JPH10501492A - 集積印刷ヘッドの故障許容用ノズル二元化 - Google Patents

集積印刷ヘッドの故障許容用ノズル二元化

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JPH10501492A JP8531126A JP53112696A JPH10501492A JP H10501492 A JPH10501492 A JP H10501492A JP 8531126 A JP8531126 A JP 8531126A JP 53112696 A JP53112696 A JP 53112696A JP H10501492 A JPH10501492 A JP H10501492A
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    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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Abstract

(57)【要約】 個々の故障ノズルを電子的に交換することができる、冗長印刷ノズルおよび冗長駆動回路を持つ印刷ヘッドが開示されている。冗長アクチュエータは、故障アクチュエータとは物理的に別の位置に存在するものでなければならない。本明細書に開示されているシステムを使用すれば、確実に故障アクチュエータが、ドットを印刷したのと同じ位置に、冗長アクチュエータによって一つのドットを、印刷することができる。このことは、電子的に信号を遅延させ、アクチュエータが走査方向だけに変位するように、これらアクチュエータを配置することによって行うことができる。故障したアクチュエータのところに送られるデータを、対応する冗長アクチュエータに送るための手段と一緒に、故障したアクチュエータのマップを記憶しているメモリも設置されている。

Description

【発明の詳細な説明】 集積印刷ヘッドの故障許容用ノズル二元化 技術分野 本発明は、コンピュータ制御印刷装置の分野に関し、特にドロップオンデマン ド(DOD)印刷システム用の故障許容の分野に関するものである。 発明の背景 現在まで、多くの異なるタイプのディジタル制御印刷システムが発明され、多 くのタイプのものが現在生産されている。これらの印刷システムは、種々の作動 機構、種々のマーキング剤および種々の記録媒体を使用する。現在使用されてい るディジタル印刷システムの例としては、レーザ電子写真プリンタ、LED電子 写真プリンタ、ドットマトリックスインパクトプリンタ、熱式ペーパープリンタ 、フィルムレコーダ、熱式ワックスプリンタ、染料分散熱式移動プリンタおよび インクジェットプリンタ等がある。しかし、現在のところ、従来の方法が、設定 に非常に費用が掛かり、特定のページを数千枚印刷する場合でなければ、商業的 にほとんど引き合わないにもかかわらず、電子印刷システムが機械的印刷機に取 って代わっているケースはまだまだ少ない。それ故、例えば、普通紙を使用して 、高速、低コストで高品質のカラーイメージを印刷することができる改良型ディ ジタル制御印刷システムが求められている。 インクジェット印刷は、ディジタル制御電子印刷分野での極めて優れた競争相 手とされてきた。何故なら、例えば、インパクト型ではなく、騒音が少なく、普 通紙に印刷でき、トナーの転写や定着を行う必要がないからである。 現在までに、多くのタイプのインクジェット印刷機構が発明されてきた。これ らのインクジェット印刷機構は、連続インクジェット(CIJ)またはドロップ オンデマンド(DOD)インクジェットに分類することができる。連続インクジ ェット印刷の歴史は古く、少なくとも1929年には発明されていた。ハンセル の米国特許第1、941、001号参照。 1967年のスイート他の米国特許第3、373、437号は、印刷に使用さ れるインクの粒子が選択的に電荷を与えられ、記録媒体に向けて偏向される、連 続インクジェットノズルのアレーを開示している。この技術は、二進法偏向CI Jとして周知であり、エルムジェットおよびサイテックスのような数社のメーカ ーが使用している。 1966年のヘルツ他の米国特許第3、416、153号は、小さな孔を通る インクの粒子の数を変調するために、電荷を帯びたインクの粒子の流れを静電的 に分散させることによって、CIJ印刷で印刷した点の濃度を光学的に変化させ る方法を開示している。この技術は、イリスグラフィックス社が製造したインク ジェットプリンタに使用されている。 1970年のカイザー他の米国特許第3、946、398号は、圧電クリスタ ルに高電圧を掛け、クリスタルを曲げ、インクタンクに圧力を掛け、必要に応じ てインクの粒子を噴出させるDODインクジェットプリンタを開示している。多 くのタイプの圧電ドロップオンデマンドプリンタが次から次へと発明されたが、 これら圧電プリンタは、圧電クリスタルを、曲げモード、押しモード、せん断モ ードおよび絞りモードで使用している。圧電DODプリンタは、高温溶融インク (例えば、テクトロニクスおよびデータプロダクトプリンタ)を使用して、商業 的に成功したが、その家庭用およびオフィス用のイメージ解像度は最高720d piであった(セイコーエプソン)。圧電DODプリンタは、広い範囲の種類の インクを使用することができるという利点を持っている。しかし、圧電印刷機構 は、通常、複雑な高電圧駆動回路と容積の大きい圧電クリスタルアレーを必要と し、そのため製造が困難であり、性能の上でも不利になっている。 1979年の遠藤他の英国特許第2、007、162号は、ノズル内のインク と熱的に接触している電熱トランスジューサ(ヒータ)に、電力パルスを加える 電熱DODインクジェットプリンタを開示している。ヒータは、急速に、水をベ ースとしたインクを高温に加熱し、その場合、少量のインクは急速に蒸発しバブ ルを形成する。このようなバブルが形成されると、その結果、圧力波ができ、こ の圧力波はインクの粒子をヒータの基板の縁部にそって、小さな孔部から排出さ せる。この技術は、BubblejetTM(日本のキャノン社の登録商標)と呼 ばれ、キャノン、ゼロックスおよびその他のメーカーが製造している多くの種類 の印刷システムで使用されている。 1982年のボート他の米国特許第4、490、728号は、バブルの形成に よって作動する電熱粒子排出システムを開示している。このシステムの場合、粒 子はヒータの上に設置されている孔部を持つ板に形成されているノズルを通して 、ヒータの基板の面に垂直な方向に排出される。このシステムは熱インクジェッ トと呼ばれ、ヒューレット−パッカード社が製造している。本明細書には熱イン クジェットという用語は、ヒューレット−パッカード社のシステムおよびBub blejetTMと通常呼ばれているシステムの両方を指すのに使用されている。 熱インクジェット印刷は、通常、一つの粒子を排出するのに約2マイクロ秒中 に約20マイクロジュールを必要とする。各ヒータが10ワットの有効電力を消 費するのは、それ自身不利であるうえに、特別なインクを必要とし、ドライバエ レクトロニクスが複雑になり、ヒータ素子の劣化が促進される。 技術文献には、他のインクジェット印刷システムも記載されているが、現在は 商業的には使用されていない。例えば、米国特許第4、275、290号は、熱 パルスと水圧で、所定の印刷ヘッドノズルのアドレスを一致させることにより、 インクが印刷ヘッドの下を通して、スペーサにより分離されている紙に自由に流 れることができるシステムを開示している。米国特許第4、737、803号、 第4、737、803号および第4、748、458号は、印刷ヘッドノズル内 のインクのアドレスを熱パルスおよび静電誘引フィールドに一致させることによ り、印刷シートにインクの粒子を排出させるインクジェット記録システムを開示 している。 上記各インクジェット印刷システムは、利点と欠点とを持つ。しかし、例えば 、コスト、速度、品質、信頼性、電力利用、簡単な構造と操作、耐久性および消 耗品の点で有利な改良型インクジェット印刷方法が依然として求められているこ とは広く知られている。 本明細書においては、「光学的密度」という用語は、人間の目が認識する視覚 的イメージの暗さを意味し、分光器による光学的密度、OD=A=log10(I o/I)を意味するものではない。 発明の概要 「液体インク印刷装置およびシステム」および「同時粒子選択、粒子分離印刷 方法および/ステム」という名称の、本出願と一緒に提出された出願には、上記 の従来技術の問題を克服するための、有意な改良を行うことができる新しい方法 および装置が記載されている。これらの発明は、例えば、粒子の大きさおよび粒 子の印刷場所の正確さ、達成できる印刷速度、電力利用、耐久性および遭遇する 動作上の熱応力および他のプリンタ性能特性、並びに製造が容易であることおよ び有益なインクの特性に関して、重要な利点を持っている。本発明の一つの重要 な目的は、上記出願に開示されている構造および方法をさらに改善し、それによ り印刷技術の進歩に貢献することである。 本発明の一つの重要な態様は、生産歩留まりを改善することができ、動作性能 を改善することができる、故障許容印刷システムを提供することである。 一つの態様においては、(a)複数の通常はアクティブな印刷アクチュエータ と、(b)無効で、通常はアクティブな印刷アクチュエータの同一性を知らせる 手段と、(c)上記の通常はアクティブなアクチュエータと同じ印刷能力を持つ 、複数の冗長印刷アクチュエータと、(d)上記の同一性を知らせる手段に応答 して、通常は欠陥印刷アクチュエータへの供給電力を制御する同じイメージデー タの制御の下で、無効で、通常はアクティブな印刷アクチュエータに対応する冗 長印刷アクチュエータに電力を供給するための手段とを備えている故障許容印刷 装置である。 本発明の好適な態様は、印刷アクチュエータが、同期力印刷ヘッドであること である。 本発明の他の好適な態様は、印刷アクチュエータが、熱インクジェットノズル であることである。 本発明のさらに他の好適な態様は、印刷アクチュエータが、熱ワックスプリン タアクチュエータであることである。 本発明のさらに他の好適な態様は、印刷アクチュエータが、染料昇華プリンタ アクチュエータであることである。 本発明のさらに他の好適な態様は、印刷アクチュエータが、熱ペーパープリン タのヒータバーの一部である発熱素子であることである。 本発明のさらに他の好適な態様は、通常アクティブな印刷アクチュエータおよ び冗長印刷アクチュエータが、単一の基板上に形成されていることである。 本発明のさらに他の好適な態様は、通常アクティブな印刷アクチュエータが、 冗長印刷アクチュエータとは別の基板上に形成されていることである。 本発明のさらに他の好適な態様は、冗長印刷アクチュエータの数が、通常アク ティブな印刷アクチュエータの数と等しいか、またはそれより多いことである。 本発明のさらに他の好適な態様は、冗長印刷アクチュエータが、通常アクティ ブな印刷アクチュエータから走査方向にずれているが、非走査方向においては、 非走査方向の印刷アクチュエータ間の間隔の10倍以上はずれていないことであ る。 図面の簡単な説明 図1(a)は、本発明の一つの例示としての印刷装置の簡単なブロック図であ る。 図1(b)は、本発明のノズルチップの一例の断面図である。 図2(a)−図2(f)は、インク粒子選択の流体力学シミュレーションであ る。 図3(a)は、本発明の一実施形態の作動中のノズルの有限要素流体力学シミ ュレーションである。 図3(b)は、インク粒子選択および分離の際の継続メニスカス位置である。 図3(c)は、インク粒子選択サイクル中の種々の点における温度である。 図3(d)は、種々のインク添加物に対する測定表面張力対温度曲線である。 図3(e)は、図3(c)の温度曲線を発生させるためのノズルヒータに送ら れる電力パルスである。 図4は、本発明を実施するための印刷ヘッド駆動回路の簡単なブロック図であ る。 図5は、故障許容を使用もしくは使用しない、本発明の特徴を実施するA4ペ ージ幅のカラー印刷ヘッド用の予想製造歩留まりである。 図6は、印刷ヘッドを使用する一般化したブロック図である。 図7は、集積駆動回路を持つ大型印刷ヘッドのブロック図である。 図8は、冗長アクチュエータを使用する故障許容印刷システムのブロック図で ある。 好適な実施形態の詳細な説明 一つの一般的な態様では、本発明は、ドロップオンデマンド印刷機構からなり 、そこでは印刷に使用されるインク粒子を選択する手段が、選択されたインク粒 子と、選択されていないインク粒子との間の位置関係を変えるが、これはインク 粒子がインクの表面張力に打ち勝ち、インクの本体から分離するには不十分であ り、さらにインク本体から、選択されたインク粒子を分離させるために別の手段 が使用されている。 インク粒子選択手段をインク粒子分離手段から分離すると、どのインク粒子を 印刷に使用するのかを選択するのに必要なエネルギーが有意に低減する。インク 粒子選択手段だけを、各ノズルに対する個々の信号によって駆動すればよいから である。インク粒子分離手段は、電界または条件に応じて、すべてのノズルに同 時に使用することができる。 インク粒子選択手段は、下記のリストから選択することができるが、リストに 記載されているものだけに限定されるわけではない。 1)圧力が掛けられているインクの表面張力の電熱低減 2)インク粒子の排出を起こさせるには不十分なバブル体積による、電熱バルブ の発生 3)インク粒子を排出させるには不十分な容積の変化を持つ圧電 4)各ノズルに一つの電極を使用する静電吸引 インク粒子分離手段は、下記のリストから選択することができるが、リストに 記載されているものだけに限定されるわけではない。 1)近接(印刷ヘッドに近接している記録媒体) 2)振動インク圧による近接 3)静電吸引 4)磁気吸引 「DOD印刷技術の目標」テーブルは、ドロップオンデマンド印刷技術のいく つかの望ましい特性を示す。このテーブルはまた、それにより本明細書に記載し たいくつかの実施形態、または本発明に関連する他の出願に記載されているいく つかの実施形態が使用し、それにより従来技術を改良したいくつかの方法を表示 している。 DOD印刷技術の目標 熱的インクジェット(TIJ)および圧電インクジェットシステムの場合には 、選択したインク粒子が確実にインクの表面張力に打ち勝ち、インク本体から分 離し、記録媒体に吹き付けられるためには、インク粒子の秒速は好適には約10 メートルであることが好ましい。上記システムの電気的エネルギーを、インク粒 子の運動エネルギーに変換する効率は非常に低い。TIJシステムの効率は、約 0.02%である。このことは、TIJ印刷ヘッド用の駆動回路は、大電流を切 り替えなければならないことを意味する。圧電インクジェットヘッド用の駆動回 路は、大電圧を切り替えなければならないか、または大きな容量性の負荷を切り 替えなければならない。ページ幅のTIJ印刷ヘッドの全消費電力は、非常に高 い。1秒間に1つの4カラーブラックイメージを印刷する、800dpiのA4 全カラーページ幅のTIJ印刷ヘッド印刷は、約6キロワットの電力を消費する が、その大部分は無駄な熱になる。この熱を除去するのが難しいので、ローコス トで、高速、高解像度の小型のページ幅TIJシステムの生産がなかなかうまく いかない。 本発明の実施形態の一つの重要な特徴は、印刷に使用するインク粒子の選択に 必要なエネルギーを有意に低減する手段である。上記のエネルギーの低減は、イ ンク粒子を選択するための手段を、選択したインク粒子を確実にインク本体から 分離し、また記録媒体上にドットを形成するための手段から分離することによっ て達成される。インク粒子選択手段だけは、各ノズルに対する個々の信号によっ て駆動しなければならない。インク粒子分離手段は、すべてのノズルに同時に適 用されるフィールドまたはコンディションとなる。 「インク粒子選択手段」を示すテーブルには、本発明のインク粒子を選択する ための可能な手段がいくつか表示されている。インク粒子選択手段は、選択され たインク粒子の位置を十分に変化させるのに必要であり、それにより、インク粒 子分離手段は、選択されたインク粒子を、選択されなかったインク粒子から区別 することができるわけである。 インク粒子選択手段 他のインク粒子選択手段も、使用することができる。 水をベースとするインク用の好適なインク粒子選択手段は、方法1:「圧力下 のインクの表面張力を電熱により低減する」方法である。このインク粒子選択手 段は、他のシステムと比較すると、多くの利点を持つ。その利点としては下記の ものが含まれる。すなわち、動作電力が低いこと(TIJの約1%)、CMOS VLSIチップ製造法と互換性を持っていること、動作電圧が低いこと(約1 0V)、ノズル密度が高いこと、低温で動作できること、および適当なインク組 成の範囲が広いことである。インクの表面張力は、温度の上昇に従って、低下し なければならない。 高温溶融インクまたはオイルをベースとするインク用の好適なインク粒子選択 手段は、方法2:「変動インク圧とともに、インクの粘度を電熱により下げる」 方法である。上記インク粒子選択手段は、温度の上昇と共に、粘度が大幅に低下 するが、表面張力は少ししか低下しないインクと一緒に使用するのに特に適して いる。特に、比較的高い分子量を持つ非極性インクキャリヤの場合に適している 。これは特に、高温溶融インクおよびオイルをベースにしているインクの場合に 適している。 「インク粒子分離手段」を示すテーブルには、選択されたインク粒子をインク 本体から分離し、選択したインク粒子により、印刷媒体上にドットを形成するの に使用することができるいくつかの方法が示されている。インク粒子分離手段は 、選択されなかったインク粒子が、印刷媒体上に絶対にドットを形成しないよう にするために、選択されたインク粒子を選択されなかったインク粒子から区別す る。 インク粒子分離手段 他のインク粒子分離手段も使用することができる。 好適なインク粒子分離手段は、用途によって変わる。 ほとんどの用途の場合には、方法1:「静電誘引」または方法2:「交流電界」 が最も適している。平滑なコーティングが行われた紙またはフィルムが使用され 、非常な高速が絶対必要ではない場合には、方法3:「近接」が適当である。高 速、高品質を必要とする場合には、方法4:「転送近接」を使用することができ る。方法6:「磁気誘引」は、印刷媒体が、近接印刷に対してあまりにざらざら していて、静電インク粒子分離用に必要な高電圧が望ましくない、ポータブル印 刷システムに適している。すべての用途に適用できるはっきりした「最善の」イ ンク粒子分離手段はない。 本発明の種々のタイプの印刷システムのより詳細な説明は、その開示が参考文 献として本明細書に記載されている、1995年4月12日付けの下記のオース トラリアの特許明細書に記載されている。すなわち、 「液体インク故障許容(LIFT)印刷機構」(出願番号:PN2308) 「LIFT印刷の際の電熱インク粒子選択」(出願番号:PN2309) 「印刷媒体近接によるLIFT印刷の際のインク粒子分離」(出願番号:PN 2310 「ヘッドと媒体の間の距離を変化させることによる、近接LIFT印刷におけ るインク粒子の大きさの調整」(出願PN2311) 「音響インク波を使用する増大近接LIFT印刷」(出願番号:2312) 「LIFT印刷における静電インク粒子分離」(出願番号:PN2313) 「近接印刷における多重同時インク粒子サイズ」(出願番号:PN2321) 「熱作動印刷ヘッドの自己冷却動作」(出願番号:PN2322) 「熱的粘度低減LIFT印刷」(出願番号:PN2323) 図1(a)は、本発明の一つの好適な印刷システムの略図である。 イメージ源52は、スキャナまたはコンピュータからのラスタイメージデータ であってもよいし、ページ記述言語(PDL)の形のアウトラインイメージデー タであってもよいし、または他の形のディジタルイメージ表現であってもよい。 このイメージデータは、イメージ処理システム53によってピクセルマップされ たページイメージに変換される。上記イメージ処理ンステムは、PDLイメージ データの場合には、ラスタイメージプロセッサ(RIP)かも知れないし、ラス タイメージデータの場合には、ピクセルイメージ操作であるかもしれない。イメ ージ処理ユニット53によって生じた連続トーンデータは、ハーフトーンである 。ハーフトーン化は、ディジタルハーフトーン化ユニット54によって行われる 。ハーフトーン化されたビットマップイメージデータは、イメージメモリ72に 記憶される。プリンタおよびシステム構成によって、イメージメモリ72は全ペ ージメモリであったり、バンドメモリであったりする。ヒータ制御回路71は、 イメージメモリ72からデータを読み取り、印刷ヘッド50の一部であるノズル ヒータ(図1(b)の103)に、時変電気パルスを送る。上記パルスは適当な 時間に、適当なノズルに送られ、その結果、選択されたインク粒子は、イメージ メモリ72のデータによって指定された、記録媒体51上の適当な場所に点を形 成する。 記録媒体51は、マイクロコントローラ315によって制御されている、ペー パー移動制御システム66によって電子的に制御されている、ペーパー移動シス テム65によって、ヘッド50に対して移動する。図1(a)に示すペーパー移 動システムはその略図にしか過ぎず、多くの異なる機械的構成を使用することが できる。ページ幅印刷ヘッドの場合には、記録媒体51を、定置型のヘッド50 に接触させながら移動させるのが最も便宜的な方法である。しかし、走査印刷/ ステムの場合には、相互にラスタ動作が行われるように、普通ヘッド50を軸( サブ走査方向)上にそって移動し、記録媒体51を直行軸(主走査方向)にそっ て移動するのが最も便宜的な方法である。マイクロコントローラ315は、また インク圧レギュレータ63およびヒータ制御回路71を制御することができる。 表面張力の低減を利用する印刷の場合には、インクは圧力が掛けられた状態で インクタンク64に収容されている。(インク粒子が排出されない)静止状態の 場合には、インク圧は表面張力に打ち勝って、インク粒子を排出するほどまだ十 分高くない。インク圧レギュレータ63の制御の下で、インクタンク64に圧力 を加えることによって、インクに一定の圧力を加えることができる。別の方法と しては、大型の印刷システムの場合には、ヘッド50上の適当な高さのところに 、インクタンク64のインク頂面を設定することによって、インク圧を非常に正 確に発生し、制御することができる。インクレベルは、簡単なフロート弁(図示 せず)により調整することができる。 粘度の低減を利用する印刷の場合には、インクはインクタンク64に収容され ていて、インク圧は振動により与えられる。この振動を発生するための手段とし ては、インクチャネル(図示せず)に実装されている圧電アクチュエータを使用 することができる。 インク粒子分離手段と共に適当に配置すれば、選択されたインク粒子は、記録 媒体51上に点を形成し、一方、選択されなかったインク粒子はインク本体の一 部として残る。 インクは、インクチャネル装置75によって、ヘッド50の背面に分配される 。インクは、好適にはヘッド50のシリコン基板に彫られたスロットおよび/ま たは孔部を通って、ノズルおよびアクチュエータが設置されている前面に流れる ことが好ましい。熱的選択が行われる場合には、ノズルアクチュエータは、電熱 ヒータである。 本発明のある種のタイプのプリンタの場合には、選択されたインク粒子をイン ク本体から確実に分離し、記録媒体51の方向に確実に移動させるのに、外部電 界74が必要になる。インクは容易に電導性を持つことができるので、手ごろな 外部電界74として、定電界を使用することができる。この場合、ペーパーガイ ドまたはプラテン67を、電導性の材料で作ることができ、電界を発生する一つ の電極として使用することができる。もう一方の電極としては、ヘッド50自身 を使用することができる。他の実施形態は、選択されたインク粒子と選択されな かったインク粒子とを区別するための手段として、印刷媒体の近接を使用してい る。 小さなインク粒子の場合には、インク粒子に掛かる重力は非常に小さい。すな わち、表面張力の約10-4で、ほとんどの場合、重力は無視することができる。 このため、印刷ヘッド50および記録媒体51を、局部的な重力の場に対して任 意の方向に向けることができる。このことはポータブル型のプリンタにとって、 重要な要件である。 図1(b)は、修正CMOSプロセスを使用して製造した、本発明の単一の顕 微鏡的ノズルチップの実施形態の断面の詳細な拡大図である。ノズルは基板10 1に彫られていて、この基板はシリコン、ガラス、金属または他の任意の適当な 材料で作ることができる。基板が半導体でない材料でできている場合には、(無 定型シリコンのような)半導体材料を基板上に配置して、表面に半導体層に集積 駆動トランジスタおよびデータ分配回路を形成することができる。単結晶シリコ ン(SCS)基板は、下記に記載する利点を含めて、いくつかの利点を持つ。 1)高性能の駆動トランジスタ、および他の回路をSCS内に作ることができる 。 2)標準VLSI処理装置を使用して、現在の施設(工場)で印刷ヘッドを作る ことができる。 3)SCSは機械的強度および剛性が高い。 4)SCSは高い熱伝導性を持つ。 この例の場合には、ノズルは円筒形をしていて、環状のヒータ103を持つ。 ノズルチップ104は、CMOS駆動回路の形成過程中に形成された二酸化シリ コン層から作られている。ノズルチップは、窒化シリコン膜で保護されている。 突出しているノズルチップは、印刷ヘッド表面上の圧力が掛かっているインク1 00の接触点を制御している。印刷ヘッドの表面も、印刷ヘッドの前面を横切っ て、不必要にインクが広がらないように疎水化されている。 多くの他の構成のノズルを使用することができ、本発明のノズルの実施形態の 形、大きさおよび使用材料をいろいろに変えることができる。その上にヒータお よび駆動エレクトロニクスが形成されている基板に彫られたモノリシックなノズ ルは、オリフィス板を必要としないという利点を持つ。オリフィス板を使用しな いですむので、製造およびを組立の際のコストを有意に節減することができる。 オリフィス板を使用しないですむ最近の方法としては、ゼロックスに譲渡された 堂本他の1986年の米国特許第4、580、158号、ヒューレット−パッカ ード社に譲渡されたミラー他の1994年の米国特許第5、371、527号に 記載されている方法のような「渦巻」アクチュエータ等がある。しかし、これら の方法は、動作が複雑で、製造が難しい。本発明の印刷ヘッド用のオリフィス板 を使用しない好適な方法は、アクチュエータの基板内にオリフィスを内蔵させて いる。 このタイプのノズルは、インク粒子を分離するために種々の技術を使用してい る印刷ヘッドに対して使用することができる。 静電インク粒子分離を使用する動作 最初の例として、図2に表面張力の熱による低減および静電式インク粒子分離 を使用する動作を示す。 図2は、米国、イリノイ州所在のフルイドダイナミック社が販売している商業 的な流体の動的シミュレーションソフトウエアパッケージであるFIDAPを使 用して行ったエネルギーの移動および流体の動的シミュレーションの結果を示す 。このシミュレーションは、周囲温度が30℃の場合の、直径が8ミクロンの熱 的インク粒子選択ノズルの実施形態についてのものである。ヒータに供給された 全エネルギーは、276nJで、それぞれが4nJのエネルギーを持つ69のパ ルスによって与えられる。インク圧は、周囲の空気圧より10kPa高く、30 ℃のインクの粘度は1.84cPsであった。インクは水をベースとするもので 、温度が上昇するにつれて、表面張力を大きく低下させるために、0.1%のパ ルミチン酸のゾルを含む。図に示すように、ノズルの中心軸から半径方向へのノ ズルチップの断面の長さは40ミクロンである。シリコン、窒化シリコン,アモ ルファス二酸化シリコン、結晶状二酸化シリコンを含むノズル材料内、および水 をベースとするインク中を流れる熱を、それぞれの密度、熱容量、および熱伝導 性を使用してシミュレートした。シミュレーションの時間的ステップは0.1マ イクロ秒である。 図2(a)は、ヒータが作動する直前の静止状態を示す。平衡状態にあり、そ のため静止状態の場合には、インク圧プラス外部電界は、絶対に、周囲温度での 表面張力に打ち勝つことができないので、ノズルからインクが噴出しない。静止 状態の場合には、インクのメニスカスは、印刷ヘッドの表面より有意に突出しな いので、そのため静電界はメニスカスに有意に集中しない。 図2(b)は、ヒータ加熱パルスの供給が開始してから5マイクロ秒後の5℃ 間隔での等温線を示す。ヒータが加熱すると、ノズルチップと接触しているイン クは急速に加熱される。表面張力が低下すると、メニスカスの加熱された部分が 冷たいインクのメニスカスに対して急速に膨張する。この状況下では、対流が起 こり、この対流がこの熱をノズルチップのインクの自由面の一部上を通して急速 に移動させる。この場合、熱をインクがヒータと接触していないところを通して 分配しないで、インクの表面上を通して分配する必要がある。なぜなら、固体の ヒータに対して粘り気のあるインクが伝わると、ヒータと直接接触しているイン クが移動できなくなるからである。 図2(c)は、ヒータ加熱パルスの供給が開始してから、10マイクロ秒後の 5℃毎の等温線を示す。温度が上昇すると、表面張力が低下し、力の平衡状態が 破れる。全メニスカスが加熱されると、インクが流れ始める。 図2(d)は、ヒータ加熱パルスの供給が開始してから、20マイクロ秒後の 5℃毎の等温線を示す。インク圧により、インクが新しいメニスカス部分に流れ 、印刷ヘッドから突き出る。静電界は、突き出た電導性のインク粒子によって集 中する。 図2(e)は、ヒータ加熱パルスの供給が開始してから、30マイクロ秒後の 5℃毎の等温線を示す。ヒータパルスの持続時間は24マイクロ秒であるので、 この等温線はヒータパルスの終了後6マイクロ秒のものである。ノズルチップは 、酸化層を通しての熱伝導、および流動中のインクへの熱伝導により急速に冷却 する。ノズルチップは、インクにより効果的に水冷される。静電誘引により、イ ンク粒子の記録媒体へ向かっての加速が開始される。ヒータパルスが有意に短く なると(この場合は、16マイクロ秒以下になると)、インクは印刷媒体の方向 に加速されず、ノズルの方向に戻る。 図2(f)は、ヒータパルスの供給が終了してから、26マイクロ秒毎の5℃ における等温線を示す。ノズルチップの温度は、周囲温度と比較した高さが5℃ 以下になる。これにより、ノズルチップ周囲の表面張力が増大する。ノズルから インクが引き出される速度が、ノズルを通してのインクの流れの粘度による制限 値を超えると、ノズルチップの領域内のインクが「くびれ」を起こし、選択され たインク粒子がインク本体から分離する。その後、選択されたインク粒子は、外 部の静電界の影響を受けながら、記録媒体に向かって移動する。その後、ノズル チップのインクのメニスカスは、静止位置に戻り、次の加熱パルスに対して次の インク粒子を選択する準備が整う。各加熱パルスに対して、一つのインク粒子が 選択され、分離され、記録媒体上に点を形成する。加熱パルスは電気的に制御さ れているので、ドロップオンデマンドインクジェット動作を行うことができる。 図3(a)は、ヒータ加熱パルスの供給が開始されてから5マイクロ秒毎の、 インク粒子選択サイクル中の連続メニスカスの位置を示す。 図3(b)は、メニスカスの中心の点の移動を示す、メニスカスの位置対時間 のグラフである。ヒータパルスはシミュレーションが開始してから10秒後にス タートする。 図3(c)は、時間の経過中の、ノズルのいろいろな点での温度の合成曲線で ある。グラフの垂直軸は100℃単位の温度である。グラフの水平軸は、10マ イクロ秒単位の時間である。図3(b)の温度曲線は、0.1マイクロ秒毎にF IDAPにより計算したものである。局部的な周囲温度は30℃である。三つの 点での温度履歴を示す。 A−ノズルチップ:不動態化層、インクおよび空気の間の接触円の温度履歴で ある。 B−メニスカスの中間点:ノズルチップとメニスカスの中心との間のインクメ ニスカスの中間点上の円である。 C−チップ表面:ノズルの中心から20ミクロン離れた、印刷ヘッドの表面上 の点である。温度は数度しか上がらない。このことは、能動回路をノズルに非常 に接近して設置しても、温度上昇による性能または寿命の劣化は起こらないこと を示している。 図3(e)は、ヒータに加えられる電力を示す。最適な動作を行うには、ヒー タパルスの供給が開始されたときに、温度が急速に上昇しなければならず、パル スが持続している時間、温度をインクの沸点より少し低い温度に維持する必要が あり、またパルスの供給が停止された場合には、温度が急速に低下しなければな らない。そうするために、ヒータに供給される平均エネルギーを、パルスの持続 時間中変動させる。この場合、上記変動は、それぞれが4nJのエネルギーを持 つ、0.1マイクロ秒のサブパルスをパルス周波数変調することによって行われ る。ヒータに供給されるピーク電力は40ミリワットで、ヒータパルスの持続時 間中の平均電力は、11.5ミリワットである。この場合、サブパルス周波数は 5Mhzである。この周波数は、印刷ヘッドの動作に有意な影響を与えずに、簡 単に変化させることができる。もっと高いサブパルス周波数を使用すれば、ヒー タに供給される電力をもっと細かく調整することができる。サブパルス周波数と しては、13.5Mhzが適当である。何故なら、この周波数はまた無線周波数 の干渉(RFI)の影響を最低限度に抑えるのに適しているからである。 負の温度係数の表面張力を持つインク 温度が下降するに従ってインクの表面張力が低下しなければならないという要 件があるからといって、インクの選択が大きな制限を受けることはない。何故な ら、大部分の純粋な液体および多くの混合液は、上記特性を持っているからであ る。任意の液体に対する表面張力対温度の関係を表す式はない。しかし、多くの 液体に対しては、ラムザイとシールドの下記の経験式で十分である。 但し、γTは温度Tにおける表面張力であり、kは定数であり、Tcは液体の臨 界温度であり、Mは液体の分子量であり、xは液体の結合の度合いであり、ρは 液体の密度である。この式は、温度が液体の臨界温度に達すると、大部分の液体 の表面張力はゼロに下がることを示している。大部分の液体の場合には、臨界温 度は、大気圧の下での沸点よりかなり高い。そのため、実際の排出温度付近で、 小さな温度変化で、表面張力が大きく変わるようなインクを作るには、界面活性 剤の混合物を使用することを勧める。 界面活性剤の選択は重要である。例えば、熱式インクジェットプリンタ用の水 をベースとするインクは、多くの場合、表面張力を低下させ、急速に乾燥させる ためにイソプロピルアルコール(2−プロパノール)を含んでいる。イソプロピ ルアルコールの沸点は、水の沸点より低い82.4℃である。温度が上昇すると 、アルコールは水より速く蒸発し、アルコールの濃度が低下し、表面張力が大き くなる。1−ヘクサノール(沸点:158℃)のような界面活性剤は、このよう な効果を抑えるために使用することができ、温度が上昇すると、表面張力を少し 下げる。しかし、温度の上昇と共に表面張力が比較的大きく下がるということは 、動作のラチチュードを最大にするために望ましいことである。大きな動作マー ジンを達成するには、好適には、30℃以上の温度範囲で、表面張力が20mN /mだけ減少するのが好ましいが、一方、本発明の印刷ヘッドの動作を行うには 、10mN/m程度の低い表面張力の低下を使用することができる。 大きなΔγTを持つインク 温度上昇に従って、表面張力を大きく下げるには、いつくかの方法を使用する ことができる。そのような方法の中の二つを以下に説明する。 1)インクは、周囲温度では固体だが、しきい値温度で溶解する界面活性剤の低 濃度のゾルを含むことができる。粒子サイズは、1,000Å以下のものが望ま しい。水をベースとするインク用の界面活性剤の望ましい融点は、50−90℃ であり、好適には60−80℃であることが好ましい。 2)インクは、転相温度(PIT)が最高周囲温度より高いが、インクの沸点よ り低いオイル/水のマイクロ乳剤を含むことができる。安定状態に保持するため に、マイクロ乳剤のPITは、好適には、インクが遭遇する最大非動作温度より 20℃またはそれ以上高いことが好ましい。約80℃のPITが適当である。 界面活性剤のゾルを含むインク インクを、必要な温度範囲で溶解する小さな粒子の界面活性剤のゾルとして調 製することができる。上記界面活性剤のいくつかの例をあげると、下記の炭素数 が14−30のカルボン酸等がある。 粒子サイズが小さいゾルの融点は、普通バルク材料の融点より少し低いので、 必要なインク粒子選択温度より少し高い融点を持つカルボン酸を選ぶのが好まし い。望ましい例としてはアラキジン酸がある。 上記カルボン酸は、高純度、低価格で入手できる。必要な界面活性剤の量は、 非常に少なくてすむので、インク以外のコストは問題にならないほど安い。鎖の 長さが少しずつ違うカルボン酸を、ある温度範囲にわたって融点の範囲を広くす るために使用することができる。そのような混合物のコストは、通常純粋な酸よ り安い。 界面活性剤の選択範囲を、簡単な直鎖のカルボン酸だけに制限する必要はない 。分岐した鎖またはフェニール基、または疎水部分を持っている界面活性剤を使 用することができる。また、カルボン酸を使用する必要もない。多くの高い極性 の部分は、界面活性剤の疎水性の終端部として適している。分散を助け、凝集を 防止する目的で、界面活性剤の粒子の表面を帯電させるために、極性を持つ端部 を水中でイオン化することが望ましい。カルボン酸の場合には、水酸化ナトリウ ムまたは水酸化カリウムのようなアルカリを添加することにより、上記イオン化 を行うことができる。 界面活性剤ゾルを含むインクの調製 界面活性剤ゾルは、別個に高濃度で調製することができ、必要な濃度でインク に添加することができる。 界面活性剤ゾルを調製する例示としてのプロセスは下記の通りである。 1)酸素を含まない空間内で、純化した水にカルボン酸を加える。 2)混合物を、カルボン酸の融点以上に加熱する。水を沸騰させる。 3)100−1,000Åの範囲の、通常の大きさのカルボン酸の小さな粒子が 得られるまで、混合物に超音波を当てる。 4)混合物を冷却する。 5)混合物の頂部から大きな粒子を他に移す。 6)NaOHのようなアルカリを加え、粒子の表面において、カルボン酸の分子 をイオン化する。適当なpHは約8である。このステップは絶対に必要なもので はないが、ゾルを安定させるのに役立つ。 7)ゾルを遠心分離する。カルボン酸の密度は水より低いので、より小さな粒子 が遠心分離機の外側に堆積し、大きな粒子が中心に集まる。 8)5000Å以上のすべての粒子を除去するために、微小な孔を持つフィルタ を使用して、ゾルをろ過する。 9)界面活性剤ゾルを、調製したインクに加える。ゾルの濃度は極めて薄いもの であってよい。 調製したインクも、染料または色素、殺菌剤、また静電インク粒子分離を使用 した場合には、インクの電導性を高めるための薬剤、湿潤剤、および必要とした 他の薬剤を含んでいる。 泡消し剤は、一般に必要ではない。何故なら、インク粒子排出プロセス中には バブルは形成されないからである。 陽イオン性界面活性剤ゾル 陰イオン性界面活性剤ゾルで調製したインクは、通常陽イオン性の染料または 色素と一緒に使用するのには適していない。何故なら、陽イオン性の染料または 色素は、陰イオン性の界面活性剤と一緒に使用すると、沈澱や凝集を起こすから である。陽イオン性の染料および色素を使用するためには、陽イオン性の界面活 性剤ゾルが必要である。この目的のためには、アルキルアミン属が適している。 以下の表にこの目的に適している種々のアルキルアミンを示す。 陽イオン性界面活性剤ゾルの調製方法は、本質的には、pHバランスを調製し 、界面活性剤の粒子上の電荷を増大するために、アルカリの代わりに酸を使用す るという点を除けば、陰イオン性界面活性剤ゾルを調製する方法と類似している 。HClを使用するpH6が適当である。 マイクロ乳剤をベースとするインク ある種の温度しきい値である表面張力を大きく下げる他の方法は、マイクロ乳 剤上のインクに基づく方法である。必要な排出しきい値温度付近に転相温度(P IT)を持つマイクロ乳剤を選ぶ。PIT以下の温度では、マイクロ乳剤は水中 にオイルの形(O/W)になっているが、PIT以上の温度では、マイクロ乳剤 はオイルの中の水の形(W/O)になっている。温度が低い場合には、マイクロ 乳剤を形成している界面活性剤は、オイルの周囲の曲率の高い表面に好んで集ま り、温度がPITより有意に高い場合には、界面活性剤は水の周囲の曲率の高い 表面に好んで集まる。温度がPITに近い場合には、マイクロ乳剤は、水とオイ ルとが位相的につながっている連続状態の「スポンジ」を形成する。 表面張力を下げるには、二つのメカニズムがある。PIT付近では、界面活性 剤は、非常に曲率が低い表面に好んで集まる。その結果、界面活性剤の分子は、 オイル乳剤の曲率より遥かに大きい曲率を持つインク/空気の界面に移動する。 それにより、水の表面張力は下がる。温度が転相温度より高い場合には、マイク ロ乳剤は、O/WからW/Oに変化し、そのためインク/空気の界面は水/空気 からオイル/空気に変化する。オイル/空気の界面は、低い表面張力を持つ。 マイクロ乳剤をベースとするインクは、非常に種々様々な方法で調製すること ができる。 インク粒子を急速に排出する場合には、好適には、粘度の低いオイルを選択す ることが好ましい。 多くの場合、適当な極性溶媒は水である。しかし、ある場合には、異なる極性 溶媒が必要になる場合がある。これらの場合には、表面張力を大きく下げること ができるように、表面張力の高い極性溶媒が選ばれる。 転相温度が必要な範囲に収まるようにするために、界面活性剤を選ぶことがで きる。例えば、(Cn2n+146(CH2CH2O)mOHという一般化学式のポ リ(オキシエチレン)アルキルフェニルエーテル(エトキシ化アルキルフェノー ル))を選ぶことができる。界面活性剤の親水性は、mを大きくすることによっ て増大させることができ、疎水性は、nを大きくすることによって増大させるこ とができる。mの適当な数値は約10であり、nの適当な数値は8である。 市販の低コストの製剤は、種々の分子比の酸化エチレンとアルキルフェノール を重合させて製造される。これらの市販の製剤で十分であり、特定の数のオキシ エチレン基を持つ非常に純粋な界面活性剤を使用する必要はない。 この界面活性剤の化学式は、C81746(CH2CH2O)nOHである(n の平均=10)。 類似の界面活性剤は、オクトキシノール−10、PEG−10オクチルフェニ ールエーテルおよびPOE(10)オクチルフェニールエーテルを含む。 HLBは13.6であり、融点は7℃であり、曇り点は65℃である。 この界面活性剤の市販の製剤は、種々のブランド名で販売されている。次の表 にメーカーおよびブランド名を示す。 表に表示した界面活性剤は、大量に低価格(ポンド当たり1ドル以下)で入手 することができ、5%の濃度の界面活性剤を含むマイクロ乳剤を調製する場合、 1リットルに占めるコストは10セント以下である。 他の適当なエトキン化アルキルフェニールとしては、以下に記載するものがあ る。 マイクロ乳剤をベースとするインクは、表面張力が制御できる他に種々の利点 を持つ。 1)マイクロ乳剤は、熱力学的に安定で、分離しない。それ故、貯蔵期間が非常 に長い。時々しか使用されない事務所用およびポータブル型のプリンタの場合に は、このことは特に重要である。 2)特定の粒子サイズのマイクロ乳剤を、容易に作ることができ、乳化したオイ ルの粒の大きさを確実に特定の範囲に制限するために、長くかき混ぜたり、遠心 分離したり、ろ過する必要がない。 3)インクに含まれているオイルの量を、非常に高くすることができるので、オ イルにまたは水に溶ける染料、または両方に溶ける染料を使用することができる 。また、特定の色を得るために、水に溶ける染料、オイルに溶ける他の染料の混 合物を使用することもできる。 4)オイルの微細な油滴に捕らわれたとき、オイルと混合することができる色素 が、凝集するのを防止することができる。 5)マイクロ乳剤を使用することによって、印刷媒体の表面で、種々の色の染料 が混じり合うのを、少なくすることができる。 6)マイクロ乳剤の粘度は、非常に低い。 7)湿潤剤のための要件を緩やかにすることもできるし、無視することもできる 。 マイクロ乳剤をベースとするインクの染料および色素 水の混合物のオイルの含有量を、40%まで増やすことができ、それでもO/ Wマイクロ乳剤を形成することができる。そうすることにより、染料および顔料 の含有量を増やすことができる。 染料と顔料の混合物を使用することができる。染料と顔料の両方を含むマイク ロ乳剤をベースとする一例を以下に示す。 1)水70% 2)水溶性染料5% 3)界面活性剤5% 4)オイル10% 5)オイルと混合できる顔料10% 下記の表は、使用することができるマイクロ乳剤のオイル相および水相内の着 色剤の九つの基本的な組み合わせを示す。 着色剤を含まない、9番目の組み合わせは、透明なコーティング、紫外線イン クおよび選択的グロスハイライトに印刷する際に役に立つ。 多くの染料は両親媒性であるので、オイルと水の境界層に大量の染料も溶かす ことができる。何故なら、この層は非常に広い表面積を持っているからである。 また、各相に複数の染料と顔料を含ませることもできるし、各相に染料と顔料 の混合物を含ませることもできる。 複数の染料または顔料を使用する場合には、調製されたインクの吸収スペクト ルは、使用したいくつかの着色剤の吸収スペクトルの加重平均になる。それによ り二つの問題が生じる。 1)両方の着色剤の吸収ピークが平均されると、吸収スペクトルは広くなる傾向 がある。そうなると、色が「濁る」傾向を示す。輝かしい色を出したい場合には 、人間の視覚に感じる色に頼るだけではなく、その吸収スペクトルに基づいて、 染料および顔料を注意深く選択しなければならない。 2)インクの色は、基質が異なると違って見えることがある。染料と顔料とを組 み合わせて使用すると、吸収力の高い紙の上に印刷したインクの色に対する染料 の色の影響が、低くなる傾向がある。何故なら、染料は紙に吸収されるが、顔料 は「吸収されずに、紙の表面に留まる」傾向があるからである。これはいくつか の状況においては有利なものとして使用することができる。 インク粒子選択温度範囲にクラフト点を持つ界面活性剤 イオン性の界面活性剤の場合には、それ以下の温度では溶解性が非常に低いあ る温度(クラフト点)があり、溶液は本質的にミセルを含んでいない。クラフト 温度点以上の温度においては、ミセルが形成されるようになり、界面活性剤の溶 解性が急速に増大する。臨界ミセル濃度(CMC)が、特定の温度で界面活性剤 の溶解性を超えると、どちらかといえば、CMCのところで溶解性が最大になる ところで、表面張力が最小になる。界面活性剤は、通常クラフト点以下の温度で は効果が非常に低くなる。 この性質は、温度が上昇した場合、表面張力を下げるのに使用することができ る。室温の場合には、界面活性剤の一部だけが溶ける。ノズルヒータをオンにす ると、温度が上昇し、もっと多くの界面活性剤が溶け、表面張力を下げる。 インクの温度が到達する温度範囲の一番高い温度付近にクラフト点がある、界 面活性剤を選ぶべきである。そうすることにより、室温での溶液中の界面活性剤 の濃度と、インク粒子選択温度における溶液中の界面活性剤の濃度との間の、マ ージンを最大にすることができる。 界面活性剤の濃度は、クラフト点におけるCMCに、ほぼ等しいものでなけれ ばならない。このようにすることにより、表面張力の低下が、上昇した温度にお いて最大になり、室温において最小になる。 下記の表は、クラフト点が必要とする温度範囲にある市販のいくつかの界面活 性剤を示す。 インク粒子選択温度範囲内に、曇り点を持つ界面活性剤 ポリオキシエチレン(POE)鎖を使用する非イオン性界面活性剤は、温度が 上昇するにつれて、表面張力が低下するインクを調製するのに使用することがで きる。温度が低い場合には、POE鎖は親水性で、界面活性剤は溶液の状態にな っている。温度が上昇するにつれて、分子のPOE部分の周囲に形成された水は 分裂し、POE部分は疎水性になる。温度が高くなればなるほど、界面活性剤は ますます水に溶け難くなり、その結果、空気/インク界面の界面活性剤の濃度が 増大し、それにより表面張力が下がる。非イオン性界面活性剤のPOE部分が親 水性になる温度は、その界面活性剤の曇り点と関連している。POE鎖それ自身 は、特に適してはいない。何故なら、曇り点は一般に100℃より高いからであ る。 低温における疎水性を増大しないでPOE鎖の曇り点を下げるために、ポリオ キシプロピレン(POP)を、POE/POPブロックコポリマーのPOEと、 結合させることができる。 下記の二つの主な形状を持つ対称的なPOE/POPコポリマーを入手するこ とができる。 1)(一般的に、CAS9003−11−6)であるポロクサマクラスの界面活 性剤のような、分子の末端部にPOE部分を持ち、中心部にPOP部分を持つ界 面活性剤 2)(一般的にCAS9003−11−6)であるメロクサポールクラスの界面 活性剤のような、分子の末端部にPOP部分を持ち、中心部にPOE部分をもつ 界面活性剤 下記の表に、室温で高い表面張力を持ち、曇り点が40℃以上100℃以下で ある種々のポロクサメールおよびメロクサポールのうちのいくつかを示す。 他の種類のポロクサメールおよびメロクサポールは、周知の技術により容易に 合成することができる。望ましい特性は、室温での表面張力ができるだけ高いこ と、曇り点が40−100℃の範囲にあり、好適には60−80℃の範囲にある ことである。 xおよびzの平均が約4であり、yの平均が約15である種々のメロクサポー ル[HO(CHCH3CH2O)x(CH2CH2O)y(CHCH3CH2O)2OH ]が適している。 インクの電導性を高めるために塩を使用する場合には、界面活性剤の曇り点に 対する塩の影響を考慮しなければならない。 POEの曇り点は、(I-のような)水の構造を破壊するイオンによって高く なり、それによりPOE酸素の孤立したペアと水素結合を形成するのに使用でき る、水の分子の数がさらに増える。POE界面活性剤の曇り点は、(Cl-、O H-のような)水構造を形成するイオンによって下がる。水素結合を形成するの に使用できる水の分子の数が少なくなるからである。臭化物イオンは比較的弱い 効果しか持っていない。ブロックコポリマー界面活性剤のPOE鎖およびPOP 鎖の長さを変えることにより、また電導性を高くするために添加される塩(例え ば、Cl-,Br-、I-)を変えることによって、インクの組成を、必要な温度 に合わせて「調製」することができる。NaClは、価格も安く、毒性もないの で、インクの電導性を高めるには、最適の塩であるように思われる。NaClは 、非イオン性界面活性剤の曇り点を少し下げる。 高温溶融インク インクは室温で液体である必要はない。印刷ヘッドおよびインクタンクをイン クの融点以上に加熱することにより、固体の「高温溶融」インクを使用すること ができる。高温溶融インクは、溶融したインクの表面張力が温度が上昇するに従 って下がるように調製しなければならない。ワックスおよび他の物質を使用する 多くの上記調剤の表面張力は、約通常2mN/m下がる。しかし、粘度の減少よ りも表面張力の減少を使用する場合には、良い動作マージンを得るためには、表 面張力の低下は約20mN/mであることが望ましい。 静止状態の温度とインク粒子選択温度との間の温度差は、水をベースとするイ ンクの場合よりも、高温溶融インクの場合のほうが大きい場合がある。何故なら 、水をベースとするインクは水の沸点によって制限を受けるからである。 インクは静止温度で液体でなければならない。静止温度は、印刷されたページ がなるかもしれない最高の周囲温度より高くなければならない。静止温度は、ま た印刷ヘッドを加熱するのに要する電力を少なくし、静止温度とインク粒子排出 温度との間のマージンを最大にするために、できるだけ低くなければならない。 他の温度も使用することができるが、適当な静止温度は、一般に60−90℃の 範囲の温度である。また一般に、適当なインク粒子排出温度は、160−200 ℃の範囲の温度である。 温度が上昇するにつれて表面張力を低下を促進するには、いくつかの方法があ る。 1)融点が静止温度より実質的に高いが、インク粒子排出温度より実質的に低い 界面活性剤の分散している微小な粒子を、液相で高温溶融インクに添加すること ができる。 2)極性および非極性化合物両方の融点より、好適には少なくとも20℃高いP ITを持つ極性/非極性マイクロ乳剤 温度が上昇するにつれて表面張力を大きく下げるには、静止温度の時に、高温 溶融インクキャリヤが比較的高い表面張力(30mN/m以上)を持っているこ とが望ましい。この条件だと、ワックスのようなアルカン類は除外される。適当 な材料は、一般に強い分子間引力を持っているが、この分子間引力は、例えば、 融点が88℃であるヘクサンテトロールのようなポリオールのような多重水素結 合によるものである。 種々の溶液の表面張力の低下 図3(d)は、下記の添加剤を含む種々の水性調剤の表面張力に対する測定効 果を示す。 1)アテアリン酸の0.1%ゾル 2)パルミチン酸の0.1%ゾル 3)プルロン酸10R5の0.1%溶液(商標:BASF) 4)プルロン酸L35の0.1%溶液(商標:BASF) 5)プルロン酸L44の0.1%溶液(商標:BASF) 本発明の印刷システムに適するインクは、その開示内容が参考文献として本明 細書に記載されている下記のオーストラリア特許明細書に開示されている。 「マイクロ乳剤に基づくインク組成物」(1995年9月6日出願、出願番号 :PN5223) 「界面活性剤ゾルを含むインク組成物」(1995年9月6日出願、出願番号 :PN5224) 「インク粒子選択温度ゾルに近いクラフト点を持つ、DODプリンタ用のイン ク組成物」(1995年10月30日出願、出願番号:PN6240) 「マイクロ乳剤をベースとする、インクの染料および顔料」(1995年10 月30日出願、出願番号:PN6241) 粘度の低下を使用する動作 二番目の例として、高温溶融インクと組み合わせて、粘度の熱的低下および近 接インク粒子選択を使用する実施形態の動作を以下に説明する。プリンタを作動 する前に、インクタンク64内で固体のインクの溶融が行われる。インクタンク 、印刷ヘッドへのインクの通路、インクチャネル75および印刷ヘッド50は、 インク100が液状になっているが、比較的粘度が高い(例えば、約100cP )状態に保持される温度に保たれる。インク100は、インクの表面張力により ノズル中に保持される。インク100は、温度が上昇するにつれて粘度が下がる ように調製される。インク圧は、ノズルからのインク粒子排出周波数の整数倍の 周波数で変動する。インク圧が変動するので、ノズルチップのインクのメニスカ スは変動するが、インクの粘度が高いのでこの変動は小さい。通常の動作温度で は、この変動はインク粒子を分離させるには不十分な振幅しか持っていない。ヒ ータ103をオンにすると、選択されたインク粒子を形成するインクが加熱され 、粘度が好適には5cP以下であることが好ましい数値まで下がる。粘土が低下 すると、その結果として、インク圧サイクルの高圧部分の間に、インクのメニス カスはさらに移動する。記録媒体51は、選択されたインク粒子が、記録媒体5 1に接触するには印刷ヘッド50に十分に近接して配置されているが、選択され なかったインク粒子が、記録媒体51に接触しないように、十分な距離を置いて 設置されている。記録媒体51と接触すると、選択されたインク粒子の一部がフ リーズし、記録媒体に付着する。インク圧が下がると、インクはノズルに戻り始 める。インク本体は記録媒体上にフリーズするインクから分離している。その後 、ノズルチップのインク100のメニスカスは、低い変動振幅に戻る。残りの熱 がバルクインクおよび印刷ヘッドに逃げるので、インクの粘度は静止時のレベル まで上がる。一つのインク粒子が選択され、分離され、各ヒートパルス毎に記録 媒体51上に点を形成する。ヒートパルスは電気的に制御されているので、ドロ ップオンデマンドインクジェット動作を行うことができる。 印刷ヘッドの製造 本発明のモノリシック印刷ヘッドの製造プロセスは、その開示内容が参考文献 として本明細書に記載されている、1995年4月12日出願の下記のオースト ラリア特許明細書に記載されている。 「モノリシックLIFT印刷ヘッド」(出願番号:PN2301) 「モノリシックLIFT印刷ヘッド用の製造プロセス」(出願番号:PN23 02) 「LIFT印刷ヘッド用の自己整合ヒータ」(出願番号:PN2303) 「集積4色LIFT印刷ヘッド」(出願番号:PN2304) 「モノリシックLIFT印刷ヘッドでの電力要件の軽減」(出願番号:PN2 305) 「異方性ウエットエッチングを使用する、モノリシックLIFT印刷ヘッドの ための製造プロセス」(出願番号:PN2306) 「モノリシックドロップオンデマンド印刷ヘッドへのノズルの設置」(出願番 号:PN2307) 「モノリシックLIFT印刷ヘッド用のヒータ構造体」(出願番号:PN23 46) 「モノリシックLIFT印刷ヘッド用の電源接続」(出願番号:PN2347 ) 「近接LIFT印刷ヘッド用の外部接続」(出願番号:PN2348) 「モノリシックLIFT印刷ヘッド用の自己整合製造プロセス」(出願番号: PN2349) 「LIFT印刷ヘッドのCMOSプロセス互換製造」(1995年9月6日出 願、出願番号:PN5222) 「ノズルリムヒータ付き、LIFT印刷ヘッド用の製造プロセス」(1995 年10月30日出願、出願番号:PN6238) 「モジューラLIFT印刷ヘッド」(1995年10月30日出願、出願番号 :PN6237) 「印刷ノズルのパッキング密度を増大する方法」(1995年10月30日出 願、出願番号:PN6236) 「同時にプリントされるインク粒子間の低減静電相互作用のノズル分散」(1 995年10月30日出願、出願番号:PN6239) 印刷ヘッドの制御 本発明のページイメージデータを供給し、印刷ヘッドのヒータ温度を制御する 方法は、その開示内容が参考文献として本明細書に記載されている、1995年 4月12日出願の下記のオーストラリア特許明細書に記載されている。 「LIFT印刷ヘッドの集積駆動回路」(出願番号:PN2295) 「液体インク故障許容(LIFT)印刷用のノズル清掃手順」(出願番号:P N2294) 「LIFT印刷システムの温度に対するヒータ電力補償」(出願番号:PN2 314) 「LIFT印刷システムの熱的遅れに対するヒータ電力補償」(出願番号:P N2315) 「LIFT印刷システムの印刷密度に対するヒータ電力補償」(出願番号:P N2316) 「印刷ヘッドの温度パルスの正確な制御」(出願番号:PN2317) 「モノリシックLIFT印刷ヘッドのデータ分配」(出願番号:PN2318 ) 「LIFT印刷システム用のページイメージおよび故障許容ルーティング装置 」(出願番号:PN2319) 「LIFT印刷ヘッド用の取り外し可能な圧力下の液体インクカートリッジ」 (出願番号:PN2320) 印刷ヘッド用のイメージ処理 本発明の印刷システム一つの目的は、オフセット印刷を使用して印刷した、人 々が高品質のカラー刊行物で見慣れているのと、同じ高品質の印刷を行うことで ある。この目的は、約1,600dpiの印刷解像度を使用することによって、 達成することができる。しかし、1,600dpi印刷は、印刷が難しく、高価 である。シアンおよびマジェンタに対して、ピクセル当たり2ビットを使用し、 黄および黒に対してピクセル当たり1ビットを使用して、800dpi印刷を使 用すれば、同じような高品質の印刷を行うことができる。本明細書では、このカ ラーモデルをCC’MM’YKと呼ぶ。高品質のモノクロイメージの印刷が必要 な場合には、黒に対して、ピクセル当たり2ビットを使用することができる。本 明細書では、このカラーモデルをCC’MM’YYK’と呼ぶ。本発明のシステ ムおよび他の印刷システムに適するカラーモデル、ハーフトーン化、データ圧縮 、およびリアルタイム拡張システムは、その開示内容が参考文献として、本明細 書に記載されている、1995年4月12日出願の下記のオーストラリア特許明 細書に記載されている。 「2レベルカラー印刷用の4レベルインクセット」(出願番号:PN2339 ) 「ページイメージ用の圧縮システム」(出願番号:PN2340) 「圧縮ページイメージ用のリアルタイム拡張装置」(出願番号:PN2341 ) 「ディジタルカラープリンタ用の大容量圧縮文書イメージ」(出願番号:PN 2342) 「テキスト存在中の改良JPEG圧縮」(出願番号:PN2343) 「圧縮ページイメージ用の拡張およびハーフトン化装置」(出願番号:PN2 344) 「イメージのハーフトーン化の改良」(出願番号:PN2345) 本発明の印刷ヘッドを使用する出願 本発明の印刷装置および方法は、下記の広い範囲の用途に適しているが、(こ れに限定されない)。オフィスでのカラーおよびモノクロ印刷;短期間のディジ タル印刷;高速ディジタル印刷;プロセスカラー印刷;スポットカラー印刷;オ フセットプレス補足印刷;走査印刷ヘッドを使用する低コストプリンタ;ページ 幅の印刷ヘッドを使用する高速プリンタ;ポータブル型のカラーおよびモノクロ プリンタ;カラーおよびモノクロ複写機;カラーおよびモノクロファクシミリ; プリンタ、ファクシミリおよび複写機一体型マシン;ラベル印刷;大型書式プロ ッタ;写真複写;ディジタル写真処理用プリンタ;ディジタル「インスタント」 カメラに組み込まれたポータブルプリンタ;ビデオ印刷;光学CDイメージの印 刷;「個人用ディジタルアシスタント」用ポータブルプリンタ;壁紙印刷;室内 看板印刷;掲示板印刷;および布地印刷 本発明の印刷システムは、その開示内容が参考文献として、本明細書に記載さ れている、1995年4月12日出願の下記のオーストラリア特許明細書に記載 されている。 「大容量ディジタルページイメージ記憶装置を備えた、オフィス用高速カラー プリンタ」(出願番号:PN2329) 「大容量ディジタルページイメージ記憶装置を備えた、短期間ディジタルカラ ープリンタ」(出願番号:PN2330) 「LIFT印刷技術を使用するディジタルカラー印刷機」(出願番号:PN2 331) 「モジュラディジタル印刷機」(出願番号:PN2332) 「高速ディジタル布地プリンタ」(出願番号:PN2333) 「カラー写真コピーシステム」(出願番号:PN2334) 「LIFT印刷システムを使用する、高速カラー写真複写機」(出願番号:P N2335) 「LIFT印刷技術を使用する、ポータブルカラー写真複写機」(出願番号: PN2336) 「LIFT印刷技術を使用する、写真処理システム」(出願番号:PN233 7) 「LIFT印刷システムを使用する、普通紙ファクシミリ」(出願番号:PN 2338) 「内蔵プリンタ付きの写真CDシステム」(出願番号:PN2293) 「LIFT印刷技術を使用する、カラープロッタ」(出願番号:PN2291 ) 「内蔵LIFT印刷システムを備えた、ノートブックコンピュータ」(出願番 号:PN2292) 「LIFT印刷/ステムを使用する、ポータブルプリンタ」(出願番号:PN 2300) 「オンラインデータベース質問、およびカスタム化されたマガジン印刷付きの ファクシミリ」(出願番号:PN2299) 「ミニアチュアポータブルカラープリンタ」(出願番号:PN2298) 「LIFT印刷システムを使用する、カラービデオプリンタ」(出願番号:P N2296) 「LIFT印刷システムを使用する、内蔵プリンタ、複写機、スキャナおよび ファクシミリ」(出願番号:PN2297) 環境条件に対する印刷ヘッドの補償 ドロップオンデマンド印刷システムのインク粒子は、一定で予測することがで きる大きさと位置を持っていることが望ましい。インク粒子の大きさおよび位置 が不必要な変動を起こすと、それにより印刷の光学的密度が変動し、目に映る印 刷の品質が劣化する。上記変動は通常のインク粒子の量およびピクセルの間隔に 関して、それぞれ小さなものでなければならない。多くの環境変数の影響を、無 視することができる程度にまで低減するために、それら環境変数を補償すること ができる。ノズルヒータに供給される電力を変化させることによって、いくつか の要因の能動的補償を行うことができる。 一つの印刷ヘッドの実施形態の最適温度プロファイルは、ノズルチップの能動 領域の温度を排出温度へ瞬間的に上昇させること、パルスの持続期間中、この領 域の温度をインク粒子排出温度に維持すること、この領域の温度を周囲温度まで 瞬間的に下げることに影響を与える。 この最適な温度プロファイルは、本発明のノズルの製造に使用されている種々 の材料の蓄積熱容量および熱伝導性のために達成することができない。しかし、 印刷ヘッドの有限要素シミュレーションを反復修正することによって得ることが できる曲線を使用して、電力パルスを整形することにより、性能を改善すること ができる。ヒータに供給される電力は、下記のものを含むが、それに限定されな い種々の技術によって、時間変化させることができる。 1)ヒータに供給される電圧の変化 2)一連の短いパルスの幅の変調(PWM) 3)一連の短いパルスの周波数の変調(PFM) 正確な結果を得るためには、自由面のモデル化による遷移流体動的シミュレー ションを行う必要がある。何故なら、インク内の対流およびインクの流れが、特 定の電力曲線により達成した温度に有意の影響を与えるからである。 印刷ヘッド基板上に適当なディジタル回路を組み込むことによって、各ノズル に供給される電力を実際に個々に制御することができる。この制御を行う一つの 方法は、印刷ヘッドチップを横切って、種々の異なるディジタルパルストレイン を「広く伝播し」、多重化回路を使用して、各ノズルに対して適当なパルストレ インを選択するという方法である。 以下の「環境要因に対する補償」表に、補償することができる環境要因の一例 を示す。この表は、(合成多重チップ印刷ヘッド内の各チップに対して)チップ 毎、およびノズル毎の、(印刷ヘッド全体に対して)どの環境要因が全体として 最もよく補償することができるかを示す。 環境要因の補償 大部分の用途の場合、これら変数全体を補償する必要はない。ある変数の持つ 影響は少なく、非常に高いイメージの品質が必要な場合にだけ、補償する必要が ある。 印刷ヘッド駆動回路 図4は、本発明の印刷ヘッド駆動回路の一例の電子的動作を示す、ブロック図 である。この制御回路はヒータ電力変調を行うのに、印刷ヘッドに供給される電 源電圧をアナログ変調するが、個々のノズルに加えられる電力を個々には制御し ない。図4は、CC’MM’YKカラーモデルを使用して、プロセスカラーを印 刷する800dpiページ幅印刷ヘッドを使用する、システムのブロック図を示 す。印刷ヘッド50は、全部で79、488のノズルを持ち、そのうち39、7 44は主ノズルであり、39,744はスペアノズルである。主ノズルおよびス ペアノズルは、六つの色に分けられ、各色は8の駆動相に分けられる。各駆動相 は、ヘッド制御ASIC400からのシリアルデータを、ヒータ駆動回路をイネ ーブルするためのパラレルデータに変換する、シフトレジスタを持つ。全部でシ フトレジスタの数は96であり、各シフトレジスタは、828のノズルに対して データを供給する。各シフトレジスタは、828のソフトレジスタ段217から なり、その出力は、NANDゲート215によって、相イネーブル信号と論理積 される。NANDゲート215の出力は、反転用バッファ216を駆動し、反転 バッファは、駆動トランジスタ201を制御する。駆動トランジスタ201は、 電熱ヒータ200を作動させるが、この電熱ヒータとしては、図1(b)に示す ヒータ103を使用することができる。イネーブルパルス中、シフトしたデータ を有効に維持するには、シフトレジスタへのクロックを停止し、イネーブルパル スがクロックストッパ218により能動状態になる。図面を簡単にするために、 このクロックストッパ218は単一のゲートで図示してあるが、好適には、任意 の範囲のグリッチフリークロック制御回路であることが好ましい。シフトレジス タのクロックを停止させると、印刷ヘッド内でパラレルデータラッチに対する要 件が必要でなくなるが、ヘッド制御ASIC 400内の制御回路が少し複雑に なる。データは、故障状態バスの適当な信号の状態次第で、データルータ219 によって、主ノズルまたは冗長ノズルのどちらかに送られる。 図4に示す印刷ヘッドは、単純化したもので、ブロック故障許容のような生産 性を改善するための種々の手段は図示されていない。異なる構成の印刷ヘッド用 の駆動回路は、本明細書に開示してある装置から容易に作ることができる。 記録媒体上に印刷するドットのパターンを表すディジタル情報は、図1(a) のイメージメモリ72と同じものであってもよい、ページまたはバンドメモリ1 513内に記憶される。単色のドットを表す32ビット語内に含まれるデータは 、アドレスマルチプレクサ417によって選ばれたアドレスおよびメモリインタ フェース418が発生した制御信号により、ページまたはバンドメモリ1513 から読み出される。上記アドレスは、アドレス発生装置411により発生し、こ のアドレス発生装置は、「パーカラー回路」410の一部を形成し、6色の構成 部分のそれぞれに対して一つの回路が使用されている。アドレスは、印刷ヘッド に対するノズルの位置に基づいて発生する。ノズルの相対的な位置は、印刷ヘッ ドが異なると違ってくるので、アドレス発生装置411は、好適にはプログラム 可能であることが好ましい。アドレス発生装置411は、通常主ノズルの位置に 対応するアドレスを発生する。しかし、欠陥のあるノズルがある場合には、欠陥 を持つノズルのブロックの位置を、欠陥マップRAM412内にマークすること ができる。欠陥マップRAM412は、ページが印刷されるときに読み出される 。メモリがノズルのブロックに欠陥があることを示している場合には、アドレス 発生装置411が、冗長ノズルの位置に対応するアドレスを発生するように、ア ドレスの変更が行われる。ページまたはバンドメモリ1513から読みき出され たデータは、ラッチ413によりタッチされ、マルチプレクサ414によって四 つのシーケンシャルなバイトに変換される。これらのバイトのタイミングは、F IFO415により、他の色を表すデータのタイミングと整合するように調整さ れる。その後、このデータは、バッファ430によりバッファされ、印刷ヘッド 50への48ビットの主データバスを形成する。印刷ヘッドが、ヘッド制御AS ICから比較的遠い場所に位置している場合、データはバッファされる。欠陥マ ップRAM412からのデータも、FIFO416に対する入力を形成する。こ のデータのタイミングは、FIFO415のデータ出力と整合され、バッファ4 31によってバッファされ、欠陥状態バスを形成する。 プログラム可能な電源320は、印刷ヘッド50に対して電力を供給する。電 源320の電圧は、RAMとDACとの組み合わせ(RAMDAC)316の一 部を形成している、DAC313によって制御される。RAMDAC316は、 二重ポートRAM317を含む。二重ポートRAM317の内容は、マイクロコ ントローラ315によってプログラムされる。温度は、二重ポートRAM317 の内容を変更することによって補償される。上記数値は、熱センサ300によっ て感知された温度に基づいて、マイクロコントローラ315によって計算される 。熱センサ300からの信号は、アナログ−ディジタルコンバータ(ADC)3 11に送られる。ADC311は、好適にはマイクロコントローラ315内に設 置することが好ましい。 ヘッド制御ASIC400は、熱的遅れ補償および印刷密度に対する制御回路 を含む。熱的遅れの補償を行うには、ヘッド50への電源電圧は、ヒータに対す るイネーブルパルスと同期している急速な時変電圧でなければならない。このこ とは、上記電圧を発生するためのプログラム可能な電源320を、プログラムす ることによって行われる。アナログ時変プログラミング電圧は、二重ポートRA M317から読み出されたデータに基づいて、DAC313が発生する。データ は、カウンタ403が発生したアドレスに従って読み出される。カウンタ403 は、一つのイネーブルパルスの周期の間に、アドレスの一つの完全なサイクルを 発生する。同期は確実に行われる。何故なら、カウンタ403は、システムクロ ック408によってクロック制御され、カウンタ403の最大の数値はイネーブ ルカウンタ404を、クロック制御するのに使用されるからである。その後、イ ネーブルカウンタ404からのカウントは、デコーダ405によって解読され、 バッファ432によってバッファされ、ヘッド50に対するイネーブルパルスが 発生する。カウントの状態の数が、一つのイネーブルパルス中のクロック周期の 数より少ない場合には、カウンタ403が、プリスケーラを含む場合がある。ヒ ータの熱的遅れを正確に補償するには、16の電圧状態を使用するのが適当であ る。上記16の電圧状態は、カウンタ403と二重ポートRAM317との間の 、4ビットの接続を使用して指定することができる。しかし、これらの16の電 圧状態は、時間間隔を直線的にとることはできない。これら電圧状態の時間的間 隔を非直線的にしてもよいように、カウンタ403は、自らが非直線的にカウン トすることができるように、ROMまたは他の装置を含むことができる。他の方 法としては、16以下の電圧状態を使用することもできる。 印刷密度を補償するために、各イネーブル周期中に、(「オン」ピクセル)イ ンク粒子が印刷されるピクセルの数をカウントして、印刷密度が検出される。「 オン」ピクセルは、オンピクセルカウンタ402によってカウントされる。8の イネーブル相のそれぞれに対して、一つのオンピクセルカウンタ402が使用さ れる。本発明の印刷ヘッド内のイネーブル位相の数は、設計によって異なる。相 の数が2の累乗である必要はないが、よく使用される数は4、8および16であ る。オンピクセルカウンタ402は、データのニブルのビットの中のいくつがオ ンになっているかを判断する、組み合わせ論理ピクセルで構成することができる 。その後、この数字は、加算器421およびアキュミュレータ422によって累 算される。ラッチ423は、イネーブルパルスの持続時間中、累算された数値を 有効に保持する。マルチプレクサ401は、イネーブルカウンタ404によって 決定された、現在のイネーブル相に対応するラッチ423の出力を選択する。マ ルチプレクサ401の出力は、二重ポートRAM317の一部を形成する。「オ ン」ピクセルの数の正確なカウントは必要ではなく、このカウントの最上位の四 つのビットで十分である。 熱的遅れ補償アドレスの4ビットと、印刷密度補償アドレスの4ビットとを組 み合わせるということは、二重ポートRAM317は、8ビットのアドレスを持 つことを意味する。このことは、二重ポートRAM317は、二次元のアレーで ある256の数字を含むことを意味する。これら二つの次元は、(熱的遅れ補償 に対する)時間と、印刷密度である。第三の次元、温度を含めることもできる。 印刷ヘッドの周囲温度は、ゆっくりとしか変化しないので、マイクロコントロー ラ315は、現在の温度で熱的遅れおよび印刷密度を補償する256の数字のマ トリックスを計算するのに十分な時間がある。周期的に(例えば、1秒間に数回 )、マイクロコントローラは、現在の印刷ヘッドの温度を感知し、このマトリッ クスを計算する。 印刷ヘッド50へ送られるクロックは、ヘッドクロック発生装置407により 、システムクロック408から作られ、バッファ406によってバッファされる 。ヘッド制御ASICの試験を容易に行うことができるように、JTAG試験回 路499を設置することができる。 熱的インクジェット技術との比較 「熱的インクジェットと本発明との比較」の表には、本発明による印刷の種々 の態様と熱的インクジェット印刷技術との比較が行われている。 本発明と熱的インクジェット技術とを直接比較したのは、両方とも熱的アクチ ュエータおよび液体インクを使用して動作するドロップオンデマンドシステムで あるからである。両者は類似しているように見えるが、二つの技術は異なる原理 により動作している。 熱的インクジェットプリンタは、下記の基本的な動作原理を使用している。電 気抵抗加熱により発生した熱インパルスにより、液体インク中にバブルが突発的 に形成される。急速で継続的なバブルは、インクを過熱することによって形成さ れ、その結果、バブルの形成が完了する以前に十分な熱がインクに伝えられる。 水をベースとするインクの場合には、インクの温度は約280−400℃でなけ ればならない。バブルが形成されると、圧力波が発生し、この圧力波によりイン ク粒子は高速で開口から落下する。その後、バブルは壊れ、インクタンクから流 れ出るインクによりノズルは再び満たされる。ノズルの密集度が高く、信頼度の 高いIC製造技術の使用により、熱インクジェット印刷は商業的に非常な成功を 収めた。しかし、熱インクジェット印刷技術は、多くの部分を精密に製造しなけ ればならないとか、装置の歩留まり、イメージの解像度、「ペッパー」ノイズ、 印刷速度、駆動トランジスタ電力、無駄な電力消費、余分なインク粒子の形成、 熱応力、不均一な熱膨張、キャビテーション、修正拡散およびインク調整が難し いことなどのかなり困難な技術的な問題に当面することになる。 本発明の印刷は、熱インクジェット印刷の多くの利点を持ち、熱インクジェッ ト技術の特有の問題の多くを完全または実質的に解決している。 熱インクジェットと本発明との比較 装置に故障許容を導入した場合、標準の歩留まりの式を使用することはできな い。上記式をそのまま使わずに、故障許容の機構および程度を、特別に分析し、 歩留まりの式に導入しなければならない。図5は、種々の形の故障許容を含む全 幅カラーA4印刷ヘッドに対する故障許容選別歩留まり199である。そのモデ ル化は歩留まりの式に含まれている。このグラフは、欠陥の頻度および欠陥の集 中の関数としての予測歩留まりである。図5に示す歩留まりの予測は、故障許容 を完全に実行すると、ウェーハ選別歩留まりを、同一の製造条件の下で、1%以 下から90%以上へと改善することができることを示している。このように歩留 まりを改善することにより、製造コストを係数100だけ下げることができる。 ドロップオンデマンド印刷システム内の故障許容の方法は、その開示内容が参 考文献として本明細書に記載されている、1995年4月12日付けの下記のオ ーストラリア特許明細書に記載されている。 印刷機構の集積故障許容」(出願番号:PN2324) 「集積印刷ヘッドのブロック故障許容」(出願番号:PN2325) 「集積印刷ヘッドの故障許容用二重ノズル」出願番号:PN2326) 「印刷ヘッドの欠陥ノズルの検出」(出願番号:PN2327) 「大量LIFT印刷プレス内の故障許容」(出願番号:PN2328) 装置歩留まりに対する故障許容の影響 電子製造プロセスは不正確であり、すべての装置が製造後に機能するわけでは ない。現代の電子装置は非常に小型になっているので、1ミクロン以下の汚染物 質でも重大な装置の故障を引き起こす恐れがある。上記汚染物質は、リソグラフ ィマスクまたはホトレジスト上の、空気によって運ばれてきた塵の粒子の場合も あり、製造プロセス中に点欠陥を引き起こす。抵抗層上のピンホールも装置の欠 陥を引き起こす恐れがある。また汚染物質は、純粋でない化学薬品を使用するプ ロセスの際に残った薄い残留物である場合もあるし、または処理環境の抵抗また は他の部分から分離した粒子のような、より大きいものである場合もある。シリ コンウェーハ自身の内部の不純物および非常に微細な破片も、また装置の故障を 引き起こす恐れがある。正確に調整できないエッチング時間、温度、ガス密度、 プラズマ励起エネルギー等のようなプロセスパラメータも、装置の故障を引き起 こす場合がある。集積回路の生産の際には、欠陥を引き起こす他の多くの原因が ある。作動する装置の百分率は、歩留まりと呼ばれる。 歩留まりは、製造コストに直接影響する。歩留まり5%の装置の生産コストは 、製造歩留まりが50%の類似の装置の生産コストより、優に10倍以上は高い 。半導体製造産業は、より清浄な処理環境、より純粋な物質、より正確なプロセ スおよび処理変動に影響されることがより少ない電子設計を確立することによっ て、装置の歩留まりを有意に改善してきた。 歩留まりの推定 新しい装置の製造を開始する前に、どのくらいの歩留まりが期待できるのかを 概略知ることは重要なことである。この情報は、装置の経済性の立案、生産歩留 まりの目標の設定、および生産プロセスおよび装置を改善する方法の発見のため に使用される。 三つの重要な歩留まりの測定法がある。 1)製造歩留まり − この歩留まりは、ウェーハ製造の終了までを行うウェー ハ製造ライン上で開始するウェーハの百分率である。製造中にウェーハが不合格 になる原因としては、破損、反り、正確な順序で処理しなかったこと、許容誤差 を超えるプロセス、広い面積にわたる汚染などがある。製造歩留まりYFabは、 通常新しいプロセスでは低い。しかし、自動生産ラインでのプロセスが改善され るにつれて、普通、90%以上の製造歩留まりが達成できるようになる。 2)ウェーハ選別歩留まり − この歩留まりは、ウェーハ試験に合格するダイ スの百分率である。ウェーハを切断する前に、個々のダイスがウェーハプローブ によって試験される。ウェーハ選別歩留まり、YSORTは、普通、主として単位面 積当たりの塵およびその他の汚染物質(欠陥密度D)によって生じた点欠陥の数 、およびチップ面積Aにより影響を受ける。ウェーハ選別に合格したダイスだけ が、パッケージされる。 3)最終試験歩留まり − この歩留まりは、最終機能およびパラメータ試験に 合格するパッケージされたダイスの百分率である。最終試験歩留まりYTESTは、 通常、成熟プロセスの場合には、95%またはそれ以上である。 全歩留まり 全歩留まりYTOTALは、最初の時点のウェーハ上の全部のダイスの数と比較し た、機能するダイス(この場合は、印刷ヘッド)の百分率である。この歩留まり は、下記の式により計算される。 三つの主要な歩留まり係数のすべては、高い全歩留まりを達成することができ るように高いものでなければならない。 ウェーハ選別歩留まり 成熟プロセスの場合には、通常、全歩留まりに対して最も重大な影響をあたえ るのは、ウェーハ選別歩留まりである。その影響は大型のダイスに対しては特に 大きい。全ページ幅印刷ヘッドは、通常のVLSI回路と比較すると大きい。ウ ェーハ選別歩留まりが高いということは、印刷ヘッドのコストパフォーマンスに 非常に重要な影響を持つ。 ウェーハ選別歩留まりの推定には、いくつかの技術が使用されている。初期の 方法の場合は、欠陥は特定の欠陥密度でランダムに分布していると見なしていた 。装置歩留まりは、ボルツマン分布に基づく確率によって計算される。 但し、YSORTはウェーハの選別歩留まりであり、Dは欠陥密度であり、Aはチ ップ面積である。 この方法は、大型のチップの場合には、一般的にいって正確な結果が得られな いことが分かった。なぜなら、欠陥密度は通常完全に均等ではないからである。 それどころか、欠陥密度は場所によって異なる。 最も広く使用されている歩留まり予測方法の一つは、マーフィー法である。こ の方法はLSIおよびVLSI回路の場合には予測結果が良いことが分かってい る。マーフィー法は、欠陥密度の分布を近似し、下記の式により歩留まりを計算 する。 図5は、モノリシック全幅カラーA4印刷ヘッドの、ウェーハ選別歩留まり対 欠陥密度のグラフである。このグラフは、故障許容を使用しない歩留まり198 を故障許容を使用した歩留まり199と比較している。故障許容を使用しない歩 留まりは、マーフィー法によって計算される。印刷ヘッドは長さが215ミリ、 幅が5ミリである。この印刷ヘッドは、半径方向に切断したウェーハではなく、 シリコン結晶を軸方向に切断して得たシリコンウェーハを使用することにより、 現在の技術で製造することができる。 1平方センチあたり一つの欠陥がある場合には、マーフィー法は歩留まりを1 %以下であると予測している。このことは、製造した印刷ヘッドの99%以上を 廃棄しなければならないことを意味する。この低い歩留まりは非常に望ましくな いものである。何故なら、印刷ヘッド製造コストは非常に高くなるからである。 大型の装置を導入するという商業的な圧力が増大したため、クリーンルーム、 プロセスおよび原材料の品質は、欠陥密度を減少させるために確実に改良されて きた。しかし、全幅印刷ヘッドの大きさの単一チップ装置は、ウェーハ選別歩留 まりが低いために、依然として採算が合わないままである。 欠陥の集合 マーフィー法は、欠陥の不均等な分布の影響を近似する。この不均等な分布を 明白にモデル化するために、欠陥集合係数Cを導入することができる。欠陥集合 係数は、(ウェーハの面積か、またはウェーハに従って)欠陥が集合し、それに よっていくつかのウェーハが影響を受ける割合の測定値である。欠陥集合は、故 障許容を使用しない設計の場合には有利であるが、逆に故障許容に影響を与える 恐れがある。集合係数に対して明白にしたモデル化を行った場合の、故障許容を 使用しない装置の歩留まりは、下記式によって計算することができる。 図5は、明白な集合係数197を持つ、故障許容を使用しない歩留まりのグラ フである。欠陥集合係数は、製造中に制御できるパラメータではなく、製造プロ セスに特有のパラメータである。製造プロセスに対する集合係数は、約2である と予想され、その場合、歩留まりの予想はマーフィー法と非常によく一致する。 故障許容 歩留まりが低い場合の解決法は、故障許容を導入することである。故障許容技 術は、しばらくの間、大型メモリチップおよびウェーハスケール集積(WSI) に使用されてきた。故障許容は、普通冗長度を与えることによって行われる。チ ップのある機能ユニットが欠陥を持っている場合には、「冗長」、すなわち、ス ペア機能ユニットがその代わりに使用される。第一に、(普通、外部試験によっ て)故障したサブユニットが突き止められ、故障したサブユニットの代わりに使 用する冗長サブユニットに接続するルーチングパスが決定される。その後、チッ プは、この新しい接続に従ってプログラムされる。このプログラミングは、接続 のレーザプログラミング、溶融リンク、アンチフューズまたはワンチップ構成レ ジスタのような種々の手段で行うことができる。 メモリチップおよび大部分のウェーハスケール集積(WSI)装置の場合には 、チップ上のスペアサブユニットの物理的な位置は固有の関連を持たない。しか し、印刷ヘッドの場合には、スペアサブユニットは、一つまたはそれ以上の印刷 アクチュエータを含む。これらアクチュエータは、印刷中のページに対して空間 的に固定された位置関係に設置されていなければならない。一般的にいって、故 障を起こしたアクチュエータの代わりに、非走査方向の異なる位置にある他のア クチュエータを使用するのは効果的ではない。そのようなアクチュエータは、故 障したアクチュエータに代わって、正しい位置にドットを印刷することはできな い。しかし、故障したアクチュエータの代わりに、走査方向に移動するアクチュ エータを使用することができる。スペアのアクチュエータが、故障を起こしたア クチュエータと同じ場所にドットを必ず印刷するために、走査方向への移動を補 償する目的で、スペアアクチュエータに対するデータタイミングを変えることが できる。 すべてのノズルを交換することができるようにするためには、完全な一組のス ペアノズルがなければならない。これは冗長度が100%であるということであ る。100%の冗長度は、メモリチップまたはWSI装置では必要ではない。何 故なら、少数のスペアサブユニットを、多くの位置にある故障を起こしたサブ。 ユニットに接続できるからである。100%の冗長度を達成するには、通常二倍 以上のチップ面積を必要とするが、この場合、故障許容プログラミングを行う前 の一次歩留まりが劇的に低下する。 しかし、上記印刷ヘッドの場合には、印刷ヘッドチップの最小の物理的寸法は 、印刷されるページの幅、印刷ヘッドチップの脆さ、およびインクをチップの裏 面に供給するインクチャネルの製造上の制限によって決まる。A4サイズの紙を 印刷するための全幅、全カラー印刷ヘッドの最小の実用サイズは、約215ミリ x 5ミリである。このサイズの場合なら、1.5ミクロンのCMOS製造技術 を使用すれば、チップ面積を有意に増大しないで、100%の冗長度を達成する ことができる。それ故、一次歩留まりを下げないで、高いレベルの故障許容を実 現することができる。 故障許容に対する歩留まりの計算 図5は、種々の形の故障許容を含む全幅カラーA4印刷ヘッドの、ウェーハ選 別歩留まり対欠陥密度の歩留まりの予想である。 このグラフは、欠陥密度および欠陥集合の両方の関数としての予想歩留まりを 示す。欠陥集合は、欠陥の均一でない分布をモデル化している。欠陥が特定の場 所で起きる場合には、近接した場所の他の欠陥の起こる確率は、通常、欠陥密度 による確率よりも高い。これは、物理的欠陥は、空間的にも、時間的にも集合す る傾向があるからである。欠陥集合係数1は、ボルツマンの確率分布に等しい。 装置に故障許容を導入した場合、標準の歩留まりの式を使用することはできな い。上記式をそのまま使わずに、故障許容の機構および程度を、特別に分析し、 任意の式に導入しなければならない。このウェーハ選別歩留まり予測に使用する 主な式は下記の通りである。 NOZZLEは、ノズルおよびノズル駆動回路内の欠陥による歩留まりである。こ れは、システムの故障が起こる前に、ノズルまたは駆動回路および整合冗長ノズ ルまたは駆動回路の両方で故障が起こるに違いない故障許容状況をモデル化して いる。それは下記式によって計算される。 但し、 Dは欠陥密度であり、 NNは主ノズルの数[19,840]であり、 ANは一本の主ノズルおよび駆動回路の面積[8,400平方ミクロン]であ り、 Cは欠陥集合係数である。 (角括弧内の数値は、図5に示す歩留まりの予測を持つA4全カラーLIFT 印刷ヘッドに特有のものである。) YSRはシフトレジスタ回路内の欠陥による歩留まりである。シフトレジスタ回 路は、冗長シフトレジスタおよびデータルーチングマルチプレクサを含む。整合 冗長シフトレジスタ、または整合冗長シフトレジスタによって駆動されるノズル の任意の一本に欠陥がない場合には、シフトレジスタブロック内の欠陥は、シス テムレベルに影響を与えない。このケースは下記式により表される。 但し、 NSRは主シフトレジスタ段の数[19,840]であり、 ASRは一つのシフトレジスタ段の面積[4,200平方ミクロン]であり、 LSRは故障許容シフトレジスタブロックの長さ[64]である。 YCLOCKは、故障許容クロック回路内の欠陥による歩留まりである。この歩留 まりは、下記式によって表される。 但し、 AClは一つのクロック発生装置の面積[1,600平方ミクロン]である。 YNFTは、故障許容を使用しない入力回路の欠陥による歩留まりである。この 歩留まりは、普通、非常に低い欠陥密度を持つ入力パッドを含まない。この歩留 まりは下記式によって表される。 但し、 AINPUTは故障許容を使用しない入力回路の面積[80,000平方ミクロン 」であり、 AMUXは、故障許容を使用しないマルチプレクサ選択コントローラ回路の面積 [1,600,000平方ミクロン]である。 YBUSは、故障許容を使用しないマルチプレクサ制御バスの欠陥からの歩留ま り である。このバスは、一つの金属層上の僅か9ビットのバスであり、現在の設計 では故障許容になっていない。欠陥密度は三つに分割されている。何故なら、一 番上の金属層だけが欠陥を生じるからである。2レベルの金属装置の場合には、 金属の単一のレベルは、普通チップ欠陥の33%以下を占める。マルチプレクサ 制御バスは、少しチップが複雑になるが、故障許容にすることができる。この歩 留まりは下記式によって表される。 但し、 LHEADは印刷ヘッドの長さ[215ミリ]であり、 WBUSはバスの幅[108ミクロン]である。 これらの式を組み合わせることによって、故障許容選別歩留まりを表す下記 の式が作られる。 図5に示す故障許容歩留まり予測199は、この式を使用して計算する。上記 歩留まりは、故障許容を完全に実行すれば、同じ製造条件下で、ウェーハ選別歩 留まりを、1%以下から90%以上に改善することができることを示す。このよ うに歩留まりが改善されると、指数100だけ製造コストが下がる。 1平方センチ当たりの欠陥が一つである欠陥密度での、この装置の実際の全歩 留まりは、下記式により計算することができる。 この歩留まりは、大量生産に対する実際の全歩留まりである。 印刷システムの実施形態 図6は、本発明の印刷ヘッドを使用する電子印刷システムの略図である。この 図は、記録媒体51上に多数のインク粒子からなるイメージ60を印刷する、モ ノリシック印刷ヘッド50である。上記媒体は、通常紙であるが、上向き透明フ ィルム、クロス、またはインク粒子を受けつける多くの他の実質的に平らな面で もよい。印刷されるイメージはイメージ源52によって供給されるが、このイメ ージとしては、ピクセルの二次元アレーに変換できる任意のタイプのものを使用 することができる。通常のイメージ源は、イメージスキャナ、ディジタル的に記 憶されたイメージ、アドービポストスクリプト、アドービポストスクリプトレベ ル2またはヒューレット−パッカード PCL5のようなページ記述言語(PD L)でコード化されたイメージ、アップルクイックドロウ、アップルクイックド ロウ GXまたはマイクロソフト GDIのような手続き呼出に基づくラスタ化 装置によって発生したページイメージ、またはASCIIのような電子形式のテ キストである。その後、イメージデータはイメージ処理システム53によって、 特定の印刷システムに適するピクセルの二次元アレーに変換される。このイメー ジはカラーの場合もあり、モノクロの場合もあり、データは、通常イメージ源お よび印刷システムの仕様に従って、ピクセル当たり1−32ビットを持っている 。ソースイメージがページ記述である場合には、イメージ処理システムは、ラス タイメージプロセッサ(RIP)を使用することができ、ソースイメージがスキ ャナからのものである場合には、二次元イメージ処理システムを使用することが できる。 連続トーンイメージが必要な場合には、ハーフトーン化システム54が必要で ある。適当なタイプのハーフトーン化は、分散形ドット配列ディザまたはエラー 拡散に基づいている。この目的に適しているものとしては、通常確率的スクリー ニングまたは周波数変調スクリーニングと呼ばれる、上記ハーフトーン化システ ムの種々のタイプのものがある。オフセット印刷に通常使用されるハーフトーン 化システム、すなわち、集合形ドット配列ディザは適していない。何故なら、こ の技術を使用すると、有効なイメージ解像度が不必要に無駄になるからである。 ハーフトトーン化システムの出力は、本発明による印刷システムの解像度を持つ 、二進法のモノクロまたはカラーイメージである。 二進法のイメージは、データシフトレジスタ56に、正しい順序でピクセルデ ータを供給する(図4のヘッド制御ASIC400に内蔵できる)データ位相回 路55によって処理される。データを正しい順序に並べるには、ノズルの配置お よび紙の動きを補償しなければならない。データがシフトレジスタ56にロード されると、そのデータはヒータ駆動回路57にパラレルで送られる。正しいタイ ミングで、駆動回路57は、対応するヒータ58を、パルス整形回路61および 電圧レギュレータ62によって発生した電圧パルスに電子的に接続する。ヒータ 58は、ノズル59の先端を加熱し、インクの物理的な特性を変化させる。イン ク粒子60は、ヒータ駆動回路に供給されたディジタルインパルスに対応するパ ターンで、ノズルから排出される。インクタンク64内のインクの圧力は、圧力 レギュレータ63によって調整される。選択されたインク粒子60は、選択され たインク粒子分離手段によって、インク本体から分離され、記録媒体51と接触 する。印刷中、記録媒体51は、紙移送システム65によって、印刷ヘッド50 に対して連続的に移動する。印刷ヘッド50が、記録媒体51の印刷領域全体を カバーする幅を持っている場合には、記録媒体51を一方向だけに移動させるだ けでよく、印刷ヘッド50を固定しておけばよい。より小型の印刷ヘッド50が 使用される場合には、ラスタ走査システムを実行する必要がある。このことは、 通常記録媒体51を長手方向に移動させながら、印刷ヘッド50を横方向に走査 することによって行うことができる。 集積駆動回路 図7は、集積駆動回路を有する印刷ヘッドを備えてなる、本発明の好適な一実 施形態である。この印刷ヘッドは、8個のシフトレジスタに接続された19,8 40のノズルをもち、その各々は2,480の駆動モジュール220を含む。図 面を分かりやすくするために、各シフトレジスタ内には、2,480個の駆動モ ジュール220中の8個のモジュールだけを図示している。また、8個のシフト レジスタ中の4個のシフトレジスタだけを図示している。大型印刷ヘッド上の集 積ノズルドライバ用の好適な回路は、故障許容を内蔵している。図面を簡単にす るために、この回路は図示してない。 クロック発生モジュール230は、シフトレジスタのためのゲート制御された 二相クロックを発生する。このゲート制御された二相クロックにより、このクロ ックを使用しない場合には、ヒータイネーブルパルスの持続期間中、データ定数 を保持するのに必要な並列レジスタを使用しないですむ。二つのクロック相によ り、静的シフトレジスタの代わりに動的シフトレジスタを使用することができる ので、各ノズルドライバのために必要な集積トランジスタの数を、さらに減らす ことができる。 三つのエンフェーズ信号が、8ラインデコーダ260の三本のラインの入力と なる。デコーダ260からの八つの出力は、駆動モジュール220のイネーブル 制御に送られる。デコーダ260の各出力は、印刷ヘッドの全長にわたって分布 している2,480の負荷を駆動し、デコーダの出力トランジスタは、高速切り 替えを行うために、非常に大型のものか、またはバッファされた多重時間でなけ ればならない。 デコーダ260を内部に設置すると、八つのグループの8から4までのどれか の駆動を制御するために必要な外部接続の数を減らすことができる。 印刷ヘッドは下記の少数の接続しか持っていない。 1)ヒータへの正の電力接続であるV+。 2)ヒータ駆動トランジスタへの戻り電力(アース)接続であるV-。 3)シフトレジスタおよびデータイネーブル回路への正の電力接続であるVdd。 4)シフトレジスタおよびデータイネーブル回路への戻り電力(アース)接続で あるVss。 5)シフトレジスタをクロック制御するために使用される、主/ステムクロック であるクロック。 6)相イネーブル選択をスタートさせるためのエンフェーズ。 7)全体のイネーブル信号であるイネーブル。この信号がアクティブでない場合 には、印刷を行うことはできない。 8)どのノズルに電力を供給すべきかを制御する8個のシリアルデータ入力信号 であるデータ<0−7>。 9)シフトレジスタの出力のデータの論理和機能である試験。8個の出力は、8 個の入力ORゲート270の入力に結合している。この出力は、印刷ヘッド内の シフトレジスタが、完全に機能するかどうかを試験するのに使用される。一度に 試験できるのはシフトレジスタ1個だけである。周知の技術を使用して、より高 度の試験回路を印刷ヘッド上に設置することができる。 大部分の製品と同じように、製造コストが重要である。装置製造コストが高す ぎる場合には、商業的に成功しない。 多数の印刷アクチュエータの一つまたはそれ以上が故障するか、または製造上 の欠陥を持っていると、そのような多数の印刷アクチュエータを内蔵する印刷ヘ ッドの性能は通常劣化する。いくつかの印刷ヘッドが製造上の欠陥を持つアクチ ュエータを含んでいると、「歩留まり」は低下する。何故なら、印刷ヘッドは通 常修理がきかないからである。歩留まりが低下すると、印刷ヘッドの実効製造コ ストが増大する。使用中に印刷アクチュエータが故障すると、印刷ヘッドの信頼 性が低下し、「寿命」が短くなる。印刷ヘッドが数千の印刷アクチュエータを持 つ場合には、単一のアクチュエータが故障を起こす確率は、通常同じ技術を使用 して製造された少数の印刷アクチュエータを含む印刷ヘッドの故障を起こす確率 より大きい。本明細書および本発明人の上記特許出願に記載する同期力を使用す る印刷方法を使用すれば、数千の印刷アクチュエータを含む印刷ヘッドを、高い コストパーフォーマンスで製造することができる。 本発明の重要な目的は、冗長印刷アクチュエータを使用して、故障許容を提供 することである。基本的な原理は簡単である。すなわち、印刷アクチュエータが 故障した場合、スペアの印刷アクチュエータが自動的に、その印刷アクチュエー タの代わりに使用される。一つの方法は単純に全印刷ヘッドを交換してしまうと いう方法である。しかし、低い製造歩留まりが重大な問題である場合には、この 方法は使用できない。また、たった一組のアクチュエータが同時に故障した場合 には、その補償を行うことができる。もっと柔軟なやり方は、故障した個々のア クチュエータを自動的に交換するという方法である。この方法を使用すれば、製 造歩留まりは劇的に改善され、使用中の多くの故障を補償することができる。 印刷アクチュエータの物理的な位置は重要である。何故なら、通常一行のドッ トは走査方向に印刷されるからである。故障したアクチュエータを、同じ場所で スペアのアクチュエータと自動的に交換するのは、一般に実行不可能である。そ れ故、故障したアクチュエータは、空間的に異なる位置にあるスペアのアクチュ エータと交換しなければならない。スペアのアクチュエータを単に走査方向に移 動させるだけですむなら、この方法は最も簡単な方法である。この方法の場合に は、印刷ヘッド上の各印刷アクチュエータに対して、一本のスペア(冗長)アク チュエータが必要になる。主アクチュエータおよび冗長アクチュエータは、単一 の基板上に同時に形成することができる。交換用の印刷アクチュエータの物理的 変位を補償するには、交換アクチュエータに対するデータのタイミングを変更し なければならない。 個々の故障ノズルを電子的に交換することができる、冗長印刷ノズルおよび冗 長駆動回路を持つ印刷ヘッドが開示されている。冗長アクチュエータは、故障ア クチュエータとは物理的に別の位置に存在するものでなければならない。本明細 書に開示されているシステムを使用すれば、確実に故障アクチュエータが、ドッ トを印刷したのと同じ位置に、冗長アクチュエータによって一つのドットを、印 刷することができる。このことは、電子的に信号を遅延させ、アクチュエータが 走査方向だけに変位するように、これらのアクチュエータを配置することによっ て行うことができる。故障したアクチュエータのところで指定された印刷データ を、対応する冗長アクチュエータに送るための手段と一緒に、故障したアクチュ エータのマップを記憶しているメモリも設置されている。 本発明は、単一の構造体に内蔵されている複数のドットマーキング手段より構 成されている多くのタイプの印刷機構に適用することができる。上記印刷機構の 例としては、同期力液体インク印刷ヘッド、熱インクジェット印刷ヘッド、熱ワ ックス印刷ヘッド、染料昇華印刷ヘッドおよび熱ペーパー印刷ヘッド等があるが 、これらに限定されるわけではない。 本明細書に記載した例は、本発明を同期力印刷に適用したものである。多くの 他の利点の中には、同期力印刷方法を使用すると、数千の印刷アクチュエータを 含む印刷ヘッドを実際に製造することができるという利点がある。特定の技術を 使用して、印刷ヘッド上に形成する印刷アクチュエータの数を増大させることが できるから、冗長印刷アクチュエータを使用して故障許容を内蔵させるという利 点を持つことができる。 故障許容用の冗長印刷アクチュエータの使用の一例としての同期力印刷を使用 するからといって、技術がそれに限定されるわけではない。当業者なら、本発明 の範囲から逸脱しないで、本発明を他の印刷技術に適用するような修正を行うこ とができることは明らかであろう。 「LIFTヘッドタイプA4−4−600」表(付録A参照)に、約1秒間に 600dpiの速度で、カラーA4ページ1枚を印刷することができる全カラー モノリシック印刷ヘッドの一例のいくつかの特性の要約を示す。 故障許容の実行 図8は、冗長印刷アクチュエータを使用して故障許容を実行するシステムのブ ロック図である。通常の動作の場合には、イメージデータ281が、通常アクテ ィブ(主)な印刷アクチュエータ283に電力を供給する駆動回路282を制御 する。主印刷アクチュエータは、印刷アクチュエータを含む印刷ヘッドが記録媒 体を走査するとき、イメージデータに対応する記録媒体の正しい位置に印刷が行 われるように、タイミングが調整されている電気パルスによって電力が供給され る。 ときどき、いくつかの印刷アクチュエータが故障を起こす場合がある。これら の故障を起こした印刷アクチュエータは、故障検出装置289によって検出され る。故障検出装置の設計は、故障の検出を行わなければならない状況によって異 なる。故障の検出は、大きくわけて三種類ある。 1)印刷ヘッド製造後 − この場合、印刷ヘッドは、記録媒体上のマークの存 在を検出するか、または印刷アクチュエータを離れるときに、インクまたは他の 印刷材料の存在を直接検出するための特別に作られた装置によって試験すること ができる。このような装置は、印刷材料を光学的、電気的、または他の手段によ って検出することができる。 2)駆動回路およびイメージ発生回路を含む装置に印刷ヘッドを設置した後であ るが、その装置がまだそれを製造した工場から出荷される前 − この場合も同 様に、特殊な試験装置を使用することができる。この装置のコストは厳しく制限 されていない。何故なら、必要とされる装置の部品の数が非常に少ないからであ る。そのため、多くの異なる検出方法を使用することができる。適当な一つの方 法としては、印刷ヘッドを使用して、すべての印刷アクチュエータによって印刷 されたドットを含む、ドットの特定のパターンを印刷する方法がある。各印刷ア クチュエータからのドットの存在を検出するために、ディジタル電子装置を使用 して、これらのドットが記録される媒体を走査し、分析することができる。特定 の印刷アクチュエータからのドットが抜けている場合には、その印刷アクチュエ ータは欠陥アクチュエータとして記録される。 3)「エンドユーザ」が、印刷ヘッドを含む装置を使用している間 − この場 合は、故障検出装置のコストは重要である。装置が写真複写機である場合には、 通常スキャナおよびマイクロプロセッサを含む。この場合は、実行可能な一つの 方法としては、すべての印刷アクチュエータによって印刷されたドットを含むテ ストページを印刷する方法がある。その後、ユーザはこのページを特殊な「較正 」動作モードで走査することができる。その後、マイクロプロセッサは、走査し たデータを分析し、欠陥印刷アクチュエータの「マップ」を計算する。装置がプ リンタである場合には、通常スキャナを含まない。この場合、プリンタは、「較 正」モード中に、印刷したテストページを走査する、一台の光電検出器を含むこ とができる。この技術を使用して、低コストの検出装置を作ることができる。 欠陥アクチュエータの「マップ」は欠陥アクチュエータメモリ288内に記憶 される。簡単な方法としては、各アクチュエータの状態を記憶するのに情報の1 ビットを使用する方法がある。例示としての印刷ヘッドの場合、各主ノズルの状 態を個々に記憶するのに、19,840ビット(2,480バイト)が必要であ る。この容量のメモリは、種々のタイプの半導体メモリを使用して、容易に作る ことができる。故障マップは、電源をオフにしても、データが失われない半導体 メモリに記憶するのが望ましい。適当なメモリ装置としては、EEPROM、E PROM、バッテリーバックアップSRAMまたはフラッシュメモリ装置等があ る。他のタイプの記憶装置も使用することができる。 欠陥印刷アクチュエータの「マップ」は、機能的主印刷アクチュエータに送ら れる印刷データを抑制するためのゲート回路284を、制御するのに使用され、 欠陥印刷アクチュエータに送られる印刷データが、冗長印刷アクチュエータを通 ることができるようにする。印刷データのタイミングは、タイミング調整回路2 85によって調整され、その結果、冗長印刷アクチュエータによって印刷された ドットは、主印刷アクチュエータによって印刷された位置と同じ場所にくる。例 示としての印刷ヘッドの場合には、時間の調整は、2行の遅れ時間である。 冗長印刷アクチュエータ用のタイミングを調整したイメージデータは、冗長印 刷アクチュエータ287に電力を供給する駆動回路286を制御する。 本明細書に参考文献として記載し、本発明とともに出願した「内蔵印刷ヘッド のブロック故障許容」という名称の出願には、送られてきたデータが不完全な場 合には、アクチュエータを作動できないようにするシステムが記載されている。 本発明の冗長プリンタアクチュエータシステムは、欠陥アクチュエータそれ自身 、および動作不能な他の場合により発生した動作ができない状態の他に、アクチ ュエータが作動できない上記のような状況の場合に、故障があっても動作を続行 できるようにする。 今まで本発明の多数の好適な実施形態を説明してきた。当業者にとっては明ら かな種々の修正を、本発明の範囲から逸脱しないで行うことができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)複数の通常はアクティブな印刷アクチュエータと、 (b)無効で、通常はアクティブな印刷アクチュエータの同一性を知らせる手 段と、 (c)上記の通常はアクティブなアクチュエータと同じ印刷能力を持つ、複数 の冗長印刷アクチュエータと、 (d)上記の同一性を知らせる手段に応答して、通常は欠陥印刷アクチュエー タへの供給電力を制御する同じイメージデータの制御の下で、無効で、通常はア クティブな印刷アクチュエータに対応する、冗長印刷アクチュエータに電力を供 給するための手段とを備えてなる故障許容印刷装置である。 2.上記印刷アクチュエータが、熱インクジェットノズルである請求項1に記 載の故障許容印刷装置。 3.上記印刷アクチュエータが、熱ワックスプリンタアクチュエータである請 求項1に記載の故障許容印刷装置。 4.上記印刷アクチュエータが、染料昇華プリンタアクチュエータである請求 項1に記載の故障許容印刷装置。 5.上記印刷アクチュエータが、熱ペーパープリンタのヒータバーの一部であ る発熱素子である請求項1に記載の故障許容印刷装置。 6.上記通常アクティブな印刷アクチュエータおよび上記冗長印刷アクチュエ ータが、単一の基板上に形成されている請求項1に記載の故障許容印刷装置。 7.上記通常アクティブな印刷アクチュエータが、上記冗長印刷アクチュエー タとは別の基板上に形成されている請求項1に記載の故障許容印刷装置。 8.上記冗長印刷アクチュエータの数が、通常アクティブな印刷アクチュエー タの数と等しいか、またはそれより多い請求項1に記載の故障許容印刷装置。 9.上記冗長印刷アクチュエータが、通常アクティブな印刷アクチュエータか ら走査方向にずれているが、非走査方向においてはずれていない請求項1に記載 の故障許容印刷装置。 10.上記冗長な印刷アクチュエータが、その対応する通常はアクティブなア クチュエータの上流または下流の印刷パス整合内に位置している請求項1に記載 の発明。 11.上記の同一性を知らせる手段が、欠陥印刷アクチュエータを検出する手 段を備えている請求項1に記載の発明。 12.上記の同一性を知らせる手段が 印刷アクチュエータに欠陥データを転 送したことを検出するための手段を備えている請求項1に記載の発明。 13.上記印刷アクチュエータが、 (a)複数のインク粒子噴出ノズルと、 (b)上記ノズルに関連するインク本体と、 (c)上記インク本体内のインクに、少なくともインク粒子選択および分離期 間中に、周囲圧より少なくとも2%高い圧力を加えるための加圧手段と、 (d)所定のノズルを選択し、選択されたノズルと選択されなかったノズル内 のインクの間のメニスカス位置に違いを生ぜしめるためのインク粒子選択手段と 、 (e)選択されなかったノズル内にインクを維持しながら、選択されたノズル からのインクを、インク本体からインク粒子として分離するためのインク粒子分 離手段とを備えてなる請求項1に記載の故障許容印刷装置。 14.上記印刷アクチュエータが、 (a)複数のインク粒子噴出ノズルと、 (b)上記ノズルに関連するインク本体と、 (c)所定のノズルを選択し、選択されたノズルと選択されなかったノズル内 のインクの間のメニスカス位置に違いを生ぜしめるためのインク粒子選択手段と 、 (d)選択されなかったノズル内にインクを維持しながら、選択されたノズル からのインクを、インク本体からインク粒子として分離するためのインク粒子分 離手段とを備え、上記インク粒子分離手段が存在しない場合、上記インク粒子選 択手段が、メニスカス位置に上記違いを生ぜしめることができる請求項1に記載 の故障許容印刷装置。 15.上記印刷アクチュエータが、 (a)複数のインク粒子噴出ノズルと、 (b)上記ノズルに関連し、30℃以上の温度範囲で少なくとも10mN/m の表面張力の低下を示す上記インクのインク本体と、 (c)所定のノズルを選択し、選択されたノズルと選択されなかったノズル内 のインクの間のメニスカス位置に違いを生ぜしめるためのインク粒子選択手段と 、 (d)選択されなかったノズル内にインクを維持しながら、選択されたノズル からのインクを、インク本体からインク粒子として分離するためのインク粒子分 離手段とを備えてなる請求項1に記載の故障許容印刷装置。 16.(a)複数の通常はアクティブな印刷アクチュエータと、 (b)欠陥印刷アクチュエータを検出するための手段と、 (c)複数の冗長印刷アクチュエータと、 (d)欠陥印刷アクチュエータへの電力供給を通常制御する同じイメージデー タの制御下で、欠陥印刷アクチュエータに対応する冗長印刷アクチュエータに電 力を供給するための手段とを含むことを特徴とする故障許容印刷装置。 17.それにより印刷されるイメージデータを正しく登録するために、上記冗 長印刷アクチュエータの動作を、正しく調整した時間的関係で、他の通常アクテ ィブなアクチュエータと同期させるための制御手段をさらに備えてなる請求項1 0に記載の発明。
JP8531126A 1995-04-12 1996-04-10 集積印刷ヘッドの故障許容用ノズル二元化 Pending JPH10501492A (ja)

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