JPH1038525A - 寸法測定装置及びこの装置を用いた寸法測定方法 - Google Patents

寸法測定装置及びこの装置を用いた寸法測定方法

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JPH1038525A
JPH1038525A JP10454297A JP10454297A JPH1038525A JP H1038525 A JPH1038525 A JP H1038525A JP 10454297 A JP10454297 A JP 10454297A JP 10454297 A JP10454297 A JP 10454297A JP H1038525 A JPH1038525 A JP H1038525A
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measured
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straight line
intersection
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JP10454297A
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English (en)
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Takaaki Kishida
任晤 岸田
Atsushi Naito
敦之 内藤
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Tokai Rika Co Ltd
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Tokai Rika Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定物における複数の部位の寸法を簡易な
方法で、かつ正確に測定する。 【解決手段】 被測定物にスリット光を照射すると、二
次元CCDセンサにスリット像が結像される。スリット
像の位置及び光強度に応じた電気信号が演算装置に出力
されると、寸法測定処理が開始される。まず、被測定物
のデータに対して直線近似が施される(300) 。これによ
り、データ量が減少されるので、複雑な回帰計算が不要
となり、処理に要する時間を短縮できる。また、被測定
物に対する特徴量を演算する(302) 。ここで演算された
特徴量に基づいて、被測定物の寸法測定方法を選択する
(306) 。すなわち、被測定物に応じて最適な寸法測定方
法を選択するので、正確な測定を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凹部が形成されて
おり、該凹部を挟むようにして高さの異なる凸部が形成
された被測定物の寸法を測定する寸法測定装置及びこの
装置を用いた寸法測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、被測定物に形成された凹凸部
における所望の部位の寸法測定を行うに際して、種々の
方法が提案されている。その一つとして、以下のような
方法がある。
【0003】まず、測定装置に設けられている光源から
被測定物に向かってスリット状の光ビーム(以下、これ
をスリット光という)を所定の角度で照射する。次に、
スリット光が照射された被測定物の被測定面上に映った
輝点の軌跡(以下、これを輝線という)をTVカメラを
用いて撮影し、これより出力されるビデオ信号に基づい
て演算処理を施す。こうして被測定物の表面各点におけ
る座標測定を行い、寸法を測定している。
【0004】このとき、被測定物に対するデータをカメ
ラの走査線数と同じ480個程度の点群データとして取
り扱い、各々のデータに対して演算処理を施すことによ
って被測定物の寸法測定を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、被測定
物に対するデータ量が多いため、演算装置内において複
雑な回帰計算が必要となる。従って、処理に多大な時間
を有すると共に、結果として出力される被測定物の寸法
が実際の寸法と異なる場合があるという問題が生じてい
る。また、被測定物の予め定められている部位を測定す
るには充分であるが、測定部位が複数となった場合には
測定が困難であった。
【0006】本発明は上記事実を考慮して、被測定物の
寸法を簡易な方法で、かつ正確に測定することができる
寸法測定装置及びこの装置を用いた寸法測定方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明は、凹部が形成されており、該
凹部を挟むようにして高さの異なる凸部が形成された被
測定物の寸法を測定する寸法測定装置であって、前記被
測定物の凸部の幅寸法及び凸部の段差寸法の少なくとも
一方を演算する演算手段と、前記演算手段による演算結
果を数値として出力する出力手段と、を有している。
【0008】請求項1に記載の発明によれば、寸法測定
装置には被測定物の寸法を測定するための演算手段が設
けられている。演算手段としては、例えば、CPU、R
OM、RAM等から構成されるマイクロコンピュータを
備えた演算装置等が用いられる。これにより、被測定物
の凸部の段差寸法及び幅寸法の少なくとも一方を演算す
ることができる。
【0009】また、寸法測定装置には演算手段による演
算結果を出力する出力手段が設けられている。出力手段
としては、例えば液晶ディスプレイ等があり、演算結果
すなわち被測定物の寸法を数値として出力する。なお、
出力手段としては液晶ディスプレイ以外にも、音声出力
装置やプリンタ等が用いられる。
【0010】請求項2に記載の発明は、被測定物に形成
された凸部の最高位面と側面とが連続する角部がR形状
である場合に、直線近似を施すことを特徴としている。
【0011】被測定物は、多数のデータによって表現さ
れている。特に、CCDカメラを用いた場合には、カメ
ラの走査線数と同一の480個程度の点群データによっ
て表現される。また、被測定物に形成された凸部の最高
位面と側面とが連続する角部がR形状とされている場合
には、R形状の角部を表現するデータ数は多くなる。そ
こで、請求項2に記載の発明によれば、被測定物のデー
タに対して直線近似を施す。これによって、演算手段に
おける演算処理に用いるデータを減少させることができ
る。従って、演算手段としての演算装置における処理の
負担を軽減させることができる。
【0012】被測定物の角部が図1の点線で示されるよ
うなR形状となっている場合を例として説明する。この
ような形状の被測定物の場合に直線近似を施すと、図1
の実線で示される形状となる。すなわち、被測定物のデ
ータの数個のみを抽出し、それぞれのデータ間を直線で
接続して直線成分(線分L1 〜線分L7 )に置き換えて
いる。
【0013】請求項3に記載の発明は、凹部が形成され
ており、該凹部を挟むようにして高さの異なる1対の凸
部が形成され、かつ1対の凸部の最高位面が凹部の底面
と平行な平面によって形成された被測定物の寸法を測定
する寸法測定装置を用いた寸法測定方法であって、被測
定物に形成された一方の凸部の角部において、凸部の最
高位面の延長線と凸部の側面の延長線との交点及び交差
角度θを求め、前記R形状の角部の接線方向に相当する
交差角度の二等分線を演算した後に、前記二等分線から
最短距離にある該角部のデータを抽出すると共に、該二
等分線から前記データまでの距離Mを記憶しておき、前
記データと凸部の最高位面及び側面の少なくとも3つに
接する円の半径rを式(1) r=Msin(θ/2)/(1−sin(θ/2))・・・(1) によって演算して前記円の中心を求め、前記円の中心か
ら凸部の最高位面へ引いた垂線との交点の座標値、前記
円の中心から凸部の側面へ引いた垂線との交点の座標
値、及び他方の凸部の角部において同様の方法で求めら
れた垂線と最高位面の交点の座標値、側面の交点の座標
値に基づいて、被測定物の寸法を測定することを特徴と
している。
【0014】凹部が形成され、凹部を挟むようにして高
さが異なる1対の凸部が形成された被測定物において、
1対の凸部の最高位面のそれぞれが凹部のX軸方向の基
準面と平行な平面によって形成されている場合がある。
そこで、請求項3に記載の発明によれば、まず、被測定
物に形成された一方の凸部の角部において、凸部の最高
位面の延長線と凸部の側面の延長線との交点及び交差角
度θを求める。さらに、角部の接線方向に相当する延長
線の交差角度の二等分線を演算する。次に、二等分線か
ら最短距離に存在する角部を形成するデータを抽出し、
その距離Mを記憶する。
【0015】続いて、二等分線から最短距離に存在する
データ、凸部の最高位面及び側面の延長線の少なくとも
3つに接する円の半径rを(1)式によって演算する。
さらに、半径rの円の中心を求めると共に、中心から凸
部の最高位面に引いた垂線の交点の座標値を演算する。
これと同様に、他方の凸部のR形状の角部において最高
位面と垂線の交点の座標値を演算する。
【0016】従って、最高位面における交点のY座標値
の差を演算することによって被測定物の凸部の段差寸法
を求めることができ、X座標値の差を演算することによ
って凸部の幅寸法を求めることができる。また、円の中
心から凸部の側面に引いた垂線との交点、及び他方の角
部において同様にして求められる交点の座標値のX座標
値の差を演算することによって被測定物の凸部の幅寸法
を求めることができる。
【0017】請求項4に記載の発明は、第1の面が形成
され、前記第1の面に隣接した凹部、及び前記凹部に隣
接しかつ前記第1の面に対して傾斜する第2の面が形成
された被測定物の寸法を測定する寸法測定装置を用いた
寸法測定方法であって、前記第1の面と前記凹部との境
界点である特徴点を抽出すると共に、前記第2の面を構
成する複数のデータに基づいて近似直線を表す方程式を
演算しかつ前記第2の面と前記凹部との境界点である端
点を抽出した後に、前記特徴点を通りかつ近似直線と直
交する仮想直線を表す方程式を演算し、近似直線と仮想
直線の交点を求め、前記特徴点と交点の座標値、又は前
記端点と交点の座標値に基づいて被測定物の寸法を測定
するを特徴としている。
【0018】X軸方向を基準面とする第1の面が形成さ
れ、この第1の面に隣接して凹部が形成されると共に、
第1の面に対して傾斜する第2の面が形成された被測定
物の寸法測定を行う場合がある。すなわち、この被測定
物の第1の面と第2の面は平行とされていない。そこ
で、請求項4に記載の発明によれば、まず、第1の面の
特徴点を抽出して座標値を演算する。特徴点とは、第1
の面と凹部との境界点である。このとき、第1の面と凹
部とを連続する角部がR形状とされている場合は、この
R形状部分を無視して特徴点を抽出する。次に、第2の
面を形成する複数のデータを近似し、近似直線を表す方
程式を演算する。近似する方法としては、例えば最小二
乗法等を用いることができる。また、必要に応じて第2
の面の端点を抽出し、座標値を演算する。端点とは、凹
部と第2の面の境界点である。この場合も前述した特徴
点と同様に、R形状部分の角部を無視して抽出する。さ
らに、特徴点を通りかつ近似直線に直交する仮想直線を
表す方程式を演算し、近似直線と仮想直線の交点の座標
値を求める。
【0019】続いて、被測定物の段差寸法を求める場合
には、特徴点と交点の座標値に基づいて演算を施す。こ
のとき、特徴点と交点の距離が被測定物の凸部の段差寸
法になる。一方、被測定物の隙間寸法を求める場合に
は、端点と交点の座標値に基づいて演算を施す。これに
より、被測定物の寸法測定を行うことができる。
【0020】請求項5に記載の発明は、第1の面が形成
され、前記第1の面に隣接した凹部、及び前記凹部に隣
接し円弧状の第2の面が形成された被測定物の寸法を測
定する寸法測定装置を用いた寸法測定方法であって、前
記第1の面を構成するデータに基づいて該第1の面を表
す基準直線の方程式を演算し、前記第2の面を構成する
各データから前記基準直線までの距離を演算した後に、
前記第2の面が前記基準直線に対して凹部と反対側に位
置する場合には演算された距離の最大値を抽出し、前記
第2の面が前記基準直線に対して凹部と同じ側に位置す
る場合には演算された距離の最小値を抽出することによ
って被測定物の寸法を測定することを特徴としている。
【0021】X軸方向の基準面と平行な第1の面が形成
され、この第1の面に隣接して凹部が形成されると共
に、円弧状の第2の面が形成された被測定物の寸法を測
定する場合がある。そこで、請求項5に記載の発明によ
れば、まず、第1の面を構成するデータに基づいてこの
第1の面を表す基準直線の方程式を演算する。次に、第
2の面を構成する各データと基準直線との距離を演算す
る。このとき、第2の面が基準直線に対して凹部と反対
側に位置する場合には、演算された距離の最大値を抽出
することによって被測定物の寸法を求めることができ
る。一方、第2の面が基準直線に対して凹部と同じ側に
位置する場合には、演算された距離の最小値を抽出する
ことによって被測定物の寸法を求めることができる。
【0022】なお、例えば演算された基準直線を境界と
する正又は負の符号領域を設定し、この正又は負の符号
を考慮した符号付距離によって被測定物の寸法を測定す
るようにしてもよい。これは、例えば基準直線がY=a
X+bで表されるとき、Y≧aX+bを満たす領域をプ
ラス符号に設定する。一方、Y<aX+bを満たす領域
をマイナス符号に設定する。このようにして基準直線を
境界とする符号領域を設定した後、円弧状の第2の面を
構成する各データから基準直線までの符号付距離をそれ
ぞれ演算する。従って、符号付距離を演算した場合に
は、第2の面が凹部に対するいずれの位置に存在して
も、最大値を抽出することによって被測定物の寸法を求
めることができる。
【0023】請求項6に記載の発明は、凹部が形成され
た被測定物の寸法を測定する寸法測定装置であって、予
め定められた複数のパターンに対応した複数の測定方法
の内、選択された測定方法で前記被測定物の寸法を演算
する演算手段と、前記被測定物のパターンを検出する検
出手段と、前記検出手段によって検出されたパターンに
基づいて、前記演算手段による測定方法を選択する選択
手段と、前記演算手段による演算結果を出力する出力手
段と、を有している。
【0024】請求項6に記載の発明によれば、寸法測定
装置には被測定物の寸法を演算する演算手段が設けられ
ている。この演算手段は、予め定められた複数のパター
ンに対応した測定方法で行うようになっている。また、
寸法測定装置には被測定物のパターンを検出する検出手
段が設けられている。例えば、被測定物の形状によって
パターンを検出する。さらに、寸法測定装置には測定方
法を選択する選択手段が設けられている。この選択手段
では、被測定物のパターンに応じて最適な測定方法を自
動的、あるいは手動で選択する。これにより、被測定物
の形状に応じた最適な測定方法により寸法測定が行われ
るので、正確に被測定物の寸法測定を行うことができ
る。
【0025】請求項7に記載の発明は、前記演算手段に
おける測定方法は、請求項3乃至請求項5のいずれか1
項に記載の寸法測定方法であることを特徴としている。
【0026】請求項7に記載の発明によれば、寸法測定
装置に設けられた演算手段による測定方法は、前述した
寸法測定方法とされている。すなわち、複数の寸法測定
方法が予め記憶されており、被測定物のパターンに応じ
ていずれかの寸法測定方法が実行される。
【0027】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]本第1の実施の形態に係る寸法測
定装置10は、図2に示される形状の被測定物12の寸
法測定を行う。被測定物12は、凹部12Aが形成され
ており、凹部12Aを挟むようにして高さが異なりかつ
角部がR形状とされた1対の凸部12B、12Cが形成
されている。また、寸法測定装置10では、被測定物1
2の凸部12B、12Cの幅寸法W、及び凸部12B、
12Cの最高位面12D、12Eの段差寸法H等を測定
する。
【0028】図2には、本第1の実施の形態に係る寸法
測定装置10及び被測定物12が示されている。被測定
物12の寸法測定を行う場合には、オペレータが寸法測
定装置10のスリット光14の出力/入力面を被測定物
12に対向させて保持するようになっている。
【0029】寸法測定装置10は、略直方体であるケー
シング16によって被覆されている。ケーシング16に
はスリット光14を射出する投光装置18と被測定物1
2の被測定面上に照射されたスリット光14の照射位置
を撮像する受光装置20が備えられている。また、受光
装置20から出力される電気信号に基づいて所望の部位
の寸法測定等を行うための演算装置22が設けられてい
る。
【0030】さらに、スリット光14の出力/入力面と
反対側の面には、寸法測定の開始又は停止を指示するス
イッチ24が設けられていると共に、演算装置22内で
の演算結果、すなわち被測定物12に対する測定値等が
表示される液晶ディスプレイ26が設けられている。こ
の液晶ディスプレイ26には、被測定物12の所望の部
位の寸法、すなわち幅寸法W及び段差寸法H等が数値と
して表示されるようになっている。
【0031】図3には、本第1の実施の形態に係る寸法
測定装置10の詳細構造が示されている。
【0032】投光装置18は、スリット光14を照射す
るために必要な光源としての半導体レーザー28、ビー
ムを収束させるために球面レンズで構成されたコリメー
タレンズ30、及び収束されたビームを一方向に発散さ
せるロッドレンズ32を有している。また、受光装置2
0には、受光レンズ34及び二次元CCDセンサ36が
備えられている。さらに、演算装置22には寸法測定の
開始または停止を指示するためのスイッチ24が接続さ
れている。
【0033】この寸法測定装置10によれば、投光装置
18に設けられているロッドレンズ32から射出された
スリット光14が被測定物12Aの被測定面に照射され
ると、被測定面上には輝点の軌跡13(以下、これを輝
線という)が生じる。被測定面に照射されたスリット光
14は、受光レンズ34を通過して、二次元CCDセン
サ36の受光面に結像される。これより、二次元CCD
センサ36の受光面には、被測定面上の輝線の像35
(以下、これをスリット像という)が結像されることに
なる。また、二次元CCDセンサ36は、スリット像3
5の位置や光強度に応じた電気信号を引き続いて処理が
行われる演算装置22に出力するようになっている。
【0034】演算装置22は、増幅回路(AMP)3
8、アナログデジタル変換器(以下、A/D変換器と称
す)40及びマイクロコンピュータ(以下、マイコンと
称す)42を備えている。増幅回路38の入力端は2次
元CCDセンサ36に接続され、ここから出力された信
号を所定の増幅率で増幅して出力する。また、増幅回路
38の出力端は、A/D変換器40の入力端に接続され
ている。従って、増幅回路38で出力されたデータは、
このA/D変換器40に入力される。さらに、A/D変
換器40の出力端は、マイコン42に接続されている。
マイコン42には、CPU46、ROM48、RAM5
0、及び外部の装置との入出力を行う入出力ポート44
が備えられている。なお、これらはすべてバス52によ
って接続され、データ及びコマンドのやりとりを相互に
行うことができるようになっている。さらに、入出力ポ
ート44にはスリット光14の射出開始または停止を指
示するためのスイッチ24、及び測定結果等を表示する
ための液晶ディスプレイ26が接続されている。
【0035】図4(A)乃至(C)には、二次元CCD
センサ36上に結像されるスリット像35が示されてい
る。また、図4(B)にはスリット像35の拡大図が示
されている。二次元CCDセンサ36に結像されるスリ
ット像35は、通常、カメラの走査線数と同じ480個
程度の点群データによって表されている(図4(B)に
おいては主な点のみ図示)。このデータに対して、前述
した直線近似を施すことによって、図4(C)に示され
るようにデータ数を減少させることができる(図4
(C)においては主な点のみ図示)。すなわち、被測定
物12に関するデータは減少され、スリット像35は線
分60〜84によって表される。
【0036】こうして、被測定物12のデータに対して
直線近似を行い、データ量を減少させた後に演算処理を
施して被測定物12の寸法測定を行うようになってい
る。
【0037】なお、第1の実施の形態におけるスリット
像35の点群データを直線近似して得られた線分60〜
84のうち、線分60〜72(図4(C)参照)は、
(課題を解決するための手段)の項で説明した線分L1
〜L7 (図1参照)と以下の表1に示すように対応す
る。
【0038】
【表1】
【0039】次に、本第1の実施の形態の作用を説明す
る。本第1の実施の形態では、図2に示される被測定物
12の凸部12B、12Cの段差寸法H及び幅寸法Wを
測定する場合を例として説明する。
【0040】まず、オペレータは図2に示されるように
寸法測定装置10のケーシング16内に備えられている
投光装置18から射出されるスリット光14が被測定物
12Aの被測定面に対向するようにして、寸法測定装置
10を手持ちの状態で保持する。
【0041】被測定物12の寸法測定を開始する場合に
は、寸法測定装置10に取り付けられているスイッチ2
4をオンにする。スイッチ24をオンにすることによっ
て、光源である投光装置18からスリット光14が射出
され、被測定物12の被測定面に照射される。これによ
って、被測定面上には輝線13が現れる。被測定面で反
射されたスリット光14は、受光レンズ34を通過して
2次元CCDセンサ36の受光面に被測定面の凹凸に応
じて変化する輝線13の像(スリット像35)として結
像される。さらに、二次元CCDセンサ36はスリット
像35の位置及び光強度に応じた電気信号を演算装置2
2に出力する。
【0042】演算装置22に入力されたスリット像35
の電気信号は、まず増幅回路38によって所定の増幅率
で増幅されてA/D変換器40に入力される。このA/
D変換器40によって所定時間毎にサンプリングされ、
ディジタル信号に変換された後にマイコン42に出力さ
れる。
【0043】ディジタル信号がマイコン42に入力され
ると、これをCPU46が検出するようになっており、
この検出が行われると図5に示される演算ルーチンが実
行される。
【0044】まず、ステップ100において被測定物1
2のデータに対して直線近似を施す。直線近似の詳細に
ついては前述したとおりであるため、ここでの説明は省
略する。
【0045】次のステップ102では、直線近似によっ
て選択されたデータによって生成された線分を予め定め
られた条件に基づくグループ毎に分割する。例えば、被
測定物に対するデータが図4(C)に示されるように、
被測定物の凸部の最高位面に相当する最高位線60、8
4及び凸部の側面に相当する略垂直線66、78を含む
線分60〜84に近似されたとする。このとき、左最端
位置に存在する線分(最高位線)60を基準として線分
62との交差角度θを求める(図6参照)。同様にし
て、線分60と線分64、線分60と略垂直線66(略
垂直線)の順に交差角度θを求める。ここで、交差角度
θが最も小さい線分を境にしてグループを分割する。す
なわち、図4(C)に示されるスリット像35において
は線分60と線分66の交差角度θが最も小さくなる。
このため、線分60〜線分66を第1グループとして分
割する。続いて、グループの境となった線分66を基準
として、線分66と線分68、線分70及び線分72の
順に交差角度θを求める。同様にして最も交差角度θが
小さい線分を境にグループを分割する。従って、図4
(C)に示されるスリット像35においては、線分60
〜線分66によって構成される第1グループ、線分66
〜線分72による第2グループ、線分72〜線分78に
よる第3グループ及び線分78〜線分84による第4グ
ループに分割される。なお、ここで分割されたグループ
の総数をT0 とする。
【0046】ステップ104ではグループを識別する変
数Tに0を代入し、ステップ106において変数Tをイ
ンクリメントする。
【0047】ステップ108では、ステップ102によ
って分割されたグループ毎にその両端に存在する線分を
抽出する。ここでは、図6に示すように第1グループを
例として説明する。従って、第1グループにおいては線
分(最高位線)60と線分(略垂直線)66が抽出され
る。
【0048】さらに、ステップ110では抽出された2
本の線分の交点Pを求め、次のステップ112において
被測定物12のR形状の角部の接線方向に相当する線分
60、66の交差角度α(180°−θ)の二等分線N
を演算する。
【0049】続いて、ステップ114では二等分線Nか
ら最短距離に存在する被測定物12のデータ(点)を抽
出し、その距離Mを記憶する。図6に示されるデータ
(点A〜E)の場合には、データ(点)Cが抽出され
る。
【0050】また、ステップ116では二等分線Nから
最短距離に存在するデータを円周上の一点とし、さらに
線分(最高位線)60と線分(略垂直線)66の延長線
に接する円の半径rを演算する。これは、以下に示す
(1)式によって求めることができる。
【0051】図3に示される三角形POQを基準として
考えると、円の半径rは r=(r+M)sin(θ/2)・・・(2) と表すことができる。二等分線Nから最短距離にあるデ
ータ(点C)までの距離M、及び線分60と線分66の
交差角度θの値は、前述した処理によって予め演算され
ている。従って、上記式を展開すると、 r=rsin(θ/2)+Msin(θ/2)・・・(3) r−rsin(θ/2)=Msin(θ/2)・・・(4) となり、これより半径rを求める式に変形すると以下の
ようになる。
【0052】 r=Msin(θ/2)/(1−sin(θ/2))・・・(1) 続いて、ステップ118において円の中心Oの座標値、
及び円の中心Oから線分60に向かって引いた垂線の交
点Qの座標値を演算する。
【0053】ステップ120では、変数Tとグループの
総数T0 との比較を行う。このステップ120におい
て、変数Tがグループの総数T0 に達していないと判定
された場合には、ステップ106に戻り前述した処理を
繰り返し実行する。一方、ステップ120において変数
Tがグループの総数T0 に達していると判定された場合
は、ステップ122へ移行する。
【0054】ステップ122では、所定範囲内に存在す
る円、すなわち被測定物12の測定部位に応じた円を抽
出する。次のステップ124では、ステップ122にお
いて抽出された円と、この円の中心Oから所定の線分に
向かって引いた垂線との交点Qの座標値に基づいて被測
定物12の凸部12B、12Cの段差寸法H又は幅寸法
Wを演算する。さらに、ステップ126では、ステップ
124における演算結果を液晶ディスプレイ26に表示
する。本第1の実施の形態においては、演算結果が数値
として表示される。このように、液晶ディスプレイ26
に結果が表示されると被測定物12の寸法測定処理が終
了する。
【0055】ここで、ステップ124における演算処理
に関する詳細を図7及び図8を参照して説明する。
【0056】前述したステップ122では、被測定物1
2の測定部位に応じた円が抽出されるようになってい
る。例えば、被測定物12の凸部12B、12Cの段差
寸法H及び幅寸法Wを測定する場合には、図7に示され
る2つの円が抽出される。
【0057】この場合には、図8に示されるフローチャ
ートに従って寸法測定処理が行われる。
【0058】まず、ステップ200では、抽出された一
方の円の中心O1 から被測定物12Aの左側最高位面に
相当する最高位線(図7においては線分60)に向かっ
て引いた垂線との交点Q1 の座標値を読み出す。なお、
交点Q1 の座標値は前述した図5に示されるステップ1
18の処理によって、予め演算されている。また、ステ
ップ202では、他方の円の中心O2 から被測定物12
の右側最高位面に相当する最高位線(図7においては線
分84)に向かって引いた垂線との交点Q2 の座標値を
読み出す。この交点Q2 の座標値も、予め演算によって
求められている。
【0059】続いて、ステップ204では、交点Q1
2 のX座標値の差を演算する。これにより、被測定物
12の凸部12B、12Cの幅寸法Wを求めることがで
きる。また、ステップ206において、交点Q1 、Q2
のY座標値の差を演算する。これによって、被測定物1
2の凸部12B、12Cの段差寸法Hを求めることがで
きる。
【0060】以上説明したように、二次元CCDセンサ
36に結像されたスリット像35に基づくデータを直線
近似してデータ量を減少させることにより、複雑な回帰
計算が不要となる。従って、処理に要する時間を短縮す
ることができると共に、正確に被測定物12の寸法測定
を行うことができる。また、被測定物12に対する複数
の部位(本第1の実施の形態においては、凸部12B、
12Cの段差寸法Hと幅寸法W)の寸法測定を行うこと
ができる。
【0061】なお、本第1の実施の形態では被測定物1
2に形成された凸部12B、12Cの段差寸法H及び幅
寸法Wを測定する例について説明したが、これに限定さ
れるものではない。例えば、図9に示すように凸部12
B、12Cの隙間寸法S及び凹部11の深さ寸法Dを測
定することもできる。
【0062】凸部12B、12Cの隙間寸法Sを測定す
る場合には、円の中心O1 、O2 から凸部12B、12
Cの側面に相当する略垂直線66、78に引いた垂線と
の交点R1 、R2 の座標値を演算し、これらの交点
1 、R2 のX座標値の差を演算することによって求め
ることができる。また、凹部12Aの深さ寸法Dについ
ても、前述した方法と同様にして交点Q1 、Q3 の座標
値を求め、Y座標値の差を演算することによって求める
ことができる。 [第2の実施の形態]次に、第2の実施の形態について
説明する。本第2の実施の形態は、第1の実施の形態と
略同様の構成があるため、同一部分は同一符号を付し、
詳細な説明を省略する。
【0063】本第2の実施の形態では、図2、図10
(A)及び図11(A)に示される被測定物12、1
1、13の寸法測定を行う。なお、図10(A)及び図
11(A)には、寸法測定の対象とされる被測定物1
1、13の一部が示されている。これらの被測定物1
2、11、13には、凹部12Aが形成されている。第
1の実施の形態で述べたように、被測定物12は凹部1
2Aを挟むようにして高さが異なり、かつ角部がR形状
とされた1対の凸部12B、12Cが形成されている
(図2参照)。また、被測定物12は凸部12B、12
Cの最高位面12D、12EがX軸方向の基準面に平行
であり、かつ互いに平行な平面によって形成されてい
る。図10(A)に示されるように、被測定物11は一
方の最高位面11AがX軸方向の基準面と平行な平面と
され、他方の最高位面11Bが一方の最高位面11Aに
対して傾斜するように形成されている。すなわち、被測
定物11の最高位面11A、11Bは互いに平行な平面
とされている。さらに、図11(A)に示されるよう
に、被測定物13は一方の最高位面13Aが上に凸とな
る曲面によって形成され、他方の最高位面13BがX軸
方向の基準面に平行な平面によって形成されている。
【0064】二次元CCDセンサ36には、被測定物の
形状に応じたスリット像が結像される。図2に示される
被測定物12は、図4(A)乃至(C)に示されるスリ
ット像35が結像される。また、図10(A)に示され
る被測定物11の場合には、図10(B)及び(C)に
示されるスリット像37が二次元CCDセンサ36に結
像される。同様に、図11(A)に示される被測定物1
3の場合には、図11(B)及び(C)に示されるスリ
ット像39が結像される。
【0065】次に、図5、及び図12乃至図17を参照
して、本第2の実施の形態の作用を説明する。
【0066】まず、ステップ300において被測定物の
データに対して直線近似を施す。直線近似を施すことに
よってデータ数が減少される。このため、後述する寸法
測定処理(寸法測定Aルーチン、寸法測定Bルーチン及
び寸法測定Cルーチン)において複雑な回帰計算が不要
となり、処理に要する時間を短縮することができる。
【0067】ステップ302では、被測定物の特徴量を
演算する。本第2の実施の形態では、特徴量として被測
定物の最高位面に相当するスリット像上の最高位線の形
状を利用する。次のステップ304では、特徴量が演算
されたか否かを判定する。このステップ304において
特徴量が演算されたと判定された場合には、ステップ3
06で被測定物の形状に応じた寸法測定方法を選択す
る。
【0068】例えば、本第2の実施の形態のように最高
位線の形状を特徴量として測定方法を選択する場合に
は、図13に示されるフローチャートのステップ306
Aからステップ306Cに沿って寸法測定方法を選択す
る。
【0069】ここで、図13に示されるステップ306
Aからステップ306Cについて説明する。但し、図1
2に示されるフローチャートと同一処理については同一
符号を付し、説明を省略する。
【0070】ステップ304において特徴量が演算され
たことが認識されると、ステップ306Aでは特徴量と
しての最高位線が互いに直線であるか否かを判定する。
このステップ306Aにおいて、最高位線が直線である
と判定された場合には、ステップ306Bでこれらの最
高位線が共に平行であるか否かを判定する。ステップ3
06Bにおいて最高位線が平行であると判定された場合
は、寸法測定の対象とされる被測定物が図2に示される
被測定物12であると判断される。この場合には、ステ
ップ308に移行して図5に示される寸法測定Aルーチ
ンが実行される。
【0071】一方、ステップ306Bにおいて最高位線
が平行でないと判定された場合には、ステップ310で
図14に示される寸法測定Bルーチンが実行される。こ
れは、図10(A)に示される被測定物11の寸法測定
を行う場合である。
【0072】さらに、ステップ306Aで最高位線が互
いに直線でないと判定された場合には、ステップ306
Cにおいて最高位線の一方が曲線、他方が直線であるか
否かを判定する。すなわち、図11(A)に示される被
測定物13が寸法測定の対象とされているか否かを判定
する。
【0073】ステップ306Cにおいて、最高位線の一
方が曲線で形成され、他方が直線で形成されていると判
定された場合には、ステップ312で図16に示される
寸法測定Cルーチンが実行される。
【0074】ここで、ステップ308の寸法測定Aルー
チン、ステップ310の寸法測定Bルーチン及びステッ
プ312の寸法測定Cルーチンについて説明する。
【0075】なお、寸法測定Aルーチンについては、第
1の実施の形態で説明したとおりであるのでここでの説
明は省略する。但し、ステップ100は図12及び図1
3におけるステップ300と重複するので、処理を行わ
ずにステップ102から実行する。
【0076】図14及び図15を参照して被測定物12
Bの段差寸法Hの測定方法、すなわち寸法測定Bルーチ
ンについて説明する。
【0077】まず、ステップ400では、一方の最高位
線を構成するデータから特徴点Fを抽出し、座標値を演
算する。この特徴点Fは、最高位線を構成するデータに
おける凹部12Aを構成するデータとの境界点である。
なお、スリット像37には最高位線を構成するデータが
2組存在するが、X軸方向の基準面に平行な最高位面1
1Aに相当する最高位線を構成するデータから特徴点F
を抽出する。次のステップ402では、他方の最高位線
の近似直線Lを表す方程式を演算する。これは、例えば
最高位線を構成するデータに対して最小二乗法等を施す
ことによって求めることができる。また、ステップ40
4においては抽出された特徴点Fを通り、かつ近似直線
Lに直交する仮想直線Kを表す方程式を演算する。
【0078】ここで、例えば特徴点Fの座標を(x1
1 )、近似直線Lを表す方程式をy=ax+b(以
下、これを(5)式とする)としたとき、仮想直線Kを
表す方程式は以下に示す(6)式によって表される。
【0079】
【数1】
【0080】続いて、ステップ406では、近似直線L
と仮想直線Kとの交点Tを抽出し、座標値を演算する。
交点Tの座標値は、以下のようにして求めることができ
る。
【0081】まず、(6)式に(5)式を代入する。
【0082】
【数2】
【0083】上記(7)式をxについて解くと、(8)
式すなわち交点TのX座標値を得ることができる。
【0084】
【数3】
【0085】一方、(8)式を(5)式に代入すること
により、(9)式すなわち交点TのY座標値を得ること
ができる。
【0086】
【数4】
【0087】従って、交点Tの座標値は(8)式及び
(9)式によって求めることができる。
【0088】次のステップ408においては、特徴点F
と交点Tの距離を演算して被測定物11の段差寸法Hを
求める。すなわち、段差寸法Hは以下に示す(10)式
によって求めることができる。
【0089】
【数5】
【0090】さらに、ステップ410では、段差寸法H
の演算結果を液晶ディスプレイ26に表示する。
【0091】以上の処理を行うことにより、被測定物1
1の段差寸法Hを測定することができる(寸法測定Bル
ーチン)。
【0092】続いて、ステップ310の寸法測定Cルー
チン、すなわち図11(A)に示す被測定物13の段差
寸法Hの測定方法を図16及び図17を参照して説明す
る。
【0093】まず、ステップ500では、直線で形成さ
れたスリット像39の最高位線を構成する各データに基
づいて基準直線Jを表す方程式を演算する。このとき、
直線で形成された最高位線は、X軸方向の基準線に平行
とされている。次のステップ502では、基準直線Jを
境界とした符号領域を設定する。これは、例えば基準直
線JがY=aX+bで表されるとき、Y≧aX+bを満
たす領域をプラス符号に設定し、Y<aX+bを満たす
領域をマイナス符号に設定する。次のステップ504で
は、曲線の最高位線を構成する各データから基準直線J
までの距離を演算する。このとき、各データが基準直線
Jを境界とした領域のプラス領域に存在するか、マイナ
ス領域に存在するかに応じて、演算によって求められた
距離の値に符号をつける。こうして符号がつけられた距
離を符号付距離Vとする。例えば、図17に示されるス
リット像39においては、曲線の最高位線を構成する各
データが基準直線Jを境界として定めたプラス領域に存
在する。従って、演算された距離の値にプラス符号をつ
けたものが符号付距離Vである。
【0094】次のステップ506では、ステップ504
によって演算された符号付距離Vの最大値を抽出する。
この符号付距離Vの最大値が被測定物13の段差寸法H
となる。図17に示されるスリット像39においては、
基準直線JとデータB4 の符号付距離Vが最大値とな
る。さらに、ステップ508では、ステップ506にお
いて求められた段差寸法Hを液晶ディスプレイ26に表
示する。
【0095】こうすることによって、被測定物13の段
差寸法Hを測定することができる(寸法測定Cルーチ
ン)。
【0096】一方、図12のステップ304及び図13
のステップ306Cにおいて否定判定された場合には、
ステップ314で液晶ディスプレイ26にエラーである
旨をオペレータに報知して処理を終了する。
【0097】以上説明したように、二次元CCDセンサ
36に結像されたスリット像に基づくデータを直線近似
してデータ量を減少させることにより、複雑な回帰計算
が不要となるので、処理に要する時間を短縮することが
できる。また、被測定物の形状に応じて最適な寸法測定
方法を選択するので、正確に被測定物の寸法を測定する
ことができる。
【0098】また、寸法測定の対象とされる被測定物が
前述した被測定物12、11、13のいずれにも該当し
ない場合には、図12及び図13のステップ314にお
いてエラーが報知される。例えば、図18(A)に示さ
れる被測定物15の寸法測定を行う場合等である。この
被測定物15は、一方の最高位面15AがX軸方向の基
準面に平行な平面によって形成されているが、その一部
が上に凸の円弧状とされている。従って、二次元CCD
センサ36には図18(B)及び(C)に示されるスリ
ット像41が結像される。なお、このスリット像41
は、前述した図10(B)及び(C)に示されるスリッ
ト像37と類似している。このような場合にオペレータ
は、スリット像41における曲線部分を無視して前述し
た寸法測定Bルーチンを実行するように指示する。こう
することにより、図18(A)に示される形状の被測定
物15は、寸法測定Bルーチンを適用して寸法測定を行
うことができる。但し、図14のステップ400では、
被測定物15の最高位線における直線部分と曲線部分と
の境界点を特徴点Fとして抽出する(図19参照)。
【0099】なお、上述したように類似した被測定物1
5の寸法測定を行った場合には、このときの被測定物1
5の形状を記憶しておく。これにより、再度、同一の被
測定物を測定する場合には、エラーが表示されることな
く寸法測定を行うことができる。
【0100】また、本第2実施の形態においては、被測
定物の段差寸法Hを測定する方法について説明したが、
隙間寸法S等を測定することも可能である。例えば、被
測定物11(15)の隙間寸法Sを測定する場合には、
図20に示されるフローチャートに沿って測定する。
【0101】ここで、図20を参照して隙間寸法Sの測
定方法を説明する。なお、図20のフローチャートにお
いて、図14に示されるフローチャートと同一処理につ
いては同一符号を付し、説明を省略する。
【0102】ステップ400において、特徴点Fを抽出
しかつ座標値を演算した後、ステップ420では他方の
最高位線を構成するデータから端点Gを抽出し、座標値
を演算する。端点Gは、他方の最高位線を構成するデー
タのうち、凹部12Aを構成するデータとの境界点であ
る。続いて、ステップ402からステップ406の処理
を行う。その後、次のステップ422では、端点Gと交
点Tの距離を演算する。
【0103】ここで、端点Gの座標値を(x2 ,y2
とすると、隙間寸法Sは以下に示すす式(11)によっ
て求めることができる。
【0104】
【数6】
【0105】これによって、被測定物11(15)の隙
間寸法Sを求めることができる。また、ステップ424
では演算された隙間寸法Sを液晶ディスプレイ26に表
示して処理を終了する。
【0106】さらに、本第2の実施の形態における寸法
測定Cルーチン(図16参照)では、図11(A)に示
される被測定物13の寸法測定を行う場合を説明した
が、被測定物の形状はこれに限定されるものではない。
例えば、図21(A)及び(B)に示されるスリット像
43、45が二次元CCDセンサ36に結像される形状
の被測定物であっても測定可能である。
【0107】例えば、図21(A)に示されるように、
曲線によって構成される最高位線が基準直線Lを基準と
したマイナス領域に存在する場合がある。この場合に
は、基準直線Lから各データまでの距離の最小値が段差
寸法Hとなる。但し、基準直線Lを境界とした符号領域
を設定しているので、符号付距離Vの最大値を抽出する
ことによって段差寸法Hを求める。
【0108】また、本第2の実施の形態においては、被
測定物の最高位面を表す最高位線の形状を特徴量として
利用したが、これに限定されるものではない。例えば、
被測定物の最高位面と凹部の側面とが連続するR形状の
角部の曲率や直線近似を施すことによって生成される複
数の線分によって形成される多角形の面積等を特徴量と
利用してもよい。
【0109】なお、本実施の形態では投光装置18に備
えられたロッドレンズ32を利用することによってスリ
ット状の光を得る例について説明したが、スリット状の
光を得る素子としてはシリンドリカルレンズ、シリンド
リカルミラー等を用いることもできる。また、回転多面
鏡等のレーザービームをスキャンすることによりスリッ
ト状の光を得ることもできる。
【0110】また、本実施の形態においては被測定物に
スリット光を照射して、二次元CCDセンサ36にスリ
ット像が結像される構成となっているが、被測定物に関
するデータを得る手段はこの方法に限定されるものでは
ない。例えば、被測定物に照射するスポット光を走査す
る方法など、他の手段を用いてもよい。
【0111】さらに、被測定物の寸法測定を行うにあた
って、二次元CCDセンサ36に結像されたスリット像
から得られるデータを予め直線近似し、その後に所定の
演算処理を行う方法について説明したが、直線近似を行
わずに演算処理を行ってもよい。ただし、直線近似を施
さない場合にはデータ量が多いため、演算装置22での
演算処理が複雑になり、多大な時間を有することは否め
ない。
【0112】なお、本実施の形態では被測定物の寸法測
定を行った結果を液晶ディスプレイ26に表示する構成
としたが、これに限定されるものではない。例えば、プ
リンタ等により紙等の記憶媒体に印刷することによって
測定結果を出力する方法や、スピーカー等の音声出力装
置によって測定結果を音声出力する方法を採用してもよ
い。
【0113】また、本実施の形態では図示される形状の
被測定物の寸法を測定する場合を説明したが、使用方法
はこれに限るものではない。例えば、寸法測定装置10
を実用化する目的として、乗用車等のドア部分に生じる
段差や隙間等の寸法を測定し、所定の規格に準じている
か否か等を判定するために使用してもよい。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、被
測定物のデータに対して予め直線近似を施した後に演算
処理を行うので、複雑な回帰計算が不要となり、処理に
要する時間を短縮することができる、という優れた効果
を有する。
【0115】また、被測定物の形状に応じて最適な寸法
測定方法を選択するので、被測定物の寸法を正確に測定
することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】直線近似を施した後の被測定物のデータの一部
を示す拡大図である。
【図2】本発明の実施の形態に適用される寸法測定装置
を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態に適用される寸法測定装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図4】(A)は二次元CCDセンサに結像されたスリ
ット像を示す線図であり、(B)はスリット像の拡大図
である。また、(C)は直線近似を施したスリット像を
示す線図である。
【図5】第1の実施の形態に係る寸法測定装置における
寸法測定Aルーチンを示すフローチャートである。
【図6】寸法測定Aルーチンにおける寸法測定の処理過
程を示す概略図である。
【図7】被測定物の測定部位を示す拡大図である。
【図8】第1の実施の形態に係る寸法測定装置の演算ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図9】被測定物の測定部位を示す拡大図である。
【図10】(A)は被測定物の外観図を示しており、
(B)は(A)の被測定物におけるスリット像を示す線
図である。(C)は直線近似を施したスリット像を示す
線図である。
【図11】(A)は一方の最高位面が曲面とされた被測
定物の外観図を示しており、(B)は(A)の被測定物
におけるスリット像を示す線図である。(C)は直線近
似を施したスリット像を示す線図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る寸法測定装
置における寸法測定メインルーチンを示すフローチャー
トである。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る寸法測定装
置における寸法測定メインルーチンを示すフローチャー
トである。
【図14】寸法測定装置における寸法測定Bルーチンを
示すフローチャートである。
【図15】寸法測定Bルーチンにおける寸法測定の処理
過程を示す概略図である。
【図16】寸法測定装置における寸法測定Cルーチンを
示すフローチャートである。
【図17】寸法測定Cルーチンにおける寸法測定の処理
過程を示す概略図である。
【図18】(A)は形状が類似した被測定物の外観図を
示しており、(B)は(A)の被測定物におけるスリッ
ト像を示す線図である。(C)は直線近似を施したスリ
ット像を示す線図である。
【図19】図14に示される被測定物のスリット像を示
す詳細図である。
【図20】被測定物の凸部の隙間寸法を演算する寸法測
定ルーチンを示すフローチャートである。
【図21】(A)及び(B)は形状の異なる被測定物に
おけるスリット像を示す線図である。
【符号の説明】
10 寸法測定装置 12A〜12D 被測定物 22 演算装置(演算手段、検出手段、選択手段) 26 液晶ディスプレイ(出力手段) 35A〜35F スリット像 36 二次元CCDセンサ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹部が形成されており、該凹部を挟むよ
    うにして高さの異なる凸部が形成された被測定物の寸法
    を測定する寸法測定装置であって、 前記被測定物の凸部の幅寸法及び凸部の段差寸法の少な
    くとも一方を演算する演算手段と、 前記演算手段による演算結果を数値として出力する出力
    手段と、 を有する寸法測定装置。
  2. 【請求項2】 被測定物に形成された凸部の最高位面と
    側面とが連続する角部がR形状である場合に、直線近似
    を施すことを特徴とする請求項1記載の寸法測定装置。
  3. 【請求項3】 凹部が形成されており、該凹部を挟むよ
    うにして高さの異なる1対の凸部が形成され、かつ1対
    の凸部の最高位面が凹部の底面と平行な平面によって形
    成された被測定物の寸法を測定する寸法測定装置を用い
    た寸法測定方法であって、 被測定物に形成された一方の凸部の角部において、凸部
    の最高位面の延長線と凸部の側面の延長線との交点及び
    交差角度θを求め、前記R形状の角部の接線方向に相当
    する交差角度の二等分線を演算した後に、前記二等分線
    から最短距離にある該角部のデータを抽出すると共に、
    該二等分線から前記データまでの距離Mを記憶してお
    き、前記データと凸部の最高位面及び側面の少なくとも
    3つに接する円の半径rを式(1) r=Msin(θ/2)/(1−sin(θ/2))・・・(1) によって演算して前記円の中心を求め、前記円の中心か
    ら凸部の最高位面へ引いた垂線との交点の座標値、前記
    円の中心から凸部の側面へ引いた垂線との交点の座標
    値、及び他方の凸部の角部において同様の方法で求めら
    れた垂線と最高位面の交点の座標値、側面の交点の座標
    値に基づいて、被測定物の寸法を測定する寸法測定装置
    を用いた寸法測定方法。
  4. 【請求項4】 第1の面が形成され、前記第1の面に隣
    接した凹部、及び前記凹部に隣接しかつ前記第1の面に
    対して傾斜する第2の面が形成された被測定物の寸法を
    測定する寸法測定装置を用いた寸法測定方法であって、 前記第1の面と前記凹部との境界点である特徴点を抽出
    すると共に、前記第2の面を構成する複数のデータに基
    づいて近似直線を表す方程式を演算しかつ前記第2の面
    と前記凹部との境界点である端点を抽出した後に、前記
    特徴点を通りかつ近似直線と直交する仮想直線を表す方
    程式を演算し、近似直線と仮想直線の交点を求め、前記
    特徴点と交点の座標値、又は前記端点と交点の座標値に
    基づいて被測定物の寸法を測定する寸法測定装置を用い
    た寸法測定方法。
  5. 【請求項5】 第1の面が形成され、前記第1の面に隣
    接した凹部、及び前記凹部に隣接し円弧状の第2の面が
    形成された被測定物の寸法を測定する寸法測定装置を用
    いた寸法測定方法であって、 前記第1の面を構成するデータに基づいて該第1の面を
    表す基準直線の方程式を演算し、前記第2の面を構成す
    る各データから前記基準直線までの距離を演算した後
    に、前記第2の面が前記基準直線に対して凹部と反対側
    に位置する場合には演算された距離の最大値を抽出し、
    前記第2の面が前記基準直線に対して凹部と同じ側に位
    置する場合には演算された距離の最小値を抽出すること
    によって被測定物の寸法を測定する寸法測定装置を用い
    た寸法測定方法。
  6. 【請求項6】 凹部が形成された被測定物の寸法を測定
    する寸法測定装置であって、 予め定められた複数のパターンに対応した複数の測定方
    法の内、選択された測定方法で前記被測定物の寸法を演
    算する演算手段と、 前記被測定物のパターンを検出する検出手段と、 前記検出手段によって検出されたパターンに基づいて、
    前記演算手段による測定方法を選択する選択手段と、 前記演算手段による演算結果を出力する出力手段と、 を有する寸法測定装置。
  7. 【請求項7】 前記演算手段における測定方法は、請求
    項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の寸法測定方法
    であることを特徴とする請求項6記載の寸法測定装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006317288A (ja) * 2005-05-12 2006-11-24 Central Japan Railway Co ボルト高さ測定方法、ボルト緩み判定方法、ボルト高さ測定装置、およびボルト緩み検出装置
JP2008286643A (ja) * 2007-05-17 2008-11-27 Honda Motor Co Ltd センシング方法
JP2011133405A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Hitachi Ltd 2次元光切断法による寸法測定方法および装置
WO2023035533A1 (zh) * 2021-09-13 2023-03-16 广东三姆森科技股份有限公司 一种产品的内部尺寸测量方法及测量装置

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