JP2006262149A - 超音波探触子及び超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 超音波ビームのビーム幅を絞るのにより好適な超音波探触子を実現する。
【解決手段】 超音波探触子1は、被検体との間で超音波を送受する振動子10a〜10cを複数配列し、各振動子10a〜10cは、超音波を送受する複数の振動素子12−1〜12−mを有し、振動素子12−1〜12−mの間に充填材を配して充填層14を形成してなり、充填層14は、短軸方向に弾性定数が異なって形成される。
【選択図】 図2
【解決手段】 超音波探触子1は、被検体との間で超音波を送受する振動子10a〜10cを複数配列し、各振動子10a〜10cは、超音波を送受する複数の振動素子12−1〜12−mを有し、振動素子12−1〜12−mの間に充填材を配して充填層14を形成してなり、充填層14は、短軸方向に弾性定数が異なって形成される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、被検体との間で超音波を送受する超音波探触子及び被検体の超音波像を撮像する超音波診断装置に関する。
被検体の診断画像を撮像する超音波診断装置として、被検体との間で超音波を送受する振動子を複数配列した超音波探触子に駆動信号を供給し、超音波探触子から出力される受信信号に基づき超音波像を再構成するものが知られている。
このような超音波診断装置により撮像される超音波像の分解能は、超音波探触子で送受される超音波ビームのビーム幅又は径(以下、ビーム幅と総称する)に左右される。このビーム幅は、振動子の配列方向(以下、長軸方向という)の幅や、長軸方向に直交する方向(以下、短軸方向という)の幅により決められる。
長軸方向のビーム幅を絞るときは、各振動子で送受される超音波に遅延時間を付与する電子フォーカスが行われる。一方、短軸方向のビーム幅を絞るために、例えば、短軸方向に沿って振動子の中心部の厚みを薄く形成し、中心部から端部に向かうにつれて厚く形成することにより、短軸方向の中心部で高周波の応答性を高くしつつ、端部で低周波の応答性を高くする。これによって、短軸方向の開口径が超音波の周波数に逆比例して変化することになるため、超音波の周波数を制御して被検体の浅部から深部まで短軸方向のビーム幅を絞ることが行われる(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1のような方式では、超音波が低周波である場合、超音波の応答性が各振動子の肉厚部つまり端部で高いため、端部での音圧が中央部よりも高くなることがある。その場合、ビーム幅が比較的太くなり、結果として超音波像の分解能が劣化するという問題がある。
本発明の課題は、超音波ビームのビーム幅を絞るのにより好適な超音波探触子及び超音波診断装置を実現することにある。
上記課題を解決するため、本発明の超音波探触子は、被検体との間で超音波を送受する振動子を複数配列し、その振動子は、超音波を送受する複数の振動素子を有し、振動素子間に充填材を配して充填層を形成してなり、充填層は、振動子の一軸方向に弾性定数が異なることを特徴とする。
すなわち、充填層は各振動素子に密着しているため、充填層の弾性定数を一軸方向に異ならせて充填層を形成することにより、各振動素子の伸縮の程度を一軸方向に変えることができる。換言すると、各振動子素子の電気機械結合係数を一軸方向に変えることができる。したがって、超音波の周波数に関わらず、一軸方向のビーム音圧に重みを付けることが可能になり、一軸方向のビーム幅を所望の細さに絞ることができる。その結果、被検体の浅部から深部にわたって高分解能画像を構成できる。
ここでの充填層については、短軸方向の中央部から端部に向かうにつれて弾性定数を小さくして形成できる。これにより、短軸方向の中央部でビーム音圧を大きくしつつ、端部でビーム音圧を小さくできるため、短軸方向のビーム幅が絞られた超音波ビームを形成できる。
また、振動子については、隣の前記振動子との間に分離材が配設され、その分離材は、充填層よりも減衰率が大きい材料から形成できる。これにより、各振動子間のいわゆるクロストークが抑制されるので、ノイズを低減できる。
また、本発明の超音波診断装置は、上記の超音波探触子に駆動信号を供給する送信部と、超音波探触子から出力される受信信号を受信する受信部と、受信部から出力される受信信号に基づき超音波像を再構成する画像構成部とを備えて構成できる。
本発明によれば、超音波ビームのビーム幅を絞るのにより好適な超音波探触子及び超音波診断装置を実現できる。
本発明を適用した超音波探触子及び超音波診断装置の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の超音波探触子の構成を示す斜視図である。図2は、図1の振動子の構成を示す斜視図である。なお、本形態では、振動子の配列方向を長軸方向と称し、長軸方向に直交する方向を短軸方向と称する。また、各振動子から被検体に向けて超音波が送波される方向を超音波射出方向と適宜称し、振動子の背面側の方向を背面方向と適宜称する。
図1に示すように、被検体の診断画像を撮像する超音波探触子1は、被検体との間で超音波を送受する複数の振動子(例えば、振動子10a〜10c)を配列して形成されている。
本発明に係る超音波探触子1に適用する振動子10aは、図2に示すように、超音波を送受する複数の圧電体としての振動素子(例えば、振動素子12−1〜12−m)を有し、振動素子12−1〜12−mの間に充填材を配して充填層14が形成されている。充填層14は、振動子10aの一軸方向に弾性定数が異なって形成されている。より具体的には、充填層14は、短軸方向の中央部から端部に向かうにつれて弾性定数を小さくして形成されている。振動子10b、10cについても同様である。
より詳細に超音波探触子1について説明する。図1に示すように、超音波探触子1は、振動子10a〜10cを配列した圧電層16と、圧電層16の超音波送受面側に配設された音響整合層18と、音響整合層18の被検体側に配設された音響レンズ20と、圧電層16の背面側に配設されたバッキング層22を有して構成される。
圧電層16は、振動子10a〜10cが短冊状に並べて配設されている。振動子10a〜10cは、各振動子10a〜10c間の超音波のクロストークを抑制する分離材24a〜24cが間に介在されている。例えば、振動子10aは、隣の振動子10bとの間に分離材24aが配設されている。ここでの分離材24a〜24cは、充填層14よりも減衰率が大きい材料を用いて形成されている。なお、圧電層16の超音波射出側と背面側とを挟む一対の電極が配設されている。
音響整合層18は、分離材24a〜24cにより長軸方向に複数に分離されている。換言すると、音響整合層18は、振動子10a〜10cの超音波送受面に対応して分割されている。この音響整合層18は、圧電層16に配設される第一の整合層18aと、整合層18aの被検体側の面に重ねられる第二の整合層18bとを有する。整合層18aは、セラミックスに樹脂を充填した材料など、圧電層16よりも音響インピーダンスが小さい材料を用いて形成されている。整合層18bは、整合層18aよりも音響インピーダンスが被検体に近い材料(例えば、樹脂)を用いて形成されている。これらの整合層18a、18bは、超音波の中心周波数(fcenter)に対する1/4波長板としての役割をそれぞれが果たしている。なお、二層構造の音響整合層18を説明したが、一層構造でもよい。
音響レンズ20は、被検体側に膨らんで形成された凸面を有し、振動子10a〜10cと被検体との間で送受される超音波をフォーカスする。この音響レンズ20は、音響インピーダンスが被検体に近く、音速が被検体よりも遅い材料(例えば、シリコン、ゴム)を用いて形成されている。また、バッキング層22は、振動子10a〜10cの背面から射出された超音波を減衰する背面部材である。
振動子10aは、図2に示すように、いわゆる1−3型複合圧電体構造に形成されたものである。より具体的には、振動子10aは、超音波を送受する複数の振動子素子12−1〜12−mを有し、振動子素子12−1〜12−mの間に充填材を配して充填層14が形成されている。振動子10b、10cについても同様である。なお、1−3型複合圧電体構造に限らず、2−2型複合圧電体構造の場合にも本発明を適用できる。要は、複数の振動子素子12−1〜12−mが配列された複合圧電体構造の超音波探触子に適用できる。
振動素子12−1〜12−mは、短軸方向に4列に配列されるとともに、長軸方向に8列に配列されている。各振動素子12−1〜12−mは、角柱形の細棒にそれぞれ形成されており、超音波射出方向に立設して配列されている。ただし、配列数や形状については適宜変更できる。ここでの振動素子12−1〜12−mは、圧電セラミックス(例えば、PZT、PZLT)、圧電単結晶(例えば、PZN−PT、PMN−PT)、有機圧電材料(例えば、PVDF)、又はそれらと樹脂とで構成される複合材などにより形成される。
充填層14は、短軸方向に弾性定数が異なって形成されている。より具体的には、充填層14は、振動素子12−1〜12−8の間に充填された充填部14aと、振動素子12−9〜12−24の間に充填された充填部14bと、振動素子12−25〜12−mの間に充填された充填部14cという3つの部分に短軸方向に分けられている。換言すると、充填層14は、短軸方向の中央部に位置する充填部14bと、充填部14bを挟んで短軸方向の端部に位置する充填部14a及び充填部14cを有して形成されている。充填部14a及び充填部14cは、弾性定数の小さい材料(例えば、セラミックス、エポキシ樹脂)を用いて形成されている。充填部14bは、弾性定数の大きい材料(例えば、ポリウレタン、シリコン、ゴム)を用いて形成されている。要するに、充填部14a及び充填部14cは、比較的硬い材料を用いて形成される一方、充填部14bは、比較的軟らかい材料を用いて形成される。なお、充填層14を短軸方向に3つに分けた例を説明したが、それ以上に分割し、各分割部をそれぞれ異なる材料で形成してもよい。要は、充填層14の弾性定数が短軸方向に異なればよい。
図3は、本実施形態の超音波探触子1を適用した超音波診断装置25の構成図である。図3に示すように、超音波診断装置25は、超音波探触子1に駆動信号としての送信パルスを信号線を介して供給する送信部26と、超音波探触子1から出力される受信信号を受信する受信部28と、受信部28から出力される受信信号に基づき、被検体の診断画像としての超音波像(例えば、断層像、Mモード像)を再構成する画像構成部30とを備えている。
このように構成される超音波探触子1及び超音波診断装置25の動作について説明する。まず、被検体の体表に超音波探触子1の音響レンズ20側を接触させる。超音波探触子1に送信部26から駆動信号が出力されると、駆動信号は例えば振動子10aに供給される。供給された駆動信号が電極を介して振動素子12−1〜12−mに入力すると、振動素子12−1〜12−mが振動子10aの厚み方向に伸縮する。これによって、振動素子12−1〜12−mから超音波が送波される。送波された超音波により超音波ビームが形成され、被検体に向けて射出される。被検体から発生する反射エコーは、電極を介して振動素子12−1〜12−mに受波されることによって受信信号に変換される。変換された受信信号は、受信部28により増幅や整相加算などの処理が施される。受信部28から出力した受信信号は、画像構成部30により超音波像として再構成される。再構成された超音波像は、モニタの表示画面に表示される。
図4は、超音波探触子1により送受される超音波ビームの短軸方向の音圧分布と、図2の振動子10aを長軸方向から見た図である。振動子10aに駆動信号を供給すると、その駆動信号は各振動素子12−1〜12−mに入力される。これによって、各振動素子12−1〜12−mが縦方向に伸縮する。このときの振動素子12−1〜12−8は、充填部14aの硬さに起因して伸縮の程度が比較的小さい。振動素子12−25〜12−mも同様である。一方、振動素子12−9〜12−24は、充填部14bの軟らかさに起因して伸縮の程度が比較的大きい。したがって、各振動素子12−1〜12−mにより形成される超音波ビームは、図4に示すように、短軸方向の中央部の音圧が端部よりも大きいものとなる。
すなわち、充填層14は振動素子12−1〜12−mに密着しているため、充填層14の弾性定数を短軸方向に異ならせて充填層14を形成することにより、各振動素子12−1〜12−mの伸縮の程度を短軸方向に変えることができる。換言すると、各振動子素子12−1〜12−mの電気機械結合係数を短軸方向に変えることができる。
したがって、超音波が高周波又は低周波であるときでも、短軸方向の端部のビーム音圧が中央部よりも大きくなることを回避できる。要するに、超音波の周波数に関わらず、短軸方向のビーム音圧に重みを付けることが可能になるため、短軸方向のビーム幅を所望の細さに絞ることができる。また、微細な各振動子素子12−1〜12−mの形状を異ならせずに短軸方向のビーム幅を簡単に絞ることができる。これにより、被検体の浅部から深部にわたって高分解能画像を撮像できる。
ここで、本発明の原理について補足説明をする。図5は、短軸方向に弾性定数を一様にして充填層40を形成した場合の振動子42の斜視図である。まず、図5の振動子42の系全体の電気機械結合係数k33について説明する。振動子42に一様な応力Tが印加されることによって振動子42に一様な歪みSが生じたとすると、歪みSは、数1式のように表される。数1式により、振動子42の系全体の電気機械結合係数k33は、数2式のようになる。
なお、振動素子12−1〜12−mの体積分率をv1とし、充填層40の体積分率をv2とする。また、振動素子12−1〜12−mの圧電定数をd1 ijとし、弾性コンプライアンスをs1 ijとし、誘電率をε1 ijとする。充填層40の圧電定数をd2 ijとし、弾性コンプライアンスをs2 ijとし、誘電率をε2 ijとする。ここでいう弾性コンプライアンスとは、弾性定数の逆数に対応する。
次に、図5の充填層40に樹脂などの材料を充填すると、充填層40の弾性コンプライアンスs2 33、圧電定数d2 33、誘電率ε2 33は、数3式のように表される。この場合の振動子42の系全体の電気機械結合係数k33は、数4式のように表される。数4式に示すように、系全体の電気機械結合係数k33は、振動素子12−1〜12−mの電気機械結合係数k1 33に近似する。
一方、図5の充填層40に、振動素子12−1〜12−mと同じ弾性コンプライアンスを有する材料を充填すると、充填層40の弾性コンプライアンスs2 33、圧電定数d2 33、誘電率ε2 33は、数5式のように表される。例えば、振動素子12−1〜12−mが圧電セラミックスPZTで形成されている場合、充填層40にセラミックスを充填する。この場合の系全体の電気機械結合係数k33は、数6式のように表される。数6式に示すように、系全体の電気機械結合係数k33は、振動素子12−1〜12−mの電気機械結合係数k1 33が可変されたものとなる。
なお、充填層40にPVDFなどの有機圧電材料を充填すると、充填層40の弾性コンプライアンスs2 33、圧電定数d2 33、誘電率ε2 33、系全体の電気機械結合係数k33は、数7式のように表される。数7式に示すように、充填層40にPVDFなどの有機圧電材料を用いると、系全体の電気機械結合係数k33については、振動素子12−1〜12−mの電気機械結合係数k1 33よりも更に小さくできる。
本発明は、このような原理に着目してなされたものである。すなわち、図2の充填層14の場合、充填部14a及び充填部14cに、セラミックスやエポキシ樹脂などの弾性コンプライアンスが大きい特性(S33(high))を有する材料を充填し、充填部14bには、ポリウレタン、シリコン、ゴムなどの弾性コンプライアンスが小さい特性(S33(low))を有する材料を充填する。換言すると、充填部14a及び充填部14cに、弾性定数が小さい比較的硬い材料を充填し、充填部14bには、弾性定数が大きい比較的軟らかい材料を充填する。これにより、各振動素子12−1〜12−mの電気機械結合係数を短軸方向に異ならせることができる。したがって、超音波の周波数に関わらず、短軸方向のビーム音圧に重みを付けることが可能になる。
また、他の例として、充填部14a及び充填部14cに、負の圧電定数(−d33)を有する有機圧電材料(例えばPVDF)を充填し、充填部14bには、ポリウレタン、シリコン、ゴムなどの弾性コンプライアンスが小さい特性(S33(low))を有する材料を充填してもよい。
図6は、本実施形態と比較するための図であり、図5の振動子42による超音波ビームの短軸方向の音圧分布を示す図である。ここでの振動子42は、充填層40が短軸方向に弾性定数が一様に形成されている。したがって、図6に示すように、超音波ビームの短軸方向の音圧は、短軸方向に中心部から端部に向かって一様な分布を示す。この点、本実施形態によれば、図4に示すように、短軸方向の音圧分布に重みを付けることができるため、低周波のときでも短軸方向の端部の音圧が中心部よりも大きくなることを回避できる。すなわち、超音波の周波数に関わらず、短軸方向のビーム音圧に重みを付けることが可能になり、短軸方向のビーム幅を所望の細さに絞ることができる。したがって、超音波ビームに生じるサイドローブを低減できるから、被検体の浅部から深部にかけて高分解能画像を撮像することができる。
図7は、本実施形態と比較するための参考の形態であり、振動子50を長軸方向から見た図と、振動子50により送受される超音波ビームの音圧分布を示す図である。図7に示すように、振動子50は、超音波送受面が短軸方向に凹平面に形成されている。より具体的には、振動子50は、短軸方向に沿って中心部の厚みが薄く形成されるとともに、中心部から端部に向かうにつれて厚く形成されている。これによって短軸方向の中心部で高周波の応答性が高くなる一方、端部で低周波の応答性が高くなる。
本参考の形態によれば、図7に示すように、超音波が高周波(fhigh)である場合、超音波の応答性が振動子50の薄肉部つまり中央部で高い一方、肉厚部つまり端部で低いため、短軸方向のビーム幅が絞られる。これによって、例えば被検体の浅部について高分解能画像を撮像できる。しかし、超音波が低周波(flow)である場合、超音波の応答性が振動子50の肉厚部つまり端部で高いため、端部での音圧が中央部よりも高くなることがあり、短軸方向のビーム幅が比較的大きくなる。その結果、例えば被検体の深部についての画像分解能が劣化する。
この点、本実施形態によれば、超音波の周波数に関わらず、短軸方向のビーム音圧に重みを付けることが可能になり、短軸方向のビーム幅を所望の細さに絞ることができる。
また、従前の技術として、図5の各振動子素子12−1〜12−mの分極強度を例えば短軸方向に異ならせることにより、短軸方向のビーム音圧に重みを付けるものがある(例えば、特開平5−76527号公報)。しかし、このような方式の場合、各振動素子12−1〜12−mの分極強度を異ならせるための回路構成が煩雑になる。この点、本実施形態によれば、回路構造に影響を与えずに短軸方向のビーム音圧に重みを付けることができる。
上述のとおり、第一の実施形態により本発明を説明したがこれに限られるものではない。例えば、図2の場合、超音波送受面が矩形の振動子10aを例に説明したが、超音波送受面が円形の振動子にも本発明を適用できる。要は、ビーム音圧に重みを付けたい方向に、振動子10aの充填層14の弾性定数を異ならせればよい。
また、超音波ビームの長軸方向のビーム幅については、各振動子10a〜10cで送受される超音波に遅延時間を付与する電子フォーカスによって絞られるが、各振動子10a〜10cの充填層14の弾性定数を長軸方向に異ならせてもよい。
また、振動子10aの製造方法については、例えば圧電セラミックス板をカッティングして等間隔に配列した複数の振動素子を形成する。形成された振動素子群を仕切りにより短軸方向に複数のグループに分ける。分けられた各グループに所定の弾性定数を有する充填材料を注入して充填層を成形する。成形された充填層を長軸方向に所定間隔で分割して振動子10aを形成する。このように充填層の弾性定数を短軸方向に異ならせた後に、その充填層を振動子10aとして分割することにより、振動子10aを簡単に製造できる。
(第二の実施形態)
本発明を適用した超音波探触子の第二の実施形態について図8を参照して説明する。図8に示すように、本実施形態の振動子60は、短軸方向の中央部から端部に向かうにつれて充填層62の弾性定数を徐々に小さくして形成された点で、弾性定数が段階的に小さくして形成された図2の場合と異なる。
本発明を適用した超音波探触子の第二の実施形態について図8を参照して説明する。図8に示すように、本実施形態の振動子60は、短軸方向の中央部から端部に向かうにつれて充填層62の弾性定数を徐々に小さくして形成された点で、弾性定数が段階的に小さくして形成された図2の場合と異なる。
本実施形態の充填層62は、ポリウレタンやエポキシ樹脂などにタングステンやアルミニウムなどの金属を複合した材料を充填して形成される。要するに、充填層62は、短軸方向の中央部から端部に向かうにつれて金属の配合比を連続的に小さくして形成される。その結果、充填層62は、短軸方向の中央部から端部に向かうにつれて弾性コンプライアンスが連続的に大きくなる。換言すると、充填層62は、短軸方向の中央部から端部に向かうにつれて弾性定数が連続的に小さくなる。これにより、超音波の周波数に関わらず、短軸方向のビーム音圧に重みを連続的に変えることが可能になり、短軸方向のビーム幅をより所望の細さに絞ることができる。したがって、超音波ビームに生じるサイドローブレベルを低減できるから、より高分解能画像を撮像することができる。
また、振動子60の製造方法については、例えば圧電セラミックス板をカッティングして等間隔に配列した複数の振動素子を形成する。形成された複数の振動素子間に充填材料(例えば、ポリウレタン、エポキシ樹脂)を注入して充填層を成形する。充填層を成形する際、例えばイオンビームにより金属材料(例えば、タングステン、アルミニウム)を射出して充填層に配合する。ここでの金属材料の配合比については、短軸方向の中央部から端部に向かうにつれて連続的に小さくされる。形成された充填層を長軸方向に所定間隔で分割して例えば振動子60を形成する。このように充填層の成形の際に金属材料を埋め込むことにより、振動子60を簡単に製造できる。
1 超音波探触子
10a 振動子
12−1 振動素子
14 充填層
14a 充填部
16 圧電層
18 音響整合層
20 音響レンズ
22 バッキング層
24a 分離材
10a 振動子
12−1 振動素子
14 充填層
14a 充填部
16 圧電層
18 音響整合層
20 音響レンズ
22 バッキング層
24a 分離材
Claims (4)
- 被検体との間で超音波を送受する振動子を複数配列した超音波探触子において、
前記振動子は、前記超音波を送受する複数の振動素子を有し、該振動素子間に充填材を配して充填層を形成してなり、前記充填層は、前記振動子の一軸方向に弾性定数が異なることを特徴とする超音波探触子。 - 前記充填層は、短軸方向の中央部から端部に向かうにつれて弾性定数が小さくされて形成されることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
- 前記振動子は、隣の前記振動子との間に分離材が配設され、前記分離材は、前記充填層よりも減衰率が大きい材料から形成されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波探触子。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の超音波探触子に駆動信号を供給する送信部と、前記超音波探触子から出力される受信信号を受信する受信部と、該受信部から出力される受信信号に基づき超音波像を再構成する画像構成部とを備えてなる超音波診断装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010125068A (ja) * | 2008-11-27 | 2010-06-10 | Aloka Co Ltd | 超音波振動子 |
US11167325B2 (en) | 2014-02-24 | 2021-11-09 | The Boeing Company | Method for surface cleaning |
-
2005
- 2005-03-17 JP JP2005077518A patent/JP2006262149A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010125068A (ja) * | 2008-11-27 | 2010-06-10 | Aloka Co Ltd | 超音波振動子 |
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