JPH10501949A - 超音波フェイズド・アレイ用の音響複合材料及び製造方法 - Google Patents

超音波フェイズド・アレイ用の音響複合材料及び製造方法

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JPH10501949A JP8530416A JP53041696A JPH10501949A JP H10501949 A JPH10501949 A JP H10501949A JP 8530416 A JP8530416 A JP 8530416A JP 53041696 A JP53041696 A JP 53041696A JP H10501949 A JPH10501949 A JP H10501949A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、超音波フェイズド・アレイ用の音響複合材料及びその製法を開示する。音響複合材料は、一定の断面積及び一定の体積分率の複数の孔を有している微細毛管配列で形成されている。微細毛管配列の複数の孔の各々には、その内部にポリマ充填物が析出されている。ポリマを充填された微細毛管配列は、微細毛管配列に垂直な軸で切断されて、複数の切断体にされる。次いで、複数の切断体の各々は、所定の厚みに研削仕上げされて、圧電素子のフェイズド・アレイ及びバックフィル材料に結合される。

Description

【発明の詳細な説明】 超音波フェイズド・アレイ用の音響複合材料 及び製造方法 発明の背景 本発明は、一般的には超音波フェイズド・アレイ変換器(ultrasonic phased array transducer)に関し、更に具体的には、超音波フェイズド・アレイと共に 用いられる音響複合材料及び製造方法に関する。 医療用途及び工業用途に用いられている典型的な超音波フェイズド・アレイ( 整相列)変換器は、一対の電極の間に配置された1つ又はそれ以上の圧電素子を 含んでいる。これらの電極は、電源に接続されている。電圧が印加されると、圧 電素子は、印加された電圧に対応する周波数で励起される。その結果、圧電素子 は超音波ビーム・エネルギを、変換器の電気/音響伝達関数と励起パルスとの畳 み込みに対応する周波数で、結合された媒体へ放出する。逆に、超音波ビームの エコーが圧電素子に衝突すると、各々の素子は、対応する電圧をその電極の間に 発生する。 加えて、超音波フェイズド・アレイ変換器は典型的には、圧電素子に結合され た音響バッキング層(即ち、バックフィル)を含んでいる。バックフィルは、超 音波ビームを患者又は物体へ指向させるために、低いインピーダンスを有してい る。典型的にはバックフィルは、反響を低減させる ために、減衰性の高い損失材料で作製されている。超音波フェイズド・アレイは 又、バックフィル層の反対側で圧電素子に結合されている音響マッチング層を含 んでいる。音響マッチング層は、検査中の患者又は物体の音響インピーダンスを 、圧電素子の音響インピーダンスに近い値へ変換する。これにより、患者又は物 体への音波伝送の効率が向上すると共に、音波エネルギが伝送されるときのバン ド幅が拡大する。 従来のマッチング層に関連する問題点は、インピーダンスが約2MRayl〜 約12MRaylにわたる材料でマッチング層を作製しなければならないことに ある。最適なマッチング(整合)のために、マッチング層の厚み及び音響インピ ーダンスは典型的には、変換器の設計モデルを用いて決定されている。しばしば 変換器の設計モデルは、使用可能な材料の存在しないようないくつかの材料パラ メータを要求する。このような材料が使用可能でない場合には、典型的には複合 材料が用いられるか、又はバンド幅及び/若しくは感度を犠牲にした設計上の妥 協がなされる。音響複合材料の実例は、粒子がマトリクス(即ち、0〜3材料) 内に懸濁されたもの、及び「剣山」(bed of nails)構造(即ち、1〜3結合性 )を有している工学的に合成されたケイ素材料である。粒子がマトリクス内に懸 濁されたものを用いた方法は、制御されたインピーダンスを提供するが、高い減 衰性、及びマトリクス内の粒子の乱雑な分布による不均一性という短所がある。 「剣山」型ケイ素を用いた方 法は、制御されたインピーダンス及び均一性を提供するが、高価で長時間の製造 工程を要求する。このように、制御されたインピーダンス及び低い減衰性を提供 する音響材料が必要とされている。 発明の要約 従って、本発明の主要な目的は、超音波フェイズド・アレイ変換器に優れた性 能を付与する音響材料を提供することにある。 本発明の第2の目的は、ポリマを充填された微細毛管(microcapillary)配列 を音響マッチング層として用いて、超音波フェイズド・アレイ変換器に、制御さ れたインピーダンス及び低い減衰性を付与することにある。 このように、本発明によれば、音響複合材料を形成する方法が提供される。本 方法は、一定の断面積及び一定の体積分率の複数の孔を有している微細毛管配列 を形成することを含んでいる。微細毛管配列の複数の孔の各々には、その内部に ポリマ材料充填物が析出されている。次いで、ポリマを充填された微細毛管配列 は、複数の切断体に切断される。ポリマを充填された微細毛管配列は、微細毛管 配列に垂直な軸で切断される。次いで複数の切断体の各々は、所定の厚みに研削 仕上げされる。 本発明のもう1つの実施例によれば、一定の断面積及び一定の体積分率の複数 の孔を有している微細毛管配列を含んでいる音響複合材料が提供される。微細毛 管配列の複数の孔の各々は、その内部にポリマ材料が析出されている。 ポリマを充填された微細毛管配列は、複数の切断体に切断され、微細毛管配列に 垂直な軸で切断される。複数の切断体の各々は、所定の厚みに研削仕上げされる 。研削仕上げされた微細毛管配列の切断体は、圧電性セラミック材料及びバック フィル材料に結合される。 以後、本発明は、例示的な実施例及び使用法と関連付けて記載されるが、本発 明をこの実施例に限定する意図はないことを了解されたい。そうではなく、請求 の範囲によって画定される本発明の要旨に包含され得る代替物、改変及び均等物 をすべて網羅することが意図されている。 図面の簡単な説明 図1は本発明による超音波フェイズド・アレイ変換器及び付設された送信器/ 受信器電子回路の模式図である。 図2は本発明に従って超音波フェイズド・アレイ変換器に用いられている音響 複合材料の模式図である。 図3A〜図3Dは本発明に従って音響複合材料を形成する方法を模式的に示し ている。 本発明の詳細な説明 図1は、医療用途及び工業用途に用いられている超音波フェイズド・アレイ( 整相列)作像器10の模式図である。作像器10は、フェイズド・アレイ14を 画定している複数の圧電素子12を含んでいる。圧電素子は好適には、チタン酸 鉛ジルコニウム(PZT)のような圧電性材料又は緩和性材料(relaxor materi al)で製造されており、クロストークを防止すると共に20デシベルを超える隔 離を有 するように分離されている。バックフィル層16は、フェイズド・アレイ14の 一端に結合されている。バックフィル層16は、高減衰性であると共に低いイン ピーダンスを有しており、超音波エネルギがフェイズド・アレイ14の圧電素子 12の背後に伝送されたり、そこから反射されたりすることを防止している。固 定された音響特性を有しているバックフィル層は、当業界で周知であり、圧電素 子12から伝送される超音波エネルギを散逸(damp)させるために使用されてい る。本発明におけるバックフィル層は好適には、軟質マトリクス内の硬質粒子の 組み合わせで製造されており、例えば、シリコン・ゴム内の稠密な金属又は金属 酸化物をエポキシ・マトリクスの全体に分布させたもので製造されている。音響 マッチング層18は、バックフィル層16の反対側でフェイズド・アレイ14の 一端に結合されている。マッチング層18は、超音波エネルギがフェイズド・ア レイ14の圧電素子12と患者又は物体との間を通過するときに、適切な整合イ ンピーダンスを超音波エネルギに付与する。マッチング層の詳細については後述 する。 制御装置31によって制御される送信器20は、フェイズド・アレイ14の複 数の圧電素子12に電圧を印加する。超音波ビーム・エネルギを有するビームが 発生されて、マッチング層18及びレンズ26を通る軸に沿って伝搬される。マ ッチング層18は、ビームのバンド幅を拡大し(即ち、ビームを急速に散逸させ )、レンズ26は、ビームを 患者又は物体に指向させる。バックフィル層16は、超音波エネルギがフェイズ ド・アレイ14の圧電素子12の背後に伝送されたり、そこから反射されたりす ることを防止している。超音波ビーム・エネルギのエコーが患者又は物体から戻 ってくると、エコーは、レンズ26及びマッチング層18を介して圧電素子12 のPZT材料へ伝搬される。エコーは、超音波フェイズド・アレイ14からエコ ーを生ずる患者又は物体までの距離に比例した様々な時間遅延で到達する。超音 波ビーム・エネルギのエコーが圧電素子に衝突すると、電圧信号が発生されて、 制御装置31によって制御される受信器22へ伝送される。受信器22での電圧 信号は、制御装置31によって設定された適当な遅延時間だけ時間遅延手段24 において遅延される。次いで遅延信号は、加算器25及び回路27において加算 される。個々の圧電素子のすべてについて遅延時間を適当に選択し、その結果を 加算することにより、コヒーレント(干渉性の)ビームの和が形成される。次い でコヒーレント・ビームの和は、制御装置31によって制御されるB走査表示装 置29上に表示される。フェイズド・アレイ14に接続されている電子回路の詳 細については、米国特許第4,442,715号に記載されており、本特許は、 ここに参照されるべきものである。 図2は、超音波フェイズド・アレイ変換器14用の音響マッチング層18とし て用いられる音響複合材料28の模式図である。音響複合材料28は、一定の断 面積及び一定 の体積分率の複数の孔32を有している微細毛管配列30を含んでいる。微細毛 管配列30の複数の孔32の各々は、その内部に析出されたポリマ充填物34を 有している。ポリマを充填された微細毛管配列30は、その配列に垂直な軸で複 数の切断体(セクション)に切断される。複数の切断体の各々は、所定の厚みに 研削仕上げ又は機械加工され、圧電素子12及びバックフィル材料16に結合さ れる。 音響複合材料28によって、超音波フェイズド・アレイ変換器が優れた性能を 実現することが可能になる。具体的には、音響複合材料28は、圧電素子12と 患者又は物体との中間の音響特性を有している。又、孔の寸法及び充填材料を調 節することにより、音響特性を変化させることができる。音響複合材料の音響特 性は、微細毛管配列及び充填物に依存しており、以下の方程式によって予測され る。 Zcomp=(1−x)Zarray+xZfill (1) ccomp=(((1−x)karray+xkfill) /((1−x)ρarray+xρfill))1/2 (2) ここで、Zcomp、Zarray及びZfillはそれぞれ、複合材料、微細毛管配列及び 充填物のインピーダンスであり、ccompは、複合材料の縦方向の音速であり、karray 及びkfillはそれぞれ、微細毛管配列及び充填物の体積弾性率であり、ρa rray 及びρfillはそれぞれ、微細毛管配列及び充填物の密度であり、xは、微細 毛管配列の孔の体積分率である。微細毛管配列及び充填物の固有減衰が共に低く 、 孔の周期が微細であれば、配列の方向に沿った縦方向の音の減衰性が低くなる。 周囲マトリクスとして微細毛管配列を選択することにより、材料全体にわたる均 一性が保証され、ポリマによって、インピーダンスが約5MRayl〜10MR aylの範囲にあることが保証される。 図3A〜図3Dは、本発明に従って音響複合材料28を製造する方法を模式的 に示している。本方法を説明するためには特定の処理条件及び寸法を提示するこ とが役立つが、使用される材料、所望される用途及びフェイズド・アレイ変換器 の形状に応じて、その処理条件及び寸法は変化し得る。先ず、図3Aに示すよう に、一定の断面積及び一定の体積分率の複数の孔32を有している微細毛管配列 30が形成される。図示の実施例では、微細毛管配列は、ガラス製微細毛管配列 であり、約10μm未満の平行な多数の孔を有しており、ガラスの体積分率は約 50%である。典型的には、このような寸法を有するガラス製微細毛管配列は、 市販されており、容易に入手することができる。ガラス製微細毛管配列の代替物 は、同様の寸法を有するポリマ製微細毛管配列である。 次いで、図3Bでは、低粘度ポリマ充填物34が、微細毛管配列30の複数の 孔32の各々内に穏やかな差圧で析出されている。図示の実施例では、ポリマ充 填物はSpurrのエポキシのようなエポキシである。結果的な構造は、約8.7M Raylのインピーダンスを有しており、減衰は0.3dB/MHz/cm未満 であって無視できる。音響 特性は、ポリマの体積分率又は組成を変化させることにより変更することができ る。ポリマ充填物は、流動及び注入によって孔の配列内に析出され得る。ポリマ 製微細毛管配列を用いるならば、孔の配列を、流動、無電極化学的析出、化学蒸 着又は電気めっきのような技術を用いて析出された導電性材料で充填することが できる。 ポリマ充填物が析出された後に、微細毛管配列を配列に垂直な軸で切断し、複 数の切断体36(図3C)にする。図示の実施例では、ポリマを充填された微細 毛管配列30は、レーザ又はダイシング・ソーによって複数の切断体に切断され る。ポリマを充填された微細毛管配列が切断された後に、切断体の各々は、研削 仕上げ又は機械加工されて、図3Dに示すように所定の厚みにされる。研削の後 に、ポリマを充填された微細毛管配列の切断体は、音響マッチング層として使用 され、圧電素子のフェイズド・アレイ14及びバッタフィル材料に結合される。 ポリマを充填された微細毛管配列の切断体は、微細な周期性(即ち、10μm) を有しており、これにより、制御されたインピーダンス、低い減衰性及び一貫し た音響特性が提供される。所望されるならば、微細毛管配列の孔の寸法及び充填 材料を調節することにより、音響特性を変化させることができる。加えて、本発 明の音響複合材料は、前述した従来の音響材料よりも大幅に安価で製造される。 従って、前述した目標、利点及び目的を完全に満たす音響複合材料及びその製 法が、本発明によって提供されたこ とは明らかである。本発明は、いくつかの実施例を参照しながら記載されたが、 本発明の要旨から逸脱することなく当業者によって変形又は改変が行われ得るこ とが了解されよう。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 一定の断面積及び一定の体積分率の複数の孔を有している微細毛管配列 を形成する工程と、 該微細毛管配列の前記複数の孔の各々にポリマ充填物を析出させる工程と、 該ポリマを充填された微細毛管配列を複数の切断体に切断する工程であって、 前記ポリマを充填された微細毛管配列は、該微細毛管配列に垂直な軸で切断され る、ポリマを充填された微細毛管配列を複数の切断体に切断する工程と、 該複数の切断体の各々を所定の厚みに研削仕上げする工程とを備えた音響複合 材料を形成する方法。 2. 前記微細毛管配列は、ガラス製微細毛管配列である請求項1に記載の方 法。 3. 前記ガラス製微細毛管配列は、約10μmの平行な多数の孔を有してい ると共に、約50%のガラス体積分率を有している請求項2に記載の方法。 4. 前記ポリマ充填物は、エポキシである請求項3に記載の方法。 5. 前記エポキシは、流動又は注入のうちの一方により前記孔の配列に析出 される請求項4に記載の方法。 6. 前記微細毛管配列は、ポリマ製微細毛管配列である請求項1に記載の方 法。 7. 前記切断する工程は、レーザ又はダイシング・ソーのうちの一方で行わ れる請求項1に記載の方法。 8. 圧電素子の配列と、該圧電素子に一端で結合されているバックフィル層 とを有している超音波フェイズド・アレイ用の音響複合材料を形成する方法であ って、該方法は、 一定の断面積及び一定の体積分率の複数の孔を有している微細毛管配列を形成 する工程であって、該微細毛管配列は、ガラス製微細毛管配列である、微細毛管 配列を形成する工程と、 該微細毛管配列の前記複数の孔の各々にポリマ充填物を析出させる工程と、 該ポリマを充填された微細毛管配列を複数の切断体に切断する工程であって、 前記ポリマを充填された微細毛管配列は、該微細毛管配列に垂直な軸で切断され る、ポリマを充填された微細毛管配列を複数の切断体に切断する工程と、 該複数の切断体の各々を所定の厚みに研削仕上げする工程と、 該複数の研削仕上げされた切断体を、前記圧電素子の配列の前記バックフィル 層と反対側の末端に結合する工程とを備えた超音波フェイズド・アレイ用の音響 複合材料を形成する方法。 9. 前記ガラス製微細毛管配列は、約10μmの平行な多数の孔を有してい ると共に、約50%のガラス体積分率を有している請求項8に記載の方法。 10. 前記ポリマは、エポキシである請求項8に記載の方法。 11. 前記エポキシは、流動又は注入のうちの一方により前記孔の配列に析 出される請求項10に記載の方法。 12. 一定の断面積及び一定の体積分率の複数の孔を有している微細毛管配 列を備えており、 前記微細毛管配列の前記複数の孔の各々は、その内部に析出されたポリマを有 しており、該ポリマを充填された微細毛管配列は、複数の切断体に切断されてお り、前記ポリマを充填された微細毛管配列は、該微細毛管配列に垂直な軸で切断 されており、該複数の切断体の各々は、所定の厚みに研削仕上げされており、該 研削仕上げされた微細毛管配列の切断体は、圧電性材料及びバックフィル材料に 結合されている音響複合材料。 13. 前記微細毛管配列は、ガラス製微細毛管配列である請求項12に記載 の音響複合材料。 14. 前記ガラス製微細毛管配列は、約10μmの平行な多数の孔を有して いると共に、約50%のガラス体積分率を有している請求項13に記載の音響複 合材料。 15. 前記ポリマは、エポキシである請求項12に記載の音響複合材料。 16. 前記エポキシは、流動又は注入のうちの一方により前記孔の配列に析 出される請求項15に記載の音響複合材料。 17. 前記ポリマを充填された微細毛管配列は、レーザ又はダイシング・ソ ーのうちの一方で切断される請求項12に記載の音響複合材料。
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JP2005125071A (ja) * 2003-09-29 2005-05-19 Toshiba Corp 音響レンズ組成物、超音波プローブおよび超音波診断装置

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