JPH1042714A - 移植用の育苗容器 - Google Patents

移植用の育苗容器

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JPH1042714A
JPH1042714A JP22062696A JP22062696A JPH1042714A JP H1042714 A JPH1042714 A JP H1042714A JP 22062696 A JP22062696 A JP 22062696A JP 22062696 A JP22062696 A JP 22062696A JP H1042714 A JPH1042714 A JP H1042714A
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JP
Japan
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container
felt
seedling
seedlings
wool
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JP22062696A
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Koji Kawasaki
紘二 川崎
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Fujiko KK
Fujikoo KK
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Fujiko KK
Fujikoo KK
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02W90/10Bio-packaging, e.g. packing containers made from renewable resources or bio-plastics

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  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 苗木を育成・移植する際に用いる育苗容器に
ついて、生育した苗木を容器ごと搬送してそのまま植え
替えまたは露地に直接植え付ける。 【解決手段】 所定量の熱成形用樹脂を添加した羊毛お
よび/またはレーヨン繊維からなるフェルトシートを用
い、該フェルトを硬仕上げ成形することによって上面開
口の筒形状体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、苗木を育成・移植
する際に用いるフェルト製の育苗容器に関し、生育した
苗木を容器ごと搬送してそのまま植え替えまたは露地に
直接植え付けできる育苗容器に関する。
【0002】
【従来の技術】都市の公園,庭園や街路には、美観と保
養のために、各種の樹木が植えられている。これらの樹
木は、播種又は苗木の時から直接植えるでなく、ある程
度生育した状態のものを植樹して全体の植栽樹木の大き
さを統一している。苗木の育成には、地上における播種
床,床替え床別に作用深さを変え、根切り掘取機によっ
て苗木の細根の切断および根上げを行うことを必要とす
る。
【0003】 発芽後ある程度まで生育した苗木は、地
中から掘り出し、プラスチックトレーに並べた薄いビニ
ルやプラスチックの黒い成形容器に入れて育成を続け
る。黒色ビニル容器中の苗木は、そこで約半年から1年
前後育成され、さらに育成が必要ならばより大きい容器
に移植する。また、その苗木が出荷可能まで生育してい
るならば、その容器ごと植樹場所まで搬送する。現時点
では、黒色ビニル容器は、素焼き容器などに比べて製造
コストが安く、苗木の収納作業も容易であるので主に使
用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この黒色ビニル容器で
は、苗木の根はビニル周壁から通過して伸びることがで
きず、根の成長が進むと内周壁に沿ってぐるぐる巻き付
いてしまううえに、容器内部の通気性も良くなく、容器
内土壌の酸素が不足したり水分過多となって苗木の根の
発達を阻害する。根が容器内で巻き付いてしまうと、露
地に植え付けた後の苗木の生育に悪影響を及ぼし、移植
後に樹木が枯れる遠因となる。
【0005】 黒色ビニル容器は、苗木を公園,庭園や
街路などの植樹場所に搬送して植え込み時に除去するこ
とを要する。この容器は黒色で通気性がないので、移植
日が真夏であると、掘り出した容器内部が直射日光で異
常に熱くなり、根が焼けるという事態が発生する。ま
た、植樹後に空になった容器は、廃棄物として回収する
必要があり、多量に廃棄する場合には公害問題になる。
【0006】 本発明は、従来の黒色ビニル容器に関す
る前記の問題点を改善するために提案されたものであ
り、生育した苗木を容器ごと搬送でき、苗木の移し替え
時または植樹場所で除去する必要がない移植用の育苗容
器を提供することを目的としている。本発明の他の目的
は、埋め込んだ容器が腐植すると苗木の肥料成分となる
移植用の育苗容器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る苗木育苗容器1は、図2に示すような
上面開口の筒形状を有し、図3および図4に例示するよ
うに、羊毛,レーヨン繊維またはこの両者を混綿したフ
ェルト2のシート3の硬仕上げ成形によって形成する。
育苗容器1は、筒形状であれば円筒形でも角筒形でも可
能であるが、中空の逆円錐台形であると一般に熱成形し
やすく、且つ苗木や土を入れやすいので好ましい。
【0008】 フェルト用のカードラップが全量または
大部分羊毛繊維であれば、縮充加工によってフェルト2
を得ることができ、レーヨン繊維の含有量が多い場合に
はニードルパンチングでフェルト化させる。このニード
ルパンチングにおける針密度は、例えば100〜400
本/cm2である。用いるフェルト2は、厚さ0.5〜
4.0mm、重さ100〜500g/m2であると好まし
い。フェルト2の厚さと重さが前記の所定値以下である
と、熱成形用樹脂の添加量を増やしてもシート3の硬仕
上げ成形によって強固な容器周壁を得ることが困難にな
る。
【0009】 フェルトシート3の硬仕上げ成形のため
に、フェルト2に所定量の熱成形用樹脂を添加する。樹
脂の添加方法は、いわゆる塗布またはスプレーなどのい
ずれでもよく、熱成形の前に樹脂を乾燥する。この樹脂
として、アクリル系,ウレタン系,ゴム系,オレフィン
系などの樹脂を用い、経時的に自然分解する樹脂である
と好ましい。樹脂の添加量は、フェルト2に対して10
〜50重量%であり、10重量%未満であるとフェルト
2の硬仕上げ成形が困難になり、40重量%以上では自
然分解を抑制するうえに不経済であり、好ましくは20
〜35重量%添加する。
【0010】 フェルト用のカードラップには、熱成形
用樹脂に代えて、溶融すると繊維形状が消滅する熱溶融
性繊維を加えてもよい。この熱溶融性繊維は、ラップ全
量に対して20〜35重量%程度加え、全体が一体の繊
維素材で溶融すると繊維形状が完全に消滅するものが好
ましく、溶融した際に高融点繊維部分が残存する鞘状繊
維や分割繊維などは好ましくない。
【0011】 また、適量の撥水剤をフェルト2に添加
すると、育苗容器1の腐植時間を調整することが可能で
ある。用いる撥水剤は、例えばフッ素系であり、それ自
体は不活性で苗木に影響を与えない物質であることを要
する。フッ素系の撥水剤をフェルトに対して5〜10重
量%を添加してから硬仕上げ成形することにより、地上
で栽培した際の育苗容器1の腐植時間を約6ヶ月から1
年間遅らせることが可能である。
【0012】 フェルトシート3の硬仕上げ成形には、
図3および図4に例示するような熱成形機15を用い、
該成形機において加熱温度は120〜200℃であり、
成形時間は3〜60秒間に定める。この硬仕上げ成形に
は、公知の凹凸プレス成形機(図示しない)などを用い
てもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】育苗容器1(図2)は、所定量の
熱成形用樹脂を添加してフェルトシート3(図5)を硬
仕上げ成形することで剛性があり、空の状態でも筒形状
を保持して開口・立脚している。育苗容器1で育成でき
る苗木7(図1)は、クスノキ,ケヤキ,ヤマモモ,サ
クラ,シラカシ,ユニファー類,シャリンバイ,トベラ
などであり、発芽後10〜15cmに生育した苗木を入
れ、プラスチックトレー5に並べて育成する際に用い
る。
【0014】 育苗容器1は、その組織が天然繊維のフ
ェルト2からなり、容器内土壌中で一定の酸素濃度を保
持し且つ水分過多を防いで苗木7の根の発達を促し、該
苗木の根は育苗容器1中で細かく分岐・蔓延する。育苗
容器1中の苗木7は、そこで約半年から1年育成され、
さらに育成が必要ならばより大きい容器に移し替え、そ
の際に容器1を除去することなく、苗木とともに大きい
容器に直接埋め込めばよい。より大きい容器が本発明の
育苗容器であれば、次の移し替え作業も同様に容易であ
る。
【0015】 苗木が出荷可能まで生育しているなら
ば、育苗容器1ごと植樹場所まで搬送する。育苗容器1
は、苗木を植樹場所での植え込み時に除去することな
く、該苗木とともに地中に埋め込めばよい。地中に埋め
込まれた育苗容器1は、経時的に腐植して地中でほぼ完
全に自然分解するうえに、羊毛繊維製のフェルト2を用
いる容器においては腐植すると苗木の窒素肥料成分とな
る。
【0016】 移し替えまたは出荷までの期間の長い苗
木については、別の容器または植樹場所に植え込む前
に、育苗容器1が腐植してしまって容器ごとの搬送が不
可能になるのを防ぐために、適量の撥水剤をフェルト2
に添加して容器1の腐植時間を調整してもよい。育苗容
器1を製造する際に、適量の撥水剤をフェルト2に添加
しておくと、該容器の腐植時間を約6ヶ月から1年間遅
らせることができる。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1 図2に示す育苗容器1を製造するため、20〜25μm
の羊毛繊維40重量%と、3デニールのレーヨン繊維6
0重量%とを相互に混綿して積層する。このカードラッ
プの全体を、通常のロッキングニードルを用いて300
本/cm2の針密度でニードルパンチングしてフェルト
化し、厚さ2.0mm,重さ300g/m2のフェルト2
を得る。
【0018】 フェルト2には、ゴム系の熱成形用樹脂
(昭和高分子製)を25重量%塗布によって添加する。
樹脂含浸のフェルト2は、加熱炉(図示しない)を通し
て乾燥してから個々のシート3に裁断し、次の熱成形工
程へ送る。
【0019】 熱成形工程において、フェルトシート3
は、図3に示す成形機15の環状クランプ材20,21
で挟む。次にクランプ材20,21を下方へ移動し、中
央の円錐台形の雄型22で予備成形してから、さらに椀
形の雌型23(図4)を下降させて硬仕上げ成形する。
この際に、クランプ材20,21および雄型22はヒー
タで約150〜180℃に加熱し、予備および仕上げ成
形時間は約20秒間である。
【0020】 熱成形された容器素材の全周縁部を円形
にトリミングし、フランジ部10を有する育苗容器1
(図2)を形成する。育苗容器1は、例えば直径120
〜180mm,高さ100〜150mmであり、空の状
態で筒形状を保持して開口・立脚する。
【0021】 例えば発芽後10cmに生育したクス苗
木7(図1)を地中から掘り出し、育苗容器1の中に入
れ、該容器をプラスチックトレ−5に並べて育成する。
苗木7の根は、育苗容器1中で養分や水を吸収し、細か
く分岐・蔓延して発達する。育苗容器1中の苗木7は、
そこで約1年育成され、さらにより大きい容器に移し替
える。移し替えの際に容器1を除去することなく、苗木
7とともに大きい容器に直接埋め込む。
【0022】 また、低木のシャリンバイでは、苗木か
ら出荷可能まで育成すると育苗容器1ごと植樹場所まで
搬送し、該育苗容器を植樹場所で植え込み時に除去する
ことなく、シャリンバイとともに埋め込む。地中に埋め
込まれた育苗容器1は、経時的に腐植して地中でほぼ完
全に自然分解し、フェルト2中の羊毛繊維が腐植して樹
木の窒素肥料となる。
【0023】実施例2 フランジ部を有しない育苗容器を製造するため、20〜
25μmの羊毛繊維40重量%と、3デニールのレーヨ
ン繊維30重量%と、6デニールの熱溶融性繊維(チッ
ソ製のポリエチレン繊維)30重量%とを相互に混綿し
て積層する。このカードラップの全体を、通常のロッキ
ングニードルを用いて300本/cm2の針密度でニー
ドルパンチングしてフェルト化し、厚さ1.5mm,重
さ300g/m2のフェルトを得る。
【0024】 このフェルトは、加熱炉(図示しない)
において、180℃に加熱して含有の熱溶融性繊維を溶
融し、この後に冷却して全体がシート状になってから個
々に裁断する。得たフェルトシートは、公知の凹凸プレ
ス成形機を用いて常温で成形する。成形された容器素材
の全周縁部を均一にトリミングし、フランジ部を有しな
い育苗容器(図示しない)を形成する。この育苗容器
は、例えば直径120〜180mm,高さ100〜15
0mmであり、空の状態で筒形状を保持して開口・立脚
する。
【0025】 この育苗容器には、実施例1と同様に、
例えば発芽後10cmに生育したクス苗木を入れ、該容
器をプラスチックトレ−に並べて育成する。この育苗容
器中の苗木は、そこで約1年育成され、さらにより大き
い容器に移し替える。移し替えの際に容器を除去するこ
となく、苗木とともに大きい容器に直接埋め込む。大き
い容器に埋め込まれた育苗容器は、経時的に腐植して地
中でほぼ完全に自然分解し、羊毛繊維が腐植して樹木の
窒素肥料となる。
【0026】実施例3 実施例1と同組成のカードラップを、実施例1と同様に
処理してフェルトを得る。このフェルトは、実施例1と
同様に樹脂加工して乾燥してから、フッ素系撥水剤(ユ
ニオン化学製)を5重量%添加する。樹脂含浸および撥
水処理したフェルトは、個々のシートに裁断してから、
実施例1と同様に筒状に熱成形する。
【0027】 得た育苗容器は、例えば直径120〜1
80mm,高さ100〜150mmであり、空の状態で
筒形状を保持して開口・立脚する。この育苗容器は、実
施例1の育苗容器に比べて腐植時間が約6ヶ月間遅れ
る。
【0028】 得た育苗容器の中に、発芽後12cmに
生育した苗木を入れ、該容器において約1年育成でき
る。この育苗容器は、生育した苗木を植樹場所で植え込
み時に除去することなく、該苗木とともに埋め込む。地
中に埋め込まれた育苗容器は、経時的に腐植して地中で
ほぼ完全に自然分解する。
【0029】実施例4 実施例1と同組成のカードラップを、実施例1と同様に
処理してフェルトを得る。このフェルトは、実施例1と
同様に樹脂加工して乾燥してから、シリコン系撥水剤
(信越化学工業製)を5重量%添加する。樹脂含浸およ
び撥水処理したフェルトは、個々のシートに裁断してか
ら、実施例1と同様に筒状に熱成形する。
【0030】 得た育苗容器は、例えば直径120〜1
80mm,高さ100〜150mmであり、空の状態で
筒形状を保持して開口・立脚する。この育苗容器は、実
施例1の育苗容器に比べて腐植時間が約6ヶ月間遅れ
る。
【0031】実施例5 実施例1と同組成のカードラップを、実施例1と同様に
処理してフェルトを得る。このフェルトは、実施例1と
同様に樹脂加工して乾燥してから、フッ素系撥水剤(ユ
ニオン化学製)を10重量%添加する。樹脂含浸および
撥水処理したフェルトは、個々のシートに裁断してか
ら、実施例1と同様に筒状に熱成形する。
【0032】 得た育苗容器は、例えば直径120〜1
80mm,高さ100〜150mmであり、空の状態で
筒形状を保持して開口・立脚する。この育苗容器は、実
施例1の育苗容器に比べて腐植時間が約1年間遅れる。
【0033】 得た育苗容器の中に、発芽後10cmに
生育した苗木を入れ、該容器において1年半近く育成で
きる。この育苗容器は、生育した苗木を植樹場所で植え
込み時に除去することなく、該苗木とともに埋め込む。
地中に埋め込まれた育苗容器は、経時的に腐植して地中
でほぼ完全に自然分解する。
【0034】実施例6 図2に示す育苗容器1を製造するため、全量が20〜2
5μmの羊毛繊維であるカードラップを用いる。このカ
ードラップの全体を縮充加工によってフェルト化し、厚
さ3mm,重さ400g/m2のフェルト2を得る。
【0035】 フェルト2には、オレフィン系の熱成形
用樹脂を35重量%塗布によって添加する。樹脂含浸の
フェルト2は、加熱炉(図示しない)を通して乾燥して
から個々のシート3に裁断し、次の熱成形工程へ送る。
【0036】 熱成形工程において、フェルトシート3
は、図3に示す成形機15の環状クランプ材20,21
で挟む。次にクランプ材20,21を下方へ移動し、中
央の円錐台形の雄型22で予備成形してから、さらに椀
形の雌型23(図4)を下降させて硬仕上げ成形する。
この際に、クランプ材20,21および雄型22はヒー
タで約150〜180℃に加熱し、予備および仕上げ成
形時間は約20秒間である。
【0037】 熱成形された容器素材の全周縁部を円形
にトリミングし、フランジ部10を有する育苗容器1
(図2)を形成する。育苗容器1は、例えば直径120
〜180mm,高さ100〜150mmであり、空の状
態で筒形状を保持して開口・立脚する。
【0038】 例えば発芽後15cmに生育したケヤキ
苗木を地中から掘り出し、育苗容器1の中に入れ、該容
器をプラスチックトレ−5に並べて育成する。苗木7の
根は、育苗容器1中で養分や水を吸収し、細かく分岐・
蔓延して発達する。育苗容器1中の苗木7は、そこで約
1年育成され、さらにより大きい容器に移し替える。移
し替えの際に容器1を除去することなく、苗木7ととも
に大きい容器に直接埋め込む。
【0039】 また、低木のトベラでは、苗木から出荷
可能まで1年間育成すると育苗容器1ごと植樹場所まで
搬送する。育苗容器1は、トベラを植樹場所で植え込み
時に除去することなく、該トベラとともに埋め込む。地
中に埋め込まれた育苗容器1は、経時的に腐植して地中
でほぼ完全に自然分解し、フェルト2中の羊毛繊維が腐
植して樹木の窒素肥料となる。
【0040】
【発明の効果】本発明の育苗容器は、移し替えの際に苗
木とともに大きい容器に直接埋め込み、苗木が出荷可能
まで十分に生育していれば該苗木ごと搬送できる。この
育苗容器は、苗木の移し替え時または植樹場所で植え込
み時に除去することなく、該苗木とともに埋め込めばよ
く、地中に埋め込まれると経時的に腐植して自然分解
し、植樹場所で容器だけ除去する必要がないので便利で
ある。
【0041】 本発明の育苗容器は、フェルトシートを
硬仕上げ成形することで剛性があり、空の状態でも筒形
状を保持して開口・立脚しているので、苗木を収納する
際の作業が容易である。この育苗容器は、十分な通水性
および通気性を有する天然繊維のフェルト製であり、苗
木における細根の一部は容器内部で十分に伸長できる。
【0042】 本発明において、羊毛繊維を含むフェル
トから製造した育苗容器は、腐植すると苗木の窒素肥料
成分となり、苗木の窒素欠乏を防止して葉緑素の生成を
促進する。また、羊毛繊維によって窒素肥料が充足され
ると、蛋白質合成を促進して苗木が速やかに生長する。
出荷までの育成期間の長い苗木については、適量の撥水
剤をフェルトに添加して育苗容器の腐植時間を調整する
と、植樹場所に植え込む前に育苗容器が腐植し、該苗木
を容器ごと搬送することが不可能になるのを防ぐ。
【0043】 本発明の育苗容器は、周壁が黒色でなく
て淡色であり、移植日が真夏であっても容器内部が直射
日光で熱くならず、移植の際に根が焼けるという事態は
発生しない。また、この育苗容器は、移し替え時または
植樹場所において苗木ごと埋め込むので廃棄物が発生せ
ず、空容器の廃棄による公害問題を完全に無視できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る育苗容器において苗木を育成す
る状態を例示する概略斜視図である。
【図2】 本発明の育苗容器を示す斜視図である。
【図3】 育苗容器を製造するために用いる熱成形機の
概略断面図である。
【図4】 図3の熱成形機における仕上げ工程を示す概
略断面図である。
【図5】 熱成形時においてフェルトシートの繊維が配
向する状態を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
1 育苗容器 2 フェルト 3 フェルトシート 5 プラスチックトレー 7 苗木

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 苗木を育成・移植する際に用いる容器で
    あって、所定量の熱成形用樹脂を添加した羊毛および/
    またはレーヨン繊維からなるフェルトシートを用い、該
    フェルトを硬仕上げ成形することによって上面開口の筒
    形状体となし、容器組織を天然繊維で構成することで地
    中に放置すると自然分解し、移植時に容器の除去作業が
    不要である育苗容器。
  2. 【請求項2】 苗木を育成・移植する際に用いる容器で
    あって、羊毛および/またはレーヨン繊維と、溶融する
    と繊維形状が消滅する熱溶融性繊維とを加えたフェルト
    シートを用い、該フェルトを加熱してから仕上げ成形す
    ることによって上面開口の筒形状体となし、容器組織を
    天然繊維で構成することで地中に放置すると自然分解
    し、移植時に容器の除去作業が不要である育苗容器。
  3. 【請求項3】 苗木を育成・移植する際に用いる容器で
    あって、少なくとも羊毛および/またはレーヨン繊維を
    含有するフェルトシートを用い、さらに該フェルトに適
    量の撥水剤を添加して容器の腐植時間を調整し、このフ
    ェルトを硬仕上げ成形することによって上面開口の筒形
    状体となし、容器組織を天然繊維で構成することで地中
    に放置すると自然分解するうえに、地上で栽培した際の
    容器の腐植時間を適宜遅らせる育苗容器。
  4. 【請求項4】 苗木を育成・移植する際に用いる容器で
    あって、羊毛および/またはレーヨン繊維からなるフェ
    ルトシートを用い、該フェルトに対して10〜50重量
    %の熱成形用樹脂を添加し、さらにフッ素系,シリコン
    系,オレフィン系の単独または混合の撥水剤をフェルト
    に対して5〜10重量%を添加してから筒状に硬仕上げ
    成形することにより、地上で栽培した際の容器の腐植時
    間を約6ヶ月から1年間以上遅らせる育苗容器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109275483A (zh) * 2018-11-19 2019-01-29 山东泓森林业有限公司 一种泓森槐生物质能源林的造林方法
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WO2022211107A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 プランツラボラトリー株式会社 植物栽培用培地およびその製造方法

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