アッセイ: インターロイキン−1β(IL−1β)
本アッセイは、精製ヒト単球からのIL−1β分泌に関する試験化合物の影響
を求めるものである。化合物について活性化単球におけるIL−1β生産のダウ
ンレギュレーション能又は無刺激単球におけるIL−1β分泌のアップレギュレ
ーション能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範囲にわ
たる4種の希釈度で16時間インキュベートする。適切な場合には、リポポリサ
ッカリド(LPS)が単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のIL−1βのレベルを、96ウェル方式で行われる固相酵素
結合イムノアッセイ(EIA)で定量する。試料中に存在するIL−1βは、ウ
ェル上に固定化された特異的モノクローナル抗体によって捕捉され、セイヨウワ
サビペルオキシダーゼに結合した抗IL−1βポリクローナル抗体、次に適切な
基質を用いてプローブする。IL−1βのレベルは、標準曲線から得られた基質
における色の変化を内挿することにより求める。上清は全て対照と標準と共に2
回の実験で試験する。
アッセイ: インターロイキン−6(IL−6)
本アッセイは、精製ヒト単球からのIL−6分泌に関する試験化合物の影響を
求めるものである。化合物について活性化単球におけるIL−6生産のダウンレ
ギュレーション能又は無刺激単球におけるIL−6分泌のアップレギュレーショ
ン能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範囲にわたる4
種の希釈度で16時間インキュベートする。適切な場合には、リポポリサッカリ
ド(LPS)が単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のIL−6のレベルを、96ウェル方式で行われる固相酵素結
合イムノアッセイ(EIA)で定量する。試料中に存在するIL−6は、ウェル
上に固定化された特異的モノクローナル抗体によって捕捉され、セイヨウワサビ
ペルオキシダーゼに結合した抗IL−6ポリクローナル抗体、次に適切な基質を
用いてプローブする。IL−6のレベルは、標準曲線から得られた基質における
色の変化を内挿することにより求める。上清は全て対照及び標準と共に2回の実
験で試験する。
アッセイ: インターロイキン−8(IL−8)
本アッセイは、精製ヒト単球からのIL−8分泌に関する試験化合物の影響を
求めるものである。化合物について活性化単球におけるIL−8生産のダウンレ
ギュレーション能又は無刺激単球におけるIL−8分泌のアップレギュレーショ
ン能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範囲にわたる4
種の希釈度で16時間インキュベートする。適切な場合には、リポポリサッカリ
ド(LPS)が単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のIL−8のレベルを、96ウェル方式で行われる固相酵素結
合イムノアッセイ(EIA)で定量する。試料中に存在するIL−8は、ウェル
上に固定化された特異的モノクローナル抗体によって捕捉され、セイヨウワサビ
ペルオキシダーゼに結合した抗IL−8ポリクローナル抗体、次に適切な基質を
用いてプローブする。IL−8のレベルは、標準曲線から得られた基質における
色の変化を内挿することにより求める。上清は全て対照及び標準と共に2回の実
験で試験する。
アッセイ: 顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)
本アッセイは、精製ヒト単球からのGM−CSF発現に関する試験化合物の影
響を求めるものである。化合物について活性化単球におけるGM−CSF生産の
ダウンレギュレーション能又は無刺激単球におけるGM−CSF分泌のアップレ
ギュレーション能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範
囲にわたる4種の希釈度で16時間インキュベートする。適切な場合には、リポ
ポリサッカリド(LPS)が単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のGM−CSFのレベルを、96ウェル方式で行われる固相酵
素結合イムノアッセイ(EIA)で定量する。試料中に存在するGM−CSFは
、ウェル上に固定化された特異的モノクローナル抗体によって捕捉され、セイヨ
ウワサビペルオキシダーゼに結合した抗GM−CSFポリクローナル抗体、次に
適切な基質を用いてプローブする。GM−CSFのレベルは、標準曲線から得ら
れた基質における色の変化を内挿することにより求める。上清は全て対照及び標
準と共に2回の実験で試験する。
アッセイ: インターロイキン−1レセプター拮抗体(IL−1ra)
本アッセイは、精製ヒト単球からのIL−1ra分泌に関する試験化合物の影
響を求めるものである。化合物について無刺激単球及び活性化単球におけるIL
−1ra生産のダウンレギュレーション又はアップレギュレーション能を試験す
る。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範囲にわたる4種の希釈度で
16時間インキュベートする。適切な場合には、リポポリサッカリド(LPS)
が単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のIL−1raのレベルを、96ウェル方式で行われる固相酵
素結合イムノアッセイ(EIA)で定量する。試料中に存在するIL−1raは
、ウェル上に固定化された特異的モノクローナル抗体によって捕捉され、抗IL
−1raポリクローナル抗体でプローブする。次いで、セイヨウワサビペルオキ
シダーゼに結合した第2抗体、次に適切な基質を添加する。IL−1raのレベ
ルは、標準曲線から得られた基質における色の変化を内挿することにより求める
。
上清は全て対照及び標準と共に2回の実験で試験する。
アッセイ: 組織因子(TF)
本アッセイは、精製ヒト単球からの膜結合組織因子(TF)の生産に関する試
験化合物の影響を求めるものである。化合物について活性化単球におけるTF生
産のダウンレギュレーション能又は無刺激単球におけるTF生産のアップレギュ
レーション能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範囲に
わたる4種の希釈度で16時間インキュベートする。適切な場合には、リポポリ
サッカリド(LPS)が単球を刺激するために用いられる。
上記インキュベーション時間後、培養液を単球から吸引し、細胞をトリトン-X
100に可溶化する。可溶性画分中のTFのレベルを、96ウェル方式で行われる
固相酵素結合イムノアッセイ(EIA)で定量する。試料中に存在するTFは、
ウェル上に固定化された特異的モノクローナル抗体によって捕捉され、結合した
TFに特異的なビオチニル化抗体断片、次にセイヨウワサビペルオキシダーゼに
結合したストレプタビジン及び適切な基質を用いて検出する。TFのレベルは、
標準曲線から得られた基質における色の変化を内挿することにより求める。上清
は全て対照及び標準と共に2回の実験で試験する。
アッセイ: ロイコトリエンB4(LTB4)
本アッセイは、精製ヒト単球によって産生された5−リポオキシゲナーゼによ
るアラキドン酸の酸素化によって産生されたLTB4量をモジュレートする試験
化合物の効力を測定するものである。化合物について活性化単球からのLTB4
分泌のダウンレギュレーション能又は無刺激単球からのLTB4分泌のアップレ
ギュレーション能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範
囲にわたる4種の希釈度で90分間インキュベートする。適切な場合には、ザイ
モサンが単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のLTB4のレベルを、96ウェル方式で行われるイムノアッ
セイで定量する。未知化合物によってモジュレートされたLTB4レベルは、標
準曲線から内挿することにより求める。化合物は全て対照及び標準と共に2回の
実験で試験する。
アッセイ: 血小板活性化因子(PAF)
本アッセイは、精製ヒト単球によって産生されたPAF量をモジュレートする
試験化合物の効力を測定するものである。化合物について活性化単球からのPA
F分泌のダウンレギュレーション能又は無刺激単球からのPAF分泌のアップレ
ギュレーション能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範
囲にわたる4種の希釈度で90分間インキュベートする。適切な場合には、ザイ
モサンが単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のPAFのレベルを、96ウェル方式で行われるイムノアッセ
イで定量する。未知化合物によってモジュレートされたPAFレベルは、標準曲
線から内挿することにより求める。化合物は全て対照及び標準と共に2回の実験
で試験する。
アッセイ: プロスタグランジンE2(PGE2)
本法は、精製ヒト単球によって産生されたPGE2量をモジュレートする試験
化合物の効力を測定するものである。化合物について活性化単球からのPGE2
分泌のダウンレギュレーション能又は無刺激単球からのPGE2分泌のアップレ
ギュレーション能を試験する。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範
囲にわたる4種の希釈度で90分間インキュベートする。適切な場合には、ザイ
モサンが単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のPGE2のレベルを、96ウェル方式で行われるイムノアッ
セイで定量する。未知化合物によってモジュレートされたPGE2レベルは、標
準曲線から内挿することにより求める。化合物は全て対照及び標準と共に2回の
実験で試験する。
アッセイ: トロンボキサンA2(TxA2)
本法は、精製ヒト単球によって産生されたTxA2(主要シクロオキシゲナーゼ
産物)量をモジュレートする試験化合物の効力を測定するものである。化合物に
ついて活性化単球からのTxA2分泌のダウンレギュレーション能又は無刺激単
球からのTxA2分泌のアップレギュレーション能を試験する。試験化合物を精
製ヒト単球とlog10濃度3の範囲にわたる4種の希釈度で90分間インキュベ
ートする。適切な場合には、ザイモサンが単球を刺激するために用いられる。
得られた上清中のTxA2のレベルを、96ウェル方式で行われるイムノアッ
セイで定量する。未知化合物によってモジュレートされたTxA2レベルは、標
準曲線から内挿することにより求める。化合物は全て対照及び標準と共に2回の
実験で試験する。
アッセイ: ペプチドロイコトリエン
本法は、精製ヒト単球によって産生されたペプチドロイコトリエン量をモジュ
レートする試験化合物の効力を測定するものである。化合物について活性化単球
からのペプチドロイコトリエン分泌のダウンレギュレーション能又は無刺激単球
からのペプチドロイコトリエン分泌のアップレギュレーション能を試験する。試
験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範囲にわたる4種の希釈度で90分
間インキュベートする。適切な場合には、ザイモサンが単球を刺激するために用
いられる。
得られた上清中のペプチドロイコトリエンのレベルを、96ウェル方式で行わ
れるイムノアッセイで定量する。未知化合物によってモジュレートされたペプチ
ドロイコトリエンレベルは、標準曲線から内挿することにより求める。化合物は
全て対照及び標準と共に2回の実験で試験する。
アッセイ: ホスホリパーゼA2(PLA2)
本アッセイは、ヒト単球における細胞ホスホリパーゼA2の活性をモジュレー
トする試験化合物の効力を測定するものである。化合物についてホスホリパーゼ
A2活性の刺激阻害能又は無刺激単球における基礎活性の活性化阻害能を試験す
る。試験化合物を精製ヒト単球とlog10濃度3の範囲にわたる4種の希釈度で
90分間インキュベートする。適切な場合には、ザイモサンが単球を刺激するた
めに用いられる。
放射能標識したリン脂質のアラキドニル部分を有する単球を、96ウェル方式
で用いる。放射能標識した脂肪酸の細胞外培養液への放出%を液体シンチレーシ
ョン計数により定量する。化合物は全て対照及び標準と共に2回の実験で試験す
る。
アッセイ: 走化性
本アッセイは、化学誘因物質に応答して精製ヒト単球の走化性応答をモジュレ
ートする試験化合物の効力を測定するものである。化合物をlog10濃度3の範
囲にわたる4種の希釈度で試験する。試験化合物を蛍光指示薬で標識した単球と
混合し、走化性チャンバの上部ウェルに入れ、最適化濃度よりも大きい単球化学
誘因物質をウェルの下に入れ、微多孔性フィルターで分ける。60分後、フィル
ターを通る細胞の遊走を蛍光測定で定量し、自然対照及び最大対照に関して示す
。試験は全て3回の実験で行われる。
アッセイ: 細胞接着
本アッセイは、精製ヒト単球のヒト臍静脈の内皮細胞(HUVEC)培養物へ
の接着をモジュレートする試験化合物の効力を測定するものである。HUVEC
は、96ウェルプレートで集密まで培養する。精製ヒト単球は、蛍光色素で標識
する。HUVEC及び単球の3回の実験の培養物を、log10濃度3の範囲にわ
たる4種の希釈度の試験化合物、更に刺激及び無刺激対照で処理する。処理の1
時間後、TNFαをHUVEC培養物に加えて接着分子の生産を刺激する。12
時間インキュベートした後、処理した単球を対応するHUVEC培養物に加え、
10分間インキュベートする。刺激指数(S.I.)は、96ウェル方式で蛍光測定
の読み出しを用いて処理培養物の蛍光を未処理対照と比べることにより求める。
アッセイ: スーパーオキシドアニオン遊離
本アッセイは、ザイモサンに応答してスーパーオキシドアニオンを遊離する精
製ヒト単球の能力をモジュレートする試験化合物の効力を測定する。化合物は、
log10濃度3の範囲にわたる4種の希釈度で試験する。単球−化合物培養物を
ザイモンで処理してアニオン産生を刺激する。産生したスーパーオキシドアニオ
ン量は、比色分析法で測定される培養物のシトクロムC還元能によって求められ
る。アッセイは96ウェル方式で3回の実験で行い、結果はベースラインの無刺
激対照及び最小対照に関して示される。適切な比較対照は各アッセイについて行
われる。
アッセイ: マイトジェン刺激細胞増殖及び混合リンパ球反応
本法の目的は、正常ヒト単核細胞の混合リンパ球反応及びマイトジェン誘導増
殖に関する試験化合物の影響を求めることである。
細胞増殖の手順: 末梢血単核細胞(PBMNC)を96ウェル細胞培養プレ
ートに加える。化合物は、4回の実験でlog10濃度3の範囲にわたる4種の希
釈度で負の阻止対照と共に試験する。試験化合物を細胞と1時間インキュベート
し、次にフィトヘマグルチニン(PHA)を全ての反応性試験ウェルに加え、培
養物を3日間インキュベートする。次に、培養物を瞬間標識し、3H取込みをWal
lac Betaplateカウンターを用いて求める。
2方法混合リンパ球反応の手順: 2人の別のドナーからのPBMNCを96
ウェル細胞培養プレートに加える。次に、4回の実験でlog103の範囲にわた
る試験化合物の4種の希釈度を負の阻止対照と共にプレートに加え、6日間イン
キュベートする。次に、培養物を瞬間標識し、収集し、上記のように計数する。
本発明の化合物は、例えば、経口、静脈内又は筋肉内投与の慣用の経路によっ
て投与する慣用の方法で、場合によっては1種以上の他の有効成分と共に処方さ
れる。
従って、他の態様によれば、本発明は、式Ia又はIbの化合物及び/又はそ
の薬学的に許容しうる塩を薬学的に許容しうる担体又は賦形剤と共に含む医薬組
成物を提供する。
経口投与の場合、医薬組成物は生理的に許容しうる賦形剤と共に慣用の手段に
よって調製された例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、液剤、シロップ剤又は懸濁
液剤の剤形が用いられる。
静脈内又は筋肉内投与の場合、化合物は使用前に再構成する乾燥した剤形又は
無菌液又は懸濁液として処方される。
人に投与するCHTAに対する類似の薬物動態学的パラメーターに基づいて推
奨される一日量は、10〜25mg/kg、例えば、70kgに対して1日1gであり
、便利には1日1〜3回で投与される。正確な投与量は、患者の年齢及び症状に
左右されることは当然のことである。
下記実施例は、本発明を具体的に説明するものである。
融点は、トーマス・フーバーユニメルト装置を用いて開放型毛管で求め、補正
していない。赤外スペクトルはレーザ精密分析用RFX-FTIR分光計(TSI-400型)で
記録した。核磁気共鳴スペクトルは、IBM-Bruker NR/250、270又は500型FTNMR分
光計で得た。CDCl3、アセトン−d6又はCD3OD中テトラメチル
シラン(TMS)を内部標準として用いた。ケミカルシフトは、ピーク重複度を
有するδ値で報告した:s、一重線;d、二重線;dd、二重の二重線;ddd
、二重の二重線の二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線。テトラヒドロ
フラン(THF)はNa/ベンゾフェノンケチルから蒸留し、CH2Cl2をP2
O5で乾燥した。旋光性は、10cmの1ml細胞を用いてパーキン・エルマー241型
旋光計で得た。質量スペクトルは、クラトスMS25RFA或いはVG 70-250S質量分析
計で得た。元素分析は、Galbraith Laboratories,Inc.、ノキシビル、テネシー
州で行った。
出発物質の調製
実施例A
3,6,9-ペンタデカトリイン−1−オール 還流コンデンサー及びゴム隔壁を備
えた1リットルの火炎乾燥した3つ口フラスコに、250mlの無水テトラヒドロ
フラン中3.86g(159ミリモル)のマグネシウムを入れた。250mlの無
水テトラヒドロフラン中ブロモエタン(17.3g;1586ミリモル)をアル
ゴン下で滴下し、氷水浴によって還流速度を制御した。混合液を加熱還流し、1
時間攪拌した。150mlの無水テトラヒドロフランに溶解した3−ブチン−1−
オール(5.56g、79.3ミリモル)を攪拌しながら徐々に滴下した(2時間
)。添加後、反応液を加熱還流した。90分間攪拌した後、0.5g(2.63ミ
リモル)のヨウ化第一銅(I)を加えた。75分後、150mlの無水テトラヒド
ロフランに溶解した9.0g(39.65ミリモル)の1−ブロモ−2,5−ウン
デカジインを加えた。混合液を12時間加熱還流し、更に0.25g(1.32ミ
リモル)のヨウ化第一銅(I)を加えた。混合液を7時間加熱還流し、冷却し、
塩化アンモニウムで飽和した400mlの氷水を加えることにより急冷した。ろ過
(セライト)後、ろ液を3×400mlのエーテルで抽出した。エーテル層を2×
300mlの塩化アンモニウム飽和溶液、3×200mlの水、250mlの食塩水で
洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で濃縮して6.2gの黄褐色の油状物を
得た。残留物を−20℃で結晶化(石油エーテル)することにより部分的に精製
して5.75g(75%)の不安定な黄色の油状物(室温)を生成し、これを直
ちに次の反応に用いた。IR(ニート,cm-1)3365,2956,2933,2225;1H NMR(CDC
l3)δ3.70
(t,J=6.2Hz,2H),3.17-3.13(m,4H),2.45(dt,J=1.5,5.9,12.0Hz,2H),2.
15(dt,J=2.1,6.9,13.9Hz,2H),1.68(br,1H),1.55-1.43(m,2H),1.43-1.2
6(m,4H),0.89(t,J=6.9Hz,3H);C15H20OのHRMS(M+)計算値216.1514,実測値
216.1519。
(3Z,6Z,9Z)-3,6,9−ペンタデカトリエン−1−オール 3,6,9−ペンタデカト
リイノール(5.75g、26.6ミリモル)、5%パラジウム/硫酸バリウム(
0.5g)及び5滴の3%キノリンメタノール液を500mlの水素添加フラスコ
に加えた。水素を72psiの初圧で30分かけて溶解した。混合液をろ過(セラ
イト)し、ろ液を減圧下で蒸発して5.7gの粗トリエンを生成し、これを酢酸
エチル:ヘキサン(1:5)を用いてシリカゲルにより精製して5.5g(93
%)の薄黄色の油状物を得た:IR(ニート,cm-1)3336(br),3012,2958,2927
,1652,719;1H NMR(CDCl3)δ5.60-5.28(m,6H),3.67(t,J=6.4Hz,2H),2.8
8-2.79(m,2H),2.43-2.33(m,2H),2.12-1.98(m,2H),1.68-1.53(m,2H),1.5
3-1.23(m,6H),0.89(t,J=6.7Hz,3H);C15H26OのHRMS(M+)計算値222.1984,
実測値222.1990。
(3Z,6Z,9Z)−1−ブロモ−3,6,9−ペンタデカトリエン 窒素下、250mlの
3つ口丸底フラスコに、150mlの無水アセトニトリルに溶解した9.46g(
36.1ミリモル)のトリフェニルホスフィンを加えた。0℃まで冷却(氷塩浴
)した後、臭素(5.77g、36.1ミリモル)を攪拌しながら滴下した。混合
液を室温に温め、30分間攪拌した。50mlの無水アセトニトリルに溶解した3,
6,9−ペンタデカトリエノール(6.16g、27.75ミリモル)を滴下し、約
4時間攪拌した。反応完了時にアセトニトリルを減圧下で除去し、残留物を75
mlのエーテルに溶解した。ヘキサンを用いてトリフェニルホスホラン副産物を沈
殿させ、これをろ過により除去した。ろ液を減圧下で濃縮した後に得られた粗残
留物を溶離液として酢酸エチル:ヘキサン(1:9)を用いてシリカゲルにより
精製した。生成物7.0g(90%)を薄黄色の油状物として得た。IR(ニート
,cm-1)2958,2927,1652,1267,723;1H NMR(CDCl3)δ5.69-5.28(m,6H),3
.38(t,J=7.1Hz,2H),2.89-2.75(m,4H),2.75-2.52(m,2H),2.12-1.93(m,2H
),1.49-1.31(m,6H),0.89(t,J=6.8Hz,3H);13C NMR(CDCl3)δ131.0,
130.6,128.9,127.4(2C),126.3,32.2,31.5,30.9,29.3,27.3,25.8,25.7
,22.6,14.0;C15H25BrのHRMS(M+)計算値284.1139,実測値284.1101。
[(3Z,6Z,9Z)−3,6,9−ペンタデカトリエイル]トリフェニルホスホニウムブロミ
ド ブロモ−3,6,9−ペンタデカトリエン(7.0g、24.6ミリモル)を2
5mlのアセトニトリル中7.5g(28.6ミリモル)のトリフェニルホスフィン
で処理した。混合液を窒素雰囲気下で70℃に加熱した。反応完了(TLCで塩
生成をモニターする;72時間)後、混合液を減圧下で36時間乾燥して微量の
アセトニトリルを除去した。得られた黄色残留物13.45gを精製せずに次の
反応に用いた:IR(ニート,cm-1)3010,2958,1652,1191,723;1H NMR(CDCl3
)δ7.93-7.61(m,15H),5.69-5.12(m,6H),4.02-3.91(m,2H),2.69-2.48(m
,4H),2.09-1.92(m,2H),1.89-1.72(m,2H),1.46-1.25(m,6H),0.88(t,J=6
.9Hz,3H)。
(S)−2,2−ジメチル−4−オキソ−1,3−ジオキソラン−5−アセチルク
ロリド 250mlの乾いた丸底フラスコ中20g(1149ミリモル)の(S
)−2,2−ジメチル−4−オキソ−1,3−ジオキソラン−5−酢酸に、アル
ゴン下室温で75g(630ミリモル)の塩化チオニル及び2滴のDMFを加え
た。気体のHClの発生が終わるまで反応混合液を攪拌した(オイルバブラー;
約2時間)。過剰量の塩化チオニルを減圧蒸留し、残存している微量を減圧下で
除去した(9時間)。このようにして得られた酸塩化物(22.1g)を精製せ
ずに次の工程に用いた:IR(ニート,cm-1)2998,1793,1751,989,958;1H NM
R(CDCl3)δ4.69(dd,J=3.6,6.4Hz,1H),3.56(dd,J=3.6,18.1Hz,1H),3.36(
dd,J=6.4,18.1Hz,1H),1.65(s,3H),1.58(s,3H)。
(S)−2,2−ジメチル−4−オキソ−1,3−ジオキソラン−5−アセトアル
デヒド 機械的スターラー、還流コンデンサー及びガス導入分散管を備えた5
00mlの3つ口フラスコに、250mlの無水キシレンに溶解した22.1g(1
15ミリモル)の粗(S)−2,2−ジメチル−4−オキソ−1,3−ジオキソラ
ン−5−アセチルクロリドを加えた。この溶液に、2.0gの5%パラジウム/
硫酸バリウム及び0.2mlのキノリン−イオウ毒物貯蔵液(1gのイオウを5ml
の
キノリンと6時間還流し無水キシレンで最終容量70mlに希釈することにより調
製した)を加えた。水素ガスを攪拌した反応混合液に通気し、発生した塩化水素
を数滴のフェノールフタレイン指示薬を含む175mlの水に捕捉した。混合液を
135℃に加熱し、塩化水素溶液を5M水酸化ナトリウム溶液で滴定することに
よりモニターした。完了(約3時間)時に、反応混合液を室温まで冷却し、1.
5gのNoritを加えた。混合液をろ過(セライト)し、ろ液を減圧下で濃縮した
。残留物を酢酸エチル:ヘキサン(1:3)を用いてシリカゲルにより精製して
16.2g(89%)の白色固形物を得た:mp37-38℃;[α]D 251.4°(c=4.54,CH3
OH);IR(ニート,cm-1)2994,2744,1793,1725,1386;1H NMR(CDCl3)δ 9.78
(s,1H),4.80(dd,J=3.6,6.8Hz,1H),3.10(dd,J=3.6,18.3Hz,1H),2.92(d
d,J=6.9,18.3Hz,1H),1.63(s,3H),1.58(s,3H);C7H10O4のHRMS(M+)計算
値158.0579,実測値158.0572。
(S)−5−(3−メトキシアリル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン
−4−オン アルゴン下、500mlの乾いた3つ口丸底フラスコで14.2g
(126.58ミリモル)のカリウムt−ブトキシドを300mlの無水テトラヒ
ドロフランに溶解した。この溶液を0℃に冷却し、44g(126.6ミリモル
)のメトキシメチルトリフェニルホスフィンクロリドを徐々に攪拌しながら加え
た(20分)。得られた橙赤色溶液を0℃で45分間攪拌し、50mlの無水テト
ラヒドロフラン中10g(63.3ミリモル)の(S)−2,2−ジメチル−4−
オキソ−1,3−ジオキソラン−5−アセトアルデヒドを滴下した(15分)。
混合液を室温で1時間攪拌し、100mlの食塩水を加えることにより急冷した。
1時間攪拌した後、混合液を3×250mlのエーテルで抽出した。合わせたエー
テル抽出液を2×150mlの食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過した。
ろ液を減圧下で蒸発させて18gの粗褐色液体(トリフェニルホスホランが混入
した)を得た。この残留物を酢酸エチル:石油エーテル(1:9)を用いてシリ
カゲルにより精製して9.2g(78%)の分けられないE:Zエノールエーテ
ルの混合液を無色の液体として得た:[α]D 25-3.2°(c=2.8,CH3OH);IR(ニート
,cm-1)2994,2938,1793,1658;1H NMR(CDCl3)δ E-エノールエーテル(75%)
に対して6.42(d,J=12.7Hz,1H),4.49-4.34(m,2H),3.53(s,3H),
2.72-2.32(m,2H),1.60(s,3H),1.54(s,3H),Z-エノールエーテル(25%)に
対して6.04(d,J=6.1Hz,1H),4.78-4.61(m,2H),3.61(s,3H),2.72-2.32(m,
2H),1.60(s,3H),1.54(s,3H);C9H14O4のHRMS(M+)計算値186.0892,実測値1
86.0894。
メチル(2S)−テトラヒドロ−5−メトキシ−2−フロエート 150mlの
無水メタノールに溶解したエノールエーテル、(S)−5−(3−メトキシアリ
ル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−オン(4.0g、21.5ミ
リモル)に5〜6滴の濃H2SO4を加えた。得られた溶液を6時間加熱し、室温
に冷却した。重炭酸ナトリウム(0.5g)を加え、減圧下でメタノールを除去し
た。残留物を250mlのCH2Cl2に溶解し、2×100mlの重炭酸ナトリウム
飽和溶液及び2×125mlの食塩水で洗浄した。有機抽出液を乾燥(Na2SO4
)し、減圧下で溶媒を除去して無色の液体を生成し、これを溶離液として酢酸エ
チル:ヘキサン(1:1)を用いてシリカゲルにより精製して2.93g(86
%)の無色の液体をジアステレオマーの3:1の混合物として得た:[α]D 2527.
3°(c=1.2,CH3OH);IR(ニート,cm-1)2958,1739,1213,1105;1H NMR(CDCl3)
δ ジアステレオマーA(66%)に対して5.21(m,1H),4.64-4.52(m,1H),3.77(s
,3H),2.44-1.83(m,4H);ジアステレオマーB(33%)に対して5.08(m,1H),4.64
-4.52(m,1H),3.77(s,3H),3.42(s,3H),2.44-1.83(m,4H);C7H12O4のHRMS(
M+)計算値160.0735,実測値160.0718。
メチル(2S)−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−フロエート メチル(
2S)−テトラヒドロ−5−メトキシ−2−フロエート(2.93g、18.3ミ
リモル)を500mlの25%酢酸水溶液と約10時間(TLCでモニターする)
攪拌した。反応完了時に減圧下で酢酸水溶液を除去し、残留物を酢酸エチル:ヘ
キサン(1:1)を用いてシリカゲルにより精製して2.4g(90%)の無色
の液体を5.8:4.2のジアステレオマー混合物として得た:[α]D 25 9.3°(c=
2.7,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3457(br),2956,1735,1062,1010;1H NMR(C
DCl3)δ ジアステレオマーA(58%)に対して5.62(m,1H),4.60(dd,J=6.5,8.
1Hz,1H),3.78(s,3H),2.46-1.93(m,4H);ジアステレオマーB(42%)に対して5
.75(m,1H),4.73(dd,J=3.8,8.5Hz,1H),3.76
(s,3H),2.46-1.93(m,4H);C6H10O4のHRMS(M+)計算値146.0579,実測値 146.
0574。
メチル(S)−2−ヒドロキシアラキオドネート 低温温度計及びゴム隔壁を
備えた500mlの火炎乾燥した3つ口フラスコを、アルゴン下で12.35g(
22.57ミリモル)の3,6,9−ペンタデカトリエントリフェニルホスフィンブ
ロミド及び350mlの無水テトラヒドロフランを加えた。この溶液を−35℃に
冷却し、ヘキサン(22.56ミリモル)中14.1mlの1.6M n−BuLiを
攪拌しながら滴下した。暗赤色溶液を室温に温め、更に30分間攪拌し、−35
℃に冷却した。この溶液を−60℃に冷却し、25mlの無水テトラヒドロフラン
に溶解したメチル(2S)−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−フロエート(
1.65g、11.28ミリモル)を滴下した(約15分)。混合液を−60℃で
2時間攪拌し、室温に温めた。完了(TLCモニターする、約8〜9時間)時に
、反応液を100mlの10%HCl水溶液を加えることにより急冷し、3×30
0mlの酢酸エチルで抽出した。有機層を3×250mlの水、2×200mlの食塩
水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。トリフェニルホ
スホランが混入した残留物を、溶離液として酢酸エチル:ヘキサンを用いてシリ
カゲルにより精製して3.1g(82%)の黄色の油状物を得た:[α]D 2510.2°
(c=5.4,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3477(br),3012,2956,1739,1652,721;1
H NMR(CDCl3)δ5.45-5.25(m,8H),4.20(dd,J=4.0,7.6Hz,1H),3.79(s,3H
),2.92-2.74(m,4H),2.35-1.92(m,4H),1.91-1.62(m,2H),1.49-1.24(m,6H
),0.89(t,J=6.4Hz,3H);C21H34O3のHRMS(M+)計算値334.2507,実測値334.2509
;C21H34O3の分析:計算値C,75.41;H,10.25.実測値C,75.36;H,10.13。
実施例B
(R)−2,2−ジメチル−4−オキソ−1,3−ジオキソラン−5−アセチルク
ロリドを、R−リンゴ酸から実施例AのS−異性体と同様の収量で調製した:IR
(ニート,cm-1)2996,1793,1751,989,958;1H NMR(CDCl3)δ4.69(dd,J=3.6
,6.4Hz,1H),3.53(dd,J=3.6,18.1Hz,1H),3.35(dd,J=6.4,18.1Hz,1H),
1.65(s,3H),1.58(s,3H)。
(R)−2,2−ジメチル−4−オキソ−1,3−ジオキソラン−5−アセトアル
デヒドを、(R)−2,2−ジメチル−4−オキソ−1,3−ジオキソラン−5−
アセチルクロリドからS−異性体と同様の収量で調製した:mp37-38℃;[α]D 253
.7°(c=5.12,CH3OH);IR(ニート,cm-1)2996,2746,1791,1727,1388;1H NM
R(CDCl3)δ9.78(s,1H),4.80(dd,J=3.6,6.8Hz,1H),3.11(dd,J=3.6,18.3H
z,1H),2.93(dd,J=6.9,18.3Hz,1H),1.63(s,3H),1.58(s,3H);C7H10O4のH
RMS(M+)計算値158.0579,実測値158.0574。
(R)−5−(3−メトキシアリル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン
−4−オンを、(R)−2,2−ジメチル−5−オキソ−1,3−ジオキソラン−
4−アセトアルデヒドと同様の収量で調製した:[α]D 253.1°(c=3.07,CH3OH);
IR(ニート,cm-1)2992,2740,1793,1656;1H NMR(CDCl3)E-エノールエーテ
ル(72%)に対してδ6.42(d,J=12.7Hz,1H),4.49-4.34(m,2H),3.53(s,3H),2
.72-2.32(m,2H),1.61(s,3H),1.54(s,3H);Z-エノールエーテル(28%)に対し
て6.05(d,J=6.1Hz,1H),4.78-4.65(m,2H),3.61(s,3H),2.72-2.32(m,2H)
,1.61(s,3H),1.54(s,3H);C9H14O4のHRMS(M+)計算値186.0892,実測値186.
0891。
メチル(2R)−テトラヒドロ−5−メトキシ−2−フロエートを、(R)−5
−(3−メトキシアリル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−オン
からS−異性体と同様の収量で調製した:[α]D25-28.33°(c=0.1,CH3OH);IR(
ニート,cm-1)2956,1754,1209,1105;1H NMR(CDCl3)ジアステレオマーA(66%
)に対してδ5.21(m,1H),4.64-4.52(m,1H),3.77(s,3H),3.38(s,3H),2.42
-1.83(m,4H);ジアステレオマーB(33%)に対して5.08(m,1H),4.64-4.52(m,1H
),3.77(s,3H),3.42(s,3H),2.42-1.84(m,4H);C7H12O4のHRMS(M+)計算値1
60.0735,実測値160.0750。
メチル(2R)−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−フロエートを、メチル(
2R)−テトラヒドロ−5−メトキシ−2−フロエートからS−異性体と同様の
収量で調製した:[α]D 25-9.2°(c=1.8,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3543(br),
2956,1741,1068,1010;1H NMR(CDCl3)ジアステレオマーA(58%)に対してδ5
.62(m,1H),4.67(dd,J=6.5,8.1Hz,1H),3.78(s,3H),
2.46-1.93(m,4H);ジアステレオマーB(42%)に対してδ5.75(m,1H),4.73(dd,
J=3.8,8.5Hz,1H),3.76(s,3H),2.46-1.93(m,4H);C6H10O4のHRMS(M+)計算
値146.0579,実測値146.0577。
メチル(R)−2−ヒドロキシアラキオドネートを、メチル(2R)−テトラヒ
ドロ−5−ヒドロキシ−2−フロエートからS−異性体と同様の収量で調製した
:[α]D 25-10.5°(c=0.9,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3504(br),3012,2956,1
739,1652,723;1H NMR(CDCl3)δ5.45-5.25(m,8H),4.20(dd,J=4.0,7.7Hz
,1H),3.79(s,3H),2.92-2.74(m,4H),1.90-1.62(m,2H),1.49-1.24(m,6H)
,0.89(t,J=6.4Hz,3H);C21H34O3のHRNS(M+)計算値334.2507,実測値334.250
6。
実施例C
ペンタデシルトリフェニルホスホニウムブロミド 窒素雰囲気下、1−ブロモ
ペンタデカン(6.5g、22.4ミリモル)を15mlのアセトニトリル中5.8
7g(22.4ミリモル)のトリフェニルホスフィンで処理した。反応をTLC
(塩生成、約18時間)でモニターし、混合液を減圧下で乾燥して(24時間)
微量のアセトニトリルを除去し、12.3gの無色の固形物を得、これを精製せ
ずに次の反応に用いた。
メチル(2S,5Z)−2−ヒドロキシ−5−エイコセノエート 低温温度計
及びゴム隔壁を備えた火炎乾燥した500mlの3つ口フラスコを、アルゴン下で
12.2g(22.06ミリモル)のペンタデシルトリフェニルホスホニウムブロ
ミド及び300mlの無水テトラヒドロフランを加えた。−35℃に冷却した後、
ヘキサン(22.06ミリモル)中13.8mlの1.6M n−BuLiを攪拌しな
がら滴下した。橙色溶液を室温に温め、更に30分間攪拌した。混合液を−35
℃に冷却し、18.5g(103.3ミリモル)のヘキサメチルホスホルアミド
を徐々に加えた。反応混合液を45分間攪拌し、−60℃に冷却した。25mlの
無水テトラヒドロフランに溶解したメチル(2S)−テトラヒドロ−5−ヒドロ
キシ−2−フロエート(1.6g、11.03ミリモル)を滴下し、−60℃で1
時間攪拌を続けた。混合液を室温に温めた;反応の完了は、TLCを用いてモニ
ターした。反応液を、100mlの10%HCl水溶液を加えることにより急冷し
、3×300
mlの酢酸エチルで抽出した。有機層を3×250mlの水、2×200mlの食塩水
で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。トリフェニルホ
スホランが混入した残留物を、酢酸エチル:ヘキサン(1:5)を用いてシリカ
ゲルにより精製して2.98g(80%)の無色の油状物を得た:[α]D 25+8.9°
(c=1.4,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3475(br),3006,2925,1739,721;1H NMR(
CD3COCD3)δ5.48-5.24(m,2H),4.20(m,1H),3.79(s,3H),2.72(d,J=5.3Hz,
1H),2.32-2.15(m,2H),2.15-1.98(m,2H),1.92-1.64(m,2H),1.48-1.21(m,
24H),0.88(t,J=6.3Hz,3H);13C NMR(CD3COCD3)δ175.7,131.5,127.9,70.0
,52.4,34.4,31.9,29.7(5C),29.6(2C),29.3(3C),27.2,22.7(2C),14.0;C21
H40O3のHRMS(M+)計算値340.2977,実測値340.2977;C21H40O3の分析:計算値C
,74.07;H,11.84:実測値C,74.13;H,11.91。
実施例D
メチル(2R,5Z)−2−ヒドロキシ−5−エイコセノエートを、メチル(2
R)−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−フロエートからS−異性体と同様の
収量で調製した:[α]D 25-8.8°(c=2.1,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3482(br),
3006,2925,1739,721;1H NMR(CD3COCD3)δ5.48-5.24(m,2H),4.20(m,1H)
,3.79(s,3H),2.72(d,J=5.3Hz,1H),2.32-2.15(m,2H),2.15-1.98(m,2H)
,1.92-1.64(m,2H),1.48-1.21(m,24H),0.88(t,J=6.3Hz,3H);13C NMR(CD3
COCD3)δ175.7,131.5,127.9,70.0,52.3,34.4,31.9,29.7(5C),29.6(2C)
,29.3(3C),27.2,22.7(2C),14.0;C21H40O3のHRMS(M+)計算値340.2977,実
測値340.2970。
実施例1
メチル(S)−2−(アリルオキシ)アセチルオキシアラキジノエート アル
ゴン下、ゴム隔壁を備えた乾いた2つ口丸底フラスコに、125mlの無水CH2
Cl2に溶解した1.5g(4.49ミリモル)のメチル(S)−2−ヒドロキシ
アラキドネートを加えた。この溶液を10℃(氷浴)に冷却し、15mlの無水C
H2Cl2に溶解した1.30gのアリルオキシ酢酸(11.23ミリモル)及び2
mlの無水CH2Cl2に溶解した0.133g(0.90ミリモル)の4−ピロ
リジノピリジンを加えた。25mlのCH2Cl2中2.32g(11.23ミリモル
)のDCCの溶液を攪拌しながら滴下し、室温に温め、一晩攪拌した。減圧蒸留
でCH2Cl2を除去し、残留物を溶離液として酢酸エチル:ヘキサン(1:5)
を用いてシリカゲルによりクロマトグラフィー処理して1.79g(92%)の
黄色油状物を得た:[α]D 25-8.1°(c=0.1,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3012,29
56,1751,1652;1H NMR(CDCl3)δ5.94-5.82(m,1H),5.41-5.22(m,10H),5.11(
t,J=6.3Hz,1H),4.23(d,J=16.6Hz,1H),4.22(d,J=16.6Hz,1H),4.12(d,J
=1.3,5.7Hz,2H),3.75(s,3H),2.89-2.68(m,4H),2.32-1.89(m,2H),1.42-
1.31(m,6H),0.89(t,6.5Hz,3H);C26H40O5のHRMS(M+)計算値432.2875,実測
値432.2856;C26H40O5の分析:計算値C,72.19;H,9.32:実測値C,71.90;H,9.11
。
(S)−3−(アリルオキシ)−4−ヒドロキシ−5−[(all−Z)−3,6,9,12
−オクタデカテトラエニル]−2(5H)−フラノン アルゴン下、低温温度
計及び隔壁を備えた250mlの火炎乾燥した3つ口丸底フラスコに、100mlの
無水テトラヒドロフラン中1.23g(7.59ミリモル)のヘキサメチルジシラ
ザンを加えた。内容物を−25℃(ドライアイス、CCI4)に冷却し、ヘキサ
ン中4.75mlの1.6M(7.59ミリモル)n−BuLiを−15℃よりも低い
温度を維持しつつ攪拌しながら滴下した。攪拌した反応混合液を−5℃に温め、
内容物を−5〜0℃に45分間維持し、−78℃(ドライアイス/アセトン)に
冷却した。30mlの無水テトラヒドロフラン中メチル(S)−2−ヒドロキシア
ラキドネート、(アリルオキシ)アセテート(1.56g、3.61ミリモル)を
−68℃よりも低い温度を維持しつつ攪拌しながら滴下した。添加後、混合液を
−78℃で75分間攪拌し、40mlの10%HCl水溶液を加えることにより急
冷した。エーテル(125ml)を加え、混合液を室温に温め、3×100mlのエ
ーテルで抽出した。エーテル抽出液を2×75mlの食塩水で洗浄し、乾燥(Na2
SO4)し、減圧下で濃縮して1.34gの粗生成物を得、溶離液としてクロロ
ホルム中10%メタノールを用いてシリカゲルにより精製して1.28g(89
%)の黄色の油状物を得た:[α]D 25-9.7°(c=0.2,CH3OH);IR(ニート,cm-1)
3081(br),3012,2956,1747,1670,723;1H NMR(CD3COCD3)δ6.05-5.89
(m,1H),5.44-5.14(m,10H),4.72(dd,J=3.5,7.7Hz,1H),4.48(dt,J=1.2,
5.6Hz,2H),2.89-2.69(m,6H),2.38-1.88(m,4H),1.71-1.21(m,8H),0.87(t
,6.6Hz,3H);MS(FAB)(M+1)+401;C25H36O4のHRMS M+計算値400.2614,実測値400
.2606;C25H36O4+H2Oの分析:計算値C,71.74;H,9.15:実測値C,71.90;H,9.11。
(S)−4−ヒドロキシ−5−[(all−Z)−3,6,9,12−オクタデカテトラエニ
ル]−3−[(E)−プロペニルオキシ]−2(5H)−フラノン アルゴン下、
250mlの火炎乾燥した3つ口丸底フラスコに、50mlの新たに蒸留したペルオ
キシドを含まない無水テトラヒドロフランに懸濁した0.254g(0.30ミリ
モル)の[ビス(メチルジフェニルホスフィン)](1,5−シクロオクタジエン)
イリジウム(1)ヘキサフルオロホスフェートを加えた。フラスコを排気し、ア
ルゴンを水素に置き換えた。赤色懸濁液が無色の溶液になり、5分後にフラスコ
を排気し、アルゴンに置き換えた。25mlのペルオキシドを含まないテトラヒド
ロフランに溶解した(S)−3−(アリルオキシ)−4−ヒドロキシ−5−[(a
ll−Z)−3,6,9,12−オクタデカテトラエニル]−2(5H)−フラノン(0.6
g、1.5ミリモル)を加え、TLCを用いて反応完了をモニターした(約3時
間)。減圧下で溶媒を蒸発し、残留物を溶離液としてクロロホルム中10%メタ
ノールを用いてシリカゲルにより精製して0.47g(79%)の暗黄色の油状
物を得た:[α]D 25-11.2°(c=0.2,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3081(br),3012
,2956,1745,1662,721;1H NMR(CD3COCD3)δ6.42-6.35(m,1H),5.49-5.23(m
,8H),5.05-4.89(m,1H),4.77(dd,J=3.5,7.9Hz,1H),2.92-2.74(m,4H),2
.31-1.57(m,6H),1.51(dd,J=1.6,6.9Hz,3H),1.45-1.28(m,8H),0.87(t,J
=6.4Hz,3H);MS(FAB)(M+1)+401,(M+Na)+423;C25H36O4のHRMS(M+)計算値400
.2614,実測値400.2616;C25H36O4+H2Oの分析:計算値C,71.74;H,9.15:実測値C
,71.70;H,9.06。
(S)−3,4−ジヒドロキシ−5−[(all−Z)−3,6,9,12−オクタデカテトラ
エニル]−2(5H)−フラノン 窒素下、100mlの丸底フラスコに、60m
lの50%酢酸水溶液に溶解した0.3g(0.74ミリモル)の(S)−4−ヒ
ドロキシ−5−[(all−Z)−3,6,9,12−オクタデカテトラエニル]−3−[(E)
−プロペニルオキシ]−2(5H)−フラノンを加えた。攪拌溶液を15分間加
熱還流(油浴)し、冷却し、減圧下で濃縮した。残留物を溶離液としてクロロホ
ルム中12%メタノールを用いてシリカゲルによりクロマトグラフィー処理して
0.26g(95%)の黄色の油状物を得た:[α]D 25-13.5°(c=0.2,CH3OH);IR
(ニート,cm-1)3220(br),3012,2956,1751,1670,1652,723,694;1HNMR(C
D3COCD3)δ5.48-5.34(m,8H),4.68(dd,J=3.4,7.9Hz,1H),2.85-2.72(m,4H)
,2.25-2.19(m,2H),2.18-1.97(m,4H),1.65-1.52(m,1H),1.48-1.28(m,7H)
,0.87(t,J=6.7Hz,3H);C22H32O4のHRMS(M+)計算値360.2301,実測値360.230
8;C22H32O4+0.33H2Oの分析:計算値C,72.1;H,8.98:実測値C,72.18;H,8.93。
実施例2
メチル(R)−2−(2−アリルオキシ)アセチルオキシアラキドネートを、メ
チル(R)−2−ヒドロキシアラキドネートからS−異性体と同様の収量で調製
した:[α]D 257.0°(c=0.1,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3012,2956,1756,164
8;1H NMR(CDCl3)δ5.94-5.82(m,2H),5.45-5.22(m,10H),5.11(t,J=6.3Hz,1
H),4.23(d,J=16.6Hz,1H),4.22(d,J=16.6Hz,1H),4.12(dt,J=1.3,5.7Hz
,2H),3.75(s,3H),2.89-2.68(m,4H),2.28-1.89(m,6H),1.61-1.49(m,2H)
,1.42-1.31(m,6H),0.89(t,J=6.5Hz,3H);C26H40O5のHRMS(M+)計算値432.2
875,実測値432.2858。
(R)−3−(アリルオキシ)−4−ヒドロキシ−5−[(all−Z)−3,6,9,12
−オクタデカテトラエニル]−2(5H)−フラノンを、メチル(R)−2−ヒ
ドロキシアラキドネート、(アリルオキシ)アセテートからS−異性体と同様の
収量で調製した:[α]D 259.4°(c=0.3,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3081(br),3
012,2956,1749,1670,723;1H NMR(CD3COCD3)δ6.05-5.89(m,1H),5.44-5.14
(m,10H),4.74(dd,J=3.5,7.7Hz,1H),4.48(dt,J=1.1,5.7Hz,2H),2.87-2
.69(m,6H),2.42-1.88(m,4H),1.71-1.21(m,8H),0.87(t,6.6Hz,3H);MS(FA
B)(M+1)+401;C25H36O4のHRMS M+計算値400.2614,実測値400.2607。
(R)−4−ヒドロキシ−5−[(all−Z)−3,6,9,12−オクタデカテトラエニ
ル]−3−[(E)−プロペニルオキシ]−2(5H)−フラノンを、(R)−3−
(アリルオキシ)−4−ヒドロキシ−5−[(all−Z)−3,6,9,12−オクタデカ
テトラエニル]−2(5H)−フラノンからS−異性体と同様の収量で調製した
:[α]D 2511.7°(c=0.2,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3081(br),3012,2956,17
49,1664,696;1H NMR(CD3COCD3)δ6.42-6.35(m,1H),5.49-5.23(m,8H),5.05
-4.89(m,1H),4.77(dd,J=3.5,7.9Hz,1H),2.92-2.74(m,4H),2.31-1.57(m
,6H),1.51(dd,J=1.6,6.9Hz,3H),1.45-1.28(m,8H),0.87(t,J=6.4Hz,3H
);MS(FAB)(M+1)+401,(M+Na)+423;C25H36O4のHRMS(M+)計算値400.2614,実
測値400.2615。
(R)−3,4−ジヒドロキシ−5−[(all−Z)−3,6,9,12−オクタデカテトラ
エニル]−2(5H)−フラノンを、(R)−4−ヒドロキシ−5−[(all−Z)
−3,6,9,12−オクタデカテトラエニル]−3−[(E)−プロペニルオキシ]−2(
5H)−フラノンからS−異性体と同様の収量で調製した:[α]D 2513.2°(c=0.
2,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3241(br),3012,2956,1751,1675,1652,723
,694;1H NMR(CD3COCD3)δ5.48-5.34(m,8H),4.68(dd,J=3.4,7.9Hz,1H),
2.85-2.72(m,4H),2.35-2.19(m,2H),2.18-1.97(m,4H),1.65-1.52(m,1H),
1.48-1.28(m,7H),0.87(t,J=6.7Hz,3H);C22H32O4のHRMS(M+)計算値360.230
1,実測値360.2305;C22H32O4+0.5H2Oの分析:計算値C,71.51;H,9.00:実測値C,
71.51; H,9.14。
実施例3
メチル(2S,5Z)−2−(2−アリルオキシ)アセチルオキシ−5−エイコ
セノエート アルゴン下、ゴム隔壁を備えた100mlの乾いた3つ口丸底フラ
スコに、0.65g(1.91ミリモル)のメチル(2S,5Z)−2−ヒドロキ
シ−5−エイコセノエート及び50mlの無水CH2Cl2を加えた。10℃(氷浴
)に冷却した後、15mlの無水CH2Cl2に溶解した0.45g(3.82ミリモ
ル)のアリルオキシ酢酸及び2mlの無水CH2Cl2に溶解した0.028g(0.
19ミリモル)の4−ピロリジノピリジンを加えた。15mlのCH2Cl2中0.
79g(3.82ミリモル)のDCCを含有する溶液を滴下し、攪拌した混合液
を室温に温め、更に8時間攪拌した。減圧下でCH2Cl2を蒸発させ、生成物を
溶離
液として酢酸エチル:ヘキサン(1:5)を用いてシリカゲルにより精製して0
.78g(93%)の無色の油状物を得た:[α]D 25-6.5°(c=1.6,CH3OH);IR(
ニート,cm-1)3006,2923,1758,721;1H NMR(CD3COCD3)δ6.01-5.86(m,1H),
5.51-5.24(m,4H),5.10(t,J=6.3Hz,1H),4.22(d,J=16.6Hz,1H),4.23(d,J
=16.6Hz,1H),4.13(dt,J=1.1,5.7Hz,2H),3.75(s,3H),2.26-2.12(m,2H)
,2.07-1.87(m,4H),1.42-1.28(m,24H),0.88(t,J=6.3Hz,3H);C26H46O5のHR
MS(M+)計算値438.3345,実測値438.3330。
(S)−3−アリルオキシ−4−ヒドロキシ−5−[(Z)−3−オクタデセニル]
−2(5H)−フラノン アルゴン下、低温温度計及び隔壁を備えた250ml
の火炎乾燥した3つ口丸底フラスコに、50mlの無水テトラヒドロフラン中0.
648g(4.02ミリモル)のヘキサメチルジシラザンを加えた。内容物を−
25℃(ドライアイス/CCl4)に冷却し、ヘキサン中2.51mlの1.6M(4
.02ミリモル)のn−BuLiを−15℃よりも低い温度を維持しつつ攪拌し
ながら滴下した。混合液を−5℃に温め、内容物を−5〜0℃に45分間維持し
た。混合液を−78℃(ドライアイス/アセトン)に冷却し、20ミリモルの無
水テトラヒドロフラン中0.84g(1.91ミリモル)のメチル(2S,5Z)
−2−(2−アリルオキシ)アセチルオキシ−5−エイコセノエートを−68℃
よりも低い温度を維持しつつ攪拌しながら滴下した。添加後、混合液を−78℃
で75分間攪拌し、10mlの10%HCl水溶液で急冷した。エーテル(75ml)
を加え、反応混合液を室温に温め、3×75mlのエーテルで抽出した。エーテル
抽出液を2×50mlの食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で濃縮し
て0.75g(97%)の残留物を得た。クロロホルム中10%メタノールを用
いてシリカゲルにより精製して0.69g(89%)の白色固形物を得た:mp51-
54℃;[α]D 25-9.0°(c=0.6,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3079(br),3002,2915
,1741,1654,734,719;1H NMR(CD3COCD3)δ6.04-5.89(m,1H),5.47-5.15(m,
4H),4.72(dd,J=3.5,7.6Hz,1H),4.48(dt,J=1.1,5.9Hz,2H),2.21-1.54(m
,6H),1.45-1.28(m,24H),0.87(t,J=6.8Hz,3H);C25H42O4のHRMS(M+)計算
値406.3083,実測値406.3084;C25H42O4
の分析:計算値C,73.85;H,10.41:実測値C,73.52;H,10.27。
(S)−4−ヒドロキシ−5−[(Z)−3−オクタデセニル]−3−[(E)−プロ
ペニルオキシ]−2(5H)−フラノン アルゴン下、250mlの火炎乾燥し
た3つ口丸底フラスコに、35mlの新たに蒸留したペルオキシドを含まない無水
テトラヒドロフランに懸濁した0.172g(0.20ミリモル)の[ビス(メチル
ジフェニルホスフィン])(1,5−シクロオクタジエン(イリジウム(1)ヘキサ
フルオロホスフェートを加えた。フラスコを排気し、アルゴンを水素に置き換え
た。赤色懸濁液が、5分後に無色の溶液に変わった。フラスコを排気し、水素を
アルゴンに置き換えた。(S)−3−アリルオキシ−4−ヒドロキシ−5−[(Z
)−3−オクタデセニル]−2(5H)−フラノン(0.415g、1.02ミリモ
ル)を25mlのペルオキシドを含まないテトラヒドロフランに溶解し、活性化し
た触媒に加えた。完了(TLC;約3時間)時に、減圧下で溶媒を蒸発させ、溶
離液としてクロロホルム中10%メタノールを用いてシリカゲルにより精製して
0.33g(79%)の白色ろう状固形物を得た:mp42-45℃;[α]D 25-13.0°(c
=0.3,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3079(br),3004,2919,1739,1681,1858,7
38,721;1H NMR(CD3COCD3)δ6.43-6.36(m,1H),5.49-5.31(m,2H),5.05-4.91(
m,1H),4.77(dd,J=3.5,7.8Hz,1H),2.24-1.62(m,6H),1.51(dd,J=1.7,6.
9Hz,3H),1.44-1.24(m,24H),0.87(t,J=6.8Hz,3H);C25H42O4のHRMS(M+)計
算値406.3083,実測値406.3083。
(S)−3,4−ジヒドロキシ−5−[(Z)−3−オクタデセニル]−2(5H)
−フラノン 窒素下、100mlの丸底フラスコに、60mlの50%酢酸水溶液
に溶解した0.2g(0.49ミリモル)の(S)−4−ヒドロキシ−5−[(Z)
−3−オクタデセニル]−3−[(E)−プロペニルオキシ]−2(5H)−フラノ
ンを加えた。この溶液を15分間加熱還流(油浴)し、冷却し、減圧下で酢酸水
溶液を除去した。残留物を溶離液としてクロロホルム中12%メタノールを用い
てシリカゲルにより精製して0.17g(95%)の白色ろう状固形物を得た:m
p64-66℃;[α]D 25-9.9°(c=0.5,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3421(br),2917,
2850,1754,1668,719;1H NMR(CD3COCD3)δ5.49-5.28(m,2H),4.67(dd,J=3.4
,7.8Hz,1H),2.32-1.88(m,4H),1.69-1.51(m,2H),1.44-
1.25(m,24H),0.87(t,J=6.7Hz,3H);C22H38O4のHRMS(M+)計算値366.2770,
実測値366.2780;C22H38O4+0.33H2Oの分析:計算値C,70.93;H,10.46:実測値C,
70.73;H,10.31。
実施例4
メチル(2R,5Z)−2−(2−アリルオキシ)アセチルオキシ−5−エイコ
セノエートを、メチル(2R,5Z)−2−ヒドロキシ−5−エイコセノエート
(実施例Dとして調製した)からS−異性体と同様の収量で調製した:[α]D 256
.4°(c=1.4,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3006,2921,1756,721;1H NMR(CD3COC
D3)δ6.01-5.86(m,1H),5.51-5.24(m,4H),5.10(t,J=6.3Hz,1H),4.22(d,J
=16.6Hz,1H),4.23(d,J=16.6Hz,1H),4.13(dt,J=1.1,5.7Hz,2H),3.75(s
,3H),2.26-2.12(m,2H),2.07-1.87(m,4H),1.42-1.28(m,24H),0.88(t,J=
6.3Hz,3H);C26H46O5のHRMS(M+)計算値438.3345,実測値438.3347。
(R)−3−アリルオキシ−4−ヒドロキシ−5−[(Z)−3−オクタデセニル]
−2(5H)−フラノンを、メチル(2R,5Z)−2−(2−アリルオキシ)
アセチルオキシ−5−エイコセノエートからS−異性体と同様の収量で調製した
:mp49-53℃;[α]D 258.9°(c=0.8,CH3OH);IR(ニート,cm-1)3079(br),3002
,2915,1741,1654,734,719;1H NMR(CD3COCD3)δ6.04-5.89(m,1H),5.47-
5.15(m,4H),4.72(dd,J=3.5,7.6Hz,1H),4.48(dt,J=1.1,5.9Hz,2H),2.2
1-1.54(m,6H),1.45-1.28(m,24H),0.87(t,J=6.8Hz,3H);C25H42O4のHRMS(M+
)計算値406.3083,実測値406.3094。
(R)−4−ヒドロキシ−5−[(Z)−3−オクタデセニル]−3−[(E)−プロ
ペニルオキシ]−2(5H)−フラノンを、(R)−3−アリルオキシ−4−ヒ
ドロキシ−5−[(Z)−3−オクタデセニル]−2(5H)−フラノンからS−異
性体と同様の収量で調製した:mp42-45℃;[α]D 2512.8°(c=0.3,CH3OH);IR(
ニート,cm-1)3079(br),3004,2919,1739,1681,1858,738,721;1H NMR(CD3
COCD3)δ6.43-6.36(m,1H),5.49-5.31(m,2H),5.05-4.91(m,1H),4.77(dd,
J=3.5,7.8Hz,1H),2.24-1.62(m,6H),1.51(dd,J=1.7,6.9Hz,3H),1.44-1.
24(m,24H),0.87(t,J=6.8Hz,3H);
C25H42O4のHRMS(M+)計算値406.3083,実測値406.3076。
(R)−3,4−ジヒドロキシ−5−[(Z)−3−オクタデセニル]−2(5H)
−フラノンを、(R)−4−ヒドロキシ−5−[(Z)−3−オクタデセニル]−3
−[(E)−プロペニルオキシ]−2(5H)−フラノンからS−異性体と同様の収
量で調製した:mp65-67℃;[α]D 259.5°(c=0.5,CH3OH);IR(ニート,cm-1)34
21(br),2917,2850,1754,1666,734,719;1H NMR(CD3COCD3)δ5.49-5.28(m
,2H),4.67(dd,J=3.4,7.8Hz,1H),2.32-1.88(m,4H),1.69-1.51(m,2H),1
.44-1.25(m,24H),0.87(t,J=6.7Hz,3H);C22H38O4のHRMS(M+)計算値366.277
0,実測値366.2780;C22H38O4+0.33H2Oの分析:計算値C,70.93;H,10.46:実測値C
,70.53;H,10.25。
実施例5
メチル(2S,5Z)−2−(2−ベンジルオキシ)アセチルオキシ−5−エイ
コセノエート アルゴン下、100mlの火炎乾燥した2つ口丸底フラスコに4
0mlの無水CH2Cl2中0.275g(0.81ミリモル)のメチル(2S,5Z
)−2−ヒドロキシ−5−エイコセノエート及び0.20g(1.09ミリモル)
の塩化ベンジオキシアセチルを加えた。この溶液を0℃(氷塩浴)に冷却し、ピ
リジン(0.086g、1.09ミリモル)を滴下した。混合液を0℃で30分間
攪拌し、室温に温め、更に8時間攪拌した。反応液を10mlの氷水で急冷した。
CH2Cl2(20ml)を加え、混合液を6時間攪拌した。CH2Cl2層を3×20
mlの10%HCl水溶液、3×15mlの重炭酸ナトリウム飽和溶液、2×25ml
の食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残留物を溶離液と
して酢酸エチル:ヘキサン(1:5)を用いてシリカゲルにより精製して0.3
4g(87%)の白色固形物を得た:[α]D 25-5.4°(c=0.5,CH3OH);IR(ニート
,cm-1)3006(br),2923,1756,1455,734,698;1H NMR(CD3COCD3)δ7.40-7.26
(m,5H),5.48-5.22(m,2H),5.12(t,J=16.7Hz,1H),4.17(d,J=16.7Hz,1H)
,3.76(s,3H),2.20-1.87(m,6H),1.49-1.21(m,24H),0.88(t,J=6.4Hz,3H)
;C30H48O5のHRMS(M+)計算値488.3501,実測値488.3501。
(S)−3−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシ−5−[(Z)−3−オクタデセニ
ル]−2(5H)−フラノン アルゴン下、低温温度計を備えた100mlの火
炎乾燥した3つ口フラスコに、25mlの無水テトラヒドロフラン中0.302g
(1.87ミリモル)のヘキサメチルジシラジドを加えた。この溶液を−25℃
に冷却し、ヘキサン中1.17mlの1.6M n−BuLi(1.87ミリモル)を
−15℃のよりも低い温度を維持しつつ攪拌しながら滴下した。反応液を−3〜
−5℃に45分間維持し、8mlの無水テトラヒドロフラン中0.434g(0.8
9ミリモル)のメチル(2S,5Z)−2−ヒドロキシ−5−エイコセノエート
、(ベンジルオキシ)アセテートを滴下した。反応液を2時間攪拌し、10mlの
冷却した10%HCl水溶液で−78℃に急冷した。エーテル(15ml)を加え
、混合液を室温に温め、3×50mlのエーテルで抽出した。有機層を3×50ml
の食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残留物を溶離液と
してクロロホルム中10%メタノールを用いてシリカゲルにより精製して0.3
4g(84%)の白色固形物を得た:mp76-79℃;[α]D 25-13.8°(c=0.3,CH3OH
);IR(KBr,cm-1)3033(br),3004,2917,1739,1660,1402,1342,738,728
,696;1H NMR(CD3COCD3)δ7.43-7.29(m,5H),5.48-5.27(m,2H),5.06(d,J=11
.3Hz,1H),5.01(d,J=11.3Hz,1H),4.69(dd,J=3.5,7.6Hz,1H),2.28-1.51(
m,6H),1.42-1.27(m,24H),0.86(t,J=6.7Hz,3H);C29H44O4のHRMS(M+)計算
値456.3239;C29H44O4+0.2H2Oの分析:計算値C,75.68;H,9.72:実測値C,75.57;H
,9.68。
(S)−3,4−ジヒドロキシ−5−オクタデシル−2(5H)−フラノン
250mlの水素添加ビンに、5mlのメタノール中0.02gの10%パラジウム
/炭素を加えた。この懸濁液に、15mlのメタノールに溶解した0.1g(0.2
19ミリモル)の(S)−3−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシ−5−[(Z)−
3−オクタデセニル]−2(5H)−フラノンを加えた。40psi及び室温で水素
添加を開始した。反応液をTLCで完了をモニター(約5〜6時間)し、ろ過(
セライト)し、減圧下で蒸発させた。残留物を溶離液としてクロロホルム中10
%のメタノールを用いてシリカゲルにより精製して58mg(72%)の白色固形
物を得た:mp110-112℃;[α]D 25-6.8°(c=0.3,CH3OH);IR(KBr,cm-1)3380(br
),2917,2848,1741,1668;1H NMR(CD3COCD3)δ4.67(dd,J=3.5,
7.3Hz,1H),2.01-1.88(m,1H),1.57-1.47(m,1H),1.42-1.23(m,32H),0.87(
t,J=6.8Hz,3H);C22H40O4のHRMS(M+)計算値368.2927;実測値368.2928;C22H40
O4+0.5H2Oの分析:計算値C,69.99;H,10.95;実測値C,70.27;H,11.22。
実施例6
メチル(2R,5Z)−2−(2−ベンジルオキシ)アセチルオキシ−5−エイ
コセノエートを、メチル(2R,5Z)−2−ヒドロキシ−5−エイコセノエー
トからS−異性体と同様の収量で調製した:[α]D 255.2°(c=0.5,CH3OH);IR(
ニート,cm-1)3006,2923,1756,1455,734,698;1H NMR(CD3COCD3)δ7.40-7.
26(m,5H),5.48-5.22(m,2H),5.12(t,J=6.4Hz,1H),4.66(s,2H),4.25(d,
J=16.7Hz,1H),4.17(d,J=16.7Hz,1H),3.76(s,3H),2.20-1.87(m,6H),1.4
9-1.21(m,24H),0.88(t,J=6.4Hz,3H);C30H48O5のHRMS(M+)計算値488.3501
,実測値488.3501。
(R)−3−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシ−5−[(Z)−3−オクタデセニ
ル]−2(5H)−フラノンを、メチル(2R,5Z)−2−(2−ベンジルオ
キシ)アセチルオキシ−5−エイコセノエートからS−異性体と同様の収量で調
製した:mp76-79℃;[α]D 2513.5°(c=0.5,CH3OH);IR(KBr,cm-1)3033(br),
3004,2917,1739,1660,1400,1342,738,730,696;1H NMR(CD3COCD3)δ7.43
-7.29(m,5H),5.48-5.27(m,2H),5.06(d,J=11.3Hz,1H),5.01(d,J=11.3Hz
,1H),4.67(dd,J=3.5,7.6Hz,1H),2.28-1.51(m,6H),1.42-1.27(m,24H),
0.86(t,J=6.7Hz,3H);C29H44O4のHRMS(M+)計算値456.3239;実測値456.3243。
(R)−3,4−ジヒドロキシ−5−[3−オクタデシル]−2(5H)−フラ
ノンを、(R)−3−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシ−5−[(Z)−3−オク
タデセニル]−2(5H)−フラノンからS−異性体と同様の収量で調製した:m
p114-117℃;[α]D 255.2°(c=0.2,CH3OH);IR(Kbr,cm-1)3411(br),2917,28
48,1754,1668;1H NMR(CD3COCD3)δ4.67(dd,J=3.5,7.3Hz,1H),2.01-1.88(m
,1H),1.57-1.47(m,1H),1.42-1.23(m,32H),0.87(t,J=6.8Hz,3H);C22H40O4
のHRMS(M+)計算値368.2927;実測値
368.2927;C22H40O4+0.5H2Oの分析:計算値C,69.99;H,10.95;実測値C,69.71;H
,11.09。
実施例7
メチル(S)−3−フェニルラクテート 還流コンデンサーを備えた250ml
の丸底フラスコで、4滴の濃硫酸を含有する225mlのメタノール中3.0g(
18.07ミリモル)のS−フェニル乳酸を7時間加熱還流した。反応混合液を
冷却し、0.6gの重炭酸ナトリウムを加え、減圧下でメタノールを蒸発させた
。残留物を200mlのエーテルに溶解し、エーテル層を2×75mlの水、2×1
00mlの重炭酸ナトリウム飽和溶液及び2×75mlの食塩水で洗浄し、乾燥(N
a2SO4)し、減圧下で蒸発させて3.12gの粗生成物を得、これを酢酸エチ
ル:ヘキサン(1:5)を用いてシリカゲルにより精製して2.92g(90%
)の白色の結晶性固形物を得た:mp46-47℃;IR(Kbr,cm-1)3473(br),3029,2
954,1739,1496,1454;1H NMR(CDCl3)δ7.34-7.19(m,5H),4.50-4.43(m,1H)
,3.77(s,3H),3.14(dd,J=4.4,13.9Hz,1H),2.96(dd,J=6.8,13.9Hz,1H)
,2.72(d,J=6.2Hz,1H);C10H12O3のHRMS(M+)計算値180.0786;実測値180.0786
。
メチル(S)−2−(2−ベンジルオキシ)アセチルオキシ−3−フェニルラク
テート アルゴン下、250mlの火炎乾燥した2つ口丸底フラスコに、80ml
の無水CH2Cl2中2.92g(16.2ミリモル)のメチル(S)−3−フェニ
ルラクテートを加えた。塩化ベンジルオキシアセチル(4.49g、24.33ミ
リモル)を攪拌しながら加え、この溶液を氷塩浴中で0℃に冷却した。ピリジン
(1.93g、24.33ミリモル)を滴下し、反応内容物を0℃で30分間攪拌
し、室温に温め、更に3時間攪拌した。反応液を40mlの氷水で急冷し、75ml
のCH2Cl2を加えた。一晩攪拌した後、CH2Cl2層を減圧下で3×75mlの
10%HCl水溶液、3×100mlの重炭酸ナトリウム飽和溶液で洗浄した。粗
生成物を酢酸エチル:ヘキサン(1:5)を用いてシリカゲルにより精製して4
.68g(88%)の白色の結晶性固形物を得た:mp51-52℃;[α]D 25-14.3°(c
=2.4,CH3OH);IR(Kbr,cm-1)2948,2886,1766,1745,1455,1434;1H NMR(CD
Cl3)δ7.36-7.19(m,10H),5.36(dd,J=4.5,8.7Hz,1H),
4.57(s,2H),4.19(d,J=16.7Hz,1H),4.09(d,J=16.7Hz,1H),3.74(s,3H),
3.23(dd,J=4.5,14.3Hz,1H),3.11(dd,J=8.7,14.3Hz,1H);C19H20O5のHRMS
(M+)計算値328.1311;実測値328.1269。
(S)−5−ベンジル−3−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシ−2(5H)−フ
ラノン 低温温度計を備えた100mlの火炎乾燥しアルゴンパージした3つ口
フラスコに、35mlの無水テトラヒドロフラン中2.38g(14.73ミリモル
)のヘキサメチルジシラジドを加えた。この溶液を−25℃に冷却し、ヘキサン
中5.9mlの2.5M n−BuLi(14.73ミリモル)溶液を−15℃よりも
低い温度を維持しつつ滴下した。添加後、反応液を攪拌し、−3〜−5℃で45
時間維持し、−78℃に冷却した。10mlの無水テトラヒドロフラン中メチル(
S)−2−(2−ベンジルオキシ)アセチルオキシ−3−フェニルラクテート(
2.3g、7.01ミリモル)を滴下した。反応液を75分間攪拌し、25mlの予
め冷却した10%HCl水溶液で−78℃に急冷した。室温に温めた後、水層を
3×80mlのエーテルで抽出し、合わせた有機層を3×100mlの食塩水で洗浄
し、乾燥(Na2SO4)した。減圧下でエーテルを蒸発させて1.98gの白色
の粗固形物を得、これをエーテル/石油エーテルを用いて再結晶して1.82g
(85%)の白色の結晶性固形物を得た:mp181-182℃;[α]D 25-57.1°(c=0.9
,CH3OH);IR(Kbr,cm-1)3031(br),2719,1743,1662,1454;1H NMR(CD3COCD3
)δ7.34-7.29(m,5H),7.29-7.21(m,5H),4.96(dd,J=3.7,6.5Hz,1H),4.87(
d,J=18.2Hz,1H),4.79(d,J=18.2Hz,1H),3.26(dd,J=3.7,14.5Hz,1H),2.
88(dd,J=6.5,14.5Hz,1H);13C NMR(CD3COCD3)δ169.0,160.2,138.2,136.4
,130.6(2C),129.2(2C),129.1(2C),128.8,127.6,121.9,76.0,73.6,38.6
;C18H16O4のHRMS(M+)計算値296.1048;実測値296.1045;C18H16O4の分析:計算値
C,72.96;H,5.44;実測値C,72.59;H,5.53。
(S)−5−ベンジル−3,4−ジヒドロキシ−2(5H)−フラノン 25
0mlのアルゴンフラッシュした水素添加ビンに10mlのメタノール中0.2gの
10%パラジウム/炭素を懸濁した。この懸濁液に、2.0g(6.76ミリモル
)の(S)−5−ベンジル-3−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシ−2(5H)
−フ
ラノン及び25mlのメタノールを加えた。混合液を水素(35psi)下室温で振
盪し、TLCでモニターした(約5〜6時間)。ろ過(セライトパッド)した後
、減圧下でろ液を蒸発させ、残留物をアセトン/ヘキサンから再結晶して1.2
5g(90%)の白色の結晶性固形物を得た:mp142-144℃;[α]D 25-40.2°(c=
2.1,CH3OH);IR(Kbr,cm-1)3334(br),1762,1681,1455,1319;1H NMR(CD3CO
CD3)δ7.28-7.21(m,5H),4.93(dd,J=3.5,6.7Hz,1H),3.29(dd,J=3.5,14.5
Hz,1H),2.88(dd,J=6.5,14.5Hz,1H);C11H10O4のHRMS(M+)計算値206.0579;
実測値206.0583;C11H10O4の分析:計算値C,64.08;H,4.82;実測値C,63.99;H,4
.89。
実施例8
メチル(R)−3−フェニルラクテートを、(R)−フェニル乳酸から対応する
S−異性体と同様の収量で調製した:mp47℃;IR(Kbr,cm-1)3479(br),3029,
2954,1739,1496,1454;1H NMR(CDCl3)δ7.34-7.19(m,5H),4.50-4.43(m,1H)
,3.78(s,3H),3.14(dd,J=4.3,13.9Hz,1H),2.96(dd,J=6.8,13.9Hz,1H)
,2.72(d,J=6.2Hz,1H);C10H12O3のHRMS(M+)計算値180.0786;実測値180.0795
。
メチル(R)−2−(2−ベンジルオキシ)アセチルオキシ−3−フェニルラク
テートを、(R)−3−フェニルラクテートから対応するS−異性体と同様の収
量で調製した:mp49-50℃;[α]D 2514.7°(c=0.4,CH3OH);IR(Kbr,cm-1)2948
,2886,1766,1745,1455,1434;1H NMR(CDCl3)δ7.35-7.19(m,10H),5.36(dd
,J=4.5,8.7Hz,1H),4.57(s,2H),4.19(d,J=16.7Hz,1H),4.09(d,J=16.7H
z,1H),3.74(s,3H),3.23(dd,J=4.5,14.3Hz,1H),3.11(dd,J=8.7,14.3Hz
,1H);C19H20O5のHRMS(M+)計算値328.1311;実測値328.1303。
(R)−5−ベンジル−3−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシ−2(5H)−フ
ラノンを、(R)−2−(2−ベンジルオキシ)アセチルオキシ−3−フェニル
ラクテートから(S)−5−ベンジル−3−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシ−
2(5H)−フラノンと同様の収量で調製した:mp182-183℃;[α]D 2557.8°(c
=0.4,CH3OH);IR(Kbr,cm-1)3029(br),2717,1743,1660,1454;
1
H NMR(CD3COCD3)δ7.34-7.29(m,5H),7.29-7.21(m,5H),4.96(dd,J=3.7,
6.5Hz,1H),4.86(d,J=18.4Hz,1H),4.79(d,J=18.4Hz,1H),3.26(dd,J=2.7
,14.4Hz,1H),2.88(dd,J=6.5,14.4Hz,1H);C18H16O4のHRMS(M+)計算値296
.1048;実測値296.1045。
(R)−5−ベンジル−3,4−ジヒドロキシ−2(5H)−フラノンを、(R
)−5−ベンジル−3−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシ−2(5H)−フラノ
ンから対応するS−異性体と同様の収量で調製した:mp142-144℃;[α]D 2540.8
°(c=0.8,CH3OH);IR(Kbr,cm-1)3336(br),1762,1679,1455,1319;1H NMR(
CD3COCD3)δ7.28-7.22(m,5H),4.93(dd,J=3.6,6.7Hz,1H),3.29(dd,J=3.6
,14.5Hz,1H),2.88(dd,J=6.7,14.5Hz,1H);C11H10O4のHRMS計算値C,64.08;
H,4.82;実測値C,63.93;H,4.86。
実施例9
(S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラ
ン−4−オン 隔壁を備えた500mlの火炎乾燥した丸底フラスコにアルゴン
下で、200mlの無水テトラヒドロフランに溶解した11.0g(63.2ミリモ
ル)の(S)−リンゴ酸のジオキソラネート(市販の(S)−リンゴ酸と触媒と
して過剰量のジメトキシプロパン及びp−トルエンスルホン酸とを反応させるこ
とにより調製した)を入れた。反応液を冷却(−20〜−30℃)し、70mlの
1Mボラン−テトラヒドロフラン複合体を2時間かけて滴下した。添加後、反応
容器を4℃の冷蔵庫に11時間入れ、室温に温め、室温で9時間攪拌し、溶離液
としてアセトンを用いてクロマトグラフィー処理(シリカゲル)した。減圧下で
蒸発させた後、残留物を前のようにクロマトグラフィー処理して9.1g(90
%)のアルコールを無色の不安定な液体として生成し、これを減圧下で乾燥し、
そのままで次の反応に用いた:IR(ニート,cm-1)3480(br),2994,2940,2888
,1791,1220;1H NMR(CDCl3)δ4.58(dd,J=5.1,7.0Hz,1H),3.91-3.79(m,2H)
,2.28-2.13(m,1H),2.13-1.97(m,1H),1.64(s,3H),1.57(s,3H)。
(S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラ
ン−4−オンp−トルエンスルホネート 乾燥した(S)−5−(2−ヒドロ
キシエチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−オン(9.0g、
59.2
ミリモル)を、アルゴン下で100mlの無水ピリジンに溶解し、−4℃に冷却し
た。約0℃に維持したこの溶液に、100mlのピリジンに溶解した11.3g(
59.22ミリモル)のp−トルエンスルホニルクロリドを滴下した。添加後、
混合液を冷蔵庫(0〜4℃)に一晩入れた。水(150ml)を加え、混合水溶液
を4×200mlのエーテルで抽出した。エーテル層を合わせ、3×150mlの水
、3×150mlの硫酸銅飽和溶液(暗青色でなくなるまで)、2×100mlの水
、3×150mlの食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で蒸
発させた。粗トシレートを酢酸エチル:ヘキサン(1:1)を用いてカラムクロ
マトグラフィーで精製して標記化合物16.7g(95%)を白色固形物として
得た:mp48-49℃;[α]D 25-3.7°(c=0.3,CH3OH);IR(Kbr,cm-1)2989,1785,
1390,1357,1278;1H NMR(CDCl3)δ7.80(d,J=8.3Hz,2H),7.36(d,J=8.3Hz,2
H),4.43(dd,J=4.4,8.1Hz,1H),4.27-4.14(m,2H),2.46(s,3H),2.3-2.17(
m,1H),2.09-1.92(m,1H),1.58(s,3H),1.51(s,3H);C14H18O6SのHRMS(M+)
計算値314.0824;実測値314.0817。
(S)−5−ヘキシル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−オン
200mlの無水エーテル中4.85g(25.48ミリモル)のヨウ化第一銅の懸
濁液を含み−30℃に維持した火炎乾燥した500mlの3つ口丸底フラスコに、
ヘキサン中31.85mlの1.6M n−BuLi(50.96ミリモル)を滴下し
た。暗赤褐色溶液を−30〜−40℃で2時間攪拌し、−78℃に冷却した。3
0mlの無水エーテル及び10mlの無水テトラヒドロフランに溶解した(S)−5
−(2−ヒドロキシエチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−オ
ンp−トルエンスルホネートを、−70℃よりも低い温度を維持しながら滴下し
た。反応混合液を−78℃で18時間攪拌した。完了(TLCモニター)後、反
応液を−10℃に温め、125mlの予め冷却した塩化アンモニウム飽和溶液を加
えることにより急冷した。エーテル(100ml)を加え、混合液をセライトでろ
過した。水相を3×175mlの水で抽出した。合わせたエーテル抽出液を2×1
25mlの塩化アンモニウム飽和溶液、1×75mlの水及び2×100mlの食塩水
で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。生成物を溶離液
として酢酸エチル:ヘキサン(1:5)を用いて精製(シリカゲル)して2.4
4g(95%)
の標記化合物を無色の油状物として得た:[α]D 250.6°(c=1.9,CH3OH);IR(Kbr
,cm-1)2958,2933,2861,1797;1H NMR(CDCl3)δ4.39(dd,J=4.4,7.1Hz,1H)
,1.95-1.81(m,1H),1.81-1.62(m,1H),1.61(s,3H),1.54(s,3H),1.49-1.3
8(m,2H),1.35-1.29(m,6H),0.89(t,J=6.613C NMR(CDCl3)δ173.3,110.2
,74.2,31.7,31.6,28.8,25.8,24.8,22.5,13.9;C11H20O3のHRMS(M+)計算
値200.1412;実測値200.1422。
メチル(S)−2−ヒドロキシオクタノエート 還流コンデンサーを備えた2
50mlの丸底フラスコに、2滴の濃硫酸を含む150mlのメタノール中2.4g
(12ミリモル)の(S)−5−ヘキシル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソ
ラン−4−オンを入れた。6時間加熱還流した後、反応混合液を冷却し、0.5
gの重炭酸ナトリウムを加えた。減圧下で溶媒を蒸発させ、残留物を200mlの
CH2Cl2に溶解した。この溶液を2×75mlの水、2×100mlの重炭酸ナト
リウム飽和溶液及び2×75mlの食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)した。減
圧下でCH2Cl2溶媒を蒸発させて2.07gの粗生成物を得、これを酢酸エチ
ル:ヘキサン(1:5)を用いてシリカゲルにより精製して2.0g(96%)
の標記化合物を薄黄色の油状物として得た:[α]D 252.9°(c=0.8,CH3OH);IR(
ニート,cm-1)3475(br),2925,2857,1739;1H NMR(CDCl3)δ4.19(m,1H),3
.79(s,3H),2.73(d,J=4.8Hz,1H),1.89-1.75(m,1H),1.72-1.56(m,1H),1.
55-1.39(m,2H),1.39-1.28(m,6H),0.88(t,J=6.6Hz,3H);C19H18O3のHRMS(M+
)計算値174.1255;実測値174.1255。
メチル(S)−2−(2−ベンジルオキシ)アセチルオキシオクタノエート
アルゴン下、250mlの火炎乾燥した2つ口丸底フラスコに、100mlの無水C
H2Cl2中4.28g(25.0ミリモル)のメチル(S)−2−ヒドロキシオク
タノエートを加えた。塩化ベンジルオキシアセチル(6.82g;36.9ミリモ
ル)を加え、混合液を氷塩浴中0℃に冷却した。ピリジン(2.92g、36.9
ミリモル)を滴下した。混合液を0℃で30分間攪拌し、室温に温め、更に3時
間攪拌し、30mlの氷水で急冷した。更に50mlのCH2Cl2を加えた。一晩攪
拌した後、CH2Cl2層を分離し、3×50mlの10%HCl水溶液、3×75
mlの重炭酸ナトリウム飽和溶液及び2×100mlの食塩水で抽出し、乾燥
(Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。残留物を溶離液として酢酸エチル:ヘキサ
ン(1:6)を用いてシリカゲルにより精製して6.7g(88%)の標記化合
物を薄黄色液体として得た:[α]D 25-10.9°(c=0.3,CH3OH);IR(ニート,cm-1
)2927,2859,1735,1455,1438;1H NMR(CDCl3)δ7.36-7.29(m,5H),5.11(t,
J=6.5Hz,1H),4.66(s,2H),4.23(d,J=16.7Hz,1H),4.17(d,J=16.7Hz,1H)
,3.75(s,3H),1.87-1.72(m,2H),1.42-1.15(m,8H),0.87(t,J=6.6Hz,3H);
C18H26O5のHRMS(M+)計算値322.1780;実測値322.1760。
(S)−3−ベンジルオキシ−5−ヘキシル−4−ヒドロキシ−2(5H)−フ
ラノン 低温温度計を備えた100mlの火炎乾燥しアルゴンパージした3つ口
フラスコに、35mlの無水テトラヒドロフラン中2.1g(13.04ミリモル)
のヘキサメチルジシラジドを加えた。−25℃に冷却した後、ヘキサン中5.3m
lの2.5M n−Buliを−15℃よりも低い温度を維持しつつ攪拌しながら滴
下した。混合液を攪拌し、−3〜−5℃に45分間維持し、−78℃に冷却した
。10mlの無水テトラヒドロフラン中メチル(S)−2−(2−ベンジルオキシ
ル)アセチルオキシオクタノエート(2.0g;6.21ミリモル)を滴下した。
反応液を75分間攪拌し、30mlの予め冷却した10%HCl水溶液で−78℃
に急冷した。室温に温めた後、生成物を3×80mlのエーテルで抽出し、有機層
を3×100mlの食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で蒸発させて
1.65gの白色の粗生成物を得、エーテル/石油エーテルを用いて再結晶して
1.53g(85%)の白色結晶を得た:mp74-75℃;[α]D 25-18.9°(c=2.0,CH3
OH);IR(KBr,cm-1)3035(br),2950,2921,1735,1646,1465;1H NMR(CD3COC
D3)δ7.43-7.29(m,5H),5.06(d,16.1Hz,1H),5.01(d,J=16.1Hz,1H),4.69(
dd,J=3.7,7.0Hz,1H),1.90-1.82(m,1H),1.61-1.45(m,1H),1.38-1.15(m,
8H),0.87(t,J=6.8Hz,3H);13C NMR(CD3COCD3)δ171.6,169.4,161.2,138.
3,129.2(2C),129.1(2C),128.9,120.9,75.9,73.4,32.6,32.4,24.4,23.
2,14.3;C17H22O4のHRMS(M+)計算値290.1518;実測値290.1538;C17H22O4の分析
計算値C 70.36,H 7.50;実測値C 70.32,H 7.64。
(S)−5−ヘキシル−3,4−ジヒドロキシ−2(5H)−フラノン アル
ゴン下、100mlの2つ口丸底フラスコに、50mlの無水エタノール中0.7g
(2.41ミリモル)の(S)−3−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシ−3(5
H)−フラノン、0.7gの10%Pd/C及び4.96g(660.35ミリモ
ル)のシクロヘキセンを加えた。混合液を攪拌し、加熱還流し、ろ過(セライト
)し、減圧下で溶媒を除去した。残留物をアセトン/ヘキサンから再結晶して0
.362g(75%)の白色の固形物を得た:mp100-101℃;[α]D 25-14.1°(c=0
.4,CH3OH);IR(KBr,cm-1)3426(br),2921,1766,1662;1H NMR(CD3COCD3)
δ4.56(dd,J=3.4,7.0Hz,1H),1.98-1.84(m,1H),1.57-1.43(m,1H),1.42-1
.22(m,8H),0.90(t,J=6.7Hz,3H);C10H16O4のHRMS(M+)計算値200.1049;実測
値200.1049;C10H16O4の分析 計算値C 60.05,H 8.05。
実施例10
(R)−5−(2−ヒドロキシエチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラ
ン−4−オンを、(S)−リンゴ酸のジオキソラネートから対応するS−異性体
と同様の収量で調製した:IR(ニート,cm-1)3453(br),2994,2940,2888,17
91,1220;1H NMR(CDCl3)δ4.58(dd,J=5.1,7.0Hz,1H),3.91-3.79(m,2H),2.
28-2.13(m,1H),2.12-1.97(m,1H),1.64(s,3H),1.57(s,3H)。
(R)−5−(2−ヒドロキシエチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラ
ン−4−オンp−トルエンスルホネートを、(R)−5−(2−ヒドロキシエチ
ル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−オンから対応するS−異性
体と同様の収量で調製した:mp52-53℃;[α]D 253.8°(c=1.1,CH3OH);IR(KBr
,cm-1)2992,1785,1388,1357,1278;1H NMR(CDCl3)δ7.80(d,J=8.3Hz,2H)
,7.36(d,J=8.3Hz,2H),4.43(dd,J=4.4,8.1Hz,1H),4.27-4.14(m,2H),2.
46(s,3H),2.30-2.18(m,1H),2.09-1.93(m,1H),1.58(s,3H),1.51(s,3H);
C14H18O6のHRMS(M+)計算値314.0824;実測値314.0830。
(R)−5−ヘキシル−2,2−ジメチル-1,3−ジオキソラン−4−オンを、
(R)−5−(2−ヒドロキシエチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラ
ン−4−オンから対応するS−異性体と同様の収量で調製した:[α]D 25
-2.9°(c=1.3,CH3OH);IR(ニート,cm-1)2958,2931,2859,1797;1H NMR(CD3
Cl3)δ4.39(dd,J=4.4,7.1Hz,1H),1.95-1.81(m,1H),1.81-1.62(m,1H),1.
61(s,3H),1.54(s,3H),1.49-1.38(m,2H),1.24-1.28(m,6H),0.89(t,J=6.
6Hz,3H);C11H20O3のHRMS(M+)計算値200.1412;実測値200.1431。
メチル(R)−2−ヒドロキシオクタノエートを、(R)−5−ヘキシル−2,
2−ヘキシル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−オンから対応する
S−異性体と同様の収量で調製した:[α]D 252.7°(c=0.3,CH3OH);IR(ニート
,cm-1)3496(br),2929,2859,1749;1H NMR(CDCl3)δ4.19(m,1H),3.79(s,3
H),2.73(d,J=4.8Hz,1H),1.89-1.75(m,1H),1.72-1.57(m,1H),1.55-1.39(
m,2H),1.39-1.28(m,6H),0.88(t,J=6.6Hz,3H);C9H18O3のHRMS(M+)計算値
174.1255;実測値174.1256。
メチル(R)−2−(2−ベンジルオキシ)アセチルオキシを、メチル(R)−
2−ヒドロキシオクタノエートから対応するS−異性体と同様の収量で調製した
:[α]D 2510.8°(c=1.1,CH3OH);IR(KBr,cm-1)2925,2857,1733,1455,143
6;1H NMR(CDCl3)δ7.36-7.29(m,5H),5.10(t,J=6.5Hz,1H),4.65(s,2H),4.
23(d,J=16.7Hz,1H),4.17(d,J=16.7Hz,1H),3.74(s,3H),1.87-1.72(m,2H
),1.42-1.15(m,8H),0.87(t,J=6.6Hz,3H);C18H26O5のHRMS(M+)計算値322.
1780;実測値322.1782。
(R)−3−ベンジルオキシ−5−ヘキシル−4−ヒドロキシ−2(5H)−フ
ラノンを、メチル(R)−2−(2−ベンジルオキシル)アセチルオキシオクタ
ノエートと同様の収量で調製した:mp86-87℃;[α]D 2518.8°(c=0.9,CH3OH);I
R(KBr,cm-1)3035(br),2950,2921,1735,1646;1H NMR(CD3COCD3)δ7.43-7.
29(m,5H),5.07(d,16.2Hz,1H),5.01(d,J=16.2Hz,1H),4.69(dd,J=3.7,7
.0Hz,1H),1.90-1.82(m,1H),1.61-1.45(m,1H),1.61-1.45(m,1H),1.38-1.
15(m,8H),0.87(t,J=6.7Hz,3H);C17H22O4のHRMS(M+)計算値290.1518;実測
値290.1505。
(R)−5−ヘキシル−3,4−ジヒドロキシ−2(5H)−フラノンを、(R
)−3−ベンジルオキシ−5−ヘキシル−4−ヒドロキシ−2(5H)−フラノ
ン
から対応するS−異性体と同様の収量で調製した:mp98-99℃;[α]D 2514.2°(c
=1.9,CH3OH);IR(KBr,cm-1)3423(br),2921,1768,1660;1H NMR(CD3COCD3)
δ4.57(dd,J=3.4,7.0Hz,1H),1.98-1.84(m,1H),1.57-1.43(m,1H),1.42-1
.22(m,8H),0.90(t,J=6.7Hz,3H);C10H16O4のHRMS(M+)計算値200.1049;実測
値200.1049。