JPH10502538A - 微生物学的試験方法および試薬 - Google Patents

微生物学的試験方法および試薬

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Abstract

(57)【要約】 サンプルに存在する微生物および/またはその細胞内物質の存在および/または量を測定する方法において、サンプルにあるアデニル酸キナーゼを、添加したマグネシウムイオンの存在下で、アデノシン二リン酸(ADP)をアデノシン三リン酸(ATP)に変換する能力によって推定し、それを生物および/または細胞内物質の存在および/または量と関連づけることを含む方法。この方法は、既存のルシフェラーゼ/ルシフェリンアッセイに対して改善された感度を提供する。精製したADPおよびアデニル酸キナーゼを含まないルシフェラーゼを含む試薬も、これらを含むテストキットおよび該方法を自動操作するための装置とともに提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 微生物学的試験方法および試薬 本発明は、微生物の検出およびアッセイ方法、該方法に使用するための試薬な らびに該方法を行うための必須試薬を含むテストキットに関する。 全ての生物は、化学エネルギー源としてアデノシン三リン酸(ATP)を利用 しており、これは、ATPによって推進されるルシフェラーゼ/ルシフェリン反 応を使用してアッセイすることが知られている。この酵素反応によって発する光 は、発光測定器を使用して測定することができ、これは、存在するATP量に関 係する。微生物数の指標としてのATPの有用性は1960年代中頃から公知であり (ATP Luminescence Rapid Methods in Microbiology(1989),Stanleyら編;Bla ckwell Scientific Publications,London,pages 1-10参照)、その主な利点は 、速度および感度である。このアッセイ様式を使用すると、簡単なサンプルはも のの数分で分析することができ、一方、複雑なサンプルは通常はほんの30分でよ く、検出能は10-12モル/リットルATPまで可能である。しかし、速度および 実行の容易さは保持したまま、微生物またはその含量を検 出する際の感度がさらに高い方法が必要である。 本発明者は、ATPに基づくアッセイの速度および感度が、アッセイの標的を ATPからそれを発生する酵素、特にアデニル酸キナーゼに変更することにより かなり高められることを確認した。アデニル酸キナーゼは、アデノシン二リン酸 (ADP)がアデノシン三リン酸(ATP)に変換される際に全生物が使用する 酵素である。本発明の好ましい方法、試薬およびキットを使用するとにより、A TPよりもむしろこの酵素が標的となり、細胞内マーカーのアデニル酸キナーゼ を少なくとも10-20モルまで検出することができる。 ルシフェラーゼ/ルシフェリン系を使用するアデニル酸キナーゼのアッセイは 公知である(Brolinら、Journal of Biochemical and Biophysical Methods 1(1 979)163-169およびShutenkoら、Biotekhnologiya,No 4,(1988)542-547参照) 。これは、その活性を測定することを目的とするものであり、ある種の哺乳類お よび植物の組織の研究に適用されている(例えば、Rodionovaら、Fiziologiya R astenii(1978)25,4,p731-734参照)。しかし、微生物の検出およびアッセイの ための該アッセイ系の使用は示唆されていないし、そうす ることの利点、すなわち高められた感度が得られることは、酵素自体を研究する 人々には問題とされることはなかった。 アデニル酸キナーゼはADPまたはATPよりも少量で存在するが、それを微 生物に対する生物学的マーカーとして使用すると感度が高められ、それが産生す るATPによりその存在を測定すると、利用できる典型的な増幅は400,000であ る。すなわち、10分のインキュベーションで、存在する酵素1モル毎に400,000 モルのADPがATPに変換される。すなわち、アデニル酸キナーゼが触媒する 反応の基質または生成物を測定することにより、10-20モルまでもの検出が可能 である。 本出願人による同時係属中のPCT出願PCT/GB94/00118は、サンプルにおける ADPからATPへの変換能からサンプル中の微生物を推定し、それを微生物ま たはその細胞内物質の存在と関連づける一般的方法に関する。該出願が例として 挙げている方法では、2分子のADPと各アデニル酸キナーゼ活性部位との反応 に必要なマグネシウムイオンは試薬としては添加しないが、存在する細菌細胞に よって、また、他の試薬における不純物として供給されている。該方法を使用し てその実施例で検出された細胞数は約102であることが示されたが、統計的によ り有効な性質の結果からは103以上で得られ、発光測定器による計数と細胞数と の間には直線関係が得られた。 本発明は、アデニル酸キナーゼ活性を最適化した方法で測定する改善された方 法に関し、該方法では、マグネシウムイオンがADP変換反応に供給され、使用 する試薬はアデニル酸キナーゼを除去すべく処理して純度を高くし、それによっ て、検出することができる微生物数を、200μlのサンプルにつき百の位ではな く十の位まで可能とし、細胞とATPにより誘発される光との間の直線関係によ る読み取りは、10個の細胞まで可能である。 本発明の第一の態様では、サンプルに存在する微生物および/またはその細胞 内物質の存在および/または量を測定するための方法を提供し、該方法は、サン プル中のアデニル酸キナーゼの量を、それをアデノシン二リン酸(ADP)と混 合し、このADPから該サンプルによって産生するアデノシン三リン酸(ATP )の量を測定し、そうして産生したATPの量をアデニル酸キナーゼならびに微 生物および/またはその細胞内物質の存在および/または量と関連づけることに より推定し、ADPのATPへの変換は、ADPのATPへの最大変換を可能と するのに十分なモル濃度のマグネシウムイオンの存在下で行うことを特徴とする 。存在するマグネシウムの量は、好ましくは、全てのADP分子が少なくとも1 個のマグネシウムイオンと結合することができるように、ADP1モルに対して 1モルのマグネシウムが与えられるのに十分であるようにする。 本発明のこの発明の好ましい態様では、サンプルを水性懸濁物または溶液の形 態で提供し、サンプル中のアデニル酸キナーゼ、すなわち微生物および/または その細胞内物質の推定は、存在するアデニル酸キナーゼがADPをATPに変換 する条件下でADPおよびマグネシウムイオンをサンプルに添加し、そのサンプ ルを予め定めた時間インキュベートして該変換を行い、ルシフェラーゼおよびル シフェリン試薬を添加し、サンプルから放出される光の量を測定し、それをアデ ニル酸キナーゼの存在および量と関連づけることにより行う。 サンプルと混合するADPの量は、好ましくは、混合物中のADP濃度を0.00 5mM以上、より好ましくは0.01mM以上、最も好ましくは、0.08mM以上とするの十 分な量である。変換工程の混合物における特に好ましいADPの量は、約0.1mM である。 使用すべき試薬がマグネシウムイオン除去剤、例えばEDT Aおよびリン酸塩緩衝液などのキレート/封鎖剤を含む場合、最適な変換を受け るのに十分なマグネシウムイオンをADPに供給するために、十分量のマグネシ ウムイオンを存在させるのが好ましいと認識される。上記した好ましい濃度のA DPの場合、ADPのATPへの変換の際の懸濁物または溶液中のマグネシウム イオンの好ましい濃度は、1mM以上、より好ましくは5mM以上、最も好ましくは 10mM以上である。マグネシウムイオンは、マグネシウム塩の形態で、好ましくは 酢酸マグネシウムとして供給することができる。 本発明のさらに好ましい態様では、ルシフェリン/ルシフェラーゼ発光測定試 薬を、好ましくはADPおよびマグネシウムイオン源を含む単一試薬として、イ ンキュベーション開始時にサンプルに添加する。ルシフェアーゼは、好ましくは 、抽出剤とは別に保存する。 ADPのATPへの変換開始時に全ての試薬を含み、および/または別個の工 程であるルシフェリン/ルシフェラーゼ添加の後に発光測定器による計数を続け る本発明の態様では、マグネシウムを、ルシフェリン/ルシフェラーゼ試薬によ って提供することができる。しかし、EDTAおよびリン酸塩によるマ グネシウムイオンの結合のため、マグネシウムイオンの量は、予め実験または計 算することにより、明確に確認する必要がある。当業者であれば、所定のADP 、サンプルおよびルシフェリン/ルシフェラーゼ混合物に添加すべきマグネシウ ム塩の最適量は、既知量の細菌、例えば大腸菌 (E,coli)を含むサンプルを使 用する通常の実験を行い、それにより最大の信号を得ることにより、容易に求め ることができることが分かる。下記図3は、下記実施例で使用する混合物に添加 すべき酢酸マグネシウムの最適量を示す。 Mg2+イオンは、汚染物のアデニル酸キナーゼによるADPの消耗を容易にす るので、それらは使用前には一緒にしないのが好ましい。これを避けるために、 EDTAなどのキレート剤をADPに入れてもよい。好ましくは、マグネシウム およびADPは、使用直前またはADP変換工程の際に一緒に入れる。試薬を一 緒にしておく場合は、ADPのATPへの早すぎる変換を防ぐために、凍結乾燥 の状態で保存するのが好ましい。 上述したように、他のアッセイを使用することもできるが、ATPは、好まし くは、ルシフェリン/ルシフェラーゼ系を使用して検出し、サンプル中のATP の量を示す光学的に検出可 能な信号を得る。ルシフェリン/ルシフェラーゼ調製物およびそれをATPアッ セイにおいて使用する方法は当業者には周知であり、市販されている(例えば、 Brolinら)。典型的な組成物は、例えば、0.1〜10mg/lのルシフェラーゼ、15〜1 000μモル/lのD−ルシフェリン、並びにMgCl2(2,5〜25ミリモル)、E DTA、BSAおよびpH7の緩衝液(例えば、EP 054676参照)などの試薬を 含む。 本明細書に記載したアデニル酸キナーゼ試験法で使用する単一試薬に対しては 、ADPをATPに変換しながら計数が継続できるように、pHを、両方の酵素 に対して最適であるように、すなわち妥協の値に調節するのが好ましい。これは 、サンプルに既知数の細菌を使用する通常の実験により求めることができる。 サンプル、ADPおよびマグネシウムイオン源は、アデニル酸キナーゼ反応に 適したpHを付与する緩衝液で混合することができる。他の試薬は不要である。 すなわち、5.5〜8.5のpHを付与する緩衝液を使用することができ、最適pHは 6〜7の間であり、好ましくはpH6.5である。適する緩衝液の例としては、ト リスおよびリン酸塩緩衝液が挙げられる。本発明 方法を行うのに備えて、サンプルは、該緩衝液に集めるか、および/または希釈 するのが最も適する。 いずれかの増幅アッセイと同様に、本発明のアデニル酸キナーゼアッセイは、 試薬の純度によって制限される。この場合、重要な汚染物質は、ADP基質にお けるATPおよびルシフェラーゼ調製物におけるアデニル酸キナーゼである。微 生物の高感度アッセイとして使用する場合、特に微生物が潜在的に有害であり、 低い数値での検出を必要とする場合、各試薬の純度は、そのアッセイでそれと反 応するはずの基質に関してできる限り高いことが必要である。 最初の問題を処理するために、好ましくは、高純度の市販ADP(>99.5%純 度)をカラムクロマトグラフィーでさらに精製した後、使用する。これは、たと え少量でもATPが混ざっていると、バックグランドの示度を高くするのには十 分であるため、望ましい。例えば、ジエチルアミノエチルセルロースカラムおよ び0.02mMの塩酸溶離液を使用して、ATPを実質的に分離することができる程度 にADPよりもかなりゆっくりカラムから溶離する。他のクロマトグラフィー媒 体および溶離液の組み合わせも使用して同様の効果を得ることもできる。例え ば、Nucleosil3およびNucleosil5などのNucleosilカラム充填剤(Technicol, Stockport Cheshire UK製)を使用し、0.06MのKH2PO4:メタノール(77:23 v/v)(pH6)を5mMの硫酸水素テトラブチルアンモニウムとともに使用する HPLCがある。ADP対ATPの比が高い画分は使用のために保持し、純度は 、アデニル酸キナーゼ作用によるADPレベルの測定、およびアデニル酸キナー ゼがない場合はATP汚染レベルの測定の後に、ルシフェリン/ルシフェラーゼ 試薬が媒介する生物発光によって評価する。 20mMのリン酸カリウム(pH4.6)と平衡させた好ましいEconopaq Q強陰イオ ン交換ゲルカートリッジ(Biorad)を使用し、400mMまでの段階的濃度のKPiで 溶離することにより、ADPは強く保持され、コヒーレントピークとして溶離さ れ、ATPはその後で溶離されることが分かった。このようにして、ATPモル %の上限が2×10-8であるADPが得られた。本出願人が文献から知った最も純 粋なADPは、0.001%のATP(Shutenkoら、前出、参照)であり、すなわち 、本発明は、本発明方法で使用するための、ATPが0.001モル%未満、より好 ましくは2×10-8モル%以下であるADPを提供する。 ADP基質からATPを除去するための別の方法は、ATPを特異的に分解す る酵素(ルシフェラーゼまたはアピラーゼなど)を使用する。該酵素は、クロマ トグラフィーにより精製したADPをさらに精製するために使用することができ 、あるいは、酵素により精製したADPをカラムクロマトグラフィーにより処理 してもよい。なお、アピラーゼはADPアーゼでもあるが、いくつかはATPに 対してより活性であり、ADPはかなり高いレベルで存在するので、これはあま り問題ではない。 第二の問題に関して、必須の「ハウスキーピング」酵素であるアデニル酸キナ ーゼは、実質的に全生物に存在し、一般的には、ルシフェラーゼ調製物中に存在 する。ほんの少量の混入であるかもしれないが、目的がサンプル中の極微量のア デニル酸キナーゼの測定であるため、ルシフェラーゼにおけるその存在は制限因 子であると考えられる。実際、本出願人は、1単位(U)の活性を0.5mMのAD Pおよび4.5mMのMg2+の存在下、pH7.8、20℃で1μモルのADPを1μモル のATPに変換する酵素の量として定義すると、市販のルシフェラーゼは、10-7 U/ml以上のアデニル酸キナーゼ活性を含む可能性があるが、その基質であるルシ フェリンは、活性があったとしても、非常に 少ないことを確認した。さらに、ルシフェラーゼ試薬は、安定剤、通常はウシ血 清アルブミン(BSA)などのタンパク質で安定化するのが普通であり、この市 販製剤は、本出願人によって、かなりのアデニル酸キナーゼ活性を有することが 確認された。 ルシフェラーゼおよびアデニル酸キナーゼの分子量はかなり異なり、各々、61 kDおよび21kDである。さらに、ルシフェラーゼは膜結合タンパク質であり、従っ て、比較的疎水性であるが、アデニル酸キナーゼは可溶性酵素として生じる。す なわち、アデニル酸キナーゼは、例えばサイズ排除クロマトグラフィー、逆相ク ロマトグラフィー、またはその両方によってルシフェラーゼ調製物から除去する ことができる。あるいは、またはこの他に、ルシフェラーゼのアデニル酸キナー ゼ汚染の問題は、汚染アデニル酸キナーゼがかなりの影響を及ぼすための時間を 持たないように、測定を行う直前、または行うときに、生物発光試薬(ルシフェ ラーゼおよびルシフェリン)を添加することにより回避することができる。 ルシフェラーゼを精製するのに適する方法は、多孔性の低いゲル(例えば、Se phadex G-25)によるカラムクロマトグラフ ィー分画(NielsenとRasmussen,Acta Chemica Scandinavica 22(1968)p1757-17 62参照;一連のSephadexおよびSepharoseカラム(例えば、Blue Sepharose)お よび/またはSDS電気泳動(Devineら、Biochimica et Biophysica Acta 1172 (1993)121-132参照)またはある一定の期間、高められた室温での老化(ageing )を使用する。 ウシ血清アルブミンなどの試薬からアデニル酸キナーゼ活性を除去するために は、同様に、カラムクロマトグラフィーの使用が可能である。これに関して成功 したさらに別の処理は、ルシフェラーゼを安定化するための能力は保持されるが 、アデニル酸キナーゼ活性は総じて低下し、あるいは消耗されるようにBSAを 化学処理するものである。タンパク質の酵素活性の消耗に対するどの従来の化学 的処理も、この目的に等しく適用することができる。あるいは、非タンパク質ル シフェラーゼ安定剤、例えばグリセロールは、BSAの補足または代わりとして 使用することができる。 例えば、本出願人は、市販のBSAのアデニル酸キナーゼ活性を、単に酸また はアルカリ性pHで熱処理することにより、元の活性の2%未満に低下させるこ とができることを確認した。 一つの適する有効な処理は、BSAをpH5.6またはpH10、50℃で24時間加熱 するものである。アデニル酸キナーゼのないBSAのさらに別の供給源は、Sigm aおよびBDHから市販されている、化学的に処理された試薬アセチル化BSAであ る。当業者であれば理解されるように、他の化学的に処理されたBSAも適する 。 標的微生物に関連するアデニル酸キナーゼ全てが、本発明のADP、マグネシ ウムイオンおよびルシフェラーゼ/ルシフェリンアッセイ試薬に利用できるよう にするためには、細胞内物質が放出され、さもなくば、試薬にさらされるように 、微生物を破砕することが必要である。そのような破砕は、超音波発生機などの 機械的手段を使用して、所望により低温ショックまたはリゾチームなどの試薬と ともに浸透圧ショック法の使用により、またはより便利な洗剤の使用により行わ れると考えられる。そのような洗剤は市販されており、通常は、「抽出剤」と言 う。典型的な抽出剤としては、CTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム) などの一般的な陽イオン洗剤、ならびにBiotrace XM抽出剤(Biotrace,Bridgen d UK製)、Celcis UK陽イオン抽出剤およびLumac NRM(Lumac BV,Holland製の ヌクレオ チド放出試薬)などの専売試薬が挙げられる。CTABを使用する場合、通常の 調製剤は、0.01〜1%CTAB水溶液を含む(例えば0.2%)が、他の濃度も、 当業者であれば考えつくと考えられる。 すなわち、微生物を含むことが疑われるアッセイサンプルにADPおよびルシ フェラーゼ/ルシフェリン試薬を添加する前に、破壊剤の使用により微生物を破 砕して、その細胞内物質が発光測定試薬に接触できるようにするのが好ましい。 標的細胞を菌類胞子などの細胞から区別することを望む場合、二つの別々のアッ セイを行うことが可能である。一方は、これらの胞子および多細胞の動物「体」 細胞のみを破砕することができる非イオン洗剤(例えば、Triton TX-100)によ り処理し、他方は、全ての細胞を破砕するための上記で詳述した陽イオン洗剤の 「抽出剤」により処理するアッセイである。これらのアッセイは、アピラーゼな どのATPアーゼを洗剤/ルシフェラーゼ/測定サイクル間、すなわち、間に濾 過工程を有する第一のサイクル工程において非イオン洗剤を使用する一方のサイ クルおよび陽イオン洗剤を使用する他方のサイクルの間で添加する場合、同一の サンプルに対して行うことが可能である。 ルシフェラーゼ/ルシフェリン系に対する抽出剤の影響は重要であることが知 られており(例えば、Simpsonら、(1991)J.Biolumin Chemilumin 6(2)pp97-106 参照)、陽イオン洗剤は反応を可能にするが、ルシフェラーゼを徐々に不活性化 することが知られており、陰イオン洗剤は反応を阻害し、非イオンおよび両イオ ン洗剤は広範囲にわたって増強することが知られている。0,15%の陽イオン洗剤 および0.25%の第三ジアミン界面活性剤の混合物(Celcis,Cambridge,UK製) は、本発明の目的には十分であることが分かったが、同一溶液に共存する場合、 アデニル酸キナーゼおよびルシフェラーゼ活性の最適混合物を生じる他の「抽出 剤」のスクリーニングは、当業者であれば問題ないであろう。 全ての必須工程、すなわちADPのATPへの変換および続くルシフェラーゼ のルシフェリンに対する作用が完了した後に混合物から発する光は、光検出器内 で例えば発光測定管によるサンプル体積の滞留によって、ルシフェラーゼおよび ルシフェリンまたは必須工程を促進することができる他の試薬を添加した直後、 あるいは添加と同時に測定することができる。 本発明の第二の態様では、本発明方法に必要な必須試薬、す なわち、アデノシン二リン酸、マグネシウムイオン源ならびに好ましくはルシフ ェラーゼおよびルシフェリンを含むテストキットを提供する。好ましくは、該キ ットは、これらの試薬全てを含み、ルシフェラーゼおよびルシフェリンは単一の 試薬溶液として供給し、アッセイしようとする標的細胞の破砕に適する洗剤試薬 をそのキットに含む。通常、微生物のアッセイに対しては、陽イオン洗剤のみが 必要であるが、菌の胞子および体細胞の存在がかなりありそうな場合は、さらに 非イオン洗剤を含めて、それらの数を評価してもよい。キットは、単一パッケー ジの形状であり、好ましくは、本発明方法を実施する方法に関する使用説明書を 含む。試薬は容器に入れ、直接の使用または希釈後の使用に適する濃度である。 マグネシウムイオンは、ADPのATPへの変換(coversion)が始まる前にこ れを添加すべき場合は、ルシフェラーゼ/ルシフェリンとともに供給するのが適 しているが、その試薬のEDTAまたはリン酸塩に結合する量よりも過剰にすべ きであり、アデニル酸キナーゼおよびルシフェラーゼの両方の要求量を受け入れ るように最適化すべきである。微生物の検出の場合、マグネシウムイオンは、好 ましくは、サンプル採集/希釈緩衝液 とともに供給するが、特定用途の場合は、他の様式が好ましい可能性がある。最 も便利なのは、マグネシウムイオンをサンプル採集または希釈緩衝液とともに供 給し、ADPは洗剤/界面活性剤抽出剤および所望によりEDTAなどの安定剤 とともに供給し、ルシフェラーゼおよびルシフェリンは一緒にして供給し、こう して、3試薬のテストキットを提供する。あるいは、これらの試薬は、それらが 使用前に相互作用して、例えばADPの分解(degredation)を引き起こすこと がないように凍結乾燥した単一の試薬として供給してもよい。 本発明の好ましいテストキットは、純度が99.999%より高いADP試薬、およ びBSAを含みアデニル酸キナーゼ活性は実質的にないルシフェラーゼ/ルシフ ェリン試薬を含む。あるいは、キットの使用説明書および/またはそれらの相対 濃度において示される使用するルシフェラーゼ/ルシフェリン比は、ルシフェラ ーゼが十分速くルシフェリン基質に作用して、最初の光放出が終わった後にルシ フェラーゼ結合アデニル酸キナーゼがATPを産生することができるようにする 。すなわち、微生物由来のアデニル酸キナーゼは、迅速な動力学反応によって示 され、汚染物ATPはグロー(glow)によって示される。 好ましい精製試薬は、上記方法によって提供することができる。なお、ルシフ ェラーゼ中のアデニル酸キナーゼ活性は、ルシフェラーゼを数カ月または数年放 置することにより消散させることもできる。 次に、本発明の方法、装置、試薬およびキットの例を、下記実施例および図を 参照して説明するが、下記実施例および図は本発明を限定するものではない。本 発明のさらに別の態様は、これらに照らしてみれば、当業者には明らかである。図面の説明 図1は、本発明の改善されたアッセイを使用し、ルシフェリン/ルシフェラー ゼ添加の前に1分および5分インキュベートすることによる、発光測定器の信号 の対数(log)を200μlのサンプルにおける大腸菌の数の対数(log)に対してプロ ットした図である。 図2は、マグネシウムの非存在下で、発光測定器の信号の対数(log)を大腸菌 の細胞数の対数(log)に対してプロットした図である。 図3は、pH7.5およびpH8.0における一定数のP.aeruginosaに由来する発 光測定器の信号に対するマグネシウムイオ ン濃度の影響を示す図であり、マグネシウムを添加しない場合に対して10倍増加 したことを示す。 実施例1:精製アデノシン二リン酸試薬の調製 20mMのリン酸カリウム(pH4,6)で平衡化し、5mlの1mMADP(2,1mg)を ロードした5mlのEconopac Qカートリッジ(Biorad)を使用して市販の高純度( >99.95%)ADP(Sigma)を、液体クロマトグラフィーでさらに精製した。溶離 は、400mMまでの段階的KPi濃度により行った。ADPは強く保持されており、 約340mMのKPiのピークとして溶離された。系にポンプ(5ml/分)およびグラ ジエントミキサーをセットし、全部で200mlに50〜1Mの勾配のKPiを供給し、 5mlの画分を集めた。ADPが画分12と17との間に鋭いピークとして溶離される とともに、ATPがその勾配の終わりに現れ始めた。残りのATPは、1Mまで の〔KPi〕段階で溶離された。このカラムからの最も純粋なADP画分は、A TPが2×10-8モル%未満であった。 実施例2:アデニル酸キナーゼを含まないルシフェラーゼ試薬の調製 アデニル酸キナーゼ活性を、乾燥状態での12カ月間にわたる 高い室温(約30℃)での数カ月を含む老化(aging)により、市販のルシフェリン /ルシフェラーゼ試薬(Biotrace HM)から消散させた。 実施例3:キナーゼを含まないルシフェラーゼ試薬の別の調製 市販のルシフェラーゼを、上記したBlue Sepharoseを使用し、Devineら(1993) の方法によるカラムクロマトグラフィーを使用して精製する。 実施例4:アデニル酸キナーゼを含まないBSAの調製 Sigma Fraction V(RIA Grade,Cat.No.A-7888)BSAを、200mlの滅菌水 中で1%w/vとし、最初のpHを5.6とした。この50mlのサンプル2つを100ml容 のDuranビンに入れ、残りは、5MNaOHを使用してpH10とし、2つのDuranの 各々に50ml入れた。微生物の増殖を防ぐための保存剤として、チメロサールを最 終濃度0.02%にして添加し、そのびんを37℃または50℃で24時間インキュベート した後、各々のpHを5MのHClまたは5MのNaOHの適する方で7.6に再 調整した。アデニル酸キナーゼ活性の測定を、上記で調製した100μlのBSA サンプルを100μlの30mM酢酸マグネシウム溶液と混合し、得られた混合物を発 光測定器の3.5ml容発光測定管に入れ、実 施例1で調製した100μlのADP溶液ならびにカラムクロマトグラフィーおよ び化学的に処理したBSAの使用によりアデニル酸キナーゼ活性を含まないよう に調製した100μlのルシフェリン/ルシフェラーゼ試薬(Celcis,Cambridge U K)を添加することにより行った。5秒後に、10秒間にわたる光の放出を測定し てコンピューターに記録し、10秒間の読み取りを全部で10連続行ってATP産生 速度を求めた。分析は、二重に行った。検定は、10ng/ml(91 femtomole)のA TP水溶液5μlから放出される光の測定を4回行うことにより行った。平均の 信号は、2950/femtomoleであった。 結果:37℃でインキュベートしたBSAサンプルは透明なままであったが、50℃ の場合は沈殿を生じ、それは、pH10ではわずかであり、pH5.6では非常に多 かった。pH10および50℃ではわずかな変色があった。これらのサンプルに残っ ているアデニル酸キナーゼ活性を下記表1に、発光測定器の計数/分によって表 す。 pH10および50℃のサンプルは、2週間後ですら変色の増加により使用できな くなったので、より長期間の場合は、さらに温和な不活性化を使用するか、ある いは、どんな期間でも 保存しようとする場合は、直ちに凍結乾燥するのが好ましい。37℃のサンプルは 、この方法では変わらなかったので、インキュベーション時間を延ばすことによ りアデニル酸キナーゼ活性のないBSAを安定にするための良好な範囲である。 Biotrace HM試薬が、40℃での保存の後、乾燥状態でその活性を失ったという事 実は、その可能性を示すものである。 実施例5:BSAを含有するルシフェリン/ルシフェラーゼ試薬の調製 ルシフェリン/ルシフェラーゼの市販調製物は、通常、BSAを必要なものと して含む。上記実施例4で述べたように化学的に処理した、またはアセチル化B SAとして市販されているBSA(例えば、BDHまたはSigma)を、アデニル酸キ ナーゼ活性が10-9Uアッセイ体積(すなわち、300μl)未満であるCelcis LDRル シフェリン/ルシフェラーゼ発光試薬を与えるような他の標準的なCelcis試薬と ともに通常の割合でアデニル酸キナーゼを含まないルシフェラーゼと混合した。 実施例6:本発明のテストキット 本発明のテストキットは、下記容器から成る。 (i)サンプルを採集/希釈するための15mMの酢酸マグネシウム溶液を保持する 容器; (ii)0.2mMのEDTAならびに、0.15%の陽イオン洗剤および0,25%の三級ジ アミン界面活性剤の混合抽出剤をさらに含む、リン酸カリウム緩衝溶液(7.5mM 、pH6.5)における0.3mM濃度の実施例1で調製した精製ADP溶液(ATPに 関して>99.99999998%純粋)を保持する容器; (iii)アデニル酸キナーゼ活性が10-8U/100μl未満である、ルシフェリン/ルシ フェラーゼLDR(Celcis,Cambridge,UK)生物発光試薬を保持する容器。 所望により、該パッケージは、非イオン洗剤溶液(Triton X-100 0.2%または それと同等のもの)の容器、および/またはサンプルに対する非イオン洗剤の作 用により放出されるATPを破壊して陽イオン洗剤の添加による再アッセイに適 するようにするためのアピラーゼなどのATPアーゼを保持する容器を含む。 実施例7:本発明の方法を使用する既知量の大腸菌のアッセイ 200μlのリン酸緩衝塩水(pH7.4)につき約2.2×107個の微生物を含む1 週齢の大腸菌培養物をストックとして使用し、マグネシウムイオンを含む採集/ 希釈試薬(実施例6の(i))で順次10倍希釈して、200μlのサンプルにつき1 07〜0.1個の微生物を含むサンプルを作った。 各200μlのサンプルを3,5ml容の発光測定管に添加し、100μlのADP/抽 出剤試薬(実施例6の(ii))を添加して、全体積300μlの混合物を室温で1 〜5分インキュベートした。インキュベーションが終了すると、100μlの改良 Celcis LDR生物試薬(上記実施例6の(iii))を添加し、放出される光を最初の1 0秒間測定した後、10秒間隔で1分間測定し、Biotrace M3発光測定器を使用して 累積様式で光の増加を求めた。最後の測定値から最初の信号値を差し引いて、1 分間当たりの信号(カウント)を得た。 本発明方法の効果は、図1を参照することにより示すことができる。図1は、 大腸菌と、ADPとともに5分インキュベートした後のサンプル混合物によって 放出された光との間の統計的に有効な直線的応答が、1サンプル当たり10個の生 物に対して得られ、100個以上の生物に対しては1分のインキュベーションで上 向きとなり、どちらの場合も、検出限界は約10個の微生物である。これは、1分 のインキュベーションの後の100個の生物による相違がほんの26cpmであり、1000 個の場合は67cpmであり、直線的応答は1000個以上の細胞に対してのみ得られるP CT/GB94/00118の方法と比較して非常に有利である。本発明方法での1サンプル に対する1000個の細胞による信号の増加は、比較すると、1分後に数千cpmとな る。 理解されるように、サンプルにおける未知量の微生物に対するアッセイを本発 明方法を使用して行うために、検量線を、図 1および2に示すように(例えば、対数値として)既知数の微生物を発光測定器 のカウントに対してプロットすることにより作成し、未知数の微生物(0個の生 物を含む)を含むサンプルのカウント数を同じプロトコールを使用して誘導し、 そのサンプルの微生物数を、その検量線上の同じカウント数に対応するものとし て推定することができる。 当業者であれば理解されるように、特定の微生物(例えば、細菌)に存在する アデニル酸キナーゼの量は、他の微生物とは異なる可能性がある。例えば、酵母 は、その大きさのために、細菌よりも多くのアデニル酸キナーゼを含み、実際、 個々の酵母はこの方法によって検出することができる。すなわち、所与の微生物 に対しては特定の検量線が必要であり、同じ微生物でも異なる状態(例えば、弱 められた、pHストレスのある、または酸素ストレスのある生物)に対してはそ のような検量線を作成する必要があると考えられる。しかし、既存のATPに基 づく方法に対する本発明方法のさらに別の利点は、アデニル酸キナーゼ含量が、 細胞代謝により消耗されるかなり変化し得るATP含量よりも細胞数とより密接 に関係するということである。
【手続補正書】特許法第184条の7第1項 【提出日】1995年9月29日 【補正内容】 請求の範囲 1.サンプルに存在する微生物および/またはその細胞内物質の存在および/ま たは量を測定する方法において、そのサンプル中のアデニル酸キナーゼの量を、 サンプルをアデノシン二リン酸(ADP)と混合し、このADPからそのサンプ ルによって産生するアデノシン三リン酸(ATP)の量を測定し、そのようにし て産生したATPの量を微生物および/またはその細胞内物質の存在および/ま たは量と関連づけることにより推定することを特徴とする方法。 2.サンプルと混合するADPの量を、混合物におけるADP濃度が0.005mM以 上となるのに十分であるようにすることを特徴とする請求項1に記載の方法。 3.ADPが0.08mM以上であることを特徴とする請求項2に記載の方法。 4.ADPが約0.1mMであることを特徴とする請求項4に記載の方法。 5.ADPのATPへの変換を、ADPのATPへの最大変換を可能とするのに 十分なモル濃度のマグネシウムイオンの存在 下で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。 6.存在させるマグネシウムイオンの量を、ADP分子の全部が少なくとも1個 のマグネシウムイオンと結合できるように1モルのADPに対して1モルのマグ ネシウムを供給するのに十分であるようにすることを特徴とする請求項5に記載 の方法。 7.サンプルを水性懸濁物または溶液の形態で供給し、微生物および/またはそ の細胞内物質の推定は、ADPおよびマグネシウムイオンを、存在するアデニル 酸キナーゼによりADPがATPに変換する条件下でサンプルに添加し、該サン プルを予め定めた時間インキュベートして該変換を行い、ルシフェラーゼおよび ルシフェリン試薬を添加し、サンプルから放出される光の量を測定し、それを微 生物および/またはその細胞内物質の存在および量と関連づけることにより行う ことを特徴とする請求項5または6に記載の方法。 8.ADPがATPへ変換する際の懸濁物または溶液におけるマグネシウムイオ ンの濃度が1mM以上であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載 の方法。 9.懸濁物または溶液におけるマグネシウムイオンの濃度が10mM以上であること を特徴とする請求項8に記載の方法。 10.マグネシウムイオンが酢酸マグネシウムの形状で供給されることを特徴と する請求項5〜9のいずれか一項に記載の方法。 11.ルシフェリン/ルシフェラーゼ発光試薬を、ADPおよびマグネシウムイ オン源との単一試薬としてインキュベーション開始時にサンプルに添加すること を特徴とする請求項5〜10のいずれか一項に記載の方法。 12.マグネシウムイオン源およびADPを使用前は乾燥形態または別々の溶液 で保存し、使用直前またはADP変換ステップで一緒にするか、水溶液にするこ とを特徴とする請求項5〜11のいずれか一項に記載の方法。 13.マグネシウムイオン源およびサンプルを、ADPを添加する前に混合する ことを特徴とする請求項5〜12のいずれか一項に記載の方法。 14.サンプルをマグネシウムイオン源を含む溶液に採集するか該溶液で希釈す ることを特徴とする請求項13に記載の方法。 15.ADPのATPへの変換を、pH5.5〜8.5で行うこと を特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。 16.ADP中のATPモル%が0.001%未満であることを特徴とする請求項1 〜15のいずれか一項に記載の方法。 17.ADP中のATPモル%が2×10-8以下であることを特徴とする請求項1 7に記載の方法。 18.ADPが混入するアデニル酸キナーゼにより早まってATPに変換するの を防ぐために、ADPを使用前にキレート剤の存在下で保存することを特徴とす る請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。 19.ルシフェラーゼ/ルシフェリン試薬中のアデニル酸キナーゼ含量が10-7U/ ml未満であることを特徴とする請求項7またはそれに従属するいずれか一項に記 載の方法。 20.ルシフェラーゼ/ルシフェリン試薬が、化学的に処理されてそのアデニル 酸キナーゼ活性が消散したウシ血清アルブミンを含むことを特徴とする請求項1 9に記載の方法。 21.サンプルを、微生物細胞を破砕し、そのアデニル酸キナーゼをADPおよ びマグネシウムイオンにさらす抽出剤で処理することを特徴とする請求項1〜2 0のいずれか一項に記載の方法。 22.細胞が菌類の胞子または真核細胞であり、抽出剤が非イオン洗剤を含むこ とを特徴とする請求項21に記載の方法。 23.細胞全部を検出しおよび/または定量するものであり、抽出剤が陽イオン 洗剤を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。 24.抽出剤がさらに界面活性剤を含むことを特徴とする請求項21、22また は23に記載の方法。 25.細胞が細菌細胞であり、非イオン洗剤によって放出されるATPを陽イオ ン洗剤および界面活性剤によって放出されるATPから差し引いた残りが細菌細 胞数に関係することを特徴とする請求項21、22、23または24に記載の方 法。 26.ATPのモル%が0.001未満であるADPを含む試薬を含む1種以上の試 薬を含む、微生物および/または細胞物質を検出および/または定量するための テストキット。 27.さらにルシフェラーゼおよびルシフェリンを、ATPの存在下で光を放出 することができる生物発光試薬の形態で含むことを特徴とする請求項26に記載 のテストキット。 28.さらにマグネシウムイオン源を含むことを特徴とする請求項26または2 7に記載のテストキット。 29.マグネシウムイオン源をサンプルの採集または希釈緩衝溶液として供給す ることを特徴とする請求項28に記載のテストキット。 30.採集または希釈緩衝溶液が酢酸マグネシウムを含むことを特徴とする請求 項29に記載のテストキット。 31.微生物に作用して、ADPのATPへの変換が生じるように微生物のアデ ニル酸キナーゼをADPにさらすのに適した、それとともにADP溶液を形成す る抽出剤をさらに含むことを特徴とする請求項26〜30のいずれか一項に記載 のテストキット。 32.ADPが洗剤および/または界面活性剤抽出剤とともに一つの試薬を形成 するることを特徴とする請求項26〜31のいずれか一項に記載のテストキット 。 33.ADP、マグネシウムイオン源および生物発光試薬が3個の別々の容器で 供給されることを特徴とする請求項26〜32のいずれか一項に記載のテストキ ット。 34.試薬全部を単一の凍結乾燥試薬として供給することを特徴とする請求項2 6〜33のいずれか一項に記載のテストキット。 35.ADPの純度がATPに関して99.99999998%以上であることを特徴とす る請求項26〜34のいずれか一項に記載のテストキット。 36.アデニル酸キナーゼ活性が本明細書で定義したように10-7U/ml未満である 生物発光試薬を含むことを特徴とする請求項27または33に記載のテストキッ ト。 37.生物発光試薬が、化学的に処理されてアデニル酸キナーゼ活性が消散した ウシ血清アルブミンを含むことを特徴とする請求項27または33に記載のテス トキット。 38.さらに、汚染アデニル酸キナーゼによるADPのATPへの変換を防ぐの に十分な量のキレート剤を含むことを特徴とする請求項26〜37のいずれか一 項に記載のテストキット。 39.微生物またはその細胞内物質の存在を分析すべき水性懸濁物または溶液の サンプルを受け入れるための手段、ADP、ルシフェラーゼおよびルシフェリン を該懸濁物に添加するための手段、ならびに生じた光を検出するための手段を含 み、連続操作のためにサンプルおよび手段を互いに移動させるためのコンベアを 備えた装置。 40.生じた光を検出するための手段の前に、マグネシウムイ オン源をサンプルに添加するための手段をさらに含むことを特徴とする請求項3 9に記載の装置。 41.ルシフェラーゼおよびルシフェリンを添加するための手段の前に洗剤を懸 濁物に添加するための手段をさらに含むことを特徴とする請求項39または40 に記載の装置。 42.ADP試薬を洗剤とともに添加することを特徴とする請求項41に記載の 装置。 43.光を検出するための手段とともに、ルシフェラーゼおよびルシフェリンを 添加した後にそこから放出される光をモニターする光検出部をさらに含むことを 特徴とする請求項39〜42のいずれか一項に記載の装置。 44.サンプルの入ったある体積の液体媒体を受け取り、それを一つ以上の試薬 部を通って光検出手段へ運ぶコンベア手段を含むことを特徴とする請求項39〜 42のいずれか一項に記載の装置。 45.微生物の存在をテストすべき物質の水性液体懸濁物が予めロードされ、ま たは、該装置の該懸濁物が入っている箇所を通過した一連の発光測定容器を受け 取るようになっているコン ベアを含むことを特徴とする請求項39〜42のいずれか一項に記載の装置。 【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年5月3日 【補正内容】 (1988)542-547参照)。これは、その活性を測定することを目的とするものであ り、ある種の哺乳類および植物の組織の研究に適用されている(例えば、Rodion ovaら、Fiziologiya Rastenii(1978)25,4,p731-734参照)。しかし、微生物の 検出およびアッセイのための該アッセイ系の使用は示唆されていないし、そうす ることの利点、すなわち高められた感度が得られることは、酵素自体を研究する 人々には問題とされることはなかった。 アデニル酸キナーゼはADPまたはATPよりも少量で存在するが、それを微 生物に対する生物学的マーカーとして使用すると感度が高められ、それが産生す るATPによりその存在を測定すると、利用できる典型的な増幅は400,000であ る。すなわち、10分のインキュベーションで、存在する酵素1モル毎に400,000 モルのADPがATPに変換される。すなわち、アデニル酸キナーゼが触媒する 反応の基質または生成物を測定することにより、10-20モルまでもの検出が可能 である。 本出願人による同時係属中のPCT出願WO 94/17202は、サンプルにおけるA DPからATPへの変換能からサンプル中の微生物を推定し、それを微生物また はその細胞内物質の存在と 関連づける一般的方法に関する。該出願が例として挙げている方法では、2分子 のADPと各アデニル酸キナーゼ活性部位との反応に必要なマグネシウムイオン は試薬としては添加しないが、存在する細菌細胞によって、また、他の試薬にお ける不純物として供給されている。該方法を使用してその実施例で検出された細 胞数は約102であることが示されたが、統計的により有効な性質の結果からは103 以上で得られ、発光測定器による計数と細胞数との間には直線関係が得られた。 本発明は、アデニル酸キナーゼ活性を最適化した方法で測定する改善された方 法に関し、該方法では、マグネシウムイオンがADP変換反応に供給され、使用 する試薬はアデニル酸キナーゼを除去すべく処理して 変換工程の混合物における特に好ましいADPの量は、約0.1mMである。 使用すべき試薬がマグネシウムイオン除去剤、例えばEDTAおよびリン酸塩 緩衝液などのキレート/封鎖剤を含む場合、最適な変換を受けるのに十分なマグ ネシウムイオンをADPに供給するために、十分量のマグネシウムイオンを存在 させるのが好ましいと認識される。上記した好ましい濃度のADPの場合、AD PのATPへの変換の際の懸濁物または溶液中のマグネシウムイオンの好ましい 濃度は、1mM以上、より好ましくは5mM以上、最も好ましくは10mM以上である。 マグネシウムイオンは、マグネシウム塩の形態で、好ましくは酢酸マグネシウム として供給することができる。 本発明のさらに好ましい態様では、ルシフェリン/ルシフェラーゼ発光測定試 薬を、好ましくはADPおよびマグネシウムイオン源を含む単一試薬として、イ ンキュベーション開始時にサンプルに添加する。ルシフェラーゼは、好ましくは 、抽出剤とは別に保存する。 ADPのATPへの変換開始時に全ての試薬を含み、および/または別個の工 程であるルシフェリン/ルシフェラーゼ添加 の後に発光測定器による計数を続ける本発明の態様では、マグネシウムを、ルシ フェリン/ルシフェラーゼ試薬によって提供することができる。しかし、EDT Aおよびリン酸塩によるマグネシウムイオンの結合のため、マグネシウムイオン の量は、予め実験または計算することにより、明確に確認する必要がある。当業 者であれば、所定のADP、サンプルおよびルシフェリン/ルシフェラーゼ混合 物に添加すべきマグネシウム塩の最適量は、既知量の細菌、例えば大腸菌(E.co li)を含むサンプルを使用する通常の実験を行い、それにより最大の信号を得る ことにより、容易に求めることができることが分かる。下記図3は、下記実施例 で使用する混合物に添加すべき酢酸マグネシウムの最適量を示す。 Mg2+イオンは、汚染物のアデニル酸キナーゼによるADPの消耗を容易にす るので、 この場合、重要な汚染物質は、ADP基質におけるATPおよびルシフェラーゼ 調製物におけるアデニル酸キナーゼである。微生物の高感度アッセイとして使用 する場合、特に微生物が潜在的に有害であり、低い数値での検出を必要とする場 合、各試薬の純度は、そのアッセイでそれと反応するはずの基質に関してできる 限り高いことが必要である。 最初の問題を処理するために、好ましくは、高純度の市販ADP(>99.5%純 度)をカラムクロマトグラフィーでさらに精製した後、使用する。これは、たと え少量でもATPが混ざっていると、バックグランドの示度を高くするのには十 分であるため、望ましい。例えば、ジエチルアミノエチルセルロースカラムおよ び0.02mMの塩酸溶離液を使用して、ATPを実質的に分離することができる程度 にADPよりもかなりゆっくりカラムから溶離する。他のクロマトグラフィー媒 体および溶離液の組み合わせも使用して同様の効果を得ることもできる。例えば 、Nucleosil 3(RTm)およびNucleosil 5(RTm)などのNucleosil(登録商標(RTm)) カラム充填剤(Technicol,Stockport Cheshire UK製)を使用し、0.06MのKH2 PO4:メタノール(77:23 v/v)(pH6)を5mMの硫酸水素テトラブチルア ンモニウムとともに使用するHPLCがある。ADP対ATPの比が高い画分は 使用のために保持し、純度は、アデニル酸キナーゼ作用によるADPレベルの測 定、およびアデニル酸キナーゼがない場合はATP汚染レベルの測定の後に、ル シフェリン/ルシフェラーゼ試薬が媒介する生物発光によって評価する。 20mMのリン酸カリウム(pH4.6)と平衡させた好ましいEconopaq Q(RTm)強陰 イオン交換ゲルカートリッジ(Biorad-RTm)を使用し、400mMまでの段階的濃度 のKPiで溶離することにより、ADPは強く保持され、コヒーレントピークと して溶離され、ATPはその後で溶離されることが分かった。このようにして、 ATPモル%の上限が2×10-8であるADPが得られた。本出願人が文献から知 った最も純粋なADPは、0.001%のATP(Shutenkoら、前出、参照)であり 、すなわち、本発明は、本発明方法で使用するための、ATPが0.001モル%未 満、より好ましくは2×10-8モル%以下であるADPを提供する。 アデニル酸キナーゼがかなりの影響を及ぼすための時間を持たないように、測定 を行う直前、または行うときに、生物発光試薬(ルシフェラーゼおよびルシフェ リン)を添加することにより回避することができる。 ルシフェラーゼを精製するのに適する方法は、多孔性の低いゲル(例えば、Se phadex G-25(RTm))によるカラムクロマトグラフィー分画(NielsenとRasmussen ,Acta Chemica Scandinavica 22(1968)p1757-1762参照;一連のSephadex(RTm) およびSepharose(RTm)カラム(例えば、Blue Sepharose)および/またはSDS 電気泳動(Devineら、Biochimica et Biophysica Acta 1172(1993)121-132参照 )またはある一定の期間、高められた室温での老化(ageing)を使用する。 ウシ血清アルブミンなどの試薬からアデニル酸キナーゼ活性を除去するために は、同様に、カラムクロマトグラフィーの使用が可能である。これに関して成功 したさらに別の処理は、ルシフェラーゼを安定化するための能力は保持されるが 、アデニル酸キナーゼ活性は総じて低下し、あるいは消耗されるようにBSAを 化学処理するものである。タンパク質の酵素活性の消耗に対するどの従来の化学 的処理も、この目的に等しく適用す ることができる。あるいは、非タンパク質ルシフェラーゼ安定剤、例えばグリセ ロールは、BSAの補足または代わりとして使用することができる。 例えば、本出願人は、市販のBSAのアデニル酸キナーゼ活性を、単に酸また はアルカリ性pHで熱処理することにより、元の活性の2%未満に低下させるこ とができることを確認した。一つの適する有効な処理は、BSAをpH5.6また はpH10、50℃で24時間加熱するものである。アデニル酸キナーゼのないBSA のさらに別の供給源は、SigmaおよびBDHから市販されている、化学的に処理され た試薬アセチル化BSAである。当業者であれば理解されるように、他の化学的 に処理されたBSAも適する。 標的微生物に関連するアデニル酸キナーゼ全てが、本発明のADP、マグネシ ウムイオンおよびルシフェラーゼ/ルシフェリンアッセイ試薬に利用できるよう にするためには、細胞内物質が放出され、さもなくば、試薬にさらされるように 、微生物を破砕することが必要である。そのような破砕は、超音波発生機などの 機械的手段を使用して、所望により低温ショックまたはリゾチームなどの試薬と ともに浸透圧ショック法の使用によ り、またはより便利な洗剤の使用により行われると考えられる。そのような洗剤 は市販されており、通常は、「抽出剤」と言う。典型的な抽出剤としては、CT AB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)などの一般的な陽イオン洗剤、なら びにBiotrace(RTm)XM抽出剤(Biotrace,Bridgend UK製)、Celcis UK陽イオン 抽出剤およびLumac NRM(RTm)(Lumac BV,Holland製のヌクレオチド放出試薬) などの専売試薬が挙げられる。CTABを使用する場合、通常の調製剤は、0.01 〜1%CTAB水溶液を含む(例えば0.2%)が、他の濃度も、当業者であれば 考えつくと考えられる。 すなわち、微生物を含むことが疑われるアッセイサンプルにADPおよびルシ フェラーゼ/ルシフェリン試薬を添加する前に、破壊剤の使用により微生物を破 砕して、その細胞内物質が発光測定試薬に接触できるようにするのが好ましい。 標的細胞を菌類胞子などの細胞から区別することを望む場合、二つの別々のアッ セイを行うことが可能である。一方は、これらの胞子および多細胞の動物「体」 細胞のみを破砕することができる非イオン洗剤(例えば、Triton TX-100(RTm)) により処理し、他方は、全ての細胞を破砕するための上記で詳述した陽イオン洗 剤の「抽出剤」により処理するアッセイである。これらのアッセイは、アピラー ゼなどのATPアーゼを洗剤/ルシフェラーゼ/測定サイクル間、すなわち、間 に濾過工程を有する第一のサイクル工程において非イオン洗剤を使用する一方の サイクルおよび陽イオン洗剤を使用する他方のサイクルの間で添加する場合、同 一のサンプルに対して行うことが可能である。 ルシフェラーゼ/ルシフェリン系に対する抽出剤の影響は重要であることが知 られており(例えば、Simpsonら、(1991)J.Biolumin Chemilumin 6(2)pp97-106 参照)、陽イオン洗剤は反応を可能にするが、ルシフェラーゼを徐々に不活性化 することが知られており、陰イオン洗剤は反応を阻害し、非イオンおよび両イオ ン洗剤は広範囲にわたって増強することが知られている。0.15%の陽イオン洗剤 および0.25%の第三ジアミン界面活性剤の混合物(Celcis,Cambridge,UK製) は、本発明の目的には十分であることが分かったが、同一溶液に共存する場合、 アデニル酸キナーゼおよびルシフェラーゼ活性の最適混合物を生じる他の「抽出 剤」のスクリーニングは、当業者であれば問題ないであろう。 全ての必須工程、すなわちADPのATPへの変換および続 くルシフェラーゼのルシフェリンに対する作用が完了した後に混合物から発する 光は、光検出器内で例えば発光測定管によるサンプル体積の滞留によって、ルシ フェラーゼおよびルシフェリンまたは必須工程を促進することができる他の試薬 を添加した直後、あるいは添加と同時に測定することができる。 本発明の第二の態様では、本発明方法に必要な必須試薬、すなわち、アデノシ ン二リン酸、マグネシウムイオン源ならびに好ましくはルシフェラーゼおよびル シフェリンを含むテストキットを提供する。好ましくは、該キットは、これらの 試薬全てを含み、ルシフェラーゼおよびルシフェリンは単一の試薬溶液として供 給し、アッセイしようとする標的細胞の破砕に適する洗剤試薬をそのキットに含 む。通常、微生物のアッセイに対しては、陽イオン洗剤のみが必要であるが、菌 の胞子および体細胞の存在がかなりありそうな場合は、さらに非イオン洗剤を含 めて、それらの数を評価してもよい。キットは、単一パッケージの形状であり、 好ましくは、本発明方法を実施する方法に関する使用説明書を含む。試薬は容器 に入れ、直接の使用または希釈後の使用に適する濃度である。 マグネシウムイオンは、ADPのATPへの変換(conversion) が始まる前にこれを添加すべき場合は、ルシフェラーゼ/ルシフェリンとともに 供給するのが適しているが、その試薬のEDTAまたはリン酸塩に結合する量よ りも過剰にすべきであり、アデニル酸キナーゼおよびルシフェラーゼの両方の要 求量を受け入れるように最適化すべきである。微生物の検出の場合、マグネシウ ムイオンは、好ましくは、サンプル採集/希釈緩衝液とともに供給するが、特定 用途の場合は、他の様式が好ましい可能性がある。最も便利なのは、マグネシウ ムイオンをサンプル採集または希釈緩衝液とともに供給し、ADPは洗剤/界面 活性剤抽出剤および所望によりEDTAなどの安定剤とともに供給し、ルシフェ ラーゼおよびルシフェリンは一緒にして供給し、こうして、3試薬のテストキッ トを提供する。あるいは、これらの試薬は、それらが使用前に相互作用して、例 えばADPの分解(degradation)を引き起こすことがないように凍結乾燥した単 一の試薬として供給してもよい。 本発明の好ましいテストキットは、純度が99.999%より高いADP試薬、およ びBSAを含みアデニル酸キナーゼ活性は実質的にないルシフェラーゼ/ルシフ ェリン試薬を含む。あるいは、キットの使用説明書および/またはそれらの相対 濃度にお いて示される使用するルシフェラーゼ/ルシフェリン比は、ルシフェラーゼが十 分速くルシフェリン基質に作用して、最初の光放出が終わった後にルシフェラー ゼ結合アデニル酸キナーゼがATPを産生することができるようにする。すなわ ち、微生物由来のアデニル酸キナーゼは、迅速な動力学反応によって示され、汚 染物ATPはグロー(glow)によって示される。 好ましい精製試薬は、上記方法によって提供することができる。なお、ルシフ ェラーゼ中のアデニル酸キナーゼ活性は、ルシフェラーゼを数カ月または数年放 置することにより消散させることもできる。 次に、本発明の方法、装置、試薬およびキットの例を、下記実施例および図を 参照して説明するが、下記実施例および図は本発明を限定するものではない。本 発明のさらに別の態様は、これらに照らしてみれば、当業者には明らかである。図面の説明 図1は、本発明の改善されたアッセイを使用し、ルシフェリン/ルシフェラー ゼ添加の前に1分および5分インキュベートすることによる、発光測定器の信号 の対数(log)を200μlのサンプルにおける大腸菌の数の対数(log)に対してプロ ットし た図である。 図2は、マグネシウムの非存在下で、発光測定器の信号の対数(log)を大腸菌 の細胞数の対数(log)に対してプロットした図である。 図3は、pH7.5およびpH8.0における一定数のP.aeruginosaに由来する発 光測定器の信号に対するマグネシウムイオン濃度の影響を示す図であり、マグネ シウムを添加しない場合に対して10倍増加したことを示す。 実施例1:精製アデノシン二リン酸試薬の調製 20mMのリン酸カリウム(pH4.6)で平衡化し、5mlの1mMADP(2.1mg)を ロードした5mlのEconopac Qカートリッジ(RTm)(Biorad-RTm)を使用して市販 の高純度(>99,95%)ADP(Sigma)を、液体クロマトグラフィーでさらに精製 した。溶離は、400mMまでの段階的KPi濃度により行った。ADPは強く保持さ れており、約340mMのKPiのピークとして溶離された。系にポンプ(5ml/分) およびグラジエントミキサーをセットし、全部で200mlに50〜1Mの勾配のKPi を供給し、5mlの画分を集めた。ADPが画分12と17との間に鋭いピークとして 溶離されるとともに、ATPがその勾配の終わ りに現れ始めた。残りのATPは、1Mまでの〔KPi〕段階で溶離された。こ のカラムからの最も純粋なADP画分は、ATPが2×10-8モル%未満であった 。 実施例2:アデニル酸キナーゼを含まないルシフェラーゼ試薬の調製 アデニル酸キナーゼ活性を、乾燥状態での12カ月間にわたる高い室温(約30℃ )での数カ月を含む老化(aging)により、市販のルシフェリン/ルシフェラーゼ 試薬(Biotrace HM(RTm))から消散させた。 実施例3:キナーゼを含まないルシフェラーゼ試薬の別の調製 市販のルシフェラーゼを、上記したBlue Sepharose(RTm)を使用し、Devineら( 1993)の方法によるカラムクロマトグラフィーを使用して精製する。 ュベーション時間を延ばすことによりアデニル酸キナーゼ活性のないBSAを安 定にするための良好な範囲である。Biotrace HM(RTm)試薬が、40℃での保存の後 、乾燥状態でその活性を失ったという事実は、その可能性を示すものである。 実施例5:BSAを含有するルシフェリン/ルシフェラーゼ試薬の調製 ルシフェリン/ルシフェラーゼの市販調製物は、通常、BSAを必要なものと して含む。上記実施例4で述べたように化学的に処理した、またはアセチル化B SAとして市販されているBSA(例えば、BDHまたはSigma)を、アデニル酸キ ナーゼ活性が10-9Uアッセイ体積(すなわち、300μl)未満であるCelcis LDRル シフェリン/ルシフェラーゼ発光試薬を与えるような他の標準的なCelcis試薬と ともに通常の割合でアデニル酸キナーゼを含まないルシフェラーゼと混合した。 実施例6:本発明のテストキット 本発明のテストキットは、下記容器から成る。 (i)サンプルを採集/希釈するための15mMの酢酸マグネシウム溶液を保持する 容器; (ii)0.2mMのEDTAならびに、0.15%の陽イオン洗剤および0.25%の三級ジ アミン界面活性剤の混合抽出剤をさらに含む、リン酸カリウム緩衝溶液(7.5mM 、pH6.5)における0.3mM濃度の実施例1で調製した精製ADP溶液(ATPに 関して>99.99999998%純粋)を保持する容器; (iii)アデニル酸キナーゼ活性が10-8U/100μl未満である、ルシフェリン/ルシ フェラーゼLDR(Celcis,Cambridge,UK)生物発光試薬を保持する容器。 所望により、該パッケージは、非イオン洗剤溶液(Triton X-100(RTm)0.2%ま たはそれと同等のもの)の容器、および/またはサンプルに対する非イオン洗剤 の作用により放出されるATPを破壊して陽イオン洗剤の添加による再アッセイ に適するようにするためのアピラーゼなどのATPアーゼを保持する容器を含む 。 実施例7:本発明の方法を使用する既知量の大腸菌のアッセイ 200μlのリン酸緩衝塩水(pH7.4)につき約2.2×107個の微生物を含む1 週齢の大腸菌培養物をストックとして使用し、マグネシウムイオンを含む採集/ 希釈試薬(実施例6の(i))で順次10倍希釈して、200μlのサンプルにつき1 07〜0.1個の微生物を含むサンプルを作った。 各200μlのサンプルを3.5ml容の発光測定管に添加し、100μlのADP/抽 出剤試薬(実施例6の(ii))を添加して、全体積300μlの混合物を室温で1 〜5分インキュベートした。インキュベーションが終了すると、100μlの改良 Celcis LDR生物試薬(上記実施例6の(iii))を添加し、放出される光を最初の1 0秒間測定した後、10秒間隔で1分間測定し、Biotrace M3(RTm)発光測定器を使 用して累積様式で光の増加を求めた。最後の測定値から最初の信号値を差し引い て、1分間当たりの信号(カウント)を得た。 本発明方法の効果は、図1を参照することにより示すことができる。図1は、 大腸菌と、ADPとともに5分インキュベートした後のサンプル混合物によって 放出された光との間の統計的に有効な直線的応答が、1サンプル当たり10個の生 物に対して得られ、100個以上の生物に対しては1分のインキュベーションで上 向きとなり、どちらの場合も、検出限界は約10個の微生物である。これは、1分 のインキュベーションの後の100個の生物による相違がほんの26cpmであり、1000 個の場合は67cpmであり、直線的応答は1000個以上の細胞に対してのみ得られるP CT出願公開WO 94/17202の方法と比較して非常に有利である。本発明方法での1 サンプルに対する1000個の細胞による信号の増加は、比較すると、1分後に数千 cpmとなる。 理解されるように、サンプルにおける未知量の微生物に対するアッセイを本発 明方法を使用して行うために、検量線を、図 1および2に示すように(例えば、対数値として)既知数の微生物を発光測定器 のカウントに対してプロットすることにより作成し、未知数の微生物(0個の生 物を含む)を含むサンプルのカウント数を同じプロトコールを使用して誘導し、 そのサンプルの微生物数を、その検量線上の同じカウント数に対応するものとし て推定することができる。 当業者であれば理解されるように、特定の微生物(例えば、細菌)に存在する アデニル酸キナーゼの量は、他の微生物とは異なる可能性がある。例えば、酵母 は、その大きさのために、細菌よりも多くのアデニル酸キナーゼを含み、実際、 個々の酵母はこの方法によって検出することができる。すなわち、所与の微生物 に対しては特定の検量線が必要であり、同じ微生物でも異なる状態(例えば、弱 められた、pHストレスのある、または酸素ストレスのある生物)に対してはそ のような検量線を作成する必要があると考えられる。しかし、既存のATPに基 づく方法に対する本発明方法のさらに別の利点は、アデニル酸キナーゼ含量が、 細胞代謝により消耗されるかなり変化し得るATP含量よりも細胞数とより密接 に関係するということである。 請求の範囲 1.サンプルに存在する微生物および/またはその細胞内物質の存在および/ま たは量を測定する方法において、そのサンプル中のアデニル酸キナーゼの量を、 サンプルをアデノシン二リン酸(ADP)およびマグネシウムイオン源と混合し 、このADPからそのサンプルによって産生するアデノシン三リン酸(ATP) の量を測定し、そのようにして産生したATPの量を微生物および/またはその 細胞内物質の存在および/または量と関連づけることにより推定することを特徴 とする方法。 2.添加するマグネシウムイオンの量を、ADP分子の全部が少なくとも1個の マグネシウムイオンと結合できるように1モルのADPに対して1モルのマグネ シウムを供給するようにマグネシウムイオンを存在させるのに十分であるように することを特徴とする請求項1に記載の方法。 3.サンプルを水性懸濁物または溶液の形態で供給し、微生物および/またはそ の細胞内物質の推定は、ADPおよびマグネシウムイオンを、存在するアデニル 酸キナーゼによりADPがATPに変換する条件下でサンプルに添加し、該サン プルを予 め定めた時間インキュベートして該変換を行い、ルシフェラーゼおよびルシフェ リン試薬を添加し、サンプルから放出される光の量を測定し、それを微生物およ び/またはその細胞内物質の存在および量と関連づけることにより行うことを特 徴とする請求項1または2に記載の方法。 4.サンプルと混合するADPの量が、混合物におけるADP濃度を0.005mM以 上とするのに十分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の 方法。 5.ADPが0.08mM以上であることを特徴とする請求項4に記載の方法。 24.細胞が細菌細胞であり、非イオン洗剤によって放出されるATPを陽イオ ン洗剤および界面活性剤によって放出されるATPから差し引いた残りが細菌細 胞数に関係することを特徴とする請求項20に記載の方法。 25.ADPおよびマグネシウムイオン源を、ADPのATPへの変換が生じる ように微生物のアデニル酸キナーゼをこれらにさらすための抽出剤とともに含む 、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法によって微生物および/または細胞 物質を検出および/または定量するためのテストキット。 26.さらにルシフェラーゼおよびルシフェリンを、ATPの存在下で光を放出 することができる生物発光試薬の形態で含むことを特徴とする請求項25に記載 のテストキット。 27.マグネシウムイオン源をサンプルの採集または希釈溶液として供給するこ とを特徴とする請求項26に記載のテストキット。 28.採集または希釈緩衝液が酢酸マグネシウムを含むことを特徴とする請求項 27に記載のテストキット。 29.ADPが洗剤および/または界面活性剤抽出剤と一緒になっていることを 特徴とする請求項26〜28のいずれか一項 に記載のテストキット。 30.ADP、マグネシウムイオンおよび生物発光試薬が3個の別々の容器で供 給されることを特徴とする請求項26〜29のいずれか一項に記載のテストキッ ト。 31.試薬全部を単一の凍結乾燥試薬として供給することを特徴とする請求項2 6〜29のいずれか一項に記載のテストキット。 32.ADPの純度がATPに対して99.999モル%より高いことを特徴とする請 求項25〜31のいずれか一項に記載のテストキット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD),AM,AT, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C Z,DE,DK,ES,FI,GB,GE,HU,JP ,KE,KG,KR,KZ,LK,LT,LU,LV, MD,MG,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SI,SK,TJ,TT ,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.サンプルに存在する微生物および/またはその細胞内物質の存在および/ま たは量を測定する方法において、そのサンプル中のアデニル酸キナーゼの量を、 サンプルをアデノシン二リン酸(ADP)と混合し、このADPからそのサンプ ルによって産生するアデノシン三リン酸(ATP)の量を測定し、そのようにし て産生したATPの量を微生物および/またはその細胞内物質の存在および/ま たは量と関連づけることにより推定し、ADPのATPへの変換は、ADPのA TPへの最大変換を可能とするのに十分なモル濃度のマグネシウムイオンの存在 下で行うことを特徴とする方法。 2.存在させるマグネシウムイオンの量を、ADP分子の全部が少なくとも1個 のマグネシウムイオンと結合できるように1モルのADPに対して1モルのマグ ネシウムを供給するのに十分であるようにすることを特徴とする請求項1に記載 の方法。 3.サンプルを水性懸濁物または溶液の形態で供給し、微生物および/またはそ の細胞内物質の推定は、ADPおよびマグネシウムイオンを、存在するアデニル 酸キナーゼによりADPが ATPに変換する条件下でサンプルに添加し、該サンプルを予め定めた時間イン キュベートして該変換を行い、ルシフェラーゼおよびルシフェリン試薬を添加し 、サンプルから放出される光の量を測定し、それを微生物および/またはその細 胞内物質の存在および量と関連づけることにより行うことを特徴とする請求項1 または2に記載の方法。 4.サンプルと混合するADPの量が、混合物におけるADP濃度を0,005mM以 上とするのに十分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の 方法。 5.ADPが0.08mM以上であることを特徴とする請求項4に記載の方法。 6.ADPが約0.1mMであることを特徴とする請求項4に記載の方法。 7.ADPがATPへ変換する際の懸濁物または溶液におけるマグネシウムイオ ンの濃度が1mM以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載 の方法。 8.懸濁物または溶液におけるマグネシウムイオンの濃度が10mM以上であること を特徴とする請求項7に記載の方法。 9.マグネシウムイオンが酢酸マグネシウムの形状で供給され ることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。 10.ルシフェリン/ルシフェラーゼ発光試薬を、ADPおよびマグネシウムイ オン源との単一試薬としてインキュベーション開始時にサンプルに添加すること を特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。 11.マグネシウムイオン源およびADPを使用前は乾燥形態または別々の溶液 で保存し、使用直前またはADP変換ステップで一緒にするか、水溶液にするこ とを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。 12.マグネシウムイオン源およびサンプルを、ADPを添加する前に混合する ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。 13.サンプルをマグネシウムイオン源を含む溶液に採集するか該溶液で希釈す ることを特徴とする請求項12に記載の方法。 14.ADPのATPへの変換を、pH5.5〜8.5で行うことを特徴とする請求項 1〜13のいずれか一項に記載の方法。 15.ADP中のATPモル%が0.001%未満であることを特徴とする請求項1 〜14のいずれか一項に記載の方法。 16.ADP中のATPモル%が2×10-8以下であることを特 徴とする請求項15に記載の方法。 17.ADPが混入するアデニル酸キナーゼにより早まってATPに変換するの を防ぐために、ADPをキレート剤の存在下で保存することを特徴とする請求項 15に記載の方法。 18.ルシフェラーゼ/ルシフェリン試薬中のアデニル酸キナーゼ含量が10-7U/ ml未満であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。 19.ルシフェラーゼ/ルシフェリン試薬が、化学的に処理されてそのアデニル 酸キナーゼ活性を消散させたウシ血清アルブミンを含むことを特徴とする請求項 18に記載の方法。 20.サンプルを、微生物細胞を破砕し、そのアデニル酸キナーゼをADPおよ びマグネシウムイオンにさらす抽出剤で処理することを特徴とする請求項1〜1 9のいずれか一項に記載の方法。 21.細胞が菌類胞子または体細胞であり、抽出剤が非イオン洗剤を含むことを 特徴とする請求項20に記載の方法。 22.細胞全部を検出しおよび/または定量するものであり、抽出剤が陽イオン 洗剤を含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。 23.抽出剤がさらに界面活性剤を含むことを特徴とする請求項22に記載の方 法。 24.細胞が細菌細胞であり、非イオン洗剤によって放出されるATPを陽イオ ン洗剤および界面活性剤によって放出されるATPから差し引いた残りが細菌細 胞数に関係することを特徴とする請求項20に記載の方法。 25.ADPおよびマグネシウムイオン源を、ADPのATPへの変換が生じる ように微生物のアデニル酸キナーゼをこれらにさらすための抽出剤とともに含む 、微生物および/または細胞物質を検出および/または定量するためのテストキ ット。 26.さらにルシフェラーゼおよびルシフェリンを、ATPの存在下で光を放出 することができる生物発光試薬の形態で含むことを特徴とする請求項25に記載 のテストキット。 27.マグネシウムイオン源をサンプルの採集または希釈溶液として供給するこ とを特徴とする請求項26に記載のテストキット。 28.採集または希釈緩衝液が酢酸マグネシウムを含むことを特徴とする請求項 27に記載のテストキット。 29.ADPが洗剤および/または界面活性剤抽出剤と一緒に なっていることを特徴とする請求項26〜28のいずれか一項に記載のテストキ ット。 30.ADP、マグネシウムイオンおよび生物発光試薬が3個の別々の容器で供 給されることを特徴とする請求項26〜29のいずれか一項に記載のテストキッ ト。 31.試薬全部を単一の凍結乾燥試薬として供給することを特徴とする請求項2 6〜29のいずれか一項に記載のテストキット。 32.ADPの純度がATPに関して99,999モル%より高いことを特徴とする請 求項25〜31のいずれか一項に記載のテストキット。 33.アデニル酸キナーゼ活性が10-7U/ml未満である生物発光試薬を含むことを 特徴とする請求項25〜32のいずれか一項に記載のテストキット。 34.生物発光試薬が、化学的に処理されてアデニル酸キナーゼ活性を消散させ たウシ血清アルブミンを含むことを特徴とする請求項32に記載のテストキット 。 35.ATPに関する純度が99.999%より高いADPを含む試薬。 36.さらに、混入したアデニル酸キナーゼによるADPのATPへの変換を防 ぐのに十分な量のキレート剤を含むことを特徴とする請求項35に記載の試薬。 37.キレート剤がEDTAを含むことを特徴とする請求項36に記載の試薬。
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