JPH104691A - 振動アクチュエータ - Google Patents

振動アクチュエータ

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JPH104691A
JPH104691A JP8154236A JP15423696A JPH104691A JP H104691 A JPH104691 A JP H104691A JP 8154236 A JP8154236 A JP 8154236A JP 15423696 A JP15423696 A JP 15423696A JP H104691 A JPH104691 A JP H104691A
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vibrator
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amplitude
elastic
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JP8154236A
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English (en)
Inventor
Isao Sugaya
功 菅谷
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特願平7−239603号等により提案した
超音波アクチュエータについて、駆動面3cに発生する
捩じり振動,縦振動それぞれの振幅を大きくする手段が
存在しなかった。 【解決手段】 弾性体35と,弾性体35に捩じり振動
及び縦振動を発生する圧電素子とを有する振動子32
と、弾性体35に加圧接触して相対運動を発生する移動
子とを備える超音波アクチュエータ1であって、弾性体
35は、発生する捩じり振動の節位置Dよりも駆動面側
に接近した位置Fに、小径部38aが形成されることに
より、発生する捩じり振動の節位置D,Eによって区切
られる部分のうちの端面側の腹位置Aを含む第1部分の
慣性質量が、他の第2部分の慣性質量よりも小さくな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性体及び、この
弾性体に装着されて第1振動及び第2振動を発生する電
気機械変換素子を有する振動子と、この弾性体の一方の
端面に加圧接触して相対運動を発生する相対運動部材と
を備える振動アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、小型,軽量,低速及び高トルクを
特徴とする振動アクチュエータは、例えばカメラに搭載
される各種アクチュエータを始めとして、実用化が図ら
れるようになってきた。そのため、このような振動アク
チュエータの開発は、よりいっそう活発に開発されるよ
うになってきた。
【0003】振動アクチュエータは、一般的に、弾性材
料から構成される弾性体と、この弾性体に装着される電
気機械変換素子(例えば圧電素子)とを組み合わせて、
振動発生部材である振動子を構成する。
【0004】そして、弾性体に装着された電気機械変換
素子に駆動電圧を印加することにより発生する逆圧電効
果(二次圧電効果)を利用することにより、弾性体に複
数の振動モードを調和的に発生する。発生する各振動は
共振周波数が一致するように制御され、共振モードを励
振する。これによって、振動子に発生する複数の振動の
合成を利用して、振動子に加圧された状態で接触する相
対運動部材との間に相対運動を発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図5は、本出願人が先
に特願平7−239603号等により提案した異形モー
ド縮退型の振動アクチュエータ1の構成を示す縦断面図
である。
【0006】この振動アクチュエータ1は、振動子2単
体により縦振動及び捩じり振動それぞれの共振周波数を
一致させる異形モード縮退型の振動アクチュエータであ
る。振動子2は、駆動信号により励振される電気機械変
換素子である縦振動用圧電体,捩じり振動用圧電体(い
ずれも図5においては図示しない。図5とは弾性体中心
軸に関して90度ずれた断面を示す図6を参照しながら
説明する。)と、これらの縦振動用圧電体,捩じり振動
用圧電体を接合し、これらの縦振動用圧電体,捩じり振
動用圧電体の励振によって、1次の縦振動と2次の捩じ
り振動とが発生することにより駆動面3cに駆動力が発
生する中空半円柱状の弾性体3a,3bとから構成され
る。
【0007】弾性体3a,3bは、中心軸方向について
弾性体3a,3bの外周面に溝状に形成された3つの小
径部4a,4b,4cと、これらの小径部4a〜4cに
よって区切られることにより形成される4つの大径部4
A,4B,4C,4Dとを有する。
【0008】また、弾性体3a,3bは、中空円柱状の
弾性体を高さ方向に沿って中心軸を含む平面で縦に2分
割されることにより得られ、その分割面には、前述した
縦振動用圧電体,捩じり振動用圧電体が挟持される。
【0009】弾性体3a,3bには、4つの大径部4A
〜4Dそれぞれの弾性体中心軸方向の略中心部に、縦振
動用圧電体,捩じり振動用圧電体の積層方向と平行に貫
通穴5a,5b,5c,5dが穿設されており、これら
の貫通孔5a〜5dにボルト6a〜6dを挿入してナッ
ト7a〜7dを螺着することにより、縦振動用圧電体,
捩じり振動用圧電体を分割面に挟み込んだ状態で弾性体
3a,3bが締結・固定される。
【0010】弾性体3a,3bの中空部には、棒状の固
定軸8が貫通した状態で配置されており、ボルト6a〜
6dは、貫通孔5a〜5dと同一ピッチで固定軸8に形
成されたボルト貫通孔9a〜9dを貫通する。
【0011】固定軸8の長手方向の略中央部には、固定
ピン貫通孔9eが形成されており、弾性体3a,3bの
小径部4b(弾性体3a,3bに発生する1次の縦振動
の節付近)に形成された貫通孔10と固定ピン貫通孔9
eとに、支持部材である固定ピン11が貫通した状態で
設置されることにより、弾性体3a,3bは固定軸8に
固定・保持される。このようにして、振動子2は、固定
軸8に固定・保持される。
【0012】振動子2との間で相対運動を行う移動子1
2は、厚肉円環状の移動子母材12aと,移動子母材1
2aの振動子2側の端面に貼付された円環状の摺動材1
2bとにより構成される。
【0013】移動子母材12aの反振動子2側の端面内
周部には、円形状に溝部12cが形成されており、移動
子母材12aは、この溝部12cに嵌合された位置決め
手段であるベアリング13により固定軸8に対して回動
自在に位置決めされる。
【0014】固定軸8の端部にはねじ部8aが形成され
ており、ねじ部8aに加圧力調整部材であるナット14
が螺合する。ナット14とベアリング13との間には、
加圧部材である皿バネ15(スプリングパネや板バネ等
であってよい。)が配置され、皿バネ15は加圧力伝達
部材16を介してベアリング13を振動子2側に向けて
加圧する。これにより、振動子2と移動子12とは、加
圧接触される。
【0015】図6は、振動子2の構成を示す説明図であ
って、図6(a)は中心線より半分を断面で示す側面
図,図6(b)は図6(a)におけるA−A断面,B−
B断面,及びC−C断面を駆動電圧の印加状況とともに
示す説明図である。
【0016】また、図7は、弾性体3a,3bに発生す
る二つの振動モード(L1モード,T2モード)の二つ
の振動波形を示す説明図である。弾性体3a,3bの二
つの分割面には、二種類の圧電体が挟持される。弾性体
3a,3bに発生する1次の縦振動(L1モード)の節
付近の一カ所には圧電定数d31を用いる圧電体18が2
層、2次の捩じり振動(T2モード)の節付近の二カ所
には圧電定数d15を用いる圧電体17が2層、それぞれ
配置される。
【0017】弾性体3a,3bは、中空の円柱体を中心
軸を含む平面で縦に2分割することにより得られ、二つ
の分割面に上述した2種類の圧電体17,18を挟み込
んだ状態で保持する。これらの圧電体は、弾性体3a,
3bの軸方向に関して3群からなっており、各圧電体の
群はそれぞれ2層に積層されて構成される。
【0018】圧電定数d15を用いる圧電体17は、弾性
体3a,3bの長手方向に対して剪断変位を発生する。
図6(b)におけるA−A断面,C−C断面それぞれに
おける2組の圧電体17は、弾性体3a,3bの円周方
向に対して剪断変形が手前方向,その反対方向が互いに
逆向きになるように配置する。また、A−A断面,C−
C断面それぞれの捩じれる方向が互いに逆向きになるよ
うに、配置する。圧電体17が弾性体3a,3bの分割
面にこのように配置され、それぞれが剪断変形すると、
振動子2には節を二つ有する2次の捩じり変位が発生す
る。
【0019】一方、圧電定数d31を用いる圧電体18
は、弾性体3a,3bの長手方向に対して伸縮変位を発
生する。図6(b)におけるB−B断面における2組の
縦振動用圧電体18は、全てある電位が印加されると同
じ方向へ伸縮変位が発生するように、配置される。
【0020】このように、圧電定数d15を用いる捩じり
振動用圧電体17と、圧電定数d31を用いる縦振動用圧
電体18とを配置して、捩じり振動用圧電体17に正弦
波電圧を入力することにより振動子2にはそれに応じて
捩じり運動が発生し、縦振動用圧電体18に正弦波電圧
を入力することにより振動子2にはそれに応じて伸縮運
動が発生する。
【0021】図6(b)における駆動回路19は、駆動
信号を発振する発振部20と、発振された駆動信号を
(1/4)λ(λ:波長)位相差を有する二つの信号に
分ける移相部21と、捩じり振動用圧電体17に入力す
る駆動信号を増幅するT増幅部22と、縦振動用圧電体
18に入力する駆動信号を増幅するL増幅部23とから
構成される。
【0022】以上のように構成された振動アクチュエー
タ1では、発振部20は駆動信号を発振し、発振された
駆動信号は移相部21により2つの(1/4)λ位相差
を有する信号に分割され、それぞれT増幅部22及びL
増幅部23によって増幅される。
【0023】T増幅部22により増幅された駆動信号
は、捩じり振動用圧電体17に入力され、L増幅部23
により増幅された駆動信号は、縦振動用圧電体18に入
力される。振動子2に駆動信号が入力されると、捩じり
振動用圧電体17及び縦振動用圧電体18が励振し、図
7に示すような、腹及び節を有する1次の縦振動(L1
モード)と2次の捩じり振動(T2モード)とが発生す
る。
【0024】ここで、捩じり振動用圧電体17,縦振動
用圧電体18それぞれに印加する周期電圧の位相差を
(1/4)λずらして設定すると、図8に示すように、
振動子2の駆動面3cには、楕円状の変位が周期的に発
生する。
【0025】図8は、この振動子2に発生する1次の縦
振動と2次の捩じり振動とを組み合わせることにより、
駆動面3cに楕円運動を発生する振動アクチュエータの
駆動原理を経時的に示す説明図である。なお、図8にお
いては、説明の便宜上、駆動面3cで振動子2に加圧接
触する移動子は、図示しない。
【0026】角周波数をωで表すと、t=(6/4)・
(π/ω)の時点では、捩じり振動Tの変位は左側に最
大であり、一方、縦振動Lの変位は零である。この状態
では、移動子は、図示しない加圧部材によって振動子2
の駆動面3cに加圧接触する。
【0027】この状態から、t=(7/4)・(π/
ω)〜0〜(2/4)・(π/ω)までは、捩じり振動
Tは左側の最大から右側の最大まで変位し、一方、縦振
動Lは、零から上側の最大に変位し再び零に戻る。した
がって、振動子2の駆動面3cの定点は、移動子を押し
ながら右方向に回転し、移動子は駆動される。
【0028】次に、t=(2/4)・(π/ω)〜(6
/4)・(π/ω)までは、捩じり振動Tは、右側の最
大から左側の最大まで変位し、一方、縦振動Lは、零か
ら下側の最大に変位し再び零に戻る。したがって、振動
子2の駆動面3cの定点は、移動子から離れながら左方
向に回転するため、移動子は駆動されない。このとき
に、移動子は加圧部材により加圧されていても固有振動
数が大きく異なるため、振動子2の縮みに追従しない。
【0029】この振動アクチュエータ1では、捩じり振
動(T2モード)は捩じり剛性の低い小径部4a,4c
に節を発生するとともに駆動面3cが腹となる。一方、
縦振動(L1モード)は、小径部4b付近に節を発生す
るとともに駆動面3cが腹となる。駆動面3cに加圧さ
れた移動子12は、振動子2に断続的に加圧されて摩擦
力を発生しながら駆動力を伝達され、駆動される。
【0030】このとき、図8に示すように、捩じり振動
(T2モード)の周期,伸縮運動(L1モード)の周期
それぞれの位相差を(1/4)λずらして設定すると、
駆動面3c上の定点には楕円運動が発生する。このよう
にして発生した捩じり振動の振動数を捩じり振動の共振
周波数に略一致させるとともに、縦振動の振動数を縦振
動の共振周波数に略一致させると、共振して駆動面3c
における楕円運動が拡大する。
【0031】このように、特願平7−239603号等
により提案した異形モード縮退型の振動アクチュエータ
1では、振動子2に発生する捩じり振動及び縦振動を組
み合わせて利用することにより、相対運動部材12を駆
動する。
【0032】したがって、振動アクチュエータ1の高回
転化,高トルク化を図る場合には、特に、振動子2の駆
動面3cに発生する捩じり振動,縦振動それぞれの振幅
をできるだけ大きく確保することが極めて重要である。
【0033】しかし、このような異形モード縮退型の振
動アクチュエータ1では、駆動面3cに発生する捩じり
振動,縦振動それぞれの振幅を大きくする手段として
は、これまで、駆動電圧値を増大させるといった手段し
か存在せず、これでは振幅は増大するものの入力電力量
も増加してしまい、駆動効率がむしろ低下してしまう可
能性があった。
【0034】
【課題を解決するための手段】前述した振動アクチュエ
ータ1のように、定在波を利用した振動アクチュエータ
では、利用する定在波が次数m次の振動モードである
と、一般的に、(m+1)個の腹が存在する。
【0035】ここで、用いる弾性体の形状が比較的単純
な形状(例えば小径部が形成されていない円柱体)であ
る場合、これら(m+1)個の腹位置それぞれにおける
振幅比は略同一である。換言すれば、相対運動部材の駆
動に必要な弾性体端面側の腹部における振幅と、駆動に
必要でない部分の腹部における振幅との間には、大きな
違いは存在しない。したがって、1周期の振動により取
り出される駆動面3cにおける振動変位は、駆動に使わ
れていない部分における振動変位と同レベルである。
【0036】そこで、本発明者は、駆動面3cの近傍に
発生する腹部における振幅が、他箇所に発生する腹部に
おける振幅に比較して大きくなるように発生する振動モ
ードの波形を変形する手段を、鋭意検討した。
【0037】その結果、発生する各振動の変位分布に基
づいて弾性体を単純なバネ−マス系に置換した場合に、
駆動面3cの近傍におけるマス部(慣性質量部)が他箇
所におけるマス部に比較して小さくなるようにすること
により、上述した課題を解決することができることを知
見して、本発明を完成した。
【0038】請求項1の発明は、複数の弾性体と,隣接
する弾性体の間に装着され、駆動信号を印加されること
で弾性体に第1振動及び第2振動を発生させる電気機械
変換素子とを有する振動子と,弾性体の一方の端面に加
圧された状態で接触し、弾性体との間で相対運動を行う
相対運動部材とを備える振動アクチュエータであって、
第1振動が、弾性体に複数の腹と少なくとも一つの節と
を発生させる振動であり、弾性体が、発生する第1振動
の隣り合う腹の位置と節の位置とによって区切られる複
数の部分のうち、相対運動部材と接触する端面を含む部
分の慣性質量が、残りの部分の慣性質量の平均値よりも
小さくなる構造であることを特徴とする。
【0039】請求項2の発明は、請求項1に記載された
振動アクチュエータにおいて、弾性体が、発生する第1
振動の節の位置よりも端面側の周囲に、弾性体の軸と交
差する方向に形成された溝部を有する構造であることを
特徴とする。
【0040】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載された振動アクチュエータにおいて、弾性体が、
端面を含む部分を形成する弾性材料と,残りの部分を形
成する弾性材料それぞれの比重が異なる構造であること
を特徴とする。
【0041】請求項4の発明は、請求項1から請求項3
までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータに
おいて、弾性体が、端面を含む部分又は残りの部分に慣
性質量体が装着された構造であることを特徴とする。
【0042】請求項5の発明は、請求項4に記載された
振動アクチュエータにおいて、慣性質量体が、弾性体に
装着されたボルト部材及び/又はボルト部材にねじ止め
されるナット部材であることを特徴とする。
【0043】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明を添付図面を参照しなが
ら、詳細に説明する。なお、以降の各実施形態の説明
は、振動アクチュエータとして超音波の振動域を利用す
る超音波アクチュエータを例にとって、行う。
【0044】図1は、第1実施形態の超音波アクチュエ
ータに用いる振動子31の構成を示す平面図であり、図
2は、第1実施形態の他の超音波アクチュエータに用い
る振動子32の構成を示す平面図である。さらに、図3
は、小径部が存在しない単純な外形の振動子33の一例
を示す平面図であり、図4は、特願平7−239603
号等により提案した超音波アクチュエータに用いる振動
子34の一例を示す平面図である。
【0045】以降の各実施形態の説明では、説明の便宜
上、図1,図2に示す本実施形態の振動子31,32
と、図3,図4に示す比較例の振動子33,34とを対
比させながら、説明を行うこととする。
【0046】また、第1実施形態で用いる振動子31、
第2実施形態で用いる振動子32が、特願平7−239
603号等により提案した超音波アクチュエータに用い
る振動子34と相違するのは、小径部の形成位置だけで
あるため、本実施形態の説明は、この相違部分について
のみ行うこととし、同一の部分については同一の図中符
号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
【0047】図3には、単純な丸棒形状の外形を呈する
弾性体37に発生する2次の捩じり振動T2の振幅波形
を示す。図3において、弾性体37の左端面Aは駆動面
であり、左端面Aを介して相対運動部材に駆動力が伝達
される。この図3では、左端面A,中央部B及び右端面
Cの合計3カ所に発生する腹のうちで中央部Bの腹の振
幅を1として、左端面A(駆動面)における振幅の値を
図中に記載してある。
【0048】図3に示す振動子33では、弾性体37は
小径部が存在しない単純な丸棒形状であるため、弾性体
37に発生する2次の捩じり振動T2も単純な正弦波状
となる。したがって、図3に示す場合には、左端面A及
び右端面Cの中央部Bの腹の振幅に対する振幅比は1と
なる。
【0049】図4に示す振動子34では、弾性体38の
外面であって、図3に示す2次の捩じり振動T2の二つ
の節位置D,Eに、1次の縦振動モードとの縮退化(共
振周波数合わせ)等を目的に、小径部38a,38cが
形成してある。すなわち、小径部38a,38cの形成
位置は、図3に示す2次の捩じり振動T2が単純な正弦
波状であるとした場合の節位置である。このとき、左端
面A及び右端面Cの中央部Bの腹の振幅に対する振幅比
は約1.137となった。
【0050】このように、特願平7−239603号等
により提案した超音波アクチュエータに用いる振動子3
4では、小径部38a,38cを節位置に形成したこと
により、図3に示す小径部を有さない振動子33に対し
て、約14%振幅が増加する。
【0051】次に、本実施形態にかかる図1に示す振動
子35では、図4に示す振動子34に対して、小径部3
8a,38cの形成位置を、それぞれ端面側へ向けて振
動子全長のおよそ3(%)程度の距離だけずれた位置
F,Gとしたものである。この本実施形態の振動子35
では、図1から明らかなように、左端面Aの中央部Bの
腹の振幅に対する振幅比は約1.258となり、図3に
示す振動子33に対して約26%、図4に示す振動子3
4に対して約11%、それぞれ振幅が増加する。
【0052】さらに、図2に示す振動子36では、図4
に示す振動子34に対して、小径部38a,38cの形
成位置を、それぞれ端面側へ向けて振動子全長のおよそ
6(%)程度の距離だけずれた位置H,Iとしたもので
ある。
【0053】この本実施形態の振動子36では、図1か
ら明らかなように、左端面Aの中央部Bの腹の振幅に対
する振幅比は約1.367となり、図3に示す振動子3
3に対して約37%、図4に示す振動子34に対して約
20%、それぞれ振幅が増加した。
【0054】図1に示す振動子31,図2に示す振動子
32が、図3に示す振動子33,図4に示す振動子34
に対して振幅が増加するのは、以下のためである。すな
わち、振動T2の変位分布に基づいて、振動子31〜3
4を単純なパネ−マス系に置換して考える。すなわち、
腹部をマス(慣性質量体)に置換するとともに節部をバ
ネに置換するモデル図を考えると、小径部38a,38
cの形成位置をそれぞれ端面側にシフトすることは、端
部に形成されたマス部(慣性質量体)を、他の部分のマ
ス部(慣性質量体)に比較して小さくするとともに、中
央部のマス部を他の部分のマス部に比較して大きくする
ことに等価である。
【0055】したがって、マス部が小さくなった左端面
A及び右端面Cはイナーシャ効果が減少するために振動
速度は増加するが、イナーシャ効果が増加した中央部B
は振動速度が低下する。ここで、振動子全体における質
量変動分は小さいために共振周波数の変化量も小さい。
そのため、振動速度の増加はそのまま振幅の増加となっ
て現れ、一方、振動速度の低下はそのまま振幅の減少と
なって現れる。
【0056】本実施形態によれば、このようにして、左
端面Aと中央部Bとの振幅のバランスをコントロールす
ることが可能となり、振動子駆動面3cから取り出すこ
とができる振動変位、すなわち駆動に影響する部分にお
ける振動変位を、増加させることが可能となる。
【0057】このように、本実施形態によれば、小径部
38aの形成位置を端面側に移動することにより、弾性
体35,36にそれぞれ発生する第1振動及び第2振動
の双方又は一方の節位置によって区切られる部分のうち
の駆動面側の腹位置を含む第1部分(大径部38A)の
慣性質量を、他の第2部分の慣性質量よりも小さくする
ことができる。
【0058】このように、本実施形態の振動子31,3
2を備える超音波アクチュエータによれば、駆動面側の
腹位置における振幅が他の腹位置における振幅に比較し
て大きくなるように、振動子に発生する振動波形を変形
・制御することにより、1サイクルの振動により駆動面
から取り出される振動変位を、駆動に使用されていない
部分における振動変位よりも大きくすることができる。
これにより、振動アクチュエータの高回転化及び高トル
ク化を図ることが可能となった。
【0059】(変形形態)以上詳細に説明した第1実施
形態では、小径部38aの形成位置を端面側に移動する
ことにより、弾性体をバネ−マス系に置換した場合にお
けるマス部のパランスを変化させて、駆動面に発生する
腹の振幅を他の部分に発生する腹の振幅に比較して大き
くしているが、本発明にかかる振動アクチュエータは、
このような形態に限定されるものではない。
【0060】すなわち、図1,図2中に示したボルト6
a〜6dやナット7a〜7dを用いても、全く同様の効
果を得ることができる。例えば、これらのボルト6a〜
6dやナット7a〜7dにおいて、ボルト6a,6d
を、ボルト6b,6cよりも慣性効果を小さくするため
に、比重の小さな軽量材で構成したり、頭部の長さが短
いものとすることによっても、駆動面に発生する腹の振
幅を他の部分に発生する腹の振幅に比較して大きくする
ことができる。
【0061】また、弾性体を複数の振動の節位置によっ
て区切られる複数の部分に分割し、駆動面を含む第1の
部分を軽量材(例えばアルミニウム合金)により構成
し、他の部分をステンレス鋼により構成することも可能
である。
【0062】また、本実施形態の説明では、振動子に2
次の捩じり振動と1次の縦振動とが発生する場合を例に
とったが、本発明にかかる振動アクチュエータはこのよ
うな態様に限定されるものではなく、振動子にm次
(m:自然数)の捩じり振動とn次(n:自然数)の縦
振動とが発生する異形モード縮退型の振動アクチュエー
タについて等しく適用することができる。
【0063】また、本実施形態の説明では、2次の捩じ
り振動と1次の縦振動とが発生する振動子において、2
次の捩じり振動に関して慣性質量の調整を行う態様を例
にとったが、本発明にかかる振動アクチュエータはこの
ような態様に限定されるものでなく、1次の縦振動に関
しても全く同様に適用することが可能である。この場
合、1次の縦振動の振幅が増加するため、振動アクチュ
エータの発生トルクが増加する。
【0064】また、本実施形態の説明では、弾性体は中
心軸を含む平面で2分割される態様を例にとったが、本
発明にかかる振動アクチュエータはこのような態様に限
定されず、例えば3分割以上に多分割される場合につい
ても全く同様に適用される。
【0065】また、本実施形態の説明では、円柱状の外
形の弾性体を例にとったが、本発明にかかる振動アクチ
ュエータはこのような態様に限定されるものではなく、
例えば正四角柱状の角柱型の弾性体についても全く同様
に適用される。
【0066】また、本実施形態の説明では、電気機械変
換素子として圧電素子を用いたが、本発明にかかる振動
アクチュエータはこのような態様に限定されるものでは
なく、他の電気エネルギーを機械的変位に変換すること
ができるものであれば、等しく適用することができる。
例えば、圧電素子以外に電歪素子を例示することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の超音波アクチュエータに用いる
振動子の構成を示す平面図である。
【図2】第1実施形態の他の超音波アクチュエータに用
いる振動子の構成を示す平面図である。
【図3】小径部が存在しない単純な外形の振動子の一例
を示す平面図である。
【図4】特願平7−239603号等により提案した超
音波アクチュエータに用いる振動子の一例を示す平面図
である。
【図5】特願平7−239603号等により提案した異
形モード縮退型の振動アクチュエータの構成を示す縦断
面図である。
【図6】振動子の構成を示す説明図であって、図6
(a)は中心線より半分を断面で示す側面図,図6
(b)は図6(a)におけるA−A断面,B−B断面,
及びC−C断面を駆動電圧の印加状況とともに示す説明
図である。
【図7】弾性体に発生する二つの振動モード(L1モー
ド,T2モード)の二つの振動波形を示す説明図であ
る。
【図8】振動子に発生する1次の縦振動と2次の捩じり
振動とを組み合わせることにより、駆動面に楕円運動を
発生する振動アクチュエータの駆動原理を経時的に示す
説明図である。
【符号の説明】
1 超音波アクチュエータ(振動アクチュエータ) 6a〜6d ボルト(慣性質量体) 7a〜7d ナット(慣性質量体) 17 捩じり振動用圧電体(電気機械変換素子) 18 縦振動用圧電体(電気機械変換素子) 31,32 振動子 35,36 弾性体 38A〜38D 大径部 38a〜38c 小径部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の弾性体と,隣接する前記弾性体の
    間に装着され、駆動信号を印加されることで前記弾性体
    に第1振動及び第2振動を発生させる電気機械変換素子
    とを有する振動子と,前記弾性体の一方の端面に加圧さ
    れた状態で接触し、前記弾性体との間で相対運動を行う
    相対運動部材とを備える振動アクチュエータであって、 前記第1振動は、前記弾性体に複数の腹と少なくとも一
    つの節とを発生させる振動であり、 前記弾性体は、発生する前記第1振動の隣り合う腹の位
    置と節の位置とによって区切られる複数の部分のうち、
    前記相対運動部材と接触する端面を含む部分の慣性質量
    が、残りの部分の慣性質量の平均値よりも小さくなる構
    造であることを特徴とする振動アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記弾性体は、発生する前記第1振動の節の位置よりも
    前記端面側の周囲に、前記弾性体の軸と交差する方向に
    形成された溝部を有する構造であることを特徴とする振
    動アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された振動
    アクチュエータにおいて、 前記弾性体は、前記端面を含む部分を形成する弾性材料
    と,残りの部分を形成する弾性材料それぞれの比重が異
    なる構造であることを特徴とする振動アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
    項に記載された振動アクチュエータにおいて、 前記弾性体は、前記端面を含む部分又は残りの部分に慣
    性質量体が装着された構造であることを特徴とする振動
    アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記慣性質量体は、前記弾性体に装着されたボルト部材
    及び/又は前記ボルト部材にねじ止めされるナット部材
    であることを特徴とする振動アクチュエータ。
JP8154236A 1995-09-20 1996-06-14 振動アクチュエータ Pending JPH104691A (ja)

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US08/715,366 US5763981A (en) 1995-09-20 1996-09-12 Vibration actuator
CN96112851A CN1157916A (zh) 1995-09-20 1996-09-19 振动发生器
KR1019960040759A KR970018957A (ko) 1995-09-20 1996-09-19 진동 액츄에이터

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