JPH09147433A - 情報記録再生方法およびその装置 - Google Patents

情報記録再生方法およびその装置

Info

Publication number
JPH09147433A
JPH09147433A JP30410195A JP30410195A JPH09147433A JP H09147433 A JPH09147433 A JP H09147433A JP 30410195 A JP30410195 A JP 30410195A JP 30410195 A JP30410195 A JP 30410195A JP H09147433 A JPH09147433 A JP H09147433A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
probe
recording
recording medium
signal
recording head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30410195A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidetaka Tono
秀隆 東野
Kentaro Setsune
謙太郎 瀬恒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP30410195A priority Critical patent/JPH09147433A/ja
Publication of JPH09147433A publication Critical patent/JPH09147433A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B9/00Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor
    • G11B9/12Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor using near-field interactions; Record carriers therefor
    • G11B9/14Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor using near-field interactions; Record carriers therefor using microscopic probe means, i.e. recording or reproducing by means directly associated with the tip of a microscopic electrical probe as used in Scanning Tunneling Microscopy [STM] or Atomic Force Microscopy [AFM] for inducing physical or electrical perturbations in a recording medium; Record carriers or media specially adapted for such transducing of information
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B9/00Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor
    • G11B9/12Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor using near-field interactions; Record carriers therefor
    • G11B9/14Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor using near-field interactions; Record carriers therefor using microscopic probe means, i.e. recording or reproducing by means directly associated with the tip of a microscopic electrical probe as used in Scanning Tunneling Microscopy [STM] or Atomic Force Microscopy [AFM] for inducing physical or electrical perturbations in a recording medium; Record carriers or media specially adapted for such transducing of information
    • G11B9/1409Heads
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B9/00Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor
    • G11B9/12Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor using near-field interactions; Record carriers therefor
    • G11B9/14Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor using near-field interactions; Record carriers therefor using microscopic probe means, i.e. recording or reproducing by means directly associated with the tip of a microscopic electrical probe as used in Scanning Tunneling Microscopy [STM] or Atomic Force Microscopy [AFM] for inducing physical or electrical perturbations in a recording medium; Record carriers or media specially adapted for such transducing of information
    • G11B9/1418Disposition or mounting of heads or record carriers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 STM等の探針で高密度に記録する。 【解決手段】 記録媒体と、記録ヘッドと、記録ヘッド
移動装置とを具備してなる記録装置に於て、前記記録ヘ
ッドが、同一基板上に形成された信号駆動回路及び信号
検出回路に電気的に接続された、少なくとも片端を前記
基板に固定された梁の表面の一部に形成された複数の探
針から成る構成で、記録又は再生時に複数の探針が相対
移動する記録媒体上のトラック数が複数になることを特
徴とする記録装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の記録再生部
を有する超高密度記録装置およびその記録方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の高密度記録装置を記録手段で分類
すると、磁気記録、光記録、光磁気記録、電気記録があ
る。この中で、最も記録密度の高くなる方法としては、
電気記録方式が有望であるといわれている。これは、S
TM(走査型トンネル顕微鏡)と称される装置を応用し
た物である。STMは、原子オーダーで先端の尖った探
針と呼ぶ導電性の1本の針を試料面に原子サイズオーダ
ーの距離まで接近させて、その際に流れるトンネル電流
を利用して、表面原子の電子濃度分布や表面形状等を観
測する装置である。探針に固定した3つのアクチュエー
タに電圧を印加することにより、探針を試料面に対して
3次元的に移動させて画面走査を行い、取り込んだデー
タをコンピュータにより画像として表示させる。アクチ
ュエータには通常、PZT(ジルコン酸チタン酸鉛)セ
ラミック等の圧電セラミックが用いられている。探針の
先端部と試料表面との距離を変えると探針に流れる電流
は距離の指数関数で減少する。探針と試料間に電圧を印
加し、探針を試料面上で一定の高さに維持しながら移動
させると、試料表面の原子サイズオーダーでの凹凸や、
表面の電子密度分布により探針を流れるトンネル電流が
大きく変わるので、極めて微小な凹凸や電子密度分布等
が観測できる。また、探針を流れるトンネル電流が一定
になるように、アクチュエータに電圧を印加して探針と
試料表面との距離を一定に制御すると、アクチュエータ
印加電圧を用いて記録面の凹凸を表わすことができる。
このSTMを超高密度記録再生装置に応用することも行
われている。例えば、直鎖状パラフィン分子を炭素結晶
(グラファイト)上に蒸着した超薄膜に対してSTM探
針にパルス状の電圧(2V)を0.3マイクロ秒間印加
し、直径0.5nm〜1nm、高さ5nm程度の盛り上
がりを生じさせ、これの凹凸をSTMで識別することが
行われている(「ナノサイズの高密度−1枚でCD10
0万枚分−京大が原理実験に成功」松重和美他:日刊工
業新聞1994年3月15日4面掲載)。また、STM
を記録手段として応用する方法の他の例では、記録媒体
にアモルファス半導体膜をSTM探針からの通電によ
り、部分的に結晶化させて相変化を生じさせて、その表
面の形状変化や抵抗変化を記録ビットとして利用する等
の技術が提案されている。しかし、記録ビットの位置を
探索する方法は、STM探針をラスター状にスキャンし
た後に形状、抵抗等の変化から見つけだす方法が用いら
れている。
【0003】また、金属板上に、酸化シリコンからな
り、その先端部表面上に1個の探針を形成したカンチレ
バーを10個並べ、各カンチレバーの表面に、塩化亜鉛
の圧電薄膜で構成した圧電素子を張り付け、図面では圧
電素子の上下の電極薄膜を延長した電極端子パッドを金
属板上に形成し、カンチレバーの歪を電流信号として検
出する構成としたマルチプローブセンサー装置が考案さ
れている(平成7年10月5日日本工業新聞)。測定
は、被測定物にカンチレバーを接触させながら被測定物
を水平移動させて、被測定物表面の凹凸により生ずる探
針の上下動を10個のカンチレバー(圧電素子)の撓み
として検出し、圧電素子に流れる歪電流の変化を検出す
ることにより行っている。また、圧電素子に電流を流す
ことによりカンチレバーを圧電効果によりそれぞれ撓ま
せて各探針の高さを揃えて表面形状を10個のカンチレ
バーで同時に測定することも可能であるという記事が掲
載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】STMを用いて記録装
置を構成する場合には、アクセス速度および読みだし速
度が、ヘッド移動装置や探針移動装置の応答速度等で律
則されて、動画像などの高速データの記録/再生には使
用できないといった課題があった。また、これらの探針
を並列にならべて並列データの記録/再生を行うことに
よりデータのより高速な記録/再生が可能と考えられる
が、複数のSTMの探針の先端を同時に記録媒体表面か
ら原子サイズオーダーの距離を保って保持しながら、か
つデータを記録/再生する事が必要であり、これらの点
に関しては具体的な技術が無く、困難と考えられてい
た。更に、探針に流れる微小な高速の信号電圧/電流
を、周りの雑音、例えば、ヘッドの駆動のための電気信
号等のレベルの高い雑音電圧/電流から分離することが
困難であった。加えて、記録ビットサイズがサブミクロ
ン以下の高密度記録を実現しようとする場合に、信号や
トラックアドレス等の記録されたトラック位置に記録ヘ
ッドの探針を制御性良く高速に位置決めする事が極めて
困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願第1の発明の記録装置では、記録媒体と、記録
ヘッドと、記録ヘッド移動装置とを具備してなる記録装
置に於て、前記記録ヘッドが、同一基板上に形成され
た、信号駆動回路及び信号検出回路に電気的に接続され
た、少なくとも片端を前記基板に固定された梁の表面の
一部に形成された複数の探針から成る構成とし、記録又
は再生時に、前記複数の探針が相対的に移動する前記記
録媒体上のトラック数を複数とする構成を用いる。
【0006】また、本願第2の発明の記録装置では、記
録媒体と、記録ヘッドと、記録ヘッド移動装置とを具備
してなる記録装置に於て、前記記録ヘッドが、同一基板
上に形成された、信号駆動回路及び信号検出回路に電気
的に接続された複数の探針から成り、前記各々の探針
が、その先端部の前記基板からの高さを変化させる、副
移動装置を各々介して前記基板に固定される構成とし、
記録又は再生時に、前記複数の探針が相対的に移動する
前記記録媒体上のトラック数を複数とする構成を用い
る。
【0007】上記第2の発明に於ける好ましい態様とし
て、副移動装置が、探針の高さ方向に形成された圧電体
とその両端を挟む2電極からなること、或は、圧電体の
探針側の電極面と各々の探針との間に、少なくとも片端
を基板に固定した梁を形成し、前記梁の一部に探針が形
成されたこと、更には、副移動装置が、表面上の一部に
各々探針が形成された少なくとも片端を基板に固定し
た、それ自身を導電性材料で構成し、かつ、又は、その
基板面側の表面に導電性薄膜を形成した、複数の梁また
は板を具備し、前記可動電極と対向する前記基板面側
に、前記基板表面自身の一部を導電性材料で構成し、か
つ、又は、前記基板の表面に導電性薄膜を形成して成る
対向電極とを具備し、前記可動電極と前記対向電極間の
電圧印加により発生する静電力を駆動源とすることとす
る。
【0008】また、上記第1及び第2の発明に於ける好
ましい態様として、複数の探針をアレイ状に配列し、前
記アレイの探針の並びの記録媒体上の記録/再生トラッ
クの接線方向に近い第1の方向を、前記記録媒体面内方
向に、前記アレイ中央部付近の探針の接する記録/再生
トラックの接線方向から若干の角度だけずらせて配置す
ることとする。
【0009】更に、上記本願第1、第2の発明の記録装
置に於いて、信号駆動回路により記録媒体と前記各々の
探針との間に電圧パルスを印加して前記記録媒体表面部
分に抵抗変化を生じさせて情報ビットを記録することを
特徴とする、更に、信号駆動回路により記録媒体と前記
各々の探針との間に電圧パルスを印加して前記記録媒体
表面に凹凸の形状変化を生じさせることにより情報ビッ
トを記録することを特徴とする。また、好ましい態様と
して、探針と、前記探針に電気的に接続された駆動回路
及び信号検出回路とが、基板の同一表面側に形成された
ことを特徴とすること、更に、複数の探針と副移動装置
の形成された基板と、前記探針に電気的に接続された駆
動回路、かつ、または、信号検出回路が形成された副基
板とが、相互に固定されたことが好ましい。
【0010】次に、本願第3の発明の記録再生方法は、
記録ヘッドと記録媒体とが相対的に移動する際に、前記
記録ヘッドの複数の探針の内少なくとも1つの探針が、
前記記録媒体上の一部のトラックに記録されたトラック
識別信号を常時検出することを可能とする探針配置とト
ラック配置の構成とし、前記記録媒体上のトラックの一
部にトラックアドレス、かつ、または、セクタアドレス
を記録し、または、再生可能な構成とし、前記探針から
検出した前記トラックアドレス信号、及び前記セクタア
ドレスをもとに、各探針の前記記録媒体上での瞬時の走
査点の絶対アドレスを算出し、記録すべき原データの前
記絶対アドレスに対応する情報ビットを前記瞬時走査点
に記録し、又は、前記瞬時走査点より再生した情報ビッ
トから、該当する前記絶対アドレスをもとに原データを
再生することを特徴とするものである。
【0011】また、記録媒体上の特定のトラックに、ト
ラック識別信号とトラックアドレスおよびセクタアドレ
スを記録することが好ましい。
【0012】特に、何れかの探針から検出したトラック
アドレスが所望のトラックアドレスに一致するように、
記録ヘッド移動装置を駆動して記録ヘッドを記録媒体面
に平行な面内方向に粗動させた後、またはその移動途中
に於いて、特定の探針のトラック識別信号の検出出力が
最大となるように前記記録ヘッド移動装置を駆動して前
記記録ヘッドを前記面内方向に微動させて、記録ヘッド
のトラッキングを行うことが望ましい。
【0013】或は、他の好ましい態様としては、複数の
探針再生信号の中からトラック識別信号の検出出力が最
大となる探針の記録ヘッド中での位置を特定し、前記特
定した探針位置から算出した位置に該当する少なくとも
一つの探針からトラックアドレス、とセクタアドレスと
を再生し、前記特定した探針位置と前記トラックアドレ
ス、及び前記セクタアドレスとから、各探針にその瞬時
走査点の記録媒体上での絶対アドレスを算出して割り付
け、記録すべき原データから、前記絶対アドレスに対応
する情報ビットを前記瞬時走査点に記録し、又は、前記
瞬時走査点より再生した情報ビットから、該当する前記
絶対アドレスをもとに原データを再生する方法がある。
【0014】更に、トラック識別信号を検出する特定の
探針の信号出力の平均値が所望の範囲に入るように、記
録ヘッド移動装置を駆動して記録ヘッドと記録媒体間の
距離を所定の範囲内に調整し、かつ、前記特定の探針以
外の探針に於いては、その探針からの検出信号の平均値
が所望の範囲に入るように、各副移動装置を駆動して前
記探針の先端部と前記記録媒体表面間の距離を所定の範
囲内に調節し、前記調整期間以外の期間では、前記記録
ヘッド移動装置及び前記副移動装置の駆動状態を保持す
る方法が望ましい。
【0015】或は、複数の探針からの検出信号の平均値
が所望の範囲に入るように、記録ヘッド移動装置を駆動
して記録ヘッドと記録媒体間の距離を所定の範囲内に調
整し、かつ、前記記録ヘッドの端部の複数の探針からの
検出出力を比較することにより前記複数の探針の先端部
の前記記録媒体からの距離がほぼ等しくなるように記録
ヘッドの傾きを修正し、各々の探針に於いてその検出信
号の平均値が所望の範囲に入るように、各副移動装置を
駆動して前記探針の先端と前記記録媒体表面間の距離を
所定の範囲内に調節し、前記調整期間以外の期間では、
前記記録ヘッド移動装置及び前記副移動装置の駆動状態
を保持することも望ましい。
【0016】他の好ましい態様としては、記録媒体と各
々の探針間に信号駆動回路によりバイアス電圧(又はバ
イアス電流)を印加し、前記探針に流れる電流(又は電
圧)を、前記探針に電気的に接続された信号検出回路に
より検出して再生信号出力とすること、或は、記録媒体
と各々の探針間に信号駆動回路によりバイアス電圧(又
はバイアス電流)を印加し、前記探針に流れる電流(又
は電圧)が所定の値になるように、前記各々の探針に固
定された副移動装置をフィードバック駆動し、そのフィ
ードバック駆動電圧を再生信号出力とする構成がある。
【0017】探針と信号駆動回路及び信号検出回路とを
同一基板上に形成することにより、高インピーダンス回
路を形成している探針からの微小な検出信号電流や電圧
を、信号検出回路により低インピーダンスに変換して、
低インピーダンスである高速信号伝送線路に接続して伝
送することが可能となり伝送線路の充・放電時間を短く
し、また、信号駆動回路及び信号検出回路からの配線が
一体化により極端に短くなることによりインダクタンス
が極端に小さくなるので、高速の記録/再生を可能とす
る作用がある。或は、複数の探針による記録/再生信号
信号処理回路機能を信号駆動回路及び信号検出回路に作
り込んで各探針と同一の基板に形成することにより、信
号伝送線路を高速化して必要な線路本数を減らすことが
可能となり、その結果、伝送線路の終端抵抗を減らすこ
とが可能となり、整合終端のための消費電力の低減が可
能となるという作用がある。
【0018】また、信号駆動回路及び信号検出回路とを
集積化することにより、共通のシールド接地面を形成す
ることが可能となり、また、1つのシールドケース内に
封入することも容易となるので外部からの雑音を排除す
ることが極めて容易で、信号対雑音比に優れた高速信号
の記録/再生が可能になるという顕著な効果を発揮す
る。
【0019】更に、副移動装置を信号駆動回路及び信号
検出回路と同一基板に形成する場合は、この副移動装置
の駆動信号をも記録/再生信号の一部として利用する場
合があるので、その場合には上記と同様に、雑音に強
い、高速の信号の記録/再生が可能となる顕著な効果を
発揮する。
【0020】また、記録又は再生時に、前記複数の探針
が相対的に移動する前記記録媒体上のトラック数を複数
とすることにより、同時に記録/再生可能な情報量が増
え、複数のトラックを用いたトラック番地の同定等が可
能となり、単一トラックで行う場合よりも信頼度が向上
するという作用が有る。
【0021】また、複数の探針をアレイ状に配列し、前
記アレイの探針の並びの記録/再生トラックの接線方向
に近い第1の方向を、記録媒体面内方向で、前記アレイ
中央部付近の探針の接する記録/再生トラックの接線方
向から若干の角度だけずらせる配置とすることにより、
前記第1の方向に並んだ複数の探針が記録媒体の相対移
動により走査するトラックが各々分離され、前記アレイ
の探針の並びの第1の方向とは異なる第2の方向に並ん
だ探針のピッチ(間隔)の間に、これらの分離されたト
ラックを配列させることが出来る。この様な配置とする
ことにより、実際に探針アレイを作成する探針のピッチ
(間隔)よりも、記録/再生トラックピッチ(間隔)を
桁違いに小さくすることが可能となり超高密度記録が可
能となる顕著な作用がある。また、この様な探針配置、
トラック配置構造とすることにより、実際に走査する探
針のピッチを記録媒体上の記録ビットのサイズ程度かそ
れ以下にすることが可能となるので、記録媒体の相対
(回転)移動により、記録ヘッド移動装置を駆動しない
状態においても記録媒体に記録された記録ビットを探針
アレイのどれかの探針が必ず走査する構成とすることが
可能となり、読みだしたトラック信号を用いてトラック
位置を追跡して、即ち、各探針の検出信号の信号処理に
より見かけのトラッキングを行い、所望の記録媒体上の
位置に、情報を記録/再生することが可能となり、記録
ヘッド移動装置の電気−機械的なトラッキング精度を緩
和し、或は、部分的に不要とすることも可能となる。
【0022】また、本願第1の発明に於て、少なくとも
片端を前記基板に固定した梁の表面の一部に探針を形成
してこれを複数個形成する構成とすることにより、これ
らのどれかの探針の記録媒体からの距離を一定に保つよ
うにする事で、記録媒体の表面仕上げ精度を原子レベル
で行えば、他の探針と記録媒体の距離もほぼ同様な値に
することが可能となるので、簡単な構成で本願発明の効
果が得られる。
【0023】或は、複数の探針が、各々の先端部の基板
からの高さを変化させる副移動装置を各々介して前記基
板に固定される構成とすることにより、各探針の先端か
ら記録媒体表面までの距離のばらつきを、各々の副移動
装置を駆動することにより補正することが可能となり、
各探針が最適な状態(探針対記録媒体表面間距離)での
記録/再生が可能となる作用がある。
【0024】特に、副移動装置を圧電体を用いて構成す
る場合は、簡単な構成で微細な副移動装置を構成するこ
とが可能となる。また、或は、圧電体の探針側の電極面
と各々の探針との間に、少なくとも片端を基板に固定し
た梁を形成し、この梁の一部に探針を形成した構成とす
ることにより、圧電体の厚み変化を梁で増幅させて探針
の位置調整範囲を大きくすることが可能となる。
【0025】或は、副移動装置を、少なくとも片端を基
板に固定した導電性の有る部材で構成した梁または板か
らなる可動電極と、これに対向する基板側に形成した対
向電極とで構成する場合は、簡単な構成で実施すること
が可能となる。
【0026】信号駆動回路により記録媒体と探針との間
に電圧パルスを印加して記録媒体表面部分に抵抗変化を
生じさせることにより、探針により抵抗変化として情報
を記録/再生する事が可能となり、電圧パルス印加で前
記記録媒体表面に凹凸の形状変化を生じさせる手段で
は、情報を記録媒体の表面形状変化として記録/再生す
る事が可能となる作用がある。
【0027】また、探針と駆動回路及び信号検出回路と
を基板の同一表面側に形成することにより、各々の間の
接続電極の長さが短くでき、浮遊容量を小さくすること
が可能になるので、高速記録/再生が容易になる作用が
ある。
【0028】次に、本願第3の発明の記録再生方法に於
ては、記録ヘッドと記録媒体とが相対的に移動する際、
前記記録ヘッドの複数の探針の内少なくとも1つの探針
が、前記記録媒体上の一部のトラックに記録されたトラ
ック識別信号を常時検出することを可能とする探針配置
とトラック配置の構成とし、前記記録媒体上のトラック
の一部にトラックアドレス、かつ、または、セクタアド
レスを記録し、または、再生可能な構成とし、前記探針
から検出した前記トラックアドレス信号、及び前記セク
タアドレスをもとに、各探針の前記記録媒体上での瞬時
の走査点の絶対アドレスを算出し、記録すべき原データ
の前記絶対アドレスに対応する情報ビットを前記瞬時走
査点に記録し、又は、前記瞬時走査点より再生した情報
ビットから、該当する前記絶対アドレスをもとに原デー
タを再生する方法を用いることにより、記録ヘッドがど
の様な位置に有っても必ずトラック識別信号、トラック
アドレス、及びセクタアドレスを検出することが可能と
なるので、これらのデータをもとに、各探針を記録媒体
上の目的の絶対位置上に記録、再生することが可能にな
るという作用がある。更に、この構成では、或探針で先
に記録したトラックの信号を検出しながらこれを基準と
して次のトラック位置決めを行うことが可能となるとい
う作用もある。
【0029】特に、何れかの探針から検出したトラック
アドレスが所望のトラックアドレスに一致するように、
記録ヘッド移動装置を駆動して記録ヘッドを記録媒体面
に平行な面内方向に粗動させた後、またはその移動途中
に於いて、特定の探針のトラック識別信号の検出出力が
最大となるように前記記録ヘッド移動装置を駆動して前
記記録ヘッドを前記面内方向に微動させて、記録ヘッド
のトラッキングを行うことにより、高速のトラックアド
レス検索が可能となり、かつ、記録媒体上のデータの記
録再生位置精度が向上するので、原子、分子サイズオー
ダーまで記録ビットサイズを小さくすることが可能とな
り、記録密度の飛躍的な向上が可能になるという顕著な
作用がある。
【0030】或は、複数の探針再生信号の中からトラッ
ク識別信号の検出出力が最大となる探針の記録ヘッド中
での位置を特定し、前記特定した探針位置から算出した
位置に該当する少なくとも一つの探針からトラックアド
レス、とセクタアドレスとを再生し、前記特定した探針
位置と前記トラックアドレス、及び前記セクタアドレス
とから、各探針にその瞬時走査点の記録媒体上での絶対
アドレスを算出して割り付け、記録すべき原データか
ら、前記絶対アドレスに対応する情報ビットを前記瞬時
走査点に記録し、又は、前記瞬時走査点より再生した情
報ビットから、該当する前記絶対アドレスをもとに原デ
ータを再生することにより、機械的な記録ヘッドの位置
移動調整を用いる事なく、信号処理により電気的にトラ
ッキングをかけることが可能となり、より高速の記録、
再生が可能となるという顕著な作用がある。
【0031】また、トラック識別信号を検出する特定の
探針の信号出力の平均値が所望の範囲に入るように、記
録ヘッド移動装置を駆動して記録ヘッドと記録媒体間の
距離を所定の範囲内に調整し、かつ、前記特定の探針以
外の探針に於いては、その探針からの検出信号の平均値
が所望の範囲に入るように、各副移動装置を駆動して前
記探針の先端部と前記記録媒体表面間の距離を所定の範
囲内に調節し、前記調整期間以外の期間では、前記記録
ヘッド移動装置及び前記副移動装置の駆動状態を保持す
ることにより、記録媒体表面と各探針間の距離の平均値
を所望の値に維持することができるので、記録媒体表面
の抵抗変化や表面の凹凸形状を記録情報として識別検出
する事が可能となるという作用がある。
【0032】或は、複数の探針からの検出信号の平均値
が所望の範囲に入るように、記録ヘッド移動装置を駆動
して記録ヘッドと記録媒体間の距離を所定の範囲内に調
整し、かつ、前記記録ヘッドの端部の複数の探針からの
検出出力を比較して前記複数の探針の先端部の前記記録
媒体からの距離がほぼ等しくなるように記録ヘッドの傾
きを修正し、各々の探針に於いてその検出信号の平均値
が所望の範囲に入るように、各副移動装置を駆動して前
記探針の先端と前記記録媒体表面間の距離を所定の範囲
内に調節し、前記調整期間以外の期間では、前記記録ヘ
ッド移動装置及び前記副移動装置の駆動状態を保持する
ことにより、上記と同様に、記録媒体表面と各探針間の
距離の平均値を所望の値に維持することができるので、
記録媒体表面の抵抗変化や表面の凹凸形状を記録情報と
して識別検出する事が可能となるという作用がある。
【0033】
【発明の実施の形態】本願発明の実施例を、図面をもと
に説明する。
【0034】まず、図1は本願第1、または第2の発明
である記録装置の一実施例を示す模式図である。図1に
於いて、記録媒体1は中心軸の周りを回転しており、こ
の表面上に僅かな距離を隔てて記録ヘッド2が移動す
る。記録ヘッド2は、記録ヘッド移動装置3により記録
媒体1の半径方向に移動する構成となっている。記録ヘ
ッド2の記録媒体1側には複数の探針が形成されてお
り、これらが記録媒体1の表面付近を移動して記録を行
う際に記録媒体1の表面にトラック4が形成される。記
録ヘッド移動装置3は、図1では一例として、モーター
3aとその駆動軸にかみ合った歯車やベルト等により駆
動されるヘッド位置調整機構支持部3bと、その端部に
設置された圧電体で構成されるヘッド位置調整機構支持
部3bの移動方向に平行は方向な記録ヘッドの微少な位
置調整を行う移動調整部3cと、それに固定されたヘッ
ド支持板3d、及び、記録媒体1の面に垂直な方向への
記録ヘッド2の移動や、記録ヘッド2の傾きを制御する
ヘッド垂直駆動部3eとから構成される。もちろん他の
同様な機能を有する物で有れば、これらに限定される物
ではない。これらの記録ヘッド移動装置は記録ヘッドか
らの再生信号をもとにフィードバック制御され、記録ト
ラックへのアクセスや、トラッキング制御がなされる。
【0035】情報ビットの記録は、記録ヘッドの先端の
鋭利な探針5と記録媒体1との間に、信号駆動回路によ
り電圧を印加してトンネルを探針5の先端部から流すこ
とにより、記録媒体1上の記録/再生トラックの探針5
が接近している部分が、表面抵抗の変化、或いは、ジュ
ール熱が原因で起こる凹凸等の表面形状変化が起こり情
報ビットの記録が行われる。表面抵抗変化による情報記
録の場合の再生は、探針5と記録媒体1間に、記録媒体
1表面に変化が起こらない程度の電圧(又は電流)を印
加して信号検出回路により探針5から記録媒体1へ流れ
る電流(又は電圧)を検出してその値により記録された
情報ビットを再生し出力する。また、表面形状変化によ
る情報記録の場合の再生は、探針5と記録媒体1間に、
記録媒体1表面に変化が起こらない程度の電圧(又は電
流)を印加して、探針5と記録/再生トラック最表面と
の距離が近づく際には電流が大きく流れる(又は電圧が
低くなる)ことを利用して、信号検出回路により探針5
から記録媒体1へ流れる電流(又は電圧)を検出して、
その値により記録された情報ビットを再生し出力する。
或いは、本願第2の発明の記録装置では、副移動装置を
駆動して、探針5に一定電圧(又は電流)を印加しなが
ら探針5を流れる電流(又は電圧)が一定となる様に
(表面抵抗が同一の場合には記録媒体表面の凹凸に応じ
て探針5との距離を一定にすることになる)する事がで
きるので、この副移動装置を駆動する電圧又は電流を信
号検出出力とすることもできる。
【0036】尚、本願第1〜第3の発明で用いる信号駆
動回路、及び信号検出回路は、一つの探針からビットデ
ータを記録、再生する単一機能を実現する回路の外、記
録再生すべきデータを記憶するデータレジスタの機能
や、記録媒体上の絶対位置を検出するアドレス信号処理
回路機能、外部装置とのデータ伝送を行うインターフェ
ース回路機能等を含めることもある。
【0037】図2には、本願第1の発明の記録装置に用
いる記録ヘッドの具体的な一実施例を示す。図では、見
やすくするために敢えて水平、垂直の拡大率を変えてあ
る。図2に於いて、探針5は薄い梁6の上に形成され、
探針5は電極7により信号駆動回路8と信号検出回路9
とに電気的に接続されている。探針5、信号駆動回路
8、及び、信号検出回路9とは同一基板11上に形成さ
れ、記録ヘッド2を構成している。
【0038】図3、及び図4は、図2に用いる梁の形状
の実施例を示す、断面模式図である。図3に於いては、
梁6は基板11上に片端部が固定されており、その梁6
の他端部上に探針5が形成されている。図4では、探針
5が両持ち梁13の上に形成されている。図3及び図4
に於いて、探針5は梁6または13上に形成された薄膜
形状の電極12により信号駆動回路8及び図示されては
いないが信号検出回路9に接続されている。梁6または
13は基板11に形成した空間10の中で撓むことがで
きる構造となっており、この梁の撓みにより探針5が図
1の記録媒体1の表面に接近し過ぎて衝突することを防
止する事が可能となり、少しの接近距離の変化で有れ
ば、ほぼ一定の探針対記録媒体表面距離を維持すること
が可能な構成である。従って、この構成に於いては探針
を複数個、例えばアレイ状に配置する事により、複数の
情報ビットを同時に記録することが可能となる。1本の
記録/再生トラック4の幅が原子サイズオーダーで数オ
ングストローム〜数nmであるので、探針配列の記録媒
体の移動方向に並ぶ方向とトラック方向とを若干ずらす
ことにより、実際の記録/再生トラックの間隔を、探針
配列間隔よりも狭くする事が可能となり、1探針当り1
トラックの配置も可能である。これは、記録トラックピ
ッチを実際に探針を作成するピッチよりも桁違いに小さ
く出来るという利点が有るということを意味している。
【0039】本願第1の発明の記録装置の具体的な製造
方法は、以下の通りである。基板1、11には、Siや
GaAs等の半導体材料や、ガラス、金属等の加工の容
易な材料を用いるのが適当である。基板1、11が、半
導体材料基板の場合以外には、信号駆動回路8と信号検
出回路9は薄膜トランジスタ(TFT)で構成すること
も可能ではあるが、別の半導体基板上に形成して基板
1、11に固定する構成の方がより高速性が発揮でき
る。微細加工上の観点から、信号駆動回路8や信号検出
回路9の作製は、梁6、13や探針5の形成前に行う方
が好ましい。梁6、又は13の形成は、空間10を形成
する前に、窒化シリコンや、SiO2等の窒化膜や酸化
膜または、金やタングステン、モリブデン等の金属薄膜
をパターン形成して作製する。その梁の上に(空間10
がまだ開けられていないが)探針5および電極12を形
成する。探針5の形成は、ポジ型フォトレジスト膜を数
μmスピンコートしてその上に金属薄膜等のマスク薄膜
を堆積して、梁の所定位置にサブμm〜数μmの微細な
穴をマスク薄膜に開けた後に、マスク薄膜の上から紫外
線を露光し現像することにより、マスク薄膜の微細な穴
の下部にそれよりも大きな穴がレジスト膜に開けられ
る。この上から、探針5の材料となる硬い金属、例え
ば、タングステン、モリブデン、ニオブ等を真空蒸着し
た後、フォトレジストをアセトン等の溶剤に浸漬して除
去する事により、梁6、11上の所定位置に、先端の鋭
利な探針5が形成される。更に、探針表面を酸化させた
後に表面の酸化膜のみを除去するという公知の方法で探
針5の先端を鋭利にすることも可能である。探針5をこ
のように形成した後、空間10の部分のみを選択的にエ
ッチング除去する。これは、材質によるエッチング速度
の差を用いるという公知の方法が有効である。この際、
場合によっては探針5や信号駆動回路8や信号検出回路
9等を事前にレジスト等で保護しておくことも有用であ
る。例えば、Si基板を用いる場合では、Siエッチャ
ントとして、HF:FNO3(1:200)を用いると、Si
2やSi34等の梁材料がエッチングされずに、空間
10部分のみがエッチングされる。また、反応性ガスに
よる気相化学エッチングも同様に用いられる。Siのエ
ッチングガスとして例えば、CCl4、Cl2等を用いれ
ば、SiO2やSi34等の梁材料がエッチングされず
に、空間10部分のみの選択エッチングが可能となる。
この様にして、複数の探針を具備した本願第1の発明の
一構成要素である記録ヘッドを製造することが出来る。
【0040】次に、図5には本願第2の発明の記録装置
に用いる記録ヘッドの具体的な一実施例を示す。図5に
於いて、探針25は副移動装置22を介して基板21上
に固定されている。同図の例では、探針25は薄い梁2
6の上に形成され、電極27により信号駆動回路28と
信号検出回路29とに電気的に接続されている。探針2
5、信号駆動回路28、及び、信号検出回路29とは同
一基板21上に形成されている。梁26は一端が基板2
1の表面に固定形成され、梁26の途中には副移動装置
22を介して基板21に固定されている。梁26は基板
21中に設けられた空間30の中で自由に上下振動でき
るように形成されており、副移動装置22により上下に
撓むことにより、梁26上に形成された探針25の上下
の微小な位置移動を行う。副移動装置22の駆動は基板
21表面上に形成された副移動装置駆動回路23により
行う。これらの副移動装置は各探針25の各々に設け、
各々の探針の上下位置(記録媒体からの距離)を個別に
調整できる構成となっている。
【0041】図6、図7、及び図8は、図5に示す副移
動装置と探針の構成の具体的な実施例を示す断面模式図
である。これらの図でも、見やすくするために敢えて水
平、垂直の拡大率を変えてある。図6に於いては、梁は
用いない記録ヘッドの構成を示している。基板31上に
下部電極34aが形成され、その上に、圧電体33が形
成されており、その上部には電極34bが形成されて副
移動装置32を構成している。副移動装置32の上部電
極34bの上には誘電体36を挟んで電極35とそれに
接続された探針25が形成されている。副移動装置32
の下部電極34aと上部電極34bから引き出された配
線37とが副移動装置駆動回路23に接続されている。
また、探針25に接続された電極35からは、配線38
が引き出され、信号駆動回路28と信号検出回路29に
接続されている。圧電体33の具体例として一例をあげ
れば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)セラミックス等
を用いることが出来る。PZTは圧電定数が250×1
-12m/V程度であるので、例えば圧電体33の厚み
を10μmとすると、10Vの電圧印加で、厚さ方向の
伸縮は2.5nm程度が得られる。即ち、2.5nm程
度の探針の上下動の調節が可能となる。もちろん、圧電
体の厚みを更に例えば100μmと厚くすると同じ電界
(100V電圧)印加時の伸縮の大きさは25nm程度
と大きくなる。これらの寸法はシステム設計の観点から
決めるのがよい。圧電体はセラミック材料から切り出し
たものを基板に張り付けるか、公知の薄膜プロセスによ
り形成することも可能である。
【0042】次に、図7には、他の副移動装置の具体例
を示す。基板41にエッチングにより形成した空間43
中に、圧電体49とその上下の電極44a,44bとか
らなる副移動装置42が固定されている。副移動装置4
2の上部電極44bの上には梁48とその上に電極45
が形成されている。梁48は一端が基板41の表面に固
定形成されており、多端の表面には探針25が形成され
ている。副移動装置42の上の電極44bには配線47
が接続され、下部電極44aとともに副移動装置駆動回
路23に接続されている。探針25に電気的に接続され
た電極45は信号駆動回路28と信号検出回路29に接
続されている。梁48の材料としてはSiO2やSi3
4等の材料が適している。また、圧電体材料に関して
は、前述の具体的実施例にあるようなPZT等が適して
いる。梁48は空間43の中で撓むことができる構造と
なっており、この梁の撓みは副移動装置42の圧電体4
9に印加する電圧により発生させられ、梁の力点(圧電
体接続点)に生ずる上下の変位を、支点と作用点(探針
位置)までの距離により増幅する構成となっている。こ
の構成例では、同一の圧電体材料を用いた場合に、同じ
印加電界により、図6よりも大きな上下の変位が得られ
る構成となっている。
【0043】本具体的な実施例における記録ヘッドの製
造方法は、以下の通りである。基板41には、本願第1
の発明と同様に、SiやGaAs等の半導体材料や、ガ
ラス、金属等の加工の容易な材料を用いるのが適当であ
る。微細加工上の観点から、信号駆動回路28や信号検
出回路29の作製は、梁48や探針25の形成前に行う
方が好ましい。この後で、空間42を公知のエッチング
方法により形成する。下部電極44aをパターン形成し
た後、PZTやZnO等の圧電体薄膜を形成してパター
ン加工する。或は、バルク圧電体材料を張り付けて形成
することも可能である。その後、空間42の開いている
部分をエッチングの容易な材料で埋め戻す。この埋め戻
し材料はレジスト等の有機物を用いると製造工程が簡単
になる。この場合、レジストをスピンコートするとレジ
ストの粘性と表面張力のために、空間43の隙間全部に
レジストが埋まり、かつ、その上にも基板41の他の表
面上に形成される膜厚とほぼ等しい厚みのレジストが形
成され基板全体が平坦化される。これを酸素プラズマや
Arイオンミリング等により圧電体49の表面が露出す
るまでレジスト表面を削っていく。圧電体49が露出し
た表面上に金属電極薄膜を形成してフォトプロセスによ
り電極44bのパターン形成を行う。レジストをアセト
ンで除去した後、再びレジストで埋め戻しを行い、レジ
ストをエッチングして電極44bを露出させる。その
後、CVDによりSiO2やSi34薄膜を形成し、そ
の上に電極薄膜45を形成した後に、探針25を第1の
発明の実施例で述べた公知のマスク蒸着法により形成
し、レジストマスクをアセトンにより除去した後にフォ
トプロセスと選択エッチングにより梁48と電極45を
パターン形成する。レジストをアセトンにより除去する
と図7の主要部が形成されていることになる。更に電極
45はその後のプロセスで接続電極を形成して信号駆動
回路28と信号検出回路29とに接続する。また、副移
動装置42の電極44bは配線47により、副移動装置
駆動回路23に接続される。
【0044】尚、埋め戻し材料としては外に、基板4
1、圧電体49や電極44a材料、梁48、探針25等
がエッチングされないでそれのみエッチングが可能な材
料であれば用いることが可能である。
【0045】この様にして、複数の探針を具備した本願
第2の発明の一構成要素である記録ヘッドを製造するこ
とが出来る。
【0046】次に、図8には、本願第2の発明の記録装
置に用いる記録ヘッドの第3の具体的な実施例を示す。
同図で、基板51にエッチングにより空間53を形成し
た後、接地電極57パターンを形成した後、埋め戻しを
行う。この場合には、埋め戻し材料として、前述の図7
の説明で述べたようにレジストの外に、ZnO等の材料
も用いることができる。この場合には、ZnO薄膜を空
間53の深さ分の厚みだけスパッタ法により体積させ、
梁58の接続される基板表面部分をエッチング除去す
る。その後、対向電極56を堆積、パターン形成し、そ
の上に梁58の材料、SiO2やSi34等の薄膜を堆
積して、その上に金属薄膜を形成し、前述と同様にレジ
ストマスクによるマスク蒸着法を用いて探針25を形成
する。その後にパターン形成を行って梁58と、電極5
5を形成する。電極55は更に接続電極をパターン形成
して信号駆動回路28と信号検出回路29とに接続す
る。接地電極57と対向電極56とがコンデンサを形成
しており、これらが副移動装置52を構成する。接地電
極57と対向電極56とは副移動装置駆動回路23に接
続され、両者間に印加される電圧により発生するクーロ
ン力と梁58の弾性力とがバランスする位置に探針25
が移動する。梁58のように片持ち梁構造の場合では、
梁58の支点(空間53の壁部分)から解放端部(探針
位置付近)までの距離をL、梁58の厚みをh、梁58
の材料のヤング率をEとし、電極56と57の間の間隔
をd、両電極56、57間に印加する電圧をV、空間5
3の誘電率をε0とすると、梁58の解放端部の上下位
置変位y(≒探針の上下位置変位)は、式1で与えられ
る。本構成では、yは梁58の膜厚hと電極間隔dの構
造定数のみに依存して梁58の幅には依存しないので、
梁の膜厚hと電極間隔dを制御することにより電圧V対
変位y特性を制御性良く作り出すことが出来るという特
長がある。尚、両持ち梁で探針が梁の中央にある構成の
場合には、式1の2.6%程度の値になるので、図8の
様な片持ち梁構造が本願発明の記録ヘッドには適してい
る。
【0047】
【数1】
【0048】単位面積当りのクーロン力は電界の自乗に
比例するので、接地電極57と対向電極56に同一電圧
を印加した場合、電極間間隔が狭ければ狭い程クーロン
力は強くなる。例えば、梁58の材料にCVD法で形成
したSi34を用いる場合には、そのヤング率は1.5
×1010N/m2の値が得られるので、梁の厚みを30
0nm、上下の電極56、55を金(ヤング率7.9×
1010N/m)としてその厚みを各々60nmとする
と、梁の長さLが10μmの時に、印加電界強度(=V
/d)が3×104V/cmでは、梁58の探針の上下
位置変位yは式1から約6nm弱となる。印加電界強度
が105V/cmではyは約62nmとなる。従って、
電極間隔dを0.5μmとすると、印加電圧は各々、
1.5Vと5VとなりIC回路で構成する副移動装置駆
動回路で駆動容易な値の範囲に入れることができる。こ
の様にして、複数の探針を具備した本願第2の発明の一
構成要素である記録ヘッドを製造することが出来る。
【0049】次に、前述の実施例に記載したような探針
と信号駆動回路、信号検出回路をアレイ状に配置した場
合についての具体的な実施例を図9を用いて説明する。
図9は、記録媒体面上から記録ヘッドの探針を見た図
を、判り易いために拡大率を上下左右で違えて模式的に
描いてある。同図に於て、○印は記録媒体面上を走査す
る探針の先端位置を模式的に示す。また、縦に走る線
は、記録媒体が記録ヘッドに対して相対(回転)運動す
るときに各探針が記録媒体面を走査する際に描く軌跡
(記録再生/トラックにほぼ等しい)を模式的に示して
いる。探針アレイの中央部の探針の接する記録媒体上の
軌跡の接線方向とその方向に近い探針アレイの探針の並
びの第1の方向とが成す記録媒体面内方向に写映した角
度をθとし、探針アレイの第1の方向の探針の並びのピ
ッチ(間隔)をp1、その行数をN個、探針アレイの第
1の方向とは異なる方向の探針の並びのピッチをp2
する。第1の方向と第2の方向との成す角度を図のよう
にφとする。図9では、探針が第1の方向に10行、第
2の方向に3列並べた場合を示す。θを適当にとると、
図9のように、各列の先頭行の次の第2行目以降の探針
の描く軌跡が先頭行の探針列の描く軌跡の間に入るよう
に配置することが可能である。特に式2のようにθを設
定すると、全ての探針の軌跡の間隔をほぼ等しく配置す
ることが出来る(軌跡の曲率半径が探針の並びのピッチ
1、p2に比べて十分大きい場合)。
【0050】
【数2】
【0051】図9では、探針アレイの第1列目の先頭行
の探針が81で、第2列目の先頭行のそれが82で示さ
れる。第2列目第2行目の探針83とそれ以降の行の探
針が描く9(=N−1)本の軌跡84が探針81の描く
軌跡85と探針82の描く軌跡86との間に均等な間隔
で並ぶことになる。この時の最も小さい軌跡ピッチはp
2/Nとなるので、Nを大きくすることにより見かけの
トラックピッチを小さくすることが可能となる。この各
軌跡(記録/再生トラック)ピッチが記録ビットのサイ
ズと同程度かそれよりも小さいときには、記録媒体上の
全ての記録ビットが必ずどれかの探針により検出される
ため、どれかの記録/再生トラックにトラッキング用の
周期信号やトラックアドレス等を書き込んでおくと、こ
の信号をもとに、記録ヘッドを機械的に移動させること
なく、信号処理によりトラッキングをかけることが可能
となる。
【0052】尚、この構成を実現するために、記録ヘッ
ドの探針アレイを記録媒体に対して面内方向に回転させ
るヘッド調節機構を、例えば、図1のヘッド支持板3d
等に設けることも有用である。
【0053】次に、本願第3の発明の記録再生方法につ
いて実施例を述べる。図10は、本願第3の発明の記録
再生方法の一実施例を示す記録媒体面上のトラックおよ
びデータ等の配置を示す模式図である。同図では、記録
媒体上の一部のトラック67、68に記録、再生するト
ラックアドレス62a,62bとセクタアドレス63
a,63b,64b,65aが形成され、これらにトラ
ック識別信号が重畳され、他のトラックには記録データ
領域が形成されてた記録媒体構成を示しているが、トラ
ック識別信号がトラックアドレスやセクタアドレスとは
別のトラックに記録されるような構成となっていてもよ
い。トラック識別信号は、共振回路で検出し易いような
単一の周波数信号でも良いし、特定のビットパターン列
でもよい。トラック識別信号がトラックアドレスやセク
タアドレスに重畳される場合には両者の信号が容易に識
別できることが必要である。このようなトラック配置で
は、記録ヘッドがどの様な機械的位置にある場合でも、
記録ヘッドと記録媒体とが相対的に移動する際に、複数
の探針の内少なくとも1つの探針がトラック識別信号を
常時検出するような配置とする。これは、例えば図10
では、記録ヘッドの探針の並びの、トラックに直交する
方向(以下トラック幅方向という)の最外部の探針間の
間隔が、トラック識別信号の記録されたトラック67と
68の間隔、即ちトラック列66の間隔以上にして、探
針のトラック幅方向の最小間隔ピッチをトラックピッチ
(間隔)の自然数分の1にすれば実現できる。これらの
値は、設計事項により決められるものであるが、実用上
は、トラック幅方向の探針ピッチとトラックピッチを等
しくとり、トラック幅方向の最外部の探針間の間隔をト
ラック列66の間隔に等しくとるのが効率がよいと考え
られる。実際のトラックピッチや探針間隔の値等は、微
細加工精度に依存して決めるべきであるのはいうまでも
ない。
【0054】今、トラック67上を或探針が走査する場
合を想定すると、記録ヘッドのこの探針と他の各々の探
針とのベクトル位置関係が固定されているために、この
探針から検出したトラックアドレス信号、及び前記セク
タアドレスをもとに、検出したトラック識別信号に含ま
れる基本周波数をクロック信号として、この探針の瞬時
走査時点での記録媒体上での絶対アドレスが算出でき
る。この探針の瞬時走査時の記録媒体上での絶対アドレ
スに各探針の記録ヘッド上での相対位置ベクトルを加え
ることにより、各々の探針の記録媒体上での瞬時走査点
の絶対アドレスを算出できる。データレジスタに記憶し
た記録すべき原データから、各々の探針に、各々算出し
た瞬時走査点の絶対アドレスに対応した情報ビットを読
みだして、記録媒体上にクロック信号に同期して記録す
る。或は、各々の探針が再生した情報ビットデータを、
各々算出した瞬時走査点の記録媒体上での絶対アドレス
に該当するデータレジスタのビット位置に書き込んで、
原データを再生することができる。尚、記録ヘッドにこ
の様なデータレジスタや外部装置とのデータ転送回路等
の機能も集積化することは高速化、雑音対策上、非常に
有効である。
【0055】次に、本願第3の発明の記録再生方法にお
ける、トラッキングの方法について、具体的な実施例を
述べる。所望のトラックを探索するために、記録ヘッド
と記録媒体とが相対的に移動をする際に、各探針からの
検出信号を、トラック識別信号検出回路(例えば、トラ
ック識別信号に同調した共振回路や、同期検波回路、或
は、トラック識別信号との相関をとるコリレータ等の回
路)に通して、その出力が最大となる探針を特定し、こ
の特定した探針の走査しているトラックがトラック識別
信号の記録されたトラックに該当する。この特定した探
針を基準として、トラックアドレスの読み出せる記録ヘ
ッド上での探針位置を算出し、その探針よりトラックア
ドレスを再生し、所望のトラックアドレスと比較照合す
る。記録ヘッドが記録ヘッド移動装置により移動してい
る間に、上記トラックアドレスを読み出す探針位置が異
なることとなるが、記録ヘッドの何れかの探針にはトラ
ック識別信号が常時検出できる構成としているために、
必ず、トラックアドレスは読み出すことが可能である。
このようにして、所定のトラックが記録ヘッドのどれか
の探針により検出されるまで記録ヘッド移動装置を駆動
して記録ヘッドを記録媒体面に平行な面内方向に粗動さ
せる。その粗動停止後、またはその移動途中において、
トラッキングを行う基準となる特定の探針(以下トラッ
キング探針という)からの検出信号をトラック識別信号
検出回路に通して生成したトラッキング信号出力が最大
となるように、記録ヘッド移動装置の微動機構を駆動し
て記録ヘッドを面内方向に微動させることにより記録ヘ
ッドのトラッキングを行う。この様な方法により、記録
媒体面上のトラック識別信号の記録されたトラックを基
準として、各探針が各々対応するトラックの上を走査す
ることとなり、それ故に、各探針から最大信号出力が得
られるので信号対雑音比の良い信号再生信号が得られ、
また、記録媒体面上の所望の位置に精度良くデータを記
録することが可能となる。
【0056】尚、記録ヘッド内でのトラッキング探針の
位置は、固定されていてもよいし、固定せずに、クロッ
クに同期して同時に記録、再生すべきデータを各探針に
割り付けることのできるようなトラッキング探針位置の
範囲内に入るように記録ヘッド移動装置を微動駆動する
ことにより適宜変更選択してもよい。
【0057】更に、本願第3の発明の記録再生方法にお
ける他のトラッキングの方法について、具体的な実施例
を述べる。記録ヘッドと記録媒体とが相対的に移動をす
る際に、所望のトラックを探索するために、記録ヘッド
が記録ヘッド移動装置により記録媒体面内方向に移動し
ている途中でも良いし、停止している場合でも良いが、
複数の探針の再生信号をトラック識別信号検出回路を通
した後の出力の中から、最大出力が得られる探針の記録
ヘッド中での位置を特定し、この特定探針の位置を基準
としてトラックアドレスとセクタアドレスとを検出でき
る位置関係にある探針の位置を算出して、これらの探針
からトラックアドレス、とセクタアドレスとを検出す
る。この様にして検出したトラックアドレス、及びセク
タアドレスとから、特定探針の記録媒体面内での絶対ア
ドレスを算出する。この特定探針の絶対アドレスとトラ
ック識別信号から生成されるクロック信号をもとに、各
探針の瞬時走査点での記録媒体上での絶対アドレスを算
出して割り付け、データレジスタに記憶された記録すべ
き原データから、絶対アドレスに対応する情報ビットを
瞬時走査点に記録する、又は、各探針が瞬時走査点より
再生した情報ビットから、算出した該当する絶対アドレ
スをもとに原データを再生することができる。これは、
前述の様に機械的に記録ヘッドを記録媒体面内上で移動
させること無く、見かけ上、電気的にトラッキングを行
うことが出来る方法である。特に、トラック最小間隔が
探針のトラック幅方向の最小ピッチの2倍以上の場合に
は、特に有効なトラッキングを行うことができる。
【0058】次に、本願第2の発明の記録装置での記録
再生方法に於ける、具体的な実施例を説明する。トラッ
ク識別信号を検出する特定の探針の信号出力(トラッキ
ング信号出力)の平均値が所望の範囲に入るように、記
録ヘッド移動装置を記録媒体の面に垂直な方向に駆動す
ることにより記録ヘッドと記録媒体間の距離を所定の範
囲内に調整する。同時に、特定の探針以外の探針に於い
ては、その探針からの検出信号の平均値が所望の範囲に
入るように、各副移動装置を駆動してその探針の先端部
と記録媒体表面間の距離を所定の範囲内に調節して各々
の探針からの出力レベルを揃えることができる。更に、
この調整期間以外の期間では、記録ヘッド移動装置及び
副移動装置の駆動状態を保持することで、記録サイクル
時においても、ほぼ、一定の記録、再生信号レベルが実
現できる。
【0059】或はまた、複数の探針からの検出信号(ま
たはトラック識別信号検出回路出力)の平均値が所望の
範囲に入るように、記録ヘッド移動装置を記録媒体の面
に垂直な方向に駆動することにより、記録ヘッドと記録
媒体間の距離を所定の範囲内に調整する。同時に、記録
ヘッドの端部の複数の探針からの検出出力を比較するこ
とにより、複数の探針の先端部と記録媒体からの距離が
ほぼ等しくなるように記録ヘッドの傾きを修正する。そ
して、各々の探針に於いてその検出信号の平均値が所望
の範囲に入るように、各副移動装置を駆動して各探針の
先端と記録媒体表面間の距離を所定の範囲内に調節する
ことにより、各々の探針からの出力レベルを揃えること
ができる。更に、この調整期間以外の期間では、記録ヘ
ッド移動装置及び副移動装置の駆動状態を保持すること
で、記録サイクル時においても、ほぼ、一定の記録、再
生信号レベルが実現できる。
【0060】次に、本願発明の記録装置の探針を用いた
記録媒体への信号の具体的な記録、再生の方法について
説明する。
【0061】まず、記録の際には、記録すべき信号に応
じて、信号駆動回路により記録媒体と各々の探針間にバ
イアス電圧(又はバイアス電流)を印加することによ
り、記録媒体面上のトラックの瞬時走査点の電気特性や
表面形状変化を誘起させる。記録媒体の材料として、例
えば、GdTbFe系、GdTbFeGe系、GeTe
Sb系等の相変化形記録材料を用いると、パルス状のバ
イアス電圧(又はバイアス電流)を印加することによっ
て局所的な発熱を瞬時に発生させてその直後に急冷する
事により、記録媒体の結晶相をアモルファス相に相転移
させて抵抗率の変化した記録ビットを書き込むことにな
る。消去の際は、記録時よりも長いパルス状または連続
のバイアス電圧(又はバイアス電流)を記録時よりもレ
ベルを下げて印加して、瞬時走査点での上昇温度を結晶
化温度付近に抑えて、探針と記録媒体間の相対移動によ
り徐冷することにより結晶化させて記録ビット(アモル
ファス転移ビット)を消去することができる。或は、記
録媒体の材料として、Al蒸着薄膜材料等を用いると、
バイアス電圧(又はバイアス電流)を印加することによ
りAl薄膜を酸化、蒸発させて抵抗変化や表面形状変化
を生じさせて情報ビットを記録する。この場合には、上
書用にしか用いることができない。また、再生の際に
は、信号駆動回路により記録媒体と各々の探針間にパル
ス状のバイアス電圧(又はバイアス電流)を印加して、
各探針に流れる電流(又は電圧)の大きさを、各々の探
針に電気的に接続された信号検出回路により検出して、
閾値と比較して信号出力を発生させる。これらの信号出
力を、例えば前述のデータ処理を行って再生信号出力を
得る。
【0062】或は、また、記録媒体への信号の具体的な
記録、再生の方法についての実施例としては、記録の際
には、前述のように記録媒体と各々の探針間に信号駆動
回路によりバイアス電圧(又はバイアス電流)を印加し
て記録ビットを記録し、再生の際には、記録媒体と各々
の探針間に信号駆動回路によりバイアス電圧(又はバイ
アス電流)を印加して、各探針に流れる電流(又は電
圧)が所定の値になるように、各々の探針に固定された
副移動装置を副移動装置駆動回路を用いてフィードバッ
ク駆動させる。そのフィードバック駆動電圧を閾値と比
較して信号出力とし、これらの信号出力を前述のような
適当な信号処理を施して再生信号出力を生成する。
【0063】尚、実施例の説明に於て、具体的な材料、
素子等を用いて説明を行ったが、これらに限定するもの
ではなく、その機能が適切であれば、他の物でも良いの
はいうまでもない。
【0064】
【発明の効果】以上述べてきたように、本願発明の実施
により、超大容量で高速の記録装置を容易に提供する事
が可能で、その産業に及ぼす経済的な効果は顕著なもの
が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願第1、または第2の発明である記録装置の
一実施例を示す模式図
【図2】本願第1の発明の記録装置に用いる記録ヘッド
の具体的な一実施例を示す斜視図
【図3】本願第1、または第2の発明である記録装置の
記録ヘッドに用いる梁の形状の実施例を示す断面模式図
【図4】本願第1、または第2の発明である記録装置の
記録ヘッドに用いる梁の形状の実施例を示す、断面模式
【図5】本願第2の発明の記録装置に用いる記録ヘッド
の具体的な一実施例を示す斜視図
【図6】本願第2の発明の記録装置に用いる記録ヘッド
の構成要素である副移動装置と探針の構成の具体的な第
一の実施例を示す断面模式図
【図7】本願第2の発明の記録装置に用いる記録ヘッド
の構成要素である副移動装置と探針の構成の具体的な第
二の実施例を示す断面模式図
【図8】本願第2の発明の記録装置に用いる記録ヘッド
の構成要素である副移動装置と探針の構成の具体的な第
三の実施例を示す断面模式図
【図9】本願第3の発明の記録再生方法の第1の実施例
を示す、記録媒体表面上から記録ヘッドの探針配列を鳥
瞰した模式図
【図10】本願第3の発明の記録再生方法の一実施例を
示す、記録媒体面上のトラックおよびデータ等の配置を
示す模式図
【符号の説明】
1 記録媒体 2 記録ヘッド 3 記録ヘッド移動装置 4 トラック 5、25 探針 6、13、26、48、58 梁 8、28 信号駆動回路 9、29 信号検出回路 10、30、43、53 空間 11、21、31、41、51 基板 12、35、45、55 電極 22、32、42、52 副移動装置 33、49 圧電体 56 対向電極 57 接地電極 61 データ 62a,62b トラックアドレス 63a,63b,64b,65a セクタアドレス 66 トラック列 81、82、83 探針位置 84 トラック間隔 85、86 トラック

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体と、記録ヘッドと、記録ヘッド移
    動装置とを具備してなる記録装置に於て、前記記録ヘッ
    ドが、同一基板上に形成された、信号駆動回路及び信号
    検出回路に電気的に接続された、少なくとも片端を前記
    基板に固定された梁の表面の一部に形成された複数の探
    針から成る構成とし、記録又は再生時に、前記複数の探
    針が相対的に移動する前記記録媒体上のトラック数が複
    数になることを特徴とする情報記録再生装置。
  2. 【請求項2】記録媒体と、記録ヘッドと、記録ヘッド移
    動装置とを具備してなる記録装置に於て、前記記録ヘッ
    ドが、同一基板上に形成された、信号駆動回路及び信号
    検出回路に電気的に接続された複数の探針から成り、前
    記各々の探針が、その先端部の前記基板からの高さを変
    化させる、副移動装置を各々介して前記基板に固定され
    る構成とし、記録又は再生時に、前記複数の探針が相対
    的に移動する前記記録媒体上のトラック数が複数になる
    ことを特徴とする情報記録再生装置。
  3. 【請求項3】副移動装置が、探針の高さ方向に形成され
    た圧電体とその両端を挟む2電極からなることを特徴と
    する請求項2に記載の情報記録再生装置。
  4. 【請求項4】圧電体の探針側の電極面と各々の探針との
    間に、少なくとも片端を基板に固定した梁を形成し、前
    記梁の一部に探針が形成されたことを特徴とする請求項
    3に記載の情報記録再生装置。
  5. 【請求項5】副移動装置が、表面上の一部に各々探針が
    形成された少なくとも片端を基板に固定した、それ自身
    を導電性材料で構成し、かつ、又は、その基板面側の表
    面に導電性薄膜を形成した、複数の梁または板を具備
    し、前記可動電極と対向する前記基板面側に、前記基板
    表面自身の一部を導電性材料で構成し、かつ、又は、前
    記基板の表面に導電性薄膜を形成して成る対向電極とを
    具備し、前記可動電極と前記対向電極間の電圧印加によ
    り発生する静電力を駆動源とすることを特徴とする請求
    項2に記載の情報記録再生装置。
  6. 【請求項6】複数の探針をアレイ状に配列し、前記アレ
    イの探針の並びの記録媒体上の記録/再生トラックの接
    線方向に近い第1の方向を、前記記録媒体面内方向に、
    前記アレイ中央部付近の探針の接する記録/再生トラッ
    クの接線方向から若干の角度だけずらせて配置すること
    を特徴とする請求項第1〜5のいずれかに記載の情報記
    録再生装置。
  7. 【請求項7】信号駆動回路により記録媒体と前記各々の
    探針との間に電圧パルスを印加して前記記録媒体表面部
    分に抵抗変化を生じさせて情報ビットを記録することを
    特徴とする請求項第1〜6のいずれかに記載の情報記録
    再生装置。
  8. 【請求項8】信号駆動回路により記録媒体と前記各々の
    探針との間に電圧パルスを印加して前記記録媒体表面に
    凹凸の形状変化を生じさせることにより情報ビットを記
    録することを特徴とする請求項第1〜6のいずれかに記
    載の情報記録再生装置。
  9. 【請求項9】探針と、前記探針に電気的に接続された駆
    動回路及び信号検出回路とが、基板の同一表面側に形成
    されたことを特徴とする請求項第1〜8のいずれかに記
    載の情報記録再生装置。
  10. 【請求項10】複数の探針と副移動装置の形成された基
    板と、前記探針に電気的に接続された駆動回路、かつ、
    または、信号検出回路が形成された副基板とが、相互に
    固定されたことを特徴とする請求項第1〜8のいずれか
    に記載の情報記録再生装置。
  11. 【請求項11】記録ヘッドと記録媒体とが相対的に移動
    する際に、前記記録ヘッドの複数の探針の内少なくとも
    1つの探針が、前記記録媒体上の一部のトラックに記録
    されたトラック識別信号を常時検出することを可能とす
    る探針配置とトラック配置の構成とし、前記記録媒体上
    のトラックの一部にトラックアドレス、かつ、または、
    セクタアドレスを記録し、または、再生可能な構成と
    し、前記探針から検出した前記トラックアドレス信号、
    及び前記セクタアドレスをもとに、各探針の前記記録媒
    体上での瞬時の走査点の絶対アドレスを算出し、記録す
    べき原データの前記絶対アドレスに対応する情報ビット
    を前記瞬時走査点に記録し、又は、前記瞬時走査点より
    再生した情報ビットから、該当する前記絶対アドレスを
    もとに原データを再生することを特徴とする情報記録再
    生方法。
  12. 【請求項12】記録媒体上の特定のトラックに、トラッ
    ク識別信号とトラックアドレスおよびセクタアドレスを
    記録することを特徴とする請求項第11項に記載の情報
    記録再生方法。
  13. 【請求項13】何れかの探針から検出したトラックアド
    レスが所望のトラックアドレスに一致するように、記録
    ヘッド移動装置を駆動して記録ヘッドを記録媒体面に平
    行な面内方向に粗動させた後、またはその移動途中に於
    いて、特定の探針のトラック識別信号の検出出力が最大
    となるように前記記録ヘッド移動装置を駆動して前記記
    録ヘッドを前記面内方向に微動させて、記録ヘッドのト
    ラッキングを行うことを特徴とする請求項第11または
    12記載の情報記録再生方法。
  14. 【請求項14】複数の探針再生信号の中からトラック識
    別信号の検出出力が最大となる探針の記録ヘッド中での
    位置を特定し、前記特定した探針位置から算出した位置
    に該当する少なくとも一つの探針からトラックアドレ
    ス、とセクタアドレスとを再生し、前記特定した探針位
    置と前記トラックアドレス、及び前記セクタアドレスと
    から、各探針にその瞬時走査点の記録媒体上での絶対ア
    ドレスを算出して割り付け、記録すべき原データから、
    前記絶対アドレスに対応する情報ビットを前記瞬時走査
    点に記録し、又は、前記瞬時走査点より再生した情報ビ
    ットから、該当する前記絶対アドレスをもとに原データ
    を再生することを特徴とする請求項第11または12記
    載の情報記録再生方法。
  15. 【請求項15】トラック識別信号を検出する特定の探針
    の信号出力の平均値が所望の範囲に入るように、記録ヘ
    ッド移動装置を駆動して記録ヘッドと記録媒体間の距離
    を所定の範囲内に調整し、かつ、前記特定の探針以外の
    探針に於いては、その探針からの検出信号の平均値が所
    望の範囲に入るように、各副移動装置を駆動して前記探
    針の先端部と前記記録媒体表面間の距離を所定の範囲内
    に調節し、前記調整期間以外の期間では、前記記録ヘッ
    ド移動装置及び前記副移動装置の駆動状態を保持するこ
    とを特徴とする請求項第11、12または13に記載の
    情報記録再生方法。
  16. 【請求項16】複数の探針からの検出信号の平均値が所
    望の範囲に入るように、記録ヘッド移動装置を駆動して
    記録ヘッドと記録媒体間の距離を所定の範囲内に調整
    し、かつ、前記記録ヘッドの端部の複数の探針からの検
    出出力を比較することにより前記複数の探針の先端部の
    前記記録媒体からの距離がほぼ等しくなるように記録ヘ
    ッドの傾きを修正し、各々の探針に於いてその検出信号
    の平均値が所望の範囲に入るように、各副移動装置を駆
    動して前記探針の先端と前記記録媒体表面間の距離を所
    定の範囲内に調節し、前記調整期間以外の期間では、前
    記記録ヘッド移動装置及び前記副移動装置の駆動状態を
    保持することを特徴とする請求項第11〜14のいずれ
    かに記載の情報記録再生方法。
  17. 【請求項17】記録媒体と各々の探針間に信号駆動回路
    によりバイアス電圧(又はバイアス電流)を印加し、前
    記探針に流れる電流(又は電圧)を、前記探針に電気的
    に接続された信号検出回路により検出して再生信号出力
    とすることを特徴とする請求項第11〜16のいずれか
    に記載の記録装置の情報記録再生方法。
  18. 【請求項18】記録媒体と各々の探針間に信号駆動回路
    によりバイアス電圧(又はバイアス電流)を印加し、前
    記探針に流れる電流(又は電圧)が所定の値になるよう
    に、前記各々の探針に固定された副移動装置をフィード
    バック駆動し、そのフィードバック駆動電圧を再生信号
    出力とすることを特徴とする請求項第11〜16のいず
    れかに記載の情報記録再生方法。
JP30410195A 1995-11-22 1995-11-22 情報記録再生方法およびその装置 Pending JPH09147433A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30410195A JPH09147433A (ja) 1995-11-22 1995-11-22 情報記録再生方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30410195A JPH09147433A (ja) 1995-11-22 1995-11-22 情報記録再生方法およびその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09147433A true JPH09147433A (ja) 1997-06-06

Family

ID=17929045

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30410195A Pending JPH09147433A (ja) 1995-11-22 1995-11-22 情報記録再生方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09147433A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1130578A2 (en) * 2000-03-03 2001-09-05 International Business Machines Corporation Magnetic millepede for ultra high density magnetic storage
US6680808B2 (en) 2000-03-03 2004-01-20 International Business Machines Corporation Magnetic millipede for ultra high density magnetic storage

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1130578A2 (en) * 2000-03-03 2001-09-05 International Business Machines Corporation Magnetic millepede for ultra high density magnetic storage
US6680808B2 (en) 2000-03-03 2004-01-20 International Business Machines Corporation Magnetic millipede for ultra high density magnetic storage
EP1130578A3 (en) * 2000-03-03 2006-03-29 International Business Machines Corporation Magnetic millepede for ultra high density magnetic storage

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3030574B2 (ja) 微小変位型情報検知探針素子及びこれを用いた走査型トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡、情報処理装置
JP3198355B2 (ja) 微小変位素子及びこれを用いた走査型トンネル顕微鏡、情報処理装置
US5412641A (en) Information recording/reproducing apparatus for recording/reproducing information with probes
US7260051B1 (en) Molecular memory medium and molecular memory integrated circuit
JP2741629B2 (ja) カンチレバー型プローブ、それを用いた走査型トンネル顕微鏡及び情報処理装置
JP3073616B2 (ja) マルチプローブを具備する情報処理装置
CA2069708C (en) Probe-driving mechanism, production thereof, and apparatus and piezoelectric actuator employing the same
EP1371061B1 (en) Apparatus and method for storing and reading high data capacities
US5717680A (en) Information processing apparatus with mechanism for adjusting interval between substrate for supporting a plurality of probes and recording medium
JPH09147433A (ja) 情報記録再生方法およびその装置
JPH08194975A (ja) 情報処理装置
JP3095249B2 (ja) ローカル・プローブ・アレイの大容量記憶装置
JP3234722B2 (ja) 円弧状反りレバー型アクチュエータ、該アクチュエータの駆動方法及び情報入出力用プローブを用いた情報処理装置
JPH04115103A (ja) カンチレバー型プローブ及び該プローブを用いた走査型トンネル顕微鏡、精密位置決め装置、情報処理装置
JP3056901B2 (ja) 記録再生装置
JPH06317404A (ja) カンチレバー型アクチュエータ及びそれを用いた走査型探針顕微鏡並びに情報処理装置
JPH06333276A (ja) 記録媒体及びその製造方法、及び該記録媒体を用いた情報処理装置
JP2968613B2 (ja) 情報再生装置
JP2994833B2 (ja) 記録及び/又は再生装置、方法と情報検出装置
JPH11102545A (ja) 情報処理装置
JPH08306088A (ja) 記録情報の再生装置及び再生方法
JPH0528550A (ja) 情報記憶装置
JPH04223203A (ja) カンチレバー型プローブ、これを用いた情報処理装置及び情報処理方法
JPH04206536A (ja) 探針駆動機構、該機構を備えたトンネル電流検出装置及び記録再生装置
JPH04129043A (ja) プローブユニット、該プローブユニットを備えた情報処理装置及び情報処理方法