JP3754760B2 - 光導波路型回折格子 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の波長範囲の光を選択的に透過する波長フィルタとして使用される光導波路型回折格子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信の高度化などの光利用の進展に伴い、様々な透過特性を有し、所定の波長を選択的に透過する波長フイルタが必要とされている。こうした光学部品は、効率的な光の伝送や他の光学部品との光学的な結合の観点から、導波路型であることが好ましい。
【0003】
光導波路型の波長フィルタとしては、光ファイバや平面型光導波路の一部で、光の進行方向に沿って屈折率を周期的(周期が同一、および、周期が僅かに変化するの双方を含む)に変化させ、回折格子を形成した光導波路型回折格子が知られている。
【0004】
こうした、光導波路型回折格子では、回折格子のBragg波長よりも短波長側での放射モードとの結合による光損失の低減が、光ADM(Add Drop Multiplex;挿入分岐多重化)用の狭帯域なバンドパスフィルタを実現する上での克服すべき課題となっている。
【0005】
こうした放射モードとの結合の制御にあたって、通常の分散シフトファイバに形成していた回折格子を、通常の分散シフトファイバと比べて、コアの屈折率を高めるとともに、クラッドの屈折率を低めて、ファイバとして高開口数化を図り、光の閉じ込めを高めることにより、回折格子のBragg波長よりも短波長側での放射モードとの結合を抑制する技術が提案されている(T.Komukai et al., ECOC'95, Proc., Mo.A.3.3, 1995, pp31-34(以後、従来例と呼ぶ))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来例の光導波路型回折格子では、通常の分散シフトファイバと比べて、コアの屈折率を高めるとともに、クラッドの屈折率を低めている。したがって、コアとクラッドとの比屈折率差が、通常の分散シフトファイバよりも大きくなるので、本来の波長帯域(例えば、1.55μm帯)にあるべき零分散波長が短波長側にシフトしてしまい、信号伝送帯域での伝送特性の劣化が発生してしまうという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、長波長側にも短波長側にも急俊な遮断特性を有するとともに、伝送特性を確保可能な光導波路型回折格子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の光導波路型回折格子は、(a)断面積が第1の面積である第1の光導波路部と、(b)断面積が第1の面積よりも大きな第2の面積であるとともに、光の進行方向に沿って、屈折率が周期的に変化する回折格子形成部を有する第2の光導波路部と、(c)断面が第1の光導波路部の進行方向に垂直な断面と略同一の形状である第3の光導波路部と、(d)第1の光導波路部と第2の光導波路部とを光学的に結合するとともに、第1の光導波路部から第2の光導波路部へ向かって、断面積が徐々に増加する第1のテーパ状光導波路部と、(e)第2の光導波路部と第3の光導波路部とを光学的に結合するとともに、第2の光導波路部から第3の光導波路部へ向かって、断面積が徐々に減少する第2のテーパ状光導波路部と、を同一基板上に形成されたことを特徴とする平面型のものである。
【0010】
なお、光導波路部とは、コアとクラッドとによる導波構造の内、主に光が存在するコアを指す。
【0011】
請求項1の光導波路型回折格子では、光が、第1の光導波路部および第1のテーパ状光導波路部を順次介して、第2の光導波路部に入射する。第2の光導波路には回折格子形成部が存在するとともに、第2の光導波路部の断面積は、第1の光導波路部の断面積よりも大きく設定されている。
【0012】
一般に、回折格子形成部を進行する光は、回折格子形成部における屈折率の周期的変化に応じたモードフィールド径の周期的な変化によって、屈折率の変化周期に応じたBragg波長より短波長側で、放射モードと結合し、光導波路部からの漏れが発生する。
【0013】
こうした光の漏れは、回折格子形成部の存在だけによって発生するが、第2の光導波路部の第1の光導波路よりも断面積が大きく設定されているので、導波路部への光の閉じ込めの度合いは増強されており、断面積が第1の光導波路と略同一に設定されている場合よりも、放射モードとの結合度が弱まり、漏れ光強度が低くなる。
【0014】
この結果、分散特性を光の進行方向で維持しつつ、回折格子形成部における屈折率の変化周期に応じたBragg波長より短波長側の透過特性が向上する。すなわち、非透過光の波長幅が屈折率の変化周期に応じたBragg波長より短波長側への広がりは低減されることになり、狭帯域フィルタの機能を好適に実現する。
【0015】
回折格子形成部を透過した光は、第2のテーパ状光導波路部および第3の光導波路部を順次介して出力される。
【0016】
なお、請求項1の光導波路型回折格子の光導波路部は、平面型光導波路を採用することにより、エッチング時のマスクパターンの操作で実現可能なので、簡易に請求項1の光導波路型回折格子を製造できる。
【0017】
請求項2の光導波路型回折格子は、請求項1の光導波路型回折格子において、第1のテーパ状光導波路部および第2のテーパ状光導波路部の進行方向のそれぞれの長さは、第1の光導波路部の進行方向に垂直な断面の幅の50倍以上であることを特徴とする。
【0018】
屈折率が同一で、断面積が変化する光導波路を光が進行すると、光の進行にともない光にとってのモードフィールド径が変化するので、モード変換による損失が発生する。こうした損失は、モードフィールド径の変化率が大きい程、大きくなる。
【0019】
請求項2の光導波路型回折格子では、第1のテーパ状光導波路部および第2のテーパ状光導波路部の光の進行方向のそれぞれの長さを、第1の光導波路部の断面の幅の50倍以上として、モードフィールド径の変化率を小さくしたので、モード変化による光損失が充分に低減される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の光導波路型回折格子および光ファイバ増幅器の実施の形態を説明する。なお、図面の説明にあたって同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1は、本発明の光導波路型回折格子の実施形態の構成図である。図1(a)は、本実施形態の光導波路型回折格子100の全体図を、図1(b)は本実施形態の光導波路型回折格子100の光導波路部100の平面図を示す。
【0022】
図1(a)に示すように、この光導波路型回折格子100は、(a)基板130と、(b)基板130状に形成されたクラッド部120と、(c)クラッド部120内に形成された光導波路部(コア部)110とを備える。
【0023】
図1(b)に示すように、光導波路部110は、(i)断面積が面積S1(=ad)である光導波路部111と、(ii)断面積が面積S1よりも大きな面積S2(=bd)であるとともに、進行方向に沿って、屈折率が周期的に変化する回折格子形成部を有する光導波路部112と、(iii)断面が光導波路部111の前記進行方向に垂直な断面と略同一の形状である光導波路部113と、(iv)光導波路部111との境界面が面積S1を有するとともに、光導波路部112との境界面が面積S2を有するテーパ状光導波路部114と、(v)光導波路部112との境界面が面積S2を有するとともに、光導波路部113との境界面が面積S1を有するテーパ状光導波路部115とを備える。
【0024】
本実施形態の光導波路型回折格子100は、光導波路部110の形成にあたってのエッチング工程でのマスクパターンを操作することによって、容易に製造可能である。
【0025】
光導波路部111および光導波路部113は、シングルモードの伝送用光ファイバとの結合の観点から、光導波路幅aと光導波路高dとは6〜8μmとすることが好適である。また、光導波路幅bは、光導波路幅aや光導波路高dの約1.5倍とすることが好適である。
【0026】
本実施形態の光導波路型回折格子100では、光が、光導波路部111およびテーパ状光導波路部114を順次介して、光導波路部112に入射する。なお、光導波路部111およびテーパ状光導波路部114中の進行によるモード変換に伴う光損失を低減するため、テーパ状光導波路部114の長さcは光導波路部111の幅aよりも50倍以上の長さであることが好ましい。更に、テーパ状光導波路部114の長さcは光導波路部111の幅aよりも100倍以上の長さであることがより好ましい。なお、この場合、テーパ状光導波路部114、115の長さcを、略700μmとすると、モード変換による光損失が0.1dB程度となる。
【0027】
光導波路112には回折格子形成部が存在するとともに、光導波路部112の断面積S2は、光導波路部111の断面積S1よりも大きく設定されている。
【0028】
したがって、回折格子形成部を進行する光は、回折格子形成部における屈折率の周期的変化に応じたモードフィールド径の周期的な変化によって、屈折率の変化周期に応じたBragg波長より短波長側で、放射モードと結合が抑制され、光導波路部112からの漏れが低減される。
【0029】
この結果、分散特性を光の進行方向で維持しつつ、回折格子形成部における屈折率の変化周期に応じたBragg波長より短波長側の透過特性が向上する。すなわち、非透過光の波長幅が屈折率の変化周期に応じたBragg波長より短波長側に広がることが抑制される。
【0030】
回折格子形成部を透過した光は、テーパ状光導波路部115および光導波路部113を順次介して出力される。
【0031】
図2は、光導波路型回折格子100の透過特性の説明図である。図2に示すように、光導波路型回折格子100の透過率は、波長λ0では略0の透過率となるとともに、波長λ0より長波長側および短波長側で急俊に変化する。一方、波長λ0より短波長側では、導波路の断面積が変化しないときに比べて、放射モードとの結合が抑制される結果、透過率が向上していることが確認される。
【0033】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した通り、本発明の光導波路型回折格子によれば、光導波路の途中で光の進行方向での光導波路の断面積を増加させ、光の閉じ込めを強化するとともに、断面積の増加部分に、光の進行方向に沿って、屈折率を周期的に変化させて回折格子を形成したので、分散特性を光の進行方向で維持しつつ、回折格子のBragg波長よりも短波長側での放射モードとの結合が抑制され、Bragg波長の長波長側および短波長側で急俊に変化し、好適な狭帯域フィルタの機能を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路型回折格子の実施形態の構成図である。
【図2】図1の実施形態の透過特性を示すグラフである。光導波路型回折格子を介した光のスペクトルのグラフである。
【符号の説明】
100…光導波路型回折格子、110…光導波路部、120…クラッド部、130…基板、111,112,113…光導波路部、114,115…テーパ状光導波路部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の波長範囲の光を選択的に透過する波長フィルタとして使用される光導波路型回折格子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信の高度化などの光利用の進展に伴い、様々な透過特性を有し、所定の波長を選択的に透過する波長フイルタが必要とされている。こうした光学部品は、効率的な光の伝送や他の光学部品との光学的な結合の観点から、導波路型であることが好ましい。
【0003】
光導波路型の波長フィルタとしては、光ファイバや平面型光導波路の一部で、光の進行方向に沿って屈折率を周期的(周期が同一、および、周期が僅かに変化するの双方を含む)に変化させ、回折格子を形成した光導波路型回折格子が知られている。
【0004】
こうした、光導波路型回折格子では、回折格子のBragg波長よりも短波長側での放射モードとの結合による光損失の低減が、光ADM(Add Drop Multiplex;挿入分岐多重化)用の狭帯域なバンドパスフィルタを実現する上での克服すべき課題となっている。
【0005】
こうした放射モードとの結合の制御にあたって、通常の分散シフトファイバに形成していた回折格子を、通常の分散シフトファイバと比べて、コアの屈折率を高めるとともに、クラッドの屈折率を低めて、ファイバとして高開口数化を図り、光の閉じ込めを高めることにより、回折格子のBragg波長よりも短波長側での放射モードとの結合を抑制する技術が提案されている(T.Komukai et al., ECOC'95, Proc., Mo.A.3.3, 1995, pp31-34(以後、従来例と呼ぶ))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来例の光導波路型回折格子では、通常の分散シフトファイバと比べて、コアの屈折率を高めるとともに、クラッドの屈折率を低めている。したがって、コアとクラッドとの比屈折率差が、通常の分散シフトファイバよりも大きくなるので、本来の波長帯域(例えば、1.55μm帯)にあるべき零分散波長が短波長側にシフトしてしまい、信号伝送帯域での伝送特性の劣化が発生してしまうという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、長波長側にも短波長側にも急俊な遮断特性を有するとともに、伝送特性を確保可能な光導波路型回折格子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の光導波路型回折格子は、(a)断面積が第1の面積である第1の光導波路部と、(b)断面積が第1の面積よりも大きな第2の面積であるとともに、光の進行方向に沿って、屈折率が周期的に変化する回折格子形成部を有する第2の光導波路部と、(c)断面が第1の光導波路部の進行方向に垂直な断面と略同一の形状である第3の光導波路部と、(d)第1の光導波路部と第2の光導波路部とを光学的に結合するとともに、第1の光導波路部から第2の光導波路部へ向かって、断面積が徐々に増加する第1のテーパ状光導波路部と、(e)第2の光導波路部と第3の光導波路部とを光学的に結合するとともに、第2の光導波路部から第3の光導波路部へ向かって、断面積が徐々に減少する第2のテーパ状光導波路部と、を同一基板上に形成されたことを特徴とする平面型のものである。
【0010】
なお、光導波路部とは、コアとクラッドとによる導波構造の内、主に光が存在するコアを指す。
【0011】
請求項1の光導波路型回折格子では、光が、第1の光導波路部および第1のテーパ状光導波路部を順次介して、第2の光導波路部に入射する。第2の光導波路には回折格子形成部が存在するとともに、第2の光導波路部の断面積は、第1の光導波路部の断面積よりも大きく設定されている。
【0012】
一般に、回折格子形成部を進行する光は、回折格子形成部における屈折率の周期的変化に応じたモードフィールド径の周期的な変化によって、屈折率の変化周期に応じたBragg波長より短波長側で、放射モードと結合し、光導波路部からの漏れが発生する。
【0013】
こうした光の漏れは、回折格子形成部の存在だけによって発生するが、第2の光導波路部の第1の光導波路よりも断面積が大きく設定されているので、導波路部への光の閉じ込めの度合いは増強されており、断面積が第1の光導波路と略同一に設定されている場合よりも、放射モードとの結合度が弱まり、漏れ光強度が低くなる。
【0014】
この結果、分散特性を光の進行方向で維持しつつ、回折格子形成部における屈折率の変化周期に応じたBragg波長より短波長側の透過特性が向上する。すなわち、非透過光の波長幅が屈折率の変化周期に応じたBragg波長より短波長側への広がりは低減されることになり、狭帯域フィルタの機能を好適に実現する。
【0015】
回折格子形成部を透過した光は、第2のテーパ状光導波路部および第3の光導波路部を順次介して出力される。
【0016】
なお、請求項1の光導波路型回折格子の光導波路部は、平面型光導波路を採用することにより、エッチング時のマスクパターンの操作で実現可能なので、簡易に請求項1の光導波路型回折格子を製造できる。
【0017】
請求項2の光導波路型回折格子は、請求項1の光導波路型回折格子において、第1のテーパ状光導波路部および第2のテーパ状光導波路部の進行方向のそれぞれの長さは、第1の光導波路部の進行方向に垂直な断面の幅の50倍以上であることを特徴とする。
【0018】
屈折率が同一で、断面積が変化する光導波路を光が進行すると、光の進行にともない光にとってのモードフィールド径が変化するので、モード変換による損失が発生する。こうした損失は、モードフィールド径の変化率が大きい程、大きくなる。
【0019】
請求項2の光導波路型回折格子では、第1のテーパ状光導波路部および第2のテーパ状光導波路部の光の進行方向のそれぞれの長さを、第1の光導波路部の断面の幅の50倍以上として、モードフィールド径の変化率を小さくしたので、モード変化による光損失が充分に低減される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の光導波路型回折格子および光ファイバ増幅器の実施の形態を説明する。なお、図面の説明にあたって同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1は、本発明の光導波路型回折格子の実施形態の構成図である。図1(a)は、本実施形態の光導波路型回折格子100の全体図を、図1(b)は本実施形態の光導波路型回折格子100の光導波路部100の平面図を示す。
【0022】
図1(a)に示すように、この光導波路型回折格子100は、(a)基板130と、(b)基板130状に形成されたクラッド部120と、(c)クラッド部120内に形成された光導波路部(コア部)110とを備える。
【0023】
図1(b)に示すように、光導波路部110は、(i)断面積が面積S1(=ad)である光導波路部111と、(ii)断面積が面積S1よりも大きな面積S2(=bd)であるとともに、進行方向に沿って、屈折率が周期的に変化する回折格子形成部を有する光導波路部112と、(iii)断面が光導波路部111の前記進行方向に垂直な断面と略同一の形状である光導波路部113と、(iv)光導波路部111との境界面が面積S1を有するとともに、光導波路部112との境界面が面積S2を有するテーパ状光導波路部114と、(v)光導波路部112との境界面が面積S2を有するとともに、光導波路部113との境界面が面積S1を有するテーパ状光導波路部115とを備える。
【0024】
本実施形態の光導波路型回折格子100は、光導波路部110の形成にあたってのエッチング工程でのマスクパターンを操作することによって、容易に製造可能である。
【0025】
光導波路部111および光導波路部113は、シングルモードの伝送用光ファイバとの結合の観点から、光導波路幅aと光導波路高dとは6〜8μmとすることが好適である。また、光導波路幅bは、光導波路幅aや光導波路高dの約1.5倍とすることが好適である。
【0026】
本実施形態の光導波路型回折格子100では、光が、光導波路部111およびテーパ状光導波路部114を順次介して、光導波路部112に入射する。なお、光導波路部111およびテーパ状光導波路部114中の進行によるモード変換に伴う光損失を低減するため、テーパ状光導波路部114の長さcは光導波路部111の幅aよりも50倍以上の長さであることが好ましい。更に、テーパ状光導波路部114の長さcは光導波路部111の幅aよりも100倍以上の長さであることがより好ましい。なお、この場合、テーパ状光導波路部114、115の長さcを、略700μmとすると、モード変換による光損失が0.1dB程度となる。
【0027】
光導波路112には回折格子形成部が存在するとともに、光導波路部112の断面積S2は、光導波路部111の断面積S1よりも大きく設定されている。
【0028】
したがって、回折格子形成部を進行する光は、回折格子形成部における屈折率の周期的変化に応じたモードフィールド径の周期的な変化によって、屈折率の変化周期に応じたBragg波長より短波長側で、放射モードと結合が抑制され、光導波路部112からの漏れが低減される。
【0029】
この結果、分散特性を光の進行方向で維持しつつ、回折格子形成部における屈折率の変化周期に応じたBragg波長より短波長側の透過特性が向上する。すなわち、非透過光の波長幅が屈折率の変化周期に応じたBragg波長より短波長側に広がることが抑制される。
【0030】
回折格子形成部を透過した光は、テーパ状光導波路部115および光導波路部113を順次介して出力される。
【0031】
図2は、光導波路型回折格子100の透過特性の説明図である。図2に示すように、光導波路型回折格子100の透過率は、波長λ0では略0の透過率となるとともに、波長λ0より長波長側および短波長側で急俊に変化する。一方、波長λ0より短波長側では、導波路の断面積が変化しないときに比べて、放射モードとの結合が抑制される結果、透過率が向上していることが確認される。
【0033】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した通り、本発明の光導波路型回折格子によれば、光導波路の途中で光の進行方向での光導波路の断面積を増加させ、光の閉じ込めを強化するとともに、断面積の増加部分に、光の進行方向に沿って、屈折率を周期的に変化させて回折格子を形成したので、分散特性を光の進行方向で維持しつつ、回折格子のBragg波長よりも短波長側での放射モードとの結合が抑制され、Bragg波長の長波長側および短波長側で急俊に変化し、好適な狭帯域フィルタの機能を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路型回折格子の実施形態の構成図である。
【図2】図1の実施形態の透過特性を示すグラフである。光導波路型回折格子を介した光のスペクトルのグラフである。
【符号の説明】
100…光導波路型回折格子、110…光導波路部、120…クラッド部、130…基板、111,112,113…光導波路部、114,115…テーパ状光導波路部。
Claims (2)
- 断面積が第1の面積である第1の光導波路部と、
断面積が前記第1の面積よりも大きな第2の面積であるとともに、光の進行方向に沿って、屈折率が周期的に変化する回折格子を形成した回折格子形成部を有する第2の光導波路部と、
断面が前記第1の光導波路部の前記進行方向に垂直な断面と略同一の形状である第3の光導波路部と、
前記第1の光導波路部と前記第2の光導波路部とを光学的に結合するとともに、前記第1の光導波路部から前記第2の光導波路部へ向かって、断面積が徐々に増加する第1のテーパ状光導波路部と、
前記第2の光導波路部と前記第3の光導波路部とを光学的に結合するとともに、前記第2の光導波路部から前記第3の光導波路部へ向かって、断面積が徐々に減少する第2のテーパ状光導波路部と、
を同一基板上に形成され、
前記第1の光導波路部、前記第2の光導波路部、前記第3の光導波路部、前記第1のテーパ状光導波路部と前記第2のテーパ状光導波路部とは、屈折率が同じであり、
前記回折格子は、狭帯域フィルタを構成し、Bragg波長よりも短波長側での放射モードとの結合が抑制されるように形成されたことを特徴とする平面型光導波路型回折格子。 - 前記第1のテーパ状光導波路部および前記第2のテーパ状光導波路部の前記進行方向のそれぞれの長さは、前記第1の光導波路部の前記進行方向に垂直な断面の幅の50倍以上である、ことを特徴とする請求項1記載の光導波路型回折格子。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19782096A JP3754760B2 (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | 光導波路型回折格子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1039163A JPH1039163A (ja) | 1998-02-13 |
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JP19782096A Expired - Fee Related JP3754760B2 (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | 光導波路型回折格子 |
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KR100358133B1 (ko) * | 2000-12-30 | 2002-10-25 | 한국전자통신연구원 | 스트레인 분산 패드를 이용한 측면-테이퍼 도파로 제조방법과 이를 응용한 모드변환기 제조방법 및 그에 따른광소자 |
KR100475412B1 (ko) * | 2002-03-11 | 2005-03-10 | 주식회사 럭스퍼트 | 상부 펌핑방식의 광소자 |
KR101704786B1 (ko) * | 2014-05-12 | 2017-02-08 | 부산대학교 산학협력단 | 고반사 브래그 격자 폴리머 광도파로 소자 |
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1996
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JPH1039163A (ja) | 1998-02-13 |
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