JPH1043655A

JPH1043655A - 高粘度材料カートリッジによるディスペンサと多段シリンダ

Info

Publication number: JPH1043655A
Application number: JP22048896A
Authority: JP
Inventors: Nobuo Kito; 信雄木藤; Mitsuhiro Shiraiwa; 充弘白岩
Original assignee: Anest Iwata Corp
Current assignee: Anest Iwata Corp
Priority date: 1996-08-02
Filing date: 1996-08-02
Publication date: 1998-02-17

Abstract

(57)【要約】【目的】高粘度材料カートリッジの凹状ピストンを押
圧して吐出するディスペンサの、押圧するための機構の
改善と、カートリッジケースの改善を目的とすると共
に、押圧機構に多段シリンダを用い、該多段シリンダの
他用途への応用を図るものである。【構成】側面開放型のカートリッジケース上に多段シ
リンダを配設し、該多段シリンダが固定外周シリンダと
複数の内周シリンダをもち、内周シリンダが、カートリ
ッジの凹状ピストンを押圧しながら第一段、第二段、第
三段と順次伸長し、押圧終了後、制御回路に配設したエ
ゼクタによる負圧によって基点に戻る伸縮作動の多段シ
リンダである。また、カートリッジケースには、カート
リッジの吐出ノズルを付設したまま装着できる切欠部を
設けて装着を容易とした、また、上記多段シリンダが他
の押圧を主体とする他用途に適応できるエアシリンダと
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】電気機械、自動車産業、建築産業
等の分野において、接着剤、シーリング材、充填材等の
高粘度材料を円筒状の容器に充填封入したカートリッジ
を、吐出装置に装着して、圧縮空気等によって押圧加圧
して吐出するディスペンサの改良と、該ディスペンサを
適応例として使用するエアシリンダに関する。

【０００２】

【従来の技術】接着剤、シーリング材等の高粘度材料を
円筒容器に充填封入し、該円筒容器の一方の端部に、高
粘度材料を押出すための、プレス品等からなる凹状ピス
トンが、蓋を兼用してカートリッジのシリンダ部に嵌入
され、他端に吐出口および、吐出ノズルが取付けられて
いる使い捨て形のカートリッジが、高粘度材料の販売と
ともに市販されている。該カートリッジを使用して、被
塗物に塗付または、隙間等に注入乃至は、充填するディ
スペンサには、ばね圧等を利用する手動押圧式または、
圧縮空気圧力による自動押圧式等、多くの種類のものが
公知のものとして存在している。そして、一般産業用に
主に使用されるのは、圧縮空気を使用して自動的に押圧
加圧して吐出する遠隔制御可能なディスペンサである。

【０００３】前記自動押圧加圧式ディスペンサに、代表
例として、加圧タンク内に前記カートリッジを収納し、
加圧タンクに圧縮空気を供給してカートリッジの凹状ピ
ストンを圧縮空気で直接加圧して吐出する方法、他の例
として、前記カートリッジを開放型のカートリッジケー
スに装着し、カートリッジケース上にエアシリンダを取
付け、エアシリンダの作動軸で、前記凹状ピストンを押
圧して高粘度材料を吐出する方法がある。

【０００４】加圧タンク内に前記カートリッジを収納し
て圧送吐出する装置として、本出願人が出願した特願平
７−６１９０４高粘度材料定量吐出装置もその一例であ
るが、この方式は材料補給時加圧タンクで加圧した圧縮
空気を抜気し、加圧タンクの蓋を取外してカートリッジ
を交換補給しなければならない繁雑さ、およびカートリ
ッジの凹状ピストンが、カートリッジのシリンダ部で傾
斜して動かなくなることがあることで、その対策が必要
となっている難点をもっている。

【０００５】前記側面開放型のカートリッジケース上に
エアシリンダを配設して、エアシリンダの作動軸でカー
トリッジの凹状ピストンを押圧する方法は、本出願人が
出願した特願平７−２６２３８５高粘度材料定量吐出装
置および方法が、その一例である。カートリッジケース
上にエアシリンダを配設する方法において、該エアシリ
ンダが、カートリッジの長さ分のエアシリンダが必要
で、そのためカートリッジセット部の高さが高くなり、
装置がコンパクトにならない難点をもっている。特に、
ロボット等の自動塗付機械に装着して作業を行う場合、
大きな障害となるものである。また、この方法は、カー
トリッジの交換補給が容易である利点をもつが、加圧タ
ンク方式に比較して、形状が大きくなり、カートリッジ
から直接塗付する、カートリッジ一本のみの、ディスペ
ンサとする場合には実用的でなくなってしまう問題があ
る。

【０００６】また、側面開放型のカートリッジケースに
側面からカートリッジを装着する方法において、カート
リッジを傾斜させながら装着する方法が、先端吐出口部
の汚れと、取外し可能な吐出ノズルを装着したまま使用
するディスペンサでは、カートリッジケースを更に長く
しなければ装着できない難点があることが判明した。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】高粘度材料を充填封入
したカートリッジを用いて、定量吐出装置に装着する場
合または、前記カートリッジから直接被塗物に自動塗付
するカートリッジ単体のディスペンサにおいて、該カー
トリッジを側面開放型のカートリッジケースに装着し、
該カートリッジケースにエアシリンダを取付けて圧縮空
気によってカートリッジの凹状ピストンを押圧する機構
を具備するディスペンサであるとき、カートリッジの凹
状ピストンを押圧するための一般市販の通常のエアシリ
ンダが、長尺となるため、ディスペンサが小形化でき
ず、カートリッジを直接手で持つ等のハンドワークへの
適応または、自動塗付機械への適応において支障となる
問題があることより、これを改善するためのエアシリン
ダをもったディスペンサを得ることを目的とする。

【０００８】また、側面開放型のカートリッジケースに
カートリッジを装着するとき、吐出ノズルを付設したま
まの装着に難があること、およびカートリッジの吐出口
と、カートリッジケースとの接合部が、カートリッジの
着脱時に汚れる問題から、装着を容易にすると共に、汚
れを少なくするための、新たな装着手段を得ることを目
的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、高粘度材料を
充填封入したカートリッジを、ディスペンサに装着する
ためのカートリッジケースを具備し、前記カートリッジ
の凹状ピストンを介して、高粘度材料を押圧圧送するた
めのエアシリンダを、カートリッジケース上に配設する
ディスペンサにおいて、カートリッジの凹状ピストンを
介して高粘度材料を、圧縮空気圧力によって押圧するた
めの前記凹状ピストン押圧機構が、中心軸をもたない複
数個の内周シリンダをもつ多段シリンダによる押圧機構
である高粘度材料によるディスペンサである。そして、
前記多段シリンダは、圧縮空気によって前記凹状ピスト
ンを押圧しながら内周シリンダが伸長し、押圧終了後、
多段シリンダ内を負圧にして、内周シリンダを基点位置
に戻すようにする多段シリンダであり、前記加圧、負圧
によって、内周シリンダが伸縮摺動する多段シリンダ
は、固定外周シリンダに対して、少なくとも二段階以上
の多段内周シリンダが嵌合付設されている多段シリンダ
を具備したディスペンサである。

【００１０】また、前記加圧、負圧によって内周シリン
ダが伸縮摺動する多段シリンダにおいて、内周シリンダ
を基点位置に戻すための負圧が、圧縮空気圧力によって
負圧を発生させるエゼクタが別体の制御回路に具備され
ている高粘度材料カートリッジによるディスペンサであ
る。

【００１１】また、前記カートリッジをディスペンサに
装着するためのカートリッジケースを具備するとき、該
カートリッジケースは、カートリッジケースの側面が開
放されていて、カートリッジの吐出ノズルを取付けたま
ま、カートリッジケース側面に対して垂直に、カートリ
ッジを装着できる切欠部を穿設したカートリッジケース
である高粘度材料によるディスペンサである。

【００１２】また本発明は、圧縮空気によって作動する
エアシリンダにおいて、中心作動軸をもたないエアシリ
ンダで、固定外周シリンダに対して、少なくとも二段階
以上の伸縮摺動多段内周シリンダを有し、該伸縮内周シ
リンダが、圧縮空気圧力によって伸長し、圧縮空気で発
生させるエゼクタからの負圧によって基点に戻る伸縮摺
動する多段エアシリンダで、該多段エアシリンダの物体
に作用する全伸長長さに対して、多段内周シリンダを収
納する、固定外周シリンダ長さを短縮化した多段シリン
ダである。

【００１３】

【作用】本発明の一実施例を図１および、多段シリンダ
の作動状態を示す図２（ａ）（ｂ）（ｃ）を参照して作
用を説明する。カートリッジケース（１）に高粘度材料
を充填封入したカートリッジ（２）が、吐出ノズル
（３）を付設したまま装着されている。側面開放型カー
トリッジケース（１）上に多段シリンダ（Ａ）が配設さ
れる。多段シリンダ（Ａ）は固定外周シリンダ（５）と
二個以上の円筒体で構成される二段以上で伸縮する内周
シリンダ（６）（７）（８）で構成され、第一段内周シ
リンダ（６）、第二段内周シリンダ（７）、第三段内周
シリンダ（８）と各段の内周に気密に摺動可能に嵌合さ
れている。そして、固定外周シリンダ（５）の下端がカ
ートリッジ（１）に嵌合されシリンダ接続カバー（４）
で取付けられ固定されている。シリンダ蓋（９）の中央
部に圧縮空気供給用エアジョイント（１１）が取付けら
れ、別体で設けられる制御部（Ｂ）から、可撓性エアホ
ース等によって圧縮空気が供給される。多段シリンダ
（Ａ）の第三段内周シリンダ（８）（セットされる段数
によって、第二段乃至は第四段等の最終内周シリンダ）
に押圧用座金（１２）が、止めビス（１３）で取付けら
れ、第一段内周シリンダ（６）の内周上端に円周溝（６
ｂ）が穿設されリテーナ（１８）が嵌入されている。そ
して、各内周シリンダの上端外周にＯリング溝（６ａ）
（７ａ）（８ａ）が穿設されＯリングが嵌入されて気密
に摺動伸縮するようになっている。

【００１４】上記構成の作動を図２（ａ）（ｂ）（ｃ）
で説明する。図２（ａ）において、エアジョイント（１
１）から供給された圧縮空気は固定外周シリンダ（５）
内を摺動する各段内周シリンダの全面を加圧し、先端押
圧座金（１２）でカートリッジ（２）の凹状ピストン
（２０）を押圧しているので、第一段内周シリンダ
（６）と共に各段内周シリンダも下降し、第一段内周シ
リンダ（６）が、外周シリンダ（５）の下端円周凸部に
接合して第一段の伸長が終了する。そして、図２（ｂ）
に示すように、次に第二段内周シリンダ（７）の伸長が
始まり、第一段内周シリンダ（６）の下端円周凸部に接
合して第二段の伸長が終了する。そして、図２（ｃ）に
示すように、次に第三段内周シリンダ（８）が伸長す
る。そして、伸長終了後は後述する負圧によって伸長し
た内周シリンダが基点に戻るようにしている。この内周
シリンダの段数は、二段乃至は、四段以上であってもよ
く適宜選択可能なものである。

【００１５】上記作動によって、エアシリンダの必要作
動長さに対して、エアシリンダの全長を１／２以下に短
縮することが可能となり、従来作動軸を持つエアシリン
ダまたは、ロッドレスシリンダでは、少なくとも作動長
さ分のシリンダ長さを必要としているが、本発明の多段
シリンダでは、上記のように１／２以下に短縮可能とな
り、装置のコンパクト化、ハンドリングでの取扱い性の
容易化に大きく貢献する効果をもつものである。

【００１６】図１の多段シリンダ（Ａ）の制御回路
（Ｂ）は、数気圧の調圧エア（１８）が、第一の三方電
磁弁（１４）を経て、可撓性のエアホース（１７）を介
して多段シリンダ（Ａ）に供給される。そして、内周シ
リンダが伸長してカートリッジ（２）の凹状ピストン
（２０）が押圧される。凹状ピストン（２０）がカート
リッジ（２）の高粘度材料の吐出が完了する下端まで多
段シリンダ（Ａ）が伸長して吐出作動が完了する。吐出
作動が完了した後、適当な負圧を発生させるための調圧
エア（１９）から第二の三方電磁弁（１６）が開かれ、
真空発生装置のエゼクタに送られる。エゼクタで発生し
た負圧は、第一の三方電磁弁の排気孔の流路を介して、
前記エアホース（１７）から空気が逆流して排気され、
多段シリンダ（Ａ）内が負圧となる。この負圧によって
伸長していた内周シリンダ（６）（７）（８）は基点位
置に戻される。この多段シリンダ（Ａ）は、押圧すると
きは力を必要とするが、基点に戻すときは殆ど力を必要
としない用途に使用する場合に有効な機構のエアシリン
ダである。

【００１７】そして、負圧によって基点に戻す多段シリ
ンダ（Ａ）の作動機能は、同一圧縮空気源からの空気圧
を利用し、極く小形、安価なエゼクタによって、多段シ
リンダの制御回路（Ｂ）が組まれ、ばね等を使用する引
き戻し方法に比較し、伸長長さに制限を受けず、かつ、
比較的簡易な機構および制御回路で多段シリンダが得ら
れる。

【００１８】図３を参照して、カートリッジ（２）を装
着する本発明の請求項５のカートリッジケース（１）に
ついて説明する。図３（ａ）はカートリッジ（２）に吐
出ノズル（３）を付設したまま側面開放型のカートリッ
ジケース（１）に装着した図で、図３（ａ）のＡ−Ａ矢
視図の図３（ｂ）で示すように、カートリッジケース
（１）の下端の吐出ノズル（３）が真横に挿入できるよ
うに、装着中心部まで切欠かれていて、図３（ｃ）に示
すように、吐出ノズル（３）を付設したカートリッジ
（２）をカートリッジケース壁面に対して垂直移動で装
着できるようにしたものである。このカートリッジケー
ス（１）は、取付部（２１）でディスペンサに取付ける
とき垂直または、傾斜させて、被塗物の塗付箇所に適応
させることから、カートリッジ（２）はできるだけ容易
に装着できることが必要である。そして、吐出ノズル
（３）を付設したまま装着できるようにしたことによっ
て、吐出ノズル（３）近傍での高粘度材料のはみ出し等
による汚れが皆無となり、取扱い容易なディスペンサと
なる。

【００１９】また、本出願のディスペンサは、従来技術
の先願例で説明した、吐出した高粘度材料を増圧機構、
フローガンを介して塗付する、定量吐出装置にも応用可
能なものであるが、本発明の主眼は、吐出ノズル（３）
を付設したカートリッジ（２）より直接被塗物に塗付す
るディスペンサとして小形、軽量、取扱性容易の利点を
効果的に活用できる構成としたものである。

【００２０】また、本発明の多段シリンダ（Ａ）は、デ
ィスペンサへの利用を一例としたもので、押圧を主体に
利用するエアシリンダとして他の用途に応用可能な一般
的なエアシリンダとして活用できるものである。

【００２１】

【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説
明する。但し、作用の項で説明した重複する部分は原則
省略する。また、各図共同一構成部品は同一符号を付
す。

【００２２】図１の本発明の全体構成模式図において、
１はカートリッジケース、２はカートリッジ、３はカー
トリッジに螺設される吐出ノズル、カートリッジケース
１には、取付部２１が取付けられ、図示しない取付台ま
たは、ロボット等の自動塗付装置に装着すためのもので
ある。カートリッジケース１の上端に多段シリンダＡが
取付けられる。多段シリンダＡは、固定外周シリンダ５
が、カートリッジケース１の内周に嵌合され接続カバー
４で固定されている。固定外周シリンダ５内に第一段内
周シリンダ６、第二段内周シリンダ７、第三段内周シリ
ンダ８が、摺動可能に嵌合されている。固定外周シリン
ダ５に、外周にＯリング溝９ａが穿設され、Ｏリングが
嵌入されているシリンダ蓋９が嵌合され、シリンダカバ
ー１０で固定され、シリンダ蓋９の中央部にエアジョイ
ント１１が螺設されている。そして、最終内周シリンダ
８の下部に押圧用座金１２が止めビス１３によって取付
けられている。押圧用座金１２は、第一段内周シリンダ
６に係止する直径で作られている。

【００２３】別体で配設される制御回路Ｂには、図示し
ない圧縮機から調圧されたエアが供給される。調圧エア
１８は、第一の三方電磁弁１４を介して可撓性のエアホ
ースでエアジョイント１１から多段シリンダＡに供給さ
れる。第一の三方電磁弁１４の作動は、図示しない、加
圧用押しボタンスイッチで行ない、吐出停止は再度押し
ボタンを押して第一の電磁弁を閉鎖し、電磁弁の排気孔
から多段シリンダ内の加圧空気が排気されて吐出が停止
する。第一の電磁弁１４には、押圧時間を設定できるタ
イマーが接続されている。したがって、その都度押圧吐
出することも、一定時間だけ押圧することも、一定時間
間隔で押圧、停止を繰返すことも可能な制御回路となっ
ている。そして、カートリッジの高粘度材料が全て吐出
されると、調圧エア１９の供給空気を閉鎖している第二
の三方電磁弁１６を、図示しない、負圧用押しボタンス
イッチによって開放する。第二の三方電磁弁１６からエ
ゼクタ１５に調圧エアが供給され、エゼクタで負圧が発
生し、第一の三方電磁弁の排気孔を介して、多段シリン
ダ内の空気が加圧と同じ可撓性のエアホース１７を通し
て吸引され、多段シリンダＡが負圧となる。そして、負
圧によって伸長している内周シリンダ６，７，８が基点
位置に戻される。この基点位置への戻しは、極く短時間
で行われるので負圧用押しボタンは、押しボタンを押し
続けている間だけ負圧が発生する回路で構成している。
尚、上記制御回路Ｂでの回路構成は、上記で説明した制
御回路に限定するものではなく、被塗物への塗付条件に
よって、加圧、負圧の設定条件を種々の回路に構成する
ことは容易に可能である。

【００２４】図２（ａ）（ｂ）（ｃ）は、多段シリンダ
Ａの作動状態を示す図である。図２（ａ）において、エ
アジョイント１１から固定外周シリンダ５に供給される
調圧エアは、内周シリンダ６，７，８に加わり、第一段
内周シリンダ６が固定外周シリンダ５の下端凸部５ａに
接合して、摺動が停止すると、第二段内周シリンダ７が
伸長を始める。第一段内周シリンダ６にはリテーナ１８
を嵌入する溝と、固定外周シリンダ５内を気密に摺動す
るためのＯリング溝６ａが穿設され、Ｏリングが嵌入さ
れている。このＯリング溝は、第二段７ａ、第三段８ａ
も同じように構成されている。そして、下端部には固定
外周シリンダ５と同じように凸部６ｂが形成され、第二
段内周シリンダ７が、該凸部６ｂに接合して、第三段内
周シリンダ８が伸長し始める。第三段内周シリンダ８
は、底板８ｂをもつ筒状容器で形成され、底板８ｂに押
圧用座金１２が止めビス１３で底板８ｂに取付けられて
いる。この最終内周シリンダの形状は、多段シリンダＡ
の内周シリンダが、二段階の場合または、四段階以上の
場合の最終シリンダが同様の形状に形成されるものであ
る。

【００２５】図２（ｂ）は、第二段内周シリンダ７が、
第一段内周シリンダ６内を摺動して、第一段内周シリン
ダの凸部６ｂに第二段内周シリンダのＯリング溝部７ａ
が接合した状態を示したものである。図２（ｃ）は、上
記第二段と同じように、第三段内周シリンダが伸長して
最大伸長長さになった状態を示したものである。そし
て、負圧によって内周シリンダが戻るときは、Ｏリング
部等の摺動抵抗等の関係から各内周シリンダが殆ど同時
に基点位置に戻る。

【００２６】図３（ａ）（ｂ）（ｃ）は、カートリッジ
ケース１に切欠部を穿設して、該ケースにカートリッジ
２を装着する方法を説明するための図である。図３
（ａ）は、側面開放型のカートリッジケース１に、吐出
ノズル３を付設したままカートリッジ２を装着した側面
図で、円筒状のカートリッジケースは上端、下端部を残
して、カートリッジ２の長さ以上の長さと、カートリッ
ジケース１の半径以上の深さで切り込まれて側面が開放
されている。図３（ｂ）は、カートリッジケース１のＡ
−Ａ断面矢視図で、該カートリッジケース下端部に切欠
部１ａが中心部まで切欠かれそのＲ部が吐出ノズル３の
基部３ａの径に嵌合するように穿設されている。このこ
とによって図３（ｃ）に示すようにカートリッジ２は吐
出ノズル３を付設したまま、真横から水平移動で簡単に
装着することができる。そして、カートリッジケース１
が傾斜または、横に取付けられていても支障なく装着す
ることができる。

【００２７】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する。

【００２８】カートリッジを装着するカートリッジケー
ス上に多段シリンダを配設して、該多段シリンダによっ
てカートリッジの凹状ピストンを押圧吐出するようにし
たことで、多段シリンダが、一般的エアシリンダに比較
して、１／２以下の長さで必要伸長作動長さが得られ、
小形、コンパクトで自動塗付装置等に装着するのも容易
なディスペンサとなる。

【００２９】そして、多段シリンダが圧縮空気で加圧伸
長し、エゼクタによる負圧によって基点位置に収縮する
ようにしたことで、加圧、負圧が同一供給口で、吐出口
まで直線的構造の取扱性容易なディスペンサとなる。

【００３０】また、多段シリンダの制御系が、三方電磁
弁とエゼクタによる極く簡単な制御回路で制御できる。

【００３１】また、側面開放型カートリッジケースに、
カートリッジの吐出ノズルを付設したまま装着する切欠
部を設けたことによって、カートリッジを真横から装着
でき、カートリッジの交換補給が容易で、吐出ノズル部
の汚れない取扱い容易なディスペンサとなる。

【００３２】また、多段シリンダの押圧用座金でカート
リッジの凹状ピストンを直接押圧する機構としたこと
で、加圧タンク内にカートリッジを収納して加圧空気で
押圧する方法に比較して、凹状ピストンが傾斜して動か
なくなることや、カートリッジに圧縮空気が混入するこ
とのない信頼性の高いディスペンサとなる。

【００３３】ディスペンサへの適応を一例とした多段シ
リンダが、他の押圧を主体とする用途に適応できるエア
シリンダとして広い用途と範囲をもつ多段シリンダとな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】高粘度材料カートリッジによるディスペンサの
全体構成および、制御系模式図である。

【図２】（ａ）（ｂ）（ｃ）多段シリンダの作動状態を
示す図である。

【図３】（ａ）カートリッジケースにカートリッジを
装着した側面図である。（ｂ）カートリッジの切欠部示すＡ−Ａ断面図であ
る。（ｃ）カートリッジケースにカートリッジを装着する
状態を示す図である。

【符号の説明】１カートリッジケース２カートリッジ３吐出ノズル５固定外周シリンダ６第一段内周シリンダ７第二段内周シリンダ８第三段内周シリンダ９シリンダ蓋１２押圧用座金１４，１６三方電磁弁１５エゼクタ１８，１９調圧エア２０凹状ピストンＡ多段シリンダＢ制御回路

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】高粘度材料を充填封入したカートリッジ
を、ディスペンサに装着するためのカートリッジケース
を具備し、該カートリッジの凹状ピストンを介して、高
粘度材料を押圧圧送するためのエアシリンダを、カート
リッジケース上に配設するディスペンサにおいて、カー
トリッジの凹状ピストンを介して高粘度材料を、圧縮空
気圧力によって押圧するための前記凹状ピストンの押圧
機構が、中心軸をもたない複数個の内周シリンダをもつ
多段シリンダによる押圧機構である高粘度材料カートリ
ッジによるディスペンサ。
【請求項２】カートリッジの凹状ピストンを押圧する
ための多段シリンダが、圧縮空気によって前記凹状ピス
トンを押圧しながら内周シリンダが伸長し、押圧終了
後、多段シリンダ内を負圧にして、内周シリンダを基点
位置に戻すようにする多段シリンダを具備する請求項１
記載の高粘度材料カートリッジによるディスペンサ。
【請求項３】前記加圧、負圧によって、内周シリンダ
が伸縮摺動する多段シリンダは、固定外周シリンダに対
して、少なくとも二段階以上の多段内周シリンダが嵌合
付設される請求項２記載の多段シリンダ。
【請求項４】前記加圧、負圧によって内周シリンダが
伸縮摺動する多段シリンダにおいて、基点位置に戻すた
めの負圧が、圧縮空気圧力によって負圧を発生させるエ
ゼクタを具備している請求項１，２記載の多段シリンダ
を配設した高粘度材料カートリッジによるディスペン
サ。
【請求項５】前記カートリッジをディスペンサに装着
するためのカートリッジケースを具備するとき、該カー
トリッジケースは、カートリッジケースの側面が開放さ
れていて、カートリッジの吐出ノズルを取付けたまま、
カートリッジケース側面に対して垂直に、カートリッジ
を装着できる切欠部を穿設したカートリッジケースであ
る請求項１記載の高粘度材料によるディスペンサ。
【請求項６】圧縮空気によって作動するエアシリンダ
において、中心作動軸をもたないエアシリンダで、固定
外周シリンダに対して、少なくとも二段階以上の伸縮摺
動多段内周シリンダを有し、該伸縮内周シリンダが、圧
縮空気圧力によって伸長し、圧縮空気で発生させるエゼ
クタからの負圧によって基点に戻る伸縮摺動するエアシ
リンダで、該エアシリンダの物体に作用する作動長さに
対して、多段内周シリンダを収納する、固定外周シリン
ダ長さを短縮化した多段シリンダ。