JPH10502527A - TGF−βファミリーの新規な成長/分化因子 - Google Patents

TGF−βファミリーの新規な成長/分化因子

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JPH10502527A JP8503546A JP50354696A JPH10502527A JP H10502527 A JPH10502527 A JP H10502527A JP 8503546 A JP8503546 A JP 8503546A JP 50354696 A JP50354696 A JP 50354696A JP H10502527 A JPH10502527 A JP H10502527A
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Abstract

(57)【要約】 本発明はTGF-βファミリーのタンパク質、そのタンパク質をコードするDNA及びそのタンパク質を含有する医薬組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 TGF−βファミリーの新規な成長/分化因子 本発明は、TGF−βファミリーの新規な成長/分化因子、及びこの因子を コードするDNA配列に関するものである。 BMP、TGF、及びアクチビン/インヒビンに関連した種々のタンパク質 は、成長因子であるTGF−βファミリーに属する物質である(RobertsおよびS porn,Handbook of Experimental Pharmacology 95,419-472(1990))。これら の因子は、医療での多岐にわたる治療方法や用途と関連性を有する物質で、傷の 治癒や組織の再生に関連した種々の方法に用いるのに適している。さらに、TG F−βファミリーのいくつかの物質は、組織の成長、たとえば、骨の成長を誘導 する。 Wozney(Progress in Growth Factor Research 1(1989),267-280)、なら びにValeら(Handbook of Experimental Pharmacology 95(1990),211-248)には 、各種の成長因子、たとえばBMP及びアクチビン/インヒビン群に関連した因 子が記載されている。こうした一群の因子には、有意な構造上の類似性がある。 こうしたタンパク質の前駆体は、アミノ末端シグナル配列、プロペプチド配列、 及び110−140個のアミノ酸からなるカルボキシ末端配列から構成されてお り、このカルボキシ末端配列が、前駆体から切断されて、成熟タンパク質になる 。また、TGF−βファミリーに属する物質には、アミノ酸配列の相同性がある 。成熟タンパク質は、最も保存された配列、具体的には、TGF−βファミリー に属する物質に共通に保存されている7つのシステイン残基を含んでいる。TG F−β様のタンパク質は、多機能性で、ホルモン活性を有する成長因子である。 TGF−βファミリーに属する物質は、細胞の走化性誘引、細胞分化促進、組織 誘導性といった相互に関連した生物活性も有している。EP 0 222 491 A1 には、 インヒビンα鎖及びβ鎖の配列が開示されている。 全体として見れば、TGF−βファミリーのタンパク質は、それぞれに構造 が異なっており、そのため、それぞれの生物学上の機能に相当の差が生じている 。また、TGF−βファミリーのタンパク質は、多岐にわたる各種の組織や発達 段階で見いだされる。その結果、それぞれの機能、たとえば、必要とされる細胞 の生理学的環境、寿命の長さ、標的とする領域、補因子の必要性、変性に対する 抵抗に差が生じている可能性がある。組織誘導能を示すタンパク質は数多く記載 されているものの、そうした物質の生物中での天然の機能や、さらに重要な意味 をもつ医療との関連性については、さらなる詳細な研究が必要とされている。お そらく、各種組織の分化/誘導にとって重要な意味をもつTGF−βファミリー の未知の物質が、まだ存在しているものと考えられる。しかし、そうした新規な TGF−β様タンパク質の単離に際しては、そうしたタンパク質の機能がきっち り記載されておらず、識別性の高い生物学的分析方法を開発できないことが最大 の障害となっている。一方、TGF−βファミリーの既知の物質との予期される ヌクレオチド配列の相同性は、従来の核酸ハイブリダイゼーション法によるスク リーニングを行うには小さすぎる。ともあれ、医療上所望される要件をすべて満 たす誘導性及び分化性のタンパク質をさらに提供するべく、新規なTGF−β様 タンパク質の単離及び特性解析が必要とされている。これらの因子は、医療に際 して、傷創の治癒や、各種組織の変性を伴う疾病の治療に使用することができる 。 TGF−βファミリーのタンパク質であるMP121のヌクレオチド配列及 びアミノ酸配列が、特許出願PCT/EP93/00350に記載されており、この特許出願に は、成熟タンパク質に対応する、配列の主要部分が開示されている。プロペプチ ドMP121の完全な配列は開示されていない。 本発明の底流にある目的は、マイトジェン活性および/または分化誘導活性 を有するTGF−βタンパク質ファミリーの新規な物質をコードするDNA配列 を提供することにある。本発明の目的は、特に、TGFタンパク質であるMP1 21の完全なDNA配列及びアミノ酸配列を提供することにある。 この目的は、TGF−βファミリーのタンパク質をコードする以下のDNA 分子によって達成される。すなわち、この分子は、 (a) 成熟タンパク質をコードする部分、及び必要に応じて配列番号1に示す ヌクレオチド配列のさらなる機能性部分、 (b) 遺伝コードの縮重の範囲内にある、(a)の配列に対応するヌクレオチ ド配列、 (c) (a)および(b)の配列のいずれかの対立遺伝子誘導体に対応するヌ クレオチド配列、あるいは (d) 他の脊椎動物由来であるという事実ゆえに、配列(a)と異なる配列、 (e) (a)、(b)、(c)又は(d)の配列のいずれかとハイブリダイズ する配列を含み、ただし、(e)のDNA分子は、少なくとも、TGF−βファ ミリーの成熟タンパク質をコードする部分を含んでいる。 本発明のさらなる実施態様は、請求の範囲第2−10項の主題に関するもの である。本発明の他の特徴及び利点は、好適実施態様の記載から明らかである。 配列表と図面について、以下に簡単に説明する。 配列番号1は、ヒトのTGF−βタンパク質であるMP121をコードする DNAの完全なヌクレオチド配列を示す。ATG開始コドンは、ヌクレオチド1 28から開始する。完全な成熟タンパク質は、ヌクレオチド836から開始する のが、特に好ましい。 配列番号2は、配列番号1に示すヌクレオチド配列から導いた、ヒトのTG F−βタンパク質であるMP121のプレプロタンパク質の完全なアミノ酸配列 を示す。成熟タンパク質の開始点は、アミノ酸217−240の領域であるのが 好ましく、アミノ酸236又は237であるのが特に好ましく、アミノ酸237 であるのが最も好ましい。 配列番号3は、マウスのTGF−βタンパク質であるMP121をコードす るDNAの完全なヌクレオチド配列を示す。コード領域は、ヌクレオチド131 のATG開始コドンから始まり、1187の位置から始まる停止コドンで終わっ ている。成熟タンパク質は、ヌクレオチド839から開始するのが好ましい。約 5.5kbの大型のイントロンが、ゲノムDNAの446と447の間に位置し ている。 配列番号4は、配列番号3に示すヌクレオチド配列から導いた、マウスのT GF−βタンパク質であるMP121のプレプロタンパク質の完全なアミノ酸配 列を示す。成熟タンパク質は、配列番号2のヒトMP121の場合と同様、アミ ノ酸217−240の領域から始まっている。成熟タンパク質がアミノ酸237 から始まり、ヒトMP121の場合と同様に、成熟部分が116個のアミノ酸か ら構成されているのが最も好ましい。TGF−βファミリーの物質は、RXXR 切断部位の後ろ側で切断されて、前駆体から成熟部分が分離することが多い。( された文献を参照されたい)。マウス由来のMP121の場合には、成熟タンパ ク質の開始点が、アミノ酸236である場合も、少なくともありうる考えられる 。 配列番号5は、ヒトMP121遺伝子のエクソン/イントロンが接する位置 のヌクレオチド配列を示したものである。両方のエクソンからのヌクレオチドは 大文字で、イントロンのヌクレオチドは小文字で示してある。 図1は、ヒトMP121のアミノ酸配列を、TGF−βファミリーのいくつ かの物質(インヒビンα鎖およびβ鎖)と比較したものを、保存されているシス テイン残基7つの最初のものの位置から示す。*は、比較したすべてのタンパク 質でアミノ酸が同一であることを、+は、ヒトMP121と比較したタンパク質 の少なくとも1種でアミノ酸が一致することを示す。 図2は、本発明で使用したオリゴヌクレオチドプライマーのヌクレオチド配 列、及びこれらの配列とTGF−βファミリーの既知の物質との比較を示す。M はA又はCを表し、SはC又はGを表し、RはA又はGを表し、KはG又はTを 表す。図2aは、プライマーODの配列を示す。図2bは、プライマーOIDの 配列を示す。 図3は、ヒトMP121に対するニワトリの抗体を使用したウェスタン・ブ ロットの図を示す。 図4は、各種マウス組織でのMP121の発現を、アクチビンβAおよびβB との比較で示す。 図5は、部分精製MP121を用いた処理による、ドーパミン作動性ニュー ロンの生存に及ぼす正の影響を示す。 本発明の範囲では、「成熟タンパク質」という用語は、完全なタンパク質の うちの、完全なタンパク質と本質的に同一の生物活性を示すような機能性部分の 領域であって、好ましくは、TGF−βファミリー内で保存されている7つのシ ステインの領域を少なくとも含む部分領域である。この場合、特に、成熟タンパ ク質のN末端にわずかに変化が生じていてもよく、すなわち、配列番号2および 4に示す配列から変化が生じていてもよい。ちなみに、タンパク質の機能性に影 響を及ぼさない追加のアミノ酸が存在していてもよいし、機能性が損なわれるこ とがないならば、いくつかのアミノ酸が欠落していてもよい。しかし、ヒトのタ ンパク質及びマウスのタンパク質は、配列番号2および配列番号4に示すアミノ 酸配列のアミノ酸237から始まる全てのアミノ酸を含んでいるのが好適である 。TGB−βファミリーの他の物質から成熟タンパク質のN末端に追加のアミノ 酸が付加しても、活性に影響が及ぶことはないことが、特に、N末端に6個の追 加のヒスチジンが付加した場合についてわかっている。 したがって、本発明は、上記定義の成熟タンパク質をコードする部分、及び 、必要に応じて配列番号1に示すヌクレオチド配列のさらなる機能性部分を包含 するものであり、遺伝コードの縮重の範囲内でこうした配列に対応する配列、及 びこうした配列の対立遺伝子誘導体も包含するものである。さらに、本発明は、 他の哺乳動物から得られ、その由来ゆえに配列がわずかに異なるものの基本的に は同一の生物学的機能、及びわずかにのみ異なる配列を有しているTGB−βフ ァミリーのタンパク質をコードするDNA配列も包含する。配列番号1と配列番 号3を比べるとわかるように、こうした配列同士は、極めて高度の対応を示す。 さらに、本発明には、TGB−βファミリーの成熟タンパク質(上記定義の 通り)をコードする部分を完全に含み、生物活性が保持されているのであれば、 こうした配列とハイブリダイズする配列も包含される。 本発明の意味内容では、「機能性部分」という用語は、たとえば、シグナル ペプチド、プロペプチド又は成熟タンパク質部分として作用しうるタンパク質の 部分を称する。すなわち、この部分は、MP121の天然の一部分が有する生物 学的機能の少なくとも一つを果たすものである。 好適なヒトMP121の場合、タンパク質の成熟部分をコードしている領域 は、配列番号1に示す配列のヌクレオチド836から、ヌクレオチド1184か ら始まる停止コドンまでの領域であるのが好ましい。DNA分子は、必要に応じ て、配列番号1に示す配列のさらなる機能性部分、すなわち、シグナルペプチド および/またはプロペプチド部分をコードするヌクレオチド配列をさらに含んで いてもよい。DNA分子が、シグナルペプチド及びプロペプチド部分の配列、な らびに成熟タンパク質部分、すなわち、配列番号1に示す配列のヌクレオチド1 28−1184から構成されているのが、特に好適である。好適なマウスMP1 21の場合、タンパク質の成熟部分をコードしている領域は、配列番号3に示す 配列のヌクレオチド839から、1187の位置から始まる停止コドンまでの領 域であるのが好ましい。この場合も、DNA分子は、必要に応じて配列番号3に 示す配列のさらなる機能性部分、すなわち、シグナルペプチドおよび/またはプ ロペプチド部分をコードするヌクレオチド配列をさらに含んでいてもよい。 一方、DNA分子は、成熟タンパク質コード領域に加えて、他のタンパク質 、たとえばシスチン・ノット・モチーフ(cystine knot motif)を有するタンパク 質(Cell 73(1993),421-424)、特にTGF−βファミリーの他のタンパク質、 たとえば上述のアクチビン/インヒビン又はBMPタンパク質、特にMP52( PCT/EP94/02630参照)の機能性のシグナルペプチドおよび/またはプロペプチド 部分を包含することもできる。それぞれのヌクレオチド配列は、上記引用文献中 に記載されており、本明細書は、これらの引用文献の開示内容に言及するもので ある。こうした場合、成熟タンパク質の正しいリーディング・フレームが保存さ れることが重要である。発現がどの宿主細胞で生じるかに応じて、こうした別の シグナル配列および/または別のプロペプチド部分が、発現にポジティブな影響 を及ぼす可能性がある。プロペプチド部分の、他のタンパク質の対応部分による 置換は、たとえば、Mol.Endocrinol.5(1991),149-155、およびProc.Natl.A cad.Sci.USA 90(1993),2905-2909に記載されている。 本発明の範囲に包含される対立遺伝子配列、縮重による配列及びハイブリダ イズ可能な配列、ならびに他の脊椎動物由来の配列は、ヌクレオチド、および/ またはアミノ酸配列のわずかな変化ゆえに構造にちがいがあるものの、こうした 配列によってコードされるタンパク質でも、同一の有用な特性が本質的に保持さ れており、ほぼ同じ医療分野の用途への使用が可能である。 本発明では、「ハイブリダイゼーション」という用語は、通常のハイブリダ イゼーション条件、好ましくは、62−66°Cで塩濃度6xSSCの後に、6 2−66°Cで0.6xSSC、0.1%SDSという条件を示す。 本発明の好適実施態様は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、たとえばブタ、 ウシ及びげっ歯類(たとえばラット又はマウス)、特に霊長類(たとえばヒト) から得ることができ、あるいはそうした対応配列からコピーされた上記定義のD NA配列である。 本発明の特に好適な実施態様は、配列番号1および3に示す配列であり、ヒ ト又はマウスMP121配列と称されるものである。MP121の転写物は肝臓 組織から得られ、この転写物は、インヒビン/アクチビン様タンパク質の成熟部 分と相当なアミノ酸の相同を示すタンパク質をコードしている(図1参照)。ヒ トα−インヒビン、インヒビンβA(アクチビンβA)、及びインヒビンβB(ア クチビンβB)は、Mason ら(Biochem.Biophys.Res.Comm.135,957-964(198 6))に記載されている。既知のインヒビン配列に特有のいくつかの典型的な配列 上の相同がMP121のプロペプチド部分にも見いだされたものの、MP121 のプロペプチドのそれ以外の部分は、インヒビンのプロペプチドとは相当異なっ ていた。 しかし、これまでの知見では、MP121の発現パターンとアクチビンの発 現パターンとでは差があることが示されている。アクチビンが主に生殖巣で発現 されるのに対し(アクチビンβAが卵巣で発現され、アクチビンβBが精巣及び卵 巣で発現される)、MP121は主に肝臓で発現される。しかし、現在のところ 、実験の感度が不十分でわずかな発現までは検出できていない。アクチビンの場 合については、たとえば文献に、成熟ラット中(Meunier ら、Proc.Natl.Acad .Sci.USA 85,247-251(1988))、ならびに胚発生の段階で(Robertsら、Endoc rinology 128,3122-3129(1991))、生殖巣以外の各種の組織でも発現が検出さ れたことが記載されている。したがって、MP121の発現が今後も他の組織で 検出される可能性がある。 本発明はまた、本発明のDNA分子のコピーを少なくとも1つ含むベクター にも関するものである。この種のベクターでは、本発明のDNA配列は、発現制 御配列と作動可能なかたちで連結されているのが好ましい。この種のベクターは 、安定的又は暫定的に形質転換された細胞で、TGF−β様タンパク質を生産す るのに適している。形質転換及びその後の培養には、各種の動物、植物、菌類及 び細菌の系を使用することができる。本発明のベクターは、好ましくは、宿主細 胞中での複製に必要な配列を含んでおり、自律的に複製可能である。また、宿主 細胞の形質転換の検出手段として使用できる選択性マーカー遺伝子を含むベクタ ーを使用することが好ましい。 本発明はまた、本発明のDNA又は本発明のベクターで形質転換された宿主 細胞にも関するものである。適当な宿主細胞の例としては、大腸菌、昆虫細胞、 植物細胞、哺乳動物細胞などの各種真核及び原核細胞、ならびに酵母などの菌類 がある。 本発明はまた、請求の範囲第1項のDNA配列によってコードされるTGF −βファミリーのタンパク質にも関するものである。本発明のタンパク質は、好 ましくは配列番号2又は配列番号4に示すアミノ酸配列、あるいは所望の場合に は、その機能性部分(上記定義の通り)を有しており、治療用途に関連性のある 可能性がある生物学的特性、たとえば組織誘導特性を示す。上述したようなタン パク質の性質は、「シスチン・ノット・モチーフ」を有する他のタンパク質、特 にTGF−βタンパク質とのホモ二量体あるいはヘテロ二量体の形成に応じて異 なったものであってよい。こうした構造も、臨床上の各種の用途で適当である可 能性があり、したがって、こうした構造も、本発明の主題である。好適なヘテロ 二量体としては、本発明のタンパク質の単量体と、α、βA、又はβBインヒビン 鎖の単量体とから構成された二量体がある。ヘテロ二量体の形成によって生じた 特性は、アクチビンあるいはインヒビンの特性により近いものとなる可能性があ る。たとえば、インヒビンαタンパク質、あるいは他のインヒビンβタンパク質 との間でヘテロ二量体が形成された場合には、MP121/インヒビン(α鎖) 又はMP121/アクチビン(βA又はβB鎖)ヘテロ二量体が、濾胞剌激ホルモ ン(FSH)の形成を阻害したり、活性化したりする可能性がある。MP121 /アクチビンヘテロ二量体は、中胚葉の発達にも影響を及ぼす可能性がある。さ らに、TGF−βタンパク質のBMP群に属する物質とのヘテロ二量体形態は、 BMP様の活性、たとえば、骨形成誘導又は促進能、軟骨形成能、あるいは結合 組織形成能の増大を招くことが予測される。 したがって、本発明は、「シスチン・ノット・モチーフ」を有するタンパク 質の単量体、好ましくは、TGF−βファミリーの他の物質の単量体を含む、請 求の範囲第1項に記載されたDNA配列によってコードされる本発明のTGF− βファミリーのタンパク質のヘテロ二量体タンパク質にも関するものである。類 似したヘテロ二量体タンパク質が、WO93/09229、EP 0 626 451 A2、ならびにJ. Biol.Chem.265(1990),13198-13205に記載されている。 本発明はまた、本発明のDNA配列によってコードされるタンパク質、好ま しくは配列番号2又は配列番号4に示すタンパク質の機能性誘導体又は一部分、 特に成熟タンパク質の機能性部分と、さらに、他のタンパク質の一部分を有する キメラタンパク質にも関するものである。この場合も、他のタンパク質は、「シ スチン・ノット・モチーフ」を有するタンパク質、好ましくはTGF−βファミ リーにも属するタンパク質、たとえば、特にMP−52(PCT/EP94/02630)とす ることができる。しかし、完全に異なったタンパク質の一部分、たとえば、当初 のMP121タンパク質にもっと別の特異性を付与するような受容体結合性ドメ インが存在していてもよい。 本発明のタンパク質、好ましくはMP121の生物学的特性は、たとえば、 Wranaら、(Cell 71,1003-1014(1992))、Lingら(Proc.Natl.Acad.of Scien ce,82,7217-7221(1985))、Takuwaら(Am.J.Physiol.257,E797-E803(1989)) 、Fann および Patterson(Proc.Natl.Acad.of Science,91,43-47(1994)) 、Broxmeyer ら(Proc.Natl.Acad.of Science,85,9052-9056(1988))、Gre enら(Cell,71,731-739(1992))、Partridgeら(Endocrinology,108,213-219( 1981))、あるいはKrieglsteinら(Embo J.14,736-742(1995))に記載の分析 方法によって調べることができる。 アクチビンA、ならびにTGF−β1、TGF−β2、およびTGF−β3 は、in vitroで、ドーパミン作動性ニューロンの生存を促進することが記載され ている(Krieglstein ら、EMBO J.14,736-742(1995)、およびKrieglsteinら、 Neuroscience 63,1189-1196(1994))。部分精製MP121の場合には、8日を 経過した培養中でのドーパミン作動性ニューロンの生存が、対照上清による影響 の場合と比べて促進されることを示すことができた(図5)。 本発明はまた、本発明のDNA又は本発明のベクターで形質転換した宿主細 胞を培養し、細胞および/または培養上清からTGF−βタンパク質を単離する ことを特徴とするTGF−βファミリーのタンパク質の製造方法にも関するもの である。この方法では、形質転換した宿主細胞を適当な培養液中で培養し、形成 されたTGF−β様のタンパク質を精製する。こうして、本方法によって、医療 上の処置、あるいは成長因子が必要とされる細胞培養技術を使用する用途に供す るべく、適切な量の所望のタンパク質を産生することが可能となる。宿主細胞は 、枯草菌又は大腸菌などの細菌、酵母などの菌類、タバコ、ジャガイモ、又はア ラビドプシスなどの植物細胞、あるいは動物細胞、特に脊椎動物の株化細胞、た とえばMo、Cos又はCHO株化細胞、あるいは昆虫の株化細胞とすることが できる。バキュロウイルス系を使用すると、昆虫の幼虫での発現も可能となる。 細菌中で生産させる場合には、本発明のタンパク質を封入体の形で生産すること ができる。これらの封入体を、その後公知の方法で変性すると、タンパク質が活 性の形態で得られる(たとえば、Jaenicke,R.およびRudolph,R.,Protein St ructure,ed.Creighton,T.E.,IRL Press,第9章を参照のこと。)。TGF −βファミリーの他のタンパク質とのヘテロ二量体タンパク質を生産するにあた っては、双方のタンパク質モノマーを、同一の細胞で、あるいは封入体の形成と ともに共通の復元を行うのが適当であるような過程で別々に発現させる。同一細 胞内で同時に発現させる場合には、ウイルス系、たとえばバキュロウイルス系又 はワクチニアウイルス系が特に適当である。ヘテロ二量体タンパク質の製造は当 業者にとっては基本的に公知であり、たとえばWO/93/09229及びEP 0 626 451 A2 に記載されている。 他のタンパク質の一部分を含むキメラタンパク質の製造は、DNAレベルで の相応の変化を必要としており、こうしたことは、当業者にとっては周知で、実 施可能である(EMBO J.10(1991),2105-2110; Cell 69(1992),329-341; J. Neurosci.39(1994),195-210)。 本発明のさらに別の主題は、活性物質として、本発明のTGF−β様タンパ ク質を薬剤学的に有効量含有する薬剤組成物を提供することにある。所望に応じ て、この薬剤組成物は、薬剤として許容される担体又は助剤、希釈剤あるいは賦 形剤を含有している。この種の薬剤組成物は、単独で、あるいは他の活性物質、 たとえばEGF(表皮成長因子)又はPDGF(血小板由来増殖因子)などのT GF−βファミリーの他のタンパク質又は成長因子と組み合わせて、創傷の治癒 や組織の再生に際して使用することができる。さらに、この種の薬剤組成物は、 疾病の予防に使用することもできる。 また別の主題は、本発明のヘテロ二量体タンパク質、および/またはキメラ タンパク質を含有する薬剤組成物である。 本発明の薬剤組成物は、骨、軟骨、結合組織、皮膚、粘膜、内皮、上皮、ニ ューロン、脳、腎臓又は歯の損傷の治療および予防、歯科インプラントに際して の用途、創傷の治癒および組織の再生過程での形態形成因子としての用途、肝臓 組織の増殖の誘導、前駆体細胞又は骨髄細胞の増殖の誘導の用途、分化状態の保 持、ならびに生殖能の傷害の治療又は避妊に使用するのが好ましい。さらに、本 発明の薬剤組成物は、代謝関連の疾病、たとえば消化器系疾患又は血糖レベルに 関連した疾患にも有用である。 本発明のTGF−β様タンパク質を使用しうる臨床上の用途としては、さら に、移植器官の拒絶反応を防止するための免疫反応抑制剤としての使用、あるい は脈管形成に関しての使用がある。本発明のタンパク質は、また、生殖能を高め たり、避妊したりする際にも使用できる。本発明の薬剤組成物は、予防的に、あ るいは美容手術にも使用できる。さらに、この組成物の適用対象はヒトに限定さ れておらず、種々の動物、特にペット動物及び家畜にも適用が可能である。 したがって、他のタンパク質又は他の単量体の部分を使用して、所望に応じ て、ヘテロ二量体タンパク質及びキメラタンパク質の用途及び特異性の範囲を変 更することができる。 一般に、MP121の発現に関連した疾病は、本発明のタンパク質を使用し て、存在しているMP121の量又は活性を増大させることによって、あるいは 、MP121の活性を抑制したりすることによって、治療することができる。し たがって、本発明は、MP121の翻訳を抑制するアンチセンス核酸及びリボザ イムにも関するものである。こうした抑制は、mRNAをアンチセンス核酸でマ スクしたり、リボザイムで切断したりすることによって達成されうるものである 。 アンチセンス核酸の製造は、公知である(Weintraub,H.M.,Scientific Am erican 262: 40(1990))。アンチセンス核酸は、それぞれのmRNAとハイブリ ダイズし、それ以上翻訳され得ない2本鎖分子を形成する。アンチセンス核酸の 使用は、たとえば、Marcus-Sekura,C.J.,Anal.Biochem.172(1988),p.289- 295 から公知である。 リボザイムは、DNAエンドヌクレアーゼと同様に、他の一本鎖RNA分子 を特異的に切断しうるRNA分子である。リボザイムの製造については、Cech, J.Amer.Med.Assn.260(1988),p.3030に記載されている。 ちなみに、本発明では、本発明のDNA配列を含む適当なベクターを、in v itro又はin vivoで患者の細胞にトランスフェクトすることも、ベクターをin vi troで細胞にトランスフェクトしてから細胞を患者に移植することもできる。M P121のアンチセンスポリヌクレオチドを、MP121の望ましくない発現を 示している細胞に導入することも可能である。 MP121の活性は、MP121とは異なり、信号のそれ以上の伝達の引き 金とならないMP121の受容体にMP121分子を結合させることによっても 抑制することができる。 したがって、本発明の範囲では、細胞上に位置するMP121の受容体も重 要である。受容体を見いだす際には、まず、各種の株化細胞について、放射標識 したMP121(125I−MP121)との結合特性について調べ、その後架橋 すればよい。その後、MP121と結合する細胞から、発現ベクター(インビト ロゲン(InVitrogen)から入手可能)を用いてcDNAライブラリーを構築すれ ばよい。受容体cDNAでトランスフェクトされた細胞は、放射標識MP121 との結合によって選択することができる。こうした方法は当業者にとっては公知 の方法であり、たとえばアクチビンの単離(Mathews,L.S.およびVale,W.W. ,Cell 65(1991),973-982)、ならびにTGF−βII型受容体の単離(Lin,H .Y.ら、Cell 68(1992),775-785)に使用されている。公知のアクチビン受容体 の場合と同様に、MP121受容体も、このファミリーに属する受容体複合体で あると考えられ、当業者にとって公知のさらに別の方法、たとえば縮重オリゴ ヌクレオチドを用いたPCRを使用して、ヘテロマー複合体の一部を見いだすこ とができる。この方法は、たとえば、アクチビン及びTGF−βI型受容体(Ts uchidaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90(1993),11242-11246; Attisanoら 使用されたものである。 最後に、本発明は、本発明のタンパク質と特異的に結合しうる抗体、あるい はそうした抗体の断片(たとえば、Fab又はFab’)にも関するものである 。この種の特異的抗体又は抗体断片の製造方法は、平均的な当業者の一般知識に 属するものである。この種の抗体は、好ましくはモノクローナル抗体である。こ うした抗体又は抗体断片の診断方法への使用も適当である。 本発明を、さらに以下の実施例によって例示する。 実施例1 MP121の単離 1.1 ヒト肝臓組織(40歳の男性)から、Chirgwin ら(Biochemistry,18 ,5294-5299(1979))の方法にしたがって、全RNAを単離した。オリゴ(dT )クロマトグラフィーを製造業者(Stratagene、poly(A)Quick columns)の指示 にしたがって行うことにより、この全RNAからポリ(A+)RNAを分離した 。 1.2 逆転写反応のために、1−2.5μgのポリ(A+)RNAを、65° Cに5分間加熱し、氷上で急冷した。反応混合物は、ポリ(A+)RNA1μg あたり、27UのRNA-Guard(Pharmacia)、2.5μgのオリゴ(dT)12-18( Pharmacia)、5x緩衝液(250ミリモル/lのTris/HCl(pH8. 5)、50ミリモル/lのMgCl2、50ミリモル/lのDTT、5ミリモル /lの各dNTP、600ミリモル/lのKCl)、ならびに20UのAMV逆 転写酵素(Boehringer Manheim)を含有していた。反応混合物(25μl)を4 2°Cで2時間にわたってインキュベートした。cDNAのプールを−20°C で保存した。 1.3 図2に示すデオキシヌクレオチドプライマーOD及びOIDを、自動D NA合成装置(Biosearch)で調製した。精製は、変性ポリアクリルアミドゲル 電気泳動を行い、アイソタコフォレーシス(isotachophoresis)によってゲルか ら主要なバンドを単離することによって行った。オリゴヌクレオチドは、TGF −βファミリーの既知の物質の核酸配列を比較し、保存度の高い領域を選択する ことによって設計した。この領域の比較を図2に示す。クローニングしやすくす るために、双方のオリゴヌクレオチドとも、EcoRI切断部位を含むものとし 、ODは、さらに、5’末端にNcoI制限切断部位を含むものとした。 1.4 PCR反応では、20ngのポリ(A+)RNAに対応するcDNAを 出発原料として使用した(1.2参照)。反応は、50μlの容量で行い、1x PCR緩衝液(16.6ミリモル/lの(NH42SO4、67ミリモル/lの Tris/HCl(pH8.8)、2ミリモル/lのMgCl2、6.7マイク ロモル/lのEDTA、10ミリモル/lのβ−メルカプトエタノール、170 μg/mlのウシ血清アルブミン(Gibco)、200マイクロモル/lの各dNT P(Pharmacia)、30ピコモルの各オリゴヌクレオチド(OD及びOID)、 ならびに1.5UのTaqポリメラーゼ(AmpliTaq,Perkin Elmer Cetus))を 含有するものとした。反応混合物をパラフィンで覆い、40PCRサイクルを行 った。PCRの生成物を、フェノール/クロロホルムでの抽出によって精製し、 エタノールでの沈殿によって濃縮した。 1.5 PCR生成物の半量を、制限酵素SphI(Pharmacia)及びAlwN I(Biolabs)を製造業者の指示にしたがって使用することによって切断した。 もう一方の半量は、AvaI(BRL)、AlwNI(Biolabs)及びTfiI(Bi olabs)を使用した一連の反応で切断した。制限は100μlで行い、8Uの酵 素を37°Cにて2−12時間使用した(ただし、TfiIは65°Cで使用) 。 1.6 制限酵素による切断の生成物は、アガロースゲル電気泳動によって分画 した。 臭化エチジウムで染色した後、切断されなかった増幅生成物をゲルから切り出し 、フェノールによる抽出で単離した。その後、得られたDNAをフェノール/ク ロロホルムによる抽出で2回精製した。 1.7 単離されたDNAの1/4又は1/5をエタノールで沈殿させた後に、 サイクル数を13に減らした以外は最初の増幅の際と同一の条件を使用して再度 の増幅を実施した。さきに増幅生成物について記載したようにして、再増幅生成 物を精製し、上記と同一の酵素で切断し、切断されなかった生成物をアガロース ゲルから単離した。再増幅の工程を繰り返した。 1.8 最後にゲルから単離した後、増幅生成物を、4UのEcoRI(Pharma cia)で、製造業者が推奨する条件にて切断した。制限混合物の1/4を、Ec oRIで予め切断しておいたpBluescript SK+(Stratagene)ベ クターにライゲーションした。ライゲーション後、各酵素の組み合わせについて 、24クローンをさらに配列決定することによって分析した。AlwNIとSp hIで切断した混合物には新規な配列は見いだされず、BMP6及びインヒビン βA配列のみが含まれていた。19の同一の新規配列(MP121と称する)が 、AvaI、AlwNI及びTfiIで切断した混合物中に見いだされた。これ らのプラスミドをpSK−MP121(OD/OID)と名付けた。配列の1つ は、主に見いだされた配列とヌクレオチド2つだけ異なっていた。ライゲーショ ン及び大腸菌の形質転換を、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory M anual (1989)の記載にしたがって行った。 そのクローンは Frohmann(Perkin-Elmer Corp.刊,Amplifications,5,11-15 (1990))が詳細に述べている方法に従って、cDNAの3'端方向に向かって作成 した。最初のMP121 断片を単離するのに用いられたものと同じ肝由来mRNAを アダプタープライマー(AGAATTCGCATGCCATGGTCGACGAAGC-T16)にリンクしたオリゴ dT(16mer)を用い、上述の方法で逆転写した。増幅はアダプタープライマー(AGAA TTCGCATGCCATGGTCGACG)及びMP121 の配列に従って調製した内部プライマー(GGCT ACGCCATGAACTTCTGCATA)を用いて行った。さらにMP121 の配列に従って調製した 別の内部プライマー(ACATAGCAGGCATGCCTGGTATTG)及びアダプタープライマーを用 いて増幅産物を製造した。SphIで切断した後、再増幅産物は同様な方法で切断し たPT7/T3U19 ベクター(Pharmacia)にクローニングし、配列を調べた。得られた クローンはMP121 配列の既知部分との配列の重複により、特徴付けを行った。P1 21Lt3'MP13と名付けたクローンはNcoI(T4ポリメラーゼを用いて平滑末端を作っ た)/SphI 断片の単離に用いた。この断片は上記のpSK-MP121(OD/OID)ベクター のうちの一つにクローニングした。そのpSK-MP121 ベクターのODプライマー配列 はpSK 多重クローニング部位のT7プライマーの方向に向いていた。このため、そ のベクターをSphI及びSmaIで切断し、構築物をpMP121DFus6 と名付けた。それは 配列番号1に示すMP121 の配列の922 番から1360番を含む。 1.9 pMP121DFus6 のDdeI断片は配列番号1の931 番から1304番であり、ヒト肝 cDNAライブラリー(Clonetech,#HL3006b,lot 36223)のスクリーニングに用 いた。スクリーニングはAusubel ら(Current Protocols in Molecular Biology ,Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience刊,1989)により詳細 に記されているとおり行った。8.1x105のファージから24個の混合プラークをと り分離した。DdeI断片からLO2 プライマー(ACATAGCAGGCATGCCTGGTATTG)及びLOI1 プライマー(CTGCAGCTGTGTTGGCCTTGAGA)を用いたPCR で陽性シグナルを示すクロ ーンを10個選び、分離した。そのファージからEcoRI での切断によってcDNA を単離し、pBluescript SKベクター(これもEcoRI で切断したもの)中にクロー ニングした。 この結果得られたプラスミドの1つであるSK121L9.1 の配列を調べた結果、3 つの終止コドンが開始コドンの前の62、77、及び92番のフレーム中に存在するこ とから開始コドンは配列番号1の128 番から始まることを示していた。他のTGF- βタンパク質の配列から類推すれば、成熟MP121 は配列番号1の836 番から開始 されるがそれは配列番号2の237 番のアミノ酸に対応する。終止コドンは配列番 号1の1184番から始まる。 プラスミドSK121L9.1 は1994年4 月26日付けでDSMに寄託し、受託番号は9177 である。 1.10 マウスからのMP121 のcDNA及びゲノムDNAの単離 マウスからMP121 配列を単離するためにヒトMP121 配列の情報を用いた。ここ で用いた方法は当業者には公知のものであり、例えばCurrent Protocols in Mol ecular Biology(Ausubelら,Greene Publishing Associates and Wiley-Intersc ience,Wiley & Sons,1987-1995)又はMolecular Cloning(Sambrookら,第2版 ,Cold Spring Harbour Laboratory Press 1989)に記載されている。 最初にヒトMP121 に由来し、5’末端にさらにEcoRI 又はSalIによって制限分解 される部位を含むプライマーACGAATTCCGACGAGGCATCGACTGC及びGCGTCGACTACCATGT CAGGTATGTCを合成した。これらのプライマーはマウスゲノムDNAの増幅に用い た。その結果得られた0.35kbの断片をBluescriptベクター(Stratagene)にサブク ローニングし、放射活性プローブとして用いた。マウスゲノムDNAのλバンク 及びcDNAのバンクを標準的な方法に従いスクリーニングした。cDNAはマ ウス肝から単離したRNAで合成し、λgt10にEcoRI/NotIリンカーを用いてクロ ーニングした。MP121 クローンはゲノム及びcDNAバンクから単離した。完全 長のコード配列を含むcDNAをBluescriptベクターSK(Stratagene)のEcoRI 切 断部位にサブクローニングし、その結果できたプラスミドSKMP121(マウス)を1 995年10月5 日付でDSM に寄託した(DSM 9964)。完全長の配列は配列番号3に示 す。開始コドンは配列番号3の131 番から始まり、1187番から始まる終止コドン で終わる。その配列に由来するタンパク質を配列番号4に示す。ゲノムバンクか ら得たMP121 を含むクローンをサブクローニング及び分析したところ、MP121 配 列には約5.5kb のプロペプチド部分に1つのイントロンが含まれることが示され た。このイントロンは配列番号3の446 番と447 番との間に位置している。エク ソン/ イントロン結合部分は配列番号5に示した。実施例2 MP121 の発現 MP121 の発現は真核細胞系、原核細胞系のいずれでも可能である。 MP121 の成熟部分のみを原核細胞系での発現に用いた。精製後、大腸菌中でモ ノマーとして発現させた成熟MP121 を折り畳んで、ダイマーに戻すことができた 。MP121 の精製を単純化するため、成熟タンパク質のN 末端にさらに6つのヒス チジンを付加し、ニッケル・キレートカラムへ結合させることにより精製が容易 となるようにした。 1例として、ヒトMP121 の成熟部分(配列番号2の237 番から352 番のアミノ 酸)にさらに13個のアミノ酸(N 末端の6個のヒスチジンを含む、(MHHHHHHKLEF AM)を付加し、原核細胞系ベクターpBP4に発現させた。このベクターはpBR322由 来のものでテトラサイクリン耐性を有し、さらにpBluescript II SK プラスミド (Stratagene)から得たT7プロモーターを含んでいる。さらにこのベクターはT7プ ロモーターの後ろにリボゾーム結合部位を持ち、また、6個のヒスチジンのコド ンの前に開始コドンを有する。3つのリーディングフレームの全てにおいて、イ ンサート及び終止コドンの挿入のために、ターミネーター(Tφ)をいくつかの単 独の制限酵素切断部位、例えば、EcoRI、XhoI、SmaIやApaIの後ろに置いてある 。MP121 の成熟部分のcDNAを得るため、プラスミドSK121L9.1(DSM 受託番 号:9177)について2種のオリゴヌクレオチド、GAATTCGCCATGGGCATCGACTGCCAAG GAGG及びCCGCTCGAGAAGCTTCAACTGCACCCACAGGCを用いてPCR を行った。2つのオリ ゴヌクレオチドはさらにその末端に制限酵素切断部位を含んでいる(EcoRI及びNc oI、又はXhoIおよびHindIII)。中間段階において、その結果できた377bp の断片 を、EcoRV で切断したpBluescript II SK ベクター(Stratagene)に平滑末端でク ローニングした。MP121 の5’末端のT7プロモーターの方向の1つのクローンを EcoRI で切断し、その結果得られたインサート(0.38kb)をpBP4ベクター(EcoRIで 切断)にクローニングした。その結果できたプラスミドpBP4MP121Hisにインサー トが正しい方向に挿入されていることは、制限酵素分析と配列で確認した。プラ スミドpBP4MP121Hisは1995年1 月30日付でDSM に寄託した(受託番号:9704)。MP1 21 タンパク質の発現はT7RNAポリメラーゼを同時に供給することによって行 った。T7RNAポリメラーゼは種々の方法、例えば、T7RNAポリメラーゼの遺 伝子を含む第2のプラスミドを用いるか、T7RNAポリメラーゼをコードするフ ァージを感染させるか、あるいはT7RNAポリメラーゼの遺伝子がすでに組み込 まれている特別な細菌株を用いることによっても供給しうる。ヒスチジンを付加 したMP121 の成熟タンパク質(MP121His)はBL21(DE3)pLysS株(Novagen,#69451-1 )を用い、製造者の指示に従ってIPTGでT7RNAポリメラーゼの発現を誘発させ ることにより封入体(inclusion body)中に産生させた。SDS ポリアクリルアミド ゲル(15%)中でそのタンパク質は見かけの分子量としてほぼ16kD(理論的分子量 :14.2kD)を示し、代表的なもののウエスタンブロットは図3に示すとおりであ る。対照としてpBP4で形質転換した細菌は特定のバンドの染色は認められなかっ た。ヒスチジンを付加しているため、このタンパク質は、例えば、Hochuli らが 述べたように(BIO/Technology Vol.6,1321-1325(1988))、ニッケルキレート剤 カラムで精製しうる。逆相HPLCでさらに精製することが可能である。逆相カラム (Nucleosil 300-7C4,Macherey-Nagel,715023型)を、流速2mL/min.、0.1%TFA中 アセトニトリル勾配0 から90%(100 分以内)で用いた。MP121Hisはこれらの条件 下で約40% アセトニトリルのところから溶出される。 それぞれの場合において、MP121 に特異的な抗体を用いたウエスタンブロット により、それがMP121 であるかどうかの決定を行った。ニワトリ及びウサギでMP 121 に対するポリクローナル抗体を作製した。免疫するための抗原を得るため、 MP121 成熟部分の一部(配列番号2の260 番から352 番のアミノ酸)をMS2 バク テリオファージのポリメラーゼの最初の98個のアミノ酸と融合させ大腸菌で発現 させた。封入体を単離した後、融合タンパク質(MS2-MP121)をポリアクリルアミ ドゲル上で分離し、銅染色の後、エレクトロエリューション法(Tessmer,U.& De rnick,R.,IBL(1990),8-13)により単離して免疫用とした。ニワトリ、ウサギ のどちらの抗体を用いてもMP121 の発現を特異的に検出することが可能であった 。図3に示したウエスタンブロットではニワトリ抗体を用いた。そのニワトリ抗 体はPEG 沈殿法(Thalley B.S.and Carroll,S.B.,BIO/Technology Vol.8,93 4-938(1990))及び膜結合抗原法(融合タンパク質(MS2-MP121))(18.17,Sambrook ら,Molecular Cloning,second edition,Cold Spring Harbor Laboratory Pre ss 1989)でさらに精製したものである。第二抗体としてはアルカリフォスファタ ーゼをカップリングした抗ニワトリIgG(Sigma A9171)を用いた。検出はTropix W estern-Light Protein Detection Kit(Serva,#WL10RC)を用いて、製造者の説明 書の手順に従って行った。 生物学的に活性な物質を得るため、大腸菌で発現させたMP121 モノマーを精製 したものを折り畳みMP121 ダイマーに戻しうる。これはたとえばJaenicke,R.& Rudolph,R.(Protein structure,ed.Creighton,T.E.,IRL Press,Chapter 9)に記載の方法に従って行うことができる。 真核細胞での発現にはワクシニアウイルス発現系を用い、その詳細はCurrent Protocols in Molecular Biology(Ausubel ら,Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience,Wiley & Sons)の第16章ユニット16.15-16.18 に記載 されているとおりだが(以後本文献をCPと略す)、当業者であれば容易に再現し うるものである。この発現系は、外来DNAはある種のベクターを用いて、相同 組換えによりワクシニアウイルスのゲノムに組み込みうるという事実に基づいて いる。この目的のため、使用されたベクターはワクシニアゲノムから得たTK(チ ミジンキナーゼ)遺伝子を含んでいる。組換えウイルスの選択を可能にするため 、このベクターはさらに大腸菌キサンチンーグアニンーフォスフォリボシルトラ ンスフェラーゼ遺伝子(gpt)(Falkner,F.G.& Moss,B.,J.of Virol.62(1988 ),1849-1854)を含んでいる。MP121 をコードする領域を完全に含んだcDNA をこのベクターにクローニングした。 最初に作製したプラスミドSK121L9.1(DSM 受託番号:9177)の5'末端及び3'末端 の非翻訳領域の短縮と両末端への単一の制限酵素切断部位の挿入のためにPCR 反 応と中間クローニングが必要であった。全てのPCR 反応はプラスミドSK121L9.1( DSM 受託番号:9177)を用いて行った。5'の非翻訳末端を短縮するため、Bam HI及 びNheI切断部位を挿入したプライマーCCCGGATCCGCTAGCACCATGACCTCCTCATTGCTTCT G を、内部プライマー(CCCTGTTGTCCTCTAGAAGTG)とともに用いPCR 反応を行った 。中間段階で得られた断片をBluescript SK(Stratagene)にクローニングし、配 列を調べ、配列番号1に示す配列との一致を調べた。3'非翻訳末端の短縮にはプ ラスミドpBP4MP121HisからのSph I/Eco RI断片(0.22kb)を用いた。 MP121 の両端の断片を、標準的な方法に従って(Sambrook ら,Molecular Clon ing,second edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press 1989)、内部制限 酵素切断部位によりプラスミドSK121L9.1 の中間欠如DNA配列につないだ。こ のようにして得られた短縮させたcDNAはMP121 の完全なリーディングフレー ム(配列番号1のヌクレオチド128 番からヌクレオチド1184番)を有し、Bam HI 及びEcoRI で切断したベクターpBP1にクローニングした。この結果できたプラス ミドpBP1MP121 を1995年1 月12日付でDSM に寄託した(受託番号:9665)。 プラスミドpBP1MP121 を組換えワクシニアウイルスの生産に用いた。このため 、野生型のワクシニアウイルスをPBS 1mL を容れた35mmの培養プレート中で、80 % 集密状態の143B細胞(HuTK-、ATCC CRL 8303)と30分間室温で時々振盪させるこ とによりに感染させた。上清を吸引除去した後、培養液(MEM,Gibco BRL #041-0 1095 1:500 希釈のペニシリンとストレプトマイシン BRL#043-05140 含有)2mL を加え、37℃で2 時間インキュベートした。次いで培養液を取り除き、細胞を10 0ng の pBP1MP121、2 μg のキャリアーDNA(ウシ胸腺由来、超音波処理 Bo ehringer Mannheim #104175)及び10μL のリポフェクチン(Gibco BRL#18292-011 )を含むMEM 1mL で、15時間、形質転換した。20%FCS(Sigma#F-7524)を含有するM EM 1mL を加えた後、さらに37℃で24時間インキュベートし、溶解した細胞を凍 結させた。 キサンチンーグアニンーフォスフォリボシルトランスフェラーゼのGpt 選択及 び個々の組換えウイルスの単離と増幅は本質的にはCPの16.17 ユニットに述べら れている方法で(ただしRK13細胞(ATCC CCL37)を使用)行った。 ウイルスゲノムへのMP121 cDNAの組み込みはドットブロット解析(CP ユニ ット16.18 に記載)で確認した。pBPMP121をトランスフェクトした組換えウイル ス及び野生型ウイルスを細胞系統143B(HuTk-,ATCC CRL 8303,ヒト)及びNIH-3T3 (DSM ACC59,Swiss マウス胚)中における発現の分析に使用した。細胞の培養は 供給者の説明書に従った。集密状態の細胞に37℃で30分間、3倍の数のウイルス を感染させ、次いでそれぞれの株の培養液に10%FCSとペニシリン/ ストレプトマ イシン(1:500,Gibco BRL#043-05140)を含有させたものを加えた。37℃で6 時間 経過後、培養液を除去し、細胞を2 度、洗浄した。洗浄にはたとえばHBSS(Gibco BRL#14180-046)及び産生用培養液(HuTk-用はMEM 又は4.5g/Lのブドウ糖を含有 するDMEM,NIH-3T3 用はNEAA(Gibco BRL#11140-035),それぞれアプロチニン(Flu ka#10820,50U/L)及びペニシリン/ ストレプトマイシンを含有し、FCS を含まな い)を用いる。20-22 時間の産生期間の後、細胞上清を集めた。発現は、標準的 な方法(CP ユニット10.8)に従ってウエスタンブロットで調べた。1-3mL の細胞 培養上清中のタンパク質を等容のアセトンを加えて沈殿させ、氷上で少なくとも 1時間インキュベートし遠心した。得られたペレットをアプリケーションバッフ ァー(7M 尿素,1%SDS,7mMリン酸二水素ナトリウム、0.01% ブロモフェノールブ ルー及び必要であれば1%β- メルカプトエタノール)で再懸濁し、15% ポリアク リルアミドゲルで分離した。予備染色済タンパク質分子量標準品(Gibco BRL#604 1-020)をマーカータンパク質として用いた。PVDF膜(Immpbilon #IPVH00010)上に 移し、膜のブロッキングは標準的方法に従った。 図3に代表的なウエスタンブロットの結果を示しているがそこではMP121 特異 的なバンドが組換えウイルス感染細胞に認められる。NIH-3T3 におけるMP121 の 発現は、ゲルでの見かけの分子量は非還元条件下では18kDである分泌型のタンパ ク質をもたらした(期待される理論分子量:25kD)。還元条件下ではそのタンパ ク質はゲルの15kDの位置に移動する(期待される理論分子量:12.5kD)。これら の結果は、予測どおりMP121 がダイマーの成熟タンパク質として発現することを 示している。ダイマーのMP121 タンパク質の挙動がモノマーのMP121 よりわずか に遅いだけであるのはダイマーが球状であることによるものであろう。前駆体タ ンパク質の成熟タンパク質へのプロセシングもHuTk- 細胞中で示し得た。野生型 ウイルス(外来DNAを組み込んでいない)で感染させた細胞(HuTk-又はNIH-3T 3)ではウエスタンブロットでバンドは認められなかった。 種々のTGF-βファミリーのメンバーをコードする組換えワクシニアウイルスで コトランスフェクションを行ったところ、ワクシニアウイルス発現系はまたヘテ ロのダイマーの生産に特に適している。TGF-βファミリーの個々のメンバーに対 する特異的抗体を用いるアフィニティーカラムによって、ヘテロのダイマーとホ モのダイマーを分けることが可能である。この場合インヒビンのα鎖のみならず βA 鎖及びβB鎖が特に興味深い。実施例3 種々のマウス組織でのMP121 の発現の検討 6 週令のマウスの各種の組織(脳、心臓、腎臓、肝臓、肺、脾臓、筋肉、卵巣 、精巣)及び胚の幹細胞から全RNAを標準的な方法で単離した。RNAseプロ テクションアッセイ(RPA)は上記の全RNAの各10μg を用いてAmbion(RPA II k it,#1410)で、製造者の説明書に従って行った。アクチビンβA 及びアクチビン βBに対して特異的なプローブを得るため、マウス(129Sv)のゲノムDNAを対応 する特異的なプライマーを用いて成熟タンパク質部分から増幅した。クローニン グを容易にするため、プライマーの末端にEcoRI 及び/ 又はBamHI、あるい はHind III切断部位をそれぞれ導入した。アクチビンβAの場合にはプライマー はラットのmRNA(Genbank Accession #M37482)由来のもので、GCATCCGAATTCG GCTTGGAGTGTGATGGCAAGG及びGGATCCGAATTCCTCTGGGACCTGGCAACTCTAGである。アク チビンβBの場合には変性プライマーはヒトの配列由来のもので(Masonら,Molec ular Endocrinology 3,1352-1358(1989))、GAGAATTCCA(GA)CA(GA)TT(TC)TT(CT) AT及びGCAAGCTTT(GA)TA(TC)TC(GA)TC(GA)TC である。この結果得られたPCR 断片 はpGEM-4ベクター(Promega)にサブクローニングし、試験した。アクチビンに特 異的でRPA プロテクトされた配列は、アクチビンβAの場合には369bp の、アク チビンβBの場合には254bp の大きさの断片である。MP121 ではプロテクトされ た断片は配列番号3の887 番から1164番の配列からなる。pGEM-4にクローニング された断片は、放射性標識アンチセンスRNAプローブを作製するため、in vit roで転写した。この操作は100 μM のCTP と同時にα32P-CTP(800 Ci/mmol,Ame rsham)を用いて、製造者(Promega,Riboprobe Gemini Systems)の説明書に従っ て行った。放射性標識RNAはDde I で直鎖化したプラスミドpTri-GAPDH(Ambio n #7431)からも対照として合成した(CTP濃度は1 mM)。4種類のアンチセンスR NAプローブをポリアクリルアミドゲルから単離した後、それぞれのマウス組織 のRNAと混合し(1x105 cpm のプローブあたり10μg 全RNA)一晩42℃でイ ンキュベートした。その後オートラジオグラフィーを用いた標準的な方法に従っ て、変性ゲル中で4日間分析を行なった。実施例4 MP121 の部分精製とその部分精製物の活性の検討 ワクシニア系(実施例2参照)で発現させて得られたMP121 タンパク質を2つ のカラムを用いて精製した。 MP121 を生産するため、集密状態のNIH-3T3 細胞(DSM ACC 59,Swissマウス胚 )に同数の組換えウイルスを37℃で30分感染させた後、10%FCS及びペニシリン/ ストレプトマイシンを含有する適当な培地を加えた。 37℃で4 時間置いた後培養液を除去し、細胞を2度洗浄し、FCS を含まない産 生用培地(実施例2参照)を加えた。20-22 時間産生後、細胞上清を集め、ウイ ルスを除去するため遠心し(40000×g,30分、4 ℃)、ろ過した(孔径0.1 μm,Mi llex VV,Millipore #SLVV25LS)。対照上清(wt)は、野生型ワクシニアウイルス を感染させた後、同様の方法で得た。MP121 の発現はウエスタンブロットで調べ 、50-100μg/L と見積もられた。 MP121 を含有する細胞培養上清(1.1L)を、プロテアーゼインヒビターPMSF(1μ M)と混合し、最終濃度が1M(NH4)2SO4,20mM Tris pH8.0 となるようにし、バッ ファーA(1M(NH4)2SO4,20mM Tris pH8.0)で平衡化したフェニルセファロース(Fa st flow(high sub)Pharmacia #17-0973-05)カラム(ベッド 5mL)にロードした 。ロードしたカラムをカラム容量の15倍のバッファーA 及び10倍量のバッファー B(20 mM Tris pH8.0)で洗い、1mL/min.の流速でバッファーC(20 mM Tris pH8.0 ,80% エチレングリコール)を直線的勾配で100%まで濃度を上げて、50分以内に 溶出させた(5mL/ フラクション)。ウエスタンブロット分析によりMP121 は50か ら80% の間のエチレングリコール濃度のところに溶出することが分かった。これ らのフラクションのアリコートを、製造者の説明書に従い、15% ポリアクリルア ミド銀染色ゲル(Silver Stain-II,Daiichi #SE140000)で調べ、MP121 を含むフ ラクションをプールした。対照上清の精製後、上記と同様のフラクションを、銀 染色ゲルで分析した後、プールした。 プールしたフラクションはさらに逆相HPLCで精製した。C8カラム(Aquapore RP 300,Applied Biosystems,粒子径7 μm,孔径300 Å)をバッファーA(0.1%TFA/水 )で平衡化した。フェニルセファロースカラムから得たMP121 を含むプールした フラクションを、そのカラムにロード化、バッファーA でよく洗浄した。結合し たタンパク質は流速0.2mL/min.で、バッファーB(90%アセトニトリル,0.1%TFA) を1 分あたり1.5%の直線的勾配となるようにして溶出させた。600 μL のフラク ションを集め、ウエスタンブロット及び銀染色ゲルで分析した。この選択的 な条件下で、MP121 タンパク質は約55% アセトニトリルの後に溶出した。MP121 を含有するフラクションを集めた。対照上清の精製で得た対応するフラクション についても同様の操作を行った。銀染色ゲルによる分析ではMP121 が依然として 他のタンパク質と混在していることを示していた。MP121 の純品を得るためには 精製工程がさらに必要である。 当業者に知られている方法としては例えば分子ふるいゲルカラム、イオン交換 カラム、アフィニティーカラム、あるいは金属キレートカラムなどを、さらに精 製するために用いうる。 ウエスタンブロットの結果から、約8μg の部分精製MP121 を1Lの細胞培養上 清から単離しうると見積もられた。部分精製タンパク質は凍結乾燥して-80 ℃で 保存した。 MP121 のドパミン作用性神経細胞への影響を調べるため、Shimoda ら(Brain R es.586,319-331(1992))の方法に従って、14日目のラット胚(E14)の中脳底から 神経細胞を単離した。個々の細胞に分散し、Krieglstein らの方法(Neuroscienc e 63,1189-1196(1994))で培養した。ポリオルニチン/ラミニンでコートしたカ バーグラス上の細胞密度は200000個/cm2であった。24時間培養後、3日ごとに培 養液の2/3(500 μL)を取り除き、それぞれの添加物を含有する新しい培養液と交 換した。フェニルセファロースと逆相HPLCで部分的に精製した凍結乾燥MP121 を 50% アセトニトリルに溶解し、培養液に添加した。培養液中のMP121 の終濃度は 20ng/mL(アセトニトリルは0.3%)であった。匹敵する量の対照上清を同様に精製 し、50% アセトニトリルに溶解させて添加した。対照の培養液も0.3%のアセトニ トリルを含有するようにした。8日後、培養物を4%パラホルムアルデヒド中で10 分間、室温で固定した。細胞はアセトンで透過性を持たせ(10 分、-20 ℃)、PBS (リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄した。PBS 中で1%H2O2で処理した後、洗浄しそ してウマ血清でブロッキングし、免疫細胞化学的に染色した。チロシン水酸化酵 素(TH)はドパミン及び他のカテコールアミンの生合成の量を決定づける酵 素であるので、本培養において、THはドパミン作用性神経細胞のマーカーとして 用いうる(ノルアドレナリンを含有する細胞は単離されなかった)。THは抗ラッ トTHマウスモノクローナル抗体(1:200 に希釈,Boehringer Mannheim)を用いて3 7℃で1 時間インキュベートして検出し、さらに、Vectastatin ABC kit(Vecto L abs)を用いて検出した。TH陽性の細胞は0.12cm2の面積でカウントした。MP121 がドパミン作用性神経細胞の生存に対して正の効果を有することが図5に示され ている。 図5はラット胚(E14)の中脳から摘出したTH免疫反応性のドパミン作用性神経 細胞の8日間培養後の数を示している。20ng/mL の部分精製MP121 の効力を等容 の部分精製対照上清(wt)及び非処理の神経細胞と比較した(対照:0.3%アセトニ トリル含有の培養液)。3回測定の平均±SEM を示している。 図3−5の詳細な説明: 図3:抗MP121 ニワトリ抗体を用いたウエスタンブロットのダイアグラム 1:還元条件下(1% β−メルカプトエタノール)でpBP4MP121Hisで形質転換した 大腸菌細胞 2:還元条件下(1% β−メルカプトエタノール)で組み換えウイルス(MP121cD NAを挿入)を感染させたNIH-3T3 細胞の細胞培養上清 3:非還元条件下で組み換えウイルス(MP121cDNAを挿入)を感染させたNIH-3 T3 細胞の細胞培養上清 M:予備染色済タンパク質分子量マーカー、見かけの分子量を表示してある(Gib co BRL #26041-020) 図4:アクチビンβA(βA)、アクチビンβB(βB)及びMP121 に対する特異的 なプローブと、対照としてGAPDH に対して特異的なプローブを用いるRNAseプ ロテクションアッセイのゲル分析後のオートラジオグラム 種々のマウス組織(1:脳、2:心臓、3:腎臓、4:肝臓、5:肺、6:筋 肉、9:卵巣、10:脾臓、11:精巣)、胚の幹細胞(12:CJ7)、及び対照として酵 母(レーン13)から全RNAを単離し、試験した。レーン14には対照としてRN Aを含まないものを置いた。ハイブリダイゼイションに用いたプロテクトしてい ないアンチセンスRNAプローブをレーン8及び15にアプライし、断片サイズ の予想値を右の余白部分の括弧内に記した。プロテクトされている断片のバンド は左の余白部分に記した。Msp I(Biolabs #303)で切断し、γ-32P-ATP(Amersham )で末端ラベルしたpBR322をマーカーとして用いた(レーン7)。 図5はラット胚(E14)の中脳から単離したTH- 免疫反応性のドパミン作用性神経 細胞で8日間の培養後生存しているものの数を示す。20ng/mL の部分精製MP121 の効力を同等量の部分精製対照上清(wt)及び非処理神経細胞と比較した(対照: 0.3%アセトニトリルを含有する培養液)。3回測定の平均値±SEM を示している 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 38/22 ACS 9356−4H C07K 14/495 ACV 9356−4H 19/00 ADD 9358−4B C12P 21/08 C12N 1/21 9735−4B C12N 5/00 B 5/10 9051−4C A61K 37/24 AAA C12P 21/02 9051−4C ABJ // A61K 31/70 9051−4C ACJ 48/00 ACZ 9051−4C ACS C07K 14/495 9051−4C ACK 19/00 9051−4C ACV C12P 21/08 9051−4C ADD (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ナイドハルト,ヘルゲ ドイツ連邦共和国 ディー−35041 マル ブルグ ビルケンヴェーク 7番地 (72)発明者 ベヒトルド,ロルフ ドイツ連邦共和国 ディー−69126 ハイ デルベルグ カール−ツックマイヤー−シ ュトラーセ 21番地 (72)発明者 ポール,イェンス ドイツ連邦共和国 ディー−76707 ハム ブリュッケン ケラーズヴィーセン 3番 地

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.TGF- βファミリーの一つのタンパク質をコードし、 (a)配列番号1のヌクレオチド配列の成熟タンパク質をコードする部分 及び任意の別の機能的な部分、 (b)遺伝コードの縮重の範囲内である(a)の配列に対応するヌクレオチド 配列、 (c)(a)又は(b)の配列のうちの1つの対立遺伝子誘導体に対応するヌク レオチド配列、または (d)起源が他の脊椎動物であることにより配列(a)とは異なる配列 (e)(a)、(b)、(c)または(d)の配列のうちの1つの配列とハイブリダイ ズするヌクレオチド配列 を含み、ただし、(d)によるDNA分子は少なくともTGF-βファミリーの成熟タ ンパク質をコードする部分を完全に含むDNA分子。 2.請求項1の(a)から(e)のうちの1つに加え、もう1種の別のタンパク質の少 なくとも一部をコードし、発現後に融合タンパク質が生成されるようにした核酸 配列を有する請求項1記載のDNA分子。 3.請求項1又は2に記載のDNA分子を少なくとも1コピーを含んでいるベク ター。 4.請求項1又は2に記載のDNA、又は請求項3に記載のベクターで形質転換 した宿主細胞。 5.細菌、真菌、植物又は動物細胞である請求項1に記載の宿主細胞。 6.請求項1又は2に記載のDNA配列によってコードされるTGF-βファミリー のタンパク質。 7.配列番号2又は配列番号4、又は所望によりそれらの機能的な部分のアミノ 酸配列を有する請求項6に記載のタンパク質。 8.請求項6又は7に記載のタンパク質と、もう1種の他のタンパク質の少なく とも一部分を含むキメラタンパク質。 9.請求項6、7、又は8のいずれかに記載のタンパク質のモノマー、及び「シ スチンノットモチーフ」(cystine knot motif)を有するスーパーファミリーの1 種のタンパク質のモノマーからなるヘテロダイマータンパク質。 10.請求項4又は5に記載の宿主細胞が培養され、その細胞から及び/ 又は培 養上清からタンパク質を得ることからなる請求項6〜8のいずれかに記載のタン パク質を生産する方法。 11.2種のモノマーが宿主細胞中で共発現されることからなる請求項9に記載 のヘテロダイマータンパク質を生産する方法。 12.2種のモノマーの封入体を結合させて復元することからなる請求項9に記 載のヘテロダイマータンパク質を生産する方法。 13.請求項6〜9のいずれかに記載のタンパク質のうちの少なくとも1種を有 効成分として含み、所望により、さらに通常の製剤学的担体又は補助剤、希釈剤 又は充填剤を含む医薬組成物。 14.骨、軟骨、結合組織、皮膚、粘膜、内皮、上皮、神経、脳、腎臓又は歯の 障害を治療又は予防するため、歯科インプラントへ適用するため、創傷治癒又は 組織再生過程において、肝臓組織の増殖を誘導するため、前駆細胞又は骨髄細胞 の増殖を誘導するための形態形成因子として使用するため、分化状態を保持する ため、生殖能の障害を治療するため、又は避妊のため、又は代謝に関連する疾患 を治療するための請求項13に記載の医薬組成物。 15.請求項1に記載のDNA分子の一部に相補的なアンチセンスRNA。 16.請求項1に記載のDNA分子を転写した後に得られるRNA分子を特異的 に切断するリボザイム。 17.請求項6及び7のいずれかに記載のタンパク質の発現をブロックするため の、請求項15に記載のアンチセンスRNA又は請求項16に記載のリボザイム の使用。 18.in vitro又はin vivo での患者の細胞のトランスフェクションのための請 求項1又は2に記載のDNA配列又は請求項3に記載のベクターの使用。 19.請求項6〜9のいずれかに記載のタンパク質と結合する抗体又は抗体の断 片。 20.請求項6及び7のいずれかに記載のタンパク質が特異的に結合するレセプ ター。
JP50354696A 1994-07-01 1995-06-30 TGF−βファミリーの新規な成長/分化因子 Expired - Fee Related JP3859703B2 (ja)

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