JPH1044890A - バンパガードの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】フロントガードとサイドガードとの寸法精度が
安定し、車体への取付剛性が向上するバンパガードの取
付構造を提供する。 【解決手段】樹脂製バンパ１の前面に、車幅方向に延び
る複数のフロントガード４０，４１とフロントガードの
両端に配置される左右一対のサイドガード４２とからな
るバンパガード６を取り付ける。バンパ１の背面に上下
方向に延びるバンパステー１４を取り付け、このバンパ
ステー１４の下端部を車体前後方向に延びるサイドメン
バ１０の前端部に固定する。フロントガード４０，４１
とサイドガード４２とをブラケット５０を介して連結
し、このブラケット５０に車体後方へ伸びバンパステー
１４に締結される取付片５２を一体に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動車のフロントバ
ンパの前面に取り付けられるバンパガードの取付構造に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、自動車のバンパガードとしては、
実開平４−４６９５７号公報に記載のように、フロント
バンパの前面に左右二箇所にバンパガーニッシュを取り
付け、これらバンパガーニッシュ間に金属パイプよりな
る門形のガードバーを取り付けたものが一般的である。
ところが、上記のようなバンパガードの場合、金属パイ
プを用いる関係上、構造が大型化し、重量も大きくなる
欠点がある。

【０００３】そこで、近年、フロントバンパの前面に樹
脂部品よりなるバンパガードを取り付けた自動車が見ら
れる。このバンパガードは、車幅方向に延びる複数のフ
ロントガードと、フロントガードの両端に配置される左
右一対のサイドガードとで構成されており、これら部品
は共に樹脂部品であるため、金属パイプを用いた場合に
比べて軽量化が図れる。なお、サイドガードにはフォグ
ランプ等が取り付けられている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記フロントガードお
よびサイドガードを車体に取り付ける場合、ボルト等に
よってバンパに直付けするのが通例である。ところが、
近年使用されているバンパは、従来のような大型のリイ
ンフォースを廃止する傾向にあるため、樹脂製のバンパ
本体のみでは強度が不足し、フロントガードとサイドガ
ードとの合わせ部の隙間が一定せず、見映えが悪化する
欠点がある。また、フロントガード上に人が腰掛けたり
すると、その荷重をバンパのみでは支えきれず、フロン
トガードが垂れ下がる恐れがあった。

【０００５】そこで、本発明の目的は、フロントガード
とサイドガードとの寸法精度が安定し、車体への取付剛
性が向上するバンパガードの取付構造を提供することに
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、樹脂製バンパの前面に、車幅方向に延び
る複数のフロントガードとフロントガードの両端に配置
される左右一対のサイドガードとからなるバンパガード
を取り付けた自動車において、上記バンパの背面に上下
方向に延びるバンパステーを取り付け、このバンパステ
ーの下端部を車体前後方向に延びるサイドメンバの前端
部に固定する一方、フロントガードとサイドガードとを
ブラケットを介して連結し、このブラケットに車体後方
へ伸びバンパステーに締結される取付片を一体に形成し
たものである。

【０００７】バンパガードを構成するフロントガードと
サイドガードとを共にブラケットに組み付けるため、バ
ンパガード単体でアセンブリ化でき、これらの部品間の
寸法精度が安定する。この状態で、ブラケットの取付片
をバンパステーに締結すれば、バンパガードを車体に対
して簡単に取り付けることができる。しかも、バンパガ
ードの荷重はブラケットを通してバンパステーで受けら
れるので、樹脂部品であるバンパのみで支持する場合に
比べてバンパガードの取付剛性が向上する。したがっ
て、フロントガードに人乗り等の荷重が作用した場合で
あっても、フロントガードが垂れ下がるのを防止でき
る。

【０００８】また、バンパガードをリインフォースを介
してサイドメンバに直接取り付ける場合には、サイドメ
ンバのクラッシュ代を減少させてしまい、衝突性能に悪
影響を及ぼす恐れがあるが、本発明ではバンパガードを
バンパおよびバンパステーのみに取り付けるので、バン
パガードを追加することによる衝突性能への悪影響がな
い。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は本発明を適用した自動車の
一例を示す。図において、１は樹脂製バンパであり、バ
ンパ１の前面には樹脂製のバンパガード６が取り付けら
れており、バンパガード６の左右両端部にはフォグラン
プ７が配置されている。

【００１０】図２は図１の自動車の内部構造を示す。１
０は車体前後方向に延びる左右一対のサイドメンバ（図
２には右側のサイドメンバのみが示されている）であ
り、これらサイドメンバ１０は車幅方向に延びるクロス
メンバ１１によって連結されている。左右のサイドメン
バ１０の前端部間には、車幅方向に延びるリインフォー
ス９（図３参照）が配設されている。このリインフォー
ス９は、オフセット衝突時のサイドメンバ１０の変形を
抑制するものであり、その上端部は後述するバンパステ
ー１４の前面に締結され、下端部はサイドメンバ１０の
前端部下面に締結されている。なお、リインフォース９
の中央部はバンパ１と締結され、バンパ１を背後から支
持している。１２は車幅方向に延びるラジエータアッパ
サポートであり、その両端部はフェンダパネル５に結合
されている。１３はラジエータサイドサポートであり、
その上端部はラジエータアッパサポート１２に、外側部
はフェンダパネル５にそれぞれ結合され、内側の柱状部
１３ａの下端はサイドメンバ１０によって支持されてい
る。

【００１１】バンパ１の背後には、上下方向に延びる左
右一対のバンパステー１４が配置されている。図３に示
すように、バンパステー１４の中間部背面にはナット１
４ａが溶着されている。バンパステー１４の下端部はサ
イドメンバ１０の前端部に固定されている。すなわち、
バンパステー１４の中間部および下部は、剛性を高める
ため横断面略コ字形に形成され、その下部をサイドメン
バ１０の前端部に被せた状態で、両側フランジ部１４ｂ
に形成された複数の穴１４ｃにボルト３１を挿通し、サ
イドメンバ１０に溶着されたナット１０ａに締結するこ
とにより、バンパステー１４の下端部が固定される。バ
ンパステー１４の上端部は後方に向かってクランク状に
折り曲げられており、取付穴１４ｅを有する水平な支持
面１４ｄが形成されている。

【００１２】バンパ１の上端部には、図３に示すように
後方に向かって水平に突出するリブ２３が一体に形成さ
れており、このリブ２３の下面には補強用のアッパリテ
ーナ３５がボルトまたはクリップなどにより組み付けら
れている。上記リブ２３およびアッパリテーナ３５を支
持面１４ｄ上に載置し、上方からクリップ３４をリブ２
３およびアッパリテーナ３５を介して支持面１４ｄの取
付穴１４ｅに嵌着することにより、バンパ１のリブ２３
は支持面１４ｄ上に取り付けられる。

【００１３】バンパ１の中央部には、車幅方向に延びる
ラジエータグリル２０が一体に形成され、その隙間の左
右両端部には取付座２１（図４参照）が１個ずつ形成さ
れている。この取付座２１と後述するバンパガード取付
用ブラケット５０の第２取付片５２とが、ボルト３０に
よってバンパステー１４のナット１４ａに共締めされ
る。また、バンパ１のラジエータグリル２０の両側部に
はランプ取付用開口部２２が形成されており、バンパガ
ード６を有しないタイプの車両の場合、この開口部２２
にフォグランプ７が配置される。

【００１４】バンパガード６は、車幅方向に延びる上下
２本のフロントガード４０，４１と、フロントガード４
０，４１の両端に配置される左右一対のサイドガード４
２とで構成されている。フロントガード４０，４１は、
図３に示すように後方が開口した中空の樹脂部品よりな
り、その両端部にはブラケット５０へ締結される取付座
４０ａ，４１ａが形成されている。なお、フロントガー
ド４０，４１の背面には、バンパ１へボルト等によって
締結される複数の取付座（図示せず）が形成されてい
る。サイドガード４２も後方が開口した中空の樹脂部品
よりなり、その内側端部には、フロントガード４０，４
１と嵌合する切欠溝４２ａ，４２ｂが形成されている。
また、サイドガード４２の背面には、上記ブラケット５
０へ締結される上下２箇所の取付座４２ｃ，４２ｄと、
バンパ１にボルト等によって締結される複数の取付座
（図示せず）とが形成されている。サイドガード４２の
外側部にはフォグランプ７取付用の開口部４２ｅが形成
されている。

【００１５】バンパガード取付用ブラケット５０は図５
のように一枚の板金を折曲加工したものであり、その前
面には、フロントガード４０，４１の取付座４０ａ，４
１ａをボルト等によって締結するための取付穴５３，５
４と、サイドガード４２の取付座４２ｃ，４２ｄをボル
ト等によって締結するための取付穴５５，５６とが形成
されている。ブラケット５０の外側部には上下に２個の
ナット５７を溶着した第１取付片５１が形成され、この
取付片５１はボルト等によってバンパ１の前面に締結さ
れる。なお、第１取付片５１の上端にはサイドガード４
２の上端部内面に当接して上下荷重を支えるフック５８
が形成されている。また、ブラケット５０の内側部には
後方へ延びる第２取付片５２が突設されている。この第
２取付片５２は、上記ボルト３０によってバンパ１と共
に上記バンパステー１４に共締めされる。

【００１６】上下のフロントガード４０，４１の中央部
は、図６のように２本の連結用ブラケット６０によって
相互に連結されている。これらブラケット６０は中央部
が前方に突出するよう山形に屈曲形成された板金よりな
り、その上端部がボルト３２により上側フロントガード
４０の取付座４０ｂに締結され、下端部がボルト３３に
より下側フロントガード４１の取付座４１ｂに締結され
ている。また、ブラケット６０の前方へ突出した中央部
には、ライセンスプレート６１の背面のフレーム６２が
ボルト３４により取り付けられている。そのため、ブラ
ケット６０はライセンスプレート７１によって前面が覆
われ、見映えに悪影響を及ぼさない。このようにブラケ
ット６０は、上下のフロントガード４０，４１を連結す
る連結部材としての機能と、ライセンスプレート６１の
取付部材としての機能とを兼ね備えている。

【００１７】ここで、上記バンパガード６の取付方法を
説明する。まず、フロントガード４０，４１の両端部と
サイドガード４２とをブラケット５０によって連結し、
上下のフロントガード４０，４１同志をブラケット６０
によって連結する。これによって、バンパガード６が一
体のアセンブリとされ、フロントガード４０，４１とサ
イドガード４２との間の寸法精度が安定し、合わせ部の
隙間が一定となるので、見映えが向上する。上記のよう
にバンパガード６を組み立てた後、ブラケット５０の第
１取付片５１をバンパ１に締結し、第２取付片５２をバ
ンパ１の取付座２１を介してバンパステー１４に共締め
することによって、バンパガード６をバンパ１の前面に
固定する。その後、フロントガード４０，４１およびサ
イドガード４２の背面に設けられた複数の取付座をバン
パ１にボルト等によって締結することにより、取付を終
了する。

【００１８】上記のように、バンパガード６を一体に組
み立てた後、バンパ１へ取り付けるようにしたので、バ
ンパ１への取付作業が簡単となる。しかも、バンパガー
ド６を構成するフロントガード４０，４１とサイドガー
ド４２は、バンパ１に直接締結されるだけでなく、ブラ
ケット５０を介して補強材であるバンパステー１４に固
定されているので、バンパガード６の取付剛性が高くな
る。そのため、たとえバンパガード６に人乗り等の荷重
が作用しても、バンパガード６の垂れ下がりを防止でき
る。

【００１９】本発明は上記実施例の構造に限定されるも
のではない。上記実施例ではブラケット５０の第２取付
片５２をバンパ１の取付座２１とともにバンパステー１
４に共締めしたが、これに限らず、ブラケット５０の第
２取付片５２をバンパステー１４に直接締結してもよ
い。また、ブラケット５０に、バンパへ締結される第１
取付片５１とバンパステーへ締結される第２取付片５２
とを設けたが、第１取付片を省略し、第２取付片のみを
設けてもよい。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、フロントガードとサイドガードとをブラケット
によって連結したので、バンパガード単体でアセンブリ
化でき、これらの部品間の寸法精度が安定する。そし
て、ブラケットの取付片をバンパステーに締結するよう
にしたので、バンパガードを車体に対して簡単に取り付
けることができるとともに、バンパガードの荷重はブラ
ケットを通して補強材であるバンパステーで受けられる
ので、樹脂部品であるバンパのみで支持する場合に比べ
てバンパガードの取付剛性が向上するという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した自動車の一例の前部斜視図で
ある。

【図２】図１の自動車の内部構造を示す斜視図である。

【図３】図１のＸ−Ｘ線断面図である。

【図４】バンパおよびバンパカバーの分解斜視図であ
る。

【図５】バンパガード取付用ブラケットの斜視図であ
る。

【図６】図１のＹ−Ｙ線断面図である。

【符号の説明】

１ バンパ ６ バンパガード １０ サイドメンバ １４ バンパステー ４０，４１ フロントガード ４２ サイドガード ５０ ブラケット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】樹脂製バンパの前面に、車幅方向に延びる
   複数のフロントガードとフロントガードの両端に配置さ
   れる左右一対のサイドガードとからなるバンパガードを
   取り付けた自動車において、 上記バンパの背面に上下方向に延びるバンパステーを取
   り付け、このバンパステーの下端部を車体前後方向に延
   びるサイドメンバの前端部に固定する一方、フロントガ
   ードとサイドガードとをブラケットを介して連結し、こ
   のブラケットに車体後方へ伸びバンパステーに締結され
   る取付片を一体に形成したことを特徴とするバンパガー
   ドの取付構造。