JPH1050120A - 集光リフレクタ - Google Patents

集光リフレクタ

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JPH1050120A
JPH1050120A JP8206872A JP20687296A JPH1050120A JP H1050120 A JPH1050120 A JP H1050120A JP 8206872 A JP8206872 A JP 8206872A JP 20687296 A JP20687296 A JP 20687296A JP H1050120 A JPH1050120 A JP H1050120A
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reflection
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清次 土川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被照射域内における照度及び色むらが少な
く、均一な照明が得られる、被照射面への集光効率の高
いリフレクタを提供する。 【解決手段】 照射方向の中心方向を軸心とする略回転
2次曲面体状をなす反射面部を有する集光リフレクタに
おいて、前記反射面部が複数個の面に分割された分割反
射面51a〜51dを有し、前記分割反射面は前記軸心
を含む平面での断面と前記軸心に垂直な平面での断面が
共に楕円となる立体楕円面の一部からなり、かつ前記分
割反射面は前記軸心に対して調整された傾きを有するよ
うになされることを特徴とした集光リフレクタであっ
て、被照射面3における照度及び色むらが解消され、か
つ、円形以外の形状の被照射面領域に対しても、その全
面を無駄なく均一に照射することができ、さらに、前記
分割反射面の設計及び加工の際の計算を容易に行うこと
ができるようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶プロジェクタ
等の照明用光学系に用いられる集光リフレクタに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より広く知られている集光リフレク
タとしては、回転放物面を利用したパラボラ・リフレク
タがある。図13は、従来技術によるパラボラリフレク
タの一例を説明するためのリフレクタ断面と作用光を示
す図であり、図中、2はランプ、3は被照射面、4は光
源(ランプの発光中心部)、50はリフレクタである。
図13に示すごとく、リフレクタ50の反射面は回転放
物面形状をなしており、光源4は、この放物面の焦点位
置近傍に置かれている。このため、リフレクタ50の反
射面からの光線は、ほぼ平行な状態でリフレクタ50を
出射し、被照射面3を照射する。このようなパラボラ・
リフレクタの原理から、被照射面の中央部に光が集中し
やすく、周辺部が暗くなり、被照射面の照度の均一性を
確保することができず、また、リフレクタが回転対称な
構造を有しているため、同心円状の色むらが発生した
り、被照射域の形状が円形に限られるという問題点が生
じる。
【0003】これらの問題点を改善するために、先行技
術では回転楕円面を用いた多面式リフレクタの例が示さ
れている。図14は、先行技術による多面式リフレクタ
の一例を説明するためのリフレクタ断面と作用光を示す
図で、図中、50a,50b,50c,50dは回転楕
円面の一部からなるリフレクタの分割反射面、60a,
60b,60c,60dは前記各回転楕円面の一部から
なる分割反射面の照射範囲で、その他、図13と同じ作
用をする部分には、図13と同じ符号が付してある。リ
フレクタの分割反射面50a〜50dは、第1焦点が光
源4、第2焦点が被照射面3であるように設定された回
転楕円面の一部からなるもので、被照射面3の形状に対
応した所定の位置60a〜60dに反射光が集束するよ
うに、それぞれの分割反射面50a〜50dに傾きが設
けられている。このため、リフレクタからの光束は、被
照射面3の形状に応じて被照射面の中央部と周辺部の明
るさの差を軽減するように集束させることができる。
【0004】しかしながら、上記のように回転楕円面を
用いて多面式リフレクタを構成すると、多数の光源像が
被照射域に結像して現われ、照度及び色むら原因となる
ほか、光源のランプを高い精度で位置決めしなければな
らないなどの欠点がある。
【0005】また、従来技術によるこのほかの例とし
て、分割反射面の形状がリフレクタの回転軸を含む平面
上に中心軸を有する円筒曲面、あるいはリフレクタの回
転軸方向を中心軸方向として彎曲する彎曲面であるよう
な多面式リフレクタが、特開平5−62651号公報に
開示されている。これらのリフレクタは、反射面形状を
前記円筒状曲面ないし彎曲面とし、それらの曲率を適当
に設定することで、光源からの照射光の拡散量を制御し
ようとしたものである。しかしながら、この場合、個々
の分割反射面について形状を操作できるパラメータは、
前記中心軸の方向の曲率だけであり、リフレクタの半径
方向の拡散量が制御できるだけである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、パラボ
ラ・リフレクタや回転楕円面からなる分割反射面を用い
た多面式リフレクタでは、反射面形状をなす回転放物面
または回転楕円面の焦点に光源を位置させるため、光源
の発光分布が、被照射面での照度及び色度分布に直接影
響するという問題が生じる。また、上記の円筒状曲面な
いし彎曲面からなる分割反射面を用いた多面式リフレク
タでは、個々の分割反射面の拡散量はリフレクタの半径
方向でしか制御することができないため、設計時に被照
射面での照度分布を細かく設定することが難しい。
【0007】本発明は、このような従来技術における問
題点に鑑みてなされたものであり、被照射域内における
照度及び色むらが少なく、均一な照明が得られる、被照
射面への集光効率の高いリフレクタを提供することをそ
の解決すべき課題としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、照射
方向の中心方向を軸心とする略回転2次曲面体状をなす
反射面部を有する集光リフレクタにおいて、前記反射面
部が複数個の面に分割された分割反射面を有し、前記分
割反射面は前記軸心を含む平面での断面と前記軸心に垂
直な平面での断面が共に楕円となる立体楕円面の一部か
らなり、かつ前記分割反射面は前記軸心に対して調整さ
れた傾きを有するようになされることを特徴とした集光
リフレクタであって、従来までのリフレクタの問題であ
った被照射域内における照度及び色むらが解消され、か
つ、例えば、矩形のような、円形以外の形状の被照射面
領域に対しても、その全面を無駄なく均一に照射する集
光リフレクタを実現でき、さらに、前記分割反射面の設
計及び加工の際の計算を容易に行うようにしたものであ
る。
【0009】請求項2の発明は、前記複数個の面の分割
を、前記軸心を中心に回転(周)方向に行うようにした
ことを特徴とする前記請求項1記載の集光リフレクタで
あって、リフレクタの設計及び加工が容易になるように
したものである。
【0010】請求項3の発明は、前記複数個の面の分割
を、前記軸心の軸方向に行うようにしたことを特徴とす
る請求項1又は2記載の集光リフレクタであって、リフ
レクタの設計及び加工が容易になるようにしたものであ
る。
【0011】請求項4の発明は、前記複数個の面の分割
を、前記反射面部の内周近傍のみ行うようにしたことを
特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の集光
リフレクタであって、リフレクタの加工が容易になると
ともに、反射面の境界部分での光の損失が抑えられ、被
照射面への集光効率を高めるようにしたものである。
【0012】請求項5の発明は、前記複数個の面の分割
を、前記反射面部の外周近傍のみ行うようにしたことを
特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の記載
の集光リフレクタであって、リフレクタの加工が容易に
なるとともに、反射面の境界部分での光の損失が抑えら
れ、被照射面への集光効率を高めるようにしたものであ
る。
【0013】請求項6の発明は、前記分割反射面の傾き
を、被照射面の形状の特性に対応して、変化させるよう
にしたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1
に記載の集光リフレクタであって、例えば矩形のよう
な、円形以外の任意の形状を持った被照射面領域に対し
ても、その全体を無駄なく均一に照射する集光リフレク
タを、容易に設計することができるようにしたものであ
る。
【0014】請求項7の発明は、前記分割反射面の傾き
が、前記反射面部の内周近傍に位置する前記分割反射面
では被照射面の中央近傍を向けて照射するように設定
し、外周近傍に位置する前記分割反射面では被照射面の
周辺近傍を向けて照射するように設定したことを特徴と
する請求項1ないし6のいずれか1に記載の集光リフレ
クタであって、被照射面の各位置において、それを照射
する分割反射面が不必要に増加することを防ぐことがで
き、このため、リフレクタ出射光束の平行度を高めるこ
とができるようにしたものである。
【0015】請求項8の発明は、少なくとも1つの前記
分割反射面の照射範囲が、被照射面形状に近似するよう
に前記立体楕円面の形状を定めるようにしたことを特徴
とする請求項1ないし7のいずれか1に記載の集光リフ
レクタであって、被照射域内における照度及び色むらが
軽減され、被照射面領域全体にわたって均一な照度を得
ることができるようにしたものである。
【0016】請求項9の発明は、隣接する前記分割反射
面の境界部分において、前記分割反射面間の段差をなく
すようにしたことを特徴とする請求項1ないし8のいず
れか1に記載の集光リフレクタであって、境界部分での
段差が軽減され、リフレクタの加工が容易になるととも
に、反射面境界部分での光の損失が抑えられ、被照射面
への集光効率を高めることができるようにしたものであ
る。
【0017】請求項10の発明は、隣接する前記分割反
射面が光源の位置から見たときに互いに接するかもしく
は一部が重なり合うようにしたことを特徴とする請求項
1ないし9のいずれか1に記載の集光リフレクタであっ
て、光源からの照射光が分割反射面間の隙間で失なわれ
ることがないような反射面の構造を得ることができ、被
照射面への集光効率を高めることができるようにしたも
のである。
【0018】請求項11の発明は、隣接する前記分割反
面の境界部分に、光源を通る直線により切り出される平
面または曲面を有することを特徴とする請求項1ないし
10のいずれか1に記載の集光リフレクタであって、リ
フレクタの加工が容易になるとともに、被照射域の照明
に寄与しない無効反射面が境界部分に存在しないため、
被照射面への集光効率を高めることができるようにした
ものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付さ
れた図面を用いて具体的に説明する。なお、実施形態を
説明するための全図において、同一機能を有するものは
同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。図1
は、本発明による集光リフレクタの実施形態における断
面図(A)と正面図(B)を示すもので、図中、1はリ
フレクタ、2はランプ、4は光源(ランプの発光中
心)、5は分割反射面、51a,52a,53a,54
a,55a,51b,51c,51d,52d,53
d,54d,55dは立体楕円面の一部からなる分割反
射面である。図2は、内周近傍のみを分割した本発明に
よる反射面分割法の一実施形態を示すリフレクタ正面図
である。図3は、外周近傍のみを分割した本発明による
反射面分割法の他の実施形態を示すリフレクタ正面図で
ある。
【0020】図1(A)に示すごとく、リフレクタ1
は、照射方向の中心方向を軸心とする略回転2次曲面体
状をなす反射面を有しており、ランプ2は、前記軸心上
に配置するものとし、ランプの発光中心部4が光源とな
る。反射面は、複数個の面に分割されており、それら分
割反射面5は前記軸心に対して調整された傾きを有する
立体楕円面の一部からなっている。
【0021】図1(B)に示すごとく、反射面は、前記
略回転2次曲面体の回転(周)方向と軸方向に分割され
ており、リフレクタ設計及び加工を容易にしている。こ
のような反射面の分割方法としては、このほかに、回転
方向もしくは軸方向のみ分割するようにしてもよい。ま
た、図2に示すように反射面の内周近傍のみを、もしく
は図3に示すように外周近傍のみを分割するようにして
もよい。ここに示した分割反射面5は、立体楕円面の一
部から構成されるため、楕円の中心位置や各軸方向の直
径、傾きといった形状パラメータにより、前記立体楕円
面の形状を容易に操作でき、それに伴って各分割反射面
の集光特性を個々に変化させることができる。これにつ
いては、詳細に後述する。
【0022】次いで、本発明による集光リフレクタの反
射面により照射される光線の様子を図4を参照して説明
する。図4は、本発明による集光リフレクタの実施形態
におけるリフレクタ断面と作用光及び被照射体の照度分
布を示す図であり、図中、61a,61b,61c,6
1dは立体楕円面の一部からなる分割反射面の照射範囲
である。図4において、光源4から出射され、分割反射
面51a〜51dで反射された光線は、被照射面3上の
前記各分割反射面51a〜51dに対応する照射範囲6
1a〜61dを照射する。このように各分割反射面の照
射範囲を被照射面の周辺部分に寄せるように設定するこ
とにより、被照射面の中央部と周辺部の照度差が少ない
均一な照明を得ることができる。
【0023】次に、本発明の集光リフレクタの分割反射
面の照射範囲及び照射位置を制御するための、立体楕円
面の形状設定法を、図5〜図8を参照して詳細に説明す
る。図5は、本発明による集光リフレクタの実施形態に
おける立体楕円面を構成する上で、基準とする回転楕円
面を概念的に示す図である。図6は、光線を縦方向に拡
散させるための立体楕円面を用いた本発明による集光リ
フレクタの実施形態における分割反射面の構成を概念的
に示す図である。図7は、光線を横方向に拡散させるた
めの立体楕円面を用いた本発明による集光リフレクタの
実施形態における分割反射面の構成を概念的に示す図で
ある。図8は、被照射面上の所定の位置に反射面の照射
域を設定するために立体楕円面を傾けた本発明による集
光リフレクタの実施形態における分割反射面の構成を概
念的に示す図である。図5〜図8の各図において、5a
〜5dは、基準楕円面もしくは立体楕円面の一部からな
る分割反射面で、7a〜7dは分割反射面を構成する基
準楕円面もしくは立体楕円面である。
【0024】まず、図5において、立体楕円面の基準と
なる回転楕円面である基準楕円面7aを考える。この基
準楕円面7aは、第1焦点が光源4、第2焦点が被照射
面3の中心となるような形状を有している。いま、基準
楕円面7aからなる分割反射面5aを想定すると、そこ
から照射される光線は、被照射面3の一点に集中するこ
とになる。ここで、分割反射面5aの集光特性を変化さ
せるようにした立体楕円面は、該当する分割反射面の中
央部とリフレクタ回転軸を含む平面の方向と、それに垂
直な方向の2種類の方向に基準楕円面7aを伸縮させた
ものとして定義される。
【0025】図6は、主として該当する分割反射面の中
央部とリフレクタ回転軸を含む平面の方向に基準回転楕
円面7aを伸縮させて、立体楕円面7bを構成した例で
ある。この立体楕円面7bの一部を分割反射面5bの形
状とすると、そこから照射される光線を縦方向のみに拡
散させることができる。しかも、拡散の度合は、基準楕
円面7aの伸縮倍率を操作することで、自由かつ連続的
に変化させることができる。
【0026】図7は、主として該当する分割反射面の中
央部とリフレクタ回転軸を含む平面に垂直な方向に基準
回転楕円面7aを伸縮させて、立体楕円面7cを構成し
た例である。この楕円面7cの一部を分割反射面5cの
形状とすると、そこから照射される光線を横方向のみに
拡散させることができる。しかも、拡散の度合いは、基
準楕円面7aの伸縮倍率を操作することで、自由かつ連
続的に変化させることができる。
【0027】図8は、立体楕円面7dをリフレクタ回転
軸に対して傾きを持たせる方法の一例を示したものであ
る。この例では、立体楕円面7dは基準楕円面7aと略
同一形状であるが、基準楕円面7aの第2焦点が被照射
面3の中心から所定量だけ移動した位置になるように立
体楕円面7dに傾きを持たせている。この傾きの設定に
より、被照射面の任意の位置へ前記第2焦点を結ぶよう
にすることができる。
【0028】以上に述べた考えた方を組み合わせて、立
体楕円面の形状を設計することにより、被照射面の任意
の位置に任意の大きさの略矩形形状の照射域を各分割反
射面毎に設定することができる。
【0029】次に、本発明の実施形態として矩形状の被
照射面に対して、各分割反射面の照射域を設定した例を
図1(B)及び図9を参照して説明する。図9は、本発
明による集光リフレクタの実施形態における照射範囲設
定例を示す被照射面の平面図で、リフレクタの反射面の
最内周に位置する分割反射面の照射範囲を(A)図に、
リフレクタの反射面の最外周に位置する分割反射面の照
射範囲を(B)図に示すものである。図9(A)は、図
1(B)に示した反射面部の最内周に位置する各分割反
射面51a〜55aのそれぞれに対応する照射範囲61
a〜65aの設定例を示したものである。これによれ
ば、各分割反射面51a〜55aは、それぞれ被照射面
3上の大きな範囲を照射するように設定されている。特
に分割反射面51aに対応する照射範囲61aは、被照
射面3の形状に近似するように設定されている。このよ
うにして、被照射域内における照度及び色むらを軽減で
き、被照射面全体にわたって均一な照度を得ることがで
きるようになる。
【0030】図9(B)は、図1(B)に示したリフレ
クタの反射面の最外周に位置する各分割反射面51d〜
55dのそれぞれに対応する照射範囲61d〜65dの
設定例を示したものである。これによれば、各分割反射
面51d〜55dは、それぞれ被照射面3上の周辺部を
照射するように設定されている。このようにして、被照
射面の周辺部での照度低下を防ぎ、被照射面全体にわた
って均一な照度を得ることができるようになる。
【0031】このように、リフレクタの反射面の内周に
位置する分割反射面が被照射面の中央近傍を向けて照射
し、また、前記反射面の外周に位置する分割反射面が被
照射面の周辺近傍を向けて照射するように設定すると、
リフレクタからの出射光の平行度を上げることもでき
る。また、さらにこのような平行度を重視する場合、リ
フレクタ反射面内周に位置する分割反射面の照射範囲
を、図9(A)に示した例よりも縮小するように設定す
ることも考えられる。
【0032】上述してきたように、本発明による集光リ
フレクタの反射面は、複数個の面に分割され、それら分
割反射面は、リフレクタ回転軸を含む平面での断面と前
記回転軸に垂直な平面での断面が共に楕円となる立体楕
円面の一部からなり、かつ前記立体楕円面は、前記軸心
に対して調整された傾きを有している。ここで、立体楕
円面は、x,y,zの各軸を持つ3次元直交座標系におい
ては、 {(x-x0)/a}^2+{(y-y0)/b}^2+{(z-z0)/c}^2=1 なる形式で表され、形状パラメータとして、中心位置
(x0,y0,z0)やx,y,z軸方向の半径a,b,cを
有している。このため、各分割反射面は、これら立体楕
円面の形状パラメータを操作することにより、その曲率
を変化させ、反射光をリフレクタ回転軸方向及びリフレ
クタ半径方向の両方向に任意の量だけ拡散させることが
可能となるのである。そして、これを被照射面の形状に
合わせて行えば、従来までのリフレクタの問題であった
被照射域内における照度及び色むらが解消され、かつ、
例えば矩形のような円形以外の任意の形状を持った被照
射面領域に対しても、その全体を無駄なく均一に照射す
る集光リフレクタを実現することができる。
【0033】ところで、実際の光源である、例えばラン
プは、その発光部分が大きさを有しているため、これま
での光源を点とみなした説明とは若干異なる部分があ
る。すなわち、個々の分割反射面の照射範囲は、光源を
点とみなしたときに比べて、ランプの発光部分の大きさ
相当分だけ広がることになる。このほか、ランプの有す
る発光分布によって、被照射面に照度及び色むらが現わ
れる可能性もある。しかし、前記の照射範囲が広がる点
については、各分割反射面の拡散量を予め小さく設計す
ることで対処することができる。また、ランプの発光分
布についても、それらは立体楕円面の一部である分割反
射面によってある程度拡散され、さらに被照射面上では
多数の分割反射面による照射光が重なり合うため、むら
が現われることはほとんどない。
【0034】次いで、隣接する分割反射面どうしの位置
関係を操作し、分割反射面間の段差を軽減し、無効光の
発生を抑制するようにした実施形態について説明する。
立体楕円面の一部を用いた分割反射面は、設計の自由度
が高く、その照射範囲をほとんど変えることなく、ある
範囲で形状を変化させることが可能である。図10は、
隣接する分割反射面の境界部分において反射面間の段差
をなくすようにした本発明による集光リフレクタの他の
実施形態を示す断面図である。図11は、隣接する分割
反射面どうしが光源から見たときに互いに接するか、も
しくは一部が重なり合うようにした本発明による集光リ
フレクタの他の実施形態を示す断面図である。図12
は、立体楕円面の形状操作だけでは対処できない分割反
射面間の残留段差の処理を行った本発明による集光リフ
レクタの他の実施形態を示す断面図である。各図におい
て、81は分割反射面境界部、82は分割反射面境界部
の重複部分、83は分割反射面境界部の鋭角部分であ
る。
【0035】図10は、隣接する分割反射面境界部分8
1に生ずる段差をなくすようにした部分におけるリフレ
クタの断面を示している。隣接する1組の分割反射面を
考えたとき、分割反射面間に生じる段差は、各分割反射
面が立体楕円面の一部からなっているために、分割反射
面境界部分81の全長にわたって完全になくすことはで
きない。しかし、この境界部分上の少なくとも一点にお
いて、図10に示すごとくに、段差をなくすように分割
反射面を配置することで、境界部分全体としても段差を
小さく抑えることが可能となる。このような分割反射面
の配置方法を採用することにより、リフレクタの加工が
容易になるとともに、分割反射面境界部分81での光の
損失が抑えられ、被照射面への集光効率を高めることが
できる。
【0036】図11は、光源から見たときに隣接する分
割反射面どうしの一部を重なり合わせるようにすること
により、分割反射面境界部の重複部分82を設けた例を
示している。ここで、分割反射面の重ね合わせは、リフ
レクタ反射面の分割反射面の全てにおいて、各分割反射
面間に隙間を生じさせないように設定する。このとき、
リフレクタの加工を容易にするため、前記分割反射面の
重ね合わせは、前記のような隙間を生じない限り最小限
に抑えることが望ましい。このようにして、光源からの
照射光が分割反射面間の隙間により失われることがない
ようなリフレクタ反射面の構造を得ることができ、被照
射面への集光効率を高めることができる。
【0037】図12は、前記立体楕円面の形状操作だけ
では対処できない分割反射面間の残留段差の処理例を示
している。これによれば、隣接する分割反射面の境界部
分81に、光源を通る直線により切り出される平面また
は曲面が設けられている。この平面または曲面は、それ
自身が光源からの照射光を反射するようなことはないた
め、ある程度自由に前記平面または曲面を配置すること
ができる。図12に示した例では、分割反射面間の段差
の鋭角部分83を切り取るような境界面を有するように
分割反射面が配置されている。このような構成により、
リフレクタの反射面の形状がなめらかになり、加工を容
易することができる。また、前記のような分割反射面間
の隙間によって被照射面の照明に寄与しない無効な面が
生じたような場合でも、これを切り取るように分割反射
面を配置することにより、被照射面への集光効率を高め
ることができる。
【0038】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、リフレクタの
反射面部が複数個の面に分割され、それら分割反射面は
リフレクタ回転軸を含む平面での断面との前記回転軸に
垂直な平面での断面が共に楕円となる立体楕円面の一部
からなり、かつ前記立体楕円面は前記回転軸に対して調
整された傾きを有していることを特徴とする多面式の集
光リフレクタを用いることにより、立体楕円面の中心位
置や各方向の直径,傾きといった形状パラメータによっ
てその形状を容易に操作でき、それに伴って各分割反射
面の集光特性を個々に変化させることができるため、従
来までのリフレクタの問題であった被照射域内における
照度及び色むらが解消され、かつ、例えば、矩形のよう
な、円形以外の形状の被照射面領域に対しても、その全
面を無駄なく均一に照射する集光リフレクタを実現で
き、さらに、2次曲面の一つである立体楕円面を切り取
った形状を有する分割反射面は、その設計及び加工の際
の計算を容易に行うことができる。
【0039】請求項2または3の発明によれば、前記請
求項1の効果に加えて、立体楕円面の幾何学的性質に合
わせて、回転(周)方向またはリフレクタ回転軸の軸方
向に反射面部を分割することにより、リフレクタの設計
及び加工を容易にすることができる。
【0040】請求項4または5の発明によれば、前記請
求項1の効果に加えて、前記複数個の面の分割は、反射
面部の内周近傍または外周近傍のみを行うようにするこ
とにより、リフレクタの加工が容易になるとともに、分
割反射面の境界部分での光の損失が抑えられ、被照射面
への集光効率を高めることができる。
【0041】請求項6の発明によれば、前記請求項1な
いし5の効果に加えて、各分割反射面を被照射面の形状
の特性に応じて傾けることにより、例えば矩形のよう
な、円形以外の任意の形状を持った被照射面領域に対し
ても、その全体を無駄なく均一に照射する集光リフレク
タを、容易に設計することができる。
【0042】請求項7の発明によれば、前記請求項1な
いし6の効果に加えて、リフレクタの反射面部の内周近
傍に位置する分割反射面は被照射面の中央近傍を向けて
照射するように設定し、また、前記反射面部の外周近傍
に位置する分割反射面では被照射面の周辺近傍を向けて
照射するように設定することにより、被照射面の各位置
において、それを照射する分割反射面が不必要に増加す
ることを防ぐことができ、このため、リフレクタ出射光
束の平行度を高めることができる。
【0043】請求項8の発明によれば、前記請求項1な
いし7の効果に加えて、照射範囲が被照射面形状に近似
する少なくとも1個以上の分割反射面をリフレクタの反
射面部が有するようにすることにより、被照射域内にお
ける照度及び色むらが軽減され、被照射面領域全体にわ
たって均一な照度を得ることができる。
【0044】請求項9の発明によれば、前記請求項1な
いし8の効果に加えて、隣接する分割反射面の境界部分
において分割反射面間の段差をなくすようにすることに
より、境界部分での段差が軽減され、リフレクタの加工
が容易になるとともに、分割反射面境界部分での光の損
失が抑えられ、被照射面への集光効率を高めることがで
きる。
【0045】請求項10の発明によれば、前記請求項1
ないし9の効果に加えて、隣接する分割反射面が光源か
ら見たときに互いに接するかもしくは一部が重なり合う
ようにすることにより、光源からの照射光が分割反射面
間の隙間で失なわれることがないようなリフレクタの反
射面部の構造を得ることができ、被照射面への集光効率
を高めることができる。
【0046】請求項11の発明によれば、前記請求項1
ないし10の効果に加えて、隣接する分割反射面の境界
部分に、光源を通る直線により切り出される平面または
曲面を設けることにより、リフレクタの加工が容易にな
るとともに、被照射域の照明に寄与しない無効反射面が
境界部分に存在しないため、被照射面への集光効率を高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による集光リフレクタの実施形態におけ
る断面図(A)と正面図(B)を示すものである。
【図2】内周近傍のみを分割した本発明による反射面分
割法の一実施形態を示すリフレクタ正面図である。
【図3】本発明の他の実施例を説明するため、外周近傍
のみを分割した本発明による反射面分割法の他の実施形
態を示すリフレクタ正面図である。
【図4】本発明による集光リフレクタの実施形態におけ
るリフレクタ断面と作用光及び被照射体の照度分布を示
す図である。
【図5】本発明による集光リフレクタの実施形態におけ
る立体楕円面を構成する上で、基準とする回転楕円面を
概念的に示す図である。
【図6】光線を縦方向に拡散させるための立体楕円面を
用いた本発明による集光リフレクタの実施形態における
反射面形状の構成を概念的に示す図である。
【図7】光線を横方向に拡散させるための立体楕円面を
用いた本発明による集光リフレクタの実施形態における
反射面形状の構成を概念的に示す図である。
【図8】被照射面上の所定の位置に反射面の照射域を設
定するために反射面形状を傾けた本発明による集光リフ
レクタの実施形態における反射面形状の構成を概念的に
示す図である。
【図9】本発明による集光リフレクタの実施形態におけ
る照射範囲設定例を示す被照射面の平面図である。
【図10】隣接する分割反射面の境界部分の少なくとも
一点において反射面間の段差をなくすようにした本発明
による集光リフレクタの他の実施形態を示す断面図であ
る。
【図11】隣接する分割反射面どうしが光源から見たと
きに互いに接するか、もしくは一部が重なり合うように
した本発明による集光リフレクタの他の実施形態を示す
断面図である。
【図12】立体楕円面の形状操作だけでは対処できない
分割反射面間の残留段差の処理を行った本発明による集
光リフレクタの他の実施形態を示す断面図である。
【図13】従来技術によるパラボラリフレクタの一例を
説明するためのリフレクタ断面図と作用光を示す図であ
る。
【図14】先行技術による多面式リフレクタを説明する
ためのリフレクタ断面と作用光を示す図である。
【符号の説明】
1…リフレクタ、2…ランプ、3…被照射面、4…光源
(ランプの発光中心部)、5…分割反射面、5a,5
b,5c,5d…基準楕円面もしくは立体楕円面の一部
からなる分割反射面、7a,7b,7c,7d…分割反
射面を構成する基準楕円面もしくは立体楕円面、50…
回転放物面状のリフレクタ、50a,50b,50c,
50d…回転楕円面の一部からなる分割反射面、51
a,52a,53a,54a,55a,51b,51
c,51d,52d,53d,54d,55d…立体楕
円面の一部からなる分割反射面、60a,60b,60
c,60d…回転楕円面の一部からなる分割反射面の照
射範囲、61a,62a,63a,64a,65a,6
1b,61c,61d,62d,63d,64d,65
d…立体楕円面の一部からなる分割反射面の照射範囲、
81…分割反射面境環部、82…分割反射面境界部の重
複部分、83…分割反射面境界部の鋭角部分。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照射方向の中心方向を軸心とする略回転
    2次曲面体状をなす反射面部を有する集光リフレクタに
    おいて、前記反射面部が複数個の面に分割された分割反
    射面を有し、前記分割反射面は前記軸心を含む平面での
    断面と前記軸心に垂直な平面での断面が共に楕円となる
    立体楕円面の一部からなり、かつ前記分割反射面は前記
    軸心に対して調整された傾きを有するようになされるこ
    とを特徴とする集光リフレクタ。
  2. 【請求項2】 前記複数個の面の分割は、前記軸心を中
    心に回転方向に行うようにしたことを特徴とする請求項
    1記載の集光リフレクタ。
  3. 【請求項3】 前記複数個の面の分割は、前記軸心の軸
    方向に行うようにしたことを特徴とする請求項1または
    2記載の集光リフレクタ。
  4. 【請求項4】 前記複数個の面の分割は、前記反射面部
    の内周近傍のみ行うようにしたことを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれか1に記載の集光リフレクタ。
  5. 【請求項5】 前記複数個の面の分割は、前記反射面部
    の外周近傍のみ行うようにしたことを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれか1に記載の集光リフレクタ。
  6. 【請求項6】 前記分割反射面の傾きを、被照射面の形
    状の特性に対応して変化させるようにしたことを特徴と
    する請求項1ないし5のいずれか1に記載の集光リフレ
    クタ。
  7. 【請求項7】 前記分割反射面の傾きは、前記反射面部
    の内周近傍に位置する前記分割反射面では被照射面の中
    央近傍を向けて照射するように設定し、外周近傍に位置
    する前記分割反射面では被照射面の周辺近傍を向けて照
    射するように設定したことを特徴とする請求項1ないし
    6のいずれか1に記載の集光リフレクタ。
  8. 【請求項8】 少なくとも1つの前記分割反射面の照射
    範囲が、被照射面形状に近似するように前記立体楕円面
    の形状を定めるようにしたことを特徴とする請求項1な
    いし7のいずれか1に記載の集光リフレクタ。
  9. 【請求項9】 隣接する前記分割反射面の境界部分にお
    いて、前記分割反射面間の段差をなくすようにしたこと
    を特徴とする請求項1ないし8のいずれか1に記載の集
    光リフレクタ。
  10. 【請求項10】 隣接する前記分割反射面が光源の位置
    から見たときに互いに接するかもしくは一部が重なり合
    うようにしたことを特徴とする請求項1ないし9のいず
    れか1に記載の集光リフレクタ。
  11. 【請求項11】 隣接する前記分割反面の境界部分に、
    光源を通る直線により切り出される平面または曲面を有
    することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1
    に記載の集光リフレクタ。
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