JPH1040598A - 情報再生方法および情報再生装置 - Google Patents

情報再生方法および情報再生装置

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JPH1040598A
JPH1040598A JP21052296A JP21052296A JPH1040598A JP H1040598 A JPH1040598 A JP H1040598A JP 21052296 A JP21052296 A JP 21052296A JP 21052296 A JP21052296 A JP 21052296A JP H1040598 A JPH1040598 A JP H1040598A
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signals
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JP21052296A
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Masabumi Kiyougaku
正文 教學
Akira Kuroda
亮 黒田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、一つの記録ドットについて検出され
る信号が複数であった場合でも、正しく記録ドットの配
列を認識して情報を再生することのできる情報再生方法
および装置を提供することを目的としている。 【解決手段】本発明は、記録媒体表面に対向して近接配
置された探針を、前記記録媒体の表面に対して走査させ
て、前記記録媒体に一定間隔で設定された記録点列上に
形成された記録ドットからなる情報を再生する情報再生
方法または装置において、一つの記録ドットに対して検
出される信号が一つの信号か或いは複数の信号かを認識
する信号認識手段と、該信号認識手段によって検出され
る信号が複数であった場合に該複数の信号の配置を特定
する信号処理手段とを有し、正しく記録ドットの配列を
認識して情報を再生することを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、探針を有する情報
再生装置において、一つの記録ドットに対して複数の位
置で信号が検出される場合でも、正しく情報を再生する
ための情報再生方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】試料表面を原子的スケールの空間分解能
で観察することのできる、走査型プローブ顕微鏡が開発
されている。その代表的なものである、走査型トンネル
顕微鏡(STM)は、探針と試料の距離を数nm以下に
接近させたときに流れるトンネル電流を検出し、電子状
態の分布を含む表面像を構成する。また、走査型原子間
力顕微鏡(AFM)は、弾性体に保持された探針を試料
に数nm以下に接近させたときに探針と試料表面とに働
く原子間力を検出し、凹凸情報を含む表面像を構成す
る。
【0003】また、AFM構成を基にした複合装置が開
発されている。例えば、探針を導電性にすることによっ
て試料に電圧を印加することができるようにし、試料表
面の凹凸と同時に導電性の分布を測定することができる
ようにしたAFM/STMがある(特開平3−2779
03号公報)。あるいは、探針に磁性材料を用い、試料
表面の磁気分布を測定する装置や、探針を静電容量セン
サーとして用いて、試料表面の静電容量分布を測定する
装置などが開発されている。
【0004】これらの走査型プローブ顕微鏡を応用する
ことによって、局所領域に情報を記録することができる
ようにした、超高密度の記録再生装置が考案されてい
る。例えば、AFM/STMを応用すれば、記録媒体上
を探針にならわせ電圧を印加することによって局所的に
記録媒体の物理状態を変化させて記録ドットを形成する
ことができる。その一例として、電圧印加により記録媒
体に凹凸を形成する装置が特開平6−96714号公報
に示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記記録再生装置は、
通常先端の曲率半径が数十nm程度の鋭利な探針が用い
られており、これにより記録ドットを数十nm程度と非
常に小さくすることができ、高密度の記録が達成されて
いる。しかしながら、実際の探針先端は、必ずしも1つ
の先端で構成されているわけではなく、信号検出可能な
複数の先端を持つ場合がある。このような場合で最も多
くみられるのが2つの先端を持つ場合であり、一つの記
録ドットに対して、2回信号が検出されることがある。
この場合、2ヶ所で信号が検出されたものとして認識さ
れることになる。ところが、従来の再生装置における信
号処理では、一つの記録ドットに対して複数の信号が検
出された場合でも、全ての信号を同等に処理するので、
記録ドットの配列を正しく認識できず、誤った再生結果
を導いてしまうことがあった。
【0006】そこで、本発明は、上記従来のもにおける
課題を解決し、一つの記録ドットについて検出される信
号が複数であった場合でも、正しく記録ドットの配列を
認識して情報を再生することのできる情報再生方法およ
び装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、情報再生方法および情報再生装置を次の
ように構成したものである。すなわち、本発明の情報再
生方法は、記録媒体表面に対向して近接配置された探針
を、前記記録媒体の表面に対して走査させて、前記記録
媒体に一定間隔で設定された記録点列上に形成された記
録ドットからなる情報を再生する情報再生方法におい
て、一つの記録ドットに対して検出される信号が一つの
信号か或いは複数の信号かを認識する信号認識手段と、
該信号認識手段によって検出される信号が複数であった
場合に該複数の信号の配置を特定する信号処理手段とを
有し、正しく記録ドットの配列を認識して情報を再生す
ることを特徴としている。また、本発明の情報再生装置
は、記録媒体表面に対向して近接配置された探針と、該
探針を前記記録媒体の表面に対して走査させる走査手段
と、一定間隔で設定された記録点列上に記録ドットが形
成されてなる前記記録媒体とを備え、前記探針を前記記
録媒体の表面に対して走査して記録ドットの配列を認識
し情報を再生する情報再生装置において、一つの記録ド
ットに対して検出される信号が一つの信号か或いは複数
の信号かを認識する信号認識手段と、該信号認識手段に
よって検出される信号が複数であった場合に該複数の信
号の配置を特定する信号処理手段と、を有していること
特徴としている。そして、本発明における情報再生方法
および情報再生装置は、それぞれ、次の構成を含んでい
る。 (a)前記信号認識手段は、記録点列に平行な複数の信
号列が観測された場合、或いは、同一の信号列の中で任
意の2つの信号の検出位置の間隔が記録ドットの間隔と
異なるものがある場合に、一つの記録ドットについて検
出される信号は複数であると判断する構成。 (b)前記信号処理手段は、前記信号認識手段によって
検出される信号が複数であった場合に、記録点列に平行
な複数の信号列について、それぞれの信号列の最初の信
号は同一の記録ドットに属する信号であると判断する構
成。 (c)前記信号処理手段は、前記信号認識手段によって
検出される信号が複数であった場合に、記録点列に平行
な信号列について、1番目と2番目の信号の距離が記録
点の間隔よりも小さければ、1番目と2番目の信号は同
一の記録ドットに属する信号であると判断する構成。 (d)前記信号処理手段は、前記信号認識手段によって
検出される信号が複数であった場合に、以下の(1)〜
(3)の処理を順次行う構成。 (1)記録点列に平行な複数の信号列のうちの任意の信
号列について、先頭からm=1〜kの番号で表される信
号の任意の2つの信号を選んだときに、前記2つの信号
の検出位置の距離が記録点の間隔aよりも小さい信号対
(m=k、k+1)の中で、最も小さなkを与えるもの
をk’とすると、m=1とm=k’+1の信号は同一の
記録ドットに属する信号であると判断する。 (2)m=1とm=k’+1の信号の間隔をdとする
と、任意の整数nに対して、走査方向に沿った座標x=
n・aの位置にある信号とx=n・a+dの位置にある
信号は、同一の記録ドットに属する信号であると判断す
る。 (3)x=n・a+dの位置にある信号を省いて、
(1)および(2)の処理を行う。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は以上の構成により、一つ
の記録ドットについて検出される信号が、1つの信号で
あるのか、或いは、複数の信号であるのかを判断するこ
とができるので、複数の信号である場合でも、一つの記
録ドットについて1つの信号が検出されることを前提と
した信号処理を行うことによる情報再生の誤りを回避す
ることができる。このとき、記録点列に平行に複数の信
号列が観測された場合、および、同一の信号列の中で、
任意の2つの信号の検出位置の間隔が記録ドットの間隔
と異なるものがある場合は、一つの記録ドットについて
検出される信号は複数であると判断することができる。
また、本発明では、一つの記録ドットについて検出され
る信号が複数であると認識された場合において、それが
2つの場合と、2つ以上の場合とで、以下のように同一
の記録ドットに属する信号の特定手法が異る。まず、同
じ信号列の中では一つの記録ドットに対して検出される
信号が2つである信号列に対しては、記録点列に平行に
複数の信号列が観測される場合は、それぞれの信号列の
最初の信号は1番目の記録ドットに属すると判断するこ
とができる。または、記録点列に平行な信号列につい
て、先頭から1番目と2番目の信号の距離が記録点の間
隔よりも小さければ、1番目と2番目の信号は1番目の
記録ドットに属すると判断することができる。
【0009】一般的に、一つの記録ドットに対して検出
される信号が2つ以上である信号列に対しては、以下の
処理を順次行うことによって、同一列に並んだ信号につ
いて同一の記録ドットに属する信号を特定することがで
きる。 (1)記録点列に平行な複数の信号列のうちの任意の信
号列について、先頭からm=1〜kの番号で表す。任意
の2つの信号をとり、それらの信号の検出位置の距離が
記録点の間隔aよりも小さい信号対(m=k,k+1)
を求める。その中で、最も小さなkを与えるものをk’
とすると、m=k’+1とm=1の信号は共に1番目の
記録ドットに属する信号であると判断することができ
る。 (2)記録ドットは、間隔aで並んだ記録点上に位置す
る。従って、同一の記録ドットに属する複数の信号から
なる一組の信号は、記録ドットが並ぶ方向に記録点の間
隔aの整数倍の並進操作を行った点に位置することにな
る。即ち、m=1とm=k’+1の信号の間隔をdとす
ると、任意の整数nについて、x=n・aの位置にある
信号とx=n・a+dの位置にある信号は、同一の記録
ドットに属すると判断することができる。 (3)x=n・a+dの位置にある信号を省いて、
(1)および(2)の処理を繰り返して行えば、同一列
にある、1番目の記録ドットに属する信号を全て特定す
ることができる。
【0010】(1)〜(3)の処理を全ての信号列につ
いて行えば、1番目の記録ドットに属する信号を全て特
定することができる。1番目の記録ドットに属する信号
の検出位置の配置が決定されれば、任意の記録ドットに
属する信号は、1番目の記録ドットに属する信号を記録
ドットが並ぶ方向に記録点の間隔aの整数倍の並進操作
を行った位置にあることを利用して、全ての信号の属性
を特定することができる。このように、一つの記録ドッ
トに対する検出信号が複数の信号からなる場合には、任
意の信号に対して同じ記録ドットに属する信号を特定す
ることによって、真の記録ドットの配列を抽出し、正し
く記録情報を再生することができる。
【0011】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。 [実施例1]図1に実施例1における再生装置の主要部
の構成を示す。探針1は弾性体であるカンチレバー2の
先端に保持されており、カンチレバー2はカンチレバー
保持部3に保持されている。カンチレバー保持部3は探
針1が記録媒体4に対向するように本体に固定した。探
針およびカンチレバーの製造方法は、米国特許第5,2
21,415号明細書に示されている方法を応用した。
これは、半導体デバイス製造プロセス技術を使い、単結
晶シリコンの異方性エッチングを用いて探針形状を形成
し、窒化シリコンからなる探針およびカンチレバーを一
体成形する方法である。作成した探針は、底辺の長さが
約5μm、高さが約7μmであった。更に、導電性を持
たせるために探針およびカンチレバーの表面に、スパッ
ター製膜によって約50nmの厚さにPt膜を形成し
た。
【0012】このようにして作成された探針を走査型電
子顕微鏡で観察すると、2つの先端を持つものがあっ
た。本実施例では、この中から2つの先端の間隔が比較
的狭く、30nm程度のものを選んで用いた。記録媒体
4を積載した基板5はホルダー6に固定し、ホルダー6
の底部は変位機構7に固定した。さらに、変位機構7は
粗動機構8を介して本体に固定した。ここで、変位機構
7は円筒型圧電素子からなり、変位素子駆動回路13に
よって駆動され、基板5を基板面に平行および垂直な方
向へ変位させることができる。また、記録媒体を変位さ
せることによって、探針を記録媒体に対して相対的に走
査することができる。記録媒体4を積載する基板5は導
電性とし、記録媒体4に電圧を印加するための一方の電
極とした。
【0013】記録媒体4には、特開昭63−16155
3号公報に開示されているような電流電圧特性のスウイ
ッチングにメモリー効果を有する有機化合物の累積膜を
用いた。ポリイミド薄膜は、例えば数Vの電圧を数十μ
s以下の時間、パルス的に印加することによって高抵抗
状態から低抵抗状態に遷移させることができる。そこ
で、基板5は、石英ガラス基板の上に、Tiを真空蒸着
法によって5nm堆積させ、更にその上にAuを30n
m同法によって蒸着したものを用いた。この基板上に、
LB法によってポリアミド酸を10層累積し、次に加熱
処理をし、ポリイミドの薄膜を形成し記録媒体4とし
た。膜厚は約5nmであった。
【0014】本実施例で再生を行った記録ドットは、上
記のように作成された記録媒体に対して、予め、例えば
特開平01−245445号公報に示されているような
走査型原子間力顕微鏡を応用した記録装置を用いて形成
された。記録用で用いた探針には、鋭利な一つの先端を
持つものを用いた。記録時には、記録データは2値化さ
れ、記録媒体上の座標で指定された記録点と対応づけら
れたデータ列に変換される。ここで、記録点は、走査方
向に約60nmの間隔で設定した。探針が記録点に到達
したとき、データがONであれば、記録媒体に、波高値
5V、時間1μsのパルス電圧を印加して記録を行っ
た。その結果、電圧印加部には周囲よりも低抵抗化した
記録ドットが記録点上に形成された。このとき、1〜1
0番目の記録位置には、意味を持たない記録ドットを必
ず形成するようにした。
【0015】次に、再生動作について説明する。本実施
例では、記録ドットは記録媒体上に局所的な導電率の変
化として記録されており、記録ドット部はその周りの部
分よりも導電率が高くなっている。そこで、探針1と電
極基板5との間に電圧印加回路によって1Vの直流バイ
アス電圧を加え、電流信号検出回路15で記録媒体4に
流れる電流を検出することによって記録ドットを検出し
た。まず、制御部11が変位機構駆動回路13に対し、
変位機構7を駆動させるよう命令を出し、探針1に記録
面上を走査させる。検出された電流信号は電流信号検出
回路15において電圧信号に変換及び増幅され、信号認
識部16に送られる。
【0016】以下に信号認識部16で行われる信号認識
について説明する。本実施例では、一つの記録ドットに
対して観測される信号は、たかだか2つである。更に、
2つの記録ドットの間隔が記録点の間隔を越えないか、
或いはたかだか記録点の間隔程度である場合に限定され
る。この場合、一つの記録ドットに対し、1列または2
列の信号列が観測される可能性がある。また、信号列が
並ぶ方向をXとした。すると、記録点はX方向に間隔a
を隔てて並んでいることになる。まず、図2に示される
ように、信号列が2列に観測された場合は、一つのビッ
トに属する信号が2つであると認識される。信号検出位
置の判断には、±10nmの誤差を考慮した。または、
図3に示されるように、1つの信号列のみ観測される場
合、或いは2列の信号列が非常に接近していた場合に
は、信号を走査方向であるX軸上で一端から、m=1,
2,・・の番号で区別する。m=1とm=2の信号につ
いて、X軸上の距離を計算する。このとき、距離が間隔
aよりも小さければ、m=2の信号は記録点にないと判
断し、一つの記録ドットに属する信号が2つであると認
識される。信号認識部16において、一つの記録ドット
に対して観測される信号が一つであると認識された場合
は、次の信号処理部17では、通常の信号処理が行なわ
れる。
【0017】しかし、信号認識部16によって、一つの
記録ドットに属する信号が2つであると認識された場
合、引き続き、信号処理部17によって、以下のように
一つの記録ドットに属する信号の組み合わせと配置の特
定が行なわれる。まず、図1に示されるように、信号列
が2列に観測された場合は、1列目の最初の信号と2列
目の最初の信号は同一の記録ドットに属すると判断する
ことができる。ここでは、本来一列の信号であるが、便
宜上1列目と2列目に区別した。または、図3に示され
るように、1つの信号列のみ観測される場合、或いは2
列の信号列が非常に接近していた場合、次に示す処理を
行う。信号を走査方向であるX軸上で一端から、m=
1,2,・・の番号で区別する。m=1とm=2の信号
について、X軸上の距離を計算する。このとき、距離が
間隔aよりも小さければ、m=2の信号は記録点にない
と判断し、m=1とm=2の信号は対をなすと判断し
た。ただし、図4(a)に示されるように、m=1と3
が対をなしm=2と3の信号が非常に接近していた場合
は、記録点の間隔には誤差があるために、誤った判断を
する恐れがある。そこで、信号処理部17において、次
のような検証を行うこととした。
【0018】上記判断に従えば、n番目の記録ドットに
対応する信号は、2n−1および2n番目の信号であ
る。これらの信号は、それぞれ最初の記録ドットから計
ってx=(n−1)・a、およびx=(n−1)・a+
dxの位置にあることになる。ここで、dxは対をなす
検出信号の間隔である。任意のkに対し(ただし、ここ
ではk<5)、2k番目の信号がx=k・dxの近傍に
位置すれば、dx=aということになるので(図4
(b))、上記判断は誤りであるとし、新たにm=1と
3の信号が対であると判断した。以上のように、同一の
記録ドットに対して検出される信号対を一つ特定し、こ
の信号対に対して、X方向に、間隔aの整数倍の並進操
作を行った点に全ての信号が存在することを利用して、
記録ドットの配列を決定した。
【0019】[実施例2]実施例2では、一つの記録ド
ットに対して、2つ以上の信号が観測される場合の再生
方法を示す。ここで、同一の記録ドットに属する信号の
距離は任意であり、隣あった記録点の間隔を越える場合
も含む。装置の基本的構成は実施例1と同様である。そ
こで、以下には信号認識部16で行なわれる信号認識及
び信号処理部17で行なわれる信号処理について説明す
る。実施例2では、一つの記録ドットに対しnヶ所の位
置座標で信号が観測される場合は、最大n列の信号列が
観測される可能性がある。記録点列が並ぶ方向をxとす
ると、各信号列にはx方向に間隔aを隔てて信号が並ぶ
ことになる。まず、複数の信号列が観測された場合は、
一つの記録ドットに対して複数の信号が観測されたと判
断される。または、一つの信号列しか観測されなかった
場合でも、信号を一端から、m=1〜kの番号で区別
し、m=1〜kの信号のうち任意の2つの信号をとり、
互いの検出位置の距離を計算し、この距離が間隔aより
も小さいものがあれば、一つの信号に対して検出される
信号が複数であると判断される。
【0020】上記信号認識部16において、一つの記録
ドットに対して観測される信号が一つであると認識され
た場合は、次の信号処理部17では、通常の信号処理が
行なわれる。しかし、信号認識部16によって、一つの
記録ドットに属する信号が複数観測されたと認識された
場合は、次に信号処理部17は一つの記録ドットに属す
る信号の組み合わせと、配置を特定するために、以下に
示す処理を行う。 (1)まず、x方向に並んだ複数の信号列が観測された
場合は、第1列の最初の信号と第n列の最初の信号は1
番目の記録ドットに属すると判断することができる。 (2)次に、任意の信号列について、一つの信号列のな
かで、同一の記録ドットに属する信号を特定するために
次の処理を行う。まず、信号を一端から、m=1〜kの
番号で区別する。m=1〜kの信号のうち任意の2つの
信号をとり、互いの検出位置の距離を計算し、この距離
が間隔aよりも小さいものがあれば、一つの信号に対し
て検出される信号が複数であると判断される。距離がa
よりも小さい信号対(m=k,k+1)の中で、最も小
さなkで与えられるものをk’とすると、m=1とm=
k’+1の信号は1番目の記録ドットに属する信号であ
ると判断される。 (3)同一の記録ドットに属する複数の信号からなる一
組の信号は、x方向に間隔aの整数倍の並進操作を行っ
た点に位置する。従って、m=1とm=k’+1の信号
の間隔をd,nを整数とすると、x=n・aの位置にあ
る信号とx=n・a+dの位置にある信号は、同一の記
録ドットに属すると判断される。 (4)x=n・a+dの位置にある信号を省略し、
(2)、(3)の処理を繰り返すことによって、一つの
信号列について、1番目の記録ドットに属する信号がす
べて特定される。 (5)(2)〜(4)の処理を全ての信号列について行
うことによって、(1)の結果と併せて、1番目の記録
ドットに属するすべての信号が特定される。
【0021】具体的な手続きを図5に示した例を参照し
ながら説明する。本実施例で用いた探針は、走査型電子
顕微鏡で観察すると、複数の先端部を有することがわか
った。図中で、基本となる信号は、白丸で示してあり、
これは記録ドットの間隔aと同じ間隔で並んでいる。ま
ず、(1)の処理で、図5(a)で囲った3つの信号が
同じ記録ドットに属することが特定される。次に、第1
列の信号列を考え、(2)の処理を行うと、k=2,
3,4・・となるので、k’=2となり、1と3の信号
が同じ記録ドットに属することが特定される(図5
(b))。次に、(3)の処理を行う。ここでは、3n
(n≧1)番目の信号を省略し、新たに先頭の信号から
番号をふり、(2)の処理を行うと、図5(c)で示さ
れるように、1と3の信号が同じ記録ドットに属するこ
とが特定される。2列目と3列目に関しては、(2)の
処理を行っても、全ての信号が異なった記録ドットに属
することが判断される。これらの結果から、図5(d)
で囲まれた、5つの信号が同じ記録ドットに属する信号
であると特定された。以上のようにして、一番目の記録
ドットに対して検出される一組の信号を特定できれば、
この一組の信号に対して、x方向に間隔aの整数倍の並
進操作を行った点に全ての信号が存在することを利用し
て、記録ドットの配列を決定することができた。上記実
施例では、探針が検出する信号は電流信号であるが、何
もこれに限定されるものではなく、例えば、原子間力、
静電力、または磁気力であってもよく、これらの信号に
対しても同様に信号処理を用いることができる。また、
STM構成をもつ再生装置においても、同様の情報再生
手段を用いることができる。このように、本発明の再生
方法は、走査型プローブ顕微鏡構成を有する再生装置一
般に用いることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明は、以上の構成により、一つの記
録ドットに対して複数の信号が検出された場合でも、一
つの記録ドットに対して複数の信号が検出されることを
認識することが可能となるので、このような場合にも、
一つの記録ドットに対して一つの信号が検出されること
を前提とした従来の信号認識処理のように全ての信号を
同等に処理することがなく、正しく記録ドットの配列を
認識して情報を再生することができる。また、本発明に
おいては、一つの記録ドットについて複数の信号が検出
された場合でも、一つの記録ドットに対して検出される
複数の信号の配置を認識し、これを基に、真の記録ドッ
トの配列を抽出できるので、正しく情報を再生すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の再生装置の基本構成を示す図である。
【図2】一つの記録ドットについて2つの信号が検出さ
れる場合の信号検出位置の配置を示す図である。
【図3】一つの記録ドットについて2つの信号が検出さ
れる場合の信号検出位置の配置を示す図である。
【図4】一つの記録ドットについて、同一列に2つの信
号が検出される場合の信号検出位置の配置、および信号
特定プロセスを示す図である。
【図5】一つの記録ドットに対して複数の信号が検出さ
れる場合の信号検出位置の配置、および信号特定プロセ
スを示す図である。
【符号の説明】
1:探針 2:カンチレバー 3:支持体 4:記録媒体 5:基板 6:ホルダー 7:変位機構 8:粗動機構

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体表面に対向して近接配置された探
    針を、前記記録媒体の表面に対して走査させて、前記記
    録媒体に一定間隔で設定された記録点列上に形成された
    記録ドットからなる情報を再生する情報再生方法におい
    て、 一つの記録ドットに対して検出される信号が一つの信号
    か或いは複数の信号かを認識する信号認識手段と、該信
    号認識手段によって検出される信号が複数であった場合
    に該複数の信号の配置を特定する信号処理手段とを有
    し、正しく記録ドットの配列を認識して情報を再生する
    ことを特徴とする情報再生方法。
  2. 【請求項2】前記信号認識手段は、記録点列に平行な複
    数の信号列が観測された場合、或いは、同一の信号列の
    中で任意の2つの信号の検出位置の間隔が記録ドットの
    間隔と異なるものがある場合に、一つの記録ドットにつ
    いて検出される信号は複数であると判断することを特徴
    とする請求項1に記載の情報再生方法。
  3. 【請求項3】前記信号処理手段は、前記信号認識手段に
    よって検出される信号が複数であった場合に、記録点列
    に平行な複数の信号列について、それぞれの信号列の最
    初の信号は同一の記録ドットに属する信号であると判断
    することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    情報再生方法。
  4. 【請求項4】前記信号処理手段は、前記信号認識手段に
    よって検出される信号が複数であった場合に、記録点列
    に平行な信号列について、1番目と2番目の信号の距離
    が記録点の間隔よりも小さければ、1番目と2番目の信
    号は同一の記録ドットに属する信号であると判断するこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報再
    生方法。
  5. 【請求項5】前記信号処理手段は、前記信号認識手段に
    よって検出される信号が複数であった場合に、以下の
    (1)〜(3)の処理を順次行うことを特徴とする請求
    項1に記載の情報再生方法。 (1)記録点列に平行な複数の信号列のうちの任意の信
    号列について、先頭からm=1〜kの番号で表される信
    号の任意の2つの信号を選んだときに、前記2つの信号
    の検出位置の距離が記録点の間隔aよりも小さい信号対
    (m=k、k+1)の中で、最も小さなkを与えるもの
    をk’とすると、m=1とm=k’+1の信号は同一の
    記録ドットに属する信号であると判断する。 (2)m=1とm=k’+1の信号の間隔をdとする
    と、任意の整数nに対して、走査方向に沿った座標x=
    n・aの位置にある信号とx=n・a+dの位置にある
    信号は、同一の記録ドットに属する信号であると判断す
    る。 (3)x=n・a+dの位置にある信号を省いて、
    (1)および(2)の処理を行う。
  6. 【請求項6】記録媒体表面に対向して近接配置された探
    針と、該探針を前記記録媒体の表面に対して走査させる
    走査手段と、一定間隔で設定された記録点列上に記録ド
    ットが形成されてなる前記記録媒体とを備え、前記探針
    を前記記録媒体の表面に対して走査して記録ドットの配
    列を認識し情報を再生する情報再生装置において、一つ
    の記録ドットに対して検出される信号が一つの信号か或
    いは複数の信号かを認識する信号認識手段と、該信号認
    識手段によって検出される信号が複数であった場合に該
    複数の信号の配置を特定する信号処理手段と、を有して
    いること特徴とする情報再生装置。
  7. 【請求項7】前記信号認識手段は、記録点列に平行な複
    数の信号列が観測された場合、或いは、同一の信号列の
    中で任意の2つの信号の検出位置の間隔が記録ドットの
    間隔と異なるものがある場合に、一つの記録ドットにつ
    いて検出される信号は複数であると判断することを特徴
    とする請求項6に記載の情報再生装置。
  8. 【請求項8】前記信号処理手段は、前記信号認識手段に
    よって検出される信号が複数であった場合に、記録点列
    に平行な複数の信号列について、それぞれの信号列の最
    初の信号は同一の記録ドットに属する信号であると判断
    することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の
    情報再生装置。
  9. 【請求項9】前記信号処理手段は、前記信号認識手段に
    よって検出される信号が複数であった場合に、記録点列
    に平行な信号列について、1番目と2番目の信号の距離
    が記録点の間隔よりも小さければ、1番目と2番目の信
    号は同一の記録ドットに属する信号であると判断するこ
    とを特徴とする請求項6または請求項7に記載の情報再
    生装置。
  10. 【請求項10】前記信号処理手段は、前記信号認識手段
    によって検出される信号が複数であった場合に、以下の
    (1)〜(3)の処理を順次行うことを特徴とする請求
    項6に記載の情報再生装置。 (1)記録点列に平行な複数の信号列のうちの任意の信
    号列について、先頭からm=1〜kの番号で表される信
    号の任意の2つの信号を選んだときに、前記2つの信号
    の検出位置の距離が記録点の間隔aよりも小さい信号対
    (m=k、k+1)の中で、最も小さなkを与えるもの
    をk’とすると、m=1とm=k’+1の信号は同一の
    記録ドットに属する信号であると判断する。 (2)m=1とm=k’+1の信号の間隔をdとする
    と、任意の整数nに対して、走査方向に沿った座標x=
    n・aの位置にある信号とx=n・a+dの位置にある
    信号は、同一の記録ドットに属する信号であると判断す
    る。 (3)x=n・a+dの位置にある信号を省いて、
    (1)および(2)の処理を行う。
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