JPH1036433A - α−オレフィン低重合触媒の保存方法 - Google Patents
α−オレフィン低重合触媒の保存方法Info
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- JPH1036433A JPH1036433A JP19903596A JP19903596A JPH1036433A JP H1036433 A JPH1036433 A JP H1036433A JP 19903596 A JP19903596 A JP 19903596A JP 19903596 A JP19903596 A JP 19903596A JP H1036433 A JPH1036433 A JP H1036433A
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Abstract
ルミニウム化合物及びハロゲン含有化合物を有機溶媒中
で反応させて得られる、α−オレフィン低重合用のクロ
ム系触媒を失活させないで保存する方法を提供する。 【解決手段】 クロム系触媒を、不飽和炭化水素を含む
有機溶媒中で保存する。
Description
合触媒の保存方法に関するものであり、詳しくは、特
に、エチレンから1−ヘキセンを主体としたα−オレフ
ィン低重合体を、高収率、かつ高選択率で製造出来るα
−オレフィン低重合触媒を、失活させることなく安定に
保存する方法に関するものである。
法として、クロム化合物、ピロール化合物、有機アルミ
ニウム化合物及びハロゲン含有化合物の組み合わせから
成るクロム系触媒を使用する方法が知られている。例え
ば、南アフリカ特許ZA93/0350号明細書には、
クロム塩、ピロール化合物、金属アルキル及びハライド
源を共通の溶媒中で混合することにより得られたクロム
系触媒を一旦単離し、この触媒を低重合反応溶媒に再溶
解して、エチレンを三量化する方法が記載されている。
この方法に従えば、特に、エチレンの低重合反応によ
り、1−ヘキセンを高活性で得ることが出来る。しかし
ながら、この方法で用いる触媒は不安定であり、高活性
を発現させるには、触媒調製したのち直ちに用いなけれ
ばならない。
不飽和炭化水素を存在させることが記載されている。更
に特開平7−258329号公報には、オレフィン低重
合反応時に芳香族炭化水素を存在させることが記載され
ている。これらの文献には、不飽和炭化水素は触媒の安
定化に寄与することが記載されているが、多量の不飽和
炭化水素の存在は触媒活性に悪影響があることも記載さ
れている。また、これらの文献は、不飽和炭化水素の存
在下に調製した触媒を、不飽和炭化水素とそのまま接触
させておくべきではないことを強く示唆している。特開
平7−258329号公報には、α−オレフィン低重合
反応前の触媒と芳香族炭化水素との接触時間は、約0.
01秒〜約10分の範囲が好ましいと記載されており、
実施例2ではトルエン中で触媒を調製したのちトルエン
を留去し、残留した油状生成物をシクロヘキサンで稀釈
して触媒液としている。実施例2では、この触媒液を一
晩保存したのち、トルエンと一緒に反応器に加えて、エ
チレンの低重合反応を行っている。
低重合用のクロム系触媒に関しては種々の技術が開発さ
れているが、触媒の保存に関する技術は未だ開発されて
いない。すなわち、従来から提案されているのは、いず
れも調製した触媒を用いて直ちに低重合反応を行う方法
である。これは不安定で失活し易いクロム系触媒に対す
る一つの対応方法ではあるが、工業的には頻繁に触媒調
製を行わなければならず、決して好ましい方法ではな
い。従って本発明はクロム系触媒を安定に保存する方法
を提供せんとするものである。
系触媒を不飽和炭化水素を含有する有機溶媒中で保存す
ることにより、24時間以上に亘り安定に保存すること
ができる。
と、本発明で保存の対象とするクロム系触媒は、有機溶
媒中でクロム化合物、ピロール化合物、アルキルアルミ
ニウム化合物及びハロゲン含有化合物を反応させて調製
されたものである。触媒の調製に使用するクロム化合物
は、下記一般式(1)で表される。
価であり、Xは同一又は相互に異なる任意の有機基もし
くは無機基又は陰性原子を表す。nは1〜6の整数を表
すが、2以上が好ましい。有機基としては、炭素数が通
常1〜30の各種の基が挙げられる。具体的には、炭化
水素基、カルボニル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、β−ジケトナート基、β−ケトカルボキシル基、β
−ケトエステル基及びアミド基等が例示される。炭化水
素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、アルキルアリール基、アラルキル基、シクロペン
タジエニル基等が挙げられる。無機基としては、硝酸
基、硫酸基等のクロム塩形成基が挙げられ、陰性原子と
しては酸素、ハロゲン等が挙げられる。
ら成る錯体も好適に使用することが出来る。電子供与体
としては、窒素、酸素、リン又は硫黄を含有する化合物
の中から選択される。窒素含有化合物としては、ニトリ
ル、アミン、アミド等が挙げられ、具体的には、アセト
ニトリル、ピリジン、ジメチルピリジン、ジメチルホル
ムアミド、N−メチルホルムアミド、アニリン、ニトロ
ベンゼン、テトラメチルエチレンジアミン、ジエチルア
ミン、イソプロピルアミン、ヘキサメチルジシラザン、
ピロリドン等が挙げられる。
テル、ケトン、アルコール、アルデヒド等が挙げられ、
具体的には、エチルアセテート、メチルアセテート、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジ
メトキシエタン、ジグライム、トリグライム、アセト
ン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ア
セトアルデヒド等が挙げられる。
スホルアミド、ヘキサメチルホスホラストリアミド、ト
リエチルホスファイト、トリブチルホスフィンオキシ
ド、トリエチルホスフィン等が挙げられる。硫黄含有化
合物としては、二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、テ
トラメチレンスルホン、チオフェン、ジメチルスルフィ
ド等が挙げられる。
る錯体の例としては、ハロゲン化クロムのエーテル錯
体、エステル錯体、ケトン錯体、アルデヒド錯体、アル
コール錯体、アミン錯体、ニトリル錯体、ホスフィン錯
体、チオエーテル錯体等が挙げられる。クロム化合物と
しては、後述する炭化水素溶媒又はハロゲン化炭化水素
溶媒に可溶な化合物が好ましい。このような化合物とし
ては、クロムのβ−ジケトナート塩、カルボン酸塩、β
−ケトエステルのアニオンとの塩、β−ケトカルボン酸
塩、アミド錯体、カルボニル錯体、カルベン錯体、各種
のシクロペンタジエニル錯体、アルキル錯体、フェニル
錯体等が挙げられる。
ロム(III)アセチルアセトナート、クロム(III)トリフ
ルオロアセチルアセトナート、クロム(III)ヘキサフル
オロアセチルアセトナート、クロム(III)(2,2,
6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナー
ト)、Cr(PhCOCHCOPh)3 (但し、Phは
フェニル基を示す。)、クロム(II)アセテート、クロ
ム(III)アセテート、クロム(III)−2−エチルヘキサ
ノエート、クロム(III)ベンゾエート、クロム(III)ナ
フテネート、Cr(CH3 COCHCOOCH3 )3 、
クロム(II)ビス(トリメチルシリル)アミド、Cr
(CO)6 、(C6 H6 )Cr(CO)3 、(CO)5
Cr(=CCH3 (OCH3 ))、(CO)5 Cr(=
CC6 H5 (OCH3 ))、CpCrCl2 (但しCp
はシクロペンタジエニル基を示す。)、(Cp*CrC
lCH3 )2 (但しCp*はペンタメチルシクロペンタ
ジエニル基を示す。)、(CH3 )2 CrCl等が挙げ
られる。これらの中で、特に好ましいクロム化合物は、
β−ジケトナート塩、β−ケトエステルのアニオンとの
塩、カルボン酸塩、β−ケトカルボン酸塩等である。な
お、本発明において、クロム化合物は、クロム原子が含
まれていればよく、他の金属を含んでいてもよい。
ピロール若しくは置換ピロール又はこれらに対応する金
属塩すなわち金属ピロリドである。置換ピロールとして
は、2,5−ジメチルピロールの他に、3,4−ジクロ
ロピロール、2,3,4,5−テトラクロロピロール、
2−ホルミルピロール、2−アセチルピロール、2,
3,4−トリメチルピロール、3,4−ジエチルピロー
ル、テトラヒドロインドール、3,3′,4,4′−テ
トラメチル−2,2′−ジピロロメタン等が挙げられ
る。
族又は14族のものである。好ましい金属ピロリドとし
ては、リチウムピロリド、ナトリウムピロリド、カリウ
ムピロリド、セシウムピロリド、ジエチルアルミニウム
ピロリド、エチルアルミニウムジピロリド、アルミニウ
ムトリピロリド、リチウム−2,5−ジメチルピロリ
ド、ナトリウム−2,5−ジメチルピロリド、カリウム
−2,5−ジメチルピロリド、セシウム−2,5−ジメ
チルピロリド、ジエチルアルミニウム−2,5−ジメチ
ルピロリド、エチルアルミニウム−ビス(2,5−ジメ
チルピロリド)等が挙げられる。
ド、ナトリウム−2,3,4,5−テトラクロロピロリ
ド、リチウム−2,3,4−トリメチルピロリド、ジエ
チルアルミニウム−2,3,4−トリメチルピロリド、
ナトリウム−3,4−ジエチルピロリド、ジエチルアル
ミニウム−3,4−ジエチルピロリド等も挙げられる。
触媒の調製に使用する好適なアルキルアルミニウム化合
物としては、下記一般式(2)で示されるアルキルアル
ミニウム化合物が挙げられる。
常1〜15、好ましくは1〜8の炭化水素基であって互
いに同一であっても異なっていてもよい。Xはハロゲン
原子を表し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0
≦p<3、qは0≦q<3のそれぞれの数であって、し
かも、m+n+p+q=3である数を表す。上記のアル
キルアルミニウム化合物としては、例えば、一般式
(3)で示されるトリアルキルアルミニウム化合物、一
般式(4)で示されるハロゲン化アルキルアルミニウム
化合物、一般式(5)で示されるアルコキシアルキルア
ルミニウム化合物、一般式(6)で示される水素化アル
キルアルミニウム化合物、一般式(7)で示されるアル
ミノキサン等が挙げられる。なお、各式中のR1 、X及
びR2 の意義は前記と同じである。
例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、ジエチルアルミニウムヒドリド、メチルアルミノキ
サン、イソブチルアルミノキサン等が挙げられる。上記
のアルキルアルミニウム化合物は2種以上の混合物とし
て使用することも出来る。また、ポリマーの副生が少な
いと言う観点から、トリアルキルアルミニウム化合物、
特にトリエチルアルミニウムが好適に使用される。更
に、トリアルキルアルミニウム化合物とハロゲン化アル
キルアルミニウム化合物(アルキルアルミニウムモノク
ロライドやアルキルアルミニウムジクロライド等)との
混合物も好適に使用される。
としては、ハロゲン原子が含まれる化合物であればよ
い。その中でも、周期律表の3族、4族、6族、13
族、14族及び15族の群から選ばれる元素を含むハロ
ゲン含有化合物が好ましい。ハロゲンとしては、塩素、
臭素が好ましいが、特に塩素が好ましい。ハロゲン含有
化合物の具体例としては、3族の元素を含む塩化スカン
ジウム、塩化イットリウム、塩化ランタン等、4族の元
素を含む四塩化チタン、四塩化ジルコニウム、四塩化ハ
フニウム等、13族の元素を含む三塩化ホウ素、塩化ア
ルミニウム、三臭化ホウ素、臭化アルミニウム、フッ化
アルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチル
アルミニウムセスキクロリド、塩化ガリウム等、14族
の元素を含む四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム、
ブロモホルム、ヨードメタン、ジクロロメタン、ジョー
ドメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、ヘキ
サクロロエタン、アリルクロリド、トリクロロアセト
ン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサクロロシクロヘキサ
ン、ブロモベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼ
ン、ヘキサフルオロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、
トリチルクロリド、四塩化シラン、四臭化シラン、トリ
メチルクロロシラン、四塩化ゲルマニウム、四塩化ス
ズ、トリブチルスズクロリド、ジブチルスズジクロリド
等、15族の元素を含む三塩化リン、三塩化アンチモ
ン、トリチルヘキサクロロアンチモネート、五塩化アン
チモン、三塩化ビスマス等、さらには6族の元素を含む
五塩化モリブデン、六塩化タングステン等が挙げられ
る。
ゲン原子の数が多いものが好ましく、更に、後述する炭
化水素溶媒又はハロゲン化炭化水素溶媒に可溶な化合物
が好ましい。このようなハロゲン含有化合物としては、
四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロエタン、テトラク
ロロエタン、ヘキサクロロエタン、トリクロロアセト
ン、ヘキサクロロアセトン、四塩化チタン、四塩化ゲル
マニウム、四塩化スズ等が挙げられる。ハロゲン含有化
合物は、2種以上の混合物として使用することも出来
る。
際の反応媒体である有機溶媒としては、炭化水素溶媒又
はハロゲン化炭化水素溶媒が用いられる。通常、炭素数
が30以下の炭化水素又はハロゲン化炭化水素が使用さ
れる。このような溶媒の具体例としては、n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の
脂肪族又は脂環式飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、
ヘプテン、オクテン、デセン、シクロヘキセン、シクロ
オクテン等の脂肪族又は脂環式不飽和炭化水素、トルエ
ン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素、四塩化炭
素、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン、ジ
クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられ
る。
式飽和炭化水素、脂肪族もしくは脂環式不飽和炭化水
素、芳香族炭化水素又はこれらの混合物が好ましく、具
体的には、シクロヘキサン、n−ヘプタン、ヘキセン、
オクテン、ベンゼン、トルエン及びこれらの2種以上の
混合物が挙げられる。本発明の対象とする触媒は、有機
溶媒中で、クロム化合物、ピロール化合物、アルキルア
ルミニウム化合物及びハロゲン含有化合物を反応させる
ことにより調製される。
低重合反応に対する活性は、触媒調製時のクロム化合物
の濃度に大きく依存し、触媒調製時のクロム濃度が低い
方が高活性な触媒が得られる。従って、クロム化合物の
使用量は、溶媒1リットル中のクロムとして、通常1×
10-7〜1mol、好ましくは1×10-6〜0.5mo
lである。特に、1×10-5〜0.05molが好まし
い。
子当たり、通常0.001mol以上用いる。好ましく
は0.005〜1000mol、特に0.01〜100
molとなるように用いる。アルキルアルミニウム化合
物の使用量は、クロム1g原子当たり、通常50mmo
l以上であるが、触媒活性及び三量体の選択率を向上さ
せる観点から、0.1mol以上が好ましい。その上限
は、経済性の観点から、104 molである。
たり、通常1mmol以上、好ましくは50mmol以
上用いる。ハロゲン含有化合物の使用量の上限は特にな
く、例えば、ハロゲン化炭化水素溶媒中にクロム化合
物、ピロール化合物及びアルキルアルミニウム化合物を
添加して触媒調製を行うことが出来る。触媒調製は、酸
素及び水の不存在下で行うのが好ましい。触媒調製時の
温度は、任意に選択することが出来るが、0〜150℃
の範囲が好ましい。
序に従って、各種の調製法で調製される。通常はクロム
化合物とアルキルアルミニウム化合物とは最後に接触さ
せる。すなわちクロム化合物とアルキルアルミニウム化
合物とを接触させる段階では、ピロール化合物とハロゲ
ン含有化合物とは、クロム化合物又はアルキルアルミニ
ウム化合物と混合されているのが好ましい。例えば次の
ような調製法が用いられる。
ハロゲン含有化合物の混合液と、アルキルアルミニウム
化合物とを混合して反応させる方法。 (2)ピロール化合物、アルキルアルミニウム化合物及
びハロゲン含有化合物の混合液とクロム化合物を混合し
て反応させる方法。 (3)クロム化合物とピロール化合物の混合液と、アル
キルアルミニウム化合物とハロゲン含有化合物の混合液
を混合して反応させる方法。
何れに添加するかは任意である。例えば、上記の調製法
(3)においては、アルキルアルミニウム化合物とハロ
ゲン含有化合物の混合液に、クロム化合物とピロール化
合物の混合液を添加してもよく、又その逆でもよい。上
記の調製法(1)において、ハロゲン含有化合物として
無機ハロゲン化合物を使用する場合は、クロム化合物、
ピロール化合物及びハロゲン含有化合物の混合液とアル
キルアルミニウム化合物を混合する前に、ピロール化合
物とハロゲン含有化合物との反応生成物を沈澱物として
生成させるのが好ましい。これによりα−オレフィンの
低重合反応に対し活性の高い触媒が得られる。
ロール化合物、アルキルアルミニウム化合物及びハロゲ
ン含有化合物の混合液にクロム化合物を添加する方法
(2)である。本発明では、上記のようにして調製され
た触媒を、不飽和炭化水素を含有する有機溶媒中で保存
する。保存は酸素及び水の不存在下に行うのが好まし
い。
しては、通常、炭素数が30以下の不飽和炭化水素が使
用される。例えばエチレン、プロピレン、ブテン、ペン
テン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、デセン、シクロ
ヘキセン、シクロオクテン等の脂肪族又は脂環式の不飽
和炭化水素、ベンゼン、トルエン、クメン、キシレン、
メシチレン等の芳香族炭化水素が用いられる。特にエチ
レン、ブテン、ヘキセン、オクテン、デセン、シクロヘ
キセン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はこれらの2
種以上の混合物を用いるのが好ましい。
保存できるのは、配位不飽和で不安定な錯体である触媒
にこれらの不飽和炭化水素が配位して、触媒を安定化さ
せることによるものと考えられる。本発明では触媒の保
存温度は150℃以下が好ましく、一般的には−78℃
〜150℃で保存する。一般に低温で保存する方が長期
間の保存に耐えるが、具体的な保存温度に保存期間及び
共存させる不飽和炭化水素の種類に応じて決定される。
一般に脂肪族の不飽和炭化水素よりも芳香族炭化水素を
共存させた方がより高温での保存に耐える。この意味で
C6 〜C12の芳香族炭化水素を共存させるのは、好まし
い態様の一つである。
は36時間保存してた後においても、後記する実施例か
らも明らかな如く、α−オレフィンの低重合反応の触媒
として十分な活性を有している。なお、触媒に配位して
これを安定化させている不飽和炭化水素は、解離し易い
ので、周囲の不飽和炭化水素の量及び濃度を高めて、解
離を阻止するようにするのが好ましい。かかる観点から
して、触媒を保存する溶媒中の不飽和炭化水素の濃度は
5重量%以上であるのが好ましく、又クロム1g原子当
たり不飽和炭化水素を50モル以上存在させるのが好ま
しい。クロム1g原子に対する不飽和炭化水素の好まし
い比率は100モル以上、特に1000モル以上であ
る。
も好ましくは不飽和炭化水素を含む溶媒にクロム化合
物、ピロール化合物、アルキルアルミニウム化合物及び
ハロゲン含有化合物を添加して触媒が溶解した溶液を調
製し、そのまま保存することである。触媒の生成は迅速
に行われるので、全成分の混合が完了した時点で触媒が
生成したものと見做して差支えない。また、シクロヘキ
サン等の溶媒中で触媒を調製し、得られた触媒を含む溶
液に不飽和炭化水素を加えて保存することもできる。さ
らには適宜の溶媒中で触媒を調製したのち、溶媒を留去
して触媒を濃縮ないしは単離し、これを不飽和炭化水素
を含む溶媒中に溶解して保存することもできる。なお、
溶液中から単離された触媒は失活しやすいので、単離し
た触媒はすみやかに溶媒に再溶解するのが好ましい。
媒中で保存した触媒は、そのままα−オレフィンの低重
合反応に用いることができる。又溶媒を留去して触媒を
濃縮ないしは単離して低重合反応に用いることもでき
る。α−オレフィンの低重合反応は常法に従って行うこ
とができる。原料のα−オレフィンとしては、炭素数2
〜30の直鎖又は分岐鎖のα−オレフィンが使用され
る。具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1、3−メチルブテン−
1,4−メチルペンテン−1等が挙げられる。特にエチ
レンが好適であり、エチレンからその三量体である1−
ヘキセンを高収率かつ高選択率で得ることが出来る。
タン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタ
ン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の炭素数4〜2
0の鎖状又は脂環式の飽和炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレン、テトラリン等の芳香族炭化
水素、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、ジ
クロロエタン等の鎖状ハロゲン化炭化水素、クロロベン
ゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素
等が使用される。これらは、単独で使用するほか、混合
溶媒として使用することも出来る。
のα−オレフィンそれ自体又は主原料以外のα−オレフ
ィンを使用することも出来る。溶媒用としては、炭素数
が4〜30のα−オレフィンを使用するのが好ましい
が、常温で液状のα−オレフィンが特に好ましい。上記
の溶媒の中では、特に、ブタン、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、シクロヘキサン等の炭素数が4〜7の鎖状飽
和炭化水素又は脂環式飽和炭化水素が好ましい。これら
の溶媒を使用した場合は、高い触媒活性が得られるとい
う利点がある。
度は、溶媒1リットル中のクロム量として、通常1×1
0-7〜0.5mol、好ましくは1×10-6〜0.2m
ol、更に好ましくは1×10-5〜0.05molの範
囲である。低重合反応の反応温度は、通常0〜250
℃、好ましくは0〜200℃、更に好ましくは20〜1
50℃の範囲である。一方、反応圧力は、常圧ないし2
50kg/cm2 Gの範囲から選択し得るが、通常は、
100kg/cm2 Gまでの圧力で十分である。反応時
間は、通常1分から20時間、好ましくは0.5〜6時
間の範囲である。
副生するポリマーの性状が改善されるので好ましい。共
存させる水素の量は、水素分圧として、通常0.1〜1
00kg/cm2 、好ましくは1.0〜80kg/cm
2 の範囲である。反応液中の副生ポリマーの分離除去
は、公知の固液分離装置を適宜使用して行われ、回収さ
れたα−オレフィン低重合体は、必要に応じて精製され
る。精製には、通常、蒸留精製が採用され、目的とする
成分を高純度で回収することが出来る。
詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、生
成物の分析はガスクロマトグラフィーにより行った。
ト100mg(0.204mmol)及び2,5−ジメ
チルピロール59.29mg(0.623mmol)を
含む2mlのトルエン溶液に、エチルアルミニウムジク
ロリド107.91mg(0.85mmol)及びトリ
エチルアルミニウム449.27mg(3.12mmo
l)を含む3.95mlのトルエン溶液をゆっくり滴下
した。15分間撹拌後、トルエンを減圧下、留去した。
得られた褐色の油状物をシクロヘキサンで希釈し、触媒
液A 11.0mlを得た。
ーブを熱時に組み立てた後、真空窒素置換した。窒素雰
囲気下、これに室温で、シクロヘキサン100ml、ト
ルエン1.46ml、及び調製直後の上記触媒液A 0.
5mlを仕込んだ。オートクレーブを140℃に加熱
し、全圧が48kg/cm2 Gとなる迄オートクレーブ
にエチレンを導入した。その後、全圧を48kg/cm
2 Gに、反応温度を140℃に維持して反応を行った。
30分間反応後、オートクレーブ中にエタノールを圧入
して反応を停止した。結果を表1に示す。
た反応 調製直後の触媒液A5mlにトルエン14.7mlを加
えて触媒液Bとし、窒素下、室温で5日間保存した。上
記(2)と同じく熱時に組み立て且つ真空窒素置換した
オートクレーブに、シクロヘキサン100ml及び5日
間保存した触媒液B 1.96mlを仕込んだのち、上記
2)と全く同様にして、48kg/cm2 G、140℃
でエチレンの低重合反応を行った。結果を表1に示す。
いた反応 調製直後の触媒液A5mlにシクロヘキサン14.7m
lを加えて触媒液Cとし、窒素下、室温で5日間保存し
た。上記2)と同じく熱時に組み立て且つ真空窒素置換
したオートクレーブに、シクロヘキサン98.5ml、
トルエン1.46ml及び5日間保存した触媒液C1.
96mlを仕込んだのち、上記2)と全く同様にして、
48kg/cm2 G、140℃でエチレンの低重合反応
を行った。結果を表1に示す。
9.65mg(0.312mmol)を含む13.5m
lのトルエン溶液に、四塩化スズ54.1mg(0.2
08mmol)を加え、黄色沈澱物の懸濁液を得た。1
5分間撹拌後、この懸濁液にトリエチルアルミニウム1
78.9mg(1.56mmol)を含む1.6mlの
トルエン溶液を加えて15分間撹拌した。得られた溶液
に、クロム(III)2−エチルヘキサノエート50mg
(0.104mmol)を含む1mlのトルエン溶液を
加え、15分間撹拌し、触媒液Dを得た。
ーブを熱時に組み立てた後、真空窒素置換した。窒素雰
囲気下、これに室温で、シクロヘキサン69ml、及び
調製直後の上記触媒液D 1.0mlを仕込んだ。オート
クレーブを140℃に加熱し、全圧が48kg/cm2
Gとなる迄オートクレーブにエチレンを導入した。その
後、全圧を48kg/cm2 Gに、反応温度を140℃
に維持して反応を行った。30分間反応後、オートクレ
ーブ中にエタノールを圧入して反応を停止した。結果を
表2に示す。
応 触媒液Dを窒素下、室温で5日間保存し、触媒液Eとし
た。この触媒液Eを用いた以外は、上記2)と全く同様
にしてエチレンの低重合反応を行った。結果を表2に示
す。
mg(0.623mmol)を含む10mlのトルエン
溶液に、四塩化スズ108.2mg(0.415mmo
l)を加え、黄色沈澱物の懸濁液を得た。15分間撹拌
後、この懸濁液にトリエチルアルミニウム357.9m
g(3.12mmol)を含む3.1mlのトルエン溶
液を加え、15分間撹拌した。得られた溶液に、クロム
(III)2−エチルヘキサノエート100mg(0.20
4mmol)を含む2mlのトルエン溶液を加えた。更
に15分間撹拌後、トルエンを減圧下室温で留去した。
得られた褐色油状物にシクロヘキサン10mlを加え、
触媒液F 10.5mlを得た。
ーブを熱時に組み立て、真空窒素置換した。窒素下、こ
れに室温でシクロヘキサン125ml及び調製直後の上
記触媒液F 0.68mlを仕込んだ。オートクレーブを
80℃に加熱し、エチレンを全圧が38kg/cm2 G
となるまでオートクレーブに導入した。以後、全圧を3
8kg/cm2 Gに、反応温度を80℃に維持して反応
を行った。30分後、エタノール圧入により反応を停止
した。結果を表3に示す。
いた反応 触媒液Fを窒素下、室温で5日間保存し、触媒液Gとし
た。この触媒液Gを用いた以外は、上記と全く同様にし
てエチレンの低重合反応を行った。結果を表3に示す。
Claims (8)
- 【請求項1】 有機溶媒中で、少なくともクロム化合
物、ピロール化合物、アルキルアルミニウム化合物及び
ハロゲン含有化合物を反応させて調製されたα−オレフ
ィン低重合触媒を、α−オレフィンの低重合反応に用い
る前に少なくとも24時間保存するに際し、該α−オレ
フィン低重合触媒を不飽和炭化水素を含む有機溶媒中で
保存することを特徴とする方法。 - 【請求項2】 ハロゲン含有化合物が、周期律表の3
族、4族、6族、13族、14族及び15族からなる群
から選ばれた元素を含む塩素含有化合物であることを特
徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 クロム化合物が、β−ジケトン、β−ケ
トカルボン酸又は他のカルボン酸とクロムとの塩である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】 α−オレフィン低重合触媒を、該触媒中
のクロム1g原子当たり50モル以上の不飽和炭化水素
を含む有機溶媒中で保存することを特徴とする請求項1
ないし3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】 α−オレフィン低重合触媒を、5重量%
以上の不飽和炭化水素を含む有機溶媒中で保存すること
を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項6】 不飽和炭化水素が炭素数6〜12の芳香
族炭化水素であることを特徴とする請求項1ないし5の
いずれかに記載の方法。 - 【請求項7】 触媒調製に用いる有機溶媒が不飽和炭化
水素を含有しており、且つ調製されたα−オレフィン低
重合触媒をそのまま該有機溶媒中で保存することを特徴
とする請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。 - 【請求項8】 低重合反応に供するα−オレフィンがエ
チレンであることを特徴とする請求項1ないし7のいず
れかに記載の方法。
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---|---|---|---|
JP19903596A JP3533835B2 (ja) | 1996-07-29 | 1996-07-29 | α−オレフィン低重合触媒の保存方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19903596A JP3533835B2 (ja) | 1996-07-29 | 1996-07-29 | α−オレフィン低重合触媒の保存方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1036433A true JPH1036433A (ja) | 1998-02-10 |
JP3533835B2 JP3533835B2 (ja) | 2004-05-31 |
Family
ID=16401040
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19903596A Expired - Fee Related JP3533835B2 (ja) | 1996-07-29 | 1996-07-29 | α−オレフィン低重合触媒の保存方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3533835B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002038573A3 (en) * | 2000-11-07 | 2002-08-08 | Akzo Nobel Nv | Method for obtaining clear stable blends of trialkylaluminum compounds and halogenated metal alkyls compounds |
US8993822B2 (en) | 2004-02-20 | 2015-03-31 | Chevron Phillips Chemical Company Lp | Methods of preparation of an olefin oligomerization catalyst |
US9550841B2 (en) | 2004-02-20 | 2017-01-24 | Chevron Phillips Chemical Company Lp | Methods of preparation of an olefin oligomerization catalyst |
US9586872B2 (en) | 2011-12-30 | 2017-03-07 | Chevron Phillips Chemical Company Lp | Olefin oligomerization methods |
-
1996
- 1996-07-29 JP JP19903596A patent/JP3533835B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2002038573A3 (en) * | 2000-11-07 | 2002-08-08 | Akzo Nobel Nv | Method for obtaining clear stable blends of trialkylaluminum compounds and halogenated metal alkyls compounds |
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---|---|
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