JPH10503088A - 動物を自動的に搾乳するための装置と方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 動物の自動搾乳のための装置と方法である。その装置は、とりわけ、入口ゲート(２１)と出口ゲート(２２)とが設けられた１つ以上の搾乳小屋(５′，５″)と、横臥歩行領域(１)と、飼養給水領域(３)と、上記装置を制御するための制御システム(２５)に結合されている第１の識別システム(１１)が設けられたアクセス水門(６)とを備える。そのアクセス水門(６)は上記歩行領域(１)から上記搾乳小屋(５′，５″)または上記飼養給水領域(３)への動物用の通路を選択的に開くことができ、待合い領域(２)は上記アクセス水門(６)と上記入口ゲート(２１)との間に組み入れられる。これによって、搾乳を要しない牛または搾乳装置にまだ入れられない牛は、常に自由に飼料または飲料に近付くと共に、搾乳の牛は搾乳小屋に近付くために待っている間、乱された状態にならない。

Description

【発明の詳細な説明】 動物を自動的に搾乳するための装置と方法 本発明は、動物の自動的な搾乳のための装置に関する。この装置は、特に、入 口ゲートと出口ゲートとが設けられた１つ以上の搾乳小屋と、横臥歩行領域と、 飼養給水領域と、上記装置を制御するための制御システムに結合されている第１ の識別システムが設けられたアクセス水門とを備え、上記アクセス水門は上記歩 行領域から上記搾乳小屋または上記飼養給水領域への動物用の通路を選択的に開 くことができる。 このような装置は、特にＤＥ3702465 によって知られており、そこでは、歩行 小屋から飼養飲水場所に行く途中の牛が、自動搾乳装置付きの搾乳小屋を通り越 して導かれる装置が記載されている。この公知の装置の欠点は、搾乳システムの 限られた容積が飼養飲水場所へのアクセス(接近)を制限することである。それに よって、この飼養飲水場所を離れた牛は、長い間待った後のみ、この領域に戻る ことができる。これによって、これらの動物は落ち着きを失って十分に飲食でき ず、このために、ミルクの供給量に悪影響を与える。 本発明の目的は、搾乳を要しない牛またはまだ搾乳装置に装着されていない牛 は、常に自由に飼料または飲料に近付けると共に、搾乳の牛は搾乳小屋に近付く ために待っている間、掻き乱された状態にならない装置を提供することである。 本発明は、待合い領域がアクセス水門と入口ゲートとの間に組み入れられてい る搾乳装置に関する。 搾乳小屋の前に単独の待合い領域を配置することによって、搾乳を待つ動物は 隔離され得る。それによって、待機する牛によりアクセス水門がふさがれること はなく、また、飼養と飲水の場所への接近は待機する動物によって妨げられない 。搾乳されるのを待つ動物は、飼養飲水場所に行く動物によって邪魔されること はない。 本発明はまた動物の自動搾乳のための方法に関し、動物は、制御システムの影 響の下において、アクセス水門を経由して、自動搾乳装置が設けられている搾乳 小屋の１つに導かれる。ここでは、動物は、アクセス水門に配置された第１識別 システムによって搾乳時機となった動物として識別される。 このような方法は、上述のＤＥ3702465 によって知られており、このＤＥ3702 465 では搾乳小屋への入口が開放された後、動物は入口ゲートが開かれた搾乳小 屋に直接歩いて行くことが予期されている。 この公知の方法の欠点は、識別された動物が搾乳小屋に存在するまで待つこと が常に必要なことであり、次の動物が他の搾乳小屋に入れられる前に小屋は閉じ られる。さもなくば、どの動物がどの小屋で搾乳されているか不確かであるから 、これは必要である。その時、この制御システムでは搾乳データを記録すること ができない。この待ち時間は装置の能力を減少させる。 本発明は、発明の目的として、動物が搾乳小屋を出る前に、動物は第２の識別 システムと制御システムに記録された搾乳データとによって識別されることで、 この欠点を取り除かねばならない。 これによって、アクセス水門と搾乳小屋との間に１頭以上の動物が存在するこ とが可能であり、一方、動物に関する正しい搾乳データが、それにも拘わらず、 常に制御システムに記録される。 本発明は、牛の一群が自動的に搾乳される搾乳設備の実施例の説明に基づいて 、かつ、図を参照して、以下に説明される。 識別手段を備えた放し飼いの牛の一群が、終日収容される種々の領域の図式概 要が図に示される。この一群は、数十頭から１００頭以上の牛から成り、通常は 横臥歩行領域１を占拠する。この横臥歩行領域１は、識別システム１１を備えた アクセス水門６によって待合い領域２および飼養給水領域３と連絡している。空 気圧シリンダによって作動される旋回ゲート１５は、アクセス水門に組み入れら れる。 待合い領域２は搾乳室５につながり、この搾乳室５は出口フェンス７を経由し て分離領域４と飼養給水領域３と待合い領域２とに接続される。待合い領域２の サイズは、搾乳室５の収容能力と一群の動物の数に依存する。待合い領域２は、 待合い領域２における牛の待ち時間が最大１時間になるような大きな形体になる ことが考えられる。 空気圧シリンダ２０によって作動されるスイングゲート１９に加えて、空気圧 シリンダ１８によって作動されるスイングゲート１７が、出口フェンス７に組み 入れられる。 スイングゲート１５，１７，１９は、もちろん、異なる方法で作動され得る。 例えば、空気圧シリンダ１６，１８，２０の代わりに電気的に制御されたアクチ ュエータがある。 飼養給水領域３は、出口フェンス１０を経由して横臥歩行領域１に接続される 。様々なスペースがフェンス１４によって互いに、かつ、周囲の領域から分離さ れる。このフェンスに(図示されない)開口部が、操作者によって手で作られ、こ の開口部は、例えば、操作者が牛を分離領域４から搾乳室５のような他の領域に 導くときに必要となる。横臥歩行領域１と分離領域４と飼養給水領域３とにおい て、牛が休める(図示されない)小室が配置され得る。 アクセス水門６と出口フェンス７の両方には、牛が逆行しないように各出口に 一方向ゲート１３が設けられている。このような一方向ゲートは、例えば、重力 によって閉位置に戻ることができる。もっとも、一方向ゲートは各開閉部分のス プリングによって閉の位置にもたらされることも可能である。また、通路の寸法 は様々な通路において動物が回転できないようなものである。 搾乳室５には、搾乳小屋５′と５″とが配置されており、これら搾乳小屋５′ と５″の両方には、搾乳する牛の乳首の回りに配置される乳首カップを含む(図 示されない)乳搾装置が備えられている。各搾乳小屋５′または５″には、入口 ゲート２１と出口ゲート２２が設けられている。設置ロボット２４は、両方の搾 乳小屋５′と５″において乳首カップを牛の乳首に結合することができる。待合 領域２から搾乳小屋５′と５″へのアクセスは、識別システム１２と入口ゲート ２３とを経由して進む。 もう１つの実施の形態においては、搾乳室５への入口における識別システム１ ２の代わりに、各搾乳小屋５′または５″に識別システム１２′または１２″が 配置される。 飼養小屋８と飲料用かいばおけ９は、分離領域４と飼養給水領域３の両方に配 置される。飼養小屋８は、飼料濃縮物を牛に与えるのに適しており、この目的の ために、個々の牛が持ち分の投与量を受けるように識別システムが備えられてい る。選択的に、かいば(家畜の飼料)が牛に与えられる飼養小屋がある。牛は飼養 給水領域３から横臥歩行領域１に出口ゲート１０を経由して戻ることができる。 この出口ゲート１０は、出口ゲート１０が横臥歩行領域１の方の方向に常に開く ようになっている。しかしながら、出口ゲート１０は両方向に開くようにも調整 され得る。 この装置は、種々の識別システムと種々のゲートと設置ロボット２４と搾乳装 置とに結合される制御システム２５によって制御される。この装置の操作は次の とおりである。 搾乳時間が開始した瞬間から、牛が出口ゲート１０を通ってＤ方向に唯一歩く ことができるように、出口ゲート１０は、例えば、ゲートにある制御手段によっ て調整され、かつ、制御システム２５によって制御される。 飲食することを欲している牛はいずれも、アクセス水門６を経由してのみ飼養 給水領域３に行くことができる。牛は、アクセス水門６において識別システム１ １によって識別され、牛が搾乳されねばならないならば、Ａ１の方向に案内され る。既に搾乳された牛または乳の出ない牛は、Ａ２の方向に案内され、こうして 、飲料用かいばおけ９または飼養小屋８に直接近付く。 待合い領域２における牛は、搾乳室５の方に進み、識別システム１２を通過し 、入口ゲート２３の前で待つ。識別は選択的に搾乳小屋５′または５″で行なわ れてもよい。もしも、搾乳小屋５′(選択的に５″)が利用できるならば、出口ゲ ート２２が次に閉じ、入口ゲート２１と入口ゲート２３が開く。そこで、牛がＢ １(選択的にはＢ２)の方向に歩き、ゲート２１が閉じ、設置ロボット２４が乳首 の回りに乳首カップを設置して、搾乳が始まる。 搾乳小屋５′(または５″)に滞在中、３つの状況が起こり得る。最もしばしば 起こり得る状況では、牛は順当に搾乳され、待合い領域２２の開放後、搾乳小屋 ５′からＣ１の方向に出ていく。もしも、搾乳中に牛が特別の注意を要すること が認められたならば、例えば、乳房炎の伝染病が発見されたならば、或いは、操 作者が予め牛が分離されなければならない制御に前もって入ってしまった場合に は、牛はその時搾乳小屋５′を出てＣ２の方向に行く。もしも、乳首の回りに乳 首カップの接続がうまくいかなかったということが分かったならば、例えば、３ 回から５回の試みの後または３分間後も、接続が成功しなかったならば、その時 牛はＣ３の方向に導かれ、その後しばらくして搾乳室５に再度入ることができる 。 待合い領域２は牛が一杯なため、Ｃ３の方向を経由して搾乳室５から出てくる 動物のための余地しかないということが有り得る。その際、付加的な入口ゲート をアクセス水門６に配置できる。これによって、搾乳時機の動物は待合い領域２ に入らず、横臥歩行領域１に留どまる。この状況における代替え案は、アクセス 水門６に到達する全動物をＡ２の方向の飼養給水領域３に導くことであり、制御 ２５によって飼料が飼養小屋８で動物に供給されるのを防止することである。し ばらくして、動物はアクセス水門に戻り、次に待合い領域２に入ることができる 。 実際には、例えば強制的な手段で、歩行領域１から搾乳室５に動物を刺激し駆 り立てるのが重要であることが分かっている。これら(図示されない)強制的な手 段は、例えば、中でも電気的な刺激手段が配置された移動可能なフェンスから成 ってもよい。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 入口ゲート(２１)と出口ゲート(２２)とが設けられた１つ以上の搾乳小屋 (５′，５″)と、横臥歩行領域(１)と、飼養給水領域(３)と、上記装置を制御す るための制御システム(２５)に結合されている第１の識別システム(１１)が設け られたアクセス水門(６)とを備え、そのアクセス水門(６)は上記歩行領域(１)か ら上記搾乳小屋(５′，５″)または上記飼養給水領域(３)への動物用の通路を交 互に開くことができる動物の自動搾乳のための装置において、 待合い領域(２)は上記アクセス水門(６)と上記入口ゲート(２１)との間に組み 入れられていることを特徴とする動物の自動搾乳のための装置。 ２． 請求項１に記載の動物の自動搾乳のための装置において、 上記制御システム(２５)に結合されている第２の識別システム(１２；１２′ ，１２″)は、上記待合い領域(２)と上記出口ゲート(２２)の間に配置されてい ることを特徴とする動物の自動搾乳のための装置。 ３． 請求項１または２に記載の動物の自動搾乳のための装置において、 分離装置(７)は上記搾乳小屋(５′，５″)の出口を上記待合い領域(２)に接続 することができることを特徴とする動物の自動搾乳のための装置。 ４． 動物は制御システム(２５)の影響下で自動搾乳装置が設けられている搾乳 小屋(５′，５″)の１つにアクセス水門(６)を経由して導かれ、上記動物は上記 アクセス水門(６)に配置されている第１の識別システム(１１)によって搾乳時機 となった動物として識別される動物の自動搾乳のための方法において、 上記動物は上記搾乳小屋(５′，５″)を離れる前に、第２の識別システム(１ ２；１２′，１２″)によって識別されると共に、搾乳データは上記制御システ ム(２５)に記録されることを特徴とする動物の自動搾乳のための方法。 ５． 請求項４に記載の動物の自動搾乳のための方法において、 上記搾乳小屋(５′，５″)に初めて入れられ、そこで自動搾乳装置の接続が繰 り返し失敗した動物は、上記アクセス水門(６)と上記搾乳小屋(５′，５″)との 間に配置されている待合い領域(２)に導き戻されることを特徴とする動物の自動 搾乳のための方法。 ６． 請求項５に動物の自動搾乳のための方法記載のにおいて、 上記搾乳小屋(５′，５″)で上記自動搾乳装置の接続がミルクの期待された供 給量に至らず、幾度か上記搾乳小屋(５′，５″)に入れられた動物は、分離領域 (４)に導かれることを特徴とする動物の自動搾乳のための方法。 ７． 好結果の搾乳の後に上記動物が飼養給水領域(３)に導かれる請求項５また は６のいずれかに記載の動物の自動搾乳のための方法において、 上記待合い領域(２)を占拠している動物の数が予め決められた数を越えたとき 、上記アクセス水門(６)の中で上記動物は上記飼養給水領域(３)に導かれること を特徴とする動物の自動搾乳のための方法。 ８． 動物が飼養給水領域(３)に導かれ、そこに配置された飼養小屋(８)で餌が 与えられ得る請求項４乃至７のいずれか１つに記載の動物の自動搾乳のための方 法において、 動物が上記搾乳小屋(５′，５″)を訪れた後にこれら飼養小屋(８)の中で飼料 が動物に与えられるのみであることを特徴とする動物の自動搾乳のための方法。