JPH1035522A - 車両用操舵制御装置 - Google Patents

車両用操舵制御装置

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JPH1035522A
JPH1035522A JP19112796A JP19112796A JPH1035522A JP H1035522 A JPH1035522 A JP H1035522A JP 19112796 A JP19112796 A JP 19112796A JP 19112796 A JP19112796 A JP 19112796A JP H1035522 A JPH1035522 A JP H1035522A
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steering
valve
plungers
reaction force
valve shaft
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Akira Hasegawa
晃 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で部品点数が増加することなく、
操舵トルク−油圧特性の関係において大きなヒステリシ
スを付与することができる車両用操舵制御装置を得る。 【解決手段】 制御弁10では、操舵反力制御部40の
プランジャ46A、46B及びプランジャ47A、47
Bが、バルブシャフト16のレバー部44と直交する軸
線に対して、所定角度傾斜して移動可能に保持されてい
る。ステアリング操作によってバルブシャフト16がプ
ランジャ46A、46B、プランジャ47A、47Bを
押圧し油圧により反力が作用する際には、各プランジャ
の外周部分に摺動摩擦抵抗が発生する。これにより、操
舵トルク−油圧特性においてヒステリシスを生じること
になり、良好な操舵フィーリングを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両用
の車両用操舵制御装置に係り、特に、操舵補助力を得る
ためのアシスト機構とステアリング操舵力に反力を与え
るための操舵反力機構とを備えた車両用操舵制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両用の操舵制御装置(例え
ば、油圧式のパワーステアリング装置)において、油圧
制御弁を備えたパワーステアリング装置が知られている
(例えば、実開平2−117969号公報)。
【0003】この公報に示されたパワーステアリング装
置では、油圧制御弁はバルブシャフトとバルブボディと
を備えた所謂ロータリー式バルブとされており、バルブ
シャフトとバルブボディとの相対変位によって液圧を給
排制御できるようになっている。また、この油圧制御弁
では、ステアリング操舵力に反力を与えるための油圧反
力機構を備えている。油圧反力機構は、油圧制御弁のバ
ルブシャフトに係合するピストンを備えている。このピ
ストンが油圧によりバルブシャフトを押圧する力が操舵
反力として作用し、これにより、操舵機構のステアリン
グ操舵力に所定の反力が与えられ、安定した操舵フィー
リングが得られる構成である。
【0004】またさらに、各ピストンの中間部外周には
環状溝が形成されると共にOリングが嵌合されており、
これらによって摩擦力付与手段が構成されている。これ
により、操舵トルク−油圧特性の特性線図においてヒス
テリシスが生じるように構成されている。これにより、
ステアリング操作開始時(切り込み時)の手応え感が向
上すると共にステアリングホイール保舵時の保舵力が低
減され、更に良好な操舵フィーリングを得ることができ
る。
【0005】しかしながら、このような油圧制御弁を用
いたパワーステアリング装置では、前述の如くピストン
の外周に摩擦力付与手段を設けて操舵特性に対してヒス
テリシスを与える構成であり、Oリングやこれを収容す
る環状溝を設ける必要があるため、構成が複雑で部品点
数も多くなる欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、簡単な構造で部品点数が増加することなく、操舵
トルク−油圧特性において大きなヒステリシスを付与す
ることができる車両用操舵制御装置を得ることが目的で
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の車
両用操舵制御装置は、ステアリングホイールと操舵輪を
機械的に連結する操舵機構と、バルブシャフトとバルブ
ボディとから成り前記操舵機構の途中に配設された油圧
制御弁を有し、油圧源からの油液を前記油圧制御弁の前
記バルブシャフトとバルブボディの相対変位によって制
御して操舵トルクに応じて操舵補助力を得るアシスト機
構と、前記操舵機構の途中に前記アシスト機構の油圧制
御弁に連係して設けられ、油圧源からの油液によって付
勢されて前記バルブシャフトに操舵反力を与えると共に
互いに反力方向が対向する少なくとも一対のプランジャ
を有し、ステアリング操舵力に与える反力を制御する操
舵反力機構と、を備えた車両用操舵制御装置において、
前記一対のプランジャの移動方向を、前記バルブシャフ
トによる押圧方向に対し所定角度傾斜して設けた、こと
を特徴としている。
【0008】請求項1に記載の車両用操舵制御装置で
は、ステアリングホイールが操作されると、操舵機構に
よって操舵輪が操舵されると共にこれに応じてアシスト
機構が作動し(油圧制御弁のバルブシャフトとバルブボ
ディが相対変位し)、これによって油圧源からの油液の
液圧が給排制御され、操舵トルクに応じた操舵補助力が
付与される。さらに、アシスト機構の油圧制御弁に連係
して操舵反力機構が作動し、一対のプランジャへ油圧が
供給されて操舵機構のステアリング操舵力に所定の反力
が与えられ、安定した操舵フィーリングが得られる。
【0009】この場合、操舵反力機構においては、バル
ブシャフトによる押圧方向に対し一対のプランジャの移
動方向が所定角度傾斜して設けられているため、換言す
れば、油圧制御弁作動時におけるバルブシャフトからプ
ランジャへの入力の方向とプランジャの実際の移動方向
とが相違(傾斜)するため、プランジャの移動に伴って
プランジャの外周部分に摺動摩擦抵抗が発生する。これ
により、操舵トルク−油圧特性においてヒステリシスを
生じることになり、ステアリング操作開始時(切り込み
時)の手応え感が向上すると共にステアリングホイール
保舵時の保舵力が低減され、良好な操舵フィーリングを
得ることができる。
【0010】また、このように単にプランジャの移動方
向をバルブシャフトによる押圧方向に対し所定角度傾斜
して設けるのみで、前記操舵トルク−油圧特性における
ヒステリシスを得ることができるため、換言すれば、従
来の如くヒステリシス特性を得るためにプランジャにO
リングやこれを収容する環状溝を設ける必要がないた
め、構成が簡単となり部品点数が増加することもない。
【0011】さらに、プランジャの傾斜状態を変更すれ
ば、プランジャの外周部分に発生する摺動摩擦抵抗が変
更されることになり、ヒステリシス特性を調整すること
もできる。
【0012】このように、請求項1に記載の車両用操舵
制御装置では、簡単な構造で部品点数が増加することな
く、操舵トルク−油圧特性において大きなヒステリシス
を付与することができる。
【0013】請求項2に係る発明の車両用操舵制御装置
は、請求項1記載の車両用操舵制御装置において、前記
バルブシャフトは、前記プランジャを押圧するレバー部
を有し、前記一対のプランジャは、前記レバー部に直交
する軸線に対して所定角度傾斜して移動可能に保持され
た、ことを特徴としている。
【0014】請求項2に記載の車両用操舵制御装置で
は、操舵反力機構が作動する際には、バルブシャフトの
レバー部がプランジャを押圧する。
【0015】ここで、一対のプランジャはレバー部に直
交する軸線に対して所定角度傾斜して移動可能に保持さ
れているため、換言すれば、油圧制御弁作動時における
バルブシャフトのレバー部からプランジャへの入力の方
向とプランジャの実際の移動方向とが相違(傾斜)する
ため、プランジャの移動に伴ってプランジャの外周部分
に摺動摩擦抵抗が発生する。これにより、操舵トルク−
油圧特性においてヒステリシスが生じる。
【0016】このように、請求項2に記載の車両用操舵
制御装置では、簡単な構造で部品点数が増加することな
く、操舵トルク−油圧特性において大きなヒステリシス
を付与することができる。
【0017】請求項3に係る発明の車両用操舵制御装置
は、ステアリングホイールと操舵輪を機械的に連結する
操舵機構と、バルブシャフトとバルブボディとから成り
前記操舵機構の途中に配設された油圧制御弁を有し、油
圧源からの油液を前記油圧制御弁の前記バルブシャフト
とバルブボディの相対変位によって制御して操舵トルク
に応じて操舵補助力を得るアシスト機構と、前記操舵機
構の途中に前記アシスト機構の油圧制御弁に連係して設
けられ、油圧源からの油液によって付勢されて前記バル
ブシャフトに操舵反力を与えると共に互いに反力方向が
対向する少なくとも一対のプランジャを有し、ステアリ
ング操舵力に与える反力を制御する操舵反力機構と、を
備えた車両用操舵制御装置において、前記バルブシャフ
トによる前記プランジャの押圧方向を、前記一対のプラ
ンジャの移動方向に対して所定角度傾斜して設けた、こ
とを特徴としている。
【0018】請求項3に記載の車両用操舵制御装置で
は、ステアリングホイールが操作されると、操舵機構に
よって操舵輪が操舵されると共にこれに応じてアシスト
機構が作動し(油圧制御弁のバルブシャフトとバルブボ
ディが相対変位し)、これによって油圧源からの油液の
液圧が給排制御され、操舵トルクに応じた操舵補助力が
付与される。さらに、アシスト機構の油圧制御弁に連係
して操舵反力機構が作動し、一対のプランジャへ油圧が
供給されて操舵機構のステアリング操舵力に所定の反力
が与えられ、安定した操舵フィーリングが得られる。
【0019】この場合、操舵反力機構においては、一対
のプランジャの移動方向に対してバルブシャフトによる
押圧方向が所定角度傾斜して設けられているため、換言
すれば、油圧制御弁作動時におけるバルブシャフトから
プランジャへの入力の方向とプランジャの実際の移動方
向とが相違(傾斜)するため、プランジャの移動に伴っ
てプランジャの外周部分に摺動摩擦抵抗が発生する。こ
れにより、操舵トルク−油圧特性においてヒステリシス
を生じることになり、ステアリング操作開始時(切り込
み時)の手応え感が向上すると共にステアリングホイー
ル保舵時の保舵力が低減され、良好な操舵フィーリング
を得ることができる。
【0020】また、このように単にバルブシャフトによ
る押圧方向をプランジャの移動方向に対し所定角度傾斜
して設けるのみで、前記操舵トルク−油圧特性における
ヒステリシスを得ることができるため、換言すれば、従
来の如くヒステリシス特性を得るためにプランジャにO
リングやこれを収容する環状溝を設ける必要がないた
め、構成が簡単となり部品点数が増加することもない。
【0021】さらに、バルブシャフトによるプランジャ
の押圧方向(傾斜状態)を変更すれば、プランジャの外
周部分に発生する摺動摩擦抵抗が変更されることにな
り、ヒステリシス特性を調整することもできる。
【0022】このように、請求項3に記載の車両用操舵
制御装置では、簡単な構造で部品点数が増加することな
く、操舵トルク−油圧特性において大きなヒステリシス
を付与することができる。
【0023】請求項4に係る発明の車両用操舵制御装置
は、請求項3記載の車両用操舵制御装置において、前記
一対のプランジャは、互いに同一軸線上または平行軸線
上を移動するように保持され、前記バルブシャフトは、
前記同一軸線または平行軸線に対して所定角度傾斜して
形成され前記プランジャを押圧する傾斜レバー部を有す
る、ことを特徴としている。
【0024】請求項4に記載の車両用操舵制御装置で
は、操舵反力機構が作動する際には、バルブシャフトの
傾斜レバー部がプランジャを押圧する。
【0025】ここで、一対のプランジャは互いに同一軸
線上または平行軸線上を移動するように保持され、バル
ブシャフトの傾斜レバー部は、前記同一軸線または平行
軸線に対して所定角度傾斜してプランジャを押圧するた
め、換言すれば、油圧制御弁作動時におけるバルブシャ
フトの傾斜レバー部からプランジャへの入力の方向とプ
ランジャの実際の移動方向とが相違(傾斜)するため、
プランジャの移動に伴ってプランジャの外周部分に摺動
摩擦抵抗が発生する。これにより、操舵トルク−油圧特
性においてヒステリシスが生じる。
【0026】このように、請求項4に記載の車両用操舵
制御装置では、簡単な構造で部品点数が増加することな
く、操舵トルク−油圧特性において大きなヒステリシス
を付与することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1には本発明の第1の実施の形
態に係る車両用操舵制御装置の全体構成が示されてい
る。
【0028】車両用操舵制御装置は制御弁10を含んで
構成されている。この制御弁10は円筒状をしたバルブ
ハウジング12を有しており、バルブハウジング12内
にはバルブボディ14が相対回転可能に配置されてい
る。このバルブボディ14は円筒状をしており、ピニオ
ン軸15(出力軸)にピン17を介して一体回転可能に
連結されている。
【0029】バルブボディ14には、バルブシャフト1
6が相対回転可能に嵌合されている。このバルブシャフ
ト16は、図示しない入力軸に連結されている。
【0030】また、バルブシャフト16の軸芯部分に
は、トーションバー18が配置されている。トーション
バー18は一端がバルブシャフト16(入力軸)に連結
されると共に、他端がピニオン軸15に連結されてい
る。すなわち、バルブシャフト16(入力軸)はトーシ
ョンバー18を介してピニオン軸15に連結された構成
であり、ステアリングホイールの回動操作によってトー
ションバー18が捩じられると、ピニオン軸15に連結
されたバルブボディ14と入力軸に連結されたバルブシ
ャフト16との間に相対的な角度変位を生じるようにな
っている。
【0031】バルブボディ14の外周面には、環状溝2
0A、20B、20Cが軸方向に所定間隔で形成されて
おり、中央の環状溝20Bは油圧回路を介して図示しな
い油圧ポンプに連結され、軸方向上側の環状溝20Aは
パワーシリンダ(図示省略)の例えば右側の油室に連結
され、軸方向下側の環状溝20Cはパワーシリンダの例
えば左側の油室に連結されている。
【0032】図3に示す如く、バルブボディ14の内周
面には、軸方向に延びるランド部22と凹溝24とが、
円周方向に沿って交互に形成されている。バルブボディ
14には、中央の環状溝20Bを介して油圧ポンプから
の油圧を制御弁10内に導入するプレッシャ油孔26が
ランド部22の径方向に貫通形成されている。また、パ
ワーシリンダの例えば右側の油室に油圧を吸排する一方
の環状溝20Aに連通する吸排油孔28が凹溝24に形
成され、パワーシリンダの例えば左側の油室に油圧を吸
排する他方の環状溝20Cに連通する吸排油孔30が凹
溝24に形成されている。
【0033】また、バルブシャフト16の外周面には、
軸方向に延びるランド部32と凹溝34とが円周方向に
沿って交互に形成されている。バルブシャフト16に
は、バルブボディ14のプレッシャ油孔26の形成され
ていないランド部22に対向する凹溝34に、圧力油を
バルブシャフト16の内周空間部38に導く連通油孔3
6が貫通形成されている。
【0034】さらに、バルブシャフト16には、バルブ
ボディ14に対応しない部位に圧力油をリザーバタンク
(図示省略)に導く戻し油孔19が貫通形成されてい
る。
【0035】このバルブシャフト16とバルブボディ1
4とは、トーションバー18が捩じれていない状態(ス
テアリングの中立状態)において、バルブボディ14の
凹溝24とバルブシャフト16のランド部32とが図3
に示すように周方向中心部を一致させて対向しており、
ランド部32の周方向両側にはバルブボディ14のラン
ド部22との間に所定の隙間39が形成されるようにな
っている。この隙間39は、バルブシャフト16とバル
ブボディ14とが相対回転するときに絞部となる。
【0036】一方、バルブボディ14の図1下側のバル
ブハウジング12内には、操舵反力制御部40が設けら
れている。図2に詳細に示す如く、操舵反力制御部40
は、バルブシャフト16の下端部が嵌入するプランジャ
保持器42を備えている。プランジャ保持器42には、
外周側に一対の凹部48が形成されており、この凹部4
8とバルブハウジング12との間が油圧室50とされて
いる。
【0037】また、油圧室50に対応するプランジャ保
持器42には、一対二組(4個)のプランジャ46A、
46B、及びプランジャ47A、47Bがそれぞれ移動
可能に保持されている。ここで、一対のプランジャ46
A、46Bは、バルブシャフト16の軸線に直交する断
面視(すなわち、図2)において、バルブシャフト16
の軸線に直交する軸線(図2仮想線L1 )に対して所定
角度傾斜して移動可能に保持されている。また、これと
同様に、一対のプランジャ47A、47Bは、バルブシ
ャフト16の軸線に直交する断面視(すなわち、図2)
において、バルブシャフト16の軸線に直交する軸線
(図2仮想線L2 )に対して所定角度傾斜して移動可能
に保持されている。
【0038】さらに、これらのプランジャ46A、46
B、及びプランジャ47A、47Bは、それぞれ一側面
が油圧室50に面している。各プランジャ46A、46
B、及びプランジャ47A、47Bの油圧室50と反対
側には、突起49が形成されており、バルブシャフト1
6の下端部に形成された一対の平板状のレバー部44の
各々の側面に対向している。これにより、プランジャ4
6は、油圧室50の圧力上昇によって突起49がレバー
部44を押圧するようになっている。
【0039】次に、本第1の実施の形態の作用を説明す
る。上記構成の制御弁10(車両用操舵制御装置)で
は、油圧ポンプから供給される圧力油は、分流弁によっ
て分流された後に、制御弁10の中央の環状溝20B、
プレッシャ油孔26を介してバルブシャフト16の凹溝
34に導入され、凹溝34の周方向両側の隙間39を介
して、両側に隣接するバルブボディ14の凹溝24に導
入される。凹溝24に導入された圧力油は、この凹溝2
4における前記凹溝34とは反対側の隙間39を介して
連通油孔36に連通された凹溝34に導入され、連通油
孔36、内周空間部38を介してリザーバタンクに戻さ
れる。
【0040】ステアリングが中立状態である場合には、
トーションバー18に捩じれが生じないので、図3に示
すようにプレッシャ油孔26に対向する凹溝34の周方
向両側に位置する隙間39の開口面積は等しくなる。こ
のときには、プレッシャ油孔26の形成されたランド部
22の両側の凹溝24間には圧力差が生じず、パワーシ
リンダの右側の油室の圧力と左側の油室の圧力とは等し
くなり、パワーシリンダにアシスト力は生じない。
【0041】ステアリングホイールが回転操作されトー
ションバー18に捩じれが生じると、バルブボディ14
とバルブシャフト16との間に相対的な角度変位を生
じ、凹溝34の周方向両側の隙間39の開口面積に差が
生じる。これにより、プレッシャ油孔26の形成された
ランド部22の両側の凹溝24間に一方の隙間39(回
転方向の反対側の隙間)が絞られることによって圧力差
が生じ、これらに連結するパワーシリンダの両油室間に
も圧力差が生じて操舵方向にアシスト力が生じる。ま
た、バルブシャフト16がバルブボディ14に対し相対
変位する際には、バルブシャフト16のレバー部44
が、プランジャ46A、47Aまたはプランジャ46
B、47Bを押圧する。
【0042】さらに、車速の増加に伴って油量が増加し
て操舵反力制御部40(油圧室50)にかかる反力圧が
増加される。これにより、プランジャ46A、47Aま
たはプランジャ46B、47Bによる反力(図2矢印F
R またはFL )が大きくなる。したがって、ステアリン
グ操舵力としては、トーションバー18の捩じりトルク
に加えてプランジャ46A、47Aまたはプランジャ4
6B、47Bによる反力が作用するため、手応え感のあ
る安定した操舵フィーリングが得られる。
【0043】ここで、制御弁10(車両用操舵制御装
置)では、操舵反力制御部40において、プランジャ4
6A、46Bがバルブシャフト16のレバー部44に直
交する軸線(図2仮想線L1 )に対して所定角度傾斜し
て保持されると共に、プランジャ47A、47Bもバル
ブシャフト16のレバー部44に直交する軸線(図2仮
想線L2 )に対して所定角度傾斜して保持されているた
め、換言すれば、制御弁10の作動時におけるバルブシ
ャフト16(レバー部44)からプランジャ46A、4
6B及びプランジャ47A、47Bへの入力の方向と、
これらのプランジャ46A、46B及びプランジャ47
A、47Bの実際の移動方向とが相違(傾斜)するた
め、プランジャ46A、46B及びプランジャ47A、
47Bの移動に伴って各プランジャの外周部分(すなわ
ち、プランジャ保持器42との間)に摺動摩擦抵抗が発
生する。これにより、操舵トルク−油圧特性においてヒ
ステリシスを生じることになり、ステアリング操作開始
時(切り込み時)の手応え感が向上すると共にステアリ
ングホイール保舵時の保舵力が低減され、良好な操舵フ
ィーリングを得ることができる。
【0044】また、このように単にプランジャ46A、
46B及びプランジャ47A、47Bの移動方向を、バ
ルブシャフト16のレバー部44による押圧方向に対し
所定角度傾斜して設けるのみで、前記操舵トルク−油圧
特性におけるヒステリシスを得ることができるため、換
言すれば、従来の如くヒステリシス特性を得るためにプ
ランジャにOリングやこれを収容する環状溝を設ける必
要がないため、構成が簡単となり部品点数が増加するこ
ともない。
【0045】さらに、プランジャ46A、46B及びプ
ランジャ47A、47Bの傾斜状態を変更すれば、プラ
ンジャ46A、46B及びプランジャ47A、47Bの
外周部分に発生する摺動摩擦抵抗が変更されることにな
り、ヒステリシス特性を調整することもできる。
【0046】このように、制御弁10(車両用操舵制御
装置)では、簡単な構造で部品点数が増加することな
く、操舵トルク−油圧特性において大きなヒステリシス
を付与することができる。
【0047】次に、本発明の他の実施の形態を説明す
る。なお、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部品
には第1の実施の形態と同一の符号を付与しその説明を
省略する。
【0048】図4には第2の実施の形態に係る制御弁6
0の操舵反力制御部62が示されている。この操舵反力
制御部62では、一対のプランジャ46A、46Bのみ
が、バルブシャフト16の軸線に直交する断面視(図
4)において、バルブシャフト16のレバー部44に直
交する軸線(図4仮想線L1 )に対して所定角度傾斜し
て移動可能に保持されており、一方、一対のプランジャ
47A、47Bは、バルブシャフト16のレバー部44
に直交する軸線に沿って移動可能に保持されている。
【0049】この制御弁60(操舵反力制御部62)で
は、バルブシャフト16がバルブボディ14に対し相対
変位する際には、バルブシャフト16のレバー部44
が、プランジャ46A、47Aまたはプランジャ46
B、47Bを押圧する。さらに、車速の増加に伴って油
量が増加して操舵反力制御部62(油圧室50)にかか
る反力圧が増加される。これにより、プランジャ46
A、47Aまたはプランジャ46B、47Bによる反力
が大きくなる。したがって、ステアリング操舵力として
は、トーションバー18の捩じりトルクに加えてプラン
ジャ46A、47Aまたはプランジャ46B、47Bに
よる反力が作用するため、手応え感のある安定した操舵
フィーリングが得られる。
【0050】またここで、制御弁60では、操舵反力制
御部62において、プランジャ46A、46Bがバルブ
シャフト16のレバー部44に直交する軸線に対して所
定角度傾斜して保持されているため、プランジャ46
A、46Bの移動に伴って各プランジャの外周部分(プ
ランジャ保持器42との間)に摺動摩擦抵抗が発生す
る。これにより、操舵トルク−油圧特性においてヒステ
リシスを生じることになり、ステアリング操作開始時
(切り込み時)の手応え感が向上すると共にステアリン
グホイール保舵時の保舵力が低減され、良好な操舵フィ
ーリングを得ることができる。
【0051】また、このように単にプランジャ46A、
46Bの移動方向を、バルブシャフト16のレバー部4
4による押圧方向に対し所定角度傾斜して設けるのみ
で、前記操舵トルク−油圧特性におけるヒステリシスを
得ることができるため、構成が簡単となり部品点数が増
加することもない。
【0052】さらにこの場合にも、プランジャ46A、
46Bの傾斜状態を変更すれば、プランジャ46A、4
6Bの外周部分に発生する摺動摩擦抵抗が変更されるこ
とになり、ヒステリシス特性を調整することもできる。
【0053】このように、制御弁60では、簡単な構造
で部品点数が増加することなく、操舵トルク−油圧特性
において大きなヒステリシスを付与することができる。
【0054】図5には第3の実施の形態に係る制御弁7
0の操舵反力制御部72が示されている。この操舵反力
制御部72では、一方のプランジャ46Bとプランジャ
47Bのみが、バルブシャフト16の軸線に直交する断
面視(図5)において、バルブシャフト16のレバー部
44に直交する軸線に対して所定角度傾斜して移動可能
に保持されており、他方のプランジャ46Aとプランジ
ャ47Aは、バルブシャフト16のレバー部44に直交
する軸線に沿って移動可能に保持されている。
【0055】この制御弁70(操舵反力制御部72)に
おいても、プランジャ46A、46Bまたはプランジャ
47A、47Bによる反力によって、手応え感のある安
定した操舵フィーリングが得られる。
【0056】さらに、制御弁70では、操舵反力制御部
72において、プランジャ46Bとプランジャ47Bが
所定角度傾斜して保持されているため、プランジャ46
B、46Bの移動に伴って各プランジャの外周部分に摺
動摩擦抵抗が発生し、操舵トルク−油圧特性においてヒ
ステリシスを生じる。したがって、ステアリング操作開
始時(切り込み時)の手応え感が向上すると共にステア
リングホイール保舵時の保舵力が低減され、良好な操舵
フィーリングを得ることができる。
【0057】またこの場合にも、構成が簡単となり部品
点数が増加することがなく、ヒステリシス特性を調整す
ることもできる。
【0058】図6には第4の実施の形態に係る制御弁8
0の操舵反力制御部82が示されている。
【0059】この操舵反力制御部82は、前述した第1
の実施の形態に係る操舵反力制御部40と基本的に同一
構造であるが、一対のプランジャ46A、46B及びプ
ランジャ47A、47Bの傾斜方向が、バルブシャフト
16のレバー部44に直交する軸線に対して、前述とは
逆向きとなって保持されている。
【0060】この制御弁80(操舵反力制御部82)に
おいても、プランジャ46A、46Bまたはプランジャ
47A、47Bによる反力によって、手応え感のある安
定した操舵フィーリングが得られる。
【0061】さらに、制御弁80では、操舵反力制御部
82において、プランジャ46A、46B及びプランジ
ャ47A、47Bの移動に伴って各プランジャの外周部
分に摺動摩擦抵抗が発生し、操舵トルク−油圧特性にお
いてヒステリシスを生じる。したがって、ステアリング
操作開始時(切り込み時)の手応え感が向上すると共に
ステアリングホイール保舵時の保舵力が低減され、良好
な操舵フィーリングを得ることができる。
【0062】またこの場合にも、構成が簡単となり部品
点数が増加することがなく、ヒステリシス特性を調整す
ることもできる。
【0063】図7には第5の実施の形態に係る制御弁9
0の操舵反力制御部92が示されている。この操舵反力
制御部92では、一方のプランジャ46Bとプランジャ
47Bのみが、バルブシャフト16のレバー部44に直
交する軸線に対して所定角度傾斜して移動可能に保持さ
れており、他方のプランジャ46Aとプランジャ47A
は、バルブシャフト16のレバー部44に直交する軸線
に沿って移動可能に保持されている。
【0064】この制御弁90(操舵反力制御部92)に
おいても、プランジャ46A、46Bまたはプランジャ
47A、47Bによる反力によって、手応え感のある安
定した操舵フィーリングが得られる。またこの場合に
も、構成が簡単となり部品点数が増加することがなく、
ヒステリシス特性を調整することもできる。
【0065】図8には第6の実施の形態に係る制御弁1
00の操舵反力制御部102が示されている。
【0066】この操舵反力制御部102では、プランジ
ャ保持器42には、一対二組(4個)のプランジャ46
A、46B、及びプランジャ47A、47Bがそれぞれ
スライド可能に保持されている。ここで、各プランジャ
46A、46B及びプランジャ47A、47Bは、バル
ブシャフト16の軸線に直交する軸線(図8仮想線L 1
または仮想線L2 )に沿って移動可能に保持されてい
る。
【0067】一方、バルブシャフト16には、各プラン
ジャ46A、46B及びプランジャ47A、47Bに対
向して、一対の傾斜レバー部104が形成されている。
傾斜レバー部104は、前記プランジャ46A、46B
またはプランジャ47A、47Bの移動方向(図8仮想
線L1 または仮想線L2 )に対して所定角度傾斜する傾
斜面を有しており、この傾斜レバー部104の傾斜面が
プランジャ46A、46Bまたはプランジャ47A、4
7Bを押圧する構成である。換言すれば、バルブシャフ
ト16の傾斜レバー部104による各プランジャ46
A、46Bまたはプランジャ47A、47Bの押圧方向
が、これらのプランジャ46A、46Bまたはプランジ
ャ47A、47Bの移動方向に対して、所定角度傾斜し
て設けられた構成である。
【0068】この制御弁100(操舵反力制御部10
2)では、バルブシャフト16がバルブボディ14に対
し相対変位する際には、バルブシャフト16の傾斜レバ
ー部104が、プランジャ46A、47Aまたはプラン
ジャ46B、47Bを押圧する。さらに、車速の増加に
伴って油量が増加して操舵反力制御部102(油圧室5
0)にかかる反力圧が増加される。これにより、プラン
ジャ46A、47Aまたはプランジャ46B、47Bに
よる反力が大きくなる。したがって、ステアリング操舵
力としては、トーションバー18の捩じりトルクに加え
てプランジャ46A、47Aまたはプランジャ46B、
47Bによる反力が作用するため、手応え感のある安定
した操舵フィーリングが得られる。
【0069】またここで、制御弁100では、操舵反力
制御部102において、傾斜レバー部104の傾斜面が
プランジャ46A、46Bまたはプランジャ47A、4
7Bを押圧するため、すなわち、プランジャ46A、4
6Bまたはプランジャ47A、47Bの移動方向に対し
て傾斜レバー部104による押圧方向が所定角度傾斜し
て設けられているため、プランジャ46A、46Bまた
はプランジャ47A、47Bが移動する際には各プラン
ジャの外周部分(プランジャ保持器42との間)に摺動
摩擦抵抗が発生する。これにより、操舵トルク−油圧特
性においてヒステリシスを生じることになり、ステアリ
ング操作開始時(切り込み時)の手応え感が向上すると
共にステアリングホイール保舵時の保舵力が低減され、
良好な操舵フィーリングを得ることができる。
【0070】また、このように単に傾斜レバー部104
によるプランジャ46A、46Bまたはプランジャ47
A、47Bの押圧方向を、これらのプランジャ46A、
46Bまたはプランジャ47A、47Bの移動方向に対
して所定角度傾斜して設けるのみで、前記操舵トルク−
油圧特性におけるヒステリシスを得ることができるた
め、構成が簡単となり部品点数が増加することもない。
【0071】さらにこの場合にも、傾斜レバー部104
(傾斜面)の傾斜状態を変更すれば、プランジャ46
A、46Bの外周部分に発生する摺動摩擦抵抗が変更さ
れることになり、ヒステリシス特性を調整することもで
きる。
【0072】このように、制御弁100では、簡単な構
造で部品点数が増加することなく、操舵トルク−油圧特
性において大きなヒステリシスを付与することができ
る。
【0073】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係る車両用
操舵制御装置は、簡単な構造で部品点数が増加すること
なく、操舵トルク−油圧特性において大きなヒステリシ
スを付与することができるという優れた効果を有してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る制御弁(車両
用操舵制御装置)の全体構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る制御弁の操舵
反力制御部の軸線に直角な断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る制御弁の軸線
に直角な方向に沿った模式的な半断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る制御弁の操舵
反力制御部の軸線に直角な断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る制御弁の操舵
反力制御部の軸線に直角な断面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る制御弁の操舵
反力制御部の軸線に直角な断面図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係る制御弁の操舵
反力制御部の軸線に直角な断面図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態に係る制御弁の操舵
反力制御部の軸線に直角な断面図である。
【符号の説明】
10 制御弁(車両用操舵制御装置) 12 バルブハウジング 14 バルブボディ 15 ピニオン軸 16 バルブシャフト 18 トーションバー 40 操舵反力制御部 42 プランジャ保持器 44 レバー部 46A プランジャ 46B プランジャ 47A プランジャ 47B プランジャ 49 突起 50 油圧室 60 制御弁(車両用操舵制御装置) 62 操舵反力制御部 70 制御弁(車両用操舵制御装置) 72 操舵反力制御部 80 制御弁(車両用操舵制御装置) 82 操舵反力制御部 90 制御弁(車両用操舵制御装置) 92 操舵反力制御部 100 制御弁(車両用操舵制御装置) 102 操舵反力制御部 104 傾斜レバー部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールと操舵輪を機械
    的に連結する操舵機構と、 バルブシャフトとバルブボディとから成り前記操舵機構
    の途中に配設された油圧制御弁を有し、油圧源からの油
    液を前記油圧制御弁の前記バルブシャフトとバルブボデ
    ィの相対変位によって制御して操舵トルクに応じて操舵
    補助力を得るアシスト機構と、 前記操舵機構の途中に前記アシスト機構の油圧制御弁に
    連係して設けられ、油圧源からの油液によって付勢され
    て前記バルブシャフトに操舵反力を与えると共に互いに
    反力方向が対向する少なくとも一対のプランジャを有
    し、ステアリング操舵力に与える反力を制御する操舵反
    力機構と、 を備えた車両用操舵制御装置において、 前記一対のプランジャの移動方向を、前記バルブシャフ
    トによる押圧方向に対し所定角度傾斜して設けた、 ことを特徴とする車両用操舵制御装置。
  2. 【請求項2】 前記バルブシャフトは、前記プランジャ
    を押圧するレバー部を有し、 前記一対のプランジャは、前記レバー部に直交する軸線
    に対して所定角度傾斜して移動可能に保持された、 ことを特徴とする請求項1記載の車両用操舵制御装置。
  3. 【請求項3】 ステアリングホイールと操舵輪を機械的
    に連結する操舵機構と、 バルブシャフトとバルブボディとから成り前記操舵機構
    の途中に配設された油圧制御弁を有し、油圧源からの油
    液を前記油圧制御弁の前記バルブシャフトとバルブボデ
    ィの相対変位によって制御して操舵トルクに応じて操舵
    補助力を得るアシスト機構と、 前記操舵機構の途中に前記アシスト機構の油圧制御弁に
    連係して設けられ、油圧源からの油液によって付勢され
    て前記バルブシャフトに操舵反力を与えると共に互いに
    反力方向が対向する少なくとも一対のプランジャを有
    し、ステアリング操舵力に与える反力を制御する操舵反
    力機構と、 を備えた車両用操舵制御装置において、 前記バルブシャフトによる前記プランジャの押圧方向
    を、前記一対のプランジャの移動方向に対して所定角度
    傾斜して設けた、 ことを特徴とする車両用操舵制御装置。
  4. 【請求項4】 前記一対のプランジャは、互いに同一軸
    線上または平行軸線上を移動するように保持され、 前記バルブシャフトは、前記同一軸線または平行軸線に
    対して所定角度傾斜して形成され前記プランジャを押圧
    する傾斜レバー部を有する、 ことを特徴とする請求項3記載の車両用操舵制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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