JP2011081914A - マイクロ波照射装置 - Google Patents

マイクロ波照射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011081914A
JP2011081914A JP2009230634A JP2009230634A JP2011081914A JP 2011081914 A JP2011081914 A JP 2011081914A JP 2009230634 A JP2009230634 A JP 2009230634A JP 2009230634 A JP2009230634 A JP 2009230634A JP 2011081914 A JP2011081914 A JP 2011081914A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microwave
irradiation chamber
irradiation
axis direction
positioning jig
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009230634A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5394184B2 (ja
Inventor
Hisato Saida
久人 斎田
Hiromichi Odajima
博道 小田島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Saida FDS Inc
Original Assignee
Saida FDS Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Saida FDS Inc filed Critical Saida FDS Inc
Priority to JP2009230634A priority Critical patent/JP5394184B2/ja
Priority to PCT/JP2010/067152 priority patent/WO2011040571A1/ja
Publication of JP2011081914A publication Critical patent/JP2011081914A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5394184B2 publication Critical patent/JP5394184B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B6/00Heating by electric, magnetic or electromagnetic fields
    • H05B6/64Heating using microwaves
    • H05B6/70Feed lines
    • H05B6/701Feed lines using microwave applicators

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Constitution Of High-Frequency Heating (AREA)

Abstract

【課題】複数の試料を均一に加熱できる仕組みのマイクロ波照射装置を提案する。
【解決手段】本提案に係るマイクロ波照射装置は、X軸辺の長さがa(a>0)、Y軸辺の長さがb(b>0)、Z軸辺の長さがc(c>0)であるTM110モードの直方体共振空胴とした照射室4と、照射室4を構成するY−Z面壁4eに設けられ、Z軸方向へ伸延するスリット4gと、スリット4gから照射室4に挿入され、照射室4のX−Z面に沿ってY−Z面壁4fまで伸延する下敷7と、X軸方向へ移動可能にして下敷7上に載置され、スリット4gを通して照射室4に進入可能で且つ照射室4に進入したときに所定の位置で停留する搬送位置決め治具9と、搬送位置決め治具9に設けられたホルダ保持部に保持される試料ホルダ10と、を含んで構成される。
【選択図】図4

Description

照射室内に位置した物体にマイクロ波を照射するマイクロ波照射装置に関する技術が以下に開示される。
近年、バイオ関連分野において、試料の処理にマイクロ波を使用することが提案されている。すなわち、試料を保持した試料ホルダを、いわゆる電子レンジの中に入れて処理するようにしたマイクロ波照射装置である。この場合、試料ホルダに保持した複数の試料に対し、いかに均一にマイクロ波を照射するか、が問題となる。
電子レンジ型のマイクロ波照射装置の場合、照射室内でマイクロ波の反射と吸収がいりくみ、複雑な形の定在波が発生してしまうので、どうしてもその定在波に起因するマイクロ波の強弱箇所が偏在し、試料ホルダに並んだ試料を均一に40℃前後の温度に加熱処理することが難しい。そこで、たとえば特許文献1,2に記載されたような手法が提案されている。当該手法は、試料ホルダに工夫を加えたもので、試料を保持する有底穴の間隔とマイクロ波の波長とを連関させ、さらには、試料ホルダの下にダミー負荷となる物体を設けることで、全試料に対する照射の均一化を図っている。
特開平07−198572号公報 特開平09−017566号公報
特許文献1,2の試料ホルダは96ウエルプレート(マイクロタイタープレート又はマイクロプレートとも呼ばれる)になっており、加熱時には96ウエル(穴)のそれぞれに試料が入っていることが前提になっている。しかし、実験室での使用時などでは、ウエルプレートの全ウエルに試料を入れて使用する機会はあまりなく、数列程度のウエルが部分的に使用されることの方が多い。
電子レンジ(つまりマグネトロン)型の照射室内にウエルプレートを入れたとき、その各ウエルにおける試料の有無や、試料を入れたウエルの配列状態に従って、照射室に発生する定在波の形状は変わってしまい、試料が吸収するマイクロ波の量が変化する。すなわち、一部のウエルに試料を入れたウエルプレートを使用する場合、試料を入れたウエルの位置によってマイクロ波の吸収量が変わり、試料の温度上昇にバラツキを生じさせてしまうので、複数の少量試料を均一加熱することが難しい。
この、バイオ関連分野で広く使用されているウエルプレートでの使用例など、マイクロ波加熱の現状に鑑みると、複数の少量試料に対して常に均一に加熱ができる仕組みのマイクロ波照射装置が必要である。
上記課題に対して提案するマイクロ波照射装置は、
X軸辺の長さがa(a>0)、Y軸辺の長さがb(b>0)、Z軸辺の長さがc(c>0)であるTM110モードの直方体共振空胴とした照射室と、
該照射室を構成する2つのY−Z面壁の一方に設けられ、Z軸方向へ伸延するスリットと、
該スリットから前記照射室に挿入され、前記照射室のX−Z面に沿って前記2つのY−Z面壁の他方まで伸延する下敷と、
X軸方向へ移動可能にして前記下敷上に載置され、前記スリットを通して前記照射室に進入可能で且つ前記照射室に進入したときに所定の位置で停留する搬送位置決め治具と、
該搬送位置決め治具に設けられたホルダ保持部に保持される試料ホルダと、
を含んで構成される。
あるいは、別の態様のマイクロ波照射装置は、
X軸辺の長さがa(a>0)、Y軸辺の長さがb(b>0)、Z軸辺の長さがc(c>0)であるTM110モードの直方体共振空胴とした照射室と、
該照射室を構成する2つのY−Z面壁の一方に設けられ、Z軸方向へ伸延するスリットと、
該スリットを通して前記照射室に進入可能で且つ前記照射室に進入したときに所定の位置で停留する搬送位置決め治具と、
前記スリットが設けられているY−Z面壁の外側に設置された載置台と、
該載置台に載置された前記搬送位置決め治具の側縁部に当接し、前記スリットを通して前記照射室に進入する前記搬送位置決め治具のX軸方向以外への動きを規制するスライドガイドと、
前記搬送位置決め治具に設けられたホルダ保持部に保持される試料ホルダと、
を含んで構成される。
上記提案に係るマイクロ波照射装置は、X軸方向に移動可能な搬送位置決め治具が、照射室に進入したときに所定の位置に停留する。X軸方向に移動する搬送位置決め治具の停留位置が決められていることによって、該搬送位置決め治具のホルダ保持部に保持された試料ホルダを、照射室内において毎回一定の位置に配置することが可能となる。したがって、搬送位置決め治具及び試料ホルダの形状について、TM110モードの照射室に生じる定在波に関連した適切な形状に設計しておけば、試料ホルダに入れられた試料の均一加熱が実現される。
TM110モードの直方体共振空胴とした照射室の説明図。 マイクロ波照射装置の実施形態を、照射室のZ軸方向から見て示した図。 マイクロ波照射装置の実施形態を、照射室のX軸方向から見て示した図。 照射室を断面にしてX軸方向から見て示した図。 照射室を断面にしてY軸方向から見て示した図。 搬送位置決め治具の斜視図。 試料ホルダの一例を示した図。 プレパラート用試料ホルダを示した図。 発振制御系を含めて示したマイクロ波照射装置の機能ブロック図。
以下、マイクロ波照射装置の実施形態に関し、図面を参照して説明する。
まず、図1に示すように、TM110モードの直方体共振空胴においては、X軸及びY軸に関してそれぞれ電界分布がサイン半波になり、Z軸に関して一定の電界分布になる。そこで、このTM110モードの直方体共振空胴を照射室にした場合、任意座標yのX−Z面において、Z軸方向へ一列に並べて複数の試料を配置すれば、マイクロ波が全試料に均等に照射され、効率良く均一な処理を実現することができる。特に、X軸辺の長さa(a>0,単位は一例としてmm)、Y軸辺の長さb(b>0,単位は一例としてmm)、Z軸辺の長さc(c>0,単位は一例としてmm)としたTM110モードの直方体共振空胴を照射室にした場合、そのX軸方向でマイクロ波強度のピークとなる座標x=a/2においてZ軸方向に試料を並べれば、全試料に効率良く均等にマイクロ波が照射される。
この視点に基づいた照射室を有するマイクロ波照射装置の全体像について、図2及び図3に示す。図2は、照射室のZ軸方向から見た図(つまりX−Y面の側方から見た図)、図3は、照射室のX軸方向から見た図(つまりY−Z面の側方から見た図)である。
マイクロ波照射装置は、ベース1上において同軸導波管変換器2に導波管3を接続し、そして、導波管3上にTM110モードの直方体共振空胴とした照射室4を接続して構成されている。同軸導波管変換器2は、上縁部にフランジ2aが周設されており、該フランジ2aが、ベース1に立設された4本の支柱1aに固定される。また、導波管3の下縁部には、同軸導波管変換器2のフランジ2aに対応したフランジ3aが周設され、両フランジ2a,3aを貫通するボルトにて支柱1aに固定される。
照射室4にマイクロ波を導入する伝送路である導波管3は、上端側部にブラケット3bを有し、当該ブラケット3bにより支持されて、照射室4が固定されている。図4及び図5に内部を示す照射室4は、一例として、室内(内壁面間)のX軸方向の長さ(X軸辺の長さ)がa=109.2mm、Y軸方向の長さ(Y軸辺の長さ)がb=71.7mm、Z軸方向の長さ(Z軸辺の長さ)がc=124.0mmで、2.45GHzのマイクロ波に対してTM110モードの直方体共振空胴を構成する。本実施形態の照射室4は、底板及び天板をなす2つのX−Z面壁4a,4bと、四方の側板をなす2つのX−Y面壁4c,4d及び2つのY−Z面壁4e,4fと、を互いに組み付けることにより、形成される。このうちY−Z面壁4e,4fは交換可能とされ、後述のスリット4gの位置、すなわちスリット4gのy座標を簡単に変更することができる構造となっている。
導波管3に接続される底板をなすX−Z面壁4aには、マイクロ波を入射させる入射口(図示省略)が設けられる。また、当該X−Z面壁4aを貫通して照射室4内に臨むアンテナ5が取り付けられており、このアンテナ5によって、照射室4の電界又は磁界の強度が検知される。アンテナ5は、金属製丸棒(例えば黄銅製)5aに差し込んでアンテナホルダ5bにて保持してある。アンテナホルダ5bは、X−Z面壁4aの底面に固定されて垂下する筒形のボディに切り込みを入れたもので、金属製丸棒5aを挿入して外周を絞り板5cによって絞り込むことで、金属製丸棒5aが把持される。本実施形態の場合、アンテナ5は、Z軸方向に離間させて2つ設けられている。なお、図4において、X−Z面壁4aの断面は、その他のX−Z面壁4b、X−Y面壁4c,4d及びY−Z面壁4e,4fの断面(Z軸中央:c/2)とは異なり、アンテナ5の装着部位の断面で示してある。
一方、天板をなすX−Z面壁4bは、温度計測のための計測口4hを有し、この計測口4hに臨ませて、放射温度計6が設置される。計測口4hはZ軸方向に所定の長さをもつスリット状で、放射温度計6は、電動アクチュエータ6aにより、計測口4hに沿って往復動作する。放射温度計6が装着される電動アクチュエータ6aは、底板のX−Z面壁4aの延長部に立設された4本の支柱4iで支持されたフレーム4jに固定される。支柱4iを立設するために、X−Z面壁4aは、天板のX−Z面壁4bに対し、Z軸方向の長さが長く延長されており、縁側部分としてZ軸方向に突出している。なお、放射温度計6を使用する例を示すが、ファイバー温度計等の他の型式の温度計を使用することもできる。
側板をなす2つのY−Z面壁4e,4fのうちの一方のY−Z面壁4eには、Z軸方向へ伸延するスリット4gが貫通形成されている。スリット4gは、Z軸方向の長さが照射室4のZ軸辺の長さcと同じで、Y軸方向の長さ(幅)は、8mm程度として形成される。このスリット4gから照射室4に、平坦な薄板状の下敷7が挿入され、該下敷7は、X−Z面に沿って他方のY−Z面壁4fまで、照射室4内を伸延している。他方のY−Z面壁4fには、下敷7の端縁を受け入れて支持する支持溝4kが形成されており、下敷7は、スリット4gから支持溝4kまで架け渡されることで、X−Z面に沿って照射室4に延在する。
下敷7の厚さ(Y軸方向)は1mm程で、Z軸方向の長さ(幅)は照射室4のZ軸辺の長さcとほぼ同じである。その材質は、マイクロ波をほぼ透過させる材質で、例えば、比誘電率εrが10以下且つ誘電体損失角tanδが0.0005以下の材料を使用して形成される。当該材料としては、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン(フッ素樹脂)、石英ガラスがあげられる。他にも、ポリプロピレン、ポリエチレン、セラミックスがある。
スリット4gが設けられたY−Z面壁4eの外側には、X−Z面とほぼ平行な載置台8が、上面をスリット4gの下縁と面一にして固定される。載置台8は、Z軸方向の長さ(幅)が照射室4の外径とほぼ同じで、端面がY−Z面壁4eに当接し、2つのL字ブラケット8aにより下支えして固定される。照射室4からX軸方向へ延設された載置台8の先端側は、ベース1に立設された2本の支柱1bによって支持されている。この載置台8上に、スリット4gから照射室4の外へ張り出した下敷7が敷かれている。すなわち、下敷7は、他方のY−Z面壁4fからスリット4gを通過して載置台8の先端部位に至る、X軸方向の長さを有している。
当該下敷7の上に、X軸方向へ移動可能にして、薄板状の搬送位置決め治具9が載置される。搬送位置決め治具9は、Z軸方向の長さ(幅)が下敷7とほぼ同じ、つまりスリット4gとほぼ同じで、その厚さ(Y軸方向)は2〜3mm程である。搬送位置決め治具9の材質は、後述の試料ホルダ10と誘電特性が同じか近いもの、あるいは試料ホルダ10と同じ材質とする。
搬送位置決め治具9は、図6の斜視図にも示すように、標準ウエルプレートの外形に相応した開口形状の凹部として、本実施形態では貫通形成したホルダ保持部9aが形成されている。標準ウエルプレートとは、例えばANSI/SBS規格に準拠した形状の96ウエルプレートなど、汎用されているウエルプレートである。なお、ホルダ保持部9aは試料ホルダ10が動かないように保持できれば良いので、貫通/非貫通の凹部形状とする他にも、試料ホルダ10の角部を係止する突起などの形状とすることもできる。ただし、スリット4gのサイズを考慮すると、貫通凹部とするのが適している。
ANSI: American National Standards Institute
SBS: The Society for Biomolecular Sciences
搬送位置決め治具9の後端部には、スライド操作のためのハンドル9bが取り付けられている。このハンドル9bを手でもって、搬送位置決め治具9を照射室4の方へ前進スライドさせると、搬送位置決め治具9は、下敷7上をX軸方向へ摺動し、スリット4gを通して照射室4内に進入する。搬送位置決め治具9をX軸方向にだけ摺動させるべく、載置台8において搬送位置決め治具9の両脇にスライドガイド8bが設けられている。スライドガイド8bは、断面が鉤形とされ、搬送位置決め治具9の側縁部に当接して、X軸方向以外への動きを規制する。このスライドガイド8bが設けられていれば、下敷7の無い構造もあり得る。すなわち、搬送位置決め治具9が、スライドガイド8bにより規制されることで、常に一定の状態で照射室4内をX軸方向に移動できるようになっていれば、下敷7を省くこともでき得る。
照射室4に進入した搬送位置決め治具9は、他方のY−Z面壁4fの支持溝4kに前端が到達すると、該支持溝4k内に設置された位置センサ4lに検知され、当該所定の位置に停留する。すなわち、照射室4に進入した搬送位置決め治具9は、位置センサ4lに検知される所定の位置で常に停留する。このための位置センサ4lは、搬送位置決め治具9の先端が接触することで信号を出す接触式センサ、あるいは、フォトセンサなどの非接触式センサを利用可能である。場合によっては、センサを設けずに、支持溝4kを有底として、搬送位置決め治具9の前端が支持溝4kの壁面に当接することで定位置に停留する方式でも良い。搬送位置決め治具9のX軸方向の長さは、この所定の位置での停留に対してハンドル9bが邪魔とならない程度に、照射室4よりも長くされる。
照射室4に進入した搬送位置決め治具9を引き出す際は、ハンドル9bを手でもってX軸方向へ後退させれば良い。搬送位置決め治具9を摺動させて載置台8の先端部位まで引き出すと、当該搬送位置決め治具9は、載置台8の先端に上向きに突設された後退ストッパ8cに当接して待機位置に停止する。この待機位置に搬送位置決め治具9が停止しているときに、ホルダ保持部9aに保持された試料ホルダ10を下から突き上げて取り出せるように、載置台8に、突き上げ孔8dが貫通形成されている。
搬送位置決め治具9に設けられたホルダ保持部9aに保持される試料ホルダ10は、図7に詳細を示すように、標準ウエルプレートの外形をもつ。すなわち、例えばANSI/SBS規格に準拠して、Z軸方向の長さ(幅)が86mm、X軸方向の長さが128mmの96ウエルプレートの外形をもち、厚さ(Y軸方向)は6mm程である。そして、図7Aの平面図に示すように、その96ウエルプレートの5列目に相当させて、8個のウエル10aがZ軸方向へ一列に並べて凹設されている。したがって、汎用のウエルプレート用の器具を使用してウエル10aに試料を入れることができる。
図7A中のA−A線で見た断面図の図7B及び底面図の図7Cに示すように、ウエル10aの列の裏側には一筋の溝10bが掘られ、各ウエル10aの底を薄くしている。当該溝10により、マイクロ波照射時、ウエル10aに入れられた試料に対し、熱伝導でのロスを少なくすることができ、また、ウエル10aの底を通した透光性を高めることができる。
試料ホルダ10は、搬送位置決め治具9のホルダ保持部9aに嵌め込んで使用される。ホルダ保持部9aに試料ホルダ10を嵌めた搬送位置決め治具9を前進させて照射室4に進入させ、位置センサ4lで検知される所定の位置に停留させると、試料ホルダ10のウエル10aの列は、照射室4のX軸方向の中央(a/2)に位置する。すなわち、本実施形態の場合、搬送位置決め治具9におけるホルダ保持部9aの形成位置は、保持した試料ホルダ10に入っている試料が照射室4のX軸方向の中央に位置するように設計される。したがって、上述のように、マイクロ波による加熱が効率良く均等に行われる。本実施形態の試料ホルダ10は標準ウエルプレートの形状としてあるので、例えば、高さが6mm程度の汎用の96ウエルプレートを得ることができれば、そのウエルプレートの5列目に試料を入れてホルダ保持部9aに保持した場合も、同様の利点が得られる。
試料ホルダの別の例を図8に示す。図8Aは平面図、図8Bは、図8A中のB−B線で見た断面図である。
図8の試料ホルダ11は、プレパラート試料を加熱するためのものである。すなわち、上記ウエル10aの列に相当する部位に、プレパラートのスライドガラスに相当する形状の凹部としたプレパラート保持部11aが形成されている。当該プレパラート保持部11aは、長方形の四隅に円形の膨出部11bが形成されており、嵌め込んだスライドガラスを外しやすいように工夫されている。
以上のマイクロ波照射装置に、マイクロ波の発生ユニットを組み付け、パーソナルコンピュータ等による制御器で制御するようにした構成について、図9にブロック図で示す。
マイクロ波を発生するユニットは、マイクロ波発生器20として、可変周波数発振器21及び可変増幅器22を含んでいる。可変周波数発振器21により周波数が可変(例えば2.4GHz〜2.5GHz)のマイクロ波が出力され、可変増幅器22により該マイクロ波のパワーが可変増幅される。可変周波数発振器21の周波数と可変増幅器22のパワーは、制御器30により制御される。マイクロ波発生器20から出力されたマイクロ波は、同軸ケーブルでつながったアイソレータ23、方向性結合器24、スタブチューナ25を経て同軸導波管変換器2に送られ、導波管3から照射室4に導入される。
照射室4にマイクロ波が導入されると、アンテナ5により電界又は磁界の強度が検知され、該検知結果が制御器30へ入力される。また、放射温度計6により試料ホルダ10の試料温度が計測され、該計測結果が制御器30へ入力される。制御器30は、これら入力に従ってマイクロ波発生器20を制御する。
加熱する試料を入れた試料ホルダ10が搬送位置決め治具9によって照射室4内の所定位置にセットされ、マイクロ波照射開始の操作が行われると、制御器30は、マイクロ波発生器20によりマイクロ波出力を開始し、周波数制御過程を実行する。周波数制御過程は、アンテナ5による検知結果に従って、マイクロ波発生器20から出力されるマイクロ波の周波数を、照射室4の共振周波数に同調させる制御である。周波数制御過程を実行する制御器30は、可変周波数発振器21の周波数を掃引しつつアンテナ5による検出結果から同調周波数を判断する。このとき、制御器30は、可変増幅器22によるパワーについて、アンテナ5による検出に支障ない範囲で最低限の微弱パワーにする。照射室4へ導入するマイクロ波の出力パワーを弱くすることで、周波数制御過程の実行中に試料へ与え得るダメージを抑制することができる。
この場合の微弱パワーは、例えば次の値とする。可変増幅器22は、一般的に可変減衰部+増幅部の組み合わせで構成されるので、その可変減衰部の減衰率を最大値(99%等)としたときの可変増幅器22の出力パワーを、微弱パワーとすることができる。一例としては、微弱パワーは100mW以下とすることが可能である。
制御器30は、周波数制御過程による同調に続いて、マイクロ波のパワーを制御するパワー制御過程を実行する。パワー制御過程は、マイクロ波照射開始前にオペレーターにより設定された加熱条件に従ってマイクロ波発生器20の可変増幅器22を制御し、マイクロ波のパワーを制御する過程である。パワー制御過程において制御器30は、アンテナ5による検知結果及び放射温度計6による計測結果に従って、マイクロ波発生器20から出力されるマイクロ波のパワーを調整する。なお、ここではアンテナ5による検知結果及び放射温度計6による計測結果の両方に従って制御する例を示すが、アンテナ5又は放射温度計6のいずれか一方による制御とすることも可能である。ただし、より正確性を期すのであれば、アンテナ5及び放射温度計6の両方により、照射室内電界又は磁界強度検知と試料の温度計測とを実施する方がよい。
放射温度計6は、電動アクチュエータ6aにより計測口4hに沿って往復動作し、図7に示すウエルプレート形試料ホルダ10の各ウエル10aに入っている全試料の温度を計測する。この放射温度計6により計測される試料温度に基づいて、制御器30は、例えば前回計測時からの温度勾配、あるいは目標温度到達などを判断し、マイクロ波発生器20から出力されるマイクロ波のパワーを制御する。
制御器30は、一例として、マイクロ波の照射開始にあたって最初に周波数制御過程を実行した後、パワー制御過程を実行し、当該パワー制御過程実行中に一定の間隔で周波数制御過程を割り込ませ、実行する。そして、その周波数制御過程において制御器30は、可変増幅器22を制御して上述の微弱パワーでマイクロ波を出力させつつ、可変周波数発振器21を制御して周波数の同調を図る。
1 ベース
2 同軸導波管変換器
3 導波管(伝送路)
4 照射室
5 アンテナ
6 温度計
7 下敷
8 載置台
8b スライドガイド
9 搬送位置決め治具
10,11 試料ホルダ
20 マイクロ波発生器
21 可変周波数発振器
22 可変増幅器
30 制御器

Claims (11)

  1. X軸辺の長さがa(a>0)、Y軸辺の長さがb(b>0)、Z軸辺の長さがc(c>0)であるTM110モードの直方体共振空胴とした照射室と、
    該照射室を構成する2つのY−Z面壁の一方に設けられ、Z軸方向へ伸延するスリットと、
    該スリットから前記照射室に挿入され、前記照射室のX−Z面に沿って前記2つのY−Z面壁の他方まで伸延する下敷と、
    X軸方向へ移動可能にして前記下敷上に載置され、前記スリットを通して前記照射室に進入可能で且つ前記照射室に進入したときに所定の位置で停留する搬送位置決め治具と、
    該搬送位置決め治具に設けられたホルダ保持部に保持される試料ホルダと、
    を含んで構成されるマイクロ波照射装置。
  2. X軸辺の長さがa(a>0)、Y軸辺の長さがb(b>0)、Z軸辺の長さがc(c>0)であるTM110モードの直方体共振空胴とした照射室と、
    該照射室を構成する2つのY−Z面壁の一方に設けられ、Z軸方向へ伸延するスリットと、
    該スリットを通して前記照射室に進入可能で且つ前記照射室に進入したときに所定の位置で停留する搬送位置決め治具と、
    前記スリットが設けられているY−Z面壁の外側に設置された載置台と、
    該載置台に載置された前記搬送位置決め治具の側縁部に当接し、前記スリットを通して前記照射室に進入する前記搬送位置決め治具のX軸方向以外への動きを規制するスライドガイドと、
    前記搬送位置決め治具に設けられたホルダ保持部に保持される試料ホルダと、
    を含んで構成されるマイクロ波照射装置。
  3. 前記下敷が、マイクロ波をほぼ透過させる材質である請求項1記載のマイクロ波照射装置。
  4. 前記搬送位置決め治具のホルダ保持部は、標準ウエルプレートの外形に相応した形状の凹部として形成され、
    標準ウエルプレートの外形をもつ前記試料ホルダが、前記ホルダ保持部に嵌め込まれる、
    請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロ波照射装置。
  5. 前記試料ホルダに、Z軸方向に沿って一列に並べた複数のウエルが凹設されている、
    請求項4記載のマイクロ波照射装置。
  6. 前記試料ホルダに、スライドガラスを保持するプレパラート保持部が形成されている、
    請求項4記載のマイクロ波照射装置。
  7. 前記搬送位置決め治具が前記所定の位置で停留するときに、
    前記試料ホルダは、前記照射室のX軸方向中央に試料を位置させる、
    請求項1〜6のいずれかに記載のマイクロ波照射装置。
  8. 周波数及びパワーが可変のマイクロ波を出力するマイクロ波発生器と、
    該マイクロ波発生器から出力されるマイクロ波を前記照射室へ導入する伝送路と、
    前記照射室の電界又は磁界の強度を検知するアンテナと、
    前記マイクロ波発生器を制御する制御器と、
    をさらに含み、
    前記制御器は、
    前記アンテナによる検知結果に従って、前記マイクロ波発生器から出力されるマイクロ波の周波数を、前記照射室の共振周波数に同調させる周波数制御過程と、
    前記アンテナによる検知結果に従って、前記マイクロ波発生器から出力されるマイクロ波のパワーを調整するパワー制御過程と、
    を実行する、
    請求項1〜7のいずれかに記載のマイクロ波照射装置。
  9. 前記照射室を構成する2つのX−Z面壁の一方に設けられた温度測定用開口を介して、前記試料ホルダの試料の温度を計測する温度計をさらに含み、
    前記制御器は、前記パワー制御過程において、前記アンテナによる検知結果及び前記温度計による計測結果に従って、前記マイクロ波発生器から出力されるマイクロ波のパワーを調整する、
    請求項8記載のマイクロ波照射装置。
  10. 周波数及びパワーが可変のマイクロ波を出力するマイクロ波発生器と、
    該マイクロ波発生器から出力されるマイクロ波を前記照射室へ導入する伝送路と、
    前記照射室の電界又は磁界の強度を検知するアンテナと、
    前記照射室を構成する2つのX−Z面壁の一方に設けられた温度測定用開口を介して、前記試料ホルダの試料の温度を計測する温度計と、
    前記マイクロ波発生器を制御する制御器と、
    をさらに含み、
    前記制御器は、
    前記アンテナによる検知結果に従って、前記マイクロ波発生器から出力されるマイクロ波の周波数を、前記照射室の共振周波数に同調させる周波数制御過程と、
    前記温度計による計測結果に従って、前記マイクロ波発生器から出力されるマイクロ波のパワーを調整するパワー制御過程と、
    を実行する、
    請求項1〜7のいずれかに記載のマイクロ波照射装置。
  11. 前記制御器は、前記周波数制御過程において、前記マイクロ波発生器から出力されるマイクロ波のパワーを、所定の微弱パワーに維持する、
    請求項8〜10のいずれかに記載のマイクロ波照射装置。
JP2009230634A 2009-10-02 2009-10-02 マイクロ波照射装置 Expired - Fee Related JP5394184B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009230634A JP5394184B2 (ja) 2009-10-02 2009-10-02 マイクロ波照射装置
PCT/JP2010/067152 WO2011040571A1 (ja) 2009-10-02 2010-09-30 マイクロ波照射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009230634A JP5394184B2 (ja) 2009-10-02 2009-10-02 マイクロ波照射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011081914A true JP2011081914A (ja) 2011-04-21
JP5394184B2 JP5394184B2 (ja) 2014-01-22

Family

ID=43826377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009230634A Expired - Fee Related JP5394184B2 (ja) 2009-10-02 2009-10-02 マイクロ波照射装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5394184B2 (ja)
WO (1) WO2011040571A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014168397A (ja) * 2013-03-01 2014-09-18 Dainippon Printing Co Ltd 遠心分離機
EP3751963A4 (en) * 2018-02-08 2021-11-24 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology MICROWAVE HEATING METHOD, MICROWAVE HEATING DEVICE AND CHEMICAL REACTION METHOD

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103079303B (zh) * 2013-02-10 2014-10-15 中南林业科技大学 一种用于木材微波预处理的四口馈入谐振腔
CN103220835B (zh) * 2013-04-24 2016-03-02 南京三乐电子信息产业集团有限公司 一种微波谐振腔内输送装置
DE102015214414B4 (de) * 2015-07-29 2020-10-22 Berthold Technologies Gmbh & Co. Kg Verfahren und System zur Ermittlung biologischer Eigenschaften von Proben

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09159667A (ja) * 1995-12-12 1997-06-20 Suzuki Motor Corp 生化学反応促進装置
JPH1041065A (ja) * 1996-07-23 1998-02-13 Suzuki Motor Corp マイクロ波照射槽
JP2008253990A (ja) * 2007-04-03 2008-10-23 Cem Corp 同時複数サンプルウェル適用におけるマイクロ波エネルギーの制御および緩和
JP2009146650A (ja) * 2007-12-12 2009-07-02 Saida Fds Inc マイクロ波照射装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09159667A (ja) * 1995-12-12 1997-06-20 Suzuki Motor Corp 生化学反応促進装置
JPH1041065A (ja) * 1996-07-23 1998-02-13 Suzuki Motor Corp マイクロ波照射槽
JP2008253990A (ja) * 2007-04-03 2008-10-23 Cem Corp 同時複数サンプルウェル適用におけるマイクロ波エネルギーの制御および緩和
JP2009146650A (ja) * 2007-12-12 2009-07-02 Saida Fds Inc マイクロ波照射装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014168397A (ja) * 2013-03-01 2014-09-18 Dainippon Printing Co Ltd 遠心分離機
EP3751963A4 (en) * 2018-02-08 2021-11-24 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology MICROWAVE HEATING METHOD, MICROWAVE HEATING DEVICE AND CHEMICAL REACTION METHOD
US11883789B2 (en) 2018-02-08 2024-01-30 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Microwave heating method, microwave heating apparatus, and chemical reaction method

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011040571A1 (ja) 2011-04-07
JP5394184B2 (ja) 2014-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5142261B2 (ja) マイクロ波照射装置
JP5394184B2 (ja) マイクロ波照射装置
KR100473794B1 (ko) 플라즈마 전자밀도 측정 및 모니터링 장치
US20140251955A1 (en) Microwave waveguide apparatus, plasma processing apparatus and plasma processing method
JP2008032528A (ja) 導波管内の定在波測定部および定在波測定方法、電磁波利用装置、プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
JP2009105054A (ja) マイクロ波加熱装置、マイクロ波加熱システム、およびマイクロ波加熱装置またはマイクロ波加熱システムの使用方法
KR101724333B1 (ko) 파브리-페로 공진을 이용한 재료의 유전율 측정 시스템 및 그 측정 방법
CN115346891A (zh) 整合雷射与微波的退火系统及退火方法
JP2011150911A (ja) マイクロ波加熱装置
KR20150007260A (ko) 마이크로파 플라즈마 처리 장치, 슬롯 안테나 및 반도체 장치
US8795444B1 (en) Method of and apparatus for thermomagnetically processing a workpiece
KR20170100519A (ko) 플라즈마 처리 장치 및 플라즈마 처리 방법
CN107006083B (zh) 微波加热装置
Pedreño-Molina et al. A new procedure for power efficiency optimization in microwave ovens based on thermographic measurements and load location search
JP2020194676A (ja) プラズマ密度モニタ、プラズマ処理装置、およびプラズマ処理方法
Hu et al. Effective optimization of temperature uniformity and power efficiency in two-ports microwave ovens
US20100141271A1 (en) Device and method for detecting electrical properties of a sample of an excitable material
KR20150007258A (ko) 마이크로파 플라즈마 처리 장치, 슬롯 안테나 및 반도체 장치
CN107006086B (zh) 微波加热装置
KR102188673B1 (ko) 주파수 변환이 가능한 마이크로파 가열장치
KR101242603B1 (ko) 생체시료 고정 장치 및 고정 방법
CN107006084B (zh) 微波加热装置
KR101570170B1 (ko) 기판 처리 장치
RU2329618C1 (ru) Лабораторная камера микроволнового нагрева
JP4446966B2 (ja) マイクロ波プラズマ処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130924

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131016

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5394184

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees