JP3031049U - 後輪ハブ内装全自動無段変速装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 軽量で扱い易い実用的な後輪ハブ内装全自動
無段変速装置を得る。 【解決手段】 二つの変速装置を一括して１個の後輪ハ
ブ内に収容することにより、１個のハブ内に縮小して纏
まる自動無段変速装置を得るもので、中心にシャーシ固
定軸１を有し回転部材３を持つ入力ベベルギヤ５と，出
力ベベルギヤ７に噛み合うベベルピニオンギヤ６と，太
陽筒軸９と一体の太陽ギヤ１７と，変速ギヤ１１，１２
と，回転伝達ギヤ支持盤１４と一体の回転伝達ギヤ１３
と，太陽ギヤ１７と噛み合う遊星ギヤ１６並びにこの遊
星ギヤ１６と噛み合うリングギヤ１８と，このリングギ
ヤ１８の爪１９で駆動される後輪ハブ２０と，この後輪
ハブ２０と一体のリングギヤ２１で駆動される変速ギヤ
２２と，を備え、この双方の連結した回転伝達作動を、
後輪ハブ２０内で一括して行わせる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は全自動無段変速装置を後輪ハブに一括して内装し得るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の自動無段変速装置では、無段変速を司る各ギヤをロックしたりフリーに する作動をコンピューター等の指示を使って油圧で行うものであって、その効果 をスムーズに得る為には大掛かりな装置が必要で、複雑な構造によるコストや重 量，大きさ等による使用範囲の制限を受ける。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

而して、このような従来の自動無段変速装置での各ギヤをロックしたりフリー にしたりする動作は、変速装置だけで機械的に自力で行わせれば単純な構造とな り、コストや重量，大きさ等は減少して使用範囲も広げることができる。

【０００４】

【考案が解決するための手段】

このために本考案人は先に特願平８−２７２５０号でサンギヤ自力逆転駆動式 全自動無段変速装置を提案したのであるが、更に本考案人は先のベベルギヤ自力 駆動式自動無段変速装置の内容を取り入れ、これ等の自動無段変速装置を一括し て１個の後輪ハブ内に収容できるようにしたものである。

【０００５】 即ち本考案では、中心にシャーシ固定軸１を有し，入力側爪４を装着せる入力側 回転部材３を持つ入力ベベルギヤ５と、出力側爪８を装着せる出力ベベルギヤ７ とに噛み合うベベルピニオンギヤ６を支持するベベルギヤ支持枠２４を出力側後 輪ハブ２０から入力回転方向と逆に駆動して変速を図り、この出力ベベルギヤ７ の可変回転を遊星ギヤ支持枠駆動ギヤ１０を備えた太陽ギヤ筒軸９に伝え、該太 陽ギヤ筒軸９と一体の遊星ギヤ支持枠駆動ギヤ１０と噛み合いこのギヤ１０を包 囲するように配置せる複数個の変速ギヤ１１と、該変速ギヤ１１と外側で噛み合 う変速ギヤ１２で遊星ギヤ支持枠１５と取り付く回転伝達ギヤ支持盤１４と一体 の回転伝達ギヤ１３と噛み合わせて遊星ギヤ支持枠１５の回動を図り、前記逆転 駆動された太陽ギヤ筒軸９と一体の太陽ギヤ１７と、該太陽ギヤ１７と噛み合う ３個或は４個の遊星ギヤ１６を更に回動して、その遊星ギヤ１６と噛み合うリン グギヤ１８を入力回転数より高い増速比で回転する。又リングギヤ１８の爪１９ でラチェツト内装の後輪ハブ２０を駆動し、該後輪ハブ２０と一体のリングギヤ ２１で前記ベベルピニオンギヤ支持枠２４を変速ギヤ２２で駆動し、この双方の 連結した回転伝達作動を、後輪ハブ２０内で一括して行わせるようにしたもので ある。

【０００６】

【作用】

かくて本考案では二つの変速装置を一括して１個の後輪ハブ内に収容すること により、１個のハブ内にコンパクトニ縮小して纏まるので砂等が入るような危険 を無くし、メンテナンスの面で取り扱い易くなり、取り替え等が簡単になる。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案装置の一実施例の一部切断した斜面図で、特願平８−２７２５０ 号の内の入力側からのサンギヤ自力逆転駆動手段のギヤ構成で、サンギヤ側から 回転入力したものであり、回転伝達ロスが少なく増速幅が大きく取れる利点がえ られ実施での全回転域までのギヤ比を得る。これに後輪ハブ側から回転入力伝達 間で変速する先の出願のベベルギヤ自力駆動式自動変速装置の変速機構を組み入 れて後輪ハブ側出力回転に敏感に反応する変速機構を得、各ベベルギヤ駆動爪と ラチェツトにより後輪ハブ空転時でのベベルピニオンギヤ支持枠の回転ロスの軽 減を図ったものであり、ベベルピニオンギヤ支持枠の回転伝達はかなり減速して 行うことでベベルピニオンギヤ２４の逆転駆動ロスを軽減する。 このことで変速幅が小さくなるが、前記の高い増幅作用で増幅を図るものである 。図１の１はシャーシ固定軸，２はスプロケット，３は入力側回転部材，４はワ ンウエイ機構の入力側爪，５はラチェツト内装の入力ベベルギヤ，６は入力伝達 及び変速を兼ねるベベルピニオンギヤ，７はワンウエイ機構の爪８装着の出力ベ ベルギヤ，９はラチェツト内装の太陽ギヤ筒軸，１０はこの太陽ギヤ筒軸９と一 体の遊星ギヤ支持枠駆動ギヤ，１１はこのギヤ１０と噛み合う変速ギヤであり、 １２は更にこの変速ギヤ１１と噛み合う変速ギヤ，１３はこの変速ギヤ１２と噛 み合う回転伝達ギヤ，１４はこの回転伝達ギヤ１３と一体の回転伝達ギヤ支持盤 ，１５は遊星ギヤ支持枠，１６は太陽ギヤ１７，リングギヤ１８と噛み合う３個 或は４個の遊星ギヤ支持枠，１７は太陽ギヤ筒軸９と一体の太陽ギヤ，１９はワ ンウエイ機構の爪，２０は後輪ハブでラチェツト内装で爪１９と噛み合う。又２ １は後輪ハブ２０と一体のリングギヤ，２２はベベルピニオンギヤ６の支持枠駆 動し，リングギヤ２１と噛み合い，２３はベベルピニオンギヤ支持枠２４と一体 の変速ギヤ，２４は変速ギヤ２２により入力ベベルギヤ５とし出力ベベルギヤ７ の周囲を入力方向と逆に回るベベルピニオンギヤ支持枠，２５は変速ギヤ１１， １２，及び２２を支持し寝固定ビス３１でシヤーシ固定プレート２６と固定され る変速ギヤ支持枠である。

【０００８】 又図２は図１の入力側スプロケット２の回転入力イの方向に対して回動される各 ギヤ支持枠の回転方向を示したもので、シヤーシ固定軸１の周囲をスプロケット ２と入力側回転部材３，ラチェツト内蔵の入力ベベルギヤ５と出力ベベルギヤ７ ，太陽ギヤ筒軸９と遊星ギヤ支持枠１５が夫々回り、遊星ギヤ支持枠１５と取り 付く回転伝達ギヤ支持盤１４が太陽ギヤ筒軸９の周囲を回る。又リングギヤ１８ が遊星ギヤ支持枠１５で支持し、自転しながら公転する太陽ギヤ１６の外周で噛 み合い回る。変速ギヤ１１，１２，及び２２を支持する変速ギヤ支持枠２５はシ ヤーシ固定プレート２６と固定することで、各変速ギヤ１１，１２，２２は各軸 中心で回る。ベベルピニオンギヤ６を支持するベベルピニオンギヤ支持枠２４は 、入力５と出力ベベルギヤ７の周囲を変速ギヤ２２で駆動されることで、ベベル ビニオンギヤ６が入力ベベルギヤ５と出力ベベルギヤ７と噛み合い、自転しなが ら公転するギヤ構成であり、これ等２つの機構がスプロケット２の入力に対して 連続した作動となり、全自動無段変速を後輪ハブ内で同時に行うことが出来る。 尚イは正回転つまり入力回転方向であり、ロは逆回転，ハは出力回転方向であ る。その他２８は鋼球，２９は押さえバネ，３０は各爪を立てるリング状のバネ であり、３１は固定ビスである。

【０００９】 更に図１，２の場合の駆動内容について説明を追加すると、先ず入力側回転部 材３がスプロケット２と一体でイの方向に回り、入力側爪４と内装せるラチエッ トにより入力ベベルギヤ５を回動し、ベベルピニオンギヤ６をハの方向に回動し 、出力ベベルギヤ７がロ方向に駆動される。この時同時に後輪ハブ２０の回転力 が変速ギヤ２２を回してベベルピニオンギヤ支持枠２４の方向に少し回される。 次に出力ベベルギヤ７装着の爪と太陽ギヤ筒軸９の内装のラチエットにより太陽 ギヤ筒軸９がロ方向に回り、太陽ギヤ１７が遊星ギヤ１６をイ方向に回すと同時 に遊星ギヤ支持枠駆動ギヤ１０と噛み合う変速ギヤ１１をイの方向に回すことで 変速ギヤ１２がロの方向に回って回転伝達ギヤ支持枠１４と一体の回転伝達ギヤ １３をイの方向に回す。この回転伝達により回転伝達ギヤ支持枠１４と遊星ギヤ 支持枠１５が固定ビス３１で固定されることで、同じく遊星ギヤ支持枠１５もイ 方向に駆動される。この太陽ギヤ１７のロ方向の回転により遊星ギヤ１６のロ方 向回動と遊星ギヤ支持枠１５によるイ方向に遊星ギヤ１６を引っ張る回転力とに より、遊星ギヤ１６がリングギヤ１８をイ方向に大きく回動させることで、リン グギヤ１８の爪１９と後輪ハブ２０のラチエットの噛み合いにより、同じくイ方 向にスプロケット２の入力回転数を可変増速させて駆動する。後輪ハブ２０の回 転数が大きくなることで、ベベルピニオンギヤ支持枠２４が速くロ方向に回され 入力側と出力側の回転に差動が働き入力回転が変化して出力伝達する形を得るこ とで、無段変速作用を得るのである。これ等の双方の機構の連続作動により、全 自動無段変速が行われる。

【００１０】 又図３は一部切断して他の実施例斜面図で、図１の手段による変速機構に、後 輪ハブ側から回転入力伝達間で変速する機構を取り入れて図１の手段より後輪ハ ブ側出力回転に敏感に反応する変速機構を得る場合であるが、後輪ハブ空転時で は、各ベベルギヤ駆動爪とラチエツトによりベベルピニオンギヤ支持枠の回転ロ スとなり、ベベルピニオンギヤ支持枠の回転伝達がかなり減速する場合を示す。

【００１１】

【考案の効果】

このように本考案装置では、従来の自動無段変速装置を無段階で自力で変速す ることで各ギヤの切り換え作業が無くなり、軽量で扱い易い装置であってあらゆ る分野での自動無段変速装置として実用的な効率の大なる装置がえられ、特に後 輪ハブ内に一括して縮小せる変速装置とすることで小形となり、実用的でありメ ンテナンスの面でも優れたものが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案装置の一部切断せる１実施例斜面図であ
る。

【図２】支持枠等の各部の回転方向をイ，ロ，ハで付加
して示す本考案装置の実施例の一部切断せる斜面図であ
る。

【図３】本考案装置の異なる実施例の一部切断せる斜面
図である。

【符号の説明】

１ シヤーシ固定軸 ２ スプロケット ３ 入力側回転部材 ４ 入力側爪 ５ 入力ベベルギヤ ６ ベベルピニオンギヤ ７ 出力ベベルギヤ ８ 出力側爪 ９ 太陽ギヤ筒軸 １０ 遊星ギヤ支持枠駆動
ギヤ １１ 変速ギヤ １２ 変速ギヤ １３ 回転伝達ギヤ １４ 回転伝達ギヤ支持枠 １５ 遊星ギヤ支持枠 １６ 遊星ギヤ １７ 太陽ギヤ １８ リングギヤ １９ 爪 ２０ 後輪ハブ ２１ リングギヤ ２２ 変速ギヤ ２３ ギヤ ２４ ベベルピニオンギヤ
支持枠 ２５ 変速ギヤ支持枠 ２６ シャーシ固定プレー
ト ２７ 鋼球押さえナット ２８ 鋼球 ２９ 押さえバネ ３０ リング状バネ ３１ 固定ビス

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中心にシヤーシ固定軸１を有し，入力側爪
   ４を装着せる入力側回転部材３を持つ入力ベベルギヤ５
   と、出力側爪８を装着する出力ベベルギヤ７とに噛み合
   うベベルピニオンギヤ枠２４に支持された入力伝達及び
   変速を兼ねる１個又は複数個のベベルピニオンギヤ６
   と、その出力側に遊星ギヤ支持枠駆動ギヤ１０を備えた
   太陽ギヤ筒軸９と、前記ギヤ１０と噛み合いこのギヤ１
   ０を包囲するように配置せる複数個の変速ギヤ１１と、
   該変速ギヤ１１と外側で噛み合う変速ギヤ１２並びにこ
   の変速ギヤ１２と噛み合う遊星ギヤ支持枠１５と取り付
   く回転伝達ギヤ支持盤１４と、該回転伝達ギヤ支持盤１
   ４と一体の回転伝達ギヤ１３と、前記遊星ギヤ支持枠１
   ５に備える３個或は４個の遊星ギヤ１６と噛み合う前記
   太陽ギヤ筒軸９と一体の太陽ギヤ１７と、爪１９が装着
   せるリングギヤ１８ト、ラチェツト内装でリングギヤ２
   １の爪１９と噛み合う後輪ハブ２０と、前記リングギヤ
   ２１と前記ベベルピニオンギヤ支持枠２４と一体のギヤ
   ２３と噛み合う変速ギヤ２２と、前記各変速ギヤ１１，
   １２及び２２を支持する変速ギヤ支持枠２５と、を一括
   して後輪ハブ２０内に収容し、該変速ギヤ支持枠２５を
   固定ビス３１でシャーシ固定プレート２６と固定してな
   る後輪ハブ内装全自動無段変速装置。