JPH1039163A - 光導波路型回折格子 - Google Patents

光導波路型回折格子

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JPH1039163A
JPH1039163A JP19782096A JP19782096A JPH1039163A JP H1039163 A JPH1039163 A JP H1039163A JP 19782096 A JP19782096 A JP 19782096A JP 19782096 A JP19782096 A JP 19782096A JP H1039163 A JPH1039163 A JP H1039163A
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Motoki Kadoi
素貴 角井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長波長側および短波長側に急俊な透過特性を
有する光導波路型回折格子を提供する。 【解決手段】 光の進行方向の途中に、断面積が大きな
面積を有するとともに、光の進行方向に沿って、屈折率
が周期的に変化する回折格子形成部を有する光導波路部
112を備える。そして、光導波路部112での光の閉
じ込めを増強し、放射モードとの結合を抑制して、長波
長側および短波長側で急俊な変化をする透過特性を有す
る、好適な狭帯域フィルタを実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の波長範囲の
光を選択的に透過する波長フィルタとして使用される光
導波路型回折格子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信の高度化などの光利用の進展に伴
い、様々な透過特性を有し、所定の波長を選択的に透過
する波長フイルタが必要とされている。こうした光学部
品は、効率的な光の伝送や他の光学部品との光学的な結
合の観点から、導波路型であることが好ましい。
【0003】光導波路型の波長フィルタとしては、光フ
ァイバや平面型光導波路の一部で、光の進行方向に沿っ
て屈折率を周期的(周期が同一、および、周期が僅かに
変化するの双方を含む)に変化させ、回折格子を形成し
た光導波路型回折格子が知られている。
【0004】こうした、光導波路型回折格子では、回折
格子のBragg波長よりも短波長側での放射モードと
の結合による光損失の低減が、光ADM(Add Drop Mul
tiplex;挿入分岐多重化)用の狭帯域なバンドパスフィ
ルタを実現する上での克服すべき課題となっている。
【0005】こうした放射モードとの結合の制御にあた
って、通常の分散シフトファイバに形成していた回折格
子を、通常の分散シフトファイバと比べて、コアの屈折
率を高めるとともに、クラッドの屈折率を低めて、ファ
イバとして高開口数化を図り、光の閉じ込めを高めるこ
とにより、回折格子のBragg波長よりも短波長側で
の放射モードとの結合を抑制する技術が提案されている
(T.Komukai et al.,ECOC'95, Proc., Mo.A.3.3, 1995,
pp31-34(以後、従来例と呼ぶ))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来例の光導波路型回
折格子では、通常の分散シフトファイバと比べて、コア
の屈折率を高めるとともに、クラッドの屈折率を低めて
いる。したがって、コアとクラッドとの比屈折率差が、
通常の分散シフトファイバよりも大きくなるので、本来
の波長帯域(例えば、1.55μm帯)にあるべき零分
散波長が短波長側にシフトしてしまい、信号伝送帯域で
の伝送特性の劣化が発生してしまうという問題点があっ
た。
【0007】本発明は、上記を鑑みてなされたものであ
り、長波長側にも短波長側にも急俊な遮断特性を有する
とともに、伝送特性を確保可能な光導波路型回折格子を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の光導波路型回
折格子は、(a)断面積が第1の面積である第1の光導
波路部と、(b)断面積が第1の面積よりも大きな第2
の面積であるとともに、進行方向に沿って、屈折率が周
期的に変化する回折格子形成部を有する第2の光導波路
部と、(c)断面が前記第1の光導波路部の前記進行方
向に垂直な断面と略同一の形状である第3の光導波路部
と、(d)第1の光導波路部と第2の光導波路部とを光
学的に結合するとともに、第1の光導波路部から第2の
光導波路部へ向かって、断面積が徐々に増加すると第1
のテーパ状光導波路部と、(e)第2の光導波路部と第
3の光導波路部とを光学的に結合するとともに、第2の
光導波路部から第3の光導波路部へ向かって、断面積が
徐々に減少すると第2のテーパ状光導波路部とを備える
ことを特徴とする。
【0009】ここで、(i)第1の光導波路部、第2の
光導波路部、第3の光導波路部、第1のテーパ状光導波
路部、および、前記第2のテーパ状光導波路部を、同一
基板上に形成された平面型光導波路とすることが好適で
ある。
【0010】なお、光導波路部とは、コアとクラッドと
による導波構造の内、主に光が存在するコアを指す。
【0011】請求項1の光導波路型回折格子では、光
が、第1の光導波路部および第1のテーパ状光導波路部
を順次介して、第2の光導波路部に入射する。第2の光
導波路には回折格子形成部が存在するとともに、第2の
光導波路部の断面積は、第1の光導波路部の断面積より
も大きく設定されている。
【0012】一般に、回折格子形成部を進行する光は、
回折格子形成部における屈折率の周期的変化に応じたモ
ードフィールド径の周期的な変化によって、屈折率の変
化周期に応じたBragg波長より短波長側で、放射モ
ードと結合し、光導波路部からの漏れが発生する。
【0013】こうした光の漏れは、回折格子形成部の存
在だけによって発生するが、第2の光導波路部の第1の
光導波路よりも断面積が大きく設定されているので、導
波路部への光の閉じ込めの度合いは増強されており、断
面積が第1の光導波路と略同一に設定されている場合よ
りも、放射モードとの結合度が弱まり、漏れ光強度が低
くなる。
【0014】この結果、分散特性を光の進行方向で維持
しつつ、回折格子形成部における屈折率の変化周期に応
じたBragg波長より短波長側の透過特性が向上す
る。すなわち、非透過光の波長幅が屈折率の変化周期に
応じたBragg波長より短波長側への広がりは低減さ
れることになり、狭帯域フィルタの機能を好適に実現す
る。
【0015】回折格子形成部を透過した光は、第2のテ
ーパ状光導波路部および第3の光導波路部を順次介して
出力される。
【0016】なお、請求項1の光導波路型回折格子の光
導波路部は、平面型光導波路およびファイバ型光導波路
のいずれでも実現可能であるが、平面型光導波路を採用
すると、エッチング時のマスクパターンの操作で実現可
能なので、簡易に請求項1の光導波路型回折格子を製造
できる。
【0017】請求項3の光導波路型回折格子は、請求項
1の光導波路型回折格子において、第1のテーパ状光導
波路および第2のテーパ状光導波路の進行方向の長さ
は、第1の光導波路部の進行方向に垂直な断面の外径の
50倍以上であることを特徴とする。
【0018】屈折率が同一で、断面積が変化する光導波
路を光が進行すると、光の進行にともない光にとっての
モードフィールド径が変化するので、モード変換による
損失が発生する。こうした損失は、モードフィールド径
の変化率が大きい程、大きくなる。
【0019】請求項3の光導波路型回折格子では、第1
のテーパ状光導波路および第2のテーパ状光導波路の光
の進行方向の長さを、第1の光導波路部の断面の外径の
50倍以上として、モードフィールド径の変化率を小さ
くしたので、モード変化による光損失が充分に低減され
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の光導波路型回折格子および光ファイバ増幅器の実施の
形態を説明する。なお、図面の説明にあたって同一の要
素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】図1は、本発明の光導波路型回折格子の実
施形態の構成図である。図1(a)は、本実施形態の光
導波路型回折格子100の全体図を、図1(b)は本実
施形態の光導波路型回折格子100の光導波路部100
の平面図を示す。
【0022】図1(a)に示すように、この光導波路型
回折格子100は、(a)基板130と、(b)基板1
30状に形成されたクラッド部120と、(c)クラッ
ド部120内に形成された光導波路部(コア部)110
とを備える。
【0023】図1(b)に示すように、光導波路部11
0は、(i)断面積が面積S1(=ad)である光導波
路部111と、(ii)断面積が面積S1よりも大きな面
積S2(=bd)であるとともに、進行方向に沿って、
屈折率が周期的に変化する回折格子形成部を有する光導
波路部112と、(iii)断面が光導波路部111の前
記進行方向に垂直な断面と略同一の形状である光導波路
部113と、(iv)光導波路部111との境界面が面積
S1を有するとともに、光導波路部112との境界面が
面積S2を有するテーパ状光導波路部114と、(v)
光導波路部112との境界面が面積S2を有するととも
に、光導波路部113との境界面が面積S1を有するテ
ーパ状光導波路部115とを備える。
【0024】本実施形態の光導波路型回折格子100
は、光導波路部110の形成にあたってのエッチング工
程でのマスクパターンを操作することによって、容易に
製造可能である。
【0025】光導波路部111および光導波路部113
は、シングルモードの伝送用光ファイバとの結合の観点
から、光導波路幅aと光導波路高dとは6〜8μmとす
ることが好適である。また、光導波路幅bは、光導波路
幅aや光導波路高dの約1.5倍とすることが好適であ
る。
【0026】本実施形態の光導波路型回折格子100で
は、光が、光導波路部111およびテーパ状光導波路部
114を順次介して、光導波路部112に入射する。な
お、光導波路部111およびテーパ状光導波路部114
中の進行によるモード変換に伴う光損失を低減するた
め、テーパ状光導波路部114の長さcは光導波路部1
11の幅aよりも50倍以上の長さであることが好まし
い。更に、テーパ状光導波路部114の長さcは光導波
路部111の幅aよりも100倍以上の長さであること
がより好ましい。なお、この場合、テーパ状光導波路部
114、115の長さcを、略700μmとすると、モ
ード変換による光損失が0.1dB程度となる。
【0027】光導波路112には回折格子形成部が存在
するとともに、光導波路部112の断面積S2は、光導
波路部111の断面積S1よりも大きく設定されてい
る。
【0028】したがって、回折格子形成部を進行する光
は、回折格子形成部における屈折率の周期的変化に応じ
たモードフィールド径の周期的な変化によって、屈折率
の変化周期に応じたBragg波長より短波長側で、放
射モードと結合が抑制され、光導波路部112からの漏
れが低減される。
【0029】この結果、分散特性を光の進行方向で維持
しつつ、回折格子形成部における屈折率の変化周期に応
じたBragg波長より短波長側の透過特性が向上す
る。すなわち、非透過光の波長幅が屈折率の変化周期に
応じたBragg波長より短波長側に広がることが抑制
される。
【0030】回折格子形成部を透過した光は、テーパ状
光導波路部115および光導波路部113を順次介して
出力される。
【0031】図2は、光導波路型回折格子100の透過
特性の説明図である。図2に示すように、光導波路型回
折格子100の透過率は、波長λ0では略0の透過率と
なるとともに、波長λ0より長波長側および短波長側で
急俊に変化する。一方、波長λ0より短波長側では、導
波路の断面積が変化しないときに比べて、放射モードと
の結合が抑制される結果、透過率が向上していることが
確認される。
【0032】本発明は、上記の実施形態に限定されるも
のではなく変形が可能である。例えば、光ファイバ増幅
器の実施形態では、光導波路型回折格子を平面型光導波
路型としたが、ファイバ型光導波路型のものを採用して
も同様の効果を奏する。
【0033】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明の光
導波路型回折格子によれば、光導波路の途中で光の進行
方向での光導波路の断面積を増加させ、光の閉じ込めを
強化するとともに、断面積の増加部分に、光の進行方向
に沿って、屈折率を周期的に変化させて回折格子を形成
したので、分散特性を光の進行方向で維持しつつ、回折
格子のBragg波長よりも短波長側での放射モードと
の結合が抑制され、Bragg波長の長波長側および短
波長側で急俊に変化し、好適な狭帯域フィルタの機能を
実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路型回折格子の実施形態の構成
図である。
【図2】図1の実施形態の透過特性を示すグラフであ
る。光導波路型回折格子を介した光のスペクトルのグラ
フである。
【符号の説明】
100…光導波路型回折格子、110…光導波路部、1
20…クラッド部、130…基板、111,112,1
13…光導波路部、114,115…テーパ状光導波路
部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面積が第1の面積である第1の光導波
    路部と、 断面積が前記第1の面積よりも大きな第2の面積である
    とともに、光の進行方向に沿って、屈折率が周期的に変
    化する回折格子形成部を有する第2の光導波路部と、 断面が前記第1の光導波路部の前記進行方向に垂直な断
    面と略同一の形状である第3の光導波路部と、 前記第1の光導波路部と前記第2の光導波路部とを光学
    的に結合するとともに、前記第1の光導波路部から前記
    第2の光導波路部へ向かって、断面積が徐々に増加する
    第1のテーパ状光導波路部と、 前記第2の光導波路部と前記第3の光導波路部とを光学
    的に結合するとともに、前記第2の光導波路部から前記
    第3の光導波路部へ向かって、断面積が徐々に減少する
    第2のテーパ状光導波路部と、 を備えることを特徴とする光導波路型回折格子。
  2. 【請求項2】 前記第1の光導波路部、前記第2の光導
    波路部、前記第3の光導波路部、前記第1のテーパ状光
    導波路部、および、前記第2のテーパ状光導波路部は、
    同一基板上に形成された平面型光導波路である、ことを
    特徴とする請求項1記載の光導波路型回折格子。
  3. 【請求項3】 前記第1のテーパ状光導波路および前記
    第2のテーパ状光導波路の前記進行方向の長さは、前記
    第1の光導波路部の前記進行方向に垂直な断面の外径の
    50倍以上である、ことを特徴とする請求項1記載の光
    導波路型回折格子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100358133B1 (ko) * 2000-12-30 2002-10-25 한국전자통신연구원 스트레인 분산 패드를 이용한 측면-테이퍼 도파로 제조방법과 이를 응용한 모드변환기 제조방법 및 그에 따른광소자
KR100475412B1 (ko) * 2002-03-11 2005-03-10 주식회사 럭스퍼트 상부 펌핑방식의 광소자
KR20150129541A (ko) * 2014-05-12 2015-11-20 부산대학교 산학협력단 고반사 브래그 격자 폴리머 광도파로 소자

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