JPH1048394A - 原子炉の化学除染方法およびその装置 - Google Patents
原子炉の化学除染方法およびその装置Info
- Publication number
- JPH1048394A JPH1048394A JP20560096A JP20560096A JPH1048394A JP H1048394 A JPH1048394 A JP H1048394A JP 20560096 A JP20560096 A JP 20560096A JP 20560096 A JP20560096 A JP 20560096A JP H1048394 A JPH1048394 A JP H1048394A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- decontamination
- liquid
- pressure vessel
- pump
- reactor pressure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Jet Pumps And Other Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】原子炉圧力容器内を化学除染する場合、除染液
が滞留する部分の除染効率を向上する。 【解決手段】除染液が滞留する部分に水中ポンプ等で除
染液の水流を生じさせる。
が滞留する部分の除染効率を向上する。 【解決手段】除染液が滞留する部分に水中ポンプ等で除
染液の水流を生じさせる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉圧力容器内
を再循環ポンプで除染液を循環させて化学除染実施する
場合、高除染効率を得ることができる化学除染方法およ
びその装置に関する。
を再循環ポンプで除染液を循環させて化学除染実施する
場合、高除染効率を得ることができる化学除染方法およ
びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力プラントでは、運転時間の経過に
ともない、原子炉圧力容器内に放射性核種を含む酸化物
が付着する。これらの付着酸化物は放射線源となり、原
子力プラント停止中に炉内で何らかの作業を行おうとし
た時に、作業員の接近を阻害する。このため、近年、原
子炉内の補修作業実施前に、原子炉圧力容器内への作業
員の接近が可能な環境を設定するために、原子炉の再循
環ポンプを用いて除染液を原子炉圧力容器内に流し、付
着した酸化物を溶出させて除染する化学除染法が採用さ
れている。図5を用いて従来技術の説明を行う。図5は
原子炉圧力容器1を化学除染する場合の系統図である。
矢印は除染液の循環経路を示す。薬剤注入装置2より注
入された除染液は、再循環配管入口ノズル3より原子炉
圧力容器の中に供給され、再循環配管出口ノズル4より
排出される。再循環配管出口ノズル4より排出された除
染液中の放射性物質は、フィルタやイオン交換樹脂等か
ら構成される放射性物質回収装置5を介して回収する。
除染液の駆動は再循環ポンプ6により行われる。原子炉
圧力容器1の内部では、原子炉圧力容器1の内壁に接合
されたバッフルプレート8ならびにバッフルプレート8
上に据え付けられた円筒形状のシュラウド7が除染液の
流路を構成している。
ともない、原子炉圧力容器内に放射性核種を含む酸化物
が付着する。これらの付着酸化物は放射線源となり、原
子力プラント停止中に炉内で何らかの作業を行おうとし
た時に、作業員の接近を阻害する。このため、近年、原
子炉内の補修作業実施前に、原子炉圧力容器内への作業
員の接近が可能な環境を設定するために、原子炉の再循
環ポンプを用いて除染液を原子炉圧力容器内に流し、付
着した酸化物を溶出させて除染する化学除染法が採用さ
れている。図5を用いて従来技術の説明を行う。図5は
原子炉圧力容器1を化学除染する場合の系統図である。
矢印は除染液の循環経路を示す。薬剤注入装置2より注
入された除染液は、再循環配管入口ノズル3より原子炉
圧力容器の中に供給され、再循環配管出口ノズル4より
排出される。再循環配管出口ノズル4より排出された除
染液中の放射性物質は、フィルタやイオン交換樹脂等か
ら構成される放射性物質回収装置5を介して回収する。
除染液の駆動は再循環ポンプ6により行われる。原子炉
圧力容器1の内部では、原子炉圧力容器1の内壁に接合
されたバッフルプレート8ならびにバッフルプレート8
上に据え付けられた円筒形状のシュラウド7が除染液の
流路を構成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術では、
除染液を原子炉圧力容器内に循環させるために再循環ポ
ンプ6のみが使用されているが、再循環ポンプ6を用い
た除染液の循環では、流速の非常に小さい箇所が発生す
る。たとえば図5に示すシュラウド7と原子炉圧力容器
1に挟まれた領域で、バッフルプレート8よりも上方
で、かつ、再循環配管出口ノズル4よりも低い位置では
滞留がおこり、接液面の除染液流速が非常に小さいもの
となっている。図4に示すように、除染効率は除染液の
接液面近傍の流速が大きくなるに伴って向上し、やがて
飽和する傾向となる。したがって、除染液の流速が小さ
い場合は、除染効率を向上できないという課題がある。
除染液を原子炉圧力容器内に循環させるために再循環ポ
ンプ6のみが使用されているが、再循環ポンプ6を用い
た除染液の循環では、流速の非常に小さい箇所が発生す
る。たとえば図5に示すシュラウド7と原子炉圧力容器
1に挟まれた領域で、バッフルプレート8よりも上方
で、かつ、再循環配管出口ノズル4よりも低い位置では
滞留がおこり、接液面の除染液流速が非常に小さいもの
となっている。図4に示すように、除染効率は除染液の
接液面近傍の流速が大きくなるに伴って向上し、やがて
飽和する傾向となる。したがって、除染液の流速が小さ
い場合は、除染効率を向上できないという課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るために、本発明は所定の流速を得られない部分に、再
循環ポンプ以外の除染液流生成装置を設けることによ
り、接液面近くの流速を確保する。
るために、本発明は所定の流速を得られない部分に、再
循環ポンプ以外の除染液流生成装置を設けることによ
り、接液面近くの流速を確保する。
【0005】上記の再循環ポンプ以外の除染液流生成装
置により、滞留する除染液を強制的に循環させるよう作
用し、それによって除染効率が向上する。
置により、滞留する除染液を強制的に循環させるよう作
用し、それによって除染効率が向上する。
【0006】
(実施例1)本発明の第一の実施例を図1および図2で
説明する。
説明する。
【0007】図1は原子炉圧力容器1を化学除染する場
合の系統図である。矢印は除染液の循環経路を示す。薬
剤注入装置2より注入された除染液は、再循環配管入口
ノズル3より原子炉圧力容器の中に供給され、再循環配
管出口ノズル4より排出される。再循環配管出口ノズル
4より排出された除染液中の放射性物質は、フィルタや
イオン交換樹脂等から構成される放射性物質回収装置5
を介して回収する。除染液の駆動は再循環ポンプ6によ
り行われる。原子炉圧力容器1の内部では、原子炉圧力
容器1の内壁に接合されたバッフルプレート8ならびに
バッフルプレート8上に据え付けられた円筒形状のシュ
ラウド7が除染液の流路を構成している。バッフルプレ
ート8の上面には1個あるいは複数個の水中ポンプ9が
設置してある。
合の系統図である。矢印は除染液の循環経路を示す。薬
剤注入装置2より注入された除染液は、再循環配管入口
ノズル3より原子炉圧力容器の中に供給され、再循環配
管出口ノズル4より排出される。再循環配管出口ノズル
4より排出された除染液中の放射性物質は、フィルタや
イオン交換樹脂等から構成される放射性物質回収装置5
を介して回収する。除染液の駆動は再循環ポンプ6によ
り行われる。原子炉圧力容器1の内部では、原子炉圧力
容器1の内壁に接合されたバッフルプレート8ならびに
バッフルプレート8上に据え付けられた円筒形状のシュ
ラウド7が除染液の流路を構成している。バッフルプレ
ート8の上面には1個あるいは複数個の水中ポンプ9が
設置してある。
【0008】図2は水中ポンプ9の設置状況を示したも
のである。ポンプ流入口9aは再循環配管出口ノズル4
よりも上方に配置してあり、除染液を水中ポンプ本体9
bに取り込む。取り込まれた除染液は、バッフルプレー
ト8の上面接液面、シュラウド7の外面接液面および原
子炉圧力容器1の内面接液面に適切な流速を生じさせる
ように設けられたポンプ吐出口9cから噴き出される。
図1および図2では水中ポンプ9を1台しか記載してい
ないが、バッフルプレート8の上方に滞留部が生じない
ように必要な台数を適所に配する。
のである。ポンプ流入口9aは再循環配管出口ノズル4
よりも上方に配置してあり、除染液を水中ポンプ本体9
bに取り込む。取り込まれた除染液は、バッフルプレー
ト8の上面接液面、シュラウド7の外面接液面および原
子炉圧力容器1の内面接液面に適切な流速を生じさせる
ように設けられたポンプ吐出口9cから噴き出される。
図1および図2では水中ポンプ9を1台しか記載してい
ないが、バッフルプレート8の上方に滞留部が生じない
ように必要な台数を適所に配する。
【0009】(実施例2)本発明の第二の実施例を図3
で説明する。
で説明する。
【0010】図3は原子炉圧力容器1を化学除染する場
合の系統図である。矢印は除染液の循環経路を示す。薬
剤注入装置2より注入された除染液は、再循環配管入口
ノズル3より原子炉圧力容器の中に供給され、再循環配
管出口ノズル4より排出される。再循環配管出口ノズル
4より排出された除染液中の放射性物質は、フィルタや
イオン交換樹脂等から構成される放射性物質回収装置5
を介して回収する。除染液の駆動は再循環ポンプ6によ
り行われる。原子炉圧力容器1の内部では、原子炉圧力
容器1の内壁に接合されたバッフルプレート8ならびに
バッフルプレート8上に据え付けられた円筒形状のシュ
ラウド7が除染液の流路を構成している。これらの主系
統に加え、薬剤注入装置2出口から分岐した薬剤注入補
助配管11は、途中、補助ポンプ10を介して原子炉圧
力容器1のフランジ部から引き込まれ、原子炉圧力容器
1の側壁に沿って降ろされ、再循環配管出口ノズル4よ
りも下方に吐出口を設けている。除染液は補助ポンプ1
0により加圧され、当該薬剤注入補助配管11を通過し
てバッフルプレート8の上面に適切な除染液の流速を生
じさせる。図3では薬剤注入補助配管11を1本しか記
載していないが、バッフルプレート8上方に滞留部が生
じないように必要な本数を適所に配する。
合の系統図である。矢印は除染液の循環経路を示す。薬
剤注入装置2より注入された除染液は、再循環配管入口
ノズル3より原子炉圧力容器の中に供給され、再循環配
管出口ノズル4より排出される。再循環配管出口ノズル
4より排出された除染液中の放射性物質は、フィルタや
イオン交換樹脂等から構成される放射性物質回収装置5
を介して回収する。除染液の駆動は再循環ポンプ6によ
り行われる。原子炉圧力容器1の内部では、原子炉圧力
容器1の内壁に接合されたバッフルプレート8ならびに
バッフルプレート8上に据え付けられた円筒形状のシュ
ラウド7が除染液の流路を構成している。これらの主系
統に加え、薬剤注入装置2出口から分岐した薬剤注入補
助配管11は、途中、補助ポンプ10を介して原子炉圧
力容器1のフランジ部から引き込まれ、原子炉圧力容器
1の側壁に沿って降ろされ、再循環配管出口ノズル4よ
りも下方に吐出口を設けている。除染液は補助ポンプ1
0により加圧され、当該薬剤注入補助配管11を通過し
てバッフルプレート8の上面に適切な除染液の流速を生
じさせる。図3では薬剤注入補助配管11を1本しか記
載していないが、バッフルプレート8上方に滞留部が生
じないように必要な本数を適所に配する。
【0011】
【発明の効果】本発明により、原子炉圧力容器内の構造
物の化学除染効率を向上させることができる。
物の化学除染効率を向上させることができる。
【図1】本発明の第一の実施例により原子炉圧力容器内
を化学除染する場合の系統図。
を化学除染する場合の系統図。
【図2】本発明の第一の実施例の水中ポンプの設置状況
を示す説明図。
を示す説明図。
【図3】本発明の第二の実施例により原子炉圧力容器内
を化学除染する場合の系統図。
を化学除染する場合の系統図。
【図4】除染効率と除染液の流速の相関を示す説明図。
【図5】従来技術により原子炉圧力容器内を化学除染す
る場合の系統図。
る場合の系統図。
1…原子炉圧力容器、2…薬剤注入装置、3…再循環配
管入口ノズル、4…再循環配管出口ノズル、5…放射性
物質回収装置、6…再循環ポンプ、7…原子炉シュラウ
ド、8…バッフルプレート、9…水中ポンプ、10…補
助ポンプ、11…薬剤注入補助配管。
管入口ノズル、4…再循環配管出口ノズル、5…放射性
物質回収装置、6…再循環ポンプ、7…原子炉シュラウ
ド、8…バッフルプレート、9…水中ポンプ、10…補
助ポンプ、11…薬剤注入補助配管。
Claims (3)
- 【請求項1】原子炉内の化学除染を実施する場合に、構
造物接液面での除染液の流速が小さい部分に前記除染液
を強制的に循環させることを特徴とする原子炉の化学除
染方法。 - 【請求項2】前記除染液を強制的に循環させるための手
段が原子炉圧力容器中に設置された水中ポンプである請
求項1に記載の原子炉の化学除染装置。 - 【請求項3】前記除染液を強制的に循環させるための手
段が原子炉圧力容器外部に前記除染液を加圧できる機構
と、前記機構から原子炉容器内に施設された配管とから
なる請求項1に記載の原子炉の化学除染装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20560096A JPH1048394A (ja) | 1996-08-05 | 1996-08-05 | 原子炉の化学除染方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20560096A JPH1048394A (ja) | 1996-08-05 | 1996-08-05 | 原子炉の化学除染方法およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1048394A true JPH1048394A (ja) | 1998-02-20 |
Family
ID=16509565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20560096A Pending JPH1048394A (ja) | 1996-08-05 | 1996-08-05 | 原子炉の化学除染方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1048394A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6529610B1 (en) | 1999-04-22 | 2003-03-04 | Funai Electric Co., Ltd. | Speaker mounting structure |
-
1996
- 1996-08-05 JP JP20560096A patent/JPH1048394A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6529610B1 (en) | 1999-04-22 | 2003-03-04 | Funai Electric Co., Ltd. | Speaker mounting structure |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6270880B2 (ja) | 化学除染実施方法 | |
JP6773463B2 (ja) | 加圧水型原子力発電プラントの化学除染方法 | |
JP2017223524A (ja) | 原子炉圧力容器の化学除染システム、及び、化学除染方法 | |
CN107408415B (zh) | 用于向冷却剂喷射气体的方法与控制系统和核反应堆设施 | |
KR101656314B1 (ko) | 방사성 물질 여과 장치 | |
JP6470467B1 (ja) | 除染実施方法 | |
JPH1048394A (ja) | 原子炉の化学除染方法およびその装置 | |
BRPI0902759A2 (pt) | melhoramento quìmico para limpeza de combustìvel ultrassÈnico | |
JP4316327B2 (ja) | 原子力発電所内設備の除染装置及びその除染方法 | |
US5517539A (en) | Method of decontaminating a PWR primary loop | |
JP4183714B2 (ja) | 炉内化学除染装置およびその除染方法 | |
KR102482934B1 (ko) | 계통 제염 설비 | |
JP6467080B1 (ja) | 除染実施方法及び除染実施装置 | |
US6506955B1 (en) | Decontamination method | |
JPH08136696A (ja) | 原子力施設系統内の化学除染方法 | |
JP2019078706A (ja) | 除染実施方法及び除染実施装置 | |
KR102649040B1 (ko) | 원자로 용기의 제염 바이패스 장치 및 제염 방법 | |
JP6776426B2 (ja) | 除染実施方法及び除染実施装置 | |
JPH1114796A (ja) | 原子炉圧力容器内の除染方法およびその除染装置 | |
JP7094900B2 (ja) | 除染実施方法及び除染実施装置 | |
JPS60256100A (ja) | 原子炉系配管の除染方法 | |
JPH1114795A (ja) | 原子炉圧力容器内の除染方法 | |
KR20090109051A (ko) | 초음파 연료 세척의 화학적 개선 | |
JP2021096189A (ja) | 除染実施方法および除染実施装置 | |
Duckworth et al. | New neptunium purification facility at the hanford purex plant |