JPH1043593A - 空気清浄化物とその製造方法ならびに該空気清浄化物を用いた空気中の硫化水素の除去方法 - Google Patents

空気清浄化物とその製造方法ならびに該空気清浄化物を用いた空気中の硫化水素の除去方法

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JPH1043593A
JPH1043593A JP8201497A JP20149796A JPH1043593A JP H1043593 A JPH1043593 A JP H1043593A JP 8201497 A JP8201497 A JP 8201497A JP 20149796 A JP20149796 A JP 20149796A JP H1043593 A JPH1043593 A JP H1043593A
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JP
Japan
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iron hydroxide
air
hydrogen sulfide
iron
purified product
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JP8201497A
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Tamio Noda
多美夫 野田
Toshikazu Nakagawa
俊和 中川
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決すべき課題】例えば下水処理場の脱臭、半導体生
産工場の空気浄化、電子機器の腐食防止用材料として用
いることができる大気中の硫化水素を除去する空気清浄
化物およびその製造方法ならびに使用方法。 【解決の手法】α水酸化鉄とγ水酸化鉄との合計の含有
量が80%以上で、かつ、それぞれの水酸化鉄を20%
以上含有し、平均の比表面積が50m2/g以上であるこ
とを特長とする空気清浄化物用複合水酸化鉄。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気中の硫化水素
を除去する空気清浄化物およびその製造方法ならびに使
用方法に関する。本発明の空気清浄化物は、例えば下水
処理場の脱臭、半導体生産工場の空気浄化、電子機器の
腐食防止用材料として用いることができる。
【0002】
【従来の技術】硫化水素は火山や温泉場などで頻繁に感
知できる匂い成分であり、腐った卵から発生する匂いと
しても知られている。また、生活環境の場では下水処理
場やビルの地下汚水ピット等からの発生も悪臭として問
題視されている。また、硫化水素は金属との反応性が高
く、腐食を促進するため、大型の構造材料や電子機器に
対する影響も問題になっている。
【0003】対策としては、一般的には硫化水素が酸性
ガスであるため塩基性物質を添着した活性炭による吸着
除去がおこなわれている。また、低濃度の硫化水素ガス
が大量に発生する下水処理場ではバクテリアを使うバイ
オ脱臭システムも普及している。また、燃料ガスを燃や
して高温にして酸化分解する燃焼法もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、活性炭は吸着
容量が小さいため、頻繁に活性炭を交換する必要があ
る。バイオ脱臭では、高濃度の硫化水素ガスに曝される
とバクテリアが死んでしまうことがあり、また、装置が
非常に大きくなることや、バクテリアを生かし続けるた
めには、水分を一定範囲の湿潤雰囲気にコントロールす
る必要があり、管理が大変である。燃焼法は低濃度のガ
スに対してはエネルギーコストが高くつくし、高濃度の
ガスに対しては燃焼によって生成する硫酸や亜硫酸ガス
が有害であるため、更にそれらを除去する設備が必要と
なり、いずれにしてもコストが高くなる問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】硫化水素は反応性が高
く、時間はかかるものの常温の空気中でも酸化されて水
と硫黄に分解する。この反応を適切な触媒により促進さ
せれば、実用的な速度で脱臭作用を長期間にわたって持
続させることができる。本発明は、実用的な速度で脱臭
作用を長期間にわたって持続させることができる空気清
浄化物とその製造方法、使用方法の提供を課題としてい
る。
【0006】即ち本発明は、(1)α水酸化鉄とγ水酸
化鉄との合計の含有量が80%以上で、かつ、それぞれ
の水酸化鉄を20%以上含有し、平均の比表面積が50
2/g以上であることを特長とする空気清浄化物であ
る。
【0007】また(2)塩化第一鉄の0.05〜0.1
5mol/Lの水溶液にアンモニア水を添加して、pHを
6〜6.3に制御しながら大気中で攪拌し、水酸化鉄を
沈殿生成させた後、水洗して塩素イオンを除去すること
を特長とする前記(1)に記載の空気清浄化物の製造方
法である。
【0008】また(3)前記(1)に記載のα水酸化鉄
とγ水酸化鉄を主成分とする空気清浄化物の粉末を空孔
径が0.1μ以下の通気性のある包装材で包装したこと
を特長とする空気清浄化物である。
【0009】また(4)前記(1)または(2)または
(3)に記載のα水酸化鉄とγ水酸化鉄を主成分とする
硫化水素除去作用を有する空気清浄化物である。
【0010】また(5)前記(4)記載のα水酸化鉄と
γ水酸化鉄を主成分とする空気清浄化物を使用すること
を特長とする空気中の硫化水素の除去方法である。
【0011】本発明者等は、酸化鉄、水酸化鉄の触媒作
用に着目し、各種の酸化鉄と水酸化鉄と硫化水素との反
応性を調査して、本発明を開発するに到った。
【0012】即ち、酸化鉄と水酸化鉄には鉄の酸化度の
価数が2価と3価のものがあり、2価のものは反応性が
高く硫化水素とも良く反応するが、すぐに3価の酸化鉄
や水酸化鉄に変わり、かつ粗粒化してしまうので実用的
な硫化水素除去性能が長続きしない。一方、3価の酸化
鉄と水酸化鉄にはそれぞれα、β、γの異性体が存在
し、それぞれに硫化水素との反応性や大気中での安定性
に差がある。
【0013】それらを丹念に製造したり、市販品を購入
して評価を行い、α水酸化鉄とγ水酸化鉄とが共存する
水酸化鉄が最も長期的な硫化水素酸化触媒性能を持つこ
とを見出し、本発明を完成するに到った。
【0014】α水酸化鉄やγ水酸化鉄は単独でも硫化水
素除去能力を持つが、共存物に比較して劣るため実用的
にはそれぞれが、20%以上、好ましくは30%以上含ま
れていないと効果的ではない。その化学的な根拠につい
ては、充分に解明できていないが、α水酸化鉄とγ水酸
化鉄の共存により、硫化水素酸化触媒性能が高められて
いることは明らかである。
【0015】実施例にも示したように初期においてα水
酸化鉄とγ水酸化鉄がほぼ半々含まれている本発明の空
気清浄化物に硫化水素の酸化分解反応を繰り返して行わ
せると、α水酸化鉄の含有比率が上昇し、硫化水素の酸
化分解性能が劣化することからα水酸化鉄はγ水酸化鉄
よりも化学的に安定な物質と考えられる。しかし、γ水
酸化鉄はα水酸化鉄に比較して明らかに硫化水素酸化触
媒性能が劣る。一般的には、化学的に不安定な物質ほ
ど、反応性に富むと考えられるから、共存させることに
より、α水酸化鉄をより活性な状態にしていることが明
らかであり、実施例から推定して実用的にはそれぞれが
20%以上含まれることが必要と考えられる。
【0016】また、実施例で述べるように硫化水素を酸
化分解することにより、本発明の空気清浄化物は生成し
た硫黄と共存することになり、それが本発明の空気清浄
化物表面を覆うことにより、硫化水素の酸化分解触媒性
能の劣化につながる。不純物が多いとその影響が大きく
なるので、α水酸化鉄とγ水酸化鉄との合計の含有率は
80%以上を確保しないと、実用的には充分でない。
【0017】
【実施例】安定な酸化鉄として市販されているαFe2
3、γFe23、Fe34粉末を購入して得た。また、次
に述べる要領でαFeOOH、βFeOOH、γFeOO
Hを製造して得た。それらの成分はほぼ全量が目的の生
成物であることをX線回折によって確認した。また、本
発明のαFeOOHとγFeOOHとの混合物はほぼ半々
の比率で含まれていることをX線回折で確認した。
【0018】αFeOOHは、硫酸第二鉄水溶液に4%
水酸化ナトリウムをpHが13.0〜13.5に保たれ
るように加え、10日間熟成後に水洗して、乾燥して得
た。
【0019】βFeOOHは、塩化第二鉄水溶液に尿素
を加え、90℃に6時間保って反応させ、沈殿生成物を
水洗して乾燥して得た。
【0020】γFeOOHは、塩化第一鉄水溶液にアン
モニア水をpHが6.0〜6.3に保たれるように加
え、空気に触れないようして90日間熟成後に水洗して
さらに乾燥して得た。
【0021】本発明の水酸化鉄の製造方法は、0.1mo
l/リットルの塩化第一鉄の水溶液にアンモニア水を添加
し、pHを6〜6.3に保ちながら大気中で10日間攪
拌を続け、沈殿生成物を水洗後、乾燥して得た。
【0022】それらの粒子特性を評価するために窒素ガ
ス吸着法により、比表面積を測定した。次にそれらの粉
末と硫化水素の反応性を評価するために各粉末0.1
g、0.2g、0.5gを別々のテドラーパックに装入
し、各テドラーパックに乾燥空気4リットルと2000
ppm相当の硫化水素を封入した。そのまま、室温で24
時間放置した後、検知管で残留硫化水素を調べた。もし
も硫化水素の残留が認められなければ、中の粉末を飛散
させないように注意しながらテドラーパック内の空気を
追い出し、再度乾燥空気4リットルと2000ppm相当
の硫化水素を封入した。
【0023】24時間放置した後、検知管で残留硫化水
素を調べ、もしも硫化水素の残留が認められなければ、
同様の試験を繰り返す。硫化水素の残留が検知されたら
除去性能が劣化したと判定しそこで評価を完了し、累積
の硫化水素除去重量を評価試料重量で除して評価試料単
位重量当たりの硫化水素除去重量(mg/g)を求めた。
【0024】以上の測定結果を表1に纏めて示す。本発
明のαFeOOHとγFeOOHとの混合物は他の水酸化
鉄や、酸化鉄に比較して硫化水素除去性能が極めて高い
ことが判った。硫化水素除去性能が、劣化したと判定し
た本発明の試料をX線回折で分析したところ、αFeO
OHとγFeOOHは初期の比率が半々であったもの
が、2対1でαFeOOHの方が存在比率が高くなって
いることが判った。また、αFeOOHとγFeOOHの
他には大量の硫黄しか検出されず、αFeOOHとγFe
OOH以外の酸化鉄、水酸化鉄、硫化鉄等はほとんど検
出できなかった。以上より、本発明の水酸化鉄混合物
は、硫化水素を水と硫黄に酸化分解する触媒として作用
することにより、硫化水素除去材として機能するものと
推定される。
【0025】
【表1】
【0026】本発明の空気清浄化物の硫化水素酸化触媒
機能が劣化した理由は、硫黄の生成により、本発明の空
気清浄化物の表面が被覆されたことも大きな要因と推定
される。従って、硫黄を除去できれば本発明の空気清浄
化物の硫化水素酸化触媒機能を回復させ、更に使用する
ことも可能と考えるのが妥当であり、初期性能に限れ
ば、αFeOOHとγFeOOHとの合計含有量は30%
程度でも良いが不純物が劣化を速めることはあきらかで
あり、実用的には80%以上の含有率が必要と考えるの
が妥当である。
【0027】本発明の空気清浄化物の硫化水素酸化触媒
機能が劣化した理由には、αFeOOHの増加も計測事
実として確認できる要因として考えられるが、比表面積
の減少等の簡単には計測できない要因が関与しているこ
ともありうる。従って、生成した硫黄を除去するだけで
性能を元の状態に完全には戻せないと考えられる。しか
し、表1に示したように、再生処理を行わないでも充分
な硫化水素除去性能を持つことは明らかであり、原料も
安価であることから実用的な空気清浄化物として有用で
ある。
【0028】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は極めて長期間
にわたって硫化水素を除去できる空気清浄化物であり、
本発明によると大規模な設備を伴う事なく簡易に且つ低
コストで長期間にわたって空気清浄化を行う事ができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α水酸化鉄とγ水酸化鉄との合計の含有量
    が80%以上で、かつ、それぞれの水酸化鉄を20%以
    上含有し、平均の比表面積が50m2/g以上であるこ
    とを特長とする空気清浄化物。
  2. 【請求項2】塩化第一鉄の0.05〜0.15mol/L
    の水溶液にアンモニア水を添加して、pHを6〜6.3
    に制御しながら大気中で攪拌し、水酸化鉄を沈殿生成さ
    せた後、水洗して塩素イオンを除去することを特長とす
    る請求項1に記載の空気清浄化物の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のα水酸化鉄とγ水酸化鉄
    を主成分とする空気清浄化物の粉末を空孔径が0.1μ
    以下の通気性のある包装材で包装したことを特長とする
    空気清浄化物。
  4. 【請求項4】請求項1または2または3に記載のα水酸
    化鉄とγ水酸化鉄を主成分とする硫化水素除去作用を有
    する空気清浄化物。
  5. 【請求項5】請求項4記載のα水酸化鉄とγ水酸化鉄を
    主成分とする空気清浄化物を使用することを特長とする
    空気中の硫化水素の除去方法。
JP8201497A 1996-07-31 1996-07-31 空気清浄化物とその製造方法ならびに該空気清浄化物を用いた空気中の硫化水素の除去方法 Withdrawn JPH1043593A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004298696A (ja) * 2003-03-28 2004-10-28 Nippon Gasket Co Ltd 脱臭触媒の製造方法
KR101118538B1 (ko) * 2009-08-26 2012-02-24 재단법인 포항산업과학연구원 철화합물을 이용한 황화수소 제거방법

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Effective date: 20031007