JPH10503821A - 燃料噴射装置用直動型スプール弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 流体作動式の燃料噴射装置（１０）用駆動弁（９０）が、プランジャ（９８）を有するアクチュエータ（９２）と、プランジャ（９８）に連結されたスプール弁（１０４）とを具備する。スプール弁（１０４）が、高圧ポート（１２２）を有しており、アクチュエータ（９２）により高圧ポート（１２２）または低圧ポート（１２０）を噴射機構（３５）に連通させるように動作可能となっている。

Description

【発明の詳細な説明】 燃料噴射装置用直動型スプール弁 技術分野 本発明は流体弁に関し、特に燃料噴射装置などの流体制御装置を作動させるた めの駆動弁に関する。 背景技術 駆動弁は、例えば内燃機関で用いられる燃料噴射装置などの流体制御装置を作 動させるためによく用いられる。駆動弁の一つにはソレノイドと、３方向ポペッ ト弁、すなわち、エンジンオイルやエンジン燃料といった加圧流体の昇圧室内へ の流入を制御する３方向ポペット弁とを含むものがある。加圧流体は昇圧ピスト ンに作用して高圧室内の燃料を加圧する方向にこのピストンを変位せしめる。次 いで、加圧燃料はバネにより付勢された弁体に作用し、燃料圧が十分に高いレベ ルまで昇圧されると、弁体が開弁して燃料が関連する燃焼室内に噴射せしめられ る。 このような駆動弁は、ほとんどの利用分野において満足のいく作動を行うこと が確認されているが、ポペット型弁では追従できないほどの速さで、燃料噴射装 置が作動しなければならない機関（エンジン）への適用例もある。 発明の開示 本発明による弁は速やかに作動可能であり、好ましくは従来の弁に比べて小型 かつ軽量である。 本発明の１つの特徴によれば、プランジャと該プランジャに連結 されたスプール弁とを有するアクチュエータを含む噴射機構を有する流体作動式 の燃料噴射装置用の駆動弁が提供される。前記スプール弁は高圧ポートと低圧ポ ートとを含み、前記アクチュエータにより、前記高圧ポートまたは低圧ポートを 前記噴射機構に選択的に連通させるように作動する。 好ましくは、前記スプール弁は、主弁孔を有する本体と、前記主弁孔に配設さ れ前記プランジャに連結されたスプールと、前記弁孔と前記高圧ポートとの間を 接続する第１の通路と、前記主弁孔と前記低圧ポートとの間を接続する第２の通 路と、前記主弁孔と前記噴射機構との間を接続する第３の通路とを含んで成る。 また、好ましくは、前記スプールは、少なくとも１つのランドを含んで成り、 かつ、前記アクチュエータにより移動して、前記少なくとも１つのランドにより 前機第１と第３の間の連通を遮断し、或いは、前記第２と第３の間の連通を遮断 する。 特定の実施態様では、前記スプールは前記アクチュエータが付勢されたときに 第１の位置に移動可能であり、かつ、更に、前記アクチュエータが消勢されたと きに、前記スプールを第２の位置に移動させる手段を具備している。該移動手段 は、好ましくは、前記スプールの移動を前記第１の位置から前記第２の位置に流 体により補助する手段を含んで成る。バネがバネ室内に配設され、前記補助手段 が、好ましくは、前記スプール弁の出口ポートと前記バネ室との間に設けられた 通路を有しており、高圧流体をバネ室内に導入するように成っている。 更に、前記アクチュエータは、前記プランジャに連結された移動可能なアーマ チュアを有したソレノイドを具備している。 本発明の他の特徴によれば、補力室内に配設された補力ピストンを有する流体 作動式の燃料噴射装置用の駆動弁が、プランジャを有 するアクチュエータと、スプール弁とを具備しており、スプール弁が高圧ポート と、低圧ポートと、前記補力室に接続された出口ポートと、スプールとを具備し ている。該スプールは、前記アクチュエータが付勢されたときに同アクチュエー タにより第１の位置に移動し、前記アクチュエータが消勢されたときに第２の位 置に移動可能して、前記高圧ポートまたは低圧ポートを前記出口ポートおよび前 記補力ピストンに選択的に連通させる。前記アクチュエータが消勢されたときに 、前記スプールを前記第１の位置から前記第２の位置に移動させる手段が設けら れる。 本発明の更に他の特徴によれば、補力室内に配設された補力ピストンを有する 流体作動式の燃料噴射装置用の駆動弁が、ソレノイド巻線を有するソレノイドと 、スプールとを具備し、該スプールが、高圧ポートと、低圧ポート前記補力室と スプールとの間に設けられた出口ポートとを有している。前記スプールは、前記 ソレノイド巻線が励磁されたときに第１の位置に移動し、かつ、前記ソレノイド 巻線が消磁されたときに第２の位置に移動して、前記高圧ポートまたは低圧ポー トを前記出口ポートと前記補力ピストンとに選択的に連通させる。前記高圧ポー トには高圧流体源が接続され、かつ、前記低圧ポートには低圧流体源が接続され る。前記スプールの端部に接触するようにバネがバネ室内に配設される。前記ス プールは第１のランドを具備しており、該第１のランドは、前記スプールが第１ の位置にあるとき、前記バネ室に連通する第１の側と、前記低圧ポートに連通す る第２の側とを有している。第２のランドが、前記スプールが第１の位置にある とき出口ポートを低圧ポートから遮断し、前記スプールが第２の位置にあるとき 出口ポートを高圧ポートから遮断する。前記出口ポート前記バネ室との間に通路 が形成されており、高圧が前記第１のランドの第１の側に付与され、これにより 前記バネを補助して、前記スプールを第１の位置から第２の位置へ移動させる。 ポペット型の弁ではなく、スプール弁を利用し、かつ、該スプールを流体によ り補助することにより、小さな作動力によりスプールが迅速に応答するので、高 価なアクチュエータを利用する必要がなくなる。 図面の簡単な説明 図１は、燃料噴射システムの略示ブロック線図である。 図２Ａは、従来技術の燃料噴射装置の部分断面立面図である。 図２Ｂは、図２Ａの燃料噴射装置の先端部の部分拡大断面図である。 図３は、図２の燃料噴射装置の部分拡大断面図である。 図４は、図２および図３に示す燃料噴射装置の作用を示すグラフである。 図５は、本発明の弁を組み込んだ燃料噴射装置の図２Ａと同様の図である。 図６は、第１の弁位置にある本発明の弁を示す図３と同様の図である。 図７は、第２の弁位置にある図５の弁の部分拡大断面図である。 図８は、本発明の代替実施態様の図６と同様の図である。 図９、１０は、本発明の更に他の実施形態の図８と同様の図である。 発明を実施するための最良の態様 図１を参照すると、油圧駆動電子制御式のユニット噴射（ＨＥＵＩ）システム １０は輸送ポンプ１２を含み、このポンプ１２は燃料 タンク１４およびフィルタ１６から受け取った燃料を比較的低い圧力、例えば約 ０．４１４ＭＰａ（６０ｐｓｉ）の圧力にて、レールラインまたは導管２０を介 して燃料噴射装置１８まで輸送する。作動流体、例えばオイルサンプから供給さ れるエンジンオイルが、ポンプ２２により名目上の中間圧力、例えば２０．７Ｍ Ｐａ（３０００ｐｓｉ）まで加圧される。オイルレールラインまたは導管２６を 介しての燃料噴射装置１８への油圧は、レール圧制御弁２４を設けて電子的なエ ンジン制御装置２８からの信号レベルに応じて調節するようにすることができる 。エンジン制御装置２８から発せられる電気制御信号に応じ、燃料噴射装置１８ は、高圧、例えば１３８ＭＰａ（２００００ｐｓｉ）以上の高圧にて内燃機関の 関連する燃焼室またはシリンダ（図示せず）内に燃料を噴射する。図１では６つ の燃料噴射装置が図示されているが、これと異なる数の燃料噴射装置を設けて同 数の対応する燃焼室内に燃料を噴射するようにしてもよい。また、燃料噴射シス テム１０が設けられる機関をディーゼル機関、点火補助式機関、或いは燃料噴射 が必要であるか、若しくは好ましい他のあらゆる形式の機関にて構成することが できる。 図１の燃料噴射システム１０を修正して、ポンプ１２、２２と各燃料噴射装置 １８間に延びる独立の燃料、および／または、オイル供給ラインを追加してもよ い。代替的に、若しくは更に加えて、作動流体として燃料または他の流体を用い てもよく、かつ／または、燃料噴射装置の噴射タイミングおよび噴射期間をエン ジン制御装置２８の代わりに機械的または油圧装置により制御するようにしても よい。 図１の燃料噴射システム１０と共に利用可能な従来技術における燃料噴射装置 １８を図２Ａ、図２Ｂ、図３に示す。この燃料噴射装置はＧｌａｓｓｅｙの米国 特許第５１９１８６７号明細書に開示さ れており、燃料噴射装置に関する全開示内容が参照される。燃料噴射装置１８は 、アクチュエータおよび弁組立体２９と、ボディ組立体３０と、バレル組立体３ ２と、ノズルおよび先端部組立体３４とを具備する。アクチュエータおよび弁組 立体２９は、高圧オイルと低圧オイルの何れか一方を選択的に昇圧ピストン３５ に連通させる手段として作用する。アクチュエータおよび弁組立体２９は、好ま しくはソレノイド組立体の形のアクチュエータ３６と、好ましくはポペット弁の 形の弁３８とを具備する。ソレノイド組立体３６は固定されたステータ組立体４ ０と、弁３８のポペット３４に連結された可動のアーマチュア４２とを具備する 。 アクチュエータ３６が消勢されると、バネ４６がポペット３４を付勢し、ポペ ット３４のシール面４８が変位して弁座５０に接触、密封する。その結果、オイ ル流入通路５２と昇圧室５４間の連通が遮断される。燃料噴射を開始すべきとき には、エンジン制御装置２８からの電気制御信号によりアクチュエータ３６が付 勢され、それによってポペット３４が上方に変位し、シール面４８が弁座５０か ら離間する。このとき、加圧オイルがオイル流入通路５２から昇圧室５４内に流 入する。昇圧室５４内に加圧流体が流入すると、昇圧ピストン３５が下方に変位 し、その結果、燃料流入口５８および逆止弁６０を介して高圧室５６内に吸引さ れた燃料が加圧される。この加圧された燃料が通路６４を介してボア６２に供給 される。ボア６２内には細長い弁体６６が配設されており、弁体６６は、図２Ｂ に示す第１の端部７０に設けられたシール用先端部６８と、第２の端部７４に設 けられた拡大板または頭部７２とを具備する。バネ７６が先端部６８を弁座７８ に向け付勢し、ボア６２を１つまたは複数のノズルオリフィス８０から遮断する 。 図４を参照すると、ボア６２内の圧力ＰINJ が設定開弁圧（ＶOP ）になると弁体が上動し始め、その結果、先端部６８が弁座７８から離間して加 圧燃料がノズルオリフィス８０を介して関連する燃焼室内に流出可能となる。圧 力ＶOPは次のように定められる。 ＶOP＝Ｓ／（Ａ１−Ａ２） ここでＳは、バネ７６により作用せしめられる負荷であり、Ａ１は弁体６６の弁 案内部８２の断面の直径であり、Ａ２は先端部６８と弁座７８との接触により画 成される曲線の直径である。 弁体が上動すると噴射装置先端室８４内の圧力ＰSAC が上昇し、次いでボア６ ２内の圧力ＰINJ に応じて設定閉弁圧（ＶCP）になるまで低下する。この閉弁圧 において弁体は閉鎖位置に戻る。この設定閉弁圧（ＶCP）は次式により定められ る。 ＶCP＝Ｓ／Ａ１ ここでＳはバネ７６により作用せしめられる負荷であり、Ａ１は上述したように 案内部８２の断面の直径である。 上記記載からわかるようにように、アクチュエータ３６が発生する力は、バネ ４６の付勢力およびポペット３４の慣性力を克服できなければならない。したが って、適当な作動を得るためにアクチュエータ３６は比較的大きな駆動力を発生 できなければならず、かつ、比較的大きな質量のポペットを速やかに移動可能で なければならない。その結果、比較的大型でかつ頑丈なアクチュエータ３６を用 いなければならなくなる。 図２、３に示した燃料噴射装置のアクチュエータおよび弁組立体２９の代わり に用いることのできるアクチュエータおよび弁組立体９０の実施態様を図５から 図７に示す。詳細に後述するように、本発明の重要な部分は、弁体の油圧補助を 設けている点である。この油圧補助により、運転コストの観点から大きな利点が 得られる。更に、本発明はポペットを利用せず、従って、ノイズが発生すること がなく、ポンプが必要なくなり、かつ、効率が高くなる。 組立体９０はアクチュエータ９２を含む。このアクチュエータはソレノイド巻 線９４と、アーマチュア９６と、該アーマチュア９６とともに移動するように結 合されたプランジャ９８とを有するソレノイドを具備することができる。プラン ジャ９８はバネ室１００内に延びており、該バネ室にバネ１０２が配設される。 プランジャ９８においてバネ室１００内の一端には、スプール１０４の直径が細 くなった小径部１０３が形成されている。バネ１０２は小径部１０３の周囲に配 設されており、スプール１０４の第１のランド１０６に当接している。スプール １０４は、更に、小径部１１２、１１４により間隔を置いて設けられた第２と第 ３のランド１０８、１１０を有しいる。スプール１０４は本体１１８に形成され た弁孔１１６内に配設されている。低圧および高圧ポートを画成する第１と第２ の通路１２０、１２２が、エンジンサンプなどの低圧源と、レール圧制御弁２４ などの高圧源に各々接続されている。通路１２０、１２２は、また、弁孔１１６ を取り巻くように形成された第１と第２の環状溝１２４、１２６に各々連通して いる。弁孔１１６には第３の環状溝１２８が形成されている。第３の環状溝は、 第４の通路１３２への出口ポートを画成する第３の通路１３０に接続されておい る。通路１３２は昇圧室５４に接続されており、かつ更に、アーマチュア９２と 本体１１８の間の空間１３４を介してバネ室１００に接続されている。 産業上の利用可能性 ソレノイド巻線９４が消磁されているとき、アーマチュア９６とスプール１０ ４は図５、６に示す位置にあり、ランド１０８により通路１３０と通路１２２の 間の連通が遮断される。更に、通路１３ ０は通路１２０に連通しており、従って、通路１３２および昇圧室５４はエンジ ンサンプに接続されている。この間、バネ１０２の付勢力によりスプール１０４ は上記の位置に保持される。 ソレノイド巻線９４が励磁されると、スプールはバネ１０２の付勢力に対抗し て図７の位置に上動する。この位置への移動により、ランド１０８により通路１ ２０、１３０の間の連通が遮断されると共に、通路１２２、１３０間の連通が許 容される。こうして、高圧オイルまたは他の作動流体が通路１３２および昇圧室 ５４へ流入して燃料噴射が開始される。また、空間１３４を通って高圧流体がバ ネ室１００に流入する。この間、ランド１０６の端面１３８に接する高圧流体と 、通路１２０内の低圧流体のために、ランド１０６を横断する流体圧力が不均衡 となる。従って、ソレノイド巻線９４が消磁されると、バネ１０２の付勢力とラ ンド１０６を横断する流体圧力の不釣り合いから生ずる力により、スプール１０ ４は下動して図５、６に示す位置に復帰する。 流体抜孔１４２が弁孔１１６の下端部に設けられており、図５、６に示す位置 にスプール１０４が移動するとき、弁孔から作動流体を排出してスプールの動作 を阻害しないようにしている。また、流体抜孔１４２の大きさを適切に選択する ことにより、スプール１０４の流体による緩衝作用を得ることができ、これによ りノイズが低減される。 ランド１０８は、環状溝１２８および通路１３０の幅よりも広く形成されてお り、従って、通路１２０、１２２により画成される低圧ポートおよび高圧ポート が互いに連通することはない。従って、ポペット型の弁と比較して、オイルの消 費量が低減され、容量の小さなオイルポンプを用いることができる。従って、エ ネルギ損失が低減され、効率が高くなる。 代替的に、本発明では、３つのランドを備えていないスプールを用いることも できる。ランド１０６、１１０は、主として弁孔１１６内でのスプール１０４の 軸方向の動作の案内として機能しているが、ランド１０６は、また、既述したよ うに、図５、６に示すスプール１０４の低位置への移動を流体的に補助する機構 を構成している。このように流体的に補助することにより、比較的低いバネ定数 を有するバネ１０２を用いることが可能となり、以て、アクチュエータ９２が発 揮する力も低減可能となる。この考察が重要でなければ、本発明の流体により補 助する特徴は削除されよう。この場合、ランド１０６は、スプールの行程の案内 を補助する作用の部分を除いて必要なくなる。更に、こうした案内作用が他の構 成により達成されるならば、ランド１０６、１１０も必要なくなる。 更に、図５から図７に示すアーマチュアとスプールの一体構成に代えて、別体 にて形成することもできる。更に、ソレノイドは、励磁されたときに上動するの ではなく下動するようにしてもよい。 既述の実施態様に代えて他の実施態様を図８に示す。図５から図８において共 通の構成要素には同じ参照番号を付してある。図５から図７のアクチュエータ９ ２はアクチュエータ１５０により置換される。アクチュエータ１５０は、ステー タ１５２と、アーマチュア１５４と、ソレノイド巻線１５６と、スペーサ１５８ とを有している。スペーサ１５８は、磁気的に透過性の材料から成り、内部にア ーマチュア１５４が軸方向に移動可能に配設されている。拡大頭部１６２を有す るピン１６０が、アーマチュア１５４のボア１６４内に圧入または固定されてお り、かつ、プランジャ１６８の盲孔１６６内に延設されている。ピン１６０は盲 孔１６６内に緩く嵌め込まれているか、或いは、固定されている。プランジャ１ ６８はスプール１７０に当接している。スプール１７０は、弁孔１７１内に配設 されると共に、小径部１７６により連結された２つのランド１７２、１７４を有 している。戻りバネ１７８が、ランド１７４の下側に形成されたバネ孔１８０内 に配設されている。 アクチュエータ１５０が消勢されている間、スプール１７０はバネ１７８によ り図８に示す位置へ上方に付勢されており、通路１２０が通路１３２と連通して いる。アクチュエータ１５０が付勢されると、アーマチュア１５４、ピン１６０ 、プランジャ１６８およびスプール１７０が、バネ１７８の付勢力に対抗して下 動し、通路１２０、１３２の間の連通が遮断され、その後、通路１２２、１３２ の間が連通する。 アクチュエータ１５０が再び消勢されると、バネ１７８によりスプール１７０ が上方へ図８に示す位置に復帰する。従前と同様に、通路１２０、１３２の間が 連通する前に、通路１２２、１３２の間の連通が完全に遮断される。 既述の実施態様と同様に、バネ孔１８０と連通する流体抜孔を設けて、スプー ル１７０の動作が流体により阻害されること防止するとともに、スプール１７０ の動作を流体的に緩衝するようにしてもよい。 図９、１０に本発明の更に他の実施態様を図示する。図５から図１０において 共通の構成要素には同じ参照番号が付されている。図９の実施態様では、弁孔１ ７１内のスプール１７０は、落とし込み式のカートリッジ弁１８２により置換さ れる。カートリッジ弁１８２は、弁孔１８６内に配設されたカートリッジ本体１ ８４を有している。３つのＯリング１８８、１９０、１９２が周溝１９４、１９ ６、１９８内に設けられておりシール作用をなす。スプール２００がカートリッ ジ本体１８４に形成されたスプール孔２０２内に配設されており、該スプールは 中間の小径部２０８により離間されたラ ンド２０４、２０６を有している。カートリッジ本体１８４は、３つの通路２１ ０、２１２、２１４を有しており、該３つの通路の各々は、通路１２０、１３２ 、１２２に連通している。 図９の実施態様は図８の実施態様と応用に作動する。すなわち、ソレノイド巻 線１５６が励磁されると、アーマチュア１５４、ピン１６０、プランジャ１６８ およびスプール２００が下動して、通路１２２が通路１３２に接続され、かつ、 通路１２０が通路１３２から遮断される。ソレノイド巻線１７８が消磁されると 、戻りバネ１７８によりスプール２００が上動して、ランド２０６が通路１２２ を通路１３２から遮断し、かつ、ランド２０４が移動して通路１２０、１２２の 間が連通される。 図１０の実施態様では、圧入式カートリッジ弁２１６が、図９の落とし込み式 カートリッジ弁１８２の代わりに配設される。圧入式カートリッジ２１６は、弁 孔２２０に圧入されたカートリッジ本体２１８と、カートリッジ本体２１８のス プール孔２２４に配設されたスプール２２２とを有している。スプール２２２は 、小径部２３０により離間された２つのランド２２６、２２８を有している。カ ートリッジ本体２１８には、更に、通路１２０、１３２、１２２の各々に連通す る３つの通路２３２、２３４、２３６が形成されている。 図１０の実施態様は、既述した図８、９の実施態様と同様に作用する。然しな がら、カートリッジ本体２１８が弁孔２２０内に圧入されているので、図９のＯ リング１８８、１９０、１９２などのシール要素は必要なく、従って、シール効 果を低下させることなく、圧入式カートリッジ弁２１６の長さを低減することが できる。 ＨＥＵＩ燃料噴射装置において、ポペット弁ではなくスプール弁または他の形 式の弁を利用することができる。こうした弁により、 より小さな力にて迅速に作動することが可能となり、燃料噴射装置の性能が高く なる。 既述の説明から本発明の実施態様の種々の修正と変形が当業者には明らかとな ろう。既述の説明は一例に過ぎず、かつ、当業者に本発明の最良の態様を説明す るためのものである。本発明の精神から実質的に逸脱することなく詳細な構造を 変えることができる。本発明の範囲に包含される全ての変形の排他的な利用は留 保されている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カーター，ジュニア，ジェフリー ジェ イ. アメリカ合衆国，イリノイ 61614，ペオ リア，ノース ローズミード ロード 5729 (72)発明者 フォルック，グレン エフ. アメリカ合衆国，イリノイ 61615，ペオ リア，ノース タリスマン テラス 6230 (72)発明者 メイスター，スティーブン エフ. アメリカ合衆国，イリノイ 61523，チリ コース，イースト ローム ウエスト ロ ード 2925 (72)発明者 ナガラジャン，ラジュ ティー. アメリカ合衆国，イリノイ 61614，ペオ リア，ノース テラ ビスタ ドライブ 7150，アパート 903 (72)発明者 シベリー，カーク エス. アメリカ合衆国，イリノイ 61525，ダン ラップ，ブロークン ランス 303

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．噴射機構（３５）を有する流体作動式の燃料噴射装置（１０）用駆動弁（ ９０）において、 プランジャ（９８、１６８）を有するアクチュエータ（９２、１５０）と、 前記プランジャ（９８、１６８）に連結され、高圧ポート（１２２）と低圧ポ ート（１２０）とを有し、前記アクチュエータ（９２、１５０）により前記高圧 ポート（１２２）または前記低圧ポート（１２０）を前記噴射機構（３５）に連 通させるように動作可能なスプール弁（１０４、１７０、２００、２２２）とを 具備する駆動弁（９０）。 ２．前記スプール弁（１０４、１７０、２００、２２２）が、弁孔（１１６、 １７１、１８６、２２０）を有する本体（１１８）と、前記弁孔（１１６、１７ １、１８６、２２０）に配設され前記プランジャ（９８、１６８）に連結された スプール（１０４、１７０、２００、２２２）と、前記弁孔（１１６、１７１、 １８６、２２０）と高圧ポート（１２２）との間に設けられた第１の通路（１２ ２）と、前記弁孔（１１６、１７１、１８６、２２０）と低圧ポート（１２０） との間に設けられた第２の通路（１２０）と、前記弁孔（１１６、１７１、１８ ６、２２０）と前記噴射機構（３５）との間に設けられた第３の通路（１３０） とを含んで成る請求項１に記載の駆動弁（９０）。 ３．前記スプール（１０４、１７０、２００、２２２）が、少なくとも１つの ランド（１０８、１７２、１７４、２０４、２０６、２２６、２２８）を含み、 かつ、前記アクチュエータ（９２）により、少なくとも１つのランド（１０８、 １７２、１７４、２０４、 ２０６、２２６、２２８）が、前記第１と第３の通路（１２２、１３０）の間の 連通を遮断し、或いは、前記第２と第３の通路（１２０、１３０）の間の連通を 遮断するために移動可能に設けられている請求項２に記載の駆動弁（９０）。 ４．前記スプール（１０４、１７０、２００、２２２）が、３つのランド（１ ０６、１０８、１１０）を含み、かつ、前記アクチュエータ（９２）により、少 なくとも１つのランド（１０８）が、前記第１と第３の通路（１２２、１３０） の間の連通を遮断し、或いは、前記第２と第３の通路（１２０、１３０）の間の 連通を遮断するために移動可能に設けられている請求項２に記載の駆動弁（９０ ）。 ５．前記スプール（１０４、１７０、２００、２２２）が、前記アクチュエー タ（９２）が付勢されたときに第１の位置に移動するように設けられており、 前記駆動弁が、更に、前記アクチュエータ（９２、１５０）が消勢されたとき に、前記スプール（１０４、１７０、２００、２２２）を第２の位置に向けて移 動させる手段（１０２、１７８）を具備する請求項２に記載の駆動弁（９０）。 ６．前記移動手段（１０２、１７８）がバネを具備する請求項５に記載の駆動 弁（９０）。 ７．前記高圧ポート（１２２）に接続された高圧流体源（２２）と、前記低圧 ポート（１２０）に接続された低圧流体源と組み合わせた請求項６に記載の駆動 弁（９０）において、 前記移動手段（１０２）が更に、前記スプール（１０４、１７０、２００、２ ２２）の前記第１の位置から第２の位置への移動を流体により補助する手段（１ ３４、１３８、１４０）を具備する請求項に記載の駆動弁（９０）。 ８．前記バネがバネ室（１０２、１７８）内に配設され、前記スプール弁（１ ０４、１７０、２００、２２２）が出口ポート（１３０）を具備しており、 前記流体により補助する手段が、前記バネ室（１００、１８０）内に高圧流体 を導入するために、前記出口ポート（１３０）と前記バネ室（１００、１８０） との間に設けられた通路（１３４）を有している請求項７に記載の駆動弁（９０ ）。 ９．前記アクチュエータ（９２、１５０）が、前記プランジャ（９８、１６８ ）に連結された移動可能なアーマチュア（９６、１５４）を有するソレノイド（ ９２）を具備する請求項１に記載の駆動弁（９０）。 10．前記スプール弁（１０４、１７０、２００、２２２）が、挿入可能な弁組 立体（９０、１７０、１８２、２１６）を具備する請求項１に記載の駆動弁（９ ０）。 11．前記挿入可能な弁組立体（１８２）が、カートリッジ本体（１８４）を具 備しており、該カートリッジ本体が、外表面と、この外表面に配設された対応す る複数の周溝（１９４、１９６、１９８）に配設された複数のシール要素（１８ ８、１９０、１９２）とを具備する請求項１０に記載の駆動弁。 12．前記挿入可能な弁組立体（９０、１７０、１８２、２１６）がボア（２２ ０）に圧入されたカートリッジ本体（２１８）を具備する請求項１０に記載の駆 動弁。 13．補力室（５４）内に配設された補力ピストン（３５）を有する流体作動式 燃料噴射装置（１０）用の駆動弁（９０）において、 プランジャ（９８、１６８）を有するアクチュエータ（９２、１５０）と、 高圧ポート（１２２）と、低圧ポート（１２０）と、前記補力室 （５４）に接続された出口ポート（１３０）と、前記アクチュエータ（９２、１ ５０）が正常に作動する間、前記アクチュエータ（９２、１５０）が交互に付勢 、消勢されたときに、その都度、第１と第２の位置との間で交互に繰り返して移 動して、高圧ポート（１２２）または低圧ポート（１２０）を前記出口ポート（ １３０）および前記補力ピストン（３５）と連通させるスプール（１０４、１７ ０、２００、２２２）とを有するスプール弁（１０４、１７０、２００、２２２ ）と、 前記アクチュエータ（９２、１６８）が消勢されたときに、前記スプール（１ ０４、１７０、２００、２２２）を前記第１の位置か前記第２の位置に移動させ る手段（１０２、１７８）とを具備する駆動弁。 14．前記移動手段がバネ（１０２、１７８）を具備する請求項１３に記載の駆 動弁（９０）。 15．前記移動手段（１０２、１７８）が、前記アクチュエータ（９２）が付勢 されたときに前記スプール（１０４、１７０、２００、２２２）の少なくとも一 部を横断する流体圧力不均衡を形成する手段を具備する請求項１３に記載の駆動 弁（９０）。 16．前記圧力の不均衡を形成する手段（１３４、１３８、１４０）が、前記出 口ポート（１３０）と前記スプール（１０４、１７０、２００、２２２）の端部 に接続された通路（１３４）を具備する請求項１３に記載の駆動弁（９０）。 17．前記移動手段（１０２、１７８）が、更に、前記スプール（１０４、１７ ０、２００、２２２）の端部に接触するバネ（１０２、１７８）を具備する請求 項１６に記載の駆動弁（９０）。 18．前記スプール（１０４、１７０、２００、２２２）は、該スプール（１０ ４、１７０、２００、２２２）が前記第２の位置にあ るとき、前記高圧ポート（１２２）と前記出口ポート（１３０）の間の連通を遮 断し、該スプール（１０４、１７０、２００、２２２）が前記第１の位置にある とき、前記低圧ポート（１２０）と前記出口ポート（１３０）の間の連通を遮断 するランド（１０８）を具備する請求項１３に記載の駆動弁（９０）。 19．補力室（５４）内に配設された補力ピストン（３５）を有する流体作動式 燃料噴射装置（１０）用の駆動弁（９０）において、 ソレノイド巻線（９４）と、プランジャ（９８）に連結された移動可能なアー マチュア（９６）とを有するソレノイド（９２）と、 高圧ポート（１２２）と、低圧ポート（１２０）と、前記補力室（５４）に接 続された出口ポート（１３０）と、スプール（１０４）、すなわち、前記ソレノ イド（９２）により、前記ソレノイド巻線（９４、１５６）が励磁されたときに 第１の位置へ、かつ、前記ソレノイド巻線（９４、１５６）が消磁されたときに 第２の位置に移動して、前記高圧ポート（１２２）または前記低圧ポート（１２ ０）を前記出口ポート（１３０）と前記補力ピストン（３５）とに選択的に連通 させるスプール弁（１０４）と、 前記高圧ポート（１２２）に接続された高圧流体源（２２）と、 前記低圧ポート（１２０）に接続された低圧流体源とを具備して成り、 前記スプール（１０４）は、該スプール（１０４）が前記第１の位置にあると き、前記バネ室（１００）と連通する第１の側（１３８）と前記低圧ポート（１ ２０）と連通する第２の側（１４０）とを有する第１のランド（１０６）と、該 スプール（１０４）が前記第１の位置にあるとき、前記低圧ポート（１２０）か ら前記出口ポート（１３０）を遮断する第２のランド（１０８）を具備し、該第 ２のランドは、前記スプール（１０４）が第２の位置にあるとき前 記出口ポート（１３０）を前記高圧ポート（１２２）から遮断するように設けら れており、 前記駆動弁（９０）は、更に、前記第１のランド（１０６）の前記第１の側（ １３８）に高圧流体を導入して、前記スプール（１０４）を移動させるバネ（１ ０２）を補助するための、前記出口ポートと前記バネ室（１００）との間に設け られた通路（１３４）を具備する駆動弁（９０）。