JPH103641A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
- Publication number
- JPH103641A JPH103641A JP15079596A JP15079596A JPH103641A JP H103641 A JPH103641 A JP H103641A JP 15079596 A JP15079596 A JP 15079596A JP 15079596 A JP15079596 A JP 15079596A JP H103641 A JPH103641 A JP H103641A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic layer
- recording medium
- magnetic
- oxygen
- magnetic recording
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Magnetic Record Carriers (AREA)
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
- Thin Magnetic Films (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 イオンアシストにより形成されたFe−C系
磁性層を有する磁気記録媒体において、ヘッド磨耗量の
低減と保磁力の低下(減磁)の抑制を図る。 【解決手段】 支持体上に形成された少なくとも1層の
磁性層を有する磁気記録媒体において、磁性層に、F
e、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe5C2及びFe7C3
から選ばれる3種以上の化合物を含ませる。
磁性層を有する磁気記録媒体において、ヘッド磨耗量の
低減と保磁力の低下(減磁)の抑制を図る。 【解決手段】 支持体上に形成された少なくとも1層の
磁性層を有する磁気記録媒体において、磁性層に、F
e、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe5C2及びFe7C3
から選ばれる3種以上の化合物を含ませる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄及びその炭化物
からなる磁性層を有する金属薄膜型の磁気記録媒体に関
する。
からなる磁性層を有する金属薄膜型の磁気記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年の磁気記録は高密度記録化の方向に
あり、金属薄膜型テープは、磁性層にバインダーを含ま
ないことから磁性材料の密度を高められるため、高密度
記録に有望であるとされている。金属薄膜型の磁気記録
媒体としては、真空蒸着法等によって非磁性支持体上に
金属薄膜を形成するものが知られており、磁性層用の磁
性材料としては、Co系、Co−Ni系、Co−Cr系
の強磁性合金が知られている。また、Feの蒸着中に酸
素、窒素、二酸化炭素等のガスやこれらの混合ガスをイ
オン化して照射する、いわゆるイオンアシストによる蒸
着法により、Fe−N系、Fe−C系、Fe−N−O
系、Fe−C−O系、Fe−N−C−O系の磁性膜(以
下、これらをまとめてFe系磁性層という場合もある)
を形成することが試みられている。例えば特公平7−7
8866号公報では、特定の比率でα−Fe、γ’−F
e4N、α''−Fe3N、ε−FeyN(y=2〜3)、
FexOを含有する磁性層を形成した磁気記録媒体が開
示されている。この磁性層は、磁気特性が良好で且つ膜
剥離等の少ない強靱な薄膜であるとされている。
あり、金属薄膜型テープは、磁性層にバインダーを含ま
ないことから磁性材料の密度を高められるため、高密度
記録に有望であるとされている。金属薄膜型の磁気記録
媒体としては、真空蒸着法等によって非磁性支持体上に
金属薄膜を形成するものが知られており、磁性層用の磁
性材料としては、Co系、Co−Ni系、Co−Cr系
の強磁性合金が知られている。また、Feの蒸着中に酸
素、窒素、二酸化炭素等のガスやこれらの混合ガスをイ
オン化して照射する、いわゆるイオンアシストによる蒸
着法により、Fe−N系、Fe−C系、Fe−N−O
系、Fe−C−O系、Fe−N−C−O系の磁性膜(以
下、これらをまとめてFe系磁性層という場合もある)
を形成することが試みられている。例えば特公平7−7
8866号公報では、特定の比率でα−Fe、γ’−F
e4N、α''−Fe3N、ε−FeyN(y=2〜3)、
FexOを含有する磁性層を形成した磁気記録媒体が開
示されている。この磁性層は、磁気特性が良好で且つ膜
剥離等の少ない強靱な薄膜であるとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにFe系の
磁性層は主として耐久性、耐食性の向上を目的としてい
るため、強固な薄膜を形成する方向で検討が進められて
る。しかしながら、余りに強固な薄膜を形成すると逆に
ヘッド磨耗の問題が生じる。特公平7−78866号公
報の磁気記録媒体でもヘッド磨耗の問題は十分に解消さ
れていない。特に、Fe−C系磁性層については、未だ
十分な検討は進められておらず、特に保磁力の低下(減
磁)の問題がある。すなわち、Fe−C系磁性層を有す
る磁気記録媒体においては、膜強度と磁気特性のバラン
スが十分に検討されておらず、従って、本発明の目的は
Fe−C系磁性層を有する磁気記録媒体のヘッド磨耗と
減磁の問題を解決することである。
磁性層は主として耐久性、耐食性の向上を目的としてい
るため、強固な薄膜を形成する方向で検討が進められて
る。しかしながら、余りに強固な薄膜を形成すると逆に
ヘッド磨耗の問題が生じる。特公平7−78866号公
報の磁気記録媒体でもヘッド磨耗の問題は十分に解消さ
れていない。特に、Fe−C系磁性層については、未だ
十分な検討は進められておらず、特に保磁力の低下(減
磁)の問題がある。すなわち、Fe−C系磁性層を有す
る磁気記録媒体においては、膜強度と磁気特性のバラン
スが十分に検討されておらず、従って、本発明の目的は
Fe−C系磁性層を有する磁気記録媒体のヘッド磨耗と
減磁の問題を解決することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな状況に鑑み鋭意研究した結果、鉄もしくはその炭化
物を3種以上含む磁性層が前記の目的を達成できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
うな状況に鑑み鋭意研究した結果、鉄もしくはその炭化
物を3種以上含む磁性層が前記の目的を達成できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、支持体と、該支持体上に
形成された磁性層を有する磁気記録媒体であって、前記
磁性層が、Fe、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe5C2
及びFe7C3から選ばれる3種以上の化合物を含むこと
を特徴とする磁気記録媒体を提供するものである。
形成された磁性層を有する磁気記録媒体であって、前記
磁性層が、Fe、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe5C2
及びFe7C3から選ばれる3種以上の化合物を含むこと
を特徴とする磁気記録媒体を提供するものである。
【0006】本発明の磁気記録媒体は、磁性層が鉄もし
くはその特定の炭化物を3種以上含有するものである
が、鉄もしくはその炭化物を含有するかどうかは電子線
回折による結晶構造により確認することができる。電子
線回折は、以下のようにして行う。成膜した磁性層を断
面TEM写真用にミクロトームにより膜厚50〜100
nmに加工する。そして100kVの加速電圧で1nm
程度に電子ビームを絞り込めるTEMを用い、電子線回
折を行う。その時、図2のように磁性層21のコラム4
〜5本分にわたるような四角形の枠を想定し、その2辺
を各々10等分する点22で電子線回折を行い(10点
×10点=100点)、その中で5点以上同じ回折パタ
ーンが得られた場合、同一の化合物が含まれるとした。
そして、各回折パターンにおける元素の定量を、電子線
プロープ微量分析法(EPMA)により行うことで、化
合物を同定できる。
くはその特定の炭化物を3種以上含有するものである
が、鉄もしくはその炭化物を含有するかどうかは電子線
回折による結晶構造により確認することができる。電子
線回折は、以下のようにして行う。成膜した磁性層を断
面TEM写真用にミクロトームにより膜厚50〜100
nmに加工する。そして100kVの加速電圧で1nm
程度に電子ビームを絞り込めるTEMを用い、電子線回
折を行う。その時、図2のように磁性層21のコラム4
〜5本分にわたるような四角形の枠を想定し、その2辺
を各々10等分する点22で電子線回折を行い(10点
×10点=100点)、その中で5点以上同じ回折パタ
ーンが得られた場合、同一の化合物が含まれるとした。
そして、各回折パターンにおける元素の定量を、電子線
プロープ微量分析法(EPMA)により行うことで、化
合物を同定できる。
【0007】なお、本発明においては、鉄及び特定の鉄
の炭化物のうち3種以上が磁性層中に含まれておればよ
く、それぞれの割合は問わない。
の炭化物のうち3種以上が磁性層中に含まれておればよ
く、それぞれの割合は問わない。
【0008】本発明の磁気記録媒体は、上記ように磁性
層がFe、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe5C2及びF
e7C3から選ばれる3種以上の化合物を含むものであ
り、Fe単独の場合やFeもしくはその炭化物を2種し
か含まない場合には、ヘッド磨耗の低減(機械的特性)
と減磁の抑制(磁気特性)を両方とも満足するものは得
られない。
層がFe、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe5C2及びF
e7C3から選ばれる3種以上の化合物を含むものであ
り、Fe単独の場合やFeもしくはその炭化物を2種し
か含まない場合には、ヘッド磨耗の低減(機械的特性)
と減磁の抑制(磁気特性)を両方とも満足するものは得
られない。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体において、
Fe−C系磁性層は、鉄を蒸着させながら炭素イオンを
供給する、いわゆるイオンアシスト蒸着法により形成さ
れる。磁性層を形成するイオンアシスト蒸着法は従来知
られている方法により行なうことができる。ただし本発
明では磁性層がFe、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe
5C2及びFe7C3から選ばれる3種以上の化合物を含む
必要がある。また、本発明においては、磁性層を多層構
造とすることができるが、その場合、上記の通り、全磁
性層のうち支持体から最も遠い最表層の磁性層がFe、
FeC、Fe2C、Fe3C、Fe5C2及びFe7C3から
選ばれる3種以上の化合物を含む必要がある。また、こ
のような最表層の磁性層に隣接する下層の磁性層も同様
にFe−C系磁性層とすることが好ましい。しかしなが
ら、下層の磁性層はイオンアシストによらない金属薄膜
型の磁性層であってもよい。
Fe−C系磁性層は、鉄を蒸着させながら炭素イオンを
供給する、いわゆるイオンアシスト蒸着法により形成さ
れる。磁性層を形成するイオンアシスト蒸着法は従来知
られている方法により行なうことができる。ただし本発
明では磁性層がFe、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe
5C2及びFe7C3から選ばれる3種以上の化合物を含む
必要がある。また、本発明においては、磁性層を多層構
造とすることができるが、その場合、上記の通り、全磁
性層のうち支持体から最も遠い最表層の磁性層がFe、
FeC、Fe2C、Fe3C、Fe5C2及びFe7C3から
選ばれる3種以上の化合物を含む必要がある。また、こ
のような最表層の磁性層に隣接する下層の磁性層も同様
にFe−C系磁性層とすることが好ましい。しかしなが
ら、下層の磁性層はイオンアシストによらない金属薄膜
型の磁性層であってもよい。
【0010】本発明において、磁性層の厚さは限定され
ないが、通常500〜2000Åである。多層の磁性層
を形成する場合、各磁性層の合計の厚さは1500〜2
000Å程度である。
ないが、通常500〜2000Åである。多層の磁性層
を形成する場合、各磁性層の合計の厚さは1500〜2
000Å程度である。
【0011】また、本発明においては、イオンアシスト
蒸着の際に酸素を供給して磁性層として酸素を含むe−
C−O系磁性層を形成してもよい。酸素はイオンガンに
窒素とともに供給してもよいし、また蒸着領域に雰囲気
ガスとして供給してもよい。
蒸着の際に酸素を供給して磁性層として酸素を含むe−
C−O系磁性層を形成してもよい。酸素はイオンガンに
窒素とともに供給してもよいし、また蒸着領域に雰囲気
ガスとして供給してもよい。
【0012】本発明の磁気記録媒体の支持体の材料とし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレートのようなポリエステル;ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン; セルローストリアセテー
ト、セルロースジアセテート等のセルロース誘導体;ポ
リカーボネート;ポリ塩化ビニル;ポリイミド;芳香族
ポリアミド等のプラスチック等が使用される。これらの
基材の厚さは3〜50μm程度である。
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレートのようなポリエステル;ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン; セルローストリアセテー
ト、セルロースジアセテート等のセルロース誘導体;ポ
リカーボネート;ポリ塩化ビニル;ポリイミド;芳香族
ポリアミド等のプラスチック等が使用される。これらの
基材の厚さは3〜50μm程度である。
【0013】また、磁性層上には、厚さ10〜200Å
程度の保護層、特にダイヤモンドライクカーボン、グラ
ファイト等の炭素薄膜、酸化珪素、炭化珪素等の含珪素
薄膜、酸化ジルコニウム薄膜等からなる保護層を設ける
ことが望ましい。また、磁性層上もしくは保護層上に
は、厚さ2〜50Å程度の潤滑層、特にパーフルオロポ
リエーテル等のフッ素系潤滑剤からなる潤滑層を形成す
るのが好ましい。また、磁性層が形成される面と反対の
面には、更にカーボンブラックを主成分とする厚さ0.
1〜1.0μm程度のバックコート層等を設けてもよ
い。これらの層を形成する原料は従来公知のものが適宜
使用できる。また、Cu−Al合金等の金属を蒸着させ
て厚さ500〜5000Å程度のバックコート層を形成
してもよい。
程度の保護層、特にダイヤモンドライクカーボン、グラ
ファイト等の炭素薄膜、酸化珪素、炭化珪素等の含珪素
薄膜、酸化ジルコニウム薄膜等からなる保護層を設ける
ことが望ましい。また、磁性層上もしくは保護層上に
は、厚さ2〜50Å程度の潤滑層、特にパーフルオロポ
リエーテル等のフッ素系潤滑剤からなる潤滑層を形成す
るのが好ましい。また、磁性層が形成される面と反対の
面には、更にカーボンブラックを主成分とする厚さ0.
1〜1.0μm程度のバックコート層等を設けてもよ
い。これらの層を形成する原料は従来公知のものが適宜
使用できる。また、Cu−Al合金等の金属を蒸着させ
て厚さ500〜5000Å程度のバックコート層を形成
してもよい。
【0014】図1により本発明の磁気記録媒体の製造方
法の一例を示す。図1はイオンアシスト蒸着装置の要部
であり、図1中、1はキャンロール、2はベースフィル
ム、3はイオンガン、4は遮蔽板、5は電子銃、6はル
ツボであり、金属鉄を収容している。このうち、イオン
ガン3以外は図示しない真空容器内に収容されている。
ベースフィルム2は、円筒状のキャンロール1を搬送さ
れる。また、キャンロール1の下方には、MgO製のル
ツボ6が置かれ、この中に鉄(例えば純度99.95%
のFe)が収容され、このルツボ6内のFe面に対して
電子銃5から電子ビームが照射される。これにより、F
eが加熱気化して、キャンロール1上を走行するベース
フィルム2に付着する。一方、Feの蒸着時には、フィ
ルム2の蒸着面に対して垂直方向にイオンが照射される
ようにイオンガン3を配置し、このイオンガン3には炭
素源となるガス、例えばメタンガスや炭酸ガスを供給し
炭素イオンを生成させ、蒸着領域中に供給する。また、
任意に酸素ガス導入管(図示せず)を設置して酸素ガス
を蒸着領域中に通気して酸素源としてもよい。これによ
り、Feを主体として炭素を含む本発明の磁性層が形成
される。なお、多層構造の磁性層を形成する場合は、図
1のような装置を用いて連続的に形成してもよいし、蒸
着を複数回繰り返して(いわゆるバッチ式で)形成する
こともできるが、いずれの方法の場合も磁性層は本発明
で規定する組成と磁化容易軸の角度を満たす必要があ
る。イオンアシスト蒸着における原料ガスや蒸着条件
(イオンガンの出力等)を調整することにより、磁性層
中に含まれる鉄の炭化物の種類を変更することができ
る。
法の一例を示す。図1はイオンアシスト蒸着装置の要部
であり、図1中、1はキャンロール、2はベースフィル
ム、3はイオンガン、4は遮蔽板、5は電子銃、6はル
ツボであり、金属鉄を収容している。このうち、イオン
ガン3以外は図示しない真空容器内に収容されている。
ベースフィルム2は、円筒状のキャンロール1を搬送さ
れる。また、キャンロール1の下方には、MgO製のル
ツボ6が置かれ、この中に鉄(例えば純度99.95%
のFe)が収容され、このルツボ6内のFe面に対して
電子銃5から電子ビームが照射される。これにより、F
eが加熱気化して、キャンロール1上を走行するベース
フィルム2に付着する。一方、Feの蒸着時には、フィ
ルム2の蒸着面に対して垂直方向にイオンが照射される
ようにイオンガン3を配置し、このイオンガン3には炭
素源となるガス、例えばメタンガスや炭酸ガスを供給し
炭素イオンを生成させ、蒸着領域中に供給する。また、
任意に酸素ガス導入管(図示せず)を設置して酸素ガス
を蒸着領域中に通気して酸素源としてもよい。これによ
り、Feを主体として炭素を含む本発明の磁性層が形成
される。なお、多層構造の磁性層を形成する場合は、図
1のような装置を用いて連続的に形成してもよいし、蒸
着を複数回繰り返して(いわゆるバッチ式で)形成する
こともできるが、いずれの方法の場合も磁性層は本発明
で規定する組成と磁化容易軸の角度を満たす必要があ
る。イオンアシスト蒸着における原料ガスや蒸着条件
(イオンガンの出力等)を調整することにより、磁性層
中に含まれる鉄の炭化物の種類を変更することができ
る。
【0015】
【実施例】以下に例を挙げて本発明を説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
明はこれらに限定されるものではない。
【0016】実施例1〜5及び比較例1〜6 (1)磁気テープの製造 厚さ6.5μmのPETフィルム上に、図1の装置を用
いたイオンアシスト蒸着により、Fe−C−O系磁性層
を形成した。なお、蒸着条件を変えて表1に示す組成の
各種磁性層を形成した。カウフマン型イオン銃でメタン
ガスをイオンビーム化してメタンイオン化ガスを供給
し、また基板部分にメタンガスと水素ガスの混合ガスと
酸素ガスを導入して蒸着を行った。また、イオン照射
量、メタンガス、水素ガス及び酸素ガスの導入量を種々
変更することにより、表1に示す組成の膜を形成した。
次いで、この磁性層上にベンゼンを炭素源とするECR
プラズマCVD法により、厚さ85Åのダイヤモンドラ
イクカーボン薄膜からなる保護層を形成した。更に、こ
の保護層上に極性基であるピペロニル基を持つパーフル
オロポリエーテル〔AM2001:モンテカチーニ
(株)製〕を厚さが20Åとなるように付着して潤滑層
を形成した。また、このフィルムの磁性層形成面と反対
の面に、バックコート層を形成した。バックコート層
は、20〜30nmの直径のカーボンを含有するバイン
ダーを乾燥後の厚さが0.5μmとなるようにフィルム
に塗布して乾燥して形成した。上記により得られた、F
e−C−O系磁性層、ダイヤモンドライクカーボン保護
層、フッ素系潤滑層及びバックコート層が形成されたフ
ィルムを巾1cm、長さ1m程度に切り出し、磁気テー
プを作製した。
いたイオンアシスト蒸着により、Fe−C−O系磁性層
を形成した。なお、蒸着条件を変えて表1に示す組成の
各種磁性層を形成した。カウフマン型イオン銃でメタン
ガスをイオンビーム化してメタンイオン化ガスを供給
し、また基板部分にメタンガスと水素ガスの混合ガスと
酸素ガスを導入して蒸着を行った。また、イオン照射
量、メタンガス、水素ガス及び酸素ガスの導入量を種々
変更することにより、表1に示す組成の膜を形成した。
次いで、この磁性層上にベンゼンを炭素源とするECR
プラズマCVD法により、厚さ85Åのダイヤモンドラ
イクカーボン薄膜からなる保護層を形成した。更に、こ
の保護層上に極性基であるピペロニル基を持つパーフル
オロポリエーテル〔AM2001:モンテカチーニ
(株)製〕を厚さが20Åとなるように付着して潤滑層
を形成した。また、このフィルムの磁性層形成面と反対
の面に、バックコート層を形成した。バックコート層
は、20〜30nmの直径のカーボンを含有するバイン
ダーを乾燥後の厚さが0.5μmとなるようにフィルム
に塗布して乾燥して形成した。上記により得られた、F
e−C−O系磁性層、ダイヤモンドライクカーボン保護
層、フッ素系潤滑層及びバックコート層が形成されたフ
ィルムを巾1cm、長さ1m程度に切り出し、磁気テー
プを作製した。
【0017】(2)性能評価 上記で得られた磁気テープについて、保磁力(Hc)の
保持率及びヘッド磨耗量を以下の方法で測定した。その
結果を表1に示す。 保磁力(Hc)の保持率 上記で得られた磁気テープを90℃で3時間保存し、2
時間かけて−20℃に下げて2時間放置する。そして1
5分かけて50℃に昇温し1時間保持し、その後10分
で90℃に昇温する。このサイクルを30回繰り返し行
った後のHcを測定し、これをHca とする。試験前の
Hc0 に対する比率Hca /Hc0 ×100を保持率
(%)とする。 ヘッド磨耗量 図3に示すAl−Fe−Si合金からなる角棒31の角
を、図3bのようにテープ32の磁性層形成面に接触さ
せる。テープを1000m走行させた後の角棒の角の削
れにより生じた長方形の面積を測定し、比較例1を10
0%とした場合の相対評価でヘッド磨耗量を評価した。
この数値が小さいほどヘッド磨耗量が少ないことを意味
する。
保持率及びヘッド磨耗量を以下の方法で測定した。その
結果を表1に示す。 保磁力(Hc)の保持率 上記で得られた磁気テープを90℃で3時間保存し、2
時間かけて−20℃に下げて2時間放置する。そして1
5分かけて50℃に昇温し1時間保持し、その後10分
で90℃に昇温する。このサイクルを30回繰り返し行
った後のHcを測定し、これをHca とする。試験前の
Hc0 に対する比率Hca /Hc0 ×100を保持率
(%)とする。 ヘッド磨耗量 図3に示すAl−Fe−Si合金からなる角棒31の角
を、図3bのようにテープ32の磁性層形成面に接触さ
せる。テープを1000m走行させた後の角棒の角の削
れにより生じた長方形の面積を測定し、比較例1を10
0%とした場合の相対評価でヘッド磨耗量を評価した。
この数値が小さいほどヘッド磨耗量が少ないことを意味
する。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、Fe−C系磁性層を有
する磁気記録媒体のヘッド磨耗の低減と、減磁の抑制が
可能となる。
する磁気記録媒体のヘッド磨耗の低減と、減磁の抑制が
可能となる。
【図1】イオンアシスト蒸着装置の要部の一例を示す略
図
図
【図2】磁性層の電子線回折の測定方法を示す略図
【図3】実施例のヘッド磨耗量を評価する方法をを示す
略図
略図
1 キャンロール 2 ベースフィルム 3 イオンガン 4 遮蔽板 5 電子銃 6 ルツボ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野谷 博英 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 遠藤 克巳 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 支持体と、該支持体上に形成された磁性
層を有する磁気記録媒体であって、前記磁性層が、F
e、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe5C2及びFe7C3
から選ばれる3種以上の化合物を含むことを特徴とする
磁気記録媒体。 - 【請求項2】 磁性層が多層であり、前記支持体から最
も遠い磁性層がFe、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe
5C2及びFe7C3から選ばれる3種以上の化合物を含む
請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 Fe、FeC、Fe2C、Fe3C、Fe
5C2及びFe7C3から選ばれる3種以上の化合物を含む
磁性層が更に酸素を5〜30%(原子比)含有する請求
項1又は2記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15079596A JPH103641A (ja) | 1996-06-12 | 1996-06-12 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15079596A JPH103641A (ja) | 1996-06-12 | 1996-06-12 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH103641A true JPH103641A (ja) | 1998-01-06 |
Family
ID=15504607
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15079596A Pending JPH103641A (ja) | 1996-06-12 | 1996-06-12 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH103641A (ja) |
-
1996
- 1996-06-12 JP JP15079596A patent/JPH103641A/ja active Pending
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