JPH1041065A - マイクロ波照射槽 - Google Patents

マイクロ波照射槽

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JPH1041065A
JPH1041065A JP21208496A JP21208496A JPH1041065A JP H1041065 A JPH1041065 A JP H1041065A JP 21208496 A JP21208496 A JP 21208496A JP 21208496 A JP21208496 A JP 21208496A JP H1041065 A JPH1041065 A JP H1041065A
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JP
Japan
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push
cam plate
heated
container
arm
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JP21208496A
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Inventor
Hiroyuki Konno
裕之 今野
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁波の漏洩を防止する。 【解決手段】 マイクロ波を遮断する筺体1と、その内
部におけるマイクロ波発振手段2と、複数の被加熱容器
Mを載置する載置テーブル3と、各被加熱容器Mを所定
方向に移動させる移動力付勢手段4とを備え、この移動
力付勢手段4が、各被加熱容器Mの移動を案内する長方
形状の容器ガイド41と、この容器ガイドの一辺毎に被
加熱容器Mの移動を付勢するプッシュアーム42と、プ
ッシュアーム42に回動力を付勢するカム機構45とを
有し、このカム機構45が、カム板451と、このカム
板451を回転する駆動手段452と、カム板451に
当接して往復移動を行うプッシュロッド453と、プッ
シュロッド453に付勢されてそれぞれ回動するスレイ
ブアーム454とを備え、スレイブアーム454とプッ
シュアーム42を回動軸43を介して連結している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波照射槽
に係り、特に、複数の被加熱容器に加熱等を行うマイク
ロ波照射槽に関する。
【0002】
【従来の技術】図16は従来例を示している。この従来
のマイクロ波照射槽100は、ベルトコンベア装置Bの
搬送路の中間に設けられ、このベルトコンベア装置Bの
ベルト上に載置されて搬送される複数の被加熱物Kに順
次連続的にマイクロ波の照射を行うものである。
【0003】即ち、ベルトコンベア装置Bの搬送ベルト
が、内部でマイクロ波発振手段109を備えたマイクロ
波照射槽100を通過する構造となっており、このマイ
クロ波照射槽100の筺体101には搬送ベルトの搬入
口101Aと搬出口101Bとが設けられている。
【0004】そして、これら搬入口101A及び搬出口
101Bには筺体101内部のマイクロ波の漏洩防止の
ために、それぞれ漏洩防止手段102,103が設けら
れている。この漏洩防止手段102,103は、筺体1
01の搬入口101A及び搬出口101Bにそれぞれ連
通する搬送路104,105と、これら各搬送路10
4,105の内壁に設けられたマイクロ波吸収体10
6,107と、搬送路104,105内の各部で回動自
在に垂下された反射板108とから構成されている。
【0005】上記の構成により、ベルトコンベア装置B
上に載置された複数の被加熱物Kが順次マイクロ波照射
槽100内部に搬送され、筺体101の搬入口101A
から搬出口101Bを通過するまでの間にマイクロ波発
振手段109からマイクロ波の照射を受けて加熱が行わ
れる。
【0006】また、マイクロ波発振手段109から発振
されたマイクロ波は、各反射板108に反射され、また
各搬送路104,105に設けられたマイクロ波吸収体
106,107に吸収され、外部に漏れないようになっ
ている。
【0007】また、他のマイクロ波の漏洩防止手段とし
ては、各搬送路にマイクロ波の周波数に応じたマイクロ
波チョークを設ける方法が一般的である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例は、筺体内部にベルトコンベア装置の搬送ベルトを
貫通させて複数の被加熱物を搬送させる構造であるため
に、筺体の搬入口及び搬出口を開放した状態を維持する
必要があり、かかる場合、筺体内部のマイクロ波の漏洩
防止構造を施さねばならなかった。
【0009】また、このマイクロ波の漏洩の防止のため
に筺体に設けられたマイクロ波漏洩防止手段によってマ
イクロ波照射槽全体に大型化が生じていた。
【0010】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、マイクロ波の漏洩防止を簡易な構造で成すと
共に、槽全体の小型化を図ることができるマイクロ波照
射槽を提供することを、その目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、マイクロ波を遮断すると共に開閉が自在である筺体
と、この筺体内部でマイクロ波を発振するマイクロ波発
振手段と、筺体内において,被加熱物等を収容する複数
の被加熱容器を載置する載置テーブルと、この載置テー
ブル上で各被加熱容器を所定方向に移動させる移動力付
勢手段とを備えている。
【0012】そして、この移動力付勢手段が、載置テー
ブル上で各被加熱容器を長方形の四辺に沿った方向への
移動を案内する容器ガイドと、この容器ガイドの長方形
の各辺毎に設けられ,各々対応する一辺に沿って被加熱
容器の移動を付勢する回動自在の四つのプッシュアーム
と、これら各プッシュアームに個別に順次回動力を付勢
するカム機構とから構成されている。
【0013】さらに、このカム機構は、所定の突出部を
備える平板状に形成されると共に回転自在に配設したカ
ム板と、このカム板に回転力を付勢する駆動手段と、カ
ム板の周縁部に沿って常時その一端部を当接させて往復
移動を行う四つのプッシュロッドと、これら各プッシュ
ロッドの他端部に付勢されてそれぞれ回動を行う四つの
スレイブアームとを備え、各スレイブアームの回動中心
部と各プッシュアームの回動中心部とをそれぞれ回動軸
を介して個別に連結するという構成を採っている。
【0014】上記構成による各部の動作の際には、ま
ず、載置テーブル上の容器ガイドに沿って複数の被加熱
容器が載置される。このとき、載置領域テーブル上には
被加熱容器一つ分の空き領域が設けられる。
【0015】そして、マイクロ波発振手段により筺体内
でマイクロ波の照射がこれら各被加熱容器に行われると
同時に、カム機構が駆動を開始する。即ち、駆動手段に
よってカム板に回転が付勢されると、カム板の回転動作
に伴い、このカム板の周縁部にその一端部を当接させた
各プッシュロッドに、カム板の形状に応じてそれぞれ往
復移動が付勢される。
【0016】このとき、各プッシュロッドの内,カム板
の突出部にその一端部が当接したプッシュロッドは、そ
の往復移動変位が最も大きくなり、これによりスレイブ
アームを介して対応するプッシュアームが大きく回動す
る。上記の突出部は、回転移動により順番に各プッシュ
ロッドを往復移動させるため、各プッシュアームの回動
も順番に行われる。
【0017】各プッシュアームが順番に回動することよ
り、長方形状の容器ガイドの各辺に配設された各被加熱
容器毎に移動が付勢される。即ち、容器ガイド上に形成
された空き領域に向けて任意の辺に沿った複数の被加熱
容器を一定方向に移動させると,その移動方向の後端側
に新たに空き領域が形成される。そして、その新たな空
き領域に隣接する一辺に沿って被加熱容器が移動を付勢
され、この動作が順次連続して行われることにより、各
被加熱容器は長方形の容器ガイドに沿って周回移動が行
われる。
【0018】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明と同様の構成を備えると共に、カム板は、その回転中
心と同心の円板と,該円板の周縁部からその略半径方向
に突出する突出部とからなり、この突出部を、円板の周
縁部全体の四分の一を越えない範囲から突設させるとい
う構成を採っている。
【0019】かかる構成では、請求項1記載の発明と同
様の動作が行われ、これに加えて、カム板の四方からそ
れぞれの一端部を当接させたプッシュロッドはカム板を
構成する円板の周縁部からその略半径方向に突出する突
出部により往復移動を付勢される。
【0020】このとき、円板の周縁部全体の四分の一を
越えない範囲から突設された突出部には、四方から当接
する全てのプッシュロッドが当接しない状態(全てのプ
ッシュロッドの一端部が円板の周縁部に当接している状
態,即ち全てのプッシュロッドの往復移動変位が最小と
なる状態)が発生する。
【0021】かかる場合、四本全てのプッシュアームに
ついても、初期位置に戻り,回動を行っていない状態
(退避状態)になる。このときに生じる空き領域に新た
な被加熱容器を投入し、また同時に所定の被加熱容器の
取り出しを行っても良い。
【0022】本発明は、上述した各構成によって前述し
た目的を達成しようとするものである。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を、図1乃至図
8に基づいて説明する。本実施形態は、被加熱容器に収
納された被加熱物をマイクロ波の照射により加熱を行う
マイクロ波照射槽10を示している。
【0024】図4は、被加熱容器であるマイクロプレー
トMを示している。このマイクロプレートMは、8×1
2で配設された96個の凹状の有底穴(ウェル)が形成
されており、これら各ウェル内に被加熱物が収容され
る。
【0025】マイクロ波照射槽10は、マイクロ波を透
過しない素材からなると共に開閉が自在である筺体1
と、この筺体1内部でマイクロ波を発振するマイクロ波
発振手段2と、筺体1内で,マイクロプレートMを載置
する載置テーブル3と、この載置テーブル3上で各マイ
クロプレートMを一定方向に移動させる移動力付勢手段
4とを備えている。
【0026】上記筺体1の上部には、図2に示すよう
に、マイクロ波発振手段2がこの筺体1の内部に向けて
マイクロ波を発振するように装備されており、また、図
示を省略した開閉式のマイクロプレート用出入口が設け
られている。
【0027】さらに、筺体1の内部にはその内部空間を
上部と下部に仕切る載置テーブル3が装備されている。
この載置テーブル3はマイクロ波を透過しない素材から
なり、これによって、載置テーブル3の下方側にマイク
ロ波が伝播されない構造となっている。
【0028】また、この載置テーブル3の上面には、後
述する容器ガイド41が装備され、この容器ガイド41
に沿って載置テーブル3上を複数のマイクロプレートM
が摺動して搬送されるため、載置テーブル3の表面は滑
らかに形成されている。
【0029】載置テーブル3には、移動力付勢手段4が
配設されている。この移動力付勢手段4は、載置テーブ
ル3上で複数のマイクロプレートMに長方形の各辺に沿
った移動を案内する容器ガイド41と、この容器ガイド
41の長方形の各辺に近接して設けられ,各々対応する
辺に沿ってマイクロプレートMの移動を付勢する回動自
在の四つのプッシュアーム42L,42R,42U,4
2Dと、これら各プッシュアーム42L,42R,42
U,42Dに順次回動力を付勢するカム機構45とから
構成されている。
【0030】上記容器ガイド41は、前述したように載
置テーブル3上に配設されており、マイクロプレートM
を縦3つ横3つずつ配設した大きさにほぼ等しい長方形
状の外側ガイド41Aと,この外側ガイド41Aの中央
に配設されたマイクロプレートM一つ分の大きさにほぼ
等しい内側ガイド41Bとから構成され、これら外側ガ
イド41Aと内側ガイド41Bとの間に形成される案内
経路上に複数のマイクロプレートMが配設される。この
とき、この案内経路にはマイクロプレートMを3×3−
1で計8つまで載置可能であるが、搬送の際にマイクロ
プレートM一つ分の空き領域が必要となるため、実際は
案内経路内に7つのマイクロプレートMが載置される。
【0031】容器ガイド41の周囲には、当該長方形状
の容器ガイド41の各辺に近接してプッシュアーム42
L,42R,42U,42Dがそれぞれ回動自在に装備
されている。このうちプッシュアーム42L,42Rは
載置テーブル3の中心に対して対称に配設されており、
アームの長さも等しく設定されている。また、プッシュ
アーム42Uとプッシュアーム42Dとについても同様
となっている。
【0032】各プッシュアーム42L,42R,42
U,42Dは、それぞれ一端で回動軸43L,43R,
43U,43Dの上端部に連結されており、また他端の
回動端側の各先端部には、当接部材44L,44R,4
4U,44Dがそれぞれ垂設されている。各回動軸43
L,43R,43U,43Dは、それぞれ載置テーブル
3の下面側に固定装備された各保持部材46L,46
R,46U,46Dに回動自在に保持されたおり、これ
により、各プッシュアーム42は、載置テーブル3上の
各マイクロプレートMよりも高い位置で回動を行い、先
端部に垂設された各当接部材44がマイクロプレートM
に当接するようになっている。
【0033】ここで、各回動軸43は、載置テーブル3
を貫通した状態で配設されているが、この各回動軸43
はナイロン系,フッ素系等の誘電率の低い材質(3.0
以下程度)で形成されると共に載置テーブル3との間は
カットオフ寸法で形成されているために、ここから載置
テーブル3の下方にマイクロ波が漏洩することは防止さ
れる。
【0034】上記構成により、プッシュアーム42に回
動軸43を介して回動力が付勢されると、当接部材44
がマイクロプレートMに当接し、容器ガイド41の一辺
に沿って搬送が行われる。
【0035】上記各プッシュアーム42は、前述したよ
うに、各回動軸43を介してカム機構45により回動力
が付勢される。このカム機構45は、載置テーブル3の
下面側中央に回転自在に配設されたカム板451と,こ
のカム板451に回転力を付勢する駆動手段としての駆
動モータ452と,カム板451の周縁部に沿って常時
その一端部を当接させて往復移動を行う四つのプッシュ
ロッド453L,453R,453U,453Dと、こ
れら各プッシュロッド453L,453R,453U,
453Dの他端部に付勢されてそれぞれ回動を行う四つ
のスレイブアーム454L,454R,454U,45
4Dとを備えた構成となっている。
【0036】まず、上記カム板451は、駆動モータ4
52の駆動軸がその中心部に接続されたと円板451A
と,該円板451Aの周縁部からその略半径方向(やや
接線方向に近い方向で)に突出する突出部451Bとか
らなり、この突出部451Bが、円板の周縁部全体の四
分の一を越えない範囲から突設させた形状に形成されて
いる。
【0037】なお、このカム板451は、この図1に示
された形状に限定するものではなく上記の条件を満たす
範囲で異なる形状であっても良い。また、この駆動モー
タ452の駆動軸とカム板451との間にはギア機構等
の動力伝達手段を設け、回転数の調節を行っても良い。
【0038】カム板451の周囲には、四つのプッシュ
ロッド453L,453R,453U,453Dが配設
されている。これら各プッシュロッド453L,453
R,453U,453Dは、その先端部にカムフォロア
456L,456R,456U,456Dを備え、この
カムフォロア456を介してカム板451の周縁部に当
接している。各カムフォロア456は、回転自在のロー
ラであり、カム板451の回転に応じて接触摩擦力によ
り回転する。
【0039】さらに、各プッシュロッド453L,45
3R,453U,453Dは、ぞれぞれ各ハウジング4
55L,455R,455U,455Dにより往動自在
に保持されている。これらハウジング455は、載置テ
ーブル3の下面側に固定装備されており、導通穴が形成
され、この導通穴にプッシュロッド453が往復動作を
自在として挿通されている。
【0040】また、各プッシュロッド453L,453
R,453U,453Dには、その先端部近くに鍔状部
453La,453Ra,453Ua,453Daが形
成され、この鍔状部453La,453Ra,453U
a,453Daとハウジング455L,455R,45
5U,455Dとの間には押圧バネ453Lb,453
Rb,453Ub,453Dbが装備されている。この
押圧バネ453bにより各プッシュロッド453は、常
時カム451板側に所定の押圧力で各カムフォロア45
6を当接させた状態を維持している。
【0041】各カムフォロア456は、カム板451の
四方から均一間隔で当接している。即ち、円板部451
の外周を90゜の間隔で当接している。このため、前述
した突出部451Bは、各カムフォロア456の丁度谷
間に入り込む状態が生じ得る。これにより、何れのプッ
シュロッド453もカム板451から押圧されず、従っ
て全てのプッシュアーム42が回動しない状態となる
(図1の状態)。
【0042】各プッシュロッド453L,453R,4
53U,453Dのカム板451との当接側と反対側の
端部には、後述する各スレイブアーム454L,454
R,454U,454Dにそれぞれ係合する係合突起4
53Lc,453Rc,453Uc,453Dcが図2
における下方に向けて設けられている。
【0043】これら各係合突起453cは円筒状に形成
され、スレイブアーム454に形成された長穴454a
に各々が遊挿され、各プッシュロッド453が往復動作
を行うと、各係合突起453cが各長穴454aに沿っ
て摺動しつつ各スレイブアーム454に回動動作を付勢
する。
【0044】各スレイブアーム454L,454R,4
54U,454Dは、一方の端部にその長手方向に沿っ
て長穴454La,454Ra,454Ua,454D
aが形成されており、他方の端部は各回動軸43L,4
3R,43U,43Dに固定連結されている。これによ
り、各プッシュロッド453から各スレイブアーム45
4に上記回動動作の付勢が行われると、各回動軸43を
介して対応する各プッシュアーム42の回動が行われる
ようになっている。
【0045】ここで、プッシュアーム42によるマイク
ロプレートMの搬送距離(以下プッシュアームストロー
クS1とする)とスレイブアーム454及びプッシュロ
ッド453との相関関係について詳説する。
【0046】本実施形態では、載置テーブル3上の容器
ガイド41がと長方形状であるため、プッシュアーム4
2L,42Rとプッシュアーム42U,42Dとでは、
各プッシュアームストロークS1の大きさが異なってく
る。即ち、プッシュアーム42L,42Rとプッシュア
ーム42U,42Dとでは、その回動角度が異なってい
る。具体的には、プッシュアーム42L,42Rの回動
角度は58゜、とプッシュアーム42U,42Dの回動
角度は52゜に設定されている。
【0047】一方、このマイクロ波照射槽10は、一枚
のカム板451により各プッシュロッド453に往復運
動を付勢するため、これら各プッシュロッド453L,
453R,453U,453Dは何れもほぼ同一の変位
量(以下、これをプッシュロッドストロークS2とす
る)でしか往復移動を行わない。本実施形態では、プッ
シュロッドストロークS2は34[mm]に設定されて
いる。
【0048】本実施形態では、かかる一定のプッシュロ
ッドストロークS2に対して各プッシュアーム42にそ
れぞれ対応する二種類の角度の回動動作を付勢するた
め、図5に示すように、回動軸43とプッシュロッド4
53の係合突起453cとの間の距離(以下、作用点距
離とする)を変えるという手法を採っている。
【0049】図5(A)は各プッシュロッド453L,
453Rの場合を示し、図5(B)は各プッシュロッド
453U,453Dの場合を示している。これらによる
と、各プッシュロッド453L,453Rでは作用点距
離をL1とし、各プッシュロッド453U,453Dで
は作用点距離をL2として、これら作用点距離をL1<
L2とする。すると、一定のプッシュロッドストローク
Sに対して、スレイブアーム454L,454Rは角度
θ1だけ回動し、スレイブアーム454U,454Dは
角度θ2だけ回動し、これら回動角度θ1,θ2の間に
は、θ1>θ2の関係が成立する。
【0050】上記手法によれば、作用点距離を大きくす
ることにより回動角度を小さくすることができ、これに
より、一枚のカム板により複数の回動角度に対応するこ
とができ、複数のプッシュアームストロークS1を各プ
ッシュアーム42に付勢することが可能である。かかる
作用点距離の調節は、各保持部材46及びハウジング4
55の相対的位置関係の設定により行われる。
【0051】また、本実施形態では、プッシュアーム4
2L,42Rとプッシュアーム42U,42Dとをそれ
ぞれを異なる長さに設定しており、上記図5に示す手法
と併せて、複数のプッシュアームストロークS1に対す
る対応を図っている。図6は、異なる長さのプッシュア
ーム42を同時に表示し、各長さの違いによりプッシュ
アームストロークS1に生じる変化を示す説明図であ
る。図6によれば、前述のプッシュロッドストロークS
2を同一の長さとした場合、プッシュアームストローク
S1は、各プッシュアーム42の長さと比例関係にある
ことが示されている。
【0052】また、各スレイブアームは、図7に示す形
状のものを使用しても良い。この図7に示すスレイブア
ーム454Hは、L字状の長穴454Haを有し,この
L字状の長穴454Haの一方の辺をプッシュロッド4
53の一方の端部(係合突起453c)の往復移動方向
位置において該往復移動方向と平行にして、スレイブア
ーム454を配設している。
【0053】かかる構成では、L字状の長穴454Ha
の上記一方の辺に沿って係合突起が移動する場合には、
スレイブアーム454Hは回動せず、長穴454Haの
一方の辺と他方の辺の境となる屈曲部分に当接部材が到
達して初めてスレイブアーム454Hの回動が開始され
る。即ち、長穴454Haの上記一方の辺の長さを変え
ることにより、係合突起453cは空走距離が長くな
り、これにより、スレイブアーム454Hの回動角度θ
1を変化させることができ、常に、一定のプッシュロッ
ドストロークS2を生ぜしめる単一のカム板451につ
いて、複数のプッシュアームストロークS1を各プッシ
ュアーム42に付勢することが可能である。
【0054】上述した本実施形態の動作を図1,図2,
図3及び図8に基づいて説明する。図8(A)〜(E)
は、カム板451の回転に伴う各プッシュアーム42の
回動動作を順番に示している。また、この図8では、七
つの各マイクロプレートMを移動動作説明のため、1〜
7までの番号を付しており、以下本文中では、マイクロ
プレートM1〜M7と記載する。
【0055】動作開始時において、カム板451の突出
部451Bは、プッシュロッド453Uとプッシュロッ
ド453Rとの間にあり、各プッシュアーム42は、回
動していない状態にある(図1及び図8(A)の状態。
以下、これを初期状態とする)。この初期状態におい
て、空き領域は、図1に示すように、載置テーブルの左
上に形成されている。この状態からマイクロ波発振手段
2によるマイクロ波発振手段の発振が行われると共に駆
動モータ452が駆動を開始する。
【0056】上記駆動モータ452により、カム板45
1が図1における時計方向に回転を開始する。初期状態
からカム板451が四分の一回転すると、プッシュロッ
ド453Rは、カム板451の突出部451Bにより、
カム板451の半径方向外側に向けて移動を付勢され、
スレイブアーム454R及び回動軸43Rを介してプッ
シュアーム42Rが反時計方向に回動される(図8
(B))。これにより、各マイクロプレートM3,M4
が左方向に移動され、空き領域は載置テーブル3の右上
となる。
【0057】さらに、カム板451が四分の一回転する
と、プッシュロッド453Rは押圧バネ453Rbによ
り半径方向外側に向けて移動しプッシュアーム42Rは
外側ガイド41Aの外側領域に戻される(以下、かかる
外側にある状態を待機状態とする)。そして、プッシュ
ロッド453Dが、カム板451の突出部451Bによ
り、カム板451の半径方向外側に向けて移動を付勢さ
れ、スレイブアーム454D及び回動軸43Dを介して
プッシュアーム42Dが反時計方向に回動される(図8
(C))。これにより、各マイクロプレートM5,M6
が上方向に移動され、空き領域は載置テーブル3の右下
となる。
【0058】以下、同様にして、カム板451がさらに
四分の一回転することにより、プッシュアーム42Dは
待機状態に戻され、プッシュアーム42Lがプッシュロ
ッド453L,スレイブアーム454L及び回動軸43
Lを介して反時計方向に回動される(図8(D))。こ
れにより、各マイクロプレートM7,M1が右方向に移
動され、空き領域は載置テーブル3の左下となる。
【0059】さらに、同様にして、カム板451の四分
の一回転することにより、プッシュアーム42Lは待機
状態に戻され、プッシュアーム42Uがプッシュロッド
453U,スレイブアーム454U及び回動軸43Uを
介して反時計方向に回動される(図8(E))。これに
より、各マイクロプレートM2,M3が右方向に移動さ
れ、空き領域は載置テーブル3の左上となる。
【0060】そして、さらなるカム板451の回転によ
り図8(E)の状態から再び図8(A)と同じ配置に戻
り、案内経路41の各辺毎に全てのマイクロプレートM
が搬送され、同様の動作が繰り返し継続して行われる。
なお、このマイクロ波照射槽10では、カム板451が
一回転する毎に各マイクロプレートMは、マイクロプレ
ートM一つ分だけ搬送が行われ、また、各マイクロプレ
ートMの搬送方向はカム板451の回転方向と逆に行わ
れる。
【0061】上述のように、本実施形態では、カム板4
51の回転動作に伴い個別に順番に各プッシュアーム4
2に回動が付勢されるために、7つのマイクロプレート
Mは長方形状の容器ガイド41に沿って各辺毎に順次連
続的に移動が付勢される。
【0062】上述のように、本実施形態では、カム板4
51の回転動作に伴い個別に順番に各プッシュアーム4
2に回動が付勢されるために、7つのマイクロプレート
Mは長方形状の容器ガイド41に沿って各辺毎に順次連
続的に移動が付勢される。
【0063】このため、載置テーブル3上で、常に長方
形状に各マイクロプレートMの搬送が行われ、筺体1内
で発振されるマイクロ波が各マイクロプレートM毎に均
等に照射されると共に、各マイクロプレートMの上面に
形成された複数のウェル毎についても、均等にマイクロ
波の照射が行われる。
【0064】また、本実施形態では、筺体1及び載置テ
ーブル3がマイクロ波を透過しない素材であるため、外
部のマイクロ波の漏洩を有効に防止する。さらに、載置
テーブル3の下方に主に移動付勢手段4の各構成を配設
することにより、例えば、各回動軸43と載置テーブル
3との間をカットオフ寸法で形成する等の簡易な手法に
より移動付勢手段4へのマイクロ波の影響を防止するこ
とができる。
【0065】さらに、本実施形態では、マイクロ波の漏
洩防止手段としてλ/4チョーク構造,電波吸収対トラ
ップ,接触子構造等の手段が不必要であるために、マイ
クロ波照射槽全体の大型化を回避し、より小型のマイク
ロ波照射槽を提供することが可能である。
【0066】また、本実施形態では、カム板451の突
出部451Bを円板451Aの周縁部の四分の一に満た
ない範囲から突出させているため、図8(A)に示すよ
うに、全てのプッシュアーム42が回動しない状態が生
じ得る。このため、かかる状態の発生の際に所定のタイ
ミングで、一定時間マイクロ波が照射されたマイクロプ
レートMを排出し、新たなマイクロプレートMを筺体1
内部に投入することが可能である。
【0067】図9は、かかるタイミングを利用してマイ
クロプレートMの排出及び投入を行う構成を加えたマイ
クロ波照射槽10Aを示している。このマイクロ波照射
槽10Aは、載置テーブル3上に、各プッシュアーム4
2に加えて払い出しアーム42Aを装備した例を示して
いる。
【0068】この払い出しアーム42Aは、所定のマイ
クロプレートMを容器ガイド41Cの外部に排出する回
動自在のアーム部材である。即ち、一方の端部を外側ガ
イド41Dの外側に配置した回動軸と連結され、他方の
端部を内側ガイド41Eの内側から図9における上方に
回動自在としている。
【0069】容器ガイド41Cの外側ガイド41Dは、
払い出しアーム42Aにより排出されるマイクロプレー
トMを外部に案内するための排出部41Daと当該外側
ガイド41Dの入口となる投入部41Dbとを備えてい
る。また、排出部41Da及び投入部41Dbの近傍に
は、図示しない排出口及び投入口が設けられており、こ
れにより筺体1の外部からマイクロプレートMの出し入
れが行われる。
【0070】上述した払い出しアーム42Aに回動を付
勢する手段としては、カム板451の一回転を検出する
センサと、このセンサの出力に基づいて所定のタイミン
グ(例えば、プッシュアーム42Uが回動状態から待機
状態となった瞬間)で払い出しアームを回動させる回動
付勢手段を設けても良い。
【0071】また、各プッシュアーム42と同様にカム
板451の回動により突出部451Bに付勢されてプッ
シュロッドが往動され、これに伴ってスレイブアーム及
び回動軸が回動しこの回動軸に連結された払い出しアー
ムが回動する構成としても良い。かかる構成の場合、カ
ム板451の突出部451Bは、円板451Aの周縁部
の五分の一に満たない範囲から突出させることが望まし
く、各プッシュロッドはカム板451に五方向から当接
させると共に各プッシュアーム,スレイブアーム及びプ
ッシュロッドの長さと各回動軸及び保持部材の配置を適
切に設定する必要がある。
【0072】上記の構成を動作を図9(A)から図9
(D)により順に説明する。この図9(A)から図9
(D)の動作は、前述した図8(A)から図8(B)の
動作の間に行われる。
【0073】図9(A)では、プッシュアーム42U
が、マイクロプレートM3,M4を右側に移動させて待
機状態となった直後であり、この時点では、払い出しア
ーム42Aの先端部は、まだ内側ガイド41Eの内側に
ある。また、容器ガイド41C内において空き領域は左
上に形成されている。そして、この空き領域に投入部4
1Dbを介して新たなマイクロプレートMNが投入され
る(図9(B))。
【0074】次に、払い出しアーム42Aが時計方向に
回動を付勢され、その先端部の図中上方に位置するマイ
クロプレートM3が排出部41Daを介して排出される
(図9(C))。そして、払い出しアーム42Aが元の
位置に戻ると、プッシュアーム42Rが回動し、これに
よりマイクロプレートM4が左側に搬送される。その後
は、図8(B)から図8(E)と同様の動作が行われ、
順次同様の動作が繰り返される。
【0075】上記の動作は、カム板451の一回転毎に
行われるため、カム板451の回転速度をマイクロ波に
よる加熱に要する所要時間と等しくなるように設定する
必要がある。これにより、複数のマイクロプレートMを
連続的に随時加熱することが可能となり、作業効率が向
上され、大量のマイクロプレートMを順次加熱すること
に好適となる。
【0076】ここで、被加熱容器は、上記実施形態で示
したマイクロプレートMに限定しなくとも良い。例え
ば、ウェルの個数や全体の形状が異なるもの,個別の容
器に被加熱物を収納しその容器を集合した状態で保持す
るホルダーのようなものでも良い。但し、これらの保持
体の形状及び寸法に応じて容器ガイドの寸法等を変更す
る必要がある。
【0077】また、載置テーブル3上に形成される容器
ガイド41は、その長方形の大きさ,縦横比等を変更し
ても良い。容器ガイド41の他の例を図10に基づいて
説明すると、まず、図10(A)に示すようにマイクロ
プレートMが2×4個載置可能な外側ガイドのみからな
る容器ガイド411の場合、7つのマイクロプレートM
が搬送可能であり、マイクロ波照射槽全体を一方向につ
いて薄型にすることが可能である。
【0078】また、図10(B)に示すようにマイクロ
プレートMが4×4個載置可能な外側ガイドとマイクロ
プレートMの2×2個分にほぼ等しい大きさからなる内
側ガイドからなる容器ガイド412は、計11個のマイ
クロプレートMを一度に搬送することが可能である。
【0079】さらに、図10(C)に示すように被加熱
容器が正方形状である場合には、被加熱容器が3×3個
載置可能な外側ガイドと被加熱容器の1個分にほぼ等し
い大きさからなる内側ガイドからなる正方形状の容器ガ
イド413を使用しても良い。かかる場合、正方形の各
辺におけるプッシュアームによる被加熱容器の移動距離
が全て均一となるため、カム板を一枚として、各リンク
部材及び各プッシュアームに対して全て同一の回動量で
回動動作を付勢することが可能である。
【0080】なお、上記各容器ガイドに対しては、カム
板に対する各プッシュロッド,スレイブアーム及び回動
軸の配置,各プッシュロッド,スレイブアーム及びプッ
シュアームの長さ等を適切なものに設定する必要性があ
る。
【0081】また、各プッシュアーム42の先端部に装
着される当接部材の他の例を図11に示す。
【0082】図11(A)に示す当接部材441は、プ
ッシュアーム42の長手方向に沿って回動方向内側から
順に配置した大円部と小円部とをそれぞれ共有する二つ
の接線で連結した形状に対して、マイクロプレートMと
当接しない側の端面をカットして形成されている。この
形状によりマイクロプレートMと当接する際に当該マイ
クロプレートMの当接面のほぼ中心付近から滑らかに当
接させることが可能である。
【0083】また、図11(B)は、プッシュアーム4
2の長さ方向に沿って大きさの異なる複数の円形の当接
部材を、先端側ほど小さいものとなるように配設してな
る当接部材422を示している。この当接部材442に
より、上記の当接部材441と同様の効果を得ることが
可能となっている。
【0084】また、ここで、上記実施形態と同様に、マ
イクロプレートMを長方形状の容器ガイドに沿って搬送
させる第1の比較例を図12に示す。
【0085】この第1の比較例は、内部のマイクロ波を
遮断する筺体201と、この筺体201の内部上方に設
けられたマイクロ波発振手段202と、筺体201内に
設けられ,複数のマイクロプレートMが載置される載置
テーブル203と、この載置テーブル203上に設けら
れ,長方形の各辺に沿った移動を案内する容器ガイド2
04と、長方形の各辺毎にその端部に設けられ一様に一
定方向にマイクロプレートMの移動を付勢する四つのア
クチュエータとしてのエアシリンダ機構205とからな
るマイクロ波照射槽200を示している。
【0086】このマイクロ波照射槽200の内部では、
図12(B)に示すように、容器ガイド204が、3×
3個のマイクロプレートMを配設可能な外側ガイド20
4AとマイクロプレートMとほぼ同じ大きさで外側ガイ
ド204Aの中央に配設された内側ガイド204Bとか
ら構成され、これら外側ガイド204Aと内側204B
の間に形成される長方形状の案内路に従って、マイクロ
プレートMを一定方向に保持したまま上下左右方向に順
次案内される。この搬送動作によって各マイクロプレー
トMの上面全体に均一にマイクロ波の照射が行われ、各
ウェル毎に均一に被加熱物の加熱が行われるようになっ
ている。
【0087】搬送動作については、空き領域に向けてマ
イクロプレートMを長方形の各辺毎に各エアシリンダ機
構205によって順次送り移動させて、7つのマイクロ
プレートM全てについて容器ガイド204に沿った長方
形状の周回移動を行う構成となっている。
【0088】しかしながら、このマイクロ波照射槽20
0では、長方形の容器ガイド204の各辺毎に設けられ
たエアシリンダ機構205によってマイクロプレートM
の搬送を行うため、エアシリンダ機構205を長方形の
各辺の端部位置に当該各辺と同一方向に向けて配設しな
ければならない。
【0089】即ち、この比較例では、かかる必要性のた
めに、図12(B)に示す様に、筺体201の外部に各
エアシリンダ機構205が突出して装備され、マイクロ
波照射槽200全体が大型化が生じることになる。
【0090】また、エアシリンダ機構205は、シリン
ダの往動を付勢するコンプレッサ等の高圧空気の供給源
を置くスペースを外部に必要となる。
【0091】また、四つのエアシリンダ機構205は、
所定の順序とタイミングで作動させる必要があり、この
動作制御のために、各エアシリンダ機構205毎に制御
用の電磁弁とこれら各電磁弁の動作制御を行う制御回路
等を設ける必要が生じる。
【0092】上記第1の比較例とを比較してみても、本
発明の実施形態は筺体1外部に突出部分等がなく、槽全
体を小型化することができ、一つの駆動モータ452に
よりカム板451に一定方向の回転力を付勢するだけで
複数のマイクロプレートMに長方形の容器ガイド41に
沿った搬送動作が行われるために、複雑な制御手段及び
制御回路等が不要となっている、等の効果を有してい
る。
【0093】さらにまた、上記実施形態と同様に、マイ
クロプレートMを長方形状の容器ガイドに沿って搬送さ
せる第2の比較例を図13乃至図15に示す。図13は
第2の比較例の上方からの内部構成を示す断面図、図1
4は第2の比較例の正面方向からの内部構成を示す断面
図、図15は第2の比較例の下方からの内部構成を示す
断面図である。
【0094】この第2の比較例は、前述したカム機構4
5と異なる他のカム機構45Aを装備したマイクロ波照
射槽10Bを示しており、その他の構成についてはマイ
クロ波照射槽10と同様である。
【0095】このカム機構45Aは、同一形状で大きさ
の異なる二枚のカム板451C,451Dと,これらを
回転させる駆動手段としての駆動モータ452と,カム
板451C,451Dの周囲に回動自在に配設された四
つのリンク部材457L,457R,457U,457
Dとを備えた構成となっている。
【0096】各カム板451C,451Dは、各形状が
同じ向きとなるように駆動モータ452の回転軸に同時
に連結されており、図2に示すように、小さい方のカム
板451Cが上となり、大きい方のカム板451Dが下
に配設されている。そして各カム板451C,451D
の形状は、回転中心を境に、一方の半分が略半円形状で
あり、他方の半分が短軸で半分に分割された略楕円形状
であるいわゆる卵型に形成されている。これらカム板の
略楕円形状領域の外周における回転中心から最も離れて
いる箇所(図13における最上端部)がカム板451
C,451Dの突出部となっている。
【0097】カム板451C,451Dの周囲には、四
つのリンク部材457L,457R,457U,457
Dが配設されている。これらのリンク部材457L,4
57R,457U,457Dは、それぞれ回動軸43
L,43R,43U,43Dの下端部と個別に連結され
ており、これにより、各リンク部材457は、回動軸4
3を介して対応するプッシュアーム42に個別に回動動
作を伝達するようになっている。
【0098】また、互いにカム板451C,451Dの
回動中心を挟んで対向する位置にあるリンク部材457
U,457Dは、回動端部に設けられたカムフォロア4
58U,458Dを介してそれぞれカム板451Cの外
周に当接している。同様にして、対向位置にあるリンク
部材457L,457Rは、回動端部に設けられたカム
フォロア458L,458Rを介してそれぞれカム板4
51Dの外周に当接している。
【0099】符号459L,459R,459U,45
9Dはリターンバネであり、これら各リターンバネ45
9により、図15に示す状態で各カムフォロア458が
各カム板451C,451Dの周縁部に当接する状態を
維持している。
【0100】そして、駆動モータ452により各カム板
451C,451Dが回転駆動され、当該各カム板45
1C,451Dの突出部に各リンク部材457が順次回
動を付勢され、各プッシュアーム42が図8(B)から
図8(E)と同様の動作を行ってマイクロプレートMの
搬送を行うようになっている。
【0101】しかしながら、この第2の比較例では、一
つのプッシュアーム42に回動が付勢され、これが完全
に待機位置に戻る前に次のプッシュアーム42が回動を
開始し、全てのプッシュアーム42が同時に待機位置と
なる状態(図8(A)の状態)が生じないため、回動中
のプッシュアーム42が障害となり加熱済みのマイクロ
プレートMを単独で筺体内から排出させる構成及び新た
なマイクロプレートMを筺体内に投入する構成を付加す
ることが不可能であった。
【0102】また、カム板451C,451Dが過大で
あるため、これらが回転すると、装置内部で多くのスペ
ースを占有し、装置の大型化を招く可能性を有すると共
に設計における自由度を大きく制限し、例えば、装置内
部に新たな構成を付加する等の改良が困難となってい
た。
【0103】さらに、二種類のプッシュアームストロー
クに対応するために二枚のカム板451C,451Dを
必要とし、さらなる装置の大型化を招いていた。
【0104】これに対して、前述した実施形態であるマ
イクロ波照射槽10では、全てのプッシュアーム42が
待機位置にある状態とすることができ、このため、図9
に示すように順次加熱済みとなったマイクロプレートM
の排出及び新たなマイクロプレートMの投入を行う構成
を付加することが容易であり、これにより、連続的にマ
イクロプレートMの加熱を行うことが可能である。
【0105】また、本実施形態では、カム板451を小
型化すると共に一枚のカム板451により複数のプッシ
ュアームストロークに対応することができ、これによ
り、槽全体の小型化が図られ、さらに、設計の自由度の
向上による改良の容易性等が向上され、槽全体の汎用性
が向上されている等の利点を有している。
【0106】
【発明の効果】請求項1記載の本発明では、長方形状の
容器ガイドと四つのプッシュアームとによって、載置テ
ーブル上で、常に長方形状に各被加熱容器の搬送が行わ
れ、筺体内で発振されるマイクロ波が各被加熱容器毎に
均等に照射されると共に、この被加熱容器の上面全体に
均等にマイクロ波の照射が行われる。
【0107】また、本発明では、マイクロ波を遮断する
筺体内部で被加熱容器の搬送動作が行われるために外部
のマイクロ波の漏洩が有効に防止される。
【0108】上記の効果に加えて本発明では、従来のよ
うにマイクロ波の漏洩防止手段としてλ/4チョーク構
造,電波吸収対トラップ,接触子構造等を設ける必要が
ないために、マイクロ波照射槽全体を大型化を回避し、
より小型のマイクロ波照射槽を提供することが可能であ
る。
【0109】さらに、載置テーブルをマイクロ波の透過
しない素材で形成し、この載置テーブルの下方に主に移
動付勢手段の各構成を配設することにより、簡易な手法
で移動付勢手段等の内部機構に対するマイクロ波の影響
を防止することができる。
【0110】また、本発明は、プッシュロッド及びスレ
イブアームを介してプッシュアームに回動を付勢する構
成であるため、カム板を小型化することができ、槽全体
の小型化及び設計の自由度の向上を図ることが可能であ
る。これに伴い、槽全体の汎用性の向上を図ることが可
能である。
【0111】さらに、プッシュロッド及びスレイブアー
ムにより作用点距離の調整を行うことができ、これによ
り容易にプッシュアームストロークを所定の長さに調整
することができる。このため、一つのカム板で各プッシ
ュアーム毎に異なるプッシュアームストロークに対応す
ることが可能となり、これに伴い複数のカムを装備する
必要がなくなり、より装置の小型化を図ることが可能で
ある。
【0112】また、本発明は、カム機構が、単に一つの
カム板に回転を付勢することにより長方形状の容器ガイ
ドの四辺にそれぞれ配設された4つのプッシュアームに
所定の順番で回動動作を付勢を行うため、これにより、
被加熱容器の搬送動作を制御回路等による複雑な制御動
作等を行うことなく良好に行うことができる。
【0113】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
発明と同様の効果を有すると共に、カム板の突出部が円
板の周縁部全体の四分の一を越えない範囲から突設させ
ているため、全てのプッシュアームが待機位置にある状
態とすることができ、このため、加熱済みとなった被加
熱容器の個別排出及び新たな被加熱容器の投入を行う構
成を付加することが容易であり、これにより、連続的に
被加熱容器の加熱を行うことが可能である。
【0114】本発明は以上のように構成され機能するの
で、これにより、従来にない優れたマイクロ波照射槽を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す上面方向の断面図であ
る。
【図2】本発明の実施形態を示す正面方向の一部省略し
た断面図である。
【図3】本発明の実施形態を示す下面方向の断面図であ
る。
【図4】被加熱容器であるマイクロプレートを示す図で
あり、図4(A)は平面図であり、図4(B)は図4
(A)のX−X線に沿った断面図である。
【図5】本実施形態の作用点距離とスレイブアームの回
動角度との関係を説明する説明図であり、図5(A)は
作用点距離が短い場合を示し、図5(B)は作用点距離
が長い場合を示している。
【図6】本実施形態のプッシュアームの長さとプッシュ
アームストロークとの関係を説明する説明図である。
【図7】スレイブアームの変形例を示す説明図である。
【図8】図1に開示したマイクロ波照射槽によるマイク
ロプレートの搬送動作の進行状態を示した動作説明図で
あり、図8(A)から図8(E)の順に搬送動作が行わ
れる。
【図9】図1に開示したマイクロ波照射槽に払い出しア
ームを付加した場合のマイクロプレートの投入・排出動
作の進行状態を示した動作説明図であり、図9(A)か
ら図9(D)の順に投入・排出動作が行われる。
【図10】容器ガイドの他の例を示す図であり、図10
(A)は7個のマイクロプレートの搬送を行うための他
の容器ガイドを示しており、図10(B)は11個のマ
イクロプレートの搬送を行うための他の容器ガイドを示
しており、図10(C)は7個の正方形状のマイクロプ
レートの搬送を行うための他の容器ガイドを示してい
る。
【図11】当接部材の他の例を示す図であり、図11
(A)はカム型形状の当接部材を示し、図11(B)は
複数の円形の当接部材からなる当接部材を示している。
【図12】第1の比較例を示す図であり、図12(A)
は一部切り欠いた正面図であり、図12(B)は上面方
向の断面図である。
【図13】第2の比較例を示す上面方向の断面図であ
る。
【図14】第2の比較例を示す正面方向の一部省略した
断面図である。
【図15】第2の比較例を示す下面方向の断面図であ
る。
【図16】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 筺体 2 マイクロ波発振手段 3 載置テーブル 4 移動力付勢手段 10 マイクロ波照射槽 41 容器ガイド 42,42R,42L,42U,42D プッシュアー
ム 43,43R,43L,43U,43D 回動軸 45 カム機構 451 カム板 451A 円板 451B 突出部 452 駆動モータ(駆動手段) 453R,453L,453U,453D プッシュロ
ッド 454R,454L,454U,454D スレイブア
ーム M マイクロプレート(被加熱容器)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波を遮断すると共に開閉自在で
    ある筺体と、この筺体内部でマイクロ波を発振するマイ
    クロ波発振手段と、前記筺体内で,被加熱物等を収容す
    る複数の被加熱容器を載置する載置テーブルと、この載
    置テーブル上で前記各被加熱容器を所定方向に移動させ
    る移動力付勢手段とを備え、 この移動力付勢手段が、前記載置テーブル上で前記各被
    加熱容器を長方形の四辺に沿った方向への移動を案内す
    る容器ガイドと、この容器ガイドの長方形の各辺毎に設
    けられ,各々対応する一辺に沿って前記被加熱容器の移
    動を付勢する回動自在の四つのプッシュアームと、これ
    らの各プッシュアームに回動力を付勢するカム機構とを
    有し、 このカム機構が、所定の突出部を備える平板状であると
    共に回転自在に配設したカム板と、このカム板に回転力
    を付勢する駆動手段と、前記カム板の周縁部に沿って常
    時その一端部を当接させて往復移動を行う四つのプッシ
    ュロッドと、これら各プッシュロッドの他端部に付勢さ
    れてそれぞれ回動を行う四つのスレイブアームとを備
    え、 前記各スレイブアームの回動中心部と前記各プッシュア
    ームの回動中心部とをそれぞれ回動軸を介して個別に連
    結したことを特徴とするマイクロ波照射槽。
  2. 【請求項2】 前記カム板は、その回転中心と同心の円
    板と,該円板の周縁部からその略半径方向に突出する突
    出部とからなり、 この突出部を、前記円板の周縁部全体の四分の一を越え
    ない範囲から突設させたことを特徴とする請求項1記載
    のマイクロ波照射槽。
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