JPH1042850A - 発泡性乳酒飲料の製造方法 - Google Patents
発泡性乳酒飲料の製造方法Info
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- JPH1042850A JPH1042850A JP21810296A JP21810296A JPH1042850A JP H1042850 A JPH1042850 A JP H1042850A JP 21810296 A JP21810296 A JP 21810296A JP 21810296 A JP21810296 A JP 21810296A JP H1042850 A JPH1042850 A JP H1042850A
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- JP
- Japan
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- fermentation
- lactic acid
- alcohol
- sparkling
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 牛乳その他獣乳から脱脂乳を分離した
後、乳酸発酵または乳酸添加によりpHを調整し、アル
コール発酵により苦みが発生しないようにプロテアーゼ
処理を行う。そして、ワイン酵母等の酵母でアルコール
発酵させ、発酵により生成する炭酸ガスを酒類中に溶解
させ、ビン詰め時にガス圧を1.5〜2気圧に調整す
る。 【効果】 アルコール4〜8%濃度の発酵酒でも苦みが
なく、栄養成分である蛋白質、ミネラル、ビタミン等を
豊富に含み、透明で発泡性を有する酒類で、牛乳を原料
とする新しいタイプのソフトアルコール飲料が得られ
る。
後、乳酸発酵または乳酸添加によりpHを調整し、アル
コール発酵により苦みが発生しないようにプロテアーゼ
処理を行う。そして、ワイン酵母等の酵母でアルコール
発酵させ、発酵により生成する炭酸ガスを酒類中に溶解
させ、ビン詰め時にガス圧を1.5〜2気圧に調整す
る。 【効果】 アルコール4〜8%濃度の発酵酒でも苦みが
なく、栄養成分である蛋白質、ミネラル、ビタミン等を
豊富に含み、透明で発泡性を有する酒類で、牛乳を原料
とする新しいタイプのソフトアルコール飲料が得られ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来未知の、乳白
濁のままではなく透明にして発泡性を有する新規な乳酒
の製造に関するものであり、更に詳細には、牛乳等の獣
乳を起源とし、炭酸ガスを含み、アルコール含量が約4
〜8%の苦味のない透明な新規ソフトアルコール飲料の
製造に関するものである。
濁のままではなく透明にして発泡性を有する新規な乳酒
の製造に関するものであり、更に詳細には、牛乳等の獣
乳を起源とし、炭酸ガスを含み、アルコール含量が約4
〜8%の苦味のない透明な新規ソフトアルコール飲料の
製造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から知られている牛乳の酒類には、
発酵酒では、ケフィアやクミスがある。これは、アルコ
ール1〜2%の乳白濁の酒類で、発泡性はない。また、
アルコールが2%以下なのは、ケフィア粒を使用するこ
の製造法では、自然に発酵が停止してしまうことと、さ
らに別の酵母を添加して強引に発酵を継続させても、苦
みが発生し飲料として適さなくなるからである。一方、
牛乳に香料やアルコールを添加した酒類もあるが、これ
はアルコール8〜17%で、乳白濁のままで発泡性はな
い。このように、牛乳からの酒類は非常に少なく、消費
拡大の面からも新しいタイプの酒類の製造法の開発が望
まれている。
発酵酒では、ケフィアやクミスがある。これは、アルコ
ール1〜2%の乳白濁の酒類で、発泡性はない。また、
アルコールが2%以下なのは、ケフィア粒を使用するこ
の製造法では、自然に発酵が停止してしまうことと、さ
らに別の酵母を添加して強引に発酵を継続させても、苦
みが発生し飲料として適さなくなるからである。一方、
牛乳に香料やアルコールを添加した酒類もあるが、これ
はアルコール8〜17%で、乳白濁のままで発泡性はな
い。このように、牛乳からの酒類は非常に少なく、消費
拡大の面からも新しいタイプの酒類の製造法の開発が望
まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような要望に対応するため、牛乳その他獣乳から、従
来にない全く新しいタイプの酒類を開発することであ
る。
のような要望に対応するため、牛乳その他獣乳から、従
来にない全く新しいタイプの酒類を開発することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために各方面から検討した結果、プロテアーゼ処
理した牛乳をアルコール発酵したところ、苦味が全くな
く、淡黄緑色透明にして(従来の乳酒のように乳白濁す
ることがなく)、発泡性を有し、アルコール4〜8%の
ソフトアルコール飲料が得られること、しかも、牛乳の
栄養成分である蛋白質、ミネラル、ビタミン類が豊富
で、従来の牛乳を用いて製造した酒類とは全く異なるタ
イプの新しい酒類が製造できるという知見を得た。
成するために各方面から検討した結果、プロテアーゼ処
理した牛乳をアルコール発酵したところ、苦味が全くな
く、淡黄緑色透明にして(従来の乳酒のように乳白濁す
ることがなく)、発泡性を有し、アルコール4〜8%の
ソフトアルコール飲料が得られること、しかも、牛乳の
栄養成分である蛋白質、ミネラル、ビタミン類が豊富
で、従来の牛乳を用いて製造した酒類とは全く異なるタ
イプの新しい酒類が製造できるという知見を得た。
【0005】本発明は、上記した有用新知見に基づき、
更に研究した結果、遂に完成されたものである。以下、
本発明について詳述する。
更に研究した結果、遂に完成されたものである。以下、
本発明について詳述する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明を実施するには先ず、原料
乳のpH調整を行う。原料乳としては、牛、馬、山羊、
羊、水牛その他獣乳の全乳が使用できるほか、それから
調製した脱脂乳、乳清等も使用することができる。pH
調整は、乳酸発酵及び/又は乳酸添加によって行い、後
に行うプロテアーゼ処理、アルコール発酵をスムースな
らしめる。なお、プロテアーゼ処理は、上記のようにp
H調整の後で行うほか、pH調整の前に行ってもよい
し、pH調整と同時に行ってもよい。ただ、以下におい
ては、pH調整の後に行う場合を例にとって、本発明を
説明する。
乳のpH調整を行う。原料乳としては、牛、馬、山羊、
羊、水牛その他獣乳の全乳が使用できるほか、それから
調製した脱脂乳、乳清等も使用することができる。pH
調整は、乳酸発酵及び/又は乳酸添加によって行い、後
に行うプロテアーゼ処理、アルコール発酵をスムースな
らしめる。なお、プロテアーゼ処理は、上記のようにp
H調整の後で行うほか、pH調整の前に行ってもよい
し、pH調整と同時に行ってもよい。ただ、以下におい
ては、pH調整の後に行う場合を例にとって、本発明を
説明する。
【0007】前者の場合、乳酸菌を接種して常法にした
がって乳酸発酵を行えば良く、生酸量は、0.2〜0.
6%、好ましくは0.3〜0.4%とすればよい。乳酸
菌としては、Lactobacillus acidophilus IFO 13952、
L. casei IFO 12521、L. delbrueckii subsp. bulgaric
us ATCC 11842、市販のヨーグルトスターター等が使用
できるほか、市販ヨーグルト中の乳酸菌も使用可能であ
る。後者の場合も、上記生酸量と同程度となるよう乳酸
(醸造用乳酸が好適である)を添加して、原料乳のpH
調整を行えばよい。
がって乳酸発酵を行えば良く、生酸量は、0.2〜0.
6%、好ましくは0.3〜0.4%とすればよい。乳酸
菌としては、Lactobacillus acidophilus IFO 13952、
L. casei IFO 12521、L. delbrueckii subsp. bulgaric
us ATCC 11842、市販のヨーグルトスターター等が使用
できるほか、市販ヨーグルト中の乳酸菌も使用可能であ
る。後者の場合も、上記生酸量と同程度となるよう乳酸
(醸造用乳酸が好適である)を添加して、原料乳のpH
調整を行えばよい。
【0008】次いで、蛋白分解酵素処理する。蛋白分解
酵素としては、糸状菌、酵母、細菌その他微生物由来の
プロテアーゼ;ペプシン、トリプシン、キモトリプシン
等動物由来のプロテアーゼ;パパイン、ブロメリン、フ
ィシン等植物由来のプロテアーゼ;がいずれも単用ない
し併用でき、また、市販のプロテアーゼ製剤も有利に使
用できる。蛋白分解酵素処理は、こ(れら)の酵素を用
いて常法にしたがって行えばよい。次に行うアルコール
発酵によっても製品に苦味が発生しないのは、このプロ
テアーゼ処理がその要因のひとつと考えられる。
酵素としては、糸状菌、酵母、細菌その他微生物由来の
プロテアーゼ;ペプシン、トリプシン、キモトリプシン
等動物由来のプロテアーゼ;パパイン、ブロメリン、フ
ィシン等植物由来のプロテアーゼ;がいずれも単用ない
し併用でき、また、市販のプロテアーゼ製剤も有利に使
用できる。蛋白分解酵素処理は、こ(れら)の酵素を用
いて常法にしたがって行えばよい。次に行うアルコール
発酵によっても製品に苦味が発生しないのは、このプロ
テアーゼ処理がその要因のひとつと考えられる。
【0009】次に酵母を加えてアルコール発酵を行う。
酵母としてはアルコール発酵性酵母であればすべての酵
母が使用可能であるが、清酒酵母、ブドウ酒酵母等が有
利に使用できる。清酒酵母としては、協会7号、9号、
10号の各酵母が例示され、ブドウ酒酵母としては、Sa
ccharomyces cerevisiae ATCC 4117その他の各酵母が使
用され、市販の酵母も有利に使用することができる。
酵母としてはアルコール発酵性酵母であればすべての酵
母が使用可能であるが、清酒酵母、ブドウ酒酵母等が有
利に使用できる。清酒酵母としては、協会7号、9号、
10号の各酵母が例示され、ブドウ酒酵母としては、Sa
ccharomyces cerevisiae ATCC 4117その他の各酵母が使
用され、市販の酵母も有利に使用することができる。
【0010】アルコール発酵は、酵母を直接添加した
り、及び/又は、一旦酒母を調製しておき、得られた酒
母を添加して、常法にしたがって行えば良い。
り、及び/又は、一旦酒母を調製しておき、得られた酒
母を添加して、常法にしたがって行えば良い。
【0011】主発酵であるアルコール発酵が終了した
後、低温で後発酵を行い、発酵により生成する炭酸ガス
を酒類中に溶解させ、おり下げした後、ビン詰め時にガ
ス圧を0.5〜5気圧、好ましくは1.5〜2気圧に調
整して製品とする。後発酵も常法にしたがって行えば良
く、使用酵母等にもよるが、主発酵より低温、例えば1
0℃以下、通常は6〜9℃程度の温度範囲で必要な所定
期間の間、後発酵を行えばよい。
後、低温で後発酵を行い、発酵により生成する炭酸ガス
を酒類中に溶解させ、おり下げした後、ビン詰め時にガ
ス圧を0.5〜5気圧、好ましくは1.5〜2気圧に調
整して製品とする。後発酵も常法にしたがって行えば良
く、使用酵母等にもよるが、主発酵より低温、例えば1
0℃以下、通常は6〜9℃程度の温度範囲で必要な所定
期間の間、後発酵を行えばよい。
【0012】以上のように、本発明によると、アルコー
ル4〜8%濃度の発酵酒でも苦みがなく、栄養成分であ
る蛋白質、ミネラル、ビタミン等を豊富に含み、従来の
乳酒のように乳白濁することなく、透明で発泡性を有す
る酒類で、牛乳等を原料とする新しいタイプのソフトア
ルコール飲料が得られる。次に、本発明の実施例につい
て述べる。
ル4〜8%濃度の発酵酒でも苦みがなく、栄養成分であ
る蛋白質、ミネラル、ビタミン等を豊富に含み、従来の
乳酒のように乳白濁することなく、透明で発泡性を有す
る酒類で、牛乳等を原料とする新しいタイプのソフトア
ルコール飲料が得られる。次に、本発明の実施例につい
て述べる。
【0013】
【実施例1】本実施例は、牛乳から脱脂乳を調製し、乳
酸菌による乳酸発酵及び酵素(プロテアーゼ)処理を行
った後、酒母を添加しアルコール発酵(主発酵)させ
る。主発酵終了後、低温で後発酵を行い、酒類中に炭酸
ガスを生成溶解させ、おり下げをした後、加圧ビン詰め
機で圧力を調整しながら充填するものである。
酸菌による乳酸発酵及び酵素(プロテアーゼ)処理を行
った後、酒母を添加しアルコール発酵(主発酵)させ
る。主発酵終了後、低温で後発酵を行い、酒類中に炭酸
ガスを生成溶解させ、おり下げをした後、加圧ビン詰め
機で圧力を調整しながら充填するものである。
【0014】(1)セパレーターを用い、下記表1の成
分組成を有する牛乳から脱脂乳を調製し、得られた脱脂
乳を用い、Lactobacillus acidophilus IFO 3953により
乳酸発酵を行った。得られた結果を図1、図2、図3に
示した。
分組成を有する牛乳から脱脂乳を調製し、得られた脱脂
乳を用い、Lactobacillus acidophilus IFO 3953により
乳酸発酵を行った。得られた結果を図1、図2、図3に
示した。
【0015】
【表1】
【0016】酵母によるアルコール発酵の生酸量も考慮
すると、乳酸発酵による生酸量は、0.3〜0.4%で
十分と考えられるので、乳酸発酵は、乳酸菌添加量が1
0%なら4時間、3%なら9時間の発酵が適当であると
考えられた。
すると、乳酸発酵による生酸量は、0.3〜0.4%で
十分と考えられるので、乳酸発酵は、乳酸菌添加量が1
0%なら4時間、3%なら9時間の発酵が適当であると
考えられた。
【0017】下記表2に、乳酸発酵時のpHの変化とカ
ード化及び発酵香の生成状態を示したが、一番早いカー
ド化は、スターター添加10%の場合で、5時間後にp
H5、2まで低下しておこった。次いで、7%添加の7
時間、その他も24時間ですべてカード化が終了した。
乳酸添加1時間後には、乳酸菌による発酵香が感じら
れ、原料牛乳の青臭が徐々に減少し、3時間後には、は
っきりとしたヨーグルト様発酵香が生成された。
ード化及び発酵香の生成状態を示したが、一番早いカー
ド化は、スターター添加10%の場合で、5時間後にp
H5、2まで低下しておこった。次いで、7%添加の7
時間、その他も24時間ですべてカード化が終了した。
乳酸添加1時間後には、乳酸菌による発酵香が感じら
れ、原料牛乳の青臭が徐々に減少し、3時間後には、は
っきりとしたヨーグルト様発酵香が生成された。
【0018】
【表2】
【0019】(2)次に、酵素剤としてプロテアーゼ
(天野製薬社製プロテアーゼ「アマノA」:商品名)を
使用し、二区分(A、B)の仕込みを行った。Aは、酵
素剤を0.2%使用し、酵素剤の最適温度である40℃
で60分処理した後、アルコール発酵させたものであ
る。また、Bは酵素剤無添加でアルコール発酵させたも
のである。A、B仕込みの発酵終了時の一般成分と官能
結果を下記表3に示した。
(天野製薬社製プロテアーゼ「アマノA」:商品名)を
使用し、二区分(A、B)の仕込みを行った。Aは、酵
素剤を0.2%使用し、酵素剤の最適温度である40℃
で60分処理した後、アルコール発酵させたものであ
る。また、Bは酵素剤無添加でアルコール発酵させたも
のである。A、B仕込みの発酵終了時の一般成分と官能
結果を下記表3に示した。
【0020】
【表3】
【0021】アルコール発酵は、ブドウ酒酵母(Saccha
romyces cerevisiae ATCC 4098)を用いて脱脂乳を培地
として調製した酒母を用い、12〜15℃で1ヵ月間発
酵した。得られた製成酒は、上記したように、プロテア
ーゼ処理を行ったA仕込みでは、製成酒に苦みが感じら
れなかったのに対し、処理を行なわなかったB仕込みで
は、はっきりと感じられた。
romyces cerevisiae ATCC 4098)を用いて脱脂乳を培地
として調製した酒母を用い、12〜15℃で1ヵ月間発
酵した。得られた製成酒は、上記したように、プロテア
ーゼ処理を行ったA仕込みでは、製成酒に苦みが感じら
れなかったのに対し、処理を行なわなかったB仕込みで
は、はっきりと感じられた。
【0022】また、下記表4に、製成酒のアミノ酸組成
を示したが、A仕込みでは、B仕込みより苦みに関与す
るi−LEU、PHE、LYSが多いにもかかわらず、
苦みが官能的に感じられず、苦みがアミノ酸に起因する
ものでないことは明らかである。
を示したが、A仕込みでは、B仕込みより苦みに関与す
るi−LEU、PHE、LYSが多いにもかかわらず、
苦みが官能的に感じられず、苦みがアミノ酸に起因する
ものでないことは明らかである。
【0023】
【表4】
【0024】更にまた、プロテアーゼ処理による有機酸
の変化を、下記表5に示した。その結果から明らかなよ
うに、製成酒の有機酸は、乳酸発酵で生成した乳酸が主
成分であって、他の酸はほとんど変化がなく、有機酸も
苦味には関与しないものと認められた。
の変化を、下記表5に示した。その結果から明らかなよ
うに、製成酒の有機酸は、乳酸発酵で生成した乳酸が主
成分であって、他の酸はほとんど変化がなく、有機酸も
苦味には関与しないものと認められた。
【0025】
【表5】
【0026】(3)上記した第3表のアミノ酸度、第4
表のアミノ酸含量から、酵素処理した仕込みでは、牛乳
中の蛋白質が分解され、アミノ酸が生成されたことが明
らかである。また、分解途中では苦みが感じられたの
で、苦み成分は、牛乳中の主蛋白質であるカゼインがプ
ロテアーゼにより分解されていく過程で生成されるペプ
チドが原因となっていると考えられる。この実施例か
ら、これらのペプチドをプロテアーゼで完全にアミノ酸
まで分解してやれば苦みが発生しないことがわかった。
このようにして製造された製成酒は、淡黄緑色透明で、
ヨーグルト様の香りのする微発泡性の酒類であった。
表のアミノ酸含量から、酵素処理した仕込みでは、牛乳
中の蛋白質が分解され、アミノ酸が生成されたことが明
らかである。また、分解途中では苦みが感じられたの
で、苦み成分は、牛乳中の主蛋白質であるカゼインがプ
ロテアーゼにより分解されていく過程で生成されるペプ
チドが原因となっていると考えられる。この実施例か
ら、これらのペプチドをプロテアーゼで完全にアミノ酸
まで分解してやれば苦みが発生しないことがわかった。
このようにして製造された製成酒は、淡黄緑色透明で、
ヨーグルト様の香りのする微発泡性の酒類であった。
【0027】また、発泡性を有することから、官能面で
の適正なガス含有量を検討した結果を、下記表6に示し
た。表6(ガス圧差による官能評価(n=15))の結
果から、ガス圧は1.5〜2.0気圧が適圧であった
(パネル15名)。
の適正なガス含有量を検討した結果を、下記表6に示し
た。表6(ガス圧差による官能評価(n=15))の結
果から、ガス圧は1.5〜2.0気圧が適圧であった
(パネル15名)。
【0028】
【表6】
【0029】
【実施例2】実施例1において、乳酸発酵にかえて醸造
用乳酸を添加する点を除き他は実施例1と同様の処理を
くり返して製成酒を製造した。製成酒の製造は、1〜4
回行った。得られた製成酒の成分をそれぞれ下記表7〜
表10に示した。得られた製成酒は、実施例1の場合と
同様に、淡黄緑色透明な炭酸ガスを含有する発泡酒であ
り、苦味は認められなかった。
用乳酸を添加する点を除き他は実施例1と同様の処理を
くり返して製成酒を製造した。製成酒の製造は、1〜4
回行った。得られた製成酒の成分をそれぞれ下記表7〜
表10に示した。得られた製成酒は、実施例1の場合と
同様に、淡黄緑色透明な炭酸ガスを含有する発泡酒であ
り、苦味は認められなかった。
【0030】
【表7】
【0031】
【表8】
【0032】
【表9】
【0033】
【表10】
【0034】また、アルコール発酵終了後、6〜9℃の
低温に21日間保持して後発酵を行って製成酒を製造し
たところ、苦味がなく、更にまろやかさが加味されて非
常に品質の高いすぐれた製成酒が得られた。
低温に21日間保持して後発酵を行って製成酒を製造し
たところ、苦味がなく、更にまろやかさが加味されて非
常に品質の高いすぐれた製成酒が得られた。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来法で、牛乳あるいは乳清をアルコール発酵させるこ
とにより生成していた苦みを発生させることなく、淡黄
緑色透明な発泡酒の製造が可能である。得られた製成酒
は従来未知の新規飲食品であり、本発明は、牛乳の新し
い需要にも途を拓くものである。
従来法で、牛乳あるいは乳清をアルコール発酵させるこ
とにより生成していた苦みを発生させることなく、淡黄
緑色透明な発泡酒の製造が可能である。得られた製成酒
は従来未知の新規飲食品であり、本発明は、牛乳の新し
い需要にも途を拓くものである。
【図1】Lactobacillus acidophilusの乳酸発酵時の乳
酸生成量の発酵温度差による差を示す。
酸生成量の発酵温度差による差を示す。
【図2】同じく、スターター添加量の差による乳酸生成
量の差を示す。
量の差を示す。
【図3】同じく、スターター添加量の差による乳酸生成
速度の差を示す。
速度の差を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 獣乳を蛋白分解酵素処理した後、アルコ
ール発酵すること、を特徴とする発泡性乳酒の製造方
法。 - 【請求項2】 獣乳を乳酸発酵あるいは乳酸添加処理し
た後、蛋白分解酵素処理し、次いで酵母を添加してアル
コール発酵すること、を特徴とする請求項1に記載の発
泡性乳酒の製造方法。 - 【請求項3】 アルコール発酵後、更に低温で後発酵す
ること、を特徴とする請求項1又は2の記載の方法。 - 【請求項4】 蛋白分解酵素が、微生物由来のプロテア
ーゼ、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、パパイ
ン、及び/又は、ブロメリンであること、を特徴とする
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方
法で製造してなる発泡性乳酒。 - 【請求項6】 発泡性乳酒が、アルコール含量4〜8
%、淡黄緑色透明で、苦味がなく、炭酸ガスを含有する
発泡性乳酒であること、を特徴とする請求項5に記載の
発泡性乳酒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21810296A JPH1042850A (ja) | 1996-08-01 | 1996-08-01 | 発泡性乳酒飲料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21810296A JPH1042850A (ja) | 1996-08-01 | 1996-08-01 | 発泡性乳酒飲料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1042850A true JPH1042850A (ja) | 1998-02-17 |
Family
ID=16714671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21810296A Pending JPH1042850A (ja) | 1996-08-01 | 1996-08-01 | 発泡性乳酒飲料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1042850A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003300900A (ja) * | 2002-04-11 | 2003-10-21 | Lotte Co Ltd | カルシウム吸収促進剤及びリン酸カルシウム結晶成長促進剤並びにこれらを含有してなる飲食物と飼料 |
WO2009048180A1 (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-16 | Nagai Sake Inc. | 発泡性清酒及びその製造方法 |
JPWO2013073424A1 (ja) * | 2011-11-14 | 2015-04-02 | 株式会社明治 | 液状発酵乳及びその製造方法 |
CN114717066A (zh) * | 2022-03-18 | 2022-07-08 | 浙江工商大学 | 一种奶酪红酒及其酿造方法 |
-
1996
- 1996-08-01 JP JP21810296A patent/JPH1042850A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003300900A (ja) * | 2002-04-11 | 2003-10-21 | Lotte Co Ltd | カルシウム吸収促進剤及びリン酸カルシウム結晶成長促進剤並びにこれらを含有してなる飲食物と飼料 |
WO2009048180A1 (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-16 | Nagai Sake Inc. | 発泡性清酒及びその製造方法 |
JP2009089663A (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-30 | Nagai Shuzo Kk | 発泡性清酒の製造方法 |
JPWO2013073424A1 (ja) * | 2011-11-14 | 2015-04-02 | 株式会社明治 | 液状発酵乳及びその製造方法 |
CN114717066A (zh) * | 2022-03-18 | 2022-07-08 | 浙江工商大学 | 一种奶酪红酒及其酿造方法 |
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