JPH10504333A - 液晶ガラス - Google Patents

液晶ガラス

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JPH10504333A
JPH10504333A JP8505486A JP50548696A JPH10504333A JP H10504333 A JPH10504333 A JP H10504333A JP 8505486 A JP8505486 A JP 8505486A JP 50548696 A JP50548696 A JP 50548696A JP H10504333 A JPH10504333 A JP H10504333A
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(57)【要約】 本発明は、高いTgを有し、容易に配向し得る、安定な液晶ガラスに関する。そのようなガラスは、光学用途において使用するのに適する。本発明のガラスは、ジアミンを、メソゲン基含有エポキシドと反応させることによって得られる。本発明の液晶ガラスは、ディスプレイの位相遅れ層、デジタルデータ貯蔵例えばCD、アナログデータ貯蔵および偏光子において使用するのに特に適している。

Description

【発明の詳細な説明】 液晶ガラス 本発明は、光学用途および位相遅れ層(retardation layer)のための液晶ガラ スに関する。 液晶ガラスはよく知られている。本願明細書において、ガラスという語は、融 点から、または(融点が観察されないなら)3/2 Tgから、(0.01°/ 秒より速い速度で)冷却したとき、結晶化しないが、ガラス状態に変換され、そ の状態に固定されたままである組成物をいう。液晶ガラスは、液晶相が固定され ているガラスを意味する。ここで記載する液晶ガラスはすべて、ネマチック構造 を有する。J .Master.Chem. 1,3(1991年)、347-356 は、目下公知の液晶ガ ラスの概観を提供する。この論文は、安定で、また高い転移温度(室温より上の Tg)を有する液晶ガラスを製造することが困難であることを示す。安定なガラ スという語は、加熱されると低温結晶化(cold crystallisation)されないガラス をいう。Liq .Clyst.6(1989年),47-62 においては、スルフィニルまたはス ルホニル架橋を介して相互に結合しているところのダイマーの液晶分子が記載さ れている。12〜50℃の範囲のTgを有するこれらの化合物は、TgとTcの間で 低温結晶化を示す。ドイツ国特許出願A1-242 627は、その混合物を含む上記と同 じ化合物を開示する。混合物においては、低温結晶化は抑 制される。Mol .Clyst.Liq.Cryst.191(1990年)、269-276 は、ナフタレン 含有液晶ガラスを記載する。これらのガラスは安定でない。結晶化は混合物中で は抑制される。Liquid Crystals 第11巻、第5号(1992年)、785-789 は、35〜 66℃の範囲のTg(ガラス転移温度)を有するアミノピレンに基づく、多くの液 晶ガラスを記載する。これらのガラスのうちのいくつかは、TgとTcの間で結 晶化を示さない。しかし、Chem .Mater. 4(1992年)、1246-1253 から、これら の液晶ガラスが負の誘電異方性を有し、ゆえに電場で適当に配向することができ ない(これは、幾つかの光学用途の場合には、欠点である)ことが明らかである 。同じ公報が、かなり高い転移温度(Tgが29〜54℃の範囲)を有するアミノピ レンに基づく他の液晶ガラスを開示する。これらのガラスのうち2つは、低温結 晶化を示さないことがわかった。しかしながら、この論文の著者が報告するよう に、これらのLCガラスは、シッフ塩基の存在のために、加水分解的に不安定で あり、したがって市販の用途において使用するのに適さないことがわかった。こ のことはまた、Liq .Cryst.第11巻、第5号(1992年)、785-789 からのガラス に適用できる。 本発明は、高いTgを有し、容易に配向できる、(加水分解的に、かつ熱的に )安定な液晶ガラスを提供する。 このために、本発明の液晶ガラスは、式1: (ここで、R1:5〜24個の炭素原子を有する芳香族基、6〜24個の炭素原子を 有する、芳香族基含有脂肪族基、4〜24個の炭素原子を有する複素環式基または 6〜24個の炭素原子を有する脂環式基を表し; R2:−H、非メソゲン基またはスペーサーを有するメソゲン基を表し; R3:R2と同じ基を表すことができるが、R2、R4およびR5からは独立して選 択されることができ; R4:R2と同じ基を表すことができるが、R2、R3およびR5からは独立して選 択されることができ; R5:R2と同じ基を表すことができるが、R2、R3およびR4からは独立して選 択されることができ、 R2、R3、R4およびR5基全体の25%以下が、−Hまたは非メソゲン基を表す ) に従う化合物を含む。 式1に従う液晶ガラスは、高い転移温度を有することが分かった(実施例のL Cガラスはすべて、50℃より上のTgを有する)。さらに、ガラスの粘度は、 問題のない急速な配向を与えるのに、TgとTcの間で十分低い。加えて、この ガラスは、多数回の加熱サイクルの後でも、低温 結晶化を生じないくらい安定である。さらに、これらの液晶ガラスは、シッフ塩 基を少しも含まないので、加水分解的に安定である。 したがって、本発明の液晶ガラスは、広い範囲の光学用途、例えば光学データ 貯蔵およびLCDのための位相遅れ層において使用するのに卓越して適している 。 本発明のガラスは、R1基を有するジアミンをメソゲン基含有エポキシドと反 応させることにより得られる。 適当なR1基の例を以下の式に与える。これらのR1基を有するジアミンは、こ れらの基を含むガラスを製造するのに使用される。 好ましくは、以下の式に従うR1基を有するジアミンである。 (ここで、Xは−O−、−SO2−、−CH2−、−S−、−C(O)−、または −C(CH32−を表し、 nは1または0を表し、 mは0、1または2を表す) 適当な、スペーサーを有するメソゲン基を以下の式に示す。そのようなメソゲ ン基を有するガラスは、以下の基に対応するエポキシドをジアミンと反応させる ことにより得られる。 (ここで、Yは、−C(O)−O−、−C=C−、−O−C(O)−、−C≡C −または−N=N−を表し; R6は、−O−R9、−OCO−R9、−COOR9、−CN、−NO2または−R9 を表し; R7は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表し; R8は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表し; R9は1〜15個の炭素原子を有するアルキル基を表し; tは1〜6であり; uは1〜7であり, vは0〜3であり; R10は−Hまたは−CH3を表し; R11は−Hまたはアルキルを表し、かつnは上記式中と同義である) 特定のジアミンと組合せて、メソゲン基としてふるまう基は、別のジアミンと 組合せて非メソゲン基としてふるまうことができることに注意すべきである。液 晶物質のこの不予測性は当業者に公知である。当業者は、特定のジアミンについ て適当な側基(side-group)を容易に選択できる。 式1に従う化合物のいくつかを混合すること、または式1に従う1つの化合物 内に存在する異なるメソゲン基を持つことが有利である。このようにして、液晶 ガラスの安定性を高めることができ、所望のTgおよびTcを設定することすら 可能である。さらに、ある混合物を使用すると、配向過程中、加熱後に、単一ド メインフィルムの散乱を減少させることに注目した。 R9基の例としては、 −(CH2x−CH3、 −CH2−CH(CH3)−(CH2x−CH3、 −CH(CH3)−(CH2x−CH3、 (ここで、x=1〜14) を包含する。 これらのR9基のいくつかは、不斉炭素原子を含む。キラルな(専ら左旋性ま たは右旋性の)R9基の使用は、多くの用途、例えばLCD位相遅れ層において 有利である。 適当な非メソゲン基は、メトキシビフェニル、シアノビフェニルおよびビフェ ニルのエポキシドの開環反応から得られる基である。メトキシビフェニルエポキ シドが、使用されるジアミンに依存して、メソゲンおよび非メソゲンの 両方としてふるまうことができることに注意すべきである。 ポーリングし得る(polable)メソゲン基を含む液晶ガラスが特に好ましい。ポ ーリングし得る(polable)基は、正の誘電異方性があるように、メソゲン基の長 軸に沿って幾分方向付けられた、1またはそれ以上の永久双極子モーメントを含 む。これは、静電場を用いて、液晶ガラスのフィルムを配向させることを可能に する。R6として、ポーリングし得るメソゲン基は例えば−CNまたは−NO2基 を含む。ポーリング性(polability)についてのもっと詳細な情報のために、Vert ogen and en de JeuのThermotropic liquid crystals ,fundamentals(Springer ,1987 年)、pp.195-201を参照できる。 上記したように、本発明の液晶ガラスは、光学用途において使用するのに特に 適している。例えば、本発明の液晶ガラスは、LCD位相遅れ層において使用す るのに顕著に適している。位相遅れ層の機能は、欧州特許出願公開第A1-0 565 1 82号および同A3-0 380 338号に記載されており、これらは、位相遅れ層における 使用のための液晶ポリマーを記載する。さらなる説明のために、これらの特許公 報を参照することができる。本発明の液晶ガラスは、TgおよびTcの間で低い 粘度を有する。この低い粘度は、液晶ガラスが、所望の回転の角度を有するネマ チック構造へと、急速に均一配列することを可能にする。90°(または-90°) の回転の角度の場合には、フィルムは、「捩じれネマチック」と呼ばれ;回転の 角度がもっと大きいと、フィル ムは「超捩じれネマチック(supertwisted nematic)」と呼ばれる。さらに、本発 明の液晶ガラスは、捩じれなしに、位相遅れ層に使用するのに適している。その 場合、液晶層の配列は、垂直配向または均質なプラナー(planar)(平行配向)で あろう。360°を超える回転の角度では、構造は、1つの層内で1回転より多い 回転を通る。1つの完全な回転において構造によって覆われる長さは、ピッチと 呼ばれる。本発明の液晶ガラスは、ピッチの5倍より大きい厚さを有する位相遅 れ層を作るために使用できる。ピッチの20倍の厚さを有する位相遅れ層を作るこ とすら可能であることが見出された。このタイプの層の配向は通常、コレステリ ックと呼ばれる。 本発明の液晶ガラスは、室温より十分に上のTgを有するので、液晶ガラスは 、低分子量液晶物質の場合のように堅いセルに挿入する必要はない。式1に従う 異なった化合物は容易に混和できる、また異なるメソゲン基が、1つの式1に従 う化合物内に存在し得るので、位相遅れ層の複屈折および分散は、適当な活性な 液晶セルと正確に調和されることができる。メソゲン基を変えることにより、分 散を変えることができる。このようにして、フェニル基の代わりにシクロヘキシ ル基またはビシクロオクタン基を含むメソゲン基の使用は、分散を変えることを 可能にする。複屈折は、メソゲン基の密度を減らすことにより低くすることがで きる。本発明はまた、本発明の液晶ガラスを含む位相遅れ層に関する。 位相遅れ層は次のようにして製造できる:液晶ガラスの薄層を、2つの配向す る基板の間に施与する。一般に、液晶ガラスの薄層は、配向する基板の片方また は両方に、スピン コーティング、スクリーン印刷、メータ バー コーティン グ、メルト コーティングまたはいくつかの他の慣用のコーティング技術によっ て供給される。2つの基板を次に、1つを他の上に置く。位相遅れ層の厚さを設 定するために、特定の直径のスペーサーを、2つの基板の間に供給することがで きる。概して、ガラス、ポリマーまたはシリカの球をこのために使用する。次に 、全体を、TgとTcの間の温度(通常、Tcより約10℃下)に加熱し、これ によって、ガラスがそれ自体を配列し始める。室温に冷却すると、十分に整えら れた構造が固定され、その形状を保持した安定なフィルムが得られる。基板は、 ガラスまたはプラスチックでできていることができる。それらがガラスでできて いるなら、20〜500 μmの厚さの薄いガラス基板を使用するのが好ましい。これ は、位相遅れ層を、重量の軽い、薄い、いくらか可撓性のものにする。 配向する基板を作るための種々の技術が知られている。例えば、基板自体を1 方向にこすることができる。その場合の基板は例えばポリイミド、ポリビニルア ルコール、ガラス等からできていることができる。あるいは、基板は、薄い配向 する層を備えていることができる。これは、こすることができる薄いポリマー層 、例えばポリイミド、ポリビニルアルコール等であり得る。あるいは、この薄い 配向 する層は、90°より下、通常60または86°の角度で蒸着されたSiOx層であり 得る。一般に、可撓性に乏しい基板、例えばガラスまたは石英を、SiOx蒸着 のために使用する。これらの配向の技術は、当業者に公知であり、さらにここで 説明する必要はない。もちろん、他の配向の技術を使用することがまた可能であ る。 捩じれ構造は、2つの基板の1方に、他方の基板の配向方向とは異なる配向方 向を与えることにより得られる。配向ベクトル(director)の回転の方向(左へ、 または右へ)を制御するために、および/または90°より大きい回転の角度を得 るために、液晶物質はしばしば、キラルな物質、いわゆるキラルドーパントと混 合される。原則として、このために、光学的に活性などのような化合物も使用で きる。例として、コレステロール誘導体および4-(4-ヘキシルオキシ-ベンゾイル オキシ)ベンゼン酸 2-オクチルエステルを挙げることができる。普通には、位 相遅れ層としての適用のためには、液晶物質の総量に対して5重量%までのキラ ルドーパントが使用される。あるいは、式1に従う化合物のいくつかは、キラル 中心を備えていることができる。好ましくは、これは、メソゲン基にキラルな鎖 (基R6)またはスペーサーを備えさせることによってなされる。というのは、 このようにして、転移温度は、悪影響を(あったとしても)受けにくいからであ る。キラル鎖を有するメソゲン基の例は、すでに上記した。エポキシド基のα位 に元々ある炭素はまた不斉であるので、そのキラル型が同様 に使用され得る。その場合、エポキシド基にキラル中心を有する、エポキシ含有 メソゲン基を使用する。もちろん、キラル中心はまた、ジアミンにあることがで きる。 位相遅れ層を作るために2つの基板を使用することは必要ではない。液晶が、 ひとりでに十分に捩じれた構造をとるなら、1つの配向する基板で十分である。 液晶物質が十分な量のキラルドーパントを含み、層厚が厳密に制御されるならば 、十分に捩じれた構造を得ることができる。 上記したように、本発明の液晶ガラスを用いて、非常に小さいピッチを有する 層を作ることがまた可能である。これらのいわゆるコレステリック層はまた、コ レステリック反射材(reflector)またはコレステリック偏光子として使用され得 る。これらの場合に、位相遅れ層における適用のためより多くのキラルドーパン トが使用される。 さらに、本発明の液晶ガラスは、デジタルデータ貯蔵のために、例えばコンパ クトディスク(CD、記録可能で、かつ再書き込み可能)またはデジタルフィル ムにおいて使用され得る。デジタルフィルムは、異なる形(例えばテープ、カー ドおよびディスク)をとることができ、これは、CD規格によって明記されるよ うに書かれたりまたは読まれたりできない。これらのCDまたはフィルムにおけ る配向は、垂直配向または均質なプラナー(平行配向)のいずれかであり得る。 デジタル媒体のために、種々の読み出し原理が使用され得る。例えば、垂直配向 (すなわち、基板に垂直)の場合、二色性の染料が配合され得、これは吸収 の差によってデータを読み出すことを可能にする。さらに、垂直配向ならびに均 質なプラナーの場合には、配向コントラストは、垂直配向のまたは均質なプラナ ーの背景とは異なる光路長を与える、等方性のピットまたはトレースに由来する 。光路長のこの差の故に、ピット内に向かう入射光線の部分と、ピットに隣接し て向かうところの入射光線の一部による干渉がある。一般に、この異なる現象が CD内で同時に起こり、正確にどこでコントラストが生じるのかを正確に決める のは不可能である。 ここでまた、本発明の液晶ガラスの低い粘度の故に、急速な、とりわけ均一な 配向を達成することが可能であることが見出された。 フィルムまたはCDが二色性染料を含むとき、その配向は、液晶ガラスのメソ ゲン基と同じ線に沿っているであろう。二色性染料という語は、配向した媒体( 例えばネマチック液晶相)中で、所望の波長範囲で二色性比(吸収‖/吸収⊥) >1を有する染料をいい、ここで、吸収‖は媒体の配向方向に平行に偏光される 光の吸収を表し、吸収⊥は垂直に偏光される光の吸収を表す。二色性染料は、言 い換えると、直線的に偏光された光の1つの偏光方向を、他の1つよりずっと大 きい程度に吸収する。 未使用の垂直配向で配向したフィルムまたはCDにおいて、メソゲン基および 故に二色性染料分子は、フィルム表面に垂直に配向し、二色性染料分子による入 射光の低い吸収のみがある。(入射光は多くの場合、フィルム表面に垂 直に進むので、光の偏光方向はその伝播方向に垂直であることに注意すべきであ る。)フィルムまたはCDの、Tcより上への局部的な加熱または照射(例えば レーザーを用いて)の場合、垂直配向が、等方性の配向に変えられる。急速冷却 は、この局部的な等方性配向を固定させる。そのような等方的に書き込まれたト レースまたはピットの場合には、二色性染料分子は、同様に等方的に配向され、 入射光の実質的により高い吸収をもたらす。等方性の状態において、二色性染料 分子の2/3(平均して)が、CD表面と平行な長軸を有して置かれる(すなわ ち、平均して1/3がフィルムの平面のx軸に沿っていて、かつ1/3がy軸に 沿っている)。入射光の偏光方向(x偏光またはy偏光した)は、二色性染料分 子の長軸に平行であり、したがって、高い吸収が実現される。 二色性染料は、液晶ガラスと混合するか、またはこれに組み込むことができる 。組み込む場合、エポキシ官能化された二色性染料が、他のメソゲン基含有エポ キシドと、共反応され得る。液晶ガラスに混合または組み込まれるのに十分に安 定であるならば、原則として、任意の二色性染料が使用できる。例えばアゾ染料 、アントラキノン染料、クロコニウム(croconium)およびスクアリリウム(squari lium)に基づく染料が適当である。本発明はまた、新規な、メソゲン基を有する クロコニウム化合物に関する。 垂直配向媒体中での二色性染料の吸収における差以外の読み出し原理が使用さ れるなら、二色性染料は必要なく、 液晶ガラスは違って配向され得る。例えば均質なプラナー。 固体レーザーによってデータを書き出すには、液晶ガラスフィルムが近赤外光 吸収であるか、または近赤外光吸収にされることを必要とする。一般にこれは、 近赤外吸収染料を配合するか、または組み込むことによってなされる。好ましく は、書くためならびに読むために、同じ(ダイオード)レーザーを使用すること ができる。CD規格により明記されたCDは、固体レーザーにより読み出される 。読み出し原理が、垂直配向媒体中での二色性染料の吸収の差に基づくCDの場 合には、書く間にレーザー光を吸収し、かつ読む間に吸収における差をつくると ころの二色性染料が使用される。そのような場合、二色性染料が非常に二色性で あるが、完全には配向せず、そのため、十分な量の光が、書く間に吸収されるこ とが望ましい。目的は、光吸収パーセントが、垂直配向(未使用)状態において 入射光の2〜40%の範囲にあることである。配合され得る二色性の近赤外染料は 、とりわけ、アントラキノン染料[IR−750(商標)、日本化薬(株)から ]、スクワリリウム染料[NK−2772(商標)、日本感光色素研究所(株) から]、3-(7-イソプロピル-1-メチル)アズレン-4-イル-2-エチル-プロピオン酸 n-ブチルエステル、および欧州特許出願公開第A2-0 310 080号に記載されてい る染料、クロコニウム染料[ST 172(商標)、Syntecから]である 。 高密度CDのために、620〜680 nmの範囲の波長を有す るレーザーが、読みのために使用される。本発明の液晶ガラスはまた、この範囲 に吸収最大を有する二色性染料が使用されるとき、吸収差の原理に基づく高密度 CDを作るために使用され得る。この範囲に吸収最大を有する二色性染料の例と しては、アゾ染料[SI−361(商標)、三井東圧化学(株)から]、アント ラキノン染料[LCD 116(商標)およびLCD 118(商標)、日本化 薬(株)から;M−137(商標)、M−483(商標)、SI−497(商標 )、三井東圧化学(株)から]、スクワリリウム染料[ST 6/2(商標)お よびST 5/3(商標)、Syntecから]を包含する。他の読み出し原理 が使用されるとき、620〜680 nmで吸収する染料は二色性である必要はない。 原則として、液晶ガラス/染料系において、データの読み出しおよび書き込み は、異なる波長で起こり得る。吸収差の原理を用いて読み出す場合には、上記し たような二色性染料を、書き込み光吸収染料と組合せて使用する。該書き込み光 吸収染料は配向しにくい、またはあまり二色性でないことが望ましい。さもなけ れば、書き込み中の他の吸収が不十分である。その理由のために、形が引き伸ば されていない染料(例えば、小板形の分子または球状分子)が好ましい。これら の書き込み光吸収染料は、染料ジアミンを他のジアミンと共反応させることによ り、液晶ガラス中に組み込むことができる。 通常は、フィルムまたはCDは、ガラスの溶液を基板に 施与し、そして溶媒を蒸発させることにより作られる。適当な基板は、PET、 PET−ITO、金属、ガラス、セルロース アセテート、ポリカーボネート、 ポリカーボネート−Al、ケイ素、アモルファス ポリオレフィン等を包含する 。一般に、これらの基板は、金属例えばアルミニウムまたは金の薄層、または高 誘電率を有する物質例えばシリシウム ニトライド、シリシウム オキシドまた はZNSeの層を備えている。通常、0.2〜10μmの厚さを有するフィルム が使用される。 液晶物質の垂直配向は、幾つかの方法で達成することができる: 1.基板の表面を、垂直配向を誘導する界面活性剤を用いて処理することによる 。これらは、とりわけ、シラン、高級アルコール等、例えばn-ドデカノールおよ びLiquicoat(商標)PA[メルク(Merck)から]であり得る。 2.磁場または電場で液晶層をポーリング(poling)させることによる。電場は、 コロナ ポーリング(電極として鋭い針または薄いワイヤーを用いる)により発 生され得る。液晶層の他の端に対向電極(例えば、ITO層、金属層、または導 電ポリマー層)がなければならず、そのために、ポーリング場は、液晶層の上方 に置かれる。あるいは、液晶層は、両側に導電層を備えることができ、電場がそ れに適用される。 垂直配向フィルムが、表面処理によって生成されるとき、およびポーリングの 場合の両方において、ガラスフィルム の粘度および層厚が重要性をもつ。 均質なプラナー配向はまた、表面処理によって得ることができる。本発明の液 晶ガラスは、TgとTcの間で低い粘度を有するので、それらはすばらしい均一 プラナーフィルムまたはCDに作られ得る。 ポーリングは、均一な垂直配向を得る最も容易な方法の1つであるので、デジ タルデータ貯蔵のためには、ポーリングし得る液晶ガラスを使用するのが好まし い。そのようなガラスは、先に記載した。 本発明の液晶ガラスは、適当な染料の添加後、レーザーまたは何か別の加熱源 を用いて、局部的な等方性の書き込みを可能にする、均一に散乱するフィルムに 容易に作られることができる。このようにして、本発明の液晶ガラスはまた、低 密度デジタル貯蔵およびアナログデータ貯蔵のために役に立つようにされる。ア ナログデータ貯蔵という語は、人が読むことができ、再び書くことができるディ スプレー例えばスマート カードおよび感熱紙、および機械が読むことができる 媒体(例えばバーコード読取り機で読むことができる媒体)の両方をいう。フィ ルムは、スピンコーティング、メータ バー コーティング、メルト コーティ ング、スクリーン印刷および、基板へコーティングするための他の慣用の技術に よって、製造することができる。適当な基板は、PET、ガラス、ポリカーボネ ート、PVC、ABS、ポリスチレン、金属および紙でできている。フィルムは 、異なる形、例えばディスク、カードおよびテ ープとしての形を持ち得る。 均一に散乱するフィルムは、フィルムをTcより上に加熱した後、それを室温 に放冷することにより得られる。小さいドメインの作成は散乱性のテクスチャー を与える。本発明の液晶ガラスのフィルムは、このやり方で、2秒以内に初期化 できることが見出された。このことは、書き込まれたフィルムはこのやり方で2 秒以内に消され、再び書くために準備されることができることを意味する。 書かれた部分と他の部分との間のコントラストを増すために、コントラスト層 を液晶ガラス層の下に施与することができる。これは、光を反射する任意の物質 からできていることができる反射層であり得る。例としては、銅、アルミニウム 、金、銀、ニッケル、鋼の金属基板または箔、金属被覆されたプラスチック基板 または箔例えばアルミニウム被覆したPET、金属被覆した紙、金属被覆した金 属または例えば自動車工業において使用されるようなプラスチック基板が包含さ れる。あるいは、コントラスト層は、低い屈折率を有する層例えば空気の薄層か らできていることができる。液晶ガラス層は、保護コーティングを備えているこ とができる。 エポキシ官能化された、および/またはジアミン官能化された染料が、メソゲ ン基含有エポキシドおよび/またはジアミンと、共反応されるなら、または染料 が配合されるなら、偏光子として使用できるガラスが形成される。もちろん、染 料は二色性で、液晶ガラスと共に配向されなけれ ばならない。このために、本発明の液晶ガラスは、光学的に透明な基板に施与さ れ、その後、液晶ガラス層を均一に平面に配向させる。本発明はまた、本発明の 、染料含有液晶ガラスを含む偏光子に関する。 ガラスのUV安定性を高めるために、UV安定剤を添加することが可能である 。あるいは、エポキシ官能化したUV安定剤をガラスに組み込むことができる。 そのようなエポキシ官能化したUV安定剤の例は、Macromol.26(1993年)、32 27〜3229に列挙されている。 多くの単に説明のための、限定するものでない実施例について、本発明をさら に説明する。 実施例実施例1 LCガラスの合成(一般法): 1当量のジアミンと4当量のエポキシの混合物を、130 ℃の温度で、窒素雰囲 気下で、使用したジアミンに依存して5〜20時間加熱した。2以上の異なるジア ミンとエポキシドを使用するときは、均一な溶融物を得るために、40重量%の クロロベンゼンを添加した。130 ℃で1時間後、クロロベンゼンを留去した。溶 融物を冷却し、THF中に溶解し、そして約20%(m/M)の溶液を、10倍 過剰のエタノール中で沈殿させた。収率は75〜90%の範囲にあった。 エポキシドモノマーの合成:実施例2 シアノビフェニルのエポキシド(エポキシド1) 39.00g(0.20モル)のヒドロキシシアノビフェニル、100ml( 1.25モル)のエピクロロヒドリンおよび0.44g(2.4ミリモル)のベ ンジルトリメチルアンモニウムクロリドの混合物を、70℃に加熱した。次に、 水100ml中の水酸化ナトリウム17g(0.42モル)の溶液を、3時間で 施与した。この添加の後、70℃でさらに1時間撹拌した。反応混合物を20℃ に冷却し、そして200mlのジクロロメタンを加えた。有機層を水性層から分 離し、NaCl溶液(2回)および水(2回)で順次洗浄した。硫酸マグネシウ ムで乾燥し、蒸発により濃縮した後、粗生成物を450mlのメタノールから結 晶した形に転化させた。収率は38.30g(76%)であった。 シアノビフェニルのエポキシドを使用して、先に詳述したLCガラスの合成の ための一般法によって、以下のものを使用して、ガラスを製造した: m-キシリレンジアミン(m-XDA)、フルカ(Fluka)(商標)から m-フェニレンジアミン(m-PDA)、ヤンセン キミカ(Jansen Chimica)(商標) から 4,4'-オキシジアニリン(ODA)、フルカ(Fluka)(商標)から メチレンジアミン(MDA)、フルカ(Fluka)(商標)から p-フェニレンジアミン(p-PDA)、ヤンセン キミカ(Jansen Chimica)(商標) から 1,3-ビスメチルアミノシクロヘキサン(CHDA)、アルドリッチ(Aldrich)(商標 )から 3,3'-スルホニルジアニリン(3-SDA)、アルドリッチ(Aldrich)(商標)から 4,4'-スルホニルジアニリン(4-SDA)、フルカ(Fluka)(商標)から。 得られたガラスの特性を表Iにまとめる。得られた液晶ガラスは、多数回の加 熱サイクルの後ですら、安定に保持されることがわかった。実施例3 ニトロビフェニルのエポキシド(エポキシド2) シアノビフェニルのエポキシドの合成と同様のやり方で、ニトロビフェニルの エポキシド(エポキシド2)を製造した。種々のジアミンを用いて、先に詳述し たLCガラスの合成のための一般法によって、ガラスを製造した。 得られたガラスの特性を表Iにまとめる。得られた液晶ガラスは、多数回の加 熱サイクルの後ですら、安定に保持されることがわかった。実施例4 ニトロスチルベンのエポキシド(エポキシド3) シアノビフェニルのエポキシドの合成と同様のやり方で、 ニトロスチルベンのエポキシド(エポキシド3)を製造した。種々のジアミンを 用いて、先に詳述したLCガラスの合成のための一般法によって、ガラスを製造 した。 得られたガラスの特性を表Iにまとめる。得られた液晶ガラスは、多数回の加 熱サイクルの後ですら、安定に保持されることがわかった。実施例5 メトキシフェニルベンゾエートのエポキシド(エポキシド4) 苛性溶液の半量のみをエポキシド4のために使用した以外は、シアノビフェニ ルのエポキシドの合成と同様のやり方で、メトキシフェニルベンゾエートのエポ キシド(エポキシド4)を製造した。種々のジアミンを用いて、先に詳述したL Cガラスの合成のための一般法によって、ガラスを製造した。 さらに、シアノスチルベンのエポキシド(エポキシド5)およびニトロトラン (nitrotolane)(ph≡ ph-NO2、エポキシド6)を、シアノビフェニルのエポキシ ドの合成と同様のやり方で製造した。 得られたガラスの特性を表Iにまとめる。得られた液晶ガラスは、多数回の加 熱サイクルの後ですら、安定に保持されることがわかった。 実施例6 1-(2,3- エポキシプロピルオキシ)-4-(p-メトキシフェニル)ビシクロ[2,2,2]オ クタン(エポキシド7) 3-アセチル−1,5-ジシアノ-3-(p-メトキシフェニル)ペンタン 溶液の温度を10〜15℃に保持しながら、p-メトキシフェニルアセトン82g( 0.5モル)およびベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(トリトンB )の40%(重量/体積)メタノール溶液5.5mlの、t-ブタノール100g 中の溶液に、シアノエチレン(53g、1.0モル)を滴下して加えた。4時間 撹拌して反応させた後、生成物のほとんど固体状混合物を濾別し、メタノールで 洗浄し、そして乾燥した。収率:99.2g(73%)。 3-アセチル-3-(p-メトキシフェニル)ペンタン-1,5-ジカルボン酸 NaOH17.8g(0.44モル)、水175gおよび3-アセチル-1,5- ジ シアノ-3-(p-メトキシフェニル)ペンタン40g(0.15モル)の混合物を、 1晩還流した。濃塩酸を、冷却した溶液に加え、そして生成物がオイルとして分 離した。オイルを、ジクロロメタン100ml中に取った。そのままにし、0℃ に冷却すると、純粋な酸が白色固体として沈殿した。収率:39.5g(87% )。 4-アセチル-4-(p-メトキシフェニル)シクロヘキサノン 3-アセチル-3-(p-メトキシフェニル)ペンタン-1,5- ジカルボン酸38.0g (0.14モル)および酢酸カリウム0.31gの、無水酢酸140ml中の溶 液を、2時間還流した。減圧下で過剰の酢酸を除去した後、残渣を分解し、形成 されたシクロヘキサノンを蒸留するために、温度を250 ℃に上げた(圧力0.0 5ミリバール)。蒸留物23.0g(79%)が集められ、これは急速に固化し た。生成物をさらに精製することなく使用した。 1-ヒドロキシ-4-(p-メトキシフェニル)ビシクロ[2,2,2]オクタン-3-オン 4-アセチル-4-(p-メトキシフェニル)シクロヘキサノン23.0g(0.11 モル)およびKOH19.2g(0.29モル)の、水200ml中溶液を、7 0℃で6時間加熱した。冷却後、沈殿した生成物を濾別し、水洗し、そして減圧 乾燥した。収率:18.9g(82%)、融点159〜160 ℃。 1-ヒドロキシ-4-(p-メトキシフェニル)ビシクロ[2,2,2]オクタン 1-ヒドロキシ-4-(p-メトキシフェニル)ビシクロ[2,2,2]オクタン-3-オン10 .0g(0.048モル)およびヒドラジンモノハイドレート7.36g(0. 15モル)の、トリエチレングリコール40ml中溶液を、100℃ で3時間、165℃で15分間、続いて加熱した。溶液を60℃に冷却し、そし てKOH9.28g(0.14モル)のトリエチレングリコール40ml中溶液 の同じく暖めたものを加えた。反応器にディーン- スターク トラップ(Dean-St ark trap)を取り付け、そして混合物を105℃で1時間、次に185℃で30分 間加熱した。冷却した溶液を水150mlに加え、ジクロロメタン(3×100 ml)で洗浄した。合わせた有機層を、50mlの2N HClおよび50ml の水で洗浄し、乾燥し、そして蒸発乾固した。収率:7.83g(84%)。生 成物をトルエンから再結晶させて精製した。 1-アリルオキシ-4-(p-メトキシフェニル)ビシクロ[2,2,2]オクタン シーブ(sieve) で乾燥したDMF15ml中の、1-ヒドロキシ-4-(p-メトキシ フェニル)ビシクロ[2,2,2]オクタン2.0g(10ミリモル)の溶液に、窒素下 で、オイルに分散させた60%NaH0.52g(13ミリモル)を加えた。室 温で4時間撹拌した後、水素の放出が止まった。70mg(0.19ミリモル) のテトラブチルアンモニウムアイオダイドおよび(滴下で)5mlのDMF中の アリルブロマイドの溶液1.56g(13ミリモル)を加えた。得られた反応混 合物をさらに2時間撹拌し、水150ml中に注ぎ、ジエチルエーテルで洗浄( 3×50ml)した。合わせた有機層を水50mlおよび塩水50mlで洗浄し 、 乾燥し、そして蒸発乾固した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2 )溶出溶媒 ジエチルエーテル)で精製し、1.0g(43%)の1-アリルオキ シ-4-(p-メトキシフェニル)ビシクロ[2,2,2]オクタンが得られた。融点は62〜63 ℃。 1-(2,3- エポキシプロピルオキシ)-4-(p-メトキシフェニル)ビシクロ[2,2,2]オ クタン 1-アリルオキシ-4-(p-メトキシフェニル)ビシクロ[2,2,2]オクタン1.0g( 4.2ミリモル)および50%のm-クロロ過安息香酸1.9g(5.4ミリモル )の、シーブ(sieve) で乾燥したジクロロメタン10ml中溶液を、室温で1晩 撹拌した。反応混合物をジクロロメタン10mlで希釈し、炭酸ナトリウムの1 0%水性溶液(2×20ml)で、水(20ml)で、そして塩水(20ml) で洗浄し、乾燥し、そして蒸発乾固した。粗生成物をメタノールから再結晶した 。収率は0.15g(14%)。実施例7 1-ブロモ-4-(p-2,3-エポキシプロピルオキシフェニル)ビシクロ[2,2,2]オクタン (エポキシド8) 1-ブロモ-4-(p-ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2,2,2]オクタン シーブ(sieve) で乾燥したジクロロメタン50ml中の 1−ヒドロキシ-4-(p-メトキシフェニル)ビシクロ[2,2,2]オクタン2.7g(0 .14ミリモル)の溶液に、シーブ(sieve) で乾燥したジクロロメタン50ml 中三臭化ホウ素8.8g(0.35ミリモル)の溶液を、0℃で滴下して加えた 。溶液を1晩撹拌し、再び室温にした。溶液を水400ml中に注ぎ、水性相を ジクロロメタン(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層を、炭酸ナトリ ウムの10%水性溶液(100ml)および水(100ml)で洗浄し、乾燥し 、そして蒸発乾固した。収率3.2g(93%)。生成物をさらに精製すること なく使用した。 1-ブロモ-4-(p-2,3-エポキシプロピルオキシフェニル)ビシクロ[2,2,2]オクタン 1-ブロモ-4-(p-ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2,2,2]オクタン3.0g(0. 12ミリモル)およびベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.023g( 0.012ミリモル)の、エピクロロヒドリン9.0g(0.99ミリモル)中 溶液を、70℃で撹拌した。NaOH1.0g(0.26ミリモル)の水7.5 ml中溶液を、2.5時間で徐々に加え、混合物を1晩撹拌した。水10mlお よびジクロロメタン25mlを加え、有機層を分離し、水性層をジクロロメタン で抽出(2×25ml)した。合わせた有機層を水(25ml)および塩水(2 5ml)で洗浄し、乾燥し、そして蒸発乾固した。粗生成物をメタノールから結 晶化させた;収率3.2g(86%)、融点112 〜 115 ℃。 エポキシド7および8を、本発明の液晶ガラスに使用して、これらの液晶ガラ スで作られた位相遅れ層の分散をかえた。実施例8 異なるジアミンを含む液晶シアノビフェニルガラスを混合した。表IIの結果は 、ジアミンを変えることによって、TgおよびTcが所望のように設定できるこ とを示す。さらに、最適な混合比で混合物を使用すると、液晶ガラスの安定性を 促進することが分かった。 実施例9 エポキシド1と3-SDA の液晶ガラス(ガラス1)およびエポキシド6とm-XDA の液晶ガラス(ガラス2)をブレンドした。結果を表IIIに示す。この結果から 、TgおよびTcは、液晶ガラスのブレンドを使用することによって、設定でき ることがわかる。 実施例10 ODAとエポキシド1および別のエポキシとを反応させる ことによって、液晶ガラスを得た。表IVの結果は、1つの液晶ガラス分子に異な るエポキシドを組み込むと、液晶挙動を壊さず、TgおよびTcを、特定のタイ プのエポキシドの量を変えることによって設定できることを示す。 実施例11 3-SDA とエポキシド1および別のエポキシとを反応させることによって、液晶 ガラスを得た。表Vの結果は、1つの液晶ガラス分子に異なるエポキシドを組み 込むと、液晶挙動を壊さず、TgおよびTcを、特定のエポキシドの量を変える ことによって設定できることを示す。 実施例12 SDAと、エポキシド1および非メソゲン基含有エポキシとを反応させることに よって、液晶ガラスを得た。非メソゲン エポキシドは、エポキシド1の製造と 同様のやり方で得た。表VIの結果は、液晶ガラスに非メソゲン基を組み込むこと によって、液晶挙動が壊されないことを示す。これらの液晶ガラスの単一ドメイ ンフィルムの散乱の減少が、配向過程中に加熱後に得られることがまた注目され た。 実施例13 LCガラスの合成と同様のやり方で、クロコニウム染料の合成 m-アミノフェノール0.54g(5ミリモル)およびエポキシド10ミリモル の混合物を、窒素下で、130℃の温度で溶融した。130℃で4時間の後、溶 融物をDMFに溶解し、約20%(m/M)の溶液を10倍過剰のエタノール中 で沈殿させた。 上記の段階からの生成物(フェノール誘導体)0.50ミリモルを、窒素雰囲 気下で、1mlのDMSOおよび50mlのn-ブタノールの混合物中に溶解した 。次に、還流温度で、53mg(0.25ミリモル)のクロコン酸(croconic ac id)を一気に加えた。1時間還流の後、混合物を 冷却し、沈殿した生成物を濾過し、エタノールで洗浄した。生成物を、カラムク ロマトグラフィーによって精製した。 表VIIにおいて、請求項25の式に従う種々のR11基を有するクロコニウム染料の 性質をまとめた。 実施例10 位相遅れ層における適用 100μmの厚さの2つのガラス基板を使用した。これらの基板を、Merck Li quicoat(商標)PAの薄層で被覆し、これを60℃で15分間前硬化し、300 ℃で1時間硬化し、その後、Merck(商標)使用説明書に従いフェルトの布で所 望の方向に擦った。PI層の適当な接着を確実にするために、以下の手順を用い て、ガラス基板をあらかじめ清浄した: ‐洗剤(Q9、プラム(Purum)社)で超音波洗浄 ‐KOH(1M)、50℃/1時間 ‐HNO3/H2SO4/H2O(1:1:2)、60℃/1時間 ‐イソプロピルアルコール蒸気中で30分間還流。 清浄段階のすべての間では、脱イオン水でフラッシュ洗浄した。これは、W.H .de Jeu による、Physical Properties of Liquid Crystals、第1版、ゴード ン およびブリーチ サイエンス パブリッシャーズ(Gordon and Breach Scien ce Publishers)、p.23に記載された方法の変形である。 m-XDA とエポキシド1の液晶ガラスを、5重量%のキラルドーパント(Merck CB 15(商標))と共に、シクロペンタノンに溶解した。濾過した溶液に、0. 5重量%(LCガラスに基づいて計算)の架橋したポリマーの球(Dynospheres DL-1060(商標)、JSRから)をスペーサーとして加えた。スペーサーを有す る液晶ガラスの溶液を、2つの前処理したガラス基板にスピン コートした。得 られた層厚は4μmであった。2つのガラスフィルムを真空オーブン中で、20 ℃で16時間乾燥した。これを次に、配向方向に60°の差をつけて、1つを他 の上に置き、160℃の温度で成形した。次に、試料を115℃に、そして5分 後に室温に冷却した。得られた位相遅れフィルムの品質を、種々の光学技術(例 えばE.P.レインズ(Raynes) "Molecular Crystals" 、Liquid Crystals Letters 、4(3-4)(1987年)、69-75)によって測定した。 アナログ データ貯蔵への適用 m-XDAとエポキシド1の液晶ガラスを、シクロペンタノンに溶解し、濾過した 。メータ バーを用いて、溶液を100μm厚さのAlu-PET 基板(Melinex 401 (商標)(ICIから)に基づく)に施与した。室温で5分間乾燥し、60℃で 15分間加熱することによって溶媒を除去した。約6μm厚さのフィルムが得ら れた。液晶層は、Actilane 200(商標)(Akcros Chemicalsから)に基づく保護 コーティングを備えられた。 134℃に加熱し、次いで直ちに、>2秒で約20℃に冷却することによって 、フィルムを均質に光散乱させた。熱転写ヘッドでの書き込みは、非常に良いコ ントラストを与えた。フィルムは、同じ方法によって消された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 7/24 516 G11B 7/24 516 (31)優先権主張番号 1000314 (32)優先日 1995年5月8日 (33)優先権主張国 オランダ(NL) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),CA,CN,JP,KR,U S (72)発明者 ピッケン,ステフェン,ジェイムズ オランダ国,6824 ジーエム アンヘム, ウィチャード ファン ポントラーン 22

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式1: (ここで、R1:5〜24個の炭素原子を有する芳香族基、6〜24個の炭素原子を 有する、芳香族基含有脂肪族基、4〜24個の炭素原子を有する複素環式基または 6〜24個の炭素原子を有する脂環式基を表し; R2:−H、非メソゲン基またはスペーサーを有するメソゲン基を表し; R3:R2と同じ基を表すことができるが、R2、R4およびR5からは独立して選 択されることができ; R4:R2と同じ基を表すことができるが、R2、R3およびR5からは独立して選 択されることができ; R5:R2と同じ基を表すことができるが、R2、R3およびR4からは独立して選 択されることができ、 R2、R3、R4およびR5基全体の25%以下が、−Hまたは非メソゲン基を表す ) に従う化合物を含む液晶ガラス。 2.R1が、次式: (ここで、Xは−O−、−SO2−、−CH2−、−S−、−C(O)−、または −C(CH32−を表し、 nは1または0を表し、 mは0、1または2を表す) に従う基を表す請求項1記載の液晶ガラス。 3.R2、R3、R4および/またはR5が、次式: (ここで、Yは、−C(O)−O−、−C=C−、−O−C(O)−、−C≡C −または−N=N−を表し; R6は、−O−R9、−OCO−R9、−COOR9、−CN、−NO2または−R9 を表し; R7は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表し; R8は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表し; R9は1〜15個の炭素原子を有するアルキル基を表し; tは1〜6であり; uは1〜7であり; vは0〜3であり; R10は−Hまたは−CH3を表し; R11は−Hまたはアルキルを表し、かつnは上記式中と同義である) に従うメソゲン基を表す請求項1または2記載の液晶ガラ ス。 4.ガラスが、式1に従う化合物の混合物を含む請求項1〜3のいずれか1項記 載の液晶ガラス。 5.異なるメソゲン基が1つのガラス分子内に存在する請求項1〜3のいずれか 1項記載の液晶ガラス。 6.R2、R3、R4および/またはR5基が、メソゲン基の長軸に沿って向く1以 上の永久双極子モーメントの存在のゆえに、正の誘電異方性を有するメソゲン基 を含む請求項1〜5のいずれか1項記載の液晶ガラス。 7.R1が、クロコニウム フラグメントまたはスクワリリウム フラグメント である請求項1〜6のいずれか1項記載の液晶ガラス。 8.ガラスが染料を含む請求項1〜6のいずれか1項記載の液晶ガラス。 9.染料が二色性である請求項8記載の液晶ガラス。 10.請求項1〜6のいずれか1項記載の液晶ガラスを、位相遅れ層において使用 する方法。 11.請求項1〜6のいずれか1項記載の液晶ガラスを使用した位相遅れ層。 12.キラル中心を有する液晶ガラスを使用した請求項11記載の位相遅れ層。 13.請求項1〜9のいずれか1項記載の液晶ガラスを、コンパクトディスクにお いて使用する方法。 14.請求項1〜9のいずれか1項記載の液晶ガラスを使用したデジタルフィルム 。 15.請求項1〜9のいずれか1項記載の液晶ガラスを、デジタルフィルムにおい て使用する方法。 16.請求項1〜9のいずれか1項記載の液晶ガラスを使用したコンパクトディス ク。 17.液晶ガラスが、垂直配向的に配向していて、二色性染料が存在する請求項16 記載のコンパクトディスク。 18.請求項1〜8のいずれか1項記載の液晶ガラスを使用したアナログデータ貯 蔵媒体。 19.請求項1〜8のいずれか1項記載の液晶ガラスを、ア ナログデータ貯蔵媒体において使用する方法。 20.請求項1〜8のいずれか1項記載の液晶ガラスを、人が読むことができ、再 び書くことができるディスプレイにおいて使用する方法。 21.請求項1〜8のいずれか1項記載の液晶ガラスを使用した、人が読むことが でき、再び書くことができるディスプレイ。 22.請求項7、8または9のいずれかに記載の液晶ガラスを使用した偏光子。 23.請求項7、8または9のいずれかに記載の液晶ガラスを、偏光子において使 用する方法。 24.ジアミンを、メソゲン基含有エポキシドと反応させるところの、液晶ガラス の製造方法。 25.次式: (ここで、R12[R13=OCH3、CN、NO2) に従うクロコニウム化合物。 26.請求項1〜8のいずれか1項記載の液晶ガラスを使用した、コレステリック 反射材。 27.請求項1〜8のいずれか1項記載の液晶ガラスを使用した、コレステリック 偏光子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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