JPH103641A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH103641A
JPH103641A JP15079596A JP15079596A JPH103641A JP H103641 A JPH103641 A JP H103641A JP 15079596 A JP15079596 A JP 15079596A JP 15079596 A JP15079596 A JP 15079596A JP H103641 A JPH103641 A JP H103641A
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JP
Japan
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magnetic layer
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magnetic
oxygen
magnetic recording
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JP15079596A
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English (en)
Inventor
Osamu Yoshida
修 吉田
Noriyuki Kitaori
典之 北折
Katsumi Sasaki
克己 佐々木
Hirohide Mizunoya
博英 水野谷
Katsumi Endo
克巳 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオンアシストにより形成されたFe−C系
磁性層を有する磁気記録媒体において、ヘッド磨耗量の
低減と保磁力の低下(減磁)の抑制を図る。 【解決手段】 支持体上に形成された少なくとも1層の
磁性層を有する磁気記録媒体において、磁性層に、F
e、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe52及びFe73
から選ばれる3種以上の化合物を含ませる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄及びその炭化物
からなる磁性層を有する金属薄膜型の磁気記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年の磁気記録は高密度記録化の方向に
あり、金属薄膜型テープは、磁性層にバインダーを含ま
ないことから磁性材料の密度を高められるため、高密度
記録に有望であるとされている。金属薄膜型の磁気記録
媒体としては、真空蒸着法等によって非磁性支持体上に
金属薄膜を形成するものが知られており、磁性層用の磁
性材料としては、Co系、Co−Ni系、Co−Cr系
の強磁性合金が知られている。また、Feの蒸着中に酸
素、窒素、二酸化炭素等のガスやこれらの混合ガスをイ
オン化して照射する、いわゆるイオンアシストによる蒸
着法により、Fe−N系、Fe−C系、Fe−N−O
系、Fe−C−O系、Fe−N−C−O系の磁性膜(以
下、これらをまとめてFe系磁性層という場合もある)
を形成することが試みられている。例えば特公平7−7
8866号公報では、特定の比率でα−Fe、γ’−F
4N、α''−Fe3N、ε−FeyN(y=2〜3)、
FexOを含有する磁性層を形成した磁気記録媒体が開
示されている。この磁性層は、磁気特性が良好で且つ膜
剥離等の少ない強靱な薄膜であるとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにFe系の
磁性層は主として耐久性、耐食性の向上を目的としてい
るため、強固な薄膜を形成する方向で検討が進められて
る。しかしながら、余りに強固な薄膜を形成すると逆に
ヘッド磨耗の問題が生じる。特公平7−78866号公
報の磁気記録媒体でもヘッド磨耗の問題は十分に解消さ
れていない。特に、Fe−C系磁性層については、未だ
十分な検討は進められておらず、特に保磁力の低下(減
磁)の問題がある。すなわち、Fe−C系磁性層を有す
る磁気記録媒体においては、膜強度と磁気特性のバラン
スが十分に検討されておらず、従って、本発明の目的は
Fe−C系磁性層を有する磁気記録媒体のヘッド磨耗と
減磁の問題を解決することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな状況に鑑み鋭意研究した結果、鉄もしくはその炭化
物を3種以上含む磁性層が前記の目的を達成できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、支持体と、該支持体上に
形成された磁性層を有する磁気記録媒体であって、前記
磁性層が、Fe、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe52
及びFe73から選ばれる3種以上の化合物を含むこと
を特徴とする磁気記録媒体を提供するものである。
【0006】本発明の磁気記録媒体は、磁性層が鉄もし
くはその特定の炭化物を3種以上含有するものである
が、鉄もしくはその炭化物を含有するかどうかは電子線
回折による結晶構造により確認することができる。電子
線回折は、以下のようにして行う。成膜した磁性層を断
面TEM写真用にミクロトームにより膜厚50〜100
nmに加工する。そして100kVの加速電圧で1nm
程度に電子ビームを絞り込めるTEMを用い、電子線回
折を行う。その時、図2のように磁性層21のコラム4
〜5本分にわたるような四角形の枠を想定し、その2辺
を各々10等分する点22で電子線回折を行い(10点
×10点=100点)、その中で5点以上同じ回折パタ
ーンが得られた場合、同一の化合物が含まれるとした。
そして、各回折パターンにおける元素の定量を、電子線
プロープ微量分析法(EPMA)により行うことで、化
合物を同定できる。
【0007】なお、本発明においては、鉄及び特定の鉄
の炭化物のうち3種以上が磁性層中に含まれておればよ
く、それぞれの割合は問わない。
【0008】本発明の磁気記録媒体は、上記ように磁性
層がFe、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe52及びF
73から選ばれる3種以上の化合物を含むものであ
り、Fe単独の場合やFeもしくはその炭化物を2種し
か含まない場合には、ヘッド磨耗の低減(機械的特性)
と減磁の抑制(磁気特性)を両方とも満足するものは得
られない。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体において、
Fe−C系磁性層は、鉄を蒸着させながら炭素イオンを
供給する、いわゆるイオンアシスト蒸着法により形成さ
れる。磁性層を形成するイオンアシスト蒸着法は従来知
られている方法により行なうことができる。ただし本発
明では磁性層がFe、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe
52及びFe73から選ばれる3種以上の化合物を含む
必要がある。また、本発明においては、磁性層を多層構
造とすることができるが、その場合、上記の通り、全磁
性層のうち支持体から最も遠い最表層の磁性層がFe、
FeC、Fe2C、Fe3C、Fe52及びFe73から
選ばれる3種以上の化合物を含む必要がある。また、こ
のような最表層の磁性層に隣接する下層の磁性層も同様
にFe−C系磁性層とすることが好ましい。しかしなが
ら、下層の磁性層はイオンアシストによらない金属薄膜
型の磁性層であってもよい。
【0010】本発明において、磁性層の厚さは限定され
ないが、通常500〜2000Åである。多層の磁性層
を形成する場合、各磁性層の合計の厚さは1500〜2
000Å程度である。
【0011】また、本発明においては、イオンアシスト
蒸着の際に酸素を供給して磁性層として酸素を含むe−
C−O系磁性層を形成してもよい。酸素はイオンガンに
窒素とともに供給してもよいし、また蒸着領域に雰囲気
ガスとして供給してもよい。
【0012】本発明の磁気記録媒体の支持体の材料とし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレートのようなポリエステル;ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン; セルローストリアセテー
ト、セルロースジアセテート等のセルロース誘導体;ポ
リカーボネート;ポリ塩化ビニル;ポリイミド;芳香族
ポリアミド等のプラスチック等が使用される。これらの
基材の厚さは3〜50μm程度である。
【0013】また、磁性層上には、厚さ10〜200Å
程度の保護層、特にダイヤモンドライクカーボン、グラ
ファイト等の炭素薄膜、酸化珪素、炭化珪素等の含珪素
薄膜、酸化ジルコニウム薄膜等からなる保護層を設ける
ことが望ましい。また、磁性層上もしくは保護層上に
は、厚さ2〜50Å程度の潤滑層、特にパーフルオロポ
リエーテル等のフッ素系潤滑剤からなる潤滑層を形成す
るのが好ましい。また、磁性層が形成される面と反対の
面には、更にカーボンブラックを主成分とする厚さ0.
1〜1.0μm程度のバックコート層等を設けてもよ
い。これらの層を形成する原料は従来公知のものが適宜
使用できる。また、Cu−Al合金等の金属を蒸着させ
て厚さ500〜5000Å程度のバックコート層を形成
してもよい。
【0014】図1により本発明の磁気記録媒体の製造方
法の一例を示す。図1はイオンアシスト蒸着装置の要部
であり、図1中、1はキャンロール、2はベースフィル
ム、3はイオンガン、4は遮蔽板、5は電子銃、6はル
ツボであり、金属鉄を収容している。このうち、イオン
ガン3以外は図示しない真空容器内に収容されている。
ベースフィルム2は、円筒状のキャンロール1を搬送さ
れる。また、キャンロール1の下方には、MgO製のル
ツボ6が置かれ、この中に鉄(例えば純度99.95%
のFe)が収容され、このルツボ6内のFe面に対して
電子銃5から電子ビームが照射される。これにより、F
eが加熱気化して、キャンロール1上を走行するベース
フィルム2に付着する。一方、Feの蒸着時には、フィ
ルム2の蒸着面に対して垂直方向にイオンが照射される
ようにイオンガン3を配置し、このイオンガン3には炭
素源となるガス、例えばメタンガスや炭酸ガスを供給し
炭素イオンを生成させ、蒸着領域中に供給する。また、
任意に酸素ガス導入管(図示せず)を設置して酸素ガス
を蒸着領域中に通気して酸素源としてもよい。これによ
り、Feを主体として炭素を含む本発明の磁性層が形成
される。なお、多層構造の磁性層を形成する場合は、図
1のような装置を用いて連続的に形成してもよいし、蒸
着を複数回繰り返して(いわゆるバッチ式で)形成する
こともできるが、いずれの方法の場合も磁性層は本発明
で規定する組成と磁化容易軸の角度を満たす必要があ
る。イオンアシスト蒸着における原料ガスや蒸着条件
(イオンガンの出力等)を調整することにより、磁性層
中に含まれる鉄の炭化物の種類を変更することができ
る。
【0015】
【実施例】以下に例を挙げて本発明を説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0016】実施例1〜5及び比較例1〜6 (1)磁気テープの製造 厚さ6.5μmのPETフィルム上に、図1の装置を用
いたイオンアシスト蒸着により、Fe−C−O系磁性層
を形成した。なお、蒸着条件を変えて表1に示す組成の
各種磁性層を形成した。カウフマン型イオン銃でメタン
ガスをイオンビーム化してメタンイオン化ガスを供給
し、また基板部分にメタンガスと水素ガスの混合ガスと
酸素ガスを導入して蒸着を行った。また、イオン照射
量、メタンガス、水素ガス及び酸素ガスの導入量を種々
変更することにより、表1に示す組成の膜を形成した。
次いで、この磁性層上にベンゼンを炭素源とするECR
プラズマCVD法により、厚さ85Åのダイヤモンドラ
イクカーボン薄膜からなる保護層を形成した。更に、こ
の保護層上に極性基であるピペロニル基を持つパーフル
オロポリエーテル〔AM2001:モンテカチーニ
(株)製〕を厚さが20Åとなるように付着して潤滑層
を形成した。また、このフィルムの磁性層形成面と反対
の面に、バックコート層を形成した。バックコート層
は、20〜30nmの直径のカーボンを含有するバイン
ダーを乾燥後の厚さが0.5μmとなるようにフィルム
に塗布して乾燥して形成した。上記により得られた、F
e−C−O系磁性層、ダイヤモンドライクカーボン保護
層、フッ素系潤滑層及びバックコート層が形成されたフ
ィルムを巾1cm、長さ1m程度に切り出し、磁気テー
プを作製した。
【0017】(2)性能評価 上記で得られた磁気テープについて、保磁力(Hc)の
保持率及びヘッド磨耗量を以下の方法で測定した。その
結果を表1に示す。 保磁力(Hc)の保持率 上記で得られた磁気テープを90℃で3時間保存し、2
時間かけて−20℃に下げて2時間放置する。そして1
5分かけて50℃に昇温し1時間保持し、その後10分
で90℃に昇温する。このサイクルを30回繰り返し行
った後のHcを測定し、これをHca とする。試験前の
Hc0 に対する比率Hca /Hc0 ×100を保持率
(%)とする。 ヘッド磨耗量 図3に示すAl−Fe−Si合金からなる角棒31の角
を、図3bのようにテープ32の磁性層形成面に接触さ
せる。テープを1000m走行させた後の角棒の角の削
れにより生じた長方形の面積を測定し、比較例1を10
0%とした場合の相対評価でヘッド磨耗量を評価した。
この数値が小さいほどヘッド磨耗量が少ないことを意味
する。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、Fe−C系磁性層を有
する磁気記録媒体のヘッド磨耗の低減と、減磁の抑制が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオンアシスト蒸着装置の要部の一例を示す略
【図2】磁性層の電子線回折の測定方法を示す略図
【図3】実施例のヘッド磨耗量を評価する方法をを示す
略図
【符号の説明】
1 キャンロール 2 ベースフィルム 3 イオンガン 4 遮蔽板 5 電子銃 6 ルツボ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野谷 博英 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 遠藤 克巳 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、該支持体上に形成された磁性
    層を有する磁気記録媒体であって、前記磁性層が、F
    e、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe52及びFe73
    から選ばれる3種以上の化合物を含むことを特徴とする
    磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 磁性層が多層であり、前記支持体から最
    も遠い磁性層がFe、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe
    52及びFe73から選ばれる3種以上の化合物を含む
    請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 Fe、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe
    52及びFe73から選ばれる3種以上の化合物を含む
    磁性層が更に酸素を5〜30%(原子比)含有する請求
    項1又は2記載の磁気記録媒体。
JP15079596A 1996-06-12 1996-06-12 磁気記録媒体 Pending JPH103641A (ja)

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JP15079596A JPH103641A (ja) 1996-06-12 1996-06-12 磁気記録媒体

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