JPH1050198A - チップヒューズ素子 - Google Patents
チップヒューズ素子Info
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- JPH1050198A JPH1050198A JP20081196A JP20081196A JPH1050198A JP H1050198 A JPH1050198 A JP H1050198A JP 20081196 A JP20081196 A JP 20081196A JP 20081196 A JP20081196 A JP 20081196A JP H1050198 A JPH1050198 A JP H1050198A
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- film
- glass
- thin film
- conductor thin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 過度の異常電流に対しては安定的に溶断動作
するチップヒューズ素子を提供するものである。 【解決手段】 ガラスグレーズ層11を形成した絶縁基
板1上に、両端に端子電極2a、2bと接続したヒュー
ズ導体薄膜3を被覆形成し、該ヒューズ導体薄膜3上、
低融点ガラス膜5、シリコン弾性体被膜6、オーバーコ
ート樹脂膜7を順次被着したチップヒューズ素子であ
る。
するチップヒューズ素子を提供するものである。 【解決手段】 ガラスグレーズ層11を形成した絶縁基
板1上に、両端に端子電極2a、2bと接続したヒュー
ズ導体薄膜3を被覆形成し、該ヒューズ導体薄膜3上、
低融点ガラス膜5、シリコン弾性体被膜6、オーバーコ
ート樹脂膜7を順次被着したチップヒューズ素子であ
る。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、所定回路の異常電
流に対して回路を保護するためのチップヒューズ素子に
関するものである。
流に対して回路を保護するためのチップヒューズ素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】チップヒューズ素子は、ガラスグレーズ
層を形成した絶縁基板の主面に、少なくとも中央部が極
細の溶断部を有する概略H字状の金属薄膜からなるヒュ
ーズ導体薄膜を形成していた。また、絶縁基板の両端部
には、ヒューズ導体薄膜の両端部に接続する端子電極が
形成され、さらに、ヒューズ導体薄膜上に低融点ガラス
膜を形成していた。
層を形成した絶縁基板の主面に、少なくとも中央部が極
細の溶断部を有する概略H字状の金属薄膜からなるヒュ
ーズ導体薄膜を形成していた。また、絶縁基板の両端部
には、ヒューズ導体薄膜の両端部に接続する端子電極が
形成され、さらに、ヒューズ導体薄膜上に低融点ガラス
膜を形成していた。
【0003】チップヒューズ素子は、端子電極間に異常
電流が印加されると、ヒューズ導体薄膜が発熱し、この
熱がヒューズ導体被膜の金属の融点を越えると、特に極
細部で溶断することになる。しかも、ヒューズ導体薄膜
の発熱によって、低融点ガラス膜が軟化するため、溶断
による発生した溶断溝内にガラス成分が充填し、その結
果、溶断後においても高い絶縁性を維持することができ
る。
電流が印加されると、ヒューズ導体薄膜が発熱し、この
熱がヒューズ導体被膜の金属の融点を越えると、特に極
細部で溶断することになる。しかも、ヒューズ導体薄膜
の発熱によって、低融点ガラス膜が軟化するため、溶断
による発生した溶断溝内にガラス成分が充填し、その結
果、溶断後においても高い絶縁性を維持することができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際の異常電
流の想定を越えた過度の異常電流、例えば、回路の短絡
電流などの非常に大きな電流がチップヒューズ素子に流
れた場合、定格溶断時間に比較して非常に短い瞬時に、
大きな瞬時エネルギーがヒューズ導体薄膜に印加され、
溶断部分が溶断せず爆発してしまう場合がある。
流の想定を越えた過度の異常電流、例えば、回路の短絡
電流などの非常に大きな電流がチップヒューズ素子に流
れた場合、定格溶断時間に比較して非常に短い瞬時に、
大きな瞬時エネルギーがヒューズ導体薄膜に印加され、
溶断部分が溶断せず爆発してしまう場合がある。
【0005】この時、溶断部分の表面を被覆している低
融点ガラス膜は、爆発により吹き飛んでしまい、その他
の回路基板上の各電子部品素子等に障害を与えてしま
い、また、外観を損ねるという問題点があった。
融点ガラス膜は、爆発により吹き飛んでしまい、その他
の回路基板上の各電子部品素子等に障害を与えてしま
い、また、外観を損ねるという問題点があった。
【0006】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、過度の異常電流によっても、
低融点ガラス層が吹き飛ぶことがないチップヒューズ素
子を提供するものである。
ものであり、その目的は、過度の異常電流によっても、
低融点ガラス層が吹き飛ぶことがないチップヒューズ素
子を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための具体的な手段】本発明によれ
ば、両端部に端子電極を有する絶縁基板上にガラスグレ
ーズ層を形成するとともに、該ガラスグレーズ層上に前
記端子電極と電気的に接続するヒューズ導体薄膜と、低
融点ガラス膜と、シリコン弾性体被膜と、オーバーコー
ト樹脂膜とを順次被着させたことを特徴とするチップヒ
ューズ素子である。
ば、両端部に端子電極を有する絶縁基板上にガラスグレ
ーズ層を形成するとともに、該ガラスグレーズ層上に前
記端子電極と電気的に接続するヒューズ導体薄膜と、低
融点ガラス膜と、シリコン弾性体被膜と、オーバーコー
ト樹脂膜とを順次被着させたことを特徴とするチップヒ
ューズ素子である。
【0008】
【作用】本発明のチップヒューズ素子によれば、ヒュー
ズ導体薄膜を、低融点ガラス膜、シリコン弾性体被膜、
オーバーコート樹脂膜で重畳したため、過度の異常電流
が印加された場合、ヒューズ導体薄膜で爆発が発生して
も、ガラス層の吹き飛びをシリコン弾性体被膜の緩衝作
用によって、その爆発力を吸収することができる。
ズ導体薄膜を、低融点ガラス膜、シリコン弾性体被膜、
オーバーコート樹脂膜で重畳したため、過度の異常電流
が印加された場合、ヒューズ導体薄膜で爆発が発生して
も、ガラス層の吹き飛びをシリコン弾性体被膜の緩衝作
用によって、その爆発力を吸収することができる。
【0009】従って、過度の異常電流が流れに対しても
動作するとともに外観的に損なうことがないチップヒュ
ーズ素子となる。
動作するとともに外観的に損なうことがないチップヒュ
ーズ素子となる。
【0010】
【発明の実施の態様】以下、本発明のチップヒューズ素
子を図面に基づいて説明する。
子を図面に基づいて説明する。
【0011】図1は、本発明のチップヒューズ素子の平
面図であり、図2は、断面構造図である。
面図であり、図2は、断面構造図である。
【0012】図において、1は絶縁基板、2a、2bは
端子電極、3はヒューズ導体薄膜、4a、4bは端面電
極、5は低融点ガラス膜、6はシリコン弾性体被膜、7
はオーバコート樹脂膜である。
端子電極、3はヒューズ導体薄膜、4a、4bは端面電
極、5は低融点ガラス膜、6はシリコン弾性体被膜、7
はオーバコート樹脂膜である。
【0013】絶縁基板1は、例えばアルミナセラミック
などからなり、その形状は例えば1.6mm×3.2m
mの矩形状となっている。この絶縁基板1の表面の全面
に渡って、ガラスグレーズ層11が形成されている。ガ
ラスグレーズ層11は、ホウ珪酸鉛系ガラスペーストを
塗布し、焼成することによって形成される。ガラスグレ
ーズ層11は、ヒューズ導体薄膜3に異常電流が流れ、
発熱した時、基板側に伝わる熱を制御するものである。
即ち、ガラスグレーズ層11が薄い場合には熱が基板1
側に伝わり易くなる。このガラスグレーズ層11の厚み
は、異常電流に対して定格溶断時間で溶断し、また、回
路のスイッチの開閉などで生じる突入電流などでは溶断
しないように、夫々のチップヒューズ素子の要求特性に
よって、ヒューズ導体被膜3の形状を考慮して決定され
るものである。尚、通常、10〜20μmであるが、ジ
ュールインテグラル特性を向上させるため、例えば40
μmなどの厚みとしてもよい。
などからなり、その形状は例えば1.6mm×3.2m
mの矩形状となっている。この絶縁基板1の表面の全面
に渡って、ガラスグレーズ層11が形成されている。ガ
ラスグレーズ層11は、ホウ珪酸鉛系ガラスペーストを
塗布し、焼成することによって形成される。ガラスグレ
ーズ層11は、ヒューズ導体薄膜3に異常電流が流れ、
発熱した時、基板側に伝わる熱を制御するものである。
即ち、ガラスグレーズ層11が薄い場合には熱が基板1
側に伝わり易くなる。このガラスグレーズ層11の厚み
は、異常電流に対して定格溶断時間で溶断し、また、回
路のスイッチの開閉などで生じる突入電流などでは溶断
しないように、夫々のチップヒューズ素子の要求特性に
よって、ヒューズ導体被膜3の形状を考慮して決定され
るものである。尚、通常、10〜20μmであるが、ジ
ュールインテグラル特性を向上させるため、例えば40
μmなどの厚みとしてもよい。
【0014】ヒューズ導体薄膜3は、Au、Ag、Al
などの金属材料によって構成され、フォトリソグラフィ
ー技術(金属薄膜の被着、フォトレジスト膜の塗布、選
択的な露光、フォトレジスト膜の選択的な現像、Ag薄
膜の選択的なエッチング、フォトレジスト膜の剥離)に
よって、所定形状、例えば概略H字状に形成されてい
る。特に、ヒューズ導体薄膜3の中央部は極細状の溶断
部3aとなっている。ヒューズ導体薄膜3の形状で重要
なことは、ヒューズ導体薄膜3の長手方向の両端を絶縁
基板1の端部にまで延在させないことである。即ち、絶
縁基板の長手方向の両端部には、ガラスグレーズ層11
が露出する領域が存在している。ヒューズ導体薄膜3の
長手方向の両端部には、端子電極2a、2bが重畳して
いる。
などの金属材料によって構成され、フォトリソグラフィ
ー技術(金属薄膜の被着、フォトレジスト膜の塗布、選
択的な露光、フォトレジスト膜の選択的な現像、Ag薄
膜の選択的なエッチング、フォトレジスト膜の剥離)に
よって、所定形状、例えば概略H字状に形成されてい
る。特に、ヒューズ導体薄膜3の中央部は極細状の溶断
部3aとなっている。ヒューズ導体薄膜3の形状で重要
なことは、ヒューズ導体薄膜3の長手方向の両端を絶縁
基板1の端部にまで延在させないことである。即ち、絶
縁基板の長手方向の両端部には、ガラスグレーズ層11
が露出する領域が存在している。ヒューズ導体薄膜3の
長手方向の両端部には、端子電極2a、2bが重畳して
いる。
【0015】端子電極2a、2bは、ヒューズ導体薄膜
3の両端部と絶縁基板1の両端部とを架け渡すように形
成されて、端子電極2a、2bの端部は、絶縁基板1の
両端に延出している。このような、端子電極2a、2b
は、Agなどの導電性金属粉末、ガラスフリット、有機
ビヒクルとを均質混合した導電性ペーストを印刷し、焼
きつけすることによって形成される。特に、端子電極2
a、2bの焼きつけ時、導電性ペーストに含有するガラ
ス成分が、ガラスグレース層11と接触している領域
(ヒューズ導体薄膜3の端部と基板の端部との間の領
域)で、互いに強固に結合しあうことにより、結果とし
て、ヒューズ導体薄膜3の両端部上に接合強度の高い端
子電極が形成され、ヒューズ導体薄膜3の端部からの剥
離を防止するとともに、ヒューズ導体薄膜3と端面電極
4a、4bとの接続面積を増大化する。
3の両端部と絶縁基板1の両端部とを架け渡すように形
成されて、端子電極2a、2bの端部は、絶縁基板1の
両端に延出している。このような、端子電極2a、2b
は、Agなどの導電性金属粉末、ガラスフリット、有機
ビヒクルとを均質混合した導電性ペーストを印刷し、焼
きつけすることによって形成される。特に、端子電極2
a、2bの焼きつけ時、導電性ペーストに含有するガラ
ス成分が、ガラスグレース層11と接触している領域
(ヒューズ導体薄膜3の端部と基板の端部との間の領
域)で、互いに強固に結合しあうことにより、結果とし
て、ヒューズ導体薄膜3の両端部上に接合強度の高い端
子電極が形成され、ヒューズ導体薄膜3の端部からの剥
離を防止するとともに、ヒューズ導体薄膜3と端面電極
4a、4bとの接続面積を増大化する。
【0016】また、ヒューズ導体薄膜3上、特に溶断部
分3a上には、低融点ガラス膜5が形成される。低融点
ガラス膜5は、ホウ珪酸鉛系ガラスペーストを印刷し、
焼成することによって形成され、その膜厚は10〜20
μmである。
分3a上には、低融点ガラス膜5が形成される。低融点
ガラス膜5は、ホウ珪酸鉛系ガラスペーストを印刷し、
焼成することによって形成され、その膜厚は10〜20
μmである。
【0017】また、ヒューズ導体薄膜3上には、少なく
ともガラス膜5を完全に覆うようにシリコン弾性体被膜
6が形成されている。このシリコン弾性被体膜6は、例
えばシンエツ社製#8130のシリコンゴムペーストを
塗布し、120℃1時間の熱処理によって硬化されて形
成される。その膜厚は、10〜30μmである。
ともガラス膜5を完全に覆うようにシリコン弾性体被膜
6が形成されている。このシリコン弾性被体膜6は、例
えばシンエツ社製#8130のシリコンゴムペーストを
塗布し、120℃1時間の熱処理によって硬化されて形
成される。その膜厚は、10〜30μmである。
【0018】さらに、シリコン弾性体被膜6に完全に覆
うようにオーバーコート樹脂膜7が形成される。オーバ
ーコート樹脂膜7は、例えばエポキシ系樹脂などの熱硬
化性樹脂や紫外線硬化樹脂などが例示でき、シリコン弾
性体被膜6上に塗布し、所定方法によって硬化されて形
成される。このオーバーコート樹脂膜7は、シリコン弾
性体被膜6の耐湿性が劣るという欠点を補い、また、耐
衝撃性を向上させるために設けるものである。例えばオ
ーバーコート樹脂膜7に熱硬化性エポキシ樹脂を用いた
場合、所定厚み、例えば20〜50μm塗布し、200
℃で30分で硬化されて形成される。
うようにオーバーコート樹脂膜7が形成される。オーバ
ーコート樹脂膜7は、例えばエポキシ系樹脂などの熱硬
化性樹脂や紫外線硬化樹脂などが例示でき、シリコン弾
性体被膜6上に塗布し、所定方法によって硬化されて形
成される。このオーバーコート樹脂膜7は、シリコン弾
性体被膜6の耐湿性が劣るという欠点を補い、また、耐
衝撃性を向上させるために設けるものである。例えばオ
ーバーコート樹脂膜7に熱硬化性エポキシ樹脂を用いた
場合、所定厚み、例えば20〜50μm塗布し、200
℃で30分で硬化されて形成される。
【0019】また、絶縁基板1の端面に、チップヒュー
ズ素子をプリント配線基板上に表面実装を可能にするた
めの端面電極4a、4bが形成されている。端面電極4
a、4bは、少なくとも絶縁基板1の端面に形成すれば
よく、必要に応じて、基板の裏面の端部や素子の表面側
の端部、即ち、オーバーコート樹脂膜7上にも形成して
も構わない。
ズ素子をプリント配線基板上に表面実装を可能にするた
めの端面電極4a、4bが形成されている。端面電極4
a、4bは、少なくとも絶縁基板1の端面に形成すれば
よく、必要に応じて、基板の裏面の端部や素子の表面側
の端部、即ち、オーバーコート樹脂膜7上にも形成して
も構わない。
【0020】また、この端面電極4a、4bは、一連の
製造工程中にどの工程で形成するかによってその材料、
形成方法が相違する。例えば、シリコン弾性体被膜6の
形成の前に、端面電極4a、4bを形成するのであれ
ば、端面電極4a、4bは、Ag系導電性ペーストの塗
布、焼きつけによって形成することができ、また、シリ
コン弾性体被膜6の形成した後に、端面電極4a、4b
を形成するのであれば、端面電極4a、4bは、樹脂に
Ag系金属粉末を含有させて導電性樹脂ペーストが用い
られ、比較的低温で熱硬化されて形成される。
製造工程中にどの工程で形成するかによってその材料、
形成方法が相違する。例えば、シリコン弾性体被膜6の
形成の前に、端面電極4a、4bを形成するのであれ
ば、端面電極4a、4bは、Ag系導電性ペーストの塗
布、焼きつけによって形成することができ、また、シリ
コン弾性体被膜6の形成した後に、端面電極4a、4b
を形成するのであれば、端面電極4a、4bは、樹脂に
Ag系金属粉末を含有させて導電性樹脂ペーストが用い
られ、比較的低温で熱硬化されて形成される。
【0021】このように形成され、端面電極4a、4b
の表面には、プリント配線基板に半田接合を容易にする
ため、必要に応じて表面メッキ被膜(図示せず)が形成
される。この場合、表面メッキ被膜とは、Niメッキに
続いて、錫メッキや半田メッキが施される。
の表面には、プリント配線基板に半田接合を容易にする
ため、必要に応じて表面メッキ被膜(図示せず)が形成
される。この場合、表面メッキ被膜とは、Niメッキに
続いて、錫メッキや半田メッキが施される。
【0022】本発明の特徴的なことは、ヒューズ導体薄
膜3上の溶断部3aを被覆する低融点ガラス膜5を完全
に被覆するようにシリコン弾性体被膜6を形成したこと
である。シリコン弾性体被膜6は、例えば引っ張り強度
が28〜50kgf/mm2であり、その延びが75〜
300%であり、例えば、オーバーコート樹脂膜7に用
いるエポキシ樹脂の引っ張り強度2.8〜9.1kgf
/mm2 、延び1〜6%に比較して、何れも1桁以上は
違っている。
膜3上の溶断部3aを被覆する低融点ガラス膜5を完全
に被覆するようにシリコン弾性体被膜6を形成したこと
である。シリコン弾性体被膜6は、例えば引っ張り強度
が28〜50kgf/mm2であり、その延びが75〜
300%であり、例えば、オーバーコート樹脂膜7に用
いるエポキシ樹脂の引っ張り強度2.8〜9.1kgf
/mm2 、延び1〜6%に比較して、何れも1桁以上は
違っている。
【0023】このようにシリコン弾性体被膜6を低融点
ガラス膜5上に形成したため、回路の短絡電流のような
過度の異常電流がチップヒューズ素子に流れ、ヒューズ
導体薄膜3に爆発が発生し得る状態となっても、シリコ
ン弾性体被膜6の緩衝作用によって爆発が緩和され、外
部に低融点ガラス膜5が吹き飛ぶことを防止する。
ガラス膜5上に形成したため、回路の短絡電流のような
過度の異常電流がチップヒューズ素子に流れ、ヒューズ
導体薄膜3に爆発が発生し得る状態となっても、シリコ
ン弾性体被膜6の緩衝作用によって爆発が緩和され、外
部に低融点ガラス膜5が吹き飛ぶことを防止する。
【0024】例えば、本発明のチップヒューズ素子と、
シリコン弾性体被膜6の変わりにエポキシ樹脂を用い、
低融点ガラス膜5上に2層構造のエポキシ樹脂層(外側
はオーバーコート樹脂膜7に相当する)の比較品との、
過度の異常電流に対する低融点ガラス膜5の破壊状況を
調べた。
シリコン弾性体被膜6の変わりにエポキシ樹脂を用い、
低融点ガラス膜5上に2層構造のエポキシ樹脂層(外側
はオーバーコート樹脂膜7に相当する)の比較品との、
過度の異常電流に対する低融点ガラス膜5の破壊状況を
調べた。
【0025】その結果、異常電流20Aの場合には、本
発明品及び比較品のいずれも破壊されることなく、安定
したヒューズとして動作した。
発明品及び比較品のいずれも破壊されることなく、安定
したヒューズとして動作した。
【0026】過度の異常電流30Aでは、本発明品で
は、低融点ガラス膜5が破壊されることなく安定したヒ
ューズとして動作したのに対して、比較品では、低融点
ガラス膜5が飛び散ってしまう。その後、過度の異常電
流40、50Aを流した場合でも、安定したヒューズと
して動作することを確認した。
は、低融点ガラス膜5が破壊されることなく安定したヒ
ューズとして動作したのに対して、比較品では、低融点
ガラス膜5が飛び散ってしまう。その後、過度の異常電
流40、50Aを流した場合でも、安定したヒューズと
して動作することを確認した。
【0027】尚、シリコン弾性体被膜6は、一回の塗布
によって約10〜35μmを形成するができる。シリコ
ン弾性体被膜6の厚みに関しては、一回の塗布分の厚
み、すなわち、10μm以上あれば、過度の異常電流に
対しても安定したヒューズ動作を達成できる。上限に関
しては、厚ければその作用は大きくなるが、逆に表面の
平滑性、即ちオーバーコート樹脂膜7上の平滑性を失っ
て、プリント配線基板上の自動実装手段である吸着特性
が劣化してしまう。このため、上限は、3回塗布の約1
00μmが限度である。
によって約10〜35μmを形成するができる。シリコ
ン弾性体被膜6の厚みに関しては、一回の塗布分の厚
み、すなわち、10μm以上あれば、過度の異常電流に
対しても安定したヒューズ動作を達成できる。上限に関
しては、厚ければその作用は大きくなるが、逆に表面の
平滑性、即ちオーバーコート樹脂膜7上の平滑性を失っ
て、プリント配線基板上の自動実装手段である吸着特性
が劣化してしまう。このため、上限は、3回塗布の約1
00μmが限度である。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明のチップヒューズ
素子においては、ヒューズ導体薄膜上に低融点ガラス
膜、シリコン弾性体被膜、オーバーコート樹脂膜で被覆
したため、異常電流に対する通常の溶断は勿論のこと、
数十Aという過度の異常電流が流れても、従来のように
低融点ガラス膜が爆発し飛び散るということを抑え、安
定した動作のチップヒューズ素子となる。
素子においては、ヒューズ導体薄膜上に低融点ガラス
膜、シリコン弾性体被膜、オーバーコート樹脂膜で被覆
したため、異常電流に対する通常の溶断は勿論のこと、
数十Aという過度の異常電流が流れても、従来のように
低融点ガラス膜が爆発し飛び散るということを抑え、安
定した動作のチップヒューズ素子となる。
【0029】よって、外観上、また動作上非常に信頼性
の高いチップヒューズ素子が達成できる。
の高いチップヒューズ素子が達成できる。
【図1】本発明のチップヒューズ素子の平面図である。
【図2】本発明のチップヒューズ素子の断面構造図であ
る。
る。
1・・・・・・・絶縁基板 11・・・・・・ガラスグレーズ層 2a、2b・・・端子電極 3・・・・・・・ヒューズ導体薄膜 4a、4b・・・端面電極 5・・・・・・・低融点ガラス膜 6・・・・・・・シリコン弾性体被膜 7・・・・・・・オーバーコート樹脂膜
Claims (1)
- 【請求項1】 両端部に端子電極を有する絶縁基板上に
ガラスグレーズ層を形成するとともに、該ガラスグレー
ズ層上に前記端子電極と電気的に接続するヒューズ導体
薄膜と、低融点ガラス膜と、シリコン弾性体被膜と、オ
ーバーコート樹脂膜とを順次被着させたことを特徴とす
るチップヒューズ素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20081196A JPH1050198A (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | チップヒューズ素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20081196A JPH1050198A (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | チップヒューズ素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1050198A true JPH1050198A (ja) | 1998-02-20 |
Family
ID=16430598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20081196A Pending JPH1050198A (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | チップヒューズ素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1050198A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2008052989A (ja) * | 2006-08-23 | 2008-03-06 | Koa Corp | チップ型回路保護素子 |
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