JPH1044578A - 孔版印刷装置 - Google Patents

孔版印刷装置

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JPH1044578A
JPH1044578A JP9108546A JP10854697A JPH1044578A JP H1044578 A JPH1044578 A JP H1044578A JP 9108546 A JP9108546 A JP 9108546A JP 10854697 A JP10854697 A JP 10854697A JP H1044578 A JPH1044578 A JP H1044578A
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    • B41L13/04Stencilling apparatus for office or other commercial use with curved or rotary stencil carriers
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M1/00Inking and printing with a printer's forme
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 版胴に加えられる機械的な圧力を変化させる
ことなく、また、印刷速度も変化させることなく、印刷
画像の濃度を調整することのできる孔版印刷装置を提供
すること。 【解決手段】 製版された孔版原版Mを印刷ドラム1に
巻装し、版胴2にインキを供給し、印刷用紙Pを押圧部
材20で孔版原版Mに押圧し、インキを印刷用紙Pに滲
み出させて印刷する孔版印刷装置において、押圧部材2
0による押圧時、版胴2と押圧部材20との間に、イン
キを版胴2から印刷用紙Pに転移させる向きに電界を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷用紙に印刷さ
れる画像の濃度を調整する孔版印刷装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷装置における印刷画像の濃度を
調整する方法としては、インキのインキローラへの供給
量の調整、インキローラの版胴への圧接力の調整、プレ
スローラの版胴への押圧力の調整等が知られている。
【0003】これらの方法のうち、インキのインキロー
ラへの供給量を調整して印刷画像の濃度を調整する場合
には、インキローラとドクターローラとの間隔を調整す
れば良いが、その間隔が微小であること、その間隔を両
ローラの長手方向に亘って均一に調整しなければならな
いこと等からこの調整が困難である。また、インキロー
ラの版胴への圧接力を調整して印刷画像の濃度を調整す
る場合には、インキローラの長手方向に亘って均一に版
胴への圧接力を調整しなければならず、この調整も困難
である。また、プレスローラの版胴への押圧力を調整し
て印刷画像の濃度を調整する場合には、押圧力を可変に
することだけで良いので、前述の調整方法に比べて簡単
に印刷画像の濃度を調整することができる。このプレス
ローラの押圧力を適宜調整する技術が特開平2−151
473号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の開孔密度が低い
版胴では、画像が開孔位置に対応するか否かで、用紙に
吸収されるインキ量に大きな差が発生して、平均的には
低画像濃度であるにもかかわらず、局部的なインキ量過
剰によるにじみ、裏移り等が発生する問題があった。そ
こで、近年では、裏移り・にじみを抑え、かつ平均画像
濃度を高めるために、開孔密度が高く、かつ開孔径が小
さい版胴を使用している。この版胴はエッチング工程を
経て形成されるが、開孔径最小径が略板厚で決定するた
め、極端に開孔径を小さくして開孔密度を高めようとす
ると、版胴の厚さが薄くなり、剛性が低下する。
【0005】剛性が低い版胴に、前述のプレスローラの
押圧力を適宜調整する押圧力調整手段を用いた場合に
は、印刷時にプレスローラが版胴を押圧しても、版胴が
簡単に変形して版胴表面上のインキ層にかかる圧力、す
なわち、印刷に必要な印圧を得ることが困難となる。こ
のため、版胴から滲出するインキ量が少なくなってしま
い、高品質な印刷画像を得ることが困難になる。また、
高品質な印刷画像を得るため、すなわち、十分なインキ
滲出量を得るために、版胴への押圧力を高めて版胴を大
きく変形させなければならない。この場合には、版胴を
支持している支持部が破損する、版胴の耐久性が低い、
押圧時に大きな騒音が発生する等の問題点が発生する。
さらに、版胴は、押圧後、自身の弾性によって元の形状
に復帰するが、版胴への押圧力を高めて版胴を大きく変
形させ過ぎると、版胴が変形したまま戻らなくなる場合
がある。一度、版胴が変形してしまうと、その変形した
部分が印刷用紙に異常画像として印刷されてしまい、印
刷画像の品質が低下するという問題点が発生する。ま
た、版胴の変形が大きい場合には版胴を交換しなければ
ならないという問題点も発生する。したがって、剛性が
低い版胴を用いた場合には、外部から版胴に加えられる
機械的圧力を可変せずに、印刷画像の濃度を調整する方
法が望まれている。
【0006】また、印刷速度を変えることによって印刷
画像の濃度を調整する方法もあるが、印刷画像の濃度調
整のために印刷速度を変化させると、印刷物の印刷仕上
がり時刻が変わってしまい生産性に問題点が発生する。
【0007】よって、本発明の目的は、前述の問題点を
解決し、版胴に加えられる機械的な圧力を変化させるこ
となく、また、印刷速度も変化させることなく、印刷画
像の濃度を調整することのできる孔版印刷装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
製版された孔版原版を版胴に巻装し、版胴にインキを供
給し、印刷用紙を押圧部材で孔版原版に押圧し、インキ
を印刷用紙に滲み出させて印刷する孔版印刷装置におい
て、押圧部材による押圧時、版胴と押圧部材との間に、
インキを版胴から印刷用紙に転移させる向きに電界を形
成する電界形成手段を具備する構成である。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔
版印刷装置において、押圧部材による押圧時、押圧部材
に給電する給電手段と、版胴を接地電位とする接地手段
とを具備する構成である。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の孔版印刷装置において、押圧部材の最外層が、絶
縁層または中抵抗層である構成である。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項2または3
記載の孔版印刷装置において、給電手段が、定電流電源
または過電流保護装置付きの定電圧電源である構成であ
る。請求項5記載の発明は、請求項2または3記載の孔
版印刷装置において、給電手段が、交流電源または脈流
電源である構成である。
【0012】請求項6記載の発明は、請求項2または3
記載の孔版印刷装置において、押圧部材の近傍に配設さ
れた除電部材と、押圧部材による押圧時以外に、押圧部
材と除電部材との間に、版胴と押圧部材との間に形成さ
れる電界とは逆極性の電界を形成して押圧部材を除電す
る除電手段とを具備する構成である。
【0013】請求項7記載の発明は、請求項2,3また
は6記載の孔版印刷装置において、印刷用紙に印刷され
る画像の濃度を設定する画像濃度設定手段と、画像濃度
設定手段による画像濃度の設定に応じて、給電手段によ
る押圧部材への給電量を調整する制御手段とを具備する
構成である。
【0014】請求項8記載の発明は、請求項7記載の孔
版印刷装置において、印刷用紙に印刷される画像濃度に
対応した濃度を検出する画像濃度検出手段と、印刷用紙
に印刷される画像濃度を記憶する画像濃度記憶手段とを
具備する構成であり、制御手段が、画像濃度検出手段に
検出された濃度と、画像濃度記憶手段に記憶された画像
濃度とを比較し、検出される濃度が記憶されている画像
濃度と同じになるように給電手段による押圧部材への給
電量を自動的に調整することを特徴とする。
【0015】請求項9記載の発明は、請求項8記載の孔
版印刷装置において、押圧部材への給電量を自動的に調
整して印刷を行っている場合に、画像濃度設定手段によ
り画像濃度が設定されたとき、制御手段が、画像濃度記
憶手段に記憶されている画像濃度に応じた給電量を引き
継いで使用するとともに、自動的に行われる給電量調整
よりも画像濃度設定手段による給電量調整を優先するこ
とを特徴とする。
【0016】請求項10記載の発明は、請求項7,8ま
たは9記載の孔版印刷装置において、印刷に用いるイン
キの種類を指定するインキ指定手段を具備する構成であ
り、制御手段が、インキの種類にそれぞれ対応した給電
量調整範囲及び基準給電量を予め記憶しているととも
に、これらの給電量調整範囲及び基準給電量のうちか
ら、インキ指定手段により指定されたインキの種類に応
じた給電量調整範囲及び基準給電量を選択することを特
徴とする。
【0017】請求項11記載の発明は、請求項7,8,
9または10記載の孔版印刷装置において、インキを貯
蔵するインキ貯蔵部材を孔版印刷装置に装着したとき、
インキの種類を自動的に識別するインキ識別手段を具備
する構成であり、制御手段が、給電量調整範囲及び基準
給電量のうちから、インキ識別手段により識別されたイ
ンキの種類に応じた給電量調整範囲及び基準給電量を選
択することを特徴とする。
【0018】請求項12記載の発明は、請求項11記載
の孔版印刷装置において、インキ識別手段がインキの製
造時期を検出し、制御手段が、インキ識別手段により検
出されるインキの製造時期に基づいてインキ製造後から
の経過時間を算出し、この経過時間に応じて給電量調整
範囲及び基準給電量を補正することを特徴とする。
【0019】請求項13記載の発明は、請求項11また
は12記載の孔版印刷装置において、インキ貯蔵部材を
孔版印刷装置に装着したとき、インキから発生するガス
の引火性を判定するインキ引火性判定手段を具備する構
成であり、インキ識別手段によりインキの種類が識別不
能であるとき、あるいはインキ引火性判定手段によりイ
ンキのガスの引火性が高いと判定されたときに、制御手
段が、孔版印刷装置に装着されたインキが印刷には不適
当であることを警告するとともに、インキの版胴への供
給を禁止することを特徴とする。
【0020】請求項14記載の発明は、請求項7記載の
孔版印刷装置において、押圧部材への給電量を検出する
給電量検出手段と、給電量検出手段により検出された給
電量に基づいて、押圧部材の異常判定を行う判定手段と
を具備する構成であり、判定手段により押圧部材が異常
であると判定されたときに、制御手段が、押圧部材への
給電を遮断し、孔版印刷装置による印刷動作を停止し、
押圧部材の異常を警告することを特徴とする。
【0021】
【実施例】以下、本発明について図面を参照して説明す
る。図1及び図2に、第1の実施例に用いられる孔版印
刷装置の要部を示す。同図において、図示しないドラム
駆動手段により回転駆動される印刷ドラム1は、多孔性
で円筒状の版胴2と、この版胴2の外周面に巻装された
スクリーン層3とから構成されている。
【0022】版胴2は、ステンレスの金属板により形成
されており、その外周面には、インキを通過させるため
の多数の開孔2aが配設されている。印刷ドラム1の外
周面には、孔版原版としてのマスタが巻着される。版胴
2の両端部には、版胴2と同様にステンレスの金属板か
らなる円板状の一対のフランジ部4が取り付けられてい
る。これらフランジ部4は、後述するインキパイプ7に
導電性の軸受5を介して回転自在に支持されている。版
胴2と後述するプレスローラ20との間に、電界を形成
するために軸受5は接地手段14により接地されてい
る。接地手段14は、周知の電線から構成されている。
スクリーン層3は、テトロンやナイロンの合成樹脂繊維
からなり、インキを版胴2の外周面に拡散する。
【0023】版胴2の内部には、インキパイプ7、イン
キローラ8、ドクターローラ9から構成されるインキ供
給手段10が配設されている。版胴2の支軸を兼ねたイ
ンキパイプ7は、筐体側板11に固着されており、その
表面には、版胴2の内部にインキを供給するための複数
の小さな孔7aが穿設されている。インキパイプ7の一
端には、インキを貯蔵するインキ貯蔵部材としてのイン
キカートリッジ12がインキ供給パイプ13を介して接
続されている。インキカートリッジ12内に貯蔵されて
いるインキは導電性を有する。導電性を有するインキ
は、例えば、カーボンを含有しているエマルジョンイン
キである。インキカートリッジ12は、版胴2の外部に
配設されており、筐体に対して着脱可能に保持されてい
る。インキ供給パイプ13の途中部分には、インキカー
トリッジ12内のインキをインキパイプ7に供給するイ
ンキポンプ15が配設されている。また、インキカート
リッジ12、インキポンプ15等が版胴2の内側に配置
されている構成であっても良い。
【0024】インキパイプ7の下方には、インキローラ
8とドクターローラ9とが配設されている。版胴2内の
側板16に回転自在に支持されたインキローラ8は、そ
の外周面が版胴2の内周面と近接するように設置されて
おり、インキパイプ7より供給されたインキを版胴2に
供給する。インキローラ8は、複数のギヤからなる駆動
力伝達手段17によってドラム駆動手段からの回転力を
伝達され、印刷ドラム1と同期して印刷ドラム1と同じ
向きに回転駆動される。
【0025】インキローラ8の近傍には、回転自在なド
クターローラ9が配設されている。ドクターローラ9
は、その外周面とインキローラ8の外周面との間に僅か
な間隙が生じるように配設されており、インキローラ8
の外周面との近接部において楔状のインキ溜まり18を
形成している。インキパイプ7よりインキ溜まり18に
供給されたインキは、インキローラ8とドクターローラ
9との間隙を通過することにより均一な層状となりイン
キローラ8の表面に供給される。
【0026】版胴2の下方近傍には、印刷用紙を版胴2
へ押し付ける押圧部材としてのプレスローラ20が配置
されている。プレスローラ20は、図示しない揺動手段
によって、その外周面が版胴2の外周面から離間する位
置と版胴2の外周面と当接する位置とに選択的に揺動さ
れる。プレスローラ20は、図3に示すように、金属か
らなる芯金21と、芯金21の表面に巻着されたウレタ
ンゴム、NBRゴムの導電性のゴム部22とから形成さ
れている。芯金21の両端部は、揺動手段の支持アーム
23に導電性の軸受24を介して回転自在に支持されて
いる。支持アーム23は絶縁性の合成樹脂から形成され
ている。また、図4に示すように、軸受24と支持アー
ム23との間に絶縁性のリング25を介在することによ
り、支持アーム23を金属で形成しても良い。軸受5,
24に導電性の潤滑剤を使用すると、経時においても導
電性を良好に保つことができる。
【0027】軸受24には、プレスローラ20に高電圧
を印加する給電手段としての電源30が接続されてい
る。ここで、版胴2ではなく、プレスローラ20に高電
圧を印加する理由について説明する。版胴2には、イン
キ溜まり18へのインキ供給量を検出するインキ量セン
サ、インキの粘度を検出するインキ粘度センサ、インキ
の色相を検出するインキ色相センサ、インキの電気特性
を検出するインキ電気特性センサ、インキの磁気を検出
するインキ磁気センサのインキの各特性を検出する複数
のセンサが配設されており、版胴2の周囲にも、マスタ
検出センサ、ドラム検出センサの各種センサが設置され
ている。なお、前述した各種センサの図示は図面を簡略
化するため省略する。また、マスタの給排版を行う給版
装置も版胴2の近傍に配置されている。
【0028】版胴2とプレスローラ20との間に電界を
形成するために版胴2に対して高電圧を印加すると、放
電によるノイズで前述の各種センサが誤作動するおそれ
があり、装置の安定性が低下する。これに対し、プレス
ローラ20には、各種センサの検出手段が設けられてい
ないので、センサの誤作動を考慮する必要がない。した
がって、版胴2ではなく、プレスローラ20に高電圧を
印加することにより、各種センサの誤作動が防止されて
装置の安定性を高めることができる。
【0029】電源30には、プレスローラ20への電圧
印加のオン・オフを制御するCPU40が接続されてい
る。CPU40は、孔版印刷装置の各動作を制御すると
ともに、プレスローラ20が印刷用紙を版胴2に押圧す
るときに、プレスローラ20へ高電圧を印加して版胴2
とプレスローラ20との間に電界を形成させる。CPU
40には、ROM41及びRAM42が接続されてお
り、このCPU40、ROM41及びRAM42によっ
て制御手段が構成されている。ROM41には、孔版印
刷装置を動作させるプログラムが記憶されている。RA
M42には、各種の演算結果が一時的に記憶される。電
源30とCPU40とにより、電界形成手段が構成され
ている。
【0030】次に、CPU40により制御される孔版印
刷装置の動作を説明する。
【0031】図示しない原稿読取部に原稿がセットさ
れ、図示しない製版スタートキーが押されると、版胴2
が回転し、図示しない排版装置によって版胴2の外周面
に巻装されている使用済みのマスタが剥離・廃棄され、
版胴2は所定位置で停止し、給版待機状態となる。
【0032】排版動作が終了すると、これに続いて製版
動作が行われる。読み取られた原稿画像は、原稿読取部
のCCDで電気信号に変換され、A/D変換器を経由し
て製版制御装置に画像データとして送られる。製版制御
装置は、送られた画像データに基づいて、繊維層上に熱
可塑性樹脂を積層したマスタに対してサーマルヘッドを
用いて穿孔製版を行う。製版画像を形成されたマスタ
は、マスタロールから引き出されて版胴2に巻装される
とともに、所定長さに切断される。
【0033】巻装動作に引き続き、版付け動作が行われ
る。図示しない給紙手段より給送された印刷用紙は、レ
ジストローラ対により、マスタの画像領域がプレスロー
ラ20と対応する位置に達するタイミングで、版胴2と
プレスローラ20との間に向けて給送される。給送され
た印刷用紙は、プレスローラ20によって版胴2に巻装
されたマスタに押圧される。印刷用紙がプレスローラ2
0により版胴2に押圧されたとき、CPU40は、プレ
スローラ20への電圧印加指令を電源30に出力する。
電源30は、電圧印加指令が入力されるとプレスローラ
20に対して高電圧を印加する。プレスローラ20に電
圧が印加されることにより、接地されている版胴2とプ
レスローラ20の間に、インキが版胴2の内部から印刷
用紙に転移する向きの電界が形成される。この押圧動作
と電界によって、インキは開孔2a、スクリーン層3及
びマスタを経て印刷用紙に転移される。
【0034】インキを転移された印刷用紙Pが、図示し
ない剥離爪によって版胴2の外周面より剥離され、図示
しない排紙手段によって装置外に排出されて、版付け動
作が終了する。版付け動作終了後、図示しない印刷スタ
ートキーが押されると、給紙手段より印刷用紙が連続的
に給送され、版胴が高速で回転駆動されて印刷動作が行
われる。
【0035】ここで、電界によるインキの印刷用紙への
転移を図5を参照して説明する。同図において、符号P
は印刷用紙を、符号Mはマスタをそれぞれ示す。プレス
ローラ20が印刷用紙PとマスタMを介して版胴2の外
周面を押圧するとともに、版胴2とプレスローラ20の
間に電界が形成されると、マスタMに穿孔された孔Ma
から印刷用紙Pに滲出する導体であるインキは、電界の
影響を受けて誘導電荷を持つ(この場合マイナスに帯電
する)。一方、印刷用紙P内部では電界の影響によって
分極電荷が発生し、印刷用紙Pのプレスローラ20側に
はマイナスの電荷が集中し、印刷用紙Pの版胴2側には
プラスの電荷が集中する。マイナスに帯電されたインキ
は、印刷用紙Pの版胴2側のプラスの電荷によって、印
刷用紙P側に引き寄せられる。
【0036】この結果、プレスローラ20と版胴2との
間の電界によって、版胴2からのインキの滲出量が増加
される。よって、インキのインキローラ8への供給量の
調整、インキローラ8の版胴への圧接力の調整、プレス
ローラ20の押圧力の調整を行わなくても、印刷画像の
濃度を濃くすることができる。また、剛性の低い版胴
2、すなわち、開孔2aの開孔密度が高く、かつ開孔2
aの径が小さい版胴2を用いた場合でも、印刷画像の濃
度を濃くすることが可能となる。
【0037】前述の第1の実施例において、プレスロー
ラ20を、図6に示すように、芯金28aと、芯金28
aに巻着されたゴム部28bと、ゴム部28bの外周に
形成される導電層28cと、導電層28cの外周に形成
される絶縁層28dとから構成されるプレスローラ28
としても良い。この場合には、導電層28cの端部を芯
金28aの端部まで延長し、この延長した延長部に外部
から導電性弾性部材や導電性ブラシで給電する。
【0038】前述の第1の実施例の変形例として、電源
30に定電流電源や定電圧電源を用いた場合について説
明する。
【0039】図7に示すように、プレスローラ20に対
して所定値以上の電流を流さない定電流電源31を電源
30の代わりに用いても良い。定電流電源31を用いた
場合には、印刷動作中に、プレスローラ20の絶縁層の
絶縁破損、あるいはショートの異常が発生しても、電流
が所定値以上流れないので、異常の進行を防止すること
ができる。定電流電源31によって異常の進行を防止す
ることができるが、この異常が定電流電源31に悪影響
を及ぼすので、定電流電源31の保護のために、プレス
ローラ20と定電流電源31との間に、プレスローラ2
0への出力電圧を検知してCPU40に出力する電圧検
知モニター32が配設されている。異常が発生するとプ
レスローラ20への電圧が低下することを利用して、異
常の発生を検出する。すなわち、CPU40が、電圧検
知モニター32による検知電圧と異常を判定する異常電
圧とを比較することにより異常の発生を検出する。CP
U40は、検知電圧が異常電圧よりも低いと判定する
と、プレスローラ20に異常が発生していると判断して
警告を発する。
【0040】図8に示すように、プレスローラ20に対
して所定値以上に電圧が上がらない過電流保護装置付き
の定電圧電源33を電源30の代わりに用いても良い。
定電圧電源33を用いた場合には、保護抵抗34を定電
圧電源33と直列に接続することでショートの異常を防
止できる。異常の検出は、図7に示す回路構成と略同様
の回路構成を用いて行うが、電圧検知モニター32に代
えてプレスローラ20への出力電流を検知する電流検知
モニター35を使用する。保護抵抗34を用いている場
合には、プレスローラ20端における電圧を検知するこ
とで電圧検知モニター32を使用することも可能であ
る。
【0041】発明者は、プレスローラ20の押圧力を増
減して印刷画像の濃度を調整する方法と、この方法に加
えてプレスローラ20と版胴2との間に電界を形成して
印刷画像の濃度を調整する方法とについて、印刷画像の
濃度がどのように変化するかを実験により測定した。
【0042】この実験では、プレスローラ20の押圧力
を増減して印刷画像の濃度を調整する孔版印刷装置とし
て、孔版印刷装置(プリポートVT3820(株)リコ
ー製)に、後述する試作版胴100と試作プレスローラ
とを装着した印刷装置を使用した。試作版胴100は、
図9に示すように、厚さ0.1mmの金属板の外周面に、
直径0.12mm多数の開孔100aを、互いの間隔が
0.3mmなるように六角形状に穿設して形成されてい
る。試作版胴100の外周面には、スクリーン層が2層
巻装されている。試作プレスローラのゴム部は、カーボ
ンが分散された中抵抗層のNBRゴム(硬度JISAで
30〜40度、体積抵抗率107〜109Ωcm)で形成
されている。さらに、ゴム部は、絶縁性の薄層で覆わ
れ、ショートから二重に保護されている。
【0043】試作プレスローラと試作版胴100との間
に電界を形成する孔版印刷装置として、試作プレスロー
ラに一定電圧を印加する電源を、前述の孔版印刷装置に
加えた。この電源は、試作プレスローラによる押圧時
に、出力DC2KVで電圧を印加する。この実験におい
ても試作版胴100が接地されている。両装置におい
て、インキにはカーボンを数%分散したエマルジョンイ
ンキであるVT1000II((株)リコー製)を、マス
タにはVT−II((株)リコー製)をそれぞれ使用し
た。
【0044】前述の孔版印刷装置を用いて、試作プレス
ローラの押圧力を増加させたときの画像濃度の変化を表
す特性図を図10(a)に示す。同図において、横軸に
試作プレスローラの押圧力を、縦軸に画像濃度の濃淡の
変化を示す。また、実線Aは電界を形成した場合の画像
濃度の変化を、破線Bは電界を形成しない場合の画像濃
度の変化をそれぞれ示す。
【0045】図10(a)から明らかなように、電界を
形成しない場合には、試作プレスローラの押圧力に略比
例して画像濃度が濃くなっている。これに対し、電界を
形成する場合には、試作プレスローラの押圧力が低いと
きから画像濃度が濃くなっており、試作プレスローラの
押圧力が低いときでも、電界を形成することにより、印
刷画像の濃度を濃くすることができた。さらに、試作プ
レスローラの押圧力の上昇に伴って画像濃度は緩やかに
濃くなっている。
【0046】この実験により、エマルジョンインキが電
界によって不完全ながら水相と油相とに分離することが
判明し、この水相と油相との分離を利用することによっ
て、印刷用紙への裏移りを防止する効果を得ることがで
きた。すなわち、電界を併用した印刷を行う場合、顔料
を分散された油相が印刷用紙側へより多く集まる向きに
電界を作用させると、印刷用紙と版胴とが互いに剥離す
るときに、印刷用紙上でプレスローラ側に油相が版胴側
に水相がそれぞれ偏在する。そして、水相が印刷面最外
部に移動するので、この水相の介在によって顔料を分散
された油相が次の印刷用紙の裏面に付着する裏移りが防
止される。
【0047】また、図10(b)に、前述の孔版印刷装
置を用いて、試作プレスローラの押圧力(印圧)及び印
刷速度をそれぞれ高低させた場合において、電界形成の
ための印加電圧の高低によってどの程度の画像濃度の変
化が可能であるのかを確認するための実験結果を示す。
同図において、横軸に印加電圧を、縦軸に画像濃度の濃
淡の変化を示す。また、実線M1〜4は、画像濃度の変
化をそれぞれ示し、実線M1は低速高印圧の条件で印刷
した場合を、実線M2は高速高印圧の条件で印刷した場
合を、実線M3は低速低印圧の条件で印刷した場合を、
実線M4は高速低印圧の条件で印刷した場合をそれぞれ
示す。
【0048】各条件における画像濃度の変化にはばらつ
きがあるものの、この図10(b)から、印圧及び印刷
速度の高低に係わらず、印加電圧によって画像濃度が調
整可能であることが明らかである。よって、印圧を高低
させた場合における印刷速度の高低による画像濃度変化
を、印加電圧を調整することによって抑制することも可
能である。
【0049】上述の実験とは別に、版胴100の剛性を
変化させて実験を行った。この実験により、印加電圧に
対する画像濃度依存性、すなわち、画像濃度変化量は、
版胴100の剛性が低い(柔らかい)場合の方が顕著で
あることが判明した。この現象の原因としては、電界に
よる電気的な吸引力が版胴100に変形を引き起こし、
印刷用紙がインキ層とプレスローラ20と間に挟まれて
いる時間が長くなることが考えられる。この実験結果を
利用すれば、剛性が低い(柔らかい)版胴を使用するこ
とによって、マスタに対する圧力を抑制でき、マスタを
痛めずに多数枚の印刷が可能となり、印刷コストの低
減、多数枚印刷時の印刷品質の低下を防止することが可
能となる。
【0050】前述の実験では、スクリーン層を2層巻装
した版胴100を用いて実験を行ったが、試作版胴10
0の開孔100aの径が小さく、かつ、開孔間隔も小さ
い場合には、インキがマスタの繊維層によって十分に拡
散されるので、スクリーン層を省いても良い場合もあ
る。また、試作プレスローラのゴム部を、ウレタンゴム
の導電性のあるゴムや、カーボン、金属粉、酸化スズ、
酸化チタン、四三酸化鉄または導電性フェライトの導電
性金属酸化物を分散して導電性を付与したシリコンゴム
で構成し、この試作プレスローラに電圧を印加すること
によって接地されている試作版胴100との間に電界を
形成しても、前述の実験と略同様な結果を得ることがで
きる。
【0051】第2の実施例を図11に示す。これらの図
において、図1に示す部材と同様の部材は、図1で用い
た符号と同一符号を付すにとどめてその説明を省略し相
違する点について説明する。
【0052】図11において、プレスローラ26の近傍
には、プレスローラ26を除電する導電性の除電部材と
しての除電ブラシ50が配設されている。ここでは、除
電ブラシ50のブラシ部は、プレスローラ26の外周面
に接触しているが、適度の空間を設けておいても除電機
能を持たせることは可能である。
【0053】プレスローラ26の外周には、フッ素系塗
料、エポキシ系塗料の絶縁層26a、例えば、ルミフロ
ン602(旭化成製)が厚さ20〜100μmで形成さ
れている。また、絶縁性材料による市販の熱収縮チュー
ブを被せて絶縁層26aを形成しても良い。このよう
に、プレスローラ26の外周に絶縁層26aを形成する
ことによって、第1の実施例のように印刷用紙の絶縁性
に頼ってショート、放電を回避していた場合と比較して
ショート、放電による電源停止のおそれを低減でき、安
定した電界をプレスローラ26と版胴2との間に形成す
ることができる。この結果、絶縁層26aがないプレス
ローラよりも、高電圧をプレスローラ26に印加するこ
とが可能となり、電気的吸引力を増大させることが可能
となり、インキをより多く滲出させることができる。さ
らに、プレスローラの表面を被膜または薄層のチューブ
で覆うことによって、プレスローラの弾性体部分の材料
選択の幅が大きく広がる。すなわち、表層に被膜等の層
がない場合には、耐油性のない材料、スポンジ等の弾力
性を有していても表面が極端に凹凸状の材料、印刷用紙
やマスタが汚染されるような柔軟剤を含有した材料等は
使用できなかったが、表層に被膜等の層を一層設けるこ
とによって、これらの材料が使えるようになり、内部の
弾性体として、電気抵抗が低く、かつ、硬度も低くなる
ようなスポンジ等の材料も使えるようになる。電気抵抗
の低下は系の過渡応答を速くし、硬度が低下することで
ニップ幅を広くとれるようになる。これらはいずれも、
高速での使用を可能とするものである。
【0054】プレスローラ26と電源30との間には、
入力端子37a,37bと出力端子37c,37dとを
有する接続切換手段37が配設されている。接続切換手
段37は、電界形成時及び除電時に、CPU40によっ
てその内部において各端子の接続を切り換えられる。入
力端子37aには電源30が接続され、入力端子37b
は接地されている。出力端子37c,37dには、プレ
スローラ26及び除電ブラシ50がそれぞれ接続されて
いる。電源30、接続切換手段37及びCPU40によ
って除電手段が構成されている。
【0055】図12にプレスローラ26及び除電ブラシ
50の電界形成時及び除電時の電位の変化を示し、プレ
スローラ26の除電について説明する。
【0056】CPU40は、電源30とプレスローラ2
6及び除電ブラシ50とを接続する、すなわち、接続切
換手段37の内部で入力端子37aと出力端子37c,
37dとを互いに接続する。CPU40は、印刷用紙が
プレスローラ26により版胴2に押圧されたとき、プレ
スローラ26への電圧印加指令を電源30に出力する。
電源30は、電圧印加指令が入力されると、図12中、
符号Cで示すように、プレスローラ26及び除電ブラシ
50に対して高電圧を印加する。プレスローラ26に電
圧が印加されることにより、接地されている版胴2とプ
レスローラ26の間に、インキを版胴2の内部から印刷
用紙に転移させる向きの電界が形成される。電界形成
時、プレスローラ26の表面には、プレスローラ26内
の電荷と逆極性の電荷が版胴2側から移動する。
【0057】プレスローラ26の押圧が終了すると、C
PU40は、プレスローラ26を版胴2から離間させる
とともに、図示しない駆動手段によってプレスローラ2
6を一回転させる。プレスローラ26が回転することに
よって、除電ブラシ50がプレスローラ26の外周面を
クリーニングする。この間(図12中、符号Dで示
す)、CPU40は、プレスローラ26及び除電ブラシ
50への電圧印加を継続する。この電圧印加によって、
プレスローラ26に蓄積した電荷は、除電ブラシ50に
より供給される電荷によって中和される。プレスローラ
26が一回転した後、CPU40は、プレスローラ26
への電圧印加指令の出力を停止する。この結果、プレス
ローラ26への電荷の蓄積が防止されるとともに、プレ
スローラ26の外周面がクリーニングされるので、プレ
スローラ26の外周面への紙や埃の吸着を防止でき、紙
や埃の吸着による事故も防止できる。
【0058】なお、除電時に、電源30とプレスローラ
26及び除電ブラシ50との接続を切断し、プレスロー
ラ26及び除電ブラシ50を接地しても、プレスローラ
26に蓄積した電荷は中和され、前述の実施例と同様の
効果が得られる。
【0059】前述の第2の実施例の変形例として、除電
時に、電源30と除電ブラシ50との接続を継続すると
ともに、電源30とプレスローラ26との接続を切断
し、プレスローラ26のみを接地しても良い。このと
き、除電ブラシ50に電圧を印加することによって、プ
レスローラ26と除電ブラシ50との間に電界が形成さ
れ、プレスローラ26に蓄積した電荷が外部に引き出さ
れる。この場合のプレスローラ26及び除電ブラシ50
の電界形成時及び除電時の電位の変化を図13に示す。
同図において、符号C1は電界形成時の電位の変化を、
符号D1は除電時の電位の変化をそれぞれ示す。このよ
うに各端子の接続を切り換えて、プレスローラ26と除
電ブラシ50との間に電界を形成すると、前述の第2の
実施例の除電よりもプレスローラ26の除電効率が向上
する。
【0060】また、前述の第2の実施例の別の変形例と
して、プレスローラ26と除電ブラシ50との間に、版
胴2とプレスローラ26の間に形成される電界とは逆極
性の電界を形成して、プレスローラ26を除電しても良
い。この変形例では、第2の実施例の電源30に代え
て、その出力電圧の極性を切り換えることが可能である
電源を用いる。
【0061】プレスローラ26及び除電ブラシ50の電
界形成時及び除電時の電位の変化を図14に示し、プレ
スローラ26の除電動作について説明する。接続切換手
段37は、電界形成時に、第2の実施例と同様にその内
部の接続を切換える。その後、図14中、符号C2で示
すように、プレスローラ26及び除電ブラシ50に高電
圧を印加して、インキを版胴2の内部から印刷用紙に転
移させる向きの電界を形成する。次に、接続切換手段3
7は、除電時に、電源とプレスローラ26との接続を継
続するとともに、電源と除電ブラシ50との接続を切断
し、除電ブラシ50のみを接地する。このとき、図14
中、符号D2で示すように、電源はプレスローラ26へ
の電圧を電界形成時とは逆極性に切り換えて印加する。
プレスローラ26に逆極性の電圧を印加することによっ
て、プレスローラ26と除電ブラシ50との間に電界形
成時とは逆極性の電界が形成され、プレスローラ26に
蓄積した電荷が外部に引き出される。このように除電時
にプレスローラ26と除電ブラシ50との間に、逆極性
の電界を形成すると、前述の第2の実施例よりもプレス
ローラ26の除電効率を向上することができる。
【0062】前述の第2の実施例及びそれらの変形例に
おいて使用されたプレスローラ26の絶縁層26aの絶
縁材料は、硬いものが多く、絶縁層26aに弾性を付与
させる場合には絶縁材料の選択の幅が狭い。そこで、前
述の第2の実施例及びそれらの変形例において、絶縁層
26aの固有抵抗値を低下させて、絶縁層26aを中抵
抗層としても良い。中抵抗層を形成する材料は、弾性を
有し、かつ低コストで容易に入手することができる。中
抵抗層を形成するには、例えば、重量比5%程度のカー
ボンをルミフロン602(旭化成製)に分散させる方
法、あるいは、プレスローラ26の外周をウレタン、ヒ
ドリンゴムで被覆する方法がある。絶縁層26a及び中
抵抗層の厚さは、プレスローラ26の材質の耐圧を考慮
して適宜決定する。
【0063】なお、中抵抗層は、その内部のイオンの一
方向への移動により電気特性が変化する場合があるが、
前述の第2の実施例のように、プレスローラ26を除電
することによって、中抵抗層の内部のイオンの一方向へ
の移動が防止され、中抵抗層の電気特性の変化も防止さ
れる。
【0064】前述の第2の実施例及びそれらの変形例に
おいて、除電ブラシ50に代えてプレスローラ26の外
周面に当接するとともに、プレスローラ26に従動する
金属製の除電ローラを用いても良い。また、電源30に
公知の出力電圧可変型の直流電源や、交流電源を用いて
も良い。直流電源を用いた場合には、除電時に電源出力
を大きくすることによって、除電効率を向上することが
できる。
【0065】交流電源を用いる場合には、印刷速度との
関係で、印刷面に濃度ムラが現れないように、十分に高
い周波数の交流電源を使用する。例えば、発明者の実験
によると、前述の実験で用いた孔版印刷装置において、
印刷速度が最大で1300mm/秒であるときには、交流
電源の周波数を2.2KHz以上に設定すると、印刷面
のピッチむらが0.3mmピッチ以下となることが判明し
ている。このように交流電源の周波数を設定することに
よって印刷面への濃度ムラが防止される。
【0066】しかしながら、交流電源による印加電圧に
よって、誘導電荷と電界とによる引力変動が発生し、こ
の引力変動に伴ってインキに対して揺さぶりが行われる
ので、インキの流動性が活発になり、インキの流動性は
滑らかになる。よって、交流電源の周波数が500Hz
程度であっても、印加電圧の周波数に応じたピッチむら
はあまり目立たない。したがって、極端に高品質な印刷
画像を望まなければ、交流電源の周波数が500Hz程
度であっても十分な印刷画像を得ることができる。
【0067】電圧を印加することによる作用は、上述の
印刷面のピッチむらの低減よりもインキの印刷用紙への
転移量調整を行える点が重要である。特に、印加電圧を
所定値以上に高くすると、インキが有する電気的な性質
(どちらの極性に色材成分が引かれやすいか)よりも、
電界によって誘導される電荷により決定される性質によ
る影響が大きくなり、極性依存性が不明確になる。した
がって、低電圧時には、印刷用紙の印刷面に電圧印加に
よるむらが見えても、高電圧になると、むらが小さくな
り、インキの平均的な転移量増加のみが観察されるよう
になる。
【0068】インキの流動性が顕著となってインキが印
刷用紙に吸引される作用は、ベタ画像のような平行平板
型の電界パターンのときよりも、ドットやライン画像の
ような狭い所に電気力線が集中する画像の場合の方が顕
著である。これは、電子写真等の技術分野では、電界集
中、エッジ効果等として知られている現象である。本発
明に関連する実験においても、ドットで作成されたハー
フトーン画像では、印加電圧に応じてインキ消費量や画
像濃度が変化する。すなわち、印加電圧が高い場合に
は、インキ消費量が多くなり、画像濃度も濃くなる。一
方、印加電圧が低い場合には、インキ消費量が少なくな
り、画像濃度が淡くなる。また、ハーフトーン画像にお
けるインキ消費量や画像濃度の変化は、ベタ画像のそれ
よりも大きい。
【0069】ところで、人間の視覚は、画像濃度が濃い
部位での濃度変動よりも、画像濃度が淡い部位での濃度
変動を敏感に感じ取る。よって、画像濃度が濃い場合と
淡い場合とでは、濃度変動の変動幅が同じであれば、画
像濃度が淡い場合のほうがより濃度変動を感じる。した
がって、画像濃度が淡い場合、例えば、ハーフトーン画
像の画像形成時に、印加電圧の調整(制御)を行うこと
で、ハーフトーン画像の濃度を調整でき、画像を安定化
することが可能となる。
【0070】また、ドット構成による画像に対する広範
囲な濃度調整作用によれば、ドット構成による多色印刷
を、色別の印刷ドラムを用いて行う場合に、色別の濃度
調整範囲を広く取れる。印圧を変えて広範囲な濃度調整
を行った場合には、色別のマスタの疲労度にばらつきが
生じ、色むらが発生しやすいが、印加電圧による調整で
濃度調整を行った場合には、マスタの伸び等の疲労のば
らつきが小さくなり、印刷物の色むらの発生が低減され
る。なお、印加電圧による濃度調整を行う場合、版胴の
開孔に対応する部分からのインキ転移が増加し、いわゆ
る、孔目と呼ばれる現象が目立ってくるが、これは、上
述した開孔密度の高い版胴を用いることによって解決可
能である。
【0071】また、交流電源の電圧印加による効果は、
上述のものの他に印刷用紙やマスタが一方極性に帯電す
ることによって、紙粉の印刷用紙やマスタへの付着を低
減できる。さらに、除電効果による印刷用紙のジャム、
いわゆる、巻き上がりと呼ばれる現象を低減でき、印刷
後の印刷用紙の版胴からの分離を安定して行え、印刷用
紙の搬送を安定化することができる。また、印刷後の用
紙そろえの安定化にも寄与する。さらに、直流成分が少
ないため表面絶縁型あるいは中抵抗材料による一体型の
プレスローラが使用でき、安全性を向上することができ
る。
【0072】なお、交流電源による電圧印加は、特開平
4−59384号公報に記載されている画像形成方法お
よび画像形成装置においても適用できる。この場合に
は、交流による振動でインキは、転写部材から容易に剥
離する状態となり、印刷用紙等の記録媒体上の凹凸、細
孔、隙間へ速やかに浸透する。インキの記録媒体への浸
透(流動)は、交流振幅を増大するに連れて上述の「孔
目」が次第に明確になることにより確認できる。すなわ
ち、インキの浸透性(流動性)は、交流振幅を増大に伴
って増大する。これは、対向する電極が存在しない部分
に対応するインキの印刷用紙への流動量、すなわち、転
移量が増大することを表しており、上記公報中で述べら
れていることには該当しない現象である。また、上記公
報では、インキの電気分解によってガスが発生する場合
には、この電気分解によりインキの印刷用紙への転移が
容易になるとしているが、電極が存在する部分よりも電
極が存在しない部分において、インキの転移量が増大す
る現象は、上記公報で提案された画像形成方法および画
像形成装置では説明のつかない現象である。
【0073】上記公報に記載された画像形成装置では、
直流電源により電圧印加を行っており、転写部材が導電
性を有する必要があるが、電圧を印加するのでショート
等の可能性があり、好ましくない。ところが、交流電源
を使用することにより、ショート等の可能性が低くな
り、安全性を向上することができる。
【0074】交流電源を用いて電気的吸引力が電圧の極
性に依存しない場合には、プレスローラ26の帯電を防
止でき、前述の除電手段を省略することが可能となる。
インキによっては一方極性に帯電し易いものもあるが、
この場合には帯電を防止する極性の直流を重畳した脈流
(いわゆる、脈流電源)とすることで、プレスローラ2
6の帯電を中和することができる。
【0075】第3の実施例を図15に示す。同図におい
て、図1に示す部材と同様の部材は、図1で用いた符号
と同一符号を付すにとどめてその説明を省略し相違する
点について説明する。
【0076】印刷ドラム1の印刷時に回転する向きのプ
レスローラ20よりも上流側には、印刷用紙に印刷され
る画像濃度に対応するの濃度を検出するための特定のパ
ターンが印刷される表面白色のセンサローラ55が、印
刷ドラム1に対して接離可能に配設されている。特定の
パターンは、マスタの印刷用紙に対応しない画像先端部
に作像されている。センサローラ55の周囲には、セン
サローラ55の表面をクリーニングするクリーニングブ
レード56と、センサローラ55の表面に印刷された特
定のパターンの濃度を検出する画像濃度検出手段として
の濃度測定センサ57とがそれぞれ配設されている。濃
度測定センサ57は、CPU40に接続されており、セ
ンサローラ55の表面に印刷された特定のパターンの濃
度の濃度信号をCPU40に出力する。なお、センサロ
ーラ55の表面に印刷された特定のパターンの濃度を検
出する濃度測定センサ57からの濃度信号と、その濃度
設定のときに実際に印刷用紙に印刷される画像濃度との
対応関係は予め実験等により求められ、濃度データとし
てROM41に格納されている。
【0077】CPU40には、孔版印刷装置の各種操作
を行う操作パネル60が接続されおり、操作パネル60
からの信号が入力される。操作パネル60は、オペレー
タが操作しやすい位置に配設されている。操作パネル6
0には、印刷画像の濃度を手動調整する画像濃度設定手
段としての濃度調整キー61と、印刷画像の濃度を自動
調整するときに基準となる濃度を設定する濃度設定キー
62とが設けられている。濃度調整キー61は、画像濃
度を淡くする濃度ダウンキー61aと画像濃度を濃くす
る濃度アップキー61bとからなる。これらのキー61
a,61b,62による信号は、CPU40に入力され
る。
【0078】CPU40は、プレスローラ20への印加
電圧値を一時的に格納する電圧設定カウンタ43を内蔵
している。CPU40は、濃度調整キー61からの濃度
調整信号に基づいてプレスローラ20への印加電圧値を
算出し、この印加電圧値をデジタル信号に変換して電圧
設定カウンタ43に格納する。CPU40は、濃度ダウ
ンキー61aが押された場合にプレスローラ20への印
加電圧値を減少し、濃度アップキー61bが押された場
合にプレスローラ20への印加電圧値を増加する。CP
U40は、濃度設定キー62が押された場合に、そのと
きの印刷画像の濃度の基準濃度を画像濃度記憶手段とし
てのRAM42に記憶する。
【0079】電源36とCPU40との間には、CPU
40から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換
して電源36に出力するD/A変換器53が配設されて
いる。電源36の電圧比較部の基準電源としてD/A変
換器53からのアナログ信号が用いられ、電源出力電圧
はこの信号によって電圧調整範囲内で変化させられてい
る。
【0080】印刷画像の濃度の調整動作について説明す
る。まず、印刷画像の濃度の手動調整動作について説明
する。
【0081】第1の実施例と同様に、孔版印刷装置を作
動させて印刷用紙に対して印刷を開始する。オペレータ
は、印刷された画像の濃度が淡い場合には、印刷画像の
濃度を濃くするために、濃度アップキー61bを押す。
濃度アップキー61bが押されることにより、プレスロ
ーラ20への印加電圧が高められて、プレスローラ20
と版胴2との間の電界強度が強められ、版胴2から印刷
用紙に転移するインキ量が増加する。インキの印刷用紙
への転移量が増加すると、印刷画像の濃度は濃くなる。
【0082】この逆に印刷された画像の濃度が濃い場合
には、印刷画像の濃度を淡くするために、濃度ダウンキ
ー61aを押す。濃度ダウンキー61aが押されること
により、プレスローラ20への印加電圧が低下され、プ
レスローラ20と版胴2との間の電界強度が弱まり、版
胴2から印刷用紙に転移するインキ量が減少する。イン
キの印刷用紙への転移量が減少すると、印刷画像の濃度
は淡くなる。
【0083】濃度ダウンキー61a及び濃度アップキー
61bによる手動調整は、電源36の電圧調整範囲内で
行われる。また、オペレータが裏移りや細字の潰れが発
生するおそれがある非常に濃い画像を要求する場合に
は、濃度アップキー61bによって画像濃度を電源36
の電圧調整範囲内で濃くすれば、非常に濃い画像を得る
ことができる。この逆に、非常に淡い画像を要求する場
合には、濃度ダウンキー61aによって画像濃度を電源
36の電圧調整範囲内で淡くすれば、非常に淡い画像を
得ることができる。
【0084】次に、印刷画像の濃度の自動調整動作につ
いて説明する。
【0085】まず、印刷画像の濃度の自動調整を行うた
めの基準濃度を設定する。試し刷り時において、画像が
印刷用紙に印刷される前に、マスタの画像先端部に作像
されている特定のパターンがセンサローラ55に印刷さ
れ、濃度測定センサ57が、センサローラ55の表面に
印刷された特定のパターンの濃度を検出する。この検出
された特定のパターンの濃度信号はCPU40に随時入
力される。
【0086】オペレータは、試し刷り時に印刷画像の濃
度を見て、印刷画像の濃度が満足できる状態になったと
きに濃度設定キー62を押す。濃度設定キー62が押さ
れることによって、そのときの印刷画像の濃度がCPU
40を介してRAM42に記憶される、すなわち、自動
調整を行うための基準濃度が設定される。
【0087】次に、連続印刷が開始されると、試し刷り
時と同様に画像が印刷用紙に印刷される前に、センサロ
ーラ55の表面に印刷された特定パターンの画像の濃度
信号が濃度測定センサ57からCPU40に入力され
る。CPU40は、RAM42内に記憶された基準濃度
と濃度測定センサ57により検出される濃度とを比較し
て、設定された基準濃度の印刷画像が得られるようにプ
レスローラ20への印加電圧を演算する。CPU40
は、算出された印加電圧に対応するデジタル信号をD/
A変換器53に出力して、電源36によるプレスローラ
20への印加電圧を調整する。この調整動作を印刷の度
ごとに行い、印刷画像の濃度の自動調整を行う。
【0088】次に、印刷画像の濃度の自動調整中に濃度
の手動調整を行った場合について説明する。
【0089】印刷画像の濃度の自動調整中に、濃度ダウ
ンキー61aまたは濃度アップキー61bが押される
と、自動調整を中断して濃度ダウンキー61a及び濃度
アップキー61bによる手動調整を優先する。自動調整
から手動調整に変わったとき、印刷画像の濃度の急変を
防止するために、自動調整のために設定された基準濃度
を引継ぎ、この基準濃度から濃度の手動調整を行う。こ
のとき、前述の手動調整時と同様に、手動調整は電源3
6の電圧調整範囲内で行われる。
【0090】印刷用紙に印刷される画像濃度に対応する
濃度を検出する画像濃度検出手段の変形例についていく
つか説明する。
【0091】この濃度を検出するためにプレスローラ2
0を使用する変形例を図16に示す。同図に示すよう
に、プレスローラ20をセンサローラ55として兼用す
る。この場合には、プレスローラ20の表面を白色系の
材質で覆い、プレスローラ20の周囲に、プレスローラ
20の表面をクリーニングするクリーニングブレード5
8と、プレスローラ20の表面に印刷された特定のパタ
ーンの濃度を検出する画像濃度検出手段としての濃度測
定センサ59とをそれぞれ配設する。濃度測定センサ5
9は、検出した濃度の濃度信号をCPU40に出力す
る。
【0092】さらに、この濃度を検出するためにプレス
ローラ20へ流れる電流を検出する変形例を図17に示
す。同図に示すように、プレスローラ20の周囲には、
プレスローラ20の表面をクリーニングするクリーニン
グブレード90が配設されている。プレスローラ20と
電源30との間には、プレスローラ20へ流れる電流を
検出する電流測定手段91が配設されている。電流測定
手段91には、プレスローラ20へ流れる電流値を積分
する積分手段92が接続されている。積分手段92は、
CPU40に接続されており、CPU40に画像濃度の
信号、すなわち、プレスローラ20へ流れる電流値の積
分値の信号を出力し、CPU40からその画像濃度の信
号をリセットするリセット信号を入力される。
【0093】この場合には、電流測定手段91によっ
て、特定のパターンをプレスローラ20に印刷するとき
に流れる電流値を検出する。次に積分手段92によっ
て、検出された電流値を積分して積分値を算出すること
により、印刷ドラム1からプレスローラ20に転移する
インキ量を算出することができる。プレスローラ20に
転移するインキ量に基づいてこの濃度が算出される。電
流測定手段91及び積分手段92によって画像濃度検出
手段が構成されている。
【0094】第4の実施例のブロック図を図18に示
す。同図において、図15に示す部材と同様の部材は、
図15で用いた符号と同一符号を付すにとどめてその説
明を省略し相違する点について説明する。
【0095】CPU40に接続されているROM41に
は、複数のインキの種類にそれぞれ対応した印加電圧調
整範囲及び基準電圧が記憶されている。印加電圧調整範
囲は、印刷画像の濃度調整の範囲を決定し、基準電圧
は、印刷画像の濃度を標準的な濃度にするためのもので
ある。RAM42には、ROM41から読み出された印
加電圧調整範囲及び基準電圧のデータが記憶される。R
AM42には、図示しないバックアップバッテリが設け
られており、孔版印刷装置の電源が切られても、記憶さ
れたデータが消去されないように構成されている。すな
わち、一度、RAM42にデータが記憶されると、リセ
ット信号を外部からRAM42に入力しない限り、RA
M42内のデータは保持され、次回からはRAM42内
のデータを用いて印刷が行われる。
【0096】CPU40に接続されている操作パネル6
0には、RAM42に記憶されている複数のインキの中
から印刷に用いるインキを指定するとともに、このイン
キに対する各データを表示・編集する、インキ指定手段
としての表示編集部63が設けられている。表示編集部
63の図示しない編集キーによって、RAM42に記憶
されているインキの種類の追加・廃止や、インキの印加
電圧調整範囲及び基準電圧の数値変更の編集を行い、R
AM42に記憶されているインキに対する各データの更
新を行う。
【0097】CPU40には、電話回線を利用して遠隔
地とデータ通信を行う通信手段43が接続されている。
通信手段43を用いることにより、遠隔地からRAM4
2に記憶されているインキに対する各データを更新する
ことが可能となり、装置の遠隔診断も可能となる。遠隔
診断を行うことにより、故障の発生を直ちに検知するこ
とができ、重大な故障に進展する前に対策を施すことが
できる。
【0098】RAM42内のデータ編集動作について説
明する。孔版印刷装置の電源を入れると、ROM41及
びRAM42からCPU40にインキに対する各データ
が読み込まれる。このとき、RAM42内にデータが記
憶されていない場合には、ROM41内のデータが自動
的にRAM42に記憶され、このデータが表示編集部6
3に表示される。RAM42内にデータが記憶されてい
る場合には、RAM42内のデータが表示編集部63に
表示される。表示編集部63の編集キーによって、表示
編集部63に表示されたインキの中から装置に装着され
ているインキ、すなわち、印刷に使用するインキを指定
するとともに、必要があれば指定したインキのデータを
希望する印刷条件に合うように編集してRAM42に記
憶する。この後、印刷を行う。
【0099】第5の実施例のブロック図を図19に示
す。同図において、図15に示す部材と同様の部材は、
図15で用いた符号と同一符号を付すにとどめてその説
明を省略し相違する点について説明する。
【0100】インキカートリッジ12には、インキの種
類、インキの製造年月日等のインキに関するデータが記
憶手段としてのRAM12bによって記憶されていると
ともに、インキの保存状態を表示する表示部12aが設
けられている。RAM12bは、インキカートリッジ1
2に一体的に設けられ、バッテリバックアップされてい
る。表示部12aには、エマルジョンインキが推奨保存
温度の範囲から逸脱した場合に変色する感熱塗料が塗布
されている。これは、一般にエマルジョンインキは保存
温度によってその特性が大きく変化するためである。表
示部12aを設けることによって、インキカートリッジ
12を装置に装着する前に、インキカートリッジ12内
のインキの保存状態を判断することができ、特性の変化
したインキを装置に装着することを防止できる。
【0101】CPU40には、インキカートリッジ12
に記憶されているデータを読み取るインキ識別手段70
と、インキカートリッジ12内のインキの引火性を判定
するインキ引火性判定手段としてのガスセンサ72とが
接続されている。インキ識別手段70は、インキカート
リッジ12の近傍に配設されており、インキカートリッ
ジ12のRAM12bから読み取ったデータをCPU4
0に出力する。ガスセンサ72は、インキ供給パイプ1
3(図2参照)の途中部分に配設されており、インキカ
ートリッジ12内のインキの気化により発生する可燃性
ガスの濃度を検出する。また、インキカートリッジ12
の近傍には、装置に装着されていた期間と、その期間内
に印刷された印刷枚数と、装置内の温度との各データを
インキカートリッジ12のRAM12bに書き込むデー
タ書込み手段71が配設されている。データ書込み手段
71によって、各データをインキカートリッジ12のR
AM12bに書き込むことにより、インキの貯蔵状態等
を記録することができ、故障診断が容易になる。
【0102】CPU40に接続されているROM41に
は、複数のインキの種類にそれぞれ対応した印加電圧調
整範囲及び基準電圧に加えて、インキ特性の経時変化に
応じた印加電圧調整範囲及び基準電圧の補正データが記
憶されている。
【0103】次に、印加電圧調整範囲及び基準電圧の設
定について説明する。
【0104】オペレータは、インキカートリッジ12の
表示部12aを確認して、推奨保存温度の範囲から逸脱
したことのないインキカートリッジ12を装置に装着す
る。インキカートリッジ12が装置に装着されると、イ
ンキ識別手段70は、インキカートリッジ12のRAM
12bからインキの種類、インキの製造年月日等のイン
キに関するデータ、前回装置に装着されていた期間及び
その期間内に印刷された印刷枚数等の使用状態に関する
各データを読み取り、その各データをCPU40に出力
する。
【0105】まず、CPU40は、前回装置に装着され
ていた期間と、その期間内に印刷された印刷枚数とを比
較して、インキカートリッジ12内のインキが異常な状
態(例えば、保証期間切れ、印刷枚数との関係により途
中でインキが補充された痕跡があること等)であるかど
うかを診断する。この診断によりインキカートリッジ1
2が正常と判断されると、CPU40は、インキ識別手
段70から入力されるデータに基づいて、インキの種類
を特定するとともに、インキの製造年月日を特定する。
CPU40は、インキの製造年月日とCPU40が具備
している現在の年月日と比較してインキ製造後からの経
過時間を算出する。CPU40は、ROM41に記憶さ
れている複数のインキの種類にそれぞれ対応した印加電
圧調整範囲及び基準電圧から、装置に装着されたインキ
に適合した印加電圧調整範囲及び基準電圧を選択すると
ともに、ROM41から経過時間に対応する印加電圧調
整範囲及び基準電圧の補正データを読み出し、この補正
データに基づいて印加電圧調整範囲及び基準電圧を補正
する。その後、補正された印加電圧調整範囲及び基準電
圧に基づいて、プレスローラ20への印加電圧を調整す
る。
【0106】このように、印刷に用いるインキを自動的
に検出して、このインキに応じた印加電圧調整範囲及び
基準電圧を選択することにより、装置の自動化を図るこ
とができ、オペレータによる誤操作を防止できるととも
に、オペレータの操作負担を低減することができる。よ
って、印刷に用いるインキに応じた給電量調整範囲及び
基準給電量を自動的に、かつ最適な数値に設定すること
ができる。
【0107】また、CPU40は、装置に装着されたイ
ンキが印刷には不適当であると判断した場合に、操作パ
ネル60に設けられている警告表示ランプ64を点灯さ
せてオペレータにインキが不適当であることを警告する
とともに、インキパイプ7(図2参照)へのインキの供
給を禁止する。
【0108】CPU40により、装置に装着されたイン
キが印刷には不適当であると判断される場合は、例え
ば、次のとおりである。
【0109】1.インキカートリッジ12の装置への装
着時に、インキ識別手段70によって、インキカートリ
ッジ12のRAM12bからインキに関するデータを読
み出せない場合。
【0110】2.CPU40によりインキの使用期限が
過ぎていると判定された場合。
【0111】3.ガスセンサ72によりインキから発生
するガスに引火性があると判定された場合。このガスの
引火性判定は次のように行われる。インキカートリッジ
12の装置への装着時に、ガスセンサ72は、インキカ
ートリッジ12内のインキから発生する可燃性ガスの濃
度を検出し、この検出値と電界形成時に発生する高電圧
によるスパークが可燃性ガスに引火するおそれがある引
火濃度とを比較し、検出値が引火濃度以上である場合
に、インキから発生するガスに引火性があると判定す
る。
【0112】よって、使用期限切れのインキ、種類等が
判断できないインキ、あるいは引火のおそれがあるイン
キ等が装置に供給されても、これらのインキの使用を禁
止するので、装置に故障等が発生することを未然に防止
できる。また、インキカートリッジ12を再利用したと
き、誤って引火のおそれがあるインキをインキカートリ
ッジ12に封入した場合でも、インキの使用を禁止す
る。
【0113】第5の実施例において、インキカートリッ
ジ12からインキの種類、インキの製造年月日を検出す
るには、記憶手段をRAM12bに代えて、バーコー
ド、ホログラムパターン、磁気パターン、電気接点、カ
ラーコード、凹凸の有無で構成しても良い。インキの種
類だけを検出するのであれば、インキ供給パイプ13に
設けられた図示しないインキ色相検出手段、インピーダ
ンス測定手段等からインキの種類を検出しても良い。ま
た、ROMをインキカートリッジ12に内蔵し、インキ
の種類及びインキの製造年月日をROMに記憶して、こ
のROMからインキの種類及びインキの製造年月日を検
出しても良い。
【0114】第5の実施例の説明では、インキ特性の経
時変化に応じた印加電圧調整範囲及び基準電圧の補正デ
ータをROM41に記憶していたが、この補正データを
RAM12bあるいはインキカートリッジ12に内蔵し
たROMに記憶しても良い。この場合には、CPU40
内でインキ製造後からの経過時間を算出した後、経過時
間に対応する補正データをインキ識別手段70を介して
インキカートリッジ12のRAM12bあるいはROM
から読み出す。
【0115】次に、第6の実施例について説明する。こ
の第6の実施例では、局部的な故障が進行して重大な故
障に至る前に、局部的な故障である段階にこの故障を検
出するものである。まず、局部的な故障、例えば、プレ
スローラの絶縁層にピンホールがある場合について説明
する。
【0116】外周面に絶縁層が形成されているプレスロ
ーラに高電圧を印加して、版胴とプレスローラとの間に
電界を形成している孔版印刷装置において、絶縁層にピ
ンホールと呼ばれる細孔が形成されると、電源に定電圧
電源を用いた場合にはプレスローラの回転に同期して電
流増加が発生する(電源に定電流電源を用いた場合には
プレスローラの回転に同期して電圧低下が発生する)。
この現象は、印刷不能になるような故障が発生する初期
段階で発生するものであり、この現象を検出して装置を
停止すれば、印刷不能になる故障を未然に防止すること
ができる。
【0117】図20を用いて、電源に定電圧電源を用い
た場合におけるプレスローラが正常であるときの電流変
化とプレスローラが異常であるとき(プレスローラにピ
ンホールが一つ発生した場合)の電流変化との相違につ
いて説明する。図20において、印刷用紙を1枚印刷す
るときの正常時と異常時の電流値の変化を示す。同図に
おいて、符号Eはプレスローラが1回転に要する時間を
示している。
【0118】正常時には、印刷を開始するときに、電界
形成のためにプレスローラに一時的に大電流が流れる
が、その後は印刷が終了するまで、プレスローラに略一
定の電流が流れる。これに対し、異常時には、印刷を開
始するときに、まず、電界形成のためにプレスローラに
大電流が流れ、その後は印刷が終了するまでに、プレス
ローラの1回転毎、すなわち、ピンホールが版胴に押圧
される毎に大電流がプレスローラに流れる。したがっ
て、異常時には、ピンホールの数によって、プレスロー
ラに周期的または継続的に大電流が流れる。
【0119】そこで、この特性を検出してプレスローラ
が異常であるかどうかを判定するため、プレスローラへ
の給電量を検出する給電量検出手段と、給電量検出手段
により検出された給電量に基づいて、プレスローラが異
常であると判定する判定手段とを孔版印刷装置に設け
た。以下、給電量検出手段と判定手段とについて説明す
る。
【0120】図21に第6の実施例のブロック図を示
す。同図において、図15に示す部材と同様の部材は、
図15で用いた符号と同一符号を付すにとどめてその説
明を省略し相違する点について説明する。
【0121】図21において、プレスローラ29の外周
面には、フッ素系塗料やエポキシ系塗料からなる絶縁層
29aが形成されている。プレスローラ29には、第1
の実施例の変形例として説明した定電圧電源39が接続
されている。定電圧電源39とプレスローラ29との間
には、プレスローラ29への電流値を検出する給電量検
出手段としてのコンパレータ80が配設されている。コ
ンパレータ80は、プレスローラ29へ流れる電流値が
異常であるかどうかを判定する電流異常判定しきい値を
有しており、このしきい値とプレスローラ29への電流
値とを比較して、プレスローラ29への電流値がしきい
値を越えた場合にプレスローラ29に異常な電流が流れ
たと判断し、異常電流信号を後述するリトリガラブルタ
イマ82に出力する。
【0122】コンパレータ80には、プレスローラ29
が異常であるかどうかを判定する判定手段81が接続さ
れている。判定手段81は、所定基本時間、すなわち、
プレスローラ29が一回転に要する時間よりも長い時間
で自動的に復帰するリトリガラブルタイマ82と、リト
リガラブルタイマ82がオンしている時間を計測するタ
イマ時間計測手段83とから構成されている。リトリガ
ラブルタイマ82は、コンパレータ80からの信号が入
力されると計時を開始する。タイマ時間計測手段83
は、プレスローラ29が異常であるかどうかを判定する
ための異常判定基準時間を有しており、この異常判定基
準時間とリトリガラブルタイマ82が計時する時間とを
比較し、リトリガラブルタイマ82によって計時される
時間が異常判定基準時間よりも長いとき、プレスローラ
29が異常である、すなわち、プレスローラ29にピン
ホールが発生していると判定し、この信号をCPU40
に出力する。
【0123】次に、プレスローラ29が正常であるとき
の測定結果と、プレスローラ29が異常であるときの測
定結果とを図22,23を用いてそれぞれ説明する。
【0124】まず、プレスローラ29が正常である場合
について説明する。図22において、符号Fはプレスロ
ーラ29に流れる電流値の変化を、符号Gは電流異常判
定しきい値を、符号Hは電界形成時にプレスローラ29
に一時的に流れる電流によるスパイク状のノイズを、符
号Iはリトリガラブルタイマ82の計時時間を、符号i
はリトリガラブルタイマ82の所定基本時間を、符号J
はタイマ時間計測手段83による計測時間を、符号Kは
異常判定基準時間をそれぞれ示している。なお、符号E
は、図20に示すプレスローラが1回転するのに要する
時間Eと同時間を示す。
【0125】電界形成時に、プレスローラ29に一時的
にしきい値Gを越える電流が流れる。コンパレータ80
は、プレスローラ29にしきい値Gを越えた電流が流れ
たことを検出すると、リトリガラブルタイマ82の作動
信号をリトリガラブルタイマ82に出力する。リトリガ
ラブルタイマ82は、計時を開始するとともに、プレス
ローラ29が1回転に要する時間Eよりも長い所定基本
時間i後に復帰する。この動作に連動して、タイマ時間
計測手段83は、リトリガラブルタイマ82の作動時間
を計測し、この計測時間Jと異常判定基準時間Kとを比
較する。この場合、計測時間Jが異常判定基準時間Kよ
りも短いので、プレスローラ29は正常であると判断さ
れる。
【0126】次に、プレスローラ29が異常である場合
(プレスローラ29にピンホールが一つある場合)につ
いて説明する。図23において、図22に示す符号と同
符号はその説明を省略する。また、同図において、符号
H1,H2,H3はピンホールによりプレスローラ29
に流れる電流によるスパイク状のノイズを、符号I1は
リトリガラブルタイマ82の計時時間を、符号J1はタ
イマ時間計測手段83による計測時間を、符号Lは異常
判定信号をそれぞれ示している。
【0127】プレスローラ29が正常であるときと同様
に、電界形成時、プレスローラ29に一時的にしきい値
Gを越える電流が流れると、コンパレータ80は、リト
リガラブルタイマ82の作動信号をリトリガラブルタイ
マ82に出力する。作動信号によってリトリガラブルタ
イマ82は計時を開始する。リトリガラブルタイマ82
の計時中、すなわち、プレスローラ29が1回転に要す
る時間Eの間に、ピンホールにより再度、プレスローラ
29にしきい値Gを越える電流(ノイズH1)が流れ
る。電流H1により、コンパレータ80は、リトリガラ
ブルタイマ82の作動信号をリトリガラブルタイマ82
に再出力する。この作動信号によって、リトリガラブル
タイマ82は、再度計時を開始し、所定基本時間iを経
過しても復帰せず、計時を続行する。さらに、電流(ノ
イズH2,H3)により、同様にしてリトリガラブルタ
イマ82が復帰する前に、リトリガラブルタイマ82
は、再度計時を開始し、所定基本時間iを経過しても計
時を続行する。このように、リトリガラブルタイマ82
は、復帰することなく連続して計時を行う。この動作に
連動して、タイマ時間計測手段83も、リトリガラブル
タイマ82の作動時間を計測し続ける。タイマ時間計測
手段83は、計測を続行するとともに、計測時間J1と
異常判定基準時間Kとを比較する。計測時間J1が異常
判定基準時間Kを越えると、タイマ時間計測手段83
は、異常判定信号LをCPU40に出力するとともに、
プレスローラ29に異常が発生している、すなわち、少
なくとも一つのピンホールがプレスローラ29にあると
判断する。CPU40は、異常判定信号Lを入力される
ことにより、プレスローラ29への電圧印加を中止して
孔版印刷装置の動作を停止するとともに、操作パネル6
0の警告表示ランプ64を点灯させて、プレスローラ2
9に異常が発生したことをオペレータに報知する。
【0128】以上説明したように、ピンホールがプレス
ローラ29に発生した段階で、プレスローラ29の異常
を検出できるので、印刷不能になるような重大な故障を
未然に防止することができる。
【0129】前述の実施例の説明では、リトリガラブル
タイマ82と計測手段83とから構成される判定手段8
1を用いてプレスローラ20の異常を判定したが、異常
判定基準時間Kとリトリガラブルタイマ82が計時する
時間とを比較し、この比較結果に基づいてプレスローラ
20の異常を判定する判定プログラムを判定手段81に
代えて用いても良い。この判定プログラムを使用する場
合には、判定プログラムをROM41に予め記憶し、プ
レスローラ20の異常を判定するときに、ROM41か
ら判定プログラムを読み出して、リトリガラブルタイマ
82からCPU40に入力される信号を判定プログラム
で判定する。なお、第2の実施例で説明しているよう
に、プレスローラの除電のためにプレスローラに大電流
が流れることが予めわかっている場合には、大電流が流
れるときに、判定手段81による判定結果を無効とする
回路または機能を判定手段81に付加すれば良い。
【0130】以上説明した各実施例では、押圧手段にプ
レスローラを用いた例について説明したが、プレスロー
ラに代えて圧胴を用いた孔版印刷装置についても、本発
明を適用できることは勿論である。圧胴を用いた場合に
は、版胴への機械的圧力が低くなるために電界によるイ
ンキ転移のしめる割合が高くなる。圧胴を用いた場合に
は、圧胴の外周部は、電圧が印加される導電層とこの導
電層の外周に形成される高抵抗層とから構成される。こ
のように構成することで、版胴面と圧胴面との間に電界
が形成されて、電気的引力がインキに作用するため、圧
力むらが発生しにくくなりインキの転移量を多くでき
る。
【0131】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、押圧部材によって版胴を押圧したとき、版胴と
押圧部材との間にインキを版胴から印刷用紙に転移させ
る向きに電界が形成される。この電界の影響によって誘
導電荷を持ったインキは、印刷用紙側に引き寄せられて
印刷用紙に転移される。この結果、版胴からのインキの
滲出量が増加する。したがって、押圧部材の押圧力を高
めなくても印刷画像の濃度を濃くすることができる。ま
た、押圧部材の押圧力を低く抑えられるので、版胴を支
持している支持部の破損を防止でき、版胴の耐久性を向
上でき、押圧時に発生する騒音も低減できる。さらに、
開孔密度が高く、かつ開孔径が小さく、剛性の低い版胴
を使用した場合でも、版胴を変形させることなく印刷を
行えるので、高階調性及び高解像度を両立させた高品質
の印刷画像を得ることができる。
【0132】請求項2の発明によれば、版胴と押圧部材
との間に電界を形成するために、版胴を接地して、押圧
部材による押圧時、給電手段により押圧部材に給電する
ので、電界形成時に発生する放電による版胴側への悪影
響が防止され、装置の信頼性を向上することができる。
【0133】請求項3の発明によれば、押圧部材の最外
層が、絶縁層または中抵抗層であるので、ショートある
いは放電の発生を低減でき、安定した電界を形成するこ
とができる。また、押圧部材の最外層に絶縁層または中
抵抗層がない場合よりも、押圧部材に多くの給電量を供
給でき、強い電界を形成することができる。
【0134】請求項4の発明によれば、給電手段が、定
電流電源または過電流保護装置付きの定電圧電源である
ので、押圧部材に所定値以上の給電が行われず、ショー
ト等の異常が発生しても、異常の進行を防止することが
できる。
【0135】請求項5の発明によれば、給電手段が、交
流電源または脈流電源であるので、押圧部材の除電効果
を得ることができる。
【0136】請求項6の発明によれば、除電手段によっ
て、押圧部材による押圧時以外に、押圧部材と除電部材
との間に、版胴と押圧部材との間に形成される電界とは
逆極性の電界を形成して押圧部材を除電するので、押圧
部材への電荷の蓄積が防止され、押圧部材の外周面がク
リーニングされる。したがって、押圧部材の外周面への
紙や埃の吸着を防止でき、紙や埃の吸着による事故も防
止できる。
【0137】請求項7の発明によれば、印刷用紙に印刷
される画像の濃度を設定する画像濃度設定手段と、画像
濃度設定手段による画像濃度の設定に応じて、給電手段
による押圧部材への給電量を調整する制御手段とを具備
するので、画像濃度設定手段による印刷画像の濃度設定
によって、押圧部材への給電量が調整されて印刷画像の
濃度が調整される。したがって、オペレータは、印刷さ
れた印刷画像の濃度を見ながら、簡単な操作で印刷され
る画像の濃度を調整することができる。
【0138】請求項8の発明によれば、制御手段によっ
て、画像濃度検出手段に検出された画像濃度と、画像濃
度記憶手段に記憶された画像濃度とが比較され、検出さ
れた画像濃度が記憶されている画像濃度と同じになるよ
うに押圧部材への給電量が自動的に調整される。したが
って、印刷画像の濃度調整を頻繁に行う手間を省くこと
ができ、一度、画像濃度を記憶させるのみで、均一な画
像濃度で高品質の印刷物を安定して得ることができる。
【0139】請求項9の発明によれば、押圧部材への給
電量の自動調整中に、手動調整による調整、すなわち、
画像濃度設定手段による画像濃度の調整が行われたと
き、自動調整時に設定された給電量を一時的に引き継ぐ
ので、印刷画像の急激な濃度変化を防止することができ
る。また、自動調整よりも手動調整が優先されるので、
オペレータの要望に合った濃度の印刷画像を得ることが
できる。
【0140】請求項10の発明によれば、インキ指定手
段によってインクの種類を指定すると、この指定に応じ
て、制御手段によって、予め記憶されているインキの種
類にそれぞれ対応した給電量調整範囲及び基準給電量の
うちから、指定されたインキの種類に応じた給電量調整
範囲及び基準給電量が選択され、印刷に用いられるイン
キに応じた給電量調整範囲及び基準給電量で印刷が行わ
れる。したがって、印刷に用いるインクの給電量調整範
囲及び基準給電量の最適条件を容易に設定でき、印刷画
像の濃度調整を行う手間を省くことができ、高品質な印
刷物を得ることができる。
【0141】請求項11の発明によれば、インキを貯蔵
するインキ貯蔵部材を孔版印刷装置に装着したとき、イ
ンキ識別手段によって装置に装着されたインキが自動的
に識別され、この識別されたインキに応じて、制御手段
によって、給電量調整範囲及び基準給電量のうちから、
インキの種類に応じた給電量調整範囲及び基準給電量が
選択され、印刷に用いられるインキに応じた給電量調整
範囲及び基準給電量で印刷が行われる。したがって、装
置の自動化を図ることができ、オペレータによる誤操作
を防止できるとともに、オペレータの操作負担を低減す
ることができる。また、印刷に用いるインクに応じた給
電量調整範囲及び基準給電量を自動的に、かつ最適な数
値に設定することができる。
【0142】請求項12の発明によれば、インキ貯蔵部
材を孔版印刷装置に装着したとき、インキ識別手段がイ
ンキの製造時期を検出し、検出されたインキの製造時期
に基づいて、制御手段によって、インキ製造後からの経
過時間が算出され、この経過時間に応じて給電量調整範
囲及び基準給電量が補正される。したがって、インク特
性が経時変化しても、印加電圧調整範囲及び基準電圧の
数値を補正することで、インクの使用期間を延長するこ
とができ、印刷画像の濃度を良好な状態に維持すること
ができる。
【0143】請求項13の発明によれば、インキ貯蔵部
材の孔版印刷装置への装着時、インキ引火性判定手段
が、インキ貯蔵部材に貯蔵されているインキから発生す
るガスの引火性を判定し、この判定でインキのガスの引
火性が高いと判定されたとき、あるいはインキ識別手段
によりインキの種類が識別不能であるときに、制御手段
が、孔版印刷装置に装着されたインキが印刷には不適切
であることを警告するとともに、インキの版胴への供給
を禁止する。したがって、不適切なインクの使用による
故障の発生を未然に防止することができる。
【0144】請求項14の発明によれば、押圧部材への
給電量を検出する給電量検出手段と、給電量検出手段に
より検出された給電量に基づいて、押圧部材の異常判定
を行う判定手段とを具備しており、判定手段により押圧
部材が異常であると判定されたときに、制御手段が、押
圧部材への給電を遮断し、孔版印刷装置による印刷動作
を停止し、押圧部材の異常を警告する。したがって、押
圧部材の異常を初期段階で発見することができ、進行す
ると印刷不能になるような重大な異常を未然に防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す孔版印刷装置の概
略構成図である。
【図2】図1に示す版胴の側断面図である。
【図3】プレスローラの支持構造を示すプレスローラの
端部近傍の側断面図である。
【図4】プレスローラの別の支持構造を示すプレスロー
ラの端部近傍の側断面図である。
【図5】電界形成時のインキの移動を説明するプレスロ
ーラと版胴との押圧部の拡大図である。
【図6】プレスローラの変形例を示すプレスローラの端
部近傍の側断面図である。
【図7】電源に定電流電源を用いた場合の変形例を示す
概略構成図である。
【図8】電源に定電圧電源を用いた場合の変形例を示す
概略構成図である。
【図9】実験に用いた試作版胴の拡大表面図である。
【図10】画像濃度の変化についての実験結果であり、
(a)はプレスローラの押圧力を増減する方法と、この
方法に加えてプレスローラと版胴との間に電界を形成す
る方法とにおける画像濃度の特性図を、(b)はプレス
ローラの押圧力及び印刷速度をそれぞれ高低させた場合
において、印加電圧を変化させた場合の画像濃度の特性
図をそれぞれ示す。
【図11】本発明の第2の実施例を示す除電手段の概略
構成図である。
【図12】電界形成時及び除電時におけるプレスローラ
及び除電ブラシの電位変化を示す特性図である。
【図13】第2の実施例の変形例である除電方法が異な
るときの、電界形成時及び除電時におけるプレスローラ
及び除電ブラシの電位変化を示す特性図である。
【図14】第2の実施例の別の変形例である除電方法が
異なるときの、電界形成時及び除電時におけるプレスロ
ーラ及び除電ブラシの電位変化を示す特性図である。
【図15】本発明の第3の実施例を示すブロック図であ
る。
【図16】第3の実施例の変形例を示すブロック図であ
る。
【図17】第3の実施例の別の変形例を示すブロック図
である。
【図18】本発明の第4の実施例を示すブロック図であ
る。
【図19】本発明の第5の実施例を示すブロック図であ
る。
【図20】電源に定電圧電源を用いた場合におけるプレ
スローラが正常であるときと異常であるときの電流変化
を示す特性図である。
【図21】本発明の第6の実施例を示すブロック図であ
る。
【図22】プレスローラが正常であるときの、コンパレ
ータに流れる電流値、リトリガラブルタイマの作動状態
及びリトリガラブルタイマの作動時間の各測定結果を示
す特性図である。
【図23】プレスローラに異常があるときの、コンパレ
ータに流れる電流値、リトリガラブルタイマの作動状
態、リトリガラブルタイマの作動時間及び異常判定の出
力の各測定結果を示す特性図である。
【符号の説明】
1 印刷ドラム 2 版胴 12 インキカートリッジ 14 接地手段 20 プレスローラ 26a 絶縁層 30 電源 31 定電流電源 33 定電圧電源 37 接続切換手段 40 CPU 41 ROM 42 RAM 50 除電ブラシ 57,59 濃度測定センサ 60 操作パネル 61 濃度調整キー 63 表示編集部 70 インキ識別手段 72 ガスセンサ 80 コンパレータ 81 判定手段 82 リトリガラブルタイマ 91 電流測定手段 92 積分手段 M マスタ P 印刷用紙

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製版された孔版原版を版胴に巻装し、上記
    版胴にインキを供給し、印刷用紙を押圧部材で上記孔版
    原版に押圧し、上記インキを上記印刷用紙に滲み出させ
    て印刷する孔版印刷装置において、 上記押圧部材による押圧時、上記版胴と上記押圧部材と
    の間に、上記インキを上記版胴から上記印刷用紙に転移
    させる向きに電界を形成する電界形成手段を具備するこ
    とを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 【請求項2】上記押圧部材による押圧時、上記押圧部材
    に給電する給電手段と、上記版胴を接地電位とする接地
    手段とを具備することを特徴とする請求項1記載の孔版
    印刷装置。
  3. 【請求項3】上記押圧部材の最外層が、絶縁層または中
    抵抗層であることを特徴とする請求項1または2記載の
    孔版印刷装置。
  4. 【請求項4】上記給電手段が、定電流電源または過電流
    保護装置付きの定電圧電源であることを特徴とする請求
    項2または3記載の孔版印刷装置。
  5. 【請求項5】上記給電手段が、交流電源または脈流電源
    であることを特徴とする請求項2または3記載の孔版印
    刷装置。
  6. 【請求項6】上記押圧部材の近傍に配設された除電部材
    と、 上記押圧部材による押圧時以外に、上記押圧部材と上記
    除電部材との間に、上記版胴と上記押圧部材との間に形
    成される電界とは逆極性の電界を形成して上記押圧部材
    を除電する除電手段と、 を具備することを特徴とする請求項2または3記載の孔
    版印刷装置。
  7. 【請求項7】上記印刷用紙に印刷される画像の濃度を設
    定する画像濃度設定手段と、 上記画像濃度設定手段による画像濃度の設定に応じて、
    上記給電手段による上記押圧部材への給電量を調整する
    制御手段と、 を具備することを特徴とする請求項2,3または6記載
    の孔版印刷装置。
  8. 【請求項8】印刷用紙に印刷される画像濃度に対応する
    濃度を検出する画像濃度検出手段と、印刷用紙に印刷さ
    れる画像濃度を記憶する画像濃度記憶手段とを具備し、 上記制御手段が、上記画像濃度検出手段に検出された濃
    度と、上記画像濃度記憶手段に記憶された画像濃度とを
    比較し、検出される濃度が記憶されている画像濃度と同
    じになるように上記給電手段による上記押圧部材への給
    電量を自動的に調整することを特徴とする請求項7記載
    の孔版印刷装置。
  9. 【請求項9】上記押圧部材への給電量を自動的に調整し
    て印刷を行っている場合に、上記画像濃度設定手段によ
    り上記画像濃度が設定されたとき、 上記制御手段が、上記画像濃度記憶手段に記憶されてい
    る画像濃度に応じた給電量を引き継いで使用するととも
    に、自動的に行われる給電量調整よりも上記画像濃度設
    定手段による給電量調整を優先することを特徴とする請
    求項8記載の孔版印刷装置。
  10. 【請求項10】印刷に用いる上記インキの種類を指定す
    るインキ指定手段を具備し、 上記制御手段が、上記インキの種類にそれぞれ対応した
    給電量調整範囲及び基準給電量を予め記憶しているとと
    もに、これらの給電量調整範囲及び基準給電量のうちか
    ら、上記インキ指定手段により指定された上記インキの
    種類に応じた上記給電量調整範囲及び上記基準給電量を
    選択することを特徴とする請求項7,8または9記載の
    孔版印刷装置。
  11. 【請求項11】上記インキを貯蔵するインキ貯蔵部材を
    上記孔版印刷装置に装着したとき、上記インキの種類を
    自動的に識別するインキ識別手段を具備し、 上記制御手段が、上記給電量調整範囲及び上記基準給電
    量のうちから、上記インキ識別手段により識別された上
    記インキの種類に応じた上記給電量調整範囲及び上記基
    準給電量を選択することを特徴とする請求項7,8,9
    または10記載の孔版印刷装置。
  12. 【請求項12】上記インキ識別手段が上記インキの製造
    時期を検出し、 上記制御手段が、上記インキ識別手段により検出される
    上記インキの製造時期に基づいてインキ製造後からの経
    過時間を算出し、この経過時間に応じて上記給電量調整
    範囲及び上記基準給電量を補正することを特徴とする請
    求項11記載の孔版印刷装置。
  13. 【請求項13】上記インキ貯蔵部材を上記孔版印刷装置
    に装着したとき、このインキ貯蔵部材に貯蔵されている
    上記インキから発生するガスの引火性を判定するインキ
    引火性判定手段を具備し、 上記インキ識別手段により上記インキの種類が識別不能
    であるとき、あるいは上記インキ引火性判定手段により
    上記インキのガスの引火性が高いと判定されたときに、
    上記制御手段が、上記孔版印刷装置に装着された上記イ
    ンキが印刷には不適当であることを警告するとともに、
    上記インキの上記版胴への供給を禁止することを特徴と
    する請求項11または12記載の孔版印刷装置。
  14. 【請求項14】上記押圧部材への給電量を検出する給電
    量検出手段と、 上記給電量検出手段により検出された給電量に基づい
    て、上記押圧部材の異常判定を行う判定手段とを具備
    し、 上記判定手段により上記押圧部材が異常であると判定さ
    れたときに、上記制御手段が、上記押圧部材への給電を
    遮断し、上記孔版印刷装置による印刷動作を停止し、上
    記押圧部材の異常を警告することを特徴とする請求項7
    記載の孔版印刷装置。
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