JPH1036674A - 粉状シリコーン硬化物およびその製造方法 - Google Patents

粉状シリコーン硬化物およびその製造方法

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JPH1036674A
JPH1036674A JP20661696A JP20661696A JPH1036674A JP H1036674 A JPH1036674 A JP H1036674A JP 20661696 A JP20661696 A JP 20661696A JP 20661696 A JP20661696 A JP 20661696A JP H1036674 A JPH1036674 A JP H1036674A
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JP
Japan
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group
organopolysiloxane
molecule
silicon
composition
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Application number
JP20661696A
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English (en)
Inventor
Yoshiji Morita
好次 森田
Masaru Tanaka
賢 田中
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DuPont Toray Specialty Materials KK
Original Assignee
Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的高硬度で凝集性が小さく、有機溶剤や
有機樹脂への分散性が優れ、有機樹脂用改質剤として好
適な粉状シリコーン硬化物、およびこのような特性を有
し、一次粒子の粒度分布が狭い粉状シリコーン硬化物を
効率よく製造する方法を提供する。 【解決手段】 (A)一分子中にケイ素原子結合ヒドロキ
シル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサ
ン、(B)一分子中にケイ素原子結合水素原子を少なくと
も2個有するオルガノポリシロキサン、(C)一分子中に
ケイ素原子結合アルコキシ基を少なくとも3個有するオ
ルガノポリシロキサン、および(D)縮合反応用触媒から
少なくともなる硬化性液状シリコーン組成物を硬化させ
てなる粉状シリコーン硬化物、この硬化性液状シリコー
ン組成物を水中に分散させた状態で硬化させてなること
を特徴とする粉状シリコーン硬化物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉状シリコーン硬
化物およびその製造方法に関し、詳しくは、比較的高硬
度で凝集性が小さく、有機溶剤や有機樹脂への分散性が
優れ、有機樹脂用改質剤として好適な粉状シリコーン硬
化物、およびこのような特性を有し、一次粒子の粒度分
布が狭い粉状シリコーン硬化物を効率よく製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】粉状シリコーン硬化物は、化粧料、塗
料、インキ等の添加剤、熱硬化性有機樹脂、熱可塑性有
機樹脂等の有機樹脂の改質剤として広く使用されてお
り、特に、熱硬化性有機樹脂の硬化物に発生する内部応
力を緩和したり、有機樹脂フィルムに耐ブロッキング性
や表面潤滑性を付与したりするための改質剤として使用
されている。このような粉状シリコーン硬化物として
は、例えば、一分子中にケイ素原子結合ヒドロキシ基を
少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、一分子
中にケイ素原子結合水素原子を少なくとも2個有するオ
ルガノポリシロキサン、および縮合反応用触媒からなる
硬化性液状シリコーン組成物を硬化させてなるもの(特
開昭63−202658号公報参照)、一分子中にケイ
素原子結合ヒドロキシ基を少なくとも2個有するオルガ
ノポリシロキサン、一分子中にケイ素原子結合水素原子
を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、アル
コール性水酸基を有するオルガノシランもしくはその部
分加水分解物、および縮合反応用触媒からなる硬化性液
状シリコーン組成物を硬化させてなるもの(特開平3−
250050号公報参照)、分子鎖両末端にケイ素原子
結合ヒドロキシ基を有するジオルガノポリシロキサン、
一分子中にケイ素原子結合水素原子を少なくとも3個有
するオルガノポリシロキサン、オルガノポリシロキサン
により加熱処理された疎水性シリカ、および縮合反応用
触媒からなる硬化性液状シリコーン組成物を硬化させて
なるもの(特開平4−168117号公報参照)が知ら
れており、また、このような粉状シリコーン硬化物を製
造する方法としては、これらの硬化性液状シリコーン組
成物を硬化させた後、グラインダーにより微粉砕する方
法、これらの硬化性液状シリコーン組成物を熱気中に噴
霧した状態で硬化させる方法、さらには、これらの硬化
性液状シリコーン組成物を水中に分散させた状態で硬化
させる方法が知られている(特開昭63−202658
号公報、特開平3−250050号公報、および特開平
4−168117号公報参照)。
【0003】しかし、これらの粉状シリコーン硬化物
は、比較的低硬度で凝集性が大きく、有機溶剤や有機樹
脂への分散性が乏しいという問題があった。このため、
これらの粉状シリコーン硬化物は有機樹脂用改質剤とし
ての特性を十分に発揮できないという問題があった。ま
た、これらの粉状シリコーン硬化物を製造する方法で
は、このような特性を有し、一次粒子の粒度分布が狭い
粉状シリコーン硬化物を効率よく製造できないという問
題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達
した。すなわち、本発明の目的は、比較的高硬度で凝集
性が小さく、有機溶剤や有機樹脂への分散性が優れ、有
機樹脂用改質剤として好適な粉状シリコーン硬化物、お
よびこのような特性を有し、一次粒子の粒度分布が狭い
粉状シリコーン硬化物を効率よく製造する方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の粉状シリコーン
硬化物は、(A)一分子中にケイ素原子結合ヒドロキシ基
を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、(B)
一分子中にケイ素原子結合水素原子を少なくとも2個有
するオルガノポリシロキサン、(C)一分子中にケイ素原
子結合アルコキシ基を少なくとも3個有するオルガノポ
リシロキサン、および(D)縮合反応用触媒から少なくと
もなる硬化性液状シリコーン組成物を硬化させてなるこ
とを特徴とする。また、本発明の粉状シリコーン硬化物
の製造方法は、(A)一分子中にケイ素原子結合ヒドロキ
シ基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、
(B)一分子中にケイ素原子結合水素原子を少なくとも2
個有するオルガノポリシロキサン、(C)一分子中にケイ
素原子結合アルコキシ基を少なくとも3個有するオルガ
ノポリシロキサン、および(D)縮合反応用触媒から少な
くともなる硬化性液状シリコーン組成物を水中に分散さ
せた状態で硬化させてなることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】はじめに、本発明の粉状シリコー
ン硬化物を詳細に説明する。本発明の粉状シリコーン硬
化物は比較的高硬度のゴム状もしくはレジン状であり、
好ましくはゴム状である。また、この形状としては、球
状、偏平状、不定形状が例示され、好ましくは、球状で
ある。また、この平均粒子径としては、0.1〜500
μmであることが好ましく、特に、0.1〜200μm
であることが好ましい。これは、この平均粒子径がこの
範囲より大きくなると、有機溶剤や有機樹脂への分散性
が低下したり、有機樹脂用改質剤としての効果を十分に
発揮しなくなる傾向があるためであり、一方、この範囲
より小さくなると、取扱作業性が低下する傾向があるか
らである。
【0007】この粉状シリコーン硬化物としては、例え
ば、(A)一分子中にケイ素原子結合ヒドロキシ基を少な
くとも2個有するオルガノポリシロキサン、(B)一分子
中にケイ素原子結合水素原子を少なくとも2個有するオ
ルガノポリシロキサン、(C)一分子中にケイ素原子結合
アルコキシ基を少なくとも3個有するオルガノポリシロ
キサン、および(D)縮合反応用触媒から少なくともなる
硬化性液状シリコーン組成物を分散させた状態で硬化さ
せてなるものである。
【0008】(A)成分のオルガノポリシロキサンは、こ
の組成物の主剤であり、一分子中にケイ素原子結合ヒド
ロキシ基を少なくとも2個有することを特徴とする。こ
の分子構造としては、直鎖状、一部分枝を有する直鎖
状、分枝鎖状、網状、環状が例示され、特に、分子鎖両
末端がヒドロキシ基で封鎖された直鎖状のジオルガノポ
リシロキサンであることが好ましい。また、このケイ素
原子に結合する有機基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基等のアルキル基;ビニル基、アリ
ル基等のアルケニル基;フェニル基等のアリール基;ベ
ンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;シクロペン
チル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;3−
クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル
基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の
一価炭化水素基が例示される。また、この25℃におけ
る粘度としては、5〜1,000,000センチポイズ
であることが好ましく、さらには、5〜10,000セ
ンチポイズであることが好ましく、特には、5〜1,0
00センチポイズであることが好ましい。これは、この
粘度がこの範囲より大きくなると、この組成物を分散さ
せた状態で硬化させたり、得られる粉状シリコーン硬化
物の平均粒子径を調節することが困難となる傾向がある
ためであり、一方、この範囲より小さくなると、取扱作
業性が低下する傾向があるためである。また、この重合
度としては、比較的高硬度の粉状シリコーン硬化物を得
ることができることから、100以下であることが好ま
しく、特に、50以下であることが好ましい。
【0009】(B)成分のオルガノポリシロキサンは、こ
の組成物の架橋剤であり、一分子中にケイ素原子結合水
素原子を少なくとも2個有することを特徴とする。この
分子構造としては、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、
分枝鎖状、網状、環状が例示される。また、このケイ素
原子に結合する有機基としては、上記(A)成分のケイ素
原子に結合する有機基と同様の基が例示される。また、
この25℃における粘度としては、1〜100,000
センチポイズであることが好ましく、さらには、1〜
1,000センチポイズであることが好ましく、特に
は、1〜500センチポイズであることが好ましい。こ
れは、この粘度がこの範囲より大きくなると、この組成
物を分散させた状態で硬化させたり、得られる粉状シリ
コーン硬化物の平均粒子径を調節することが困難となる
傾向があるためであり、一方、この範囲より小さくなる
と、取扱作業性が低下する傾向があるためである。ま
た、この重合度としては、比較的高硬度の粉状シリコー
ン硬化物を得ることができることから、100以下であ
ることが好ましい。
【0010】(B)成分の配合量としては、この組成物の
硬化に十分な量であればよく、例えば、(A)成分100
重量部に対して0.1〜80重量部であることが好まし
く、特に、1〜50重量部であることが好ましい。これ
は、この配合量がこの範囲より多くなると、得られる粉
状シリコーン硬化物の機械的強度が低下する傾向があ
り、一方、この範囲より少なくなると、この組成物が十
分に硬化しなくなる傾向があるためである。
【0011】(C)成分のオルガノポリシロキサンは、こ
の組成物を硬化して得られる粉状シリコーン硬化物の凝
集性を低下させたり、また、これに硬さを付与したりし
て、有機溶剤や有機樹脂への分散性を向上させ、有機樹
脂改質剤としての効果を十分に発揮させるための成分で
あり、一分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を少なく
とも3個有することを特徴とする。このケイ素原子結合
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基が例示され、上記(A)成分中のケイ素原子結合
ヒドロキシ基との反応性が良好であることから、メトキ
シ基であることが好ましい。この分子構造としては、直
鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、網状、環状
が例示され、特に、直鎖状であることが好ましい。ま
た、この25℃における粘度としては、1〜100,0
00センチポイズであることが好ましく、さらには、1
〜1,000センチポイズであることが好ましく、特に
は、1〜500センチポイズであることが好ましい。こ
れは、この粘度がこの範囲より大きくなると、この組成
物を分散させた状態で硬化させたり、得られる粉状シリ
コーン硬化物の平均粒子径を調節することが困難となる
傾向があるためであり、一方、この範囲より小さくなる
と、取扱作業性が低下する傾向があるためである。ま
た、この重合度としては、比較的高硬度の粉状シリコー
ン硬化物を得ることができることから、100以下であ
ることが好ましく、特に、5〜50であることが好まし
い。
【0012】このような(C)成分としては、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシ
シラン等のテトラアルコキシシランを部分加水分解およ
び縮合反応して得られるアルコキシ基を有するオルガノ
ポリシロキサン、式: −R1−SiR2 a(OR3)(3-a) で表されるアルコキシシリルアルキル基を有するオルガ
ノポリシロキサンが例示され、特に、比較的高硬度で凝
集性が小さく、有機溶剤や有機樹脂への分散性が優れ、
一次粒子の粒度分布が狭い粉状シリコーン硬化物を調製
できることから、アルコキシシリルアルキル基を有する
オルガノポリシロキサンであることが好ましい。上式中
のR1はアルキレン基であり、エチレン基、プロピレン
基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基が例示さ
れる。また、上式中のR2は脂肪族炭素−炭素不飽和結
合を有しない一価炭化水素基であり、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;フェニル基
等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラル
キル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシク
ロアルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−ト
リフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の置
換もしくは非置換の一価炭化水素基が例示される。ま
た、上式中のR3はアルキル基であり、メチル基、エチ
ル基、プロピル基が例示される。また、上式中のaは0
または1である。このようなアルコキシシリルアルキル
基としては、トリメトキシシリルエチル基、メチルジメ
トキシシリルエチル基、トリエトキシシリルエチル基が
例示され、特に、トリメトキシシリルエチル基であるこ
とが好ましい。
【0013】このようなアルコキシシリルアルキル基を
有するオルガノポリシロキサンの分子構造としては、直
鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、網状、環状
が例示され、特に、直鎖状であることが好ましい。この
直鎖状のオルガノポリシロキサンとしては、一般式:
【化1】 {式中、R4は一価炭化水素基であり、R5は水素原子、
一価炭化水素基、または一般式: −R1−SiR2 a(OR3)(3-a) (式中、R1はアルキレン基であり、R2は脂肪族炭素−
炭素不飽和結合を有しない一価炭化水素基であり、R3
はアルキル基であり、aは0または1である。)で表さ
れるアルコキシシリルアルキル基であり、但し、一分子
中の少なくとも1個のR5はこのアルコキシシリルアル
キル基であり、mは正の整数である。}で表されるオル
ガノポリシロキサンが例示される。このようなオルガノ
ポリシロキサンとしては、一般式:
【化2】 (式中、mは正の整数である。)で表されるオルガノポ
リシロキサン、一般式:
【化3】 (式中、mは正の整数であり、nは正の整数である。)
で表されるオルガノポリシロキサン、一般式:
【化4】 (式中、mは正の整数であり、nは正の整数である。)
で表されるオルガノポリシロキサン、一般式:
【化5】 (式中、mは正の整数である。)で表されるオルガノポ
リシロキサン、一般式:
【化6】 (式中、mは正の整数であり、nは正の整数である。)
で表されるオルガノポリシロキサン、およびこれらのオ
ルガノポリシロキサン中のメチル基の一部をメチル基以
外のアルキル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオ
ロプロピル基に置換したオルガノポリシロキサンが例示
され、特に、高硬度で平均粒子径が小さい粉状シリコー
ン硬化物を得ることができることから、一般式:
【化7】 (式中、mは正の整数であり、nは正の整数である。)
で表されるオルガノポリシロキサンであることが好まし
い。
【0014】(C)成分の配合量は任意であり、例えば、
(A)成分100重量部に対して1〜100重量部である
ことが好ましく、特に、5〜50重量部であることが好
ましい。これは、(C)成分の配合量がこの範囲より多く
なると、得られる粉状シリコーン硬化物の機械的強度が
低下する傾向があり、一方、この範囲より少なくなる
と、比較的高硬度で凝集性が小さい粉状シリコーン硬化
物を得ることが困難となる傾向があるためである。
【0015】(D)成分の縮合反応用触媒は、(A)成分中
のケイ素原子結合ヒドロキシ基と(B)成分中のケイ素原
子結合水素原子との縮合反応、さらには(A)成分中のケ
イ素原子結合ヒドロキシ基と(C)成分中のケイ素原子結
合アルコキシ基との縮合反応を促進して、この組成物を
硬化させるための成分である。(D)成分の触媒として
は、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテー
ト、オクテン酸錫、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチ
ル錫ジラウレート、ラウリン酸錫、スタノオクテン酸第
2鉄、オクテン酸鉛、ラウリン酸鉛、オクテン酸亜鉛等
の有機酸金属塩;テトラブチルチタネート、テトラプロ
ピルチタネート、ジブトキシチタンビス(エチルアセト
アセテート)等のチタン酸エステル;n−ヘキシルアミ
ン、グアニジン等のアミン化合物またはこの塩酸塩;塩
化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフ
ィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金のジ
ケトン錯体等の白金系化合物が例示され、これらの縮合
反応が迅速に進行することから、有機酸金属塩、チタン
酸エステルであることが好ましい。
【0016】(D)成分の配合量は、この組成物の硬化に
十分な量であればよく、例えば、(D)成分として有機金
属酸塩、チタン酸エステル、アミン化合物またはこの塩
酸塩を用いる場合には、(A)成分100重量部に対して
0.001〜10重量部であることが好ましく、特に、
0.05〜5重量部であることが好ましく、また、(D)
成分として白金系化合物を用いる場合には、(A)成分に
対して、この化合物中の白金金属が重量単位で0.1〜
1,000ppmとなる量であることが好ましく、特
に、1〜500ppmとなる量であることが好ましい。
【0017】さらに、この組成物には、その他任意の成
分として、この組成物の流動性を調節したり、得られる
粉状シリコーン硬化物の機械的強度を向上させるために
各種の充填剤を配合することができる。この充填剤とし
ては、沈澱シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、ヒ
ュームド酸化チタン等の補強性充填剤;粉砕石英、ケイ
藻土、アルミノケイ酸、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシ
ウム、等の非補強性充填剤が例示される。これらの充填
剤は、これらの表面を予めヘキサメチルジシラザン、ト
リメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチ
ルハイドロジェンポリシロキサン等の有機ケイ素化合物
により処理したものを用いてもよい。また、これらの充
填剤を単独で用いてもよく、さらに、これらの充填剤を
二種以上混合して用いてもよい。さらに、得られる粉状
シリコーン硬化物に有機樹脂への反応性を付与する目的
で、各種の有機官能基を有するシラン化合物もしくはそ
の部分加水分解物を配合することができる。このシラン
化合物もしくはその部分加水分解物としては、3−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3
−メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
ス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセト
キシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、およびこ
れらのシラン化合物の部分加水分解物が例示される。こ
れらのシラン化合物およびこれらのシラン化合物の部分
加水分解物を単独で用いてもよく、また、これらシラン
化合物もしくはこれらのシラン化合物の部分加水分解物
を二種以上混合して用いてもよい。
【0018】この組成物を調製する方法は限定されず、
例えば、(A)成分〜(D)成分、およびその他任意の成分
をプラネタリミキサー、ヘンシェルミキサー、ホバート
ミキサー、スタティクミキサー等の公知の攪拌装置によ
り混合する方法が挙げられる。そして、この組成物を分
散させた状態で硬化させる方法としては、例えば、この
組成物を熱気中に噴霧した状態で硬化させる方法、この
組成物を水中に分散させた状態で硬化させる方法が挙げ
られ、特に、粒子形状が球状であり、粒度分布の狭い粉
状シリコーン硬化物を形成することができることから、
後者の方法であることが好ましい。すなわち、本発明の
粉状シリコーン硬化物の製造方法は後者の方法に関す
る。
【0019】本発明の粉状シリコーン硬化物の製造方法
を詳細に説明する。本発明の粉状シリコーン硬化物の製
造方法は、上記の硬化性液状シリコーン組成物を水中に
分散させた状態で硬化させることを特徴とする。この組
成物については前述の通りである。この組成物を水中に
分散させる方法としては、例えば、上記の(A)成分〜
(D)成分を各々水中に分散させた後、これらの水分散液
を混合する方法;予め(A)成分〜(C)成分を混合した物
を水中に分散させた後、この水分散液に(D)成分を混合
する方法、予め(A)成分〜(D)成分を混合して硬化性液
状シリコーン組成物を調製した後、この組成物を水中に
分散させる方法が挙げられ、特に、後2者の方法である
ことが好ましい。
【0020】予め(A)成分〜(D)成分を混合して硬化性
液状シリコーン組成物を調製する場合には、この組成物
を−60〜5℃、特に、−30〜0℃で調製することが
好ましい。これは、この温度以上でこの組成物を調製す
ると、この組成物の硬化反応が進行し、この組成物を水
中に分散させることが困難となる傾向があり、一方、こ
の温度以下でこの組成物を調製することが困難となる傾
向があるためである。
【0021】この組成物を水中に分散させる方法として
は、この組成物を強制的に水中に分散させる方法、この
組成物を界面活性剤により水中に分散させる方法が挙げ
られ、特に、平均粒子径が小さく、粒度分布の狭い粉状
シリコーン硬化物を得ることができることから、後者の
方法であることが好ましい。この際、水としては純水を
用いることが好ましく、また、この界面活性剤として
は、アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれのも
のを用いることができるが、この組成物の硬化性を損な
わないことから、ノニオン系界面活性剤であることが好
ましい。この界面活性剤の配合量は、この組成物100
重量部に対して0.1〜30重量部であることが好まし
い。
【0022】この組成物を水中に分散させる際、この組
成物が水中に分散する前にこの組成物の硬化が進行する
ことを防止するために、この水の温度を0〜25℃に調
節しておくことが好ましい。この組成物を水中に分散さ
せるためにはホモミキサー、ホモジナイザー、コロイド
ミル等の公知の乳化機を用いることができる。
【0023】この組成物を硬化させる条件は限定され
ず、この組成物を水中に分散させた状態で室温放置した
り、また、この水分散液を加熱したり、分散液を熱水と
混合したり、この水分散液を熱風と接触させたりするこ
とにより、この組成物の硬化を促進することができ、さ
らに、後述する水の除去工程において加熱等の手段をと
る場合には、この加熱により十分に硬化させることもで
きる。
【0024】このようにして、粉状シリコーン硬化物の
水分散液を形成した後、この水分散液から水を除去する
ことにより粉状シリコーン硬化物を得ることができる。
この水分散液から水を除去する方法としては、例えば、
オーブンや熱風乾燥機による加熱乾燥、真空乾燥機によ
る乾燥、風乾、さらには、アルコール等の有機溶剤に置
換した後、これらの乾燥を行う方法が挙げられる。
【0025】また、この粉状シリコーン硬化物の分散性
を向上させるために、この表面にコロイダルシリカ等の
金属酸化物ゾルや煙霧状シリカ等の金属酸化物微粒子を
被覆することができる。この方法としては、例えば、硬
化性液状シリコーン組成物の水分散液にこれらの金属酸
化物ゾルや金属酸化物微粒子を混合した後、この組成物
を硬化したり、また、粉状シリコーン硬化物の水分散液
中にこれらの金属酸化物ゾルや金属酸化物微粒子を混合
したりして、次いで、これらの粉状シリコーン硬化物の
水分散液から水を除去することにより調製する方法が挙
げられる。
【0026】本発明の粉状シリコーン硬化物は、比較的
高硬度で凝集性が小さく、有機溶剤や有機樹脂への分散
性が優れているので、例えば、化粧料、塗料、インクの
添加剤や熱硬化性有機樹脂、熱可塑性有機樹脂等の有機
樹脂用改質剤として有用であり、特に、有機樹脂用改質
剤として好適である。この熱硬化性有機樹脂としては、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、アル
キッド樹脂、フッ素樹脂、天然ゴム、ポリクロロプロピ
レンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、
ポリウレタンゴム、ブタジエン−アクリロニトリル共重
合ゴム、ポリエステルゴム、ポリサルサイドゴム、フッ
素ゴムが例示される。また、熱可塑性有機樹脂として
は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオ
レフィン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ト樹脂、ポイリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ水素
加キシレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂が例
示される。これらの有機樹脂に本発明の粉状シリコーン
硬化物を添加すると、これらの有機樹脂に剥離性、撥水
性、艶消し、耐ブロッキング性、潤滑性、内部応力緩和
性等を付与することができる。これらの有機樹脂に対す
る本発明の粉状シリコーン硬化物の添加量としては、有
機樹脂100重量部に対して0.01〜50重量部であ
ることが好ましく、特に、0.1〜20重量部であるこ
とが好ましい。
【0027】
【実施例】本発明の粉状シリコーン硬化物およびその製
造方法を実施例により詳細に説明する。なお、実施例中
の粘度は25℃において測定した値である。また、粉状
シリコーン硬化物の硬度、平均粒子径、凝集性、有機溶
剤や有機樹脂への分散性は次のようにして測定した。 [粉状シリコーン硬化物の硬度]硬化性液状シリコーン
組成物を脱泡した後、25℃に約1日間放置して厚さ約
1mmのシリコーン硬化物を形成した。この硬化物の硬
度をウォーレス微小硬度計(H.W.Wallace
社)により測定した。 [粉状シリコーン硬化物の平均粒径A(μm)、粒度]粉
状シリコーン硬化物をメタノール中に分散させた後、こ
のメタノール分散液をレーザー回折式粒度分布測定機
(堀場製作所製のLA500)により、この硬化物の粒
子径を測定し、この平均粒子径(メタノール中での体積
平均粒子径)、および、この粒子径が10μm以上であ
る粒子の含有率(体積%)を求めた。また、この方法に
よると、粉状シリコーン硬化物の一次粒子径以外にも、
メタノールに分散しにくい二次凝集粒子の粒子径も測定
することができるので、この硬化物のメタノールに対す
る分散性も評価した。 [粉状シリコーン硬化物の平均粒径B(μm)]ガラス板
に粉状シリコーン硬化物を擦りつけて薄く広げることに
より、この二次凝集粒子を一次粒子とした後、これを画
像処理装置と連動した拡大倍率600倍の光学顕微鏡に
より、この硬化物の平均粒子径(数平均粒子径)を測定
した。
【0028】[粉状シリコーン硬化物の熱硬化性有機樹
脂への分散性、内部応力緩和性効果付与の有無]オルソ
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点60℃、
エポキシ当量220)75重量部、フェノールノボラッ
ク樹脂(軟化点80℃、水酸基当量100)35重量
部、粉状シリコーン硬化物20重量部、溶融石英粉末2
60重量部、カルナバウワックス1重量部、3−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン1重量部、およびト
リフェニルホスフィン0.6重量部を均一に混合し、こ
れを90℃の加熱ロールでさらに混練した後、冷却して
熱硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。この熱硬化性
エポキシ樹脂組成物を粉砕し、175℃、70kgf/
cm2で3分間トランスファー成形した後、さらに18
0℃で3時間ポストキュアしてエポキシ樹脂硬化物を作
成した。このエポキシ樹脂硬化物を破断し、その断面を
走査型電子顕微鏡で観察し、粉状シリコーン硬化物が全
く凝集していない場合を◎、この硬化物の0〜10%が
凝集している場合を○、この硬化物の10〜50%が凝
集している場合を△、この硬化物の50%以上が凝集し
ている場合を×として示した。また、この熱硬化性エポ
キシ樹脂組成物を用いて、36mm×36mm×2mm
のエポキシ樹脂封止型半導体装置を20個作成した。こ
の半導体装置を5分間隔で−196℃と150℃に切り
替える操作を1サイクルとするヒートサイクル試験機で
150サイクル試験を行った。試験後のエポキシ樹脂封
止型半導体装置を実体顕微鏡により観察して、表面にク
ラックが発生している半導体装置が5個以下である場合
を○、これが6〜10個である場合を△、これが11個
以上である場合を×として示した。
【0029】[粉状シリコーン硬化物の熱可塑性有機樹
脂への分散性、耐ブロッキング性効果付与の有無]ポリ
プロピレン樹脂(住友化学工業株式会社製の住友ノーブ
レンFK145)100重量部、粉状シリコーン硬化物
2重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
0.1重量部、およびステアリン酸カルシウム0.01
重量部をヘンシェルミキサーで均一に混合した後、これ
を210℃で溶融混練してポリプロピレン樹脂組成物を
調製した。このポリプロピレン樹脂組成物を220℃で
射出成形しながら、ロールによりフィルムに成形しなが
ら150℃で二軸延伸して、厚さ20μmのフィルムを
作成した。このフィルムを2枚重ねたときの曇り度をA
STM D 1003に規定した方法に準じて測定し
た。また、このフィルムを重なる面積を1cm×1cm
とし、これに1kgfの加重をかけて1日間放置した。
その後、このフィルムを剥離試験して、この最大剥離強
度を測定した。
【0030】[実施例1]粘度が50センチポイズであ
る分子鎖両末端ヒドロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサ
ン(重合度=12)100重量部、粘度が20センチポ
イズである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチ
ルハイドロジェンポリシロキサン(重合度=40)20
重量部、および粘度が15センチポイズである、平均
式:
【化8】 で表されるオルガノポリシロキサン30重量部を均一に
混合したものを−5℃に冷却し、これにオクチル酸錫
1.0重量部をすばやく混合して硬化性液状シリコーン
組成物を調製した。この硬化性液状シリコーン組成物
を、ポリオキシエチレンノニルフェニールエーテル(H
LB=13.1)10重量部と純水120重量部との水
溶液(約5℃)に混合しつつ、ホモジナイザーを通した
ものを、さらに純水240部に混合して硬化性液状シリ
コーン組成物のエマルジョンを調製した。このエマルジ
ョンを室温で1日放置した後、300℃の熱風乾燥機に
より水分を除去して、球状の粉状シリコーン硬化物を調
製した。この粉状シリコーン硬化物の特性を表1に示し
た。
【0031】[実施例2]粘度が50センチポイズであ
る分子鎖両末端ヒドロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサ
ン(重合度=12)100重量部、粘度が20センチポ
イズである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチ
ルハイドロジェンポリシロキサン(重合度=40)20
重量部、および粘度が20センチポイズである、平均
式:
【化9】 で表されるオルガノポリシロキサン25重量部を均一に
混合したものを−5℃に冷却し、これにジブチル錫ジラ
ウレート2.0重量部をすばやく混合して硬化性液状シ
リコーン組成物を調製した。この硬化性液状シリコーン
組成物を、ポリオキシエチレンノニルフェニールエーテ
ル(HLB=13.1)10重量部と純水120重量部
との水溶液(約5℃)に混合しつつ、ホモジナイザーを
通したものを、さらに純水240部に混合して硬化性液
状シリコーン組成物のエマルジョンを調製した。このエ
マルジョンを室温で1日放置した後、300℃の熱風乾
燥機により水分を除去して、球状の粉状シリコーン硬化
物を調製した。この粉状シリコーン硬化物の特性を表1
に示した。
【0032】[実施例3]粘度が50センチポイズであ
る分子鎖両末端ヒドロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサ
ン(重合度=12)100重量部、粘度が20センチポ
イズである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチ
ルハイドロジェンポリシロキサン(重合度=40)20
重量部、および粘度が40センチポイズである、平均
式:
【化10】 で表されるオルガノポリシロキサン25重量部を均一に
混合したものを−5℃に冷却し、これにオクチル酸錫
1.0重量部をすばやく混合して硬化性液状シリコーン
組成物を調製した。この硬化性液状シリコーン組成物
を、ポリオキシエチレンノニルフェニールエーテル(H
LB=13.1)10重量部と純水120重量部との水
溶液(約5℃)に混合しつつ、ホモジナイザーを通した
ものを、さらに純水240部に混合して硬化性液状シリ
コーン組成物のエマルジョンを調製した。このエマルジ
ョンを室温で1日放置した後、300℃の熱風乾燥機に
より水分を除去して、球状の粉状シリコーン硬化物を調
製した。この粉状シリコーン硬化物の特性を表1に示し
た。
【0033】[比較例1]粘度が50センチポイズであ
る分子鎖両末端ヒドロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサ
ン(重合度=12)100重量部、および粘度が20セ
ンチポイズである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封
鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度=4
0)20重量部を均一に混合したものを−5℃に冷却
し、これにオクチル酸錫1.0重量部をすばやく混合し
て硬化性液状シリコーン組成物を調製した。この硬化性
液状シリコーン組成物を、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニールエーテル(HLB=13.1)10重量部と純
水120重量部との水溶液(約5℃)に混合しつつ、ホ
モジナイザーを通したものを、さらに純水240部に混
合して硬化性液状シリコーン組成物のエマルジョンを調
製した。このエマルジョンを室温で1日放置した後、3
00℃の熱風乾燥機により水分を除去して、球状の粉状
シリコーン硬化物を調製した。この粉状シリコーン硬化
物の特性を表1に示した。
【0034】[比較例2]粘度が50センチポイズであ
る分子鎖両末端ヒドロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサ
ン(重合度=12)100重量部、粘度が20センチポ
イズである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチ
ルハイドロジェンポリシロキサン(重合度=40)20
重量部、およびメチルトリメトキシシラン20重量部を
均一に混合したものを−5℃に冷却し、これにオクチル
酸錫1.0重量部をすばやく混合して硬化性液状シリコ
ーン組成物を調製した。この硬化性液状シリコーン組成
物を、ポリオキシエチレンノニルフェニールエーテル
(HLB=13.1)10重量部と純水120重量部と
の水溶液(約5℃)に混合しつつ、ホモジナイザーを通
したものを、さらに純水240部に混合して硬化性液状
シリコーン組成物のエマルジョンを調製した。このエマ
ルジョンを室温で1日放置した後、300℃の熱風乾燥
機により水分を除去して、球状の粉状シリコーン硬化物
を調製した。この粉状シリコーン硬化物の特性を表1に
示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明の粉状シリコーン硬化物は、比較
的高硬度で凝集性が小さく、有機溶剤や有機樹脂への分
散性が優れ、有機樹脂用改質剤として好適であるという
特徴がある。また、本発明の粉状シリコーン硬化物の製
造方法は、このような特性を有し、一次粒子の粒度分布
が狭い粉状シリコーン硬化物を効率よく製造することが
できるという特徴がある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一分子中にケイ素原子結合ヒドロキ
    シ基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、
    (B)一分子中にケイ素原子結合水素原子を少なくとも2
    個有するオルガノポリシロキサン、(C)一分子中にケイ
    素原子結合アルコキシ基を少なくとも3個有するオルガ
    ノポリシロキサン、および(D)縮合反応用触媒から少な
    くともなる硬化性液状シリコーン組成物を硬化させてな
    る粉状シリコーン硬化物。
  2. 【請求項2】 (C)成分が、一分子中にケイ素原子結合
    の一般式: −R1−SiR2 a(OR3)(3-a) (式中、R1はアルキレン基であり、R2は脂肪族炭素−
    炭素不飽和結合を有しない一価炭化水素基であり、R3
    はアルキル基であり、aは0または1である。)で表さ
    れるアルコキシシリルアルキル基を少なくとも1個有す
    るオルガノポリシロキサンであることを特徴とする、請
    求項1記載の粉状シリコーン硬化物。
  3. 【請求項3】 (C)成分中のアルコキシシリルアルキル
    基がトリメトキシシリルエチル基であることを特徴とす
    る、請求項2記載の粉状シリコーン硬化物。
  4. 【請求項4】 (A)一分子中にケイ素原子結合ヒドロキ
    シ基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、
    (B)一分子中にケイ素原子結合水素原子を少なくとも2
    個有するオルガノポリシロキサン、(C)一分子中にケイ
    素原子結合アルコキシ基を少なくとも3個有するオルガ
    ノポリシロキサン、および(D)縮合反応用触媒から少な
    くともなる硬化性液状シリコーン組成物を水中に分散さ
    せた状態で硬化させてなることを特徴とする粉状シリコ
    ーン硬化物の製造方法。
  5. 【請求項5】 (C)成分が、一分子中にケイ素原子結合
    の一般式: −R1−SiR2 a(OR3)(3-a) (式中、R1はアルキレン基であり、R2は脂肪族炭素−
    炭素不飽和結合を有しない一価炭化水素基であり、R3
    はアルキル基であり、aは0または1である。)で表さ
    れるアルコキシシリルアルキル基を少なくとも1個有す
    るオルガノポリシロキサンであることを特徴とする、請
    求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 (C)成分中のアルコキシシリルアルキル
    基がトリメトキシシリルエチル基であることを特徴とす
    る、請求項5記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6437042B2 (en) 2000-02-29 2002-08-20 Dow Corning Toray Silicone Co., Ltd. Method for producing suspension of crosslinked silicone particles

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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