JPH1036214A - 化粧品用基材 - Google Patents

化粧品用基材

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JPH1036214A
JPH1036214A JP8195052A JP19505296A JPH1036214A JP H1036214 A JPH1036214 A JP H1036214A JP 8195052 A JP8195052 A JP 8195052A JP 19505296 A JP19505296 A JP 19505296A JP H1036214 A JPH1036214 A JP H1036214A
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JP
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chitosan
acid
cosmetics
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sodium
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JP8195052A
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English (en)
Inventor
Masato Izume
正人 井爪
Michihiro Tajima
道弘 田島
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Katakura Chikkarin Co Ltd
Original Assignee
Katakura Chikkarin Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 N−カルボキシアシル化度が80%以上の
N−カルボキシアシルキトサンを含む化粧品用基材。 【効果】 水溶性であり、弱酸性から中性付近のpH領域
においても安定で沈殿を生じることがない。また、皮膚
化粧品や毛髪化粧品に配合することにより、皮膚又は毛
髪に潤いを与えるとともに皮膚をなめらかにしたり毛髪
を保護する作用を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N−カルボキシア
シル化度が80%以上のN−カルボキシアシルキトサンを
含む化粧品用基材に関する。さらに詳しくは、本発明
は、水溶性で、皮膚化粧品や毛髪化粧品に配合すること
により、皮膚又は毛髪に潤いを与えるとともに皮膚をな
めらかにしたり毛髪を保護する作用を有する化粧品用基
材に関する。
【0002】
【従来の技術】キトサンは、カニ、エビなどの甲殻類に
含まれる多糖であって、N−アセチル−D−グルコサミ
ンがβ-1,4結合した直鎖状の多糖類であるキチンのN−
アセチル基の全部又は一部を脱アセチル化することによ
って得られる多糖類である。キトサンのアミノ基をカル
ボキシアシル化することによりN−カルボキシアシルキ
トサンが得られる。このN−カルボキシアシルキトサン
を化粧料に配合すると、皮膚の手入れの際に特に有用で
あることが知られている(特公昭52-7059 号公報参
照)。
【0003】しかしながら、従来のN−カルボキシアシ
ルキトサンからなる化粧品用基材は、実際に化粧品に配
合した場合に安定性に問題がある。例えば、特公昭52-7
059号公報には、pH4乃至6の弱酸性領域で沈殿が生じ
るということが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、化粧品に配合した際に安定なN−カルボキシア
シルキトサンからなる化粧品用基材を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、N−カルボキ
シアシル化度が80%以上のN−カルボキシアシルキトサ
ンからなる化粧品用基材はpH安定性が高く、化粧品配合
時に安定であり、しかも皮膚に潤いを与え、皮膚を滑ら
かにし、毛髪を保護する作用を有することを見い出して
本発明を完成するに至った。本発明は、N−カルボキシ
アシル化度が80%以上のN−カルボキシアシルキトサン
を含む化粧品用基材を提供する。
【0006】また、本発明は、N−カルボキシアシル化
度が80%以上のN−カルボキシアシルキトサン及びコラ
ーゲンを含む化粧品用基材を提供する。さらに、本発明
は、N−カルボキシアシル化度が80%以上のN−カルボ
キシアシルキトサン及び多価アルコールを含む化粧品用
基材を提供する。さらに、本発明は、N−カルボキシア
シル化度が80%以上のN−カルボキシアシルキトサン及
びカチオン化セルロースを含む化粧品用基材を提供す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明によるN−カルボキシアシ
ルキトサンは、キチンのN−アセチル基の全部又は一部
を脱アセチル化することにより得られるキトサンのアミ
ノ基(-NH2)がN−カルボキシアシル化されたものであ
って、N−カルボキシアシル化度が80%以上である。こ
こで、N−カルボキシアシル化度とは、N−カルボキシ
アシル置換前のキトサンのアミノ基(-NH2)量(mol) に
対するN−カルボキシアシル置換後のキトサンのN−カ
ルボキシアシル基量(mol) の割合(%)をいう。カルボ
キシアシル基としては、具体的には、-COCH2CH2COOH 、
-C0CH=CHCOOH、-COC(=CH2)CH2COOH 等の脂肪族誘導体、
【0008】
【化1】
【0009】等の芳香族誘導体等が挙げられる。本発明
において、N−カルボキシアシルキトサンは、通常、塩
の形で用いられる。例えば、ナトリウム塩、カリウム
塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の無機塩、トリエ
タノールアミン塩、エタノールアミン塩、グリシン塩等
の有機塩等が挙げられる。塩にすることにより水に対す
る溶解性が向上するので、化粧品に配合する際に扱いが
容易になる。
【0010】N−カルボキシアシル化度が80%以上のN
−カルボキシアシルキトサンは、キトサンと分子内カル
ボン酸無水物とを、水と有機溶媒との混合溶媒中で懸濁
状態で反応させることにより製造することができる。キ
トサンとしては脱アセチル化度が通常50〜100 %、好ま
しくは75〜100 %であり、重合度が通常 100〜10000 で
あるものを使用する。また、使用するキトサンの粒径
は、特に制約はないが、反応効率を向上させるために5
mm以下が好ましく、さらに0.03〜1mmが好ましい。
【0011】分子内カルボン酸無水物としては、無水コ
ハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル
酸、無水トリメリト酸等が挙げられる。分子内カルボン
酸無水物の添加量は、特に制約はないが、経済性の面か
らキトサンのアミノ基量(mol) の1〜9倍量(mol) が好
ましく、3〜7倍量(mol) がより好ましい。
【0012】また、反応に用いる溶媒は、水と有機溶媒
との混合液である。該混合液中の水の含有量は、5〜70
容量%が好ましく、20〜50容量%が特に好ましい。水の
含有量が少なすぎるとキトサンが膨潤せずN−カルボキ
シアシル化反応が進行しない。有機溶媒としては、水と
混和性を有し、かつ使用する分子内カルボン酸無水物が
溶解するものであればいかなる有機溶媒であっても使用
することができる。具体的には、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n-プロパノール等のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テト
ラヒドロフランなどが挙げられる。アルコール類及びケ
トン類が反応効率及び経済性の向上の観点から好まし
い。
【0013】反応温度は、10〜50℃の範囲が好ましい。
反応時間は、1〜17時間が好ましい。また、触媒とし
て、酢酸、プロピオン酸等の有機酸の存在下で反応を行
うことも可能である。
【0014】本発明の化粧品用基材であるN−カルボキ
シアシルキトサンは、N−カルボキシアシル化度が80%
以上と高いことから、特にアルカリ金属塩やアミン塩と
した場合に弱酸性から中性付近のpH領域、具体的にはpH
5〜9付近の水に溶解すると溶液は清澄であり、沈殿を
生じることがない。よって、幅広い化粧料に配合するこ
とが可能であり、皮膚化粧料や頭髪化粧料で多く使われ
るpH5〜7の領域で使用しても沈殿を生じることがな
い。また、本発明によるN−カルボキシアシルキトサン
は皮膚や粘膜に対する刺激が少なく、皮膚に潤いを与え
るとともに皮膚を滑らかにし、毛髪を保護する作用を有
する。
【0015】本発明の化粧品用基材には、その他の成分
を配合することも可能である。配合可能な成分として
は、下記のものが挙げられる。コラーゲン、コラーゲン
加水分解物、エラスチン、エラスチン加水分解物、ラク
トフェリン、ケラチン、ケラチン加水分解物等のタンパ
ク質。ペプチド及びそれらの誘導体。ヒアルロン酸ナト
リウム、キサンタンガム、カラギーナン、グアーガム、
アルギン酸ナトリウム等の多糖類及びそれらの誘導体。
デオキシリボ核酸等の核酸類及びそれらの誘導体。甘草
エキス、アロエエキス、カモミラエキス、シソエキス、
ヘチマエキス、ホップエキス、モモ葉エキス、海草エキ
ス、コメヌカ発酵エキス、ハマメリス水、茶エキス等の
植物抽出物。
【0016】酵母エキス、プラセンタエキス、ローヤル
ゼリー、牛脳脂質、牛骨髄脂、牛血液除蛋白液等の動物
由来物。カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナ
トリウム、カルボキシメチルセルロース等の酸性ポリマ
ー。ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロー
ス、ポリエチレングリコール等の中性ポリマー。カチオ
ン化セルロース、ポリエチレンイミン、カチオン化グア
ーガム等のカチオン性ポリマー。
【0017】エタノール、イソプロピルアルコール等の
低級アルコール類。パラアミノ安息香酸系紫外線吸収
剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収
剤、アントラニエール酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤。ビタミンC、リン
酸L−アスコルビルマグネシウム、酢酸dl−α−トコフ
ェノール、β−カロチン等のビタミン類。グリチルリチ
ン酸及びその塩類、グアイアズレン及びその誘導体、ア
ラントイン等の抗炎症剤。
【0018】パラ安息香酸メチル、パラ安息香酸エチル
等のパラ安息香酸エステル類。ソルビン酸、デヒドロ酢
酸、フェノキシエタノール、安息香酸等の防腐剤。エデ
ト酸、エデト酸二ナトリウム等のエデト酸及びその塩
類、フィチン酸、ヒドロキシエタンジスルホン酸等の金
属イオン封鎖剤。グリセリン、1,3-ブチレングリコー
ル、プロピレングリコール等の多価アルコール類。
【0019】L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸
ナトリウム、DL−アラニン、L−アルギニン、L−シ
ステイン、L−グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸
類。マルチトール、ソルビトール、キシロビオース、N
−アセチル−D−グルコサミン等の糖類、クエン酸、乳
酸、α−ヒドロキシ酢酸、ピロリドンカルボン酸等の有
機酸類。流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭
化水素類。
【0020】オリーブ油、ヤシ油、月見草油、ホホバ
油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油等の油脂。ラウリン酸、ミ
リスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸
等の脂肪酸。
【0021】ミリスチルアルコール、セタノール、セト
ステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニ
ルアルコール等の高級アルコール。ミリスチン酸イソプ
ロピル、パルミチン酸イソプロピル、オクタン酸セチ
ル、トリオクタン酸グリセリン、ミリスチン酸オクチル
ドデシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステア
リル等の脂肪酸エステル類。ラウリル硫酸アンモニウ
ム、ラウリル硫酸エタノールアミン、ラウリル硫酸ナト
リウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミンなどのアル
キル硫酸塩。
【0022】ポリオキシエチレン(2EO)ラウリルエ
ーテル硫酸トリエタノールアミン(なお、EOはエチレ
ンオキサイドで、EOの前の数値はエチレンオキサイド
の付加モル数を示す)、ポリオキシエチレン(3EO)
アルキル(炭素数11〜15のいずれかまたは2種以上の混
合物)エーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル硫酸塩。ラウリルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸トリエタノ
ールアミンなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩。ポリ
オキシエチレン(3EO)トリデシルエーテル酢酸ナト
リウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸
塩。
【0023】ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ラウ
ロイルサルコシントリエタノールアミン、ラウロイルメ
チル−β−アラニンナトリウム、ラウロイル−L−グル
タミン酸ナトリウム、ラウロイル−L−グルタミン酸ト
リエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸
ナトリウム、ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸トリエタ
ノールアミン、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウ
ム、ラウロイルメチルタウリンナトリウムなどのN−ア
シルアミノ酸塩。
【0024】エーテル硫酸アルカンスルホン酸ナトリウ
ム、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム、ウン
デシノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウム、
オクチルフェノキシジエトキシエチルスルホン酸ナトリ
ウム、オレイン酸アミノスルホコハク酸二ナトリウム、
スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸
ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル
(炭素数12〜15)エーテルリン酸(8〜10EO)、ポリ
オキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリ
ウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、テトラデセンス
ルホン酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤。
【0025】塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、
塩化ジポリオキシエチレンオレイルメチルアンモニウ
ム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩
化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化トリ(ポリ
オキシエチレン)ステアリルアンモニウム、塩化ポリオ
キシプロピレンメチルジエチルアンモニウム、塩化ミリ
スチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ラウリルト
リメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤。
【0026】2−アルキル−N−カルボキシメチル−N
−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデ
シルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリ
ウム、ウンデシル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボ
キシメチルイミダゾリニウムベタイン、ステアリルジヒ
ドロキシエチルベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢
酸ベタイン、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸ア
ミドプロピルベタイン、ヤシ油アルキル−N−カルボキ
シエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタ
インナトリウム、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエト
キシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムナ
トリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキ
シメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニ
ウムジナトリウムラウリル硫酸、N−ヤシ油脂肪酸アシ
ル−L−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン
酸塩などの両性界面活性剤。
【0027】ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜
14)エーテル(7EO)、ポリオキシエチレンオクチル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオレイン酸グリセリン、ポリオ
キシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレン
セチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルステアリル
ジエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール・ラノリ
ン(40EO)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチル
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデ
シルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンラノリ
ン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキ
シプロピレンステアリルエーテルなどのノニオン性界面
活性剤。
【0028】イソステアリン酸ジエタノールアミド、ウ
ンデシレン酸モノエタノールアミド、オレイン酸ジエタ
ノールアミド、牛脂脂肪酸モノエタノールアミド、硬化
牛脂脂肪酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノ
ールアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミ
ド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸
ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸エタノールアミド、
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸イソプロ
パノールアミド、ラウリン酸エタノールアミド、ラウリ
ン酸ジエタノールアミド、ラノリン脂肪酸ジエタノール
アミドなどの増粘剤。
【0029】鎖状または環状メチルポリシロキサン、メ
チルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン
ポリエチレングリコール共重合体、ジメチルポリシロキ
サンポリプロピレン共重合体、アミノ変性シリコンオイ
ル、第4級アンモニウム変性シリコンオイルなどのシリ
コンオイル。
【0030】上記の成分の中で好ましいのは、コラーゲ
ン、多価アルコール及びカチオン化セルロースである。
N−カルボキシアシル化度が80%のN−カルボキシアシ
ルキトサンに、更にコラーゲンを添加した化粧品用基材
は、N−カルボキシアシルキトサンを単独で使用した場
合に比べて保湿性がより向上する。N−カルボキシアシ
ル化度が80%のN−カルボキシアシルキトサンに、更に
多価アルコールを添加した化粧品用基材も、N−カルボ
キシアシルキトサンを単独で使用した場合に比べて保湿
性がより向上する。また、N−カルボキシアシル化度が
80%のN−カルボキシアシルキトサンに、更にカチオン
化セルロースを添加した化粧品用基材は、N−カルボキ
シアシルキトサンを単独で使用した場合に比べて柔軟で
ありながらセット性の良好な化粧料を得ることができ
る。
【0031】本発明の化粧品用基材が配合される化粧品
としては、化粧水、乳液、美容液、一般クリーム、クレ
ンジングクリーム等の洗顔料、パック、髭剃り用クリー
ム、日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、日焼け止め
ローション、日焼けローション、化粧石鹸、ファンデー
ション、おしろい、パウダー、口紅、リップクリーム、
アイライナー、アイクリーム、アイシャドウ、マスカ
ラ、浴用化粧品、シャンプー、リンス、染毛料、頭髪用
化粧品等の各種化粧品が挙げられる。その配合量は化粧
品組成物中、0.01〜10重量%程度が好ましい。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明の範囲は、これらの実施例によって限定されるもの
ではない。
【0033】〔調製例1〕脱アセチル化度94%のキトサ
ン粉末(粒径1mm) 5.0g(アミノ基:0.029 モル)と
水−アセトン混合溶媒(アセトン濃度:70容量%)50ml
とを混合した後、さらに無水コハク酸 9.0g(0.090 モ
ル)を添加し、懸濁状態で40℃で一晩反応させた。反応
終了後、ガラスフィルターを用いて析出物を濾別して、
水−アセトン混合溶媒(アセトン濃度:70容量%)及
び、水−メタノール混合溶媒(メタノール濃度:80容量
%)を用いて洗浄した。洗浄後、該析出物に水−メタノ
ール混合溶媒(メタノール濃度:80容量%)に水酸化ナ
トリウムを8重量%濃度で溶解した溶液50mlを添加して
室温で3時間放置した。次いで、沈殿を濾別し、水−メ
タノール混合溶媒(メタノール濃度:80容量%)及びア
セトンを用いて洗浄後、風乾した。このようにしてN−
サクシニルキトサンのナトリウム塩 8.3gが得られた。
得られたN−サクシニルキトサンのナトリウム塩のN−
サクシニル化度は83%であった。また、得られたN−サ
クシニルキトサンのナトリウム塩を水に 0.5重量%濃度
となるように混合したところ、不溶解分は 3.8重量%で
あった。
【0034】〔調製例2〕脱アセチル化度94%のキトサ
ン粉末(粒径1mm) 1.0g(アミノ基:0.006 モル)を
脱塩水50mlに分散して、酢酸1gを添加し、攪拌して溶
解した。得られた溶液にメタノール50mlをゆっくりと加
えて攪拌し、無水コハク酸 0.9g(0.009モル)をアセト
ン10mlに溶解した溶液を添加した。室温で一晩反応させ
た後、脱塩水50mlと5N水酸化ナトリウム水溶液15mlを
加えた。得られた溶液をガラスフィルターにより濾過し
て不溶解分を除去した後、透析した。透析終了後、溶液
を凍結乾燥してN−サクシニルキトサンのナトリウム塩
1.28gが得られた。得られたN−サクシニルキトサンの
ナトリウム塩のN−サクシニル化度は52%であった。
【0035】〔実施例1〕調製例1で調製したN−サク
シニルキトサンの水溶液(1重量%濃度)1重量部と表
1に示したような種々のpHの緩衝液9重量部を混合し、
各溶液の状態を観察した。また、比較として調製例2で
調製したN−サクシニルキトサンを用いて同様にして溶
液を調製し、各溶液の状態を観察した。それらの結果を
表1に示す。但し緩衝液としては0.05Mクエン酸緩衝液
(pH 5.0〜6.0 )及び、0.05M Tris-塩酸緩衝液を用い
た。
【0036】
【表1】
【0037】〔実施例2〕調製例1で調製したN−サク
シニルキトサンを用いて表2の処方1にしたがって化粧
水を調製した。得られた化粧水は清澄であり、pHは5.49
であった。また、比較として、調製例2で調製したN−
サクシニルキトサンを用いて表2の処方2にしたがって
化粧水を調製した。得られた化粧水は白濁し、pHは5.45
であった。
【0038】
【表2】
【0039】〔実施例3〕化粧水の調製 調製例1で調製したN−サクシニルキトサンを用いて、
表3の処方3にしたがって(1)〜(8)の各成分を配合し、
攪拌して溶解することにより化粧水を調製した。また、
比較として、表3の処方4にしたがって、同様に化粧水
を調製した。得られた化粧水はいずれも清澄であった。
また、これらの化粧水を40℃、RH75%の条件下で3カ月
間保存したところ、白濁を生じることなく安定であっ
た。
【0040】
【表3】
【0041】官能試験 これらの化粧水について、専門パネラー10名による官能
試験を行った。評価は下記の項目について5段階の評点
評価を実施した。 (A) 肌のべたつき 1 べたつく 2 ややべたつく 3 普通 4 ややさっぱり 5 さっぱり (B) 肌のしっとりさ 1 かさつく 2 ややかさつく 3 普通 4 ややしっとりする 5 しっとりする 専門パネラー10名の評点の平均を表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】表4から明らかなように、N−サクシニル
キトサンを配合した処方3による化粧水は、比較の処方
4による化粧水より優れた保湿性を示した。
【0044】〔実施例4〕乳液の調製 下記の処方5に示した(1)〜(8)の各成分を混合して攪拌
した(混合物A)。また、下記の処方5に示した(9)〜
(14)の各成分を混合して攪拌した(混合物B)。混合物
Aに混合物Bを加えてホモジナイズし、攪拌しながら冷
却した。
【0045】処方5 (1) 流動パラフィン 9.50重量% (2) モノステアリン酸プロピレングリコール 0.30重量
% (3) トリオクタン酸グリセリン 2.50重量% (4) ベヘニルアルコール 0.50重量% (5) メチルポリシロキサン 0.10重量% (6) モノステアリン酸グリセリン 1.00重量% (7) ポリオキシエチレン(10EO)モノステアリン酸 3.00
重量% (8) ブチルパラベン 0.10重量% (9) カーボボール941 (カルボキシビニルポリマー1%
水溶液、Goodrich社製)30.00 重量% (10)1,3-ブチレングリコール 5.00重量% (11)メチルパラベン 0.10重量% (12)N-ヤシ油脂肪酸・硬化牛脂脂肪酸アシル-L- グルタ
ミン酸ナトリウム 0.50重量% (13)調製例1で調製したN−サクシニルキトサンの 1.0
重量%水溶液 5.00重量% (14)精製水 42.40重量% 得られた乳液を、40℃、RH75%の条件下で3カ月保存し
たところ安定であった。また、得られた乳液は使用中に
べたつかず、肌をしっとりさせるものであった。
【0046】〔実施例5〕シャンプーの製造 下記の処方6に示した(1)〜(8)の各成分を70℃で混合し
て攪拌した。
【0047】処方6 (1) ラウリル硫酸トリエタノールアミン 17.00重量% (2) ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 14.00重量% (3) ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 2.00重量% (4) ジステアリン酸エチレングリコール 2.00重量% (5) 参考例1で調製したN−サクシニルキトサンの 1.0
%水溶液 5.00重量% (6) プロピレングリコール 3.00重量% (7) パラオキシ安息香酸メチル 0.20重量% (8) 精製水 56.80重量% 得られたシャンプーを、40℃、RH75%の条件下で3カ月
間保存したところ安定であった。また、得られたシャン
プーを用いて洗髪したところ、髪の感触が滑らかで、髪
に潤いを与えるものであった。
【0048】〔実施例6〕クリームの製造 下記の処方7に示した(1)〜(7)の各成分を混合して攪拌
した(混合物A)。また、下記の処方7に示した(8)〜
(11)の各成分を混合して攪拌した(混合物B)。混合物
Aに混合物Bを加えてホモジナイズし、攪拌しながら冷
却した。
【0049】(1) 流動パラフィン 8.00重量% (2) セタノール 0.50重量% (3) ステアリルアルコール 2.00重量% (4) ミリスチン酸イソプロピル 2.00重量% (5) モノステアリン酸グリセリン 0.50重量% (6) POE(20) セチルエーテル 1.00重量% (7) プロピルパラベン 0.10重量% (8) カーボボール981(0.5 %水溶液) 20.00重量% (9) 参考例1で調製したN−サクシニルキトサンの 1.0
%水溶液 5.00重量% (10)メチルパラベン 0.10重量% (11)精製水 60.80重量% 得られたクリームを、40℃、RH75%の条件下で3カ月間
保存したところ安定であった。また、得られたクリーム
は使用中にべたつかず、肌をしっとりとさせるものであ
った。
【0050】
【発明の効果】本発明の化粧品用基材は水溶性であり、
弱酸性から中性付近のpH領域においても安定で沈殿を生
じることがない。また、本発明の化粧品用基材は皮膚化
粧品や毛髪化粧品に配合することにより、皮膚又は毛髪
に潤いを与えるとともに皮膚をなめらかにしたり毛髪を
保護する作用を有する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−カルボキシアシル化度が80%以上の
    N−カルボキシアシルキトサンを含む化粧品用基材。
  2. 【請求項2】 N−カルボキシアシル化度が80%以上の
    N−カルボキシアシルキトサン及びコラーゲンを含む化
    粧品用基材。
  3. 【請求項3】 N−カルボキシアシル化度が80%以上の
    N−カルボキシアシルキトサン及び多価アルコールを含
    む化粧品用基材。
  4. 【請求項4】 N−カルボキシアシル化度が80%以上の
    N−カルボキシアシルキトサン及びカチオン化セルロー
    スを含む化粧品用基材。
  5. 【請求項5】 N−カルボキシアシルキトサンがN−サ
    クシニルキトサンである、請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の化粧品用基材。
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