【発明の詳細な説明】
改良されたトランスミッション
発明の背景
1.発明の分野
本件発明は概括的には機械的トランスミッションの分野に関する。より詳細に
はエネルギー消費を極めて少なくするトランスミッションに関する。
2.背景技術
トランスミッション装置は、エンジンによって発生された動力を出力軸へ変換
しかつ伝達するための自動車分野においては広く知られている。トランスミッシ
ョンにおける継続的問題は、たとえその全てが機械的装置でないにしても、エネ
ルギー消費をもたらす振動及びその他の反作用力の影響に関するものである。
物理学の分野ではよく知られたことであるが、単一の独立した力と言うものは
存在することが出来ず、ある単一の力は2つの物体間の相互作用の単なる1つの
観点に過ぎない。第1のボデイ即ち物体が第2のボデイ即ち物体へ力を及ぼすと
き、第2のボデイは常に第1のボデイへ対して同等の対抗する反作用力を及ぼし
ている。機械的なトランスミッションにおいては、ギアボックスやその他の安定
した構造体がエンジンの力に応答してギアを一緒に保持しかつ該ギアの噛み合い
係合を維持するために必要な最終的な反作用力を提供している。このような安定
した構造体はしばしば大量のエネルギーを吸収しなけらばならず、そのほとんど
は振動運動、熱及び騒音の形態にて解放される。振動運動の繰り返し震動及び揺
動はその構造体及びその種々の相互接続関係を劣化させ、かつ加熱/冷却サイク
ルは材料を弱くする。エネルギー消費及び付随する振動、熱、音を最小にするよ
うな改良されたトランスミッションは今日関心のあるところである。
発明の目的及び要約
よって本件発明の目的は第1のボデイから第2のボデイまでトルクを伝達する
ための改良されたトランスミッションを提供することである。
本件発明の別の目的は比較的簡単構造及び作動を有するトランスミッションを
提供することである。
これらの目的及びその他の目的は、限定的なものではないが、トルクを伝達す
るための改良されたトランスミッションの特定の図示の実施例によって達成され
る。即ち、第1及び第2のギア手段がそれぞれ第1及び第2のトルクベアリング
ボデイへ一体的に剛的に取り付けられるような構造となっている。第3のギア手
段が第1及び第2のギア手段に同時に噛み合い係合するように配置されており、
これにより第1及び第2のギア手段が実質的に同軸配置するように配置されてい
る。ギア手段は、3つのギア手段の1つの該3つのギア手段の他方に対する回転
が種々の噛み合せ係合を介して他の残りのギア手段の回転をもたらし、これによ
り該他の残りのギア手段に対して3つのギア手段の該1つからのトルクの伝達が
達成される。
本件発明の付加的な目的及び利点は、下記の記載において述べられており、更
には一部はその記載から明確になろう。更にはまた本件発明の実施により確かめ
られるであろう。本件発明の目的及び利点は、特に添付の請求の範囲の記載にお
いて示された装置及び組合せによって認識されかつ得られるであろう。
図面の簡単な説明
本件発明に関する上述の及びその他の目的、特徴及び利点は、添付の図面に関
して述べている下記の詳細な記載を考慮することによって明らかとなろう。ここ
で、
図1は、本件発明の原理によるトランスミッションの内面の一部を部分的に示
している側面図である。
図2は、図1のトランスミッションのギア装置の上面を示している図である。
図3は、図2のギア装置の別の実施例の上面を示している図である。
図4は、図2のギア装置の更に別の実施例の上面を示している図である。
図5は、図2のギア装置の更に別の実施例の上面を示している図である。
図6は、従来のトランスミッション装置の側方断面図を示している図である。
好ましい実施例についての詳細な説明
図1を参照すると、ここには本件発明によって構成され概括的に符号10で指
称されているトランスミッションの実施例が示されている。第1及び第2のギア
12、14はそれぞれ第1及び第2のトルクベアリングボデイ16、18へ一体
的に剛着されている。更に第3のトルクベアリングボデイ20は内部に回転可能
に載置された遊星マルチギア部材22を有している。各遊星マルチギア部材22
はそれぞれ上方及び下方のトランスファーギア22a,22bを有している。こ
れらのギア22a,22bは相互に剛着されかつ実質的に共軸配置に配列されて
いる。別の実施例では、この分野の当業者にとって理解され得るように3つ又は
それ以上のトランスファーギアを有する遊星マルチギア部材を使用出来る。更に
、2つ又はそれ以上の遊星マルチギア部材22が好ましいのであるが、このトラ
ンスミッション10はただ1つの遊星マルチギア部材によっても構成されるであ
ろう。
上方トランスファーギア22aはすべて第1のギア12に同時に噛み合い係合
して配置されており、また下方トランスファーギア22bはすべて第2のギア1
4に同時に噛み合い係合して配置されており、第1及び第2のギア12、14が
実質的に共軸配置状態に配列されている。このような形態において、3つのトル
クベアリングボデイ16、18又は20の1つの、該3つのトルクベアリングボ
デイの別のものに対する回転は、種々の噛み合い係合を介して残りのトルクベア
リングボデイの回転をもたらし、これにより3つのトルクベアリングボデイの前
記1つから前記残りのトルクベアリングボデイまでのトルク伝達を完成する。
ある好ましい実施例においては、第1のトルクベアリングボデイ16は細長い
軸であり、第2のトルクベアリングボデイ18は中空の細長い軸であり、この第
1の軸16は第2の軸18内に実質的に同軸上にあり、これらの双方は第3のト
ルクベアリングボデイ20と実質的に同軸上に配置されている。この第3のトル
クベアリングボデイ20は中空の軸部分20aを含んでおり、第1の軸16の部
分16a及び第2の軸18の部分18aは第3のトルクベアリングボデイの中空
の軸部分20a内に実質的に同軸に配置されている。第3のトルクベアリングボ
デイ20の上部20bは位置付け手段として作動しており、前記上方及び下方の
第2ギア22a,22bを第1及び第2のギア12、14に係合するように保持
し、下記により詳細に述べるように反対回転の展開を可能にしている。第3のト
ルクベアリングボデイ20の上部20bによって一緒に保持されたギアによって
、第1、第2又は第3のボデイのいずれか1つのボデイの回転運動は、そのボデ
イが回転を制限されるときに、自動的に残りのトルクベアリングボデイへシフト
されるであろう。
トランスミッション10の1つの図的応用は、破線にて概略的に示されている
モータのような動力源30を第2のトルクベアリングボデイ18へ対して剛着し
かつ該モータから第1のトルクベアリングボデイ18へ回転力を付与することで
ある。このことは第2のトルクベアリングボデイ18に関する第1のトルクベア
リングボデイ16の回転を達成し、このことが第3のトルクベアリングボデイ2
0の回転を該第1のトルクベアリングボデイ18に関して反対回転するようにす
ることが理解されよう。第2のトルクベアリングボデイ18を動力源30に関し
て固定状態に保持することにより、第1のトルクベアリングボデイ16及び第3
のトルクベアリングボデイ20は、それぞれ上方及び下方のプロペラー34、3
6に対するように幾つかの有用な目的に応用されることが出来る。更に第3のト
ルクベアリングボデイ20を固定状態に保持しかつ第1又は第3のトルクベアリ
ングボデイ16、18の一方を回転することは、前の例における反対回転に対抗
するように、同一回転方向に第1又は第3のトルクベアリングボデイの他方の回
転を引き起こすことが分かろう。
このトランスミッション10の利点は、作用力及び反作用力の双方を使用する
ことを含む。このことは図6に示すような従来のトランスミッション100と比
較することにより、よりよく理解出来る。ニュートンの運動の第3法則は、“全
ての作用には常に等しい反作用が対抗する、即ち、互いに作用しあう2つの物体
の相互は常に等しく、互いに反対方向に作用する。”としている。ジョンウイレ
ーエンドソン社(John Wiley & Sons)発行“物理学の基礎”
(Fundamentals of Physics)第2版第71、ハリデイ
、デビット、レズニック、ロバート著。これから分かることは、モータ102が
従
来のトランスミッション100の入力軸104へ回転力を付与すると、トランス
ミッション100はニュートンの第3法則によって対抗する反作用力を及ぼさね
ばならない。この影響は内部的に、モータ20の作用力が入力軸104から第1
ギア106、第2ギア108、出力軸110及びプロペラ−112まで通ること
である。
更に図6を参照すると、入力軸104及び出力軸110がギアボックス114
の壁によって所定位置へ保持されており、これらの軸がこのギアボックスヘ作用
力を及ぼし、このギアボックスがこれらの軸へ対抗する反作用力を及ぼすことは
明らかである。この内部反作用力により何が起こるのか? これらの力は、例え
ば振動、騒音、熱等の形で放出される。これらの内部反作用力の効果は、回転軸
104、110を所定位置へ保持することによってギアボックス114を振動さ
せ、また加熱させることによって観測されうるのである。
これまでのギアボックス114においてこのギアボックスが入力ギア部材及び
出力ギア部材とに適切にかみ合わされている剛着状態に取り付けられたギアを備
えているときに、その内部反作用力は、無駄な振動、加熱、騒音等の形で放出さ
れる代わりに、有用なエネルギーとして適用され得るという、驚くべき結果を本
件出願人は見つけたのである。図1に示す本件出願人のトランスミッション10
を図6に示す従来のトランスミッション100に比較したとき、出願人のトラン
スミッション10の3つの主要なボデー16、18、20全てが相互に噛み合い
可能に接続されたギアを備えており、一方、従来のトランスミッション100に
おいては3つの主要なボデーにうち2つ(入力軸104及び出力軸110)のみ
がギアを有しており、ギアボックス114はギアを有していないということが分
かる。第2のトルクベアリングボデイ18は公知のギアボックス114に類似し
ている。それは共にそれぞれ動力源30、102に取り付けられている点におい
てである。しかし、トルクベアリングボデイ18が第2ギア14へ剛着されてお
り、この第2ギア14が中央ギアハブとして作用しており、この中央ギアハブの
周りに下方トランスファーギア22が噛み合い可能に回転していることが異なっ
ている。この正味の効果は、公知のギアボックス114が振動、熱、騒音として
放出される内部反作用力を提供しているのに対して、出願人の“ギアボックス”
ボデイ18及び剛着ギア14は噛み合い係合を介してギア22bへ対抗する反作
用力を及ぼしていることである。
しかして出願人のトランスミッション10における内部反作用力は、上方トラ
ンスファーギア22aに作用している第1ギア12の作用力に応答する下方トラ
ンスファーギア22bに作用している第2ギア14のギア歯を含んでいるのであ
る。こうして、内部反作用力は、振動、熱、騒音として浪費される代わりに付加
的なギア運動及び動力のために使用されるのである。これによりこの反作用力は
所定の出力を提供するためにより少ない入力を要求するように作用力により補足
される。トルクベアリングボデイ16、18、20の同軸関係は第1ギア12及
び第2ギア14周りに遊星マルチギア部材22のバランスの取れた対称的な形状
を組合せ、下方トランスファーギア22bを第2ギア14の対抗側へ噛み合わせ
る。これによりこの第2ギア14は下方トランスファーギア22bへ対して反作
用をするように強制され付加的な回転運動をもたらし、それにより“ギアボック
ス”ボデイ18は図6の従来のギアボックス114のように反作用力を提供する
ようなことは強制されない。ボデイ18の振動及び熱はこうして、たとえ排斥さ
れないにしても著しく減少させるのである。概念的には図6に示す従来のトラン
スミッション110では、反作用力がボルト止めされているボデイへボルト止め
即ち指向され、これに対して出願人のトランスミッションの第2ギア14は反作
用力を解放しそれらを使用するようにする。エネルギーの浪費がたとえ実質的に
排除されないとしても最小限になし得ることができ、さらにたとえ外的な振動運
動、熱又は騒音の顕著な解放がないとしてもほとんど観測出来ない程度まで減少
出来ることを出願人は見だしたのである。
出願人の発明の効果を視覚する一つの方法は、大気圏外におけるように重力の
影響のないところで出願人のトランスミッション10と公知のトランスミッショ
ン100との比較応用をイメージすることである。使用者はプロペラ−112を
回転するために従来のトランスミッション100の入力軸104へ手動保持の電
動ドリルを使用するであろう。しかしながら、そのような重量の無い状況下では
、使用者は彼又は彼女の重量が反作用トルクを妨げることを当てに出来ず、使用
者は壁又はその他の構造体へ対して踏ん張るようにすることが必要でありこれに
よ
りドリルの作用及びトランスミッション100の反作用力に応答して回転するこ
とから自分自身を保護するのである。しかしながら、出願人のトランスミッショ
ン10の第1トルクベアリングボデイ16に対する手動保持ドリルの応用はたと
え空間において使用者のある回転があるにしても非常に少ないものである。なぜ
ならボデイ18への反作用トルクは上述のように効果的に減少され実質的に手動
保持ドリルへの反作用力を減少するからである。
理解されるべきことは、遊星マルチギア部材22が、下記記載によって、第2
ギア14の周りにおいてバランスされていることである。このマルチギア部材2
2の回転軸線22cが、第1ギア12及び第2ギア14の同軸回転軸42周りに
同軸的に広がっている円40に沿って実質的に等距離に配置され、該回転軸42
に関して対称的に配置されるようになっている。このため、図2に示すように2
つのみの遊星マルチギア部材22が使用されるときには、それらの回転軸線22
cは円40に沿って180°に等しい角度間隔α(アルファ)に配置されている
。図3に示すように3つの遊星マルチギア部材22が使用されるときには、回転
軸線22cは120°に等しい角度間隔β(ベータ)にて円40に沿って間隔付
けられている。図4に示すように4つの遊星マルチギア部材22が使用されると
きには、回転軸線22cは90°に等しい角度間隔θ(シータ)にて円40に沿
って間隔付けられている。
ギア14、16、22a,22bの歯数は使用される遊星マルチギア部材22
の数によって割り付けられている。例えば、2又は4のような偶数の遊星マルチ
ギア部材22が使用される時には、これらのギア14、16、22a,22bの
各々は偶数の歯数をもたねばならない。ある用途においてはギア14、16、2
2a,22bの各々が4で割れる歯数を有することが要求されるであろう。3つ
の遊星マルチギア部材22が使用されるときにはギア14、16、22a,22
bの各々が3によって割れる歯数を有しなければならない。
図1に示すギア配置は、トルクベアリングボデイが付与されたインプット入力
を受け入れるにもかかわらず、上述の利点を達成することが理解されよう。動力
源30は3つのトルクベアリングボデイ16、18又は20のいずれか1つに付
与され、該ボデイの他のものに対してそれを回転させる。第3のトルクベアリン
グボデイ20が動力源30に対して静的に保持され、動力源30が第1又は第2
のトルクベアリングボデイ16又は18のいずれか一つに付与されると、遊星マ
ルチギア部材22が実際の旋回することなく固定の回転軸周りに回転する。動力
源30が第1又は第2のトルクベアリングボデイ16又は18のいずれか一つに
対して固定保持される別の動力付与の組合せにおいては、遊星マルチギア部材2
2が旋回する。このため、ここで使用される“遊星ギア”の用語は旋回ギアに関
するものに限定されず、セントラルタイプギアに噛み合い係合しているいずれか
のギアを広く言及するのである。従って、第1ギア12及び第2ギア14は“太
陽ギア”として言及される。
この出願人のトランスミッション10において具体化された中心の新規な発見
は多くの異なった形態及び形状を仮定することが出来るであろう。例えば、第1
のギア12及び第2のギア14のいずれか又はその双方が、外方ギアを有する太
陽ギアの代わりに内方ギアを有する輪を備えるかもしれない。例えば、外方ギア
12aを有する図1の第1ギア12は、図5に示すような上方トランスファーギ
ア22aに噛み合い係合する内方ギア60aを備えた輪60と取り替えられ得る
であろう。
本件発明によってトルクを伝達するための今日の好ましい方法は下記の工程を
含んでいる。
(a)第1及び第2のギア手段をそれぞれ第1及び第2のトルクベアリングボ
デイへ一体的にかつ剛的に取り付けること;
(b)第3のトルクベアリングボデイ内へ少なくとも2つの遊星マルチギア部
材を回転可能に載置し第3のギア手段を形成すること;ここで各遊星マルチギア
部材は実質的に同軸配置に配列された上方及び下方の剛的に相互に接続されたト
ランスファーギアを含んでいる。
(c)前記上方トランスファーギアの全てを第1ギア手段に同時に噛み合い係
合するように置き、かつ前記下方トランスファーギアの全てを第2ギア手段に同
時に噛み合い係合するように置き、該第1及び第2のギア手段が実質的に同軸配
置状態に配列され、かつ3つのトルクベアリングボデイのうちの1つの、該トル
クベアリングボデイの他のものに対する回転が種々の噛み合い係合を介して残り
のトルクベアリングボデイの回転をもたらし、これにより3つのトルクベアリン
グボデイのうちの1つから該残りのトルクベアリングボデイへトルクの伝達を達
成すること;
(d)第1及び第2のギア手段の同軸回転の周りに同軸的に伸びている円に沿
って実質的に当距離に遊星マルチギア部材の回転の軸を位置付け、該遊星マルチ
ギア部材の前記回転の軸が該第1及び第2のギア手段の前記同軸回転に対して対
称的に配置されるようにする。
このトランスミッション10は添付の請求項に属する多数の用途を有している
。例えば、ヘリコプターのボデイは第2のトルクベアリングボデイ18へ固定さ
れることが出来、これにより2つのプロペラー34、36によって上昇され移動
される。このトランスミッション10は、自動車、機械類等において使用出来、
かつ既存のトランスミッションを簡単に取り替えるのに使用出来るのである。
上述の構造は単に本件発明についての原理の用法を示したに過ぎない。当業者
においては、本件発明の精神及び範囲から出ることなく多数の変形及び改良的装
置が作られるであろう。しかして添付の請求項はそのような変形及び装置をいず
れも含むものである。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年9月23日
【補正内容】
「明細書」翻訳文第3頁第2行目以下の記載を下記の通り訂正する。
好ましい実施例についての詳細な説明
図1を参照すると、ここには本件発明によって構成され概括的に符号10で指
称されているトランスミッションの実施例が示されている。第1及び第2のギア
12、14はそれぞれ第1及び第2のトルクベアリングボデイ16、18へ一体
的に剛着されている。更に第3のトルクベアリングボデイ20は内部に回転可能
に載置された遊星マルチギア部材22を有している。各遊星マルチギア部材22
はそれぞれ上方及び下方のトランスファーギア22a,22bを有している。こ
れらのギア22a,22bは相互に剛着されかつ実質的に共軸配置に配列されて
いる。別の実施例では、この分野の当業者にとって理解され得るように3つ又は
それ以上のトランスファーギアを有する遊星マルチギア部材を使用出来る。更に
、2つ又はそれ以上の遊星マルチギア部材22が好ましいのであるが、このトラ
ンスミッション10はただ1つの遊星マルチギア部材によっても構成されるであ
ろう。
図1に示すように、第2ギア14は動力源30へ剛着された中央ギアを有して
おり、この中央ギアは該動力源に関して固定された配置を維持している。この動
力源30は入力軸16に適用され、これにより中央ギア14に対する入力軸とこ
れに取り付けられた入力ギア12との回転運動及び遊星ギア22a,22bの応
答する回転運動をもたらす。
上方トランスファーギア22aはすべて第1のギア12に同時に噛み合い係合
して配置されており、また下方トランスファーギア22bはすべて第2のギア1
4に同時に噛み合い係合して配置されており、第1及び第2のギア12、14が
実質的に共軸配置状態に配列されている。このような形態において、3つのトル
クベアリングボデイ16、18又は20の1つの、該3つのトルクベアリングボ
デイの別のものに対する回転は、種々の噛み合い係合を介して残りのトルクベア
リングボデイの回転をもたらし、これにより3つのトルクベアリングボデイの前
記1つから前記残りのトルクベアリングボデイまでのトルク伝達を完成する。
ある好ましい実施例においては、第1のトルクベアリングボデイ16は細長い
軸であり、第2のトルクベアリングボデイ18は中空の細長い軸であり、この第
1の軸16は第2の軸18内に実質的に同軸上にあり、これらの双方は第3のト
ルクベアリングボデイ20と実質的に同軸上に配置されている。この第3のトル
クベアリングボデイ20は中空の軸部分20aを含んでおり、第1の軸16の部
分16a及び第2の軸18の部分18aは第3のトルクベアリングボデイの中空
の軸部分20a内に実質的に同軸に配置されている。第3のトルクベアリングボ
デイ20の上部20bは位置付け手段として作動しており、前記上方及び下方の
第2ギア22a,22bを第1及び第2のギア12、14に係合するように保持
し、下記により詳細に述べるように反対回転の展開を可能にしている。第3のト
ルクベアリングボデイ20の上部20bによって一緒に保持されたギアによって
、第1、第2又は第3のボデイのいずれか1つのボデイの回転運動は、そのボデ
イが回転を制限されるときに、自動的に残りのトルクベアリングボデイへシフト
されるであろう。
トランスミッション10の1つの図的応用は、破線にて概略的に示されている
モータのような動力源30を第2のトルクベアリングボデイ18へ対して剛着し
かつ該モータから第1のトルクベアリングボデイ18へ回転力を付与することで
ある。このことは第2のトルクベアリングボデイ18に関する第1のトルクベア
リングボデイ16の回転を達成し、このことが第3のトルクベアリングボデイ2
0の回転を該第1のトルクベアリングボデイ18に関して反対回転するようにす
ることが理解されよう。第2のトルクベアリングボデイ18を動力源30に関し
て固定状態に保持することにより、第1のトルクベアリングボデイ16及び第3
のトルクベアリングボデイ20は、それぞれ上方及び下方のプロペラー34、3
6に対するように幾つかの有用な目的に応用されることが出来る。更に第3のト
ルクベアリングボデイ20を固定状態に保持しかつ第1又は第3のトルクベアリ
ングボデイ16、18の一方を回転することは、前の例における反対回転に対抗
するように、同一回転方向に第1又は第3のトルクベアリングボデイの他方の回
転を引き起こすことが分かろう。
図1に示すように、第3のトルクベアリングボデイ20は(i)中間及び第2
遊星ギア22a,22bをそれぞれ入力ギア12及び中央ギア14に噛み合い係
合状態に保持し、かつ(ii)中央ギア14に対する遊星ギア22a,22bの
回転運動に応答して入力軸16から異なる角度回転速度にて回転するため、内部
に回転可能に軸支された中間軸22cを有する出力手段20として作用する。
このトランスミッション10の利点は、作用力及び反作用力の双方を使用する
ことを含む。このことは図6に示すような従来のトランスミッション100と比
較することにより、よりよく理解出来る。ニュートンの運動の第3法則は、“全
ての作用には常に等しい反作用が対抗する、即ち、互いに作用しあう2つの物体
の相互は常に等しく、互いに反対方向に作用する。”としている。ジョンウイレ
ーエンドソン社(John Wiley & Sons)発行“物理学の基礎”
(Fundamentals of Physics)第2版第71、ハリデイ
、デビット、レズニック、ロバート著。これから分かることは、モータ102が
従来のトランスミッション100の入力軸104へ回転力を付与すると、トラン
スミッション100はニュートンの第3法則によって対抗する反作用力を及ぼさ
ねばならない。この影響は内部的に、モータ20の作用力が入力軸104から第
1ギア106、第2ギア108、出力軸110及びプロペラ−112まで通るこ
とである。
更に図6を参照すると、入力軸104及び出力軸110がギアボックス114
の壁によって所定位置へ保持されており、これらの軸がこのギアボックスへ作用
力を及ぼし、このギアボックスがこれらの軸へ対抗する反作用力を及ぼすことは
明らかである。この内部反作用力により何が起こるのか? これらの力は、例え
ば振動、騒音、熱等の形で放出される。これらの内部反作用力の効果は、回転軸
104、110を所定位置へ保持することによってギアボックス114を振動さ
せ、また加熱させることによって観測されうるのである。
これまでのギアボックス114においてこのギアボックスが入力ギア部材及び
出力ギア部材とに適切にかみ合わされている剛着状態に取り付けられたギアを備
えているときに、その内部反作用力は、無駄な振動、加熱、騒音等の形で放出さ
れる代わりに、有用なエネルギーとして適用され得るという、驚くべき結果を本
件出願人は見つけたのである。図1に示す本件出願人のトランスミッション10
を図6に示す従来のトランスミッション100に比較したとき、出願人のトラン
スミッション10の3つの主要なボデー16、18、20全てが相互に噛み合い
可能に接続されたギアを備えており、一方、従来のトランスミッション100に
おいては3つの主要なボデーにうち2つ(入力軸104及び出力軸110)のみ
がギアを有しており、ギアボックス114はギアを有していないということが分
かる。第2のトルクベアリングボデイ18は公知のギアボックス114に類似し
ている。それは共にそれぞれ動力源30、102に取り付けられている点におい
てである。しかし、トルクベアリングボデイ18が第2ギア14へ剛着されてお
り、この第2ギア14が中央ギアハブとして作用しており、この中央ギアハブの
周りに下方トランスファーギア22が噛み合い可能に回転していることが異なっ
ている。この正味の効果は、公知のギアボックス114が振動、熱、騒音として
放出される内部反作用力を提供しているのに対して、出願人の“ギアボックス”
ボデイ18及び剛着ギア14は噛み合い係合を介してギア22bへ対抗する反作
用力を及ぼしていることである。
しかして出願人のトランスミッション10における内部反作用力は、上方トラ
ンスファーギア22aに作用している第1ギア12の作用力に応答する下方トラ
ンスファーギア22bに作用している第2ギア14のギア歯を含んでいるのであ
る。こうして、内部反作用力は、振動、熱、騒音として浪費される代わりに付加
的なギア運動及び動力のために使用されるのである。これによりこの反作用力は
所定の出力を提供するためにより少ない入力を要求するように作用力により補足
される。トルクベアリングボデイ16、18、20の同軸関係は第1ギア12及
び第2ギア14周りに遊星マルチギア部材22のバランスの取れた対称的な形状
を組合せ、下方トランスファーギア22bを第2ギア14の対抗側へ噛み合わせ
る。これによりこの第2ギア14は下方トランスファーギア22bへ対して反作
用をするように強制され付加的な回転運動をもたらし、それにより“ギアボック
ス”ボデイ18は図6の従来のギアボックス114のように反作用力を提供する
ようなことは強制されない。ボデイ18の振動及び熱はこうして、たとえ排斥さ
れないにしても著しく減少させるのである。概念的には図6に示す従来のトラン
スミッション110では、反作用力がボルト止めされているボデイへボルト止め
即ち指向され、これに対して出願人のトランスミッションの第2ギア14は反作
用力を解放しそれらを使用するようにする。エネルギーの浪費がたとえ実質的に
排除されないとしても最小限になし得ることができ、さらにたとえ外的な振動運
動、熱又は騒音の顕著な解放がないとしてもほとんど観測出来ない程度まで減少
出来ることを出願人は見だしたのである。
出願人の発明の効果を視覚する一つの方法は、大気圏外におけるように重力の
影響のないところで出願人のトランスミッション10と公知のトランスミッショ
ン100との比較応用をイメージすることである。使用者はプロペラ−112を
回転するために従来のトランスミッション100の入力軸104へ手動保持の電
動ドリルを使用するであろう。しかしながら、そのような重量の無い状況下では
、使用者は彼又は彼女の重量が反作用トルクを妨げることを当てに出来ず、使用
者は壁又はその他の構造体へ対して踏ん張るようにすることが必要でありこれに
よりドリルの作用及びトランスミッション100の反作用力に応答して回転する
ことから自分自身を保護するのである。しかしながら、出願人のトランスミッシ
ョン10の第1トルクベアリングボデイ16に対する手動保持ドリルの応用はた
とえ空間において使用者のある回転があるにしても非常に少ないものである。な
ぜならボデイ18への反作用トルクは上述のように効果的に減少され実質的に手
動保持ドリルへの反作用力を減少するからである。
理解されるべきことは、遊星マルチギア部材22が、下記記載によって、第2
ギア14の周りにおいてバランスされていることである。このマルチギア部材2
2の回転軸線22cが、第1ギア12及び第2ギア14の同軸回転軸42周りに
同軸的に広がっている円40に沿って実質的に等距離に配置され、該回転軸42
に関して対称的に配置されるようになっている。このため、図2に示すように2
つのみの遊星マルチギア部材22が使用されるときには、それらの回転軸線22
cは円40に沿って180°に等しい角度間隔α(アルファ)に配置されている
。図3に示すように3つの遊星マルチギア部材22が使用されるときには、回転
軸線22cは120°に等しい角度間隔β(ベータ)にて円40に沿って間隔付
けられている。図4に示すように4つの遊星マルチギア部材22が使用されると
きには、回転軸線22cは90°に等しい角度間隔θ(シータ)にて円40に沿
っ
て間隔付けられている。
ギア14、16、22a,22bの歯数は使用される遊星マルチギア部材22
の数によって割り付けられている。例えば、2又は4のような偶数の遊星マルチ
ギア部材22が使用される時には、これらのギア14、16、22a,22bの
各々は偶数の歯数をもたねばならない。ある用途においてはギア14、16、2
2a,22bの各々が4で割れる歯数を有することが要求されるであろう。3つ
の遊星マルチギア部材22が使用されるときにはギア14、16、22a,22
bの各々が3によって割れる歯数を有しなければならない。
図1に示すギア配置は、トルクベアリングボデイが付与されたインプット入力
を受け入れるにもかかわらず、上述の利点を達成することが理解されよう。動力
源30は3つのトルクベアリングボデイ16、18又は20のいずれか1つに付
与され、該ボデイの他のものに対してそれを回転させる。第3のトルクベアリン
グボデイ20が動力源30に対して静的に保持され、動力源30が第1又は第2
のトルクベアリングボデイ16又は18のいずれか一つに付与されると、遊星マ
ルチギア部材22が実際の旋回することなく固定の回転軸周りに回転する。動力
源30が第1又は第2のトルクベアリングボデイ16又は18のいずれか一つに
対して固定保持される別の動力付与の組合せにおいては、遊星マルチギア部材2
2が旋回する。このため、ここで使用される“遊星ギア”の用語は旋回ギアに関
するものに限定されず、セントラルタイプギアに噛み合い係合しているいずれか
のギアを広く言及するのである。従って、第1ギア12及び第2ギア14は“太
陽ギア”として言及される。
この出願人のトランスミッション10において具体化された中心の新規な発見
は多くの異なった形態及び形状を仮定することが出来るであろう。例えば、第1
のギア12及び第2のギア14のいずれか又はその双方が、外方ギアを有する太
陽ギアの代わりに内方ギアを有する輪を備えるかもしれない。例えば、外方ギア
12aを有する図1の第1ギア12は、図5に示すような上方トランスファーギ
ア22aに噛み合い係合する内方ギア60aを備えた輪60と取り替えられ得る
であろう。
本件発明によってトルクを伝達するための今日の好ましい方法は下記の工程を
含んでいる。
(a)第1及び第2のギア手段をそれぞれ第1及び第2のトルクベアリングボ
デイへ一体的にかつ剛的に取り付けること;
(b)第3のトルクベアリングボデイ内へ少なくとも2つの遊星マルチギア部
材を回転可能に載置し第3のギア手段を形成すること;ここで各遊星マルチギア
部材は実質的に同軸配置に配列された上方及び下方の剛的に相互に接続されたト
ランスファーギアを含んでいる。
(c)前記上方トランスファーギアの全てを第1ギア手段に同時に噛み合い係
合するように置き、かつ前記下方トランスファーギアの全てを第2ギア手段に同
時に噛み合い係合するように置き、該第1及び第2のギア手段が実質的に同軸配
置状態に配列され、かつ3つのトルクベアリングボデイのうちの1つの、該トル
クベアリングボデイの他のものに対する回転が種々の噛み合い係合を介して残り
のトルクベアリングボデイの回転をもたらし、これにより3つのトルクベアリン
グボデイのうちの1つから該残りのトルクベアリングボデイへトルクの伝達を達
成すること;
(d)第1及び第2のギア手段の同軸回転の周りに同軸的に伸びている円に沿
って実質的に当距離に遊星マルチギア部材の回転の軸を位置付け、該遊星マルチ
ギア部材の前記回転の軸が該第1及び第2のギア手段の前記同軸回転に対して対
称的に配置されるようにする。
このトランスミッション10は添付の請求項に属する多数の用途を有している
。例えば、ヘリコプターのボデイは第2のトルクベアリングボデイ18へ固定さ
れることが出来、これにより2つのプロペラー34、36によって上昇され移動
される。このトランスミッション10は、自動車、機械類等において使用出来、
かつ既存のトランスミッションを簡単に取り替えるのに使用出来るのである。
図1に示すように、入力軸16はそれぞれ基端部方向及び末端部方向に入力ギ
ア12の対抗する側から外方に伸びている基端部セクション16aと末端部出力
セクション16bとを有している。この出力手段20は、中間軸22dが図示の
ように回転可能に軸支されているキャリアボデイ即ち上方部分20bと、中空の
出力ボデイ20aと、を含んでいる。末端部出力セクション16b及び中空の出
力ボデイ20aはそれぞれキャリアボデイ20bから対向する末端部方向及び基
端部方向に外方に伸びている。好ましくは、この末端部出力セクション16b及
び中空の出力ボデイ20aは、車輪又はプロペラー34、36のような出力ロー
ド構造体へ付与するように向けられ、出力ロード構造体へ対するそのような付与
を妨げるような幾つかの取り巻き構造体で塞がれないようにしている。
上述の構造は単に本件発明についての原理の用法を示したに過ぎない。当業者
においては、本件発明の精神及び範囲から出ることなく多数の変形及び改良的装
置が作られるであろう。しかして添付の請求項はそのような変形及び装置をいず
れも含むものである。
「請求の範囲」の記載を下記の通り訂正する。
請求の範囲
1.トランスミッション装置であって、
取り付けられた動力源から回転力を受け入れるための入力軸と、
該入力軸へ同軸的に載置された固定の入力ギアと、
該固定の入力ギアと噛み合い係合状態に配置されている少なくとも1つの中間
の遊星ギアと、
該少なくとも1つの中間の遊星ギアへ対して同軸的に固定関係に接続された中
間軸と、
該中間軸へ剛着された少なくとも1つの第2の遊星ギアであって中間の遊星ギ
アとは異なるギア比を有しており、該中間軸と少なくとも1つの中間の遊星ギア
と第2の遊星ギアとが少なくとも1つの遊星マルチギア部材を構成している少な
くとも1つの第2の遊星ギアと、
該第2の遊星ギアと噛み合い係合状態に配置されている中央ギアであって、前
記入力ギア及び入力軸に関して実質的に同軸配置に位置付けられている中央ギア
と、
出力手段であって(i)中間及び第2の遊星ギアをそれぞれ入力ギア及び中央
ギアに噛み合い係合状態に保持し、かつ(ii)中央ギアに対する遊星ギアの回
転運動に応答して入力軸から異なる角度回転速度にて回転するよう、内部に回転
可能に軸支された中間軸を有する出力手段と、
よりなるトランスミッション装置。
2.請求項1に記載のトランスミッション装置であって、
入力軸がそれぞれ基端部方向及び末端部方向における入力ギアの対抗側から外
方に伸びている基端部セクション及び末端部出力セクションを含んでおり、
出力手段が、内部に中間軸が回転可能に軸支されているキャリアボデイと、中
空出力ボデイと、を含んでおり、
末端部出力セクションと中空出力ボデイとがそれぞれキャリアボデイから対向
する末端部方向及び基端部方向に外方に伸びており、
末端部出力セクション及び中空の出力ボデイが、出力ロード構造体へ付与する
ように向けられ、かつ出力ロード構造体へ対するそのような付与を妨げるような
幾つかの取り巻き構造体で塞がれないようにしている、
ことを特徴とする請求項1に記載のトランスミッション装置。
3.請求項2に記載のトランスミッション装置であって、
出力ロード構造体によりそれぞれ末端部出力セクション及び中空出力ボデイを
負荷するため第1及び第2の負荷手段を更に有している請求項2に記載のトラン
スミッション装置。
4.請求項1に記載のトランスミッション装置であって、
入力軸がそれぞれ基端部方向及び末端部方向における入力ギアの対向側から外
方に伸びている基端部セクション及び末端部出力セクションを含んでおり、
出力手段が、内部に中間軸が回転可能に軸支されているキャリアボデイと、中
空出力ボデイと、を含んでおり、
末端部出力セクションと中空出力ボデイとがそれぞれキャリアボデイから対向
する末端部方向及び基端部方向に外方に伸びており、
前記トランスミッション装置が更に出力ロード構造体によりそれぞれ末端部出
力セクション及び中空出力ボデイを負荷するため第1及び第2の負荷手段を有し
ている、
ことを特徴とする請求項1に記載のトランスミッション装置。
5.請求項1に記載のトランスミッション装置であって、
少なくとも1つの遊星マルチギア部材が複数の偶数個の遊星マルチギア部材を
有しており、
入力ギア、中央ギア、中間の遊星ギア及び第2の遊星ギアの各々が偶数個の歯
数を有している、
ことを特徴とする請求項1に記載のトランスミッション装置。
6.請求項1に記載のトランスミッション装置であって、
少なくとも1つの遊星マルチギア部材が3つの遊星マルチギア部材を有してお
り、
入力ギア、中央ギア、中間の遊星ギア及び第2の遊星ギアの各々が3で割れる
数の歯数を有している、
ことを特徴とする請求項1に記載のトランスミッション装置。
7.トランスミッション装置であって、
取り付けられた動力源から回転力を受け入れるための入力軸と、
該入力軸へ同軸的に載置された固定の入力ギアと、
該固定の入力ギアと噛み合い係合状態に配置されている少なくとも1つの中間
の遊星ギアと、
該少なくとも1つの中間の遊星ギアへ対して同軸的に固定関係に接続された中
間軸と、
該中間軸へ剛着された少なくとも1つの第2の遊星ギアであって中間の遊星ギ
アとは異なるギア比を有しており、該中間軸と少なくとも1つの中間の遊星ギア
と第2の遊星ギアとが少なくとも1つの遊星マルチギア部材を構成している少な
くとも1つの第2の遊星ギアと、
該第2の遊星ギアと噛み合い係合状態に配置されている中央ギアと、
出力手段であって(i)中間及び第2の遊星ギアをそれぞれ入力ギア及び中央
ギアに噛み合い係合状態に保持し、かつ(ii)中央ギアに対する遊星ギアの回
転運動に応答して回転するよう、内部に回転可能に軸支された中間軸を有する出
力手段と、
を有しており、
入力軸がそれぞれ基端部方向及び末端部方向における入力ギアの対抗側から外
方に伸びている基端部セクション及び末端部出力セクションを含んでおり、
出力手段が、内部に中間軸が回転可能に軸支されているキャリアボデイと、中
空出力ボデイと、を含んでおり、
末端部出力セクションと中空出力ボデイとがそれぞれキャリアボデイから対向
する末端部方向及び基端部方向に外方に伸びており、
末端部出力セクション及び中空の出力ボデイが、出力ロード構造体へ付与する
ように向けられ、かつ出力ロード構造体へ対するそのような付与を妨げるような
幾つかの取り巻き構造体で塞がれないようにしている、
よりなるトランスミッション装置。
8.請求項7に記載のトランスミッション装置であって、
出力ロード構造体によりそれぞれ末端部出力セクション及び中空出力ボデイを
負荷するため第1及び第2の負荷手段を更に有している請求項7に記載のトラン
スミッション装置。
9.トルクを伝達するための方法であって、
該方法が、
(a)入力軸へ同軸的に入力ギアを固定的に載置すること、
(b)中間軸へ同軸的に中間の遊星ギア及び第2の遊星ギアを固定的に載置して
少なくとも1つの遊星マルチギア部材を形成し、第2の遊星ギアが中間の遊星ギ
アと異なる歯数比を有すること、
(c)中央ギアを選択すること、
(d)中間の遊星ギアが固定の入力ギアと噛み合い係合し、第2の遊星ギアが中
央ギアと噛み合い係合するように配置すること、
(e)中間軸を、(1)中間及び第2の遊星ギアをそれそれ入力ギア及び中央ギ
アに噛み合い係合状態に保持し、かつ(2)中央ギアに対する遊星ギアの回転運
動に応答して入力軸から異なる角度回転にて回転するよう、出力手段へ回転可能
に軸支すること、
(f)中央ギアへ動力源を剛着し、該中央ギアが該動力源に関して固定の位置を
保持し、入力軸へ該動力源を付与して、該中央ギアに関して前記入力軸及びこれ
に取り付けられた入力ギアの回転運動及び遊星ギアの対応した回転運動をもたら
すこと、
からなるトルクを伝達するための方法。
10.請求項9に記載の方法であって、
上記(a)の工程が更に基端部セクション及び末端部出力セクションを有する
入力軸へ入力ギアを載置し、前記基端部及び末端部セクションがそれぞれ基端部
方向及び末端部方向に入力ギアの対抗する側から外方に伸び、かつ上記(e)の
工程が更に中間軸が軸支されているキャリアボデイと、中空出力ボデイと、を有
している出力手段内に中間軸を回転可能に軸支し、前記末端部出力セクション及
び中空出力ボデイがそれぞれキャリアボデイから対向する末端部方向及び基端部
方向に外方に伸びており、かつ末端部出力セクション及び中空出力ボデイが出力
ロード構造体へ付与するように向けられ、かつ出力ロード構造体へ対するそのよ
うな付与を妨げるような幾つかの取り巻き構造体で塞がれないようにされており
、
かつ更に、
(g)末端部出力セクションに出力ロード構造体を負荷すること、
を有している、
請求項9に記載のトルクを伝達するための方法。
11.上記(g)の工程が更に中空出力ボデイに出力ロード構造体を負荷するこ
と、を有している請求項10に記載のトルクを伝達するための方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
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K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO
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