JPH10503020A - 原子炉燃料集合体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 原子炉燃料集合体は細長い燃料集合体ボックス（３）を有している。燃料集合体ボックス（３）の一方の開放端の内部に燃料集合体頭部（２）があり、この燃料集合体頭部（２）は剛性結合体（５）によって燃料集合体ボックス（３）内にある燃料集合体脚部に結合され、燃料集合体ボックス（３）から持ち上げられて取り出される。アングル部材（７）が燃料集合体ボックス（３）の互いに突き当たる二つの側面の外側に接し、燃料集合体頭部（２）にボルト（２２、４５）で保持されている。アングル部材（７）に配置された剛性ピン（１６、１７）は互いに突き当たる二つの側面のそれぞれの開口（２６、２７）に係合する。このような剛性ピン（１６ａ）を燃料集合体ボックス（３）の両側面にそれぞれ配置し、アングル部材（７）にある凹所（３０ａ）に係合することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】 原子炉燃料集合体 本発明は請求の範囲の請求項１の上位概念部分に記載の原子炉燃料集合体に関 する。 この種の原子炉燃料集合体はヨーロッパ特許第０１４２７７８号明細書で知ら れている。燃料集合体脚部と燃料集合体頭部との間の剛性結合体は核燃料物質が 詰められている燃料棒であり、この燃料棒は一端が燃料集合体頭部に、他端が燃 料集合体脚部にねじ結合されている。燃料集合体頭部の上側面の燃料集合体ボッ クスの一つの角に、燃料集合体ボックスの長手軸線および燃料棒の長手軸線に対 して平行な長手軸線を有するコーナーボルトが設けられている。このコーナーボ ルトの上端に横方向ウェブが載っており、この横方向ウェブは燃料集合体ボック スの角の内側にある。この横方向ウェブの上に頂点ウェブ付きのアングル部材が 載っている。頂点ウェブはアングル部材の頂点に設けられている。アングル部材 は燃料集合体ボックスの長手方向および燃料集合体の長手軸線に対して平行に延 びアングル部材の頂点ウェブおよび横方向ウェブを貫通するボルトで燃料集合体 頭部のコーナーボルトに固定されている。 本発明の課題は、公知の原子炉燃料集合体を改良して、燃料集合体ボックスか ら予め原子炉燃料集合体の燃料棒を引き抜く必要なしに、燃料集合体ボックスか ら燃料集合体頭部を持ち上げて取り出すことを可能にすることにある。 この課題を解決するために、冒頭に述べた形式の原子炉燃料集合体は本発明に 基づいて請求の範囲の請求項１の特徴を有している。 これによって、燃料集合体ボックスの角の内側における燃料集合体頭部の燃料 集合体ボックスからの引き抜きを阻止する横方向ウェブを設けることが避けられ る。更に、燃料棒へのアクセスが阻害されることなしに、燃料集合体ボックスを 燃料集合体脚部に取り付けることができる。燃料集合体脚部は剛性結合体（これ は核燃料物質が詰められた燃料棒あるいは原子炉において未沸騰水を案内するた めの任意の断面形状をした管である）によって燃料集合体頭部に保持されるだけ でなく、補助的に燃料集合体ボックスによっても保持され、即ち燃料集合体脚部 の燃料集合体頭部への冗長的な保持が達成される。 燃料集合体脚部は燃料集合体ボックスの内側においても緩く接触支持される。 その場合、燃料集合体頭部および燃料集合体脚部を燃料棒と一緒にボックスから 引き抜くことができる。それにもかかわらず、完全にまとめられた原子炉燃料集 合体において燃料集合体脚部の燃料集合体頭部への冗長的な保持が与えられる。 本発明およびその利点を図面に示した実施例を参照して詳細に説明する。 図１は本発明に基づく原子炉燃料集合体の上端の平面図、 図２は図１のＩＩ−ＩＩ線に沿った原子炉燃料集合体の縦断面図、 図３は図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿った原子炉燃料集合体の縦断面図、 図４は図１ないし図３における原子炉燃料集合体のアングル部材の斜視図、 図５は原子炉燃料集合体の異なる実施例の図３に相応した縦断面図、 図６は原子炉燃料集合体の異なる実施例の図２に相応した縦断面図である。 図１ないし図６における原子炉燃料集合体は沸騰水形原子炉用に設計され、燃 料集合体頭部２並びに断面正方形の細長い燃料集合体ボックス３を有している。 燃料集合体頭部２は燃料集合体ボックス３の上端の中に設けられている。燃料集 合体ボックス３の下端は図示されていない。燃料集合体ボックス３の下端の内部 には同様に図示されていない燃料集合体脚部があり、この燃料集合体脚部は燃料 集合体ボックス３の下端に固定又は緩く支持されている。燃料集合体頭部２は上 側面に燃料集合体ボックス３の開口上端から突出している把手２４４を備えてい る。 燃料集合体ボックス３の内部において燃料集合体頭部２と燃料集合体脚部との 間には、核燃料物質を詰められている燃料棒４、５が細長い燃料集合体ボックス ３の長手方向に対して平行に設けられている。これらの燃料棒４、５は互いに並 べて配置されている。これらの燃料棒４、５の上端は燃料集合体頭部２にある孔 に緩く嵌合し、すべての燃料棒４、５は上端が燃料集合体頭部２にコイルばね６ によって支持されている。燃料棒４、５の図示されていない下端も同じようにし て燃料集合体ボックス３の内部において図示されていない燃料集合体脚部にある ブッシングの中に導かれている。 数本の燃料棒５が燃料集合体頭部２を貫通し、ナット５ａで燃料集合体頭部２ に固定されている。これらの燃料棒５はその他端がそれぞれ図示されていない燃 料集合体脚部にある対応した孔の中にねじ止めされている。 特に図４に示すように、アングル部材７は互いに直角を成している同じ長さの 二つの脚８、９を有している。これらの脚８、９の下縁には、アングル部材７の 脚８、９の頂点におけるウェブ１２に対して直角に壁１０、１１が延びている。 これらの壁１０、１１は頂点ウェブ１２において脚８、９に対して直角方向の細 長いＬ字形部材１３を形成し、また脚８、９の端部ではそれぞれ剛性接触舌片１ ４、１５の形に成形されている。 剛性接触舌片１４、１５の内側面にはそれぞれ剛性ピン１６、１７が固く取り 付けられており、これらのピンは接触舌片１４ないし１５の長手方向に対して横 方向に延び、アングル部材７においてこの長手方向にもまたこの長手方向に対し て横方向にも移動できないようにされている。両脚８、９の端部に形成され互い に直角を成す補助脚１８、１９を備えたアングル部材は脚８、９を内側横断面お よび外側横断面が正方形の枠の形に補完している。これらの補助脚１８、１９の 下縁には平坦な当接体２０、２１が形成されている。 Ｌ字形部材１３の外側において両側の壁１０、１１にそれぞれ細長い板ばね４ ０がＬ字形部材１３の方向に配置され、それぞれ一端がボルト１４４でアングル 部材７に固く取り付けられている。各板ばね４０の他端は、Ｌ字形部材１３の外 側面にあるリンク４０ａにおいてＬ字形部材１３の下端上を自由に滑動できるよ うに案内されている。各板ばね４０は、この板ばね４０がＬ字形部材１３の外側 面に向かって湾曲するように横線において折り曲げられている。 脚８、９の頂点ウェブ１２には更に、両方の脚８、９に対して直角方向即ち壁 １０、１１に対して平行に延びるねじボルト２２用の孔２１が設けられている。 アングル部材７はこのねじボルト２２によって燃料集合体頭部２の上側面にあ る控えボルト２３に固定されている。アングル部材７は燃料集合体ボックス３に 、アングル部材７の壁１０、１１がそれぞれ燃料集合体ボックス３の互いに突き 当たる二つの側面のそれぞれの外側に平らに当接し、剛性ピン１６、１７がそれ ぞれ燃料集合体ボックス３の両側面にある開口２６、２７およびこれらの開口２ ６、 ２７の下側において燃料集合体頭部２の横側にある凹所３０に係合するように合 わされている。燃料集合体頭部２におけるそれぞれ凹所内にある剛性ピン１６、 １７を介して荷重の除去が行われるので、ねじボルト２２は荷重をなくされる。 図５に示すように、剛性ピン１６ａを燃料集合体ボックス３の側面の外側に固 く取りつけ、アングル部材７における凹所３０ａに係合することもできる。 アングル部材７の補助脚１８、１９における平坦な当接体２０、２１は燃料集 合体ボックス３に係合し、剛性ピン１６、１７が嵌合する燃料集合体ボックス３ の側面の反対側にある燃料集合体ボックス３の二つの対向面のそれぞれの内側に 接する。このようにして燃料集合体ボックス３の両方の対向面にアングル部材の 剛性ピンを収容するために設けられている開口４３、４４が覆われる。 アングル部材７は、燃料集合体頭部２を細長い燃料集合体ボックス３の上端に 挿入した後にまずこの燃料集合体ボックス３の長手方向においてこの上端の上に 、当接体２０、２１が燃料集合体ボックス３の内部にあり、壁１０、１１が細長 いＬ字形部材１３と一緒に燃料集合体ボックス３の外側にあるように設置される 。次いでアングル部材７は燃料集合体ボックス３の横断面正方形の対角線の方向 に、即ちこの燃料集合体ボックス３上で横方向にずらされて、最終的にアングル 部材７における孔２１が燃料集合体頭部２の上側面における控えボルト２３にあ る孔と一致し、ねじボルト２２が孔２１を貫通してこの控えボルト２３の縦孔に ねじ込まれ固定される。壁１０、１１は燃料集合体ボックス３の外側面にぴった り接し、当接体２０、２１は燃料集合体ボックス３の内側面にぴったり接し、剛 性ピン１６、１７は開口２６、２７の中におよびこれらの開口の下側に位置する 燃料集合体頭部２の横方向にある凹所３０の中にぴったりはめ込まれて、アング ル部材７と燃料集合体ボックス３並びに燃料集合体頭部２との間の秩序正しい再 検査可能な保持結合が形状上の理由から必然的に生ずるよにされる。アングル部 材７が燃料集合体ボックス３から再び取り外されるときには、その作業過程は逆 の順序で実施される。 図６に示すように、燃料集合体頭部２の上側面にある控えボルト２３は燃料集 合体ボックス３の長手方向に縦孔を有している。この縦孔の中に係止ボルト４５ が復帰ばね４６の作用に抗して控えボルト２３従って燃料集合体頭部２の中で移 動可能に配置されている。 アングル部材７を燃料集合体ボックス３の上端に設置する際に、縦孔から上に 突出する係止ボルト４５はアングル部材７で控えボルト２３の中に沈められる。 アングル部材７を燃料集合体ボックス３の横断面の対角線方向に移動する際、 係止ボルト４５がアングル部材７における通し孔２１の中に突出することにより 、アングル部材７は遊びなしに燃料集合体ボックス３に保持される。燃料集合体 ボックス３からアングル部材７を釈放するためには、係止ボルト４５を工具によ ってアングル部材７における孔２１を通して控えボルト２３にある縦孔に押し入 れるだけで済み、これによりアングル部材７は燃料集合体ボックス３の横断面の 対角線方向に戻すことができ、最終的に燃料集合体ボックス３から取り出せるこ とになる。 例えばドイツ特許出願公開第２８２４２６５号明細書およびドイツ特許出願公 開第３０２７５６２号明細書に記載されているような沸騰水形原子炉においては 、それぞれ四つの原子炉燃料集合体が図３に相応して横格子いわゆる上側炉心格 子の正方形の格子目の中に配置されている。これら四つの原子炉燃料集合体はそ れぞれこれらの格子目の角部にあり、燃料集合体ボックス３の角部がアングル部 材７で格子目の中心に配置され、そこでそれぞれ二つの板ばね２０が互いに隣接 する原子炉燃料集合体の横側に接するようにされる。炉心格子の同じ格子目に存 在する四つの原子炉燃料集合体の燃料集合体ボックス３は断面十字形の間隙状中 間室を形成し、この中に同様に断面十字形の細長い制御棒をこれら四つの原子炉 燃料集合体の下端から挿入することができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．細長い燃料集合体ボックス（３）とこの燃料集合体ボックス（３）に合わさ れたアングル部材（７）とを備え、燃料集合体ボックス（３）の一方の開放端に 燃料集合体頭部（２）が、他方の開放端に燃料集合体頭部（２）に剛性結合体（ ５）によって結合された燃料集合体脚部が設けられ、燃料集合体頭部（２）と燃 料集合体脚部との間に核燃料物質を含む燃料棒（４）が設けられ、アングル部材 （７）が燃料集合体ボックス（３）の互いに当接する二つの側面の外側に接し、 燃料集合体頭部（２）にボルト（２２、４５）で保持されているようにした原子 炉燃料集合体において、燃料集合体ボックス（３）の両側面の少なくとも一つに おいてアングル部材（７）に固く配置されたピン（１６、１７）が燃料集合体ボ ックス（３）の側面にある開口（２６、２７）に係合し、および／又は燃料集合 体ボックス（３）の側面に固く配置されたピン（１６ａ）がアングル部材（７） にある凹所（３０ａ）に係合していることを特徴とする原子炉燃料集合体。 ２．ボルト（４５）が、燃料集合体頭部（２）に燃料集合体ボックス（３）の長 手方向において復帰ばね（４６）の作用に抗して燃料集合体頭部（２）の中に沈 み込むことができるように設けられ燃料集合体ボックス（３）の長手方向に移動 可能にアングル部材における通し孔（２１）に係合している係止ボルトであるこ とを特徴とする請求項１記載の原子炉燃料集合体。 ３．アングル部材（７）が、ピン（１６、１７）が係合するかまたはピン（１６ ａ）が配置されている燃料集合体ボックス（３）の側面に対向して位置する燃料 集合体ボックス（３）の対向面の内側に接する当接体（２０、２１）を有してい ることを特徴とする請求項１記載の原子炉燃料集合体。 ４．当接体（２０、２１）が燃料集合体ボックスの対向面にある開口（４３、４ ４）を覆っていることを特徴とする請求項３記載の原子炉燃料集合体。 ５．燃料集合体ボックス（３）の側面に係合するアングル部材（７）におけるピ ン（１６）が燃料集合体頭部（２）の後ろにも引っ掛かっていることを特徴とす る請求項１記載の原子炉燃料集合体。 ６．ピン（１６）が燃料集合体頭部（２）における凹所（３０）に係合している ことを特徴とする請求項５記載の原子炉燃料集合体。