JPH1048423A - ホログラムカラーフィルター - Google Patents

ホログラムカラーフィルター

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Publication number
JPH1048423A
JPH1048423A JP20807896A JP20807896A JPH1048423A JP H1048423 A JPH1048423 A JP H1048423A JP 20807896 A JP20807896 A JP 20807896A JP 20807896 A JP20807896 A JP 20807896A JP H1048423 A JPH1048423 A JP H1048423A
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JP
Japan
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hologram
wavelength region
light
color filter
diffraction
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JP20807896A
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English (en)
Inventor
Takenori Watabe
渡部壮周
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折効率の波長依存性をより少なくして、
R、G、B3色のカラーバランスを補正した明るいホロ
グラムカラーフィルター。 【解決手段】 ホログラム5′が、ホログラム記録面の
法線に対して所定の角度θをなして入射する白色光をホ
ログラム記録面に略沿う方向に波長分散させて分光する
ホログラムカラーフィルターにおいて、ホログラム5′
は2枚のホログラム51、52が重畳あるいは多重記録
されてなるものであり、入射側のホログラム51は略青
色のみを回折し、緑色及び赤色はほとんど回折せず、射
出側のホログラム52は回折効率のピークが緑色あるい
は赤色波長領域の中に位置するものであり、入射側のホ
ログラム51による青色の回折方向は射出側のホログラ
ム52による青色の回折方向とは異なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホログラムカラー
フィルターに係わり、特に、回折効率の波長依存性をよ
り少なくして、R、G、B3色のカラーバランスを補正
した明るい液晶表示装置用のホログラムカラーフィルタ
ーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶表示装置用のカラーフィルタ
ーとして、従来の波長吸収型のものと比較して、バック
ライトの各波長成分を無駄なく吸収なく各液晶セルへ入
射でき、バックライトの利用効率を大幅に向上させるも
のとして、本出願人は、特願平5−12170号等にお
いて、ホログラムカラーフィルターを提案した。その構
成には2つのタイプがあり、第1のタイプは、偏心した
フレネルゾーンプレート状の微小ホログラムアレーから
なるものである。第2のタイプは、平行で一様な干渉縞
からなるホログラム又は回折格子とそれに重畳したマイ
クロレンズアレーとからなるものである。以下、簡単に
これらのホログラムカラーフィルターについて説明す
る。
【0003】図5の断面図を参照にして第1のタイプの
ホログラムカラーフィルターを用いた液晶表示装置につ
いて説明する。同図において、規則的に液晶セル6′
(画素)に区切られた液晶表示素子6のバックライト3
入射側にこのホログラムカラーフィルターを構成するホ
ログラムアレー5が離間して配置される。液晶表示素子
6背面には、各液晶セル6′の間に設けられたブラック
・マトリックス4が配置される。以上の他、図示しない
偏光板が液晶表示素子6の両側に配置される。なお、ブ
ラック・マトリックス4の間には、従来のカラー液晶表
示装置と同様に、R、G、Bの分色画素に対応した色の
光を通過する吸収型のカラーフィルターを付加的に配置
するようにしてもよい。
【0004】ホログラムアレー5は、R、G、Bの分色
画素の繰り返し周期、すなわち、液晶表示素子6の紙面
内の方向に隣接する3つの液晶セル6′の組各々に対応
して、その繰り返しピッチと同じピッチでアレー状に配
置された微小ホログラム5′からなり、微小ホログラム
5′は液晶表示素子6の紙面内の方向に隣接する3つの
液晶セル6′各組に整列して各々1個ずつ配置されてお
り、各微小ホログラム5′は、ホログラムアレー5の法
線に対して角度θをなして入射するバックライト3の中
の緑色の成分の光を、その微小ホログラム5′に対応す
る3つの分色画素R、G、Bの中心の液晶セルG上に集
光するようにフレネルゾーンプレート状に形成されてい
るものである。そして、微小ホログラム5′は、回折効
率の波長依存性がないかもしくは少ない、レリーフ型、
位相型、振幅型等の透過型ホログラムからなる。ここ
で、回折効率の波長依存性がないかもしくは少ないと
は、リップマンホログラムのように、特定の波長だけを
回折し、他の波長はほとんど回折しないタイプのもので
はなく、1つの回折格子で何れの波長も回折するものを
意味し、この回折効率の波長依存性が少ない回折格子
は、波長に応じて異なる回折角で回折する。
【0005】このような構成であるので、ホログラムア
レー5の液晶表示素子6と反対側の面からその法線に対
して角度θをなして入射する白色のバックライト3を入
射させると、波長に依存して微小ホログラム5′による
回折角は異なり、各波長に対する集光位置はホログラム
アレー5面に略平行な方向に分散される。その中の、赤
の波長成分は赤を表示する液晶セルRの位置に、緑の成
分は緑を表示する液晶セルGの位置に、青の成分は青を
表示する液晶セルBの位置にそれぞれ回折集光するよう
に、ホログラムアレー5を構成配置することにより、そ
れぞれの色成分はブラック・マトリックス4でほとんど
減衰されずに各液晶セル6′を通過し、対応する位置の
液晶セル6′の状態に応じた色表示を行うことができ
る。
【0006】このように、ホログラムアレー5をカラー
フィルターとして用いることにより、従来のカラーフィ
ルター用バックライトの各波長成分を無駄なく吸収なく
各液晶セル6′へ入射させることができるため、その利
用効率を大幅に向上させることができる。
【0007】図6の断面図を参照にして第2のタイプの
ホログラムカラーフィルターを用いた液晶表示装置につ
いて説明する。同図において、第2のタイプのホログラ
ムカラーフィルター10は、ホログラム7と集光性マイ
クロレンズアレー8とからなり、マイクロレンズアレー
8を構成するマイクロレンズ8′は、R、G、Bの分色
画素の繰り返し周期、すなわち、液晶表示素子6の紙面
内の方向に隣接する3つの液晶セル6′の組各々に対応
して、その繰り返しピッチと同じピッチでアレー状に配
置されている。また、ホログラム7は、回折格子の作用
をする平行で一様な干渉縞からなり、回折効率の波長依
存性がないかもしくは少ない、レリーフ型、位相型、振
幅型等の透過型ホログラムからなる。液晶表示素子6背
面には、各液晶セル6′の間に設けられたブラック・マ
トリックス4が配置される。以上の他、図示しない偏光
板が液晶表示素子6の両側に配置される。なお、ブラッ
ク・マトリックス4の間には、従来のカラー液晶表示装
置と同様に、R、G、Bの分色画素に対応した色の光を
通過する吸収型のカラーフィルターを付加的に配置する
ようにしてもよい。
【0008】このような構成であるので、ホログラム7
の液晶表示素子6と反対側の面からその法線に対して角
度θをなしてバックライト3を入射させると、波長に依
存して異なる角度で回折され、ホログラム7の射出側に
分散される。ホログラム7の入射側又は出射側に配置さ
れたマイクロレンズ8′により、この分散された光は、
その焦点面に波長毎に分離されて集光する。その中の、
赤の波長成分は赤を表示する液晶セルRの位置に、緑の
成分は緑を表示する液晶セルGの位置に、青の成分は青
を表示する液晶セルBの位置にそれぞれ回折集光するよ
うに、カラーフィルター10を構成配置することによ
り、それぞれの色成分はブラック・マトリックス4でほ
とんど減衰されずに各液晶セル6′を通過し、対応する
位置の液晶セル6′の状態に応じた色表示を行うことが
できる。
【0009】このような配置において、ホログラム7と
して、集光性でなく一様な干渉縞からなる回折効率の波
長依存性が少ない透過型ホログラムを用いることができ
るため、ホログラム7をマイクロレンズアレー8の各マ
イクロレンズ8′と位置合わせする必要がない点、及
び、マイクロレンズアレー8のピッチが各液晶セル6′
各々に対応して1個のマイクロレンズを配置する従来の
場合の3倍になり、作りやすくかつ整列しやすい点に特
長がある。
【0010】なお、図6の変形として、図7に示すよう
に、マイクロレンズアレー8及び液晶表示素子6の配置
を図6の通りとし、回折格子の作用をする平行で一様な
干渉縞からなるホログラム7をマイクロレンズアレー8
から分離してバックライト3中にその進行方向に対して
略垂直になるように配置しても、同様にバックライトの
各波長成分を無駄なく吸収なく各液晶セル6′へ入射さ
せることができ、その利用効率を大幅に向上させたカラ
ーフィルターを実現することができる。
【0011】ところで、本出願人の提案に係る上記のホ
ログラムカラーフィルターにおいては、波長分散のため
に回折効率の波長依存性がないかもしくは少ないホログ
ラムを用いるが、実際には、回折理論自身からまたホロ
グラムに厚さがあるため、波長に応じてその回折効率が
異なってしまう。特に、R、G、Bの3色によるカラー
液晶表示のためのホログラムカラーフィルターにおいて
は、山形の形状をなす回折効率のピークを真ん中の波長
Gの領域に位置させてバランスをとるようにするのが望
ましく、Rの波長領域及びBの波長領域の回折効率は、
Gの波長領域に比較して低下してしまう。そのため、
R、G、Bの3色における強度の不揃いが生じ、カラー
表示を行う際にカラーバランス不良として現れてしま
う。
【0012】そこで、本出願人は、このような回折効率
の波長依存性をより少なくして、R、G、B3色のカラ
ーバランスを補正するために、特願平7−170922
号及び特願平7−290820号において、2枚のホロ
グラムが重畳あるいは多重記録されてなり、所定の角度
をなして入射するバックライトに対して、各ホログラム
による波長分散の空間的な波長分布は相互に略一致して
おり、かつ、回折効率のピーク波長が相互に異なるホロ
グラムカラーフィルターを提案した。
【0013】すなわち、図5のタイプに対応する場合は
(図6のタイプの場合も同様である。)、図8(a)に
示すように、ホログラムアレー5を構成する微小ホログ
ラム5′は、図5の場合のように単一の集光性ホログラ
ムからなるのではなく、2枚の集光性ホログラム51、
52を重畳あるいは1つの感光材料中に多重記録してな
るものである。回折効率の分布は、図5の場合のように
単一の集光性ホログラムからなる場合には、図8(b)
に破線で示すように山形の形状をなし、G色領域に回折
効率のピーク波長が位置するようにすると、R色領域及
びB色領域の回折効率がG色領域に比較して低下してし
まい、R、G、Bの3色における強度の不揃いが生じ、
カラー表示を行う際にカラーバランス不良として現れて
しまうが、この2枚の集光性ホログラム51、52の場
合は、図8(b)の実線の2つの山形に示すように、一
方のホログラム51の回折効率のピーク波長は例えば4
90nmになるように設定されており、他方の集光性ホ
ログラム52の回折効率のピーク波長は例えば600n
mになるように設定されている。そして、各ホログラム
51、52による波長分散の空間的な波長分布は相互に
略一致している。したがって、このような2枚のホログ
ラム51、52が重畳あるいは多重記録されてなる微小
ホログラム5′に同じ入射角θで白色のバックライト3
を入射させると、回折分散光の空間的な波長分布と回折
効率分布は、図8(b)に一点鎖線で示すようになり、
その分布の頂上部の広さは、図8(b)に破線で示す分
布の頂上部の広さより広くなる。したがって、R色領域
及びB色領域の回折効率はG色領域に比較して余り低下
せず、R、G、Bの3色における強度が略同じになり、
カラー表示を行う際にカラーバランスが補正されること
になる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように2枚のホログラムが重畳あるいは多重記録されて
なり、各ホログラムによる波長分散の空間的な波長分布
は相互に略一致しており、かつ、回折効率のピーク波長
が相互に異なるホログラムカラーフィルターの場合であ
って、特に、2枚のホログラムを重畳して構成する場合
に、入射側のホログラムで回折された光が射出側のホロ
グラムで再度回折され、その回折光がバックライトの直
進方向へ向かってしまい、所望の回折効率が得られなく
なる問題が発生し得る。この2枚目のホログラムにより
再度回折されて回折効率が低下してしまう問題は、両ホ
ログラムの波長分散による空間的な波長分布が略一致し
ていることによる。
【0015】本発明はこのような本発明者の従来の提案
に係るホログラムカラーフィルターの問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的は、回折効率の波長依存性
をより少なくして、R、G、B3色のカラーバランスを
補正した明るいホログラムカラーフィルターを提供する
ことである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のホログラムカラーフィルターは、要素集光性ホログ
ラムのアレーからなり、その各要素集光性ホログラム
が、ホログラム記録面の法線に対して所定の角度をなし
て入射する白色光をホログラム記録面に略沿う方向に波
長分散させて分光するホログラムカラーフィルター、あ
るいは、平行で一様な干渉縞からなるホログラムとその
入射側あるいは射出側に配置された要素集光性レンズの
アレーとからなり、その要素集光性レンズ各々が前記ホ
ログラムと協働して、ホログラムの記録面に所定の角度
で入射する白色光を要素集光性レンズのアレーの面に略
沿う方向に波長分散させて分光するホログラムカラーフ
ィルターにおいて、前記要素集光性ホログラム又は前記
の平行で一様な干渉縞からなるホログラムは、2枚のホ
ログラムが重畳又は多重に記録されてなるものであり、
その入射側のホログラムと射出側のホログラムは相互に
波長分散による空間的な波長分布が異なり、かつ、回折
効率分布が異なっていることを特徴とするものである。
【0017】この場合、入射側のホログラムは略青色波
長領域の光のみを回折し、緑色波長領域の光及び赤色波
長領域の光はほとんど回折せず、射出側のホログラムは
回折効率のピークが緑色波長領域あるいは赤色波長領域
の中に位置するものであり、入射側のホログラムによる
青色波長領域の光の回折方向は、射出側のホログラムに
よる青色波長領域の光の回折方向とは異なるものとし
て、あるいは、入射側のホログラムは略赤色波長領域の
光のみを回折し、青色波長領域の光及び緑色波長領域の
光はほとんど回折せず、射出側のホログラムは回折効率
のピークが青色波長領域あるいは緑色波長領域の中に位
置するものであり、入射側のホログラムによる赤色波長
領域の光の回折方向は、射出側のホログラムによる赤色
波長領域の光の回折方向とは異なるものとして構成する
ことができる。
【0018】また、2枚のホログラム中の一方のホログ
ラムは回折効率のピークが青色波長領域の中に位置し、
赤色波長領域の光はほとんど回折せず、他方のホログラ
ムは回折効率のピークが赤色波長領域の中に位置し、青
色波長領域の光はほとんど回折しないものであり、一方
のホログラムによる緑色波長領域の光の回折方向と他方
のホログラムによる緑色波長領域の光の回折方向との間
に、一方のホログラムによる青色波長領域の光の回折方
向と他方のホログラムによる赤色波長領域の光の回折方
向とが位置するように構成することもできる。
【0019】また、2枚のホログラムは平行で一様な干
渉縞からなるホログラムからなり、相互に非平行で角度
をなして配置したものとして構成することもできる。
【0020】また、これらのホログラムカラーフィルタ
ーは、画素間にブラック・マトリックスを配置したカラ
ー液晶表示装置に用いることが好適である。
【0021】本発明においては、ホログラムカラーフィ
ルターを構成する要素集光性ホログラム、あるいは、平
行で一様な干渉縞からなるホログラムを2枚のホログラ
ムが重畳又は多重に記録されてなるもので構成し、その
入射側のホログラムと射出側のホログラムは相互に波長
分散による空間的な波長分布が異なり、かつ、回折効率
分布が異なるようにしているので、入射側のホログラム
で回折された光が射出側のホログラムで再度回折されて
回折効率が低下してしまう問題は起こらず、かつ、合成
回折効率分布を、単一のもので構成する場合よりも、例
えば広くなだらかにでき、明るくカラーバランスの良好
なものを得ることができる。また、2枚のホログラムの
回折角を相互に独立に制御できるので、各色の純度向上
を図ることができ、最適な色再現を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明のホログラムカラー
フィルターの実施例について説明する。図1(a)の光
路図を参照にして本発明による第1実施例のホログラム
カラーフィルターを説明する。この図で考えているホロ
グラムカラーフィルターは、図5の微小ホログラムアレ
ーからなるホログラムカラーフィルターに対応するもの
で、図6、図7の平行で一様な干渉縞からなるホログラ
ム又は回折格子とそれと組み合わせたマイクロレンズア
レーとからなるホログラムカラーフィルターにも本発明
は同様に適用できることは以下の説明から明らかになろ
う。
【0023】図1(a)において、本発明のホログラム
カラーフィルターにおいては、ホログラムアレー5を構
成する微小ホログラム5′は、図8の場合と同様に、2
枚の集光性ホログラム51、52を重畳してなるもので
ある。しかし、本発明においては、ホログラム51、5
2の波長分散による空間的な波長分布は一致していな
い。そして、入射側のホログラム51の回折効率分布と
射出側のホログラム52の回折効率分布も異なってい
る。すなわち、微小ホログラム5′に入射角θで入射す
る白色のバックライト3に対して、入射側のホログラム
51は、図1(b)の一点鎖線で示すような回折効率分
布を有し、略青色波長領域の光のみを回折し、緑色波長
領域の光及び赤色波長領域の光はほとんど回折しない。
これに対して、射出側のホログラム52は、図1(b)
の実線で示すような回折効率分布を有し、回折効率のピ
ークが緑色波長領域あるいは赤色波長領域の中にあり、
両領域の光を略同等に回折し、青色波長領域の光に対す
る回折効率は相対的に低い。
【0024】そして、入射角θで入射するバックライト
3中の青色波長領域の成分は、入射側のホログラム51
により、図中、一点鎖線で示したように、ブラック・マ
トリックス4の右側の開口位置に集光するように回折さ
れる。入射側のホログラム51で回折されずに通過した
緑色波長領域の成分と赤色波長領域の成分は、射出側の
ホログラム52で、図中、実線で示したように、それぞ
れブラック・マトリックス4の左側の開口、中央の開口
位置に集光するように回折される。ここで、青色波長領
域の成分が入射側のホログラム51で回折されずに通過
すると仮定した場合、射出側のホログラム52によって
緑色波長領域の成分が集光する位置より左側に回折され
るが、入射側のホログラム51により青色波長領域の成
分が回折される位置はそれとは全く反対側の位置とな
る。これが上記したホログラム51、52の波長分散に
よる空間的な波長分布が一致していないことの意味であ
る。そのため、入射側のホログラム51で回折された青
色波長領域の成分が射出側のホログラム52で再度回折
される割合は極めて小さくなる。したがって、回折効率
の低下の問題は起こらず、かつ、3つの色の波長領域の
成分を略同じ強度で分離集光させることができ、カラー
表示を行う際にカラーバランスが補正されることにな
る。なお、入射側のホログラム51で回折された青色波
長領域の成分の集光位置を、射出側のホログラム52に
よって回折集光された緑色波長領域の成分の集光位置と
赤色波長領域の成分の集光位置の間にすることも可能で
あるが、両ホログラム51、52の回折による空間的な
波長分布のずれは大きければ大きい程再度回折される割
合は小さくなるので、図1(a)のような回折方向の位
置関係を選択するのが望ましい。
【0025】図1の実施例は、入射側のホログラム51
により入射角θで入射するバックライト3中の青色波長
領域の成分を回折し、入射側のホログラム51で回折さ
れずに通過した緑色波長領域の成分と赤色波長領域の成
分を射出側のホログラム52で回折する例であったが、
図2の実施例は、波長スペクトルで青色波長領域とは反
対側に位置する赤色波長領域の成分を入射側のホログラ
ム51により回折し、入射側のホログラム51で回折さ
れずに通過した青色波長領域の成分と緑色波長領域の成
分を射出側のホログラム52で回折するようにした例で
ある。図1と同様であるので説明は省く。なお、この実
施例の場合も、入射側のホログラム51で回折された赤
色波長領域の成分の集光位置を、射出側のホログラム5
2によって回折集光された青色波長領域の成分の集光位
置と緑色波長領域の成分の集光位置の間にすることも可
能であるが、両ホログラム51、52の回折による空間
的な波長分布のずれは大きければ大きい程再度回折され
る割合は小さくなるので、図2(a)のような回折方向
の位置関係を選択するのが望ましい。
【0026】なお、同様に、入射側のホログラム51に
より入射角θで入射するバックライト3中の緑色波長領
域の成分を回折し、入射側のホログラム51で回折され
ずに通過した青色波長領域の成分と赤色波長領域の成分
を射出側のホログラム52で回折するようにすることも
可能であるが、図示は省く。
【0027】次に、図1、図2の変形例を説明する。図
3(a)にその光路図を示すが、ホログラムアレー5を
構成する各微小ホログラム5′は、2枚の集光性ホログ
ラム51、52を重畳してなるものであり、この場合の
入射側のホログラム51の回折効率分布は、図3(b)
の一点鎖線で示すように、回折効率のピークが青色波長
領域の中にあり、緑色波長領域の光もある程度回折し、
赤色波長領域の光はほとんど回折しない。これに対し
て、射出側のホログラム52の回折効率分布は、図3
(b)の実線で示すように、回折効率のピークが赤色波
長領域の中にあり、緑色波長領域の光もある程度回折
し、青色波長領域の光はほとんど回折しない。
【0028】そして、入射角θで入射するバックライト
3中の緑色波長領域の成分の一部は、入射側のホログラ
ム51により、図中、一点鎖線で示したように、ブラッ
ク・マトリックス4の4つ並んだ開口の最も右側の開口
位置に集光し、青色波長領域の成分の大部分は右から2
番目の開口位置に集光するように回折される。入射側の
ホログラム51で回折されずに通過した緑色波長領域の
成分の残りは、射出側のホログラム52で、図中、実線
で示したように、4つ並んだ開口の最も左側の開口位置
に集光し、入射側のホログラム51で回折されずに通過
した赤色波長領域の成分の大部分は左から2番目の開口
位置に集光するように回折される。
【0029】左右に隣接する微小ホログラム5′によっ
ても同様にブラック・マトリックス4の4つ並んだ開口
に左側から順に、ホログラム52で回折された緑色波長
領域の成分、ホログラム52で回折された赤色波長領域
の成分、ホログラム51で回折された青色波長領域の成
分、ホログラム51で回折された緑色波長領域の成分の
順で回折集光されるが、赤色波長領域の成分と青色波長
領域の成分を間に挟んでいる緑色波長領域の成分の集光
位置を隣接する微小ホログラム5′相互で同じ位置にな
るようにすることで、同様に、回折効率の低下の問題が
起こらず、かつ、3つの色の波長領域の成分を略同じ強
度で分離集光させることができ、カラー表示を行う際に
カラーバランスを補正することができるホログラムカラ
ーフィルターを構成することができる。
【0030】なお、図3の例の場合、ホログラム51と
ホログラム52の位置は入れ換えてもよく、また、1枚
のホログラム感光材料中に多重記録したものでもよい。
【0031】さて、以上は図5のタイプのホログラムカ
ラーフィルターにも、図6、図7のタイプのホログラム
カラーフィルターにも適用可能な実施例であったが、図
6、図7のタイプのホログラムカラーフィルターにのみ
適用可能な実施例について、図4を参照にして説明す
る。この実施例は図1に対応するものであるが、図2、
図3の場合も同様に構成することができる。
【0032】図4において、ホログラムカラーフィルタ
ー10は、アレー状に配置された集光性マイクロレンズ
8′からなるマイクロレンズアレー8とそのバックライ
ト3入射側に相互に非平行に配置された2枚のホログラ
ム71、72とからなり、ホログラム71、72は、回
折格子の作用をする平行で一様な干渉縞からなる。この
場合も、ホログラム71、72の波長分散による空間的
あるいは角度的な波長分布は一致していない。また、入
射側のホログラム51の回折効率分布と射出側のホログ
ラム52の回折効率分布も異なっており、ホログラム7
1の回折効率分布は図1(b)の一点鎖線のように、ま
た、ホログラム72の回折効率分布は図1(b)の実線
のようになっている。
【0033】そのため、所定の方向から入射するバック
ライト3中の青色波長領域の成分は、入射側のホログラ
ム71により、図中、一点鎖線で示した方向に回折さ
れ、射出側のホログラム72で回折されずに通過し、マ
イクロレンズアレー8の各マイクロレンズ8′によりブ
ラック・マトリックス4の右側の開口位置に集光され
る。入射側のホログラム71で回折されずに通過した緑
色波長領域の成分と赤色波長領域の成分は、射出側のホ
ログラム72で、図中、実線で示した方向に回折され、
それぞれ各マイクロレンズ8′によりブラック・マトリ
ックス4の左側の開口、中央の開口位置に集光される。
この場合も、青色波長領域の成分が入射側のホログラム
71で回折されずに通過すると仮定した場合、射出側の
ホログラム72によって緑色波長領域の成分が集光する
位置より左側に回折されるが、入射側のホログラム71
により青色波長領域の成分が回折される位置はそれとは
全く反対側の位置となり、図1〜図3の場合と同様、ホ
ログラム71、72の波長分散による空間的な波長分布
が一致しておらず、入射側のホログラム71で回折され
た青色波長領域の成分が射出側のホログラム72で再度
回折される割合は極めて小さくなる。したがって、回折
効率の低下の問題は起こらず、かつ、3つの色の波長領
域の成分を略同じ強度で分離集光させることができ、カ
ラー表示を行う際にカラーバランスが補正されることに
なる。この実施例の場合も、図2と同様、入射側のホロ
グラム71で回折される波長成分を赤色波長領域とする
ことができる。また、入射側のホログラム71で回折さ
れた青色波長領域の成分の集光位置を、射出側のホログ
ラム72によって回折された緑色波長領域の成分の集光
位置と赤色波長領域の成分の集光位置の間にすることも
可能である。
【0034】ところで、図1(b)、図2(b)、図3
(b)に一点鎖線と実線で示したような曲線形状の回折
率分布を得るためには、回折理論(例えば、西原他共著
「光集積回路」第86〜90頁、"The Bell System Tec
hnical Journal”48(9)1969,pp.2909-2947参照)に従っ
て回折格子を二光束干渉で記録作成するためのフォトポ
リマー等の感光材料の厚さ、記録波長、入射角等を適切
に選択すればよい。
【0035】以上、本発明のホログラムカラーフィルタ
ーをいくつかの実施例に基づいて説明してきたが、本発
明はこれらに限定されず種々の変形が可能である。例え
ば、図1〜図3に示したホログラムカラーフィルター
は、1枚の基板の片面上に積層して作成してもよく、ま
た、その両面上に別々に作成してもよい。なお、本発明
のホログラムカラーフィルターを用いた液晶表示装置を
そのまま直視型の液晶表示装置として、あるいは、投影
表示装置用の空間変調素子として利用して液晶投影表示
装置として利用することもできる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のホログラムカラーフィルターによると、ホログラムカ
ラーフィルターを構成する要素集光性ホログラム、ある
いは、平行で一様な干渉縞からなるホログラムを2枚の
ホログラムが重畳又は多重に記録されてなるもので構成
し、その入射側のホログラムと射出側のホログラムは相
互に波長分散による空間的な波長分布が異なり、かつ、
回折効率分布が異なるようにしているので、入射側のホ
ログラムで回折された光が射出側のホログラムで再度回
折されて回折効率が低下してしまう問題は起こらず、か
つ、合成回折効率分布を、単一のもので構成する場合よ
りも、例えば広くなだらかにでき、明るくカラーバラン
スの良好なものを得ることができる。また、2枚のホロ
グラムの回折角を相互に独立に制御できるので、各色の
純度向上を図ることができ、最適な色再現を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のホログラムカラーフィル
ターの構成と作用を説明するための図である。
【図2】別の実施例のホログラムカラーフィルターの図
1と同様な図である。
【図3】さらに別の実施例のホログラムカラーフィルタ
ーの図1と同様な図である。
【図4】もう1つの実施例のホログラムカラーフィルタ
ーの図1と同様な図である。
【図5】従来の第1のタイプのホログラムカラーフィル
ターを用いた液晶表示装置の断面図である。
【図6】従来の第2のタイプのホログラムカラーフィル
ターを用いた液晶表示装置の断面図である。
【図7】図6の変形例を示す液晶表示装置の断面図であ
る。
【図8】従来提案の2枚のホログラムで構成したホログ
ラムカラーフィルターの構成と作用を説明するための図
である。
【符号の説明】
3…バックライト 4…ブラック・マトリックス 5…ホログラムアレー(ホログラムカラーフィルター) 5′…微小ホログラム 7…ホログラム 8…マイクロレンズアレー 8′…マイクロレンズ 10…ホログラムカラーフィルター 51、52…集光性ホログラム 71、72…ホログラム(回折格子)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 要素集光性ホログラムのアレーからな
    り、その各要素集光性ホログラムが、ホログラム記録面
    の法線に対して所定の角度をなして入射する白色光をホ
    ログラム記録面に略沿う方向に波長分散させて分光する
    ホログラムカラーフィルター、あるいは、平行で一様な
    干渉縞からなるホログラムとその入射側あるいは射出側
    に配置された要素集光性レンズのアレーとからなり、そ
    の要素集光性レンズ各々が前記ホログラムと協働して、
    ホログラムの記録面に所定の角度で入射する白色光を要
    素集光性レンズのアレーの面に略沿う方向に波長分散さ
    せて分光するホログラムカラーフィルターにおいて、 前記要素集光性ホログラム又は前記の平行で一様な干渉
    縞からなるホログラムは、2枚のホログラムが重畳又は
    多重に記録されてなるものであり、その入射側のホログ
    ラムと射出側のホログラムは相互に波長分散による空間
    的な波長分布が異なり、かつ、回折効率分布が異なって
    いることを特徴とするホログラムカラーフィルター。
  2. 【請求項2】 前記の入射側のホログラムは略青色波長
    領域の光のみを回折し、緑色波長領域の光及び赤色波長
    領域の光はほとんど回折せず、前記の射出側のホログラ
    ムは回折効率のピークが緑色波長領域あるいは赤色波長
    領域の中に位置するものであり、前記の入射側のホログ
    ラムによる青色波長領域の光の回折方向は、前記の射出
    側のホログラムによる青色波長領域の光の回折方向とは
    異なることを特徴とする請求項1記載のホログラムカラ
    ーフィルター。
  3. 【請求項3】 前記の入射側のホログラムは略赤色波長
    領域の光のみを回折し、青色波長領域の光及び緑色波長
    領域の光はほとんど回折せず、前記の射出側のホログラ
    ムは回折効率のピークが青色波長領域あるいは緑色波長
    領域の中に位置するものであり、前記の入射側のホログ
    ラムによる赤色波長領域の光の回折方向は、前記の射出
    側のホログラムによる赤色波長領域の光の回折方向とは
    異なることを特徴とする請求項1記載のホログラムカラ
    ーフィルター。
  4. 【請求項4】 前記の2枚のホログラム中の一方のホロ
    グラムは回折効率のピークが青色波長領域の中に位置
    し、赤色波長領域の光はほとんど回折せず、他方のホロ
    グラムは回折効率のピークが赤色波長領域の中に位置
    し、青色波長領域の光はほとんど回折しないものであ
    り、前記の一方のホログラムによる緑色波長領域の光の
    回折方向と前記の他方のホログラムによる緑色波長領域
    の光の回折方向との間に、前記の一方のホログラムによ
    る青色波長領域の光の回折方向と前記の他方のホログラ
    ムによる赤色波長領域の光の回折方向とが位置すること
    を特徴とする請求項1記載のホログラムカラーフィルタ
    ー。
  5. 【請求項5】 前記の2枚のホログラムは平行で一様な
    干渉縞からなるホログラムからなり、相互に非平行で角
    度をなして配置されていることを特徴とする請求項1か
    ら4の何れか1項記載のホログラムカラーフィルター。
  6. 【請求項6】 画素間にブラック・マトリックスを配置
    したカラー液晶表示装置に用いることを特徴とする請求
    項1から5の何れか1項記載のホログラムカラーフィル
    ター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002258054A (ja) * 2001-03-05 2002-09-11 Dainippon Printing Co Ltd 透過型ホログラム光学散乱素子及びそれを用いた反射型ホログラム光学散乱素子
US7139109B2 (en) 2001-10-31 2006-11-21 Sony Corporation Transmission type laminated hologram optical element and image display device comprising this optical element

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JP4521744B2 (ja) * 2001-03-05 2010-08-11 大日本印刷株式会社 透過型ホログラム光学散乱素子及びそれを用いた反射型ホログラム光学散乱素子
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